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技術 六方晶窒化ホウ素粉末及びその製造方法、並びにそれを用いた組成物及び放熱材

出願人 昭和電工株式会社
発明者 深澤賢大塚雄樹
出願日 2017年12月27日 (2年6ヶ月経過) 出願番号 2017-251279
公開日 2019年7月18日 (11ヶ月経過) 公開番号 2019-116401
状態 未査定
技術分野 セラミック製品 硫黄、窒素等及びそれらの化合物;過化合物
主要キーワード 分級粉末 グリース類 輻射ヒーター 絶縁抵抗測定装置 離型層付き 空洞率 充填嵩密度 マゼルスター
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

樹脂等の絶縁性放熱材フィラーとして用いた場合に、前記樹脂等の熱伝導率及び耐電圧絶縁破壊電圧)を高めることができる六方晶窒化ホウ素(h−BN)粉末及びその製造方法、並びに、前記h−BN粉末を用いた組成物、及び放熱性及び絶縁性に優れた放熱材を提供する。

解決手段

平均一次粒子径、50%体積累積粒径D50、BET比表面積、及び嵩密度所定範囲内であり、粒度分布曲線における粒径1.0μm以上20.0μm未満の範囲のピークA、粒径20.0μm以上200.0μm未満の範囲のピークBについて、該h−BN粉末を所定の条件にて3分間超音波処理したときの、処理前のピークAの高さa1とピークBの高さb1の比(a1/b1)、及び処理後のピークAの高さa2とピークBの高さb2の比(a2/b2)が所定範囲内である、h−BNの一次粒子凝集体を含むh−BN粉末を用いる。

概要

背景

h−BN粒子は、黒鉛類似層状構造を有しており、熱伝導性電気絶縁性耐熱性耐食性潤滑離型性等の特性に優れている。このため、樹脂ゴム等(以下、単に「樹脂等」とも言う。)の絶縁性放熱材フィラーや、固体潤滑剤固体離型剤、h−BN焼結体製造用原料等として使用されている。

これらのうち、h−BN粒子が樹脂等の絶縁性放熱材のフィラーとして使用される場合、絶縁性放熱材中における充填性の向上及び配向による特性の異方性の抑制を目的として、例えば、特許文献1には、所定の粒径及び嵩密度を有する、h−BNの一次粒子凝集体である二次粒子のh−BN粉末が用いられることが記載されている。

このようなh−BN粉末の製造方法としては、従来の一般的な方法を用いることができ、例えば、特許文献2〜4には、ホウ酸ホウ砂等のホウ素化合物と、メラミン尿素等の窒素化合物とを混合し、アンモニアガス又は非酸化性ガス雰囲気下で、仮焼した後、1400〜2200℃程度の高温焼成して結晶成長させる方法が記載されている。

概要

樹脂等の絶縁性放熱材のフィラーとして用いた場合に、前記樹脂等の熱伝導率及び耐電圧絶縁破壊電圧)を高めることができる六方晶窒化ホウ素(h−BN)粉末及びその製造方法、並びに、前記h−BN粉末を用いた組成物、及び放熱性及び絶縁性に優れた放熱材を提供する。平均一次粒子径、50%体積累積粒径D50、BET比表面積、及び嵩密度が所定範囲内であり、粒度分布曲線における粒径1.0μm以上20.0μm未満の範囲のピークA、粒径20.0μm以上200.0μm未満の範囲のピークBについて、該h−BN粉末を所定の条件にて3分間超音波処理したときの、処理前のピークAの高さa1とピークBの高さb1の比(a1/b1)、及び処理後のピークAの高さa2とピークBの高さb2の比(a2/b2)が所定範囲内である、h−BNの一次粒子の凝集体を含むh−BN粉末を用いる。なし

目的

本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、樹脂等の絶縁性放熱材のフィラーとして用いた場合に、前記樹脂等の熱伝導率及び耐電圧(絶縁破壊電圧)を高めることができるh−BN粉末及びその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を含む六方晶窒化ホウ素粉末であって、平均一次粒子径が0.5μm以上10.0μm未満、50%体積累積粒径D50が10.0〜150.0μm、BET比表面積が1.0m2/g以上10.0m2/g未満、嵩密度が0.50〜2.00g/cm3であり、体積基準頻度分布を表す粒度分布曲線において、粒径1.0μm以上20.0μm未満の範囲にピークAを有し、粒径20.0μm以上200.0μm未満の範囲にピークBを有し、該六方晶窒化ホウ素粉末を下記条件1にて3分間超音波処理したときの、処理前の前記ピークAの高さa1と前記ピークBの高さb1の比(a1/b1)が0.07〜0.80、処理後の前記ピークAの高さa2と前記ピークBの高さb2の比(a2/b2)が0.40〜2.00である、六方晶窒化ホウ素粉末。[条件1]胴内径40mm、高さ60mmの50mLガラスビーカーに、該六方晶窒化ホウ素粉末の0.12質量%の20℃の水分散液50mLを入れ、超音波発生機振動子チップの先端を前記ビーカーの中央部の底面から1cmの高さにセットして、出力150W、発振周波数19.5kHzで超音波処理する。

請求項2

前記六方晶窒化ホウ素粉末を粒径45μm超106μm以下の範囲内に振動篩分級された粉末の体積基準の頻度分布を表す粒度分布曲線において、粒径45.0〜150.0μmの範囲内に最大ピークCを有し、分級された前記粉末を前記条件1にて1分間超音波処理したときの、前記最大ピークCの処理前の高さc1に対する処理後の高さc2の減少率((c1−c2)/c1×100)が5%以上30%未満である、請求項1に記載の六方晶窒化ホウ素粉末。

請求項3

請求項1又は2に記載の六方晶窒化ホウ素粉末を製造する方法であって、六方晶窒化ホウ素原料粉50〜90質量部と、ホウ素のオキソ酸及び酸化ホウ素から選ばれる1種又は2種以上のホウ素化合物10〜50質量部とを含む混合粉末を調製する工程と、前記混合粉末100質量部に、黒鉛及び炭素含有化合物から選ばれる1種又は2種以上の炭素源炭素原子換算で3.0〜10.0質量部添加混合して成形用材料を調製する工程と、前記成形用材料を加圧成形して、密度1.40〜1.70g/cm3の成形体を作製する工程と、前記成形体を、窒素ガス雰囲気下、1000〜2200℃で焼成して焼成物を得る工程と、前記焼成物を粉砕して、分級する工程とを有し、前記六方晶窒化ホウ素原料粉の平均一次粒子径Lと平均厚さdの比(L/d)が2.0〜15.0、50%体積累積粒径D50が0.20〜5.00μm、BET比表面積が5.0〜30.0m2/g、結晶子径が150〜400Åである、六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法。

請求項4

前記炭化ホウ素が、50%体積累積粒径D50が0.1〜15.0μmの粉末である、請求項3に記載の六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法。

請求項5

前記成形用材料を調製する工程において、前記炭素源が炭化ホウ素であり、前記混合粉末100質量部に、該炭化ホウ素が15〜20質量部添加混合される、請求項3又は4に記載の六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法。

請求項6

樹脂及びゴムから選ばれる1種又は2種以上からなる基材と、請求項1又は2に記載の六方晶窒化ホウ素粉末とを含む、組成物

請求項7

請求項6に記載の組成物からなる放熱材

請求項8

放熱シートである、請求項7に記載の放熱材。

技術分野

0001

本発明は、六方晶窒化ホウ素(以下、「h−BN」とも言う。)の一次粒子凝集体を含むh−BN粉末及びその製造方法、並びに前記h−BN粉末を用いた組成物及び放熱材に関する。

