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技術 摺動部材及び軸受

出願人 千住金属工業株式会社
発明者 黒崎公彦田所健三豊田実
出願日 2018年12月12日 (1年4ヶ月経過) 出願番号 2018-232479
公開日 2019年7月4日 (10ヶ月経過) 公開番号 2019-108980
状態 特許登録済
技術分野 高分子組成物 すべり軸受 流体減衰装置
主要キーワード 振動減衰能力 振動減衰器 自己摩耗量 自己摩耗 バイメタル構造 多孔質焼結層 静摩擦力 ダイアリー
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

静摩擦力動摩擦力の関係を制御可能な摺動部材及びこの摺動部材を使用した軸受を提供する。

解決手段

摺動部材1は、金属基材2と、金属基材2の一の面に形成される多孔質層3と、多孔質層3を被覆する摺動層5を備える。摺動層5は、鉛を含まない樹脂組成物4で形成され、樹脂組成物4は、樹脂組成物の重量を100としたとき、ピッチ系炭素繊維を10wt%超35wt%以下で含み、残部がフッ素樹脂であり、ピッチ系炭素繊維は、繊維径が5μm以上20μm以下、繊維長が10μm以上150μm以下、アスペクト比が2以上20以下である。

概要

背景

摺動部材としては、裏金となる鋼板上にCu系合金粉末焼結させた2層構造、いわゆるバイメタル構造と称す摺動材料が多く使用されてきた。この場合、Cu系合金粉末を焼結した金属層の表面が摺動面となるために、従来使用されてきたCu系合金粉末は、Pb(鉛)の添加により良好な摺動性を確保していた。

一方、Pbの人体に対する有害性から、近年Pbの使用が様々な分野で規制されており、摺動部材でも、Pbを使用しない材料が提案されている。このようなPbを使用しない摺動材料として、樹脂材料を使用した摺動部材が提案されている(例えば、特許文献1参照)。

従来の樹脂材料を用いた摺動部材は、裏金となる鋼板上にCu系合金の粉末を多孔質に焼結させ、樹脂添加剤混練した樹脂組成物多孔質層含浸させて焼成した3層構造の構成である(例えば、特許文献2参照)。この場合、樹脂層の表面が摺動面となる。樹脂組成物としては、耐熱性を考慮してフッ素樹脂であるポリテトラフルオロエチレンPTFE)が一般的に使用される。このようなPTFEを含浸させた摺動部材が、例えば、自動車等のショックアブソーバ等の摺動部に使用される。また、複層構造軸受として、ポリテトラフルオロエチレン樹脂と、炭素繊維と、カルシウム化合物を含む樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。更に、円筒状の内周面多孔質焼結層と樹脂層で構成された軸受ブッシュであって、軸受ブッシュの滑り面を、フッ素樹脂に、熱可塑性樹脂と、炭素繊維と、二硫化モリブデンとを配合してなるフッ素樹脂組成物で形成することが提案されている(例えば、特許文献4参照)。また、樹脂組成物を含む摺動部材の残部をフッ素樹脂のみとすることが提案されている(例えば、特許文献5〜8参照)。

概要

静摩擦力動摩擦力の関係を制御可能な摺動部材及びこの摺動部材を使用した軸受を提供する。摺動部材1は、金属基材2と、金属基材2の一の面に形成される多孔質層3と、多孔質層3を被覆する摺動層5を備える。摺動層5は、鉛を含まない樹脂組成物4で形成され、樹脂組成物4は、樹脂組成物の重量を100としたとき、ピッチ系炭素繊維を10wt%超35wt%以下で含み、残部がフッ素樹脂であり、ピッチ系炭素繊維は、繊維径が5μm以上20μm以下、繊維長が10μm以上150μm以下、アスペクト比が2以上20以下である。

目的

本発明は、静摩擦力と動摩擦力の関係を制御可能な摺動部材及び軸受を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

鉛を含まない樹脂組成物で形成され、前記樹脂組成物は、ピッチ系炭素繊維フッ素樹脂からなり、樹脂組成物の重量を100としたとき、ピッチ系炭素繊維を10wt%超35wt%以下で含み、樹脂組成物の残部がフッ素樹脂のみであることを特徴とする摺動部材

請求項2

金属基材と、前記金属基材の一の面に形成される多孔質層と、前記多孔質層を被覆する摺動層を備え、前記多孔質層は、金属単体または合金組成物で形成され、前記摺動層は、鉛を含まない樹脂組成物で形成され、前記樹脂組成物は、ピッチ系炭素繊維とフッ素樹脂からなり、樹脂組成物の重量を100としたとき、ピッチ系炭素繊維を10wt%超35wt%以下で含み、樹脂組成物の残部がフッ素樹脂のみであることを特徴とする摺動部材。

請求項3

前記樹脂組成物は、ピッチ系炭素繊維を10wt%超17wt%以下で含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の摺動部材。

