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図面 (3)

課題

耐食性に優れ、かつ、高い飽和磁束密度と高い電気抵抗を有する合金材料よりなる磁気回路電磁駆動部に備えた、燃料系に使用される電磁弁を提供する。

解決手段

電磁駆動部において磁気回路を構成する部材の少なくとも一部が、質量%で、0.15%≦Ni≦0.45%、0.65%≦Al≦1.0%、9.2%≦Cr≦10.3%、0.90%≦Mo≦1.6%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる合金材料よりなる、燃料系に使用される電磁弁とする。合金材料は、さらに、質量%で、0.05%≦Pb≦0.15%を含有してもよい。

概要

背景

ガソリンエンジン燃焼室燃料噴射するのに、電磁駆動式の燃料噴射弁が用いられる。この種の燃料噴射弁の電磁駆動部において、コアハウジング等、磁気回路を構成する部材に用いられる材料として、耐食性が高く、軟磁性を示す電磁ステンレス鋼が広く用いられている。そのような電磁ステンレス鋼を用いた燃料噴射弁が、例えば、特許文献1に開示されている。

概要

耐食性に優れ、かつ、高い飽和磁束密度と高い電気抵抗を有する合金材料よりなる磁気回路を電磁駆動部に備えた、燃料系に使用される電磁弁を提供する。電磁駆動部において磁気回路を構成する部材の少なくとも一部が、質量%で、0.15%≦Ni≦0.45%、0.65%≦Al≦1.0%、9.2%≦Cr≦10.3%、0.90%≦Mo≦1.6%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる合金材料よりなる、燃料系に使用される電磁弁とする。合金材料は、さらに、質量%で、0.05%≦Pb≦0.15%を含有してもよい。

目的

本発明が解決しようとする課題は、耐食性に優れ、かつ、高い飽和磁束密度と高い電気抵抗を有する合金材料よりなる磁気回路を電磁駆動部に備えた、燃料系に使用される電磁弁を提供する

効果

実績

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請求項1

電磁駆動部において磁気回路を構成する部材の少なくとも一部が、質量%で、0.15%≦Ni≦0.45%、0.65%≦Al≦1.0%、9.2%≦Cr≦10.3%、0.90%≦Mo≦1.6%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる合金材料よりなっていることを特徴とする燃料系に使用される電磁弁

請求項2

燃料噴射弁であることを特徴とする請求項1に記載の電磁弁。

請求項3

前記合金材料は、さらに、質量%で、0.05%≦Pb≦0.15%を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の電磁弁。

請求項4

前記合金材料の組織は、α相単相よりなることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電磁弁。

技術分野

0001

本発明は、電磁弁、さらに詳しくは、電磁駆動部において磁気回路を構成する部材が軟磁性材料よりなり、燃料系に使用される電磁弁に関する。

背景技術

0002

ガソリンエンジン燃焼室燃料噴射するのに、電磁駆動式の燃料噴射弁が用いられる。この種の燃料噴射弁の電磁駆動部において、コアハウジング等、磁気回路を構成する部材に用いられる材料として、耐食性が高く、軟磁性を示す電磁ステンレス鋼が広く用いられている。そのような電磁ステンレス鋼を用いた燃料噴射弁が、例えば、特許文献1に開示されている。

先行技術

0003

特開平1−290749号公報

発明が解決しようとする課題

0004

近年、ガソリンエンジンの燃料噴射弁においては、CO2排出量の削減、省エネルギー化燃費向上等の観点から、高圧力噴射化や多段噴射化が進められつつある。電磁弁において、高圧力噴射化を達成するには、磁気回路を構成する材料において、高磁束密度化が要求される。高圧力噴射を行うためには、電磁弁の開閉制御に大きな磁気吸引力が必要となるが、磁気回路を構成する材料が、高い飽和磁束密度を有するほど、高磁界での電磁駆動部の運転に追随し、大きな磁気吸引力を発生することができる。また、多段噴射を効率良く行うためには、電磁駆動部に高い応答性が求められる。磁気回路を構成する材料が高い電気抵抗を有するほど、電磁駆動部の応答性を高めることができる。このように、燃料系に使用される電磁弁の磁気回路を構成する材料においては、高い耐食性に加え、高い飽和磁束密度と電気抵抗を有することが求められるようになっている。

