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技術 ケーブル端末処理装置及びケーブル端末処理方法

出願人 株式会社HCI
発明者 奥山浩司萩原啓道
出願日 2017年12月28日 (3年1ヶ月経過) 出願番号 2017-254158
公開日 2019年7月22日 (1年7ヶ月経過) 公開番号 2019-122100
状態 未査定
技術分野 電線・ケーブルからの絶縁又は鎧装の除去 電線ケーブルの製造(1) 加工の種類に特徴のある切断
主要キーワード 回転座 分散ステップ ボアー 込駆動 ケーブル端末処理 エアチャック 端末処理装置 被覆除去装置
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (15)

課題

ケーブル外皮を除去した後、内部の電線を互いに分散する加工工程を自動化する。

解決手段

ケーブル端末処理装置11は、外皮に周方向の切込みを有するケーブル12について、切込みより端末と反対側の第1外皮15aを保持する第1保持手段40と、切込みより端末側の第2外皮15bを保持する第2保持手段42と、第1保持手段40と第2保持手段42を、互いに変位させる変位手段44と、電線14が収容される整線溝25が形成されている整線部材48と、整線部材48をケーブル12に対して移動させる移動手段52,53と、を備える。第1保持手段40と第2保持手段42とが変位して、第1外皮15aと第2外皮15bの間に電線14が露出する露出部62が形成される。移動手段52,53は、整線部材48を露出部62に向けて移動させて電線14を整線溝25に収容し、更に、ケーブル12の軸の方向に移動する。

概要

背景

コネクタ電子機器つなぐケーブルは、複数の信号を同時に送受信するため、複数の電線が、まとめてPVC(ポリ塩化ビニル)等の被覆層で覆われている。各電線は、導体からなる信号線が、PVC等の絶縁層被覆されている。
通常、ケーブルを電子機器等に接続するために、ケーブル端末の被覆層を取り除いた後、各電線の端末の絶縁層を除去して、信号線を露出させる必要がある。しかし、通常、ケーブルの内部では、電線は、互いに撚り合わされている。このため、電線の端末から絶縁層を除去するためには、撚り合わされた電線をバラバラに分散させる必要がある。この作業は煩雑であり、特に、電線の本数が多い場合には多大な工数を要する。このため、電線の絶縁層の除去を自動化するために、撚り合わされた電線を自動的にバラバラに分散させることができる処理装置要望されている。

概要

ケーブルの外皮を除去した後、内部の電線を互いに分散する加工工程を自動化する。ケーブル端末処理装置11は、外皮に周方向の切込みを有するケーブル12について、切込みより端末と反対側の第1外皮15aを保持する第1保持手段40と、切込みより端末側の第2外皮15bを保持する第2保持手段42と、第1保持手段40と第2保持手段42を、互いに変位させる変位手段44と、電線14が収容される整線溝25が形成されている整線部材48と、整線部材48をケーブル12に対して移動させる移動手段52,53と、を備える。第1保持手段40と第2保持手段42とが変位して、第1外皮15aと第2外皮15bの間に電線14が露出する露出部62が形成される。移動手段52,53は、整線部材48を露出部62に向けて移動させて電線14を整線溝25に収容し、更に、ケーブル12の軸の方向に移動する。

目的

本発明は、複数の電線が被覆層で被覆されたケーブルについて、被覆層を除去し、撚り合わされた電線を自動的にバラバラに分散させることができるケーブル端末処理装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

複数の電線がまとめて外皮被覆されたケーブルについて、端末から所定の範囲で前記外皮を除去し、前記電線を分散処理するケーブル端末処理装置であって、前記ケーブルは、端末から所定の位置で前記外皮に周方向の切込みを有しており、前記切込みより端末と反対側の前記外皮を第1外皮とし、前記切込みより端末側の前記外皮を第2外皮として、前記第1外皮を保持する第1保持手段と、前記第2外皮を保持する第2保持手段と、前記第1保持手段と前記第2保持手段を、前記ケーブルの軸の方向に互いに離反し、又は、接近する向きに変位させる変位手段と、前記ケーブルの軸と直交する一の方向に延在するとともに前記ケーブルの軸の方向及び前記一の方向のいずれにも直交する方向で所定の間隔をもって互いに対向する壁面を有し、前記壁面の間に、前記電線が収容される整線溝が形成されている整線部材と、前記整線部材を前記ケーブルに対して移動させる移動手段と、を備えており、前記第1保持手段と前記第2保持手段とが、前記ケーブルの軸の方向に互いに離反した時に前記第1外皮と前記第2外皮の間に前記電線が露出する露出部が形成され、前記移動手段は、前記整線部材を前記露出部に向けて移動させて前記電線を前記整線溝に収容し、更に、前記電線が前記整線溝に収容された状態で前記整線部材を前記ケーブルの軸の方向に移動させることを特徴とするケーブル端末処理装置。

請求項2

前記整線部材は、複数の前記整線溝を有しており、各前記整線溝は、前記ケーブルの軸と直交する平面に沿って互いに平行に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載するケーブル端末処理装置。

請求項3

前記壁面の前記間隔は、前記電線の直径より大きく、かつ、前記電線の直径の2倍より小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載するケーブル端末処理装置。

請求項4

基端部と前記基端部から互いに略平行に延在する複数の柱部とを有する仕切部材と、前記仕切部材を前記ケーブルに対して移動させる第2の移動手段と、を更に備えており、前記仕切部材は、前記柱部の延在する方向が、前記ケーブルの軸と直交する方向で、かつ、前記一の方向と交差する方向に設置されており、前記第2の移動手段は、前記仕切部材を、前記露出部に向けて移動し、更に、前記ケーブルの軸の方向に移動する手段であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載するケーブル端末処理装置。

請求項5

前記第1保持手段及び前記第2保持手段のうち少なくともいずれか一方は、それぞれ前記第1保持手段及び前記第2保持手段のうちいずれか他方に対して、前記ケーブルの軸の周りで回転する回転手段を有していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載するケーブル端末処理装置。

