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技術 車両用ドア制御システム

出願人 三菱自動車工業株式会社
発明者 戸塚裕治
出願日 2017年12月11日 (2年6ヶ月経過) 出願番号 2017-236866
公開日 2019年6月27日 (1年0ヶ月経過) 公開番号 2019-105046
状態 未査定
技術分野 ウイング用動力操作機構 錠;そのための付属具 車両のドア
主要キーワード 開放限界 細部形状 所定速度範囲 回動ドア 手かざし シザー 障害物センサー 静脈形状
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

車両用ドア制御システムに関し、乗員の意図に沿った自由度の高い開閉動作を実現する。

解決手段

乗員が所持する電子キー16と車両10との無線通信によりドア1の施解錠状態を制御する車両用ドア制御システムにおいて、ドア1を開閉駆動する駆動装置2と、ドア1の所定部位ドアハンドル3)の近傍に位置する乗員の手のひらまでの距離を計測する距離センサー5と、ドア1の移動速度を制御する制御装置8とを設ける。制御装置8は、距離センサー5で計測された距離が一定となるように、乗員の手のひらの移動速度にドア1の移動速度を追従させる追従制御を実施する。

概要

背景

従来、車両の安全性や快適性を向上させるための技術の一つとして、ドア施解錠状態電子キーで制御する制御システムが広く普及している。すなわち、物理的な鍵をドアの鍵穴に差し込み、その鍵を回転させることによって施解錠状態を切り替えるという手法ではなく、乗員が所持する電子キー(携帯型の通信装置)と車載電子制御装置との無線通信により施解錠状態を制御するものである。例えば、電子キーを持った乗員が車両に接近するとドアロックが自動的に解除され、ドアの傍らで一定時間立ち止まっているとドアが自動的に開放される制御システムが知られている。また、ドアの施解錠開閉に際し、乗員の動きモーション)を近接センサーで検出し、その動きに応じた制御を実施することも提案されている(特許文献1,2参照)。

概要

車両用ドア制御システムに関し、乗員の意に沿った自由度の高い開閉動作を実現する。乗員が所持する電子キー16と車両10との無線通信によりドア1の施解錠状態を制御する車両用ドア制御システムにおいて、ドア1を開閉駆動する駆動装置2と、ドア1の所定部位ドアハンドル3)の近傍に位置する乗員の手のひらまでの距離を計測する距離センサー5と、ドア1の移動速度を制御する制御装置8とを設ける。制御装置8は、距離センサー5で計測された距離が一定となるように、乗員の手のひらの移動速度にドア1の移動速度を追従させる追従制御を実施する。

目的

本件の目的の一つは、上記のような課題に鑑みて創案されたものであり、乗員の意図に沿った自由度の高い開閉動作を実現できるようにした車両用ドア制御システムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

乗員が所持する電子キーと車両との無線通信によりドア施解錠状態を制御する車両用ドア制御システムにおいて、前記ドアを開閉駆動する駆動装置と、前記ドアの所定部位に内蔵され、前記所定部位の近傍に位置する前記乗員の上肢までの距離を計測する距離センサーと、前記距離センサーで計測された前記距離が一定となるように、前記乗員の上肢の移動速度である第一移動速度に前記所定部位の移動速度である第二移動速度を追従させる追従制御を実施する制御装置と、を備えたことを特徴とする、車両用ドア制御システム。

請求項2

前記追従制御の開始条件が、前記距離が所定距離範囲内にある状態で第一所定時間以上の時間が経過することであることを特徴とする、請求項1記載の車両用ドア制御システム。

請求項3

前記追従制御の終了条件が、前記乗員の上肢の動きが停止した状態で第二所定時間以上の時間が経過することであることを特徴とする、請求項1または2記載の車両用ドア制御システム。

請求項4

前記制御装置は、前記第一移動速度が所定速度範囲内に入っている場合に、前記第二移動速度を前記第一移動速度に追従させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用ドア制御システム。

請求項5

前記ドアの近傍に存在する障害物までの距離である開放限界距離を計測する障害物センサーを備え、前記制御装置は、前記開放限界距離が短いほど、前記所定速度範囲をより低速域へ移動させることを特徴とする、請求項4記載の車両用ドア制御システム。

