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技術 車両用制御装置

出願人 マツダ株式会社
発明者 大村博志
出願日 2017年12月28日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2017-253001
公開日 2019年7月22日 (8ヶ月経過) 公開番号 2019-119226
状態 特許登録済
技術分野 走行状態に応じる操向制御 駆動装置の関連制御、車両の運動制御
主要キーワード 低速旋回 予測座標 重み付け定数 姿勢偏差 アシストスイッチ 後側位置 姿勢修正 ルーフ前端
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

走行速度に拘らず運転者が違和感を覚えることがない操舵支援を実行することができる車両用制御装置を提供する。

解決手段

自車両を目標経路Lに沿って走行可能な車両用制御装置であって、車速を検出する車速センサ4と、前方領域情報に基づき自車両の目標経路Lを設定する目標経路設定部21と、目標経路設定部21によって設定された目標経路Lと自車両に設定された基準位置との偏差に基づいて少なくともステアリング13の操舵量を制御する舵角制御部22とを有し、舵角制御部22は、車両旋回時、車速が低い程、基準位置を車体後方側に変更した感覚基準位置Pを設定して操舵アシストを実行する。

概要

背景

従来より、車両を目標経路に沿って走行させる操舵アシスト機構を備えた車両用制御装置が知られている。この種の車両用制御装置において、自車両の走行ガイド走行軌跡に相当する目標経路は、基本的に、ステレオカメラ単眼カメラ等を用いた車外監視装置によって自車両の走行レーン画成する左右の白線を認識し、これら認識された左右の白線に基づき左右両白線間の中央位置を検出することにより設定されている。

特許文献1の車両運動制御装置は、前方撮像手段と、自車両のヨー角又は横位置の少なくとも一方の状態を検出する状態検出手段と、運転者視線と目標経路との交点に到達するまでの時間を算出する時間算出手段と、目標ヨー角と実ヨー角との差及び目標横位置と実横位置との差の少なくとも一方と係数との積で表わされる補正量を算出する補正量算出手段とを備え、目標経路と自車両中心(重心)位置との偏差に基づき操舵角の補正を行うと共に補正量算出手段により算出された補正量を偏角又は車両制御量加算した値に基づいて車両運動を制御している。

概要

走行速度に拘らず運転者が違和感を覚えることがない操舵支援を実行することができる車両用制御装置を提供する。自車両を目標経路Lに沿って走行可能な車両用制御装置であって、車速を検出する車速センサ4と、前方領域情報に基づき自車両の目標経路Lを設定する目標経路設定部21と、目標経路設定部21によって設定された目標経路Lと自車両に設定された基準位置との偏差に基づいて少なくともステアリング13の操舵量を制御する舵角制御部22とを有し、舵角制御部22は、車両旋回時、車速が低い程、基準位置を車体後方側に変更した感覚基準位置Pを設定して操舵アシストを実行する。

目的

本発明の目的は、走行速度に拘らず運転者が違和感を覚えることがない操舵支援を実行可能な車両用制御装置等を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

自車両を目標経路に沿って走行可能な車両用制御装置において、車速を検出する車速検出手段と、前方領域情報に基づき自車両の目標経路を設定する目標経路設定手段と、前記目標経路設定手段によって設定された目標経路と自車両に設定された基準位置との偏差に基づいて少なくともステアリング操舵量を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記基準位置を車速に応じて変更することを特徴とする車両用制御装置。

請求項2

前記制御手段は、車速が低いとき、その車速よりも高いときに比べて前記基準位置を車体後方側に変更することを特徴とする請求項1に記載の車両用制御装置。

請求項3

前記制御手段は、車速が低い程、前記基準位置を車体後方側に変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用制御装置。

請求項4

前記制御手段は、車両旋回時、前記基準位置を変更することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用制御装置。

