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技術 殺菌装置

出願人 株式会社オーレック
発明者 今村健二村治康典
出願日 2018年12月5日 (10ヶ月経過) 出願番号 2018-240259
公開日 2019年6月27日 (3ヶ月経過) 公開番号 2019-103816
状態 未査定
技術分野 消毒殺菌装置 酸素;オゾン;酸化物一般
主要キーワード 赤外線照射領域 熱電対式温度センサ 曲面板状 ハンディ式 加熱殺菌効果 スイッチ回数 電気分解式 医療関連施設
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年6月27日)のものです。
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図面 (12)

課題

紫外線照射赤外線照射による殺菌対象物耐久性の低下を抑えつつ、比較的に簡単な取扱いで、優れた殺菌効果が発揮される新規な構造の殺菌装置を提供する。

解決手段

殺菌対象物16に赤外線照射する赤外線照射手段30と、殺菌対象物16に紫外線を照射する紫外線照射手段36と、オゾンを発生させて脱臭するオゾン発生手段38と、赤外線照射手段30や紫外線照射手段36、オゾン発生手段38を殺菌対象物16に沿って移動させる移動手段20とを備えた殺菌装置10において、オゾン発生手段38が、異臭を抑えるために発生させるオゾンの一部を移動手段20に向かって吐出させることによって、移動手段20に殺菌処理を施す。

概要

背景

病院臨床研究所などの医療関連施設、或いはクリーンルームを含む半導体工場製薬工場食品工場などの各種建物においては、高い清浄度が要求されることがある。そのような要求に応えるには、単に床面にある塵埃液体汚れ掃除機洗浄機などを用いて取り除くだけでは足らず、床面や壁面、作業台、その他殺菌が必要な殺菌対象物に付着している細菌を除く必要がある。この細菌を消滅乃至は抑制する手段の一つとして、殺菌装置を用いることが知られている。

殺菌装置は、例えば、特許文献1(特開平8−280779号公報)や特許文献2(特開2009−50582号公報)の図4に示されるように、床面などの殺菌対象物に載置される装置本体に対して、紫外線照射手段としての殺菌灯使用者把持する把持部が設けられた構造とされている。この殺菌装置では、使用者が把持部に手を添えて装置本体を殺菌対象物の目的とする殺菌箇所に移動させつつ、殺菌灯をオンして紫外線を殺菌対象物に付着した細菌に照射することによって、紫外線による細菌の細胞活動の停止乃至は減少作用に基づき、細菌を消滅乃至は抑制して殺菌対象物を殺菌するようになっている。

しかしながら、特許文献1〜2に示される殺菌装置においては、より高い殺菌効果を得るために紫外線の照射量(照射度×照射時間)を増やすと、人体の健康被害環境破壊等の悪影響が懸念されることから、照射量は比較的に抑えられている。そのため、目的とする殺菌効果が十分に得られ難い可能性があった。

上述の問題に鑑み、例えば、特許文献3(特開2003−52795号公報)の図12には、紫外線照射手段としての紫外線ランプが設けられていることに加え、遠赤外線を床面に照射することで床面を加熱殺菌する赤外線照射手段としてのヒータが設けられた殺菌装置が提案されている。このような殺菌装置によれば、人体の健康被害や環境破壊などの悪影響を回避する観点から紫外線の照射量を可及的に抑えつつ、紫外線の照射による殺菌効果と赤外線の照射による加熱殺菌効果とが相俟って、殺菌効果が有効に発揮される。

概要

紫外線照射や赤外線照射による殺菌対象物の耐久性の低下を抑えつつ、比較的に簡単な取扱いで、優れた殺菌効果が発揮される新規な構造の殺菌装置を提供する。殺菌対象物16に赤外線を照射する赤外線照射手段30と、殺菌対象物16に紫外線を照射する紫外線照射手段36と、オゾンを発生させて脱臭するオゾン発生手段38と、赤外線照射手段30や紫外線照射手段36、オゾン発生手段38を殺菌対象物16に沿って移動させる移動手段20とを備えた殺菌装置10において、オゾン発生手段38が、異臭を抑えるために発生させるオゾンの一部を移動手段20に向かって吐出させることによって、移動手段20に殺菌処理を施す。

目的

この殺菌装置では、使用者が把持部に手を添えて装置本体を殺菌対象物の目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

殺菌対象物赤外線照射して該殺菌対象物に殺菌処理を施す赤外線照射手段と、前記殺菌対象物に紫外線を照射して該殺菌対象物に殺菌処理を施す紫外線照射手段と、オゾンを発生させて、前記赤外線照射手段と前記紫外線照射手段との少なくとも一方の前記殺菌処理に伴い生じる異臭成分に対して該オゾンを晒すことにより異臭を抑えるオゾン発生手段と、前記殺菌対象物に載置されて、前記赤外線照射手段や前記紫外線照射手段、前記オゾン発生手段を前記殺菌対象物に沿って移動させる移動手段とを備えており、前記オゾン発生手段は、前記異臭を抑えるために発生させる前記オゾンの一部を前記移動手段に向かって吐出させることによって、該移動手段に殺菌処理を施すことを特徴とする殺菌装置

請求項2

前記殺菌対象物において前記赤外線照射手段によって前記赤外線が照射された部分の照射部温度を検出する温度検出手段と、前記照射部温度が前記殺菌対象物の耐熱性に応じて予め設定された許容温度範囲を超える場合に、前記赤外線照射手段の出力を制御する赤外線制御手段と、を備えた請求項1に記載の殺菌装置。

請求項3

前記赤外線照射手段による前記赤外線の照射によって前記殺菌対象物を殺菌処理するための加熱設定温度は、該殺菌対象物の前記許容温度範囲よりも低く設定されており、前記照射部温度が前記加熱設定温度未満の場合に、前記移動手段の移動量を制限する一方、該照射部温度が該加熱設定温度以上若しくは前記許容温度範囲以上の場合に、該移動手段の該移動量の制限を解除する移動制御手段を備えた請求項1又は2に記載の殺菌装置。

請求項4

前記殺菌対象物に向かって開口する第一凹所と第二凹所とが相互に独立して形成されて前記移動手段の移動方向に沿って直列的に配置され、該第一凹所と該第二凹所との何れか一方に前記赤外線照射手段が収容されていると共に、該第一凹所と該第二凹所との他方に前記紫外線照射手段が収容されており、更にこれら第一凹所と第二凹所との少なくとも一つには、前記赤外線または前記紫外線が該殺菌対象物に対して直接に照射されないものを反射して該殺菌対象物に照射する反射傘が設けられている請求項1乃至3の何れか一項に記載の殺菌装置。

請求項5

前記オゾン発生手段には、前記殺菌対象物において前記紫外線照射手段による前記紫外線の照射部位またはその近傍に前記オゾンを吐出する紫外線用オゾン吐出管路と、前記移動手段に該オゾンを吐出する移動用オゾン吐出管路とが設けられており、これら紫外線用オゾン吐出管路と移動用オゾン吐出管路の何れか一方が他方から分岐している請求項1乃至4の何れか一項に記載の殺菌装置。

請求項6

前記赤外線照射手段や前記紫外線照射手段、前記オゾン発生手段、前記移動手段が一体的に設けられた装置本体を備え、該装置本体には、使用者が手を添えて該移動手段の移動が許容される方向に該装置本体に力を加えることで該装置本体を移動させることが可能な操作手段が設けられており、更に、該赤外線照射手段や該紫外線照射手段、該オゾン発生手段、該移動手段の少なくとも一つを自動で運転および停止させる運転指令部が設けられている請求項1乃至5の何れか一項に記載の殺菌装置。

請求項7

前記赤外線照射手段や前記紫外線照射手段、前記オゾン発生手段、前記移動手段の少なくとも一つに電力を供給する電源コードが前記操作手段に沿わせて配設されていると共に、前記装置本体と前記操作手段が相対的に回動する回動機構を備えており、更に該操作手段が該回動機構によって該装置本体に対して回動する際に、該操作手段の回動力を該電源コードに伝えないことで該操作手段の回動に伴う該電源コードのねじれを防止するねじれ防止機構が設けられている請求項6に記載の殺菌装置。

請求項8

前記操作手段が前記装置本体に対して着脱可能とされ、該操作手段を該装置本体から取り外して、前記運転指令部によって前記移動手段に運転指令を与えると、該装置本体が自動で移動する自走機構を備えている請求項6に記載の殺菌装置。

請求項9

前記赤外線照射手段や前記紫外線照射手段、前記オゾン発生手段の少なくとも一つは、前記装置本体に対して着脱可能とされて、該装置本体から取り外された際に、独立して運転可能とされている請求項6乃至8の何れか一項に記載の殺菌装置。

請求項10

前記赤外線照射手段によって照射される前記赤外線は近赤外線であると共に、前記紫外線照射手段によって照射される前記紫外線は深紫外線であって、該深紫外線の波長が280nm程度とされる請求項1乃至9の何れか一項に記載の殺菌装置。

請求項11

殺菌対象物に紫外線を照射して該殺菌対象物に殺菌処理を施す紫外線照射手段と、オゾンを発生させて、前記紫外線照射手段の前記殺菌処理に伴い生じる異臭成分に対して該オゾンを晒すことにより異臭を抑えるオゾン発生手段と、前記殺菌対象物に載置されて、前記紫外線照射手段や前記オゾン発生手段を前記殺菌対象物に沿って移動させる移動手段とを備えており、前記オゾン発生手段は、前記異臭を抑えるために発生させる前記オゾンの一部を前記移動手段に向かって吐出させることによって、該移動手段に殺菌処理を施すことを特徴とする殺菌装置。

請求項12

殺菌対象物を加熱して該殺菌対象物に殺菌処理を施す加熱手段と、前記殺菌対象物に紫外線を照射して該殺菌対象物に殺菌処理を施す紫外線照射手段と、オゾンを発生させて、前記加熱手段と前記紫外線照射手段との少なくとも一方の前記殺菌処理に伴い生じる異臭成分に対して該オゾンを晒すことにより異臭を抑えるオゾン発生手段と、前記殺菌対象物に載置されて、前記加熱手段や前記紫外線照射手段、前記オゾン発生手段を前記殺菌対象物に沿って移動させる移動手段とを備えており、前記オゾン発生手段は、前記異臭を抑えるために発生させる前記オゾンの一部を前記移動手段に向かって吐出させることによって、該移動手段に殺菌処理を施すことを特徴とする殺菌装置。

請求項13

前記紫外線照射手段によって前記紫外線を照射する際に、該紫外線が前記殺菌対象物に対して直接に照射されないものを反射して該殺菌対象物に照射する反射部材が設けられている請求項11又は12に記載の殺菌装置。