請求項6

複数の電線がまとめて外皮で被覆されたケーブルについて、端末から所定の範囲で前記外皮を除去し、前記電線を分散処理するケーブル端末処理方法であって、前記ケーブルの端末から所定の位置で前記外皮に周方向の切込みを形成する切込ステップと、前記切込みより端末と反対側の前記外皮を第1外皮とし、前記切込みより端末側の前記外皮を第2外皮として、前記第1外皮を第1保持手段で保持するとともに前記第2外皮を第2保持手段で保持し、前記第2外皮の内側に前記電線の一部が残留した状態で、前記第1外皮と前記第2外皮とを前記ケーブルの軸の方向に互いに離反し、前記第1外皮と前記第2外皮の間に前記電線が露出する露出部を形成する引抜ステップと、前記第1外皮と前記第2外皮を前記ケーブルの軸の方向に互に接近させることにより、前記露出部の前記電線を撓ませる撓みステップと、前記ケーブルの軸と直交する一の方向に延在するとともに前記ケーブルの軸の方向及び前記一の方向のいずれにも直交する方向で所定の間隔をもって対向する壁面を備え、前記壁面の間に整線溝が形成されている整線部材を備え、前記整線部材を、前記露出部に向けて移動させて前記電線を前記整線溝に収容し、前記電線が前記整線溝に収容された状態で、前記整線部材を前記ケーブルの軸の方向に移動させる電線分散ステップと、を順次実行することを特徴とするケーブル端末処理方法。

請求項7

基端部と、前記基端部から互いに略平行に延在する複数の柱部と、を有する仕切部材を更に備え、前記電線分散ステップにおいて、前記電線が前記整線溝に収容された後、若しくは前記電線が前記整線溝に収容されると同時に、前記仕切部材が、前記柱部の延在する方向を、前記ケーブルの軸と直交し、かつ、前記一の方向と交差する方向として、前記露出部に向けて移動し、前記柱部が前記電線の間に挿通された状態で、前記仕切部材を前記整線部材とともに前記ケーブルの軸の方向に移動させることを特徴とする請求項6に記載するケーブル端末処理方法。

請求項8

前記撓みステップにおいて、前記第1外皮と前記第2外皮を前記ケーブルの軸の方向に互に接近させるより前に、前記引抜ステップから前記撓みステップのうちいずれかのステップにおいて、前記第1外皮と前記第2外皮を、前記ケーブルの軸の周りで前記電線の捩じれを戻す向きに相対的に回転させることを特徴とする請求項6又は7に記載するケーブル端末処理方法。

技術分野

0001

本発明は、複数の電線を有するケーブル端末処理装置及び端末処理方法に関する。

背景技術

0002

コネクタ電子機器つなぐケーブルは、複数の信号を同時に送受信するため、複数の電線が、まとめてPVC(ポリ塩化ビニル)等の被覆層で覆われている。各電線は、導体からなる信号線が、PVC等の絶縁層被覆されている。
通常、ケーブルを電子機器等に接続するために、ケーブル端末の被覆層を取り除いた後、各電線の端末の絶縁層を除去して、信号線を露出させる必要がある。しかし、通常、ケーブルの内部では、電線は、互いに撚り合わされている。このため、電線の端末から絶縁層を除去するためには、撚り合わされた電線をバラバラに分散させる必要がある。この作業は煩雑であり、特に、電線の本数が多い場合には多大な工数を要する。このため、電線の絶縁層の除去を自動化するために、撚り合わされた電線を自動的にバラバラに分散させることができる処理装置要望されている。

先行技術

0003

特開2014−203724号公報

発明が解決しようとする課題

0004

特許文献1では、ケーブルを構成する複数の電線を、平面的に整列させることによって電線端末から絶縁層を除去する加工を自動化した装置が提案されている。この装置では、あらかじめ、各電線を、捩じれや撚れのないほぼ直線状にフォーミングして、電線の束を形成し、この束の軸端プッシャーを押し当てて、各電線を平面的に整列させ、その後、各電線端末の絶縁層を除去している。
しかしながら、特許文献1の装置では、プッシャーを押し当てるために、各電線を、捩じれや撚れのないほぼ直線状にフォーミングするという前処理が必要となるところ、特許文献1では、フォーミングする方法については「工具治具によって捩じれや撚れのないほぼ直線状に予めフォーミングされ」(段落0033)と記載されているに過ぎない。
このため、依然として、複数の電線を備えたケーブルについて、電線が被覆層で被覆された状態から、電線の絶縁層が除去された状態までの加工を自動化することが困難であった。

0005

以上の状況に鑑み、本発明は、複数の電線が被覆層で被覆されたケーブルについて、被覆層を除去し、撚り合わされた電線を自動的にバラバラに分散させることができるケーブル端末処理装置を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0006

本発明の一形態は、複数の電線がまとめて外皮で被覆されたケーブルについて、端末から所定の範囲で前記外皮を除去し、前記電線を分散処理するケーブル端末処理装置であって、前記ケーブルは、端末から所定の位置で前記外皮に周方向の切込みを有しており、前記切込みより端末と反対側の前記外皮を第1外皮とし、前記切込みより端末側の前記外皮を第2外皮として、前記第1外皮を保持する第1保持手段と、前記第2外皮を保持する第2保持手段と、前記第1保持手段と前記第2保持手段を、前記ケーブルの軸の方向に互いに離反し、又は、接近する向きに変位させる変位手段と、前記ケーブルの軸と直交する一の方向に延在するとともに前記ケーブルの軸の方向及び前記一の方向のいずれにも直交する方向で所定の間隔をもって互いに対向する壁面を有し、前記壁面の間に、前記電線が収容される整線溝が形成されている整線部材と、前記整線部材を前記ケーブルに対して移動させる移動手段と、を備えており、前記第1保持手段と前記第2保持手段とが、前記ケーブルの軸の方向に互いに離反した時に前記第1外皮と前記第2外皮の間に前記電線が露出する露出部が形成され、前記移動手段は、前記整線部材を前記露出部に向けて移動させて前記電線を前記整線溝に収容し、更に、前記電線が前記整線溝に収容された状態で前記整線部材を前記ケーブルの軸の方向に移動させることを特徴としている。

