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技術 小型船舶

出願人 東京ウォータータクシー株式会社
発明者 齋藤直行
出願日 2018年1月11日 (2年9ヶ月経過) 出願番号 2018-002635
公開日 2019年7月22日 (1年2ヶ月経過) 公開番号 2019-119418
状態 未査定
技術分野 船体構造
主要キーワード 移動蓋 跳ね上げ姿勢 大型客船 ウイング式 進入空間 前部空間 デッキスペース 管理区画
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年7月22日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (9)

課題

定員が五、六人位となる上記小型船舶車椅子利用者船尾側デッキスペースを経ることなしに陸地側乗降場からキャビン出入りできるようにし、車椅子利用者の乗降が簡単にしてスムーズに行える小型船舶を提供する。

解決手段

車椅子利用者Bと介助者Cとを収容する吊り込みかごDを通す開口部24をルーフ19に船体中心線A上にして開口し、その開口部24を船体中心線A方向に沿って移動して開閉する移動蓋25を備え、キャビン2に、開口部24からこの開口部24の下方であるキャビン2の床5に亘って吊り込みかごDを吊り込み可能とされたかご進入空間部26を設け、このかご進入空間部26を船体中心線A上に位置させた。

概要

背景

近年においては、湾運河などに設けられた乗降場乗り合い客を乗降させて、運航コース中にある複数の乗降場を廻る業務が小型船舶を利用して行われるようになってきており、湾岸域に臨む都市部での新たな交通機関としての成長が期待されている。

上述した乗降場を廻って少人数の乗り合い客を運ぶ小型船舶は、例えば特許文献1(特開平09−207878号公報)に示されているように7、8人程度の乗員乗客を収容するキャビン後方に、そのキャビンに通じるようにして船尾側デッキが配置されているタイプの船舶である。

この特許文献1に示されている小型船舶はプレジャーボートと称されてマリンレジャーに用いるタイプであるが、少人数の乗り合い客を運ぶ小型船舶についても同様にキャビン内最前部に操舵席部とその後方に乗降客席部があるとともに、キャビン後方の船尾側デッキを乗り合い客が通る場所にしている。

そして、乗降場では船尾側デッキの部分の側舷を浮き桟橋などに横付けして、降する乗り合い客はキャビンから船尾側デッキに移動し、その船尾側デッキから桟橋などの乗降場へ渡り、また乗船する乗り合い客は乗降場から船尾側デッキへと渡ってからキャビンに入るようにしていた。乗降場と小型船舶の船尾側デッキとの間での移動については、両者の間に掛け渡す渡し板を利用することが一般的となっている。

また、遊覧などを主目的として運河を廻る観光コースであって乗客が団体である場合には、10人程度以上が乗り込むことのできる観光船が運航されている。この観光船でも水深が小さい湾岸や運河などに設定された乗降場で乗客を乗り降りさせることになるため、このような乗降場では、上記小型船舶の場合とほぼ同様に桟橋に横付けし、船体側部の乗降口に桟橋側から掛け渡す専用の渡し板装置が利用される。

さらに近年においては、車椅子利用者車椅子腰掛けたまま観光船に乗り込みし易くするための工夫が提案されている。例えば特許文献2に水上停留所乗降装置が示されている。

上記水上停留所用乗降装置は陸地側の乗降場に設けられていて、岸壁の側面に、下部が水面近くまでに及ぶフレーム体を取り付けて、このフレーム体の下部側面を観光船の乗降口に臨ませ、フレーム体の上部側面を陸地の乗降場に臨ませ、かご体をフレーム体内で上下移動可能にしている。そして、かご体をフレーム体の上部に位置させて、陸地側の乗降場からかご体に車椅子利用者が乗り込むようにし、そのかご体をフレーム体内で降ろして下部側に移し、観光船の乗降口の高さにかご体を合わせて車椅子利用者がそのかご体から観光船の乗降口へ移動することができるようにしている。