請求項6

前記追従制御が実施されているか否かを表示する表示装置を備えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用ドア制御システム。

請求項7

前記所定部位に内蔵され、赤外線照射するとともにその反射光を検出する赤外線センサーを備え、前記制御装置が、前記反射光を用いた生体認証により前記乗員が確認された場合に、前記追従制御を開始することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両用ドア制御システム。

技術分野

0001

本発明は、乗員が所持する電子キー車載電子制御装置との無線通信によりドア施解錠状態を制御する車両用ドア制御システムに関する。

背景技術

0002

従来、車両の安全性や快適性を向上させるための技術の一つとして、ドアの施解錠状態を電子キーで制御する制御システムが広く普及している。すなわち、物理的な鍵をドアの鍵穴に差し込み、その鍵を回転させることによって施解錠状態を切り替えるという手法ではなく、乗員が所持する電子キー(携帯型の通信装置)と車載の電子制御装置との無線通信により施解錠状態を制御するものである。例えば、電子キーを持った乗員が車両に接近するとドアロックが自動的に解除され、ドアの傍らで一定時間立ち止まっているとドアが自動的に開放される制御システムが知られている。また、ドアの施解錠開閉に際し、乗員の動きモーション)を近接センサーで検出し、その動きに応じた制御を実施することも提案されている(特許文献1,2参照)。

先行技術

0003

特開2015-209715号公報
特開2017-128926号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、従来の車両用ドアの制御システムでは、ドアの開放速度閉鎖速度があらかじめ設定された所定速度に設定されており、乗員の意図に沿った開閉動作を実現することが難しい。例えば、高齢者乗降動作一般成人よりも緩慢であることが多く、ドアの開閉速度も緩やかにすることが好ましい。一方、既存の制御システムでは、このようなニーズに対応することができない。また、ドアの開放角度,開放位置についても同様であり、あらかじめ設定されたドアの開放量が乗員の希望よりも広すぎることもあれば、狭すぎることもある。

0005

本件の目的の一つは、上記のような課題に鑑みて創案されたものであり、乗員の意図に沿った自由度の高い開閉動作を実現できるようにした車両用ドア制御システムを提供することである。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用効果であって、従来の技術では得られない作用効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。

課題を解決するための手段

0006

(1)開示の車両用ドア制御システムは、乗員が所持する電子キーと車両との無線通信によりドアの施解錠状態を制御する車両用ドア制御システムである。本システムは、前記ドアを開閉駆動する駆動装置と、前記ドアの所定部位に内蔵され、前記所定部位の近傍に位置する前記乗員の上肢までの距離を計測する距離センサーとを備える。また、前記距離センサーで計測された前記距離が一定となるように、前記乗員の上肢の移動速度である第一移動速度に前記所定部位の移動速度である第二移動速度を追従させる追従制御を実施する制御装置を備える。

0007

(2)前記追従制御の開始条件が、前記距離が所定距離範囲内にある状態で第一所定時間以上の時間が経過することであることが好ましい。
(3)前記追従制御の終了条件が、前記乗員の上肢の動きが停止した状態で第二所定時間以上の時間が経過することであることが好ましい。
(4)前記制御装置は、前記第一移動速度が所定速度範囲内に入っている場合に、前記第二移動速度を前記第一移動速度に追従させることが好ましい。

0008

(5)前記ドアの近傍に存在する障害物までの距離である開放限界距離を計測する障害物センサーを備え、前記制御装置は、前記開放限界距離が短いほど、前記所定速度範囲をより低速域へ移動させることが好ましい。
(6)前記追従制御が実施されているか否かを表示する表示装置を備えることが好ましい。
(7)前記所定部位に内蔵され、赤外線照射するとともにその反射光を検出する赤外線センサーを備え、前記制御装置が、前記反射光を用いた生体認証により前記乗員が確認された場合に、前記追従制御を開始することが好ましい。

発明の効果

0009

乗員の上肢の移動速度(第一移動速度)にドアの所定部位の移動速度(第二移動速度)を追従させることで、乗員がドアに手を触れることなく、思い通りにドアを開閉することができ、乗員の意図に沿った自由度の高い開閉動作を実現することができる。また、握力の弱い乗員でも他人の手を借りずに容易にドアを開け閉めすることができることから、車両のバリアフリー性能を向上させることができ、高齢者や体の不自由な人にも役立てることができる。

