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技術 マルチフィラメントポリエステル繊維

出願人 オムヤインターナショナルアーゲー
発明者 マルティン・ブルナークリストフ・イルシジェルフランチェスコ・プッレガサミュエル・レンチュミヒャエル・ティンクル
出願日 2019年2月1日 (2年8ヶ月経過) 出願番号 2019-016989
公開日 2019年7月11日 (2年3ヶ月経過) 公開番号 2019-112759
状態 特許登録済
技術分野 高分子物質の処理方法 合成繊維 高分子組成物
主要キーワード 縦断面積 成形オリフィス 地質工学 無機核 暗渠排水用 腎臓形状 表面布 材料表
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この項目の情報は公開日時点(2019年7月11日)のものです。
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課題

機械的硬度熱伝導率が改善され、不透明度が上昇した繊維、及びその製造方法の提供。

解決手段

ポリエステルから成る少なくとも1つのポリマー及び炭酸カルシウムを含むマルチフィラメント繊維であって、炭酸カルシウムが表面処理炭酸カルシウムであり、マルチフィラメント繊維の全重量に対して少なくとも2重量%の量で存在する。

概要

背景

マルチフィラメント繊維は通常、固く撚り合せることができる、または最小限の撚りでもしくは撚りなしでひとまとめにできる、多数の細い連続したフィラメントから成る。対照的に、スパン繊維は、短いステープル繊維、または短いステープル繊維に切断された長いフィラメント繊維で構成されている。ステープル繊維は撚り合されて、スパン繊維を形成する。モノフィラメント布と比較して、マルチフィラメント布は、より良好な保持力、例えばより良好なフィルター効率およびより低いスループットを提供し得る。さらに、マルチフィラメント繊維は可撓性であり、取り扱いが容易であり、いずれの種類の布にも製織することができる。これに対して、モノフィラメント繊維は、より高価であり、通常、より大きい直径を有し、このことはある用途にとって欠点となることがある。

マルチフィラメント繊維は、層状化プレーティングブレーディングノッティング、製織、製編かぎ針編みまたはタフティングによって、繊維製品にさらに加工することができる。今日、多くの繊維製品材料は、熱可塑性ポリマー、例えばポリプロピレンポリエチレンポリアミドまたはポリエステルから製造される。ポリエステル繊維またはフィラメントの利点は、これらの高い結晶性、高い強度および高い靭性である。ポリエチレンテレフタレート(PET)は、最も広範に使用されているポリエステルクラスであり、PETの高い汎用性を説明する、高弾性低収縮性熱固定定性耐光性および耐化学薬品性を特徴とする。PETの主な欠点の1つは、これの低い結晶化速度であり、このことによって、射出成形などの製造方法に合理的なサイクル時間が割り当てられない。従って、タルクなどの核化剤を添加することが多い。しかし、これらの不均一粒子は、応力中物として作用することができるため、ポリマー機械的特性に影響を及ぼし得る。従って、核化PETはガラス繊維補強されることが多い。

タルク充填PETは、Journal of Polymer Science:Part B:Polymer Physics,1999,37,847から857で公開された、Sekelikらの“Oxygen barrier properties of crystallized and talc−filled poly(ethylene terephthalate)”という表題論文に開示されている。US 5,886,088Aは、無機核化剤を含むPET樹脂組成物に関する。炭酸カルシウムが充填された熱可塑性ポリマー材料を製造する方法は、WO 2009/121085A1に記載されている。

WO 2012/052778A1は、ポリエステルおよび炭酸カルシウムまたは雲母充填剤を含む、引き裂き可能なポリマーフィルムに関する。修飾炭酸カルシウムを含むPET繊維紡糸は、Boonsri Kuskthamによって研究され、the Asian Journal of Textile,2011,1(2),106 to 113で公開された、“Spinning of PET fibres mixed with calcium carbonate”という表題の論文に記載されている。

二酸化チタンおよび少なくとも1つの鉱物充填剤を含む押出繊維および不織ウェブは、US 6,797,377B1に開示されている。WO 2008/077156A2は、ポリマー樹脂および1つの充填剤ならびに前記繊維を含有する不織布を含むスパンレイド繊維について記載している。改良された結合組成物を含む合成ポリマーの不織布は、EP 2465986A1に開示されている。WO 97/30199は、不織布の製造に好適な繊維またはフィラメントであって、ポリオレフィンおよび無機粒子から本質的に成る繊維またはフィラメントに関する。

WO 2009/094321A1は、少なくとも1つのポリマー樹脂および少なくとも1つのコート充填剤を含むモノフィラメント繊維を開示している。少なくとも1つのポリマー樹脂および少なくとも1つのコート充填剤を含むステープル繊維は、WO 2011/028934A1に記載されている。ポリブチレンテレフタレート/炭酸カルシウム複合材の調製は、Bulletin of Material Science,2010,33(3),277−284で公開された、Deshmukhらの“Effect of uncoated calcium carbonate and stearic acid coated calcium carbonate on mechanical,thermal and structural properties of poly(butylenes terephthalate)(PBT)/calcium carbonate composites”という表題の論文に開示されている。

天然繊維複合材の性能に対する充填剤の効果は、Kanakasabaiらによって、International Journal of Plastic Technology,2007,11,1−31で発表された論文“Effect of fabric treatment and filler content on jute polyester composites”において研究された。CS 269812B1は、炭酸カルシウムが、エステル交換状態の間にまたは重縮合の始めにポリエステルの反応混合物が添加される、炭酸カルシウムを含有するポリエステル繊維を製造する方法に関する。WO 2007/124866A1は、熱可塑性ポリマーおよび充填剤を含むポリマー繊維ならびにこれの製造された不織材料に関する。

さらに、未公開の欧州特許出願第12199746.4号が示される。

上記を考慮して、ポリエステル系繊維製品材料の特性を改良することは、当業者にとってなお興味深い。

概要

機械的硬度熱伝導率が改善され、不透明度が上昇した繊維、及びその製造方法の提供。ポリエステルから成る少なくとも1つのポリマー及び炭酸カルシウムを含むマルチフィラメント繊維であって、炭酸カルシウムが表面処理炭酸カルシウムであり、マルチフィラメント繊維の全重量に対して少なくとも2重量%の量で存在する。なし

目的

本発明の目的は、機械的硬度、熱伝導率が改善され、不透明度が上昇したマルチフィラメント繊維を提供する

効果

実績

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請求項1

ポリエステルを含む少なくとも1つのポリマーおよび炭酸カルシウムを含む少なくとも1つの充填剤を含むマルチフィラメント繊維であって、前記炭酸カルシウムが前記マルチフィラメント繊維中に、前記マルチフィラメント繊維の全重量に対して少なくとも2重量%の量で存在する、マルチフィラメント繊維。

請求項2

前記ポリエステルが、ポリグリコール酸ポリカプロラクトンポリエチレンアジペートポリヒドロキシアルカノエートポリヒドロキシブチレートポリアルキレンテレフタレートポリエチレンテレフタレートポリトリメチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートポリエチレンナフタレートポリ乳酸またはこれらの混合物もしくはこれらのコポリマーから成る群から選択され、好ましくは、前記ポリエステルがポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリブチレンテレフタレートである、請求項1に記載のマルチフィラメント繊維。

請求項3

前記炭酸カルシウムが、粉砕炭酸カルシウム沈降炭酸カルシウム、修飾炭酸カルシウム、表面処理炭酸カルシウムまたはこれらの混合物であり、好ましくは表面処理炭酸カルシウムである、請求項1または2に記載のマルチフィラメント繊維。

請求項4

前記炭酸カルシウムが表面処理炭酸カルシウムであって、これのアクセス可能表面積の少なくとも一部上に疎水性化剤を含む処理層を含む表面処理炭酸カルシウムであり、好ましくは、前記疎水性化剤が、C4からC28の炭素原子の全量を有する脂肪族カルボン酸および/またはこれの反応生成物置換基中に少なくともC2からC30の炭素原子の全量を有する直鎖、分枝脂肪族および環式基から選択される基によって1置換されたコハク酸無水物から成る1置換コハク酸無水物および/またはこれの反応生成物、1つ以上のリン酸モノエステルおよび/またはこれの反応生成物ならびに1つ以上のリン酸ジエステルおよび/またはこれの反応生成物のリン酸エステルブレンド、ならびにこれらの混合物から成る群から選択され、より好ましくは、前記疎水性化剤が、置換基中に少なくともC2からC30の炭素原子の全量を有する直鎖、分枝、脂肪族および環式基から選択される基によって1置換されたコハク酸無水物から成る1置換コハク酸無水物および/もしくはこれの反応生成物ならびに/または1つ以上のリン酸モノエステルおよび/もしくはこれの反応生成物ならびに1つ以上のリン酸ジエステルおよび/もしくはこれの反応生成物のリン酸エステルブレンドである、請求項1から3のいずれか一項に記載のマルチフィラメント繊維。

請求項5

前記炭酸カルシウムが0.1から3μm、好ましくは0.4から2.5μm、より好ましくは1.0から2.3μm、および最も好ましくは1.2から2.0μmの重量中粒径d50を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のマルチフィラメント繊維。

請求項6

前記炭酸カルシウムが、前記マルチフィラメント繊維中に、前記マルチフィラメント繊維の全重量に対して2から50重量%、好ましくは5から40重量%、より好ましくは8から35重量%、および最も好ましくは10重量%から30重量%の量で存在する、請求項1から5のいずれか一項に記載のマルチフィラメント繊維。

請求項7

0.5から4000dtex、好ましくは1から3000dtex、より好ましくは10から2000dtex、および最も好ましくは100から1500dtexの線質量密度を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のマルチフィラメント繊維。

請求項8

請求項1から7のいずれか一項に記載の少なくとも1つのマルチフィラメント繊維を含む、繊維製品

請求項9

請求項10

a)ポリエステルを含む少なくとも1つのポリマーおよび炭酸カルシウムを含む少なくとも1つの充填剤を含む混合物を提供するステップ、b)ステップa)の混合物を溶融させて、これを成形オリフィスに通過させて、マルチフィラメント繊維を形成するステップおよびc)前記マルチフィラメント繊維を急冷するステップを含むマルチフィラメント繊維を製造する方法であって、前記炭酸カルシウムが前記マルチフィラメント繊維中に、前記マルチフィラメント繊維の全重量に対して少なくとも2重量%の量で存在する、方法。

請求項11

ステップa)の前記混合物が、マスターバッチおよび追加のポリマーの混合物であり、前記マスターバッチがポリエステルを含む少なくとも1つのポリマーおよび炭酸カルシウムを含む少なくとも1つの充填剤を含み、好ましくは前記マスターバッチにおいて、前記炭酸カルシウムが、前記マスターバッチの全重量に対して10から85重量%、好ましくは20から80重量%、より好ましくは30から75重量%、および最も好ましくは40重量%から75重量%の量で存在する、請求項10に記載の方法。

請求項12

前記マルチフィラメント繊維を延伸するステップd)をさらに含む、請求項10または11に記載の方法。

請求項13

ポリエステルを含む少なくとも1つのポリマーを含むマルチフィラメント繊維中での充填剤としての炭酸カルシウムの使用であって、前記炭酸カルシウムが前記マルチフィラメント繊維中に、前記マルチフィラメント繊維の全重量に対して少なくとも2重量%の量で存在する、使用。

請求項14

繊維製品を製造するための、請求項1から7のいずれか一項に記載の少なくとも1つのマルチフィラメント繊維の使用。

請求項15

建設資材、防水断熱防音屋根ふき材、消費者向けアパレル、室内装飾材料および衣料品産業、工業用アパレル、医療製品、家庭用備品、防護用品、包装用材料、化粧用製品、衛生用製品、濾過材料、農業用途、建設用途、地質工学用途、工業用途医療用途輸送エコ技術用途、包装用途、人体保護、財産保護またはスポーツ用途での、請求項1から7のいずれか一項に記載の少なくとも1つのマルチフィラメント繊維ならびに/もしくは請求項8または9に記載の繊維製品の使用。

技術分野

0001

本発明は、マルチフィラメント繊維、マルチフィラメント繊維の調製方法、マルチフィラメント繊維を含有する物品および前記マルチフィラメント繊維の使用ならびにマルチフィラメント繊維用充填剤としての炭酸カルシウムの使用に関する。

背景技術

0002

マルチフィラメント繊維は通常、固く撚り合せることができる、または最小限の撚りでもしくは撚りなしでひとまとめにできる、多数の細い連続したフィラメントから成る。対照的に、スパン繊維は、短いステープル繊維、または短いステープル繊維に切断された長いフィラメント繊維で構成されている。ステープル繊維は撚り合されて、スパン繊維を形成する。モノフィラメント布と比較して、マルチフィラメント布は、より良好な保持力、例えばより良好なフィルター効率およびより低いスループットを提供し得る。さらに、マルチフィラメント繊維は可撓性であり、取り扱いが容易であり、いずれの種類の布にも製織することができる。これに対して、モノフィラメント繊維は、より高価であり、通常、より大きい直径を有し、このことはある用途にとって欠点となることがある。

