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課題
解決手段
概要
背景
上記コンバインにおいて、従来では、脱穀装置に、扱胴及びフィードチェーンの上側に対向して設けられる挟持レールを支持するレール台を支持する上部側脱穀分割体が、機体前後軸芯周りで上下揺動可能に支持され、運転部に備えられた手動操作スイッチの指令に基づいて、昇降用アクチュエータとしての油圧シリンダにより、上部側脱穀分割体を上下揺動操作可能に構成されていた(例えば、特許文献1参照)。
一方、特許文献1に記載の構成とは別に、フィードチェーンに対する動力伝達系に電磁操作式のフィードチェーンクラッチを備えて、脱穀装置の横側壁に設けられた手動操作スイッチの操作に基づいて、フィードチェーンクラッチを遮断状態に切り換えることができるように構成されていた(例えば、特許文献2参照)。
概要
フィードチェーンにおいて挟持物の詰まり等が生じた場合に、挟持物の除去作業を煩わしさなく行えるコンバインを提供する。脱穀装置に、扱胴、及び、フィードチェーンの上側に対向して設けられる挟持レールを支持するレール台を支持する上部側脱穀分割体が備えられ、かつ、上部側脱穀分割体が、電動油圧シリンダ38により機体前後軸芯周りで上下揺動可能に構成され、フィードチェーンクラッチを遮断状態に切り換え可能な遮断切換操作機構と、手動操作にてフィードチェーンの駆動停止を指令可能な停止スイッチ108と、停止スイッチ108の操作に基づいて、遮断切換操作機構における遮断用モータ100を作動させるとともに、上部側脱穀分割体を上昇位置に切り換えるように電動油圧シリンダ38を作動させる制御装置43とが備えられている。
目的
効果
実績
- 技術文献被引用数
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この技術が所属する分野
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請求項1
フィードチェーンによって搬送される刈取穀稈の穂先側を扱室内に設けられた扱胴と受網とにより扱き処理する脱穀装置が備えられ、前記脱穀装置に、前記扱胴、及び、前記フィードチェーンの上側に対向して設けられる挟持レールを支持するレール台を支持する上部側脱穀分割体が備えられ、かつ、前記上部側脱穀分割体が、機体前後軸芯周りで、下方側の通常作業位置と上方に揺動した上昇位置とにわたって上下揺動可能に構成され、前記上部側脱穀分割体を上下揺動操作可能な昇降用アクチュエータが備えられたコンバインであって、前記フィードチェーンに動力を伝達する伝達状態と前記フィードチェーンへの動力を遮断する遮断状態とに切り換え可能なフィードチェーンクラッチと、前記フィードチェーンクラッチを前記遮断状態に切り換え可能な遮断切換操作機構と、手動操作にて前記フィードチェーンの駆動停止を指令可能な停止指令操作具と、前記停止指令操作具の操作に基づいて、前記遮断切換操作機構を作動させるとともに、前記上部側脱穀分割体を上昇位置に切り換えるように前記昇降用アクチュエータを作動させる制御装置とが備えられているコンバイン。
請求項2
請求項3
請求項4
手動操作にて前記扱室の開放を指令可能な開放指令操作具が備えられ、前記制御装置は、前記開放指令操作具が操作されると、前記上部側脱穀分割体を、前記扱室を開放するメンテナンス用上昇位置にまで上昇させるように前記昇降用アクチュエータの作動を制御し、かつ、前記停止指令操作具が操作されると、前記上部側脱穀分割体を、前記メンテナンス用上昇位置に対応する第一操作量よりも少ない第二操作量だけ上昇させるように前記昇降用アクチュエータの作動を制御する請求項1から3のいずれか1項に記載のコンバイン。
請求項5
技術分野
背景技術
0002
上記コンバインにおいて、従来では、脱穀装置に、扱胴及びフィードチェーンの上側に対向して設けられる挟持レールを支持するレール台を支持する上部側脱穀分割体が、機体前後軸芯周りで上下揺動可能に支持され、運転部に備えられた手動操作スイッチの指令に基づいて、昇降用アクチュエータとしての油圧シリンダにより、上部側脱穀分割体を上下揺動操作可能に構成されていた(例えば、特許文献1参照)。
0003
一方、特許文献1に記載の構成とは別に、フィードチェーンに対する動力伝達系に電磁操作式のフィードチェーンクラッチを備えて、脱穀装置の横側壁に設けられた手動操作スイッチの操作に基づいて、フィードチェーンクラッチを遮断状態に切り換えることができるように構成されていた(例えば、特許文献2参照)。
先行技術
0004
特開2001−190136号公報
特開2000−279020号公報
発明が解決しようとする課題
0005
上記従来構成では、走行を停止して脱穀処理しているときに、フィードチェーンによって搬送している途中で穀稈が搬送詰り等を起したような場合に、脱穀装置の横側壁に設けられた手動操作スイッチの操作によってフィードチェーンの作動を停止させることができる。しかし、フィードチェーンの作動が停止するだけでは、フィードチェーンに詰まっている詰り穀稈等の挟持物を除去することができない。そこで、フィードチェーンを停止させたのちに、運転部に備えられた操作スイッチを操作して上部側脱穀分割体を上昇操作させることにより、挟持レールをフィードチェーンから分離するとともに、扱胴が上昇するので、挟持物を取り除くことができる。
課題を解決するための手段
