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技術 ベルト張力調整装置およびベルト張力調整方法

出願人 株式会社ジェイテクト
発明者 今井亮介山田芳正
出願日 2017年12月8日 (2年6ヶ月経過) 出願番号 2017-236135
公開日 2019年6月27日 (1年0ヶ月経過) 公開番号 2019-105275
状態 未査定
技術分野 伝動装置 パワーステアリング機構 巻き掛け伝動装置 特定の目的に適した力の測定
主要キーワード 係合座 張力測定用 押圧反力 芯間距離 ベルト張力調整装置 有底円筒体 フランジ部側 扇形形状
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

ベルト張力の測定時間を短くできるベルト張力調整装置およびベルト張力調整方法を提供する。

解決手段

制御装置130は、測定子114の先端をベルト33に押し当てることにより、所定のたわみ量δをベルト33に与える。制御装置130は、軸力センサにより、ベルト33にたわみ量δを与えたときの荷重である押圧反力である初期反力を検出する。制御装置130は、メモリに予め記憶されている演算マップに基づいて、初期反力に対する狙い反力演算する。制御装置130は、調整装置120の制御を通じて取り付け部62を移動させることにより、ベルト33の押圧反力を狙い反力に近付けるように駆動プーリ31と従動プーリ32との間の芯間距離を変化させる。

概要

背景

従来、車両用ステアリング装置には、モータの回転をボールねじ機構などにより転舵軸軸方向移動に変換することにより、操作機構アシスト力を付与する電動パワーステアリング装置EPS)がある。

ところで、こうしたEPSにおいては、モータトルク伝達効率向上などの観点から、ベルト張力テンション)の設定が重要な要素となる。たとえば、ベルトの張力が適正値よりも小さいと、ベルトとプーリとの間で伝達されるトルクが大きくなったときに、ベルトの歯とプーリの歯との噛み合いがずれてしまい、大トルクを伝達できないおそれがある。

そこで、特許文献1に示されるEPSでは、2つのプーリの間に掛け渡されるベルトに張力の測定装置測定子プローブ)を所定量押し当てたときに、2つのプーリの間の芯間距離を変化させたときの押圧反力の変化を考慮して、プーリ間の距離が調整される。これにより、ベルトの張力が調整される。

概要

ベルトの張力の測定時間を短くできるベルト張力調整装置およびベルト張力調整方法を提供する。制御装置130は、測定子114の先端をベルト33に押し当てることにより、所定のたわみ量δをベルト33に与える。制御装置130は、軸力センサにより、ベルト33にたわみ量δを与えたときの荷重である押圧反力である初期反力を検出する。制御装置130は、メモリに予め記憶されている演算マップに基づいて、初期反力に対する狙い反力演算する。制御装置130は、調整装置120の制御を通じて取り付け部62を移動させることにより、ベルト33の押圧反力を狙い反力に近付けるように駆動プーリ31と従動プーリ32との間の芯間距離を変化させる。

目的

本発明の目的は、ベルトの張力の調整時間を短くできるベルト張力調整装置およびベルト張力調整方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

ハウジングと、前記ハウジング内に軸方向に往復移動可能に収容された転舵軸と、前記ハウジングに設けられたモータと、前記ハウジング内において、前記モータの回転軸に連結された駆動プーリと、前記ハウジング内に回転可能に収容された従動プーリと、前記駆動プーリと前記従動プーリとの間に巻き掛けられたベルトと、を有する減速機構と、前記ハウジング内に設けられ、前記従動プーリの回転を前記転舵軸の往復移動に変換するボールねじ機構と、を備えたステアリング装置に用いるベルト張力調整装置において、前記駆動プーリと前記従動プーリとの間の芯間距離を調整する調整装置、および前記ベルトに所定のたわみ量だけ測定子押し付けたときの押圧反力を検出する測定装置を制御する制御装置を備え、前記制御装置は、前記測定装置の制御を通じて張力の調整前の前記ベルトを前記測定子により所定のたわみ量だけたわませたときの押圧反力である初期反力に基づいて、張力の調整中の前記ベルトの押圧反力の目標値である狙い反力演算し、前記調整装置の制御を通じて、前記ベルトの押圧反力が前記狙い反力となるように前記芯間距離を変化させることにより前記ベルトの張力を調整するベルト張力調整装置。

請求項2

前記制御装置は、前記初期反力と前記狙い反力との関係を示す演算マップを予め記憶するメモリを有し、前記演算マップに基づいて、前記初期反力に対する前記狙い反力を演算する請求項1に記載のベルト張力調整装置。

請求項3

ハウジングと、前記ハウジング内に転舵軸が軸方向に往復移動可能に収容された転舵軸と、前記ハウジングに設けられたモータと、前記ハウジング内において、前記モータの回転軸に連結された駆動プーリと、前記ハウジング内に回転可能に収容された従動プーリと、前記駆動プーリと前記従動プーリとの間に巻き掛けられたベルトと、を有する減速機構と、前記ハウジング内に設けられ、前記従動プーリの回転を前記転舵軸の往復移動に変換するボールねじ機構と、を備えたステアリング装置における前記ベルトの張力を調整するベルト張力調整方法において、前記ベルトの張力の調整前、前記ベルトを所定のたわみ量だけたわませたときの押圧反力である初期反力を検出し、前記初期反力に基づいて、張力の調整中の前記ベルトの押圧反力の目標値である狙い反力を演算し、前記ベルトの押圧反力が前記狙い反力となるように、前記駆動プーリと前記従動プーリとの間の芯間距離を変化させることにより、前記ベルトの張力を調整するベルト張力調整方法。