背景技術

0002

h−BN粒子は、黒鉛類似層状構造を有しており、熱伝導性電気絶縁性耐熱性耐食性潤滑離型性等の特性に優れている。このため、樹脂ゴム等(以下、単に「樹脂等」とも言う。)の絶縁性放熱材のフィラーや、固体潤滑剤固体離型剤、h−BN焼結体製造用原料等として使用されている。

0003

これらのうち、h−BN粒子が樹脂等の絶縁性放熱材のフィラーとして使用される場合、絶縁性放熱材中における充填性の向上及び配向による特性の異方性の抑制を目的として、例えば、特許文献1には、所定の粒径及び嵩密度を有する、h−BNの一次粒子の凝集体である二次粒子のh−BN粉末が用いられることが記載されている。

0004

このようなh−BN粉末の製造方法としては、従来の一般的な方法を用いることができ、例えば、特許文献2〜4には、ホウ酸ホウ砂等のホウ素化合物と、メラミン尿素等の窒素化合物とを混合し、アンモニアガス又は非酸化性ガス雰囲気下で、仮焼した後、1400〜2200℃程度の高温焼成して結晶成長させる方法が記載されている。

先行技術

0005

特開2011−98882号公報
特開昭61−286207号公報
特開平9−202663号公報
特開昭61−256905号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、前記凝集体の強度が不十分であると、このような凝集体を含むh−BN粉末は、樹脂等と混合される際に凝集体が崩壊して、樹脂等における充填率を十分に向上させることができず、また、配向によって特性の異方性が増大する傾向が見られ、絶縁性放熱材の放熱性及び絶縁性の低下を招くこととなる。

0007

したがって、樹脂等におけるh−BN粉末の充填性の向上、及びh−BN粉末の配向による特性の異方性の抑制等の観点から、前記凝集体は、十分な強度を有していることが求められる。

0008

本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、樹脂等の絶縁性放熱材のフィラーとして用いた場合に、前記樹脂等の熱伝導率及び耐電圧絶縁破壊電圧)を高めることができるh−BN粉末及びその製造方法を提供することを目的とする。また、前記h−BN粉末を用いた組成物、及び放熱性及び絶縁性に優れた放熱材を提供することも目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明は、h−BNの一次粒子の凝集体を含むh−BN粉末について、所定の粒度分布を有し、かつ、前記凝集体が所定の凝集強度を有するものであることにより、樹脂等の絶縁性放熱材のフィラーとして用いた場合に、該絶縁性放熱材の放熱性及び絶縁性が向上することを見出したことに基づくものである。

0010

すなわち、本発明は、以下の[1]〜[8]を提供するものである。
[1]六方晶窒化ホウ素の一次粒子の凝集体を含む六方晶窒化ホウ素粉末であって、平均一次粒子径が0.50μm以上10.0μm未満、50%体積累積粒径D50が10.0〜150.0μm、BET比表面積が1.0m2/g以上10.0m2/g未満、嵩密度が0.50〜2.00g/cm3であり、体積基準頻度分布を表す粒度分布曲線において、粒径1.0μm以上20.0μm未満の範囲にピークAを有し、粒径20.0μm以上200.0μm未満の範囲にピークBを有し、該六方晶窒化ホウ素粉末を下記条件1にて3分間超音波処理したときの、処理前の前記ピークAの高さa1と前記ピークBの高さb1の比(a1/b1)が0.07〜0.80、処理後の前記ピークAの高さa2と前記ピークBの高さb2の比(a2/b2)が0.40〜2.00である、六方晶窒化ホウ素粉末。
[条件1]胴内径40mm、高さ60mmの50mLガラスビーカーに、該六方晶窒化ホウ素粉末の0.12質量%の20℃の水分散液50mLを入れ、超音波発生機振動子チップの先端を前記ビーカーの中央部の底面から1cmの高さにセットして、出力150W、発振周波数19.5kHzで超音波処理する。
[2]前記六方晶窒化ホウ素粉末を粒径45μm超106μm以下の範囲内に振動篩分級された粉末の体積基準の頻度分布を表す粒度分布曲線において、粒径45.0〜150.0μmの範囲内に最大ピークCを有し、分級された前記粉末を前記条件1にて1分間超音波処理したときの、前記最大ピークCの処理前の高さc1に対する処理後の高さc2の減少率((c1−c2)/c1×100)が5%以上30%未満である、上記[1]に記載の六方晶窒化ホウ素粉末。

0011

[3]上記[1]又は[2]に記載の六方晶窒化ホウ素粉末を製造する方法であって、六方晶窒化ホウ素原料粉50〜90質量部と、ホウ素のオキソ酸及び酸化ホウ素から選ばれる1種又は2種以上のホウ素化合物10〜50質量部とを含む混合粉末を調製する工程と、前記混合粉末100質量部に、黒鉛及び炭素含有化合物から選ばれる1種又は2種以上の炭素源炭素原子換算で3.0〜10.0質量部添加混合して成形用材料を調製する工程と、前記成形用材料を加圧成形して、密度1.40〜1.70g/cm3の成形体を作製する工程と、前記成形体を、窒素ガス雰囲気下、1000〜2200℃で焼成して焼成物を得る工程と、前記焼成物を粉砕して、分級する工程とを有し、前記六方晶窒化ホウ素原料粉の平均一次粒子径Lと平均厚さdの比(L/d)が2.0〜15、50%体積累積粒径D50が0.20〜5.00μm、BET比表面積が5.0〜30.0m2/g、結晶子径が150〜400Åである、六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法。
[4]前記炭化ホウ素が、50%体積累積粒径D50が0.1〜15.0μmの粉末である、上記[3]に記載の六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法。
[5]前記成形用材料を調製する工程において、前記炭素源が炭化ホウ素であり、前記混合粉末100質量部に、該炭化ホウ素が15〜20質量部添加混合される、上記[3]又は[4]に記載の六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法。

0012

[6]樹脂及びゴムから選ばれる1種又は2種以上からなる基材と、上記[1]又は[2]に記載の六方晶窒化ホウ素粉末とを含む、組成物。
[7]上記[6]に記載の組成物からなる放熱材。
[8]放熱シートである、上記[7]に記載の放熱材。

発明の効果

0013

本発明によれば、樹脂等の絶縁性放熱材のフィラーとして用いた場合に、前記樹脂等の熱伝導率及び耐電圧を高めることができるh−BN粉末及びその製造方法を提供することができる。
したがって、前記h−BN粉末を用いた本発明の組成物により、放熱性及び絶縁性に優れた放熱材を提供することができる。

図面の簡単な説明

0014

本発明のh−BNの一次粒子の凝集体の模式図である。
本発明のh−BN粉末(実施例2)を3分間超音波処理したときの粒度分布曲線である。左側が超音波処理前、右側が超音波処理後である。
本発明に係る条件1を説明するための概略図である。
本発明のh−BN粉末(実施例1)の所定の分級粉末を1分間超音波処理したときの粒度分布曲線である。左側が超音波処理前、右側が超音波処理後である。
比較例3のh−BN粉末の3分間超音波処理したときの粒度分布曲線である。左側が超音波処理前、右側が超音波処理後である。