0008
本発明に係るコンバインの特徴構成は、
フィードチェーンによって搬送される刈取穀稈の穂先側を扱室内に設けられた扱胴と受網とにより扱き処理する脱穀装置が備えられ、
前記脱穀装置に、前記扱胴、及び、前記フィードチェーンの上側に対向して設けられる挟持レールを支持するレール台を支持する上部側脱穀分割体が備えられ、かつ、前記上部側脱穀分割体が、機体前後軸芯周りで、下方側の通常作業位置と上方に揺動した上昇位置とにわたって上下揺動可能に構成され、
前記上部側脱穀分割体を上下揺動操作可能な昇降用アクチュエータが備えられたコンバインであって、
前記フィードチェーンに動力を伝達する伝達状態と前記フィードチェーンへの動力を遮断する遮断状態とに切り換え可能なフィードチェーンクラッチと、
前記フィードチェーンクラッチを前記遮断状態に切り換え可能な遮断切換操作機構と、
手動操作にて前記フィードチェーンの駆動停止を指令可能な停止指令操作具と、
前記停止指令操作具の操作に基づいて、前記遮断切換操作機構を作動させるとともに、前記上部側脱穀分割体を上昇位置に切り換えるように前記昇降用アクチュエータを作動させる制御装置とが備えられている点にある。
0009
本発明によれば、例えば、フィードチェーンによって搬送している途中で穀稈が搬送詰り等を起したような場合には、作業者が手動操作にて停止指令操作具を操作する。停止指令操作具にて駆動停止が指令されると、制御装置は、遮断切換操作機構を作動させてフィードチェーンクラッチを遮断状態に切り換えるとともに、昇降用アクチュエータを作動させて、上部側脱穀分割体を通常作業位置から上昇位置に切り換える。
0010
このように、作業者が停止指令操作具を操作すると、フィードチェーンの作動が停止するとともに、上部側脱穀分割体が上昇して挟持レールがフィードチェーンから離間する状態となり、扱胴が上方に移動して扱室が開放される。そこで、作業者は、フィードチェーンに挟み込まれている挟持物を取り除くことができる。
0011
従って、フィードチェーンにおいて挟持物の詰まり等によって適正な搬送状態を継続できないような事態が生じた場合に、挟持物の除去作業を煩わしさなく行えるようにすることが可能となった。
0013
本構成によれば、停止指令操作具の操作に基づいて、エンジンの作動が停止して、扱胴の回転が停止するので、挟持物の除去作業が行い易いものになる。
0015
本構成によれば、エンジンが作動している否かにかかわらず、電動式のアクチュエータによって上部側脱穀分割体を上昇させることができる。従って、扱胴の回転を停止させたまま、上部側脱穀分割体を通常作業位置から上昇位置に至るまで上昇させることができ、上部側脱穀分割体の上昇作動中に扱胴が回転することが原因で挟持物の除去作業が阻害されることがない。
0016
本発明においては、
手動操作にて前記扱室の開放を指令可能な開放指令操作具が備えられ、
前記制御装置は、前記開放指令操作具が操作されると、前記上部側脱穀分割体を、前記扱室を開放するメンテナンス用上昇位置にまで上昇させるように前記昇降用アクチュエータの作動を制御し、かつ、前記停止指令操作具が操作されると、前記上部側脱穀分割体を、前記メンテナンス用上昇位置に対応する第一操作量よりも少ない第二操作量だけ上昇させるように前記昇降用アクチュエータの作動を制御すると好適である。
0017
メンテナンス作業は、扱室内部の清掃や部品交換等の作業が行われるものであるから、扱室を大きく開放させる必要がある。それに対して、停止指令操作具は、脱穀作業が行われている最中に、フィードチェーンにおける挟持物を取り除くような場合に操作されるものであり、それほど大きく扱室を開放させる必要はない。
0018
そこで、本構成によれば、メンテナンス作業を行う場合には、作業者が開放指令操作具を操作する。開放指令操作具にて開放が指令されると、制御装置は、昇降用アクチュエータを作動させて、上部側脱穀分割体をメンテナンス用上昇位置にまで上昇させる。このように大きく開放することでメンテナンス作業が行い易い。
0019
停止指令操作具が操作された場合に、上部側脱穀分割体を上昇させるときは、メンテナンス用上昇位置に対応する第一操作量よりも少ない第二操作量だけ上昇させる。そのことにより、必要以上に上昇することなく能率よくフィードチェーンに対する挟持物を除去することができる。
0020
このように作業の違いに応じて上部側脱穀分割体の上昇量を異ならせることにより、メンテナンス作業が行い易く、挟持物の除去作業を能率よく行うことが可能となった。
0021
本発明においては、前記フィードチェーンクラッチを前記遮断状態に切り換えるように前記遮断切換操作機構が作動したときに、前記フィードチェーンの回動に制動力を付与する制動機構が備えられていると好適である。
0022
本構成によれば、遮断切換操作機構が作動したときに、フィードチェーンに対する動力伝達が遮断されるとともに制動力が付与されるので、慣性力による回動を阻止してフィードチェーンを迅速且つ確実に作動停止させることができる。
図面の簡単な説明
0023
コンバインの全体側面図である。
コンバインの全体平面図である。
脱穀装置の縦断背面図である。
上昇位置に切り換えた状態の脱穀装置の縦断背面図である。
脱穀装置の側面図である。
フィードチェーンに対する伝動機構の断面図である。
遮断切換操作機構を示す側面図である。
伝達状態における遮断切換操作機構を示す平面図である。