請求項4

前記初期反力に対する前記狙い反力を演算する際には、前記初期反力と前記狙い反力との関係を示すように予め用意された演算マップを用いる請求項3に記載のベルト張力調整方法。

技術分野

0001

本発明は、ベルト張力調整装置およびベルト張力調整方法に関する。

背景技術

0002

従来、車両用ステアリング装置には、モータの回転をボールねじ機構などにより転舵軸軸方向移動に変換することにより、操作機構アシスト力を付与する電動パワーステアリング装置EPS)がある。

0003

ところで、こうしたEPSにおいては、モータトルク伝達効率向上などの観点から、ベルト張力テンション)の設定が重要な要素となる。たとえば、ベルトの張力が適正値よりも小さいと、ベルトとプーリとの間で伝達されるトルクが大きくなったときに、ベルトの歯とプーリの歯との噛み合いがずれてしまい、大トルクを伝達できないおそれがある。

0004

そこで、特許文献1に示されるEPSでは、2つのプーリの間に掛け渡されるベルトに張力の測定装置測定子プローブ)を所定量押し当てたときに、2つのプーリの間の芯間距離を変化させたときの押圧反力の変化を考慮して、プーリ間の距離が調整される。これにより、ベルトの張力が調整される。

先行技術

0005

特開2015−33951号公報

発明が解決しようとする課題

0006

ところで、張力を調整する前のベルトの張り具合などはEPSごとに異なるため、ベルトに測定子を所定量押し当てたときの押圧反力はEPSごとに異なる。このため、押圧反力に基づき、ベルトの張力を調整した場合、調整した後のベルトの張力は、EPSごとにばらついてしまうおそれがある。

0007

このため、ベルトの張力の調整時に、一旦ベルトから測定子を離して再び所定量押し当てるというリトラクトという工程が実施される。しかし、ベルトの張力のEPSごとのばらつきを低減するために、EPSごとにリトラクトを実施すると、リトラクトの実施に要する時間分、ベルトの張力を調整するための時間が長くなる。

0008

本発明の目的は、ベルトの張力の調整時間を短くできるベルト張力調整装置およびベルト張力調整方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

上記目的を達成しうるベルト張力調整装置は、ハウジングと、前記ハウジング内に軸方向に往復移動可能に収容された転舵軸と、前記ハウジングに設けられたモータと、前記ハウジング内において、前記モータの回転軸に連結された駆動プーリと、前記ハウジング内に回転可能に収容された従動プーリと、前記駆動プーリと前記従動プーリとの間に巻き掛けられたベルトと、を有する減速機構と、前記ハウジング内に設けられ、前記従動プーリの回転を前記転舵軸の往復移動に変換するボールねじ機構と、を備えたステアリング装置に用いるベルト張力調整装置において、前記駆動プーリと前記従動プーリとの間の芯間距離を調整する調整装置、および前記ベルトに所定のたわみ量だけ測定子を押し付けたときの押圧反力を検出する測定装置を制御する制御装置を備え、前記制御装置は、前記測定装置の制御を通じて張力の調整前の前記ベルトを前記測定子により所定のたわみ量だけたわませたときの押圧反力である初期反力に基づいて、張力の調整中の前記ベルトの押圧反力の目標値である狙い反力演算し、前記調整装置の制御を通じて、前記ベルトの押圧反力が前記狙い反力となるように前記芯間距離を変化させることにより前記ベルトの張力を調整する。

0010

ベルトの張力調整前のベルトを所定のたわみ量だけたわませることにより、初期反力を測定する場合、ステアリング装置のベルト張力調整装置に対する配置やベルトの張り具合がステアリング装置ごとに異なるので、初期反力はばらついてしまう。

0011

この点、比較例として、一旦ベルトのたわみを無くして、再度ベルトを所定のたわみ量だけたわませたときの押圧反力に基づいて、ベルトの張力を調整することも考えられる。しかし、ベルトの張力を調整するステアリング装置ごとに、一旦ベルトのたわみを無くして、再度ベルトを所定のたわみ量だけたわませる工程を実施する必要があり、当該工程の分だけベルトの張力を測定する時間が長くなってしまう。

0012

これに対し、上記構成によれば、初期反力に基づいて狙い反力を演算し、押圧反力が狙い反力となるように、芯間距離を変化させることにより、ベルトの張力を調整することが可能である。この場合、一旦ベルトのたわみを無くして、再度ベルトを所定のたわみ量だけたわませる工程などを実施する必要がないので、ベルトの張力を測定する時間を短くできる。

0013

上記のベルト張力調整装置において、前記制御装置は、前記初期反力と前記狙い反力との関係を示す演算マップを予め記憶するメモリを有し、前記演算マップに基づいて、前記初期反力に対する前記狙い反力を演算することが好ましい。