請求項4

鉛を含まない樹脂組成物で形成され、前記樹脂組成物は、樹脂組成物の重量を100としたとき、ピッチ系炭素繊維を10wt%超35wt%以下で含み、前記樹脂組成物は、さらに、アラミド繊維酸化鉄二硫化モリブデン黒鉛亜鉛合金または亜鉛化合物のいずれか、または、2以上の組み合わせを含み、アラミド繊維を含む場合、添加量が0wt%超14wt%以下、酸化鉄を含む場合、添加量が0wt%超37wt%以下、二硫化モリブデンを含む場合、添加量が0wt%超20wt%以下、黒鉛を含む場合、添加量が0wt%超10wt%以下、亜鉛、亜鉛合金または亜鉛化合物を含む場合、添加量が0wt%超40wt%以下であり、残部がフッ素樹脂であることを特徴とする摺動部材。

請求項5

金属基材と、前記金属基材の一の面に形成される多孔質層と、前記多孔質層を被覆する摺動層を備え、前記多孔質層は、金属単体または合金組成物で形成され、前記摺動層は、鉛を含まない樹脂組成物で形成され、前記樹脂組成物は、樹脂組成物の重量を100としたとき、ピッチ系炭素繊維を10wt%超35wt%以下で含み、前記樹脂組成物は、さらに、アラミド繊維、酸化鉄、二硫化モリブデン、黒鉛、亜鉛、亜鉛合金または亜鉛化合物のいずれか、または、2以上の組み合わせを含み、アラミド繊維を含む場合、添加量が0wt%超14wt%以下、酸化鉄を含む場合、添加量が0wt%超37wt%以下、二硫化モリブデンを含む場合、添加量が0wt%超20wt%以下、黒鉛を含む場合、添加量が0wt%超10wt%以下、亜鉛、亜鉛合金または亜鉛化合物を含む場合、添加量が0wt%超40wt%以下であり、残部がフッ素樹脂であることを特徴とする摺動部材。

請求項6

前記ピッチ系炭素繊維は、繊維径が5μm以上20μm以下、繊維長が10μm以上150μm以下、アスペクト比が2以上20以下であることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の摺動部材。

請求項7

前記フッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の摺動部材。

請求項8

金属基材と、前記金属基材の一の面に形成される多孔質層と、前記多孔質層を被覆する摺動層を備え、前記摺動層を内側として環状とし、円筒状の内周面が前記摺動層で構成される軸受において、前記多孔質層は、金属単体または合金組成物で形成され、前記摺動層は、鉛を含まない樹脂組成物で形成され、前記樹脂組成物は、ピッチ系炭素繊維とフッ素樹脂からなり、樹脂組成物の重量を100としたとき、ピッチ系炭素繊維を10wt%超35wt%で含み、樹脂組成物の残部がフッ素樹脂のみであることを特徴とする軸受。

請求項9

金属基材と、前記金属基材の一の面に形成される多孔質層と、前記多孔質層を被覆する摺動層を備え、前記摺動層を内側として環状とし、円筒状の内周面が前記摺動層で構成される軸受において、前記多孔質層は、金属単体または合金組成物で形成され、前記摺動層は、鉛を含まない樹脂組成物で形成され、前記樹脂組成物は、樹脂組成物の重量を100としたとき、ピッチ系炭素繊維を10wt%超35wt%で含み、前記樹脂組成物は、さらに、アラミド繊維、酸化鉄、二硫化モリブデン、黒鉛、亜鉛、亜鉛合金または亜鉛化合物のいずれか、または、2以上の組み合わせを含み、アラミド繊維を含む場合、添加量が0wt%超14wt%以下、酸化鉄を含む場合、添加量が0wt%超37wt%以下、二硫化モリブデンを含む場合、添加量が0wt%超20wt%以下、黒鉛を含む場合、添加量が0wt%超10wt%以下、亜鉛、亜鉛合金または亜鉛化合物を含む場合、添加量が0wt%超40wt%以下であり、残部がフッ素樹脂であることを特徴とする軸受。

技術分野

0001

本発明は、相手材摺動可能に支持する摺動部材及びこの摺動部材を使用した軸受に関する。

背景技術

0002

摺動部材としては、裏金となる鋼板上にCu系合金粉末焼結させた2層構造、いわゆるバイメタル構造と称す摺動材料が多く使用されてきた。この場合、Cu系合金粉末を焼結した金属層の表面が摺動面となるために、従来使用されてきたCu系合金粉末は、Pb(鉛)の添加により良好な摺動性を確保していた。

0003

一方、Pbの人体に対する有害性から、近年Pbの使用が様々な分野で規制されており、摺動部材でも、Pbを使用しない材料が提案されている。このようなPbを使用しない摺動材料として、樹脂材料を使用した摺動部材が提案されている(例えば、特許文献1参照)。