指令停止操作機構により遮断状態に切り換わった状態における遮断切換操作機構を示す平面図である。
連動停止操作機構により遮断状態に切り換わった状態における遮断切換操作機構を示す平面図である。
連動停止操作機構を示す側面図である。
制御ブロック図である。
実施例
0024
以下、本発明に係るコンバインの実施形態について図面に基づいて説明する。
0025
〔全体構成〕
図1及び図2に示すように、本発明に係るコンバインは、左右一対のクローラ走行装置1,1によって自走する走行機体2の前部に、植立穀稈を刈り取る刈取部3が備えられている。走行機体2の前部右側に、キャビン4にて周囲が覆われた運転部5が備えられている。運転部5の後方には、刈取部3にて刈り取られた穀稈を脱穀処理する脱穀装置6と、脱穀処理にて得られた穀粒を貯留する穀粒タンク7とが、横方向に並ぶ状態で配備されている。運転部5における運転座席8の下方に機体各部を駆動する動力源としてのエンジン9が備えられている。
0026
この実施形態では、機体の前後方向を定義するときは、作業状態における機体進行方向に沿って定義し、機体の左右方向を定義するときは、機体進行方向視で見た状態で左右を定義する。すなわち、図1及び図2に符号(F)で示す方向が機体前側、図1及び図2に符号(B)で示す方向が機体後側である。図2に符号(L)で示す方向が機体左側、図2に符号(R)で示す方向が機体右側である。
0027
刈取部3は、刈取対象となる植立穀稈の株元を分草案内する分草具10、分草された植立穀稈を縦姿勢に引き起こす複数の引き起こし装置11、引き起された植立穀稈の株元を切断するバリカン型の刈取装置12、刈取穀稈を縦姿勢から徐々に横倒れ姿勢になるように姿勢変更しながら後方に搬送して脱穀装置6に供給する搬送装置13等を備えている。搬送装置13の上方側は防塵カバー14によって覆われている。
0028
脱穀装置6の左側部には、刈取穀稈を脱穀装置6に搬送するフィードチェーン15と、その上方側に対向して設けられた挟持レール16とが備えられている。脱穀装置6の後方には、脱穀装置6からの排藁を切断する排藁カッタ17が備えられている。穀粒タンク7には、穀粒タンク7に貯留された穀粒を機外に排出する穀粒排出装置18が備えられている。
0029
〔脱穀装置〕
脱穀装置6は、刈取穀稈の株元側をフィードチェーン15と挟持レール16とによって挟持搬送しながら、刈取穀稈の穂先側を扱室19内で脱穀処理する。扱室19には、扱胴20が設けられている。図3に示すように、扱胴20は、機体前後方向に延びる回転軸芯Y1周りで回転可能である。扱胴20の下方には、受網21が設けられている。扱室19の後方には、塵埃を外部に排出する排塵ファン22が備えられている(図5参照)。脱穀装置6の左外側は、外装カバー23によって覆われている。
0030
図5に示すように、脱穀装置6の下部には、受網21から漏下した脱穀処理物を、穀粒、二番物、排ワラ屑等に選別する選別部24が備えられている。選別部24は、選別対象物を機体後方に移送しながら篩い選別する揺動選別装置25、揺動選別装置25に選別風を送風する唐箕26、一番物の穀粒(単粒化穀粒等)を回収する一番回収部27、二番物の穀粒(枝梗付き穀粒等)を回収する二番回収部28等が設けられている。
0031
脱穀装置6に、扱胴20、及び、挟持レール16を支持するレール台29を有する上部側脱穀分割体30が備えられ、かつ、上部側脱穀分割体30が、機体前後軸芯Y2周りで、下方側の通常作業位置と上方に揺動した上昇位置とにわたって上下揺動可能に構成されている。
0032
説明を加えると、扱室19における前端部及び後端部には、夫々、壁部31が設けられている。図3に示すように、壁部31は、可動壁32と固定壁33とを備えている。可動壁32には、扱胴20が扱胴軸20aが軸受け部材34を介して回転可能に支持されている。可動壁32と固定壁33とに亘って、これらを連結する連結アーム35が設けられている。可動壁32は、連結アーム35を介して機体前後方向に沿う軸芯Y2周りで上下揺動可能に固定壁33に支持されている。
0033
前後両側の可動壁32における左側(フィードチェーン15側)の上部箇所同士にわたって角筒状の前後向きフレーム体36が架設連結されている。前後両側の可動壁32における左側の下部箇所同士にわたってレール台29が支持されている。前後両側の可動壁32の上端部同士にわたって天板37が設けられ、天板37は前後両側の可動壁32に固定状態で取り付けられている。
0034
従って、扱胴20、レール台29、天板37、前後向きフレーム体36等が一体的に連結されて上部側脱穀分割体30が構成されている。
0035
上部側脱穀分割体30を通常作業位置と上昇位置とにわたって揺動操作可能な昇降用アクチュエータとしての電動油圧シリンダ38が備えられている。電動油圧シリンダ38は、後側の壁部31における連結アーム35と固定壁33とにわたって連結されている。電動油圧シリンダ38は、油圧シリンダ39と、油圧シリンダ39に作動油を供給する油圧ポンプ40、油圧ポンプ40を駆動する電動モータ41、油圧シリンダ39に対する制御用の油圧ユニット(図示せず)等によって構成されている。電動モータ41に電力供給されることによって油圧シリンダ39が伸縮作動して、上部側脱穀分割体30を上下揺動操作可能な電動式に構成されている。
0036
