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技術 ホットメルト接着剤、接着方法及びウェットシート包装体

出願人 大王製紙株式会社
発明者 山下晶子
出願日 2017年11月30日 (3年1ヶ月経過) 出願番号 2017-230576
公開日 2019年6月24日 (1年6ヶ月経過) 公開番号 2019-099655
状態 未査定
技術分野 内容物取出用特殊手段をもつ容器・包装体 接着剤、接着方法 包装体
主要キーワード 平面視略楕円形状 断面視矩形状 最大荷重点 蓋体部分 硬化点 平均繊維幅 シート材同士 ホットメルト接着材
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

コストの増大を抑えつつ、ホットメルト接着剤接着強度を向上させる。

解決手段

セルロースナノファイバーと、水に溶解したときに負電荷を帯びる水溶性高分子と、を含む。セルロースナノファイバーは、1.5×10−5%以上、2.0%以下の割合で含まれていることが好ましい。また、水溶性高分子は、カルボキシメチルセルロースであり、1.5×10−5%以上、18%以下の割合で含まれていることが好ましい。

概要

背景

シート材で形成された袋本体を有する、ウェットティシューウェットシート包装体においては、気密性改善や、ウェットシートが連なって取り出されてしまうことを防止するために、蓋体部分が、比較的硬質熱可塑性樹脂等を用いて袋本体と別体として形成されることがあり、このような場合の袋本体と蓋体部分との接着には、ホットメルト接着剤が用いられる(例えば、特許文献1参照)。

概要

コストの増大を抑えつつ、ホットメルト接着剤の接着強度を向上させる。セルロースナノファイバーと、水に溶解したときに負電荷を帯びる水溶性高分子と、を含む。セルロースナノファイバーは、1.5×10−5%以上、2.0%以下の割合で含まれていることが好ましい。また、水溶性高分子は、カルボキシメチルセルロースであり、1.5×10−5%以上、18%以下の割合で含まれていることが好ましい。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

セルロースナノファイバーと、水に溶解したときに負電荷を帯びる水溶性高分子と、を含むことを特徴とするホットメルト接着剤

請求項2

前記セルロースナノファイバーは、1.5×10−5%以上、2.0%以下の割合で含まれていることを特徴とする請求項1に記載のホットメルト接着剤。

請求項3

前記水溶性高分子は、カルボキシメチルセルロースであることを特徴とする請求項1又は2に記載のホットメルト接着剤。

請求項4

前記水溶性高分子は、1.5×10−5%以上、18%以下の割合で含まれていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のホットメルト接着剤。

請求項5

ポリプロピレンを用いて製作された部品と、ポリエチレンテレフタレートを用いて製作されたシート材と、を請求項1から4のいずれか一項に記載のホットメルト接着剤によって接着する接着方法

請求項6

ポリエチレンテレフタレートを用いて製作されたシート材同士を、請求項1から4のいずれか一項に記載のホットメルト接着剤によって接着する接着方法。

請求項7

シート材によって袋状に形成され、開口部を有する袋本体と、蓋開口部を有する枠体と、前記蓋開口部を開閉自在に閉塞する開閉蓋部と、を備える蓋体と、を備え、前記袋本体と前記蓋体の枠体とは、前記開口部と前記蓋開口部とが重なった状態で、請求項1から4のいずれか一項に記載のホットメルト接着剤を用いて接着されていることを特徴とするウェットシート包装体

技術分野

0001

本発明は、ホットメルト接着剤接着方法及びウェットシート包装体に関する。

背景技術

0002

シート材で形成された袋本体を有する、ウェットティシューウェットシート包装体においては、気密性改善や、ウェットシートが連なって取り出されてしまうことを防止するために、蓋体部分が、比較的硬質熱可塑性樹脂等を用いて袋本体と別体として形成されることがあり、このような場合の袋本体と蓋体部分との接着には、ホットメルト接着剤が用いられる(例えば、特許文献1参照)。

