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技術 設計支援装置、設計支援方法、及び設計支援プログラム

出願人 国立大学法人神戸大学三木プーリ株式会社
発明者 佐藤隆太長尾淳志橋本武志佐々木太一
出願日 2017年12月19日 (3年6ヶ月経過) 出願番号 2017-242589
公開日 2019年7月4日 (2年0ヶ月経過) 公開番号 2019-109736
状態 特許登録済
技術分野 フィードバック制御一般
主要キーワード 改善指針 判別線 設計支援ソフトウェア 制御工学 根軌跡 等値線 サポートベアリング 両振動モード
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (18)

課題

フィードバック制御されるモータによって駆動される機械装置を構成する機械要素の設計において、当該機械要素の特性が機械装置の異常な振動の発生に及ぼす影響をユーザが容易に把握できるようにする。

解決手段

機械装置の設計を支援する処理を実行する設計支援装置1において、プロセッサ11が、機械装置21、51を構成する1以上の機械要素24、56、58のうち解析対象要素数学モデルにおける複数のパラメータをそれぞれ設定し、それら複数のパラメータに基づき、機械装置21、51の1以上の振動モードについて当該機械装置の伝達関数の極を算出し、その伝達関数の極の実部等値線を含む安定性判別線図を作成する構成とする。

概要

背景

例えば、フィードバック制御系によって制御されるサーボモータ回転運動を、ボールねじ及びナットを介してテーブルの直進運動に変換する送り駆動機構では、サーボモータの回転運動は、そのゲイン定数を大きく設定するほど、高応答かつ高精度な運動が実現されることが知られている。一方、ゲイン定数を過度に大きく設定すると、送り駆動機構の各部の質量や剛性等の関係で決まる固有振動数で異常な振動が発生する場合がある。

従来、適切な制御系の特性を求める技術に関し、機械系の特性に基づいて根軌跡図を作成する方法が公知である(非特許文献1参照)。また、機械装置の性能を総合的に向上させるために、機械要素慣性モーメント及び剛性と、機械装置の性能を表す指標の1つであるサーボ剛性との関係を解析して各要素の設計を行う方法が公知である(非特許文献2参照)。また、機械装置のモデルに基づいてその特性をシミュレーションし、最適な設計を支援する方法が公知である(特許文献1参照)。

概要

フィードバック制御されるモータによって駆動される機械装置を構成する機械要素の設計において、当該機械要素の特性が機械装置の異常な振動の発生に及ぼす影響をユーザが容易に把握できるようにする。機械装置の設計を支援する処理を実行する設計支援装置1において、プロセッサ11が、機械装置21、51を構成する1以上の機械要素24、56、58のうち解析対象要素数学モデルにおける複数のパラメータをそれぞれ設定し、それら複数のパラメータに基づき、機械装置21、51の1以上の振動モードについて当該機械装置の伝達関数の極を算出し、その伝達関数の極の実部等値線を含む安定性判別線を作成する構成とする。

目的

本発明は、このような従来技術の課題を鑑みて案出されたものであり、フィードバック制御されるモータによって駆動される機械装置を構成する機械要素の設計において、当該機械要素の特性が機械装置の異常な振動の発生に及ぼす影響をユーザが容易に把握できるようにする設計支援装置、設計支援方法、及び設計支援プログラムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

フィードバック制御されるモータによって駆動される機械装置の設計を支援する処理を実行するプロセッサを備えた設計支援装置であって、前記プロセッサは、前記機械装置を構成する1以上の機械要素のうち解析対象要素数学モデルにおける複数のパラメータをそれぞれ設定し、前記複数のパラメータに基づき、前記機械装置の1以上の振動モードについて当該機械装置の伝達関数の極を算出し、前記伝達関数の極の実部等値線を含む安定性判別線図を作成することを特徴とする設計支援装置。

請求項2

前記安定性判別線図を表示する表示装置を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の設計支援装置。

請求項3

前記プロセッサは、前記振動モードが複数設定された場合に、当該複数の振動モードの各々に関する前記伝達関数の極の実部の等値線を含む1つの前記安定性判別線図を作成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の設計支援装置。

請求項4

前記複数のパラメータは、前記機械要素の剛性および減衰特性に関するパラメータを含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の設計支援装置。

請求項5

前記プロセッサは、前記伝達関数の極をその虚数部の絶対値が大きい順に並べた場合に、前記虚数部の絶対値の大きさが最も大きいものを基点として、前記数学モデルの自由度と前記振動モードの数との差分だけ下位の極の実部の値についての等値線を作成することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の設計支援装置。

請求項6

前記プロセッサは、前記機械要素の候補である1以上の対象製品に関する前記パラメータの値を示す記号を含むように前記安定性判別線図を作成することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の設計支援装置。

請求項7

フィードバック制御されるモータによって駆動される機械装置の設計を支援する設計支援方法であって、前記機械装置を構成する1以上の機械要素のうち解析対象要素の数学モデルにおける複数のパラメータをそれぞれ設定し、前記複数のパラメータに基づき、前記機械装置の1以上の振動モードについて当該機械装置の伝達関数の極を算出し、前記伝達関数の極の実部の等値線を含む安定性判別線図を作成することを特徴とする設計支援方法。