0015

以下、本発明のh−BN粉末及びその製造方法、並びに前記h−BN粉末を用いた組成物及び放熱材について、詳細に説明する。

0016

[六方晶窒化ホウ素(h−BN)粉末]
本発明のh−BN粉末は、h−BNの一次粒子の凝集体を含むものである。前記h−BN粉末は、平均一次粒子径が0.5μm以上10.0μm未満、50%体積累積粒径D50が10.0〜150.0μm、BET比表面積が1.0m2/g以上10.0m2/g未満、嵩密度が0.50〜2.00g/cm3である。
また、前記h−BN粉末の体積基準の頻度分布を表す粒度分布曲線は、粒径1.0μm以上20.0μm未満の範囲にピークAを有し、粒径20.0μm以上200.0μm未満の範囲にピークBを有している。そして、該h−BN粉末を下記条件1にて3分間超音波処理したときの、処理前のピークAの高さa1とピークBの高さb1の比(a1/b1)が0.07〜0.80、処理後のピークAの高さa2とピークBの高さb2の比(a2/b2)が0.40〜2.00であることを特徴としている。
[条件1]胴内径40mm、高さ60mmの50mLガラス製ビーカーに、該六方晶窒化ホウ素粉末の0.12質量%の20℃の水分散液50mLを入れ、超音波発生機の振動子のチップの先端を前記ビーカーの中央部の底面から1cmの高さにセットして、出力150W、発振周波数19.5kHzで超音波処理する。

0017

上記要件を満たすh−BN粉末は、適度な粒度及び凝集強度を有しており、これにより、該h−BN粉末を樹脂等の絶縁性放熱材のフィラーとして用いた際に、熱伝導率及び耐電圧を効果的に高めることができる。

0018

(一次粒子)
本発明のh−BN粉末の一次粒子は、平均一次粒子径が0.5μm以上10.0μm未満であり、好ましくは1.0〜8.0μm、より好ましくは2.0〜4.0μmである。平均一次粒子径が0.5μm以上であることにより、樹脂等の熱伝導率及び耐電圧を高める上で適度な凝集強度を有するh−BNの一次粒子の凝集体を構成することができる。また、10.0μm未満であることにより、このような一次粒子の凝集体を含むh−BN粉末は、樹脂等に添加混合される際に、該凝集体の顆粒形状が維持されやすく、前記樹脂等における充填率を高めることができる。
h−BNの凝集体は、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察画像において、図1に模式的に示すような形状である。図1に示すように、h−BNの凝集体1は、h−BNの一次粒子2が凝集して、顆粒形状をなす。
なお、本発明で言う平均一次粒子径とは、一次粒子の長径数平均値であり、具体的には、h−BN粉末のSEMによる観察画像において、任意の100個のh−BNの一次粒子の長径を計測し、これらの平均値として求めた値である。

0019

(50%体積累積粒径D50)
前記h−BN粉末は、D50が10.0〜150.0μmであり、好ましくは20.0〜120.0μm、より好ましくは30.0〜100.0μmである。D50が10.0μm以上であることにより、前記凝集体が十分な凝集強度を有するものとすることができる。また、150.0μm以下であることにより、前記樹脂等の熱伝導率及び耐電圧を高めるのに十分な充填率とすることができる。
なお、本発明で言うD50とは、レーザー回折散乱法によって測定された値である。具体的には、下記実施例に記載のマイクロトラック登録商標粒度分布測定装置で測定した値である。

0020

(BET比表面積)
前記h−BN粉末は、BET比表面積が1.0m2/g以上10.0m2/g未満であり、好ましくは1.5〜8.0m2/g、より好ましくは2.0〜6.0m2/gである。BET比表面積が1.0m2/g以上であることにより、該h−BN粉末が樹脂等に添加混合される際に、該樹脂等との馴染みを良好にすることができる。また、10.0m2/g未満であることにより、該h−BN粉末が樹脂等に添加混合される際に、良好な分散性が得られ、前記樹脂等の熱伝導率及び耐電圧を十分に高めることができる。
なお、本発明で言うBET比表面積とは、流動法吸着質窒素ガス)によるBET1点法で測定された値である。具体的には、下記実施例に記載の全自動BET比表面積測定装置で測定した値である。

0021

(嵩密度)
前記h−BN粉末は、嵩密度が0.50〜2.00g/cm3であり、好ましくは0.60〜1.50g/cm3、より好ましくは0.70〜1.00g/cm3である。嵩密度が0.50g/cm3以上であることにより、該h−BN粉末が樹脂等に添加混合される際に、前記樹脂等の熱伝導率及び耐電圧を高めるのに十分な充填率とすることができる。また、2.00g/cm3以下であることにより、該h−BN粉末が樹脂等に添加混合される際に、前記凝集体の凝集強度を適度に維持することができる。
なお、本発明で言う嵩密度とは、300mLメスシリンダー粉末試料100gを投入し、電動振動機振動数50Hz、出力0.035kW)にて、3分間水平振動させた後の体積から算出した密度(充填嵩密度)である。

0022

(粒度分布曲線)
図2に、本発明のh−BN粉末を3分間超音波処理したときの処理前後における体積基準の頻度分布を表す粒度分布曲線の一例を示す。なお、図2の粒度分布曲線は、後述する実施例2のh−BN粉末について示したものである。
本発明のh−BN粉末は、図2に示すように、体積基準の頻度分布を表す粒度分布曲線において、粒径1.0μm以上20.0μm未満の範囲にピークAを有し、粒径20.0μm以上200.0μm未満の範囲にピークBを有している。
前記粒度分布曲線において、ピークAを含む粒径1.0μm以上20.0μm未満の範囲及びその近傍の粒径の粉末(粒子)である微粒は、h−BNの一次粒子がほとんど凝集体を形成することなく存在しているものであると考えられる。一方、前記ピークBを含む粒径20.0μm以上200.0μm未満の範囲及びその近傍の粉末である粗粒は、h−BNの一次粒子の凝集体であると考えられる。
本発明のh−BN粉末は、粒度分布曲線において、このような2つのピークを有するものであり、すなわち、h−BNの一次粒子の凝集体と、凝集していない状態の一次粒子とを含むものである。

0023

そして、本発明のh−BN粉末は、下記条件1にて3分間超音波処理したときの、処理前のピークAの高さa1とピークBの高さb1の比(a1/b1)が0.07〜0.80、処理後のピークAの高さa2とピークBの高さb2の比(a2/b2)が0.40〜2.00であるという特徴を有しているものである。図2において、矢印の左側が、超音波処理前の粒度分布曲線、右側が超音波処理後の粒度分布曲線を示している。

0024

図3に、前記超音波処理における条件1の態様の概略を示す。前記条件1とは、胴内径(L)40mm、高さ(H)60mmの50mLガラス製ビーカー11に、該h−BN粉末の0.12質量%の20℃の水分散液12を50mL入れ、超音波発生機(図示せず)の振動子のチップ13の先端を前記ビーカー11の中央部の底面から1cmの高さ(y)にセットして、出力150W、発振周波数19.5kHzで超音波処理することである。
前記超音波発生機としては、具体的には、株式会社日本精機製作所製の「超音波ホモジナイザーUS−150T」が用いられ、また、前記振動子のチップ13としては、水分散液12との接触部分がステンレス製の直径(x)18mmの円筒形状のものが用いられる。