請求項5

前記制御手段は、旋回半径所定値未満のとき、前記基準位置を変更することを特徴とする請求項4に記載の車両用制御装置。

請求項6

自車両を目標経路に沿って走行可能な車両用制御装置において、車速を検出する車速検出手段と、前方領域情報に基づき自車両の目標経路を設定する目標経路設定手段と、前記目標経路設定手段によって設定された目標経路と自車両の重心位置との偏差を小さくするためのゲインを設定すると共に前記ゲインに基づいてステアリングの操舵量を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、車速が判定閾値よりも低いとき、車速が前記判定閾値よりも高いときに比べて前記ゲインを小さくすることを特徴とする車両用制御装置。

技術分野

0001

本発明は、車両用制御装置に関し、特に自車両を目標経路に沿って走行可能な車両用制御装置に関する。

背景技術

0002

従来より、車両を目標経路に沿って走行させる操舵アシスト機構を備えた車両用制御装置が知られている。この種の車両用制御装置において、自車両の走行ガイド走行軌跡に相当する目標経路は、基本的に、ステレオカメラ単眼カメラ等を用いた車外監視装置によって自車両の走行レーン画成する左右の白線を認識し、これら認識された左右の白線に基づき左右両白線間の中央位置を検出することにより設定されている。

0003

特許文献1の車両運動制御装置は、前方撮像手段と、自車両のヨー角又は横位置の少なくとも一方の状態を検出する状態検出手段と、運転者視線と目標経路との交点に到達するまでの時間を算出する時間算出手段と、目標ヨー角と実ヨー角との差及び目標横位置と実横位置との差の少なくとも一方と係数との積で表わされる補正量を算出する補正量算出手段とを備え、目標経路と自車両中心(重心)位置との偏差に基づき操舵角の補正を行うと共に補正量算出手段により算出された補正量を偏角又は車両制御量加算した値に基づいて車両運動を制御している。

先行技術

0004

特開2012−206606号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1の車両運動制御装置は、目標経路と車両重心との偏差に基づきステアリング操舵角の補正を行うことにより、運転者の操舵車両側が自動的にアシストすることができ、軌跡追従特性ダンピング悪化を抑制している。
しかし、特許文献1の技術では、車両重心を目標経路上を通過させる、所謂重心基準の操舵アシスト制御を実行しているため、運転者が違和感を覚える虞がある。

0006

例えば、低速旋回時、車両の内輪差による巻き込みを回避するため、運転者は車両後方側(内側後輪)に意識を集中することから、運転者の感覚的には、車両の重心が実際の重心よりも後側位置に存在するように感じる傾向がある。それ故、運転者は、重心基準の操舵アシスト制御を実行した場合、過剰アシストと認識する虞がある。
また、高速旋回時、ステアリングの誤操舵を回避するため、運転者は車両前方側(進行方向前方)に意識を集中することから、運転者の感覚的には、車両の重心が実際の重心よりも前側位置に存在するように感じる傾向がある。それ故、運転者は、低速旋回時のときと同様に、過剰アシストと認識する虞がある。
即ち、運転者が感覚的に意識する車両の重心位置、所謂感覚重心位置、が車両の走行速度によって変動するため、重心基準の操舵アシスト制御を実行した場合、運転者が自覚する基準(感覚基準)位置と実際の基準(重心基準)位置とが異なることから、運転者が不安感を覚えることが懸念される。

0007

本発明の目的は、走行速度に拘らず運転者が違和感を覚えることがない操舵支援を実行可能な車両用制御装置等を提供することである。

課題を解決するための手段

0008

請求項1の車両用制御装置は、自車両を目標経路に沿って走行可能な車両用制御装置において、車速を検出する車速検出手段と、前方領域情報に基づき自車両の目標経路を設定する目標経路設定手段と、前記目標経路設定手段によって設定された目標経路と自車両に設定された基準位置との偏差に基づいて少なくともステアリングの操舵量を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記基準位置を車速に応じて変更することを特徴としている。