請求項8

フィードバック制御されるモータによって駆動される機械装置の設計を支援する処理を実行するための設計支援プログラムであって、コンピュータに、前記機械装置を構成する1以上の機械要素のうち解析対象要素の数学モデルにおける複数のパラメータをそれぞれ設定する手順、前記複数のパラメータに基づき、前記機械装置の1以上の振動モードについて当該機械装置の伝達関数の極を算出する手順、前記伝達関数の極の実部の等値線を含む安定性判別線図を作成する手順を実行させることを特徴とする設計支援プログラム。

技術分野

0001

本発明は、フィードバック制御されるモータによって駆動される機械装置の設計を支援する設計支援装置設計支援方法、及び設計支援プログラムに関する。

背景技術

0002

例えば、フィードバック制御系によって制御されるサーボモータ回転運動を、ボールねじ及びナットを介してテーブルの直進運動に変換する送り駆動機構では、サーボモータの回転運動は、そのゲイン定数を大きく設定するほど、高応答かつ高精度な運動が実現されることが知られている。一方、ゲイン定数を過度に大きく設定すると、送り駆動機構の各部の質量や剛性等の関係で決まる固有振動数で異常な振動が発生する場合がある。

0003

従来、適切な制御系の特性を求める技術に関し、機械系の特性に基づいて根軌跡図を作成する方法が公知である(非特許文献1参照)。また、機械装置の性能を総合的に向上させるために、機械要素慣性モーメント及び剛性と、機械装置の性能を表す指標の1つであるサーボ剛性との関係を解析して各要素の設計を行う方法が公知である(非特許文献2参照)。また、機械装置のモデルに基づいてその特性をシミュレーションし、最適な設計を支援する方法が公知である(特許文献1参照)。

0004

特開2008−102714号公報

先行技術

0005

原厚精密位置決め送り系設計のための制御工学,森出版(2008).
野義昭,松原厚,上田大介,中川秀夫,下虎,丸山寿一,NC工作機械における送り駆動系トータルチューニングに関する研究(第3報)−機構パラメータのチューニング−,精密工学会誌,Vol.62,No.3,(1996),pp.423-427.

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、上記非特許文献1従来技術では、最終的に得られる機械装置の性能は機械系の特性によって制限されることになるが、当該技術は制御系に関するものであるため、機械装置およびそれを構成する機械要素の設計については考慮されていない。また、上記非特許文献2に記載の従来技術では、1次の固有振動数についてのみしか考慮されないため、ユーザは、機械装置で発生し得る振動を適切に把握できない場合がある。また、上記特許文献1に記載の技術では、複数の送り駆動系を同時に動かして所望の形状を構成する場合に、サーボゲインを最適化する設計を実現するが、機械装置の性能を向上させるために機械系の特性をどのように設計すればよいかについては開示されていない。

0007

特に、ユーザが機械装置を構成する機械要素の設計(機械要素の選定を含む)を行う際には、対象の機械要素の特性が機械装置の異常な振動の発生に及ぼす影響をユーザが容易に把握できるようにすることが望ましいが、上述の従来技術では、そのようなユーザの利便性については考慮されていなかった。

0008

本発明は、このような従来技術の課題を鑑みて案出されたものであり、フィードバック制御されるモータによって駆動される機械装置を構成する機械要素の設計において、当該機械要素の特性が機械装置の異常な振動の発生に及ぼす影響をユーザが容易に把握できるようにする設計支援装置、設計支援方法、及び設計支援プログラムを提供することを主目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明の第1の側面では、フィードバック制御されるモータ(23、57)によって駆動される機械装置(21、51)の設計を支援する処理を実行するプロセッサ(11)を備えた設計支援装置(1)であって、前記プロセッサは、前記機械装置を構成する1以上の機械要素(24、56、58)のうち解析対象要素数学モデルにおける複数のパラメータをそれぞれ設定し、前記複数のパラメータに基づき、前記機械装置の1以上の振動モードについて当該機械装置の伝達関数の極を算出し、前記伝達関数の極の実部等値線を含む安定性判別線図を作成することを特徴とする。

0010

これによると、ユーザは、機械装置を構成する機械要素の設計(機械要素の選定を含む)において、当該機械要素の特性(パラメータ)が機械装置の異常な振動の発生に及ぼす影響を容易に把握することが可能となる。その結果、ユーザは、機械装置における異常な振動の発生を未然に防止することが可能となり、また、異常な振動が発生している機械装置においては、当該振動の発生を抑制するための機械要素の特性に関する具体的な改善指針を得ることができる。

0011

本発明の第2の側面では、前記安定性判別線図(41、71)を表示する表示装置を更に備えたことを特徴とする。

0012

これによると、ユーザは、表示装置に表示された安定性判別線図により、機械要素の特性が機械装置の異常な振動の発生に及ぼす影響を視覚的に容易に把握することが可能となる。

0013

本発明の第3の側面では、前記プロセッサは、前記振動モードが複数設定された場合に、当該複数の振動モードの各々に関する前記伝達関数の極の実部の等値線を含む1つの前記安定性判別線図を作成することを特徴とする。

