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技術 概日リズム改善用組成物

出願人 キリン株式会社
発明者 森田悠治丸山光生坂本明彦
出願日 2017年12月22日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2017-245716
公開日 2019年7月11日 (8ヶ月経過) 公開番号 2019-112328
状態 未査定
技術分野 動物,微生物物質含有医薬 食品の着色及び栄養改善 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 社会的役割 説明事項 覚醒水準 同調因子 活動量センサ アサイー 単位包装 固形体
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

解決手段

本発明によれば、ラクトバチルスパラカゼイ(Lactobacillus paracasei)菌体および/またはその処理物を有効成分として含んでなる、概日リズム改善用組成物が提供される。概日リズムは、好ましくは睡眠覚醒リズムである。ラクトバチルス・パラカゼイは、好ましくはKW3110菌株(FERM BP−08634)である。

概要

背景

生物体内時間測定機構である概日時計を備え、環境の1日周期の変動に対応して、活動性に約24時間の顕著な周期性、すなわち概日リズムを有する。概日リズム(サーカディアンリズム)は、生物にとって基本的な現象である睡眠覚醒リズム体温リズムおよびホルモン分泌リズムなどを制御し、特にヒトや動物の活動基盤をなす睡眠覚醒リズムは概日リズムの強い制御を受けることが知られている。また、概日リズムの機能低下は、睡眠障害肥満糖尿病、癌および精神疾患などの種々の疾患要因となる。

概日リズム機能は、加齢や、社会的役割などの同調因子減弱などの要因により低下することが知られている。例えば、高齢者では、加齢による睡眠自体の機能低下に加え、概日リズムの機能低下により睡眠覚醒リズムが乱れる。この睡眠覚醒リズムの乱れは、不穏やせん妄との関連性も指摘されており、高齢者自身の危険の増加や身体的・精神的苦痛に加え、社会生活のリズムに合致しないことで、介護者の負担が増加するなど、種々の問題が指摘されている(非特許文献1)。また、概日リズム機能の加齢変化は、睡眠覚醒リズムのみならず、自律神経系内分泌系活動をはじめとする各種の生理機能全般に影響する。このように、概日リズムや睡眠覚醒リズムの機能低下は社会的な問題になりつつあり、これらの改善が求められているといえる。

概要

概日リズム改善用組成物の提供。本発明によれば、ラクトバチルスパラカゼイ(Lactobacillus paracasei)菌体および/またはその処理物を有効成分として含んでなる、概日リズム改善用組成物が提供される。概日リズムは、好ましくは睡眠覚醒リズムである。ラクトバチルス・パラカゼイは、好ましくはKW3110菌株(FERM BP−08634)である。なし

目的

本発明は、概日リズム改善用組成物および概日リズム改善剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

ラクトバチルスパラカゼイ(Lactobacillus paracasei)菌体および/またはその処理物を有効成分として含んでなる、概日リズム改善用組成物

請求項2

概日リズムが、睡眠覚醒リズムである、請求項1に記載の組成物

請求項3

高齢者の概日リズム改善に用いるための、請求項1または2に記載の組成物。

請求項4

ストレス条件下の対象の概日リズム改善に用いるための、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。

請求項5

食品の形態である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。

請求項6

ラクトバチルス・パラカゼイが、KW3110菌株(FERM BP−08634)である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。

技術分野

0001

本発明は、概日リズム改善用組成物に関する。

背景技術

0002

生物体内時間測定機構である概日時計を備え、環境の1日周期の変動に対応して、活動性に約24時間の顕著な周期性、すなわち概日リズムを有する。概日リズム(サーカディアンリズム)は、生物にとって基本的な現象である睡眠覚醒リズム体温リズムおよびホルモン分泌リズムなどを制御し、特にヒトや動物の活動基盤をなす睡眠覚醒リズムは概日リズムの強い制御を受けることが知られている。また、概日リズムの機能低下は、睡眠障害肥満糖尿病、癌および精神疾患などの種々の疾患要因となる。