0005

飽和磁束密度としては、例えば1.8T以上の高い値を有することが望まれる。しかし、特許文献1に開示されているような、従来の電磁ステンレス鋼を用いて、そのように高い飽和磁束密度を達成することは難しい。

0006

本発明が解決しようとする課題は、耐食性に優れ、かつ、高い飽和磁束密度と高い電気抵抗を有する合金材料よりなる磁気回路を電磁駆動部に備えた、燃料系に使用される電磁弁を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

上記課題を解決するため、本発明にかかる電磁弁は、電磁駆動部において磁気回路を構成する部材の少なくとも一部が、質量%で、0.15%≦Ni≦0.45%、0.65%≦Al≦1.0%、9.2%≦Cr≦10.3%、0.90%≦Mo≦1.6%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる合金材料よりなっている、燃料系に使用される電磁弁である。

0008

ここで、前記電磁弁は、燃料噴射弁であるとよい。

0009

前記合金材料は、さらに、質量%で、0.05%≦Pb≦0.15%を含有するとよい。

0010

前記合金材料の組織は、α相単相よりなるとよい。

発明の効果

0011

本発明にかかる電磁弁は、電磁駆動部の磁気回路が、上記のような成分組成を有する合金材料よりなっている。この合金材料は、成分組成の効果により、高い耐食性に加え、高い飽和磁束密度と電気抵抗を有する。その結果、電磁弁において、高磁気吸引力による高圧噴射化、および応答性向上による多段噴射化を行いやすくなる。

0012

ここで、電磁弁が、燃料噴射弁である場合には、高耐食性と、高磁気吸引力による高圧噴射化、および応答性向上による多段噴射化の効果を、特に有効に利用することができる。

0013

合金材料が、さらに、質量%で、0.05%≦Pb≦0.15%を含有する場合には、合金材料の切削性が向上し、電磁弁において、磁気回路を構成する部材の加工が行いやすくなる。

0014

合金材料の組織が、α相単相よりなる場合には、合金材料において、低保磁力を確保し、優れた軟磁気特性を得やすくなる。その結果、電磁弁の応答性を高めやすくなる。

図面の簡単な説明

0015

本発明の一実施形態にかかる燃料噴射弁の構成の概略を示す断面図である。
磁場解析の結果を示す図である。

0016

本発明の実施例にかかる電磁弁は、燃料系に使用される電磁弁であり、具体的な電磁弁の形態としては、燃料噴射弁を例示することができる。以下に、本発明の実施形態にかかる電磁弁の一例として、燃料噴射弁ついて、詳細に説明する。

0017

[燃料噴射弁の構造]
本発明の一実施形態にかかる燃料噴射弁(インジェクタ)は、電磁駆動部によって駆動され、エンジン、特にガソリンエンジンの燃焼室内に燃料を噴射するものである。本実施形態にかかる燃料噴射弁においては、電磁駆動部において磁気回路を構成する各種部材の少なくとも一部が、特定の合金材料によって構成されている。燃料噴射弁の具体的な構造は、特に指定されるものではないが、特開2017−89425号公報に開示される燃料噴射装置の構造を、好適なものとして例示することができる。構造の詳細については、上記特許公報を参照することができるが、以下に構造を簡単に説明する。

