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図面 (6)

課題

エンコーダを構成する芯金素材である磁性金属板の種類にかかわらず、芯金の軸方向内端部から、ラビリンスシールを形成するための磁性ゴムが剥がれにくい構造を実現する。

解決手段

エンコーダ22の芯金30は、外輪18の軸方向内端部に外嵌された嵌合筒部32と、外輪18の軸方向内端面にその軸方向外側面を当接させた側板部33と、嵌合筒部32と側板部33との間に設けられ、外輪18からの軸方向内側への張り出し量が芯金30の素材となる磁性金属板の厚さ寸法よりも大きく、かつ、軸方向内端面が該磁性金属板の側面により構成されている張出部34とを有している。エンコーダ22の磁性ゴム31は、嵌合筒部32の外周面と張出部34の軸方向内端面とを覆っており、磁性ゴム31の外周面に、S極とN極とが円周方向に交互に配置された着磁部39を有している。

概要

背景

車輪と共に回転する外輪を備えた、外輪回転型ハブユニット軸受では、外輪の軸方向内端部に、回転速度検出用のエンコーダが取り付けられることがある。また、近年、このエンコーダを構成する磁性ゴムを用いて、軸方向内方張り出した部を構成すると共に、この庇部の軸方向内端部(先端部)と車軸静止フランジなどの静止部材との間にラビリンスシールを構成することによって、ハブユニット軸受の内部空間の軸方向内端開口を塞ぐシール装置を保護することが考えられている。

しかしながら、エンコーダを構成する磁性ゴムは、フェライト粉末を80重量%〜90重量%程度と多く含んでおり、母材となるゴムの量が10重量%〜20重量%程度と少ないため、弾性が乏しい(脆い)。このため、磁性ゴムのみを用いて庇部を構成すると、庇部が破損し易くなるといった問題がある。

一方、特開2008−94243号公報には、このような問題が緩和された、外輪回転型のハブユニット軸受が記載されている。このハブユニット軸受では、図5に示すように、車輪と共に回転する外輪1の軸方向内端部に、エンコーダ2が取り付けられている。また、外輪1の内周面内輪11の外周面との間に存在する、転動体14を設置した内部空間15の軸方向内端開口は、シール装置16により塞がれている。

なお、ハブユニット軸受に関して、軸方向内側は、車両への組み付け状態で車両の幅方向中央側となる、各図における右側であり、軸方向外側は、車両への組み付け状態で車両の幅方向外側となる、各図における左側である。

エンコーダ2は、磁性金属板製の芯金3と、磁性ゴム4とを備えている。

芯金3は、外輪1の軸方向内端部に外嵌された円筒状の大径筒部5と、大径筒部5の軸方向内端部から外輪1の軸方向内端面に沿って径方向内方に延びる円輪状側板部6と、側板部6の径方向内端部から軸方向内方に延びる円筒状の小径筒部7とを有している。

磁性ゴム4は、全体を一体に構成されており、大径筒部5の外周面を覆う円筒状部分と、小径筒部7を包埋した円筒状の弾性筒部9とを有している。

磁性ゴム4は、大径筒部5の外周面を覆う円筒状部分の外周面が、着磁されることによってS極とN極とが円周方向に交互に配置された着磁部8になっている。エンコーダ2は、車体側に取り付けられたセンサ17と共に、回転速度検出装置を構成しており、着磁部8にセンサ17を対向させている。

弾性筒部9は、小径筒部7と共に、円筒状の庇部10を構成している。また、庇部10の先端部である、弾性筒部9の軸方向内端部は、内輪11を外嵌した車軸の静止フランジ(静止部材)12の軸方向外側面近接対向している。これにより、弾性筒部9の軸方向内端部と静止フランジ12の軸方向外側面との間に、ラビリンスシール13が形成されている。

そして、庇部10およびラビリンスシール13によって、シール装置16を保護している。すなわち、路面から跳ね上がった泥水小石などの異物がシール装置16に到達することを、庇部10およびラビリンスシール13によって抑制又は防止することで、シール装置16を保護している。

上述したハブユニット軸受では、庇部10は、磁性ゴム4の弾性筒部9と、この弾性筒部9に包埋された芯金3の小径筒部7とによって構成されている。すなわち、磁性ゴム4の弾性筒部9は、芯金3の小径筒部7により補強されている。このため、庇部10は、磁性ゴム4のみを用いて構成されている場合に比べて、破損しにくくなっている。