0004

従来の樹脂材料を用いた摺動部材は、裏金となる鋼板上にCu系合金の粉末を多孔質に焼結させ、樹脂添加剤混練した樹脂組成物多孔質層含浸させて焼成した3層構造の構成である(例えば、特許文献2参照)。この場合、樹脂層の表面が摺動面となる。樹脂組成物としては、耐熱性を考慮してフッ素樹脂であるポリテトラフルオロエチレンPTFE)が一般的に使用される。このようなPTFEを含浸させた摺動部材が、例えば、自動車等のショックアブソーバ等の摺動部に使用される。また、複層構造の軸受として、ポリテトラフルオロエチレン樹脂と、炭素繊維と、カルシウム化合物を含む樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。更に、円筒状の内周面多孔質焼結層と樹脂層で構成された軸受ブッシュであって、軸受ブッシュの滑り面を、フッ素樹脂に、熱可塑性樹脂と、炭素繊維と、二硫化モリブデンとを配合してなるフッ素樹脂組成物で形成することが提案されている(例えば、特許文献4参照)。また、樹脂組成物を含む摺動部材の残部をフッ素樹脂のみとすることが提案されている(例えば、特許文献5〜8参照)。

先行技術

0005

特開昭62−127227号公報
特開2010−159808号公報
特開2011−137528号公報
特開2010−159809号公報
特開平5−332365号公報
特開平6−122887号公報
特開2002−295600号公報
特開2006−194397号公報

発明が解決しようとする課題

0006

自動車等に組み込まれるショックアブソーバでは、路面の変化等に追従して変位するサスペンション機構動きが伝達されて往復運動を行うピストンロッドガイドするガイドブッシュに摺動部材が用いられる。

0007

ショックアブソーバでは、外部からの入力に対して液体粘性抵抗を利用して、振動減衰している。一方、ピストンロッドの往復運動をガイドするガイドブッシュで生じる摩擦力が、自動車等の乗り心地に影響を及ぼすことが判ってきた。

0008

すなわち、静止しているピストンロッドを動かそうとする際に働く静摩擦力と、ピストンロッドが動いている際に働く動摩擦力の関係が、自動車等の乗り心地に影響を及ぼす。摺動部材において、摺動性を高めるという周知の課題を解決するため、動摩擦係数を低下させることは従来から知られている。また、特許文献3、4に記載のように、摺動部材の摺動層を形成する樹脂組成物に炭素繊維、更には特許文献3に記載のようにカルシウム化合物を配合することで、耐摩耗性を向上させることが従来より知られている。しかし、摺動層にPTFEを含浸させた摺動部材において、単に動摩擦係数を低下させるのではなく、ピッチ系炭素繊維とPTFEのそれぞれの配合を調整することで、静摩擦力を大きくし、かつ、静摩擦力と動摩擦力の変化率を少なく抑えることは、一切検討されてこなかった。

0009

本発明は、静摩擦力と動摩擦力の関係を制御可能な摺動部材及び軸受を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは、摺動層を形成する樹脂組成物に、所定量のピッチ系炭素繊維を含むことで、静摩擦力を大きくすることができ、かつ、静摩擦力と動摩擦力の関係を制御できることを見出した。

0011

そこで、本発明は、鉛を含まない樹脂組成物で形成され、樹脂組成物は、ピッチ系炭素繊維とフッ素樹脂からなり、樹脂組成物の重量を100としたとき、ピッチ系炭素繊維を10wt%超35wt%以下で含み、樹脂組成物の残部がフッ素樹脂のみである摺動部材である。

0012

また、本発明は、金属基材と、金属基材の一の面に形成される多孔質層と、多孔質層を被覆する摺動層を備え、多孔質層は、金属単体または合金組成物で形成され、摺動層は、鉛を含まない樹脂組成物で形成され、樹脂組成物は、ピッチ系炭素繊維とフッ素樹脂からなり、樹脂組成物の重量を100としたとき、ピッチ系炭素繊維を10wt%超35wt%以下で含み、樹脂組成物の残部がフッ素樹脂のみである摺動部材である。

0013

樹脂組成物は、ピッチ系炭素繊維を10wt%超17wt%以下で含むことが好ましい。

0014

また、本発明は、鉛を含まない樹脂組成物で形成され、樹脂組成物は、樹脂組成物の重量を100としたとき、ピッチ系炭素繊維を10wt%超35wt%以下で含み、樹脂組成物は、さらに、アラミド繊維酸化鉄、二硫化モリブデン、黒鉛亜鉛亜鉛合金または亜鉛化合物のいずれか、または、2以上の組み合わせを含み、アラミド繊維を含む場合、添加量が0wt%超14wt%以下、酸化鉄を含む場合、添加量が0wt%超37wt%以下、二硫化モリブデンを含む場合、添加量が0wt%超20wt%以下、黒鉛を含む場合、添加量が0wt%超10wt%以下、亜鉛、亜鉛合金または亜鉛化合物を含む場合、添加量が0wt%超40wt%以下であり、残部がフッ素樹脂である摺動部材である。