0025

上記のような超音波処理の前後での粒度分布曲線の形状の変化は、h−BN粉末の凝集体の凝集状態の変化を示していると言える。その変化が、処理前と処理後のピークA及びBの高さが所定の比を示すことに現れている。
前記条件1にて3分間超音波処理することにより、h−BNの一次粒子の凝集体のうち、凝集強度の低いものはすべて崩壊する。このため、前記超音波処理前後での凝集状態の変化に対応する粒度分布曲線におけるピークA及びBの高さの比の変化は、前記凝集体の凝集強度の指標となる。特に、a2/b2が2.00超と大きい場合には、前記超音波処理による前記凝集体の崩壊の程度が大きく、前記凝集体は凝集強度が十分であるとは言えないものである。
なお、処理前のピークAと処理後のピークAは、ピーク位置での粒径は同じであるとは限らない。通常、処理前に比べて処理後の方が、粒径が小さい側に、ピーク位置がシフトする。ピークBについても、同様である。

0026

a1/b1は、0.07〜0.80であり、好ましくは0.08〜0.50、より好ましくは0.09〜0.20である。超音波処理前は、ピークAに対応する微粒よりも、ピークBに対応する粗粒の方が多く、a1/b1が0.07以上であることにより、該h−BN粉末が樹脂等に添加混合される際に、前記樹脂等の耐電圧を十分に高めることができる。また、0.80以下であることにより、前記樹脂等の熱伝導率を十分に高めることができる。

0027

a2/b2は、0.40〜2.00であり、好ましくは0.50〜1.90、より好ましくは0.60〜1.50である。a2/b2が0.40以上であることにより、該h−BN粉末が樹脂等に添加混合される際に、前記樹脂等の耐電圧を十分に高めることができる。また、2.00以下であることにより、前記凝集体が、前記樹脂等の熱伝導率及び耐電圧を高めるのに十分な凝集強度を有していると言える。

0028

前記h−BN粉末は、粒径45μm超106μm以下の範囲内に振動篩で分級された粉末について、体積基準の頻度分布を表す粒度分布曲線において、粒径45〜150μmの範囲内に最大ピークCを有し、分級された前記粉末を前記条件1にて1分間超音波処理したときの、最大ピークCの処理前の高さc1に対する処理後の高さc2の減少率((c1−c2)/c1×100)が5%以上30%未満であることが好ましい。
図4に、本発明のh−BN粉末を粒径45μm超106μm以下の範囲内に振動篩で分級した粉末について、1分間超音波処理したときの処理前後における体積基準の頻度分布を表す粒度分布曲線の一例を示す。図4において、矢印の左側が、超音波処理前の粒度分布曲線、右側が超音波処理後の粒度分布曲線を示している。なお、図4の粒度分布曲線は、後述する実施例1のh−BN粉末を分級した粉末について示したものである。
ここで言う粒度分布曲線は、h−BN粉末を粒径45μm超106μm以下の範囲内に振動篩で分級した粉末について測定されたものである。このような特定の粒径範囲に分級された粉末について、前記条件1にて1分間超音波処理したときの、処理前後での粒度分布曲線における最大ピークCの高さの減少率は、該h−BN粉末における一次粒子の凝集体の凝集強度を示す指標となるものであり、前記減少率が低いほど、前記凝集体の凝集強度が高いと言える。また、該h−BN粉末が樹脂等に添加混合される際に、前記樹脂等との馴染みやすさ等の観点から、前記減少率は5%以上であることが好ましい。
前記減少率は、より好ましくは5〜28%であり、さらに好ましくは10〜25%である。
なお、振動篩による分級は、乾式振動篩装置にて行うことができ、前記乾式振動篩装置としては、晃栄産業株式会社製の「佐式振動ふるい機」が用いられる。

0029

ここで、超音波処理時間を1分間としているのは、上述したように、前記凝集体のうち凝集強度の低いものは、3分間の超音波処理ですべて崩壊するが、これらの崩壊途上の段階での評価を行うためである。
なお、粒径45μm超106μm以下の範囲内に分級された粉末は、ここでの前記凝集体の凝集強度の評価における評価対象として規定したものであり、本発明のh−BN粉末の粒径を規定するものではない。また、体積基準の頻度分布を表す粒度分布曲線においては、上記の分級した粒径の範囲外にピークが計測される場合もあることに鑑みて、最大ピークCを有する範囲は、粒径45.0〜150.0μmの範囲内とする。
なお、処理前の最大ピークCと処理後の最大ピークCは、ピーク位置での粒径は同じであるとは限らない。通常、処理前に比べて処理後の方が、粒径が小さい側に、ピーク位置がシフトする。

0030

なお、前記粒度分布曲線は、いずれも、レーザー回折散乱法による粒度分布計を用いて測定され、具体的には、下記実施例に記載するようなマイクロトラック(登録商標)粒度分布測定装置で測定することにより求められる。

0031

[六方晶窒化ホウ素(h−BN)粉末の製造方法]
本発明のh−BN粉末は、その製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、以下のような本発明の製造方法により、好適に製造することができる。
本発明の製造方法は、h−BN原料粉50〜90質量部と、ホウ素のオキソ酸及び酸化ホウ素から選ばれる1種又は2種以上のホウ素化合物10〜50質量部とを含む混合粉末を調製する工程と、前記混合粉末100質量部に、黒鉛及び炭素含有化合物から選ばれる1種又は2種以上の炭素源を炭素原子換算で3.0〜10.0質量部添加混合して成形用材料を調製する工程と、前記成形用材料を加圧成形して、密度1.40〜1.70g/cm3の成形体を作製する工程と、前記成形体を、窒素ガス雰囲気下、1000〜2200℃で焼成して焼成物を得る工程と、前記焼成物を粉砕して、分級する工程とを有する製造方法であり、前記h−BN原料粉の平均一次粒子径Lと平均厚さdの比(L/d)が2.0〜15.0、50%体積累積粒径D50が0.20〜5.00μm、BET比表面積が5.0〜30.0m2/g、結晶子径が150〜400Åであることを特徴とするものである。

0032

本発明のh−BN粉末の製造方法においては、上記のような所定のh−BN原料粉を用いて、混合工程、成形工程、焼成工程、粉砕工程、及び分級工程を順に経る。
以下、上記製造方法について、工程順に説明する。

0033

(混合工程(1))
混合工程(1)は、h−BN原料粉50〜90質量部と、ホウ素のオキソ酸及び酸化ホウ素から選ばれる1種又は2種以上のホウ素化合物10〜50質量部とを含む混合粉末を調製する工程である。本発明のh−BN粉末を高収率で製造する観点から、混合粉末中のh−BN原料粉は、55〜85質量部であることが好ましく、より好ましくは60〜80質量部とする。同様の観点から、混合粉末中の前記ホウ素化合物は、15〜45質量部であることが好ましく、より好ましくは20〜40質量部とする。
前記混合粉末は、該製造方法により本発明のh−BN粉末を得ることができる範囲内において、h−BN原料粉及び前記ホウ素化合物以外の成分を含んでいてもよいが、該混合粉末中のh−BN原料粉及び前記ホウ素化合物の合計含有量は、90質量%以上であることが好ましく、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは100質量%である。

0034

<h−BN原料粉>
h−BN原料粉としては、製造するh−BN粉末が樹脂等に高熱伝導性及び高耐電圧性を付与し得るものとなるようにする観点から、平均一次粒子径Lと平均厚さdの比(L/d)が2.0〜15.0、50%体積累積粒径D50が0.20〜5.00μm、BET比表面積が5.0〜30.0m2/g、結晶子径が150〜400Åである微粉末を用いることが好ましい。
h−BN原料粉は、h−BN純度が95質量%以上であることが好ましく、より好ましくは97質量%以上、さらに好ましくは99質量%以上である。
このような微粉末であるh−BN原料粉としては、市販品を用いることができる。