上部側脱穀分割体30の揺動支点位置に、上部側脱穀分割体30の上下揺動位置を検出するためのポテンショメータ形式の高さセンサ42が備えられている。又、図12に示すように、電動油圧シリンダ38の作動を制御する制御装置43が備えられている。制御装置43は、マイクロコンピュータを備えて構成されている。
0037
図12に示すように、上昇操作を指令する開放指令操作具としての上昇スイッチ44と、下降操作を指令する下降スイッチ46と、複数の位置のいずれかを指令するレベル設定器45とが備えられている。上昇スイッチ44、下降スイッチ46、レベル設定器45は、例えば、運転部5に備えられる。
0038
制御装置43は、上昇スイッチ44の操作に基づいて、上部側脱穀分割体30を扱室19を開放するメンテナンス用上昇位置にまで上昇させるように電動油圧シリンダ38の作動を制御するように構成されている。メンテナンス用上昇位置は、扱室19内部の清掃作業等が可能なように扱室19を開放する位置である。レベル設定器45によってメンテナンス用上昇位置として複数の段階のいずれかを設定可能である。
0039
制御装置43は、上昇スイッチ44が操作されると、高さセンサ42にて検出される高さがレベル設定器45にて設定された設定位置になるまで上部側脱穀分割体30を上昇させる。又、制御装置43は、下降スイッチ46が操作されると、上部側脱穀分割体30を通常作業位置にまで下降させるように、電動油圧シリンダ38の作動を制御する。
0040
上部側脱穀分割体30を通常作業位置で位置保持するロック機構130が設けられている。ロック機構130は、前後一対のフックプレート131と、前後一対の係止ピン132とを備えている。前後の壁部31の夫々に、フックプレート131が機体前後方向に延びる揺動軸心Y3周りで揺動可能に支持されている。フックプレート131の先端部には、係止ピン132に係合可能なフック部131aが設けられている。フック部131aが係止ピン132に係合することにより、上部側脱穀分割体30が位置保持される。係止ピン132に対するフック部131aの係合が解除されることにより上方に揺動可能になる。前後一対のフックプレート131を揺動駆動するモータMが、後側の壁部31の後面に支持されている。モータMによって、前後一対のフックプレート131が係合側及び係合解除側に揺動される。
0041
〔フィードチェーンに対する伝動構造〕
図5に示すように、フィードチェーン15は、後部側に位置する駆動スプロケット47と、前部側に位置する従動スプロケット48とにわたって巻回されている。フィードチェーン15に動力を伝達する伝達状態とフィードチェーン15への動力を遮断する遮断状態とに切り換え可能なフィードチェーンクラッチ49が備えられている。フィードチェーンクラッチ49は、駆動スプロケット47を回転可能に支持する駆動軸50(伝動軸の一例)に備えられている。
0042
図6に示すように、エンジン9からの動力は、伝動ケース54を介してフィードチェーンクラッチ49に伝達される。伝動ケース54について詳述すると、エンジン9からの動力は、伝動ベルト51及び入力プーリ52を介して中継軸53に伝達され、中継軸53からギア55,56を介して排塵ファン22の回転軸57に伝達される。さらに、回転軸57からの動力が2段階の減速用ギア機構58を介して、駆動軸50に相対回転可能に外挿された駆動ギア59に伝達される。駆動ギア59からの動力は、フィードチェーンクラッチ49を介して断続可能にフィードチェーン15の駆動スプロケット47に伝達される。
0043
駆動軸50に一体回転可能に且つ軸芯方向に移動可能に従動側シフト部材60がスプライン外嵌されている。駆動ギア59のうち従動側シフト部材60に対向する側の面には噛合い用の爪部からなる駆動側の噛み合い部61が形成されている。従動側シフト部材60のうち駆動ギア59に対向する側の面には噛合い用の爪部からなる従動側の噛み合い部62が形成されている。フィードチェーンクラッチ49は、駆動側の噛み合い部61と従動側の噛み合い部62とにより構成されている。減速用ギア機構58からの動力が駆動ギア59に伝達され、駆動ギア59からの動力がフィードチェーンクラッチ49を介して、駆動軸50及び駆動スプロケット47を介してフィードチェーン15に伝達される。従って、駆動ギア59及び従動側シフト部材60が一対のクラッチ部材に相当する。
0044
フィードチェーンクラッチ49は、従動側シフト部材60が駆動ギア59側に移動して駆動側の噛み合い部61と従動側の噛み合い部62とが噛み合う伝達状態と、従動側シフト部材60が駆動スプロケット47側に移動して駆動側の噛み合い部61と従動側の噛み合い部62とが噛み合いを解除する遮断状態とに切り換え可能である。従動側シフト部材60を駆動ギア59側に移動付勢するコイルバネ63が駆動軸50に外挿されている。すなわち、従動側シフト部材60はクラッチ入位置側に付勢されている。
0045
駆動軸50における従動側シフト部材60に対して駆動スプロケット47側に位置する箇所に、多板摩擦式の制動機構64が設けられている。制動機構64は、後述するような外部からの操作力によって従動側シフト部材60が切位置に操作されるのに伴って、その従動側シフト部材60に制動力を付与する構成となっている。
0046
次に、フィードチェーンクラッチ49の操作構造について説明する。
フィードチェーンクラッチ49の伝達状態に対応する入位置と遮断状態に対応する切位置とに切り換え操作可能な操作部65と、人為的な停止指令に基づいて、操作部65を操作してフィードチェーンクラッチ49を遮断状態に切り換える指令停止操作機構66とが備えられている。従って、操作部65と指令停止操作機構66とによって、フィードチェーンクラッチ49を遮断状態に切り換え可能な遮断切換操作機構67を構成する。