請求項14

前記オゾン発生手段には、前記殺菌対象物において前記紫外線照射手段による前記紫外線の照射部位またはその近傍に前記オゾンを吐出する紫外線用オゾン吐出管路と、前記移動手段に該オゾンを吐出する移動用オゾン吐出管路とが設けられており、これら紫外線用オゾン吐出管路と移動用オゾン吐出管路の何れか一方が他方から分岐している請求項11乃至13の何れか一項に記載の殺菌装置。

請求項15

前記紫外線照射手段によって照射される前記紫外線は深紫外線であって、該深紫外線の波長が280nm程度とされる請求項11乃至14の何れか一項に記載の殺菌装置。

請求項16

殺菌対象物に赤外線を照射して該殺菌対象物に殺菌処理を施す赤外線照射手段と、オゾンを発生させて、前記赤外線照射手段の前記殺菌処理に伴い生じる異臭成分に対して該オゾンを晒すことにより異臭を抑えるオゾン発生手段と、前記殺菌対象物に載置されて、前記赤外線照射手段や前記オゾン発生手段を前記殺菌対象物に沿って移動させる移動手段とを備えており、前記オゾン発生手段は、前記異臭を抑えるために発生させる前記オゾンの一部を前記移動手段に向かって吐出させることによって、該移動手段に殺菌処理を施すことを特徴とする殺菌装置。

請求項17

前記赤外線照射手段によって前記赤外線を照射する際に、該赤外線が前記殺菌対象物に対して直接に照射されないものを反射して該殺菌対象物に照射する反射部材が設けられている請求項16に記載の殺菌装置。

請求項18

前記オゾン発生手段には、前記殺菌対象物において前記赤外線照射手段による前記赤外線の照射部位またはその近傍に前記オゾンを吐出する赤外線用オゾン吐出管路と、前記移動手段に該オゾンを吐出する移動用オゾン吐出管路とが設けられており、これら赤外線用オゾン吐出管路と移動用オゾン吐出管路の何れか一方が他方から分岐している請求項16又は17に記載の殺菌装置。

請求項19

前記赤外線照射手段によって照射される前記赤外線は近赤外線である請求項16乃至18の何れか一項に記載の殺菌装置。

請求項20

前記殺菌対象物において前記赤外線照射手段によって前記赤外線が照射された部分の照射部温度又は該殺菌対象物において前記加熱手段によって加熱された部分の加熱部温度を検出する温度検出手段と、前記照射部温度又は前記加熱部温度が前記殺菌対象物の耐熱性に応じて予め設定された許容温度範囲を超える場合に、前記赤外線照射手段の出力又は前記加熱手段の出力を制御する出力制御手段と、を備えた請求項11乃至19の何れか一項に記載の殺菌装置。

請求項21

前記赤外線照射手段による前記赤外線の照射又は前記加熱手段による加熱によって前記殺菌対象物を殺菌処理するための加熱設定温度は、該殺菌対象物の前記許容温度範囲よりも低く設定されており、前記照射部温度又は前記加熱部温度が前記加熱設定温度未満の場合に、前記移動手段の移動量を制限する一方、該照射部温度又は該加熱部温度が該加熱設定温度以上若しくは前記許容温度範囲以上の場合に、該移動手段の該移動量の制限を解除する移動制御手段を備えた請求項11乃至20の何れか一項に記載の殺菌装置。

請求項22

前記赤外線照射手段や前記紫外線照射手段、前記加熱手段、前記オゾン発生手段のうちの少なくとも一つと、前記移動手段とが一体的に設けられた装置本体を備え、該装置本体には、使用者が手を添えて該移動手段の移動が許容される方向に該装置本体に力を加えることで該装置本体を移動させることが可能な操作手段が設けられており、更に、該赤外線照射手段や該紫外線照射手段、前記加熱手段、該オゾン発生手段、該移動手段の少なくとも一つを自動で運転および停止させる運転指令部が設けられている請求項11乃至21の何れか一項に記載の殺菌装置。

請求項23

前記赤外線照射手段や前記紫外線照射手段、前記加熱手段、前記オゾン発生手段、前記移動手段の少なくとも一つに電力を供給する電源コードが前記操作手段に沿わせて配設されていると共に、前記装置本体と前記操作手段が相対的に回動する回動機構を備えており、更に該操作手段が該回動機構によって該装置本体に対して回動する際に、該操作手段の回動力を該電源コードに伝えないことで該操作手段の回動に伴う該電源コードのねじれを防止するねじれ防止機構が設けられている請求項22に記載の殺菌装置。

請求項24

前記操作手段が前記装置本体に対して着脱可能とされ、該操作手段を該装置本体から取り外して、前記運転指令部によって前記移動手段に運転指令を与えると、該装置本体が自動で移動する自走機構を備えている請求項22に記載の殺菌装置。

請求項25

前記赤外線照射手段や前記紫外線照射手段、前記加熱手段、前記オゾン発生手段の少なくとも一つは、前記装置本体に対して着脱可能とされて、該装置本体から取り外された際に、独立して運転可能とされている請求項22乃至24の何れか一項に記載の殺菌装置。

請求項26

前記赤外線照射手段や前記紫外線照射手段、前記加熱手段、前記オゾン発生手段、前記移動手段のうちの少なくとも一つの要求される出力に応じて、一定の周期のもとで該出力のパルス幅を変えることによって該出力を制御するPWM制御手段を備える請求項1乃至25の何れか一項に記載の殺菌装置。

請求項27

前記赤外線照射手段や前記紫外線照射手段、前記加熱手段、前記オゾン発生手段、前記移動手段のうちの少なくとも一つの要求される出力に応じて、パルスにおける一定のオン時間またはオフ時間のもとで該出力の周期を変えることによって該出力を制御するPFM制御手段を備える請求項1乃至26の何れか一項に記載の殺菌装置。

請求項28

前記赤外線照射手段や前記紫外線照射手段、前記加熱手段、前記オゾン発生手段、前記移動手段のうちの少なくとも一つの要求される出力が定常時には前記PWM制御手段を選択する一方、該出力が軽負荷時には前記PFM制御手段を選択するPWM/PFM切替え制御手段を備える請求項26又は27に記載の殺菌装置。

技術分野

0001

本発明は、赤外線紫外線等を殺菌対象物照射して、殺菌対象物にある細菌を消滅乃至は抑制する殺菌装置に関する。

背景技術

0002

病院臨床研究所などの医療関連施設、或いはクリーンルームを含む半導体工場製薬工場食品工場などの各種建物においては、高い清浄度が要求されることがある。そのような要求に応えるには、単に床面にある塵埃液体汚れ掃除機洗浄機などを用いて取り除くだけでは足らず、床面や壁面、作業台、その他殺菌が必要な殺菌対象物に付着している細菌を除く必要がある。この細菌を消滅乃至は抑制する手段の一つとして、殺菌装置を用いることが知られている。

0003

殺菌装置は、例えば、特許文献1(特開平8−280779号公報)や特許文献2(特開2009−50582号公報)の図4に示されるように、床面などの殺菌対象物に載置される装置本体に対して、紫外線照射手段としての殺菌灯使用者把持する把持部が設けられた構造とされている。この殺菌装置では、使用者が把持部に手を添えて装置本体を殺菌対象物の目的とする殺菌箇所に移動させつつ、殺菌灯をオンして紫外線を殺菌対象物に付着した細菌に照射することによって、紫外線による細菌の細胞活動の停止乃至は減少作用に基づき、細菌を消滅乃至は抑制して殺菌対象物を殺菌するようになっている。

0004

しかしながら、特許文献1〜2に示される殺菌装置においては、より高い殺菌効果を得るために紫外線の照射量(照射度×照射時間)を増やすと、人体の健康被害環境破壊等の悪影響が懸念されることから、照射量は比較的に抑えられている。そのため、目的とする殺菌効果が十分に得られ難い可能性があった。

0005

上述の問題に鑑み、例えば、特許文献3(特開2003−52795号公報)の図12には、紫外線照射手段としての紫外線ランプが設けられていることに加え、遠赤外線を床面に照射することで床面を加熱殺菌する赤外線照射手段としてのヒータが設けられた殺菌装置が提案されている。このような殺菌装置によれば、人体の健康被害や環境破壊などの悪影響を回避する観点から紫外線の照射量を可及的に抑えつつ、紫外線の照射による殺菌効果と赤外線の照射による加熱殺菌効果とが相俟って、殺菌効果が有効に発揮される。

先行技術

0006

特開平8−280779号公報特開2009−50582号公報特開2003−52795号公報

発明が解決しようとする課題

0007

ところが、特許文献3に記載の殺菌装置においては、紫外線や赤外線を殺菌対象物に所定の時間以上、照射すると、殺菌対象物の材質によっては殺菌対象物の一部が溶けたり焦げたりするなど、殺菌対象物の耐久性能が低下する可能性があった。

0008

この殺菌対象物の耐久性を低下させないための一つの方策として、例えば、殺菌装置の装置本体を殺菌対象物上でこまめに移動させることによって、紫外線や赤外線を殺菌対象物に過度に照射しないことが考えられる。

0009

しかし、殺菌装置の装置本体を殺菌対象物上で移動させる時機や速度がはやいと、殺菌効果が十分に発揮されないばかりか、かえって殺菌対象物上の細菌を装置本体で塗り広げてしまう可能性があった。それ故、装置本体を移動させる扱い方が難しいという問題があった。

0010

ちなみに、紫外線や赤外線の過度な照射により殺菌対象物の耐久性を低下させないための別の方策として、例えば、装置本体が移動しているか否かを検知する加速度センサや紫外線照射手段や赤外線照射手段の出力を制御するコントロールユニットなどの制御手段を設けて、紫外線および赤外線照射手段をオンした状態で、加速度センサが装置本体が殺菌対象物上で一定時間動いていないことを検知すると、制御手段が紫外線および赤外線照射手段の出力をオフしたり低下させたりする構造が提案される。

0011

しかしながら、上述の構造の殺菌装置によれば、紫外線照射手段や赤外線照射手段が制御手段によるオンオフ制御で発停を頻繁に繰り返すことによって、紫外線および赤外線照射手段の耐久性が低下したり、制御手段による紫外線および赤外線照射手段の出力調整が複雑になると、目的とする殺菌効果が安定して得られ難かったりする問題を内在していたのである。

0012

本発明は、上述の如き事情背景として為されたものであって、その目的とするところは、紫外線照射や赤外線照射による殺菌対象物の耐久性の低下を抑えつつ、比較的に簡単な取扱いで、優れた殺菌効果が発揮される新規な構造の殺菌装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0013