0035

前記L/dは、より好ましくは5.0〜10.0、さらに好ましくは5.0〜8.0である。また、前記D50は、より好ましくは0.25〜3.00μm、さらに好ましくは0.30〜2.00μmである。前記BET比表面積は、より好ましくは6.0〜20.0m2/g、さらに好ましくは7.0〜10.0m2/gである。前記結晶子径は、より好ましくは180〜350Å、さらに好ましくは200〜300Åである。
なお、平均一次粒子径L、D50及びBET比表面積は、上述したh−BN粉末についての測定方法と同様の方法で求められる。
前記平均厚さdは、一次粒子の厚みの数平均値であり、具体的には、h−BN原料粉の走査型電子顕微鏡(SEM)による観察画像において、任意の100個のh−BNの一次粒子の短径を厚みとみなして計測し、これらの平均値として求めた値である。
前記結晶子径は、X線回折測定から、シェラー(Scherrer)の式を用いて求められた値であり、具体的には、下記実施例に記載の方法により求められる。

0036

<ホウ素化合物>
h−BN原料粉と混合されるホウ素化合物としては、例えば、オルトホウ酸(H3BO3)、メタホウ酸(HBO2)、テトラホウ酸(H2B4O7)等のホウ素のオキソ酸、酸化ホウ素(無水ホウ酸:B2O3)が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、h−BN原料粉との混合容易性入手容易性等の観点から、酸化ホウ素が好ましい。
ホウ素化合物の純度は、90質量%以上であることが好ましく、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは100質量%である。

0037

混合工程(1)における混合方法は、特に限定されるものではなく、混合粉末を得るための一般的な混合機を用いて行うことができる。

0038

(混合工程(2))
混合工程(2)は、前記混合工程(1)で得られた混合粉末100質量部に、黒鉛及び炭素含有化合物から選ばれる1種又は2種以上の炭素源を炭素原子換算で3.0〜10.0質量部添加混合して成形用材料を調製する工程である。
前記炭素源の添加量が、炭素原子換算で3.0質量部以上であることにより、前記ホウ素化合物の窒化が促進され、h−BNの一次粒子の粒成長による凝集体の結晶性が向上するため、該凝集体の十分な凝集強度を有するものとなる。また、10.0質量部以下であることにより、炭素源が未反応のまま、製造されるh−BN粒子中に残留し、黒色化したり、耐電圧が上昇したりすることを抑制することができる。
前記炭素源の添加量は、炭素原子換算で3.0〜8.0質量部であることが好ましく、より好ましくは3.3〜5.0質量部である。

0039

<炭素源>
前記混合粉末に添加混合される炭素源としては、例えば、黒鉛や、カーボンブラック、炭化ホウ素、糖類、メラミン、フェノール樹脂等の炭素含有化合物が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、前記凝集体の凝集強度や製造コスト等の観点から、黒鉛、炭化ホウ素が好ましい。
前記炭素源としては、炭化ホウ素が好ましく、この場合、該炭化ホウ素の添加量は、前記混合粉末100質量部に対して15〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは15.5〜19.5質量部、さらに好ましくは16〜19質量部である。

0040

前記炭素源として用いられる炭化ホウ素は、50%体積累積粒径D50が0.1〜15.0μmの粉末であることが好ましく、より好ましくは0.5〜10.0μm、さらに好ましくは1.0〜8.0μmである。
前記D50は、粉末としての取り扱い上の観点から、0.1μm以上であることが好ましく、また、15μm以下であることにより、炭化ホウ素粉末表面積が増大するため、反応性が向上し、前記凝集体を緻密化することができる。
なお、炭化ホウ素粉末のD50は、上述したh−BN粉末についての測定方法と同様の方法で求められる。

0041

混合工程(2)における混合方法は、特に限定されるものではなく、湿式混合及び乾式混合のいずれでもよいが、均一な成形用材料を得る観点から、湿式混合が好ましい。湿式混合は、例えば、ヘンシェルミキサーボールミルリボンブレンダー等の一般的な混合機を用いて行うことができる。

0042

混合は、均一な成形用材料を得る観点から、バインダーを添加して行ってもよい。前記バインダーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコールPVA)、セルロースポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の樹脂が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、PVAが好適に用いられる。
バインダーは、溶液として添加してもよい。例えば、PVAを用いる場合、好ましくは、濃度0.1〜15質量%、より好ましくは0.5〜10質量%、さらに好ましくは1〜5質量%の水溶液を添加することが好ましい。
バインダーの添加量は、製造されるh−BN粉末における前記凝集体の凝集強度を低下させない範囲内であることが好ましく、例えば、PVAを用いる場合、前記混合粉末100質量部に対して、好ましくは0.05〜2質量部、より好ましくは0.1〜1質量部、さらに好ましくは0.15〜0.5質量部である。

0043

(成形工程)
成形工程は、前記成形工程で得られた成形用材料を加圧成形して、密度1.40〜1.70g/cm3の成形体を作製する工程である。
加圧成形した成形体を焼成することにより、h−BNの一次粒子の凝集体を緻密化し、前記凝集体の凝集強度を高めることができる。
前記成形体の形状は、特に限定されるものではないが、加工性や取り扱い容易性等の観点から、例えば、円盤状等のタブレット状であることが好ましい。

0044

前記成形体は、h−BNの一次粒子の凝集体を緻密化し、前記凝集体の凝集強度を高める観点から、密度が、1.40〜1.70g/cm3となるように作製されることが好ましく、より好ましくは1.45〜1.68g/cm3、さらに好ましくは1.50〜1.65g/cm3とする。

0045

成形方法は、特に限定されるものではないが、高密度の成形体を作製する観点から、例えば、前記成形用材料を金型に入れて、一軸加圧成形により行うことが好ましい。

0046

(焼成工程)
焼成工程は、前記成形体を、窒素ガス雰囲気下、1000〜2200℃で焼成して焼成物を得る工程である。
焼成は、高純度でh−BNの一次粒子の凝集体が緻密化されたh−BN粉末を得る観点から、窒素ガス雰囲気で行うことが好ましく、焼成雰囲気中には酸素ガスが含まれないことが好ましい。
雰囲気中の窒素ガスは、純度90体積%以上であることが好ましく、より好ましくは95体積%以上、さらに好ましくは100体積%である。

0047

焼成温度は、還元窒化反応の進行及びh−BNの分解抑制等の観点から、1000〜2200℃であることが好ましく、より好ましくは1500〜2200℃、さらに好ましくは1700〜2200℃である。
焼成時間は、還元窒化反応の進行及びh−BNの分解抑制等の観点から、6〜20時間であることが好ましく、より好ましくは8〜18時間、さらに好ましくは10〜15時間である。
なお、成形工程において水溶液等によるバインダーを用いた場合等には、必要に応じて、前記成形体を焼成前に乾燥させてもよい。乾燥温度は、好ましくは150〜400℃、より好ましくは200〜400℃である。乾燥時間は、好ましくは5〜20時間、より好ましくは8〜15時間である。

0048

(粉砕及び分級工程)
粉砕及び分級工程においては、前記焼成工程で得られた焼成物を粉砕して、分級する工程である。
粉砕方法は、特に限定されるものではなく、例えば、ジョークラッシャーピンミルロールクラッシャー等を用いた公知の方法を用いて行うことができる。

0049

分級方法は、特に限定されるものではなく、例えば、振動篩装置気流分級、水遠心分離等の手段を用いて行うことができる。これらのうち、振動篩装置により分級することが好ましい。振動篩装置としては、例えば、「佐藤式振動ふるい機」(晃栄産業株式会社製)等の乾式振動篩装置が挙げられる。この場合、所望の粒度に対応する目開きの篩を用いて分級される。
本発明の効果を奏する粒度のh−BN粉末を得るためには、粒径400μm以下に分級されることが好ましく、より好ましくは粒径300μm以下、さらに好ましくは200μm以下である。