概要

エンコーダを構成する芯金の素材である磁性金属板の種類にかかわらず、芯金の軸方向内端部から、ラビリンスシールを形成するための磁性ゴムが剥がれにくい構造を実現する。エンコーダ22の芯金30は、外輪18の軸方向内端部に外嵌された嵌合筒部32と、外輪18の軸方向内端面にその軸方向外側面を当接させた側板部33と、嵌合筒部32と側板部33との間に設けられ、外輪18からの軸方向内側への張り出し量が芯金30の素材となる磁性金属板の厚さ寸法よりも大きく、かつ、軸方向内端面が該磁性金属板の側面により構成されている張出部34とを有している。エンコーダ22の磁性ゴム31は、嵌合筒部32の外周面と張出部34の軸方向内端面とを覆っており、磁性ゴム31の外周面に、S極とN極とが円周方向に交互に配置された着磁部39を有している。

目的

本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、芯金を構成する磁性金属板の種類にかかわらず、芯金の軸方向内端部から、ラビリンスシールを形成するための磁性ゴムを剥がれにくくすることができる構造を実現することにある

効果

実績

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請求項1

内周面外輪軌道を有し、使用状態車輪と共に回転する外輪と、外周面内輪軌道を有し、使用状態で回転しない内方部材と、前記外輪軌道と前記内輪軌道との間に配置された複数個転動体と、前記外輪の内周面と前記内方部材の外周面との間に存在する内部空間の軸方向内端開口を塞ぐシール装置と、前記外輪の軸方向内端部に取り付けられたエンコーダと、を備え、前記エンコーダは、磁性金属板製の芯金と、磁性ゴムを有しており、前記芯金は、前記外輪の軸方向内端部に外嵌された嵌合筒部と、前記外輪の軸方向内端面にその軸方向外側面を当接させた円輪状側板部と、前記嵌合筒部の軸方向内端部と前記側板部の径方向外端部との間に設けられ、前記外輪の軸方向内端面よりも軸方向内側に張り出すと共に、該軸方向内側への張り出し量が前記磁性金属板の厚さ寸法よりも大きく、かつ、軸方向内端面が前記磁性金属板の側面により構成されている張出部とを有しており、前記磁性ゴムは、前記嵌合筒部の外周面と前記張出部の軸方向内端面とを覆っており、前記磁性ゴムの外周面に、S極とN極とが円周方向に交互に配置された着磁部を有している、ハブユニット軸受

請求項2

前記張出部が、前記嵌合筒部の軸方向内端部から軸方向内方に延びる外径側筒部を有しており、前記磁性ゴムは、前記嵌合筒部および前記外径側筒部の外周面を覆う部分の外周面が、前記着磁部になっている、請求項1に記載のハブユニット軸受。

請求項3

前記芯金の素材となる前記磁性金属板が、低炭素鋼板である、請求項1又は2に記載のハブユニット軸受。

技術分野

0001

本発明は、自動車車輪懸架装置に対して回転自在に支持するためのハブユニット軸受に関する。

背景技術

0002

車輪と共に回転する外輪を備えた、外輪回転型のハブユニット軸受では、外輪の軸方向内端部に、回転速度検出用のエンコーダが取り付けられることがある。また、近年、このエンコーダを構成する磁性ゴムを用いて、軸方向内方張り出した部を構成すると共に、この庇部の軸方向内端部(先端部)と車軸静止フランジなどの静止部材との間にラビリンスシールを構成することによって、ハブユニット軸受の内部空間の軸方向内端開口を塞ぐシール装置を保護することが考えられている。

0003

しかしながら、エンコーダを構成する磁性ゴムは、フェライト粉末を80重量%〜90重量%程度と多く含んでおり、母材となるゴムの量が10重量%〜20重量%程度と少ないため、弾性が乏しい(脆い)。このため、磁性ゴムのみを用いて庇部を構成すると、庇部が破損し易くなるといった問題がある。

0004

一方、特開2008−94243号公報には、このような問題が緩和された、外輪回転型のハブユニット軸受が記載されている。このハブユニット軸受では、図5に示すように、車輪と共に回転する外輪1の軸方向内端部に、エンコーダ2が取り付けられている。また、外輪1の内周面内輪11の外周面との間に存在する、転動体14を設置した内部空間15の軸方向内端開口は、シール装置16により塞がれている。