0003

概日リズム機能は、加齢や、社会的役割などの同調因子減弱などの要因により低下することが知られている。例えば、高齢者では、加齢による睡眠自体の機能低下に加え、概日リズムの機能低下により睡眠覚醒リズムが乱れる。この睡眠覚醒リズムの乱れは、不穏やせん妄との関連性も指摘されており、高齢者自身の危険の増加や身体的・精神的苦痛に加え、社会生活のリズムに合致しないことで、介護者の負担が増加するなど、種々の問題が指摘されている(非特許文献1)。また、概日リズム機能の加齢変化は、睡眠覚醒リズムのみならず、自律神経系内分泌系活動をはじめとする各種の生理機能全般に影響する。このように、概日リズムや睡眠覚醒リズムの機能低下は社会的な問題になりつつあり、これらの改善が求められているといえる。

先行技術

0004

角濱美、日本看護技術学会誌、Vol.1,No.1, p11-19(2002)

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は、概日リズム改善用組成物および概日リズム改善剤を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは今般、マウス高齢群ではマウス若齢群と比べて、休息期(明期)における活動量が多い傾向があり、活動期暗期)における活動量が有意に少ないこと、また、マウス高齢群ではマウス若齢群と比べて、睡眠覚醒リズムの振幅が有意に減少し、睡眠覚醒リズム、すなわち、概日リズムが悪化することを見出した。本発明者らはまた、乳酸菌摂取群では標準食摂取群と比べて、休息期(明期)における活動量が有意に少なく、活動期(暗期)における活動量が多い傾向があること、また、乳酸菌摂取群では標準食摂取群と比べて、睡眠覚醒リズムの振幅が有意に増大し、睡眠覚醒リズム、すなわち、概日リズムが改善することを見出した。本発明はこれらの知見に基づくものである。

0007

本発明によれば以下の発明が提供される。
[1]ラクトバチルスパラカゼイ(Lactobacillus paracasei)菌体および/またはその処理物を有効成分として含んでなる、概日リズム改善用組成物(以下、「本発明の組成物」ということがある)および概日リズム改善剤(以下、「本発明の用剤」ということがある)。
[2]概日リズムが、睡眠覚醒リズムである、上記[1]に記載の組成物および用剤。
[3]高齢者の概日リズム改善に用いるための、上記[1]または[2]に記載の組成物および用剤。
[4]非ストレス条件下の対象の概日リズム改善に用いるための、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物および用剤。
[5]食品の形態である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の組成物および用剤。
[6]ラクトバチルス・パラカゼイが、KW3110菌株(FERM BP−08634)である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の組成物および用剤。

0008

本発明によれば、概日リズムを改善する組成物および用剤が提供される。本発明の有効成分であるラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)は乳酸菌一種であり、ヒトが食品として長年摂取してきた発酵食品に含まれていることから、本発明はヒトを含む哺乳類に安全な機能性素材として利用できる点で有利である。

図面の簡単な説明

0009

図1は、マウスの活動期および休息期における活動量と加齢との関係を示した図である。図1Aは、若齢群および高齢群の休息期(明期)における活動量を示す図である。
図1Bは、若齢群および高齢群の活動期(暗期)における活動量を示す図である。**はp<0.01(t検定)を示す。
は、若齢群および高齢群の明期の活動量に対する暗期の活動量の比を示す図である。**はp<0.01(t検定)を示す。
図2は、高齢マウスにおける睡眠覚醒リズムに対する乳酸菌の効果を示した図である。図2Aは、標準食摂取群(CTL)および乳酸菌摂取群(KW)の休息期(明期)における活動量を示す図である。*はp<0.05(t検定)を示す。
図2Bは、標準食摂取群(CTL)および乳酸菌摂取群(KW)の活動期(暗期)における活動量を示す図である。
図2Cは、標準食摂取群(CTL)および乳酸菌摂取群(KW)の明期の活動量に対する暗期の活動量の比を示す図である。*はp<0.05(t検定)を示す。