0014

これによると、ユーザは、表示装置に表示された複数の振動モードに基づく安定性判別線図により、機械要素の特性が機械装置の異常な振動の発生に及ぼす影響をより確実に把握することが可能となる。

0015

本発明の第4の側面では、前記複数のパラメータは、前記機械要素の剛性および減衰特性に関するパラメータを含むことを特徴とする。

0016

これによると、ユーザは、機械要素の特性が機械装置の異常な振動の発生に及ぼす影響を適切に把握することが可能となる。

0017

本発明の第5の側面では、前記プロセッサは、前記伝達関数の極をその虚数部の絶対値が大きい順に並べた場合に、前記虚数部の絶対値の大きさが最も大きいものを基点として、前記数学モデルの自由度と前記振動モードの数との差分だけ下位の極の実部の値についての等値線を作成することを特徴とする。

0018

これによると、伝達関数の極の実部の等値線を含む安定性判別線図を適切に作成することが可能となる。

0019

本発明の第6の側面では、前記プロセッサは、前記機械要素の候補である1以上の対象製品に関する前記パラメータの値を示す記号を含むように前記安定性判別線図を作成することを特徴とする。

0020

これによると、ユーザは、機械要素の選定において、その候補となる対象製品の特性(パラメータ)が機械装置の異常な振動の発生に及ぼす影響を把握することが可能となる。その結果、ユーザは、機械装置における異常な振動の発生を未然に防止するため、または、異常な振動が発生している機械装置の当該振動の発生を抑制するための機械要素を対象製品の中から容易に選択することが可能となる。

0021

本発明の第7の側面では、フィードバック制御されるモータ(23、57)によって駆動される機械装置(21、51)の設計を支援する設計支援方法であって、前記機械装置を構成する1以上の機械要素(24、56、58)のうち解析対象要素の数学モデルにおける複数のパラメータをそれぞれ設定し、前記複数のパラメータに基づき、前記機械装置の1以上の振動モードについて当該機械装置の伝達関数の極を算出し、前記伝達関数の極の実部の等値線を含む安定性判別線図を作成することを特徴とする。

0022

これによると、ユーザは、機械装置を構成する機械要素の設計(機械要素の選定を含む)において、当該機械要素の特性(パラメータ)が機械装置の異常な振動の発生に及ぼす影響を容易に把握することが可能となる。その結果、ユーザは、機械装置における異常な振動の発生を未然に防止することが可能となり、また、異常な振動が発生している機械装置においては、当該振動の発生を抑制するための機械要素の特性に関する具体的な改善指針を得ることができる。

0023

本発明の第8の側面では、フィードバック制御されるモータ(23、57)によって駆動される機械装置(21、51)の設計を支援する処理を実行するための設計支援プログラムであって、コンピュータ(1)に、前記機械装置を構成する1以上の機械要素(24、56、58)のうち解析対象要素の数学モデルにおける複数のパラメータをそれぞれ設定する手順、前記複数のパラメータに基づき、前記機械装置の1以上の振動モードについて当該機械装置の伝達関数の極を算出する手順、前記伝達関数の極の実部の等値線を含む安定性判別線図を作成する手順を実行させることを特徴とする。

0024

これによると、ユーザは、機械装置を構成する機械要素の設計(機械要素の選定を含む)において、当該機械要素の特性(パラメータ)が機械装置の異常な振動の発生に及ぼす影響を容易に把握することが可能となる。その結果、ユーザは、機械装置における異常な振動の発生を未然に防止することが可能となり、また、異常な振動が発生している機械装置においては、当該振動の発生を抑制するための機械要素の特性に関する具体的な改善指針を得ることができる。

発明の効果

0025

このように本発明によれば、フィードバック制御されるモータによって駆動される機械装置を構成する機械要素の設計において、当該機械要素の特性が機械装置の異常な振動の発生に及ぼす影響をユーザが容易に把握することが可能となる。

図面の簡単な説明

0026

設計支援装置の機能ブロック
設計支援装置のハードウェア構成
設計支援装置による設計支援処理の流れを示すフロー
設計支援処理の適用例としての第1の機械装置を示す図
第1の機械装置の力学モデルを示す図
第1の機械装置におけるモータの制御系のブロック図
第1の機械装置のカップリングに関する安定性判別線図の一例を示す図
第1の機械装置のカップリングの候補である対象製品を用いた場合の回転速度の変化を示す図((A)第1のカップリング、(B)第2のカップリング)
第1の機械装置の設計に関し、設計支援装置で実行される設計支援ソフトウェアによるGUI画面の一例を示す図
設計支援処理の適用例としての第2の機械装置を示す図
第2の機械装置の力学モデルを示す図
第2の機械装置のサポートベアリングに関する安定性判別線図の一例を示す図((A)1次振動モード、(B)2次振動モード)
第2の機械装置のサポートベアリングの候補である対象製品を用いた場合の回転速度の変化を示す図((A)第1のサポートベアリング、(B)第2サポートベアリング)
第2の機械装置のカップリングに関する安定性判別線図の一例を示す図((A)1次振動モード、(B)2次振動モード)
第2の機械装置のカップリングの候補である対象製品を用いた場合の速度変化を示す図((A)第1のカップリング、(B)第2カップリング)
図14に示した安定性判別線図の変形例を示す図
第2の機械装置の設計に関し、設計支援装置で実行される設計支援ソフトウェアによるGUI画面の一例を示す図

