図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2019年7月11日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題

グルコース降下活性及び/又は抗肥満活性を有する線維芽細胞増殖因子19バリアントポリペプチドが、好都合腫瘍学関連プロフィールも呈するかどうかを決定するのに有用なモデル、及び、それに関連する方法及び使用の提供。

解決手段

対象におけるFGF19の発癌活性を弱めるための、及び、ある種の実施態様では、疾患、障害、又は状態、例えば、FGF19依存性の疾患、障害、若しくは状態、又はこれらの症状などを予防又は治療するための、FGF19バリアントを含む、医薬組成物

概要

背景

(背景)
糖尿病は、食後に放出するためのインスリンを製造及び貯蔵する膵β細胞、すなわち内
分泌細胞からの、インスリン産生欠如(1型)、又はインスリン抵抗性若しくは不十分な
インスリン産生(2型)によって引き起こされる消耗性代謝疾患である。高い血糖レベル
は、膵β細胞によるインスリンの分泌刺激する。次に、インスリンは、グリコーゲン
トリグリセリドの貯蔵に、また、タンパク質の合成につながる、グルコース筋肉及び
脂肪細胞への流入を刺激する。様々な細胞型上でのインスリン受容体活性化は、グルコ
ース取り込み及び利用を増大させることによって、また、肝臓でのグルコース産生を低下
させることによって、循環グルコースレベルを低下させる。この調節ネットワーク内での
混乱は、糖尿病及び関連する病的状態をもたらす可能性がある。

グルコース代謝障害を患う個人は、多くの関連障害と共に、高血糖高インスリン血症
、及び/又は耐糖能障害を患う可能性がある。例えば、インスリン抵抗性、すなわち、異
常なレベルのグルコース及び/又はインスリンをしばしば伴う障害は、正常な血中イン
リンレベルに応答する能力喪失している肝臓、脂肪、及び筋肉細胞を特徴とする。こう
したグルコース代謝障害は、世界中の多くの、及びますます多くの人々に悪影響を与える

最も一般的には、限られたエネルギー消費及び/又は運動不足に伴う過剰な食物摂取
よって引き起こされる肥満は、しばしば、様々なグルコース代謝障害を伴う。肥満は、個
人が、糖尿病、高血圧アテローム性動脈硬化症冠動脈疾患痛風リウマチ、及び関
節炎などの様々な疾患を発症する可能性を増大させる。さらに、死亡リスクは、肥満と直
接的に相関しており、例えば、40を超える肥満度指数は、平均余命の10年を超える低下を
もたらす。

ある種の薬理学的治療様式は、程度の差はあるが、グルコース恒常性活性と抗肥満活性
の両方を実証している。残念ながら、こうした様式は、頻繁に重大な、しばしば衰弱性の
有害作用を伴う。

糖尿病、肥満、及び関連する代謝性及び非代謝性障害の有病率及び重症度を考慮すると
、現在の治療選択肢の欠点と共に、代替治療様式が必要とされる。

概要

グルコース降下活性及び/又は抗肥満活性を有する線維芽細胞増殖因子19バリアントポリペプチドが、好都合腫瘍学関連プロフィールも呈するかどうかを決定するのに有用なモデル、及び、それに関連する方法及び使用の提供。対象におけるFGF19の発癌活性を弱めるための、及び、ある種の実施態様では、疾患、障害、又は状態、例えば、FGF19依存性の疾患、障害、若しくは状態、又はこれらの症状などを予防又は治療するための、FGF19バリアントを含む、医薬組成物

目的

さらなる実施態様では、対象の治療の使用又は方法は、グルコースレベルの低下、イン
スリ感受性の増大、インスリン抵抗性の低下、グルカゴンの減少、耐糖能又はグルコー
ス代謝若しくは恒常性の改善、膵臓機能の改善、又はトリグリセリド、コレステロール
中間密度リポタンパク質(IDL)、低密度リポタンパク質(LDL)、若しくは超低密度リポタン
パク質(VLDL)レベルの低下、又は血圧の低下、血管の内膜肥厚の低下、又は体重若しくは
体重増加の低下を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

代謝障害を患う試験対象が、FGF19バリアントでの治療の候補であるかどうかを決定するための方法であって、(a)FGF19又はFGF19代替物と、FGF19バリアントとを、代謝障害を患う前記試験対象に共投与する(ここでは、前記試験対象に投与されるFGF19又はFGF19代替物の量は、参照集団において癌性状態を誘発するのに十分である)ことと、(b)前記試験対象において、癌性状態の徴候が観察されるかどうかを決定することとを含み、ここでは、癌性状態の徴候の非存在が、前記試験対象が、FGF19バリアントでの治療のための候補であることを示す、前記方法。

請求項2

代謝障害を患う試験対象が、FGF19バリアントでの治療の候補であるかどうかを決定するための方法であって、(a)癌性状態の徴候を有する試験対象であって、代謝障害を患う前記試験対象を提供することと、FGF19又はFGF19代替物と、FGF19バリアントとを前記試験対象に共投与する(ここでは、前記試験対象に投与されるFGF19又はFGF19代替物の量は、参照集団において癌性状態を誘発するのに十分である)ことと、(b)前記試験対象において癌性状態の徴候が増強されるかどうかを決定することとを含み、ここでは、癌性状態の徴候の増強の非存在が、前記試験対象がFGF19バリアントでの治療の候補であることを示す、前記方法。

請求項3

代謝障害を患う試験対象が、FGF19バリアントでの治療の候補であるかどうかを決定するための方法であって、(a)癌性状態の徴候を有する試験対象であって、代謝障害を患う前記試験対象を提供することと、FGF19又はFGF19代替物と、FGF19バリアントとを前記試験対象に共投与する(ここでは、前記試験対象に投与されるFGF19又はFGF19代替物の量は、参照集団において癌性状態を誘発するのに十分である)ことと、(b)前記試験対象において癌性状態の徴候が低減されるかどうかを決定することとを含み、ここでは、癌性状態の徴候の低減が、前記試験対象がFGF19バリアントでの治療の候補であることを示す、前記方法。

請求項4

癌性状態の徴候が、腫瘍である、請求項1から3のいずれか1項記載の方法。

請求項5

前記腫瘍が、結腸腫瘍又は肝腫瘍である、請求項4記載の方法。

請求項6

前記癌性状態の徴候の低減が、腫瘍数、腫瘍サイズ、又は腫瘍重量の低下によって決定される、請求項3記載の方法。

請求項7

前記FGF19バリアントが、配列番号:1に示したアミノ酸配列を含む又は該アミノ酸配列からなる、請求項1から6のいずれか1項記載の方法。

請求項8

前記FGF19バリアントが、配列番号:5から29のうちのいずれか1つに示したアミノ酸配列;又はこれらの部分配列又は断片を含む又はこれらからなる、請求項1から6のいずれか1項記載の方法。

請求項9

前記対象が、動物である、請求項1から3のいずれか1項記載の方法。

請求項10

前記対象が、マウスである、請求項1から3のいずれか1項記載の方法。

請求項11

前記マウスが、db/dbマウスである、請求項10記載の方法。

請求項12

前記候補FGF19バリアントポリペプチドが、高血糖状態インスリン抵抗性高インスリン血症耐糖能障害、及びメタボリックシンドロームからなる群から選択される少なくとも1つの状態を改善する、請求項1から3のいずれか1項記載の方法。

請求項13

前記高血糖状態が、糖尿病を含む、請求項12記載の方法。

請求項14

前記候補FGF19バリアントポリペプチドが、肥満又は望ましくない体重を改善する、請求項1から3のいずれか1項記載の方法。

請求項15

前記試験対象が、試料集団における成熟FGF19のレベルと比較して、上昇したレベルの成熟FGF19を有する、請求項1から3のいずれか1項記載の方法。

請求項16

前記試験対象が、FGF19を過剰発現する、請求項15記載の方法。

請求項17

前記FGF19又はFGF19代替物及びFGF19バリアントのうちの少なくとも1つが標識される、請求項1から3のいずれか1項記載の方法。

請求項18

前記標識が、FLAG-タグを含む、請求項17記載の方法。

請求項19

前記決定ステップが、共投与ステップの20週後よりも後に実施される、請求項1から3のいずれか1項記載の方法。

請求項20

FGF19が、前記FGF19バリアントと共投与される、請求項1から3のいずれか1項記載の方法。

請求項21

FGF19バリアントが、代謝障害を患う試験対象を治療するための候補であるかどうかを決定するための方法であって、(a)FGF19又はFGF19代替物と、FGF19バリアントとを、代謝障害を患う前記試験対象に共投与する(ここでは、前記試験対象に投与されるFGF19又はFGF19代替物の量は、参照集団において癌性状態を誘発するのに十分である)ことと、(b)前記試験対象において、癌性状態の徴候が観察されるかどうかを決定することとを含み、ここでは、癌性状態の徴候の非存在が、FGF19バリアントが、前記試験対象の治療のための候補であることを示す、前記方法。

請求項22

FGF19バリアントが、代謝障害を患う試験対象を治療するための候補であるかどうかを決定するための方法であって、(a)代謝障害を患う試験対象であって、癌性状態の徴候を有する試験対象を提供することと、FGF19又はFGF19代替物と、FGF19バリアントとを前記試験対象に共投与する(ここでは、前記試験対象に投与されるFGF19又はFGF19代替物の量は、参照集団において癌性状態を増悪させるのに十分である)ことと、(b)前記試験対象において、癌性状態の徴候が増強されるかどうかを決定することとを含み、ここでは、癌性状態の徴候の増悪の非存在が、FGF19バリアントが、前記試験対象の治療のための候補であることを示す、前記方法。

請求項23

癌性状態の徴候が、前記試験対象において低減される、請求項22記載の方法。

請求項24

癌性状態の徴候が、腫瘍である、請求項21から23のいずれか1項記載の方法。

請求項25

前記腫瘍が、結腸腫瘍又は肝腫瘍である、請求項24記載の方法。

請求項26

癌性状態の徴候の前記低減が、腫瘍数、腫瘍サイズ、又は腫瘍重量の低下によって決定される、請求項23記載の方法。

請求項27

前記対象が、動物である、請求項21から23のいずれか1項記載の方法。

請求項28

前記対象が、マウスである、請求項21から23のいずれか1項記載の方法。

請求項29

前記マウスが、db/dbマウスである、請求項28記載の方法。

請求項30

前記候補FGF19バリアントポリペプチドが、高血糖状態、インスリン抵抗性、高インスリン血症、耐糖能障害、及びメタボリックシンドロームからなる群から選択される少なくとも1つの状態を改善する、請求項21から23のいずれか1項記載の方法。

請求項31

前記高血糖状態が、糖尿病を含む、請求項30記載の方法。

請求項32

前記候補FGF19バリアントポリペプチドが、肥満又は望ましくない体重を改善する、請求項21から23のいずれか1項記載の方法。

請求項33

前記試験対象が、試料集団における成熟FGF19のレベルと比較して、上昇したレベルの成熟FGF19を有する、請求項21から23のいずれか1項記載の方法。

請求項34

前記試験対象が、FGF19を過剰発現する、請求項33記載の方法。

請求項35

前記FGF19又はFGF19代替物及びFGF19バリアントのうちの少なくとも1つが標識される、請求項1から3のいずれか1項記載の方法。

請求項36

前記標識が、FLAG-タグを含む、請求項35記載の方法。

請求項37

FGF19が、前記FGF19バリアントと共投与される、請求項21又は22記載の方法。

請求項38

前記決定ステップが、共投与ステップの20週後よりも後に実施される、請求項21又は22記載の方法。

請求項39

前記決定ステップが、共投与ステップの9か月後よりも後に実施される、請求項21又は22記載の方法。

請求項40

前記決定ステップが、共投与ステップの12か月後よりも後に実施される、請求項21又は22記載の方法。

請求項41

代謝障害を患う対象を治療する方法であって、(a)代謝障害を患う対象(ここでは、該対象は、FGF19誘発性癌性状態の徴候を呈する)を提供することと、(b)請求項21から23のいずれか1項において特定される治療有効量のFGF19バリアントを該対象に投与することとを含み、ここでは、該対象における代謝障害の改善が存在する、前記方法。

請求項42

前記対象が、動物である、請求項41記載の方法。

請求項43

前記対象が、ヒトである、請求項42記載の方法。

請求項44

前記癌性状態が、腫瘍である、請求項41記載の方法。

請求項45

前記腫瘍が、結腸腫瘍又は肝腫瘍である、請求項44記載の方法。

請求項46

前記代謝障害が、高血糖状態、インスリン抵抗性、高インスリン血症、耐糖能障害、肥満、及びメタボリックシンドロームからなる群から選択される、請求項41記載の方法。

請求項47

前記高血糖状態が、糖尿病である、請求項46記載の方法。

請求項48

前記対象における代謝障害の改善が、血糖の低下である、請求項41記載の方法。

請求項49

前記対象における代謝障害の改善が、体重の減少である、請求項41記載の方法。

請求項50

前記対象における代謝障害の改善が、インスリンの低下である、請求項41記載の方法。

請求項51

FGF19バリアントが、代謝障害を患う対象における癌性の疾患、障害、又は状態を予防するための候補であるかどうかを決定するためのモデルであって、(i)有効量のFGF19又はFGF19代替物の投与の前に癌性状態の徴候を呈しない、かつ(ii)FGF19又はFGF19代替物の投与の後に癌性状態の徴候(ここでは、癌性状態の徴候は、配列番号:1に示したアミノ酸配列を含む、又は該アミノ酸配列からなる有効量のポリペプチドの投与時に改善する)を呈する対象を含む、前記モデル。

請求項52

FGF19バリアントが、代謝障害を患う対象における癌性の疾患、障害、又は状態を治療するための候補であるかどうかを決定するためのモデルであって、FGF19又はFGF19代替物の投与に由来する癌の少なくとも1つの徴候を有する(ここでは、癌の徴候は、配列番号:1に示したアミノ酸配列を含む、又は該アミノ酸配列からなる有効量のポリペプチドの投与時に改善する)対象を含む、前記モデル。

請求項53

前記癌の徴候が、腫瘍である、請求項51又は52記載のモデル。

請求項54

前記腫瘍が、結腸腫瘍又は肝腫瘍である、請求項53記載のモデル。

請求項55

前記癌の徴候の改善が、腫瘍数、腫瘍サイズ、又は腫瘍重量の低下である、請求項51から54のいずれか1項記載のモデル。

請求項56

前記対象が、マウスである、請求項51から55のいずれか1項記載のモデル。

請求項57

前記マウスが、db/dbマウスである、請求項56記載のモデル。

請求項58

前記FGF19又はFGF19代替物及びFGF19バリアントのうちの少なくとも1つが標識される、請求項51から57のいずれか1項記載のモデル。

請求項59

前記標識が、FLAG-タグを含む、請求項58記載のモデル。

請求項60

前記代謝障害が、高血糖状態、インスリン抵抗性、高インスリン血症、耐糖能障害、肥満、及びメタボリックシンドロームからなる群から選択される、請求項51又は52記載のモデル。

請求項61

前記高血糖状態が、糖尿病である、請求項60記載のモデル。

請求項62

ステップi)が、有効量のFGF19の投与を含む、請求項51から61のいずれか1項記載のモデル。

請求項63

対象におけるFGF19の発癌活性を弱める方法であって、該対象に治療有効量のFGF19バリアントを投与し、それによって、該対象におけるFGF19の発癌活性を弱めることを含む前記方法。

請求項64

対象におけるFGF19依存性の癌若しくは腫瘍、又はこれらの症状を治療する方法であって、治療有効量のFGF19バリアントを該対象に投与することを含み、ここでは、対象における癌、腫瘍、又はこれらの症状の改善が存在する、前記方法である。

請求項65

対象におけるFGF19依存性の癌若しくは腫瘍、又はこれらの症状を予防する方法であって、治療有効量のFGF19バリアントを該対象に投与することを含み、ここでは、該対象における癌、腫瘍、又はこれらの症状が予防され、それによって、該対象におけるFGF19依存性の癌又は腫瘍が予防される、前記方法。

請求項66

前記FGF19依存性の癌又は腫瘍が、肝細胞癌である、請求項64又は65記載の方法。

請求項67

前記FGF19依存性の癌又は腫瘍が、肝細胞癌ではない、請求項64又は65記載の方法。

請求項68

前記癌又は腫瘍が、結腸癌又は腫瘍である、請求項64又は65記載の方法。

請求項69

前記癌又は腫瘍が、前立腺癌又は腫瘍である、請求項64又は65記載の方法。

請求項70

前記癌又は腫瘍が、肺癌又は腫瘍である、請求項64又は65記載の方法。

請求項71

前記FGF19バリアントが、配列番号:1に示したアミノ酸配列を含む又は該アミノ酸配列からなるポリペプチドである、請求項63から70のいずれか1項記載の方法。

請求項72

前記対象が、その必要がある対象である、請求項63から71のいずれか1項記載の方法。

技術分野

0001

(関連出願の相互参照)
本願は、それぞれその内容全体が参照によって本明細書に組み込まれる、2013年10月28
日に出願された米国特許仮出願第61/896,473号;2013年12月31日に出願された米国特許仮
出願第61/922,586号;及び2014年10月22日に出願された米国特許仮出願第62/067,273号の
利益を主張する。
(分野)
本発明は、特に、グルコース降下活性を有する線維芽細胞増殖因子ポリペプチドバリ
アントが、好都合腫瘍学関連プロフィールも呈するかどうかを決定するのに有用なモデ
ル、及び、前述のものを含む方法及び使用に関する。提供されるのはまた、対象における
FGF19の発癌活性を弱める方法、及び、ある種の実施態様では、疾患、障害、又は状態、
例えば、FGF19依存性の疾患、障害、若しくは状態、又はこれらの症状などを予防又は治
療する方法である。

背景技術

0002

(背景)
糖尿病は、食後に放出するためのインスリンを製造及び貯蔵する膵β細胞、すなわち内
分泌細胞からの、インスリン産生欠如(1型)、又はインスリン抵抗性若しくは不十分な
インスリン産生(2型)によって引き起こされる消耗性代謝疾患である。高い血糖レベル
は、膵β細胞によるインスリンの分泌刺激する。次に、インスリンは、グリコーゲン
トリグリセリドの貯蔵に、また、タンパク質の合成につながる、グルコースの筋肉及び
脂肪細胞への流入を刺激する。様々な細胞型上でのインスリン受容体の活性化は、グルコ
ース取り込み及び利用を増大させることによって、また、肝臓でのグルコース産生を低下
させることによって、循環グルコースレベルを低下させる。この調節ネットワーク内での
混乱は、糖尿病及び関連する病的状態をもたらす可能性がある。

