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技術 加減速制御方法及び加減速制御装置

出願人 日産自動車株式会社
発明者 佐久間壮松下泰宏紙透義治
出願日 2017年12月11日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2017-237123
公開日 2019年6月27日 (10ヶ月経過) 公開番号 2019-104331
状態 未査定
技術分野 駆動装置の関連制御、車両の運動制御
主要キーワード 周囲環境センサ 全自動運転 要否判定結果 協調運転 周囲環境検出 操作介入 加速度プロファイル 線形判別法
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (19)

課題

乗員の意図に合わせた車両の加減速を実現する。

解決手段

加減速制御方法は、自車両の加減速制御量と、この加減速制御量に対する乗員の違和感の発生有無と、の間の対応関係を記憶した所定の記憶装置から、乗員の違和感を発生させない加減速制御量を選択し(S5)、選択された加減速制御量に基づき自車両を加減速させる加減速制御量を決定する(S6)。これにより、乗員の違和感を発生させないように自車両を加減速させる加減速制御量を決定できるため、個々の乗員の意図に合わせて車両を加減速することができる。

概要

背景

乗員の意図に合わせた加速感を実現する技術として、例えば特許文献1には、乗員の加速に対する期待感を反映するアクセル操作に基づいてシートバックジャーク目標値演算し、演算したシートバックジャーク目標値が実現されるようにエンジントルクを制御する車両制御装置が記載されている。

概要

乗員の意に合わせた車両の加減速を実現する。加減速制御方法は、自車両の加減速制御量と、この加減速制御量に対する乗員の違和感の発生有無と、の間の対応関係を記憶した所定の記憶装置から、乗員の違和感を発生させない加減速制御量を選択し(S5)、選択された加減速制御量に基づき自車両を加減速させる加減速制御量を決定する(S6)。これにより、乗員の違和感を発生させないように自車両を加減速させる加減速制御量を決定できるため、個々の乗員の意に合わせて車両を加減速することができる。

目的

本発明は、乗員の意図に合わせた車両の加減速を実現することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

自車両の加減速制御量と、該加減速制御量に対する乗員の違和感の発生有無と、の間の対応関係を記憶した所定の記憶装置から、前記乗員の違和感を発生させない加減速制御量を選択し、選択された前記加減速制御量に基づき自車両を加減速させる加減速制御量を決定する、ことを特徴とする加減速制御方法

請求項2

乗員に違和感を発生させるべきか否かを判定し、自車両の加減速制御量と、該加減速制御量に対する前記乗員の違和感の発生有無と、の間の対応関係を記憶した所定の記憶装置から、前記乗員の違和感を発生させる加減速制御量又は前記乗員の違和感を発生させない加減速制御量の何れかを、前記乗員に違和感を発生させるべきか否かに応じて選択し、選択された前記加減速制御量に基づき自車両を加減速させる前記加減速制御量を決定する、ことを特徴とする加減速制御方法。

請求項3

自車両の加減速制御量を検出し、検出した前記加減速制御量に対する前記乗員の違和感の発生有無を判定し、検出した前記加減速制御量と、判定された前記乗員の違和感の発生有無と、の間の前記対応関係を前記所定の記憶装置に記録する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の加減速制御方法。

請求項4

前記加減速制御量は、自車両の加速度及び加加速度の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の加減速制御方法。

請求項5

自車両の周囲環境を検出し、検出した前記周囲環境に応じて加減速制御量の選択可能範囲を決定し、前記選択可能範囲の中から加減速制御量を選択することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の加減速制御方法。

請求項6

前記乗員による自車両の運転操作を伴う協調運転状態と前記運転操作を伴わない完全自動運転状態との間で、前記所定の記憶装置から選択する前記加減速制御量の範囲を切り替えることを特徴とする請求項2に記載の加減速制御方法。

請求項7

前記乗員に発生させる違和感の強度を決定し、前記加減速制御量と前記乗員の違和感の強度との対応関係である第2の対応関係と、決定した前記強度と、に基づいて前記所定の記憶装置から前記加減速制御量を選択する、ことを特徴とする請求項2又は6に記載の加減速制御方法。

請求項8

自車両の周囲環境又は自車両の制御状態の少なくとも一方に応じて、前記乗員に発生させる違和感の前記強度を決定することを特徴とする請求項7に記載の加減速制御方法。

請求項9

自車両の周囲環境又は自車両の制御状態の少なくとも一方に応じて、前記乗員に違和感を発生させるか否かを判定することを特徴とする請求項2及び6〜8のいずれか一項に記載の加減速制御方法。

請求項10

自車両の加減速制御量と、該加減速制御量に対する乗員の違和感の発生有無と、の間の対応関係が記憶された記憶装置と、前記乗員の違和感を発生させない加減速制御量を前記記憶装置から選択し、選択された前記加減速制御量に基づき自車両を加減速させる加減速制御量を決定するコントローラと、を備えることを特徴とする加減速制御装置

請求項11

自車両の加減速制御量と、該加減速制御量に対する乗員の違和感の発生有無と、の間の対応関係が記憶された記憶装置と、前記乗員に違和感を発生させるべきか否かを判定し、前記乗員に違和感を発生させるべきか否かに応じて、前記乗員の違和感を発生させる加減速制御量又は前記乗員の違和感を発生させない加減速制御量の何れかを前記記憶装置から選択し、選択された前記加減速制御量に基づき自車両を加減速させる前記加減速制御量を決定するコントローラと、を備えることを特徴とする加減速制御装置。

技術分野

0001

本発明は、加減速制御方法及び加減速制御装置に関する。

背景技術

0002

乗員の意図に合わせた加速感を実現する技術として、例えば特許文献1には、乗員の加速に対する期待感を反映するアクセル操作に基づいてシートバックジャーク目標値演算し、演算したシートバックジャーク目標値が実現されるようにエンジントルクを制御する車両制御装置が記載されている。

先行技術

0003

特開2007−270704号公報

発明が解決しようとする課題

0004

特許文献1に記載されている車両制御装置は、乗員のアクセル操作に基づいて乗員の加速に対する期待感を検出している。このため、乗員の操作が行われない場面がある自動運転制御時には制御ができない。また、手動操作が行われる場合であっても、期待と異なる車両挙動に対して乗員が必ず修正操作をするとは限らない。このため、乗員の意図に合わせて加減速を調整できるとは限らない。
本発明は、乗員の意図に合わせた車両の加減速を実現することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