上述の課題を解決するために為された本発明に関する請求項1に記載の殺菌装置においては、(イ)殺菌対象物に赤外線を照射して該殺菌対象物に殺菌処理を施す赤外線照射手段と、(ロ)前記殺菌対象物に紫外線を照射して該殺菌対象物に殺菌処理を施す紫外線照射手段と、(ハ)オゾンを発生させて、前記赤外線照射手段と前記紫外線照射手段との少なくとも一方の前記殺菌処理に伴い生じる異臭成分に対して該オゾンを晒すことにより異臭を抑えるオゾン発生手段と、(ニ)前記殺菌対象物に載置されて、前記赤外線照射手段や前記紫外線照射手段、前記オゾン発生手段を前記殺菌対象物に沿って移動させる移動手段とを備えており、前記オゾン発生手段は、前記異臭を抑えるために発生させる前記オゾンの一部を前記移動手段に向かって吐出させることによって、該移動手段に殺菌処理を施すことを特徴とする。

0014

本発明の殺菌装置では、赤外線照射手段や紫外線照射手段が、移動手段によって殺菌対象物に沿って移動されることから、赤外線や紫外線の目的とする照射量を殺菌対象物に確実に及ぼすことができ、安定した殺菌効果が得られる。

0015

しかも、本発明では、赤外線と紫外線との少なくとも一方の照射による殺菌処理に伴い生じる異臭が、オゾン発生手段によるオゾンの吐出で抑制されることから、快適な環境下で殺菌処理を施すことができる。

0016

そこにおいて、特に本発明では、オゾンが移動手段に吐出されて殺菌処理を施すことにより、殺菌対象物上で移動手段の移動に伴う細菌の拡散が抑えられる。従って、移動手段の速度や方向等に特別に配慮せずとも細菌の拡散が抑制されることから、赤外線照射手段や紫外線照射手段、オゾン発生手段を殺菌対象物の所望の箇所に容易に移動させることができ、簡単な取扱いで優れた殺菌効果が発揮され得る。しかも、移動手段による細菌拡散が抑制されることに基づき、赤外線や紫外線の殺菌対象物への照射によりその耐久性に深刻な被害を及ぼさない程度に移動手段をすばやく移動させることもできるのであり、それによって、殺菌対象物の耐久性が確保され得る。加えて、そのオゾンの吐出源には異臭を抑えるオゾン発生手段が利用されることから、部品点数が削減されて、製品低コスト化コンパクト化が有利に達成される。

0017

なお、本発明において、殺菌対象物とは、病院や臨床研究所などの医療関連施設、或いはクリーンルームを含む半導体工場や製薬工場、食品工場などの各種建物における床面や壁面、作業台、その他、本発明の殺菌装置を使って殺菌可能なすべての構造物を含む。また、赤外線照射手段における赤外線とは、近赤外線中赤外線、遠赤外線その他すべての赤外線を含む。更に、紫外線照射手段における紫外線とは、深紫外線(一般に波長100〜280nmのUV−C)や波長315〜400nmのUV−A、280〜315nmのUV−B、その他すべての紫外線を含む。更にまた、移動手段とは、具体的に例えば、ホイール車輪)やモップブラシ、スポンジ、空気浮揚艇などの足回りにも採用される空気を充填して膨らむスカートの他、殺菌装置と殺対象物との間の接触抵抗を減らして、殺菌装置を殺菌対象物上で容易に移動させることが可能なすべての構造物を含む。

0018

また、本発明の殺菌装置においては、例えば請求項2に記載されているように、前記殺菌対象物において前記赤外線照射手段によって前記赤外線が照射された部分の照射部温度を検出する温度検出手段と、前記照射部温度が前記殺菌対象物の耐熱性に応じて予め設定された許容温度範囲を超える場合に、前記赤外線照射手段の出力を制御する赤外線制御手段と、を備えた構造が採用されても良い。

0019

このような殺菌装置では、殺菌対象物への赤外線の過度な照射に起因する高温障害が防止され、殺菌対象物の長寿命化が図られることに加え、赤外線の殺菌対象物への照射量が過度に少なくなることが防止されて、安定した殺菌効果が得られる。

0020

また、本発明の殺菌装置においては、例えば請求項3に記載されているように、前記赤外線照射手段による前記赤外線の照射によって前記殺菌対象物を殺菌処理するための加熱設定温度は、該殺菌対象物の前記許容温度範囲よりも低く設定されており、前記照射部温度が前記加熱設定温度未満の場合に、前記移動手段の移動量を制限する一方、該照射部温度が該加熱設定温度以上若しくは前記許容温度範囲以上の場合に、該移動手段の該移動量の制限を解除する移動制御手段を備えた構造が採用されても良い。

0021

このような殺菌装置では、照射部温度が加熱設定温度未満の場合に、移動制御手段により移動手段の移動量が制限されることによって、移動手段の頻繁な移動に伴い赤外線の殺菌対象物への照射量が過度に少なくなることが防止されて、安定した殺菌効果が得られる。また、照射部温度が加熱設定温度以上若しくは許容温度範囲以上の場合に、移動制限手段により移動手段の移動量の制限が解除されることによって、移動手段が殺菌対象物の所定の箇所で長く留まることによる殺菌対象物への赤外線の過度な照射に起因する高温障害が防止され、殺菌対象物の長寿命化が図られる。

0022

また、本発明の殺菌装置においては、例えば請求項4に記載されているように、前記殺菌対象物に向かって開口する第一凹所と第二凹所とが相互に独立して形成されて前記移動手段の移動方向に沿って直列的に配置され、該第一凹所と該第二凹所との何れか一方に前記赤外線照射手段が収容されていると共に、該第一凹所と該第二凹所との他方に前記紫外線照射手段が収容されており、更にこれら第一凹所と第二凹所との少なくとも一つには、前記赤外線または前記紫外線が該殺菌対象物に対して直接に照射されないものを反射して該殺菌対象物に照射する反射傘が設けられている構造が採用されても良い。

0023

このような殺菌装置では、第一凹所と第二凹所とが移動手段の移動方向に沿って直列配置されていることによって、赤外線照射と紫外線照射の何れか一方による殺菌処理を殺菌対象物に施した後に、赤外線照射手段および紫外線照射手段の移動によって、殺菌対象物において一方の殺菌処理を施した同一の箇所に赤外線照射と紫外線照射の他方の殺菌処理を施すことが可能となる。その結果、赤外線照射による殺菌効果と紫外線照射による殺菌効果が、それぞれ安定して発揮される。しかも、第一凹所と第二凹所の少なくとも一方に反射傘が設けられていることによって、赤外線と紫外線の少なくとも一方を殺菌対象物に効率的に照射することが可能となり、殺菌効果の更なる向上が図られる。加えて、赤外線照射領域紫外線照射領域に対して独立していることから、温度検出手段による殺菌対象物への赤外線の照射部温度を精度良く検知することができて、殺菌対象物の高温障害の更なる防止が図られる。

0024

また、本発明の殺菌装置においては、例えば請求項5に記載されているように、前記オゾン発生手段には、前記殺菌対象物において前記紫外線照射手段による前記紫外線の照射部位またはその近傍に前記オゾンを吐出する紫外線用オゾン吐出管路と、前記移動手段に該オゾンを吐出する移動用オゾン吐出管路とが設けられており、これら紫外線用オゾン吐出管路と移動用オゾン吐出管路の何れか一方が他方から分岐している構造が採用されても良い。

0025

このような殺菌装置では、オゾンを紫外線照射手段またはその近傍と移動手段にそれぞれ確実に供給することができ、優れた異臭抑制効果と殺菌効果が発揮される。特に、紫外線用オゾン吐出管路と移動用オゾン吐出管路の何れか一方が他方から分岐していることによって、部品点数の削減に基づく低コスト化やコンパクト化が有利に実現される。

0026

また、本発明の殺菌装置においては、例えば請求項6に記載されているように、前記赤外線照射手段や前記紫外線照射手段、前記オゾン発生手段、前記移動手段が一体的に設けられた装置本体を備え、該装置本体には、使用者が手を添えて該移動手段の移動が許容される方向に該装置本体に力を加えることで該装置本体を移動させることが可能な操作手段が設けられており、更に、該赤外線照射手段や該紫外線照射手段、該オゾン発生手段、該移動手段の少なくとも一つを自動で運転および停止させる運転指令部が設けられている構造が採用されても良い。

0027

このような殺菌装置では、操作手段や運転指令部が設けられていることによって、使用者の手で赤外線照射手段や紫外線照射手段、オゾン発生手段などを殺菌対象物の任意の箇所に移動させて、殺菌処理を容易に施すことができる。

0028

また、本発明の殺菌装置においては、例えば請求項7に記載されているように、前記赤外線照射手段や前記紫外線照射手段、前記オゾン発生手段、前記移動手段の少なくとも一つに電力を供給する電源コードが前記操作手段に沿わせて配設されていると共に、前記装置本体と前記操作手段が相対的に回動する回動機構を備えており、更に該操作手段が該回動機構によって該装置本体に対して回動する際に、該操作手段の回動力を該電源コードに伝えないことで該操作手段の回動に伴う該電源コードのねじれを防止するねじれ防止機構が設けられている構造が採用されても良い。

0029

このような殺菌装置では、装置本体と操作手段が相対的に回動することで、装置本体の操作手段に対する、いわゆる首振りが可能となり、装置本体を殺菌対象物の任意の場所に一層容易に移動させることができる。加えて、本発明では、電源コードのねじれ防止機構が設けられていることによって、電源コードのねじれにより装置本体の移動が制限されることが防止され、装置本体の殺菌対象物に対する移動容易性の更なる向上が図られる。

0030

また、本発明の殺菌装置においては、例えば請求項8に記載されているように、前記操作手段が前記装置本体に対して着脱可能とされ、該操作手段を該装置本体から取り外して、前記運転指令部によって前記移動手段に運転指令を与えると、該装置本体が自動で移動する自走機構を備えている構造が採用されても良い。

0031

このような殺菌装置では、装置本体が自走機構によって自動で移動することから、使用者の手間が省かれて、殺菌処理の更なる容易化が図られる。

0032

また、本発明の殺菌装置においては、例えば請求項9に記載されているように、前記赤外線照射手段や前記紫外線照射手段、前記オゾン発生手段の少なくとも一つは、前記装置本体に対して着脱可能とされて、該装置本体から取り外された際に、独立して運転可能とされている構造が採用されても良い。

0033

このような殺菌装置では、殺菌処理の要求される効果や用途、或いは殺菌対象物の形状や周囲環境などに応じて、赤外線照射手段や紫外線照射手段、オゾン発生手段の少なくとも一つを装置本体から取り外して運転することが可能となり、それによって、目的とする殺菌処理をより確実に施すことができる。

0034

また、本発明の殺菌装置においては、例えば請求項10に記載されているように、前記赤外線照射手段によって照射される前記赤外線は近赤外線であると共に、前記紫外線照射手段によって照射される前記紫外線は深紫外線であって、該深紫外線の波長が280nm程度とされる構造が採用されても良い。