0003

グルコース代謝障害を患う個人は、多くの関連障害と共に、高血糖高インスリン血症
、及び/又は耐糖能障害を患う可能性がある。例えば、インスリン抵抗性、すなわち、異
常なレベルのグルコース及び/又はインスリンをしばしば伴う障害は、正常な血中イン
リンレベルに応答する能力喪失している肝臓、脂肪、及び筋肉細胞を特徴とする。こう
したグルコース代謝障害は、世界中の多くの、及びますます多くの人々に悪影響を与える

0004

最も一般的には、限られたエネルギー消費及び/又は運動不足に伴う過剰な食物摂取
よって引き起こされる肥満は、しばしば、様々なグルコース代謝障害を伴う。肥満は、個
人が、糖尿病、高血圧アテローム性動脈硬化症冠動脈疾患痛風リウマチ、及び関
節炎などの様々な疾患を発症する可能性を増大させる。さらに、死亡リスクは、肥満と直
接的に相関しており、例えば、40を超える肥満度指数は、平均余命の10年を超える低下を
もたらす。

0005

ある種の薬理学的治療様式は、程度の差はあるが、グルコース恒常性活性と抗肥満活性
の両方を実証している。残念ながら、こうした様式は、頻繁に重大な、しばしば衰弱性の
有害作用を伴う。

0006

糖尿病、肥満、及び関連する代謝性及び非代謝性障害の有病率及び重症度を考慮すると
、現在の治療選択肢の欠点と共に、代替治療様式が必要とされる。

0007

(概要)
糖尿病のための、非薬理学的な代替治療として、肥満外科手術が提案されている。手術
後の消化管ホルモン分泌の変化が、糖尿病状態回復の原因であるであることが仮定され
ている。ヒトにおける線維芽細胞増殖因子19(FGF19)の血清レベルは、胃バイパス手術後
に上昇する。FGF19は、遠位小腸において、高度に発現され、FGF19のトランスジェニック
過剰発現は、グルコース恒常性を改善する(Tomlinson,E.の文献(2002年)Endocrinology 1
43(5):1741〜47)。FGF19の発現及び分泌の増強は、手術後に観察される糖尿病の寛解を、
少なくともある程度説明できるかもしれない。

0008

FGF19に起因する望ましい代謝効果(例えば、血糖降下)にもかかわらず、(例えば、FGF1
9発現の増強又は外因性FGF19の投与を通じて)FGF19レベルを増大させる治療は、肝細胞癌
(HCC)の誘発を伴う。したがって、HCC様の癌性状態を誘発せずにFGF19の好都合な特性を
有する薬剤を特定するための、継続中の取り組みが存在する。本開示は、候補薬剤が、こ
うした特質を有するかどうか、また、対象が、こうした治療の実行可能な候補であるかど
うかの正確かつ効率的な決定を助けるための動物モデル及び関連方法に、ある程度基づい
ている。

0009

さらなる実施態様では、対象の治療の使用又は方法は、グルコースレベルの低下、イン
スリ感受性の増大、インスリン抵抗性の低下、グルカゴンの減少、耐糖能又はグルコー
ス代謝若しくは恒常性の改善、膵臓機能の改善、又はトリグリセリド、コレステロール
中間密度リポタンパク質(IDL)、低密度リポタンパク質(LDL)、若しくは超低密度リポタン
パク質(VLDL)レベルの低下、又は血圧の低下、血管の内膜肥厚の低下、又は体重若しくは
体重増加の低下を目的とする又はもたらす。

0010

一実施態様では、本開示は、代謝障害を患う試験対象が、FGF19バリアントでの治療の
候補であるかどうかを決定するための方法であって、a)FGF19又はFGF19代替物と、FGF19
バリアントとを、代謝障害を患う前記試験対象に共投与する(ここでは、前記試験対象に
投与されるFGF19又はFGF19代替物の量は、参照集団において癌性状態を誘発するのに十分
である)ことと、b)前記試験対象において、癌性状態の徴候が観察されるかどうかを決定
する(ここでは、癌性状態の徴候の非存在が、前記試験対象が、FGF19バリアントでの治療
のための候補であることを示す)こととを含む前記方法を意図する。

0011

本明細書で使用する場合、用語「FGF19代替物」には、FGF19と同じ又はそれに匹敵する
効果(ここでは、効果は一般に、癌関連(例えば、腫瘍形成又は癌性状態の他のいずれかの
徴候の誘発)である)を発揮する能力がある、あらゆる分子(例えばポリペプチド)が含まれ
るものとする。FGF19代替物は、しばしば、本明細書に記載したアミノ酸配列のうちの1つ
の、約150アミノ酸から約160アミノ酸、約160アミノ酸から約170アミノ酸、約170アミノ
酸から約180アミノ酸、約180アミノ酸から約190アミノ酸、又は約194アミノ酸又はそれ以
上のアミノ酸の連続的配列との、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%
、少なくとも約90%、少なくとも約93%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも
約97%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%のアミノ酸配列同一性を有する活性な断
片を含む、FGF19のバリアントである。

0012

本開示では、語句「癌性状態の徴候」とは、概して、癌性の疾患、障害、又は状態が形
成されている、形成されつつある、又は形成される可能性があるあらゆる徴候をいう。大
抵の癌は、徴候又は症状の出現を理由に、又はスクリーニングを介して、初期に認識され
る。確定診断は、一般に、他の手段の中で、組織試料病理検査血液検査X線、CTス
キャン、及び内視鏡検査の1以上を必要とする。癌性状態とは、癌腫肉腫リンパ腫
白血病、及び芽細胞腫を含めた、あらゆる型又は分類の癌をいう。

0013

癌の症状は、通常、癌が形成されつつある体の部分に対する癌の影響(例えば、胸部
異常なしこり、又は皮膚上のほくろの変化)によって引き起こされるが、癌性の疾患、障
害、及び/又は状態は、体重減少又は疲労などの、より全身的な症状を引き起こす可能性
がある。本明細書に記載する方法及びモデルでは、癌性の状態(又は障害又は疾患)の徴候
は、しばしば、腫瘍(例えば、結腸腫瘍又は肝腫瘍)である。腫瘍数、腫瘍サイズ、又は腫
瘍重量の低下の観察及び測定は、しばしば、治療様式が陽性の効果を有していることを示
す。

0014

特定の実施態様では、癌性状態の徴候は、肝細胞癌(HCC、悪性肝細胞腫とも言われる)
、すなわち最も一般的なタイプの肝臓癌と関連している。HCCは、黄疸腹水による腹部
膨満血液凝固異常によるあざのできやすさ、食欲不振、体重減少、腹痛悪心嘔吐
又は疲労を呈する可能性がある。HCCについては、この後、さらに論じる。

0015

別の実施態様では、本開示は、代謝障害を患う試験対象が、FGF19バリアントでの治療
の候補であるかどうかを決定するための方法であって、(a)癌性状態の徴候を有する試験
対象であって、代謝障害を患う前記試験対象を提供することと、(b)FGF19又はFGF19代替
物と、FGF19バリアントとを前記試験対象に共投与する(ここでは、前記試験対象に投与さ
れるFGF19又はFGF19代替物の量は、参照集団において癌性状態を誘発するのに十分である
)ことと、(c)前記試験対象において癌性状態の徴候が増強されるかどうかを決定する(こ
こでは、癌性状態の徴候の増強の非存在が、前記試験対象がFGF19バリアントでの治療の
候補であることを示す)こととを含む前記方法を意図する。

0016

さらなる実施態様では、本開示は、代謝障害を患う試験対象が、FGF19バリアントでの
治療の候補であるかどうかを決定するための方法であって、a)癌性状態の徴候を有する試
験対象であって、代謝障害を患う前記試験対象を提供することと、b)FGF19又はFGF19代替
物と、FGF19バリアントとを前記試験対象に共投与する(ここでは、前記試験対象に投与さ
れるFGF19又はFGF19代替物の量は、参照集団において癌性状態を誘発するのに十分である
)ことと、c)前記試験対象において癌性状態の徴候が低減されるかどうかを決定する(ここ
では、癌性状態の徴候の低減が、前記試験対象がFGF19バリアントでの治療の候補である
ことを示す)こととを含む前記方法を意図する。

0017

本開示はまた、FGF19バリアントが、代謝障害を患う試験対象を治療するための候補で
あるかどうかを決定するための方法であって、FGF19又はFGF19代替物と、FGF19バリアン
トとを、代謝障害を患う前記試験対象に共投与する(ここでは、前記試験対象に投与され
るFGF19又はFGF19代替物の量は、参照集団において癌性状態を誘発するのに十分である)
ことと、前記試験対象において、癌性状態の徴候が観察されるかどうかを決定する(ここ
では、癌性状態の徴候の非存在が、FGF19バリアントが、前記試験対象の治療のための候
補であることを示す)こととを含む前記方法を意図する。

0018

本明細書で意図される他の実施態様は、FGF19バリアントが、代謝障害を患う試験対象
を治療するための候補であるかどうかを決定するための方法であって、代謝障害を患う試
験対象であって、癌性状態の徴候を有する試験対象を提供することと、FGF19又はFGF19代
替物と、FGF19バリアントとを前記試験対象に共投与する(ここでは、前記試験対象に投与
されるFGF19又はFGF19代替物の量は、参照集団において癌性状態を増悪させるのに十分で
ある)ことと、前記試験対象において、癌性状態の徴候が増強されるかどうかを決定する
こととを含む(ここでは、癌性状態の徴候の増悪の非存在が、FGF19バリアントが、前記試
験対象の治療のための候補であることを示す)前記方法に関心が持たれる。特定の実施態
様では、癌性状態の1以上の徴候は、試験対象において低減される。

0019

一層さらなる実施態様では、本開示は、代謝障害を患う対象を治療する(又は、ある種
の状況では予防する)方法であって、代謝障害を患う対象を提供する(ここでは、該対象は
、FGF19誘発性癌性状態の徴候を呈する)ことと、候補FGF19バリアントポリペプチドのプ
ールから本明細書に記載した通りに特定された治療有効量のFGF19バリアントを、該対象
に投与することとを含む(ここでは、該対象における代謝障害の改善が存在する)前記方法
を意図する。

0020

先に言及した通り、本開示はまた、種々のモデルを意図する。一実施態様は、FGF19バ
リアントが、代謝障害を患う対象における癌性の疾患、障害、又は状態を予防するための
候補であるかどうかを決定するためのモデルであって、(i)有効量のFGF19又はFGF19代替
物の投与の前に癌性状態の徴候を呈しない、かつ(ii)FGF19又はFGF19代替物の投与の後に
癌性状態の徴候を呈する対象を含み、ここでは、癌性状態の徴候は、配列番号:1に示した
アミノ酸配列を含む有効量のポリペプチドの投与時に改善する、前記モデルを対象とする
。ある種の実施態様では、該ポリペプチドは、配列番号:1に示したアミノ酸配列からなる

0021

本開示はまた、FGF19バリアントが、代謝障害を患う対象における癌性の疾患、障害、
又は状態を治療するための候補であるかどうかを決定するためのモデルであって、FGF19
又はFGF19代替物の投与に由来する癌の少なくとも1つの徴候を有する対象を含み、ここで
は、癌の徴候は、配列番号:1に示したアミノ酸配列を含む有効量のポリペプチドの投与時
に改善する、前記モデルを意図する。ある種の実施態様では、該ポリペプチドは、配列番
号:1に示したアミノ酸配列からなる。

0022

限定はされないが、ある種の実施態様では、FGF19バリアントは、本開示の方法及びモ
デルにおけるM70(配列番号:1)である。FGF19バリアントは、候補FGF19バリアントポリ
プチドのプールから特定することができる。ここでは、特定されるFGF19バリアントは、
少なくとも1つの状態、例えば、高血糖状態(例えば糖尿病)、インスリン抵抗性、高イン
スリン血症、耐糖能障害、メタボリックシンドローム、肥満、又は望ましくない体重を改
善する。代謝性の障害、疾患、状態の追加の例は、以下に記載する。

0023

本明細書に記載する方法及びモデルのある種の実施態様では、対象(例えば試験対象)は
動物(例えば、げっ歯類又はサル)、例えばマウス(例えば、db/dbマウス)である。用語
が使用される文脈に応じて、対象は、ヒトでもあり得る。いくつかの実施態様では、対象
は、試料集団(ここでは、試料集団は、基準、参照などとして有用な、任意のグループ
メンバーであり得る)における成熟FGF19のレベルと比較して、成熟FGF19のレベルが増大
されている。いくつかの実施態様では、成熟FGF19のレベルの増大は、過剰発現が原因で
ある。

0024

いくつかの実施態様では、FGF19、FGF19代替物、及び/又はFGF19バリアントは、例えば
検出、精製などを容易にするために、標識される。ある種の実施態様では、FGF19、FGF19
代替物、及び/又はFGF19バリアントは、共有結合を通して標識される。当業者は、様々な
種類の標識及びその使用について熟知している。標識は、ポリペプチドのN-終端及び/又
はC-終端で最も頻繁に行われるが、ポリペプチド内に存在することも可能である。本開示
は、インビボインビトロなどで実施することができる、任意の直接的及び間接的標識技
術の使用を意図する。

0025

本開示の方法及びモデルでは、癌性の状態、障害、又は疾患の徴候を決定することと関
連するステップを、その癌性の状態、障害、又は疾患、それ自体の顕在化を可能にし、し
たがって検出できる、どの時点でも実施することができる。例として、前述の共投与ステ
ップの、3か月よりも後、20週よりも後、6か月よりも後、9か月よりも後、又は12か月よ
りも後に、決定を行うことができる。特定の実施態様では、FGF19は、FGF19バリアントと
共投与される。

0026

本開示はまた、FGF19の発癌活性を弱める方法を意図する。ある種の実施態様では、本
明細書で提供されるのは、対象におけるFGF19の発癌活性を弱める方法であって、該対象
に治療有効量のFGF19バリアントを投与し、それによって、該対象におけるFGF19の発癌活
性を弱めることを含む前記方法である。ある種の実施態様では、対象は、代謝障害及び/
又は癌性状態の徴候を有する。

0027

本開示は、対象におけるFGF19依存性の疾患、障害、若しくは状態、又はこれらの症状
を予防又は治療する方法であって、治療有効量のFGF19バリアントを該対象に投与するこ
とを含み、ここでは、該対象における該疾患、障害、又はその状態が、予防又は治療され
る、前記方法をさらに意図する。ある種の実施態様では、対象における疾患、障害、若し
くは状態、又はこれらの症状の改善が存在する。ある種の実施態様では、対象は、代謝障
害、及び/又は癌性状態の徴候を有する。具体的実施態様では、FGF19依存性の疾患、障害
、又は状態は、癌又は腫瘍である。いくつかの実施態様では、癌又は腫瘍は、肝臓癌又は
腫瘍である。ある種の実施態様では、癌又は腫瘍は、結腸癌又は腫瘍である。他の実施態
様では、癌又は腫瘍は、前立腺癌又は腫瘍である。さらに他の実施態様では、癌又は腫瘍
は、肺癌又は腫瘍である。ある種の実施態様では、対象は、その予防又は治療の必要があ
る対象である。具体的実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:1(M70)に示したアミ
ノ酸配列を含む又は該アミノ酸配列からなるポリペプチドである。

図面の簡単な説明

0028

(図面の簡単な説明)
図1は、成熟ヒトFGF19のアミノ酸配列を示す。flagエピトープに相当するアミノ酸残基には、下線を引いてある。

0029

図2は、AAV介在性遺伝子送達の5週後にdb/dbマウスにおいてELISAによって決定される血漿FGF19濃度を示す(対照としてのGFP;FGF19;及び/又はM70)。

0030

図3は、AAV介在性の遺伝子送達の24週後のGFP;FGF19-flag;及び/又はM70への連続的曝露後の、db/dbマウスにおける肉眼での肝腫瘍結節形成を示す。

0031

図4は、AAV介在性の遺伝子送達後のGFP;FGF19-flag;及び/又はM70への連続的曝露後のdb/dbマウスにおける、注射前と注射の3、5、及び23週後に測定される体重に対する効果を示す。

0032

図5は、AAV介在性の遺伝子送達後のGFP;FGF19-flag;及び/又はM70への連続的曝露後のdb/dbマウスにおける、注射前と注射の3、5、及び23週後に測定されるグルコース濃度に対する効果を示す。

0033

図6A〜6Eは、肝細胞腫瘍形成を研究するためのAAV介在性の導入遺伝子ステムを示す。(A)実験プロトコルの図。マウスは、6〜12週齢の時に、尾静脈を介して、3×1011ゲノムコピーのAAV-FGF19の単回注射を受けた。24又は52週後、肝腫瘍分析のために、マウスを屠殺した。ITR、逆位末端配列;EF1a、伸長因子プロモーター。(B)AAV-FGF19の投与の24週後のdb/dbマウスの代表的な肝臓。FGF19を発現しているdb/dbマウスでは、肝臓表面から膨隆している複数の大きな盛り上がった腫瘍が観察された。この実験において対照ウイルス(AAV-GFP)を注射した動物では、肝腫瘍は観察されなかった。スケールバー、10mm。(C)db/dbマウス(n=5)において、AAV投与の1、4、12、及び24週後に、FGF19血清レベルをELISAによって測定した。すべての値は、平均±SEMを表す。(D)FGF19導入遺伝子を発現しているdb/dbマウスにおける、肝腫瘍の多重度、サイズ、及びスコアリング。肝臓ごとの腫瘍を数え、最大腫瘍サイズを測定した。各群における平均を、水平線によって示す(n=15/群、各点が個々の動物を表す)。すべての値は、平均±SEMを表す。***p<0.001、*p<0.05は、両側t検定による、対照群に対する有意差を表示する。(E)db/dbマウスにおけるFGF19誘発性肝腫瘍の組織学的及び免疫組織化学的特徴付け。各列は、上から下へ:肝臓切片ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)染色;Ki-67、PCNA、グルタミン合成酵素、及びβ-カテニン免疫組織化学的検出である。FGF19誘発性新生細胞は、強くグルタミン合成酵素陽性である。腫瘍(T)の輪郭点線によって示す。スケールバー、100μm。