発明の具体的説明

0010

本発明において有効成分として用いられる乳酸菌は、ラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)に属する乳酸菌(以下、「本発明の乳酸菌」ということがある)であり、好ましくはラクトバチルス・パラカゼイKW3110株を用いることができる。

0011

ラクトバチラス・パラカゼイKW3110株は、L.casei L14株として、日本乳業技術協会から入手することができる。なお、日本乳業技術協会の記載によれば、L14株はL.caseiとの記載があるが、QUALICON社製リボプリンターを用いたRFLP(Restriction Flagment Length Polymorphism)およびAFLP(Amplified Flagment Length Polymorphism)を用いて解析したところ、当該株はL.paracaseiと判断されたため、本発明においてはラクトバチラス・パラカゼイと記載した。ラクトバチラス・パラカゼイKW3110株は、上記の通り日本乳業技術協会から入手することができるが、さらに、特許微生物寄託のためのブダペスト条約に基づく国際寄託当局である、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(〒305−8566 日本国県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)(現在は、独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンター特許生物寄託センター(NITE-IPOD)(〒292-0818 千葉県木更津市かずさ足2-5-8 120号室))に、FERM BP−08634として寄託されている(寄託日:2004年2月20日)。また、ラクトバチラス・パラカゼイKW3110株の派生株は、FERM BP−08635として同特許生物寄託センターに寄託されている。

0012

本発明の組成物および用剤は、ラクトバチルス・パラカゼイ菌体およびその処理物のいずれかまたは両方を有効成分として含むものである。

0013

ラクトバチルス・パラカゼイの生菌は、培地で培養することにより調製することができる。ラクトバチルス・パラカゼイの培養は、公知の培地を用いた公知の方法で行うことができる。培地としては、M.R.S.培地、GAM培地、LM17培地を用いることができ、適宜無機塩類ビタミンアミノ酸抗生物質血清等を添加して用いればよい。培養は、25〜40℃で数時間〜数日行えばよい。培養後、ラクトバチルス・パラカゼイ菌体を遠心分離やろ過により集菌する。本発明の有効成分であるラクトバチルス・パラカゼイは、単離形態のみならず、培養物の形態のものも含む。

0014

本発明の有効成分であるラクトバチルス・パラカゼイは、生菌体または死菌体破砕物(例えば、超音波破砕物)、生菌体または死菌体の乾燥物(例えば、凍結乾燥物)、該乾燥物の破砕物、生菌体または死菌体の酵素処理物などの処理物の形態であってもよい。死菌体は、例えば、加熱処理、抗生物質などの薬物による処理、ホルマリンなどの化学物質による処理、紫外線による処理、γ線などの放射線による処理により得ることができる。また、酵素処理物には、乳酸菌の細胞壁酵素若しくは機械的手段により除去した処理物も含まれる。さらに、ラクトバチルス・パラカゼイの核酸含有画分(例えば、DNA、RNA)もラクトバチルス・パラカゼイの処理物に含まれ、ラクトバチルス・パラカゼイ菌体を界面活性剤等によって溶解した後、エタノール等によって沈殿させて得ることができる。以下、本明細書において、ラクトバチルス・パラカゼイ菌体およびその処理物を、単に「本発明の乳酸菌」ということがある。

0015

本発明の組成物および用剤は、本発明の乳酸菌単独で提供することができ、あるいは、本発明の乳酸菌と他の成分(例えば、製剤添加物)とを混合して提供することもできる。本発明の組成物および用剤における本発明の乳酸菌の配合量は、その目的、用途、形態、剤型、症状、体重等に応じて任意に定めることができ、本発明はこれに限定されないが、その含量としては、全体量に対して、0.01〜90質量%の含量で配合することができ、さらに好ましくは0.1〜50質量%の含量で配合することができる。本発明においては、本発明の用剤を本発明の乳酸菌からなるものとし、本発明の組成物を本発明の乳酸菌と他の成分とを含んでなるものとすることができる。