0003

マルチフィラメント繊維は、層状化プレーティングブレーディングノッティング、製織、製編かぎ針編みまたはタフティングによって、繊維製品にさらに加工することができる。今日、多くの繊維製品材料は、熱可塑性ポリマー、例えばポリプロピレンポリエチレンポリアミドまたはポリエステルから製造される。ポリエステル繊維またはフィラメントの利点は、これらの高い結晶性、高い強度および高い靭性である。ポリエチレンテレフタレート(PET)は、最も広範に使用されているポリエステルクラスであり、PETの高い汎用性を説明する、高弾性低収縮性熱固定定性耐光性および耐化学薬品性を特徴とする。PETの主な欠点の1つは、これの低い結晶化速度であり、このことによって、射出成形などの製造方法に合理的なサイクル時間が割り当てられない。従って、タルクなどの核化剤を添加することが多い。しかし、これらの不均一粒子は、応力中物として作用することができるため、ポリマー機械的特性に影響を及ぼし得る。従って、核化PETはガラス繊維補強されることが多い。

0004

タルク充填PETは、Journal of Polymer Science:Part B:Polymer Physics,1999,37,847から857で公開された、Sekelikらの“Oxygen barrier properties of crystallized and talc−filled poly(ethylene terephthalate)”という表題論文に開示されている。US 5,886,088Aは、無機核化剤を含むPET樹脂組成物に関する。炭酸カルシウムが充填された熱可塑性ポリマー材料を製造する方法は、WO 2009/121085A1に記載されている。

0005

WO 2012/052778A1は、ポリエステルおよび炭酸カルシウムまたは雲母充填剤を含む、引き裂き可能なポリマーフィルムに関する。修飾炭酸カルシウムを含むPET繊維紡糸は、Boonsri Kuskthamによって研究され、the Asian Journal of Textile,2011,1(2),106 to 113で公開された、“Spinning of PET fibres mixed with calcium carbonate”という表題の論文に記載されている。

0006

二酸化チタンおよび少なくとも1つの鉱物充填剤を含む押出繊維および不織ウェブは、US 6,797,377B1に開示されている。WO 2008/077156A2は、ポリマー樹脂および1つの充填剤ならびに前記繊維を含有する不織布を含むスパンレイド繊維について記載している。改良された結合組成物を含む合成ポリマーの不織布は、EP 2465986A1に開示されている。WO 97/30199は、不織布の製造に好適な繊維またはフィラメントであって、ポリオレフィンおよび無機粒子から本質的に成る繊維またはフィラメントに関する。

0007

WO 2009/094321A1は、少なくとも1つのポリマー樹脂および少なくとも1つのコート充填剤を含むモノフィラメント繊維を開示している。少なくとも1つのポリマー樹脂および少なくとも1つのコート充填剤を含むステープル繊維は、WO 2011/028934A1に記載されている。ポリブチレンテレフタレート/炭酸カルシウム複合材の調製は、Bulletin of Material Science,2010,33(3),277−284で公開された、Deshmukhらの“Effect of uncoated calcium carbonate and stearic acid coated calcium carbonate on mechanical,thermal and structural properties of poly(butylenes terephthalate)(PBT)/calcium carbonate composites”という表題の論文に開示されている。

0008

天然繊維複合材の性能に対する充填剤の効果は、Kanakasabaiらによって、International Journal of Plastic Technology,2007,11,1−31で発表された論文“Effect of fabric treatment and filler content on jute polyester composites”において研究された。CS 269812B1は、炭酸カルシウムが、エステル交換状態の間にまたは重縮合の始めにポリエステルの反応混合物が添加される、炭酸カルシウムを含有するポリエステル繊維を製造する方法に関する。WO 2007/124866A1は、熱可塑性ポリマーおよび充填剤を含むポリマー繊維ならびにこれの製造された不織材料に関する。

0009

さらに、未公開の欧州特許出願第12199746.4号が示される。

0010

上記を考慮して、ポリエステル系繊維製品材料の特性を改良することは、当業者にとってなお興味深い。

0011

米国特許第5,886,088号明細書
国際公開第2009/121085号
国際公開第2012/052778号
米国特許第6,797,377号明細書
国際公開第2008/077156号
欧州特許出願第2465986号明細書
国際公開第97/30199号
国際公開第2009/094321号
国際公開第2011/028934号
チェコロバキア特許第269812号明細書
国際公開第2007/124866号
欧州特許出願公開第12199746.4号明細書

先行技術

0012

Sekelikら,“Oxygen barrier properties of crystallized and talc−filled poly(ethylene terephthalate)”,Journal of Polymer Science:Part B:Polymer Physics,1999,37,847から857
Boonsri Kusktham,“Spinning of PET fibres mixed with calcium carbonate”,the Asian Journal of Textile,2011,1(2),106から113
Deshmukhら,“Effect of uncoated calcium carbonate and stearic acid coated calcium carbonate on mechanical,thermal and structural properties of poly(butylenes terephthalate)(PBT)/calcium carbonate composites”,Bulletin of Material Science,2010,33(3),277−284
Kanakasabaiら,“Effect of fabric treatment and filler content on jute polyester composites”,International Journal of Plastic Technology,2007,11,1−31

発明が解決しようとする課題

0013

本発明の目的は、機械的硬度熱伝導率が改善され、不透明度が上昇したマルチフィラメント繊維を提供することである。マルチフィラメント繊維であって、これの疎水性特性または親水性特性に関して調整することができるマルチフィラメント繊維を提供することも望ましい。マルチフィラメント繊維の品質に著しく影響を及ぼさずにポリマーの量を減少させたマルチフィラメント繊維を提供することも望ましい。より高い生産性、より低いカーボンフットプリントおよびより低いコストで製造することができるマルチフィラメント繊維を提供することも望ましい。

0014

また本発明の目的は、溶融加工中に短いサイクル時間を可能にする、ポリエステル系ポリマー組成物からマルチフィラメント繊維を製造する方法を提供することである。リサイクルポリエステル材料、とりわけリサイクルPETの使用が可能となる、マルチフィラメント繊維を製造する方法を提供することも望ましい。

課題を解決するための手段

0015

上記の目的および他の目的は、独立請求項において本明細書に定義するような主題によって解決される。

0016

本発明の一態様により、ポリエステルを含む少なくとも1つのポリマーおよび炭酸カルシウムを含む少なくとも1つの充填剤を含むマルチフィラメント繊維であって、炭酸カルシウムがマルチフィラメント繊維中に、マルチフィラメント繊維の全重量に対して少なくとも2重量%の量で存在する、マルチフィラメント繊維が提供される。

0017

別の態様により、本発明による少なくとも1つのマルチフィラメント繊維を含む繊維製品が提供される。

0018

なお別の態様により、
a)ポリエステルを含む少なくとも1つのポリマーおよび炭酸カルシウムを含む少なくとも1つの充填剤を含む混合物を提供するステップ
b)ステップa)の混合物を溶融させて、これを成形オリフィスに通過させて、マルチフィラメント繊維を形成するステップおよび
c)マルチフィラメント繊維を急冷するステップを含むマルチフィラメント繊維を製造する方法であって、
炭酸カルシウムがマルチフィラメント繊維中に、マルチフィラメント繊維の全重量に対して少なくとも2重量%の量で存在する方法が提供される。

0019

なお別の態様により、ポリエステルを含む少なくとも1つのポリマーを含むマルチフィラメント繊維における充填剤としての炭酸カルシウムの使用であって、炭酸カルシウムがマルチフィラメント繊維中に、マルチフィラメント繊維の全重量に対して少なくとも2重量%の量で存在する使用が提供される。

0020

なお別の態様により、繊維製品を製造するための本発明による少なくとも1つのマルチフィラメント繊維の使用が提供される。

0021

なお別の態様により、建設資材防水断熱防音屋根ふき材消費者向けアパレル室内装飾材料および衣料品産業工業用アパレル、医療製品家庭用備品防護用品包装用材料化粧用製品、衛生用製品濾過材料農業用途、建設用途、地質工学用途、工業用途医療用途輸送エコ技術用途、包装用途、人体保護、財産保護またはスポーツ用途における、本発明による少なくとも1つのマルチフィラメント繊維および/または本発明による繊維製品の使用が提供される。

0022

本発明の好都合な実施形態は該当する従属請求項に定義されている。

0023

本マルチフィラメント繊維の一実施形態により、ポリエステルは、ポリグリコール酸ポリカプロラクトン、ポリエチレンアジペートポリヒドロキシアルカノエートポリヒドロキシブチレートポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートポリ乳酸またはこれらの混合物もしくはこれらのコポリマーから成る群から選択され、好ましくは、ポリエステルはポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリブチレンテレフタレートである。

0024

本マルチフィラメント繊維の別の実施形態により、炭酸カルシウムは、粉砕炭酸カルシウム沈降炭酸カルシウム、修飾炭酸カルシウム、表面処理炭酸カルシウムまたはこれらの混合物であり、好ましくは表面処理炭酸カルシウムである。

0025

本マルチフィラメント繊維のまた別の実施形態により、炭酸カルシウムは、表面処理炭酸カルシウムであって、これのアクセス可能表面積の少なくとも一部上に疎水性化剤を含む処理層を含む表面処理炭酸カルシウムであり、好ましくは、疎水性化剤は、C4からC24の炭素原子の全量を有する脂肪族カルボン酸および/またはこれの反応生成物置換基中に少なくともC2からC30の炭素原子の全量を有する直鎖、分枝脂肪族および環式基から選択される基によって1置換されたコハク酸無水物から成る1置換コハク酸無水物および/またはこれの反応生成物、1つ以上のリン酸モノエステルおよび/またはこれの反応生成物ならびに1つ以上のリン酸ジエステルおよび/またはこれの反応生成物のリン酸エステルブレンド、ならびにこれらの混合物から成る群から選択され、より好ましくは、疎水性化剤は、置換基中に少なくともC2からC30の炭素原子の全量を有する直鎖、分枝、脂肪族および環式基から選択される基によって1置換されたコハク酸無水物から成る1置換コハク酸無水物および/もしくはこれの反応生成物ならびに/または1つ以上のリン酸モノエステルおよび/もしくはこれの反応生成物ならびに1つ以上のリン酸ジエステルおよび/もしくはこれの反応生成物のリン酸エステルブレンドである。

0026

本マルチフィラメント繊維の一実施形態により、炭酸カルシウムは、0.1から3μm、好ましくは0.4から2.5μm、より好ましくは1.0から2.3μmおよび最も好ましくは1.2から2.0μmの重量中粒径d50を有する。

0027

本マルチフィラメント繊維の別の実施形態により、炭酸カルシウムは、マルチフィラメント繊維中に、マルチフィラメント繊維の全重量に対して2から50重量%、好ましくは5から40重量%、より好ましくは8から35重量%および最も好ましくは10重量%から30重量%の量で存在する。

0028

マルチフィラメント繊維のまた別の実施形態により、マルチフィラメント繊維は、0.5から4000dtex、好ましくは1から3000dtex、より好ましくは10から2000dtexおよび最も好ましくは100から1500dtexの線質量密度を有する。

0029

本繊維製品の一実施形態により、前記物品は、建設資材、消費者向けアパレル、工業用アパレル、医療製品、家庭用備品、防護用品、包装用材料、化粧用製品、衛生製品、濾過材料、ホースパワーベルトロープネット、糸、タイヤコード自動車内張りフロッピーディスクライナーまたはファイバーフィルから選択される。

0030

マルチフィラメント繊維を製造する本方法の一実施形態により、ステップa)の混合物は、マスターバッチおよび追加のポリマーの混合物であり、マスターバッチは、ポリエステルを含む少なくとも1つのポリマーおよび炭酸カルシウムを含む少なくとも1つの充填剤を含み、好ましくはマスターバッチにおいて、炭酸カルシウムは、マスターバッチの全重量に対して10から85重量%、好ましくは20から80重量%、より好ましくは30から75重量%および最も好ましくは40重量%から75重量%の量で存在する。

0031

本方法の別の実施形態により、方法は、マルチフィラメント繊維を延伸するステップd)をさらに含む。

0032

本発明の目的のために、以下の用語が以下の意味を有することを理解すべきである:
本発明の文脈で使用する場合、「結晶化度」という用語は、ポリマー中秩序分子の割合を示す。残りの割合は、「アモルファス」と呼ばれる。ポリマーは、溶融物からの冷却時、機械的伸張時にまたは溶媒蒸発時に結晶化し得る。結晶化範囲は一般に、アモルファス範囲よりもより高密度に充填され、結晶化はポリマーの光学特性、機械的特性、熱特性および化学的特性に影響を及ぼし得る。結晶化度はパーセントで規定され、示差走査熱量測定DSC)によって求めることができる。

0033

本発明の目的のために、「dtex」という用語は、繊維の線質量密度を示し、10000メートル当たりグラムでの質量として定義する。

0034

本発明の意味における「粉砕炭酸カルシウム」(GCC)は、天然源、例えば石灰石大理石ドロマイトまたはチョークから得られ、湿式および/または乾式処理、例えば粉砕ふるい分けおよび/分画により、例えばサイクロンまたは分級機によって加工された炭酸カルシウムである。