0014

この構成によれば、初期反力と狙い反力との関係を予め定めておくことにより、ベルトの張力を調整する際には、初期反力を検出するのみで済む。
上記のベルト張力調整方法において、ハウジングと、前記ハウジング内に転舵軸が軸方向に往復移動可能に収容された転舵軸と、前記ハウジングに設けられたモータと、前記ハウジング内において、前記モータの回転軸に連結された駆動プーリと、前記ハウジング内に回転可能に収容された従動プーリと、前記駆動プーリと前記従動プーリとの間に巻き掛けられたベルトと、を有する減速機構と、前記ハウジング内に設けられ、前記従動プーリの回転を前記転舵軸の往復移動に変換するボールねじ機構と、を備えたステアリング装置における前記ベルトの張力を調整するベルト張力調整方法において、前記ベルトの張力の調整前、前記ベルトを所定のたわみ量だけたわませたときの押圧反力である初期反力を検出し、前記初期反力に基づいて、張力の調整中の前記ベルトの押圧反力の目標値である狙い反力を演算し、前記ベルトの押圧反力が前記狙い反力となるように、前記駆動プーリと前記従動プーリとの間の芯間距離を変化させることにより、前記ベルトの張力を調整する。

0015

この構成によれば、初期反力に基づいて狙い反力を演算し、当該狙い反力に基づいて芯間距離を調整すればよいので、初期反力がばらつく場合であっても、初期反力のばらつきを無くすような別の工程を行う必要がない。たとえば、初期反力がばらつく影響を抑えるために、一旦ベルトのたわみを無くして、再度ベルトを所定のたわみ量だけたわませる工程などを実施する必要がない。このため、ベルトの張力を測定する時間を短くできる。

0016

上記のベルト張力調整方法において、前記初期反力に対する前記狙い反力を演算する際には、前記初期反力と前記狙い反力との関係を示すように予め用意された演算マップを用いることが好ましい。

0017

この構成によれば、初期反力と狙い反力との関係を示す演算マップを予め定めておくことにより、ベルトの張力を測定する際には、初期反力を検出するのみで済む。

発明の効果

0018

本発明のベルト張力調整装置およびベルト張力調整方法によれば、ベルトの張力の測定時間を短くできる。

図面の簡単な説明

0019

ベルト張力調整装置の一実施形態の調整対象である電動パワーステアリング装置の概略構成を示す構成図。
電動パワーステアリング装置の要部を拡大した断面図。
ハウジングに対するモータの取り付け部分をモータ側から見た、図2の3−3線に沿って切断した部分断面図。
芯間距離と張力との関係を示すグラフ
ベルトの張力を測定する測定装置の概略構成を示す構成図。
押圧反力と張力との関係を示すグラフ。
ハウジングに対するモータの取り付け部をフランジ部側から見た、図2の7−7線に沿って切断した部分断面図。
ベルト張力調整装置の概略構成を示す構成図。
初期反力と狙い反力との関係を示すグラフ。
ベルトの張力の測定および調整時の第1〜第6の状態を示す減速機構の概略図。

実施例

0020

以下、ステアリング装置を電動パワーステアリング装置(EPS)に具体化した一実施形態を説明する。
図1に示すように、EPS1は、図示しない車体に固定されるハウジング11を有している。ハウジング11はその筒状の本体12が車体の車幅方向(図1中の左右方向)へ延びるように設けられる。本体12には転舵軸としてのラック軸13が挿通されている。ラック軸13の両端にはそれぞれ図示しないボールジョイントを介して車輪転舵輪)Wが連結される。ラック軸13が軸方向へ移動することによって車輪Wの向きが変更される。

0021

<第1の収容部>
本体12の第1の端部(図1中の左端)寄りの部位には第1の収容部14が設けられている。第1の収容部14は、本体12の軸方向(図1中の左右方向)に対して斜めに交わる方向へ延びている。第1の収容部14には、ピニオンシャフト15が挿入された状態で回転可能に支持されている。ピニオンシャフト15の内端部に設けられるピニオン歯は、ラック軸13の第1の端部寄りの一定範囲に形成されるラック歯に噛み合う。また、ピニオンシャフト15のピニオン歯と反対側の端部は、図示しない複数のシャフトを介してステアリングホイールHに連結される。したがって、ステアリング操作に伴いラック軸13は軸方向に沿って直線運動を行う。ステアリング操作を通じてピニオンシャフト15に作用するトルクは、第1の収容部14に設けられたトルクセンサ16により検出される。

0022

<第2の収容部>
本体12の第1の端部と反対側の第2の端部(図1中の右端)寄りの部位には第2の収容部17が設けられている。第2の収容部17では、本体12よりも大径の円筒部分は、ラック軸13の延びる方向に対して交わる方向(図1中の上方)へ突出している。第2の収容部17の突出する部分における第1の端部側の側壁には、モータ18が固定されている。モータ18の出力軸18aは、ラック軸13の軸線に沿って延び、かつ第2の収容部17の側壁を貫通して内部に挿入されている。第2の収容部17の内部には、変換機構20が設けられている。変換機構20にはモータ18の出力軸18aが連結されている。変換機構20は、モータ18の回転運動をラック軸13の直線運動に変換する。すなわち、モータ18の回転力の利用を通じてラック軸13の動作が補助されることにより、ステアリング操作が補助される。モータ18は、図示しない制御装置によりトルクセンサ16の検出結果などに応じて制御される。