0016

本発明の組成物および用剤は概日リズムの改善に用いるためのものである。本発明において「概日リズム」とは、環境の変化を排除した恒常条件のもとにおいて、約24時間周期で変動する生物現象をいい、概日リズムは睡眠覚醒リズム、体温リズム、ホルモン分泌リズムなどの生物リズムを制御することが知られている。従って、本発明において「概日リズム」は、これらの生物リズム(特に、睡眠覚醒リズム)を含む意味で用いられる、本発明において「睡眠覚醒リズム」とは、睡眠と覚醒にみられる周期をいい、ヒトでは休息期(睡眠期)と活動期(覚醒期)が24時間周期でみられることをいう。

0017

本発明において「概日リズム改善」とは、悪化した概日リズムまたは悪化の兆しがある概日リズムを回復させること、および概日リズムの悪化(乱れ)を抑制することを含む意味で用いられる。睡眠覚醒リズムが概日リズムによる強い制御を受けることから、概日リズムの改善は睡眠覚醒リズムを指標にして評価することができる。例えば、後述の休息期の活動量に対する活動期の活動量の比が増大する場合に、概日リズムが改善されたと判断することができる。

0018

本発明において、「睡眠覚醒リズム改善」とは、悪化した睡眠覚醒リズムまたは悪化の兆しがある睡眠覚醒リズムを回復させること、および睡眠覚醒リズムの悪化を抑制することを含む意味で用いられ、概日リズムの改善を通じて睡眠覚醒リズムを改善することを含む。「睡眠覚醒リズム改善」は、睡眠覚醒リズムの振幅、すなわち、休息期の活動量に対する活動期の活動量の比(活動期の活動量/休息期の活動量)を指標にして評価することができる。例えば、休息期の活動量に対する活動期の活動量の比が増大する場合に、睡眠覚醒リズムが改善されたと判断することができる。

0019

本発明の乳酸菌は睡眠覚醒リズムの振幅を増大させ、睡眠覚醒リズムを改善することができるが、睡眠覚醒リズムの振幅の増大により、良質で深い夜間睡眠(熟睡感)と日中の高い覚醒水準を維持することが可能となる。従って、本発明の別の面によれば、本発明の乳酸菌を有効成分として含んでなる、睡眠の質の維持および改善剤や、睡眠リズムの維持および改善剤が提供される。

0020

概日リズムおよび睡眠覚醒リズムの悪化や乱れは、睡眠障害、肥満、糖尿病、癌、精神疾患、循環器疾患脂肪性肝炎内分泌異常、炎症性疾患過食などの種々の疾患要因となることが知られている(柴田重信、日本家政学会誌、Vol.63,No.6,p337-341(2012)、Martin E. Young et al., Sleep Medicine, Vol.8,No.6, p656-667(2007))。後記実施例に示される通り、本発明の乳酸菌は概日リズムおよび睡眠覚醒リズムを改善することができる。従って、本発明の組成物および用剤は概日リズムの改善により治療、予防または改善しうる疾患または症状の治療、予防または改善に用いることができる。概日リズム(特に、睡眠覚醒リズム)の改善により治療、予防または改善しうる疾患または症状としては、例えば、睡眠障害、肥満、糖尿病、癌、精神疾患、循環器疾患、脂肪性肝炎、内分泌異常、炎症性疾患、過食が挙げられる。

0021

本発明の乳酸菌は、概日リズムの改善効果を有することから、概日リズムが悪化した対象あるいは悪化する兆しがある対象や、概日リズムが悪化しやすい対象に摂取させることができる。摂取対象はヒトには限定されず、ヒト以外の動物(ウマウシイヌネコ等)であってもよい。