0035

本願出願人は、赤外線や紫外線を用いた殺菌効果について鋭意検討した結果、近赤外線と深紫外線を組み合わせることによって優れた殺菌効果を安全に得られることを知見した。即ち、近赤外線(0.7〜2.5μm)は、中赤外線(2.5〜4μm)や遠赤外線(4〜1000μm)などの他の赤外線に比べて、波長が短くて単位面積当たり光エネルギが大きいことから、比較的に速やかに殺菌効果が発揮される。また、深紫外線の波長帯は、一般に100〜280nmであり、特に高い殺菌効果を有するとされる260〜270nm付近の波長を含むことから、優れた殺菌効果が発揮される反面、人体に有害な物質となることも懸念される。

0036

そこにおいて、本発明では、深紫外線の波長が280nm程度とされており、可視光線の波長帯になるべく近いことから、有害物質の発生が抑えられて安全性が高められる。しかも、深紫外線による殺菌効果が多少落ちたとしても、近赤外線による殺菌効果によって有利に補填され、結果として、優れた殺菌効果が得られる。

0037

また、上述の課題を解決するために為された本発明に関する請求項11に記載の殺菌装置においては、(ロ)殺菌対象物に紫外線を照射して該殺菌対象物に殺菌処理を施す紫外線照射手段と、(ハ)オゾンを発生させて、前記紫外線照射手段の前記殺菌処理に伴い生じる異臭成分に対して該オゾンを晒すことにより異臭を抑えるオゾン発生手段と、(ニ)前記殺菌対象物に載置されて、前記紫外線照射手段や前記オゾン発生手段を前記殺菌対象物に沿って移動させる移動手段とを備えており、前記オゾン発生手段は、前記異臭を抑えるために発生させる前記オゾンの一部を前記移動手段に向かって吐出させることによって、該移動手段に殺菌処理を施すことを特徴とする。

0038

本願出願人は、殺菌装置を構成する手段について更なる検討を加えた結果、紫外線照射手段による殺菌能力もしくは要求される殺菌効果によっては、赤外線照射手段を必ずしも備える必要がないことを知見した。それ故、本発明の殺菌装置では、赤外線の照射に起因する高温障害がないことで、殺菌対象物の耐久性が確保されると共に、使用安全性が向上され得る。しかも、本発明の殺菌装置においては、赤外線照射手段を備えた殺菌装置に比べて、赤外線照射手段がない分だけ部品点数が削減されて、製品および稼働エネルギーの低コスト化や軽量化、コンパクト化が達成される。一方、赤外線照射手段の空いたスペースを利用して紫外線照射手段やオゾン発生手段、移動手段を増設することも可能であり、それによって、紫外線やオゾンによる殺菌効果や移動自由度の更なる向上が図られる。

0039

さらに、上述の課題を解決するために為された本発明に関する請求項12に記載の殺菌装置においては、(イ´)殺菌対象物を加熱して該殺菌対象物に殺菌処理を施す加熱手段と、(ロ)前記殺菌対象物に紫外線を照射して該殺菌対象物に殺菌処理を施す紫外線照射手段と、(ハ)オゾンを発生させて、前記加熱手段と前記紫外線照射手段との少なくとも一方の前記殺菌処理に伴い生じる異臭成分に対して該オゾンを晒すことにより異臭を抑えるオゾン発生手段と、(ニ)前記殺菌対象物に載置されて、前記加熱手段や前記紫外線照射手段、前記オゾン発生手段を前記殺菌対象物に沿って移動させる移動手段とを備えており、前記オゾン発生手段は、前記異臭を抑えるために発生させる前記オゾンの一部を前記移動手段に向かって吐出させることによって、該移動手段に殺菌処理を施すことを特徴とする。

0040

つまり、本発明の殺菌装置では、殺菌対象物を加熱して殺菌処理を施す手段として赤外線照射手段の代わりに加熱手段を用いている。この加熱手段には、具体的に例えば、所定の温度に熱した液体高温の水を含む)や気体蒸気を含む)、レーザーLEDなどの光エネルギー、その他化学反応により自身が発熱する各種の化学物質などが採用される。これにより、赤外線の照射が好ましくない環境下などで殺菌効果が有利に発揮され得る。

0041

また、本発明の殺菌装置においては、例えば請求項13に記載されているように、前記紫外線照射手段によって前記紫外線を照射する際に、該紫外線が前記殺菌対象物に対して直接に照射されないものを反射して該殺菌対象物に照射する反射部材が設けられている構造が採用されても良い。

0042

このような殺菌装置では、紫外線の反射部材が設けられていることによって、紫外線を殺菌対象物に効率的に照射することが可能となり、殺菌効果の更なる向上が図られる。なお、反射部材には、例えば鏡面加工が施された金属材料など、紫外線を反射する各種材料が適宜に採用される。

0043

また、本発明の殺菌装置においては、例えば請求項14に記載されているように、前記オゾン発生手段には、前記殺菌対象物において前記紫外線照射手段による前記紫外線の照射部位またはその近傍に前記オゾンを吐出する紫外線用オゾン吐出管路と、前記移動手段に該オゾンを吐出する移動用オゾン吐出管路とが設けられており、これら紫外線用オゾン吐出管路と移動用オゾン吐出管路の何れか一方が他方から分岐している構造が採用されても良い。

0044

このような殺菌装置では、オゾンを紫外線照射手段またはその近傍と移動手段にそれぞれ確実に供給することができ、優れた異臭抑制効果と殺菌効果が発揮される。特に、紫外線用オゾン吐出管路と移動用オゾン吐出管路の何れか一方が他方から分岐していることによって、部品点数の削減に基づく低コスト化やコンパクト化が有利に実現される。

0045

また、本発明の殺菌装置においては、例えば請求項15に記載されているように、前記紫外線照射手段によって照射される前記紫外線は深紫外線であって、該深紫外線の波長が280nm程度とされる構造が採用されても良い。

0046

このような殺菌装置では、深紫外線の波長が280nm程度とされており、可視光線の波長帯になるべく近いことから、有害物質の発生が抑えられて安全性を高めつつ、目的とする殺菌効果が得られる。

0047

更にまた、上述の課題を解決するために為された本発明に関する請求項16に記載の殺菌装置においては、(イ)殺菌対象物に赤外線を照射して該殺菌対象物に殺菌処理を施す赤外線照射手段と、(ハ)オゾンを発生させて、前記赤外線照射手段の前記殺菌処理に伴い生じる異臭成分に対して該オゾンを晒すことにより異臭を抑えるオゾン発生手段と、(ニ)前記殺菌対象物に載置されて、前記赤外線照射手段や前記オゾン発生手段を前記殺菌対象物に沿って移動させる移動手段とを備えており、前記オゾン発生手段は、前記異臭を抑えるために発生させる前記オゾンの一部を前記移動手段に向かって吐出させることによって、該移動手段に殺菌処理を施すことを特徴とする。

0048

本願出願人は、殺菌装置を構成する手段について更なる検討を加えた結果、赤外線照射手段による殺菌能力もしくは要求される殺菌効果によっては、紫外線照射手段を必ずしも備える必要がないことを知見した。それ故、本発明の殺菌装置では、紫外線の照射に起因する人体の健康被害や環境破壊などの悪影響が回避されつつ、目的とする殺菌効果が得られる。しかも、本発明の殺菌装置においては、紫外線照射手段を備えた殺菌装置に比べて、紫外線照射手段がない分だけ部品点数が削減されて、製品の低コスト化や軽量化、コンパクト化が達成される。一方、紫外線照射手段の空いたスペースを利用して赤外線照射手段やオゾン発生手段、移動手段を増設することも可能であり、それによって、赤外線やオゾンによる殺菌効果や移動自由度の更なる向上が図られる。

0049

また、本発明の殺菌装置においては、例えば請求項17に記載されているように、前記赤外線照射手段によって前記赤外線を照射する際に、該赤外線が前記殺菌対象物に対して直接に照射されないものを反射して該殺菌対象物に照射する反射部材が設けられている構造が採用されても良い。

0050

このような殺菌装置では、赤外線を殺菌対象物に効率的に照射することが可能となり、殺菌効果の更なる向上が図られる。なお、反射部材には、例えば鏡面加工が施された金属材料など、赤外線を反射する各種材料が適宜に採用される。

0051

また、本発明の殺菌装置においては、例えば請求項18に記載されているように、前記オゾン発生手段には、前記殺菌対象物において前記赤外線照射手段による前記赤外線の照射部位またはその近傍に前記オゾンを吐出する赤外線用オゾン吐出管路と、前記移動手段に該オゾンを吐出する移動用オゾン吐出管路とが設けられており、これら赤外線用オゾン吐出管路と移動用オゾン吐出管路の何れか一方が他方から分岐している構造が採用されても良い。

0052

このような殺菌装置では、オゾンを赤外線照射手段またはその近傍と移動手段にそれぞれ確実に供給することができ、優れた異臭抑制効果と殺菌効果が発揮される。特に、赤外線用オゾン吐出管路と移動用オゾン吐出管路の何れか一方が他方から分岐していることによって、部品点数の削減に基づく低コスト化やコンパクト化が有利に実現される。

0053

また、本発明の殺菌装置においては、例えば請求項19に記載されているように、前記赤外線照射手段によって照射される前記赤外線は近赤外線である構造が採用されても良い。

0054

このような殺菌装置では、近赤外線(0.7〜2.5μm)を採用することによって、近赤外線は中赤外線(2.5〜4μm)や遠赤外線(4〜1000μm)などの他の赤外線に比べて波長が短くて単位面積当たりの光エネルギが大きいことから、比較的に速やかに殺菌効果が発揮される。

0055

また、本発明の殺菌装置においては、例えば請求項20に記載されているように、前記殺菌対象物において前記赤外線照射手段によって前記赤外線が照射された部分の照射部温度又は該殺菌対象物において前記加熱手段によって加熱された部分の加熱部温度を検出する温度検出手段と、前記照射部温度又は前記加熱部温度が前記殺菌対象物の耐熱性に応じて予め設定された許容温度範囲を超える場合に、前記赤外線照射手段の出力又は前記加熱手段の出力を制御する出力制御手段と、を備えた構造が採用されても良い。

0056

このような殺菌装置では、殺菌対象物への赤外線の過度な照射または加熱手段の過度な加熱に起因する高温障害が防止され、殺菌対象物の長寿命化が図られることに加え、赤外線の殺菌対象物への照射量や加熱手段の殺菌対象物への加熱量が過度に少なくなることが防止されて、安定した殺菌効果が得られる。

0057

また、本発明の殺菌装置においては、例えば請求項21に記載されているように、前記赤外線照射手段による前記赤外線の照射又は前記加熱手段による加熱によって前記殺菌対象物を殺菌処理するための加熱設定温度は、該殺菌対象物の前記許容温度範囲よりも低く設定されており、前記照射部温度又は前記加熱部温度が前記加熱設定温度未満の場合に、前記移動手段の移動量を制限する一方、該照射部温度又は該加熱部温度が該加熱設定温度以上若しくは前記許容温度範囲以上の場合に、該移動手段の該移動量の制限を解除する移動制御手段を備えた構造が採用されても良い。