また、大型客船では、係留させる場所の水深が大きい専用の乗降場に横付けされる。大型客船の場合、船舶側の乗降口の高さが陸地の乗降場より高いことから、乗降に際しては専用に用意されているギャングウエイが使用される。そして、大型客船に車椅子利用者が乗降できるようにする工夫として、特許文献3に示すように陸地側の乗降場に立設された建屋の内部でウインチにて昇降ケージ上げ下げし、その昇降ケージにて車椅子利用者を高位置の客船乗降口へと移す車椅子用乗船装置がある。

概要

定員が五、六人位となる上記小型船舶に車椅子利用者が船尾側デッキのスペースを経ることなしに陸地側の乗降場からキャビンに出入りできるようにし、車椅子利用者の乗降が簡単にしてスムーズに行える小型船舶を提供する。車椅子利用者Bと介助者Cとを収容する吊り込みかごDを通す開口部24をルーフ19に船体中心線A上にして開口し、その開口部24を船体中心線A方向に沿って移動して開閉する移動蓋25を備え、キャビン2に、開口部24からこの開口部24の下方であるキャビン2の床5に亘って吊り込みかごDを吊り込み可能とされたかご進入空間部26を設け、このかご進入空間部26を船体中心線A上に位置させた。

目的

本発明は上記事情に鑑み、定員が五、六人位となる上記小型船舶に車椅子利用者が船尾側デッキのスペースを経ることなしに陸地側の乗降場からキャビンに出入りできるようにすることを課題とし、車椅子利用者の乗降が簡単にしてスムーズに行える小型船舶を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

かご内に車椅子利用者介助者とを収容する角柱状の吊り込みかごを通す開口部が、船体キャビンルーフ船体中心線上にして開口されていて、前記開口部を船体中心線方向に沿って移動して開閉する移動蓋を備え、前記キャビンに、前記開口部からこの開口部の下方であるキャビン床に亘って吊り込みかごを吊り込み可能とされたかご進入空間部が設けられ、開口部からキャビン床の上に亘る前記かご進入空間部が、船体中心線上に位置していることを特徴とする小型船舶

請求項2

上記キャビンの内部には、座体跳ね上げ可能とされた複数の客席それぞれが、キャビンの内側壁に寄せて、且つ跳ね上げ可能な前記座体を船体中心線側に位置させた対座配置にして設けられており、上記かご進入空間部を対座配置の一方の前記客席と他方の前記客席との間に位置させて、座体跳ね上げ姿勢時の客席がかご進入空間部に非干渉となる客席配置とされている請求項1に記載の小型船舶。

請求項3

上記キャビンの内部には、車椅子を固定可能とされた車椅子利用者空間部が設けられている請求項1または2に記載の小型船舶。

技術分野

0001

本発明は小型船舶に関するものであり、特に湾などにおいて複数の乗降場を廻る運航コース上を航行して乗降場ごとに乗り合い客を乗り降りさせる小型船舶に関するものである。

背景技術

0002

近年においては、湾岸や運河などに設けられた乗降場で乗り合い客を乗降させて、運航コース中にある複数の乗降場を廻る業務が小型船舶を利用して行われるようになってきており、湾岸域に臨む都市部での新たな交通機関としての成長が期待されている。

0003

上述した乗降場を廻って少人数の乗り合い客を運ぶ小型船舶は、例えば特許文献1(特開平09−207878号公報)に示されているように7、8人程度の乗員乗客を収容するキャビン後方に、そのキャビンに通じるようにして船尾側デッキが配置されているタイプの船舶である。

0004

この特許文献1に示されている小型船舶はプレジャーボートと称されてマリンレジャーに用いるタイプであるが、少人数の乗り合い客を運ぶ小型船舶についても同様にキャビン内最前部に操舵席部とその後方に乗降客席部があるとともに、キャビン後方の船尾側デッキを乗り合い客が通る場所にしている。

0005

そして、乗降場では船尾側デッキの部分の側舷を浮き桟橋などに横付けして、降する乗り合い客はキャビンから船尾側デッキに移動し、その船尾側デッキから桟橋などの乗降場へ渡り、また乗船する乗り合い客は乗降場から船尾側デッキへと渡ってからキャビンに入るようにしていた。乗降場と小型船舶の船尾側デッキとの間での移動については、両者の間に掛け渡す渡し板を利用することが一般的となっている。