0050

また、2種以上の目開きの篩を用いて、それぞれの粒径範囲に分級された粉末を所定の割合の量で混合し、本発明のh−BN粉末とすることもできる。例えば、目開き45μm及び106μmの篩を用いて、粒径45μm超106μm以下の粉末(1)と、粒径45μm以下の粉末(2)を得て、粉末(1)及び(2)を所定の割合の量で混合して、本発明のh−BN粉末とすることができる。

0051

[組成物]
本発明の組成物は、樹脂及びゴムから選ばれる1種又は2種以上からなる基材と、前記h−BN粉末とを含むものである。
前記組成物は、前記h−BN粉末が、前記基材に対して熱伝導率及び耐電圧を高めるためのフィラーとして配合されているものである。前記h−BN粉末を用いることにより、前記基材に添加混合される際に、h−BNの一次粒子の凝集体の顆粒形状が維持されやすく、前記基材に対する充填率を高めることができる。

0052

h−BN粉末は、前記フィラーとしての性能及び前記基材との馴染みやすさ等の観点から、前記組成物中に、10〜90体積%含まれていることが好ましく、より好ましくは20〜80体積%、さらに好ましくは30〜70体積%である。
なお、前記組成物中の前記h−BN粉末の体積含有量は、JIS K 7075:1991「炭素繊維強化プラスチック繊維含有率及び空洞率試験方法」に記載の燃焼法により測定されるh−BN粉末の質量含有量窒化ホウ素の密度で除することで算出される。組成物の全体積は、窒化ホウ素及び前記基材の比重から算出した値が用いられる。

0053

(基材)
本発明の組成物の基材は、樹脂及びゴムである。これらのうち、1種単独であっても、2種以上が併用されていてもよい。
前記組成物中の前記基材の含有量は、上記の特性を維持することがで、かつ、h−BN粉末の添加混合による効果が付与される範囲内であることが好ましく、10〜90体積%であることが好ましく、より好ましくは20〜80体積%、さらに好ましくは30〜70体積%である。
前記組成物中の前記基材の体積含有量は、窒化ホウ素及び前記基材の比重から算出した全体積、及び前記h−BN粉末の体積含有量から求められる。

0056

前記基材は、本発明の組成物を用いて得られる放熱材の適用用途において求められる機械的強度、耐熱性、耐久性、柔軟性、可撓性等の特性に応じて、適宜選択される。前記基材としては、熱硬化性樹脂が好ましく、これらのうち、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂が好適に用いられ、エポキシ樹脂がより好適である。

0057

<エポキシ樹脂>
前記基材として用いられるエポキシ樹脂としては、前記基材に対する前記h−BN粉末の分散性の観点から、例えば、常温(25℃)で液状のエポキシ樹脂、常温(25℃)で固体状低軟化点エポキシ樹脂が好ましい。
このようなエポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物であればよく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸グリシジルエーテルシクロヘキサン誘導体エポキシ化により得られるエポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、耐熱性や取り扱い容易性等の観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、シクロヘキサン誘導体のエポキシ化により得られるエポキシ樹脂が好適である。

0058

前記エポキシ樹脂は、前記基材中での前記h−BN粉末の偏析の抑制や、該組成物から得られる放熱材の靭性等の機械的特性等の観点から、さらに、該エポキシ樹脂に可溶性の熱可塑性樹脂が配合されることが好ましい。
このような熱可塑性樹脂としては、水素結合性官能基を有する熱可塑性樹脂が好ましく、前記官能基としては、例えば、アルコール性水酸基アミド結合スルホニル基カルボキシル基等が挙げられる。前記熱可塑性樹脂としては、具体的には、ポリビニルホルマールポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール、フェノキシ樹脂等のアルコール性水酸基を有する熱可塑性樹脂;ポリアミドポリイミドポリアミドイミドポリビニルピロリドン等のアミド結合を有する熱可塑性樹脂;ポリスルホン等のスルホニル基を有する熱可塑性樹脂;ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミド等のカルボキシル基を有する熱可塑性樹脂等が挙げられる。これらのうち、アルコール性水酸基を有する熱可塑性樹脂が好ましく、フェノキシ樹脂がより好ましい。
水素結合性の官能基を有する熱可塑性樹脂の配合量は、エポキシ樹脂と、必要に応じて用いられる硬化剤及び硬化促進剤との合計100質量部に対して、好ましくは0.05〜50質量部、より好ましくは1.0〜30質量部、さらに好ましくは5〜25質量部である。

0059

エポキシ樹脂を硬化させるために、必要に応じて、エポキシ樹脂用の硬化剤を用いることができる。前記硬化剤は、特に限定されるものではなく、公知のものを適宜選択して用いることができる。前記硬化剤としては、例えば、アミン系、フェノール系、酸無水物系イミダゾール系等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アミン系硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミドや、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、m−キシリレンジアミン等の芳香族ジアミン等が挙げられる。
フェノール系硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック樹脂クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂トリアジン変性フェノールノボラック樹脂等が挙げられる。
酸無水物系硬化剤としては、例えば、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の脂環式酸無水物無水フタル酸等の芳香族酸無水物、脂肪族二塩基酸無水物等の脂肪族酸無水物クロレンド酸無水物等のハロゲン酸無水物等が挙げられる。
イミダゾール系硬化剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール等が挙げられる。
前記硬化剤の使用量は、硬化性及び硬化樹脂物性のバランス等の点から、前記エポキシ樹脂に対して、通常、0.5〜1.5当量程度、好ましくは0.7〜1.3当量である。

0060

前記エポキシ樹脂は、必要に応じて、前記硬化剤とともに、エポキシ樹脂用の硬化促進剤を併用することができる。前記硬化促進剤は、特に限定されるものではなく、公知のものを適宜選択して用いることができる。前記硬化促進剤としては、例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物;2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール;三フッ化ホウ素アミン錯体トリフェニルホスフィン等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記硬化促進剤の使用量は、硬化性及び硬化樹脂物性のバランス等の点から、前記エポキシ樹脂100質量部に対して、通常、0.1〜10質量部程度、好ましくは0.4〜5質量部である。

0061

<シリコーン樹脂>
前記シリコーン樹脂としては、付加反応型シリコーン樹脂シリコーン系架橋剤との混合物を用いることができる。
付加反応型シリコーン樹脂としては、例えば、官能基としてアルケニル基を有するポリオルガノシロキサンが挙げられる。前記ポリオルガノシロキサンとしては、具体的には、ビニル基を官能基とするポリジメチルシロキサンヘキセニル基を官能基とするポリジメチルシロキサン、及びこれらの混合物等が挙げられる。
シリコーン系架橋剤としては、例えば、1分子中に2個以上のケイ素原子結合水素原子を有するポリオルガノシロキサンが挙げられ、具体的には、ジメチルハイドロジェンシロキシ基末端封鎖ジメチルシロキサンメチルハイドロジェンシロキサン共重合体トリメチルシロキシ基末端封鎖ジメチルシロキサン−メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、トリメチルシロキサン基末端封鎖ポリメチルハイドロジェンシロキサン)、ポリハイドロジェンシルセスキオキサン)等が挙げられる。
前記シリコーン樹脂を得るための硬化触媒としては、例えば、微粒子白金炭素粉末担体上に吸着された微粒子状白金、塩化白金酸アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸のオレフィン錯体等の白金系触媒パラジウム触媒ロジウム触媒等が挙げられる。これらのうち、通常、白金系触媒が用いられる。