0007

本発明の他の形態は、複数の電線がまとめて外皮で被覆されたケーブルについて、端末から所定の範囲で前記外皮を除去し、前記電線を分散処理するケーブル端末処理方法であって、前記ケーブルの端末から所定の位置で前記外皮に周方向の切込みを形成する切込ステップと、前記切込みより端末と反対側の前記外皮を第1外皮とし、前記切込みより端末側の前記外皮を第2外皮として、前記第1外皮を第1保持手段で保持するとともに前記第2外皮を第2保持手段で保持し、前記第2外皮の内側に前記電線の一部が残留した状態で、前記第1外皮と前記第2外皮とを前記ケーブルの軸の方向に互いに離反し、前記第1外皮と前記第2外皮の間に前記電線が露出する露出部を形成する引抜ステップと、前記第1外皮と前記第2外皮を前記ケーブルの軸の方向に互に接近させることにより、前記露出部の前記電線を撓ませる撓みステップと、前記ケーブルの軸と直交する一の方向に延在するとともに前記ケーブルの軸の方向及び前記一の方向のいずれにも直交する方向で所定の間隔をもって対向する壁面を備え、前記壁面の間に整線溝が形成されている整線部材を備え、前記整線部材を、前記露出部に向けて移動させて前記電線を前記整線溝に収容し、前記電線が前記整線溝に収容された状態で、前記整線部材を前記ケーブルの軸の方向に移動させる電線分散ステップと、を順次実行することを特徴としている。

発明の効果

0008

本発明によると、複数の電線が被覆層やシールドなどの外皮で被覆されたケーブルについて、外皮を除去し、撚り合わされた電線を自動的にバラバラに分散させることができる。これにより、ケーブル内部の電線の端末を、効率よく、配線可能な状態に加工することができる。

図面の簡単な説明

0009

ケーブル端末処理装置の構成の要部を示す要部構成図である。
ケーブルを保持するロボットの形態を示す説明図である。
ケーブル端末処理装置で処理するケーブル断面の模式図である。
図1における整線装置の形態を説明する要部拡大図である。
第1実施形態の整線部材の配置を示す側面図及び正面図である。
切込ステップでのケーブル端末処理装置の動作を説明する模式図である。
引抜ステップでのケーブル端末処理装置の動作を説明する模式図である。
撓みステップでのケーブル端末処理装置の動作を説明する模式図である。
図9(a)は、整線装置をX軸方向に見た模式図で、図9(b)は、整線溝に露出部の電線が収容された状態をY軸方向に見た模式図である。
電線の絶縁層を除去する被覆除去装置の構成を説明する説明図である。
第2実施形態の整線部材の配置を示す側面図及び正面図である。
第2実施形態の整線溝に露出部の電線が収容された状態をY軸方向に見た模式図である。
第3実施形態の整線装置の形態を示す正面図である。
図14(a)は、第3実施形態の整線装置をX軸方向に見た模式図で、図14(b)は、整線溝に収容された電線に仕切部材挿通された状態をY軸方向に見た模式図である。

実施例

0010

(第1実施形態)
発明の実施形態を図を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施形態であるケーブル端末処理装置11の要部を説明する要部構成図である。ケーブル端末処理装置11は、ケーブル12の外皮を除去し、内部の電線14を分散する装置である。図2は、ケーブル12を保持するロボット21の形態を示す説明図である。以下、説明の便宜のために、図1に示すように、ケーブル端末処理装置11の主要部が搭載される筐体13のベース面13aに沿って、X軸及びY軸を設定し、ベース面13aに垂直な方向にZ軸を設定する。

0011

図3は、ケーブル端末処理装置11で処理されるケーブル12の例を、ケーブル12の軸と直交する向きの断面で示している。ケーブル12は、複数の電線14(この例では電線の数は4であるが、これに限定されるものではない。)が、まとめて外皮で被覆されている。
図3(a)のケーブル12(図3(b)のケーブルと区別するために、ケーブル12aとする)では、4本の電線14が、まとめて被覆層15で覆われている。被覆層15は、PVC(ポリ塩化ビニル)等の樹脂製である。
各電線14は、導体からなる信号線16が、絶縁層17で被覆されている。電線14の直径(絶縁層17の外径である)は、概ね0.5mm〜4mm程度である。ケーブル12aに組み込まれている電線14の本数が多い場合(概ね4本以上)には、各電線14とともに、ポリプロピレン等で製造された介在糸が組み込まれる場合がある。また、絶縁層17で被覆されないドレイン線が、電線14とともに撚り合わされている場合がある。
図3(b)のケーブル12(ケーブル12bとする)では、4本の電線14が、まとめてシールド18で覆われ、その外周に樹脂製の被覆層15が設けられている。
なお、図3では、二種類のケーブル12について説明したが、これらのケーブル12の種類及びその構成は例示であり、これに限定されるものではない。以下の説明では、複数の電線14を被覆する被覆層15やシールド18を外皮という。

0012

図1によって、第1実施形態のケーブル端末処理装置11について説明する。ここでは、図3(a)に示したケーブル12の端末を加工する場合を例にして説明する。ケーブル端末処理装置11は、ケーブル12を保持するロボット21(図2参照)と、ケーブル端末保持装置22と、整線装置23とを備えており、切込装置20及び被覆除去装置24(図10参照)と組み合わせることによって、ケーブル12の被覆層15を除去し、電線14の端末を、配線可能な状態に加工することができる。

0013

切込装置20について説明する。切込装置20は、所定の範囲で被覆層15を除去するために、切取位置に切込みを形成する装置である。図1に示すように、切込装置20は、ケーブル端末処理装置11とともに、筐体13のベース面13aに搭載されている。
切込装置20は、刃27と、切込駆動部28と、第1直動部29を備えている。切込駆動部28は、X軸方向に延在する一対の切込アーム30を備えている。一対の切込アーム30は、Z軸方向に互に離れて取り付けられており、切込駆動部28に供給する圧縮空気供給ポート切り替えることによって、Z軸方向で互いに接近又は離反する向きに移動する。

0014

刃27は、金属製で、各切込アーム30の先端近傍に取り付けられており、刃先が、Z方向で互いに向き合っている。ケーブル12は、軸をY軸方向に向けて刃27と刃27の間に設置される。刃27の刃先をケーブル12に押し付けることによって、被覆層15に切込みを設けることができる。
Y軸方向に見たときの各刃先の形状は、V字状であり、被覆層15に周方向の広い範囲で切込みを形成できる。なお、刃先の形状はこれに限定されることなく、例えば、上下の刃27を合わせたときに、刃先が、ケーブル内部の電線14の外周よりわずかに大きい円形になるようにしてもよい。これにより、一度切り込むだけで、被覆層15のほぼ全周にわたって切込みを入れることができる。