0015

更に、本発明は、金属基材と、金属基材の一の面に形成される多孔質層と、多孔質層を被覆する摺動層を備え、多孔質層は、金属単体または合金組成物で形成され、摺動層は、鉛を含まない樹脂組成物で形成され、樹脂組成物は、樹脂組成物の重量を100としたとき、ピッチ系炭素繊維を10wt%超35wt%以下で含み、樹脂組成物は、さらに、アラミド繊維、酸化鉄、二硫化モリブデン、黒鉛、亜鉛、亜鉛合金または亜鉛化合物のいずれか、または、2以上の組み合わせを含み、アラミド繊維を含む場合、添加量が0wt%超14wt%以下、酸化鉄を含む場合、添加量が0wt%超37wt%以下、二硫化モリブデンを含む場合、添加量が0wt%超20wt%以下、黒鉛を含む場合、添加量が0wt%超10wt%以下、亜鉛、亜鉛合金または亜鉛化合物を含む場合、添加量が0wt%超40wt%以下であり、残部がフッ素樹脂である摺動部材である。

0016

ピッチ系炭素繊維は、繊維径が5μm以上20μm以下、繊維長が10μm以上150μm以下、アスペクト比が2以上20以下であることが好ましい。また、フッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレンであることが好ましい。

0017

更に、本発明は、金属基材と、金属基材の一の面に形成される多孔質層と、多孔質層を被覆する摺動層を備え、摺動層を内側として環状とし、円筒状の内周面が摺動層で構成される軸受において、多孔質層は、金属単体または合金組成物で形成され、摺動層は、鉛を含まない樹脂組成物で形成され、樹脂組成物は、ピッチ系炭素繊維とフッ素樹脂からなり、樹脂組成物の重量を100としたとき、ピッチ系炭素繊維を10wt%超35wt%で含み、樹脂組成物の残部がフッ素樹脂のみである軸受である。

0018

また、本発明は、金属基材と、金属基材の一の面に形成される多孔質層と、多孔質層を被覆する摺動層を備え、摺動層を内側として環状とし、円筒状の内周面が摺動層で構成される軸受において、多孔質層は、金属単体または合金組成物で形成され、摺動層は、鉛を含まない樹脂組成物で形成され、樹脂組成物は、樹脂組成物の重量を100としたとき、ピッチ系炭素繊維を10wt%超35wt%で含み、樹脂組成物は、さらに、アラミド繊維、酸化鉄、二硫化モリブデン、黒鉛、亜鉛、亜鉛合金または亜鉛化合物のいずれか、または、2以上の組み合わせを含み、アラミド繊維を含む場合、添加量が0wt%超14wt%以下、酸化鉄を含む場合、添加量が0wt%超37wt%以下、二硫化モリブデンを含む場合、添加量が0wt%超20wt%以下、黒鉛を含む場合、添加量が0wt%超10wt%以下、亜鉛、亜鉛合金または亜鉛化合物を含む場合、添加量が0wt%超40wt%以下であり、残部がフッ素樹脂である軸受である。

発明の効果

0019

本発明では、所定量のピッチ系炭素繊維が添加されることで、静摩擦力を大きくすることができ、かつ、静摩擦力に対する動摩擦力の変化率を少なく抑え、更に摩耗を抑えることができる。これにより、本発明の摺動部材がショックアブソーバに適用されると乗り心地を向上させることができる。

図面の簡単な説明

0020

本実施の形態の摺動部材の一例を示す断面組織図である。
本実施の形態の軸受の一例を示す斜視図である。
本実施の形態の軸受の一例を示す断面図である。
静摩擦力と動摩擦力の関係を示すグラフである。
動摩擦力と静摩擦力を測定する試験機の一例を示す構成図である。

0021

以下、図面を参照して、本発明の摺動部材の実施の形態、及び、本発明の摺動部材が適用された軸受の実施の形態について説明する。

0022

<本実施の形態の摺動部材の構成例>
本実施の形態の摺動部材は、鉛を含まない樹脂組成物で形成され、樹脂組成物は、フッ素樹脂と、必須の添加剤としてピッチ系炭素繊維を含む。樹脂組成物は、ピッチ系炭素繊維を10wt%超35wt%以下で含み、残部がフッ素樹脂である。ピッチ系炭素繊維は、繊維径が5μm以上20μm以下、繊維長が10μm以上150μm以下、アスペクト比が2以上20以下である。本実施の形態の摺動部材は、金属基材の表面を被覆する形態、金属基材の表面に設けた金属の多孔質を被覆する形態で使用される。

0023

図1は、本実施の形態の摺動部材の一例を示す断面組織図である。本実施の形態の摺動部材1は、金属基材2と、金属基材2の一の面である表面に金属単体または合金組成物で形成される多孔質層3と、多孔質層3を樹脂組成物4で被覆した摺動層5を備える。

0024

多孔質層3は、金属基材2の表面に、金属粉末が焼結されて形成される。金属基材2は、本例ではFe(鉄)系の板材にCu(銅)がめっきされた銅めっき鋼板が使用される。多孔質層3を形成する金属粉末は、Cu単体またはCuを主成分とした合金が使用され、本例ではCu−Sn系合金粉が使用される。