0009

この車両用制御装置では、車速検出手段が、自車両の走行速度を検出し、目標経路設定手段が、前方領域情報に基づき自車両が走行する目標経路を設定する。また、制御手段が、目標経路設定手段によって設定された目標経路と自車両に設定された基準位置との偏差に基づいて少なくともステアリングの操舵量を制御するため、自車両が走行すべき適切な目標経路に沿ってステアリングを制御することができる。
しかも、制御手段は、基準位置を車速に応じて変更するため、車速に応じて変更された基準位置、所謂運転者が感覚的に意識する感覚基準位置に基づいたステアリングの操舵支援を実行することができ、運転者の違和感を軽減することができる。

0010

請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記制御手段は、車速が低いとき、その車速よりも高いときに比べて前記基準位置を車体後方側に変更することを特徴としている。
この構成によれば、低速走行時において運転者の違和感を軽減することができる。

0011

請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記制御手段は、車速が低い程、前記基準位置を車体後方側に変更することを特徴としている。
この構成によれば、車速変化に応じたステアリングの操舵支援をリニアに実行することができ、運転者の違和感を一層軽減することができる。

0012

請求項4の発明は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記制御手段は、車両旋回時、前記基準位置を変更することを特徴としている。
この構成によれば、特に実際の車両の基準位置と運転者が感覚的に意識する感覚基準位置との乖離が大きくなる旋回時において運転者の違和感を軽減することができる。

0013

請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記制御手段は、旋回半径所定値未満のとき、前記基準位置を変更することを特徴としている。
この構成によれば、処理の簡単化を図ることができる。

0014

請求項6の発明は、自車両を目標経路に沿って走行可能な車両用制御装置において、車速を検出する車速検出手段と、前方領域情報に基づき自車両の目標経路を設定する目標経路設定手段と、前記目標経路設定手段によって設定された目標経路と自車両の重心位置との偏差を小さくするためのゲインを設定すると共に前記ゲインに基づいてステアリングの操舵量を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、車速が判定閾値よりも低いとき、車速が前記判定閾値よりも高いときに比べて前記ゲインを小さくすることを特徴としている。
この構成によれば、簡単な構成で、運転者の違和感を軽減することができる。

発明の効果

0015

本発明の車両用制御装置によれば、走行速度に拘らず運転者が違和感を覚えることがない操舵支援を実行することができる。

図面の簡単な説明

0016

実施例1に係る車両用制御装置の概略構成図である。
低速旋回時及び高速旋回時における感覚基準位置の説明図である。
基準位置検出時における座標系の説明図である。
操舵アシスト制御処理手順を示すフローチャートである。
ゲイン補正値マップである。

0017

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下の説明は、本発明を操舵アシスト可能な車両のステアリング機構に適用したものを例示したものであり、本発明、その適用物、或いは、その用途を制限するものではない。

0018

以下、本発明の実施例1について図1図4に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施例に係る車両用制御装置は、パワーステアリング機構1と、ECU(Electronic Control Unit)2と、ルーフ前端中央部に配置され且つ自車両前方を含む周辺環境を撮像する車外カメラ3と、自車両の走行速度を検出する車速センサ4(車速検出手段)と、自車両のステアリングホイール(以下、ステアリングと省略する)13の操舵角を検出する操舵角センサ5と、操舵アシスト制御の作動を手動によりオンオフ切替可能なアシストスイッチ6を主な構成要素としている。

0019

まず、パワーステアリング機構1について概略を説明する。
パワーステアリング機構1は、車体フレーム(図示略)に支持されたステアリングコラム11を介して回動自在に支持されたステアリング軸12を備えている。
このステアリング軸12の上端部には、ステアリング13が取り付けられ、下端部には、ピニオン軸14が連結されている。ステアリングギヤボックス15は、車体前部のエンジンルーム内に配設され、ラック軸16を左右方向に対して往復移動可能に支持している。このラック軸16のラックに対してピニオン軸14のピニオンが噛合され、ラックアンドピニオン式ステアリングギヤ機構が形成されている。