0034

図7A〜7Hは、M70が、db/dbマウスにおける24週間の連続的曝露後に、腫瘍非存在FGF19バリアントであることを示す。(A)N-末端領域におけるM70及びFGF19のタンパク質配列アラインメント。M70に導入された変異には下線を引いてある。(B)〜(F)24週間の、FGF19又はM70を発現しているdb/dbマウス(n=5/群)の、肝臓あたりの腫瘍の数(B)、肝臓重量(C)、肝臓の体重に対する比(D)。成長曲線(E)及び導入遺伝子発現の血清レベル(F)も決定した。(G)導入遺伝子発現の24週後のdb/dbマウスからの代表的な肝臓切片。肝臓パネルの列は、上から下へ:肝臓組織切片のヘマトキシリン及びエオシン(H&E)染色;Ki-67、及びグルタミン合成酵素の免疫組織化学的検出である。腫瘍(T)の輪郭を点線によって示す。スケールバー、100μm。(H)肝臓酵素の血清レベル(ALKP:アルカリホスファターゼ;ALTアラニンアミノトランスフェラーゼ;ASTアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ;n=5/群)を、研究の終了前に測定した。すべての値は、平均±SEMを表す。*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001は、一元配置ANOVA、それに続くダネットの事後検定による、対照群に対する有意差を表示する。表3及び4も参照のこと。

0035

図8A〜8Gは、M70で52週間処置されたrasH2マウスにおいて、肝腫瘍形成が無いことを示す。(A)〜(E)52週間の、FGF19又はM70導入遺伝子を発現しているrasH2マウス(n=9/群)の、成長曲線(A)、肝臓あたりの腫瘍の数(B)、肝臓重量(C)、肝臓-対-体重比(D)、及びM70又はFGF19の血清レベル(E)。(F)肝臓を、AAV投与の52週後に収集し、H&E又は抗グルタミン合成酵素、すなわちFGF19誘発性肝腫瘍のマーカーで染色した。グルタミン合成酵素で染色した切片は、H&Eで染色した対となる切片の近くの領域から採取し、同じ門脈(p)及び中心静脈(c)を示した。腫瘍(T)の輪郭を点線によって示す。スケールバー、100μm。(G)肝臓におけるKi-67及びAFP発現のqRT-PCR分析。mRNA存在量を、GAPDH発現に対して基準化する。すべての値は、平均±SEMを表す。*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001は、一元配置ANOVA、それに続くダネットの事後検定による、対照群に対する有意差を表示する。

0036

図9A〜9Gは、インビトロでのFGFR4の、M70結合及び活性化を示す。(A)フローセル上に固定されたFGF19とFGFR4-Fcキメラタンパク質の間の相互作用のBiacore SPR分析。左の列は、様々なFGF19濃度(2倍希釈で、15.62〜2000nM)に対して得られた結合曲線を示すのに対し、右の列は、KD値を得るための、データの定常状態適合を示す。(B)Biacoreによる、M70のFGFR4に対する結合。(A)と類似の手順が使用される。(C)FGFR4-KLB受容体複合体への、M70又はFGF19の固相結合。結合したリガンドは、ビオチン化FGF19特異的ポリクローナル抗体を使用して検出した。(D)KLBの存在下又は非存在下での、FGFR4を一過性形質移入させたL6細胞における、M70又はFGF19での刺激後の相対的ルシフェラーゼ活性。(E)M70は、Hep3B細胞におけるERKリン酸化を誘発する。(F)M70は、マウス、ラット、及びヒト由来初代肝細胞において、Cyp7a1発現を抑制した。肝細胞におけるCyp7a1mRNAの相対的発現を、qRT-PCRによって決定し、18S RNA(マウス及びラット)又はアクチン(ヒト)mRNAレベルに対して基準化した。(G)マウスにおける、M70による肝臓のCyp7a1発現の抑制。12週齢のdb/dbマウスに、組み換えM70又はFGF19タンパク質を腹腔内注射した。投与の4時間後、マウスを安楽死させ、qRT-PCRによって肝臓のCyp7a1発現を評価し、18S RNA発現に対して基準化した。マウスにおけるCyp7a1抑制の用量反応曲線を示した。すべての値は、平均±SEMを表す。

0037

図10A〜10Cは、インビボでのM70及びFGF19による細胞シグナル伝達経路の活性化の差異を示す。(A)腹腔内に、生理食塩水、1mg/kg FGF19又は1mg/kg M70タンパク質を注射したdb/dbマウス(n=6/群)から、注射の2時間後に、肝臓を採取した。肝臓ライセートを、示されたタンパク質の発現及びリン酸化のために、ウエスタンブロットによって調べた。各レーンは、個々のマウスに対応する。Rab11は、ローディング対照として役立つ。肝臓のSTAT3は、FGF19によって活性化されるが、M70によって活性化されないことに留意されたい。(B)FGF19で処置されたマウスは、IL-6(STAT3誘導因子)の発現の上昇を呈した。肝臓を、db/dbマウスから、(A)と同様に採取した。肝臓におけるIL-6mRNA量を、qRT-PCRによって測定し、GAPDH 発現に対して基準化した。結果を、生理食塩水処置された動物に対する発現(倍数)として表す。示したのは、1条件あたり5匹の別のマウスの結果である。同じ動物からの肝臓ライセートを免疫ブロットすることによって、STAT3リン酸化状態を、下のパネルに示す。(C)FGF19又はM70導入遺伝子を発現しているAAVベクターの投与の52週後のrasH2マウスにおける、STAT3標的遺伝子(サバイビン、Bcl-XL、及びサイクリンD1)に対するmRNAの発現を示すqPCR。すべての値は、平均±SEMを表す。**p<0.01、***p<0.001は、一元配置ANOVA、それに続くダネットの事後検定による、対照群に対する有意差を表示する。

0038

図11A〜11Jは、M70が、db/dbマウスにおける、また、異種移植モデルにおけるFGF19誘発性腫瘍増殖阻害することを示す。(A)〜(D)11週齢のdb/dbマウスに、M70(3×1011ゲノムコピー)の非存在又は存在下で、AAV-FGF19(3×1010ゲノムコピー)を注射した。24週後に、肝腫瘍スコア(A)、肝臓重量(B)、体重に対する肝臓の比(C)、及び導入遺伝子発現の血清レベル(D)を決定した。*p<0.05は、一元配置ANOVA、それに続くダネットの事後検定による、対照群に対する有意差を表示する;##p<0.01は、両側t検定による有意差を表示する。(E)FGF19を発現している、又はM70で共処置された、マウスの肝臓の組織像。肝臓切片を、H&E又は抗グルタミン合成酵素、すなわちFGF19誘発性肝腫瘍のマーカーで染色した。腫瘍(T)の輪郭を点線によって示す。スケールバー、100μm。(F)FGF19を、ヒト癌細胞株によって産生及び分泌させる。培養上清中のFGF19レベルを、ELISAによって決定する。(G〜J)M70は、ヒト癌異種移植腫瘍増殖をインビボで阻害する。8週齢の無胸腺nu/nuマウスの皮下に、5×106 Huh-7(n=10)(G)又はHCT-116(n=5)(H〜J)細胞を埋め込んだ。同等体積(〜100mm3)の確立された腫瘍を有するマウスを、無作為グループ分けし、AAV介在性の遺伝子送達を介して、M70で処置した。この研究には、対照ウイルス(GFP)も含まれた。腫瘍増殖は、15日の処置期間にわたって測定する。画像は、15日の処置期間の終わり切開されたHCT-116固形腫瘍を示す(I)。HCT-116腫瘍異種移植片を有するマウスの体重増加(J)も決定した。***p<0.001は、二元配置ANOVA、それに続くボンフェローニの事後検定による、対照群に対する有意差を表示する。すべての値は、平均±SEMを表す。

0039

図12A〜12Bは、FGF19依存性の腫瘍を治療するためのFGF19バリアントを開発するモデルを示す。(A)慢性の肝損傷(胆汁うっ滞肝硬変など)は、肝臓におけるFGF19蓄積をもたらす。胆汁酸合成を調節するために重要であるが、FGF19は、STAT3、すなわち肝臓癌形成の促進において重要な転写因子を活性化することもできる。これは、腫瘍イニシエーションプロモーション、及びHCCへの進行の一因となる。(B)M70は、FGF19の操作されたバリアントである。M70は、選択的モジュレーターとして、他のもの(すなわち腫瘍)を相対的に除外するほどに、ある種のFGFR4シグナル伝達経路(すなわちpERK及びCyp7a1)への偏りを呈する。さらに、M70は、FGF19に依存する腫瘍の増殖を阻害することができる。

0040

図13A〜13Bは、M70が、CT26結腸癌同系(syngenic)マウスモデルにおける腫瘍増殖を遅延させることを示す。(A)M70は、10mg/kg用量の投与後にCT26腫瘍増殖を遅延させる。(B)M70は、3mg/kg用量の投与後にCT26腫瘍増殖を遅延させる。p値は、ビヒクル処置されたマウスに対して二元配置ANOVAによって決定した。***p<0.001;**p<0.01。

0041

図14A〜14Bは、M70が、CT26結腸癌同系マウスモデルにおける体重を減少させることを示す。(A)M70は、10mg/kg用量の投与後に体重を減少させる。(B)M70は、3mg/kg用量の投与後に体重を減少させる。p値は、ビヒクル処置されたマウスに対して二元配置ANOVAによって決定した。***p<0.001;**p<0.01。

0042

(詳細な説明)
本開示をさらに記載する前に、本開示が、本明細書に説明する特定の実施態様に限定さ
れないことを理解するべきであり、また、本明細書に使用される専門用語が、単に特定の
実施態様を説明する目的であるに過ぎず、限定の意図はないことも理解するべきである。

0043

(概要)
本開示は、本明細書に記載するモデル及び方法を使用する、薬剤及びその組成物の特定
を意図する。これらのモデル及び関連方法は、癌性状態(例えば、肝細胞癌)を誘発しない
薬剤の特定のための、正確で効率的な方法論を提供する。ある種の実施態様では、本明細
書で提供されるモデル及び方法は、FGF19の発癌活性を弱める薬剤を特定するのに有用で
ある。ある種の実施態様では、こうした薬剤は、例えばグルコース代謝障害及び/又は体
重異常に関する、様々な疾患、障害、及び状態、及び/又はこれらの症状の治療及び/又は
予防における治療的有用性を有する。例として、限定はされないが、薬剤及びその組成物
は、2型糖尿病、インスリン抵抗性、並びに、インスリン抵抗性、インスリン産生の低下
、高血糖、メタボリックシンドローム、又は肥満を特徴とする疾患、障害、及び状態の治
療及び/又は予防のために使用することができる。こうした薬剤はまた、FGF19依存性の疾
患、障害、若しくは状態、又はこれらの症状の予防又は治療において有用である。

0044

本明細書に記載するモデル及び関連方法は、FGF19(例えば、HCC)の癌関連の影響を誘発
せず悪化もさせない薬剤(例えば、ポリペプチド及び抗体)を特定するのに有用である。こ
の後詳細に記載する通り、特定の実施態様は、好都合な代謝特性を有するFGF19バリアン
トポペプチドが、望ましい「癌関連の」プロフィールも有することとなるかどうかを決
定するためのモデル及び方法の使用を意図する。提供されるのはまた、対象におけるFGF1
9の発癌活性を弱める方法、及び、ある種の実施態様では、FGF19依存性の疾患、障害、若
しくは状態、又はこれらの症状を予防又は治療する方法である。ある種の実施態様では、
FGF19依存性の疾患、障害、又は状態は、肝臓、結腸前立腺、又はの癌又は腫瘍など
の、癌又は腫瘍である。

0045

(定義)
用語「患者」又は「対象」は、ヒト又は非ヒト動物(例えば、哺乳類)をいうために互換
的に使用される。

0046

用語「治療する」、「治療すること」、「治療」などは、対象を悩ませている疾患、障
害、又は状態の根本的原因の少なくとも1つ、又は対象を悩ませている疾患、障害、状態
に伴う症状の少なくとも1つを、一時的に又は永久的に消失、軽減、抑制、緩和、又は改
善するように、疾患、障害、若しくは状態、又はこれらの症状が診断された、観察された
、などの後に開始される、一連の行為(ポリペプチド又はポリペプチドを含む医薬組成物
を投与することなど)をいう。したがって、治療には、(例えば、血流内のインスリン及び
/又はグルコースのレベルを低下させて耐糖能を増大させるように、グルコースレベルの
変動を最小限にするように、及び/又はグルコース恒常性の混乱によって引き起こされる
疾患を防ぐように)、活動性疾患を阻害する(すなわち、疾患、障害、若しくは状態、又は
これらと関連する臨床症状の発生又はさらなる発生を抑える)ことが含まれる。

0047

本明細書で使用される用語 「治療の必要がある」とは、医師又は他の医療専門家によ
ってなされる、対象が、治療を必要とする、又は治療から恩恵を受けるであろうという判
断をいう。

0048

用語「予防する」、「予防すること」、「予防」などは、一般に、ある特定の疾患、障
害、又は状態にかかりやすい対象という状況において、対象が疾患、障害、状態などを発
症するリスクを、(例えば臨床症状の非存在によって決定される通りに)一時的に又は永久
的に予防、抑制、阻害、若しくは軽減する、又は、その発生を遅延させるように、ある方
式で(例えば、疾患、障害、状態、又はこれらの症状の発生の前に)開始される、一連の行
為(ポリペプチド又はポリペプチドを含む医薬組成物を投与することなど)をいう。ある種
の場合には、この用語はまた、疾患、障害、又は状態の進行を遅らせること、又は、有害
な又は他の望ましくない状態へのこれらの進行を阻害することをいう。

0049

本明細書で使用される用語 「予防の必要がある」とは、医師又は他の医療専門家によ
ってなされる、対象が、予防的ケアを必要とする、又は予防的ケアから恩恵を受けるであ
ろうという判断をいう。

0050

語句「治療有効量」とは、患者に投与された場合に疾患、障害、又は状態のあらゆる症
状、様相、又は特性に対するあらゆる検出可能な陽性の効果を有することが可能な量での
、単独での又は医薬組成物の一部としての、また、単一用量での若しくは一連の用量の一
部としての、対象への薬剤の投与をいう。治療有効量は、妥当生理学的効果を測定する
ことによって確定することができる。高血糖状態の場合には、血糖の降下又は低下又は糖
負荷試験の改善を使用して、薬剤の量が、高血糖状態を治療するのに有効であるかどうか
を決定することができる。例えば、治療有効量は、あらゆるレベル(例えば、基準レベル)
の空腹時血漿グルコース(FPG)を低下又は減少させるのに十分な量である。ここでは、例
えば、治療有効量は、200mg/dlを超えるFPGレベルを200mg/dl未満に低下させるのに十分
である、治療有効量は、175 mg/dlから200mg/dlのFPGレベルを開始レベル未満に低下させ
るのに十分である、治療有効量は、150mg/dlから175mg/dlのFPGレベルを開始レベル未満
に低下させるのに十分である、治療有効量は、125mg/dlから150mg/dlのFPG レベルを開始
レベル未満に低下させるのに十分である、など(例えば、FPGレベルを、125mg/dl未満に、
120mg/dl未満に、115mg/dl未満に、110mg/dl未満に低下させる、など)である。さらに、H
bAIcレベルの場合には、該有効量は、レベルを、約10%から9%超、約9%から8%超、約8%か
ら7%超、約7%から6%超、約6%から5%超などだけ低下又は減少させるのに十分な量である。
より具体的には、HbAIcレベルの、約0.1%、0.25%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%
、1%、1.5%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、33%、35%、40%、45%、50%、又はそれ以上
の低下又は減少が、本開示によって意図される。治療有効量は、投与レジメン及び対象の
状態の診断分析などと関連付けて調節することができる。

0051

語句「変化をもたらすのに十分な量で」は、ある特定の治療法施与の前(例えば、基
準レベル)と後とに測定される指標のレベルに、検出可能な差が存在することを意味する
。指標としては、あらゆる客観的パラメータ(例えば、グルコース若しくはインスリンの
レベル)、又は主観的パラメータ(例えば、対象の幸福の感情)が挙げられる。

0052

語句「耐糖能」とは、本明細書で使用する場合、グルコース摂取量が変動した場合に血
漿グルコース及び/又は血漿インスリンのレベルを制御する、対象の能力をいう。例えば
、耐糖能は、約120分以内に、血漿グルコースのレベルを、グルコースの摂取の前に決定
されたレベルまで戻すように低下させる、対象の能力を包含する。

0053

一般的に言えば、用語「糖尿病」及び「糖尿病の」とは、しばしば高血糖及び糖尿を特
徴とする、インスリンの不十分な産生又は利用を伴う炭水化物代謝進行性の疾患をいう
。用語「糖尿病予備」及び「糖尿病予備軍の」とは、対象が、糖尿病において一般的に
観察される特性、症状などを有しないが、治療しないままであるならば糖尿病へと進行す
る可能性がある特性、症状などを有する状態をいう。これらの状態の存在は、例えば、空
腹時血漿グルコース(FPG)試験又は経口糖負荷試験(OGTT)のいずれかを使用して決定する
ことができる。どちらも、通常、試験を開始する前に少なくとも8時間、対象を絶食させ
る必要がある。FPG試験では、対象の血糖は、絶食の終了後に測定され;一般に、対象は一
晩絶食し、血糖は、、対象が食事をする前に測定される。健康な対象は一般に、約90か
ら約100mg/dlのFPG濃度を有するであろう。「糖尿病予備軍」の対象は一般に、約100から
125mg/dlのFPG濃度を有するであろう。「糖尿病」を患う対象は一般に、約126mg/dlを超
えるFPGレベルを有するであろう。OGTTでは、対象の血糖は、絶食後に、また、グルコー
豊富な飲料を飲んだ2時間後に再び測定される。グルコース豊富な飲料の摂取の2時間後
、健康な対象は一般に、約140mg/dl未満の血糖濃度を有し、糖尿病予備軍の対象は一般に
、約140から約199mg/dlの血糖濃度を有し、糖尿病の対象は一般に、約200mg/dl又はそれ
を超える血糖濃度を有する。前述の血糖値は、ヒト対象に関するので、正常血糖中等度
の高血糖、及び明らかな高血糖を、マウス対象において別に見積もる。4時間の絶食後の
健康なマウス対象は一般に、約100から約150mg/dlのFPG濃度を有するであろう。「糖尿病
予備軍」のマウス対象は一般に、約175から約250mg/dlのFPG濃度を有するであろう。「糖
尿病」を患うマウス対象は一般に、約250 mg/dlを超えるFPG濃度を有するであろう。

0054

本明細書で使用される用語「インスリン抵抗性」とは、正常な量のインスリンが、正常
生理応答又は分子応答をもたらすことができない状態をいう。ある場合では、内因的
産生される又は外因的に投与される生理学的量を超えるインスリンは、完全に又はある程
度、インスリン抵抗性に打ち勝ち生物学的応答をもたらすことが可能である。