0025

多孔質層3の製造方法としては、Cu−Sn系合金粉が所定の厚さで銅メッキ鋼板上に散布され、Cu−Sn系合金粉が散布された銅メッキ鋼板が焼結炉で焼結される。これにより、銅メッキ鋼板上に、所定の厚さでCu−Sn系合金の多孔質層3が形成される。

0026

摺動層5は、多孔質層3に樹脂組成物4が所定の厚さで含浸され、多孔質層3に含浸された樹脂組成物4が焼成されて形成される。樹脂組成物4は、本例では、樹脂と添加剤が混合される。樹脂としては、フッ素樹脂の一例としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が使用される。

0027

樹脂組成物4は、必須の添加剤としてピッチ系炭素繊維を含む。また、他の任意の添加剤として、アラミド繊維、酸化鉄、二硫化モリブデン、黒鉛、亜鉛、亜鉛合金または亜鉛化合物のいずれか、または、2以上の組み合わせを含んでも良い。

0028

摺動層5の製造方法としては、金属基材2の表面に形成された多孔質層3上に、所定の量の樹脂組成物4が供給され、樹脂組成物4が多孔質層3に押圧されることで、樹脂組成物4が多孔質層3に含浸される。多孔質層3上に供給される樹脂組成物4の量は、後述する樹脂組成物4の焼成後に、多孔質層3が摺動層5の表面から露出しない厚さで多孔質層3を被覆する量である。

0029

摺動層5は、樹脂組成物4に含まれる樹脂の融点を超える温度で加熱されることで、樹脂を溶融させると共に有機溶剤揮発させた後、樹脂を硬化させることで形成される。樹脂組成物4を所定の温度で加熱して摺動層5を形成することを焼成と称す。なお、樹脂として使用されるポリテトラフルオロエチレンの融点は、327℃である。

0030

摺動層5は、本例では焼成炉を使用して、ポリテトラフルオロエチレンの融点を超える温度で樹脂組成物4が加熱されることで焼成される。

0031

摺動部材1は、本例では、多孔質層3を形成する金属粉末の全ての粒径を、15〜180μm、好ましくは、25〜150μm程度の範囲にある金属粉末を用いることができる。また、摺動部材1は、このような粒径の金属粉末で形成される多孔質層3の厚さT1を、0.06〜0.35mm程度とすることができる。多孔質層3の厚さは、金属粉末が少なくとも2個以上重なって焼結され得る厚さである。

0032

更に、摺動部材1は、摺動層5の厚さT2を、0.08〜0.43mm程度とすることができる。ここで、摺動層5の厚さT2とは、金属基材2の表面からの厚さである。摺動層5の厚さは、多孔質層3が露出しないように、多孔質層3の厚さより平均して厚く設定される。なお、本例では、摺動層5の厚さT2は0.3mmとした。

0033

<本実施の形態の軸受の構成例>
図2は、本実施の形態の軸受の一例を示す斜視図、図3は、本実施の形態の軸受の一例を示す断面図であり、本実施の形態の摺動部材1の使用例を示す。

0034

本実施の形態の軸受7は、図1で説明した摺動部材1を、摺動層5を内側として環状に構成される。軸受7は、円筒状の内周面を形成する摺動層5で相手材である軸8を支持する。軸受7は、軸8が直線運動により摺動する形態である。

0035

本実施の形態の軸受7は、自動車等に使用されるショックアブソーバと称す振動減衰器に用いられる軸受であり、ショックアブソーバにおいて、路面の変化等に追従して変位するサスペンション機構の動きが伝達されて往復運動を行うピストンロッドをガイドするガイドブッシュの摺動部として用いられる。

0036

摺動部材1は、ピストンロッドである軸8が摺動の相手材となり、摺動層5を形成する樹脂組成物4が直接または油等の流体を介して相手材と接触する。摺動部材1の相手材は、ステンレス、Fe等の表面が、メッキ等の方法によりCr(クロム)で被覆された構成、Ti(チタン)で被覆された構成である。また、相手材は、Cr、Tiの単体または合金であっても良い。

0037

図4は、静摩擦力と動摩擦力の関係を示すグラフである。図4において、縦軸が摩擦力(N)、横軸ストローク(mm)である。自動車等に用いられるショックアブソーバでは、サスペンションが路面の変化等に追従することで、ピストンロッドが往復運動を行う。ピストンロッドが往復運動を行うことで、ピストンロッドが静止する状態が存在する。

0038

このため、ショックアブソーバに用いられるガイドブッシュでは、図4破線で示すように、静摩擦力Fs2に対する動摩擦力Fm2の変化率が大きい場合、自動車等の乗り心地が悪いと感じられる。また、静摩擦力Fs2が小さい場合も、自動車等の乗り心地が悪いと感じられる。静摩擦力Fs2が大きく、かつ、静摩擦力Fs2に対する動摩擦力Fm2の変化率が少ないと、自動車等の乗り心地が向上する。

0039

そこで、ガイドブッシュを構成する軸受7として使用される摺動部材1において、ピストンロッドである軸8が接触し、ピストンロッドの往復運動をガイドする摺動層5を形成する樹脂組成物4に、ピッチ系炭素繊維を添加する。以下、樹脂組成物4について詳細に説明する。