本発明の一態様に係る加減速制御方法は、自車両の加減速制御量と、この加減速制御量に対する乗員の違和感の発生有無と、の間の対応関係を記憶した所定の記憶装置から、乗員の違和感を発生させない加減速制御量を選択し、選択された加減速制御量に基づき自車両を加減速させる加減速制御量を決定する。

発明の効果

0006

本発明によれば、乗員の意図に合わせた車両の加減速を実現できる。

図面の簡単な説明

0007

実施形態の加減速制御装置の概略構成例を示す図である。
脳波測定の一例の説明図である。
脳波特徴量ベクトルの一例の説明図である。
特徴空間マップの一例の説明図である。
加減速制御量と違和感の発生有無の対応関係を記録した状態空間マップの一例の説明図である。
実施形態におけるコントローラ機能構成の一例を示すブロック図である。
図6に示す制御量演算部の機能構成の一例を示すブロック図である。
違和感を発生させない加減速制御量の選択方法の一例の説明図である。
違和感を発生させないための加加速度プロファイルの一例を示すグラフである。
違和感を発生させる加減速制御量の選択方法の一例の説明図である。
違和感を発生させるための加加速度プロファイルの一例を示すグラフである。
加減速制御量の選択可能範囲の一例の説明図である。
実施形態の加減速制御方法の一例を示すフローチャートである。
図13に示す違和感要否判定処理の一例を示すフローチャートである。
制御量記録部の変形例のニューラルネットの学習時の動作の説明図である。
制御量記録部の変形例のニューラルネットの演算時の動作の説明図である。
制御量記録部の他の変形例のニューラルネットの学習時の動作の説明図である。
制御量記録部の他の変形例のニューラルネットの演算時の動作の説明図である。

実施例

0008

以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下に示す本発明の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の構成、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。

0009

(構成)
図1を参照する。実施形態の加減速制御装置1は、周囲環境センサ群10と、地図データベース20と、車両センサ群30と、コントローラ40と、車両制御アクチュエータ群50と、脳活動センサ60を備える。なお、図1において地図データベースを「地図DB」と表記する。
周囲環境センサ群10は、加減速制御装置1を搭載する車両(以下、単に「自車両」と表記することがある)の周囲環境を検出するセンサ群であり、自車両の周囲の物体を検出するためのセンサを含む。周囲環境センサ群10は、カメラ11と、レーダ12を備える。

0010

周囲環境センサ群10は、自車両周囲に存在する物体、自車両と物体との相対位置、自車両と物体との距離、道路上の白線及び黄色等の自車両の周囲環境を検出する。周囲環境センサ群10は、検出した周囲環境の情報をコントローラ40へ出力する。
また、周囲環境センサ群10は、センサの信頼度尤度、S/N比等を含む周囲環境センサ群10の状態をコントローラ40へ出力する。

0011

地図データベース20は、地図情報データベースである。地図データベース20は、例えばカーナビゲーションシステムが備える地図データベースであってよい。
地図データベース20は、自車両の現在位置の周囲の地図情報をコントローラ40へ出力する。地図情報は、例えば自車両周囲の既知物標の位置、種類、名称や、道路形状(例えば、幅員曲率勾配車線数)、道路種別停止線等の道路上の白線の情報を含んでよい。

0012

車両センサ群30は、自車両の車両挙動を検出するセンサ群であり、車速センサ31と、加速度センサ32と、ヨーレートセンサ33と、操舵角センサ34と、転舵角センサ35を含む。
車速センサ31は、自車両の車輪速を検出し、車輪速に基づいて自車両の速度を算出する。
加速度センサ32は、自車両の前後方向の加速度及び車幅方向の加速度を検出する。
ヨーレートセンサ33は、自車両のヨーレートを検出する。

0013

操舵角センサ34は、操舵操作子であるステアリングホイールの現在の回転角度操舵操作量)である現在の操舵角を検出する。
転舵角センサ35は、操向輪転舵角を検出する。
車両センサ群30により検出されるこれらの車速、加速度、ヨーレート、操舵角、及び転舵角の情報を、総称して「車両状態情報」と表記することがある。
車両センサ群30は、これら車両状態情報をコントローラ40へ出力する。

0014

コントローラ40は、自車両の走行制御を行う電子制御ユニットである。コントローラ40は、プロセッサ41と、記憶装置42等の周辺部品とを含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)、やMPU(Micro-Processing Unit)であってよい。
記憶装置42は、半導体記憶装置磁気記憶装置及び光学記憶装置のいずれかを備えてよい。記憶装置42は、レジスタキャッシュメモリ主記憶装置として使用されるROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを含んでよい。

0015

なお、汎用半導体集積回路中に設定される機能的な論理回路でコントローラ40を実現してもよい。
例えば、コントローラ40はフィールドプログラマブルゲートアレイFPGA:Field-Programmable Gate Array)等のプログラマブル・ロジックデバイスPLD:Programmable Logic Device)等を有していてもよい。

0016

自車両の走行状態には、手動運転モード、完全自動運転モード、及び協調運転モードがある。コントローラ40は、これらの運転モードの各々において自車両の走行制御を実行する。
手動運転モードにおいて、コントローラ40は、操舵制御定速制御等の自動運転制御を行わず、自動ブレーキなどの安全運転支援制御のみを行う。
完全自動運転モードにおいて、コントローラ40は、乗員である運転者による運転操作を伴わない自動運転制御を行う。コントローラ40は、運転者により入力された目的地と、自車両の現在位置と、地図データベース20から読み出される地図情報等に基づいて、現在位置から目的地までの目標経路を生成し、目標経路にしたがって自動運転制御を行う。このとき、コントローラ40は、周囲環境センサ群10が検出した周囲環境に基づいて自車両周囲の状況を判断しながら走行制御を行う。

0017

協調運転モードにおいて、コントローラ40は、運転者による介入操作などの運転操作と組み合わせて自動運転制御を行う。協調運転モードにおける走行制御には、例えば追従走行制御隊列走行制御などのACC(Adaptive Cruise Control)制御や、車線中央維持制御等が含まれる。
追従走行制御及び隊列走行制御では、コントローラ40は、先行車との目標車間時間や目標車間距離が、運転者が設定した又は予め設定された目標車間時間や目標車間距離となるように、先行車に追従する操舵制御及び加減速制御を行う。