0020

ステアリングギヤボックス15の端部から突出したラック軸16の左右端部には、タイロッドを介してフロントナックルが夫々連結されている。
これらフロントナックルは、操舵輪としての左右1対前輪17を回転自在に支持すると共に車体フレームに対して転舵自在に支持されている。それ故、ステアリング13を操舵したとき、ステアリング軸12及びピニオン軸14が回動し、ピニオン軸14の回動によりラック軸16が左右方向に移動して、1対の前輪17が転舵される。

0021

図1に示すように、ピニオン軸14には、アシスト伝達機構18を介して電動パワーステアリングモータ(以下、電動モータと略す)19が連結されている。
電動モータ19は、ステアリング13に運転者が加える操舵トルクのアシスト、及び後述する相対舵角θhを発生させるための操舵トルクを付与している。
そして、電動モータ19は、ECU2から制御指令信号として出力される目標電流に基づき駆動される。

0022

次に、ECU2について説明する。
ECU2は、車線(走行レーン)上に自車両の目標経路を設定する目標経路設定機能と、自車両の制御上の基準位置を設定する基準位置設定機能と、基準位置が目標経路上を通過するように操舵(操舵角)をアシストする操舵アシスト機能を有している。
このECU2は、CPU(Central Processing Unit)と、ROMと、RAMと、イン側インタフェースと、アウト側インタフェース等によって構成されている。
ROMには、種々のプログラムやデータが格納され、RAMには、CPUが一連の処理を行う際に使用される処理領域が設けられている。

0023

図1に示すように、ECU2は、自車両の走行軌跡に相当する目標経路を設定可能な目標経路設定部21(目標経路設定手段)と、ステアリング13の操舵角を制御可能な舵角制御部22(制御手段)等を備えている。
目標経路設定部21は、単眼のCCD(Charge Coupled Device)カメラ3によって撮像された前方撮像情報から画像処理を用いて車線の左右端を区分する白線位置を夫々検出し、左右両白線間の中央位置を自車両の進行方向に連続して結んだ線を自車両の目標経路L(図2参照)として設定している。

0024

舵角制御部22は、目標経路設定部21によって設定された目標経路Lと後述する自車両の基準位置との偏差に基づいて操舵量を制御している。
この舵角制御部22は、基準位置検出部23と、自車両のスリップ角β演算するスリップ角演算部24と、電動モータ19の作動量に対応した相対舵角θhを演算する相対舵角演算部25等により構成されている。
基準位置検出部23は、予め保有された自車両の構造的重心である重心位置Paに加え、走行中、運転者が感覚的に意識する感覚基準位置P(図2参照)を検出している。

0025

ここで、感覚基準位置Pの考え方について説明する。
中速(例えば、40km/h)で走行している場合、運転者が感覚的に意識する感覚基準位置Pは自車両の重心位置Paと一致している。尚、重心位置Paは、便宜上、前後に延びる車体中心軸の略中間部に対応した位置と見做すことが可能である。
図2(a)に示すように、低速(例えば、20km/h)で旋回走行している場合、運転者は車両後方に意識を集中するため、運転者が感覚的に意識する車両の基準位置(感覚基準位置P)は重心位置Paよりも後方移行している。この感覚基準位置Pは、車速が低い程、車速に比例して重心位置Paよりも後方に移行する傾向を有している。
図2(b)に示すように、高速(例えば、60km/h)で旋回走行している場合、運転者は車両前方に意識を集中するため、運転者が感覚的に意識する車両の基準位置(感覚基準位置P)は重心位置Paよりも前方に移行している。この感覚基準位置Pは、車速が高い程、車速に比例して重心位置Paよりも前方に移行する傾向を有している。