0062

(その他の成分)
前記組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内において、前記基材及び前記h−BN粉末以外の他の成分を含有していてもよいが、該組成物中の前記基材及び前記h−BN粉末の合計含有量は、90質量%以上であることが好ましく、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは100質量%である。
前記他の成分としては、例えば、窒化アルミニウム窒化ケイ素、繊維状窒化ホウ素等の窒化物粒子アルミナ繊維状アルミナ酸化亜鉛酸化マグネシウム酸化ベリリウム酸化チタン等の絶縁性金属酸化物ダイヤモンドフラーレン等の絶縁性炭素成分水酸化アルミニウム水酸化マグネシウム等の無機フィラー;無機フィラーと樹脂の界面接着強度を改善するシランカップリング剤等の表面処理剤や、還元剤可塑剤粘着剤補強剤着色剤耐熱向上剤粘度調整剤、分散安定剤、溶剤等が挙げられる。

0063

(組成物の製造)
本発明の組成物は、その製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、基材として樹脂を用いる場合、以下のようにして製造することができる。
まず、基材として、樹脂と、必要に応じて添加される硬化剤及び溶剤等を混合し、これに、前記h−BN粉末を、所望の体積含有量となるように添加混合し、組成物を得る。
混合方法は、特に限定されるものではなく、該組成物の適用用途に応じて、公知の方法や混合機を用いて行うことができる。

0064

[放熱材]
本発明の放熱材は、前記組成物からなるものである。前記放熱材は、上述した本発明のh−BN粉末がフィラーとして用いられていることにより、優れた放熱性及び絶縁性を発揮することができる。
前記放熱材は、例えば、シートゲルグリース接着剤フェーズチェンジシート等の各種性状のものが挙げられ、また、その形状も特に限定されるものではない。これらのうち、例えば、放熱シートは、マイクロプロセッサ(MPU)やパワートランジスタトランス等の電子部品から生じる熱を、放熱フィン放熱ファン等の放熱部品に効率的に伝達するものであり、前記放熱材は、優れた放熱性及び絶縁性を有することから、このような用途に好適に適用することができる。

0065

前記放熱シートは、前記組成物をシート状に成形することにより得られる。前記組成物の基材が、硬化性樹脂等である場合、成形及び硬化することにより得られる。
前記放熱シートの場合、離型層付き樹脂フィルム等の離型性フィルム上に、前記組成物をコーティング機等で塗工し、該組成物が溶剤を含む場合には、遠赤外線輻射ヒーター温風吹付け等で乾燥させることにより成形することができる。前記離型層としては、例えば、メラミン樹脂等が用いられる。また、前記樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂等が用いられる。
前記組成物の基材が、硬化性樹脂等でない場合には、シート状の成形物が放熱シートとなる。
前記組成物が硬化性樹脂等である場合は、該硬化性樹脂の硬化条件等に応じて、前記離型性フィルムの塗工面とは反対側の面から、該離型性フィルムを介して、シート状の前記成形物を加圧し、また、加熱して、前記成形物を硬化させた後、前記離型性フィルムを剥離して、放熱シートが得られる。

0066

なお、前記放熱シートは、少なくとも一方の面及びシート内部に、作業性の向上や補強等の目的で、シート状、繊維状、網目状等の他の補助部材を積層したり、埋没させたりすることもできる。また、前記放熱シートは、使用時の利便性等の観点から、前記放熱シートの少なくとも一方の面に、粘着性層を設けてもよい。

0067

以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。

0068

[h−BN粉末の製造]
(実施例1)
h−BN原料粉(L/d:6.0、D50:0.67μm、BET比表面積9.9m2/g、結晶子径262Å)65質量部と、酸化ホウ素(関東化学株式会社製)35質量部とを、ミキサーで混合し、混合粉末を得た。
前記混合粉末100質量部に、炭化ホウ素(理研コランダム株式会社製、D50:3μm)18質量部(炭素原子換算3.9質量部)、及びPVA水溶液(濃度2.5質量%)10質量部を加えて、ミキサーで混合し、成形用材料を得た。
前記成形用材料を金型内に入れて加圧し、密度1.6g/cm3のタブレット状の成形体を得た。
前記成形体を乾燥機にて300℃で6時間乾燥させた後、高周波炉にて窒素ガス雰囲気下、1750〜2200℃で12時間焼成して、焼成物を得た。
前記焼成物をジョークラッシャー及びピンミルにて粉砕した後、乾式振動篩装置(「佐藤式振動ふるい機」、晃栄産業株式会社製)にて、目開き106μm及び45μmの篩を重ねて、60分間の処理により分級した。
106μm超の粉末を除去し、分級した粒径45μm超106μm以下の粉末(1)と、45μm篩下(粒径45μm以下)の粉末(2)とを混合し、h−BN粉末を得た。なお、粉末(1)と粉末(2)の混合は、粉末(1)及び(2)の合計100質量%中、粉末(1)が80質量%となるようにした。

0069

(実施例2及び3、比較例1〜3)
実施例1において、h−BN原料粉、酸化ホウ素、及び炭化ホウ素の配合組成等、また、粉末(1)及び粉末(2)の混合割合を、下記表1に示すように変更し、それ以外は実施例1と同様にして、h−BN粉末を製造した。

0070

[放熱シートの製造]
上記実施例及び比較例で製造した各h−BN粉末を用いて、以下のようにして、組成物を作製し、さらに、該組成物を用いて放熱シートを製造した。
室温(25℃)で液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(「YD−128」、新日鉄住金化学株式会社製、エポキシ当量184〜194g/eq)90質量部と、フェノキシ樹脂(「YP−50S」、新日鉄住金化学株式会社製、純度99.0質量%以上)10質量部との混合物を基材とした。前記基材に、h−BN粉末を、組成物中のh−BN粉末の含有量が60体積%となるように添加混合した。また、粘度調整剤としてメトキシプロパノール(「ハイソルブMP」、東邦化学工業株式会社製)153質量部(ビスフェノールA型エポキシ樹脂100質量部に対して170質量部)を添加し、撹拌脱泡装置(「マゼルスター(登録商標)」、紡績株式会社製)にて撹拌混合し、組成物を作製した。なお、h−BN粉末の体積含有量は、h−BNの比重2.27g/cm3、及びビスフェノールA型エポキシ樹脂の比重1.17g/cm3から求めた。

0071

前記組成物を、ポリエチレンテレフタレート製の離型性フィルム上に、コーターにて膜厚350μmで塗工し、50℃で、大気中で10分間、さらに、真空下で10分間乾燥し、シート状の成形物を得た。
シート状の前記成形物2枚を該成形物同士が接するように重ね合わせた後、ロール加圧し、成形物の総厚さを200μmとした。その後、前記成形物を120℃で30分間熱プレスして硬化させ、縦10cm、横10cm、厚さ300μmの放熱シートを製造した。

0072

[各種評価]
上記実施例及び比較例についての各種評価を、以下のようにして行った。

0073

(h−BN原料粉、炭化ホウ素及びh−BN粉末の50%体積累積粒径D50)
粉末試料0.06g、水(20℃)50g、及び分散剤として洗剤(「ママレモン」、ライオン株式会社製)0.005gを含む、粉末試料濃度0.12質量%の分散液を調製した。前記分散液をマグネティックスターラーで400rpmで撹拌しながら、レーザー回折散乱法による粒度分布測定装置(「マイクロトラック(登録商標)MT3300EXII」、日機装株式会社製)にて粒度分布を測定し、D50を求めた。