0018

車線中央維持制御では、コントローラ40は、カメラ11により認識された道路上の白線や黄線に基づいて自車両が車線の中央部分を走行し続けるようにハンドル支援を行う。
これらの完全自動運転モード及び協調運転モードにおける自動運転制御では、コントローラ40は、車両制御アクチュエータ群50を駆動して自車両の走行を制御する。

0019

車両制御アクチュエータ群50は、アクセルアクチュエータ51と、ブレーキアクチュエータ52と、ステアリングアクチュエータ53を備える。
アクセルアクチュエータ51は、例えばスロットルバルブなどであってよい。アクセルアクチュエータ51により自車両のアクセル開度を調整することにより、自車両の駆動力増減する。なお、自車両の駆動力発生源電気モータを用いる場合には、コントローラ40はアクセルアクチュエータ51によらずに自車両の駆動力を電子的に制御してもよい。

0020

ブレーキアクチュエータ52は、例えば油圧回路などであってよく自車両の機械的ブレーキ制動動作を制御して自車両の制動力を増減する。なお、自車両の制動力は、機械的ブレーキだけでなく回生ブレーキによって実現してもよい。
ステアリングアクチュエータ53は、例えばステアリングシャフトトルクを伝達可能なモータからなり、ステアリングシャフトの操舵量を制御する。

0021

車両制御アクチュエータ群50により自車両の加減速を制御する際に、コントローラ40は、自車両を加減速させる加減速制御量を決定する。
コントローラ40は、加減速制御量として例えば車両の加速度や、加速度の時間微分値である加加速度(ジャーク)を決定する。乗り物挙動を人間が感じ取る際、加速度や加加速度によってその挙動に対する印象が変わる。

0022

ここで自動運転中の運転者は、自車両の走行を自動運転に委ねているため、運転者が期待どおりの加減速感を感じるような加減速を実現することが望ましい。しかしながら、運転者が意図する加減速は運転者の習熟度個人特性に応じて異なる。
このためコントローラ40は、自車両を加減速させる加減速制御量を、それぞれの運転者に応じて個別に決定する。

0023

コントローラ40は、運転者が意図する加減速を実現するために、自車両の加減速に対する運転者の違和感(すなわち加減速制御量に対する運転者の違和感)を測定する。加減速制御量に対する違和感は発生していない場合には、運転者が意図する加減速が実現されていると考えられる。一方で、運転者が意図しない加減速が行われると、運転者は加減速制御量に対して違和感を覚えると考えられる。

0024

そこでコントローラ40は、例えば完全自動運転モードでは運転者の違和感を発生させないように加減速制御量を決定する。
以下の説明において、加減速制御量として正の加速度や正の加加速度を制御する実施例を説明する。しかしながら、本明細書及び特許請求の範囲における加減速制御量は、正の加速度や正の加加速度に限定されず、負の加速度(すなわち減速度)や負の加加速度を含むことを意図している。

0025

運転者の違和感の発生を判断するために、加減速制御装置1は脳活動センサ60を備える。
脳活動センサ60は、運転者の脳活動を測定するセンサである。脳活動センサ60は、測定した運転者の脳活動の情報をコントローラ40へ出力する。コントローラ40は、脳活動センサ60が検出した脳活動の情報に基づいて運転者の違和感の発生の有無を判定する。
例えば脳活動センサ60は、脳活動として運転者の脳波を測定してよい。以下、脳活動センサ60が、脳活動として運転者の脳波を検出する脳波センサの場合について説明する。ただし、脳活動センサ60は、運転者の脳活動を測定できればよく、例えば、脳血流心拍数呼吸発汗量及び顔画像など、運転者の脳活動を推定しうる生体情報を検出するセンサであってもよい。

0026

図2を参照する。脳活動センサ60は、車両の運転中に運転者の脳波信号リアルタイムで測定する。脳活動センサ60は複数の電極を有し、複数の電極が運転者の頭部に取り付けられる。脳活動センサ60の複数の電極は、例えば、国際10−20法に準拠し、認知機能に関わる運転者の頭頂部Fz,Fcz,Cz,CPzに配置される。脳活動センサ60が有する複数の電極の頭部への取り付け方法は特に限定されないが、例えば運転者の頭部に配置しやすいように装着型の電極帽子で構成されていてもよい。

0027

コントローラ40は、リアルタイムで測定された現在の運転者の脳波のパターンを、予め測定された脳波パターンに照合することにより、現在の運転者の違和感の有無(運転者が違和感を覚えているか否か)を判定する。
予め測定された脳波パターンは、データベース化されて記憶装置42に脳活動データベースとして格納されている。
脳活動データベースには、例えば、運転者が違和感を覚えないイベントを発生させたときの運転者の脳波の電位と、違和感を覚えるようなイベントを発生させたときの脳波の電位の各々の特徴ベクトルPを、特徴空間にプロットした特徴空間マップを記憶してよい。

0028

特徴ベクトルPは、例えば図3に示すように所定時間T(例えば500ミリ秒)の脳波信号からN個の特徴量p1,p2,…,pNを抽出し、これらを特徴ベクトルP=(p1,p2,…,pN)に変換することにより生成してよい。特徴量は、例えば一定の等間隔でサンプリングした値等を使用可能である。
図4に、特徴空間マップM1の一例を示す。ハッチングされた丸形プロット点P1は、運転者が違和感を覚えていないときの特徴ベクトルを示し、ハッチングされていない丸形のプロット点P2は、運転者が違和感を覚えているときの特徴ベクトルを示す。

0029

運転者が違和感を覚えていないときの特徴ベクトルP1は、特徴空間内の一定の領域に集中する傾向がある。また、運転者が違和感を覚えているときの特徴ベクトルP2も同様に一定の領域に集中する傾向がある。
図4の例では、運転者が違和感を覚えていないときの特徴ベクトルP1は、比較的左上の領域D1に集中しており、運転者が違和感を覚えているときの特徴ベクトルP2は、比較的右下の領域D2に集中している。

0030

このような運転者が違和感を覚えていないときの特徴ベクトルP1及び運転者が違和感を覚えているときの特徴ベクトルP2を特徴空間上にプロットして特徴空間マップM1を作成することにより、特徴ベクトルP1が取り得る範囲と、特徴ベクトルP2が取り得る範囲を区分する判別平面PLを設定することができる。判別平面PLは、例えば線形判別法を用いて設定することができる。
図4の例では、運転者の現在の脳波の特徴ベクトルが判別平面PLよりも上に位置すれば、違和感判別部70は、運転者が違和感を覚えていないと判断する。運転者の現在の脳波の特徴ベクトルが判別平面PLよりも下に位置すれば、違和感判別部70は、運転者が違和感を覚えていると判断する。