0022

本発明において「概日リズムの改善」には、活動期の活動量を十分維持できない状態の改善が含まれる。ここで、「活動期の活動量を十分維持できない状態」とは、対象が本来持つあるいは持っていた活動期の活動量(期待活動量)より少ない量の活動しかできない状態をさす。たとえば、ヒト高齢者において昼間に活動したいという気持ちに反して活動できない状態や、昼間に活動する気持ちになれず活動できない状態を意味する。

0023

本発明において、「活動期の活動量を十分維持できない状態の改善」とは、低下した活動期の活動量または低下の兆しがある活動期の活動量を回復させること、および活動期の活動量の低下を抑制することを含む意味で用いられる。

0024

本発明の乳酸菌を食品として提供する場合には、それをそのまま食品として提供することができ、あるいはそれを食品に含有させて提供することができる。このようにして提供された食品は本発明の乳酸菌を有効量含有した食品である。本明細書において、本発明の乳酸菌を「有効量含有した」とは、個々の食品において通常喫食される量を摂取した場合に後述するような範囲で本発明の乳酸菌が摂取されるような含有量をいう。また「食品」とは、健康食品、機能性食品栄養補助食品保健機能食品(例えば、特定保健用食品栄養機能食品、機能性表示食品)、特別用途食品(例えば、幼児用食品妊産婦用食品、病者用食品)およびサプリメントを含む意味で用いられる。なお、本発明の乳酸菌をヒト以外の動物に摂取させる場合には、本発明でいう食品が飼料として使用されることはいうまでもない。すなわち、本発明において「食品」は「飼料」を含む意味で用いられるものとする。

0025

本発明の乳酸菌は、概日リズム改善効果を有するため、日常摂取する食品に含有させることができ、あるいは、サプリメントとして提供することができる。すなわち、本発明の組成物および用剤は食品の形態で提供することができる。この場合、本発明の組成物および用剤は1食当たりに摂取する量が予め定められた単位包装形態で提供することができる。1食当たりの単位包装形態としては、例えば、パック包装ボトル等で一定量を規定する形態が挙げられる。本発明の組成物および用剤の各種作用をよりよく発揮させるためには、後述する、本発明の乳酸菌の1回当たりの摂取量に従って1食当たりの摂取量を決定できる。本発明の食品は、摂取量に関する説明事項が包装に表示されるか、あるいは説明事項が記載された文書等と一緒に提供されてもよい。

0026

単位包装形態においてあらかじめ定められた1食当たりの摂取量は、1日当たりの有効摂取量であっても、1日当たりの有効摂取量を2回またはそれ以上(好ましくは2または3回)に分けた摂取量であってもよい。従って、本発明の組成物および用剤の単位包装形態には、後述のヒト1日当たりの摂取量で本発明の乳酸菌を配合することができ、あるいは、後述のヒト1日当たりの摂取量の2分の1あるいは3分の1の量で本発明の乳酸菌を配合することができる。本発明の組成物および用剤は、摂取の便宜上、1食当たりの摂取量が1日当たりの有効摂取量である、「1食当たりの単位包装形態」で提供することが好ましい。

0027

「食品」の形態は特に限定されるものではなく、例えば、飲料の形態であっても、半液体ゲル状の形態であっても、固形体粉末状の形態であってもよい。また、「サプリメント」としては、本発明の乳酸菌に賦形剤結合剤等を加え練り合わせた後に打錠することにより製造された錠剤や、カプセルになどに封入されたカプセル剤が挙げられる。