実施例

0027

以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。

0028

図1および図2は、それぞれ本発明の実施形態に係る設計支援装置1の機能ブロック図及びハードウェア構成図である。

0029

この設計支援装置1は、フィードバック制御されるモータによって駆動される機械装置の設計支援するための処理(以下、「設計支援処理」という。)を実行し、その機械装置を構成する機械要素の設計(機械要素の選定を含む)に関し、当該機械要素の特性(数学モデルのパラメータ)が機械装置の異常な振動の発生に及ぼす影響をユーザに容易に把握できるようにするものである。

0030

図1に示すように、設計支援装置1は、機械装置(図示せず)の特性を模擬した数式からなる数学モデルから当該機械装置の動的な応答特性を表す伝達関数を計算する伝達関数計算部2と、解析対象の機械要素(以下、「解析対象要素」という。)の数学モデルのパラメータの範囲を設定する解析パラメータ設定部3と、解析対象要素以外の他の機械要素の数学モデルのパラメータを設定する固定パラメータ設定部4と、解析対象要素の振動モードを設定する振動モード設定部5と、設定された1以上の振動モードに関し、当該機械装置の伝達関数の極を算出し、その極の実部の等値線を含む安定判別線図を作成する安定判別線図作成部6と、ユーザによる各種設定の入力や、後に詳述する安定判別線図等の解析結果の出力に用いられる表示部7を主として備える。

0031

設計支援装置1は、公知のハードウェアを備えたコンピュータからなり、図2に示すように、設計支援ソフトウェア(制御プログラム)に基づき設計支援処理を実行する1以上のプロセッサ11と、このプロセッサ11のワークエリア等として機能するRAM(Random Access Memory)12と、プロセッサ11が実行する制御プログラムやデータ等を格納するROM(Read Only Memory)13と、設計支援装置1を公知の通信ネットワーク接続可能とするためのネットワークアダプタからなるネットワークインタフェース(I/F)14がそれぞれ入出力バス15に接続された構成を有している。

0032

また、設計支援装置1には、周辺機器として、ユーザが設計支援装置1における各種設定や、解析結果の表示等の際に利用するキーボード及びマウス等の入力デバイスである入力装置16、上述の表示部7を構成する液晶モニタ等からなる表示装置17、ならびにHDDフラッシュメモリ等のストレージからなる外部記憶装置18などが付設されている。図1に示した設計支援装置1の各部の機能は、設計支援ソフトウェアを含む所定の制御プログラムをプロセッサ11が実行することによって実現可能である。

0033

なお、設計支援装置1のハードウェアについては、設計支援処理を実行可能な限りにおいて、図2に示したものに限らず適宜変更が可能である。例えば、設計支援装置1は、複数のコンピュータによって実現することもできる。

0034

図3は、設計支援装置1(安定判別線図作成部6)による設計支援処理(設計支援方法)の流れを示すフロー図である。

0035

設計支援装置1において、ユーザは、安定判別線図(例えば、後述する図7参照)の横軸及び縦軸に相当する機械装置の数学モデルの中の任意のパラメータ(ここでは、2つのパラメータA、B)を予め設定することが可能である。

0036

設計支援処理が開始されると、まず、それら横軸及び縦軸の分割数n、mがユーザによってそれぞれ設定され(ST101)、これにより、パラメータAの解析範囲がn分割され(ST102)、パラメータBの解析範囲がm分割される(ST103)。なお、横軸及び縦軸の分割は、線形的に分割してもよいし、対数的に分割してもよい。また、ユーザは必ずしも分割数n、mをその都度設定する必要はなく、予め外部記憶装置18等に記憶された分割数n、mを用いることもできる。ここで、分割数が多ければより高い分解能での解析が行われるが、計算量が増大することになるため、パラメータに応じて横軸及び縦軸の分割数の範囲(例えば、上限値、下限値)を予め定めてもよい。

0037

次に、解析対象のパラメータAi(i=1〜n)とBj(j=1〜m)(すなわち、パラメータA、Bがそれぞれの分割数n、mに基づき変更された値)が機械装置の伝達関数に代入され、それぞれの極が順次計算される(ST104)。このとき、伝達関数の極は、伝達関数の分母多項式の根として求めることができる。

0038

ここで、機械装置のモデルの自由度をDOFとすると、その機械装置の振動モードの数はDOF−1となる。ステップST104で求められた極の虚数部の絶対値はその極による振動の振動数に対応し、解析対象の振動モードをN次とした場合、虚数部の絶対値が(DOF−N)番目に大きい極の実部(実数部)の値がCijとして外部記憶装置18に記憶される(ST105)。これにより、N次の振動モードを解析対象とする場合には、ステップST104で求められた極について、その虚部の絶対値が(DOF−N)番目に大きいものがN次の振動モードに対応する極となる。なお、伝達関数の極の実部は機械装置の安定性に関係し、その実部の値が負であれば安定であり、正であれば不安定となる。