先行技術

0003

特開2015−145268号公報

発明が解決しようとする課題

0004

上記のようなウェットシート包装体においては、蓋体部分は、ウェットシートの取り出しの際の抵抗等によって外れてしまうことを防止するため、シート材で形成された袋本体と強固に固定されている必要がある。
そこで、ホットメルト接着剤による接着強度を向上する必要が生じるが、そのための手法としては、例えば、1.用いるホットメルト接着剤の主成分自体の組成を接着強度が強固なものに変える、2.ホットメルト接着剤の塗布量を多くする、3.接着時のプレスの圧力を上げる等の手法が考えられるが、1.については主成分自体の価格が高くなることが多く、2.についてはホットメルト接着剤の使用量が増加し、3.については生産設備改造を要することから、いずれにしても大きなコストの増大を招く。

0005

本発明の課題は、コストの増大を抑えつつ、ホットメルト接着剤の接着強度を向上させることである。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ホットメルト接着剤において、
セルロースナノファイバーと、水に溶解したときに負電荷を帯びる水溶性高分子と、を含むことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、コストの増大を抑えつつ、ホットメルト接着剤の接着強度を向上させることができる。

0007

請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のホットメルト接着剤において、
前記セルロースナノファイバーは、1.5×10−5%以上、2.0%以下の割合で含まれていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、コストの増大を抑えつつ、ホットメルト接着剤の接着強度をさらに向上させることができる。

0008

請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のホットメルト接着剤において、
前記水溶性高分子は、カルボキシメチルセルロースであることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、コストの増大を抑えつつ、ホットメルト接着剤の接着強度をさらに向上させることができる。

0009

請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のホットメルト接着剤において、
前記水溶性高分子は、1.5×10−5%以上、18%以下の割合で含まれていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、コストの増大を抑えつつ、ホットメルト接着剤の接着強度をさらに向上させることができる。

0010

請求項5に記載の発明は、
ポリプロピレンを用いて製作された部品と、ポリエチレンテレフタレートを用いて製作されたシート材と、を請求項1から4のいずれか一項に記載のホットメルト接着剤によって接着する接着方法である。
請求項5に記載の発明によれば、コストの増大を抑えつつ、ポリプロピレンを用いて製作された部品と、ポリエチレンテレフタレートを用いて製作されたシート材との接着強度を向上させることができる。

0011

請求項6に記載の発明は、
ポリエチレンテレフタレートを用いて製作されたシート材同士を、請求項1から4のいずれか一項に記載のホットメルト接着剤によって接着する接着方法である。
請求項6に記載の発明によれば、コストの増大を抑えつつ、ポリエチレンテレフタレートを用いて製作されたシート材同士の接着強度を向上させることができる。

0012

請求項7に記載の発明は、ウェットシート包装体において、
シート材によって袋状に形成され、開口部を有する袋本体と、
蓋開口部を有する枠体と、前記蓋開口部を開閉自在に閉塞する開閉蓋部と、を備える蓋体と、
を備え、
前記袋本体と前記蓋体の枠体とは、前記開口部と前記蓋開口部とが重なった状態で、請求項1から4のいずれか一項に記載のホットメルト接着剤を用いて接着されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、コストの増大を抑えつつ、ウェットシート包装体において、袋本体と蓋体との接着強度を向上させることができる。

発明の効果

0013

本発明によれば、コストの増大を抑えつつ、ホットメルト接着剤の接着強度を向上させることができる。

図面の簡単な説明

0014

蓋体の開閉蓋部を開けた状態の実施形態に係るウェットシート包装体を示す斜視図である。
蓋体の開閉蓋部を閉めた状態の実施形態に係るウェットシート包装体を示す斜視図である。
実施形態に係る包装体の斜視図である。
図1のIV−IV部における断面図である。
図1のV−V部における断面図である。
実施形態に係る蓋体の裏面図である。
実施形態に係る蓋体をスタックした状態の一例を示す断面図である。

0015

以下、本発明の実施形態であるホットメルト接着剤及び当該ホットメルト接着剤を用いて作製されたウェットシート包装体1について、図1から図7に基づいて説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、図示例に限定されない。

0016

[ホットメルト接着剤]
本発明の実施形態であるホットメルト接着剤は、主成分と、セルロースナノファイバー(以下、「CNF」という。)と、水溶性高分子とを混合したものである。