0026

以上により、基準位置検出部23は、走行中、運転者が感覚的に意識する自車両の回転中心を感覚基準位置Pとして検出している。
具体的には、図3に示すように、重心位置Paを原点に設定すると共に、感覚基準位置Pを通る車体中心軸であるx軸と、このx軸に直交するy軸とによって規定された2次元の座標系において、感覚基準位置Pを座標(Qx,0)とすることにより、Qxを次式(1)によって求めることができる。尚、x軸は、重心位置Paよりも前側を正としている。

0027

尚、Irは、重心位置Paから車体後端までの前後長、kwは定数(例えば、15)、Vは車速センサ4の検出値に基づく車速(m/sec)である。
これにより、感覚基準位置Pは、車速のとき、−Ir地点(車体後端)、車速15m/secのとき、原点(重心位置Pa)、車速30m/secのとき、+Ir地点(車体前端)となる。

0028

図3に示すように、運転者が感覚的に意識する自車両の回転中心と目標経路Lとの距離、換言すれば、感覚基準位置Pと目標経路Lとのy軸方向のずれ量ytは、カメラ3の設置位置Pbと重心位置Paとの距離をQc、目標経路Lとx軸との交点Pcとカメラ3の設置位置Pbとの距離をC0、目標経路Lとx軸との交差角度をC1としたとき、次式(2)のように表すことができる。
yt=(C0+Qx+Qc)×sin(C1) …(2)
このずれ量ytが、操舵アシストにより位置修正を行うべき位置偏差εtに相当している。

0029

次に、スリップ角演算部24について説明する。
スリップ角演算部24は、現在の感覚基準位置Pの進行方向であるスリップ角βqと、微小時間(例えば、100msec)経過後の目標進行方向であるスリップ角βτとを演算し、これらスリップ角βτとスリップ角βqとのずれ角εβを演算している。
ヨー角偏差が零の状態は、車両の進行方向を示すスリップ角が零の状態が前提条件であり、また、実際の走行ではスリップ角は必ず生じることから、本実施例では、スリップ角と目標進行方向とが一致する物理量と見做している。

0030

重心回りのスリップ角をβ、重心位置Paから車体前端までの前後長をIf、重心位置Paから車体後端までの前後長をIr、ヨーレートをφドットとしたとき、感覚基準位置Pが車体前端に存在する高速時のスリップ角βfと、及び感覚基準位置Pが車体前端に存在する低速時のスリップ角βrとは、次式(3)のように表すことができる。

0031

以上を踏まえて、本実施例では、現在の感覚基準位置Pの進行方向であるスリップ角βqの一般式を、式(1)を用いて次式(4)のように定義する。

0032

また、微小時間(例えば、100msec)経過後の目標進行方向相当のスリップ角βτ、所謂微小時間経過後の目標地点における接線方向は、現地点の座標(x0,y0)、目標地点の予測座標(x2,y2)としたとき、次式(5)のように表すことができる。

0033

従って、運転者が感覚的に意識する自車両の回転中心のずれ角εβは、スリップ角βτとスリップ角βqとを用いて次式(6)のように定義する。



このずれ角εβが、操舵アシストにより自車両の姿勢修正を行うべき姿勢偏差εβtに相当している。

0034

次に、相対舵角演算部25について説明する。
相対舵角演算部25は、位置偏差εtと姿勢偏差εβtとを併用して目標操舵角を設定している。具体的には、現在の舵角に対して切増し又は切戻しする舵角量に相当する相対舵角θhを、式(2)によって求めた位置偏差εt(ずれ量yt)と式(6)によって求めた姿勢偏差εβt(ずれ角εβ)と次式(7)を用いて演算する。



尚、kpは位置偏差制御ゲイン、kβpは姿勢偏差制御ゲイン、h1及びh2は重み付け定数である。

0035

本実施例では、kp及びkβpを、次式(8)に示す車速V(m/sec)に反比例する変数とし、h1及びh2を等しく0.5に設定している。
kp=−0.8/V
kβp=−0.2/V …(8)
ECU2は、相対舵角θhに対応した制御指令信号を出力し、電動モータ19の駆動を行う。