0005

なお、ハブユニット軸受に関して、軸方向内側は、車両への組み付け状態で車両の幅方向中央側となる、各図における右側であり、軸方向外側は、車両への組み付け状態で車両の幅方向外側となる、各図における左側である。

0006

エンコーダ2は、磁性金属板製の芯金3と、磁性ゴム4とを備えている。

0007

芯金3は、外輪1の軸方向内端部に外嵌された円筒状の大径筒部5と、大径筒部5の軸方向内端部から外輪1の軸方向内端面に沿って径方向内方に延びる円輪状側板部6と、側板部6の径方向内端部から軸方向内方に延びる円筒状の小径筒部7とを有している。

0008

磁性ゴム4は、全体を一体に構成されており、大径筒部5の外周面を覆う円筒状部分と、小径筒部7を包埋した円筒状の弾性筒部9とを有している。

0009

磁性ゴム4は、大径筒部5の外周面を覆う円筒状部分の外周面が、着磁されることによってS極とN極とが円周方向に交互に配置された着磁部8になっている。エンコーダ2は、車体側に取り付けられたセンサ17と共に、回転速度検出装置を構成しており、着磁部8にセンサ17を対向させている。

0010

弾性筒部9は、小径筒部7と共に、円筒状の庇部10を構成している。また、庇部10の先端部である、弾性筒部9の軸方向内端部は、内輪11を外嵌した車軸の静止フランジ(静止部材)12の軸方向外側面近接対向している。これにより、弾性筒部9の軸方向内端部と静止フランジ12の軸方向外側面との間に、ラビリンスシール13が形成されている。

0011

そして、庇部10およびラビリンスシール13によって、シール装置16を保護している。すなわち、路面から跳ね上がった泥水小石などの異物がシール装置16に到達することを、庇部10およびラビリンスシール13によって抑制又は防止することで、シール装置16を保護している。

0012

上述したハブユニット軸受では、庇部10は、磁性ゴム4の弾性筒部9と、この弾性筒部9に包埋された芯金3の小径筒部7とによって構成されている。すなわち、磁性ゴム4の弾性筒部9は、芯金3の小径筒部7により補強されている。このため、庇部10は、磁性ゴム4のみを用いて構成されている場合に比べて、破損しにくくなっている。

先行技術

0013

特開2008−94243号公報

発明が解決しようとする課題

0014

特開2008−94243号公報に記載されたハブユニット軸受には、庇部10の先端部の破損を抑制する面から、改良の余地がある。

0015

すなわち、庇部10の先端部である弾性筒部9の軸方向内端部は、芯金3の小径筒部7の軸方向内端面に接着されている。ここで、小径筒部7の軸方向内端面は、芯金3を構成する磁性金属板の破断面であり、ゴムを接着する能力が(極めて)低い。このため、たとえば、エンコーダ2の搬送時に弾性筒部9の軸方向内端部が周囲の物体ぶつかったり、自動車の運転時にラビリンスシール13に小石が噛みこまれたり、路面反力による外内輪の相対傾きが発生したりするなどして、弾性筒部9の軸方向内端部に外力が加わった場合に、弾性筒部9の軸方向内端部が小径筒部7の軸方向内端面から剥がれて破損(脱落)し易く、さらには、前述のように磁性ゴムは弾性が乏しい(脆い)ことから、脱落の連鎖(1箇所が脱落するとその隣接部分が続いて脱落する現象)が発生し易い。また、芯金3がたとえば深絞り鋼板などの低炭素鋼板のように錆び易い素材からなる場合、錆により発生するアルカリによってゴム接着層の破壊が起き、脱落の連鎖がさらに助長される。したがって、ラビリンスシール13を十分に狭くすることができない。

0016

なお、芯金3を構成する磁性金属板に関しては、ステンレス鋼板のような不錆鋼板を用いれば、上述したゴム接着層の破壊による脱落の連鎖を防げるが、ステンレス鋼板は、低炭素鋼板よりもゴムの接着性能が低いため、弾性筒部9の軸方向内端部が小径筒部7の軸方向内端部から剥がれやすくなる。また、ステンレス鋼板は、低炭素鋼板よりも高価であり、かつ、低炭素鋼板よりもプレス加工がしにくいといった問題がある。

0017

本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、芯金を構成する磁性金属板の種類にかかわらず、芯金の軸方向内端部から、ラビリンスシールを形成するための磁性ゴムを剥がれにくくすることができる構造を実現することにある。