0023

ここで、第2の収容部17の構成について詳述する。
図2に示すように、第2の収容部17(収容部)は、円筒状の支持部21、および段付きの円筒状の蓋部材22を有している。支持部21は、本体12の第2の端部に一体形成されている。支持部21はラック軸13の延びる方向に対して交わる方向(図2中の上方)へ突出している。支持部21の突出している部分における第1の端部(図2中の左端)側の側壁21aには、孔21bが形成されている。孔21bには、第1の端部側からモータ18の出力軸18aが挿入されている。支持部21の第2の端部側の開口部は蓋部材22により塞がれている。これら支持部21と蓋部材22とにより構成される空間に変換機構20が設けられている。

0024

図2に2点鎖線で示されるように、第2の収容部17の支持部21には、張力測定用貫通孔17aが設けられている。貫通孔17aは、支持部21の周壁におけるベルト33の表面に対向する部分に設けられている。通常時(ベルト33の張力を測定していない時)には、貫通孔17aには図示しないキャップが取り付けられている。一方、ベルト33の張力の測定時には、貫通孔17aのキャップが取り外される。

0025

<変換機構>
図2に示すように、変換機構20は、減速機構30およびボールねじ機構40を有している。減速機構30は、モータ18の回転運動をボールねじ機構40に伝達する。ボールねじ機構40は、減速機構30を通じて伝達されるモータ18の回転運動をラック軸13の直線運動に変換する。

0026

<ボールねじ機構>
ボールねじ機構40は、ラック軸13に設けられたボールねじ部41、円筒状のボールナット42、および複数のボール43を有している。

0027

ボールねじ部41は、ラック軸13の外周面におけるボールねじ13aが形成された部分である。ボールねじ部41は、ラック軸13の第2の端部を基準として第1の端部へ向けた一定範囲に設けられている。

0028

ボールナット42は、ボールねじ部41に複数のボール43を介してラック軸13の軸方向に進退移動可能に螺合されている。ボールナット42の第2の端部の外周面には雄ねじ部42aが設けられている。また、ボールナット42の第1の端部の外周面には円環状の鍔部42bがそれぞれ設けられている。雄ねじ部42aはボールナット42の第2の端部を基準としてその軸線方向に沿った一定範囲にわたって設けられている。ボールナット42の回転に伴い、各ボール43はボールナット42とボールねじ部41との間を転動する。ボールナット42とラック軸13のボールねじ部41とにより囲まれる螺旋状の空間は、ボール43が転動する転動路として機能する。

0029

なお、ボールナット42の第1の端部と第2の端部との間の外周面には、玉軸受44が固定されている。ボールナット42は、玉軸受44を介してハウジング11、正確には蓋部材22の内周面に対して回転可能に支持されている。玉軸受44は、内輪44a、外輪44b、および複数のボール44cを有している。内輪44aは、ボールナット42の外周面に嵌合されている。外輪44bは、蓋部材22の内周面に嵌合されている。ボール44cはボールナット42の回転に伴い内輪44aと外輪44bとの間において転動する。

0030

<減速機構>
減速機構30は、円筒状の駆動プーリ31、円筒状の従動プーリ32、およびベルト33を備えている。

0031

駆動プーリ31は、モータ18の出力軸18aに固定されている。従動プーリ32はボールナット42の外周面に固定されている。従動プーリ32および玉軸受44は、ボールナット42の軸線方向において互いに隣接している。玉軸受44は雄ねじ部42a側に、従動プーリ32は鍔部42b側に設けられている。ベルト33は、駆動プーリ31と従動プーリ32との間に掛け渡されている。したがって、モータ18の回転は、駆動プーリ31、ベルト33、および従動プーリ32を介してボールナット42に伝達される。

0032

なお、駆動プーリ31および従動プーリ32は、これらの外周面に歯が設けられた歯付きプーリタイミングプーリ)である。また、ベルト33はその内周面に歯が設けられた歯付きベルトタイミングベルト)である。ベルト33の歯数は駆動プーリ31の歯数および従動プーリ32の歯数のそれぞれに対して非整数倍となるように設定されている。

0033

<玉軸受および従動プーリの固定構造
つぎに、玉軸受44および従動プーリ32の固定構造を説明する。
図2に示すように、ボールナット42の外周面に従動プーリ32および玉軸受44が嵌められた状態で、雄ねじ部42aにロックナット45を締め付けることにより、従動プーリ32および玉軸受44はそれぞれボールナット42に固定される。

0034

正確には、ロックナット45が雄ねじ部42aに締め付けられることにより、玉軸受44(正確にはその内輪44a)は従動プーリ32に、当該従動プーリ32は鍔部42bに押し付けられる。すなわち、鍔部42b、従動プーリ32、玉軸受44、およびロックナット45は、ボールナット42の軸線方向において互いに面接触した状態に保持される。このように、玉軸受44および従動プーリ32が、ボールナット42の軸線方向においてその鍔部42bとロックナット45とによって挟み込まれた状態に保持されることにより、玉軸受44および従動プーリ32のボールナット42に対する軸線方向における位置が維持される。

0035

また、外輪44bと支持部21の開口端面との間には、円環状のサポート部材51が介在されている。また、外輪44bと蓋部材22の内底面に形成された環状の段差部22aとの間には円環状のサポート部材52が介在されている。外輪44bがサポート部材51,52を介して支持部21と蓋部材22とによって挟み込まれることにより、玉軸受44(外輪44b)の蓋部材22に対する軸方向位置が維持される。