0028

本発明で提供される食品は、本発明の乳酸菌を含有する限り、特に限定されるものではないが、例えば、清涼飲料水炭酸飲料果汁入り飲料野菜汁入り飲料、果汁および野菜汁入り飲料、牛乳豆乳乳飲料ドリンクタイプのヨーグルト、ドリンクタイプのゼリーコーヒーココア茶飲料、栄養ドリンク、スポーツドリンクミネラルウォーターニアウォーターなどの非アルコール飲料飯類麺類パン類およびパスタ類炭水化物含有飲食品クッキー、ケーキ、チョコレートなどの洋菓子類饅頭羊羹等の和菓子類キャンディー類ガム類、ヨーグルト、ゼリーやプリンなどの冷菓氷菓スナック菓子などの各種菓子類ウイスキー、バーボンスピリッツリキュールワイン果実酒日本酒、中国酒、焼酎ビールアルコール度数1%以下のノンアルコールビール発泡酒、その他雑酒、酎ハイなどのアルコール飲料を用いた加工品魚介類畜肉レバー等の臓物を含む)の加工品(珍味を含む)、スープ類などの加工食品濃厚流動食などの流動食などを例示することができる。なお、ミネラルウォーターは、発泡性および非発泡性のミネラルウォーターのいずれもが包含される。

0029

茶飲料としては、発酵茶半発酵茶および不発酵茶のいずれもが包含され、例えば、紅茶緑茶麦茶玄米煎茶、玉露茶、ほうじ茶、ウーロン茶ウコン茶、プーアル茶ルイボスティーローズ茶、キク茶、ハーブ茶(例えば、ミント茶、ジャスミン茶)が挙げられる。

0030

果汁入り飲料や果汁および野菜汁入り飲料に用いられる果物としては、例えば、リンゴミカンブドウバナナナシモモマンゴーアサイーブルーベリーおよびウメが挙げられる。また、野菜汁入り飲料や果汁および野菜汁入り飲料に用いられる野菜としては、例えば、トマトニンジンセロリカボチャキュウリおよびスイカが挙げられる。

0031

本発明の乳酸菌の摂取量は、摂取対象の性別年齢および体重、症状、摂取時間、剤形投与経路並びに組み合わせる薬剤等に依存して決定できる。本発明の乳酸菌を概日リズムの改善を目的として摂取させる場合のヒト1日あたりの摂取量は、例えば、乳酸菌乾燥菌体質量として、1〜1000mg、好ましくは10〜500mg、より好ましくは25〜100mgであり、この量は適宜増減できる。また、本発明の乳酸菌を概日リズムの改善を目的として摂取させる場合のヒト1日あたりの摂取量は、例えば、菌数として、1×108〜1×1014個、好ましくは1×108〜1×1013個、より好ましくは1×109〜1×1012個であり、この量は適宜増減できる。摂取期間は、通常1日以上、好ましくは3日以上、より好ましくは1週間以上である。摂取回数に特に制限はなく、上記有効摂取量を1日1回摂取させても、数回に分けて摂取させてもよい。また、摂取タイミングについても特に制限はなく、対象が摂取しやすい時期に摂取することができる。

0032

本発明の組成物および用剤は、長期摂取によりその効果をよりよく発揮することができ、例えば、3日以上継続的に摂取させることができ、好ましくは6日以上、より好ましくは10日以上、継続的に摂取させることができる。ここで、「継続的に」とは毎日摂取を続けることを意味する。本発明の組成物および用剤を包装形態で提供する場合には、継続的摂取のために一定期間(例えば、1週間)の有効摂取量をセットで提供してもよい。

0033

本発明の組成物および用剤は人類が長年食経験を有する食品素材である乳酸菌を有効成分として利用することから、継続使用しても副作用の懸念がなく、安全性が高い。このため本発明の組成物および用剤を既存の概日リズム改善剤と組み合わせて用いると、既存薬剤の用量を低減することができ、ひいては既存薬剤の副作用を軽減あるいは解消することができる。他の薬剤との併用に当たっては、他の薬剤と本発明の組成物および用剤を別個に調製しても、他の薬剤と本発明の組成物および用剤(あるいは本発明の乳酸菌)を同一の組成物に配合してもよい。