0035

用語「固有粘度」は、本発明の文脈で使用する場合、溶解したポリマーが溶液の粘度を向上させる能力尺度であり、dl/gによって規定される。

0036

本発明の意味における「修飾炭酸カルシウム」(MCC)は、内部構造修飾または表面反応生成物を有する天然粉砕または沈降炭酸カルシウム、即ち「表面反応炭酸カルシウム」を特徴とし得る。「表面反応炭酸カルシウム」は、炭酸カルシウムおよび表面上の不溶性の、好ましくは少なくとも部分的に結晶性の酸のアニオンカルシウム塩を含む材料である。好ましくは、不溶性カルシウム塩は、炭酸カルシウムの少なくとも一部の表面から延在している。前記アニオンの前記少なくとも部分的に結晶性のカルシウム塩を形成するカルシウムイオンは、大部分は出発炭酸カルシウム材料から生じる。MCCは、例えばUS 2012/0031576A1、WO 2009/074492A1、EP 2264109A1、EP 2070991A1または2264108A1に記載されている。

0037

本発明の意味における「繊維」は、高い縦断面積比および糸様形態を有する長く細い連続物質である。本発明の意味における「フィラメント」は、非常に大きい長さの、連続的と見なされる繊維である。本発明の意味における「マルチフィラメント繊維」は、2つ以上のフィラメントで構成されている繊維である。好ましくは、マルチフィラメント繊維はマルチフィラメントヤーンである。

0038

本明細書で使用する場合、「繊維製品」という用語は、層状化、プレーティング、ブレーディング、ノッティング、製織、製編、かぎ針編みまたはタフティングなどの方法によって製造された製品を示す。本発明の目的のために、「織布」という用語は、製織によって製造された繊維製品を示し、「不織布」という用語は、繊維、フィラメントまたはフィルム様フィラメント構造体の層または網目をからみ合せることによって製造された平坦な可撓性多孔質シート構造体を示す。

0039

文書を通じて、炭酸カルシウム充填剤の「粒径」は、粒径の分布によって説明される。値dxは、粒子のx重量%が有するdx未満の粒径に対する粒径を表す。このことは、d20値は全粒子の20重量%がこれより小さい粒径であり、d98値は全粒子の98重量%がこれより小さい粒径であることを意味する。d98値は、「トップカット」とも呼ぶ。d50値はこのため重量中央粒径であり、即ちすべての粒子の50重量%がこの粒径より大きいまたは小さい。本発明の目的のために、別途指摘しない限り、粒径は重量中央粒径d50として規定する。重量中央粒径d50値またはトップカット粒径d98値を測定するために、米国、マイクロメリティックス社(Micromeritics)のセディグラフ5100または5120装置を使用することができる。

0040

本明細書で使用する場合、「ポリマー」という用語は一般に、ホモポリマーおよびコポリマー、例えばブロック、グラフトランダムおよび交互コポリマーならびにこれのブレンドおよび修飾物を含む。

0041

本発明の意味における「沈降炭酸カルシウム」(PCC)は、一般に、水性環境における二酸化炭素カルシウムヒドロキシド水和石灰)との反応後の沈降によってまたは水中でのカルシウム源およびカーボネート源の沈降によって得られる合成材料である。さらに、沈降炭酸カルシウムは、水性環境への例えばカルシウム塩およびカーボネート塩、カルシウムクロリドおよびナトリウムカーボネートの導入の生成物であることもできる。PCCは、ファーテライトカルサイトまたはアラゴナイトであってよい。PCCは、例えばEP 2447213A1、EP 2,524,898A1、EP 2371766A1または未公開の欧州特許出願第12164041.1号に記載されている。

0042

本発明の意味において、「表面処理炭酸カルシウム」は、処理層またはコーティング層、例えば疎水性化剤、脂肪酸界面活性剤シロキサンまたはポリマーの層を含む粉砕、沈降または修飾炭酸カルシウムである。

0043

「含む(comprising)」という用語を本明細書および特許請求の範囲において使用する場合、これは他の要素を排除しない。本発明の目的のために、「より成る(consisting of」という用語は、用語「より構成される(comprising of)」の好ましい実施形態であると見なされる。以下で群が少なくとも幾つかの実施形態を含むと定義される場合、これはまた、好ましくはこれらの実施形態のみから成る群を開示すると理解されるものとする。

0044

単数名詞を参照するとき、不定詞または定冠詞、例えば「a」、「an」または「the」を使用する場合ほかの明確な規定がない限り、その名詞の複数が含まれる。

0045

「得られる」または「定義できる」および「得られた」または「定義した」などの用語は、同義で使用される。このことは例えば、文脈上明確に別に指示されない限り、「得られた」という用語は、例えば「得られた」という用語に続く一連のステップによって得られなければならないということを示すものではないということを意味するが、このような限定された理解は、「得られた」または「定義された」という用語によって、好ましい実施形態として常に含まれる。

0046

本発明のマルチフィラメント繊維は、ポリエステルを含む少なくとも1つのポリマーおよび炭酸カルシウムを含む少なくとも1つの充填剤を含む。炭酸カルシウムは、マルチフィラメント繊維中に、マルチフィラメント繊維の全重量に対して少なくとも2重量%の量で存在する。以下では、本発明の製品の詳細事項および好ましい実施形態をより詳細に述べる。これらの技術的詳細事項および実施形態は、本発明の前記マルチフィラメント繊維を製造する方法ならびに本発明のマルチフィラメント繊維および炭酸カルシウムの使用にも適用されることを理解すべきである。

0047

少なくとも1つのポリマー
本発明のマルチフィラメント繊維は、ポリエステルを含む少なくとも1つのポリマーを含む。

0048

ポリエステルは、これの主鎖中にエステル官能基を含有し、一般に重縮合反応によって得られるポリマーのクラスである。ポリエステルとしては、クチンなどの天然型ポリマーならびにカーボネートまたはポリブチレートなどの合成ポリマーが挙げられ得る。これらの構造に応じて、ポリエステルは生分解性であり得る。本発明の意味の範囲内で「生分解性」という用語は、細菌または他の生物の助けによって破壊または分解できるため、環境汚染を回避することができる、物質または物体に関する。

0049

一実施形態により、ポリエステルは、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリエチレンアジペート、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリヒドロキシブチレート、ポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸またはこれらの混合物もしくはこれらのコポリマーから成る群から選択される。これらのポリマーのいずれも、純粋な形態、即ちホモポリマーの形態であり得るか、または共重合によっておよび/または主鎖もしくは主鎖の側鎖への1つ以上の置換基の付加によって修飾され得る。

0050

本発明の一実施形態により、少なくとも1つのポリマーは、ポリエステルから成る。ポリエステルは、1つの特定の種類のポリエステルのみから、または1種類以上のポリエステルの混合物から成り得る。

0051

少なくとも1つのポリマーは、マルチフィラメント繊維中に、マルチフィラメント繊維の全重量に対して、少なくとも40重量%、好ましくは少なくとも60重量%、より好ましくは少なくとも80重量%および最も好ましくは少なくとも90重量%の量で存在することができる。一実施形態により、少なくとも1つのポリマーは、不織布中に、マルチフィラメント繊維の全重量に対して、50から98重量%、好ましくは60から95重量%、より好ましくは65から92重量%、最も好ましくは(most preferable)70から90重量%の量で存在する。

0052

一実施形態により、ポリエステルは、0.2から2dl/g、好ましくは0.3から1.5dl/gおよびより好ましくは0.4から1dl/g、例えば0.4から0.7dl/gまたは0.7から1dl/gの固有粘度、IVを有する。

0053

一実施形態により、ポリエステルは、テレフタル酸またはこれのポリエステル形成誘導体の1つおよびジオールの重縮合から得られる。テレフタル酸の好適なポリエステル形成誘導体は、ジメチルテレフタレートジエチルテレフタレートジプロピルテレフタレートジブチルテレフタレートまたはこれらの混合物である。好適なジオールの例は、アルカンジオール、例えば炭素鎖中に2から12個の炭素原子を有するアルカンジオール、例えばエチレングリコールプロパンジオールブタンジオールペンタンジオールヘキサンジオールヘプタンジオールオクタンジオールノナンジオールデカンジオールウンデカンジオール、ドデカンジオールまたはこれらの混合物である。

0054

一実施形態により、ポリエステルはポリアルキレンテレフタレートである。

0055

ポリアルキレンテレフタレート中のテレフタル酸またはこれのポリエステル形成誘導体の1つの一部を、他のジカルボン酸によって置き換えることができる。好適なジカルボン酸の例は、イソフタル酸フタル酸
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、アジピン酸セバシン酸またはデカンジカルボン酸である。一実施形態により、最大5mol%、好ましくは最大10mol%、より好ましくは最大20mol%および最も好ましくは最大30mol%の、ポリアルキレンテレフタレート中のテレフタル酸またはこれのポリエステル形成誘導体の1つが他のジカルボン酸によって置き換えられる。

0056

ポリアルキレンテレフタレート中のアルカンジオールの一部を、他のジオールによって置き換えることができる。好適な他のジオールの例は、ネオペンチルグリコール、1,4−または1,3−ジメチロールシクロヘキサンである。一実施形態により、最大5mol%、好ましくは最大10mol%、より好ましくは最大20mol%および最も好ましくは最大30mol%の、ポリアルキレンテレフタレート中のアルカンジオールが他のジオールによって置き換えられる。

0057

本発明により、ポリアルキレンテレフタレートは、未修飾および修飾テレフタレートを含む。ポリアルキレンテレフタレートは、直鎖ポリマー分枝ポリマーまたは架橋ポリマーであってよい。例えばグリセロールを二酸またはこれの無水物と反応させる場合、各グリセロール単位は分枝点を生成する。例えば同じまたは異なる分子のヒドロキシル基と分枝からの酸官能基との反応により内部カップリングが発生すると、ポリマーが架橋されるようになる。場合により、ポリアルキレンテレフタレートを好ましくはC1−C10アルキル基、ヒドロキシル基および/またはアミン基によって置換できる。一実施形態により、ポリアルキレンテレフタレートは、メチル基エチル基プロピル基ブチル基、tert−ブチル基、ヒドロキシル基および/またはアミン基によって置換される。

0058

本発明の好ましい実施形態により、ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリブチレンテレフタレートである。

0059

ポリエチレンテレフタレート(PET)は縮合ポリマーであり、テレフタル酸またはジメチルテレフタレートのどちらかとエチレングリコールとの縮合物を形成することによって工業的に製造され得る。同様に、ポリブチレンテレフタレート(PBT)は、テレフタル酸またはジメチルテレフタレートのどちらかをブチレングリコール縮合することによって得ることができる。

0060

PETは、ジエチルテレフタレートモノマーおよびエチレングリコールモノマーを用いるエステル交換またはテレフタル酸モノマーおよびエチレングリコールモノマーを用いることによる直接エステル化によって重合され得る。エステル交換法および直接エステル化法はどちらも、重縮合法とバッチ式でまたは連続的に組み合わされる。バッチ式システムには2個の反応容器が必要であり、1個はエステル化またはエステル交換用、1個は重合用である。連続システムは、少なくとも3個の容器が必要であり、1個はエステル化またはエステル交換用であり、もう1個は過剰なグリコールを低減するためであり、また別の1個は重合用である。

0061

または、PETは、固相重縮合によって製造され得る。例えばこのような方法では、溶融重縮合プレポリマーが1.0−1.4dl/gの固有粘度を有するまで継続し、この時点でポリマーをキャストして固体フィルムとする。プレ結晶化は、ポリマーの所望の分子量が得られるまで、例えば200℃超で加熱することによって行う。

0062

一実施形態により、PETは、連続重合法、バッチ式重合法または固相重合法から得られる。PBTは、PETについて記載したのと同じ方法で得られ得る。

0063

本発明により、「ポリエチレンテレフタレート」または「ポリブチレンテレフタレート」という用語は、未修飾および修飾ポリエチレンまたはポリブチレンテレフタレートをそれぞれ含む。ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートは、直鎖ポリマー、分枝ポリマーまたは架橋ポリマーであってよい。例えばグリセロールを二酸またはこれの無水物と反応させる場合、各グリセロールは分枝点を生成する。例えば同じまたは異なる分子のヒドロキシル基と分枝からの酸官能基との反応により内部カップリングが発生すると、ポリマーが架橋されるようになる。場合により、ポリエチレンテレフタレートを好ましくはC1−C10アルキル基、ヒドロキシル基および/またはアミン基によって置換できる。一実施形態により、ポリエチレンテレフタレートは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ヒドロキシル基および/またはアミン基によって置換される。ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートは、例えばシクロヘキサンジメタノールまたはイソフタル酸との共重合によって修飾することもできる。

0064

PETおよび/またはPBTは、これの加工および熱履歴に応じて、アモルファスポリマーおよび半結晶性ポリマーの両方として、即ち結晶性部分およびアモルファス部分を含むポリマーとして存在し得る。半結晶性材料は、これの結晶構造および粒径に応じて透明または半透明および白色に見えることがある。

0065

一実施形態により、PETおよび/またはPBTはアモルファスである。別の実施形態により、PETおよび/またはPBTは半結晶性であり、好ましくはPETおよび/またはPBTは、少なくとも20%、より好ましくは少なくとも40%および最も好ましくは少なくとも50%の結晶化度を有する。なお別の実施形態により、PETおよび/またはPBTは、10から80%、より好ましくは20から70%および最も好ましくは30から60%の結晶化度を有する。結晶化度は、示差走査熱量測定(DSC)で測定され得る。