0040

[フッ素樹脂]
樹脂組成物4のベース樹脂となるフッ素樹脂は、優れた摺動特性を有する合成樹脂として周知であり、摺動摩擦による発熱に対し耐熱性が十分に確保されるため、摺動部材の樹脂組成物のベース樹脂としてPTFE樹脂、PFA共重合樹脂、FEP共重合樹脂、ETFE共重合樹脂が多く用いられている。

0041

PTFE樹脂の市販品としては、ポリフロン登録商標) D-210C、F-201(ダイキン工業社製)、Fluon(登録商標) AD911D(旭硝子社製)、テフロン(登録商標) 31JR、6C−J(三井・デュポンフロロケミカル社製)等を挙げることができる。

0042

[ピッチ系炭素繊維]
ピッチ系炭素繊維(CF)は、静摩擦力の値、及び、静摩擦力と動摩擦力の変化率を改善するため、摺動層5を形成する樹脂組成物4において必須の添加剤である。ピッチ系炭素繊維は、直接または油等の流体を介して相手材と接触する摺動層5を形成する樹脂組成物4に、機能性付与材及び強化材として使用される。

0043

樹脂組成物4は、ピッチ系炭素繊維を10wt%超35wt%以下で含むことが好ましい。また、ピッチ系炭素繊維は、繊維径が5μm以上20μm以下、繊維長が10μm以上150μm以下、アスペクト比が2以上20以下であることが好ましい。

0044

ピッチ系炭素繊維は、高強度、高弾性率で、耐摩耗性が高く、かつ、固有振動数が高く、振動減衰能力優れる。ピッチ系炭素繊維が持つこれらの特性により、樹脂組成物4に所定量のピッチ系炭素繊維を含むことで、静摩擦力を大きくすることができ、また、静摩擦力と動摩擦力の変化率を低減することができる。これにより、静摩擦力の値、及び、静摩擦力と動摩擦力の変化率を改善し、摺動特性を改善することができる。

0045

ピッチ系炭素繊維の添加量が10wt%以下では、静摩擦力と動摩擦力の変化率が大きくなり、また、自己摩耗量が増加する。ピッチ系炭素繊維の添加量が35wt%を超えると、静摩擦力が過大となる。また、分散性阻害及び多孔質層への含浸性が悪くなる。なお、ピッチ系炭素繊維の繊維長が150μmを超えると、多孔質層への含浸性が悪くなり、樹脂組成物4から脱落する。なお、ピッチ系炭素繊維の市販品としては大阪ガスケミカルDONACARBO、三菱ケミカルのダイアリード等を挙げることができる。

0046

[アラミド繊維]
アラミド繊維は、摺動層5を形成する樹脂組成物4において本発明では必須の添加剤ではないが、静摩擦力の値、及び、静摩擦力と動摩擦力の変化率を改善し、摺動特性を改善するため、所定量のアラミド繊維を含んでも良い。アラミド繊維を含む場合、添加量は0wt%超14wt%以下であることが好ましい。

0047

樹脂組成物4は、所定量のアラミド繊維を添加することで、ピッチ系炭素繊維の添加により静摩擦力の値を改善すること、及び、静摩擦力と動摩擦力の変化率を改善することを阻害することなく、耐摩耗性を高くすることができ、静摩擦力の値を大きくし、かつ、静摩擦力と動摩擦力の変化率を低減させることができる。

0048

アラミド繊維を添加する場合、添加量が14wt%を超えると、均一な分散を阻害するようになるので、その結果、耐摩耗特性が低下する。なお、アラミド繊維の市販品としては、東レ・デュポン社製のケブラー(登録商標),帝人のトワロン(登録商標)等を挙げることができる。

0049

[酸化鉄]
酸化鉄(FeO2、Fe203)は、摺動層5を形成する樹脂組成物4において本発明では必須の添加剤ではないが、所定量の酸化鉄を含んでも良い。酸化鉄を含む場合、添加量は0wt%超37wt%以下であることが好ましい。

0050

樹脂組成物4は、所定量の酸化鉄を添加することで、ピッチ系炭素繊維の添加により静摩擦力の値を改善すること、及び、静摩擦力と動摩擦力の変化率を改善することを阻害することなく、摺動性を低下させることができ、静摩擦力の値を大きくし、かつ、静摩擦力と動摩擦力の変化率を低減させることができる。

0051

酸化鉄を添加する場合、添加量が37wt%を超えると多孔質層への含浸工程で含浸性が悪くなる。なお、市販品としては、森下弁柄工業の弁柄カラーシリーズ等を挙げることができる。

0052

[二硫化モリブデン]
二硫化モリブデン(MoS2)は、摺動層5を形成する樹脂組成物4において本発明では必須の添加剤ではないが、所定量の二硫化モリブデンを含んでも良い。二硫化モリブデンを含む場合、添加量は0wt%超20wt%以下であることが好ましい。