0055

用語「メタボリックシンドローム」とは、限定はされないが、高インスリン血症、耐糖
能異常、肥満、脂肪の腹部又は上半身への再分布、高血圧、線維素溶解不全(dysfibrinol
ysis)、及び脂質異常症(高いトリグリセリド、低い高密度リポタンパク質(HDL)-コレステ
ロール、及び高い低比重低密度リポタンパク質(LDL)粒子を特徴とする)を含めた、形質
関連するクラスターをいう。メタボリックシンドロームを患う対象は、2型糖尿病及び/又
は他の障害(例えば、アテローム性動脈硬化症)の発生のリスクがある。

0056

語句「グルコース代謝障害」は、対象における、健康な個人に対するグルコースレベル
の上昇及び/又はインスリンレベルの上昇を伴う臨床症状又は臨床症状の組み合わせを特
徴とするあらゆる障害を包含する。グルコース及び/又はインスリンレベルの上昇は、次
の疾患、障害、及び状態において顕在化する可能性がある:高血糖、II型糖尿病妊娠
尿病、I型糖尿病、インスリン抵抗性、耐糖能異常、高インスリン血症、グルコース代謝
異常、糖尿病予備軍、他の代謝障害(シンドロームXとも呼ばれているメタボリックシン
ロームなど)、及び、特に肥満。本開示のポリペプチド及びその組成物を使用して、例え
ば、グルコース恒常性実現及び/又は維持する、例えば、血流内のグルコースレベルを低
下させる及び/又はインスリンレベルを健康な対象に見られる範囲まで低下させることが
できる。

0057

本明細書で使用される用語「高血糖」とは、健康な個人と比べて高い量のグルコースが
、対象の血漿内を循環する状態をいう。高血糖は、本明細書に記載した通りの空腹時血糖
レベルの測定を含めた、当技術分野で公知の方法を使用して診断することができる。

0058

本明細書で使用される用語 「高インスリン血症」とは、血糖レベルが高い又は正常で
ある時に、同時に、高いレベルの循環インスリンが存在する状態をいう。高インスリン
症は、脂質異常症(高いトリグリセリド、高いコレステロール、高い低密度リポタンパク
質(LDL)、及び低い高密度リポタンパク質(HDL)など);高い尿酸レベル;多嚢胞性卵巣症候
群;II型糖尿病、及び肥満を伴うインスリン抵抗性によって引き起こされ得る。高インス
リン血症は、約2μU/mLよりも高い血漿インスリンレベルを有するものと診断することが
できる。

0059

本明細書で使用する場合、語句「体重異常」とは、過剰な体重及び/又は食欲増進を伴
う状態をいう。対象が、基準の健康な個人と比較して過体重であるかどうかを決定するた
めに、対象の年齢身長性別、及び健康状態を含めた様々なパラメータが使用される。
例えば、対象は、対象の体重(キログラム)を対象の身長(メートルの2乗)で割ることによ
って算出された対象の肥満度指数(BMI)の評価によって、過体重又は肥満であるとみなす
ことができる。〜18.5から〜24.9kg/m2の範囲内のBMIを有する成人は、正常な体重を有す
るとみなされ;〜25から〜29.9 kg/m2のBMIを有する成人は、過体重(肥満予備軍(pre-obes
e))であるとみなすことができ;〜30kg/m2又はそれよりも高いBMIを有する成人は、肥満で
あるとみなすことができる。食欲増進は、しばしば、過剰な体重に寄与する。例えば、多
くの場合不眠症と関連する朝の食欲不振及び晩の過食を特徴とする夜食症候群を含めて、
食欲増進に関連する、いくつかの状態が存在するが、これらは、視床下部の損傷に関連し
ている可能性がある。

0060

本明細書で互換的に使用される、用語「ポリペプチド」、「ペプチド」、及び「タンパ
ク質」とは、任意の長さの重合形状のアミノ酸をいい、これは、遺伝子によってコードさ
れた、及び遺伝子によってコードされていないアミノ酸、化学的に又は生化学的に改変
誘導体化されたアミノ酸、及び、改変されたポリペプチド骨格を有するポリペプチドを
含むことができる。この用語には、限定はされないが、N-終端メチオニン残基を伴う又は
伴わない、異種アミノ酸配列をもつ融合タンパク質、異種及び相同リーダー配列をもつ融
合タンパク質;免疫学的タグ付けされたタンパク質;などを含めた、融合タンパク質が
含まれる。本開示全体を通して、1文字又は3文字コードによって、アミノ酸について言及
するということを理解されたい。

0061

本明細書で使用する場合、用語「バリアント」は、天然に存在するバリアント(例えば
相同体及び対立遺伝子バリアント)及び天然に存在しないバリアント(例えば、変異タン
パク質)を包含する。天然に存在するバリアントとしては、相同体、すなわち、それぞれ
ヌクレオチド又はアミノ酸配列が種によって異なる核酸及びポリペプチドが挙げられる。
天然に存在するバリアントとしては、対立遺伝子バリアント、すなわち、それぞれヌクレ
オチド又はアミノ酸配列が種内で、個体によって異なる核酸及びポリペプチドが挙げられ
る。天然に存在しないバリアントとしては、それぞれヌクレオチド又はアミノ酸配列の変
化を含む、核酸及びポリペプチドが挙げられる。ここでは、配列の変化は、人工的に導入
される、例えば、変化は、実験室又は他の施設内で、人間の介入(「人の手」)によっても
たらされる。

0062

FGF19に関する用語「天然の」とは、生物学的に活性な天然に存在するFGF19バリアント
を含めて、生物学的に活性な天然に存在するFGF19をいう。この用語には、194アミノ酸ヒ
トFGF19成熟配列が含まれる。

0063

用語「標識」、「標識すること」などは、本開示のポリペプチド又は核酸(又は、適切
な場合には抗体)の文脈で使用する場合、概して、例えば、ポリペプチド精製、同定、単
離、及び合成において有用な、任意の手段をいうものとする。標識は、一般に、対象ポリ
ペプチドと共有結合的に結合し、また、成熟ポリペプチドへの(一般にN-又はC-終端での)
付着、固相ペプチド合成中の組み込みを含めた、当技術分野で公知の任意の方式で、又は
組み換え手段を通じて導入することができる。例としては、限定はされないが、蛍光、ビ
オチン化、及び放射性同位体が挙げられる。ポリペプチド及び核酸分子は、インビトロ方
法とインビボ方法のどちらによっても標識することができる。標識試薬及びキットは、い
くつかの商業的供給源(例えば、Thermo Fischer Scientific社、Rockford,IL;及びMolecu
lar Probes/Life Technologies社;Grand Island,NY)から入手することができる。

0064

本明細書で使用する場合、用語「FLAG-タグ」、「FLAGオクタペプチド」などとは、組
換えDNA技術を使用してポリペプチドに付加することができる、8個のアミノ酸



ペプチドタグ(標識)をいう。ポリペプチドのFLAG成分に対する抗体は、例えば、アフィ
ティクロマトグラフィー及び免疫蛍光による細胞局在研究、又はSDS PAGEタンパク質電気
泳動による検出のために使用することができる。FLAG-タグは、他のアフィニティタグ(例
えば、ポリヒスチジンタグ(His-タグ)又はmyc-タグ)と共に使用することができ、また、
ポリペプチドのC-終端又はN-終端に融合させることができる。

0065

本明細書で使用される用語「変異タンパク質」は、概して、変異した組み換えタンパク
質、すなわち、アミノ酸配列の人工的に導入された変化、例えば、実験室又は他の施設内
で、人間の介入(「人の手」)によってもたらされたアミノ酸配列の変化を含むポリペプチ
ドをいう。これらのタンパク質は通常、単一の又は複数のアミノ酸置換を有し、しばしば
、部位特異的な又はランダム突然変異誘発にさらされているクローン化された遺伝子か
ら、又は完全に合成の遺伝子から得られる。

0066

天然のヒトFGF19又はFGF19変異タンパク質に関して本明細書で使用する場合、用語「改
変された」、「改変」などは、ヒトFGF19、天然に存在するFGF19バリアント、又はFGF19
変異タンパク質の、所望される特性を増強する1以上の変化をいう。ここでは、これらの
変化(1又は複数)は、FGF19の一次アミノ酸配列を変えない。こうした所望される特性とし
ては、例えば、溶解度を高めること、循環半減期延長させること、安定性を増大させる
こと、クリアランスを低下させること、免疫原性又はアレルゲン性を変えること、製造可
能性(例えば、費用及び効率)の側面を改良すること、及び、検出アッセイに使用するため
の(例えば、特有のエピトープの導入によって)特定の抗体の産生を可能にすることが挙げ
られる。ヒトFGF19、天然に存在するFGF19バリアント、又はFGF19変異タンパク質に対す
る、施すことができる変化としては、限定はされないが、ペグ化(ポリエチレングリコ
ル(PEG)又はその誘導体の1以上の分子の共有結合的付着);糖鎖付加(例えば、N-糖鎖付加)
ポリシアル酸付加、及びヘシル化(hesylation);アルブミン融合;アルブミン結合(例え
ば、共役脂肪酸鎖(アシル化)を介する);Fc-融合;及びPEG模倣体との融合が挙げられる。
いくつかの特定の実施態様は、ポリエチレングリコールを伴う改変を伴い、他の特定の実
施態様は、アルブミンを伴う改変を伴い、さらに他の特定の改変は、糖鎖付加を伴う改変
を伴う。

0067

用語「DNA」、「核酸」、「核酸分子」、「ポリヌクレオチド」などは、本明細書で互
換的に使用され、任意の長さの重合形状のヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド若し
くはリボヌクレオチドのいずれか、又はこれらの類似体をいう。ポリヌクレオチドの非限
定的な例としては、線状及び環状の核酸、メッセンジャーRNA(mRNA)、相補的DNA(cDNA)、
組み換えポリヌクレオチドベクタープローブプライマーなどが挙げられる。

0068

用語「プローブ」とは、対象の遺伝子又は配列に対応するDNA又はRNAの断片をいう。こ
こでは、該断片は、放射性によって(例えば、32P又は35Sを組み込むことによって)、又は
ビオチンジゴキシゲニン、又はフルオレセインなど、何らかの他の検出可能な分子を
用いて標識されている。相補的な配列をもつDNA又はRNAの配列は、ハイブリッド形成する
こととなるので、プローブは、例えば、ウイルスプラーク細菌コロニー、又は、対象遺
伝子を含有するゲル上のバンドを標識するために使用することができる。プローブは、ク
ローン化されたDNAであり得る、又は、合成のDNAストランドであり得る;後者は、例えば
、タンパク質の一部を微小配列決定(microsequence)し、該タンパク質をコードする核酸
配列を推定し、その配列を有するオリゴヌクレオチドを合成し、該配列を放射性標識し、
これをプローブとして使用して、cDNAライブラリ又はゲノムライブラリをスクリーニング
することによって、単離されたタンパク質からcDNA又はゲノムクローンを得るために使用
することができる。

0069

用語「異種」とは、異なる供給源に由来する構造によって定義される2種の成分をいう
。例えば、ポリペプチドの文脈では、「異種」ポリペプチドは、異なるポリペプチドに由
来する作動可能に連結されたアミノ酸配列を含むことができる。同様に、キメラポリペプ
チドをコードするポリヌクレオチドの文脈では、「異種」ポリヌクレオチドは、異なる遺
伝子に由来し得る作動可能に連結された核酸配列を含むことができる。「異種」核酸の例
としては、コード配列を含む核酸が、コード配列の遺伝的起原とは異なる遺伝的起原由来
調節エレメント(例えば、プロモーター)と作動可能に連結された、(例えば、プロモ
ター、コード配列、又はこれらの両方とは異なる遺伝的起原であり得る、対象宿主細胞
おける発現を提供するための)発現構築物が挙げられる。組み換え細胞の文脈では、「異
種」とは、それが存在する宿主細胞とは異なる遺伝的起原のものである核酸(又は、ポリ
ペプチドなどの遺伝子産物の存在をいうことができる。

0070

用語「作動可能に連結された」とは、所望の機能を提供する、分子間の結合をいう。例
えば、「作動可能に連結された」は、核酸の文脈では、核酸配列間の機能性の結合をいう
。例として、核酸発現制御配列(プロモーター、シグナル配列、又は一連の転写因子結合
部位など)は、第2のポリヌクレオチドと作動可能に連結することができる。ここでは、該
発現制御配列は、第2のポリヌクレオチドの転写及び/又は翻訳に影響を与える。ポリペプ
チドの文脈では、「作動可能に連結された」とは、ポリペプチドの記載された活性を提供
するための、アミノ酸配列(例えば、異なるドメイン)間の機能性の結合をいう。

0071

本明細書で使用する場合、ポリペプチドの構造の文脈では、「N-終端」(又は「アミノ
終端」)及び「C-終端」(又は「カルボキシル終端」)とは、それぞれ、ポリペプチドの最
も遠いアミノ及びカルボキシル端をいい、一方で、用語「N-末端」及び「C-末端」とは、
それぞれ、N-終端及びC-終端に対するポリペプチドのアミノ酸配列における相対的位置を
いい、それぞれ、N-終端及びC-終端の残基を含むことができる。「N-末端直近」又は「C-
末端直近」とは、第2のアミノ酸残基に対する第1のアミノ酸残基の位置をいう。ここでは
、第1と第2のアミノ酸残基は、共有結合的に結合されて、連続的アミノ酸配列を提供して
いる。

0072

「から得られる」は、アミノ酸配列又はポリヌクレオチド配列の文脈(例えば、FGF19ポ
リペプチド「から得られる」アミノ酸配列)では、ポリペプチド又は核酸が、参照ポリペ
プチド又は核酸(例えば、天然に存在するFGF19ポリペプチド又はFGF19をコードしている
核酸)の配列に基づく配列を有することを示すことが意図されるが、タンパク質又は核酸
が作製される供給源又は方法に関して制限することは意図されない。例として、用語 「
から得られる」は、参照アミノ酸又はDNA配列同族体又はバリアントを含む。

0073

ポリペプチドの文脈では、用語「単離された」とは、天然に存在する場合に、それが天
然に存在し得る環境とは異なる環境にある対象のポリペプチドをいう。「単離された」は
、対象のポリペプチドについて実質的に濃縮された、及び/又は対象のポリペプチドが、
部分的に又は実質的に精製された試料内であるポリペプチドを含むことが意図される。ポ
リペプチドが天然に存在しない場合、「単離された」は、ポリペプチドが、合成手段又は
組み換え手段のいずれかによって作製された環境から分離されていることを示す。

0074

「濃縮された」は、対象のポリペプチドが、a)生体試料(例えば、ポリペプチドが天然
に存在する、又は投与後に存在する試料)などの出発試料中のポリペプチドの濃度よりも
高い(例えば、少なくとも3倍高い、少なくとも4倍高い、少なくとも8倍高い、少なくとも
64倍高い、又はそれ以上の)濃度、又はb)ポリペプチドが作製される環境(例えば、細菌細
胞中など)よりも高い濃度で存在するように、試料が(例えば、科学者又は臨床医によって
)天然にではなく操作されたことを意味する。

0075

「実質的に純粋な」は、成分(例えば、ポリペプチド)が、組成物の全量の約50%超、一
般的に、ポリペプチド全量の約60%超を構成することを示す。より一般的には、「実質的
に純粋な」とは、全組成物の少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%、又はそれ
以上が、対象の成分である組成物をいう。ある場合では、ポリペプチドは、組成物の全量
の約90%超、又は約95%超を構成することとなる。

0076

用語「分析すること」及び「測定すること」及びこれらの文法的変化形は、本明細書で
は互換的に使用され、定性的若しくは定量的決定のいずれか、又は定性的と定量的決定の
両方をいう。これらの用語が、検出に関して使用される場合、本明細書に説明した及び当
技術分野で公知である様々な方法を含めて、相対量を評価するあらゆる手段が意図される
。例えば、遺伝子発現は、ノーザンブロット、ウエスタンブロット、免疫沈降分析によっ
て、又は発現されたタンパク質の活性、機能、又は量を測定することによって、分析又は
測定することができる。

0077

用語「抗体」(Ab)及び「免疫グロブリン」(Ig)とは、同じ構造特性を有する糖タンパク
質をいう。抗体が、特定の抗原に対する結合特異性を呈するのに対して、免疫グロブリン
には、抗体と、抗原特異性欠く他の抗体様分子との両方が含まれる。

0078

用語「モノクローナル抗体」とは、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体をいう
。すなわち、個々の抗体を含む集団は、微量で存在する可能性がある天然に存在する変異
の可能性を除けば同一である。モノクローナル抗体は、高度に特異的であり、単一の抗原
部位に向かう。異なる決定基(エピトープ)に向かう異なる抗体を含む可能性があるポリク
ローナル抗体調製物とは対照的に、各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に向
かう。

0079

抗体の文脈では、用語「単離された」とは、その天然の環境の混入成分から分離及び/
又は回収されている抗体をいう;こうした混入成分としては、抗体の診断的又は治療的使
用を妨げる可能性がある材料が挙げられ、酵素ホルモン、及び他のタンパク質性又は非
タンパク質性溶質が含まれ得る。

0080

本明細書で使用する場合、用語「FGF19依存性の」及び類似の用語は、疾患、障害、又
は状態の文脈で使用される場合、原因のすべて又は一部がFGF19の発現である、疾患、障
害、又は他の状態をいう。ある種の実施態様では、FGF19の発現は、対照と比較すると増
幅される。いくつかの実施態様では、FGF19の発現は、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35
%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくはそれ以上
、又はこれらの任意の数値範囲だけ増幅される。いくつかの実施態様では、FGF19の増幅
された発現は、疾患、障害、若しくは状態、又はこれらの症状を、直接的にもたらす。他
の実施態様では、FGF19の増幅された発現は、疾患、障害、若しくは状態、又はこれらの
症状を、間接的にもたらす。

0081

(線維芽細胞増殖因子19(FGF19))
線維芽細胞増殖因子(FGF)は、細胞の増殖及び分化において重要な役割を担う増殖因子
ファミリーである。ヒトでは、FGFファミリーの22のメンバーが同定されており、これ
らはすべて、構造的に関連するシグナル伝達分子である。FGFのFGF19サブファミリーは、
ヒトFGF21、FGF23、及びFGF19、並びにマウスFGF15からなる。