0066

本発明の一実施形態により、PETおよび/またはPBTは、0.2から2dl/g、好ましくは0.3から1.5dl/gおよびより好ましくは0.4から1dl/g、例えば0.4から0.7dl/gまたは0.7から1dl/gの固有粘度、IVを有する。

0067

本発明の別の実施形態により、PETおよび/またはPBTは、50から200℃、好ましくは60から180℃およびより好ましくは70から170℃のガラス転移温度Tgを有する。

0068

本発明の一実施形態により、PETおよび/またはPBTは、5000から100000g/mol、好ましくは10000から50000g/molおよびより好ましくは15000から20000g/molの数平均分子量を有する。

0069

ポリエステルは、バージンポリマーリサイクルポリマーまたはこれらの混合物であってよい。リサイクルポリエチレンテレフタレートは、消費後のPETボトルプリフォームPETスクラップ復元PETまたは再生PETから得てよい。

0070

一実施形態により、ポリエステルは、ポリエステルの全重量に対して、10重量%、好ましくは25重量%、より好ましくは50重量%および最も好ましくは75重量%のリサイクルポリエステルを含む。

0071

一実施形態により、少なくとも1つのポリマーは、ポリエチレンテレフタレートから成る。PETは、1つの特定の種類のPETのみまたは2種類以上のPETの混合物から成り得る。別の実施形態により、少なくとも1つのポリマーは、ポリブチレンテレフタレートから成る。PBTは、1つの特定の種類のPBTのみからまたは2種類以上のPBTの混合物から成り得る。なお別の実施形態により、少なくとも1つのポリマーはPETおよびPBTの混合物から成り、PETは、1つの特定の種類のPETのみまたは2種類以上のPETから成り得て、PBTは、1つの特定の種類のPBTのみまたは2種類以上のPBTから成り得る。

0072

一実施形態により、少なくとも1つのポリマーはさらなるポリマー、好ましくはポリオレフィン、ポリアミド、セルロースポリベンゾイミダゾールまたはこれらの混合物またはこれらのコポリマーを含む。このようなポリマーの例は、ポリヘキサメチレンアジポアミド、ポリカプロラクタム芳香族または部分芳香族ポリアミド(「アラミド」)、ナイロン、ポリプロピレンスルフィド(PPS)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリベンゾイミダゾールまたはレーヨンである。

0073

一実施形態により、少なくとも1つのポリマーは、少なくとも1つのポリマーの全量に対して、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも90重量%および最も好ましくは少なくとも95重量%のポリエステルを含む。別の実施形態により、少なくとも1つのポリマーは、少なくとも1つのポリマーの全量に対して、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも90重量%および最も好ましくは少なくとも95重量%のPETおよび/またはPBTを含む。

0074

少なくとも1つの充填剤
本発明により、マルチフィラメント繊維は、炭酸カルシウムを含む少なくとも1つの充填剤を含む。少なくとも1つの充填剤は、少なくとも1つのポリマー内に分散させた。

0075

ポリエステル系マルチフィラメント繊維中での炭酸カルシウムを含む少なくとも1つの充填剤の使用は、従来のマルチフィラメント繊維と比較してある利点を有する。例えばマルチフィラメント繊維の疎水性特性および親水性特性は、適切な炭酸カルシウム充填剤を使用することによって、所期の用途に適合させることができる。さらに、炭酸カルシウム充填剤の使用により、マルチフィラメント繊維の品質に著しく影響を及ぼさずに、マルチフィラメント繊維の製造におけるポリエステルの低減が可能となる。さらに本発明者らは、驚くべきことに、炭酸カルシウムを充填剤としてPETなどのポリエステルに添加する場合、ポリマーは、ポリマーのより高い冷却速度を生じる、より高い熱伝導率を示すことを見出した。さらに、いずれの理論にも拘束されることなく、炭酸カルシウムは、PETの核化剤として作用し、このためPETの結晶化温度を上昇させると考えられる。結果として、結晶化速度が上昇し、これにより例えば溶融加工中のサイクリング時間を短縮できる。本発明者らは、炭酸カルシウム充填剤を含むポリエステルから製造されたマルチフィラメント繊維から製造された繊維製品が、ポリエステルのみから作られたマルチフィラメント繊維を含む繊維製品と比較して、機械的強度の改善、熱伝導率および不透明度の上昇を示すことも見出した。

0076

一実施形態により、炭酸カルシウムは粉砕炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、修飾炭酸カルシウム、表面処理炭酸カルシウムまたはこれらの混合物である。一実施形態により、炭酸カルシウムは粉砕炭酸カルシウムである。別の実施形態により、炭酸カルシウムは表面処理炭酸カルシウムである。

0077

粉砕(または天然)炭酸カルシウム(GCC)は、石灰石もしくはチョークなどの堆積岩からまたは変成大理石岩から採掘される炭酸カルシウムの天然形態であると理解される。炭酸カルシウムは、カルサイト、アラゴナイトおよびファーテライトの3種類の結晶多形として存在することが知られている。最も一般的な結晶多形であるカルサイトは、炭酸カルシウムの最も安定な結晶形態であると考えられる。あまり一般的でないのはアラゴナイトであり、アラゴナイトは離散したまたはクラスター化した針状斜方晶系結晶構造を有する。ファーテライトは、最も稀な炭酸カルシウム多形であり、一般に不安定である。粉砕炭酸カルシウムは、ほぼ例外なくカルサイト多形であり、カルサイト多形は三方菱面体と言われ、最も安定な炭酸カルシウム多形となる。炭酸カルシウム「源」という用語は、本出願の意味において、炭酸カルシウムが得られる天然型鉱物材料を示す。炭酸カルシウム源は、炭酸マグネシウムアルミノシリケートなどの天然型構成成分をさらに含み得る。

0078

本発明の一実施形態により、粉砕炭酸カルシウム(GCC)源は、大理石、チョーク、ドロマイト、石灰石またはこれらの混合物から選択される。好ましくは、粉砕炭酸カルシウム源は大理石から選択される。本発明の一実施形態により、GCCは乾式粉砕によって得られる。本発明の別の実施形態により、GCCは湿式粉砕、場合により後続の乾燥によって得られる。

0079

本発明の意味における「ドロマイト」は、CaMg(CO3)2(「CaCO3・MgCO3」)の化学組成を有する炭酸系(carbonatic)カルシウム−マグネシウム鉱物である。ドロマイト鉱物は、ドロマイトの全重量に対して少なくとも30.0重量%のMgCO3、好ましくは35.0重量%を超える、より好ましくは40.0重量%を超えるMgCO3を含有する。

0080

本発明の意味における「沈降炭酸カルシウム」(PCC)は、水性環境における二酸化炭素と石灰との反応後の沈降によって、または水中でのカルシウムおよびカーボネートイオン源の沈降によって、またはカルシウムイオンとカーボネートイオン、例えばCaCl2とNa2CO3との溶液からの沈降によって一般に得られる合成材料である。PCCを製造するさらなる考えられる方法は、石灰ソーダ法、またはPCCがアンモニア製造の副生成物であるソルベー法である。沈降炭酸カルシウムは、カルサイト、アラゴナイトおよびファーテライトの3種類の主な結晶形態として存在し、これらの結晶形態それぞれについて多くの異なる多形(晶癖)がある。カルサイトは、偏三角面体(S−PCC)、菱面体(R−PCC)、六方晶柱状、卓面体晶系、コロイド晶系(C−PCC)、立方晶系および柱状(P−PCC)などの代表的晶癖を有する、三方晶系構造を有する。アラゴナイトは、六方晶柱状系双晶、ならびに薄い細長柱状、湾曲ブレード状、鋭利角錐状、チゼル形状結晶、分枝樹およびサンゴまたはワーム様形状の多様な組合せの代表的晶癖を有する斜方晶系構造である。ファーテライトは六方晶結晶系に属する。得られたPCCスラリは、機械的に脱水および乾燥することができる。

0081

本発明の一実施形態により、炭酸カルシウムは1つの沈降炭酸カルシウムを含む。本発明の別の実施形態により、炭酸カルシウムは、沈降炭酸カルシウムの異なる結晶形態および異なる多形から選択される2つ以上の沈降炭酸カルシウムの混合物を含む。例えば、少なくとも1つの沈降炭酸カルシウムは、S−PCCから選択される1つのPCCおよびR−PCCから選択される1つのPCCを含み得る。

0082

修飾炭酸カルシウムは、内部構造修飾を有するGCCもしくはPCCまたは表面反応GCCもしくはPCCを特徴とし得る。表面反応炭酸カルシウムは、水性懸濁物の形態のGCCまたはPCCを提供し、前記懸濁物に酸を添加することによって調製され得る。好適な酸は、例えば硫酸塩酸リン酸クエン酸シュウ酸またはこれらの混合物である。次のステップにおいて、炭酸カルシウムをガス状二酸化炭素によって処理する。硫酸または塩酸などの強酸酸処理ステップで使用する場合、二酸化炭素がその場で自動的に生成する。代替的にもしくはさらに、二酸化炭素を外部源から供給することができる。表面反応炭酸カルシウムは、例えばUS 2012/0031576A1、WO 2009/074492A1、EP 2264109A1、EP 2070991A1またはEP 2264108A1に記載されている。

0083

一実施形態により、修飾炭酸カルシウムは、好ましくは硫酸、塩酸、リン酸、クエン酸、シュウ酸またはこれらの混合物および二酸化炭素との反応から得られた表面反応炭酸カルシウムである。

0084

表面処理炭酸カルシウムは、処理層またはコーティング層をこれの表面に含むGCC、PCCまたはMCCを特徴とし得る。例えば炭酸カルシウムは、疎水化表面処理剤、例えば脂肪族カルボキル酸、これの塩およびエステルまたはシロキサンによって処理またはコーティングされ得る。好適な脂肪族酸は、例えばC4からC28脂肪酸、例えばステアリン酸パルミチン酸ミリスチン酸ラウリン酸またはこれらの混合物である。炭酸カルシウムはまた、例えばポリアクリレートまたはポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(polyDADMAC)によって、カチオン性またはアニオン性となるように処理またはコーティングしてもよい。表面処理炭酸カルシウムは、例えばEP 2159258A1に記載されている。

0085

一実施形態により、表面処理炭酸カルシウムは、これのアクセス可能な面積の少なくとも一部上に、疎水性化剤を含む処理層を含む。

0086

一実施形態において、疎水性化剤は、C4からC24の炭素原子の全量を有する脂肪族カルボン酸および/またはこれの反応生成物である。従って、炭酸カルシウム粒子のアクセス可能な表面積の少なくとも一部は、C4からC24の炭素原子の全量を有する脂肪族カルボン酸および/またはこれの反応生成物を含む処理層によって被覆される。材料の「アクセス可能な」表面積という用語は、水溶液、懸濁物、分散物または反応性分子、例えば疎水性化剤の液相と接触している材料表面の一部を示す。

0087

本発明の意味における脂肪族カルボン酸の「反応生成物」という用語は、少なくとも1つの炭酸カルシウムを少なくとも1つの脂肪族カルボン酸と接触させることによって得られる生成物を示す。前記反応生成物は、適用された少なくとも1つの脂肪族カルボン酸の少なくとも一部と炭酸カルシウム粒子の表面に位置する反応性分子との間で形成される。

0088

本発明の意味における脂肪族カルボン酸は、1つ以上の直鎖、分枝鎖飽和、不飽和および/または脂環式カルボン酸から選択され得る。好ましくは、脂肪族カルボン酸はモノカルボン酸であり、即ち脂肪族カルボン酸は、1個のカルボキシル基が存在することを特徴とする。前記カルボキシル基は、炭素骨格末端に配置されている。

0089

本発明の一実施形態において、脂肪族カルボン酸は飽和非分枝カルボン酸から選択され、即ち脂肪族カルボン酸は、好ましくはペンタン酸ヘキサン酸ヘプタン酸オクタン酸ノナン酸デカン酸ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸ヘンイコシル酸、ベヘン酸トリコシル酸、リグノセリン酸およびこれらの混合物から成るカルボン酸の群から選択される。

0090

本発明の別の実施形態において、脂肪族カルボン酸は、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸およびこれらの混合物から成る群から選択される。好ましくは、脂肪族カルボン酸は、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸およびこれらの混合物から成る群から選択される。例えば、脂肪族カルボン酸はステアリン酸である。

0091

加えてもしくは代替的に、疎水性化剤は、置換基中にC2からC30の炭素原子の全量を有する直鎖、分枝、脂肪族および環式基から選択される基によって1置換されたコハク酸無水物から成る少なくとも1つの1置換コハク酸無水物であることができる。従って、炭酸カルシウム粒子のアクセス可能な表面積の少なくとも一部は、置換基中にC2からC30の炭素原子の全量を有する直鎖、分枝、脂肪族および環式基から選択される基によって1置換されたコハク酸無水物から成る少なくとも1つの1置換コハク酸無水物および/またはこれの反応生成物を含む処理層によって被覆される。分枝基は、置換基および/またはこれの反応生成物中にC3からC30の炭素原子の全量を含み得る。環式基は、置換基および/またはこれの反応生成物中にC5からC30の炭素原子の全量を含み得る。