0034

本発明の組成物および用剤並びに食品には、概日リズムの改善効果あるいは睡眠覚醒リズムの改善効果を有する旨の表示が付されてもよい。この場合、消費者に理解しやすい表示とするため本発明の組成物および用剤並びに食品には以下の一部または全部の表示が付されてもよい。なお、本発明において「概日リズム改善」および「睡眠覚醒リズム改善」が以下の表示を含む意味で用いられることはいうまでもない。
・健康的な生活リズムサポートする
・生活リズムの乱れを整える
・加齢による生活リズムの乱れを整える
就寝起床リズムを整える
・睡眠リズムの改善
・睡眠の質を維持する、睡眠の質を高める
・熟睡感の改善
・寝覚めの改善
活動的な毎日に

0035

本発明の別の面によれば、有効量の本発明の乳酸菌を哺乳動物に摂取させるか、あるいは投与することを含んでなる、概日リズムの改善方法が提供される。本発明の方法は、本発明の組成物および用剤に関する記載に従って実施することができる。

0036

本発明の別の面によればまた、有効量の本発明の乳酸菌を哺乳動物に摂取させるか、あるいは投与することを含んでなる、概日リズムの改善により治療、予防または改善しうる疾患または症状の治療、予防または改善方法が提供される。本発明の治療、予防または改善方法は、本発明の組成物および用剤に関する記載に従って実施することができる。

0037

本発明の方法はヒトを含む哺乳動物における使用であってもよく、治療的使用と非治療的使用のいずれもが意図される。本明細書において、「非治療的」とはヒトを手術、治療または診断する行為(すなわち、ヒトに対する医療行為)を含まないことを意味し、具体的には、医師または医師の指示を受けた者がヒトに対して手術、治療または診断を行う方法を含まないことを意味する。

0038

本発明のさらに別の面によれば、概日リズム改善剤の製造のための本発明の乳酸菌の使用と、概日リズム改善剤としての本発明の乳酸菌の使用が提供される。本発明によればまた、概日リズムの改善により治療、予防または改善しうる疾患または症状の治療剤予防剤または改善剤の製造のための、本発明の乳酸菌の使用と、概日リズムの改善により治療、予防または改善しうる疾患または症状の治療剤、予防剤または改善剤としての、本発明の乳酸菌の使用が提供される。本発明の使用は、本発明の組成物および用剤に関する記載に従って実施することができる。

0039

本発明のさらにまた別の面によれば、概日リズムの改善に用いるためのラクトバチルス・パラカゼイ菌体および/またはその処理物と、概日リズムの改善により治療、予防または改善しうる疾患または症状の治療、予防または改善に用いるためのラクトバチルス・パラカゼイ菌体および/またはその処理物が提供される。上記のラクトバチルス・パラカゼイ菌体およびその処理物は、本発明の組成物および用剤に関する記載に従って実施することができる。

0040

以下の例に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。

0041

例1:マウスの活動期および休息期における活動量と加齢との関係
週齢のC57BL/6雄性マウス(日本チャールス・リバー社より入手)を「若齢群」(10匹)とし、2週間の馴化を含めて10週間通常飼育した。63週齢のC57BL/6雄性マウス(日本チャールス・リバー社より入手)を「高齢群」(16匹)として、2週間の馴化を含めて12週間通常飼育した。馴化を含めた通常飼育期間および試験期間を通して、各群に標準食飼料AIN93M(オリエンタ酵母工業社製、以下同様)を自由摂取させて、明期12時間および暗期12時間の明暗サイクル条件下で飼育した。マウスは夜行性であるため、暗期は活動期であり、明期は休息期である。馴化を含めた通常飼育後、活動量センサー(自発運動量簡易測定センサー、株式会社ニューロサイエンス社製)を用いて、明期および暗期における各個体の活動量を測定した。具体的には、マウス1匹を入れたケージ内赤外線スキャンし、マウスが一定量動いた回数カウントし、明期および暗期それぞれのカウント数計測して明期活動量および暗期活動量とした。試験は1週間行い、各個体について、各日の明期活動量または暗期活動量から1日あたりの平均値を算出した。また、各個体について、明期(休息期)の活動量に対する暗期(活動期)の活動量の比(本明細書および図面において、「明期の活動量に対する暗期の活動量の比」あるいは単に「活動量の比」ということがある)を以下の算出式にて求めた。