0074

(h−BN原料粉及びh−BN粉末の平均一次粒子径、並びにh−BN原料粉のL/d)
粉末試料のSEM写真撮影し、該写真画像における任意の100個のh−BNの一次粒子の長径を計測し、これらの平均値を平均一次粒子径とした。
前記写真画像における任意の100個のh−BNの一次粒子の短径を厚さとみなして計測し、これらの平均値をdとした。上記において求めたh−BN原料粉の平均一次粒子径をLとして、L/dを算出した。

0075

(h−BN原料粉及びh−BN粉末のBET比表面積)
粉末試料について、全自動BET比表面積測定装置(「マルチソーブ16」、ユアサアイオニクス株式会社製)にて、流動法(吸着質:窒素ガス)によるBET1点法で比表面積を測定した。

0076

(h−BN粉末の嵩密度)
300mLメスシリンダーに粉末試料100gを投入し、電動振動機(振動数50Hz、出力0.035kW)にて、3分間水平振動させた後の体積から算出した密度を嵩密度とした。

0077

(h−BN原料粉の結晶子径)
粉末試料について、X線回折測定装置(「X’Pert PRO」、パナリティカル社製、ターゲット:銅、Cu−Kα1線)にてX線回折測定を行い、下記式(1)で表されるシェラー(Scherrer)の式から結晶子径D[Å]を算出した。
D=(K・λ)/(β・cosθ) (1)
式(1)中、K:Scherrer定数、λ:X線(Cu−Kα1線)波長[Å]、β:回折線広がりピーク半値幅)[ラジアン]、θ:ブラッグ角[ラジアン]である。
計算においては、K=0.9、λ=1.54059[Å]とした。また、βは、下記式(2)で表される補正式により求めた値を用いた。
β=(β02−βi2)0.5 (2)
式(2)中、β0:h−BN(002)面由来のピーク半値幅、βi:標準試料(Si)による装置由来半価幅である。

0078

(成形体の密度)
成形体について、質量計で質量を測定し、また、アルキメデス法で体積を測定し、質量及び体積の測定値から、密度を算出した。

0079

(h−BN粉末のa1/b1及びa2/b2)
上記のD50を求める場合と同様にして、h−BN粉末の分散液を調製して粒度分布を測定し、粒度分布曲線を得た。前記粒度分布曲線において、粒径1.0μm以上20.0μm未満の範囲にあるピークAの高さa1と、粒径20.0μm以上200.0μm未満の範囲にあるピークBの高さb1の比(a1/b1)を求めた。
また、前記分散液と同様にして調製したh−BN粉末の分散液を、胴内径(L)40mm、高さ(H)60mmの50mLガラス製ビーカーに入れ、超音波発生機(「超音波ホモジナイザーUS−150T」、株式会社日本精機製作所製、出力150W、発振周波数19.5kHz)で3分間超音波処理した。前記超音波処理においては、図2に示すように、超音波発生機の振動子のチップ(ステンレス製、直径(x)18mmの円筒形状)13の先端を前記ビーカーの中央部の底面から1cmの高さ(y)にセットして行った。
超音波処理後の分散液について、上記と同様にして粒度分布を測定し、粒度分布曲線を得た。前記粒度分布曲線において、粒径1.0μm以上20.0μm未満の範囲にあるピークAの高さa2と、粒径20.0μm以上200.0μm未満の範囲にあるピークBの高さb2の比(a2/b2)を求めた。
実施例及び比較例のh−BN粉末についての粒度分布曲線の代表例として、実施例2についての粒度分布曲線を図2に、また、比較例3についての粒度分布曲線を図5に示す。各図の左側が超音波処理前、右側が超音波処理後である。

0080

(h−BN粉末の((c1−c2)/c1×100))
乾式振動篩装置(「佐藤式振動ふるい機」、晃栄産業株式会社製)にて、目開き106μm及び45μmの篩を重ねて用いて60分間処理することにより、h−BN粉末を分級し、粒径45μm超106μm以下の範囲内に分級された粉末試料を得た。
前記粉末試料について、上記のa1/b1を求める場合と同様にして、粉末試料の分散液を調製し、粒度分布を測定し、粒度分布曲線を得た。前記粒度分布曲線において、粒径45.0〜150.0μmの範囲内にある最大ピークCの高さc1を求めた。
また、前記分散液と同様にして調製した粉末試料の分散液を、超音波発生機(「超音波ホモジナイザーUS−150T」、株式会社日本精機製作所製、出力150W、発振周波数19.5kHz)で1分間超音波処理し、処理後の分散液について、上記と同様にして粒度分布を測定し、粒度分布曲線を得た。前記粒度分布曲線において、粒径45.0〜150.0μmの範囲内にある超音波処理後の最大ピークCの高さc2を求めた。
前記c1及びc2から、最大ピークCの減少率((c1−c2)/c1×100)[%]を算出した。

0081

(放熱シートの熱伝導率)
放熱シートの熱拡散率[m2/s]を、キセノンフラッシュアナライザー(「LFA447 NanoFlash」、NETZSCH社製)にて測定した。測定値に、放熱シートの比熱及び密度を乗じた値を、放熱シートの厚さ方向の熱伝導率[W/(m・K)]とした。なお、比熱は、h−BN:0.8J/(g・K)、樹脂成分(基材由来):1.8J/(g・K)の理論値(室温(25℃))を用い、また、密度は、h−BN:2.27g/cm3、樹脂成分(基材由来):1.17g/cm3の理論値(室温(25℃))を用いて計算した。
熱伝導率が15W/(m・K)以上であれば、放熱性に優れているものとして判定した。

0082

(放熱シートの耐電圧)
放熱シートの耐電圧(絶縁破壊電圧)[kV/mm]を、耐電圧/絶縁抵抗測定装置(「TOS9201/5101」、電子工業株式会社製)にて、昇圧速度0.1kV/secで測定した。
耐電圧が10kV/mm以上であれば、絶縁性に優れているものとして判定した。

0083

上記評価に基づいて、各実施例及び比較例のh−BN粉末の配合原料の詳細を下記表1に示す。また、表2に、h−BN粉末及び放熱シートについての評価結果を示す。

0084

0085

実施例

0086

表2に示した評価結果から分かるように、h−BN粉末のa1/b1が大きい、すなわち、粗粒(ピークB)に比べて微粒(ピークA)が多すぎる場合(比較例1)、これを用いて製造した放熱シートは、熱伝導率が低いものであった。h−BN粉末のa2/b2が小さい、すなわち、超音波処理後において微粒(ピークA)が粗粒(ピークB)に比べて多すぎる場合(比較例3)も同様であった。
また、h−BN粉末のa1/b1及びa2/b2がともに小さすぎる場合(比較例2)は、これを用いて製造した放熱シートは、耐電圧が低かった。
これらに対して、h−BN粉末のa1/b1及びa2/b2が所定範囲内である場合(実施例1〜3)は、これを用いて製造した放熱シートは、熱伝導率及び耐電圧ともに高いものであることが認められた。これは、h−BN粉末中のh−BNの一次粒子の凝集体が適度な凝集強度を有していることによるものと考えられる。

0087

1凝集体
2六方晶窒化ホウ素(h−BN)の一次粒子
11 50mLガラス製ビーカー
12水分散液
13超音波発生機の振動子のチップ

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