0036

<モータの固定構造>
つぎに、モータ18の固定構造を説明する。本例では、第2の収容部17(正確には、支持部21)に対するモータ18の取り付け位置を調整することが可能である。

0037

図2に示すように、支持部21における周壁には、ラック軸13の延びる方向に対して交わる方向に延びる板状のフランジ部61が設けられている。また、モータ18の外周面には、支持部21に固定される部分である取り付け部62がラック軸13の延びる方向に対して交わる方向に延びるように設けられている。取り付け部62にはモータ18の軸線方向に貫通する雌ねじ部62aが設けられている。また、フランジ部61にはモータ18の軸線方向に貫通する孔63(図3長孔64,65および丸孔66)が設けられている。取り付け部62とフランジ部61とが複数のボルト19を介して締結されることにより、モータ18は支持部21の側壁21aに取り付けられる。

0038

図3では、フランジ部61を実線で、取り付け部62を破線で示している。フランジ部61には、各ボルト19を挿通させる長孔64,65(孔63)と、1つの丸孔66(孔63)が形成されている。丸孔66はフランジ部61における径方向の一端部(図3中の下部)に形成されている。長孔64は、フランジ部61において、丸孔66と径方向においてほぼ反対側の位置(図3中の上部)に形成されている。長孔65は、周方向において丸孔66と長孔64とに挟まれた位置(図3中の左部)に形成されている。丸孔66は、ベルト33の張力を調整する際の基準位置となる。長孔64,65は、ボルト19がその孔に沿って移動できるよう細長く形成されている。

0039

フランジ部61に取り付け部62を締結する際、たとえば長孔64,65および丸孔66に挿通した各ボルト19を取り付け部62に対して緩く締め付けることにより仮締結を行う。そして、フランジ部61を各ボルト19とともに長孔64,65に沿って移動させることによって、フランジ部61に対する取り付け部62の固定位置を変更する。具体的には、モータ18(取り付け部62)が丸孔66を中心とした長孔64の軌跡Cに沿って回転する。このとき、丸孔66は、取り付け部62を移動させる際の基準位置となり、丸孔66を回転中心として取り付け部62は回転移動する。なお、長孔64,65が延びる向きは、取り付け部62が回転する際の向きに対応している。長孔64,65は、丸孔66を中心として取り付け部62を回転させたときの軌跡Cに沿って延びている。そして、フランジ部61に対する取り付け部62の位置の調整が完了すると、長孔64,65および丸孔66に挿通した各ボルト19を締め付けることにより本締結を行う。

0040

<芯間距離とベルトの張力との関係>
図2に示すように、駆動プーリ31はモータ18の出力軸18aに固定されている。また、フランジ部61に対して取り付け部62を移動させることによって、調整方向Dにおけるモータ18の取り付け位置は変更される。調整方向Dにおけるモータ18の取り付け位置が変更されることにより、駆動プーリ31と従動プーリ32との間の芯間距離ΔLが変化する。芯間距離ΔLは、駆動プーリ31の軸線L1と従動プーリ32の軸線L2との間の距離である。駆動プーリ31が従動プーリ32に近接するほど芯間距離ΔLは短くなり、駆動プーリ31が従動プーリ32から離間するほど芯間距離ΔLは長くなる。すなわち、モータ18の取り付け位置の調整を通じて芯間距離ΔLを調整することが可能である。

0041

そして、図4に示すように、芯間距離ΔLを調整することにより、駆動プーリ31と従動プーリ32との間に巻き掛けられたベルト33の張力Tが変化する。すなわち、駆動プーリ31と従動プーリ32との間の芯間距離ΔLが増加すると、ベルト33の張力Tは増加し、駆動プーリ31と従動プーリ32との間の芯間距離ΔLが減少すると、ベルト33の張力Tは減少する。そのため、ベルト33の張力Tの適正な値である適正張力T0に対応して、芯間距離ΔLである適正芯間距離ΔL0が求められる。適正張力T0は、ベルト33の設計上要求される張力に基づいて設定されている。ベルト33の張力Tは適正張力T0に近付くように、具体的には製造公差などのばらつきを考慮して定められる適正範囲R1に、ベルト33の張力Tが収まることが求められている。

0042

<ベルト張力調整装置>
ところで、EPS1では、モータ18のトルクの伝達効率を確保するなどの観点から、ベルト33の張力Tが適切な張力に設定される。ベルト33の張力Tを調整する際には、駆動プーリ31と従動プーリ32との間の芯間距離ΔLが重要である。

0043

図2および図5などに示すように、本実施形態では、ベルト張力調整装置100を使用して、EPS1を固定した状態で、ベルト33の張力Tを測定して、ベルト33の張力Tが適切な張力となるようにモータ18の取り付け位置を調整する。ベルト張力調整装置100は、測定装置110、調整装置120、および制御装置130を有している。

0044

<測定装置>
図5に示すように、測定装置110は、ケース111、送り機構112、軸力センサ113、および測定子114を有している。なお、本実施形態では、接触式の測定装置を使用してベルトの張力Tを測定する。

0045

ケース111は、送り機構112、軸力センサ113、および測定子114を収容している。ケース111は、有底円筒体をなしている。ケース111の軸方向における一端面(図5中の下面)には、貫通孔115が設けられている。