0015

切込駆動部28は、第1直動部29に搭載されている。第1直動部29は、X軸方向に移動する直動部Xと、Y軸方向に移動する直動部Yとを、互いに直交する向きに組み合わせて構成されている。図示を省略するが、各直動部X,Yは、それぞれモータと、ボールねじを備えている。モータで各ボールねじを回転させることによって、ボールねじに螺合されたナットがボールねじの軸方向に移動する。直動部Xが直動部Yのナットに搭載され、切込駆動部28が直動部Xのナットに搭載されている。こうして、切込駆動部28が、X−Y方向に自在に移動する。

0016

次に、図2を参照しつつ、ロボット21について説明する。図2では、図中に示した向きに、X軸、Y軸、Z軸を設定している。各軸の方向は、図1のX軸、Y軸、Z軸の向きと同一である。
ロボット21は、6軸多関節型産業用ロボットで、上部の筐体13に、鉛直方向下向きに固定されている。ロボット21は、3次元方向に自在に変位し得るロボアーム33を備えている。ロボアーム33は、第1アーム33a、第2アーム33b、第3アーム33cとで構成され、各アーム33a,33b,33cは、互いに屈曲可能に連結されている。また、ロボアーム33は、回転座34を介して筐体13に取り付けられており、Z軸の回りで回転することができる。

0017

第1エアチャック40(第1保持手段)が、第1アーム33aの端部に設けられている。第1エアチャック40は、第1クランプ41を備えており、第1エアチャック40に供給する圧縮空気の供給ポートを切り替えることによって、第1クランプ41が開閉し、ケーブル12を把持することができる。また、第1エアチャック40は、第1アーム33aの軸(第1アーム33aと第2アーム33bとをつなぐ関節部から、第1クランプ41に向かう軸である)の回りで回転可能である。
こうして、ロボット21は、ケーブル12を、3次元空間の任意の位置及び向きで保持することができる。

0018

ロボット21は、2台の画像撮影装置39(図2参照)と通信を行っている。
各画像撮影装置39は、例えばCCDカメラであって、互いに異なる方向からケーブル12を撮影している。撮影した画像信号Vは、制御装置(図示を省略)に送信される。制御装置は、ロボット21の動きを制御するとともに、画像信号Vに基づいて、ケーブル12の位置及び向きを表す位置情報を算出している。ロボット21は、この位置情報に基づいて、ケーブル12を所定の位置及び向きに移動することができる。

0019

再び図1を参照する。ケーブル端末保持装置22は、第2エアチャック42(第2保持手段)及びモータ43と、これらが搭載される第2直動部44を備えている。
第2エアチャック42は、Y軸と直交する方向で開閉する第2クランプ45を備えており、第2エアチャック42に供給する圧縮空気の供給ポートを切り替えることによって第2クランプ45を開閉し、ケーブル12を把持することができる。

0020

第2エアチャック42は、図示しない転がり軸受等で支持されている。第2エアチャック42は、モータ43(回転手段)によって、Y軸の回りで回転することができる。モータ43には、サーボモータが好適に使用される。サーボモータを使用することにより、第2エアチャック42のY軸周り回転角を正確に制御することができる。

0021

第2エアチャック42は、支持台46を介して第2直動部44のナットに搭載されており、Y軸方向に変位することができる。第2直動部44は、第1直動部29と同様の構成である。
ケーブル端末処理装置11では、ロボット21及び第2直動部44が、「変位手段」として機能しており、第1エアチャック40及び第2エアチャック42が、ケーブル12の軸の方向に互いに離反し、又は、接近する向きに変位することができる。
なお、第1エアチャック40と第2エアチャック42とが、互いに離反し、又は、接近する向きに変位することができればよいので、「変位手段」は、第1エアチャック40及び第2エアチャック42のいずれか一方のみに設けられてもよい。

0022

次に、図1を参照しつつ、図4図5によって、整線装置23について説明する。図4は、ケーブル12と整線装置23との位置関係を示す要部拡大図である。図5は、整線部材48の配置を示すとともにケーブル12との位置関係を表す説明図で、図5(a)は、図4における整線部材48,48をY軸方向に見た正面図であり、図5(b)は、図4における整線部材48,48をX軸方向に見た側面図である。

0023

図1を参照する。整線装置23は、一対の整線部材48,48と、整線駆動部52と、第3直動部53を備えている。整線駆動部52は、第3直動部53に搭載されて、X軸方向及びY軸方向に、自在に変位することができる。第3直動部53は、第1直動部29と同様の構成である。
整線駆動部52は、X軸方向に延在する一対の整線アーム36を備えている。一対の整線アーム36は、Z軸方向に互に離れて取り付けられており、整線駆動部52に供給する圧縮空気の供給ポートを切り替えることによって、Z軸方向で互いに接近又は離反する向きに移動する。整線駆動部52と第3直動部53は、整線部材48,48をケーブル12に対して移動させる移動手段である。

0024

図4に示すように、各整線部材48,48が、それぞれ整線アーム36の端部に固定されており、ケーブル12を挟んでZ軸方向で向き合うように配置されている。整線部材48は、ポリアミド樹脂などの樹脂材で製造されており、一様な板厚を有する略矩形板状部材である。各整線部材48は、その厚さ方向がケーブル12の軸と略同一となるように設置されている。

0025

図5によって、整線部材48の形態を説明する。
一対の整線部材48,48は、互いに同一の形状であるので、図5の上側の整線部材48を例にして説明する。整線部材48には、X軸方向のほぼ中央に、厚さ方向に貫通し、ケーブル12の軸と直交する一の方向としてのZ軸方向に延在する整線溝25が形成されている。整線溝25は、一対の側面25a,25b(壁面)と、一対の側面25a,25bをつなぐ円弧面25cとで画定される。一対の側面25a,25bは、いずれもX軸と直交する平面で、互いに平行である。一対の側面25a,25bのX軸方向の間隔Nは、電線14の直径より大きく、かつ、電線14の直径の2倍より小さい。整線溝25は、整線部材48の一の側の端面48aに開口しており、開口部には面取り48bが設けられている。面取り48bは、端面48aに向かうにしたがってX軸方向の幅が拡大している。

0026

一対の整線部材48,48は、ケーブル12の軸の方向(Y軸方向)にみたときに、それぞれの整線溝25,25が同一直線上に配置され、それぞれの開口が互いに向き合うように配置されている(図5(a)参照)。
また、X軸方向から見たときに、一対の整線部材48,48は、Y軸方向に距離Dだけ離れている(図5(b)参照)。これにより、一対の整線部材48,48が、Z軸方向で互いに接近したときに、互いに干渉するのを防止できる。