0039

次に、ステップST105で求められた実部の値Cijについて、横軸をA、縦軸をBとした等値線が算出されることにより、その等値線を含む安定判別線図(等値線を含むグラフデータ)が作成される(ST106)。作成された安定判別線図は、外部記憶装置18に記憶される。なお、安定判別線図は、パラメータAi、Bjおよび実部の値Cijに基づく三次元グラフとしてもよい。

0040

後に詳述するように、ユーザは、機械装置を構成する機械要素の設計(機械要素の選定を含む)にあたり、上述の安定判別線図を参照することが可能である。ユーザによる安定判別線図の参照は、好ましくは、安定判別線図を含む設計支援画面を表示装置17に表示することにより行われるが、これに限らず他の形態(例えば、安定判別線図に関する音声の出力等)によって実施してもよい。

0041

これにより、ユーザは、機械要素の特性(パラメータ)が機械装置の異常な振動の発生に及ぼす影響を容易に把握することが可能となる。その結果、ユーザは、新規の機械装置における異常な振動の発生を未然に防止することが可能となり、また、異常な振動が発生している既存の機械装置においては、当該振動の発生を抑制するための機械要素の特性に関する具体的な改善指針を得ることができる。

0042

以下、本発明による設計支援装置1及びその設計支援方法について、好適な実施例を説明する。

0043

図4は、設計支援装置1による設計支援処理の適用例としての第1の機械装置21を示す図であり、図5は、第1の機械装置21の力学モデルを示す図であり、図6は、第1の機械装置21におけるモータ23の制御系のブロック図である。

0044

図4に示すように、機械装置21は、印刷機におけるローラ22の回転駆動機構として構成され、ローラ22を駆動するモータ23と、ローラ22の一端側の軸22aおよびモータ23の軸23aを連結するカップリング24を備える。ここでは、設計支援装置1による解析対象要素はカップリング24である。この場合、カップリング24の剛性や減衰特性を適切に設計することにより、駆動機構の性能を向上させることが可能となる。

0045

図5に示す力学モデルは、機械装置21の回転駆動機構の力学的な特性をモデル化したものである。また、モータ23の回転速度は、図6に示す制御系のブロック図のようにフィードバック制御されている。ここで、Tmはモータ23の出力トルク、θmはモータ23の回転角度、θrはローラ22の回転角度である。表1には、図5及び図6に示したパラメータを解析に用いた数値例と共に示す。

0046

図5に示す力学モデルから、以下に示す運動方程式が得られ、この運動方程式及び図6に示すブロック図から公知の手法に基づき機械装置21全体の伝達関数を計算できる。

0047

図7は、図4に示した第1の機械装置21のカップリング24に関する安定性判別線図の一例を示す図であり、図8(A)、(B)は、それぞれ第1の機械装置21のカップリング24の候補である対象製品(ここでは、第1及び第2のカップリング)を用いた場合の回転速度の変化を示す図である。

0048

図7に示す安定判別線図では、パラメータとしてカップリング24の剛性および減衰特性(ねじり剛性及びモータ-ローラ間粘性摩擦係数)が用いられ、それぞれ横軸及び縦軸として示されている。図7中の各等値線に付された数値は、機械装置21の2次振動モードに関する伝達関数の実部の値(ここでは、−50、0、50、100)である。この例では、ねじり剛性が比較的小さい領域(例えば、2.0×105未満の領域)を除けば、伝達関数の実部の値が負となる安定領域では、機械装置21に異常な振動が発生する可能性は低く、一方で、実部の値が正となる不安定領域では、機械装置21に異常な振動が発生する可能性が高くなる。なお、安定判別線図は、図7に示すものに限らず、例えば図7に示す横軸及び縦軸を相互に入れ替えてもよい。

0049

図8(A)、(B)では、それぞれカップリング24に第1及び第2のカップリングを適用した機械装置21において、モータ23の回転速度をゼロから100rpmに増大させた場合のローラ22の回転速度の変化を示している。

0050

ここで、第1のカップリングの剛性および減衰特性の値は、図7中に三角印(△)で示すように、安定判別線図の不安定領域に位置する。一方、第2のカップリングのねじり剛性及び粘性減衰特性の値は、図7中に丸印(○)で示すように、安定判別線図の安定領域に位置する。なお、本願発明における「対象製品」は、市販品等の既存の製品から選択することが可能であるが、これに限らず新たに設計、製造を予定している機械要素であってもよい。

0051

図8(A)に示すように、剛性および減衰特性の値が不安定領域に位置する第1のカップリングを機械装置21に適用した場合には、ローラ22の回転中に異常な振動が発生するため、機械装置21の正常な使用が難しいことがわかる。一方、図8(B)に示すように、剛性および減衰特性の値が安定領域に位置する第2のカップリングを機械装置21に適用した場合には、機械装置21におけるローラ22は、正常な回転動作を行えることがわかる。

0052

このように、ユーザは、上述のような安定判別線図からカップリング24の特性(ここでは、剛性および減衰特性)が機械装置21の振動に及ぼす影響を容易に把握することが可能となる。その結果、ユーザは、剛性および減衰特性の値が安定領域に位置するように、カップリング24を設計(選定を含む)することにより、機械装置21における異常な振動の発生を未然に防止することが可能となる。また、ユーザは、機械装置21において異常な振動が発生している場合は、当該振動の発生を抑制するためのカップリング24の剛性および減衰特性に関する具体的な改善指針を得ることができる。本発明を使用すれば、カップリングのような機械要素に関する異常な振動に対する安定性を、一目で判断できる指針を表示することができ、その効果は大なるものがある。