0047
〔操作部〕
操作部65について説明する。
図6〜図8に示すように、操作部65には、駆動ギア59及び従動側シフト部材60とを切り離し操作可能なシフトフォーク式の操作部材としてのシフター部材68と、シフター部材68の回動軸芯周りにシフター部材68と一体回動可能なクラッチ操作アーム(本発明におけるアームに相当する)69と、が備えられている。シフター部材68は、伝動ケース54内に収容されている。シフター部材68は、後上がり傾斜方向に沿う軸芯Y4周りで回動可能に伝動ケース54に支持される支持軸部68aと、従動側シフト部材60の外周部に係合する係合操作部68bとを有する。
0048
支持軸部68aの伝動ケース54の外方側に突出する箇所に、クラッチ操作アーム69が一体回動可能に連結されている。クラッチ操作アーム69は、直線状に延びる帯板状に形成され、長手方向中間部が支持軸部68aに連結されている。クラッチ操作アーム69は、長手方向が脱穀装置6の側壁6Aに略沿うように設けられ、左右方向の設置スペースのコンパクト化を図っている。
0049
コイルバネ63の付勢力により従動側シフト部材60が駆動ギア59側に移動付勢されるので、クラッチ操作アーム69は入位置(伝達状態)に回動付勢されている。外部からの操作力によって、クラッチ操作アーム69が所定方向、具体的には図8で示す平面視で左方向に回動操作されると、係合操作部68bが従動側シフト部材60を噛み合いを解除する方向にシフト操作させることができるように構成されている。
0050
〔指令停止操作機構〕
次に、指令停止操作機構66について説明する。
図7及び図8に示すように、指令停止操作機構66には、操作部65を切位置に切り換わるように付勢する付勢機構としての遮断用コイルバネ70、操作部65を入位置に位置保持する位置保持機構71、操作部65と位置保持機構71とを連係し、かつ、遮断用コイルバネ70による付勢力を受ける連係機構72、位置保持機構71による操作部65の入位置での位置保持を解除する解除機構73等が備えられている。遮断用コイルバネ70は、従動側シフト部材60をクラッチ入位置側に付勢するコイルバネ63の付勢力よりも大きい付勢力を有している。
0051
連係機構72について説明する。
図7及び図8に示すように、連係機構72は、位置保持機構71によって操作部65を入位置に保持するように連係するとともに、解除機構73により位置保持が解除されると、遮断用コイルバネ70の付勢力によってクラッチ操作アーム69を押圧するように構成されている。
0052
連係機構72には、水平方向にスライド移動可能な直線状の水平リンク74と、水平リンク74のスライド移動によってクラッチ操作アーム69を押圧する押圧リンク75とが備えられている。水平リンク74の一端部に押圧リンク75が連係され、かつ、水平リンク74の他端部に位置保持機構71が連係されている。
0053
水平リンク74は、脱穀装置6の側壁6Aに沿って前後方向に延びる状態で設けられている。水平リンク74を前後方向にスライド可能に支持する溝状のガイド部材76が備えられている。ガイド部材76は脱穀装置6の側壁6Aに固定されている。水平リンク74の長手方向(前後方向)の両側部に上下方向に貫通する支軸77a,77bが固定取付けされている。前後両側の支軸77a,77bには、夫々、下部にガイドローラ78が備えられている。ガイドローラ78はガイド部材76の内部に位置して、ガイド部材76の内面を転動しながら移動案内する。前部側の支軸77aの上部には、押圧リンク75の端部が枢支連結されている。後部側の支軸77bの上部には、位置保持機構71の端部が枢支連結されている。
0054
押圧リンク75は、上下向きの回動支軸79に一体回動可能な3つの押圧アーム80,81,82が備えられている。回動支軸79は、脱穀装置6の側壁6Aに固定されたボス部83により上下軸芯X1周りで回動可能に支持されている。第一押圧アーム80の揺動端部に遮断用コイルバネ70の一端が係止されている。第二押圧アーム81の揺動端部には、クラッチ操作アーム69に押圧作用する指令停止用操作ピン84が備えられている。第三押圧アーム82の揺動端部には、縦向きの連結軸85が設けられ、この連結軸85に対して連動リンク86の一端側に設けられたボス部87が回動可能に連結されている。連動リンク86の他端側のボス部88は、水平リンク74の前部側の支軸77に回動可能に連結されている。
0055
図8に示すように、遮断用コイルバネ70の付勢力によって第一押圧アーム80が前部側に揺動付勢されると、第二押圧アーム81に備えられた指令停止用操作ピン84がクラッチ操作アーム69を押圧作用する方向に力が作用するとともに、第三押圧アーム82が水平リンク74の前部側の支軸77を斜め右方向に押し操作するような力が作用する。その押し操作力によって水平リンク74に対して後方に向けてスライドするように力が作用する。
0056
しかし、水平リンク74は、位置保持機構71によって後方側への移動が阻止されて前部側スライド位置で位置保持される。その位置保持状態では、指令停止用操作ピン84がクラッチ操作アーム69を押し操作することはなく、クラッチ操作アーム69は入位置に保持される。
0057
位置保持機構71について説明する。