0046

送り機構112は、測定子114をケース111に対して進退移動させるための構成である。後述の制御装置130によって、送り機構112が制御されることにより、送り機構112の進退移動する量が制御されている。具体的には、送り機構112は、ベルト33の張力Tの測定時、測定子114を上下方向Yに進退移動させることにより、測定子114をベルト33が所定のたわみ量δだけたわむ位置まで押し当てる。また、送り機構112は、ベルト33の張力Tの測定の終了後、測定子114を上下方向Yに移動させることにより、測定子114をケース111に収容する。

0047

軸力センサ113は、その軸方向に作用する荷重である軸力を検出する。軸力センサ113は、印加される軸力に応じた電気信号を生成する歪ゲージあるいは圧電素子などのセンサ素子を有している。なお、軸力センサ113は、測定子114と一体的に移動可能に固定されている。

0048

測定子114は、棒状をなしている。測定子114がその軸方向に移動するとき、軸力センサ113も一体的に移動する。測定子114の先端は、丸みが持たせられている。ベルト33の張力Tの測定時、測定子114の先端は、ケース111の一端面に設けられた貫通孔115を介して外部に露出する。測定子114は、送り機構112が駆動することにより、図5に実線で示される退避位置と、図5に2点鎖線で示される測定位置との間を移動する。退避位置とは、ベルト33の張力Tを測定しないときの位置であって、測定子114の先端がケース111の内部に収容される位置である。測定位置とは、ベルト33の張力Tを測定するときの位置であって、測定子114の先端がケース111から突出して、ベルト33に押し当てられる位置である。測定子114は、ベルト33の張力Tの測定時、ベルト33が所定のたわみ量δ(押し当て量)だけたわむ位置まで押し当てられる。

0049

なお、図6のグラフに示されるように、ベルト33に一定の変位であるたわみ量δを与えたときの押圧反力Fとベルト33の張力Tとは相関関係がある。すなわち、ベルト33のたわみ量が一定であるとき、押圧反力Fの値が大きくなるほど、張力Tの値も大きくなる。このため、測定装置110により検出される押圧反力Fに基づいて、ベルト33の張力Tを求めることができる。

0050

<調整装置>
図7に示すように、取り付け部62の外周面には、略長方形状の突起部70が設けられている。突起部70は、係合座71,72を有している。係合座71,72は、取り付け部62の周方向における突起部70の両側面に設けられている。EPS1が調整装置120に取り付けられた状態において、係合座71および係合座72は、駆動プーリ31と従動プーリ32とを結ぶ直線方向あるいは直線方向からわずかに傾いた方向において、互いに反対側に位置している。

0051

調整装置120は、C字形状係合部121を有している。係合部121は、係合座122,123を有している。係合座122と係合座123との間の距離は、突起部70の係合座71と係合座72との間の距離よりもわずかに大きく設定されている。取り付け部62の周方向において、係合部121の係合座122,123が突起部70の係合座71,72に向かいあうように、係合部121を突起部70に係合させる。これにより、係合部121を移動方向Z(駆動プーリ31と従動プーリ32とを離間あるいは近接させる方向)に移動させたとき、取り付け部62には係合部121とともに移動する方向の力が作用し、芯間距離ΔLが変化する。調整装置120がその移動方向Zに移動する際には、取り付け部62は丸孔66を中心として回転することにより、芯間距離ΔLが増減する。

0052

<制御装置>
図8に示すように、制御装置130は、測定装置110および調整装置120に接続されている。制御装置130は、測定装置110の送り機構112を制御することにより、測定子114をベルト33が所定のたわみ量δだけたわむ位置まで押し当てる。制御装置130は、測定子114をベルト33がたわみ量δだけたわんだ場合の押圧反力Fを、軸力センサ113を通じて取得する。制御装置130は、張力Tを調整する前のベルト33に測定子114をたわみ量δだけベルト33に押し当てた際の押圧反力である初期反力Fiに基づいて調整装置120の駆動を制御することにより、張力Tの調整中のベルト33の押圧反力Fの目標値である狙い反力Ftに基づいてベルト33の張力Tを調整する。

0053

具体的には、制御装置130は、ベルト33の張力Tを適切な張力とするための、初期反力Fiに対する狙い反力Ftの関係を示した演算マップMを記憶するメモリ131を有している。制御装置130は、初期反力Fiに基づいて狙い反力Ftをマップ演算する。制御装置130は、張力Tの調整後のベルト33の押圧反力Fが狙い反力Ftとなるように、調整装置120の係合部121の移動を通じて取り付け部62を移動させることにより、駆動プーリ31と従動プーリ32との間の芯間距離ΔLを大小変化させる。これにより、駆動プーリ31と従動プーリ32との間の芯間距離ΔLが調整され、ベルト33の張力Tが調整される。

0054

<初期反力と狙い反力との関係>
図9に示すように、演算マップMは、つぎのような特性を有している。すなわち、初期反力Fiが大きくなるほど、狙い反力Ftは小さくなる。

0055

たとえば、ある初期反力Fiが第1押圧反力F1よりも小さい場合、狙い反力Ftを設計上要求される押圧反力よりも大きい値に設定する。一方、ある初期反力Fiが第2押圧反力F2よりも大きい場合、狙い反力Ftを設計上要求される押圧反力よりも小さい値に設定する。なお、図9に破線で示されるように、設計上要求される押圧反力は、初期反力Fiによらず一定値である。