0082

FGFファミリーメンバーの生理学的効果は、FGF受容体チロシンキナーゼ(FGFR)ファミリ
ー(それぞれがチロシンキナーゼドメインを有する4つのメンバー(FGFR1、FGFR2、FGFR3、
及びFGFR4)が含まれる)の1以上のメンバーへのヘパリン依存性の結合の結果である。さら
に、FGFR1、FGFR2、及びFGFR3はそれぞれ、「b」及び「c」バリアントと呼ばれる2つのス
プライスバリアント(すなわち、FGFR1b、FGFR2b、FGFR3b、FGFR1c、FGFR2c、及びFGFR3c)
も有する。

0083

FGF19は、脂肪細胞と肝細胞の両方を標的にし、これらに対して影響を与える。組み換
えヒトFGF19で治療されたマウスは、高脂肪の食事であるにもかかわらず、代謝率の増大
、脂質酸化の増大、より低い呼吸商、及び体重減少を示す。FGF19の代謝的効果は、FGFR1
c、FGFR2c、及びFGFR3c受容体への結合を介して生じ、その中で、FGFR1c及びFGFR2cへの
結合が最も重要である。これらの受容体へのFGF19結合は、共受容体Klotho-β(KLB)を必
要とする。

0084

FGF19はまた、肝臓による胆汁産生を調節することが示されている。したがって、FGF19
様の薬剤は、胆汁酸恒常性における重要な役割を果たすことができる。結果は、FGF19に
よって調節される肝臓胆汁酸代謝が、そのグルコース降下効果とは無関係である可能性が
あることを示唆している。

0085

本明細書の他の場所に言及した通り、糖尿病の治療のための胃バイパス手術の使用は、
大抵の患者におけるII型糖尿病を完全にかつ持続的に治療することが示されている。この
肥満学的効果」は、手術のほんの数日後、かつ有意な体重減少が達成されるずっと前に
は明白である。FGF19レベルは、肥満外科手術後に増大し、これは、肥満学的効果の原因
である可能性がある。

0086

FGF19は、22残基のシグナルペプチドを含む、216アミノ酸のポリペプチドとして発現さ
れる(GenBank:AAQ88669.1)。成熟ヒトFGF19(野生型)は、次のアミノ酸配列を含む194アミ
ノ酸のポリペプチドである:

0087

(FGF19及び肝細胞癌)
本明細書に記載した通り、FGF19は、癌、特にHCC、すなわち最も一般的なタイプの肝臓
癌の誘発と関連がある。ある種の態様によれば、所望の代謝活性(例えば、グルコース降
下活性)を有するが、実質的なHCC活性をを欠く又は有しない、本明細書に示した通りのポ
リペプチド、若しくは部分配列、バリアント、又はこれらの改変形態を特定する方法及び
モデルが提供される。様々な代謝障害及び関連する方法(例えば、グルコースレベルを測
定する方法)は、癌を検出する方法と共に、本明細書の他の場所に記載されている、また
、当技術分野で公知である。

0088

HCCのスクリーニング及び診断において、様々な方法論を使用することができ、これら
は、当業者に周知である。HCCの指標としては、限定はされないが、上昇するα-フェトプ
テイン(AFP)又はデス-γ-カルボキシプロトロンビン(DCP)レベルなどの腫瘍マーカー
検出が挙げられる。超音波、CTスキャン、及びMRIを含めた、いくつかの様々なスキャニ
ング及び画像化技術利用可能である。本明細書で提供される方法及びモデルの、ある種
の実施態様に関しては、ポリペプチド(例えば、候補ポリペプチド)が、HCCを誘発する証
拠を呈するかどうかの評価は、例えば、ポリペプチドを投与された動物モデル(例えば、d
b/dbマウスモデル)におけるHCC結節形成を、野生型FGF19によって誘発されるHCC結節
成と比較して定量化することによって、インビボで決定される。肉眼的には、HCCは、結
節状であり得るのに対し、腫瘍結節(これは、しばしば、円形から楕円形、灰色又は緑色
、十分に境界があるが封入されてはいない)は、1つの大きな塊又は複数の小さな塊のいず
れかとして見える。或いは、HCCは、拡散し、境界がはっきりしておらず、しばしば門脈
浸潤する、浸潤性の腫瘍として存在する可能性がある。HCCの危険因子としては、2型糖
尿病(多くの場合、肥満によって悪化する)が挙げられる。2型糖尿病におけるHCCのリスク
は、糖尿病の期間及び治療プロトコルに応じて(非糖尿病のリスクの〜2.5から〜7倍)高く
なる。

0089

1以上の前述の方法論によって、HCCの存在の可能性が高いことが示された結果の後、肝
組織試料の病理学的評価が、一般に実施される。したがって、本明細書で提供される方法
のある種の実施態様は、ポリペプチド配列が、HCCを誘発する証拠を呈するかどうかを決
定するために、HCC研究に有用なインビボ動物モデルからの肝組織試料を評価することを
さらに含む。ある種の実施態様では、インビボ動物モデルは、db/dbマウスモデルである
顕微鏡評価によって、病理学者は、4つの一般的な構造的及び細胞学的タイプ(パターン
)のHCC(すなわち、線維層板型、腺性(腺様)、多形性(巨細胞)、及び明細胞)のうちの1
つが存在するかどうかを決定することができる。

0090

(所望の特性を有するFGF19バリアントポリペプチドを特定するための方法及びモデル)
FGF19バリアントポリペプチド、及び少なくともいくつかの点でFGF19の活性を模倣する
他の薬剤は、科学文献と特許文献の両方に記載されている。例えば、Wuらの文献、PLos O
ne,6:e17868(2001年3月11日);米国特許第8,324,160号;及び米国特許出願公開第2011/0195
895号;第2011/0207912号、及び第2011/0104152号を参照のこと。限定の意図はまったく無
いが、候補FGF19バリアント配列としては、FGF19(配列番号:3)のアミノ酸16〜20のWGDPI
配列に相当するWGDPI(配列番号:4)配列モチーフを有するポリペプチドが挙げられる。本
明細書で意図される特定のポリペプチドは、次のアミノ酸配列:



を有する。

0091

他の実施態様では、FGF19バリアントは、以下に示した通りのアミノ酸配列:






又は、前述のペプチド配列のいずれかの、その部分配列若しくは断片を含む、又はこれら
からなる。前述のペプチド配列のいずれかのある種の実施態様では、N-末端のR残基が欠
失している。

0092

先に記載した通り、本開示の一態様は、代謝障害を患う試験対象が、FGF19バリアント
での治療の候補であるかどうかを決定するための方法であって、(a)癌性状態の徴候を有
する試験対象であって、代謝障害を患う前記試験対象を提供することと、(b)FGF19又はFG
F19代替物と、FGF19バリアントとを前記試験対象に共投与する(ここでは、前記試験対象
に投与されるFGF19又はFGF19代替物の量は、参照集団において癌性状態を誘発するのに十
分である)ことと、(c)前記試験対象において癌性状態の徴候が増強されるかどうかを決定
することとを含む(ここでは、癌性状態の徴候の増強の非存在が、前記試験対象がFGF19バ
リアントでの治療の候補であることを示す)前記方法を意図する。

0093

本開示の別の態様は、代謝障害を患う試験対象が、FGF19バリアントでの治療の候補で
あるかどうかを決定するための方法であって、(a)癌性状態の徴候を有する試験対象であ
って、代謝障害を患う前記試験対象を提供することと、(b)FGF19又はFGF19代替物と、FGF
19バリアントとを前記試験対象に共投与する(ここでは、前記試験対象に投与されるFGF19
又はFGF19代替物の量は、参照集団において癌性状態を誘発するのに十分である)ことと、
(c)前記試験対象において、癌性状態の徴候が低減されるかどうかを決定することとを含
む(ここでは、癌性状態の徴候の低減が、前記試験対象がFGF19バリアントでの治療の候補
であることを示す)前記方法を意図する。

0094

本開示はまた、FGF19バリアントが、代謝障害を患う試験対象を治療するための候補で
あるかどうかを決定するための方法であって、(a)FGF19又はFGF19代替物と、FGF19バリア
ントとを、代謝障害を患う前記試験対象に共投与する(ここでは、前記試験対象に投与さ
れるFGF19又はFGF19代替物の量は、参照集団において癌性状態を誘発するのに十分である
)ことと、(b)前記試験対象において、癌性状態の徴候が観察されるかどうかを決定するこ
ととを含む(ここでは、癌性状態の徴候の非存在が、FGF19バリアントが、前記試験対象の
治療のための候補であることを示す)前記方法を意図する。

0095

本明細書で意図されるさらなる実施態様は、FGF19バリアントが、代謝障害を患う試験
対象を治療するための候補であるかどうかを決定するための方法であって、(a)代謝障害
を患う試験対象であって、癌性状態の徴候を有する試験対象を提供することと、(b)FGF19
又はFGF19代替物と、FGF19バリアントとを前記試験対象に共投与する(ここでは、前記試
験対象に投与されるFGF19又はFGF19代替物の量は、参照集団において癌性状態を増悪させ
るのに十分である)ことと、(c)前記試験対象において、癌性状態の徴候が増強されるかど
うかを決定することとを含む(ここでは、癌性状態の徴候の増悪の非存在が、FGF19バリア
ントが、前記試験対象の治療のための候補であることを示す)前記方法に関心が持たれる
。特定の実施態様では、癌性状態の1以上の徴候は、試験対象において低減される。

0096

本明細書で提供される方法のある種の実施態様では、FGF19バリアントは、M5、M6、M7
、M14、M15、M32、M36、M43、M52、M53、M67、M68、M69、M70、M75、M76、M77、M83、M84
、M140、M144、M145、M146、及びM160からなる群から選択される。一実施態様では、FGF1
9バリアントは、M5である。別の実施態様では、FGF19バリアントは、M6である。いくつか
の実施態様では、FGF19バリアントは、M7である。

0097

一実施態様では、FGF19バリアントは、M14である。別の実施態様では、FGF19バリアン
トは、M15である。他の実施態様では、FGF19バリアントは、M32である。一実施態様では
、FGF19バリアントは、M36である。別の実施態様では、FGF19バリアントは、M43である。
他の実施態様では、FGF19バリアントは、M52である。さらに他の実施態様では、FGF19バ
リアントは、M53である。いくつかの実施態様では、FGF19バリアントは、M67である。

0098

一実施態様では、FGF19バリアントは、M68である。別の実施態様では、FGF19バリアン
トは、M69である。いくつかの実施態様では、FGF19バリアントは、M70である。一実施態
様では、FGF19バリアントは、M75である。別の実施態様では、FGF19バリアントは、M76で
ある。他の実施態様では、FGF19バリアントは、M77である。さらに他の実施態様では、FG
F19バリアントは、M83である。一実施態様では、FGF19バリアントは、M84である。

0099

別の実施態様では、FGF19バリアントは、M140である。他の実施態様では、FGF19バリア
ントは、M144である。さらに他の実施態様では、FGF19バリアントは、M145である。一実
施態様では、FGF19バリアントは、M146である。いくつかの実施態様では、FGF19バリアン
トは、M160である。他の実施態様では、2つ以上の前述のFGF19バリアントの任意の組み合
わせも意図される。

0100

本明細書で提供される方法のいくつかの実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:
5〜29のいずれか1つ;又はその部分配列若しくは断片に示したアミノ酸配列を含む。ある
種の実施態様では、N-末端のR残基は、欠失している。いくつかの実施態様では、FGF19バ
リアントは、配列番号:5を含む。他の実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:6を
含む。一実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:7を含む。他の実施態様では、FGF
19バリアントは、配列番号:8を含む。別の実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:
9を含む。いくつかの実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:10を含む。他の実施
態様では、FGF19バリアントは、配列番号:11を含む。別の実施態様では、FGF19バリアン
トは、配列番号:12を含む。いくつかの実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:13
を含む。他の実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:14を含む。一実施態様では、
FGF19バリアントは、配列番号:15を含む。別の実施態様では、FGF19バリアントは、配列
番号:16を含む。いくつかの実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:17を含む。他
の実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:18を含む。さらに他の実施態様では、FG
F19バリアントは、配列番号:19を含む。いくつかの実施態様では、FGF19バリアントは、
配列番号:20を含む。一実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:21を含む。いくつ
かの実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:22を含む。他の実施態様では、FGF19
バリアントは、配列番号:23を含む。別の実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:2
4を含む。いくつかの実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:25を含む。他の実施
態様では、FGF19バリアントは、配列番号:26を含む。さらに他の実施態様では、FGF19バ
リアントは、配列番号:27を含む。いくつかの実施態様では、FGF19バリアントは、配列番
号:28を含む。他の実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:29を含む。ある種の実
施態様では、FGF19バリアントは、前述の配列のいずれか1つを含み、ここでは、N-末端の
R残基は、欠失している。いくつかの実施態様では、FGF19バリアントは、前述の配列のい
ずれかの部分配列を含む。他の実施態様では、2つ以上の前述のFGF19バリアントの任意の
組み合わせも意図される。

0101

本明細書で提供される方法のいくつかの実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:
5〜29のいずれか1つ;又はその部分配列若しくは断片に示したアミノ酸配列アミノ酸配列
からなる。ある種の実施態様では、N-末端のR残基は、欠失している。いくつかの実施態
様では、FGF19バリアントは、配列番号:5からなる。他の実施態様では、FGF19バリアント
は、配列番号:6からなる。一実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:7からなる。
他の実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:8からなる。別の実施態様では、FGF19
バリアントは、配列番号:9からなる。いくつかの実施態様では、FGF19バリアントは、配
列番号:10からなる。他の実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:11からなる。別
の実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:12からなる。いくつかの実施態様では、
FGF19バリアントは、配列番号:13からなる。他の実施態様では、FGF19バリアントは、配
列番号:14からなる。一実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:15からなる。別の
実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:16からなる。いくつかの実施態様では、FG
F19バリアントは、配列番号:17からなる。他の実施態様では、FGF19バリアントは、配列
番号:18からなる。さらに他の実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:19からなる
。いくつかの実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:20からなる。一実施態様では
、FGF19バリアントは、配列番号:21からなる。いくつかの実施態様では、FGF19バリアン
トは、配列番号:22からなる。他の実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:23から
なる。別の実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:24からなる。いくつかの実施態
様では、FGF19バリアントは、配列番号:25からなる。他の実施態様では、FGF19バリアン
トは、配列番号:26からなる。さらに他の実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:2
7からなる。いくつかの実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:28からなる。他の
実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:29からなる。ある種の実施態様では、FGF1
9バリアントは、前述の配列のいずれか1つからなり、ここでは、N-末端のR残基は、欠失
している。いくつかの実施態様では、FGF19バリアントは、前述の配列のいずれか1つの部
分配列からなる。他の実施態様では、2つ以上の前述のFGF19バリアントの任意の組み合わ
せも意図される。

0102

先に言及した通り、本開示はまた、様々なモデルも意図する。信頼できる、再現可能な
結果を提供する、いかなるモデルも使用することができる。当業者は、本開示の対象物
共に使用することができるモデルについて熟知している。いくつかの実施態様では、げっ
歯類モデル、特にマウスモデルが使用される。本開示の態様を実施する際には、実験セク
ションの実施例において使用されるob/obマウスモデルに加えて、db/db、db/ob、及びDIO
モデルも用途を見いだすことができる。

0103

1つのこうした実施態様は、FGF19バリアントが、代謝障害を患う対象における癌性の疾
患、障害、又は状態を予防するための候補であるかどうかを決定するためのモデルであっ
て、(i)有効量のFGF19又はFGF19代替物の投与の前に癌性状態の徴候を呈しない、かつ(ii
)FGF19又はFGF19代替物の投与の後に癌性状態の徴候を呈する対象を含み、ここでは、癌
性状態の徴候は、配列番号:1に示したアミノ酸配列を含む有効量のポリペプチドの投与時
に改善する、前記モデルを対象とする。ある種の実施態様では、該ポリペプチドは、配列
番号:1に示したアミノ酸配列からなる。

0104

本開示はまた、FGF19バリアントが、代謝障害を患う対象における癌性の疾患、障害、
又は状態を治療するための候補であるかどうかを決定するためのモデルであって、FGF19
又はFGF19代替物の投与に由来する癌の少なくとも1つの徴候を有する対象を含み、ここで
は、癌の徴候は、配列番号:1に示したアミノ酸配列を含む有効量のポリペプチドの投与時
に改善する、前記モデルを意図する。ある種の実施態様では、該ポリペプチドは、配列番
号:1に示したアミノ酸配列からなる。

0105

いくつかの実施態様では、本明細書で提供されるのは、FGF19バリアントが、代謝障害
を患う対象における癌性の疾患、障害、又は状態を予防するための候補であるかどうかを
決定するためのモデルであって、i)有効量のFGF19又はFGF19代替物の投与の前に癌性状態
の徴候を呈しない、かつii)FGF19又はFGF19代替物の投与の後に癌性状態の徴候を呈する
対象を含み、ここでは、癌性状態の徴候は、有効量のFGF19バリアントの投与時に改善す
る、前記モデルである。

0106

他の実施態様では、本明細書で提供されるのは、FGF19バリアントが、代謝障害を患う
対象における癌性の疾患、障害、又は状態を治療するための候補であるかどうかを決定す
るためのモデルであって、FGF19又はFGF19代替物の投与に由来する癌の少なくとも1つの
徴候を有する対象を含み、ここでは、癌の徴候は、有効量のFGF19バリアントの投与時に
改善する、前記モデルである。