0058

このような殺菌装置では、照射部温度又は加熱部温度が加熱設定温度未満の場合に、移動制御手段により移動手段の移動量が制限されることによって、移動手段の頻繁な移動に伴い赤外線の殺菌対象物への照射量又は加熱量が過度に少なくなることが防止されて、安定した殺菌効果が得られる。また、照射部温度又は加熱部温度が加熱設定温度以上若しくは許容温度範囲以上の場合に、移動制限手段により移動手段の移動量の制限が解除されることによって、移動手段が殺菌対象物の所定の箇所で長く留まることによる殺菌対象物への赤外線の過度な照射又は過度な加熱に起因する高温障害が防止され、殺菌対象物の長寿命化が図られる。

0059

また、本発明の殺菌装置においては、例えば請求項22に記載されているように、前記赤外線照射手段や前記紫外線照射手段、前記加熱手段、前記オゾン発生手段のうちの少なくとも一つと、前記移動手段とが一体的に設けられた装置本体を備え、該装置本体には、使用者が手を添えて該移動手段の移動が許容される方向に該装置本体に力を加えることで該装置本体を移動させることが可能な操作手段が設けられており、更に、該赤外線照射手段や該紫外線照射手段、前記加熱手段、該オゾン発生手段、該移動手段の少なくとも一つを自動で運転および停止させる運転指令部が設けられている構造が採用されても良い。

0060

このような殺菌装置では、操作手段や運転指令部が設けられていることによって、使用者の手で赤外線照射手段や紫外線照射手段、加熱手段、オゾン発生手段などを殺菌対象物の任意の箇所に移動させて、殺菌処理を容易に施すことができる。

0061

また、本発明の殺菌装置においては、例えば請求項23に記載されているように、前記赤外線照射手段や前記紫外線照射手段、前記加熱手段、前記オゾン発生手段、前記移動手段の少なくとも一つに電力を供給する電源コードが前記操作手段に沿わせて配設されていると共に、前記装置本体と前記操作手段が相対的に回動する回動機構を備えており、更に該操作手段が該回動機構によって該装置本体に対して回動する際に、該操作手段の回動力を該電源コードに伝えないことで該操作手段の回動に伴う該電源コードのねじれを防止するねじれ防止機構が設けられている構造が採用されても良い。

0062

このような殺菌装置では、装置本体と操作手段が相対的に回動することで、装置本体の操作手段に対する、いわゆる首振りが可能となり、装置本体を殺菌対象物の任意の場所に一層容易に移動させることができる。加えて、本発明では、電源コードのねじれ防止機構が設けられていることによって、電源コードのねじれにより装置本体の移動が制限されることが防止され、装置本体の殺菌対象物に対する移動容易性の更なる向上が図られる。

0063

また、本発明の殺菌装置においては、例えば請求項24に記載されているように、前記操作手段が前記装置本体に対して着脱可能とされ、該操作手段を該装置本体から取り外して、前記運転指令部によって前記移動手段に運転指令を与えると、該装置本体が自動で移動する自走機構を備えている構造が採用されても良い。

0064

このような殺菌装置では、装置本体が自走機構によって自動で移動することから、使用者の手間が省かれて、殺菌処理の更なる容易化が図られる。

0065

また、本発明の殺菌装置においては、例えば請求項25に記載されているように、前記赤外線照射手段や前記紫外線照射手段、前記加熱手段、前記オゾン発生手段の少なくとも一つは、前記装置本体に対して着脱可能とされて、該装置本体から取り外された際に、独立して運転可能とされている構造が採用されても良い。

0066

このような殺菌装置では、殺菌処理の要求される効果や用途、或いは殺菌対象物の形状や周囲環境などに応じて、赤外線照射手段や紫外線照射手段、加熱手段、オゾン発生手段の少なくとも一つを装置本体から取り外して運転することが可能となり、それによって、目的とする殺菌処理をより確実に施すことができる。

0067

また、本発明の殺菌装置においては、例えば請求項26に記載されているように、前記赤外線照射手段や前記紫外線照射手段、前記加熱手段、前記オゾン発生手段、前記移動手段のうちの少なくとも一つの要求される出力に応じて、一定の周期のもとで該出力のパルス幅を変えることによって該出力を制御するPWM制御手段を備える構造が採用されても良い。

0068

このような殺菌装置では、一定の周期のもとで出力のパルス幅を変えるPWM制御手段を備えていることから、例えば、PWM制御手段が要求される出力(設定出力)に対して現在の出力が低い場合にパルス幅を大きくする一方、要求される出力に対して現在の出力が高い場合にパルス幅を小さくすることによって、応答性を向上させつつ、リップル成分を低く抑えることができ、ひいては赤外線照射手段や紫外線照射手段、加熱手段、オゾン発生手段、移動手段を構成する各機器の発熱量が抑えられて、放熱部材の削減に基づき低コスト化や軽量化、コンパクト化が図られる。しかも、PWM制御手段では、周期が一定のためノイズ対策フィルタ設計が容易であり、ノイズが抑えられ易い利点がある。

0069

また、本発明の殺菌装置においては、例えば請求項27に記載されているように、前記赤外線照射手段や前記紫外線照射手段、前記加熱手段、前記オゾン発生手段、前記移動手段のうちの少なくとも一つの要求される出力に応じて、パルスにおける一定のオン時間またはオフ時間のもとで該出力の周期を変えることによって該出力を制御するPFM制御手段を備える構造が採用されても良い。

0070

このような殺菌装置では、パルスにおける一定のオン時間またはオフ時間のもとで出力の周期を変えるPFM制御手段を備えていることから、例えば、一定のオン時間のもとで周期を変える(換言すればオフ時間を変える)ことによって、要求される出力が大きくなると、オフ時間を短くしてオン時間を増やす。即ち、重負荷時には周波数が高くなり、軽負荷時には周波数が低くなる。それ故、特に軽負荷時には、周波数が低くなってオンオフスイッチ回数が減るのでスイッチング損失が減少し、高い効率が実現される。

0071

また、本発明の殺菌装置においては、例えば請求項28に記載されているように、前記赤外線照射手段や前記紫外線照射手段、前記加熱手段、前記オゾン発生手段、前記移動手段のうちの少なくとも一つの要求される出力が定常時には前記PWM制御手段を選択する一方、該出力が軽負荷時には前記PFM制御手段を選択するPWM/PFM切替え制御手段を備える構造が採用されても良い。

0072

このような殺菌装置では、ノイズが少なくて軽負荷時の効率低下が抑えられることとなり、殺菌装置の稼働が安定し、優れた殺菌効果が安定して得られる。つまり、軽負荷時にPWM制御手段を採用すると、一定の周期により不要なスイッチ回数が増えて効率が低下することが懸念される。また、PFM制御手段では、要求される出力が比較的に安定している定常時にも周波数が変動することによって、ノイズ対策が難しい問題を内在している。そこにおいて、本発明の殺菌装置では、定常時にPWM制御手段を採用することで要求される出力の応答性を向上させつつノイズが抑えられる一方、特に軽負荷時にPFM制御手段を採用することでスイッチング損失の軽減に基づき効率が向上されることから、上述の問題が解消されて、殺菌装置の稼働が安定するのである。

図面の簡単な説明

0073

本発明の一実施形態としてのフロア殺菌ユニットの装置本体を概略的に示す縦断面図。図1のフロア殺菌ユニットの装置本体を概略的に示す横断面図。図1のフロア殺菌ユニットの一使用状態を示す使用モデル図。図1のフロア殺菌ユニットの一部を構成するコントローラを概略的に示す斜視図。 本発明の別の一実施形態としてのフロア殺菌ユニットの装置本体を概略的に示す縦断面図。図6のフロア殺菌ユニットの装置本体を概略的に示す横断面図。 (a)は図5,6のフロア殺菌ユニットの一稼働制御を示す説明図であり、(b)は同フロア殺菌ユニットの別の一稼働制御を示す説明図であり、(c)は同フロア殺菌ユニットのまた別の一稼働制御を示す説明図。 本発明の別の一実施形態としてのフロア殺菌ユニットの装置本体を概略的に示す縦断面図。図8のフロア殺菌ユニットの装置本体を概略的に示す横断面図。 本発明のまた別の一実施形態としてのフロア殺菌ユニットの装置本体を概略的に示す縦断面図。図10のフロア殺菌ユニットの装置本体を概略的に示す横断面図。

実施例

0074

以下に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本発明の内容を分かりやすく説明するため、本発明と関連性の低い部材および部位などについては、必要に応じて図示や説明を省略する。

0075

図1,2には、本発明の一実施形態としてのフロア殺菌ユニット10が示されている。フロア殺菌ユニット10は、装置本体12や操作手段としての操作ロッド14を含んで構成されている。フロア殺菌ユニット10は、図3にも示されるように、装置本体12が殺菌対象物としての病院などの床面16に載置されて、使用者18が操作ロッド14に手を添えて装置本体12を床面16の目的とする殺菌箇所に移動させて、床面16を殺菌するようになっている。

0076

詳細には、装置本体12は、金属材硬質合成樹脂材などからなる略矩形筐体構造とされている。また、装置本体12の底部には、移動手段としての走行輪20が設けられている。走行輪20は、操舵輪20aおよび一対の駆動輪20b,20bからなる。操舵輪20aは、装置本体12の進行方向前方図1,2中の左側)に設けられて、車軸の傾きにより装置本体12の進行方向を変更するようになっている。一方、一対の駆動輪20b,20bは、装置本体12の進行方向後方図1,2中の右側)において、装置本体12の幅方向図2中の上下方向)で互いに離隔して設けられている。また、駆動輪20bには駆動モータ22が配設されており、駆動モータ22の駆動により駆動輪20bが回転して、装置本体12を前進または後進させるようになっている。なお、駆動モータ22の仕様には、装置本体12の最高速度が秒速10cm程度になるものが採用されている。

0077

また、装置本体12には、第一凹所24と第二凹所26が形成されている。これら第一凹所24と第二凹所26は、略矩形状を呈しており、装置本体12の内側から床面16に向かって開口している。また、第一凹所24と第二凹所26は、装置本体12の進行方向(図1,2中の左右方向)に所定距離を隔てて直列的に配置されている。

0078

特に本実施形態では、反射傘28が第一凹所24に設けられている。反射傘28は、略半円の縦断面をもって第一凹所24の幅方向(図2中、上下方向)に連続して延びる曲面板状とされており、表面に鏡面加工が施されたアルミニウムなどの金属材を用いて形成されている。このような第一凹所24には、赤外線照射手段としての近赤外線ランプヒータ30が収容されている。