0092

本発明の意味における1置換コハク酸無水物の「反応生成物」という用語は、炭酸カルシウムを少なくとも1つの1置換コハク酸無水物と接触させることによって得られる生成物を示す。前記反応生成物は、適用された少なくとも1つの1置換コハク酸無水物の少なくとも一部と炭酸カルシウム粒子の表面に位置する反応性分子との間で形成される。

0093

例えば、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、置換基中にC2からC30、好ましくはC3からC20および最も好ましくはC4からC18の炭素原子の全量を有する直鎖アルキル基または置換基中にC3からC30、好ましくはC3からC20および最も好ましくはC4からC18の炭素原子の全量を有する分枝アルキル基またはC5からC30、好ましくはC5からC20および最も好ましくはC5からC18の炭素原子の全量を有する環式基である1個の基によって1置換されたコハク酸無水物から成る。

0094

例えば、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、置換基中にC2からC30、好ましくはC3からC20および最も好ましくはC4からC18の炭素原子の全量を有する直鎖アルキル基である1個の基によって1置換されたコハク酸無水物から成る。加えてもしくはまたは、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、置換基中にC3からC30、好ましくはC3からC20および最も好ましくはC4からC18の炭素原子の全量を有する分枝アルキル基である1個の基によって1置換されたコハク酸無水物から成る。

0095

本発明の意味における「アルキル」という用語は、炭素および水素で構成される直鎖または分枝飽和有機化合物を示す。即ち、「アルキル1置換コハク酸無水物」は、ペンダントコハク酸無水物基を含有する直鎖または分枝飽和炭化水素鎖で構成されている。

0096

本発明の一実施形態において、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、少なくとも1つの直鎖または分枝アルキル1置換コハク酸無水物である。例えば、少なくとも1つのアルキル1置換コハク酸無水物は、エチルコハク酸無水物、プロピルコハク酸無水物、ブチルコハク酸無水物、トリイソブチルコハク酸無水物、ペンチルコハク酸無水物ヘキシルコハク酸無水物、ヘプチルコハク酸無水物、オクチルコハク酸無水物、ノニルコハク酸無水物、デシルコハク酸無水物、ドデシルコハク酸無水物、ヘキサデカニルコハク酸無水物、オクタデカニルコハク酸無水物およびこれらの混合物を含む群から選択される。

0097

例えば「ブチルコハク酸無水物」という用語が直鎖および分枝ブチルコハク酸無水物を含むことが認識される。直鎖ブチルコハク酸無水物の具体的な一例は、n−ブチルコハク酸無水物である。分枝ブチルコハク酸無水物の具体例は、イソブチルコハク酸無水物、sec−ブチルコハク酸無水物および/またはtert−ブチルコハク酸無水物である。

0098

さらに、例えば「ヘキサデカニルコハク酸無水物」という用語が直鎖および分枝ヘキサデカニルコハク酸無水物を含むことが認識される。直鎖ヘキサデカニルコハク酸無水物の具体的な一例は、n−ヘキサデカニルコハク酸無水物である。分枝ヘキサデカニルコハク酸無水物の具体例は、14−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、13−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、12−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、11−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、10−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、9−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、8−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、7−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、6−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、5−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、4−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、3−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、2−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、
1−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、13−エチルブタデカニルコハク酸無水物、12−エチルブタデカニルコハク酸無水物、11−エチルブタデカニルコハク酸無水物、10−エチルブタデカニルコハク酸無水物、9−エチルブタデカニルコハク酸無水物、8−エチルブタデカニルコハク酸無水物、7−エチルブタデカニルコハク酸無水物、6−エチルブタデカニルコハク酸無水物、5−エチルブタデカニルコハク酸無水物、4−エチルブタデカニルコハク酸無水物、3−エチルブタデカニルコハク酸無水物、2−エチルブタデカニルコハク酸無水物、1−エチルブタデカニルコハク酸無水物、2−ブチルドデカニルコハク酸無水物、1−ヘキシルデカニルコハク酸無水物、
1−ヘキシル−2−デカニルコハク酸無水物、2−ヘキシルデカニルコハク酸無水物、6,12−ジメチルブタデカニルコハク酸無水物、2,2−ジエチルドデカニルコハク酸無水物、4,8,12−トリメチルトリデカニルコハク酸無水物、2,2,4,6,8−ペンタメチルウンデカニルコハク酸無水物、2−エチル−4−メチル−2−(2−メチルペンチル)−ヘプチルコハク酸無水物および/または2−エチル−4,6−ジメチル−2−プロピルノニルコハク酸無水物である。

0099

さらに、例えば「オクタデカニルコハク酸無水物」という用語が直鎖および分枝オクタデカニルコハク酸無水物を含むことが認識される。直鎖オクタデカニルコハク酸無水物の具体的な一例は、n−オクタデカニルコハク酸無水物である。分枝ヘキサデカニルコハク酸無水物の具体例は、16−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、15−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、14−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、13−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、12−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、11−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、10−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、9−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、8−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、7−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、
6−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、5−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、4−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、3−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、2−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、1−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、14−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、13−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、12−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、11−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、10−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、9−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、8−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、7−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、
6−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、5−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、4−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、3−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、2−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、1−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、2−ヘキシルドデカニルコハク酸無水物、2−ヘプチルウンデカニルコハク酸無水物、イソオクタデカニルコハク酸無水物および/または1−オクチル−2−デカニルコハク酸無水物である。

0100

本発明の一実施形態において、少なくとも1つのアルキル1置換コハク酸無水物は、ブチルコハク酸無水物、ヘキシルコハク酸無水物、ヘプチルコハク酸無水物、オクチルコハク酸無水物、ヘキサデカニルコハク酸無水物、オクタデカニルコハク酸無水物およびこれらの混合物を含む群から選択される。

0101

本発明の一実施形態において、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、1種類のアルキル1置換コハク酸無水物である。例えば、1つのアルキル1置換コハク酸無水物は、ブチルコハク酸無水物である。または、1つのアルキル1置換コハク酸無水物は、ヘキシルコハク酸無水物である。または、1つのアルキル1置換コハク酸無水物は、ヘプチルコハク酸無水物またはオクチルコハク酸無水物である。または、1つのアルキル1置換コハク酸無水物は、ヘキサデカニルコハク酸無水物である。例えば、1つのアルキル1置換コハク酸無水物は、直鎖ヘキサデカニルコハク酸無水物、例えばn−ヘキサデカニルコハク酸無水物または分枝ヘキサデカニルコハク酸無水物、例えば1−ヘキシル−2−デカニルコハク酸無水物である。または、1つのアルキル1置換コハク酸無水物は、オクタデカニルコハク酸無水物である。例えば、1つのアルキル1置換コハク酸無水物は、直鎖オクタデカニルコハク酸無水物、例えばn−オクタデカニルコハク酸無水物または分枝オクタデカニルコハク酸無水物、例えばイソオクタデカニルコハク酸無水物もしくは1−オクチル−2−デカニルコハク酸無水物である。

0102

本発明の一実施形態において、1つのアルキル1置換コハク酸無水物は、ブチルコハク酸無水物、例えばn−ブチルコハク酸無水物である。

0103

本発明の一実施形態において、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、2種類以上のアルキル1置換コハク酸無水物の混合物である。例えば、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、2または3種類のアルキル1置換コハク酸無水物の混合物である。

0104

本発明の一実施形態において、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、置換基中にC2からC30、好ましくはC3からC20および最も好ましくはC4からC18の炭素原子の全量を有する直鎖アルケニル基または置換基中にC3からC30、好ましくはC4からC20および最も好ましくはC4からC18の炭素原子の全量を有する分枝アルケニル基である1個の基によって1置換されたコハク酸無水物から成る。

0105

本発明の意味における「アルケニル」という用語は、炭素および水素で構成される直鎖または分枝不飽和有機化合物を示す。前記有機化合物は、置換基中に少なくとも1個の二重結合、好ましくは1個の二重結合をさらに含有する。即ち、「アルケニル1置換コハク酸無水物」は、ペンダントコハク酸無水物基を含有する直鎖または分枝不飽和炭化水素鎖で構成されている。本発明の意味における「アルケニル」という用語がシスおよびトランス異性体を含むことが認識される。

0106

本発明の一実施形態において、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、少なくとも1つの直鎖または分枝アルケニル1置換コハク酸無水物である。例えば、少なくとも1つのアルケニル1置換コハク酸無水物は、エチニルコハク酸無水物、プロペニルコハク酸無水物、ブテニルコハク酸無水物、トリイソブテニルコハク酸無水物、ペンテニルコハク酸無水物、ヘキセニルコハク酸無水物、ヘプテニルコハク酸無水物、オクテニルコハク酸無水物、ノネニルコハク酸無水物、デセニルコハク酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ヘキサデセニルコハク酸無水物、オクタデセニルコハク酸無水物およびこれらの混合物を含む群から選択される。

0107

従って、例えば「ヘキサデセニルコハク酸無水物」という用語が直鎖および分枝ヘキサデセニルコハク酸無水物を含むことが認識される。直鎖ヘキサデセニルコハク酸無水物の具体的な一例は、n−ヘキサデセニルコハク酸無水物、例えば14−ヘキサデセニルコハク酸無水物、13−ヘキサデセニルコハク酸無水物、12−ヘキサデセニルコハク酸無水物、11−ヘキサデセニルコハク酸無水物、10−ヘキサデセニルコハク酸無水物、9−ヘキサデセニルコハク酸無水物、8−ヘキサデセニルコハク酸無水物、7−ヘキサデセニルコハク酸無水物、6−ヘキサデセニルコハク酸無水物、5−ヘキサデセニルコハク酸無水物、4−ヘキサデセニルコハク酸無水物、3−ヘキサデセニルコハク酸無水物および/または2−ヘキサデセニルコハク酸無水物である。分枝ヘキサデセニルコハク酸無水物の具体例は、14−メチル−9−ペンタデセニルコハク酸無水物、14−メチル−2−ペンタデセニルコハク酸無水物、1−ヘキシル−2−デセニルコハク酸無水物および/またはイソヘキサデセニルコハク酸無水物である。

0108

さらに、例えば「オクタデセニルコハク酸無水物」という用語が直鎖および分枝オクタデセニルコハク酸無水物を含むことが認識される。直鎖オクタデセニルコハク酸無水物の具体的な一例は、n−オクタデセニルコハク酸無水物、例えば16−オクタデセニルコハク酸無水物、15−オクタデセニルコハク酸無水物、14−オクタデセニルコハク酸無水物、13−オクタデセニルコハク酸無水物、12−オクタデセニルコハク酸無水物、11−オクタデセニルコハク酸無水物、10−オクタデセニルコハク酸無水物、9−オクタデセニルコハク酸無水物、8−オクタデセニルコハク酸無水物、7−オクタデセニルコハク酸無水物、6−オクタデセニルコハク酸無水物、5−オクタデセニルコハク酸無水物、4−オクタデセニルコハク酸無水物、3−オクタデセニルコハク酸無水物および/または2−オクタデセニルコハク酸無水物である。分枝オクタデセニルコハク酸無水物の具体例は、16−メチル−9−ヘプタデセニルコハク酸無水物、16−メチル−7−ヘプタデセニルコハク酸無水物、1−オクチル−2−デセニルコハク酸無水物および/またはイソオクタデセニルコハク酸無水物である。

0109

本発明の一実施形態において、少なくとも1つのアルケニル1置換コハク酸無水物は、ヘキセニルコハク酸無水物、オクテニルコハク酸無水物、ヘキサデセニルコハク酸無水物、オクタデセニルコハク酸無水物およびこれらの混合物を含む群から選択される。

0110

本発明の一実施形態において、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、1つのアルケニル1置換コハク酸無水物である。例えば、1つのアルケニル1置換コハク酸無水物は、ヘキセニルコハク酸無水物である。または、1つのアルケニル1置換コハク酸無水物は、オクテニルコハク酸無水物である。または、1つのアルケニル1置換コハク酸無水物は、ヘキサデセニルコハク酸無水物である。例えば、1つのアルケニル1置換コハク酸無水物は、直鎖ヘキサデセニルコハク酸無水物、例えばn−ヘキサデセニルコハク酸無水物または分枝ヘキサデセニルコハク酸無水物、例えば1−ヘキシル−2−デセニルコハク酸無水物である。または、1つのアルケニル1置換コハク酸無水物は、オクタデセニルコハク酸無水物である。例えば、1つのアルキル1置換コハク酸無水物は、直鎖オクタデセニルコハク酸無水物、例えばn−オクタデセニルコハク酸無水物または分枝オクタデセニルコハク酸無水物、例えば(such)イソオクタデセニルコハク酸無水物または1−オクチル−2−デセニルコハク酸無水物である。

0111

本発明の一実施形態において、1つのアルケニル1置換コハク酸無水物は、直鎖オクタデセニルコハク酸無水物、例えばn−オクタデセニルコハク酸無水物である。本発明の別の実施形態において、1つのアルケニル1置換コハク酸無水物は、直鎖オクテニルコハク酸無水物、例えばn−オクテニルコハク酸無水物である。

0112

少なくとも1つの1置換コハク酸無水物が1つのアルケニル1置換コハク酸無水物である場合、1つのアルケニル1置換コハク酸無水物が、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物の全重量に対して95重量%以下および好ましく96.5重量%以下の量で存在することが認識される。