0053

樹脂組成物4は、所定量の二硫化モリブデンを添加することで、ピッチ系炭素繊維の添加により静摩擦力の値を改善すること、及び、静摩擦力と動摩擦力の変化率を改善することを阻害することなく、摩擦抵抗を低下させることができる。

0054

二硫化モリブデンを添加する場合、添加量が20wt%を超えると多孔質層への含浸工程で含浸性が悪くなる。なお、市販品としては、太陽鉱工社製のH/GMoS2、ダイゾー社製の二硫化モリブデンパウダーシリーズ等を挙げることができる。

0055

[黒鉛]
黒鉛(C)は、摺動層5を形成する樹脂組成物4において本発明では必須の添加剤ではないが、所定量の黒鉛を含んでも良い。黒鉛を含む場合、添加量は0wt%超10wt%以下であることが好ましい。

0056

樹脂組成物4は、所定量の黒鉛を添加することで、ピッチ系炭素繊維の添加により静摩擦力の値を改善すること、及び、静摩擦力と動摩擦力の変化率を改善することを阻害することなく、摩擦抵抗を低下させることができる。

0057

黒鉛を添加する場合、添加量が10wt%を超えると多孔質層への含浸工程で含浸性が悪くなる。なお、市販品としては、日本黒鉛工業のGRAPITEPOWDERシリーズ等を挙げることができる。

0058

[亜鉛、亜鉛合金、亜鉛化合物]
亜鉛(Zn)、亜鉛合金(Zn合金)または亜鉛化合物(Zn化合物)は、摺動層5を形成する樹脂組成物4において本発明では必須の添加剤ではないが、所定量のZn、Zn合金またはZn化合物を含んでも良い。Zn、Zn合金またはZn化合物を含む場合、添加量は0wt%超40wt%以下であることが好ましい。また、Zn、Zn合金またはZn化合物の粒径は、フッ素樹脂への分散性及び樹脂組成物からなる樹脂層の厚さを考慮すると、1μm以上50μm以下であることが好ましく、1μm以上25μm以下がより好ましい。

0059

Zn合金は、Zn合金の重量を100としたとき、Alを3.5wt%以上4.3wt%以下、Cuを0.75wt%以上1.25wt%以下、Mgを0.020wt%以上0.06wt%以下、Feを0.10wt%以下で含み、残部がZn及び不可避不純物からなる。

0060

または、Zn合金は、Zn合金の重量を100としたとき、Alを3.5wt%以上4.3wt%以下、Cuを0.25wt%以下、Mgを0.020wt%以上0.06wt%以下、Feを0.10wt%以下で含み、残部がZn及び不可避不純物からなる。なお、Zn化合物としては、ZnO、ZnS,ZnSO4等が挙げられる。

0061

樹脂組成物4は、所定量のZn、Zn合金またはZn化合物を添加することで、ピッチ系炭素繊維の添加により静摩擦力の値を改善すること、及び、静摩擦力と動摩擦力の変化率を改善することを阻害することなく、静摩擦力と動摩擦力の変化率を低減することができる。

0062

Zn、Zn合金またはZn化合物を添加する場合、添加量が40wt%を超えると多孔質層への含浸工程で含浸性が悪くなり、その結果として耐摩耗性が低下する。

0063

表1に示す実施例1〜7及び比較例1〜3の組成の摺動部材を使用してガイドブッシュを作成し、静摩擦力、及び、静摩擦力と動摩擦力の変化率を測定した。

0064

(1)検証方法
図5は、動摩擦力と静摩擦力を測定する試験機の一例を示す構成図である。試験機10は、試験対象として、ガイドブッシュ8が支持台11と負荷部12に取り付けられ、ガイドブッシュ8を介してロッド13を支持する支持台11の間で、ガイドブッシュ8を介して負荷部12で横荷重が与えられる。そして、横荷重を与えてロッド13を図示しない加振器で振動させた時の摩擦力をロードセル14で測定した。

0065

実施例1〜実施例7では、繊維径13μm、平均繊維長40μm、アスペクト比3のピッチ系炭素繊維を使用した。実施例1〜実施例7のピッチ系炭素繊維としては、例えば、大阪ガスケミカルのDONACARBO、品番S−2404Nが挙げられる。比較例2では、繊維径14.5μm、平均繊維長130μm、アスペクト比9のピッチ系炭素繊維を使用した。比較例3では、実施例1〜実施例7と同じピッチ系炭素繊維を使用した。

0066

測定条件
相手材:S45C+硬質クロムメッキ、表面粗さRz0.3μm
加振器:0.001m/sec(ストローク5mm)
横荷重:98N(10kgf)、196N(20kgf)、294N(30kgf)
潤滑油:ショックアブソーバ用オイル

0067

(2)判定基準
(1)静摩擦力
◎:荷重294N時の静摩擦力が51N以上115N未満
〇:荷重294N時の静摩擦力が115N以上120N以下
△:荷重294N時の静摩擦力が45N以上51N未満
×:荷重294N時の静摩擦力が45N未満または120N超
(2)静摩擦力と動摩擦力の変化率
〇:16%以下
△:16%超17%以下
×:17%超