0079

近赤外線ランプヒータ30は、波長=0.7〜2.5μmの近赤外線を照射する略円筒形状のハロゲンランプヒータからなり、その発熱線タングステンを使用することによって温度による抵抗の変化が大きいので、昇温性能(温度の立ち上がる速さ)や降温性能(温度の立ち下がる速さ)に優れるという利点がある。このような近赤外線ランプヒータ30は、装置本体12の第一凹所24内における反射傘28の直下で、その略全体が反射傘28に包み込まれるように配置されている。これにより、近赤外線ランプヒータ30をオンすると、近赤外線ランプヒータ30において病院などの床面16と対向する部分(換言すれば、近赤外線ランプヒータ30の下側の半円筒状部分)から照射される近赤外線が、床面16に直接に照射されることに加えて、近赤外線ランプヒータ30において床面16と対向しない部分(換言すれば、近赤外線ランプヒータ30の上側の半円筒状部分)から照射される近赤外線が、反射傘28に反射した後に、床面16に照射されるようになっている。

0080

さらに、装置本体12には、温度検出手段の一つとしての赤外線式温度センサ32が設けられている。本実施形態では、赤外線式温度センサ32,32が、装置本体12の幅方向(図2中、上下方向)に相互に離隔配置されている。また、赤外線式温度センサ32において物体から放射される赤外線の強度を測定する部位は、床面16において近赤外線ランプヒータ30と対向する部分(即ち、床面16において近赤外線ランプヒータ30によって近赤外線が照射される部分)に向けて配置されている。これにより、赤外線式温度センサ32は、床面16において近赤外線ランプセンサ30によって近赤外線が照射された部分から放射される赤外線の強度を測定して、床面16の近赤外線が照射された部分の表面温度(換言すれば、照射部温度)を非接触で測定する。

0081

更にまた、装置本体12の第一凹所24内には、温度検出手段の別の一つとしての熱電対式温度センサ34が設けられている。熱電対式温度センサ34は、公知のK熱電対などを用いて構成され、第一凹所24内で近赤外線ランプヒータ30から所定距離を隔てて、且つ床面16の近傍に配されており、熱源である近赤外線ランプヒータ30の輻射熱をとらえて、近赤外線ランプヒータ30や床面16の周囲温度を測定する。このような熱電対式温度センサ34を設けた理由は、前述の赤外線式温度センサ32の補助役割を担うためである。つまり、赤外線式温度センサ32は、赤外線放射型の非接触式センサであることから、床面16の材質や装置本体12の移動速度などによって床面16における近赤外線の照射部温度を必ずしも正確に拾えない場合がある。かかる場合に対処するために、予め床面16における近赤外線の照射部の近傍に熱電対式温度センサ34が設けられることによって、床面16における近赤外線の照射部温度または照射部温度に極めて近い温度を測定することが可能となる。

0082

また、装置本体12の第二凹所26には、紫外線照射手段としての深紫外線照射装置36が収容配置されている。深紫外線照射装置36は、全体として略矩形の筐体構造を呈しており、その底部に深紫外線を照射するLED素子の多数が設けられていると共に、その上部に送風ファンが設けられている。装置本体12が床面16に載置された状態で深紫外線照射装置36をオンすると、深紫外線が多数のLED素子から床面16に向かって照射されて、深紫外線による細菌の細胞活動の停止乃至は減少作用に基づき、床面16に殺菌処理が施される。また、床面16の周囲の空気が、深紫外線照射装置36の送風ファンを介して深紫外線に晒されることによって、床面16の周囲の空気にも殺菌処理が施される。

0083

特に本実施形態の深紫外線照射装置36では、波長が280nm程度の深紫外線を照射するようになっている。また、深紫外線照射装置36は、装置本体12に対して着脱可能とされており、深紫外線照射装置36を装置本体12の第二凹所26から取り外して、別途電源取り入れることで、ハンディ式の深紫外線を照射する装置として利用することができる。

0084

さらに、装置本体12には、オゾン発生手段としてのオゾン発生器38が設けられている。オゾン発生器38は、良く知られているように、平行電極間誘電体を設け、誘電体と一方の電極との間に空気を供給して、両極間に交流電圧印加して放電を生じさせることによりオゾンを生成する無声放電式や、高分子電解質膜電極間に挟んで水の電気分解を行うことによりオゾンを生成する電気分解式、空気を紫外線に晒して空気中の酸素を分解することによりオゾンを生成する紫外線ランプ方式などの各種のオゾン生成方式を適宜に採用して、オゾン(O3)を生成する。また、オゾン発生器38には、送風ファンが内蔵されていると共に、樹脂や金属などからなる細管状の紫外線用オゾン吐出管路40が設けられている。

0085

紫外線用オゾン吐出管路40は、オゾン発生器38から3つに分岐している。これら3つの紫外線用オゾン吐出管路40,40,40は、装置本体12における第一凹所24と第二凹所26の間において装置本体12の幅方向(図2中、上下方向)に所定距離を隔てて配置されている。そして、何れの紫外線用オゾン吐出管路40も、床面16において深紫外線照射装置36によって深紫外線が照射される部位の近傍に開口している。これにより、オゾン発生器38内で生成されたオゾンが送風ファンによって各紫外線用オゾン吐出管路40に送り出されると、オゾンが床面16の深紫外線照射部位の近傍に吐出されることとなり、深紫外線の照射に伴い生じる臭気(異臭)成分がオゾンに吸着されることで、脱臭機能が発揮されるようになっている。

0086

また、装置本体12には、制御手段としてのコントロールユニット42が設置されている。コントロールユニット42は、CPUやROM、RAM、無線通信部等を含むマイクロコンピュータ(以下、マイコンとも略す。)を備えており、コントロールユニット42と同様に装置本体12に内蔵されて駆動輪20bの駆動モータ22や近赤外線ランプヒータ30、深紫外線照射装置36、オゾン発生器38に電力を供給する電源装置(いわゆる、ACアダプタ)44と接続されている。コントロールユニット42は、CPUを通じて、駆動輪20bの駆動モータ22や近赤外線ランプヒータ30、深紫外線照射装置36、オゾン発生器38の入出力を制御するようになっている。

0087

さらに、コントロールユニット42内のマイコンのRAMには、近赤外線ランプヒータ30による近赤外線の照射によって床面16を殺菌処理するための加熱設定温度や、床面16の耐熱性に応じて予め設定される許容温度範囲が読み書きされるようになっている。また、マイコンのROMには、近赤外線の加熱設定温度が床面16の許容温度範囲よりも低く設定されるように書き込まれている。更に、マイコンのROMには、赤外線制御手段としての近赤外線制御プログラムが書き込まれている。この近赤外線制御プログラムは、赤外線式温度センサ32と熱電対式温度センサ34によって検出された床面16における近赤外線の照射部温度が許容温度範囲にあるか否かを判定し、照射部温度が許容温度範囲を超える場合には、近赤外線ランプヒータ30の出力を低下またはオフするものである。更にまた、マイコンのROMには、移動制御手段としての移動制御プログラムが書き込まれている。この移動制御プログラムは、照射部温度が加熱設定温度未満の場合に、駆動輪20bに設けられた駆動モータ22の駆動量(移動量)を制限する一方、照射部温度が加熱設定温度以上若しくは許容温度範囲以上の場合に、駆動モータ22の駆動量の制限を解除するものである。

0088

一方、操作ロッド14は、金属材や硬質の合成樹脂材などからなる中空ロッド状を呈している。操作ロッド14の一方の端部には、装置本体12に対して着脱可能であり、且つ装置本体12と相対的に回動可能な回動機構としてのジョイント部46が設けられている。ジョイント部46が装置本体12に取り付けられた状態で、操作ロッド14をジョイント部46の中心軸回りに回動させると、装置本体12の操舵輪20aの車軸が、ジョイント部46の回動に連動してかかる回動方向に傾斜することにより、装置本体12の進行方向が変わるようになっている。

0089

さらに、操作ロッド14の他方の端部には、使用者18が把持することが可能なハンドグリップ48を備えていると共に、運転指令部としてのコントローラ50が設けられている。コントローラ50は、図4にも示されるように、略矩形の筐体構造とされており、その表面に操作用液晶パネル52が設けられている。液晶パネル52には、運転/停止キー54や加熱設定温度表示部56、近赤外線出力表示部58、深紫外線出力表示部60、温度状態表示部62、設定選択カーソル64、設定UPキー66、設定DOWNキー68などが表示される。

0090

運転/停止キー54は、装置本体12の駆動モータ22や近赤外線ランプヒータ30、深紫外線照射装置36、オゾン発生器38を運転または停止させる表示である。加熱設定温度表示部56は、近赤外線ランプヒータ30の近赤外線を床面16に照射することによる床面16の加熱温度の設定を表示する。近赤外線出力表示部58は、近赤外線ランプヒータ30の出力を表示する。深紫外線出力表示部60は、深紫外線照射装置36の出力を表示する。設定選択カーソル64は、現在、加熱設定温度表示部56と近赤外線出力表示部58と深紫外線出力表示部60の何れを選択しているかカーソルの位置で示しており、カーソルの位置を使用者18の指などで変更することによって、選択を適宜に変更する。設定UPキー66は、設定選択カーソル64で選択された加熱設定温度、近赤外線ランプヒータ30または深紫外線照射装置36の出力を上げ、設定DOWNキー68は、それらを下げる。また、温度状態表示部62では、赤外線式温度センサ32や熱電対式温度センサ34によって検出された床面16における近赤外線の照射部温度が、床面16の許容温度範囲を超えているか否かを色の状態で示すものであり、具体的に例えば、赤色は、照射部温度が許容温度範囲を超えている状態を示し、緑色は、照射部温度が許容温度範囲内にある状態を示し、青色は、照射部温度が許容温度範囲よりも低い状態を示す。

0091

コントローラ50には、液晶パネル52の表示を制御するCPUやROM、RAM、赤外線式温度センサ32や熱電対式温度センサ34によって検出された照射部温度を装置本体12のコントロールユニット42の無線通信部を通じて受信したり、液晶パネル52における各種操作キーの入力をコントロールユニット42の無線通信部に送信したりする無線通信部などを含むマイコンが内蔵されている。特に本実施形態のフロア殺菌ユニット10では、操作ロッド14を装置本体12から取り外した状態でも、コントローラ50と装置本体12のコントロールユニット42との無線通信によって駆動モータ22や近赤外線ランプヒータ30、深紫外線照射装置36、オゾン発生器38に運転指令を与えることができることから、装置本体12が自動で移動する自走機構を備えている。

0092

また、操作ロッド14の中空構造を利用して操作ロッド14内には、電源コード70が配設されている。電源コード70は操作ロッド14に対して非固定の形態で操作ロッド14に沿って内挿され、電源コード70の一方の端部が、操作ロッド14のジョイント部46側の端部から装置本体12内で駆動モータ22や近赤外線ランプヒータ30、深紫外線照射装置36、オゾン発生器38に電力を供給する電源装置44に対して接続されている。更に、電源コード70の他方の端部が、操作ロッド14の他方の端部から外部に延び出して、外部電源に接続されている。これにより、装置本体12の電源装置44が、電源コード70を介して外部から電力を供給されるようになっている。