0006

また、遊覧などを主目的として運河を廻る観光コースであって乗客が団体である場合には、10人程度以上が乗り込むことのできる観光船が運航されている。この観光船でも水深が小さい湾岸や運河などに設定された乗降場で乗客を乗り降りさせることになるため、このような乗降場では、上記小型船舶の場合とほぼ同様に桟橋に横付けし、船体側部の乗降口に桟橋側から掛け渡す専用の渡し板装置が利用される。

0007

さらに近年においては、車椅子利用者車椅子腰掛けたまま観光船に乗り込みし易くするための工夫が提案されている。例えば特許文献2に水上停留所乗降装置が示されている。

0008

上記水上停留所用乗降装置は陸地側の乗降場に設けられていて、岸壁の側面に、下部が水面近くまでに及ぶフレーム体を取り付けて、このフレーム体の下部側面を観光船の乗降口に臨ませ、フレーム体の上部側面を陸地の乗降場に臨ませ、かご体をフレーム体内で上下移動可能にしている。そして、かご体をフレーム体の上部に位置させて、陸地側の乗降場からかご体に車椅子利用者が乗り込むようにし、そのかご体をフレーム体内で降ろして下部側に移し、観光船の乗降口の高さにかご体を合わせて車椅子利用者がそのかご体から観光船の乗降口へ移動することができるようにしている。

0009

また、大型客船では、係留させる場所の水深が大きい専用の乗降場に横付けされる。大型客船の場合、船舶側の乗降口の高さが陸地の乗降場より高いことから、乗降に際しては専用に用意されているギャングウエイが使用される。そして、大型客船に車椅子利用者が乗降できるようにする工夫として、特許文献3に示すように陸地側の乗降場に立設された建屋の内部でウインチにて昇降ケージ上げ下げし、その昇降ケージにて車椅子利用者を高位置の客船乗降口へと移す車椅子用乗船装置がある。

先行技術

0010

特開平09−207878号公報
特開2016−040189号公報
特開平06−286959号公報

発明が解決しようとする課題

0011

特許文献2、3では大人数の乗員が乗降できる観光船や大型客船に車椅子利用者が乗降し易くする装置が示されているが、湾岸の複数の乗降場を廻る上記小型船舶では船尾側デッキが狭いなどの理由のために、この特許文献2、3での装置を利用した車椅子利用者の乗降を船尾側デッキを経て行なうことは難しいという問題がある。

0012

即ち、車椅子利用者を乗せたかご体や昇降ケージを船尾側デッキの側方に位置させたとしても、この船尾側デッキにおいて船体機関部の上部カバーが大きく前方に張り出る状態で形成されてデッキスペースが狭くなっていることから、車椅子の取り回しが非常に困難であって車椅子利用者が船尾側デッキに移動できない。そのため、船体の側舷から船尾側デッキの領域を経てキャビンに至る車椅子専用のスロープ別途に用意する必要が生じる。

0013

また、特許文献2で示されているように小型船舶でのキャビンの側方に上記かご体や昇降ケージを降ろして、側方から車椅子利用者が直接にキャビン内に移動できるようにすることも対策として考えられるが、キャビン側壁に専用の出入り口を形成したとしても出入り口の部分から車椅子固定位置までの移動スペースを、狭いキャビン内で構成することが困難となる。

0014

そこで本発明は上記事情に鑑み、定員が五、六人位となる上記小型船舶に車椅子利用者が船尾側デッキのスペースを経ることなしに陸地側の乗降場からキャビンに出入りできるようにすることを課題とし、車椅子利用者の乗降が簡単にしてスムーズに行える小型船舶を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0015

(請求項1の発明)
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、かご内に車椅子利用者と介助者とを収容する角柱状の吊り込みかごを通す開口部が、船体のキャビンのルーフ船体中心線上にして開口されていて、前記開口部を船体中心線方向に沿って移動して開閉する移動蓋を備え、
前記キャビンに、前記開口部からこの開口部の下方であるキャビン床に亘って吊り込みかごを吊り込み可能とされたかご進入空間部が設けられ、開口部からキャビン床の上に亘る前記かご進入空間部が、船体中心線上に位置していることを特徴とする小型船舶を提供して、上記課題を解消するものである。