図7及び図8に示すように、位置保持機構71は、上述したように遮断用コイルバネ70の付勢力によって、後方に向けてスライドするように力が作用している水平リンク74を前部側で位置保持して、クラッチ操作アーム69を入位置に保持する。位置保持機構71は、水平リンク74の後部側に連結される第一保持アーム89と、解除機構73側に連結される第二保持アーム90とを備えている。
0058
第一保持アーム89の一端部にボス部91が設けられ、そのボス部91が水平リンク74の後部側の支軸77bに上下軸芯X2周りで揺動可能に連結されている。第一保持アーム89の他端部にボス部92が設けられ、そのボス部92が第二保持アーム90の一端部に設けられた連結軸93に相対揺動可能に連結されている。第一保持アーム89と第二保持アーム90との間には、第一保持アーム89と第二保持アーム90とが前部側に折れ曲がり揺動するように付勢するバネ94が張設されている。
0059
脱穀装置6の側壁6Aに固定のブラケット95に位置固定状態で支持軸96が支持されている。第二保持アーム90の他端部に、支持軸96に回動可能に外嵌装着されるボス部97が一体的に設けられている。ボス部97には解除機構73が連結される連結アーム98が一体的に設けられている。
0060
第二保持アーム90に、第一保持アーム89の端縁に接当して前部側への相対揺動を規制する接当規制部99が設けられている。第一保持アーム89と第二保持アーム90との枢支連結点X3が、第一保持アーム89の一端部の揺動軸芯X2と、第二保持アーム90の他端部の揺動軸芯X4とを結ぶ仮想線よりも少しだけ前部側に寄った位置で、接当規制部99が第一保持アーム89の端縁に接当してそれ以上の前部側への折れ曲がり揺動が規制される。接当規制部99によって前部側への相対揺動が規制されている状態で、後方に移動付勢される水平リンク74が位置規制され、位置保持状態となる。
0061
解除機構73について説明する。
図7及び図8に示すように、解除機構73には、アクチュエータとしての遮断切換用の電動モータ(以下、遮断用モータと称する)100と、遮断用モータ100と位置保持機構71とを連係するワイヤ部材としての解除用操作ワイヤー101と、遮断用モータ100の操作量を検出するポテンショメータ102とが備えられている。遮断用モータ100及びポテンショメータ102は、脱穀装置6の側壁6Aに支持されている取付プレート103に取り付けられている。
0062
遮断用モータ100の左右向きの出力軸100aに、第一モータアーム104及び第二モータアーム105が一体回転可能に連結されている。解除用操作ワイヤー101の一端部は、連結アーム98に連結され、他端部は第一モータアーム104に連結されている。遮断用モータ100が作動して第一モータアーム104を回動操作することで、解除用操作ワイヤー101が引っ張り操作されて、第二保持アーム90を第一保持アーム89との接当規制状態が解除される側に揺動させることができる。
0063
解除用操作ワイヤー101は、インナーワイヤ101aとアウターワイヤ101bとを備えている。アウターワイヤ101bの両端部は、ワイヤステー106a,106bによって支持されている。インナーワイヤ101aの一端部は、連結アーム98に連結されている。インナーワイヤ101aの他端部は、第一モータアーム104に連結されている。
0064
ポテンショメータ102には検出用アーム107が揺動可能に設けられている。第二モータアーム105が揺動すると、検出用アーム107に設けられた接触部107aに接当して、検出用アーム107が一体的に揺動して第二モータアーム105の揺動角度を検出することができる。第二モータアーム105の揺動角度は、遮断用モータ100による解除用操作ワイヤー101の引き操作量に相当する。
0065
図1に示すように、脱穀装置6の外装カバー23のうち、フィードチェーン15の搬送始端部に近い箇所に、機体外方側から手動で押し操作可能な停止指令操作具としての停止スイッチ108が設けられている。解除機構73は、停止スイッチ108の操作に基づいて、解除操作を実行するように構成されている。停止スイッチ108の操作に基づく制御装置43の制御動作については後述する。
0066
解除用操作ワイヤー101が引き操作されて第二保持アーム90が揺動し、第一保持アーム89と第二保持アーム90との枢支連結点X3が、第一保持アーム89の一端部の揺動軸芯X2と、第二保持アーム90の他端部の揺動軸芯X4とを結ぶ仮想線よりも後部側に位置すると、第一保持アーム89と第二保持アーム90とが後部側に折れ曲がり、水平リンク74の後方側へのスライド移動を許容する状態となる。水平リンク74は常に遮断用コイルバネ70の付勢力によって後方側に向けて移動する方向に力が作用しているので、枢支連結点X3が仮想線(デッドポイント)を少しでも後側に超えると、水平リンク74が迅速に後方に移動する。その結果、位置保持機構71による位置保持が解除される。
0067
位置保持機構71による位置保持が解除されると、第二押圧アーム81すなわち指令停止用操作ピン84がクラッチ操作アーム69を押圧作用する方向に揺動する。その結果、シフター部材68が回動して従動側シフト部材60をシフト操作してフィードチェーンクラッチ49を遮断状態に切り換える。
0068