課題を解決するための手段

0018

本発明のハブユニット軸受は、外輪と、内方部材と、複数個の転動体と、シール装置と、エンコーダとを備えている。
前記外輪は、内周面に外輪軌道を有し、使用状態で車輪と共に回転する。
前記内輪は、外周面に内輪軌道を有し、使用状態で回転しない。
前記複数個の転動体は、前記外輪軌道と前記内輪軌道との間に配置されている。
前記シール装置は、前記外輪の内周面と前記内方部材の外周面との間に存在する内部空間の軸方向内端開口を塞いでいる。
前記エンコーダは、前記外輪の軸方向内端部に取り付けられており、磁性金属板製の芯金と、磁性ゴムを有している。
前記芯金は、前記外輪の軸方向内端部に外嵌された嵌合筒部と、前記外輪の軸方向内端面にその軸方向外側面を当接させた円輪状の側板部と、前記嵌合筒部の軸方向内端部と前記側板部の径方向外端部との間に設けられ、前記外輪の軸方向内端面よりも軸方向内側に張り出すと共に、該軸方向内側への張り出し量が前記磁性金属板の厚さ寸法よりも大きく、かつ、軸方向内端面が前記磁性金属板の側面により構成されている張出部とを有している。
前記磁性ゴムは、前記嵌合筒部の外周面と前記張出部の軸方向内端面とを覆っており、前記磁性ゴムの外周面に、S極とN極とが円周方向に交互に配置された着磁部を有している。

0019

本発明を実施する場合には、たとえば、次のような構成を採用することができる。
すなわち、前記張出部が、前記嵌合筒部の軸方向内端部から軸方向内方に延びる外径側筒部を有している。また、前記磁性ゴムは、前記嵌合筒部および前記外径側筒部の外周面を覆う部分の外周面が、前記着磁部になっている。

0020

本発明を実施する場合には、たとえば、前記芯金の素材となる前記磁性金属板を、深絞り鋼板などの低炭素鋼板とすることができる。なお、低炭素鋼は、炭素含有量が0.25質量%以下の炭素鋼である。

発明の効果

0021

本発明のハブユニット軸受によれば、芯金を構成する磁性金属板の種類にかかわらず、芯金の軸方向内端部から、ラビリンスシールを形成するための磁性ゴムを剥がれにくくすることができる。

図面の簡単な説明

0022

図1は、実施の形態の第1例に係るハブユニット軸受の半部断面図である。
図2は、図1におけるエンコーダおよびその周辺部の拡大図である。
図3は、実施の形態の第1例に関して、エンコーダの磁性ゴムを金型装置キャビティ内で加硫成形した状態を示す断面図である。
図4は、実施の形態の第2例を示す、図2に相当する図である。
図5は、従来のハブユニット軸受の1例を示す部分断面図である。

実施例

0023

[実施の形態の第1例]
実施の形態の第1例について、図1図3を用いて説明する。
本例のハブユニット軸受は、従動輪用であり、外輪(ハブ)18と、内方部材である1対の内輪19と、複数個の転動体20と、シール装置21と、エンコーダ22とを備えている。

0024

外輪18は、内周面に複列の外輪軌道23を有し、かつ、軸方向外側部に、径方向外方に突出した回転フランジ24を有している。回転フランジ24は、円周方向複数箇所取付孔25を有している。本例のハブユニット軸受を自動車に組み付けた状態で、車輪および制動用回転体ディスク又はドラム)は、取付孔25に圧入固定あるいは螺合されたハブボルトを用いて、回転フランジ24に支持固定される。したがって、外輪18は、車輪および制動用回転体と共に回転する。

0025

1対の内輪19は、外輪18の内径側に、軸方向に並べて配置されており、かつ、それぞれの外周面に内輪軌道26を有している。すなわち、1対の内輪19の外周面には、複列の内輪軌道26が設けられている。本例のハブユニット軸受を自動車に組み付けた状態で、1対の内輪19は、車軸に外嵌固定され、回転しない。

0026

転動体20は、複列の外輪軌道23と複列の内輪軌道26との間に、それぞれの列ごとに複数個ずつ配置されている。なお、図示の例では、転動体20として玉を使用しているが、転動体として円すいころを使用する場合もある。