0113

本発明の一実施形態において、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、2種類以上のアルケニル1置換コハク酸無水物の混合物である。例えば、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、2または3種類のアルケニル1置換コハク酸無水物の混合物である。

0114

本発明の一実施形態において、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、直鎖ヘキサデセニルコハク酸無水物および直鎖オクタデセニルコハク酸無水物を含む、2種類以上のアルケニル1置換コハク酸無水物の混合物である。または、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、分枝ヘキサデセニルコハク酸無水物および分枝オクタデセニルコハク酸無水物を含む、2種類以上のアルケニル1置換コハク酸無水物の混合物である。例えば、1つ以上のヘキサデセニルコハク酸無水物は、n−ヘキサデセニルコハク酸無水物などの直鎖ヘキサデセニルコハク酸無水物および/または1−ヘキシル−2−デセニルコハク酸無水物などの分枝ヘキサデセニルコハク酸無水物である。加えてもしくはまたは、1つ以上のオクタデセニルコハク酸無水物は、n−オクタデセニルコハク酸無水物などの直鎖オクタデセニルコハク酸無水物ならびに/またはイソオクタデセニルコハク酸無水物および/もしくは1−オクチル−2−デセニルコハク酸無水物などの分枝オクタデセニルコハク酸無水物である。

0115

少なくとも1つの1置換コハク酸無水物が少なくとも1つのアルキル1置換コハク酸無水物および少なくとも1つのアルケニル1置換コハク酸無水物の混合物であり得ることも認識される。

0116

少なくとも1つの1置換コハク酸無水物が少なくとも1つのアルキル1置換コハク酸無水物および少なくとも1つのアルケニル1置換コハク酸無水物の混合物である場合、少なくとも1つのアルキル1置換コハク酸無水物のアルキル置換基および少なくとも1つのアルケニル1置換コハク酸無水物のアルケニル置換基が好ましくは同じであることが認識される。例えば、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、エチルコハク酸無水物およびエチニルコハク酸無水物の混合物である。または、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、プロピルコハク酸無水物およびプロペニルコハク酸無水物の混合物である。または、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、ブチルコハク酸無水物およびブテニルコハク酸無水物の混合物である。または、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、トリイソブチルコハク酸無水物およびトリイソブテニルコハク酸無水物の混合物である。または、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、ペンチルコハク酸無水物およびペンテニルコハク酸無水物の混合物である。または、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、ヘキシルコハク酸無水物およびヘキセニルコハク酸無水物の混合物である。または、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、ヘプチルコハク酸無水物およびヘプテニルコハク酸無水物の混合物である。または、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、オクチルコハク酸無水物およびオクテニルコハク酸無水物の混合物である。または、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、ノニルコハク酸無水物およびノネニルコハク酸無水物の混合物である。または、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、デシルコハク酸無水物およびデセニルコハク酸無水物の混合物である。または、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、ドデシルコハク酸無水物およびドデセニルコハク酸無水物の混合物である。または、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、ヘキサデカニルコハク酸無水物およびヘキサデセニルコハク酸無水物の混合物である。例えば、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、直鎖ヘキサデカニルコハク酸無水物および直鎖ヘキサデセニルコハク酸無水物の混合物または分枝ヘキサデカニルコハク酸無水物および分枝ヘキサデセニルコハク酸無水物の混合物である。または、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、オクタデカニルコハク酸無水物およびオクタデセニルコハク酸無水物の混合物である。例えば、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、直鎖オクタデカニルコハク酸無水物および直鎖オクタデセニルコハク酸無水物の混合物または分枝オクタデカニルコハク酸無水物および分枝オクタデセニルコハク酸無水物の混合物である。

0117

本発明の一実施形態において、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、ノニルコハク酸無水物およびノネニルコハク酸無水物の混合物である。

0118

少なくとも1つの1置換コハク酸無水物が少なくとも1つのアルキル1置換コハク酸無水物および少なくとも1つのアルケニル1置換コハク酸無水物の混合物である場合、少なくとも1つのアルキル1置換コハク酸無水物と少なくとも1つのアルケニル1置換コハク酸無水物との間の重量比は、90:10から10:90(重量%/重量%)の間である。例えば、少なくとも1つのアルキル1置換コハク酸無水物と少なくとも1つのアルケニル1置換コハク酸無水物との間の重量比は、70:30から30:70(重量%/重量%)の間または60:40から40:60の間である。

0119

加えてもしくはまたは、疎水性化剤はリン酸エステルブレンドであり得る。従って、炭酸カルシウム粒子のアクセス可能な表面積の少なくとも一部は、1つ以上のリン酸モノエステルおよび/またはこれの反応生成物ならびに1つ以上のリン酸ジエステルおよび/またはこれの反応生成物のリン酸エステルブレンドを含む処理層によって被覆されている。

0120

本発明の意味におけるリン酸モノエステルと1つ以上のリン酸ジエステルとの「反応生成物」という用語は、炭酸カルシウムを少なくとも1つのリン酸エステルブレンドと接触させることによって得られた生成物を示す。前記反応生成物は、適用されたリン酸エステルブレンドの少なくとも一部と炭酸カルシウム粒子の表面に位置する反応性分子との間で形成される。

0121

本発明の意味における「リン酸モノエステル」という用語は、アルコール置換基中にC6からC30、好ましくはC8からC22、より好ましくはC8からC20および最も好ましくはC8からC18の炭素原子の全量を有する不飽和または飽和、分枝または直鎖、脂肪族または芳香族アルコールから選択される1個のアルコール分子によってモノエステル化されたo−リン酸分子を示す。

0122

本発明の意味における「リン酸ジエステル」という用語は、アルコール置換基中にC6からC30、好ましくはC8からC22、より好ましくはC8からC20および最も好ましくはC8からC18の炭素原子の全量を有する同じまたは異なる、不飽和または飽和、分枝または直鎖、脂肪族または芳香族アルコールから選択される2個のアルコール分子によってジエステル化されたo−リン酸分子を示す。

0123

「1つ以上の」リン酸モノエステルという表現は、1種類以上のリン酸モノエステルがリン酸エステルブレンド中に存在し得ることを意味することが認識される。

0124

従って、1つ以上のリン酸モノエステルが1種類のリン酸モノエステルであり得ることに留意されたい。または、1つ以上のリン酸モノエステルは、2種類以上のリン酸モノエステルの混合物であり得る。例えば、1つ以上のリン酸モノエステルは、2種類のリン酸モノエステルなどの、2または3種類のリン酸モノエステルの混合物であり得る。

0125

本発明の一実施形態において、1つ以上のリン酸モノエステルは、アルコール置換基中にC6からC30の炭素原子の全量を有する、不飽和または飽和、分枝または直鎖、脂肪族または芳香族アルコールから選択される1つのアルコールによってエステル化されたo−リン酸分子から成る。例えば、1つ以上のリン酸モノエステルは、アルコール置換基中にC8からC22、より好ましくはC8からC20および最も好ましくはC8からC18の炭素原子の全量を有する、不飽和または飽和、分枝または直鎖、脂肪族または芳香族アルコールから選択される1つのアルコールによってエステル化されたo−リン酸分子から成る。

0126

本発明の一実施形態において、1つ以上のリン酸モノエステルは、ヘキシルリン酸モノエステル、ヘプチルリン酸モノエステル、オクチルリン酸モノエステル、2−エチルヘキシルリン酸モノエステル、ノニルリン酸モノエステル、デシルリン酸モノエステル、ウンデシルリン酸モノエステル、ドデシルリン酸モノエステルテトラデシルリン酸モノエステル、ヘキサデシルリン酸モノエステル、ヘプチルノニルリン酸モノエステル、オクタデシルリン酸モノエステル、2−オクチル−1−デシルリン酸モノエステル、2−オクチル−1−ドデシルリン酸モノエステルおよびこれらの混合物を含む群から選択される。

0127

例えば、1つ以上のリン酸モノエステルは、2−エチルヘキシルリン酸モノエステル、ヘキサデシルリン酸モノエステル、ヘプチルノニルリン酸モノエステル、オクタデシルリン酸モノエステル、2−オクチル−1−デシルリン酸モノエステル、2−オクチル−1−ドデシルリン酸モノエステルおよびこれらの混合物を含む群から選択される。本発明の一実施形態において、1つ以上のリン酸モノエステルは、2−オクチル−1−ドデシルリン酸モノエステルである。

0128

「1つ以上の」リン酸ジエステルという表現は、1種類以上のリン酸ジエステルが炭酸カルシウムおよび/またはリン酸エステルブレンドのコーティング層中に存在し得ることを意味することが認識される。

0129

従って、1つ以上のリン酸ジエステルが1種類以上のリン酸ジエステルであり得ることに留意されたい。または、1つ以上のリン酸ジエステルは、2種類以上のリン酸ジエステルの混合物であり得る。例えば、1つ以上のリン酸ジエステルは、2種類のリン酸ジエステルなどの、2または3種類のリン酸ジエステルの混合物であり得る。

0130

本発明の一実施形態において、1つ以上のリン酸ジエステルは、アルコール置換基中にC6からC30の炭素原子の全量を有する、不飽和または飽和、分枝または直鎖、脂肪族または芳香族アルコールから選択される2つのアルコールによってエステル化されたo−リン酸分子から成る。例えば、1つ以上のリン酸ジエステルは、アルコール置換基中にC8からC22、より好ましくはC8からC20および最も好ましくはC8からC18の炭素原子の全量を有する、不飽和または飽和、分枝または直鎖、脂肪族または芳香族アルコールから選択される2つの脂肪族アルコールによってエステル化されたo−リン酸分子から成る。

0131

リン酸のエステル化に使用される2つのアルコールが、アルコール置換基中にC6からC30の炭素原子の全量を有する、同じまたは異なる、不飽和または飽和、分枝または直鎖、脂肪族または芳香族アルコールから独立して選択され得ることが認識される。即ち、1つ以上のリン酸ジエステルが同じアルコールに由来する2個の置換基を含み得るか、またはリン酸ジエステル分子が異なるアルコールに由来する2個の置換基を含み得る。

0132

本発明の一実施形態において、1つ以上のリン酸ジエステルは、アルコール置換基中にC6からC30、好ましくはC8からC22、より好ましくはC8からC20および最も好ましくはC8からC18の炭素原子の全量を有する同じまたは異なる、飽和および直鎖および脂肪族アルコールから選択される2つのアルコールによってエステル化されたo−リン酸分子から成る。または、1つ以上のリン酸ジエステルは、アルコール置換基中にC6からC30、好ましくはC8からC22、より好ましくはC8からC20および最も好ましくはC8からC18の炭素原子の全量を有する同じまたは異なる、飽和および分枝および脂肪族アルコールから選択される2つのアルコールによってエステル化されたo−リン酸分子から成る。

0133

本発明の一実施形態において、1つ以上のリン酸ジエステルは、ヘキシルリン酸ジエステル、ヘプチルリン酸ジエステル、オクチルリン酸ジエステル、2−エチルヘキシルリン酸ジエステル、ノニルリン酸ジエステル、デシルリン酸ジエステル、ウンデシルリン酸ジエステル、ドデシルリン酸ジエステル、テトラデシルリン酸ジエステル、ヘキサデシルリン酸ジエステル、ヘプチルノニルリン酸ジエステル、オクタデシルリン酸ジエステル、2−オクチル−1−デシルリン酸ジエステル、2−オクチル−1−ドデシルリン酸ジエステルおよびこれらの混合物を含む群から選択される。

0134

例えば、1つ以上のリン酸ジエステルは、2−エチルヘキシルリン酸ジエステル、ヘキサデシルリン酸ジエステル、ヘプチルノニルリン酸ジエステル、オクタデシルリン酸ジエステル、2−オクチル−1−デシルリン酸ジエステル、2−オクチル−1−ドデシルリン酸ジエステルおよびこれらの混合物を含む群から選択される。本発明の一実施形態において、1つ以上のリン酸ジエステルは、2−オクチル−1−ドデシルリン酸ジエステルである。

0135

本発明の一実施形態において、1つ以上のリン酸モノエステルは、2−エチルヘキシルリン酸モノエステル、ヘキサデシルリン酸モノエステル、ヘプチルノニルリン酸モノエステル、オクタデシルリン酸モノエステル、2−オクチル−1−デシルリン酸モノエステル、2−オクチル−1−ドデシルリン酸モノエステルおよびこれらの混合物を含む群から選択され、ならびに1つ以上のリン酸ジエステルは、2−エチルヘキシルリン酸ジエステル、ヘキサデシルリン酸ジエステル、ヘプチルノニルリン酸ジエステル、オクタデシルリン酸ジエステル、2−オクチル−1−デシルリン酸ジエステル、2−オクチル−1−ドデシルリン酸ジエステルおよびこれらの混合物を含む群から選択される。