従動側シフト部材60は、遮断状態に切り換わるとともに、遮断用コイルバネ70の付勢力によって制動機構64に押圧されて制動力が付与される。フィードチェーン15の慣性力による回転を抑制して迅速に停止させることができる。このように指令停止操作機構66によってフィードチェーンクラッチ49が停止されたときは、位置保持機構71が位置保持状態に戻し操作されるまで停止状態を維持する。位置保持機構71が位置保持状態に戻し操作された後は、バネ94の付勢力により、第一保持アーム89と第二保持アーム90とが前部側に折れ曲がり揺動する状態に復帰する。
0069
図8に示すように、解除用操作ワイヤー101は、平面視で水平リンク74と平行な状態で設けられ、駆動軸50に動力を伝達する無端回動体としての伝動ベルト51が、水平リンク74と解除用操作ワイヤー101との間の空間を利用して上下に通されている。
0070
〔連動停止操作機構〕
刈取部3が所定の高さ位置(非刈取作業位置)以上まで上昇されると、操作部65を操作してフィードチェーンクラッチ49を遮断状態に切り換える連動停止操作機構109が備えられている。図11に示すように、連動停止操作機構109は、刈取部3の昇降に伴って揺動する揺動アーム110、クラッチ操作アーム69に対して押し作用する押し作用部111、揺動アーム110と押し作用部111とを連係する連動操作ワイヤー112等を備えている。
0071
揺動アーム110は、左右向きの揺動軸心X5周りで揺動可能に支持されている。揺動アーム110は、刈取部3の昇降に応じて上昇位置Prと下降位置Pdとに切り替わる。具体的には、揺動アーム110は、刈取部3が非刈取作業位置まで上昇すると、上昇位置Prに切り替わり、刈取部3が刈取作業位置まで下降すると、下降位置Pdに切り替わる。
0072
図8に示すように、押し作用部111は、クラッチ操作アーム69における長手方向に対して指令停止用操作ピン84が作用する側とは反対側箇所に近接した箇所に設けられている。押し作用部111には、脱穀装置6の側壁6Aに固定支持された支軸113と、支軸113に回動自在に外嵌されたボス部114と、ボス部114の外周部から周方向に位置を異ならせて平面視略L字状に径方向外方に延びる二個のアーム115,116と、復帰用バネ117とが備えられている。
0073
二個のアームのうちの一方の第一アーム115はボス部114から左側に向けて一体的に延設されている。第一アーム115の揺動端部にストローク吸収用のバネ119を介して連動操作ワイヤー112が連係されている。二個のアームのうちの他方の第二アーム116はボス部114から後側に向けて一体的に延設されている。第二アーム116の揺動端部にクラッチ操作アーム69に接当して押し操作可能な連動停止用操作ピン120が設けられている。
0074
押し作用部111は、連動操作ワイヤー112の引き操作により、第一アーム115及び第二アーム116が支軸113の軸芯X6周りで平面視右周り方向に揺動する。それに伴って、連動停止用操作ピン120がクラッチ操作アーム69を押圧作用する方向に揺動する。その結果、シフター部材68が回動して従動側シフト部材60をシフト操作してフィードチェーンクラッチ49を遮断状態に切り換える。
0075
この場合にも、指令停止操作機構66の場合と同様に、従動側シフト部材60は、遮断状態に切り換わるとともに、遮断用コイルバネ70の大きい付勢力によって制動機構64に押圧されて制動力が付与される。制動することによってフィードチェーン15の慣性力による回転を抑制して迅速に停止させることができる。
0076
連動操作ワイヤー112の引き操作が行われていないときは、復帰用バネ117の付勢力により連動停止用操作ピン120がクラッチ操作アーム69から離れる方向に移動し、クラッチ操作アーム69がコイルバネ63の付勢力により入位置に戻される。
0077
〔緩衝機構〕
指令停止操作機構66及び連動停止操作機構109における操作部65との連係における緩衝機構について説明する。
指令停止操作機構66を操作部65に連係する第一緩衝機構K1と、連動停止操作機構109を操作部65に連係する第二緩衝機構K2と、が備えられ、第一緩衝機構K1及び第二緩衝機構K2は、指令停止操作機構66及び連動停止操作機構109の一方の機構が遮断状態への切り換えを実行するときに、一方の機構の操作力を、指令停止操作機構66及び連動停止操作機構109の他方の機構に伝達させないように構成されている。
0078
説明を加えると、上述したように、指令停止操作機構66における指令停止用操作ピン84が操作部65におけるクラッチ操作アーム69に対して接当作用して押し移動させる機構が第一緩衝機構K1である。又、連動停止操作機構109における連動停止用操作ピン120が操作部65におけるクラッチ操作アーム69に対して接当作用して押し移動させる機構が第二緩衝機構K2である。
0079
第一緩衝機構K1は、連動停止操作機構109による切り換え操作が行われるときは、図10に示すように、指令停止操作機構66をクラッチ操作アーム69から離間させて、連動停止操作機構109の操作力を指令停止操作機構66に伝達させることはない。又、第二緩衝機構K2は、指令停止操作機構66による切り換え操作が行われるときは、図9に示すように、連動停止操作機構109をクラッチ操作アーム69から離間させて、指令停止操作機構66の操作力を連動停止操作機構109に伝達させることはない。
0080