0017

{主成分}
主成分としては、例えば、ポリウレタン等の合成ゴムや、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)等が用いられる。主成分としては、一般的にホットメルト接着剤に用いられる任意の物質使用可能であり、主成分の種類を問わず本発明の効果を得ることができる。

0018

{CNF}
CNFとは、パルプ繊維解繊して得られる微細セルロース繊維をいい、一般的に繊維幅ナノサイズ(1nm以上、1000nm以下)のセルロース微細繊維を含むセルロース繊維をいうが、平均繊維幅は、100nm以下の繊維が好ましい。

0019

平均繊維幅の算出は、例えば、一定数の数平均、メジアンモード径最頻値)などを用いるが、上記の繊維幅は、以下のようにして測定されたものである。
まず、固形分濃度0.01〜0.1質量%のセルロースナノファイバーの水分散液100mlをテフロン登録商標)製メンブレンフィルターでろ過し、エタノール100mlで1回、t−ブタノール20mlで3回溶媒置換する。
次に、凍結乾燥し、オスミウムコーティングして試料とする。この試料について、構成する繊維の幅に応じて5000倍、10000倍又は30000倍のいずれかの倍率電子顕微鏡SEM画像による観察を行う。具体的には、観察画像に二本の対角線を引き、対角線の交点を通過する直線を任意に三本引く。さらに、この三本の直線と交錯する合計100本の繊維の幅を目視計測する。そして、計測値中位径メジアン径)を平均繊維径とする。

0020

CNFの製造に使用可能なパルプ繊維としては、広葉樹パルプ(LBKP)、針葉樹パルプ(NBKP)等の化学パルプ晒サーモメカニカルパルプBTMP)、ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプPGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、ケミグランドパルプCGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、グランドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、リファイナーメカニカルパルプ(RMP)等の機械パルプ古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙新聞古紙チラシ古紙、オフィス古紙段ボール古紙、上白古紙ケント古紙、模造古紙、地券古紙、更紙古紙等から製造される古紙パルプ、古紙パルプを脱墨処理した脱墨パルプDIP)などが挙げられる。これらは、本発明の効果を損なわない限り、単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。

0021

CNFの製造方法としては、例えば、高圧ホモジナイザー法、マイクロフリュイダイザー法、グラインダー磨砕法、ビーズミル凍結粉砕法、超音波解繊法等の機械的手法が挙げられるが、これらの方法に限定されるものではない。
例えば、パルプ繊維に対して機械的手法の解繊処理を施したものに、カルボキシメチル化等の化学的処理を施しても良いし、酵素処理を施してもよい。
また、化学的処理や酵素処理を施したCNFに、機械的手法の解繊処理を施してもよい。

0022

混合されるCNFの量としては、ホットメルト接着剤全体の1.5×10−5%〜2.0%であることが好ましく、7.0×10−5%〜1.0×10−3%であることがさらに好ましい。
1.5×10−5%より少ないと、接着強度を改善する効果が十分ではなく、また2.0%よりも多いと、CNFが凝集し易くなり、却って効果が妨げられる。

0023

{水溶性高分子}
水溶性高分子としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(以下、「CMC」という。)、グリセリンヒアルロン酸ナトリウムヒドロキシエチルセルロースメチルセルロース等が用いられる。水溶性高分子としては、水に溶解したときに負電荷を帯びる物質であれば、任意のものを使用可能であるが、CMCはCNFと構造的に類似しており、CNFと結合し易く、他の水溶性高分子と比較してよりCNFの凝集を防ぐ効果が期待できることから、CMCを用いることが好ましい。
このような水溶性高分子は、CNFのOH基に、負に帯電した水溶性高分子が結合することで、静電相互作用により立体障害的に分子同士を離れやすくし、CNFの凝集を防ぎ、その効果を高めることができる。
なお、CNFが、機械的手法の解繊処理のみで科学的処理を施していないものである場合には、凝集し易いことから、水溶性高分子を加えることが必須となる。これに対し、TEMPO酸化、カルボキシメチル化などのCNFのOH基を変化させ、CNFの凝集を防ぐ化学修飾を施したCNFであれば、凝集し難いため、水溶性高分子を加えることは必須ではない。