0027

シール装置21は、外輪18の内周面と1対の内輪19の外周面との間に存在する、複数個の転動体20が設置された内部空間27の軸方向内端開口を塞いでいる。図示の例では、シール装置21は、組み合わせシールリングであり、外輪18の軸方向内端部に内嵌固定されたシールリング28と、軸方向内側の内輪19の軸方向内端部に外嵌固定された摺接環であるスリンガ29とを備えている。そして、シールリング28を構成する複数本シールリップの先端部をスリンガ29の表面に摺接させることにより、内部空間27の軸方向内端開口を密封している。なお、本例のハブユニット軸受は、車体への組み付け後に、外輪18の軸方向外端開口に、図示しないハブキャップが嵌められることで、内部空間27の軸方向外端開口が密封される。

0028

エンコーダ22は、外輪18の軸方向内端部に取り付けられている。エンコーダ22は、芯金30と、磁性ゴム31とを備えている。

0029

芯金30は、磁性金属板である、深絞り鋼板などの低炭素鋼板製で、断面形状が略L字形で、全体が円環状に構成されている。このような芯金30は、径方向外側部を構成する円筒状の嵌合筒部32と、径方向内側部を構成する円輪状の側板部33と、嵌合筒部32の軸方向内端部と側板部33の径方向外端部との間に設けられた張出部34とを有している。芯金30は、磁性金属板にプレス加工を施すことにより成形されており、嵌合筒部32の軸方向外端面と側板部33の径方向内端面との2箇所に、磁性金属板の破断面である端面が存在している。そして、芯金30の表面は、これらの2つの端面以外は、磁性金属板の側面により構成されている。

0030

嵌合筒部32は、軸方向内側部を構成する圧入嵌合部35と、軸方向外側部を構成する非圧入嵌合部36とからなる。圧入嵌合部35は、軸方向に関して内径寸法が変化しない単一円筒状に構成されている。非圧入嵌合部36は、圧入嵌合部35の軸方向外端部から軸方向外方に延びると共に、軸方向外方に向かう程内径寸法が大きくなる方向に傾斜した円すい筒状に構成されている。このような非圧入嵌合部36は、後述する外輪円筒面部37に圧入嵌合部35を圧入する際のガイドとして機能し、かつ、非圧入嵌合部36を覆う磁性ゴム31の一部を、非圧入嵌合部36の内径側にまわして、非圧入嵌合部36の内周面(破断面でない部分)に接着している。

0031

一方、外輪18は、軸方向内端部外周面に、外輪18の中心軸同軸で単一円筒状の外輪円筒面部37を有している。圧入嵌合部35は、外輪円筒面部37に軸方向内側から圧入され、外輪円筒面部37に締り嵌めで外嵌固定されている。これに対し、非圧入嵌合部36は、外輪円筒面部37に隙間嵌めで外嵌されている。非圧入嵌合部36の内周面と外輪円筒面部37との間には、軸方向外側に向かう程径方向の幅寸法が大きくなる楔状の隙間が存在している。

0032

側板部33は、嵌合筒部32と同軸の単一円輪状に構成されている。一方、外輪18は、軸方向内端面に、外輪18の中心軸に対して直交する円輪状の外輪平面部38を有している。そして、側板部33の軸方向外側面を、外輪平面部38に当接させている。そして、この当接によって、外輪18に対するエンコーダ22の軸方向の位置決めが図られている。

0033

張出部34は、軸方向内側が凸となる円弧状(略半円状)の断面形状を有しており、全体が円環状に構成されている。張出部34は、径方向外端部が嵌合筒部32の軸方向内端部に結合されており、径方向内端部が側板部33の径方向外端部に結合されている。また、嵌合筒部32が外輪円筒面部37に外嵌され、かつ、側板部33の軸方向外側面が外輪平面部38に当接した状態で、張出部34は、外輪平面部38よりも軸方向内側に張り出している。換言すれば、張出部34の軸方向外側面と外輪平面部38との間には、断面略半円形状の隙間が存在している。外輪平面部38に対する張出部34の軸方向内側への張り出し量は、芯金30の素材となる磁性金属板の厚さ寸法よりも大きくなっている。したがって、張出部34の軸方向内側部は、側板部33の軸方向内側面よりも軸方向内側に張り出している。

0034

磁性ゴム31は、フェライト粉末を混入したゴムにより円環状に構成されており、芯金30に加硫接着されている。なお、磁性ゴム31は、フェライト粉末を80重量%〜90重量%程度と多く含んでおり、母材となるゴムの量が10重量%〜20重量%程度と少ないため、弾性が乏しい(脆い)。