0016

(請求項2の発明)
そして、本発明において、上記キャビンの内部には、座体跳ね上げ可能とされた複数の客席それぞれが、キャビンの内側壁に寄せて、且つ跳ね上げ可能な前記座体を船体中心線側に位置させた対座配置にして設けられており、
上記かご進入空間部を対座配置の一方の前記客席と他方の前記客席との間に位置させて、座体跳ね上げ姿勢時の客席がかご進入空間部に非干渉となる客席配置とされていることが良好である。

0017

(請求項3の発明)
また、本発明において、上記キャビンの内部には、車椅子を固定可能とされた車椅子利用者空間部が設けられていることが良好である。

発明の効果

0018

(請求項1の発明の効果)
請求項1の発明により、キャビンの上方からルーフに開かれている開口部を車椅子利用者及び介助者が、吊り込みかごを利用しながら通ってキャビンに入ることができるようになるため、車椅子利用者が小型船舶に簡単にして手間無く乗船することができる。同様に前記ルーフの開口部を通って降ろされた吊り込みかごに車椅子利用者及び介助者を収容して、吊り込みかごを引き上げて陸地側の乗降場に降ろすことで小型船舶からの降船も簡単にして手間無く行える。

0019

ルーフの開口部を開閉する移動蓋の移動が船体中心線方向に沿うとともに、かご進入空間部がキャビン床での船体中心線上にあって車椅子利用者の車椅子が船体中心線の上に降りることになるので、船体が船体中心線回りに揺れロール度合いが小さく、車椅子利用者に横揺れ感による不安を起こさせないという効果がある。

0020

(請求項2の発明の効果)
請求項2の発明により、船体自体を大型にしなくとも、キャビン内での一般乗り合い客用席数を確保しながら車椅子利用者の乗降のための空間を確保でき、キャビン内の空間を有効に使用できるという効果を奏する。

0021

(請求項3の発明の効果)
請求項3の発明により、車椅子利用者が乗船している船体が航行時に揺れたとしても、車椅子利用者空間部で車椅子が船体と一体的になっているため、介助者や乗員が車椅子を支える必要が無く、操舵者の車椅子利用者に対する介助業務を軽減できるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0022

本発明に係る小型船舶の実施の形態において一部を切り欠いてキャビン内部を側舷側から見た状態を示す説明図である。
実施の形態での移動蓋が前方に移動した状態を側舷側から見た状態で示す説明図である。
キャビンにおいて客席を跳ね上げしていないキャビン内を船首側から見た状態で示す説明図である。
吊り込みかごが降ろされたキャビン内を側舷側から見た状態で示す説明図である。
同じく吊り込みかごがキャビン内に降ろされた状態をルーフ側から見た平面の状態で示す説明図である。
吊り込みかごが降ろされたキャビン内を船首側から見た状態で示す説明図である。
車椅子利用者が車椅子利用者空間部に移動したキャビン内を側舷側から見た状態で示す説明図である。
車椅子利用者が車椅子利用者空間部に移動したキャビン内をルーフ側から見た平面の状態で示す説明図である。

実施例

0023

つぎに本発明を図1から図8に示す実施の形態で詳細に説明する。図中1は小型船舶で、側舷側から見た状態であって一部を切り欠いている図1に示されているように、小型船舶1は船体中央にキャビン2が配置され、船体前部では、船首3側の甲板4が、キャビン2の床5の位置より高くしてそのキャビン2の前方窓6に連続するように形成されている。

0024

船体後部では、例えば図5の平面視に示すように船尾7の前方であって船体中心線Aに重なる中央位置にし、上方に凸となるとともに船首3側に張り出る形状とした機関カバー部8が形成され、また、この機関カバー部8の船体幅方向での両側に段部9が形成されていて、段部9それぞれが側舷10まで連続している。そして、段部9の前面下縁が、キャビン2の床5の高さ位置に揃う船尾7側の甲板11として形成されている。