0036

次に、図4のフローチャートに基づいて、操舵アシスト制御処理手順について説明する。
尚、Si(i=1,2…)は、各処理のためのステップを示している。
また、この操舵アシスト制御は、100msec周期で処理を実行しているため、スリップ角演算部24における微小時間を、本操舵アシスト制御の周期と同じ期間に設定している。

0037

図4に示すように、まず、S1にて、アシストスイッチ6がオン操作されているか否か判定する。
S1の判定の結果、アシストスイッチ6がオン操作されている場合、運転者が車両側からの操舵アシストを要求しているため、S2に移行する。S1の判定の結果、アシストスイッチ6がオン操作されていない場合、運転者による要求がないため、リターンする。
S2では、カメラ3により取得した撮像情報を読み込み、目標経路L、自車両の現在位置及び進行方向角(スリップ角β)等を算出した後(S3)、S4に移行する。

0038

S4では、自車両が旋回走行中か否か判定する。
本実施例では、旋回半径が所定の判定閾値未満のとき、旋回走行中と判定している。
緩い旋回の場合、運転者が違和感を認識する虞が低く、処理の簡単化を図るためである。
S4の判定の結果、自車両が旋回走行中の場合、式(1)を用いて感覚基準位置Pを操舵アシスト制御の基準位置として設定し(S5)、S7に移行する。
S4の判定の結果、自車両が旋回走行中ではない場合、予め保有する重心位置Paを操舵アシスト制御の基準位置として設定し(S6)、S7に移行する。

0039

S7では、式(2)を用いて位置偏差εt(ずれ量yt)を算出した後、S8に移行する。
S8では、式(6)を用いて姿勢偏差εβt(ずれ角εβ)を算出した後、S9に移行する。S9では、式(7)を用いて相対舵角θhを算出した後、S10に移行する。
S10では、相対舵角θhが存在するか否か判定する。
S10の判定の結果、相対舵角θhが存在する場合、現在の舵角に対して切増し又は切戻しによる舵角修正が必要であるため、相対舵角θhに基づく操舵アシストを実行し(S11)、リターンする。
S10の判定の結果、相対舵角θhが存在しない場合、現在の舵角に対して舵角修正が必要でないため、リターンする。

0040

次に、本実施例の車両用制御装置における作用、効果について説明する。
本車両用制御装置によれば、車速センサ4が、自車両の走行速度を検出し、目標経路設定部21が、前方領域情報に基づき自車両が走行する目標経路Lを設定する。また、舵角制御部22が、目標経路設定部21によって設定された目標経路Lと自車両に設定された基準位置との偏差に基づいてステアリング13の操舵量を制御するため、自車両が走行すべき適切な目標経路Lに沿ってステアリング13を制御することができる。
しかも、舵角制御部22は、基準位置を車速Vに応じて変更するため、車速Vに応じて変更された基準位置、所謂運転者が感覚的に意識する感覚基準位置Pに基づいたステアリング13の操舵支援を実行することができ、運転者の違和感を軽減することができる。

0041

舵角制御部22は、車速が低いとき、その車速よりも高いときに比べて感覚基準位置Pを車体後方側に変更するため、低速走行時において運転者の違和感を軽減することができる。

0042

舵角制御部22は、車速が低い程、感覚基準位置Pを車体後方側に変更するため、車速変化に応じたステアリング13の操舵支援をリニアに実行することができ、運転者の違和感を一層軽減することができる。

0043

舵角制御部22は、車両旋回時、感覚基準位置Pを変更するため、車両の重心位置Paと運転者が感覚的に意識する感覚基準位置Pとの乖離が大きくなる旋回時において運転者の違和感を軽減することができる。
舵角制御部22は、旋回半径が所定値未満のとき、感覚基準位置Pを変更するため、処理の簡単化を図ることができる。