0031

さらに、運転者が違和感を覚えているときの特徴ベクトルP2の領域D2の重心Cから運転者の現在の脳波の特徴ベクトルまでの距離Dに応じて、運転者が覚えている違和感の強度を判断する。
例えば、距離Dが閾値より大きければ比較的弱い違和感が発生したと判断し、距離Dが閾値以下であれば比較的強い違和感が発生したと判断する。
なお、上記の違和感の判断方法は一例であり、実施形態の加減速制御装置1が採用する判断方法はこれに限定されるものではない。

0032

加減速制御量に対して運転者の違和感が発生するか否かに応じて加減速制御量を決定するために、コントローラ40は、加減速制御量と、加減速制御量に対する運転者の違和感の発生有無との対応関係を記録する。
コントローラ40は、加減速制御量と違和感の発生有無との対応関係として、例えば図5に示すような状態空間マップM2を作成する。状態空間マップM2は、例えば記憶装置42に記憶しておく。

0033

状態空間マップM2は、加減速制御量としての加加速度及び加速度を次元とする空間上に、加減速制御量に対する違和感の発生有無をプロットしたマップである。
状態空間マップM2を生成する際には、自車両の加減速制御量として加加速度と加速度の組み合わせを検出し、検出した加減速制御量に対する乗員の違和感の発生有無を判定する。そして、状態空間マップM2上に、違和感の発生有無の判定結果をプロットする。
図5の例では、ハッチングされた丸形のプロット点は違和感が発生しなかった加減速制御量を示し、ハッチングされない丸形のプロット点は比較的弱い違和感が発生した加減速制御量を示し、三角形のプロット点は比較的強い違和感が発生した加減速制御量を示す。

0034

次に、違和感が発生しなかった加減速制御量の領域R1と比較的弱い違和感が発生した加減速制御量の領域R2との間の境界B1と、比較的強い違和感が発生した加減速制御量の領域R3と領域R2との間の境界B2を算出する。これらの境界B1及びB2は、様々な識別器(例えばサポートベクタマシン等)を用いて算出することができる。このような状態空間マップM2には、加減速制御量と加減速制御量に対する運転者の違和感の発生有無との対応関係とともに、加減速制御量と加減速制御量に対する運転者の違和感の強度との対応関係が記録される。

0035

コントローラ40は、これら領域R1、R2及びR3のいずれかを選択することで、違和感が発生させない加減速制御量、比較的弱い違和感を発生させる加減速制御量、及び比較的強い違和感を発生させる加減速制御量を選択的に決定することができる。
このようにしてコントローラ40は、運転者に違和感を発生させるか否かに応じて、状態空間マップM2から選択した加減速制御量に基づいて、自車両を加減速させる加減速制御量を決定する。

0036

次に、コントローラ40の機能構成例について説明する。
図6を参照する。コントローラ40は、周囲環境検出部71と、違和感検出部72と、加減速制御量検出部73と、制御量記録部74と、運転行動決定部75と、制御量演算部76と、運転制御部77を備える。
例えばコントローラ40は、図1の記憶装置42に格納されたコンピュータプログラムをプロセッサ41で実行することにより、周囲環境検出部71、違和感検出部72、加減速制御量検出部73、制御量記録部74、運転行動決定部75、制御量演算部76、及び運転制御部77の機能を実現してよい。

0037

周囲環境検出部71は、周囲環境センサ群10の出力と、地図データベース20から読み出される自車両周囲の地図情報とに基づいて、自車両の周囲環境を検出する。
周囲環境検出部71は、周囲環境として例えば、自車両の周囲の障害物他車両、歩行者との相対距離、車間時間、自車両の走行路の道路形状、道路種別、停止線や、突発的な工事又は交通規制を検出してよい。道路形状には、例えば幅員、曲率、勾配、車線数等が含まれる。
周囲環境検出部71は、検出した周囲環境の情報(以下、「周囲環境情報」と表記する)を、制御量記録部74、運転行動決定部75、制御量演算部76へ出力する。

0038

違和感検出部72は、自車両の加減速制御が行われた場合に、脳活動センサ60が検出した運転者の脳活動の情報に基づいて、加減速制御量に対する運転者の違和感の発生の有無を判定する。
また、違和感検出部72は違和感の強度を判定する。例えば違和感検出部72は、比較的弱い違和感が発生したのか、比較的強い違和感が発生したのかを判定してよい。
違和感検出部72は、違和感の判定結果を制御量記録部74へ出力する。

0039

加減速制御量検出部73は、自車両の加減速制御が行われた場合に、自車両の加減速制御量を検出する。
例えば加減速制御量検出部73は、加減速制御量として自車両の前後方向の正の加速度、負の加速度、正の加加速度及び負の加加速度を検出する。例えば加減速制御量検出部73は、加速度センサ32の出力に基づいて前後方向の加速度を検出してもよく、車速センサ31の出力を時間微分することにより前後方向の加速度を算出してもよい。
また、加減速制御量検出部73は、加速度を時間微分することにより前後方向の加加速度を算出してよい。
加減速制御量検出部73は、検出した加減速制御量を制御量記録部74に出力する。

0040

制御量記録部74は、違和感検出部72による違和感の判定結果及び加減速制御量検出部73が検出した加減速制御量に基づいて、検出した加減速制御量と、この加減速制御量に対する乗員の違和感の発生有無との対応関係を記録する。また、制御量記録部74は、検出した加減速制御量と、この加減速制御量に対する乗員の違和感の強度との対応関係を記録する。
例えば制御量記録部74は、図5に示す状態空間マップM2を作成して記憶装置42に記憶する。

0041

運転行動決定部75は、周囲環境検出部71から出力された周囲環境情報に基づいて完全自動運転モード及び協調運転モードにおける自車両の運転行動を決定する。
例えば、自車両の運転行動として自動運転制御時における車両挙動の制御目標値を演算してよい。制御目標値は、例えば自動運転制御において目標とする走行軌跡や車速等であってよい。