0018

図1に、燃料噴射弁1の概略断面構造を示す。なお、図1は、特開2017−89425号公報に図1として掲載されているのと同様のものである。

0019

燃料噴射弁1は、ノズル10、ハウジング20、ニードル30、可動コア40、固定コア50、スプリング53,55、コイル54等を備えている。

0020

ノズル10は、ノズル筒部11と、ノズル筒部11の一端を塞ぐノズル底部12とを有する。ノズル底部12には、噴孔が複数形成されており、噴孔の周囲に環状の弁座14が形成されている。ハウジング20は、第1筒部21、第2筒部22、第3筒部23を有しており、この順に相互に接続されている。第1筒部21と第3筒部23は磁性材料より形成され、第2筒部22は非磁性材料より形成されている。第1筒部21は、先端側において、ノズル筒部11に接続されている。また、第3筒部23には、インレット部24が接続されている。ハウジング20およびノズル筒部11の内側には燃料通路100が設けられている。インレット部24に燃料を供給すると、燃料通路100に燃料が流入する。

0021

ニードル30は、燃料通路100内をハウジング20の軸に沿って往復運動可能なように、ハウジング20内に収容されている。ニードル30のニードル本体31の先端側に設けられたシール部32が、ノズル10の弁座14に対して離間または当接することで、ノズル底部12に設けられた噴孔が開閉される。

0022

可動コア40は、磁性材料よりなる可動コア本体41を有し、可動コア本体41に設けられた軸穴部42にニードル本体31が挿通された状態で、ハウジング20内に収容されている。可動コア20は、ニードル30と同様、燃料通路100内をハウジング20の軸方向に沿って往復移動可能となっている。

0023

固定コア50は、ハウジング20の内側において、可動コア40に対し、弁座14と反対側に設けられている。固定コア本体51は、磁性材料よりなり、ハウジング20の第3筒部23およびインレット部24と一体に形成されている。

0024

スプリング53は、ニードル30および可動コア40を、弁座14側に付勢可能となっている。スプリング55は、スプリング53よりも弱い付勢力で、可動コア40を固定コア50側に付勢可能となっている。コイル54は、ハウジング20の径方向外側に設けられており、通電されると、磁力を生じる。

0025

コイル54に通電し、磁力が生じると、固定コア本体51、可動コア本体41、第1筒部21、第3筒部23等の磁性材料よりなる部材に、磁気回路が形成される。これにより、固定コア本体51と可動コア本体41との間に磁気吸引力が発生し、可動コア40が、固定コア50側に吸引される。この時、ニードル30が、可動コア40とともに開弁方向に移動し、シール部32が弁座41から離間し、開弁する。その結果、ノズル底部12に設けられた噴孔が開放され、噴孔から燃料が噴射される。

0026

上記燃料噴射弁1において、コイル54に通電した際に磁気回路を構成する各部材の少なくとも一部が、下記で詳細に説明する特定の合金材料よりなっている。磁気回路を構成する各部材の全てが下記特定の合金材料よりなることが好ましいが、その一部が他の軟磁性材料よりなってもよい。特に、少なくとも、第1筒部21、可動コア本体41、そして相互に一体に形成された第3筒部23、インレット部24、固定コア本体51が、下記特定の合金材料よりなることが好ましい。なお、可動コア40とニードル30とが相対移動可能なものにおいて、コイル54が通電され、可動コア40が固定コア本体51に吸引される際に、可動コア40が所定量開弁方向に移動した状態において、可動コア40とニードル30とが衝突する燃料噴射弁に、下記特定の合金材料が適用されると、より好ましい。また、可動コア40とコイル54とがそれぞれ複数設けられる燃料噴射弁に、下記特定の合金材料が適用されると、好ましい。

0027

[磁気回路を構成する合金材料]
次に、上記実施形態にかかる燃料噴射弁1において、磁気回路を構成する部材の少なくとも一部に用いられる特定の合金材料について、説明する。

0028

本合金材料は、質量%を単位として、以下の成分元素を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる。
・0.15%≦Ni≦0.45%
・0.65%≦Al≦1.0%
・9.2%≦Cr≦10.3%
・0.90%≦Mo≦1.6%