0027

(ケーブル端末処理方法)
次に、本発明の一形態としてのケーブル端末処理方法について詳細に説明する。
このケーブル端末処理方法では、切込ステップと、引抜ステップと、撓みステップと、電線分散ステップとが、順次実行され、ケーブル12の被覆層15を除去し、ケーブル内部の撚り合わされた電線14を自動的にバラバラに分散させることができる。

0028

図6は、切込ステップにおける切込装置20の動作を説明する模式図である。切込ステップでは、ケーブル12を切込装置20に設置して、被覆層15を除去する位置に切込みを形成している。図6では、ケーブル12の軸の方向(図の左右方向)にY軸を、紙面に直交する方向にX軸を、図の上下方向にZ軸を設定する。各軸の方向は、図1のX軸、Y軸、Z軸の向きと同一である(図7図8においても同様である)。
ケーブル12は、端末から離れた位置で、ロボット21の第1エアチャック40で保持されており、軸をY軸方向に向けて一対の刃27,27でZ軸方向に挟まれた位置に設置される。ケーブル12の端末は、刃27より所定の長さL0だけ突出しており、当該突出した領域の被覆層15が除去される。第1クランプ41は、刃27の位置よりケーブル12の端末と反対側(被覆層15が残留する側)で、ケーブル12を保持している。

0029

次に、一対の刃27がZ軸方向で互いに接近し、端末から所定の位置で被覆層15に切込みが形成される。刃27のZ軸方向の変位は、図示しないストッパー等によって制限されており、刃先が、ケーブル12内部の電線14に到達しないように設定されている。以下の説明では、切込みより端末と反対側(残留する側である)の被覆層15を第1外皮15a、切込みより端末側(除去される側である)の被覆層15を第2外皮15bとして説明する。この切込ステップの完了時には、第1外皮15aと第2外皮15bは、一部でつながっており、完全には分離されていない状態であってもよい。
なお、切込を形成するにあたって、刃27が、Z軸方向に一回だけ接近して切込みを形成してもよいし、複数回接近と離反を繰り返してもよい。このとき、ロボット21によりケーブル12をY軸周りに回転させることによって、周方向につながった切込みを形成することができる。また、刃27を被覆層15に押し付けた状態で、ケーブル12を軸の周りに回転させてもよい。また、図示を省略するが、ケーブル12の外周に沿って、刃27を回転させてもよい。

0030

また、図3(b)に示した複数の電線14を有するシールドケーブルの端末を処理する場合には、被覆層15とシールド18の双方に周方向に切込みを形成する。
この場合には、図示を省略するが、例えば、板厚が薄い円板状の砥石高速で回転させながらケーブル12の外周に接触させることによって、所定の深さの切込みを形成することができる。同時に、ケーブル12を軸の回りで回転させることによって、被覆層15及びシールド18の全周に切込みを形成することができる。当該切込装置は、ケーブル端末処理装置11と別に設置された装置であってもよい。

0031

図7は、引抜ステップにおけるケーブル端末処理装置11の動作を説明する模式図である。引抜ステップでは、第2外皮15bの内側に、電線14の少なくとも一部がケーブル12の軸の方向に残留した状態で、第2外皮15bをその軸の方向に引き抜いている。図7では、内部の電線14を、一点鎖線で示している。
引抜ステップでは、図7(a)に示すように、被覆層15に切り込んだ状態で、刃27をケーブル端末保持装置22に向けて距離L1だけ、Y軸方向に移動している。同時に、第2外皮15bの内側では、端末からL1の範囲で、電線14が存在しない状態となる。このとき、ケーブル端末保持装置22の第2クランプ45は開いた状態である。図7(a)では、当該第2クランプ45を実線で示している。

0032

次に、第2クランプ45が、内部に電線14が存在しない領域で第2外皮15bを保持する。図7(a)では、当該第2クランプを破線で示している。
その後、図7(b)に示すように、第2クランプ45が、Y軸方向に所定の距離L2だけ移動する。図7(b)では、図7(a)における第2クランプ45の位置を、破線で示している。一方、ケーブル12の第1外皮15aは、ロボット21の第1クランプ41によって、内部の電線14とともにY軸方向に固定されている。このため、第2外皮15bをY軸方向に移動することによって、第2外皮15bと第1外皮15aとが完全に分離される。このとき、距離L2と距離L1とを合わせた長さL3は、除去すべき被覆層15の長さL0より小さい。これにより、第2外皮15bの内側に、電線14の一部(図7(b)に、ハッチングを付して「P」で示す領域である)が残留している。

0033

こうして、第1外皮15aと第2外皮15bの間で、複数の電線14が露出し、ケーブル12の軸の方向の長さL3の露出部62が形成される。露出部62では、各電線14は、螺旋を描くように撚り合わされており、互いに密着している。

0034

次に、図8によって、撓みステップについて説明する。
撓みステップでは、第2外皮15bを保持した状態で、第2クランプ45が、Y軸方向に移動する。これによって、第2外皮15bと第1外皮15aとがY軸方向で互いに接近して、露出部62のY軸方向の長さL4が短くなり(L4<L3)、露出部62の複数の電線14が、径方向に撓む。各電線14は、それぞれの位置や捩じれの向き等に応じて互いに異なる向きに撓むので、互いに密着していた複数の電線14がほぐされて、電線14と電線14との間にすきまが生じるようになる。図8は、撓みステップでの露出部62における電線14の形態を模式的に示している。

0035

なお、第1外皮15aと第2外皮15bを互に接近させるにあたって、電線14の撚りを戻すことによって、更に確実に、電線14と電線14との間にすきまを生じさせることができる。以下に、具体的に説明する。
ケーブル12の内側の複数の電線14は、ケーブル12の軸の回りで、螺旋を描くように、一定の方向に捩じれた状態で組み込まれている。
第1実施形態のケーブル端末処理装置11では、第2エアチャック42は、回転手段としてのモータ43と連結されており、Y軸の周りで回転自在である。そこで、第1外皮15aを固定した状態で、第2エアチャック42を、電線14の捩じれを戻す向きに回転させることにより、露出部62の各電線14が、ほぼY軸方向に整列し、電線14と電線14との密着状態が緩やかになる。
この状態で、第1外皮15aと第2外皮15bを互に接近させると、各電線14は他の電線14の影響を殆ど受けることなく径方向に撓むことができるので、電線14と電線14との間に更に大きいすきまを生じさせることができる。