0042

完全自動運転モードにおいて運転行動決定部75は、周囲環境情報と、自車両の車両状態情報と、目的地までの走行計画等に基づいて制御目標値を演算する。
また、協調運転モードにおいて運転行動決定部75は、周囲環境情報や自車両の車両状態情報に基づいて制御目標値を演算する。
運転行動決定部75は、演算した制御目標値を制御量演算部76と運転制御部77へ出力する。

0043

制御量演算部76は、自車両の加減速制御の際に、運転行動決定部75が演算した制御目標値と制御量記録部74が記録した状態空間マップM2とに基づいて自車両を加減速させる加減速制御量を算出する。
例えば制御量演算部76は、運転行動決定部75が演算した制御目標値に基づいて自車両の加減速制御を行うか否かを判定する。加減速制御を行わない場合には、制御量演算部76は加減速制御量を算出しなくてよい。

0044

加減速制御を行う場合には、制御量演算部76は、自車両の加減速により(すなわち加減速制御量により)運転者に違和感を発生させるか否か、及び発生させる違和感の強度を判定する。
例えば、制御量演算部76は、自車両の走行状態が完全自動運転モード及び協調運転モードの何れであるかに基づいて運転者に違和感を発生させるか否かを判定してよい。

0045

例えば、制御量演算部76は、自車両の走行状態が完全自動運転モードである場合に運転者に違和感を発生させない加減速制御量を算出し、協調運転モードである場合に運転者に違和感を発生させる加減速制御量を算出してよい。すなわち、制御量演算部76は、完全自動運転モードと協調運転モードとの間で加減速制御量の範囲を切り替えてよい。

0046

これにより、完全自動運転モードでは運転者の意図どおりの加減速を実現して快適性を向上することができる。
一方で、協調運転モードでは運転者の違和感が発生する加減速制御量を状態空間マップM2に学習させることができるので、状態空間マップM2に基づく加減速制御量の演算精度を向上して、個々の運転者に合った加減速制御が可能になる。

0047

また、例えば制御量演算部76は、周囲環境検出部71から出力された周囲環境情報に基づき認識される自車両の周囲環境や、自車両の制御状態に応じて、運転者に違和感を発生させるか否かを判定してもよい。
例えば、自車両の周囲環境は、自車両の周囲の危険な状態、及び自車両の周囲の監視すべき対象の有無等を含んでよい。また、車両の制御状態は、周囲環境センサ群10の状態、及び自動運転制御に対する制御余裕度等を含んでよい。

0048

さらに、制御量演算部76は、自車両の周囲環境又は自車両の制御状態のいずれか一方に応じて発生させる違和感の強度を変化させてもよい。
このように、自車両の周囲環境や自車両の制御状態に応じて運転者に違和感を発生させることにより、運転者の状況認識を促すことができる。

0049

図7を参照して、制御量演算部76の機能構成例を説明する。
制御量演算部76は、余裕度演算部80と、緊急度演算部81と、加減速制御量決定部82を含む。
余裕度演算部80は、運転行動決定部75により演算された制御目標値、及び自車両の周囲環境や自車両の制御状態等に基づいて、制御余裕度を演算する。制御余裕度は、自動運転制御時にシステムがどれくらい余裕を持って制御できているかを表す指標である。制御余裕度が低下するほど、乗員による即時の操作介入は必要ではないものの、乗員による安全監視の重要性は高まる。

0050

例えば、センサの信頼度、尤度又はS/N比等の周囲環境センサ群10の状態が完全ではなく低くなっている場合、制御余裕度が低下する。センサの信頼度は、例えばセンサの最大能力に対する現在のセンサの能力の割合として算出される。尤度はセンサの検出結果の確からしさである。S/N比は、信号に対する雑音比率である。

0051

また、悪天候交通渋滞等の自車両周囲の状況により周囲環境センサ群10の検出限界が低下したり、突発的な工事、交通規制等の不測の事態が発生してシステムに負荷がかかっていたりする場合には、制御余裕度が低下する。また、自車両周囲に歩行者等の乗員に対して意識又は監視させるべき対象がある場合には、制御余裕度が低下する。

0052

制御余裕度を演算する際には、例えば自車両の周囲環境や各センサの状態を、自車両の諸元や運転者の運転嗜好に応じて適宜数値化して重み付けし、それらを合算して、総合的な制御余裕度を演算してもよい。或いは、自車両の周囲環境やセンサ毎に個別に制御余裕度をそれぞれ演算してもよい。

0053

緊急度演算部81は、運転行動決定部75により演算された制御目標値、及び自車両の周囲環境や自車両の制御状態等に基づいて、緊急度(警告度)を演算する。緊急度は、自車両の周囲環境や自車両の制御状態に対して、ステアリングホイール操作やブレーキ操作等の乗員による即時の操作介入(システムから乗員への権限委譲)が必要な度合いを表す指標である。緊急度が高いほど、乗員による操作介入の即時性や必要性が高まる。

0054

例えば、車両前方に歩行者が飛び出す、又は落下物があるといった危険な状態や、周囲環境センサ群10の故障、突発的な工事又は交通規制等の不測の事態が発生し、自動運転制御が不能に陥り易い場合に、緊急度が高くなる。
緊急度を演算する際には、例えば自車両の周囲環境や各センサの状態を、自車両の諸元や運転者の運転嗜好に応じて適宜数値化して適宜重み付けし、それらを合算して、総合的な緊急度を演算してもよい。或いは、自車両の周囲環境やセンサに個別に緊急度をそれぞれ演算してもよい。

0055

加減速制御量決定部82は、走行状態が完全自動運転モード及び協調運転モードの何れであるか、制御余裕度、及び緊急度に基づいて、運転者に違和感を発生させるか否か、及び発生させる違和感の強度を判定する。
例えば、加減速制御量決定部82は、余裕度演算部80により演算された制御余裕度と閾値とを比較して、制御余裕度が閾値以上であれば制御余裕度が高いと判定し、制御余裕度が閾値未満であれば制御余裕度が低いと判定する。閾値は自車両の諸元や運転者の運転嗜好に応じて適宜設定することができる。

0056

余裕度演算部80により演算された制御余裕度が複数有る場合には、加減速制御量決定部82は、各制御余裕度について同一の閾値又は異なる閾値を用いて制御余裕度が高いか、低いかを判定してもよい。
また、加減速制御量決定部82は、緊急度演算部81により演算された緊急度と閾値とを比較して、緊急度が閾値以上であれば緊急度が高いと判定し、緊急度が閾値未満であれば緊急度が低いと判定する。閾値は自車両の諸元や運転者の運転嗜好に応じて適宜設定することができる。