0136

例えば、炭酸カルシウムのアクセス可能な表面積の少なくとも一部は、1つのリン酸モノエステルおよび/またはこれの反応生成物ならびに1つのリン酸ジエステルおよび/またはこれの反応生成物のリン酸エステルブレンドを含む。この場合、1つのリン酸モノエステルは、2−エチルヘキシルリン酸モノエステル、ヘキサデシルリン酸モノエステル、ヘプチルノニルリン酸モノエステル、オクタデシルリン酸モノエステル、2−オクチル−1−デシルリン酸モノエステルおよび2−オクチル−1−ドデシルリン酸モノエステルを含む群から選択され、1つのリン酸ジエステルは、2−エチルヘキシルリン酸ジエステル、ヘキサデシルリン酸ジエステル、ヘプチルノニルリン酸ジエステル、オクタデシルリン酸ジエステル、2−オクチル−1−デシルリン酸ジエステルおよび2−オクチル−1−ドデシルリン酸ジエステルを含む群から選択される。

0137

リン酸エステルブレンドは、1つ以上のリン酸モノエステルおよび/またはこれの反応生成物を、1つ以上のリン酸ジエステルおよび/またはこれの反応生成物に対する特定のモル比で含む。特に、処理層および/またはリン酸エステルブレンド中の、1つ以上のリン酸モノエステルおよび/またはこれの反応生成物の、1つ以上のリン酸ジエステルおよび/もしくはこれの反応生成物に対するモル比は、1:1から1:100、好ましくは1:1.1から1:60、より好ましくは1:1.1から1:40、またより好ましくは1:1.1から1:20および最も好ましくは1:1.1から1:10である。

0138

本発明の意味における「1つ以上のリン酸モノエステルおよびこれの反応生成物の、1つ以上のリン酸ジエステルおよびこれの反応生成物に対するモル比」という表現は、リン酸ジエステル分子の分子量の和および/またはこれの反応生成物中のリン酸ジエステル分子の分子量の和に対する、リン酸モノエステル分子の分子量の和および/またはこれの反応生成物中のリン酸モノエステル分子の分子量の和を示す。

0139

本発明の一実施形態において、炭酸カルシウムの表面の少なくとも一部を被覆したリン酸エステルブレンドは、1つ以上のリン酸トリエステルおよび/もしくはリン酸ならびに/またはこれの反応生成物をさらに含み得る。

0140

本発明の意味における「リン酸トリエステル」という用語は、アルコール置換基中にC6からC30、好ましくはC8からC22、より好ましくはC8からC20および最も好ましくはC8からC18の炭素原子の全量を有する同じまたは異なる、不飽和または飽和、分枝または直鎖、脂肪族または芳香族アルコールから選択される3個のアルコール分子によってトリエステル化されたo−リン酸分子を示す。

0141

「1つ以上の」リン酸トリエステルという表現は、1種類以上のリン酸トリエステルが炭酸カルシウムのアクセス可能な表面積の少なくとも一部に存在し得ることを意味することが認識される。

0142

従って、1つ以上のリン酸トリエステルが1種類以上のリン酸トリエステルであり得ることに留意されたい。または、1つ以上のリン酸トリエステルは、2種類以上のリン酸トリエステルの混合物であり得る。例えば、1つ以上のリン酸トリエステルは、2種類のリン酸トリエステルなどの、2または3種類のリン酸トリエステルの混合物であり得る。

0143

一実施形態により、表面処理炭酸カルシウムは、これのアクセス可能な表面積の少なくとも一部上に疎水性化剤を含む処理層を含み、好ましくは、疎水性化剤は、C4からC24の炭素原子の全量を有する脂肪族カルボン酸および/またはこれの反応生成物、置換基中に少なくともC2からC30の炭素原子の全量を有する直鎖、分枝、脂肪族および環式基から選択される基によって1置換されたコハク酸無水物から成る1置換コハク酸無水物および/またはこれの反応生成物、1つ以上のリン酸モノエステルおよび/またはこれの反応生成物ならびに1つ以上のリン酸ジエステルおよび/またはこれの反応生成物のリン酸エステルブレンド、ならびにこれらの混合物から成る群から選択され、より好ましくは、疎水性化剤は、置換基中に少なくともC2からC30の炭素原子の全量を有する直鎖、分枝、脂肪族および環式基から選択される基によって1置換されたコハク酸無水物から成る1置換コハク酸無水物および/もしくはこれの反応生成物ならびに/または1つ以上のリン酸モノエステルおよび/もしくはこれの反応生成物ならびに1つ以上のリン酸ジエステルおよび/もしくはこれの反応生成物のリン酸エステルブレンドである。

0144

一実施形態により、炭酸カルシウムは、0.1から3μm、好ましくは0.4から2.5μm、より好ましくは1.0から2.3μmおよび最も好ましくは1.2から2μmの重量中央粒径d50を有する。加えてもしくはまたは、炭酸カルシウムは、1から10μm、好ましくは5から8μm、より好ましくは4から7μmおよび最も好ましくは6から7μmのトップカット粒径d98を有する。

0145

本発明により、炭酸カルシウムは、マルチフィラメント繊維中に、マルチフィラメント繊維の全重量に対して少なくとも2重量%の量で存在する。炭酸カルシウムは、マルチフィラメント繊維中に、マルチフィラメント繊維の全重量に対して2から50重量%、好ましくは5から40重量%、より好ましくは8から35重量%および最も好ましくは10%から30重量%の量で存在する。一実施形態により、炭酸カルシウムは、少なくとも1つのポリマー中に分散され、少なくとも1つのポリマーの全重量に対して、2から50重量%、好ましくは5から40重量%、より好ましくは8から35重量%および最も好ましくは10から30重量%の量で存在する。

0146

一実施形態により、少なくとも1つの充填剤は炭酸カルシウムから成る。炭酸カルシウムは、1つの特定の種類の炭酸カルシウムのみまたは2種類以上の炭酸カルシウムの混合物から成り得る。

0147

別の実施形態により、少なくとも1つの充填剤はさらなる鉱物顔料を含む。さらなる顔料粒子の例としては、シリカアルミナ、二酸化チタン、粘土焼成粘土、タルク、カオリン硫酸カルシウム珪灰石マイカベントナイト硫酸バリウム石膏または酸化亜鉛が挙げられる。

0148

一実施形態により、少なくとも1つの充填剤は、少なくとも1つの充填剤の全量に対して、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも90重量%および最も好ましくは少なくとも95重量%の炭酸カルシウムを含む。

0149

一実施形態により、少なくとも1つの充填剤は、マルチフィラメント繊維中に、マルチフィラメント繊維の全重量に対して、0.1から50重量%、好ましくは0.2から40重量%およびより好ましくは1から35重量%の量で存在する。

0150

別の実施形態により、少なくとも1つの充填剤は、少なくとも1つのポリマー中に分散され、少なくとも1つのポリマーの全重量に対して、1から50重量%、好ましくは2から40重量%およびより好ましくは5から35重量%の量で存在する。

0151

本発明の一態様により、ポリエステルを含む少なくとも1つのポリマーを含むマルチフィラメント繊維における充填剤としての炭酸カルシウムの使用であって、炭酸カルシウムがマルチフィラメント繊維中に、マルチフィラメント繊維の全重量に対して少なくとも2重量%の量で存在する使用が提供される。本発明の好ましい一実施形態により、ポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリブチレンテレフタレートを含む繊維製品中での充填剤としての炭酸カルシウムの使用であって、炭酸カルシウムがマルチフィラメント繊維中に、マルチフィラメント繊維の全重量に対して少なくとも2重量%の量で存在する使用が提供される。

0152

マルチフィラメント繊維
本発明により、ポリエステルを含む少なくとも1つのポリマーおよび炭酸カルシウムを含む少なくとも1つの充填剤を含むマルチフィラメント繊維であって、炭酸カルシウムがマルチフィラメント繊維中に、マルチフィラメント繊維の全重量に対して少なくとも2重量%の量で存在する、マルチフィラメント繊維が提供される。

0153

マルチフィラメント繊維のフィラメントは、考えられるいずれの断面積形状も有することができる。考えられる断面積形状の例は、円形楕円形角形、例えば三角形または長方形葉形、例えば三葉形、五葉形、六葉形もしくは八葉形、鋸歯状、ダンベル形状、豆形状、腎臓形状リボン様または不規則である。マルチフィラメント繊維のフィラメントは、中実もしくは中空および/または多成分フィラメント、例えば二成分フィラメントおよび/または三成分フィラメントであることもできる。

0154

一実施形態により、マルチフィラメント繊維は、マルチフィラメント糸、好ましくは合糸ケーブル糸、合撚糸交絡糸撚糸および/またはトウ糸である。

0155

マルチフィラメント繊維のフィラメントの数は大幅に変化することが可能であり、所望の用途に応じて当業者によって好適に選択される。一実施形態により、マルチフィラメント繊維は、少なくとも2本のフィラメント、好ましくは少なくとも10本のフィラメント、より好ましくは少なくとも50本のフィラメント、またより好ましくは少なくとも100本のフィラメントおよび最も好ましくは少なくとも200本のフィラメントで構成される。

0156

マルチフィラメント繊維は、1から600μm、好ましくは3から400μm、より好ましくは5から300μmおよび最も好ましくは8から200μmの直径を有することができる。

0157

本発明の一実施形態により、マルチフィラメント繊維は、0.5から4000dtex、好ましくは1から3000dtex、より好ましくは10から2000dtexおよび最も好ましくは100から1500dtexの線質量密度を有する。

0158

少なくとも1つのポリマーおよび少なくとも1つの充填剤に加えて、マルチフィラメント繊維はさらなる添加剤、例えばワックス蛍光増白剤熱安定剤酸化防止剤帯電防止剤ブロッキング防止剤染料顔料、光沢改良剤、界面活性剤、天然油または合成油を含み得る。

0159

マルチフィラメント繊維は、無機繊維、好ましくはガラス繊維、炭素繊維または金属繊維もさらに含み得る。代替的にもしくは加えて、天然繊維、例えば綿、または羊毛を添加してよい。

0160

一実施形態により、マルチフィラメント繊維は、ポリエステルを含む少なくとも1つのポリマーおよび炭酸カルシウムを含む少なくとも1つの充填剤から成る。別の実施形態により、マルチフィラメント繊維は、ポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリブチレンテレフタレートを含む少なくとも1つのポリマーならびに炭酸カルシウムを含む少なくとも1つの充填剤を含む。なお別の実施形態により、マルチフィラメント繊維は、ポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリブチレンテレフタレートならびに炭酸カルシウムから成る。一実施形態により、炭酸カルシウムは粉砕炭酸カルシウムである。別の実施形態により、炭酸カルシウムは、これのアクセス可能な表面積の少なくとも一部上に、疎水性化剤を含む処理層を含む表面処理炭酸カルシウムである。好ましくは、疎水性化剤は、置換基中に少なくともC2からC30の炭素原子の全量を有する直鎖、分枝、脂肪族および環式基から選択される基によって1置換されたコハク酸無水物から成る1置換コハク酸無水物および/もしくはこれの反応生成物ならびに/または1つ以上のリン酸モノエステルおよび/もしくはこれの反応生成物ならびに1つ以上のリン酸ジエステルおよび/もしくはこれの反応生成物のリン酸エステルブレンドである。

0161

例示的な実施形態により、マルチフィラメント繊維は、マルチフィラメント繊維の全重量に対して、50から98重量%の量の少なくとも1つのポリマーおよび2から50重量%の量の少なくとも1つの充填剤、好ましくは60から95重量%の量の少なくとも1つのポリマーおよび5から40重量%の量の少なくとも1つの充填剤、より好ましくは65から92重量%の量の少なくとも1つのポリマーおよび8から35重量%の量の少なくとも1つの充填剤ならびに最も好ましくは70から90重量%の少なくとも1つのポリマーおよび10から30重量%の少なくとも1つの充填剤を含む。

0162

本発明により、
a)ポリエステルを含む少なくとも1つのポリマーおよび炭酸カルシウムを含む少なくとも1つの充填剤を含む混合物を提供するステップ、
b)ステップa)の混合物を溶融させて、これを成形オリフィスに通過させて、マルチフィラメント繊維を形成するステップおよび
c)マルチフィラメント繊維を急冷するステップを含むマルチフィラメント繊維を製造する方法であって、
炭酸カルシウムがマルチフィラメント繊維中に、マルチフィラメント繊維の全重量に対して少なくとも2重量%の量で存在する方法が提供される。

0163

方法ステップa)で提供されるポリエステルを含む少なくとも1つのポリマーおよび炭酸カルシウムを含む少なくとも1つの充填剤の混合物は、当分野で既知のいずれの方法によっても調製できる。例えば、少なくとも1つのポリマーおよび少なくとも1つの充填剤は、ドライブレンドメルトブレンドおよび場合により細粒もしくはペレットに形成してよく、または少なくとも1つのポリマーおよび少なくとも1つの充填剤のマスターバッチを予備混合し、場合により細粒またはペレットに形成して、追加のポリマーまたは充填剤と混合してよい。

0164

一実施形態により、ステップa)の混合物は、マスターバッチおよび追加のポリマーの混合物であり、マスターバッチは、ポリエステルを含む少なくとも1つのポリマーおよび炭酸カルシウムを含む少なくとも1つの充填剤を含む。一実施形態により、炭酸カルシウムは、マスターバッチ中に、マスターバッチの全重量に対して、10から85重量%、好ましくは20から80重量%、より好ましくは30から75重量%、および最も好ましくは40重量%から75重量%の量で存在する。