図面の簡単な説明

0010

本実施形態の車両用ドア制御システムが適用された車両を示す図である。
電子キーの通信範囲を説明するための模式図である。
ドアハンドルと乗員の手のひらとの距離を説明するための図である。
本制御システムの構成を示すブロック図である。
追従対象となる手の移動速度の範囲を示すグラフである。
追従制御の開始前制御内容を示すフローチャートである。
追従制御の内容を示すフローチャートである。
本制御システムの作用を説明するためのグラフであり、(A)は距離の変化を示し(B)はドア,手のひらの移動速度の変化を示し、(C)はドア位置開閉量開閉角度)の変化を示す。

実施例

0011

以下、図面を参照して実施形態としての車両用ドア制御システムについて説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。

0012

[1.システム構成
図1は、実施形態としての車両用ドア制御システムが適用された車両10である。この車両10には、乗員が所持する電子キー16を利用してドア1の施解錠状態を制御する制御システムが搭載される。車両10の任意の位置には、アンテナ11を介して電子キー16と無線通信可能な制御装置8(電子制御装置)が設けられる。制御装置8には、プロセッサ中央処理装置),メモリメインメモリ),記憶装置ストレージ),インタフェース装置などが内蔵され、内部バスを介して互いに接続される。アンテナ11は、施解錠状態が制御されるドア1の近傍(例えばピラールーフなど)に配置される。図2中のハッチング領域は、制御装置8が電子キー16の存在を検知しうる範囲の一例である。

0013

制御装置8は、自動ドア開閉制御と追従制御との二種類の制御を実施することでドア1の開閉状態を制御する。自動ドア開閉制御とは、単一の動作で(単一のトリガー信号契機として)、ドア1を自動的に開放方向または閉鎖方向に駆動する制御である。これに対し、追従制御とは、ドア1の動きを乗員の上肢〔手のひら()や腕〕の動きに追従させる制御である。前者によるドア1の開閉速度はあらかじめ設定された固定値であるのに対し、後者によるドア1の開閉速度は乗員の動きに応じた可変値となる。

0014

なお、ここでいうドア1には、車両側面に設けられるサイドドアだけでなく、車両後面に設けられるテールゲートハッチバックドア,車両上面に設けられる天窓ドアなどが含まれる。また、車体に対してヒンジ回動可能に支持される回動ドアだけでなく、開口面に沿って摺動するスライドドアや、開口面よりも上方に向かって開放されるバタフライドアシザードア,ガルウィングドアなどについても、ドア1に含まれる。ドア1には、ドア1自身を自動的に開閉駆動するための駆動装置2とドアハンドル3とが設けられる。また、図3に示すように、ドアハンドル3には、ドアスイッチ4,距離センサー5,障害物センサー6,赤外線センサー7,表示装置9が設けられる。

0015

駆動装置2は、車載バッテリー電力でサイドドアやスライドドアを自動的に開閉させる機能を持つ。距離センサー5は、ドア1の所定部位(例えばドアハンドル3やその周辺)に内蔵され、所定部位の近傍に位置する計測対象までの距離を計測する機能を持つ。本実施形態の距離センサー5は、超音波や赤外線などを近傍の物体に照射し、その反射時間反射強度に基づいて物体までの距離を計測する。距離センサー5の計測対象は、ドアハンドル3の近傍にかざされた乗員の手のひらや腕,指などであり、検出距離は数cmから数十cm程度である。したがって、距離センサー5は、ドア1の所定部位の近傍に位置する(近傍にかざされた)上肢までの距離を計測する機能を持つ。

0016

ドアスイッチ4は、押圧動作を検知するタクタイルスイッチ押しボタン式スイッチ)であり、ドア1の開閉動作や施解錠(ロックアンロック)のためのトリガー信号を出力する機能を持つ。本実施形態のドアスイッチ4は、自動ドア開閉制御を実施するためのトリガー信号を出力する。電子キー16を所持する乗員が車両10の近傍にいる状態でドアスイッチ4を押すと、閉鎖状態のドア1が自動的に開放され、あるいは開放状態のドア1が自動的に閉鎖されるようになっている。自動ドア開閉制御で駆動されるドア1の移動速度は、乗員の安全性を考慮してやや低速の所定速度(例えば100mm/秒以下)に設定される。