0053

図9は、第1の機械装置21の設計支援に関し、設計支援装置1にインストールされた設計支援ソフトウェアによるGUI(Graphical User Interface)画面30の一例を示す図である。

0054

図9に示すように、GUI画面30において、解析パラメータ設定フィールド31は、解析パラメータ設定部3によって設定される解析対象要素のパラメータ(ここでは、カップリング24の剛性および減衰特性等)の範囲に関し、ユーザによる入力操作を可能とする。また、固定パラメータ設定フィールド32は、固定パラメータ設定部4によって設定される解析対象要素以外の他の機械要素のパラメータ(ここでは、速度ループ比例ゲインKvp、速度ループ積分ゲインKvi、モータの粘性摩擦係数、ローラ粘性摩擦係数、モータ-ローラ間粘性減衰係数等)に関し、ユーザによる入力操作を可能とする。また、解析結果出力フィールド33には、ユーザによる所定の操作に応じて、図7に対応する安定判別線図41や、その三次元グラフ42が示される。三次元グラフは、GUI画面上の「回転ON」をチェックすることで任意の視点で表示させることができる。「回転ON」の表示を省略して、常に回転を可能になるようにしてもよいし、視点を固定してもよい。

0055

なお、上述の伝達関数計算部2は、設計支援ソフトウェアの機能の一部であり、また、機械要素のパラメータのうち変更が不要なものについては、設計支援ソフトウェアに帰属するデータとして外部記憶装置18等に予め記憶される。ここでは、機械装置21の振動モードが1つであることから、後述する図17に示すような振動モード設定フィールドは不要であり、上述の振動モード設定部5を省略することができる。

0056

設計支援装置1では、このようなGUI画面30を用いることにより、ユーザによる各種設定の入力や、ユーザに対する解析結果(安定判別線図等)の出力が可能である。解析結果の出力に関し、解析結果出力フィールド33には、カップリング24のパラメータに基づき公知の手法により作成された根軌跡図45を表示することも可能である。

0057

図10は、設計支援装置1による設計支援処理の適用例としての第2の機械装置51を示す図であり、図11は、機械装置51の力学モデルを示す図である。なお、第2の機械装置51に関し、以下で特に言及しない事項については、上述の第1の機械装置21に関する説明を適宜参照されたい。

0058

図10に示すように、機械装置51は、製造装置(例えば、工作機械)における送り駆動機構として構成され、ボールねじ52と、ボールねじ52のナット53に取り付けられたテーブル54と、ボールねじ52のねじ軸55を支持するサポートベアリング56と、ボールねじ52を駆動するサーボモータ57と、ねじ軸55の端部55aおよびサーボモータ57の軸57aを連結するカップリング58を備える。このような構成により、機械装置51では、サーボモータ57の回転運動をねじ軸55及びナット53を介してテーブル54の直進運動に変換することが可能である。ここでは、設計支援装置1による解析対象要素は、カップリング58およびサポートベアリング56である。機械装置51では、カップリング58およびサポートベアリング56の剛性や減衰特性を適切に設計することにより、送り駆動機構の性能を向上させることが可能となる。

0059

図11に示す力学モデルは、機械装置21の駆動機構の力学的な特性をモデル化したものである。図11において、Tmはサーボモータ57の出力トルク、θmはサーボモータ57の回転角度、θsはねじ軸55の回転角度、xsはねじ軸55の軸方向変位、xtはテーブル54の軸方向変位である。表2には、図11に示したパラメータを解析に用いた数値例と共に示す。

0060

図11に示す力学モデルから、以下に示す運動方程式が得られ、この運動方程式及び図6に示したものと同様のブロック図から公知の手法に基づき機械装置51全体の伝達関数を計算できる。

0061

図12(A)、(B)は、それぞれ図10に示した第2の機械装置51の機械要素の1つであるサポートベアリング56の1次振動モード及び2次振動モードに関する安定性判別線図の一例を示す図であり、図13(A)、(B)は、それぞれ第2の機械装置51のサポートベアリング56の候補である対象製品(第1及び第2のサポートベアリング)を用いた場合の速度変化を示す図である。

0062

図12(A)、(B)に示す安定判別線図では、パラメータとしてサポートベアリング56の剛性および減衰特性(軸方向剛性及び軸方向の粘性減衰係数)が用いられ、それぞれ横軸及び縦軸として示されている。図11に示した機械装置51の力学モデルは4つの自由度を有するため、その振動モードは3つとなるが、ここでは、2つの振動モード(図12(A)1次振動モード、図12(B)2次振動モード)についてのみ安定判別線図を示している。

0063

上述の図7の場合と同様に、図12(A)、(B)において、伝達関数の実部の値が負となる安定領域では、機械装置51に異常な振動が発生する可能性は低く、一方で、実部の値が正となる不安定領域では、機械装置51に異常な振動が発生する可能性が高い。