0035

磁性ゴム31は、嵌合筒部32の軸方向外端部内周面(非圧入嵌合部36の内周面)と、嵌合筒部32の軸方向外端面(非圧入嵌合部36の軸方向外端面)と、嵌合筒部32の外周面と、張出部34の外表面(板厚方向に関して外輪18と反対側の側面)と、側板部33の軸方向内側面と、側板部33の径方向内端面との、連続した範囲を覆っている。

0036

また、磁性ゴム31は、嵌合筒部32および張出部34の外周面を覆った部分の外周面に、着磁されることによってS極とN極とが円周方向に交互に配置された、円筒面状の着磁部39を有している。エンコーダ22は、車体側に取り付けられたセンサ40と共に、回転速度検出装置を構成しており、着磁部39にセンサ40を対向させている。

0037

また、磁性ゴム31は、張出部34を覆った部分が、この張出部34と共に、外輪平面部38よりも軸方向内側に張り出した庇部45を構成している。また、磁性ゴム31は、張出部34の軸方向内端面(軸方向内側面を構成する磁性金属板の側面)を覆った部分である軸方向内端部が、シール形成部53となっている。シール形成部53の軸方向内側面は、外輪18の中心軸に対して直交する円輪状の平坦面になっている。そして、このシール形成部53の軸方向内側面が、内輪19を外嵌固定した車軸に設けられた静止フランジや、懸架装置を構成するナックルなどの、使用状態で回転しない静止部材43の軸方向外側面(図示の例では、シール形成部53の軸方向内側面と平行な平坦面)に全周に亙り近接対向している。これにより、シール形成部53の軸方向内側面と静止部材43の軸方向外側面との間に径方向に長いラビリンスシール44が形成されている。

0038

そして、庇部45およびラビリンスシール44によって、シール装置21を保護している。すなわち、路面から跳ね上がった泥水や小石などの異物がシール装置21に到達することを、庇部45およびラビリンスシール44によって抑制又は防止することで、シール装置21を保護している。

0039

また、磁性ゴム31は、嵌合筒部32の軸方向外端部内周面(非圧入嵌合部36の内周面)を覆った部分に、自由状態で圧入嵌合部35よりも内径寸法が小さい外径側ガスケット部41を有している。そして、このような外径側ガスケット部41を外輪円筒面部37に弾性的に当接させることによって、外輪円筒面部37と圧入嵌合部35の内周面との間に、軸方向外側から泥水などの異物が侵入することを防止している。なお、図2には、外径側ガスケット部41の自由状態での形状を示している。

0040

また、磁性ゴム31は、側板部33の径方向内端面を覆った部分の軸方向外端部に、側板部33の軸方向外側面よりも軸方向外側に突出した内径側ガスケット部42を有している。そして、このような内径側ガスケット部42を外輪平面部38に弾性的に当接させることによって、外輪平面部38と側板部33との間に径方向内側から泥水などの異物が侵入することと、芯金3が外部に露出することを防止している。なお、図2には、内径側ガスケット部42の自由状態での形状を示している。

0041

上述のような本例のハブユニット軸受では、エンコーダ22を構成する磁性ゴム31の軸方向内端部であるシール形成部53は、芯金30の軸方向内端面、すなわち、張出部34の軸方向内端面に加硫接着されている。ここで、張出部34の軸方向内端面は、芯金30を構成する磁性金属板のうち、破断面である端面ではない、側面により構成されている。このため、この磁性金属板の種類にかかわらず、すなわち、本例のように、この磁性金属板が深絞り鋼板などの低炭素鋼板であっても、張出部34の軸方向内端面に対するシール形成部53の接着力を強くすることができる。したがって、たとえば、エンコーダ22の搬送時にシール形成部53が周囲の物体にぶつかったり、自動車の運転時にラビリンスシール44に小石が噛みこまれたりするなどして、シール形成部53に外力が加わった場合でも、シール形成部53が張出部34の軸方向内端面から剥がれにくくする(脱落しにくくする)ことができる。