0107

本明細書で提供されるモデルのある種の実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:
5〜29のいずれか1つ;又はその部分配列若しくは断片に示したアミノ酸配列を含む。本明
細書で提供されるモデルの他の実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:5〜29のい
ずれか1つ;又はその部分配列若しくは断片に示したアミノ酸配列からなる。ある種の実施
態様では、N-末端のR残基は、欠失している。いくつかの実施態様では、FGF19バリアント
は、配列番号:5を含む又は配列番号:5からなる。他の実施態様では、FGF19バリアントは
、配列番号:6を含む又は配列番号:6からなる。一実施態様では、FGF19バリアントは、配
列番号:7を含む又は配列番号:7からなる。他の実施態様では、FGF19バリアントは、配列
番号:8を含む又は配列番号:8からなる。別の実施態様では、FGF19バリアントは、配列番
号:9を含む又は配列番号:9からなる。いくつかの実施態様では、FGF19バリアントは、配
列番号:10を含む又は配列番号:10からなる。他の実施態様では、FGF19バリアントは、配
列番号:11を含む又は配列番号:11からなる。別の実施態様では、FGF19バリアントは、配
列番号:12を含む又は配列番号:12からなる。いくつかの実施態様では、FGF19バリアント
は、配列番号:13を含む又は配列番号:13からなる。他の実施態様では、FGF19バリアント
は、配列番号:14を含む又は配列番号:14からなる。一実施態様では、FGF19バリアントは
、配列番号:15を含む又は配列番号:15からなる。別の実施態様では、FGF19バリアントは
、配列番号:16を含む又は配列番号:16からなる。いくつかの実施態様では、FGF19バリア
ントは、配列番号:17を含む又は配列番号:17からなる。他の実施態様では、FGF19バリア
ントは、配列番号:18を含む又は配列番号:18からなる。さらに他の実施態様では、FGF19
バリアントは、配列番号:19を含む又は配列番号:19からなる。いくつかの実施態様では、
FGF19バリアントは、配列番号:20を含む又は配列番号:20からなる。一実施態様では、FGF
19バリアントは、配列番号:21を含む又は配列番号:21からなる。いくつかの実施態様では
、FGF19バリアントは、配列番号:22を含む又は配列番号:22からなる。他の実施態様では
、FGF19バリアントは、配列番号:23を含む又は配列番号:23からなる。別の実施態様では
、FGF19バリアントは、配列番号:24を含む又は配列番号:24からなる。いくつかの実施態
様では、FGF19バリアントは、配列番号:25を含む又は配列番号:25からなる。他の実施態
様では、FGF19バリアントは、配列番号:26を含む又は配列番号:26からなる。さらに他の
実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:27を含む又は配列番号:27からなる。いく
つかの実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:28を含む又は配列番号:28からなる
。他の実施態様では、FGF19バリアントは、配列番号:29を含む又は配列番号:29からなる
。ある種の実施態様では、FGF19バリアントは、前述の配列のいずれか1つを含む又は前述
の配列のいずれか1つからなり、ここでは、N-末端のR残基は、欠失している。いくつかの
実施態様では、FGF19バリアントは、前述の配列のいずれか1つの部分配列を含む又は前述
の配列のいずれかの部分配列からなる。他の実施態様では、2つ以上の前述のFGF19バリア
ントの任意の組み合わせも意図される。

0108

(FGF19バリアントと共投与されるFGF19の効果の評価)
実験セクションに説明する実施例では、単独で投与された又はFGF19バリアントM70と共
投与されたFGF19の、db/dbマウスに対する影響を評価した。ビヒクルとしてアデノ随伴
イルス(AAV)を使用して、マウスにおいて対象の外因性遺伝子送達及び発現させ、導入
遺伝子によってコードされたタンパク質への継続的、持続的、かつ全身的な曝露を可能に
した。

0109

図2は、GFP(対照);FGF19(2つの別々の用量);及びFGF19とFGF19バリアントM70(それぞれ
2つの別々の用量)のAAV介在性の遺伝子送達の5週後のdb/dbマウスにおける、ELISAによっ
て決定された血漿FGF19濃度を示す。FGF19とM70導入遺伝子の共投与の後に観察された高
いFGF19濃度は、FGF19バリアントM70とFGF19の両方の発現からの寄与を反映している。こ
の実施例では、実験結果の定量化を容易にするために、FGF19-flagを使用した;実験セク
ションに説明した通り、c-Flag成分は、FGF19の腫瘍形成効果に影響を与えなかったが、
これは、FGF19の抗糖尿病効果に対する影響を有することができる。

0110

FGF19単独の投与と比較した、HCCに対するFGF19とFGF19バリアントM70の共投与の影響
の可能性を評価した。図3に示す通り、db/dbマウスモデルにおけるFGF19の異所性発現
、肝臓表面から膨隆している複数の大きな盛り上がった腫瘍結節の形成を促進したのに対
し、FGF19とM70の両方を発現しているマウスから単離された肝臓には、(用いられる条件
下で)肝臓結節はまったくなかった。さらに、FGF19介在性の腫瘍形成は、肝臓病変の出現
によって裏付けられた通り、FGF19とM70導入遺伝子が共発現された場合には、完全に抑制
される。これらのデータは、操作されたFGF19バリアントM70が、野生型タンパク質を伴う
マウスにおける腫瘍形成能を欠くだけでなく、野生型タンパク質の増殖促進効果を効率的
に妨げることができることを示唆しているという点で驚くべきことである。本発明を実施
するために、この事象に関連する根本的な作用機序の正確な理解は必要とされないが、こ
れは、少なくともある程度、FGF19結合部位での、M70の野生型FGF19に対する競合に起因
し得る。

0111

実施例4は、注射前に最初に測定され、その後、示された導入遺伝子の注射の3-、5-、
及び23-週後に決定された、マウス体重に対する効果を示す。図4に示す通り、FGF19バリ
アントM70とFGF19を共発現しているトランスジェニックdb/dbマウスは、対照を投与され
た動物と比較して、体重の有意な減少を示したのに対して、FGF19導入遺伝子のみを発現
しているマウスでは、体重に対するそれほど劇的ではない効果が観察された。FGF19とM70
導入遺伝子を共発現しているマウスにおいて観察された体重の変化はまた、対照群内の動
物から採取した肝臓の重量と比較した、肝臓重量の低下にも反映された。

0112

体重の決定と類似の方式で、導入遺伝子発現の血糖に対する効果も、導入遺伝子注射の
前と、注射の3-、5-、及び23-週後に評価した。図5に示した結果は、FGF19バリアントM70
とFGF19を共発現しているトランスジェニックdb/dbマウスが、対照動物と比較して、血糖
濃度の有意な低下を示すことを示唆する。

0113

先述の研究及び日付の発展として、また、実験セクションの実施例6〜11に提供される
通り、インビボ腫瘍形成能モデルをマウスにおいて確立して、例えば、胆汁酸恒常性にお
けるその本質的役割を損なわずに腫瘍形成におけるFGF19を標的にする目的で、FGF19誘発
性肝発癌性を評価した。実施例7は、インビボでの肝細胞腫瘍形成の評価のためのAAV介在
性の導入遺伝子システムを示す。FGF19導入遺伝子発現は、AAV介在性の遺伝子送達手法を
使用して導入した(Zhangらの文献、2009年、Hum.Gene Ther.20、922〜929)。実施例8に示
す通り、あるパネルのFGF19バリアントを、インビボで評価し、M70を含めた腫瘍非存在バ
リアントを特定した。注目すべきことには、実施例8及び9で提供される通り、M70は、胆
酸恒常性を調節する有益な活性を保持することが示され;M70はまた、FGFR4(これは、FG
F19に伴われる腫瘍形成能を仲介すると想定されている)と結合し、活性化させることが示
された(Frenchらの文献、2012年、PloS one 7,e36713;Wuらの文献、2010年、J.Biol.Chem
.285、5165〜5170)。実施例10で提供される通り、FGF19は、STAT3経路、M70において消失
される活性を活性化することによって、腫瘍進行を刺激することが機構的に示された。さ
らに、実施例11で提供される通り、M70は、複数の腫瘍モデルにおいて、FGF19依存性の腫
瘍増殖を阻害することが示された。さらに、実施例12に提供する通り、M70は、同系マウ
スモデルにおいて、結腸腫瘍増殖を阻害することが示された。

0114

したがって、本明細書で提供される実施例では、天然のホルモンが、有益な機能(すな
わち、胆汁酸代謝)を完全なままにしつつ、有害な活性(すなわち、腫瘍形成能)の可能性
を選択的に消失するように操作される。広範な構造活性分析を通じて、M70を、FGFR4受容
複合体と結合し、選択的に活性化させて、胆汁酸恒常性を維持する、腫瘍非存在FGF19
バリアントと特定した。生理学的レベル超のM70に長期間(db/dbマウスでは24週、rasH2マ
ウスでは52週)曝露したマウスには、肝腫瘍が存在しなかった(実施例8;図7及び8)。M70は
また、マウスにおける、及びヒト癌異種移植片における、FGF19に伴われる腫瘍形成能を
妨害することが実証された(実施例11、図11)。腫瘍非存在FGF19バリアントは、以前に特
定されたが(Wuらの文献、2011年、PloS one 6,e17868;Wuらの文献、2010a、PNAS,107、14
158〜14163)、これらのバリアントは、FGFR4結合を排除するように特別に設計され、また
、その延長により、胆汁酸代謝の調節が損なわれた。対照的に、M70は、FGFR4と結合し、
FGFR4の下流のCyp7a1及びpERK経路を調節する際に、類似の強度及び効力を呈し(実施例9
及び10;図9及び10)、これらの結果は、インビボで、FGFR4/KLB受容体複合体(これは、肝
細胞腫瘍形成を引き起こさない)の選択的活性化の証拠を提供する。

0115

M70とFGF19との間の主な違いは、タンパク質のN-終端にある。各FGFファミリータンパ
ク質は、構造的に保存される中心の球状ドメインと、構造的に柔軟かつ一次配列多岐
ある隣接するN-末端及びC-末端セグメントからなる(Beenken 及びMohammadiの文献、2009
年、Nat.Rev.Drug Discov.8、235〜253)。複数のFGF/FGFR複合体のX線結晶構造において
は、FGF分子のN-末端セグメントは、FGFRと特異的に接触し、FGF-FGFR相互作用の特異性
を決定する重要な役割を担うと考えられている(Beenken及びMohammadiの文献、2009年、N
at.Rev.Drug.Discov.8、235〜253)。体系的なインビボスクリーニングの本発明者らの試
みを通じて、5-aa欠失と結合させたN-終端での3アミノ酸の変化が、胆汁酸調節などのFGF
R4依存性のプロセスを活性化するその能力を損なわずに腫瘍形成能を失わせることが示さ
れた。

0116

理論に拘されることを望まないが、いくつかの系統根拠によって、M70が、「偏っ
た(biased)リガンド」又は選択的モジュレーターの薬理学的特性を呈することが示される
。例えば、実施例9及び図9で提供される通り、M70は、野生型FGF19と類似の強度及び効力
をもつFGFR4の細胞外ドメインと結合する。M70は、FGFR4-KLB若しくはFGFR4を形質移入さ
せた細胞、又はFGFR4-KLBを内因的に発現している細胞におけるERKリン酸化を活性化する
。FGF19と同様に、M70は、初代肝細胞において、また、マウスにおいて、Cyp7a1を強力に
抑制する。FGF19とは異なり、M70は、肝腫瘍形成を促進しない。再び、理論に拘泥される
ことを望まないが、M70による腫瘍形成能の喪失は、pSTAT3、すなわち肝細胞性発癌経路
における重要なシグナル伝達分子の活性化の喪失によって説明される可能性がある。

0117

実施例10及び図10で提供される通り、FGF19は、肝臓におけるSTAT3を活性化するが、M7
0は肝臓におけるSTAT3を活性化しないことが示された。STAT3は、肝細胞性発癌における
主役である(He及びKarinの文献、2011年、Cell Res.21、159〜168)。リン酸化された(す
なわち活性化された)STAT3は、ヒトにおけるHCCの約60%に見られる(Heらの文献、2010年
、Cancer Cell 17、286〜297)。STAT3活性化はまた、HCC患者における予後不良と相関す
る(Calvisiらの文献、2006年、Gastroenterol.130、1117〜1128)。恒常活性型のSTAT3
は、細胞の形質転換における癌遺伝子として作用する(Brombergらの文献、1999年、Cell
98、295〜303。STAT3の肝細胞特異的な消失は、マウスにおけるHCC発生を妨げた(Heらの
文献、2010年、Cancer Cell 17、286〜297)。STAT3活性化の阻害剤は、ヒト癌細胞の増殖
を妨害し、HCCを含めた様々な癌を治療するために、臨床試験中である(Chenらの文献、20
10年、Clin.Cancer Res,16、5189〜5199;Karrasらの文献、2000年、Cellular immunol.20
2、124〜135;Linらの文献、2009年、Oncogene 28、961〜972)。他の炎症性サイトカイン
の中で、IL-6は、肝臓における主なSTAT3活性化因子であることが想定されている(Heらの
文献、2010年、Cancer Cell 17、286〜297)。IL-6シグナル伝達は、肝臓癌前駆体の悪性
の進行を刺激することが示されている(Heらの文献、2013年、Cell 155、384〜396)。IL-6
産生の増大は、原発性胆汁性肝硬変、すなわちHCCリスクの増大を伴う胆汁うっ滞性の状
態を有する患者において観察された(Kakumuらの文献、1993年、Gastroenterologia Japon
ica 28、18〜24)。FGF19はまた、実施例10及び図10において、インビボでSTAT3シグナル
伝達を活性化することが示される。この効果は、FGFR4受容体複合体によって直接的に、
又はサイトカイン又は増殖因子の誘発を通じて間接的に仲介される可能性がある。実際、
IL-6の発現は、本発明者らの研究において、FGF19で治療された動物の肝臓において上昇
する(実施例10;図10)。

0118

M70は、FGF19結合を置き換える、又はFGF19結合を妨げることが可能であるので、FGFR4
上のオルソステリック部位と結合し、FGF19に伴われる腫瘍形成能を阻害することができ
る。さらに、M70は、すべての経路を、無差別に同じ程度まで遮断するわけではない。M70
は、ある種のアロステリックモジュレーター(図12)について観察される通り、他のもの(
すなわち腫瘍)を相対的に除外するほどに、ある種のFGFR4シグナル伝達経路(すなわちCyp
7a1、pERK)へと付勢する。

0119

治療的視点から見ると、本発明者らの研究はまた、慢性肝臓疾患及び癌におけるM70の
使用のための実験的根拠を提供する。M70は、FGF19依存性の腫瘍の治療のための抗癌剤
して有用であり得る(例えば、実施例8及び11;図7、8、及び11を参照のこと)。これは、FG
F19が、〜15%ヒトHCCにおいて増幅され、かつ、しばしば腫瘍発生に至る肝硬変及び胆汁
うっ滞性の状態において上方調節されることを考えると、特に当てはまる。以前の報告
は、異種移植モデルにおいて抗腫瘍活性を示す抗FGF19モノクローナル抗体を中和するこ
との発生が示されたが(Desnoyersらの文献、2008年、Oncogene 27、85〜97)、こうした戦
略は、重大な有害作用を引き起こした。この抗体のカニクイザルへの投与は、内在性FGF1
9の狙い通りの阻害(肝内胆汁酸合成の増加、血清胆汁酸の上昇、腸肝循環撹乱、及び下
痢及び肝毒性の発生をもたらす)により、重い下痢を伴う、用量と関連する肝臓毒性をも
たらした(Paiらの文献、2012年、Toxicological sciences,126、446〜456)。

0120

実験セクションで提供される通り、また、抗体を中和することとは対照的に、本発明者
らの研究は、M70が、腫瘍形成能を消失しながら、胆汁酸調節に対するFGF19の活性を保持
することを示す(例えば、実施例8、9、及び11;図8、9、及び11を参照のこと)。これは、
抗癌剤として使用された場合の、胆汁酸恒常性の維持を確実にする。重要なことに、本明
細書で提供される実験データは、M70が、腫瘍形成能を欠くだけでなく、野生型FGF19に伴
う腫瘍形成効果を効率的に妨げることができることを示す。さらに、M70は、FGF19介在性
のHCCに加えて、結腸癌異種移植腫瘍の増殖を阻害する。M70はまた、同系マウスモデルに
おける結腸癌の増殖も阻害する(例えば、実施例12及び図13を参照のこと)。これらの結果
は、選択的FGFR4モジュレーターとして、M70が、FGF19の発癌活性を弱めることを裏付け
る。

0121

実験セクションで提供される通り、AAV介在性の遺伝子送達を使用して、成体マウス
おいて肝細胞腫瘍形成における複数のタンパク質を評価するために、頑強ハイスループ
トシステムも確立された。同所性部位(肝臓)でのFGF19の過剰発現は、複数の系統のマ
ウスにおける肝臓異形成、及びHCCの発生に至ることが示された。これは、胚形成におけ
交絡因子、及び従来のトランスジェニックマウス手法における発生を排除する。腫瘍イ
ニシエーション又はプロモーションのために、ジエチルニトロソアミン(DEN)又はフェノ
バルビタールなどの化学的腫瘍プロモーターは必要ではない。他の癌遺伝子、シグナル伝
達タンパク質、並びに天然のタンパク質のバリアントを評価するために、同じ手法を適合
させることができる。

0122

FGF19は、一連の生物学的効果を示す。FGF19の治療的可能性としては、慢性肝疾患、並
びに肥満及び糖尿病の治療が挙げられるが、肝細胞増殖及び発癌可能性のその促進が、習
慣的な使用のためのFGF19の開発に立ちはだかる。しかし、M70を、その強力な代謝特性を
保持しつつ腫瘍形成能を欠く、操作されたFGF19バリアントと特定することで、望まれな
副作用なしで治療効果が得られる可能性がある。本発明者らの結果は、FGFR4-KLB受容
体複合体の選択的活性化が肝腫瘍形成を誘発しないことを裏付けるだけでなく、癌、胆汁
調節解除を伴う疾患、2型糖尿病、及び他の代謝障害を治療するためにこの経路を利用
するための新規手段をさらに提供する。

0123

(ポリペプチド及び核酸分子)
本開示はまた、本明細書に記載したポリペプチド配列から得られる連続的アミノ酸残基
を含有するポリペプチドの活性な断片(例えば部分配列)を意図する。ペプチド又はポリペ
プチド部分配列の連続的アミノ酸残基の長さは、その部分配列が得られる特定の天然に存
在するアミノ酸配列に応じて変動する。ある種の実施態様では、ペプチド及びポリペプチ
ドは、約5アミノ酸から約10 アミノ酸、約10アミノ酸から約15アミノ酸、約15アミノ酸か
ら約20アミノ酸、約20アミノ酸から約25アミノ酸、約25アミノ酸から約30 アミノ酸、約3
0アミノ酸から約40アミノ酸、約40アミノ酸から約50アミノ酸、約50アミノ酸から約75ア
ミノ酸、約75アミノ酸から約100アミノ酸、又は約100アミノ酸から最大で完全長までのポ
リペプチドである。

0124

本明細書で提供されるFGF19バリアントポリペプチドのある種の実施態様では、アミノ
酸残基(又はその模倣体)の総数は、約250未満である。他の実施態様では、アミノ酸残基
の数は、約190から約230、約200から約225、又は約210から約220残基の範囲である。一層
さらなる実施態様では、アミノ酸残基の数は、180残基超、185残基超、190残基超、195残
基超、200残基超、205残基超、210残基超、215残基超、220残基超、又は225残基超である