0024

混合される水溶性高分子の量としては、ホットメルト接着剤全体の1.5×10−5%〜18%であることが好ましく、7.0×10−5%〜1.0×10−3%であることがさらに好ましい。1.5×10−5%より少ないと、CNFに対する分散効果が十分ではなく、また、18%よりも多いと、ホットメルト固化しにくくなり、接着強度が下がる傾向がある。

0025

[ウェットシート包装体]
実施形態に係るホットメルト接着剤を用いて作製される物品の一例として、ウェットシート包装体1について説明する。

0026

実施形態に係るウェットシート包装体1は、図1図3に示すように、開口部11を有する袋状の袋本体10と、開口部11を開閉自在に覆うフィルムラベル状蓋材20と、を備える包装体30と、袋本体10の上面に取り付けられた蓋体100と、を備えて構成されている。

0027

{包装体}
まず、包装体30の構成について説明する。
包装体30は、袋本体10の内部にウェットシートSが複数枚積層された状態で収納され、開口部11からウェットシートSが1枚ずつ取り出されて使用される。
なお、以下の説明では、包装体30において、開口部11が形成された面を上面、開口部11が形成された面と反対側の面を底面とする。

0028

(袋本体)
袋本体10は、シート材により袋状に構成されている。シート材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルポリアミドポリ塩化ビニル等の合成樹脂シートの単材又は複合材、或いはこれら合成樹脂シートとアルミフォイル、紙等を貼り合わせた複合シート等を使用することができる。
また、袋本体10を構成するシート材は、袋本体10の底面側(図示略)で袋本体10の長手方向に沿って接合されるとともに、袋本体10の長手方向の両端部で対向する面同士が接合されている。

0029

袋本体10の上面に形成された開口部11の形状は、特に限定されることはなく、図3に示したような楕円形としてもよいし、或いは円形方形、方形の角を丸めた形状など任意の形状とすることができる。

0030

(蓋材)
蓋材20は、袋本体10とは別体のシート片により、開口部11を開閉自在に覆うように構成されている。蓋材20の材質としては、袋本体10と同様に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂シートの単材又は複合材、或いはこれら合成樹脂シートとアルミフォイル、紙等を張り合わせた複合シート等を使用することができる。蓋材20の形状は、開口部11を完全に覆うことができれば特に限定されることはなく、例えば、矩形状、楕円形状など任意の形状とすることができる。
また、蓋材20の裏面には、ポリエステル系、アクリル系、ゴム系等の感圧接着剤が塗布されており、蓋材20は、開口部11を開閉自在に覆うように袋本体10に接着されるようになっている。

0031

{ウェットシート}
ウェットシートSは、上記の包装体30の内部に、複数枚積層された状態で収納されている。なお、ウェットシートSを積層する枚数としては、10〜100枚程度であることが好ましい。ウェットシートSは、所定の繊維を繊維素材として、例えば、スパンレースエアスルーエアレイドポイントボンドスパンボンドニードルパンチ等の周知の技術により製造される不織布である。所定の繊維としては、例えば、レーヨンリヨセルテンセルコットン等のセルロース系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル繊維ナイロン等のポリアミド系繊維が挙げられる。これらは単独で、或いは2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、ウェットシートSは、紙で形成されていてもよい。

0032

{蓋体}
次に、蓋体100の構成について説明する。
蓋体100は、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)等の熱可塑性樹脂で形成されている。
蓋体100は、袋本体10の開口部11を閉塞するものであり、図1及び図2に示すように、開口部11及び蓋材20を外方から囲繞する蓋開口部111が形成された枠体110と、枠体110に開閉自在に設けられるとともに枠体110の表面側から蓋開口部111を閉塞する開閉蓋部120と、開閉蓋部120を枠体110に回動自在に連結させるヒンジ部130と、を備えて構成され、これらは一体的に形成される。また、開閉蓋部120の肉厚は、0.5〜2.0mm程度であり、樹脂の使用量低減や柔らかな使用感を得るという観点から、1.0mm以下とすることが好ましい。