0056

図9に2点鎖線で示されるように、ベルト33の張力Tが適正範囲R1(図4参照)に収まる場合の最終反力の許容範囲R2は、製造公差などのばらつきを考慮して、適正張力T0に基づいて設定されている。なお、最終反力とは、ベルト33の張力Tの調整後に、改めてベルト33に測定子114をたわみ量δだけ押し当てたときの押圧反力Fである。狙い反力Ftは、最終反力が許容範囲R2に収まるように設定されている。

0057

なお、初期反力Fiと狙い反力Ftとの関係は、EPS1の製品仕様などにより変化する。たとえば、ハウジング11の形状や取り付け部62に設けられる突起部70の位置などにより、初期反力Fiと狙い反力Ftとの関係は変化する。

0058

<ベルトの張力の調整方法
ベルト張力調整装置100によるベルト33の張力Tの調整は、制御装置130に予め記憶されているプログラムに基づいて実行される。

0059

まずEPS1のハウジング11は、張力測定用の貫通孔17aが測定装置110に向かい合った状態で固定される。この状態で制御装置130は、測定装置110の制御を通じて、張力測定用の貫通孔17aに、測定装置110の測定子114を貫通孔17aの延びる方向から挿入する。また、制御装置130は、調整装置120の制御を通じて、係合部121をハウジング11の突起部70に取り付け部62の周方向において係合させる。この状態で、制御装置130は、張力Tの調整処理を実行する。

0060

図10に示すように、従来では、第1〜第6の状態を経ることにより、張力Tが調整されていた。第1の状態では、測定子114の先端を張力Tの調整前のベルト33に押し当てることにより、所定のたわみ量δをベルト33に与える。このときの押圧反力Fが初期反力Fiとなる。

0061

第2または第3の状態では、測定子114の先端をベルト33に押し当てた状態で、従動プーリ32に対して駆動プーリ31を離間または近接させることにより、芯間距離ΔLを大小変化させる。

0062

第4の状態および第5の状態に示されるリトラクトを実施する。第4の状態では、測定子114の先端をベルト33から離し、第5の状態では、再び測定子114の先端をたわみ量δだけベルト33に押し当てる。リトラクトを実施することにより、測定子114の先端をベルト33に押し当てて、ベルト33をたわみ量δだけたわませることで、初期反力Fiのばらつきの影響を抑えている。

0063

第6の状態では、測定子114の先端をベルト33に押し当てた状態で、従動プーリ32に対して駆動プーリ31を離間または近接させることにより、ベルト33の押圧反力Fが、初期反力Fiによらずに一定値の狙い反力Ftとなるように、芯間距離ΔLを大小変化させる。

0064

これら第1〜第6の状態を経ることにより、最終反力は図9に示される許容範囲R2に収まり、ベルト33の張力Tが適正張力T0に近付く。
一方、本実施形態では、第4および第5の状態に示されるリトラクトの工程を無くしている。第6の状態では、ベルト33の押圧反力Fが、初期反力Fiに対応してマップ演算された狙い反力Ftとなるように、芯間距離ΔLを大小変化させる。これら第1〜第3の状態および第6の状態を経ることにより、張力Tの調整後のベルト33に、改めて測定子114をたわみ量δだけ押し当てたときの押圧反力Fである最終反力は、図9に示される許容範囲R2に収まり、ベルト33の張力Tが適正張力T0に近付く。

0065

<演算マップMの技術的背景および設定方法
本実施形態では、第4および第5の状態の代わりになる工程として、演算マップMを用いた演算をしている。演算マップMは実験などを行うことにより予め決定される。演算マップMの設定に際しては、一例として、以下のような技術的背景がある。

0066

まず、図4に示すように、ベルト33の張力Tには、適正な張力値である適正張力T0が設計上定められており、当該適正張力T0に応じた狙い反力Ftが定められている。
ベルト33の張力Tを調整した後に、ベルト33の最終反力が許容範囲R2に入るように、芯間距離ΔLを調整して、ベルト33の押圧反力Fを調整すれば、ベルト33の張力Tが適正範囲R1に収まる。

0067

ここで、EPS1ごとにベルト張力調整装置100に対する配置やベルト33の張り具合は異なるため、初期反力Fiはばらついてしまう。初期反力FiがEPS間で異なる分、たとえば図9の初期反力Fiが第1押圧反力F1と第1押圧反力F1よりも大きい第2押圧反力F2との間にない場合には、ベルト33の張力Tを調整した後の押圧反力F(最終反力)が許容範囲R2に収まらなくなる。このため、張力Tの調整後のベルト33の最終反力が許容範囲R2に収まるような、すなわちベルト33の張力Tが適正範囲R1に収まるような、初期反力Fiと狙い反力Ftとの関係を予め求めておく。

0068

リトラクトを含む第1の状態〜第6の状態を異なる初期反力Fiごとに実験的に繰り返すことにより、初期反力Fiに対して狙い反力Ftをどのような大小変化させれば、ベルト33の最終反力が許容範囲R2に収まるのかを調べる。実験の結果、初期反力Fiが大きいほど狙い反力Ftをより小さな値に変化させれば、ベルト33の張力Tを調整した後の押圧反力F(最終反力)が許容範囲R2に収まる傾向にあることが判明した場合、図9に実線で示すような初期反力Fiが大きくなるほど狙い反力Ftは小さくなる関係を有した演算マップMを設定する。