0029

本合金材料は、上記成分組成を有していることにより、軟磁気特性を示す。特に、NiとAlの両方を、上記範囲で含有することで、保磁力を低く維持しながら、高い飽和磁束密度を有する軟磁性材料となっている。

0030

Niを添加することで、合金材料の飽和磁束密度が高くなる。しかし、Niの添加量を多くしすぎても、かえって飽和磁束密度の低下を招くことになる。Niの含有量を上記の範囲としておくことで、合金材料の飽和磁束密度を効果的に高めることができる。

0031

一方、合金材料にNiだけを添加するとすれば、結晶組織が、α相+γ相や、マルテンサイト相になり、保磁力が大きくなりやすい。そこで、Niと併せてAlを添加することで、軟磁性を示すα相単相の生成を促進して低保磁力を確保し、優れた軟磁気特性を得ることができる。合金材料が低保磁力を有することで、電磁弁の応答性を高めやすくなる。Alの含有量を上記範囲としておくことで、そのような効果を十分に得ることができる。なお、「α相単相」には、γ相等、α相以外の相が、不可避的に少量含有される状態も含むものとする。概ね、α相の占有率が95体積%以上である状態を、「α相単相」とみなすことができる。

0032

CrおよびMoは、合金材料の耐食性と電気抵抗を高める効果を有する。CrおよびMoの含有量が多いほど、それらの特性、特に耐食性を高める効果に優れるが、過剰に含有させると、合金材料の飽和磁束密度が低下してしまう。そこで、高飽和磁束密度両立して、高耐食性および高電気抵抗を達成する観点から、CrおよびMoの含有量は、上記範囲に設定されている。

0033

特にMoは、Crに比べて少量の添加でも、耐食性向上および高電気抵抗化において高い効果を発揮する。そこで、Crの過剰添加による飽和磁束密度の低下を回避する観点から、Crだけでなく、Moを併用して添加している。

0034

本合金材料は、必須の添加元素であるNi、Al、Cr、Moに加えて、必要に応じて、任意元素として、0.05質量%≦Pb≦0.15質量%を含有してもよい。

0035

Pbは、合金の切削性を向上させることができる元素である。上記範囲の含有量でPbを添加することにより、切削性向上の効果を十分に得ることができる。合金材料が高い切削性を有することで、燃料噴射弁1の磁気回路を構成する各種部材について、必要な形状への加工を行いやすくなる。

0036

本合金材料においては、磁気特性および耐食性を損なわない範囲において、不可避的不純物の含有が許容される。具体的な不可避的不純物の例としては、質量%を単位として、C≦0.015%、Mn≦0.3%、P≦0.03%、S≦0.02%、N≦0.06%、Cu≦0.3%、Co≦0.06%、O≦0.01%を挙げることができる。

0037

本合金材料は、以上に説明した成分組成を有することにより、優れた軟磁気特性を示す。例えば、外部磁場H=30000A/mで測定した磁束密度の値であるB30000を、1.8T以上とすることができる(B30000≧1.8T)。ここで、B30000は、この種の軟磁性合金において、飽和磁束密度に近似することができる値である。また、本合金材料においては、低保磁力を確保しやすい。例えば1000A/m以下のような低保磁力を得ることができる。

0038

さらに、本合金材料は、高い電気抵抗を有する。例えば、電気抵抗率ρとして、ρ≧65μΩcmの高い値を達成することができる。

0039

さらに、本合金材料は、高い耐食性を有する。本合金材料の耐食性は、種々の腐食物質に対して発揮され、ガソリンに対しても高い耐食性を有する。

0040

本合金材料は、上記各成分金属を溶製し、適宜、圧延鍛造等を行うことによって製造し、燃料噴射弁1の磁気回路を構成する部材として所定の形状に成形することができる。合金材料には、磁気焼鈍等の熱処理を適宜行ってもよい。磁気焼鈍時の温度としては、800〜1200℃を例示することができる。