0042

明期の活動量に対する暗期の活動量の比が大きいほど、睡眠覚醒リズムの振幅が大きくなり、睡眠覚醒リズム、すなわち、概日リズムがより良好であると評価することができる。

0043

結果を図1に示す。図1Aおよび図1Bの結果から、高齢群では若齢群と比べて、休息期(明期)における活動量が多い傾向が示され、また、活動期(暗期)における活動量が有意に少ないことが示された。また、図1Cの結果から、高齢群では若齢群と比べて、明期の活動量に対する暗期の活動量の比が有意に減少することが示された。明期の活動量に対する暗期の活動量の比が大きいほど、睡眠覚醒リズムの振幅が大きくなり、睡眠覚醒リズム、すなわち、概日リズムがより良好であると評価することができる。従って、高齢群では若齢群と比べて、睡眠覚醒リズムの振幅が有意に減少し、睡眠覚醒リズム、すなわち、概日リズムが低下することが確認された。

0044

例2:高齢マウスにおける睡眠覚醒リズムに対する乳酸菌の効果
(1)乳酸菌凍結乾燥菌体の調製
乳酸菌ラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)KW3110株(日本乳業技術協会より入手)をMRS培地(de Man, Rogosa, Sharpe、Oxoid社製)に接種し、37℃で48時間培養した。次いで、菌体を集菌後、滅菌水で3回洗浄し、100℃で30分間オートクレーブすることにより殺菌した。菌体を凍結乾燥し、KW3110株の凍結乾燥菌体を調製した。

0045

(2)乳酸菌混餌飼料の調製
上記(1)で調製したKW3110株凍結乾燥菌体250mg(乾燥質量)を1kgの標準食飼料AIN93Mと混合し、「KW3110株混餌飼料」を調製した。

0046

(3)試験方法
11か月齢のC57BL/6雄性マウス(14匹、日本クレア社より入手)を、「標準食摂取群」および「乳酸菌摂取群」の2群(各群7匹)に分け、2週間馴化した。馴化期間、馴化期間経過後10か月間(摂取期間)および試験期間を通して、「標準食摂取群」には標準食飼料AIN93Mを自由摂取させて、「乳酸菌摂取群」には上記(2)で調製したKW3110菌株混餌飼料を自由摂取させて、明期12時間および暗期12時間の明暗サイクル条件下で飼育した。なお、乳酸菌摂取群のマウス1匹の1日あたりのKW3110菌株凍結乾燥菌体摂取量は約1mgであった。10か月間の摂取期間終了後に、例1の記載と同様にして、活動量を測定する試験を1週間行い、各個体について、明期または暗期あたりの活動量の平均値を算出した。また、各個体について、明期の活動量に対する暗期の活動量の比を算出した。また、各群について、明期または暗期あたりの活動量の平均値および明期の活動量に対する暗期の活動量の比を算出した。

0047

結果を図2に示す。図2Aおよび図2Bの結果から、ラクトバチルス・パラカゼイKW3110菌株を摂取させた乳酸菌摂取群(KW)では標準食摂取群(CTL)と比べて、休息期(明期)における活動量が有意に少ないこと、また、活動期(暗期)における活動量が多い傾向が示された。また、図2Cの結果から、乳酸菌摂取群では標準食摂取群と比べて、明期の活動量に対する暗期の活動量の比、すなわち、睡眠覚醒リズムの振幅が、有意に増大することが示された。前述の通り、明期の活動量に対する暗期の活動量の比が大きいほど、睡眠覚醒リズムの振幅が大きくなり、睡眠覚醒リズム、すなわち、概日リズムがより良好であると評価することができる。従って、乳酸菌摂取群では標準食摂取群と比べて、睡眠覚醒リズムの振幅が有意に増大し、睡眠覚醒リズム、すなわち、概日リズムが改善することが確認された。

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