0069

<本実施形態の作用および効果>
本実施形態の作用および効果について説明する。
(1)初期反力Fiに応じて演算された狙い反力Ftとなるように押圧反力を調整するので、初期反力Fiがばらついた場合であっても、最終反力が許容範囲R2に収まる。このため、ベルト33の張力Tのばらつきを抑制できる。なお、初期反力Fiに対する狙い反力Ftの関係は、予め実験的に求めておけばよい。予め実験的に初期反力Fiに対する狙い反力Ftの関係を求めておけば、EPS1ごとに初期反力Fiに応じた狙い反力Ftの関係を求める必要はない。このように、従来であれば必要であったリトラクト(図10の第4の状態および第5の状態)を行うことなしに、ベルト33の張力Tのばらつきを抑制できる。そして、リトラクトを実施しないので、ベルト33への測定子114を離して再び押し当てるという工程を行わなくて良い分、ベルト33の張力Tを調整する時間を短くできる。

0070

(2)リトラクトを実施しない分、ベルト33の張力Tを測定する時間を短くできるので、ベルト33の張力Tを調整する時間を短くできる。ベルト33の張力Tの調整時間が短縮される分、EPS1の生産性を向上できる。また、EPS1の生産性が向上する分、ベルト張力調整装置100の数も減らすことができ、各ベルト張力調整装置100間でのばらつきを減らすことができる。

0071

なお、本実施形態は次のように変更してもよい。また、以下の他の実施形態は、技術的に矛盾しない範囲において、互いに組み合わせることができる。
・初期反力Fiに対する狙い反力Ftの関係(演算マップM)は、ハウジング11の形状や取り付け部62に設けられる突起部70の位置などによって異なるので、実験結果に基づいて適宜変更可能である。すなわち、初期反力Fiが増加するにつれて狙い反力Ftが単純増加する関係であってもよいし、初期反力Fiが増加するにつれて狙い反力Ftが二次関数的に増加する関係を有していてもよいし、初期反力Fiが増加するにつれて狙い反力Ftが指数関数的に増加する関係を有していてもよい。また、初期反力Fiが小さいほどより値の大きい狙い反力Ftとし、初期反力Fiが大きいほどより値の小さい狙い反力Ftとしたが、初期反力Fiが小さいほどより値の小さい狙い反力Ftとし、初期反力Fiが大きいほどより値の大きい狙い反力Ftとしてもよい。なお、これらの初期反力Fiに対する狙い反力Ftの関係は実験などによって予め適宜設定される。

0072

・演算マップMは、初期反力Fiに対する狙い反力Ftの関係を示すものとしたが、初期反力Fiに対する狙い反力Ftと押圧反力Fとの差分値を演算するものであってもよい。

0073

・本実施形態では、長孔64,65を、丸孔66を中心とする軌跡Cに沿って延びる長孔形状に形成したが、これに限らない。たとえば、取り付け部62がフランジ部61に対して回転可能な形状であれば、たとえば幅広扇形形状などであってもよい。

0074

・本実施形態では、フランジ部61を回転させる際の中心を丸孔66に設定したが、丸孔66の位置はモータ18の軸線から離間した位置であればよく、その位置は適宜変更してもよい。

0075

・モータ18のハウジング11に対する配置は適宜変更可能である。
・本実施形態では、ラック軸13に対して平行に配置された出力軸18aを有するモータ18によってラック軸13にアシスト力を付与するEPS1に具体化して示したが、これに限らない。すなわち、ベルト33を用いた減速機構30を備えるステアリング装置であればよい。また、ステアリング操作に連動するラック軸13の直線運動を、モータ18の回転力を利用して補助するEPSを例に挙げたが、ステアバイワイヤ(SBW)に具体化してもよい。なお、ステアバイワイヤに具体化する場合には、前輪操舵装置としてだけでなく、後輪操舵装置あるいは4輪操舵装置(4WS)として具体化することもできる。

0076

1…EPS(電動パワーステアリング装置)、11…ハウジング、12…本体、13…ラック軸、13a…ボールねじ、14…第1の収容部、15…ピニオンシャフト、16…トルクセンサ、17…第2の収容部、17a…貫通孔、18…モータ、19…ボルト、20…変換機構、21…支持部、21a…側壁、21b…孔、22…蓋部材、22a…段差部、23…ボルト、24…フランジ部、30…減速機構、31…駆動プーリ、32…従動プーリ、33…ベルト、40…ボールねじ機構、41…ボールねじ部、42…ボールナット、42a…雄ねじ部、42b…鍔部、43…ボール、44…玉軸受、45…ロックナット、51,52…サポート部材、61…フランジ部、62…取り付け部、62a…雌ねじ部、64,65…長孔、66…丸孔、70…突起部、71,72…係合座、100…ベルト張力調整装置、110…測定装置、111…カバー、112…送り機構、113…軸力センサ、114…測定子、120…調整装置、121…係合部、122,123…係合座、130…制御装置、131…メモリ、δ…たわみ量、C…軌跡、D…調整方向、F…押圧反力、Fi…初期反力、Fi0…適正初期反力、狙い反力Ft、H…ステアリングホイール、M…演算マップ、R1…適正範囲、R2…許容範囲、T0…適正張力、T…張力、ΔL…芯間距離、ΔL0…適正芯間距離。

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