0064

図13(A)、(B)では、それぞれサポートベアリング56に第1及び第2のサポートベアリングを適用した機械装置51において、サーボモータ57の速度指令をステップ状に変化させたときの応答(速度変化)を示している。

0065

ここで、第1のサポートベアリングの軸方向剛性及び軸方向の粘性減衰係数の値は、図12中に三角印(△)で示してあり、図12(A)の1次振動モードについては安定領域に位置するが、図12(B)の2次振動モードについては不安定領域に位置する。また、第2のサポートベアリングの軸方向剛性及び軸方向の粘性減衰係数の値は、図12中に丸印(○)で示してあり、第1のサポートベアリングとは逆に、図12(A)の1次振動モードについては不安定領域に位置するが、図12(B)の2次振動モードについては安定領域に位置する。

0066

図13(A)に示す第1のサポートベアリングでは、図13(B)に示す第2のサポートベアリングと比べて高い周波数での発振が生じており、これは,図12(B)に示す2次振動モードの安定判別線図において、第1のサポートベアリングの軸方向剛性及び軸方向の粘性減衰係数の値が不安定領域に位置することと対応している。

0067

このように、ユーザは、図12(A)、(B)のような安定判別線図からサポートベアリング56の特性(ここでは、軸方向剛性及び軸方向の粘性減衰係数)が機械装置51の1次振動モードと2次振動モードに対する振動に及ぼす影響を容易に把握することが可能となる。このように本発明を用いれば、2以上の振動モードを有する機械装置において、機械要素に関する安定性を、機械装置の製造後だけでなく、設計時点で、容易に判断できる使用を提供できる。

0068

図14(A)、(B)は、それぞれ図10に示した第2の機械装置51の機械要素の1つであるカップリング58の1次振動モード及び2次振動モードに関する安定性判別線図の一例を示す図であり、図15(A)、(B)は、それぞれ第2の機械装置51のカップリング58の候補である対象製品(第1及び第2のカップリング)を用いた場合の速度変化を示す図であり、図16は、図14(A)、(B)に示した安定性判別線図の変形例を示す図である。

0069

図14(A)、(B)に示す安定判別線図では、パラメータとしてカップリング58の剛性および減衰特性が用いられ、それぞれ横軸及び縦軸として示されている。ここでも、図12(A)、(B)の場合と同様に、1次振動モードおよび2次振動モードについての安定判別線図を示している。

0070

このように、設計支援装置1及びその設計支援方法では、安定判別線図を作成する際の解析対象や、振動モードを自由に選択することができる。また、上述の図7の場合と同様に、図14(A)、(B)において、伝達関数の実部の値が負となる安定領域では、機械装置51に異常な振動が発生する可能性は低く、一方で、実部の値が正となる不安定領域では、機械装置51に異常な振動が発生する可能性が高い。

0071

図14(A)に示すように、機械装置51では、カップリング58の特性を変えても1次振動モードの安定性にはほとんど影響を及ぼさないことがわかる。一方、図14(B)に示すように、2次振動モードについては、カップリング58のねじり剛性及び粘性減衰特性が機械装置51の安定性に影響を及ぼすことがわかる。

0072

図15(A)、(B)では、それぞれカップリング58に第1及び第2のカップリングを適用した機械装置51において、サーボモータ57の速度指令をステップ状に変化させたときの応答(速度変化)を示している。

0073

ここで、第1のカップリングのねじり剛性及び粘性減衰特性の値は、図14中に三角印(△)で示してあり、図14(A)の1次振動モードについては安定領域に位置するが、図14(B)の2次振動モードについては不安定領域に位置する。また、第2のカップリングの軸方向剛性及び軸方向の粘性減衰係数の値は、図14中に丸印(○)で示してあり、図14(A)の1次振動モードおよび図14(B)の2次振動モードについてともに安定領域に位置する。

0074

図15(A)に示す第1のカップリングでは、図15(B)に示す第2のサポートベアリングと比べて高い周波数での発振が生じており、これは,図14(B)に示す2次振動モードの安定判別線図において、第1のカップリングの軸方向剛性及び軸方向の粘性減衰係数の値が、不安定領域に位置することと対応している。一方、図15(B)に示す第2のカップリングでは、応答は発振せず、第2の機械装置51を正常に使用できることがわかる。

0075

このような機械装置51の送り駆動機構の解析結果によれば、ユーザは、例えば、1次振動モードについての安定判別線図の安定領域に位置するサポートベアリング56の特性を設計し、その上で2次振動モードについての安定判別線図の安定領域に位置するようにカップリング58を選択すれば、送り駆動機構の性能を総合的に向上させることができる。また、サポートベアリング56の剛性を第1のサポートベアリングの値と第2のサポートベアリングの値との中間程度にとれば、1次と2次の両方の振動モードについての安定判別線図の安定領域に位置させることができることもわかる。サポートベアリングの軸方向剛性は、ベアリング予圧量を変えることで調整できることが知られている。

0076

このように、ユーザは、設計支援装置1及びその設計支援方法を用いることにより、複数の解析対象要素が機械装置51の振動に及ぼす影響を容易に把握することが可能となる。また、ユーザは、機械装置51の性能を向上させるための最適な要素の剛性や減衰特性を把握することができ、機械装置の性能を向上させるように機械要素の設計(機械要素の選定を含む)を行うことができる。