0057

制御余裕度が高いと判定された場合は、通常時であって乗員の安全監視の重要性が低い。一方で、制御余裕度が低いと判定された場合は、乗員の安全監視の重要性が高い。さらに緊急度が高いと判定された場合は、運転者に即時の操作介入を促す必要がある。
完全自動運転モードにおいて加減速制御量決定部82は、自車両の周囲環境や自車両の制御状態等に基づいて、次の通り違和感の発生要否を判定する。

0058

(A1)制御余裕度が高いと判定された場合、違和感の発生は不要である。
(A2)制御余裕度が低く且つ緊急度が低いと判定された場合、比較的弱い違和感を発生させる。
(A3)緊急度が高いと判定された場合、比較的強い違和感を発生させる。

0059

協調運転モードでは、運転者の違和感が発生したときの加減速制御量を状態空間マップM2に学習させるために、制御余裕度が高い場合でも違和感を発生させる。
したがって、協調運転モードにおいて加減速制御量決定部82は、自車両の周囲環境や自車両の制御状態等に基づいて、次の通り違和感の発生要否を判定する。
(B1)緊急度が低いと判定された場合、制御余裕度に関わらず比較的弱い違和感を発生させる。
(B2)緊急度が高いと判定された場合、比較的強い違和感を発生させる。

0060

次に、加減速制御量決定部82は、運転行動決定部75により演算された制御目標値と違和感の要否判定結果に基づいて、自車両を加減速させる加減速制御量として、違和感を発生させない加減速制御量、比較的弱い違和感を発生させる加減速制御量、比較的強い違和感を発生させる加減速制御量のいずれかを決定する。
図8を参照して違和感を発生させない加減速制御量の選択方法の一例を説明する。
まず、加減速制御量決定部82は、加速度の増加を完了して加加速度が約0になった時点で違和感を発生させない最大加速度Gmaxを、状態空間マップM2の領域R1及び境界B1に基づき決定する。

0061

次に、加減速制御量決定部82は、領域R1を逸脱せずに最大加速度Gmaxまで加速度を増加させる加加速度プロファイルPr1を生成できる最大加加速度Jt1を、領域R1の中から選択する。
このような最大加加速度Jt1は、例えば加加速度の減少を開始する加速度Gdを適宜選択することによって、領域R1の中から選択できる。

0062

次に加減速制御量決定部82は、これらの加減速制御量と、運転行動決定部75が演算した走行軌跡や車速等の制御目標値に基づいて、自車両の加速度を最大加速度Gmaxまで増加する加加速度プロファイルを生成する。
違和感を発生させない場合、加減速制御量決定部82は、例えば図9に示すように加加速度プロファイルを作成する。

0063

図9の加加速度プロファイルは、各時刻の加加速度が最大加加速度Jt1を超えずに、かつ時間積分値が最大加速度Gmaxと等しくなるように演算される。さらに加加速度と加速度との組み合せが違和感を発生させない領域R1を逸脱しないように、最大加加速度Jt1から減少を開始する時刻t2を上記の加速度Gdに応じて適宜設定する。
加加速度プロファイルの開始時刻t0、最大加加速度Jt1に到達する時刻t1、加加速度プロファイルの終了時刻t3は、運転行動決定部75が演算した制御目標値に基づいて適宜設定可能である。

0064

次に、比較的弱い違和感を発生させる加減速制御量の選択方法の一例を、図10を参照して説明する。
加減速制御量決定部82は、比較的弱い違和感を発生する加加速度Jt2と加速度G2の組み合わせC2を領域R2の中から選択する。
このとき、加減速制御量決定部82は、加加速度Jt2と加速度G2の組み合わせC2を通る加加速度プロファイルPr2が、領域R1にR2を加えた領域を逸脱せずに(すなわち領域R3に入らずに)最大加速度Gmaxまで加速度を増加できるように組み合わせC2を選択する。

0065

このような組み合せC2は、図8と同様に、加加速度の減少を開始する加速度を適宜選択することによって決定できる。
次に加減速制御量決定部82は、加加速度Jt2と加速度G2の組み合せC2に基づいて、比較的弱い違和感を発生させる加加速度プロファイルを生成する。
比較的弱い違和感を発生させる加加速度プロファイルは、例えば図11に示すように作成される。

0066

図11の加加速度プロファイルは、加加速度プロファイルの最大加加速度が加加速度Jt2となり、かつ加加速度Jt2に至る時刻t4から開始時刻t0までの加加速度の時間積分値が加速度G2となるように演算される。すなわち、加加速度Jt2に至る時刻t4において加速度G2となるように演算される。これにより、加加速度Jt2と加速度G2の組み合せC2が実現されて、比較的弱い違和感を発生できる。

0067

ここで、最大加加速度が加加速度Jt1から加加速度Jt2まで増加するのに伴って最大加速度Gmaxが増加すると、時刻t4以降に加加速度と加速度が領域R3に至って比較的強い違和感を発生させるおそれがある。また、自車両の位置や速度にも変化を生じさせてしまう。
そこで加減速制御量決定部82は、最大加速度Gmax及び最大加速度Gmaxに至る時間Tが、違和感を発生させない図9の加加速度プロファイルと変わらないように違和感を発生させる加加速度プロファイルを作成してよい。
すなわち、最大加速度Gmaxに到達する時刻t3までの加加速度プロファイルの積分値面積)Gmaxが変化しないように調整してよい。

0068

比較的強い違和感を発生する加減速制御量と加加速度プロファイルについても、状態空間マップM2の領域R3から加加速度と加速度の組み合わせを選択することにより、比較的弱い違和感を発生する場合と同様に設定できる。
なお、加減速制御量決定部82は、周囲環境検出部71から出力される周囲環境情報が示す周囲環境に基づいて、加減速制御量を選択できる選択可能範囲R4を状態空間マップM2中に定めてもよい(図12参照)。