0017

障害物センサー6は、ドア1の近傍に存在する障害物17(乗員以外の対象物)までの距離(開放限界距離)を計測するものである。障害物センサー6は、距離センサー5よりも広い範囲内に存在する物体を検出可能であり、例えば車両10の側方に存在する電柱車止め,壁,他車両などが障害物17として検出される。距離センサー5が乗員による意識的な動作(ジェスチャー)を検出する役割を担うのに対し、障害物センサー6はドア1をどこまで開放させることができるかを確認する役割を担う。

0018

赤外線センサー7は生体認証用センサーであり、乗員の手のひらや腕に赤外線を照射し、その反射光の平面画像に基づいて乗員を識別する機能を持つ。血管中赤血球に吸収されやすい特性を持つ赤外線(近赤外線)を照射することで、乗員ごとに異なる血管(静脈)の細部形状が抽出され、個人を高精度に識別することができる。赤外線センサー7は、例えばドアハンドル3の近傍に乗員の手のひらがかざされたときに、作動させることができる。生体認証が不要である場合には、赤外線センサー7を省略してもよい。また、表示装置9は、追従制御が実施されているか否かを乗員に表示するものであり、例えば追従制御の実施中に点灯する発光ダイオードである。

0019

図4に示すように、制御装置8の入力側にはドアスイッチ4,距離センサー5,障害物センサー6,赤外線センサー7,アンテナ11,ドアロックスイッチ12が接続される。ドアロックスイッチ12とは、ドア1の車内側の面に取り付けられたスイッチであり、車内でドアロックを作動(あるいは解除)する場合に使用される。また、制御装置8の出力側には駆動装置2,表示装置9,スピーカー13,ロック装置14,ラッチ装置15が接続される。

0020

ロック装置14とは、ドア1の施解錠状態をロック状態アンロック状態とに切り替える機構を有する装置である。ロック状態では、車体側に固定されたストライカーとドア1に固定されたラッチとが係合した状態で、ラッチの位置が固定される。一方、アンロック状態ではラッチの固定が解除され、いわゆる「半ドア状態」となる。この状態でドアハンドル3を把持するとラッチが移動してストライカーとラッチとが非係合となり、ドア1を移動させることが可能となる。なお、ラッチ装置15とは、ドアハンドル3を把持しなくても半ドア状態のドア1を僅かに開放させる操作補助装置である。

0021

[2.追従制御]
乗員が手のひらでドア1を開閉させる場合の追従制御について詳述する。この追従制御では、ドアハンドル3にかざされた手のひらの動きにドア1の動きが追従するように、ドア1の開閉速度が制御される。例えば、手のひらが300mm/秒で移動しているときには、ドア1の速度(手がかざされている部分の速度)も300mm/秒となるように、駆動装置2が制御される。また、ドア1の開閉速度は必ずしも一定速度ではなく、ドア1の開閉動作中(乗員が手のひらを動かしている最中)であってもリアルタイムに調整される。したがって、ドア1と手のひらとの隙間の寸法はドア1の開閉動作中はほぼ一定に保たれる。このような制御により、乗員がドア1に触れることなく自由自在にドア1を開閉させることが可能となる。

0022

追従制御の開始条件は、手のひらがドアハンドル3の近傍にかざされ、かつ、その状態が第一所定時間(例えば0.5秒)以上継続されることである。また、ドア1(ドアハンドル3)から手のひらまでの距離が所定距離範囲内にあること(例えば10mm〜200mmの範囲内にあること)を追加条件としてもよい。上記の開始条件が成立すると、制御装置8はドア1と手のひらとの間に確保すべき隙間寸法として「追従値」を算出する。この追従値は、開始条件が成立する直前におけるドアハンドル3から手のひらまでの距離に基づいて算出される。また、追従制御の終了条件は、手のひらの動きが停止し、かつ、その状態が第二所定時間(例えば0.6秒)以上継続されることである。また、障害物センサー6で検出されている障害物17にドア1が干渉するおそれがある場合には、追従制御を終了させるか、追従制御を一時的に停止させることが好ましい。