操作部65は、クラッチ操作アーム69が所定方向(図8における左方向)に回動することにより、フィードチェーンクラッチ49を遮断状態に切り換える構成である。指令停止用操作ピン84がクラッチ操作アーム69に対して接当作用して所定方向に回動するように押し移動させると、連動停止用操作ピン120はクラッチ操作アーム69から離間するので、連動停止用操作ピン120に操作力が伝わることはない。
0081
連動停止用操作ピン120がクラッチ操作アーム69に対して接当作用して所定方向に回動するように押し移動させると、指令停止用操作ピン84はクラッチ操作アーム69から離間するので、指令停止用操作ピン84に操作力が伝わることはない。
0082
従って、刈取部3が所定の高さ位置まで上昇した場合にフィードチェーンクラッチ49を遮断状態に切り換えることと、フィードチェーンクラッチ49を単独で作動しているときに停止させることを、各別に円滑に且つ迅速に行うことができる。
0083
〔制御構成〕
図12に示すように、エンジン9の運転状態を制御するエンジン制御部121が備えられ、制御装置43は、作業状況に応じてエンジン制御部121に制御情報を指令する構成となっている。そして、フィードチェーン15が回動して脱穀装置6が作動しているときに、作業者により停止スイッチ108が操作されると、制御装置43は、停止スイッチ108の操作に基づいて、遮断切換操作機構67における解除機構73を作動させてフィードチェーン15を駆動停止させるフィードチェーン停止処理、エンジン9の作動を停止させるエンジン停止処理、上部側脱穀分割体30を上昇位置に切り換える脱穀部上昇処理、の夫々を実行するように構成されている。
0084
フィードチェーン停止処理について説明する。
制御装置43は、ポテンショメータ102の検出値により、第二保持アーム90が第一保持アーム89との接当規制状態を解除するために予め設定した位置まで移動するように遮断用モータ100を作動させる。その結果、解除用操作ワイヤー101が引っ張り操作されて、位置保持機構71における位置保持が解除され、フィードチェーンクラッチ49が遮断状態に切り換えられる。
0085
エンジン停止処理について説明する。
制御装置43は、エンジン制御部121に対して、エンジン9の作動を停止させるための制御情報を指令する。エンジン制御部121は、例えば、燃料供給路中に備えられた燃料遮断弁を操作してエンジン9に対する燃料供給を停止させる等の処理によりエンジン9の作動を停止させる。
0086
脱穀部上昇処理について説明する。
制御装置43は、高さセンサ42の検出値に基づいて、上部側脱穀分割体30をメンテナンス用上昇位置に対応する第一操作量よりも少ない第二操作量だけ上昇させるように電動油圧シリンダ38の作動を制御する(図4参照)。メンテナンス用上昇位置はレベル設定器45により複数の段階に設定可能であるが、第二操作量は、複数のメンテナンス用上昇位置のいずれの位置より低い位置となるような少ない操作量である。停止スイッチ108による操作の際には、フィードチェーン15に挟まっている穀稈や異物等の挟持物を除去する場合が多く、第二設定量は挟持物を除去するのに必要な上昇量に設定される。尚、メンテナンス用上昇位置については図示していないが、このメンテナンス用上昇位置では、扱室19内部における受網21や扱胴20の清掃や部品の交換等が行える程度に大きく開放される。
0087
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、制御装置43が、停止スイッチ108の操作に基づいてエンジン9の作動を停止させる構成としたが、停止スイッチ(停止指令操作具)が操作されてもエンジン9の作動を停止させないようにしてもよい。
0088
(2)上記実施形態では、遮断切換操作機構67が、シフター部材68(シフトフォーク式の操作部材)とクラッチ操作アーム69とを有し、クラッチ操作アーム69を接当した状態で押し移動させてフィードチェーンクラッチ49を切り換える構成としたが、この構成に代えて、例えば、ピンと長孔との係合により所定方向の操作に対して長孔による融通を有する構成、又は、電磁ソレノイドによってクラッチ部材をシフトさせてフィードチェーンクラッチ49を遮断状態に切り換える構成等、種々の構成を採用することができる。
0089
(3)上記実施形態では、昇降用アクチュエータが、電動油圧シリンダ38にて構成されるものを示したが、この構成に代えて、電動モータとネジ送り機構とを備えた電動シリンダにて構成されるものでもよく、エンジン9にて駆動される油圧ポンプから作動油が供給される油圧シリンダであってもよい。
0090
(4)上記実施形態では、フィードチェーン15を遮断状態に切り換えるように遮断切換操作機構67が作動したときに、フィードチェーン15の回動に制動力を付与する制動機構64が備えられる構成としたが、このような制動機構64を備えていない構成としてもよい。
0091
本発明は、フィードチェーンによって搬送される刈取穀稈の穂先側を扱室内に設けられた扱胴と受網とにより扱き処理する脱穀装置が備えられたコンバインに適用できる。
0092
6脱穀装置
9エンジン
15フィードチェーン
16挟持レール
19扱室
30 上部側脱穀分割体
38昇降用アクチュエータ(電動油圧シリンダ)
43制御装置
44開放指令操作具(上昇スイッチ)
49フィードチェーンクラッチ
64制動機構
67遮断切換操作機構
108停止指令操作具(停止スイッチ)
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