0025

(キャビン)
キャビン2には、このキャビン2の内の最前部における一方の側舷10側に操舵席12を配していて、この操舵席12の部分を含めてキャビン2内の前部空間を乗員管理区画13とするとともに、前記乗員管理区画13とする前部空間に対して船尾側となる後方空間を客席区画14にして、キャビン2の内が船体中心線A方向に沿って前後に区分されている。

0026

上記客席区画14にあっては、船体中心線Aを中心にして複数の客席15を対称位置にし、客席15それぞれをキャビン2の内側壁16側に寄せるように設けている。なお、乗員管理区画13と客席区画14との間に仕切りや段差が存在するものではなく、区画13、14の両空間は連続し、床5も同一高さにして連続している。

0027

キャビン2の内での最後部にあっては、両方の側舷10側それぞれに乗り合い客を通すための出入り口17を設けている。前記出入り口17は、ウイング式回動可能とされたドア18で開閉される部分であり、一般の乗り合い客は、陸地側の乗降場から船尾7側の甲板11に移り、開いた出入り口17を通ってキャビン2の客席区画14に入り、また、降船時にはキャビン2から出入り口17を通って前記甲板11に移動し、その甲板11から陸地側の乗降場へと自身で移ることとなる。

0028

なお、側舷10それぞれにおける上記出入り口17に近い箇所には、閉鎖板10aが着脱可能にして取り付けられている舷門10bが位置している。

0029

キャビン2の上部に位置するルーフ19は、その前縁に傾斜している上記前方窓6が連続しているとともに、ルーフ19の側縁には、側舷10それぞれでの上記内側壁16の上端部分から立ち上げられた側方窓20が連続している。さらにルーフ19の後縁となる部分については、上記出入り口17の上縁とされているとともに、左右の出入り口17の間であってキャビン2の最後部中央に位置している後方壁21が連続する。

0030

(ルーフ−天窓
ルーフ19での上記乗員管理区画13に対応する部分には、操舵席12と船体中心線Aを中心としてこの操舵席12の対称位置となる部分とのそれぞれの上方に天窓22が設けられており、その天窓22それぞれは側舷10側での内側壁16の上端位置まで延長されている。そして前記天窓22の部分については、着脱可能にして透明板23が取り付けられており、必要に応じて前記透明板23を取り外すことで天窓22の部分を臨時の出入り口として利用できるようにしている。

0031

なお、後述するように乗員管理区画13での船体中心線Aを中心として操舵席12の対称位置となる部分は、乗船した車椅子利用者が位置する空間部とするものであり、必要に応じて車椅子利用者が位置する部分に対応した上記透明板23を取り外してから、開放の天窓22の部分を通して車椅子利用者の人員のみを船外へ運び出すことができる。

0032

(ルーフ−開口部)
本小型船舶1は、車椅子利用者Bと介助者Cとを共にして収容するための吊り込みかごDをルーフ19の上方から通し、その吊り込みかごDをキャビン2の客席区画14の部分に降ろすことができるようにした工夫が設けられているものである。まず、ルーフ19には、図1で示されているように客席区画14を形成する空間部分の上方位置であって、そのルーフ19での船体中心線A上に位置する開口部24が開口されている。

0033

一方、吊り込みかごDは、かご内で正面を船首側に向けた車椅子利用者とその後方にいる介助者とを共に底板上に乗せながら収容するように平面視が長方形状とされ、上下方向に角筒状に設けられている。さらに、吊り込みかごDの下部における船首側となる側面部分には出入り口Eが形成され、出入り口Eが上下移動する開閉板Fで開閉可能に閉じられている。

0034

そして、ルーフ19の上記開口部24は、図5仮想線で示すようにルーフ19の上方から降ろされる吊り込みかごDを通すように略長方形状にして開口されており、開口部24の長手の方向を船体中心線Aの方向と同方向としている。

0035

(ルーフ−移動蓋)
上記ルーフ19の上面の部分には移動蓋25が備えられており、上記開口部24が前記移動蓋25によって覆われている。移動蓋25は船体中心線A方向に沿って移動可能とされている蓋体であり、開口部24を覆う位置からルーフ19の上面上での船体中心線A方向であって船首3方向に移動(前進)して、開口部24全体が開くようにしている。また、移動蓋25が前記船体中心線A方向であって船尾7方向に移動(後退)して、開口部24全体を閉じることができるようにしている。