0023

追従制御の実施中には、ドア1(ドアハンドル3)から手のひらまでの距離が「追従値」に一致するように駆動装置2が制御される。ここで、手のひらの移動速度を第一移動速度v1と呼び、ドア1の移動速度(ドアハンドル3の移動速度)を第二移動速度v2と呼ぶ。制御装置8は、第一移動速度v1に第二移動速度v2が追従するように、駆動装置2を制御する。ここで、駆動装置2がドア1の速度を変更するものである場合には、制御装置8は第一移動速度v1に一致する速度でドア1を移動させればよい。また、駆動装置2がドア1の位置を変更するものである場合には、ドアハンドル3から手のひらまでの距離が追従値に一致するように、ドア1を移動させればよい。

0024

また、第一移動速度v1が所定速度範囲内にあること(例えば100〜400mm/秒の範囲内にあること)をドア1の駆動条件としてもよい。あらゆる手のひらの動きにドア1の動きを追従させてしまうと、誤操作によってドア1が急に開閉するおそれがあるからである。例えば図5に示すように、第一移動速度v1が実線で示すように変化しているときには、ドア1を手の動きに追従させる。一方、破線で示すような急激な変化が検出された場合には、手の動きが速すぎることからドア1の動きを停止させることが好ましい。

0025

図5中に示す所定速度範囲は、障害物17との位置関係によって変更してもよい。例えば、ドア1の近傍に障害物17が存在するときに、その障害物17までの距離(開放限界距離)が短いほど、所定速度範囲を低速域へ移動させる。すなわち、所定速度範囲の上限値,下限値の少なくともいずれかを、より小さい速度値に変更する。図5に示す所定速度範囲が100〜400mm/秒の範囲であるとすれば、障害物17が存在する場合には100〜300mm/秒の範囲とし、開放限界距離が短いほど上限値をさらに小さくする。このような制御により、ドア1と障害物17との接触の可能性を低くできるとともに、接触時の衝撃を緩和することができる。

0026

[3.フローチャート]
図6は、追従制御の開始前の制御内容を示すフローチャートである。乗員が車両10に接近すると、乗員が所持する電子キー16から発信される信号が車両10のアンテナ11で受信され、制御装置8に伝達される(ステップA1)。電子キー16の信号を受けて制御装置8はタイマーで経過時間TSTARTの計測を開始し(ステップA2)、ロック装置14,ラッチ装置15に制御信号を出力し、ドアロックを解除するとともにラッチを解除する(ステップA3)。これにより、ドア1が僅かに開いた状態となる。また、制御装置8は距離センサー5で乗員の手のひらまでの距離(以下、距離xと表記)を計測する(ステップA4)。

0027

ここで、経過時間TSTARTが待ち受け時間T1未満であることや電子キー16が車両10の近傍に存在することを条件として(ステップA5,A6)、追従制御の開始条件が成立するか否かを判定する(ステップA7)。第一所定時間以上の手かざしが検出された場合には追従値(以下、追従値mと表記)を算出し(ステップA8)、図7に示す追従制御へ移行する。このとき、制御開始を知らせるための通知音をスピーカー13で再生し、消灯している表示装置9を点灯させる。なお、追従制御への移行に際し生体認証をする場合には、赤外線センサー7で検出された乗員の静脈形状に基づいて認証を実施し、正規の乗員が認証された場合には追従制御を開始する。

0028

一方、第一所定時間以上の手かざしが検出されない場合や、認証に失敗した場合(正規の乗員であることが確認できない場合)には、自動ドア開閉制御を実施する(ステップA9)。この場合、追従制御は実施されないものの、ドアスイッチ4によるドア1の開閉は可能である。また、経過時間TSTARTが待ち受け時間T1以上となった場合や、電子キー16が車両10の近傍に検出されなくなった場合には、追従制御を開始するための操作を受け付ける時間が過ぎたもの(タイムアウト)とみなして、ロック装置14,ラッチ装置15に制御信号を出力し、ドア1を閉鎖して施錠する(ステップA10)。