0069

加減速制御量決定部82は、比較的弱い違和感を発生する加減速制御量C2や比較的強い違和感を発生する加減速制御量を、選択可能範囲R4のみから選択してよい。
このように加減速制御量の範囲を制限することにより周囲環境に応じた安全な範囲で加減速制御量を定めることができる。
図6を参照する。制御量演算部76は、加減速制御量決定部82が生成した加加速度プロファイルを運転制御部77へ出力する。運転制御部77は、運転行動決定部75が演算した制御目標値と、加減速制御量決定部82が生成した加加速度プロファイルに基づいて自動運転制御を実行する。例えば運転制御部77は、図9図11に示した加加速度プロファイルの加加速度を実現するように、車両制御アクチュエータ群50を制御する。

0070

車両制御アクチュエータ群50により車両が加減速したときに、加減速制御量検出部73は自車両の加減速制御量を検出する。また、違和感検出部72は、加減速制御量に対する運転者の違和感の発生の有無を判定する。制御量記録部74は、検出した加減速制御量とこの加減速制御量に対する乗員の違和感の発生有無との対応関係を記録して、状態空間マップM2を更新する。

0071

(動作)
次に図13を参照して、実施形態の加減速制御方法の一例を説明する。
テップS1において図6に示す周囲環境検出部71は、周囲環境センサ群10の出力と、地図データベース20から読み出される自車両周囲の地図情報とに基づいて、自車両の周囲環境に関する周囲環境情報を取得する。
ステップS2において運転行動決定部75は、周囲環境検出部71から出力された周囲環境情報に基づいて完全自動運転モードや協調運転モードにおける自車両の運転行動を決定する。例えば、運転行動決定部75は、自動運転制御時における車両挙動の制御目標値を演算してよい。

0072

ステップS3において制御量演算部76は、運転行動決定部75が演算した制御目標値に基づいて自車両の加減速制御を行うか否かを判定する。加減速制御を行う場合(ステップS3:Y)に処理はステップS4へ進む。加減速制御を行わない場合(ステップS3:N)に処理はステップS1へ戻る。
ステップS4において制御量演算部76は、自車両の加減速により(すなわち加減速制御量により)運転者に違和感を発生させるか否かを判定する違和感要否判定処理を実行する。違和感要否判定処理の詳細は図14を参照して後述する。違和感要否判定処理では、違和感を発生させるか否かと、発生させる違和感の強度を判定する。

0073

ステップS5において制御量演算部76は、違和感要否判定処理の判定結果に応じて、違和感を発生させない加減速制御量、比較的弱い違和感を発生させる加減速制御量、比較的強い違和感を発生させる加減速制御量のいずれかを算出する。
ステップS6において制御量演算部76は、ステップS5において算出した加減速制御量に基づいて自車両を加減速させる加加速度プロファイルを生成する。
ステップS7において運転制御部77は、ステップS2で決定した制御目標値とステップS6で生成した加加速度プロファイルに基づいて自動運転制御を実行する。

0074

ステップS8において加減速制御量検出部73は加減速制御量を検出する。また、違和感検出部72は加減速制御量に対する運転者の違和感の発生の有無を判定する。
ステップS9において制御量記録部74は、検出した加減速制御量とこの加減速制御量に対する乗員の違和感の発生有無との対応関係を記録することにより、状態空間マップM2を更新する。
ステップS10において自車両のイグニッションスイッチ(IGN)がオフになったか否かが判断される。イグニッションスイッチがオフになった場合(ステップS10:Y)に処理は終了する。イグニッションがオフにならない場合(ステップS10:N)に処理はステップS1へ戻る。

0075

次に、図13のステップS4において実行される違和感要否判定処理の一例を説明する。
ステップS20において図7に示す加減速制御量決定部82は、走行状態が完全自動運転モードであるか協調運転モードであるかを判定する。完全自動運転モードである場合(ステップS20:Y)に処理はステップS21へ進む。完全自動運転モードでなく協調運転モードである場合(ステップS20:N)に処理はステップS23へ進む。

0076

ステップS21において加減速制御量決定部82は、余裕度演算部80が演算した制御余裕度が高いか否かを判定する。制御余裕度が高い場合(ステップS21:Y)に処理はステップS22へ進む。制御余裕度が高くない場合(ステップS21:N)に処理はステップS23へ進む。
ステップS22において加減速制御量決定部82は、違和感の発生は不要であると判定する。その後に処理は図13のステップS5へ進む。

0077

ステップS23において加減速制御量決定部82は、緊急度演算部81が演算した緊急度が高いか否かを判定する。緊急度が高い場合(ステップS23:Y)に処理はステップS25へ進む。緊急度が高くない場合(ステップS23:N)に処理はステップS24へ進む。
ステップS24において加減速制御量決定部82は、比較的弱い違和感を発生させることを決定する。その後に処理は図13のステップS5へ進む。
ステップS25において加減速制御量決定部82は、比較的強い違和感を発生させることを決定する。その後に処理は図13のステップS5へ進む。

0078

(変形例)
(1)上述の実施形態では、加速度及び加加速度の両方を加減速制御量として用いて、運転者に違和感を発生させるか否かを制御したが、加速度又は加加速度のいずれか一方のみを加減速制御量として用いて運転者に違和感を発生させるか否かを制御してもよい。
(2)状態空間マップM2を、加減速制御量を独立変数、各加減速制御量において違和感が発生する確率を従属変数とする確率密度関数を用いた連続的な状態空間マップとして学習してもよい。この場合、例えば違和感が発生しない領域R1、比較的弱い違和感が発生する領域R2、比較的強い違和感が発生する領域R3を、確率密度関数と閾値との比較により決定してよい。

0079

(3)加減速制御量と違和感の発生有無との対応関係を、周囲環境情報を重みとして使用する重み付け学習により学習してもよい。すなわち、制御量記録部74は、周囲環境情報に応じて加減速制御量と違和感の発生有無との間の異なる対応関係を記録してもよい。
例えば、周囲環境情報(例えば、周囲車両までの距離、道路形状のパラメータなど)に応じて領域R1〜R3の範囲が異なる複数の状態空間マップM2を記録してよい。

0080

(4)制御量記録部74は、状態空間マップM2に代えて、加減速制御量と違和感の発生有無との対応関係を学習するニューラルネットを用いて加減速制御量と違和感の発生有無との対応関係を記録してもよい。ニューラルネットには、加減速制御量と周囲環境情報と違和感の発生有無との対応関係を学習させてもよい。
図15Aを参照する。制御量記録部74は、周囲環境情報に応じて異なる複数のニューラルネットNN1〜NN3を備える。すなわち、周囲環境情報毎の個別のニューラルネットNN1〜NN3を備える。