0033

(枠体)
枠体110の外形は、袋本体10の長手方向に長尺な矩形状をなし、短手方向の一端部でヒンジ部130を介して開閉蓋部120と連結されている。枠体110は、ホットメルト接着剤により、その裏面と袋本体10とが接着固定されている。そして、この蓋体100の枠体110と、袋本体10との接着のためのホットメルト接着剤として、上記の実施形態に係るホットメルト接着剤が用いられ、枠体110の蓋開口部111の周囲の全周において、枠体110と、袋本体10とが接着されている。
枠体110には、表面側に突出する嵌合部112が、蓋開口部111に沿って周設されている。
嵌合部112は、図1図4及び図5に示すように、平面視略楕円形状内壁部113及び外壁部114と、内壁部113及び外壁部114の間に形成された表側溝部としての溝部115と、により形成されている。この溝部115に、開閉蓋部120に設けられた突起部121が嵌合する(図4及び図5参照)。なお、図4及び図5は、開閉蓋部120を閉めた状態、即ち、溝部115に突起部121が嵌合した状態における断面図をそれぞれ示している。

0034

突起部121の高さは少なくとも3mm以上、好ましくは5mm以上あり、突起部121は、嵌合状態(蓋体100が閉じた状態)において、蓋開口部111の全周に渡り、嵌合部112の内壁部113側と外壁部114側の両側において重なるようになっている。この突起部121と嵌合部112の重なり高さH1は、少なくとも1.5mm以上、好ましくは3mmあることにより、高い気密性が維持される。嵌合状態における突起部121と嵌合部112の重なり部分においては、少なくとも突起部121はその先端部が嵌合部112と密着しており、先端部以外でも、突起部121と嵌合部112とは、0.2mm以下の隙間で密接している。
また、蓋開口部111とヒンジ部130が最も近接した位置における突起部121とヒンジ部130の距離Lは、突起部121と嵌合部112の重なり高さH1の5倍以上、好ましくは10倍以上である。このように、突起部121とヒンジ部130の距離を十分取ることにより、開閉蓋部120を開閉する際の突起部121と外壁部114との干渉を減らすことができる。
なお、図示例においては、蓋開口部111は、枠体110の短手方向中央部に設けられているが、短手方向においてヒンジ部130から離間する方向に偏った位置に設けると、蓋体100の限られた寸法を有効に活用できるため、より好ましい。或いは、図1に示すように、ヒンジ部130を蓋体100の外周から突出するように設けるのも、距離Lを大きく取るために好ましい形態の一つである。

0035

内壁部113には、上端部が内側に湾曲した形状の案内部113aが形成されている。この案内部113aにより、突起部121は内壁部113と干渉することなく溝部115に案内される。
外壁部114は、枠体110の短手方向の両端部の長手方向中央部が切り欠かれて開放されている。

0036

また、枠体110の短手方向の他端部(ヒンジ部130と接続されていない側の端部)の長手方向の中央には、開閉蓋部120に設けられた摘み部123を係止する係止部117が設けられている。この係止部117には、外方に突出する突部117aが形成されている。
また、枠体110の短手方向の他端部には、係止部117を挟んでそれぞれ1つずつ押さえ部116、116が設けられている。
押さえ部116、116は、枠体110から水平に突出した平面板形状であるが、使用者が指で下方に押さえることができる形状であれば、いかなる形状に形成されていてもよい。
本実施形態に係る開閉蓋部120は、上述のように肉薄とするのが好ましいが、その場合、蓋体100を開ける際に、使用者が開閉蓋部120の中央部(突起部121の内部)を指(例えば、左手中指)で下方に押さえつつ、開閉蓋部120の摘み部123を他の指(例えば、左手の親指)で押し上げようとすると、開閉蓋部120の中央部が下方向に変形することにより、短手方向両端部の突起部121の先端部分が外方に向けて変形し、外壁部114と干渉するため、開閉蓋部120が開くことの妨げとなる。本実施形態のように、押さえ部116、116が設けられていると、開閉蓋部120の中央部が押さえられることが少なくなるため、突起部121と外壁部114との干渉を避けることができる。