0042

また、本例では、芯金30が、嵌合筒部32と側板部33との間に軸方向内方に張り出した張出部34を有しており、また、芯金30を構成する磁性金属板として、ステンレス鋼板に比べて安価で、かつ、プレス加工がし易い、深絞り鋼板などの低炭素鋼板を使用している。このため、芯金30の素材コストを抑えられるだけでなく、芯金30を精度よく造ることができる。具体的には、芯金30のプレス加工時に、芯金30の各部分が引き伸ばされ、嵌合筒部32や側板部33などを精度よく造ることができる。この結果、外輪円筒面部37に対する圧入嵌合部35の内周面の密着度や、外輪平面部38に対する側板部33の軸方向外側面の密着度を高くすることができ、延いては、外径側ガスケット部41および内径側ガスケット部42によるシール効果を高くすることができる。

0043

また、本例では、図3に示すように、第1の金型46と第2の金型47との間に設けられたキャビティ48内で、エンコーダ22を構成する磁性ゴム31を加硫成形した後、エンコーダ22の内径側に挿入されている第1の金型46の軸部49に対して、エンコーダ22を軸方向に(図3右方向に)抜き取る際には、外径側ガスケット部41の無理抜きを行う必要がある。すなわち、軸部49のうちで、外径側ガスケット部41よりも図3の右側に位置する部分は、その外径寸法が外径側ガスケット部41の内径寸法よりも大きい大径部50になっている。なお、図3中の一点鎖線αは、外径側ガスケット部41に内接する仮想円筒面を示している。したがって、軸部49に対してエンコーダ22を軸方向に(図3の右方向に)抜き取る際には、外径側ガスケット部41を弾性的に拡径しつつ、大径部50に対して外径側ガスケット部41を軸方向に乗り越えさせる必要がある。この作業を、外径側ガスケット部41の無理抜きという。

0044

一方、前述したように、磁性ゴム31(外径側ガスケット部41)は、弾性が乏しい(脆い)。このため、外径側ガスケット部41の径方向高さ、すなわち、外輪円筒面部37に対する外径側ガスケット部41の締め代を大きくし過ぎると、上述した無理抜きを行う際に、外径側ガスケット部41が破損し易くなる。したがって、外輪円筒面部37に対する外径側ガスケット部41の締め代は、余り大きくはできない。

0045

ただし、本例では、前述したように芯金30を精度よく造ることができる。また、これに伴って、外径側ガスケット部41の寸法精度を良好にすることができる。したがって、外輪円筒面部37に対する外径側ガスケット部41の締め代が少なくても、外径側ガスケット部41によるシール効果を高くすることができる。

0046

[実施の形態の第2例]
実施の形態の第2例について、図4を用いて説明する。
本例では、エンコーダ22aを構成する芯金30aの張出部34aの軸方向寸法が、実施の形態の第1例の場合よりも大きくなっている。このために、具体的には、張出部34aの基端側部(軸方向外側部)に、嵌合筒部32の軸方向内端部から軸方向内方に延びる円筒状の外径側筒部51と、側板部33の径方向外端部から軸方向内方に延びる円筒状の内径側筒部52とを、追加的に設けている。また、本例では、エンコーダ22aを構成する磁性ゴム31aの外周面に存在する円筒面状の着磁部39aの軸方向寸法が、外径側筒部51の軸方向寸法分だけ、実施の形態の第1例の場合よりも長くなっている。したがって、その分、エンコーダ22aの出力(着磁部39aの周囲の磁束密度)を大きくすることができる。
その他の構成および作用は、実施の形態の第1例と同様である。

0047

本発明を実施する場合、芯金を構成する磁性金属板の種類は、特に問わない。
また、ハブユニット軸受を構成する内方部材は、外周面に内輪軌道を有する軸部材であっても良い。

0048

1外輪
2エンコーダ
3芯金
4磁性ゴム
5 大径筒部
6側板部
7小径筒部
8着磁部
9弾性筒部
10庇部
11内輪
12静止フランジ
13ラビリンスシール
14転動体
15 内部空間
16シール装置
17センサ
18 外輪
19 内輪
20 転動体
21 シール装置
22、22a エンコーダ
23外輪軌道
24回転フランジ
25取付孔
26内輪軌道
27 内部空間
28シールリング
29スリンガ
30、30a 芯金
31、31a 磁性ゴム
32 嵌合筒部
33 側板部
34、34a張出部
35圧入嵌合部
36 非圧入嵌合部
37 外輪円筒面部
38 外輪平面部
39、39a 着磁部
40 センサ
41外径側ガスケット部
42内径側ガスケット部
43静止部材
44 ラビリンスシール
45 庇部
46 第1の金型
47 第2の金型
48キャビティ
49 軸部
50 大径部
51 外径側筒部
52 内径側筒部
53シール形成部

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