0077

なお、図12及び図14では、それぞれ個別の機械要素(サポートベアリング56、カップリング58)の特性に基づき安定判別線図を作成したが、これに限らず、複数の機械要素の特性に基づき1つの安定判別線図を作成する(例えば、横軸をサポートベアリング56の剛性とし、縦軸をカップリング58の剛性とする)こともできる。また、上述の安定判別線図の横軸および縦軸の少なくとも一方をサーボモータ57の制御系のサーボゲインとしてもよいし、また、ボールねじ52のリードや慣性モーメント、質量などを解析対象にすることもできる。

0078

また、図12(A)、(B)では、複数の振動モードに対してそれぞれ安定判別線図を作成する例を示したが、複数の振動モードの各々に関して作成した安定判別線図を重ねた態様の1つの安定判別線図を作成し、これを表示部7に表示することも可能である。

0079

例えば、図16に示す安定判別線図では、図12(A)、(B)に示した第1振動モードおよび第2振動モードに関する等値線が含まれることになり、両振動モードを考慮して安定領域(図16中の塗りつぶされた領域参照)及び不安定領域が画定される。ユーザは、このような複数の振動モードに基づく安定判別線図により、サポートベアリング56の特性が機械装置の異常な振動の発生に及ぼす影響をより確実に把握することが可能となる。なお、設計支援装置1及びその設計支援方法では、3以上の振動モードの各々に関して作成した安定判別線図を重ねた態様の1つの安定判別線図を作成することもできる。

0080

図17は、第2の機械装置51の設計支援に関し、設計支援装置1で実行される設計支援ソフトウェアによるGUIの画面60の一例を示す図である。

0081

図17に示すように、GUI画面60において、解析パラメータ設定フィールド61は、解析パラメータ設定部3によって設定される解析対象要素のパラメータ(ここでは、サポートベアリング56の軸方向剛性及び軸方向の粘性減衰係数)の範囲に関し、ユーザによる入力操作を可能とする。なお、ユーザは、解析パラメータ設定フィールド61の解析対象要素を適宜変更することが可能である。また、固定パラメータ設定フィールド62は、固定パラメータ設定部4によって設定される解析対象要素以外の他の機械要素のパラメータ(ここでは、速度ループ比例ゲインKvp、速度ループ積分ゲインKvi、カップリング58の剛性およびねじり剛性及び粘性減衰係数、ベアリングの軸方向剛性および粘性減衰係数、ナット53の軸方向剛性および粘性摩擦係数)に関し、ユーザによる入力操作を可能とする。また、振動モード設定フィールド64は、振動モード設定部5によって設定される解析対象要素の振動モードに関し、ユーザによる入力操作を可能とする。ここでは、振動モード設定フィールド64において2次振動モードが入力(選択)されているが、ユーザは、1次振動モードや、図16に示した複数振動モードを入力することもできる。また、解析結果出力フィールド63には、図12(B)に対応する安定判別線図71及びその三次元グラフ72が示される。三次元グラフは、GUI画面上の「回転ON」をチェックすることで任意の視点で表示させることができる。「回転ON」の表示を省略して、常に回転を可能になるようにしてもよいし、視点を固定してもよい。なお、解析結果出力フィールド63には、サポートベアリング56のパラメータに基づき公知の手法により作成された根軌跡図75を表示することも可能である。

0082

本発明の適用は、適用する機械装置が、振動モードを1つのみ有する場合にも適用できるが、特に、振動モードを、2以上有する場合には、それぞれの振動モードで安定になるように、機械要素のパラメータを選定でき、機械装置を製造した後の異常な振動に対する対策だけでなく、機械装置を製作する前に、機械要素に必要なパラメータを設定できるという大きなメリットがある。

0083

以上、本発明を特定の実施形態に基づいて説明したが、これらの実施形態はあくまでも例示であって、本発明はこれらの実施形態によって限定されるものではない。
例えば、本発明に係る設計支援装置及びその設計支援方法は、上述の例に限らず、例えば、半導体製造装置パワーステアリング航空機揚力装置、及び産業用ロボット等の種々の機械装置の駆動機構の設計支援に用いることが可能である。なお、上記実施形態に示した本発明に係る設計支援装置、設計支援方法、及び設計支援プログラムの各構成要素は、必ずしも全てが必須ではなく、少なくとも本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。

0084

1 :設計支援装置
2 :伝達関数計算部
3 :解析パラメータ設定部
4 :固定パラメータ設定部
5 :振動モード設定部
6 :安定判別線図作成部
7 :表示部
11 :プロセッサ
15 :入出力バス
16 :入力装置
17 :表示装置
18 :外部記憶装置
21 :第1の機械装置
22 :ローラ
23 :モータ
24 :カップリング
30、60:GUI画面
31、61:解析パラメータ設定フィールド
32、62:固定パラメータ設定フィールド
33、63:解析結果出力フィールド
41、71:安定判別線図
42、72:三次元グラフ
45、75:根軌跡図
51 :第2の機械装置
52 :ボールねじ
53 :ナット
54 :テーブル
55 :ねじ軸
56 :サポートベアリング
57 :サーボモータ
58 :カップリング

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