0036

第1外皮15aと第2外皮15bを相対的に回転させて電線14の撚りを戻す動作は、第1外皮15aと第2外皮15bを互に接近させるより前に行われていればよい。したがって、例えば、引抜ステップにおける、第2外皮15bを軸方向に引き抜く動作の前又は後、或いは引抜の動作と同時に実施してもよい。
なお、第1実施形態では、ロボアーム33を変位させることによって、第1外皮15aの側を回転させてもよい。この場合には、ロボアーム33が回転手段として機能する。

0037

図4図5を参照しつつ、図8図9によって電線分散ステップについて説明する。電線分散ステップでは、図8に示すように、露出部62のY軸方向のほぼ中央で、整線部材48,48を露出部62に向けて配置している。
図5に示したように、整線溝25の開口部には面取り48bが設けられている。また、図5では、撓みステップにおいて、露出部62の電線14が径方向に広がる範囲を一点鎖線の円Rで示している。面取り48bの幅E1は、端面48aの位置では、露出部のすべての電線を収容できる程度の大きさである。露出部62の各電線14は、面取り48bに案内されて整線溝25に収容される。
一対の側面25a,25bのZ軸方向の長さFは、ケーブル12の直径の概ね5倍〜10倍程度の大きさであって、少なくとも、ケーブル12内部の電線14をZ軸方向に並べて配置できる程度の大きさである。

0038

図9は、整線部材48,48がZ軸方向で互いに最も接近したときの、複数の電線14の状態を示す模式図である。図9(a)は、整線部材48をX軸方向に見た模式図で、図9(b)は、図9(a)の左側から整線部材48をY軸方向に見た模式図である。図9(a)では、露出部62の右側に第1外皮15a(残留する外皮である)が位置しており、露出部62の左側に第2外皮15b(除去される外皮である)が位置している。なお、図示を省略したが、第1外皮15aはロボット21によって保持されており、第2外皮15bはケーブル端末保持装置22によって保持されている。X軸、Y軸、Z軸の方向は、図1と同様である。

0039

整線部材48,48が、Z軸方向で互いに最も接近したときには、上下の整線部材48,48に形成されている整線溝25が重なって、図9(b)に示すように、Y軸方向に貫通し、Z軸方向に延在する長穴状の空間が形成される。整線溝25のX軸方向の内幅(間隔N)は、電線14の直径より大きく、かつ、電線14の直径の2倍より小さい。このため、整線溝25では、電線14がX軸方向で重なることがなく、整線溝25に沿ってZ軸方向に略平行に配置される。

0040

図9では、電線14を分散処理する作用を説明するために、一例として、整線溝25に収容された複数の電線14の一部が、互いに捩れた状態となっている場合を示している。すなわち、整線溝25内で、4本の電線(イ)〜(ニ)が、Z軸方向に並んで収容されており、整線部材48と第2外皮15bとの間で、電線(ロ)と電線(ハ)が、互いに捩れている。

0041

電線分散ステップでは、整線溝25に電線14が収容された状態で、整線部材48をY軸方向に移動させている。図9(a)のJで示した個所(以下、「交差部」)では、電線(ロ)と電線(ハ)がX軸方向で重なるため、X軸方向の寸法が少なくとも電線14の直径の2倍より大きい。整線溝25のX軸方向の内幅(間隔N)は、電線14の直径の2倍より小さいので、整線部材48が、交差部に接近すると、電線(ロ)と電線(ハ)が、整線溝25の側面25a,25bと接触することによって、図9(a)中の矢印H1,H2の向きに押される。これにより、交差部の位置が第2外皮15bの側に移動する。整線部材48を、Y軸方向に繰り返し往復移動させることによって、交差部が、更に確実に電線14の端末側に移動する。

0042

その後、ケーブル端末保持装置22が、第1外皮15aから離れる向きに移動して、第2外皮15bがケーブル12から完全に引き抜かれる。
図7(b)等に「P」で示したように、第2外皮15bの内側に残留している電線14の長さは短いので、交差部は、電線端末の近傍に位置している。このため、第2外皮15bが引き抜かれることによって電線14の端末が自由に変位できる状態になるので、各電線14が容易に分散される。このとき、整線部材48が、電線14の端末まで移動することによって、更に確実に各電線14が分散される。
こうして、電線分散ステップでは、露出部62において互いに撚り合わされていた電線14を、互いに分散することができる。

0043

以上説明したように、第1実施形態のケーブル端末処理方法によると、ケーブル12の内部の電線14を自動的に分散することができる。これにより、各電線14の端末を、容易に配線可能な状態に加工することができる。例えば、各電線14の端末の絶縁層17を被覆除去装置24によって除去する場合を例に説明すると以下のようになる。

0044

図10は、被覆除去装置24の構成を説明する説明図である。図中に示したX軸、Y軸、Z軸の方向は、図1の各軸の向きと同一である。
被覆除去装置24は、電線14の絶縁層17を切り取る刃60を有している。刃60は、Z軸方向に変位(矢印Mzで示す)することができ、変位量を調整することによって切込量を変更することができる。また、刃60は、転がり軸受等で支持されるとともにY軸方向に移動可能に支持された回転軸58に固定されており、Y軸の回りで回転(矢印Mrで示す)することができる。
絶縁層17を除去するときには、各電線14の端末が、刃60の内側に挿入される。第1実施形態では、ケーブル12内の複数の電線14は、電線分散ステップで互いに分散している。このため、図示しない第2のロボット等を設置することによって、各電線14の位置を認識し、個別に把持して、刃60の内側に挿入することができる。その後、刃60が回転して、絶縁層17の全周に切り込みが形成される。次に、刃60をY軸方向に移動(矢印Myで示す)させて電線端末における絶縁層17を除去して、信号線16を露出させることができる。

0045

こうして、本発明にかかるケーブル端末処理方法を使用することによって、ケーブル内部の電線14の端末を、効率よく、配線可能な状態に加工することができる。なお、分散された電線端末の絶縁層17を除去する方法は、上記の方法に限定されず、また、絶縁層17を除去した後圧着端子を装着する等、種々活用できる。

0046

(第2実施形態)
第2実施形態のケーブル端末処理装置11は、第1実施形態と比較して、整線部材61の形態が異なる。以下、共通する構成については説明を省略し、第2実施形態の整線部材61の形態、及び、整線部材61を用いて複数の電線14を分散する作用について説明する。