0036

(かご進入空間部)
キャビン2での客席区画14には、上記開口部24からこの開口部24の下方となるキャビン2の床5に亘って船体上下方向にしてかご進入空間部26が設けられていて、このかご進入空間部26は、ルーフ19の上方から開いた開口部24を通してキャビン2の床5へと吊り込みかごDを吊り込み可能となる空間として形成されている。

0037

即ち、客席区画14に上記かご進入空間部26が設けられていることから、客席区画14では、移動蓋25を船首3側に移動させて開いた開口部24を通るようにして吊り込みかごDを降下させ、客席区画14での床5の上に吊り込みかごDの下部が乗るように吊り込みかごDを降ろすことができる。

0038

かご進入空間部26も船体中心線A上に位置していて、かご進入空間部26で床5の上に吊り込まれた吊り込みかごD自体が船体中心線A上に位置することになる。そして、吊り込みかごDの内部に収容された車椅子利用者Bが座っている車椅子は、吊り込みかごDが床5に合わさったときや吊り込みかごDの出入り口Eを開いて船首3側に車椅子利用者Bが進み出たときでも船体中心線Aの上に位置しており、このため、係留中の船体のロールによる車椅子の横振れの度合いが大きくならない利点がある。

0039

(客席区画の席)
実施の形態での本小型船舶1において、上記かご進入空間部26を備える客席区画14では、乗員管理区画13側に、船幅方向で離間した配置で対にした客席15が設けられているとともに、後方側にも船幅方向に離間した配置で対にした座席15が設けられている。

0040

図5のキャビン内の平面や図8のキャビン内の平面に示すように、客席区画14において乗員管理区画13側である前列の客席15それぞれは座体を船首側に向けて側舷側の内側壁16に寄っており、船体中心線Aの位置を中心にして対称配置されている。そして、前列の前記客席15同士は車椅子利用者Bが通過することができる間隔を確保して船幅方向に離れている。

0041

また、図1図3図8とに示すように後方の客席15は長椅子タイプのものである。この後方の客席15それぞれは座体を船体中心線A側に向けて内側壁16に寄って対座配置としていて、前列の座席15と同様に船体中心線Aの位置を中心にして対称配置されている。

0042

上述したように客席区画14にかご進入空間部26が形成されているが、小型船舶1の運航において、乗り合い客として車椅子利用者が必ず乗船するわけではない。そこで、長椅子タイプとした上記後方の座席15それぞれは座体跳ね上げ可能な椅子からなるものであり、例えば図8に示されているように非跳ね上げ状態の座体はかご進入空間部26に一部が入り込むように設けられている。

0043

そして、かご進入空間部26に吊り込みかごDを位置させる際、事前に後方の客席15それぞれの座体を跳ね上げて座体跳ね上げ姿勢にすることで、図6に示されているように客席15の座体それぞれがかご進入空間部26の外側に退避して、後方の客席15それぞれとかご進入空間部に非干渉となるように設けられている。

0044

このように座体跳ね上げ姿勢時の客席15をかご進入空間部に非干渉となる客席配置としていることから、座体を跳ね上げるという極めて簡単な操作で、対座の座席15の間に吊り込みかごDを吊り降ろすことができる。即ち、車椅子利用者B及び介助者Cを吊り込みかごDを利用してキャビン2の床5の上へ進み出ることができるように案内可能となる。

0045

(車椅子利用者空間部)
キャビン2には、吊り込みかごDを利用して乗船した車椅子利用者Bの車椅子を、その利用者が腰掛けたまま安定させておくことができる場所が存在している。この場所は、上記乗員管理区画13での操舵席12とは船体中心線Aを中心にして対称となる部分であり、車椅子利用者空間部27として設けられている。

0046

この車椅子利用者空間部27には図示しない車椅子固定手段が配設されている。そして、上記かご進入空間部26に吊り込まれた吊り込みかごDから介助者とともに進み出た車椅子利用者が、客席区画14の前列の座席15の間を通ってこの車椅子利用者空間部27に来たのち、車椅子利用者空間部27にて、乗員などが車椅子を固定可能にする車椅子固定手段を用いて固定するようにしている。