0044

次に、実施例2に係る車両用制御装置に基づいて説明する。
実施例1では、操舵アシストにおける基準位置を運転者が感覚的に意識する感覚基準位置Pに変更した制御処理であるのに対し、実施例2では、操舵アシストにおける基準位置を重心位置Paに固定した制御である。

0045

図2に示すように、低速旋回時(或いは高速旋回時)には、運転者が感覚的に意識する感覚基準位置Pが重心位置Paよりも後方(或いは前方)に移動しているため、重心位置Paを目標経路Lに揃える操舵アシスト制御を実行した場合、感覚基準位置Pが旋回中心寄りになり、運転者が過剰アシストと感じる虞がある。
そこで、本実施例では、操舵アシスト制御の基準位置を車速Vに拘らず重心位置Paに固定すると共に、低速旋回時或いは高速旋回時には、式(7)の位置偏差制御ゲインkpを小さくしている。

0046

図5に示すように、縦軸がゲイン補正値α、横軸が車速V(m/sec)とするゲイン補正値マップを設けている。
ゲイン補正値αは、最小値0.5から中車速(例えば、15m/sec)まで速度に応じて一次関数状に増加し、最大値1から高車速(例えば、30m/sec)まで速度に応じて一次関数状に減少した後、最小値0.5に維持されている。
そして、位置偏差制御ゲインkpを、ゲイン補正値αと次式(9)を用いて算出する。
kp=(−0.8×α)/V …(9)

0047

本車両用制御装置によれば、操舵アシスト制御の基準位置を車速Vに拘らず重心位置Paに固定しているため、運転者が感覚的に意識する感覚基準位置Pを演算する必要が無く、制御処理の簡単化を図ることができる。しかも、感覚基準位置Pの移動に伴って操舵アシスト量(位置偏差制御ゲインkp)を減少させることにより、感覚基準位置Pと目標経路Lとを近づけることができ、簡単な構成で、運転者の違和感を軽減することができる。

0048

次に、前記実施形態を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施例1においては、操舵アシスト制御の基準位置としての感覚基準位置Pを車両前端部から後端部に亙って車速に応じてリニアに変更した例を説明したが、処理の高速化のため、車速判定閾値を設け、複数の操舵アシスト制御の基準位置を予め保有させても良い。具体的には、3種類の基準位置を設ける場合、例えば、10m/sec未満の低車速のときに用いる後側基準位置、10〜20m/secの中車速のときに用いる標準基準位置(重心位置)、20m/secの中車速のときに用いる前側基準位置を予め記憶しておき、自車両の車速に対応する基準位置を読み出すようにする。
後側基準位置として車両後端、前側基準位置として車両前端を例として説明したが、後側基準位置として後輪車軸相当位置、前側基準位置として前輪車軸相当位置にしても良い。

0049

2〕前記実施例2においては、車速に応じてリニアに変化するゲイン補正値αの例を説明したが、処理の高速化のため、車速の判定閾値を設け、複数のゲイン補正値αを予め保有させても良い。具体的には、2種類のゲイン補正値αを設ける場合、例えば、10m/sec未満又は20m/sec以上のときに用いるゲイン補正値αとして0.5、10m/sec以上且つ20m/sec未満のときに用いるゲイン補正値αとして1を設定する。

0050

3〕前記実施形態においては、運転者の操作した操舵量に対してアシストする例を説明したが、運転者の操作が存在しない自動運転車両に対して適用しても良い。

0051

4〕前記実施形態においては、旋回走行時の例を説明したが、少なくとも目標軌跡に対して操舵アシスト制御の基準位置がずれた場合に適用可能であり、直線走行時に適用しても良い。

実施例

0052

5〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態包含するものである。

0053

4車速センサ
13ステアリング
21目標経路設定部
22舵角制御部
L 目標経路
P感覚基準位置
Pa 重心位置

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