0041

[合金材料の特性と燃料噴射弁の動作]
燃料噴射弁1において、可動コア本体41や固定コア本体51等、磁気回路を構成する部材を、上記の特定の成分組成を有する合金材料より形成することで、燃料噴射弁1において、優れた動作特性を得ることが可能となる。

0042

まず、燃料噴射弁1の磁気回路を構成する部材は、ガソリンをはじめとする燃料と接触する部材であり、しかも高温に晒される。しかし、上記合金材料が高い耐食性を有することにより、それらの部材を、ガソリンによる腐食から保護することができる。

0043

そして、上記合金材料が、高い飽和磁束密度を有する優れた軟磁気特性と、高い電気抵抗を示すことで、燃料噴射弁1の高圧力噴射化および多段噴射化に、好適に対応することができる。

0044

燃料噴射弁1における燃料噴射の圧力を高めると、燃料噴射弁1の開閉制御に大きな力を要することになる。つまり、固定コア本体51と可動コア本体41との間の磁気吸引力を大きくする必要がある。そのためには、コイル54に流す電流を大きくし、高磁界を発生させることになる。この際、磁気回路を構成する部材が高飽和磁束密度を有する材料よりなっていれば、磁束密度が飽和傾向を示しにくく、高磁界に追随することが可能になる。このように、主に上記合金材料が高飽和磁束密度を有することの結果として、燃料噴射弁1において高圧力噴射を達成しやすくなる。例えば、30MPaにおいて使用される電磁弁に適用できる。

0045

また、燃料噴射弁1によって多段噴射を行うにあたり、多段の噴射を効率よく行うためには、ニードル30の開閉制御を高精度に行う必要があり、高い応答性を有することが求められる。コイル54に入力する制御信号波形に対して、磁気回路における磁束の変化を、高い応答性をもって追随させることで、燃料噴射弁1において高い応答性を達成することができる。磁気回路を構成する部材が高電気抵抗を有する材料よりなっていれば、渦電流損失が小さくなることにより、コイル54への入力信号に対する磁束密度変化の応答性が高くなる。このように、主に上記合金材料が高電気抵抗を有することの結果として、燃料噴射弁1において多段噴射を行いやすくなる。さらに、上記のように高圧力噴射化した条件においても、高い応答性が得られることが望ましい。燃料噴射弁1の応答性は、例えば、パルス電流によって開閉制御する際の、ニードル30の開閉状態立ち上がり時間(To)や立ち下がり時間(Tc)として評価することができる。あるいは、燃料の最大噴射量最小噴射量の差として規定されるダイナミックレンジによって評価することができる。ここで、燃料の噴射量は、燃料噴射弁1が実際に開状態となっている時間の長さに依存し、燃料噴射弁1の応答性が高いほど、ダイナミックレンジを大きくすることができる。

0046

燃料噴射弁1において、高圧力噴射化および多段噴射化を行うことで、エンジンにおけるCO2排出量の削減および省エネルギー化、車両の燃費向上等に資することができる。

0047

以下、実施例を用いて本発明をより具体的に説明する。

0048

[合金材料の特性評価
試料の調製>
実施例1,2および比較例1〜5にかかる試料として、表1に示す成分組成(単位:質量%)を有する合金材料をそれぞれ作製した。いずれの成分組成においても、残部はFeおよび不可避的不純物である。具体的な製造方法としては、各組成比を有する金属材料真空誘導炉で溶製し、鋳造熱間鍛造した。そして、下記各試験に用いる測定試験片の形状に加工し、真空中で、850℃×2時間の磁気焼鈍を行った。

0049

<磁束密度の測定>
各合金材料を、外径φ28mm、内径φ20mm、厚さt3mmの円筒状に加工し、磁気リング鉄心)とした。この磁気リングを用いて、一次コイル(480ターン)と二次コイル(20ターン)を形成し、測定試料とした。そして、磁気計測機器電子磁気工業製「BH−1000」)を用いて、磁束密度を計測した。磁束密度の計測は、一次コイルに電流を流して磁気リングに磁界Hを発生させ、二次コイルに誘起した電圧積分値に基づいて、磁気リングに発生した磁束密度を算出することで行った。計測においては、磁界Hを30000A/mとし、その時の磁束密度の値であるB30000を記録した。