0047

上記車椅子利用者空間部27は操舵席12の側方に設けられていることから、図8に示されているように車椅子利用者空間部27に位置する車椅子利用者Bの様子を操舵席12に座る乗員から簡単に観察することができ、航行中においても車椅子利用者の安全を図り易くなる。

0048

また、車椅子利用者空間部27の上方側及び近接する側舷側には、透明板23にて着脱可能に閉じた天窓22が対応位置している。これによって必要に応じて乗員が透明板23を取り外して天窓22の部分を臨時の出入り口とし、その乗員の案内の下で車椅子利用者Dの利用者自体を船外に案内することが迅速に行なえるようにしている。

0049

(車椅子利用者の乗降船)
車椅子利用者Bの乗船に際しての小型船舶1側の動きを説明する。まず、車椅子利用者Bが乗船する前には図1に示すように移動蓋25がルーフ19の開口部24を覆っている。つぎに吊り込みかごDを降ろす前に、図2図3とに示すように移動蓋25が船首3側にルーフ19の上面上を移動して開口部24を開き、キャビン2のかご進入空間部26をルーフ19の上方空間と連続させておく。

0050

また、吊り込みかごDをキャビン2の客席区画14に降ろす前に客席15の座体を跳ね上げて、その座体をかご進入空間部26の外方となる位置に退避させる。そして、図4の側方から見た状態、図5の上方から見た状態、図6の船首側から見た状態で示すように介助者Cと車椅子利用者Dを内部に収容し出入り口Eが閉じられている状態の吊り込みかごDを、上記開口部24を通してキャビン2内におけるかご進入空間部26に降ろし、床5の上に乗せるようにする。

0051

この後、吊り込みかごDの開閉板Fを上げて出入り口Eを開き、その出入り口Eから船首側へ進み出る車椅子利用者Bは、前列の座席15の間を通って上記車椅子利用者空間部27に移動し、この車椅子利用者空間部27にて乗員や介助者により車椅子の固定を行なうようにする。車椅子利用者の車椅子が固定配置された状態を、図7の側方から見た状態で、また、図8の上方から見た状態で示した。この後、吊り込みかごDを上方に引き上げるとともに、移動蓋25を後退移動させて開口部24を閉じる。

0052

なお、車椅子利用者Bが下船する場合は、上述した手順の逆順にして、車椅子利用者Bの移動、移動蓋25の動作、吊り込みかごDの上げ下げを行なうようにすればよい。

0053

A…船体中心線
B…車椅子利用者
C…介助者
D…吊り込みかご
1…小型船舶
2…キャビン
5…キャビンの床
12…操舵席
13…乗員管理区画
14…客席区画
15…客席
19…ルーフ
24…開口部
25…移動蓋
26…かご進入空間部
27…車椅子利用者空間部

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  • エクスポネンシャル リニューワブルズ, エス.エル.の「 洋上風車の浮体構造」が 公開されました。( 2020/08/13)

    【課題・解決手段】海底に定着される定着部3及び旋回可能部4を備えた浮体洋上水平軸風車構造物1であって、その構造物1はピボットブイを含む少なくとも3の浮体手段6,9によって支持され、ピボットブイ6は海底... 詳細

  • 株式会社IHIの「 浮遊システム」が 公開されました。( 2020/08/13)

    【課題】浮体が移動可能な範囲を抑制可能な浮遊システムを提供する。【解決手段】浮遊システム1は、水底Bの異なる位置に配置された複数の固定部6〜8に対して各々接続された複数の下部係留索11〜13と、複数の... 詳細

  • 音羽電機工業株式会社の「 浮構造体及び落雷検知システム」が 公開されました。( 2020/08/13)

    【課題】落雷を検知することが可能な浮構造体と、その浮構造体を用いた落雷検知システムを提供する。【解決手段】 浮構造体10は、受雷部20と、受雷部20と導通し、水面と接触して受雷部20で受けた雷により... 詳細

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