0081

学習時において制御量記録部74は、周囲環境情報に応じてニューラルネットNN1〜NN3のいずれかを選択して、選択されたニューラルネットに加減速制御量と違和感の発生有無との対応関係を学習する。
図15Bを参照する。演算時には、周囲環境情報に応じてニューラルネットNN1〜NN3のいずれかを選択して、選択されたニューラルネットに目標違和感(すなわち、違和感を発生させない、弱い違和感を発生させる、強い違和感を発生させる)を入力し、選択されたニューラルネットから目標違和感に応じた加減速制御量を取り出す。

0082

図16Aを参照する。制御量記録部74は、周囲環境情報に応じて変化する加減速制御量と違和感の発生有無との対応関係を、単一のニューラルネットNNに一体的に学習させてもよい。
学習時において制御量記録部74は、周囲環境情報、加減速制御量及びこれらの周囲環境及び加減速制御量における違和感の発生有無をニューラルネットNNに入力し、周囲環境情報、加減速制御量及び違和感の発生有無との対応関係を学習する。
図16Bを参照する。演算時には、周囲環境情報と目標違和感とをニューラルネットNNに入力し、入力値対応付けて学習した加減速制御量をニューラルネットNNから取り出す。

0083

(実施形態の効果)
(1)制御量記録部74は、自車両の加減速制御量と、加減速制御量に対する乗員の違和感の発生有無との間の対応関係を記録した状態空間マップM2を記憶装置42に記憶する。制御量演算部76の加減速制御量決定部82は、状態空間マップM2から、乗員の違和感を発生させない加減速制御量を選択する。加減速制御量決定部82は、選択された加減速制御量に基づいて自車両を加減速させる加減速制御量を決定する。
本実施形態によれば、乗員の違和感を発生させないように自車両を加減速させる加減速制御量を決定できる。このため、個々の乗員の意図に合わせて車両を加減速できる。

0084

(2)加減速制御量決定部82は、乗員に違和感を発生させるべきか否かを判定し、乗員に違和感を発生させるべきか否かに応じて、乗員の違和感を発生させる加減速制御量及び乗員の違和感を発生させない加減速制御量の何れかを選択する。
本実施形態によれば、乗員の違和感を発生させない加減速制御量だけでなく、違和感を意図的に発生させる加減速制御量を決定できる。意図的に違和感を発生させることにより、違和感が発生する加減速制御量を学習できるので、加減速制御量の演算精度を向上して個々の運転者に合った加減速制御が可能になる。また、運転者に違和感を発生させることにより運転者に注意を促すことができる。

0085

(3)加減速制御量検出部73は、自車両の加減速制御量を検出する。違和感検出部72は、検出した加減速制御量に対する乗員の違和感の発生有無を判定する。制御量記録部74は、検出した加減速制御量と、判定した違和感の発生有無と、の対応関係である状態空間マップM2を記憶装置42に記録する。
このように状態空間マップM2を生成して記録することにより、個々の乗員に適合した加減速制御量と違和感との対応関係を学習することができる。これにより、個々の乗員の意図に合わせて車両を加減速できる。

0086

(4)加減速制御装置1は、加減速制御量として自車両の加速度及び加加速度の少なくとも一方を用いる。このため、乗員の意図に合わせた加速度プロファイルや加加速度プロファイルを生成できる。
(5)周囲環境検出部71は、自車両の周囲環境を検出する。加減速制御量の選択可能範囲は検出した周囲環境に応じて決定され、加減速制御量決定部82は、選択可能範囲の中から加減速制御量を選択する。これにより、周囲環境に応じた安全な範囲で加減速制御量を定めて、加加速度プロファイルや加速度プロファイルを生成することができる。

0087

(6)加減速制御量決定部82は、乗員による自車両の運転操作を伴う協調運転状態と運転操作を伴わない完全自動運転状態との間で、状態空間マップM2から選択する加減速制御量の範囲を切り替える。
これにより、これにより例えば完全自動運転状態では運転者の違和感が発生しないように加減速制御量を決定するとともに、協調運転状態では違和感が発生するように加減速制御量を決定できる。

0088

このため、完全自動運転状態では運転者の意図どおりの加減速を実現して快適性を向上することができるとともに、運転者の違和感が発生しない加減速制御量を学習できる。一方で協調運転モードでは運転者の違和感が発生する加減速制御量を学習できる。したがって、状態空間マップM2に基づく加減速制御量の演算精度を向上して、個々の運転者に合った加減速制御が可能になる。また、乗員による運転操作を伴う協調運転状態において、運転者に注意を適宜促すことができる。

0089

(7)加減速制御量決定部82は、乗員に発生させる違和感の強度を決定する。加減速制御量決定部82は、検出した加減速制御量と乗員の違和感の強度との対応関係である第2の対応関係を記録した状態空間マップM2に従って、決定した強度に応じて加減速させる加減速制御量を決定する。
これにより、乗員に発生させる違和感の強度を制御することができる。このため乗員の感覚に合った加加速度プロファイルや加速度プロファイルを生成することができる。

0090

(8)加減速制御量決定部82は、自車両の周囲環境又は自車両の制御状態の少なくとも一方に応じて、乗員に発生させる違和感の強度を決定する。
これにより、発生させる違和感の強度の違いによって、自車両の周囲環境又は自車両の制御状態を乗員に伝達することができる。
(9)加減速制御量決定部82は、自車両の周囲環境又は自車両の制御状態の少なくとも一方に応じて、乗員に違和感を発生させるか否かを判定する。
これにより、違和感を発生させるか否かによって、自車両の周囲環境又は自車両の制御状態を乗員に伝達することができる。

0091

1…加減速制御装置、10…周囲環境センサ群、11…カメラ、12…レーダ、20…地図データベース、30…車両センサ群、31…車速センサ、32…加速度センサ、33…ヨーレートセンサ、34…操舵角センサ、35…転舵角センサ、40…コントローラ、41…プロセッサ、42…記憶装置、50…車両制御アクチュエータ群、51…アクセルアクチュエータ、52…ブレーキアクチュエータ、53…ステアリングアクチュエータ、60…脳活動センサ、70…違和感判別部、71…周囲環境検出部、72…違和感検出部、73…加減速制御量検出部、74…制御量記録部、75…運転行動決定部、76…制御量演算部、77…運転制御部、80…余裕度演算部、81…緊急度演算部、82…加減速制御量決定部

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