0165

方法ステップb)の溶融温度は、ポリマーの溶融温度によって変わる。加えてまたはもしくは、圧力を印加してよい。好適な温度および圧力は、当業者に知られている。一実施形態により、ステップb)は、150から300℃の間、好ましくは200から290℃の間およびより好ましくは250から280℃の間の温度で行う。

0166

オリフィスの形状は、マルチフィラメント繊維のフィラメントの所望の断面形状によって変わり、例えば円形、楕円形、角形、例えば三角形または長方形、葉形、例えば三葉形、五葉形、六葉形もしくは八葉形、鋸歯状、ダンベル形状、豆形状、腎臓形状、リボン様または不規則であることができる。オリフィスの数は、フィラメントの所望の数によって変わり、例えば少なくとも2、少なくとも10、少なくとも50、少なくとも100または少なくとも200であることができる。

0167

成形オリフィスを出た後、フィラメントを固化させるために急冷する。通例、得られたフィラメントを、フィラメントを冷却して、これらを固化させる、横向きの空気流または不活性ガス流によって急冷する。

0168

本発明の方法で形成されたマルチフィラメント繊維は延伸または延長され得て、分子配向が誘発され、結晶性に影響が及ぼされる。これにより直径が縮小され、物性が改善され得る。

0169

一実施形態により、方法はさらに、マルチフィラメント繊維を延伸するステップd)をさらに含む。繊維は、ゴデットホイールによって延伸または延長され得る。マルチフィラメント繊維が延伸される長さは、所望の特性に依存する。より高い靭性のために、マルチフィラメント繊維をより大きい程度(extend)まで延伸してよい。一実施形態により、マルチフィラメント繊維は、これの元の長さの2倍、3倍、4倍、5倍または6倍まで延伸される。

0170

一実施形態により、本発明の方法によって得たマルチフィラメント繊維は、好ましくは100℃から250°、好ましくは140℃から220℃の温度にて加熱硬化される。加熱硬化は、巨大分子をこれらの平衡状態に近づけて、撚糸の熱収縮、寸法変化、カールもしくはもつれまたは布のしわ形成に対する耐性が得られるようにすることにより、マルチフィラメント繊維に寸法安定性を付与し得る。

0171

一実施形態により、本発明の方法によって得られたマルチフィラメント繊維をテクスチャード加工する。テクスチャード加工は、マルチフィラメント繊維のボリュームおよび弾性を上昇させるために使用する手順である。テクスチャード加工すると、平坦なフィラメントはボリュームおよびバルクを得ることができる。テクスチャード加工ステップは、個別に行うことができるか、または延伸ステップd)が存在する場合、マルチフィラメント繊維を延伸ステップd)の間または後にテクスチャード加工することができる。

0172

別の実施形態により、本発明の方法によって得られたマルチフィラメント繊維を撚り加工する。フィラメントの撚糸は、マルチフィラメント繊維の凝集および耐久性を改善し得る。撚り方向は、Z撚りと記載される右回りであるか、またはS撚りと記載される左回りであってよい。フィラメントを一方向に撚ることによって、単糸を形成することができる。諸撚糸は、通常、一方向に撚った単糸を反対方向に撚った諸撚糸と組み合わせて、2本以上の単糸を共に撚ることによって作製できる。撚りひも、コードまたはロープは、各撚りが先の撚りと反対方向である(S/Z/SまたはZ/S/Z)ケーブル撚りを用いて、または単糸および第1層撚りが一方向であり、第2層撚りが反対方向である(S/S/ZまたはZ/Z/S)ホーザー撚りを用いて作製できる。糸における単位長さごとの巻き数は、この糸から作製された布の外観および耐久性に影響を及ぼす。ソフト表面布に使用する糸は、スムーズ表面布に使用する糸よりも撚りが少ない。クレープ布が作製される糸は、最大の撚りを有する。テクスチャード加工ステップは、個別に行うことができるか、または延伸ステップd)が存在する場合、マルチフィラメント繊維を延伸ステップd)の間または後に撚ることができる。

0173

本発明のさらなる態様により、本発明による少なくとも1つのマルチフィラメント繊維を含む繊維製品が提供される。

0174

繊維製品は、層状化、プレーティング、ブレーディング、ノッティング、製織、製編、かぎ針編み、タフティングまたは不織材料であることができる。さらに、前記材料は、補強スレッドによって繊維製品表面構造の形態で、好ましくは布、層状化、製編布、ニットウェアまたは不織布の形態で補強することができる。一実施形態により、繊維製品は製織または不織布である。

0175

一実施形態により、繊維製品は、建設資材、消費者向けアパレル、工業用アパレル、医療製品、家庭用備品、防護用品、包装用材料、化粧用製品、衛生製品、濾過材料、ホース、パワーベルト、ロープ、ネット、糸、タイヤコード、自動車内張り、帆、フロッピーディスクライナーまたはファイバーフィルから選択される。

0176

本発明の別の態様により、繊維製品を製造するための本発明による少なくとも1つのマルチフィラメント繊維の使用が提供される。繊維製品は、少なくとも1つのマルチフィラメント繊維から層状化、プレーティング、ブレーディング、ノッティング、製織、製編、かぎ針編みまたはタフティングによって製造され得る。不織繊維製品または不織布は、マルチフィラメント繊維を表面または担体、例えば移動スクリーンまたは形成ワイヤ上に収集して、任意の接合ステップを続けることによって形成され得る。接合方法の例としては、熱点接合カレンダ加工超音波接合水流交絡ニードリングおよびスルーエア接合(through−air bonding)が挙げられる。一実施形態により、不織材料は、乾式または湿式レイングによって形成される。

0177

さらに、製造された繊維製品は、後処理ステップ、例えば方向配向クレーピング、水流交絡またはエンボス加工に供することができる。

0178

本発明による少なくとも1つのマルチフィラメント繊維および/または本発明による繊維製品は、多くの異なる用途で使用することができる。一実施形態により、本発明による少なくとも1つのマルチフィラメント繊維および/または本発明による繊維製品は、建設資材、防水、断熱、防音、屋根ふき材、消費者向けアパレル、室内装飾材料および衣料品産業、工業用アパレル、医療製品、家庭用備品、防護用品、包装用材料、化粧用製品、衛生用製品、濾過材料、農業用途、建設用途、地質工学用途、工業用途、医療用途、輸送、エコ技術用途、包装用途、人体保護、財産保護またはスポーツ用途に使用される。

0179

建設資材の例は、ハウスラップアスファルトオーバーレイ道路および鉄道路床ゴルフコートおよびテニスコート壁装材裏地音響用壁装材、屋根材およびタイル下張り土壌安定材および道路の下敷き基礎安定材、侵食防止製品、運河建設排水系統ジオメンブレン保護および防霜製品、農業用マルチ、池および運河の防水壁または暗渠排水用の砂侵入防止壁である。建設資材の他の例は、埋め立て用の固定材または補強材である。

0180

消費者向けアパレルの例は、芯地衣類および手袋絶縁材、ブラジャーおよび肩のパッドハンドバッグ部材または部材である。工業用アパレルの例は、タープテント、または輸送(材木、鋼)用の覆いである。

0182

防護用品の例は、コート布強化プラスチック、保護衣、実験用白衣、吸収剤または耐火壁である。包装材料の例は、乾燥剤パッキング、吸収剤パッケージングギフトボックスファイルボックス、各種不織袋、ブックカバー郵送用封筒、速達用封筒またはメッセンジャーバッグである。濾過材料の例は、濾液カートリッジおよびバッグフィルターを含むガソリンオイルおよび空気のフィルター、
真空バッグ、または不織層を備えるラミネートである。

0183

本発明の範囲および重要性は、本発明のある実施形態を例証するためであり、非限定的である以下の実施例に基づいてより良好に理解される。

0184

1.測定方法および材料
以下では、実施例で行った測定方法および材料について説明する。

0185

粒径
炭酸カルシウム充填剤の粒径分布は、米国のマイクロメリティックス社(Micromeritics)のセディグラフ(Sedigraph)5120を使用して測定した。方法および機器は当業者に公知であり、充填剤および顔料の粒径を決定するためによく使用されている。測定は、0.1重量%Na4P2O7を含む水溶液中で行った。高速撹拌機および超音波を使用してサンプルを分散させた。

0186

タイター、即ち線密度
タイター、即ち線密度[dtex]はEN ISO 2062に従って測定し、10,000m紡糸1グラムの重量に相当する。25または100メートル試料を0.5cN/texの予張力標準リールに巻き付け分析用天秤量した。次に10,000m紡糸長当たりグラム数を計算した。

0187

靭性、最大力および最大荷重時伸び
靭性は、破断荷重および線密度から計算して、dtex当たりのセンチニュートン[cN/dtex]で表した。試験は、動力計で一定の引張速度で行った。最大力は、糸に最大限に印加できる力であり、ニュートン[N]で表す。伸びは、糸をこれの最大荷重まで引っ張ることによって生じた長さの増加であり、糸の最初の長さのパーセンテージ[%]として表す。本試験に適用可能な規格はEN ISO 5079およびASTMD 3822である。

0188

灰分
繊維およびマスターバッチ中の灰分[%]は、570℃の焼却炉に2時間入れた焼却るつぼ内のサンプルの焼却によって求めた。灰分は残りの無機残留物の合計量として測定する。

0189

2.材料
PET:ポリエチレンテレフタレート4060、ドイツのINVISTA Resins&Fibres GmbHから市販(固有粘度:0.66−0.68dl/g;カルボキシル末端基<50meq/kg;ジエチレングリコール≦1.1重量%;アモルファスポリマー;140−180℃にて30−60分で結晶化)。供給者テクカルデータシート(TDS)から得たデータ。

0190

PBT:ポリブチレンテレフタレート、Valox 315、オランダのSabic Innovative Plastics BVから市販(溶融粘度:7500ポイズ;250℃/1.2kgにおけるメルトボリュームレート、MVR:6cm3/10分)。供給者のテクニカルデータシート(TDS)から得たデータ。

0191

CC1: スイスの粉砕炭酸カルシウム、スイスのオミヤインターナシナル(Omya International)AGより市販(d50:1.7μm;d98:6μm、未処理)。

0192

CC2:粉砕炭酸カルシウム、スイスのオミヤインターナショナル(Omya International)AGより市販(d50:1.7μm;d98:6μm)、粉砕炭酸カルシウムの全重量に対して1重量%のステアリン酸(シグマアルドリッチ(Sigma−Aldrich)、クローダ(Croda)から市販)で表面処理

0193

CC3:粉砕炭酸カルシウム、スイスのオミヤインターナショナル(Omya International)AGより市販(d50:1.7μm;d98:6μm)、粉砕炭酸カルシウムの全重量に対して1.1重量%のポリメチル水素シロキサン(SilresBS94、ドイツのワッカーケミー(Wacker Chemie)AGから市販)で表面処理。

0194

CC4:粉砕炭酸カルシウム、スイスのオミヤインターナショナル(Omya International)AGより市販(d50:1.7μm;d98:6μm)、粉砕炭酸カルシウムの全重量に対して0.7重量%のコハク酸無水物(Hydrores AS 1000、ドイツのKemira Germany GmbHから市販)で表面処理。

0195

3.実施例
[実施例1]
マスターバッチの調製
PBTまたはPETおよび炭酸カルシウム充填剤CC1からCC4の1つを含有するマスターバッチを実験室規模バスニーダー(Buss kneader)(PETではMKS 30およびPBTではPR46、スイスのバス(Buss)AG製)で調製した。ポリマーPETを加工前に160℃のオーブンで4時間、事前乾燥させた。調製したマスターバッチの組成物含有率および充填剤含有率を下の表1にまとめる。正確な充填剤含有率を灰分によって求めた。

0196

0197

[実施例2]
マルチフィラメント繊維の調製
実施例1に従って製造した異なる量のマスターバッチをさらなるPBTまたはPETと混合し、PETは加工前に160℃のオーブンで4時間、事前乾燥させたマルチフィラメント繊維は、得られた混合物からCollin Multifilament Lab Line CMF100(Dr.Collin GmbH、ドイツ)を使用して製造し、Collin Multifilament Lab Line CMF 100は、溶融ポンプを有する、34フィラメントの50mm直径紡糸口金、直径0.3mmの一軸スクリュー押出機装備していた。紡糸システムは、マルチフィラメント繊維を急冷するための冷却チャンバならびに引張ゴデットおよび巻取り機も装備していた。リマノール(Limanol)35F/1(ドイツのシル+ザイラッハ(Schill+Seilacher)GmbHから市販)を紡糸油として使用した。機械的条件を下の表2に示す。製造したマルチフィラメント繊維の組成を下の表3にまとめる。

0198

試験サンプルの機械的特性は、上記の最大力時伸び試験および靭性試験を使用して求めた。機械的試験の結果を下の表4に示す。

0199

0200

0201

実施例

0202

表4に示した結果により、各種の充填剤量および延伸比で、品質および機械的特性が良好な、炭酸カルシウム充填剤を含むポリブチレンおよびポリエチレンマルチフィラメント繊維を製造できることが明らかになる。さらに表4から、炭酸カルシウム含有マルチフィラメント繊維は、炭酸カルシウムを含まないマルチフィラメント繊維と比べて、より小さい最大力時の伸びおよびより小さい靭性、即ち機械的硬度の改善を示すことが推論できる。

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