0093

特に本実施形態では、ジョイント部46内に配された電源コード70においてジョイント部46と装置本体12との境界に位置する部分には、ねじれ防止機構としての回動自在リング72が固定されている。回動自在リング72は、略円形のリング状を呈しており、回動自在リング72の内周部分が電源コード72に嵌着固定されていると共に、回動自在リング72の外周部分が装置本体12とジョイント部46との少なくとも一方に設けられた円形の溝に対して回動自在に緩やかに嵌め込まれている。これにより、装置本体12と操作ロッド14とが相対的に回動しても回動自在リング72が空転して、操作ロッド14および装置本体12の回動力が電源コード70に伝わらないようになっており、その結果、操作ロッド14の回動に伴う電源コード70のねじれが防止される。

0094

そこにおいて、装置本体12には、移動用オゾン吐出管路74の複数が設けられている。移動用オゾン吐出管路74は、紫外線用オゾン吐出管路40と同様な樹脂や金属などからなる細管状とされており、3つの移動用オゾン吐出管路74,74,74が紫外線用オゾン吐出管路40から分岐して、それぞれ操舵輪20aや一対の駆動輪20b,20bの近傍に開口している。これにより、前述したように、オゾン発生器38内で生成されたオゾンが送風ファンによって紫外線用オゾン吐出管路40に送り出されると、オゾンが床面16の深紫外線照射部位の近傍に吐出されて、深紫外線の脱臭機能が発揮されることに加えて、オゾンの一部が、紫外線用オゾン吐出管路40から各移動用オゾン吐出管路74に送り出されて、操舵輪20aや一対の駆動輪20b,20bの近傍に吐出されることにより、オゾンによる殺菌処理が、操舵輪20aや一対の駆動輪20b,20bに施されるようになっている。

0095

以下に、フロア殺菌ユニット10の一使用例について説明するが、本発明はかかる使用例に限定されるものでない。

0096

先ず、フロア殺菌ユニット10の使用に際して、電源コード70を病院などに設けられた外部電源に接続する。また、図3に示されるように、フロア殺菌ユニット10の装置本体12を病院などの床面16の目的とする殺菌箇所に載置して、使用者18が操作ロッド14やハンドグリップ48に手を添える。そして、使用者18がコントローラ50における液晶パネル52の運転/停止キー54をオンして、コントロールユニット42により近赤外線ランプヒータ30や深紫外線照射装置36、オゾン発生器38を予め設定された出力まで上げる。これにより、床面16において装置本体12が載置された部分に近赤外線と深紫外線が照射されて、近赤外線による加熱殺菌処理と深紫外線による殺菌処理が施されると共に、オゾン発生器38や紫外線用および移動用オゾン吐出回路40,74によって、深紫外線の照射に伴う異臭成分の除去処理と操舵輪20aや一対の駆動輪20b,20bの殺菌処理とが同時に行われる。

0097

なお、近赤外線の加熱設定温度や近赤外線ランプヒータ30の出力、深紫外線照射装置36の出力は、一般的な病院などの床面16の耐熱性に応じた許容温度範囲を超えたり、深紫外線による床面16の耐食性が大きく劣化したりしない程度に、予めフロア殺菌ユニット10の工場出荷時に初期設定されている。しかし、使用者18の好みや殺菌処理する床面16の耐熱性、耐食性などに応じて、使用者18が液晶パネル52の設定選択カーソル64や設定UPキー66、設定DOWNキー68を操作して、近赤外線の加熱設定温度や近赤外線ランプヒータ30の出力、深紫外線照射装置36の出力を変更することも可能である。

0098

また、使用者18が、装置本体12の移動が許容される方向で、且つ装置本体12の動かしたい方向に操作ロッド14やハンドグリップ48に力を加えることで、装置本体14に力が伝わり、駆動モータ22に負荷が加わる。コントロールユニット42はこの負荷を検知して、駆動モータ22を駆動させることにより、一対の駆動輪20b,20bが回転して装置本体12を移動させる。これにより、前述の近赤外線および深紫外線の照射による殺菌処理が床面16の別の箇所で実施される。特にコントロールユニット42は、駆動モータ22の前記負荷の大きさに比例して駆動モータ22の駆動量を大きくするようにしており、更に装置本体12の最高速度が10cm/秒程度となるように駆動モータ22の駆動量を制御している。

0099

さらに、コントロールユニット42では、一対の赤外線式温度センサ32,32によって検出された床面16における近赤外線の照射部温度と、熱電対式温度センサ34によって検出された照射部温度との差を測定し、この差が所定の温度(例えば10℃)以内であれば、赤外線式温度センサ32が照射部温度を正確にとらえているとみなして、赤外線式温度センサ32による照射部温度を採用する一方、前述の差が所定の温度よりも大きくなれば、赤外線式温度センサ32が照射部温度を正確にとらえていないとみなして、熱電対式温度センサ34による照射部温度を採用する。そして、コントロールユニット42の近赤外線制御プログラムによって、床面16における近赤外線の照射部温度が許容温度範囲にあるか否かを判定し、照射部温度が許容温度範囲を超える場合には、近赤外線ランプヒータ30の出力を下げる。また、コントロールユニット42およびコントローラ50が、液晶パネル52の温度状態表示部62に赤色を表示させる。加えて、照射部温度が近赤外線ランプヒータ30の加熱設定温度を超えた場合にも、温度状態表示部62に赤色を表示させる。

0100

そして、コントロールユニット42が近赤外線ランプヒータ30の出力を低下させたり、使用者18が温度状態表示部62が赤色であることを認知して床面16における装置本体12の載置場所を移動させたりすることで、照射部温度が下がって床面16の許容温度範囲に入ったり、加熱設定温度に至ったりすると、コントロールユニット42は、近赤外線ランプヒータ30の出力低下を解除する。また、コントロールユニット42およびコントローラ50が、液晶パネル52の温度状態表示部62に緑色を表示させる。加えて、照射部温度が近赤外線ランプヒータ30の加熱設定温度に至った場合にも、温度状態表示部62に緑色を表示させる。

0101

一方、照射部温度が加熱設定温度に至らない場合には、コントロールユニット42およびコントローラ50が、液晶パネル52の温度状態表示部62に青色を表示させる。そして、コントロールユニット42は、照射部温度が加熱設定温度に至るまで近赤外線ランプヒータ30の出力を上げる。

0102

また、コントロールユニット42は、その近赤外線制御プログラムによって、照射部温度が加熱設定温度未満の場合に、駆動輪20bに設けられた駆動モータ22の出力(駆動量)を制限する。一方、照射部温度が加熱設定温度以上若しくは許容温度範囲以上の場合に、コントロールユニット42は、駆動モータ22の出力制限を解除する。

0103

なお、病院などの床面16の殺菌箇所における周囲環境や用途などに応じて、操作ロッド14を装置本体12から取り外し、コントローラ50による装置本体12の遠隔操作と電源装置44に蓄えられた電力によって、装置本体12を自走させつつ、近赤外線や深紫外線の照射による殺菌処理や、オゾンの吐出による脱臭処理、操舵輪20aや一対の駆動輪20b,20bの殺菌処理を施すことも可能である。また、深紫外線照射装置36を装置本体12の第二凹所26から取り外して、深紫外線照射装置36に外部から電力を供給しつつ、使用者18が深紫外線照射装置36を手に持って、所望の箇所に深紫外線の照射による殺菌処理を施しても良い。

0104

上述の如き構造とされたフロア殺菌ユニット10においては、オゾンが操舵輪20aや一対の駆動輪20b,20bに吐出されて殺菌処理を施すことにより、床面16上で操舵輪20aや駆動輪20bの移動に伴う細菌の拡散が抑えられる。従って、操舵輪20aや駆動輪20bの速度や方向等に特別に配慮せずとも細菌の拡散が抑制されることから、近赤外線ランプヒータ30や深紫外線照射装置36、オゾン発生器38を床面16の所望の箇所に容易に移動させることができ、簡単な取扱いで優れた殺菌効果が発揮され得る。

0105

しかも、操舵輪20aや駆動輪20bによる細菌拡散が抑制されることに基づき、赤外線や紫外線の床面16への照射によりその耐久性に深刻な被害を及ぼさない程度に装置本体12をすばやく移動させることもできるのであり、それによって、床面16の耐久性が確保され得る。加えて、そのオゾンの吐出源には異臭を抑えるオゾン発生器38が利用されることから、部品点数が削減されて、製品の低コスト化やコンパクト化が有利に達成される。

0106

また、本実施形態では、コントロールユニット42の近赤外線制御プログラムによって、床面16において近赤外線ランプヒータ30によって近赤外線が照射された照射部温度が床面16の耐熱性に応じて予め設定された許容温度範囲を超える場合に、近赤外線ランプヒータ30の出力を制御することから、床面16への近赤外線の過度な照射に起因する高温障害が防止され、床面16の長寿命化が図られる。

0107

特に本実施形態のコントロールユニット42では、一対の赤外線式温度センサ32,32によって検出された床面16における近赤外線の照射部温度と、熱電対式温度センサ34によって検出された照射部温度との差を測定し、この差が所定の温度(例えば10℃)以内であれば、赤外線式温度センサ32が照射部温度を正確にとらえているとみなして、赤外線式温度センサ32による照射部温度を採用する一方、前述の差が所定の温度よりも大きくなれば、赤外線式温度センサ32が照射部温度を正確にとらえていないとみなして、熱電対式温度センサ34による照射部温度を採用する。これにより、照射部温度がより精度良く検知されることから、床面16の高温障害が一層確実に防止されて、床面16の更なる長寿命化が図られることに加え、近赤外線の床面16への照射量が過度に少なくなることが防止されて、安定した殺菌効果が得られる。

0108

また、本実施形態では、コントロールユニット42の移動制御プログラムによって、床面16における近赤外線の照射部温度が加熱設定温度未満の場合に、操舵輪20aや駆動輪20bの移動量を制限することから、近赤外線の殺菌対象物への照射量が過度に少なくなることが防止されて、安定した殺菌効果が得られる。一方、照射部温度が加熱設定温度以上若しくは許容温度範囲以上の場合に、操舵輪20aや駆動輪20bの移動量の制限を解除することによって、床面16への近赤外線の過度な照射に起因する高温障害が防止され、床面16の長寿命化が図られる。

0109

さらに、本実施形態では、操舵輪20aや駆動輪20bにオゾンを吐出するための移動用オゾン吐出管路74が、紫外線用オゾン吐出管路40から分岐して設けられていることによって、部品点数の削減に基づく低コスト化やコンパクト化が有利に実現される。