0125

さらに、ある種の実施態様では、該ポリペプチドは、参照配列と比較して、定義された
長さの連続的アミノ酸(例えば「比較域(comparison window)」)にわたって、定義された
配列同一性を有する。比較のための配列のアラインメントの方法は、当技術分野で周知で
ある。比較のための配列の最適アラインメントは、例えば、Smith及びWatermanの文献、A
dv.Appl.Math.2:482(1981年)の局所相同性アルゴリズムによって、又はNeedleman及びW
unschの文献、J.Mol.Biol.48:443(1970年)の相同性アラインメントアルゴリズムによって
、又はPearson及びLipmanの文献、Proc.Nat'l.Acad.Sci.USA 85:2444(1988年)の類似性
索法(search for similarity method)によって、又はこれらのアルゴリズム(GAP、BESTFI
T、FASTA、及びTFASTA(Wisconsin Genetics Software Package、Madison,Wis.))のコン
ュータ処理される実行によって、又は手動アラインメント及び目視検査(例えば、「分子
生物学の最新プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)」(Ausubelら編、19
95年、別冊)を参照のこと)によって実施することができる。

0126

一例として、いくつかの実施態様では、適切なポリペプチドは、本明細書に記載したア
ミノ酸配列の1つの、約5アミノ酸から約10アミノ酸、約10アミノ酸から約12アミノ酸、約
12アミノ酸から約15アミノ酸、約15アミノ酸から約20アミノ酸、約20アミノ酸から約25ア
ミノ酸、約25アミノ酸から約30アミノ酸、約30アミノ酸から約35アミノ酸、約35アミノ酸
から約40アミノ酸、約40アミノ酸から約45アミノ酸、約45アミノ酸から約50アミノ酸、約
50アミノ酸から約60アミノ酸、約60アミノ酸から約70アミノ酸、約70アミノ酸から約80ア
ミノ酸、約80アミノ酸から約90アミノ酸、約90アミノ酸から約100アミノ酸、約100アミノ
酸から約110アミノ酸、約110アミノ酸から約120アミノ酸、約120アミノ酸から約130アミ
ノ酸、約130アミノ酸から約140アミノ酸、約140アミノ酸から約150アミノ酸、約150アミ
ノ酸から約160アミノ酸、約160アミノ酸から約170アミノ酸、約170アミノ酸から約180ア
ミノ酸、約180アミノ酸から約190アミノ酸、又は約194アミノ酸の連続的配列に対して、
少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約
95%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配
列を含む。

0127

ある種の実施態様では、該ポリペプチドは、天然供給源(例えば、その天然に存在する
環境ではない環境)から単離され、また、(例えば、細菌;酵母;ピキア(Pichia);昆虫細胞
などの遺伝子改変された宿主細胞において)組み換えによって作ることもできる(ここでは
、遺伝子改変された宿主細胞は、該ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核
酸を用いて改変される)。該ポリペプチドは、合成によって(例えば、無細胞化学合成によ
って)生成することもできる。生成の方法は、以下に、より詳細に記載する。

0128

いくつかの実施態様では、ポリペプチドは、当技術分野で公知の様々なFGF19関連の核
酸を操作して該ポリペプチドをコードすることが可能な構築物を提供するための、組み換
え技術を使用して産生される。ある特定のアミノ酸配列が提供される場合、当業者は、例
えば分子生物学における、自身の経歴と経験から見て、こうしたアミノ酸配列をコードす
る様々な異なる核酸分子を認識するであろうということを理解されたい。

0129

いくつかの実施態様では、本開示はまた、アミノ酸残基内に(例えば、バリアント又は
種を通して保存されない位置に)、参照配列(例えば、対応する野生型配列)と比較して1以
上の変更を有するポリペプチドも提供する。こうしたポリペプチドは、しばしば、種間で
保存されるドメインを保持し、天然に存在するポリペプチドと同じ生物活性を有する。こ
うしたポリペプチドはまた、しばしば、1以上の保存的アミノ酸置換を有する。語句「保
存的アミノ酸置換」とは、一般に、次のグループ内のアミノ酸残基の置換をいう:1)L、I
、M、V、F;2)R、K;3)F、Y、H、W、R;4)G、A、T、S;5)Q、N;及び6)D、E。保存的アミノ酸
置換は、タンパク質内のアミノ酸(1又は複数)を、類似の酸性度塩基性度電荷極性
の側鎖、又は側鎖の大きさをもつアミノ酸と置き換えることによって、タンパク質の活性
を維持する。置換、挿入、又は欠失のための手引きは、異なるバリアントタンパク質又は
異なる種からのタンパク質の、アミノ酸配列のアラインメントに基づく可能性がある。

0130

特定の実施態様では、FGF19のLoop-8領域に対する改変が意図される。本明細書では、F
GF19残基127〜129(配列番号:3)は、Loop-8領域を構成するものと定義されるが、文献中で
は、Loop-8領域は、時として、他の残基(例えば、残基125〜129)を含む又は他の残基から
なるものと定義される。FGF19骨格に対するR127L置換とP128E置換のある種の組み合わせ
は、HCC形成に対して予想外に陽性の影響を与える。R127L置換とP128E置換と、FGF19コア
領域におけるLeu(L)からGln(Q)への置換の組み合わせはまた、HCC形成の防止に対して有
意な影響を与える。

0131

したがって、FGF19 Loop-8領域のバリアントは、実質的な、又は測定可能な、又は検出
可能なHCC形成を低減又は消失することができるので、包含される。さらに、HCC形成を低
減する効果は、Loop-8領域の外側のアミノ酸残基に対する改変(例えば、配列番号:3のア
ミノ酸21〜29に相当する領域などのコア領域内のアミノ酸残基の置換によって増強するこ
とができる。

0132

いくつかの実施態様では、Loop-8改変バリアントは、FGF19 Loop-8領域内の置換(下線)
を含む、M70:



である。ある種の実施態様では、Loop-8改変M70バリアントは、(i)R127L置換、(ii)P128E
置換、又は(iii)R127L置換及びP128E置換に相当するFGF19 Loop-8領域内の置換(下線)を
含む。ある種の実施態様では、Loop-8改変 M70バリアントは、FGF19コア領域内の置換を
さらに含む、又はさらに含む。いくつかの実施態様では、Loop-8改変M70バリアントは、L
18Q置換を含む。

0133

他の実施態様では、Loop-8改変バリアントは、M5(配列番号:5)、M6(配列番号:6)、M7(
配列番号7)、M14(配列番号:8)、M15(配列番号:9)、M32(配列番号:10)、M36(配列番号:11)
、M43(配列番号:12)、M50(配列番号:13)、M52(配列番号14)、M53(配列番号:15)、M67(配
列番号:16)、M68(配列番号:17)、M69(配列番号:18)、M70(配列番号:1 or 19)、M75(配列
番号:20)、M76(配列番号:21)、M77(配列番号22)、M83(配列番号:23)、M84(配列番号:24)
、M140(配列番号:25)、M5-R(配列番号:26)、M6-R(配列番号:27)、M50-R(配列番号:28)、
又はM160(配列番号:29)である。いくつかの実施態様では、Loop-8改変バリアントは、配
列番号:3のアミノ酸127〜129に相当するFGF19 Loop-8領域内の置換を含む。ある種の実施
態様では、Loop-8改変バリアントは、(i)R127L置換、(ii)P128E置換、又は(iii)R127L置
換及びP128E置換に相当するFGF19 Loop-8領域内の置換を含む。いくつかの実施態様では
、FGF19バリアントは、配列番号:3のアミノ酸21〜29に相当するコア領域内の置換を含む
、又はさらに含む。ある種の実施態様では、FGF19バリアントは、L22Q置換に相当するコ
ア領域内の置換を含む、又はさらに含む。

0134

本明細書に記載するポリペプチドをコードする核酸分子(その天然に存在する及び天然
に存在しないアイソフォーム、対立遺伝子バリアント、及びスプライスバリアントを含め
て)が、本開示によって意図される。本開示はまた、天然に存在するDNA配列と1以上の塩
基が異なるが、遺伝暗号縮重おかげで、それでもポリペプチドに相当するアミノ酸配
列に翻訳される、核酸配列も包含する。

0135

(アミド結合置換)
ある場合では、ポリペプチドは、ペプチド結合以外の1以上の結合を含む。例えば、少
なくとも2つの隣接するアミノ酸が、アミド結合以外の結合を介して連結される。例えば
、望ましくないタンパク質分解又は他の手段の分解を低減又は消失させる、及び/又は血
清安定性を増大させる、及び/又は立体構造柔軟性を制限又は増大させるために、ポリペ
プチドの骨格内の1以上のアミド結合を置換することができる。

0136

別の実施例では、ポリペプチド中の1以上のアミド結合(-CO-NH-)は、-CH2NH-、CH2S-、
-CH2CH2-、-CH=CH-(シス及びトランス)、-COCH2-、-CH(OH)CH2-、又は-CH2SO-などの、ア
ミド結合のアイソスターである結合と置き換えることができる。ポリペプチド中の1以上
のアミド結合はまた、例えば、還元型のアイソスター偽ペプチド結合によって置き換える
ことができる。Couderらの文献(1993年) Int.J.Peptide Protein Res.41:181〜184を参照
のこと。こうした置き換え、及びどのように実行するかは、当業者に公知である。

0137

(アミノ酸置換)
ある種の実施態様では、ポリペプチド中で1以上のアミノ酸置換が行われる。次のもの
は、非限定的な例である:
a)分枝、環状、及び直鎖のアルキルアルケニル、又はアルキニル置換を含めたC1〜C10
炭素からの、脂肪族側鎖によって置換されたアラニンロイシンイソロイシンバリン
ノルロイシン、(S)-2-アミノ酪酸、(S)-シクロヘキシルアラニン、又は他の単純なα-
アミノ酸を含めたアルキル置換疎水性アミノ酸の置換;
b)フェニルアラニントリプトファンチロシンスルホチロシンビフェニルアラニン
、1-ナフチルアラニン、2-ナフチルアラニン、2-ベンゾチエニルアラニン、3-ベンゾチエ
ニルアラニン、ヒスチジンを含めた芳香族置換疎水性アミノ酸の置換(先に列挙した芳香
族アミノ酸(その実例は、2-、3-、又は4-アミノフェニルアラニン、2-、3-、又は4-クロ
ロフェニルアラニン、2-、3-、又は4-メチルフェニルアラニン、2-、3-、又は4-メトキシ
フェニルアラニン、5-アミノ-、5-クロロ-、5-メチル-、又は5-メトキシトリプトファン
、2'-、3'-、又は4'-アミノ-、2'-、3'-、又は4'-クロロ-、2、3、又は4-ビフェニルアラ
ニン、2'-、3'-、又は4'-メチル-、2-、3-、又は4-ビフェニルアラニン、及び2-又は3-ピ
リジルアラニンである)の、アミノ、アルキルアミノジアルキルアミノアザハロ
ン化(フルオロ、クロロ、ブロモ、若しくはヨード)、又はアルコキシ(C1〜C4から)置換形
を含めて)。
c)アルギニンリジン、ヒスチジン、オルニチン、2,3-ジアミノプロピオン酸ホモアル
ギニンを含めた塩基性側鎖を含有するアミノ酸の置換(置換基が、α窒素又は遠位の窒素(
1又は複数)などのヘテロ原子上か、α炭素上(例えば、pro-R位置の)かにかかわらず、先
のアミノ酸のアルキル、アルケニル、又はアリール置換(C1〜C10分枝、線状、又は環状)
誘導体を含めて)。実例として役立つ化合物としては、N-ε-イソプロピル-リジン、3-(4-
テトラヒドロピリジル)-グリシン、3-(4-テトラヒドロピリジル)-アラニン、N,N-γ,γ'-
ジエチル-ホモアルギニンが挙げられる。アルキル基がα-炭素のpro-R位置を占める、α-
メチル-アルギニン、α-メチル-2,3-ジアミノプロピオン酸、α-メチル-ヒスチジン、α-
メチル-オルニチンなどの化合物も含まれる。アルキル芳香族ヘテロ芳香族カルボン酸(
ここでは、ヘテロ芳香族基は、1以上の窒素、酸素、又は硫黄原子を、単独で又は組み合
わせて有する)、又は酸塩化物、活性なエステル、活性なアゾライド(azolide)、及び関連
する誘導体などの多くの周知の活性化された誘導体のいずれか、及びリジン、オルニチン
、又は2,3-ジアミノプロピオン酸から形成されるアミドも含まれる;
d)アスパラギン酸グルタミン酸ホモグルタミン酸、チロシン、アルキル、アリール、
アリールアルキル、及び2,4-ジアミノプロピオン酸のヘテロアリールスルホンアミド、オ
ルニチン、又はリジン、及びテトラゾール置換アルキルアミノ酸を含めた酸性アミノ酸
置換;
e)アスパラギングルタミン、及びアスパラギン又はグルタミンのアルキル又は芳香族置
換誘導体を含めた側鎖アミド残基の置換;及び/又は
f)セリントレオニンホモセリン、2,3-ジアミノプロピオン酸、及びセリン又はトレオ
ニンのアルキル又は芳香族置換誘導体を含めたヒドロキシル含有アミノ酸の置換。

0138

いくつかの実施態様では、ポリペプチドは、1以上の天然に存在する、遺伝子によって
コードされないL-アミノ酸、合成のL-アミノ酸、又はアミノ酸のD-鏡像異性体を含む。例
えば、ポリペプチドは、D-アミノ酸のみを含むことができる。例えば、ある種の実施態様
では、ポリペプチドは、次の残基の1つ以上を含む:ヒドロキシプロリンβ-アラニン、o
-アミノ安息香酸、m-アミノ安息香酸、p-アミノ安息香酸、m-アミノメチル安息香酸、2,3
-ジアミノプロピオン酸、α-アミノイソ酪酸、N-メチルグリシン(サルコシン)、オルニチ
ン、シトルリン、t-ブチルアラニン、t-ブチルグリシン、N-メチルイソロイシン、フェニ
ルグリシン、シクロヘキシルアラニン、ノルロイシン、ナフチルアラニン、ピリジルアラ
ニン、3-ベンゾチエニルアラニン、4-クロロフェニルアラニン、2-フルオロフェニルアラ
ニン、3-フルオロフェニルアラニン、4-フルオロフェニルアラニン、ペニシラミン、1,2,
3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸、β-2-チエニルアラニン、メチオニンスル
ホキシド、ホモアルギニン、N-アセチルリジン、2,4-ジアミノ酪酸、rho-アミノフェニル
アラニン、N-メチルバリン、ホモシステイン、ホモセリン、ε-アミノヘキサン酸、ω-ア
ミノヘキサン酸、ω-アミノヘプタン酸、ω-アミノオクタン酸、ω-アミノデカン酸、ω-
アミノテトラデカン酸、シクロヘキシルアラニン、α,γ-ジアミノ酪酸、α,β-ジアミノ
プロピオン酸、δ-アミノ吉草酸、及び2,3-ジアミノ酪酸。

0139

(追加の改変)
いくつかの実施態様では、ポリペプチドに、システイン残基又はシステイン類似体が導
入されて、ジスルフィド結合を介する別のペプチドへの結合が提供される、又は、該ポリ
ペプチドの環化が提供される。システイン又はシステイン類似体を導入する方法は、当技
術分野で公知である;例えば、米国特許第8,067,532号を参照のこと。

0140

他の実施態様では、ポリペプチドは、環化される。例えば、1以上のシステイン又はシ
ステイン類似体を、ポリペプチドに導入することができる。ここでは、導入されたシステ
イン又はシステイン類似体は、導入された第2のシステイン又はシステイン類似体と共に
、ジスルフィド結合を形成することができる。他の環化の手段としては、オキシムリンカ
ー又はランチオニンリンカーの導入が挙げられる;例えば、米国特許第8,044,175号を参照
のこと。閉環結合を形成することができるアミノ酸(又は非アミノ酸部分)のいかなる組み
合わせも、使用及び/又は導入することができる。閉環結合は、架橋の導入を可能にする
官能基をもつアミノ酸の任意の組み合わせを用いて(又はアミノ酸と-(CH2)n-CO-又は-(CH
2)n-C6H4-CO-を用いて)もたらすことができる。いくつかの例は、ジスルフィド、ジスル
フィド模倣体、例えば-(CH2)n-カルバ(carba)架橋など、チオアセタールチオエーテル
架橋(シスタチオニン又はランチオニン)、及びエステル及びエーテルを含有する架橋であ
る。これらの例においては、nは、任意の整数であり得るが、しばしば10未満である。

0141

他の改変の例としては、例えば、N-アルキル(若しくはアリール)置換(ψ[CONR])、又は
ラクタム及び他の環状構造構築するための骨格架橋が挙げられる。本開示のモジュ
ーター化合物の他の誘導体としては、C-末端ヒドロキシメチル誘導体、O-修飾誘導体(例
えば、C-末端ヒドロキシメチルベンジルエーテル)、N-末端修飾された誘導体(アルキルア
ミドなどの置換されたアミド、及びヒドラジドを含めて)が挙げられる。

0142

ある場合では、ポリペプチド中の1以上のL-アミノ酸が、D-アミノ酸で置き換えられる

0143

ある場合では、ポリペプチドは、レトロ-インベルソ類似体である(Sela及びZismanの文
献(1997年)FASEB J.11:449)。レトロ-インベルソペプチド類似体は、アミノ酸配列の方
向を逆転させ(レトロ)、かつ、例えばL-アミノ酸ではなくD-アミノ酸を使用して、その中
で1以上のアミノ酸のキラリティー、D-、又はL-を反転させた(インベルソ)、線状ポリ
プチドの異性体である。例えば、Jamesonらの文献(1994年)Nature 368:744;及びBradyら
の文献(1994年) Nature 368:692を参照のこと。

0144

ポリペプチドは、脂質二重層ミセル細胞膜オルガネラ膜、又は小胞膜を横断する
ことを容易にする、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、炭水化物、又は有機若しくは無機
化合物を指す、「タンパク質形質導入ドメイン」(PTD)を含むことができる。別の分子に
接着したPTDは、その分子が膜を横断する、例えば、細胞外空間から細胞内空間、又は細
胞質ゾルから細胞小器官内に進むのを容易にする。いくつかの実施態様では、PTDは、ポ
リペプチドのアミノ終端と共有結合的に結合されるのに対し、他の実施態様では、PTDは
、ポリペプチドのカルボキシル終端と共有結合的に結合される。タンパク質形質導入ドメ
インの例としては、限定はされないが、最小のウンデカペプチドタンパク質形質導入ドメ
イン(