0050

電気抵抗率の測定>
各合金材料を、断面10mm四方、長さ30mmの角柱状に加工し、電気抵抗率を測定した。測定は、四端子法にて行った。

0051

<耐食性の評価>
各合金材料に対して、ガソリンに対する耐食性を評価した。具体的には、各合金材料を、80℃で336時間にわたり、ガソリン組成物に浸漬した。その後、合金材料の表面を目視観察し、腐食の程度を評価した。評価基準としては、各合金材料の試料(φ50mm×t20mm)に関し、錆の発生による変色部分面積率が50%以下である場合を、合格「○」とし、これよりも変色部分の面積率が大きい場合を、不合格「×」とした。

0052

<合金材料の組織の評価>
磁気焼鈍後の各合金材料に関し、光学顕微鏡および走査型電子顕微鏡を用いて、組織観察を行い、組織の状態を評価した。

0053

[燃料噴射弁における特性の評価]
<燃料噴射弁の作製>
上記で調製した実施例2および比較例5の各合金材料を用いて、ガソリンエンジン用燃料噴射弁を作製した。この際、燃料噴射弁全体の構造は、図1に示したものとし、第1筒部および可動コア本体、相互に一体に形成された第3筒部、インレット部、固定コア本体を、上記各合金材料を用いて構成した。

0054

<磁場解析>
実施例2および実施例5の各合金材料を用いた噴射弁に対して、磁場解析を行い、同一の電流パターンを与えた際に発生する吸引力時間変化を、解析した。

0055

[評価結果]
表1に、実施例1,2および比較例1〜5にかかる合金材料について、成分組成と、合金材料の特性評価の結果を示す。なお、比較例5の成分組成は、特許文献1に開示されている成分組成と類似したものである。

0056

0057

実施例1,2にかかる合金材料は、上記本発明の実施形態に規定された成分組成を有していることと対応して、B30000≧1.8Tの高い磁束密度と、ρ≧65μΩcmの高い電気抵抗率とを有している。また、結晶組織がα相単相よりなっている。一方、各比較例にかかる合金材料は、上記本発明の実施形態に規定された成分組成から外れていることと対応して、B30000≧1.8Tの磁束密度と、ρ≧65μΩcmの電気抵抗率の少なくとも一方を有していない。さらに、比較例3においては、Crの含有量が少ないことにより、耐食性も低くなっている。また、比較例4においては、Alの含有量が少ないことにより、結晶組織において、α相単相ではなく、α相+γ相の混相が形成されている。

0058

さらに、図2に、磁場解析の結果を示す。実施例2の材料を用いた場合の方が、比較例5の材料を用いた場合よりも、必要な吸引力に達するまでの時間が短くなっていることが分かる。例えば、吸引力30MPaに達するまでの時間を比較すると、実施例2の場合(時間t1)の方が、比較例5の場合(時間t2)よりも、17%短くなっている。このように、本発明の実施形態にかかる合金材料を用いて電磁弁を形成する場合には、上記のように、高い飽和磁束密度および高い電気抵抗率を有することと対応して、電磁弁の吸引力と応答性を高めることができる。あるいは、吸引力や応答性に余裕がある場合には、印加する電流を下げることで、消費エネルギーを下げることができる。

実施例

0059

以上、本発明の実施形態について説明した。本発明は、これらの実施形態に特に限定されることなく、種々の改変を行うことが可能である。

0060

1燃料噴射弁
10ノズル
11ノズル筒部
12ノズル底部
14弁座
20ハウジング
21 第1筒部
22 第2筒部
23 第3筒部
24インレット部
30ニードル
31 ニードル本体
32シール部
40可動コア
41 可動コア本体
50固定コア
53,55スプリング
54 コイル

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