0068

0069

表1に示すように、繊維径13μm、平均繊維長40μm、アスペクト比3のピッチ系炭素繊維を使用した各実施例において、ピッチ系炭素繊維を11wt%含み、残部がフッ素樹脂(PTFE)である実施例1では、静摩擦力を大きくして所望の値にすることができ、かつ、静摩擦力と動摩擦力の変化率を低減することができることが判った。

0070

ピッチ系炭素繊維を11.4wt%、酸化鉄を11wt%含み、残部がフッ素樹脂である実施例2でも、静摩擦力を所望の値にすることができ、かつ、静摩擦力と動摩擦力の変化率を低減することができることが判った。

0071

ピッチ系炭素繊維を11wt%、亜鉛合金を14.2wt%含み、残部がフッ素樹脂である実施例3でも、静摩擦力を所望の値にすることができ、かつ、静摩擦力と動摩擦力の変化率を低減することができることが判った。なお、亜鉛合金としては、上記した組成の合金を適宜選択して利用できる。本例の場合、Zn−3.89Al−0.05Cu−0.05Mg−0.01Feを用いた。

0072

ピッチ系炭素繊維を11wt%、酸化鉄を5wt%、アラミド繊維を1.6wt%、黒鉛を1.7wt%含み、残部がフッ素樹脂である実施例4でも、静摩擦力を所望の値にすることができ、かつ、静摩擦力と動摩擦力の変化率を低減することができることが判った。

0073

ピッチ系炭素繊維を11wt%、酸化鉄を5wt%、アラミド繊維を1.7wt%、二硫化モリブデンを3.7wt%含み、残部がフッ素樹脂である実施例5でも、静摩擦力を所望の値にすることができ、かつ、静摩擦力と動摩擦力の変化率を低減することができることが判った。

0074

ピッチ系炭素繊維を16.4wt%含み、残部がフッ素樹脂である実施例6でも、静摩擦力を所望の値にすることができ、かつ、静摩擦力と動摩擦力の変化率を低減することができることが判った。

0075

ピッチ系炭素繊維を35wt%含み、残部がフッ素樹脂である実施例7でも、静摩擦力を所望の値にすることができ、かつ、静摩擦力と動摩擦力の変化率を低減することができることが判った。なお、実施例1〜実施例7のいずれも、自己摩耗及び相手材の摩耗が抑制されていた。

0076

これに対して、フッ素樹脂が100wt%である比較例1では、静摩擦力を大きくして所望の値にすることができず、かつ、静摩擦力と動摩擦力の変化率も増加することが判った。

0077

また、繊維径14.5μm、平均繊維長130μm、アスペクト比9のピッチ系炭素繊維を10wt%含み、残部がフッ素樹脂である比較例2では、ピッチ系炭素繊維を含まない場合と比較して、静摩擦力が大きくなり、また、静摩擦力と動摩擦力の変化率が低減する傾向はみられたが、静摩擦力の値、静摩擦力と動摩擦力の変化率を所望の値にすることはできないことが判った。なお、ピッチ系炭素繊維の添加量が10wt%であると、自己摩耗が増加した。また、比較例2において、ピッチ系炭素繊維を実施例1〜実施例7と同じものとしても、静摩擦力の値、静摩擦力と動摩擦力の変化率を所望の値にすることはできなかった。

0078

更に、繊維径13μm、平均繊維長40μm、アスペクト比3のピッチ系炭素繊維を36wt%含み、残部がフッ素樹脂である比較例3では、静摩擦力が過大であることが判った。

0079

なお、PAN系の炭素繊維では、静摩擦力と動摩擦力の変化率が低減する傾向はみられたが、静摩擦力の値を所望の値にすることはできなかった。

0080

これにより、繊維径が5μm以上20μm以下、繊維長が10μm以上150μm以下、アスペクト比が2以上20以下であるピッチ系炭素繊維を10wt%超35wt%以下で含むことにより、静摩擦力を大きくして所望の値にすることができ、かつ、静摩擦力と動摩擦力の変化率を低減することができることが判った。静摩擦力の値を考慮すると、ピッチ系炭素繊維を10wt%超17wt%以下で含むことがより好ましく、静摩擦力の値をより改善して所望の値とすることができることが判った。

実施例

0081

また、本発明の範囲内でピッチ系炭素繊維を含むことにより静摩擦力の値を改善する効果、及び、静摩擦力と動摩擦力の変化率を改善する効果が、本発明の範囲内でアラミド繊維、酸化鉄、二硫化モリブデン、黒鉛、亜鉛、亜鉛合金または亜鉛化合物のいずれか、または、2以上の組み合わせを含むことでも阻害されず、摺動特性が改善されることが判った。

0082

1・・・摺動部材、10・・・軸受、2・・・金属基材、3・・・多孔質層、4・・・樹脂組成物、5・・・摺動層、7・・・軸受

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