0029

図7は、追従制御の内容を示すフローチャートである。まず、距離センサー5で乗員の手のひらまでの距離xを計測するとともに(ステップB1)、第一移動速度v1を算出する(ステップB2)。また、ドア1の近傍に障害物17が存在するか否かを判断し(ステップB3)、障害物17が存在しない場合には所定速度範囲の上限値(制限速度)を大きく設定する(ステップB6)。一方、障害物17が存在する場合には、障害物センサー6で障害物17までの距離zを計測し(ステップB4)、制限速度を小さく設定する(ステップB5)。

0030

第一移動速度v1が所定速度範囲内である場合(ステップB7)、障害物17までの距離zが所定値y以上であることを条件として(ステップB9)、ドアハンドル3から手のひらまでの距離xと追従値mとの大小関係を判定する。なお、第一移動速度v1が所定速度範囲を外れている場合や、障害物17までの距離zが所定値y未満である場合には、追従制御を停止させるとともに、制御停止を知らせるための通知音をスピーカー13で再生する(ステップB8)。

0031

大小関係の判定に際し、追従値mから所定のマージンaを減じた第一基準値(m-a)を算出し、距離xが第一基準値(m-a)未満であるか否かを判定する(ステップB10)。この条件が成立する場合には、ドア1が手のひらに接近しすぎているものと考えられることから、ドア1の開閉速度を減速する(ステップB12)。また、追従値mに所定のマージンaを加えた第二基準値(m+a)を算出し、距離xが第二基準値(m+a)を越えているか否かを判定する(ステップB11)。この条件が成立する場合には、ドア1が手のひらから離れすぎているものと考えられることから、ドア1の開閉速度を加速する(ステップB13)。

0032

また、距離xが第一基準値(m-a)以上で第二基準値(m+a)以下であれば、ドア1と手のひらとの距離xが適切であるとみなしてドア1の開閉速度を維持する(ステップB14)。その後、追従制御の終了条件が成立するか否かを判定する(ステップB15)。ここで、第二所定時間以上の手の動きの停止が検出された場合には、追従制御を終了し、制御停止を知らせるための通知音をスピーカー13で再生する(ステップB16)。このとき、点灯中の表示装置9を消灯させる。一方、終了条件が成立しない場合にはステップB1に戻り、終了条件が成立するまで追従制御が継続される。

0033

[4.作用,効果]
図8(A)は、追従制御時におけるドアハンドル3から手のひらまでの距離の変化を示すグラフである。また、図8(B)は移動速度の変化を示すグラフであり、図8(C)は位置の変化を示すグラフである。時刻t0に乗員が手のひらをドアハンドル3にかざして第一所定時間が経過すると、追従制御が開始される(時刻t1)。追従制御中は、図8(B)に示すように、手のひらの第一移動速度v1にドア1の第二移動速度v2が追従するように、駆動装置2が制御される。これにより、図8(C)に示すように、ドアハンドル3から手のひらまでの距離がほぼ一定(追従値m)となり、まるで見えないロープでドア1が手に繋がれているような開閉動作が実現される。この追従制御は、乗員が時刻t2に手の動きを止め、第二所定時間が経過するまで(時刻t3まで)継続される。

0034

(1)上記の車両用ドア制御システムでは、ドアハンドル3から乗員の手のひらまでの距離が一定となるように、手のひらの移動速度(第一移動速度)にドアハンドル3の移動速度(第二移動速度)を追従させる追従制御が実施される。これにより、乗員がドア1に手を触れることなく、思い通りにドア1を開閉することができ、乗員の意図に沿った自由度の高い開閉動作を実現することができる。また、握力の弱い乗員でも他人の手を借りずに容易にドア1を開け閉めすることができることから、車両10のバリアフリー性能を向上させることができ、高齢者のリハビリテーションにも役立てることができる。

0035

(2)上記の車両用ドア制御システムでは、手のひらがドアハンドル3の近傍にかざされた状態で第一所定時間以上の時間が経過したときに、追従制御が開始される。このような簡単かつドア1を開閉させたいとき以外には検出されにくい動作を開始条件に設定することで、ドア1の誤作動を防止することができるとともに、車両10の利便性を向上させることができる。