0110

更にまた、本実施形態では、装置本体12と操作ロッド14がジョイント部46において相対的に回動することで、装置本体12の操作ロッド14に対する、いわゆる首振りが可能となり、装置本体12を床面16の任意の場所に容易に移動させることができる。加えて、本実施形態では、装置本体12と操作ロッド14との相対的な回動に伴う電源コード70のねじれが、回動自在リング72によって防止されることから、電源コード70のねじれによる装置本体12の移動制限が回避されて、装置本体12の床面16に対する移動容易性の更なる向上が図られる。

0111

また、本実施形態では、床面16を加熱殺菌する赤外線として近赤外線が採用されていることから、近赤外線の波長が短くて単位面積当たりの光エネルギが大きいことを利用して、比較的に速やかに殺菌効果が発揮される。更に、床面16を殺菌処理する紫外線として可視光線の波長帯に近い波長が280nm程度の深紫外線が採用されていることから、有害物質の発生が抑えられて安全性が高められる。しかも、深紫外線による殺菌効果が多少落ちたとしても、前述の近赤外線による速やかな殺菌効果によって有利に補填され、結果として、優れた殺菌効果が得られる。

0112

次に、図5,6には、本発明の別の一実施形態としてのフロア殺菌ユニット80が示されている。なお、以下に示す実施形態において、前記実施形態と実質的に同一の部材および部位については、前記実施形態の部材および部位と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。

0113

詳細には、本実施形態のフロア殺菌ユニット80では、前記実施形態のフロア殺菌ユニット10に比べて、近赤外線ランプヒータ30や赤外線式温度センサ32、熱電対式温度センサ34を備えていない構造とされている。換言すれば、本実施形態のフロア殺菌ユニット80は、主に深紫外線照射装置36やオゾン発生器38、走行輪20を備えている。なお、特に図示されていないが、フロア殺菌ユニット80には、深紫外線照射装置36によって深紫外線を照射する際に、深紫外線が床面16に対して直接に照射されないものを反射して床面16に照射する反射部材(具体的に例えば鏡面仕上げしたアルミ板など)が設けられていても良い。

0114

特に本実施形態において、コントロールユニット42内のマイコンのROMには、PWM制御手段としてのPWM(Pulse Width Modulation)制御プログラムが書き込まれている。このPWM制御プログラムは、図7(a)に示されるように、深紫外線照射装置36の要求される出力(設定電圧)やオゾン発生器38の設定電圧、走行輪20の駆動モータ22の設定電圧に応じて、一定の周期のもとで電圧のパルス幅を変えることによって、出力電圧を制御するようになっている。具体的に例えば、コントロールユニット42では、深紫外線照射装置36における設定電圧と現在の電圧との差を比較して、現在の電圧が設定電圧を下回る(換言すれば負荷電流が大きくなる)場合に、一定の周期のもとで電圧のパルス幅を大きくする一方、現在の電圧が設定電圧を上回る(換言すれば負荷電流が小さくなる)場合に、一定の周期のもとで電圧のパルス幅を小さくすることによって、現在の電圧を設定電圧に近付けるように出力電圧を制御する。また、コントロールユニット42は、深紫外線照射装置36における設定電圧と現在の電圧との差が所定の許容範囲内にあれば、現状の電圧を維持するように電圧のパルス幅を維持する。

0115

また、本実施形態において、コントロールユニット42内のマイコンのROMには、PFM制御手段としてのPFM(Pulse Frequency Modulation)制御プログラムも書き込まれている。このPFM制御プログラムは、図7(b)に示されるように、深紫外線照射装置36の設定電圧やオゾン発生器38の設定電圧、走行輪20の駆動モータ22の設定電圧に応じて、パルスおける一定のオン時間のもとで電圧の周期を変えることによって、出力電圧を制御するようになっている。具体的に例えば、コントロールユニット42では、深紫外線照射装置36における設定電圧と現在の電圧との差を比較して、現在の電圧が設定電圧を下回る(換言すれば負荷電流が大きくなる)場合に、パルスにおける一定のオン時間のもとで電圧の周期を短くする一方、現在の電圧が設定電圧を上回る(換言すれば負荷電流が小さくなる)場合に、一定のオン時間のもとで電圧の周期を長くすることによって、現在の電圧を設定電圧に近付けるように出力電圧を制御する。また、コントロールユニット42は、深紫外線照射装置36における設定電圧と現在の電圧との差が所定の許容範囲内にあれば、現状の電圧を維持するように電圧の周期を維持する。

0116

そして、本実施形態におけるコントロールユニット42内のマイコンのROMには、PWM/PFM切替え制御手段としてのPWM/PFM切替え制御プログラムが書き込まれている。このPWM/PFM切替え制御プログラムは、図7(c)に示されるように、深紫外線照射装置36の設定電圧やオゾン発生器38の設定電圧、走行輪20の駆動モータ22の設定電圧が定常時に上記PWM制御プログラムを選択する一方、設定電圧が軽負荷時に上記PFM制御プログラムを選択するようになっている。具体的に例えば、コントロールユニット42では、深紫外線照射装置36の設定電圧が所定の設定範囲内(換言すれば負荷電流が設定範囲内にある定常時)にある場合に、一定の周期のもとで電圧のパルス幅を変えるPWM制御プログラムを採用する一方、設定電圧が所定の設定範囲よりも下回る(換言すれば負荷電流が小さくなる軽負荷時の)場合に、パルスおける一定のオン時間のもとで電圧の周期を変えるPFM制御プログラムを採用する。

0117

上述の如き構造とされたフロア殺菌ユニット80では、前記実施形態のフロア殺菌ユニット10のような近赤外線ランプヒータ30を備えていないことから、近赤外線の照射に起因する高温障害がないことで、床面16の耐久性が確保されると共に、使用安全性が向上され得る。しかも、本フロア殺菌ユニット80においては、近赤外線ランプヒータ30がない分だけ部品点数が削減されて、製品および稼働エネルギーの低コスト化や軽量化、コンパクト化が達成される。

0118

また、本実施形態では、コントロールユニット42にPWM制御プログラムが書き込まれていることによって、例えば、PWM制御プログラムが要求される出力(設定出力)に対して現在の出力が低い場合にパルス幅を大きくする一方、要求される出力に対して現在の出力が高い場合にパルス幅を小さくすることによって、応答性を向上させつつ、リップル成分を低く抑えることができ、ひいては深紫外線照射装置36やオゾン発生器38、走行輪20の駆動モータ22の発熱量が抑えられて、放熱部材の削減に基づき低コスト化や軽量化、コンパクト化が図られる。しかも、PWM制御プログラムでは、周期が一定のためノイズ対策のフィルタ設計が容易であり、ノイズが抑えられ易い利点がある。

0119

さらに、本実施形態では、コントロールユニット42にPFM制御プログラムが書き込まれていることによって、例えば、一定のオン時間のもとで周期を変える(換言すればオフ時間を変える)ことによって、要求される出力が大きくなると、オフ時間を短くしてオン時間を増やす。即ち、重負荷時には周波数が高くなり、軽負荷時には周波数が低くなる。それ故、特に軽負荷時には、周波数が低くなってオンオフのスイッチ回数が減るのでスイッチング損失が減少し、高い効率が実現される。

0120

更にまた、本実施形態では、コントロールユニット42にPWM/PFM切替え制御プログラムが書き込まれていることによって、設定電圧の定常時にPWM制御プログラムを採用することで要求される出力の応答性を向上させつつノイズが抑えられる一方、特に設定電圧の軽負荷時にPFM制御プログラムを採用することでスイッチング損失の軽減に基づき効率が向上されることから、殺菌装置の稼働が安定する。

0121

次に、図8,9には、本発明のまた別の一実施形態としてのフロア殺菌ユニット90が示されている。本フロア殺菌ユニット90では、前記実施形態のフロア殺菌ユニット10における近赤外線ランプヒータ30の代わりに、加熱手段としてのスチーム発生器92を用いている。このスチーム発生器92は、装置本体12の幅方向に並列配置された複数の噴射口94を備えており、噴射口から床面16の殺菌に有効な温度の噴射されるようになっている。

0122

本実施形態のフロア殺菌ユニット90では、前記実施形態のフロア殺菌ユニット10のような近赤外線ランプヒータ30を設けずにスチーム発生器92を採用したことから、例えば、近赤外線の照射が好ましくない環境下などで殺菌効果が有利に発揮され得る。

0123

次に、図10,11には、本発明のさらに別の一実施形態としてのフロア殺菌ユニット100が示されている。本フロア殺菌ユニット100では、前記実施形態のフロア殺菌ユニット10に比べて、深紫外線照射装置36を備えていない構造とされている。換言すれば、本実施形態のフロア殺菌ユニット100は、主に近赤外線ランプヒータ30やオゾン発生器38、走行輪20を備えている。

0124

本実施形態のフロア殺菌ユニット100では、前記実施形態のフロア殺菌ユニット10のような深紫外線照射装置36を備えていないことから、深紫外線の照射に起因する人体の健康被害や環境破壊などの悪影響が回避されつつ、目的とする殺菌効果が得られる。しかも、本フロア殺菌ユニット100においては、深紫外線照射装置36を備えたフロア殺菌ユニット10に比べて、深紫外線照射装置36がない分だけ部品点数が削減されて、製品の低コスト化や軽量化、コンパクト化が達成される。

0125

以上、本発明のいくつかの実施形態について詳述してきたが、本発明は、これら実施形態に限定されるものでなく、実施態様が本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様で実施可能である。

0126

例えば、前記実施形態のフロア殺菌ユニット10では、装置本体12の進行方向前方(図1,2中、左)に設けられた第一凹所24に近赤外線ランプ30が収容されていると共に、装置本体12の進行方向後方(図1,2中、右)に設けられた第二凹所26に深紫外線照射装置36が収容されていたが、第一凹所24に深紫外線照射装置36を収容し、第二凹所26に近赤外線ランプヒータ30を収容しても良い。

0127

また、前記実施形態のフロア殺菌ユニット10では、装置本体12に近赤外線ランプヒータ30と深紫外線照射装置36が各一つずつ設けられていたが、それぞれ二つ以上設けることも可能である。即ち、近赤外線ランプヒータ30や深紫外線照射装置36の数や装置本体12における配置は、要求される殺菌処理能力製造コストなどに応じて適宜に設計変更し得る事項である。

0128

加えて、前記実施形態では、本発明を病院などの床面16を殺菌するフロア殺菌ユニット10,80,90,100に適用したものの具体例が示されていたが、本発明は、臨床研究所やクリーンルームを含む半導体工場や製薬工場、食品工場などの各種建物における床面や壁面、作業台、その他、本発明の殺菌装置を使って殺菌可能なすべての構造物に適用可能であることは勿論である。

0129

10,80,90,100…フロア殺菌ユニット、16…床面、20…走行輪、20a…操舵輪、20b…駆動輪、30…近赤外線ランプヒータ、36…深紫外線照射装置、38…オゾン発生器、40…紫外線用オゾン吐出管路、72…移動用オゾン吐出管路、92…スチーム発生器

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