を含むHIV-1TATの残基47〜57に相当する);細胞に直接的に流入するのに十分ないくつか
のアルギニン(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、又は10〜50のアルギニン)を含むポリ
アルギニン配列;VP22ドメイン(Zenderらの文献(2002年)Cancer Gene Ther.9(6):489〜96)
;ショウジョウバエアンテナペディアタンパク質形質導入ドメイン(Noguchiらの文献(2003
年)Diabetes 52(7):1732〜1737);切断型ヒトカルシトニンペプチド(Trehinらの文献(2004
年) Pharm.Research 21:1248〜1256);ポリリジン(Wenderらの文献(2000年)Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA 97:13003〜13008);



トランスポータ



が挙げられる。PTDの例としては、限定はされないが、



3アルギニン残基から50アルギニン残基までのアルギニンホモポリマーが挙げられる。PTD
ドメインアミノ酸配列の例としては、限定はされないが、次のいずれかが挙げられる:



0145

ポリペプチドのC-末端のアミノ酸のカルボキシル基COR3は、遊離の形態(R3=OH)で、又
は、例えば、ナトリウムカリウム、又はカルシウム塩などの生理的に許容されるアルカ
リ又はアルカリ土類の塩の形態で存在することができる。カルボキシル基はまた、例えば
メタノール、分枝又は非分枝C1〜C6-アルキルアルコール(例えば、エチルアルコール
はtert-ブタノール)などの、第一級第二級、又は第三級アルコールを用いて、エステル
化することもできる。カルボキシル基はまた、アンモニア、分枝又は非分枝C1〜C6-アル
キルアミン、又はC1〜C6ジ-アルキルアミン(例えば、メチルアミン又はジメチルアミン)
などの、第一級又は第二級アミンを用いてアミド化することもできる。

0146

ポリペプチドのN-終端のアミノ酸NR1R2のアミノ基は、遊離の形態(R1=H及びR2=H)で、
又は、例えば塩化物又は酢酸塩などの生理的に許容される塩の形態で存在することがで
きる。アミノ基はまた、R1=H、かつR2=アセチル、トリフルオロアセチル、又はアダマ
チルであるように、酸を用いてアセチル化することもできる。アミノ基は、例えば、Fmoc
ベンジルオキシ-カルボニル(Z)、Boc、又はAllocなどの、ペプチド化学において通常使
用されるアミノ保護基によって保護された形態で存在することができる。アミノ基(ここ
ではR1及び/又はR2=C1-C6アルキル又はC2-C8アルケニル又はC7-C9アラルキルである)を、
N-アルキル化することができる。アルキル残基は、直鎖、分枝、又は環状(例えば、それ
ぞれ、エチル、イソプロピル、及びシクロヘキシル)であり得る。

0147

(ポリペプチドの生成の方法)
本開示のポリペプチドは、組み換え及び非組み換え方法(例えば化学合成)を含めた、任
意の適切な方法によって生成することができる。

0148

(A.化学合成)
ポリペプチドが化学的に合成される場合、合成は、液相又は固相を介して進めることが
できる。固相ペプチド合成(SPPS)は、非天然のアミノ酸及び/又はペプチド/タンパク質骨
格修飾の組み込みを可能にする。本開示のポリペプチドを合成するために、Fmoc及びBoc
などの、様々な形態のSPPSが利用可能である。化学合成の詳細は、当技術分野で公知であ
る(例えば、Ganesan A.の文献、2006年 Mini Rev.Med.Chem.6:3〜10;及びCamarero J.A.
らの文献、2005年 Protein Pept Lett.12:723〜8)。

0149

固相ペプチド合成は、この後記載する通りに実施することができる。α官能基(Nα)及
びあらゆる反応性の側鎖は、酸不安定基又は塩基不安定基で保護される。保護基は、アミ
ド結合をつなぐための条件下で安定であるが、形成されているペプチド鎖を損なわずに、
容易に切断することができる。α-アミノ官能基のための適切な保護基としては、限定は
されないが、次のものが挙げられる:t-ブチルオキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカ
ルボニル(Z)、o-クロル(chlor)ベンジルオキシカルボニル、ビ-フェニルイソプロピル
シカルボニル、tert-アミルオキシカルボニル(Amoc)、α、α-ジメチル-3,5-ジメト
シ-ベンジルオキシカルボニル、o-ニトスルフェニル、2-シアノ-t-ブトキシ-カルボ
ル、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソサイロ(d
ioxocylo)ヘキサ-1-イリデン)エチル(Dde) など。

0150

適切な側鎖保護基としては、限定はされないが:アセチル、アリル(All)、アリルオキシ
カルボニル(Alloc)、ベンジル(Bzl)、ベンジルオキシカルボニル(Z)、t-ブチルオキシ
ルボニル(Boc)、ベンジルオキシメチル(Bom)、o-ブロモベンジルオキシカルボニル、t-ブ
チル(tBu)、t-ブチルジメチルシリル、2-クロロベンジル、2-クロロベンジルオキシカル
ボニル(2-CIZ)、2,6-ジクロロベンジル、シクロヘキシル、シクロペンチル、1-(4,4-ジメ
チル-2,6-ジオキソシクロヘキサ-1-イリデン)エチル(Dde)、イソプロピル、4-メトキシ-2
,3-6-トリメチルベンジルスルホニル(Mtr)、2,3,5,7,8-ペンタメチルクロマン-6-スルホ
ニル(Pmc)、ピバリル(pivalyl)、テトラヒドロピラン-2-イル、トシル(Tos)、2,4,6-トリ
メトキシベンジルトリメチルシリル、及びトリチル(Trt)が挙げられる。

0151

固相合成では、C-末端アミノ酸は、適切な支持材料カップリングされる。適切な支持
材料は、合成プロセスの段階的縮合及び切断反応のための試薬及び反応条件に対して不活
性であり、かつ、使用されている反応媒体に溶解しないものである。市販品として入手で
きる支持材料の例としては、反応基及び/又はポリエチレングリコールで修飾されている
スチレン/ジビニルベンゼンコポリマー;クロロメチル化スチレン/ジビニルベンゼンコポ
リマー;ヒドロキシメチル化又はアミノメチル化スチレン/ジビニルベンゼンコポリマーな
どが挙げられる。ペプチド性の酸を調製することが意図される場合、4-ベンジルオキシベ
ンジル-アルコール(Wang-アンカー)又は塩化2-クロロトリチルを用いて誘導体化された、
ポリスチレン(1%)-ジビニルベンゼン又はTentaGel(登録商標)を使用することができる。
ペプチドアミドの場合、5-(4'-アミノメチル)-3',5'-ジメトキシフェノキシ)吉草酸(PAL-
アンカー)又はp-(2,4-ジメトキシフェニル-アミノメチル)-フェノキシ基(Rinkアミドアン
カー)を用いて誘導体化された、ポリスチレン(1%)ジビニルベンゼン又はTentaGel(登録商
標)を使用することができる。

0152

高分子支持体への結合は、エタノールアセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド(D
MF)、ジクロロメタンテトラヒドロフラン、N-メチルピロリドン、又は類似の溶媒中で
活性化試薬を添加して、室温又は高温(例えば、40℃から60℃)で、例えば2から72時間
の反応時間で、C-末端Fmoc保護アミノ酸を支持材料と反応させることによって実現するこ
とができる。

0153

Nα保護アミノ酸(例えば、Fmocアミノ酸)と、PAL、Wang、又はRinkアンカーとのカップ
リングは、例えば、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール又は1-ヒドロキシ-7-アザベンゾト
リアゾールの存在下又は非存在下で、カップリング試薬、例えば、N,N'-ジシクロヘキシ
カルボジイミド(DCC)、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、若しくは他のカル
ジイミドテトラフルオロホウ酸2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラ
メチルウロニウム(TBTU)若しくは他のウロニウム塩、o-アシル-尿素ヘキサフルオロ
ン酸ベンゾトリアゾール-1-イル-トリス-ピロリジノ-ホスホニウム(PyBOP)若しくは他の
ホスホニウム塩、N-ヒドロキシスクシン酸イミド、他のN-ヒドロキシイミド、又はオキシ
ムの助けを借りて、例えば、例えばジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、トリエチルアミ
ン、又はN-メチルモルホリン(例えばジイソプロピルエチルアミン)などの塩基を添加して
又は添加せずに、HOBtを添加したTBTUの助けを借りて、2から72時間の反応時間で(例えば
、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、又はジクロロメタン、例えばジメチルホ
ルムアミドなどの溶媒中で、1.5から3倍過剰のアミノ酸及びカップリング試薬中で、例え
ば、2倍過剰で、約10℃から50℃の温度、例えば25℃で、3時間)実施することができる。

0154

カップリング試薬の代わりに、先に記載した条件下で、活性なエステル(例えば、ペン
タフルオロフェニル、p-ニトロフェニル、など)、Nα-Fmoc-アミノ酸の対称無水物、その
酸塩化物、又は酸フッ化物を使用することも可能である。

0155

Nα保護アミノ酸(例えば、Fmocアミノ酸)は、DIEAを添加したジクロロメタン中で(この
溶媒及びこの塩基の使用に限定されないが)、10から120分、例えば20分の反応時間を用い
て、2-クロロトリチル樹脂とカップリングさせることができる。

0156

保護されたアミノ酸の連続的カップリングは、一般的に自動ペプチド合成装置において
、ペプチド合成における従来の方法に従って実施することができる。例えば、ピペリジン
ジメチルホルムアミド溶液(10%から50%)での5から20分間の(例えば、50%ピペリジンのD
MF溶液での2×2分、及び20%ピペリジンのDMF溶液での1×15分の)処理による、固相上にカ
プリングさせたアミノ酸のNα-Fmoc保護基の切断後、次に保護されるアミノ酸(3から10
倍過剰、例えば、10倍過剰)を、ジクロロメタン、DMF、又は2つの混合物などの不活性な
非水性の極性溶媒中で、約10℃から50℃の温度で、例えば25℃で、先のアミノ酸とカップ
リングさせる。第1のNα-Fmocアミノ酸をPAL、Wang、又はRinkアンカーとカップリングさ
せるための先に言及した試薬が、カップリング試薬として適している。保護されたアミノ
酸の活性なエステル、又はその塩化物若しくはフッ化物若しくは対称無水物も、代替とし
て使用することができる。

0157

固相合成の最後に、支持材料からペプチドを切断し、同時に、側鎖保護基を切断する。
切断は、5%〜20% V/Vのスカベンジャー、例えばジメチルスルフィド、エチルメチルスル
フィド、チオアニソールチオクレゾールm-クレゾールアニソールエタンジチオ
ル、フェノール、又は水、例えば、15% v/vジメチルスルフィド/エタンジチオール/m-ク
レゾール1:1:1を添加した、トリフルオロ酢酸又は他の強酸性媒体を用いて、0.5から3時
間、例えば2時間以内に実施することができる。完全に保護された側鎖をもつペプチドは
氷酢酸/トリフルオロエタノール/ジクロロメタン2:2:6を用いて2-クロロトリチルアン
カーを切断することによって得られる。保護されたペプチドは、シリカゲル上でのクロマ
グラフィーによって精製することができる。ペプチドが、Wangアンカーを介して固相
に結合される場合、また、C-末端アルキルアミド化を伴うペプチドを得ることが意図され
る場合、切断は、アルキルアミン又はフルオロアルキルアミンを用いるアミノリシスによ
って実施することができる。アミノリシスは、約-10℃から50℃(例えば、約25℃)の温度
、かつ約12から24時間(例えば、約18時間)の反応時間で実施される。さらに、ペプチドは
、例えばメタノールでの再エステル化によって、支持体から切断することができる。

0158

得られた酸性の溶液を、3から20倍量の冷エーテル又はn-ヘキサン、例えば、10倍過剰
ジエチルエーテルと混合して、ペプチドを沈殿させ、したがって、エーテル中に残存す
るスカベンジャーと切断された保護基とを分離することができる。ペプチドを、氷酢酸か
ら数回、再沈殿させることによって、さらなる精製を実施することができる。得られた沈
殿を、水又はtert-ブタノール又はこれらの2種の溶媒の混合物、例えば、tert-ブタノー
ル/水の1:1混合物に溶解し、凍結乾燥することができる。

0159

得られたペプチドを、アセテート形態の弱塩基性樹脂に対するイオン交換;非誘導体化
ポリスチレン/ジビニルベンゼンコポリマー(例えば、Amberlite(登録商標)XAD)上での疎
水性吸着クロマトグラフィー;シリカゲル上での吸着クロマトグラフィー;例えばカルボキ
シメチルセルロース上での、イオン交換クロマトグラフィー;例えばSephadex(登録商標)G
-25上での、分配クロマトグラフィー;向流分配クロマトグラフィー;又は、高圧液体クロ
マトグラフィー(HPLC)、例えば、オクチル又はオクタデシルシリルシリカ(ODS)相上での
逆相HPLCを含めた、様々なクロマトグラフィー方法によって精製することができる。

0160

(B.組み換え産生)
組み換え技術を使用してポリペプチドを産生する場合、ポリペプチドは、任意の適切な
構築物及び任意の適切な宿主細胞(原核又は真核細胞、例えば、それぞれ細菌(例えばE.co
li)又は酵母宿主細胞であり得る)を使用して、細胞内タンパク質として又は分泌タンパク
質として産生することができる。宿主細胞として使用することができる真核細胞の他の例
としては、昆虫細胞、哺乳類細胞、及び/又は植物細胞が挙げられる。哺乳類宿主細胞
使用される場合、該宿主細胞としては、ヒト細胞(例えば、HeLa、293、H9、及びJurkat細
胞);マウス細胞(例えば、NIH3T3、L細胞、及びC127細胞);霊長類細胞(例えば、Cos 1、Co
s 7、及びCV1)、及びハムスター細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣(Chinese ham
ster ovary)(CHO)細胞)が含まれ得る。

0161

ポリペプチドの発現に適した様々な宿主-ベクターシステムを、当技術分野で公知の標
準の手順に従って用いることができる。例えば、例えば、Sambrookらの文献、1989年、「
分子生物学の最新プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)」、Cold Sprin
g Harbor Press社、New York;及びAusubelらの文献、1995年、「分子生物学の最新プロト
コル(Current Protocols in Molecular Biology)」(Wiley and Sons社編)を参照のこと。
宿主細胞への遺伝子材料の導入のための方法としては、例えば、形質転換、電気穿孔、接
合、リン酸カルシウム方法などが挙げられる。導入のための方法は、導入されたポリペプ
チドをコードしている核酸の安定な発現を提供するように選択することができる。ポリペ
プチドをコードしている核酸は、遺伝性エピソーム要素(例えば、プラスミド)として提
供することもできるし、ゲノムに組み込むこともできる。対象のポリペプチドの生成に使
用するための様々な適切なベクターは、市販品として入手できる。

0162

ベクターは、宿主細胞における染色体外維持を提供することもできるし、宿主細胞ゲノ
ムへの組み込みを提供することもできる。発現ベクターは、転写及び翻訳調節配列を提供
する、また、誘導性の又は構成的な発現を提供することができる。ここでは、コード領域
は、転写開始領域及び転写及び翻訳停止領域転写制御下で、作動可能に連結されている
。一般に、転写及び翻訳調節配列としては、限定はされないが、プロモーター配列リボ
ソーム結合部位、転写開始及び終止配列翻訳開始及び終止配列、及びエンハンサー又は
アクチベーター配列が含まれ得る。プロモーターは、構成的又は誘導性のいずれかであり
得、また、強力な構成的プロモーター(例えば、T7)であり得る。

0163

発現構築物は一般に、対象のタンパク質をコードする核酸配列の挿入を提供するための
、プロモーター配列の近くに位置する好都合な制限部位を有する。ベクターを含有する細
胞の選択を容易にするために、発現宿主において作動する選択可能マーカーが存在するこ
とができる。さらに、発現構築物は、追加のエレメントを含むことができる。例えば、発
現ベクターは、1つ又は2つの複製システムを有することができ、したがって、発現のため
の生物において、例えば哺乳類又は昆虫細胞において、また、クローニング及び増幅のた
めの原核生物宿主において維持されることが可能になる。さらに、発現構築物は、形質転
換された宿主細胞の選択を可能にするための、選択可能マーカー遺伝子を含有することが
できる。選択可能遺伝子は、当技術分野で周知であり、使用される宿主細胞によって異な
ることとなる。

0164

タンパク質の単離及び精製は、当技術分野で公知の方法に従って実現することができる
。例えば、タンパク質は、タンパク質を構成的に及び/又は誘発時に発現するように遺伝
子改変された細胞のライセートから、又は合成の反応混合物から、免疫アフィニティ精製
によって単離することができる。これは一般に、試料を抗タンパク質抗体と接触させるこ
とと、洗浄して非特異的に結合した材料を除去することと、特異的に結合したタンパク質
溶出することを含む。単離されたタンパク質は、透析及びタンパク質精製方法において
通常用いられる他の方法によって、さらに精製することができる。一実施態様では、タン
パク質は、金属キレートクロマトグラフィー方法を使用して単離することができる。タン
パク質は、単離を容易にするための改変を含有することができる。

0165

ポリペプチドは、実質的に純粋な又は単離された(例えば、他のポリペプチドを含まな
い)形態で調製することができる。ポリペプチドは、存在し得る他の成分(例えば、他のポ
リペプチド又は他の宿主細胞成分)に対して、該ポリペプチドについて濃縮された組成物
中に存在することができる。例えば、精製されたポリペプチドは、該ポリペプチドが、他
の発現されたタンパク質を実質的に含まない組成物中に存在する、例えば、組成物の90%
未満、60%未満、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、5%未満、又は1%未満が
他の発現されたタンパク質で構成されるように提供することができる。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社カネカの「 多能性幹細胞凝集抑制剤」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題・解決手段】この出願は、細胞周期停止剤を含むことを特徴とする多能性幹細胞の浮遊培養に用いるための多能性幹細胞凝集抑制剤、その凝集抑制剤を含む培地中で多能性幹細胞を浮遊培養する工程を含む、多能性幹... 詳細

  • 国立大学法人大阪大学の「 アスタチン溶液及びその製造方法」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題・解決手段】本発明は、甲状腺疾患等の治療のためのRI内用療法等に用いることができるアスタチン溶液およびその製造方法の提供を課題とする。本発明は、核反応によって得られた211Atを原料として、21... 詳細

  • イクソバダームリミテッドの「 皮膚に活性化合物を供与するキット」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題・解決手段】本発明は、皮膚へ浸透するため、皮膚に活性化合物を供与することができるキット、活性化合物の供与する供与デバイス及び活性化合物を供与する方法に関するものである。1つの態様では、患者の皮膚... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