0047

図11は、図5と同様の説明図であって、第2実施形態の整線部材61の配置を示している。整線部材61は、第1実施形態と同様に、それぞれ整線アーム36(図1参照)の端部に固定されている。第2実施形態においても、一対の整線部材61,61が、ケーブル12を挟んでZ軸方向で向き合うように配置されている。一対の整線部材61,61は、互いに同一の形状であるので、図11の上側の整線部材61を例にして説明する。
整線部材61は、ステンレス鋼で製造されており、基部55と、複数の柱56とを備えている。基部55は、略直方体形状である。柱56は、長手方向に一様な断面を有する円柱形状であって、基部55の側面55aから一方向に、所定の間隔K1で互いに平行に延在している。各柱56は、ケーブル12の軸と直交する単一の平面上に配置されている。こうして、互いに隣接する柱56の外周面(壁面)がX軸方向に対向して、柱56と柱56の間に、それぞれ電線14が収容される整線溝63が形成されている。第2実施形態の整線部材61では、複数の整線溝63が、ケーブル12の軸と直交する平面に沿って互いに平行に配置されている。

0048

図11においても、撓みステップにおいて、露出部62の電線14が径方向に広がる範囲を一点鎖線の円Rで示している。柱56と柱56のX軸方向の間隔K1は、電線14の直径より大きく、かつ、電線14の直径の2倍より小さい。柱56の総幅E2(基部55の長手方向で柱56が設置される範囲の大きさである)は、ケーブル12の直径の概ね5倍〜10倍程度の大きさであって、少なくとも、撓みステップにおいて径方向に撓んだ露出部のすべての電線が、いずれかの整線溝63に収容される程度の大きさである。柱56の直径d1は、少なくとも1mm以上に設定し、概ね電線14と同程度の寸法であることが好ましい。直径d1が、1mmより小さい場合には、柱56の強度が弱く、ケーブル12を分散するときに破損する恐れがある。また、直径d1が大きい場合には、電線分散ステップにおいて、電線14と電線14との間に柱56を挿入しにくくなる場合がある。また、柱56の長さFは、ケーブル12の直径の概ね5倍〜10倍程度の大きさであって、少なくとも、露出部62に挿入したときに、径方向に撓んだ露出部62のすべての電線14を、整線溝63のZ軸方向に収容できる程度の大きさである。

0049

基部55及び柱56の材質としては、ステンレス鋼のほか、クロムメッキを施した鉄などの金属材料や、ガラス繊維強化されたポリアミドなどの樹脂材料を適宜選択することができる。樹脂材料の場合には、射出成型により、基部55と柱56とを一体として製造することができる。

0050

一対の整線部材61,61は、それぞれの柱56の長手方向が同一の方向(第2実施形態ではZ軸方向である)となる向きで、かつ、柱56の先端が、ケーブル12を挟んで互いに向き合うように配置されている。
また、一対の整線部材61,61は、柱56の位置が、X軸方向では互いに同一であり、Y軸方向では、わずかに位置ずれ(D1)するように配置されている。これにより、一対の整線部材61,61が、Z軸方向で互いに接近したときに、それぞれの柱56が互いに干渉することがない。また、Y軸方向から見たときには、各整線溝63は、Y軸方向に貫通し、Z軸方向に延在する長穴状の空間が、複数形成される。

0051

図12を参照しつつ、第2実施形態における電線分散ステップについて説明する。電線分散ステップでは、整線部材61,61を、露出部62のY軸方向のほぼ中央で、露出部62に向けてZ軸方向に移動している。図12は、図9(b)と同様の、整線部材61をY軸方向に見た模式図であり、整線部材61,61が、互いに最も接近したときに、各電線14が整線溝63に収容されている状態の例を示している。なお、図示を省略したが、図12のケーブル12では、第1外皮15a及び第2外皮15bが、図9と同様に配置されている。
整線溝63のX軸方向の間隔K1は、電線14の直径より大きく、かつ、電線14の直径の2倍より小さい。このため、整線溝63では、電線14がX軸方向で重なることがなく、各電線14は、整線溝63に沿ってZ軸方向に略平行に配置される。

0052

図12では、一例として、整線溝63に収容された複数の電線14の一部が、互いに捩れた状態となっている場合を示している。すなわち、電線(イ)と電線(ロ)とが、異なる整線溝63に収容され、電線(ハ)と電線(二)が、同一の整線溝63に収容されている。そして、電線(イ)と電線(ロ)、電線(ハ)と電線(二)が、それぞれ整線部材61と第2外皮15bとの間で、互いに捩れている。

0053

次に、整線溝63に電線14が収容された状態で、整線部材61をY軸方向に移動させている。柱(a)と柱(b)の間のX軸方向の寸法が電線14の直径の2倍より小さいので、第1実施形態の場合と同様にして、電線(ハ)と電線(二)の交差部の位置が第2外皮15bの側に移動する。電線(イ)と電線(ロ)では、柱(d)が、交差部に押し付けられるので、交差部の位置が第2外皮15bの側に移動する。

0054

その後、第2外皮15bがケーブル12から完全に引き抜かれることによって、電線14の端末が自由に変位することができるので、各電線14が容易に分散される。また、整線部材61が、電線14の端末まで移動することによって、更に確実に各電線14が分散される。
こうして、第2実施形態の電線分散ステップにおいても、露出部62において互いに撚り合わされていた電線14を、互いに分散させることができる。

0055

(第3実施形態)
第3実施形態のケーブル端末処理装置11では、第1実施形態に比べて、整線装置64が、更に仕切部材68を備えている点が異なる。以下、第3実施形態については、第1実施形態と共通する構成についての説明を省略又は簡単にし、整線装置64について詳細に説明する。

0056

図13は、第3実施形態における整線装置64を、Y軸方向に見た正面図である。
整線装置64は、ケーブル12を挟んで一の方向としてのZ軸方向で向き合う一対の整線部材48,48と、これに直交する向きに配置された仕切部材68とを備えている。一対の整線部材48,48及び整線部材48,48をZ軸方向に移動する移動手段の構成は、第1実施形態と同様である。
仕切部材68は、第1実施形態の整線アーム36とは異なる別の整線アームの端部に固定されており、X軸方向に移動することができる。別の整線アーム及びこれを移動する第2の移動手段は、第1実施形態の整線アーム36及び整線駆動部52と同様の構成であり、その向きが90°異なっているに過ぎず、図示並びに構成の説明を省略する。