0036

(3)追従制御を終了条件は、手のひらの動きが停止した状態で第二所定時間以上の時間が経過することとなっている。この動作も、簡単かつドア1を開閉させたいとき以外には検出されにくい動作であり、ドア1の誤作動を防止することができるとともに、車両10の利便性を向上させることができる。

0037

(4)上記の車両用ドア制御システムでは、図5に示すように、手のひらの移動速度(第一移動速度v1)が所定速度範囲に入っていることを条件として、駆動装置2を作動させている。つまり、手のひらの移動速度が速すぎる場合や遅すぎる場合には、駆動装置2を作動させない。このような速度制限により、誤操作によるドア1の開閉動作(乗員が意図しない開閉動作)を回避することができ、車両10の利便性をさらに向上させることができる。

0038

(5)なお、ドア1の近傍に障害物17が存在する場合に開放限界距離を計測し、開放限界距離が短いほど、図5中の所定速度範囲を低速域へ移動させることも可能である。つまり、障害物17の位置が近いほど、手のひらをゆっくりと動かさなければドア1が開かないような制御とする。これにより、障害物17とドア1との衝突を回避しやすくすることができ、車両10の利便性をさらに向上させることができる。

0039

(6)上記のドアハンドル3には、追従制御が実施されているか否かを示す表示装置9が設けられるため、乗員はドア1が手の動きに追従しようとしているのか否かを容易に確認することができる。したがって、乗員側の誤操作を防止することができ、車両10の利便性をさらに向上させることができる。
(7)なお、ドアハンドル3に生体認証用の赤外線センサー7を内蔵させれば、手かざし動作の主体が正規の乗員であることを確認した上で追従制御を開始することができ、車両10の防犯性能を向上させることができる。また、ドアハンドル3に生体認証機能を付加することで、自然に手をかざす動作でドア1の開閉を実施することができるとともに、ドア1の誤動作を防止することができ、車両10の利便性をさらに向上させることができる。

0040

[5.変形例]
上述の実施形態では、ドアハンドル3に設けられた距離センサー5で手のひらまでの距離を計測するシステムを例示したが、距離センサー5の取り付け箇所はドアハンドル3に限定されない。例えば、ドアハンドル3のない車両10においては、操作性を考慮して、ドアパネル任意位置ドア枠などに距離センサー5を取り付ければよい。ドア1の所定部位に内蔵された距離センサー5を用いることで、上述の実施形態と同様の作用,効果を奏するシステムを構築することができる。

0041

また、上述の実施形態では、ドア1(ドアハンドル3)から乗員の手のひらまでの距離が一定となるように駆動装置2を作動させるシステムを示したが、ドア1の動きを追従させる対象として手のひらの代わりに手首,腕,指などを用いることも考えられる。少なくとも乗員の上肢の動きにドア1の動きを追従させることで、ドアハンドル3の把持力や握力の大小に関わらず、他人の手を借りずに容易にドアを開け閉めすることができ、車両10のバリアフリー性能を向上させることができる。

0042

1ドア
2駆動装置
3ドアハンドル
4ドアスイッチ
5距離センサー
6障害物センサー
7赤外線センサー
8制御装置(電子制御装置)
9表示装置
10 車両
11アンテナ
12ドアロックスイッチ
13スピーカー
14ロック装置
15ラッチ装置
16電子キー
17 障害物

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    【課題】遮蔽扉を開閉させるためのチェーンが弛んで地震等の振動により切断されるのを防止する。【解決手段】建屋の開口部120を塞いでいるブローアウトパネルと重ならない開位置に設けられ、ブローアウトパネルが... 詳細

  • 株式会社デンソーの「 作動可否決定装置」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】新しい認証装置による認証結果を容易に利用することができる作動可否決定装置を提供する。【解決手段】認証装置による認証が成立したことに基づいて、認証装置に対応する信頼度を取得する信頼度取得部472... 詳細

  • トヨタ紡織株式会社の「 把持部材」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】基材端面に樹脂部材が付着する事態を抑制する。【解決手段】乗物に設けられ、乗員が把持することが可能な把持部41を備えるドアグリップ40であって、板状の基材本体部52を備える基材51と、基材本体部... 詳細

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