0057

仕切部材68は、第2実施形態における整線部材61と同様の形態であり、基端部69と、複数の柱70(柱部)とを備えている。基端部69及び柱70の材質は、第2実施形態の整線部材61と同様である。柱70は、長手方向に一様な断面を有する円柱形状であって、基端部69の側面69aから一方向に、所定の間隔K2で互いに平行に延在している。

0058

互いに隣接する柱70の外周面が、Z軸方向で対向する間隔K2は、電線14の直径より大きく、かつ、電線14の直径の2倍より小さい。柱の総幅E3(基端部69の長手方向で柱が設置される範囲の大きさである)は、一対の整線部材48,48の整線溝25がZ軸方向で重なって形成される空間のZ軸方向の寸法より大きく設定されるのが好ましい。柱70の直径d2は、少なくとも1mm以上に設定し、概ね電線14と同程度の寸法であることが好ましい。直径d2が、1mmより小さい場合には、柱70の強度が弱く、ケーブル12を分散するときに破損する恐れがある。また、直径d2が大きい場合には、電線14と電線14との間に柱70を挿入しにくくなる場合がある。

0059

仕切部材68は、各柱70の軸線が、ケーブル12の軸と直交するXZ平面上に配置され、かつ、整線部材48の整線溝25が延在する方向と交差する方向であるX軸方向に配置されている。また、仕切部材68のY軸方向の位置は、整線部材48より第2外皮15bの側に配置されている。

0060

図14を参照しつつ、第3実施形態における電線分散ステップについて説明する。
図14(a)は、整線装置64をX軸方向に見た模式図であり、図14(b)は、整線装置64を図の左側からY軸方向に見た模式図である。
第3実施形態では、第1実施形態と同様に、一対の整線部材48,48を互いにZ軸方向に近接させ、露出部62の電線14を、整線溝25に収容している。整線溝25のX軸方向の幅(間隔N)は、電線14の直径より大きく、かつ、電線14の直径の2倍より小さいので、露出部62の各電線14が、X軸方向で重なることがなく、整線溝25に沿ってZ軸方向に略平行に配置される。
その後、仕切部材68を露出部62に向けてX軸方向に移動している。各電線14は、Z軸方向に平行に並べて配置されているので、柱70を、電線14と電線14の間に容易に挿通することができる。なお、仕切部材68のX軸方向の移動は、整線部材48,48のZ軸方向の移動と同時に行ってもよい。

0061

図14では、電線14と電線14の間に仕切部材68の柱70が挿通された状態を模式的に示している。また、図14は、図9と同様に、整線溝25に収容された複数の電線14の一部が、互いに捩れた状態となっている場合を例示している。
仕切部材68をX軸方向に移動すると、各柱70が、整線部材48より端末側で、各電線14と電線14の間に挿入される。図14に示したように、互に捩じれた電線(ロ)と電線(ハ)の間においても、柱(c)が挿入されている。
第3実施形態では、柱70が電線14の間に挿通された状態で、整線部材48及び仕切部材68を同時にY軸方向に移動させている。これにより、柱(c)が、電線(ロ)と電線(ハ)の交差部に、押し付けられるので、交差部の位置が第1実施形態の場合より更に確実に第2外皮15bの側に移動する。

0062

その後、第2外皮15bがケーブル12から完全に引き抜かれることによって、各電線14の端末が自由に変位できる状態となり、各電線14が容易に分散される。また、整線部材48及び仕切部材68が、電線14の端末まで移動することによって、更に確実に各電線14が分散される。
こうして、第3実施形態の電線分散ステップでは、露出部62において互いに撚り合わされていた電線14を、更に確実に互いに分散させることができる。

0063

なお、仕切部材68が、ブラシ状であってもよい。図示を省略するが、このブラシ状の仕切部材は、直方体形状等の基端部に多数の繊維状の柱や針金など(以下「柱等」)を設置した形態である。柱等は、この基端部の一の側面から一の方向(Z軸方向)と交差する方向であるX軸方向に互に略平行に延在し、複数の柱部を構成する。
ブラシ状の仕切部材では、一対の整線部材48,48を互いにZ軸方向に近接させ、露出部62の電線14を整線溝25に収容したあと、柱等を露出部62に向けてX軸方向に移動し、露出部62の電線14に当接させる。次に、柱等を電線14に当接させた状態で、整線部材48及びブラシをY軸方向に往復することによって、柱等が、電線14と電線14の間に挿通され、露出部62の電線14がバラバラに分散される。ブラシ状の仕切部材68は、ケーブル内部の電線14の直径が小さい場合(例えば1mm以下である)に有効である。

0064

以上説明したように、本発明によると、複数の電線14が被覆層15やシールド18などの外皮で被覆されたケーブル12について、外皮を除去し、撚り合わされた電線14を自動的にバラバラに分散させることができる。これにより、ケーブル内部の電線14の端末を、効率よく、配線可能な状態に加工することができる。

0065

本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、上記の各実施形態では、ケーブル12を挟んで対向する一対の整線部材48や整線部材61を使用しているが、いずれか片方のみであってもよい。また、上記で説明した第3実施形態では、仕切部材68が、その柱70の向きを整線溝25と直交する向きに配置されているが、これに限定されない。例えば、二以上の仕切部材68を設置し、それぞれの柱70の向きが、互に交差するとともに、整線溝25が延在する方向と交差するように配置されてもよい。また、第3実施形態では、第1実施形態の整線部材48,48に仕切部材68を組み合わせているが、第2実施形態の整線部材61,61に仕切部材68を組み合わせてもよい。

0066

なお、電線14とともに、介在糸が撚られている場合には、電線分散ステップで、電線14と介在糸とが分散されるので、電線14を分散した後、エアーを吹き付けることによって、介在糸と電線14とを容易に分離できる。

0067

11:ケーブル端末処理装置、12:ケーブル、13:筐体、14:電線、15:被覆層、15a:第1外皮、15b:第2外皮、17:絶縁層、18:シールド、20:切込装置、21:ロボット、22:ケーブル端末保持装置、23:整線装置(第1実施形態)、24:被覆除去装置、25:整線溝(第1実施形態)、33:ロボアーム、36:整線アーム、39:画像撮影装置、40:第1エアチャック、41:第1クランプ、42:第2エアチャック、45:第2クランプ、48:整線部材(第1実施形態)、56:柱、61:整線部材(第2実施形態)、62:露出部、63:整線溝(第2実施形態)、64:整線装置(第3実施形態)、68:仕切部材、69:基端部、70:柱

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