0037

また、枠体110の裏面には、図6に示すように、蓋開口部111と枠体110の外周との中間部分に裏側溝部としての溝部A1が形成されている。溝部A1は、断面視矩形状に形成されている。この溝部A1が、複数の蓋体100を積層する際に、下側に載置される蓋体100の開閉蓋部120の表面に形成された突起部B1と係合することで、蓋体100同士をスタックすることができる(図7参照)。また、溝部A1は、ホットメルト接着剤により枠体110の裏面を袋本体10に接着した際に、余分な接着剤が流れ込むことにより、接着剤のはみ出しや偏りを防止する。
なお、図6は、説明の都合上、開閉蓋部120の裏面側に設けられたリブ122、122の記載を省略している。

0038

(開閉蓋部)
開閉蓋部120には、裏面側に突出して枠体110の溝部115に嵌合する裏側突起部としての突起部121が、溝部115の位置に対応して周設されている。
突起部121の内部には、開閉蓋部120の短手方向に延在する2本のリブ122、122が形成されている。これにより、開閉蓋部120の突起部121の内部の剛性が、突起部121の外部の剛性よりも高くなっている。なお、形成されるリブ122、122の本数は2本に限定されるものではなく、1本でもよいし、3本以上形成するようにしてもよい。或いは、開閉蓋部120の突起部121の内部の肉厚を、突起部121の外部の肉厚よりも10〜100%程度厚くしてもよいが、リブ122を設ける方が樹脂の使用量を低減できるためより好ましい。
このように、開閉蓋部120の突起部121の内部の剛性が、突起部121の外部の剛性よりも高くなっていると、蓋体100を開ける際に、使用者が開閉蓋部120の中央部(突起部121の内部)を指(例えば、左手の中指)で下方に押さえたとしても、開閉蓋部120の中央部が下方向に変形しにくいため、突起部121と外壁部114との干渉を軽減することができる。

0039

また、開閉蓋部120の短手方向の他端部(ヒンジ部130と接続されていない側の端部)には、枠体110に設けられた係止部117に係止される摘み部123が設けられている。この摘み部123には、係止部117に形成された突部117aに係合する係止片部123aが、裏面側に突出して形成されている。

0040

また、開閉蓋部120の表面には、図2及び図5に示すように、周状に突出した表側突起部としての突起部B1が形成されている。突起部B1は、断面視矩形状に形成され、枠体110の裏面に形成された溝部A1と係合可能に形成されている。具体的には、蓋体100の長手方向をX方向、短手方向をY方向とした場合(図2参照)、突起部B1のX方向及びY方向の長さは、溝部A1のX方向及びY方向の長さと比べてわずかに短くなっている。例えば、突起部B1のX方向及びY方向の長さは、溝部A1のX方向及びY方向の長さと比べて0.001〜0.01mm短いことがより好ましい。即ち、突起部B1の水平方向の幅は、溝部A1の水平方向の幅よりも短く形成されている。この突起部B1が、複数の蓋体100を積層する際に、上側に載置される蓋体100の枠体110の裏面に形成された溝部A1と係合することで、蓋体100同士をスタックすることができる(図7参照)。

0041

{枠体と袋本体との接着}
蓋体100の枠体110と袋本体10との接着は、具体的には例えば以下のようにしてなされる。
まず、上記実施形態に係るホットメルト接着剤を、約180℃に加温し、ロール転写で枠体110の裏に塗る。続いて、これを蓋開口部111と袋本体10の開口部11とが重なるように、袋本体10の上面を形成するシート材に接着させる。
ホットメルト接着剤については、主成分にCNF及び水溶性高分子が予め混ぜ込まれたものを用いてもよいし、主成分のみからなるホットメルト接着剤をロール転写した後、CNF及び水溶性高分子を含む溶液転写又はスプレー塗布し、接着後において硬化前に上から圧力をかけることで、CNF及び水溶性高分子が、塗布後において主成分と混ざり合うようにしてもよい。
このように、主成分にCNF及び水溶性高分子が予め混ぜ込まれたものを用いずとも、主成分と、CNF及び水溶性高分子を含む溶液と、を別個に塗布した上で、圧力をかけて塗布後に混ざり合うようにすることで、本発明の効果を得ることができる。
なお、主成分にCNF及び水溶性高分子が予め混ぜ込まれたものを用いる場合については、圧力をかける工程を経ることは必須ではないが、確実な接着のためにこのような過程を経てもよい。
また、ホットメルト接着剤の塗り方のパターンとしては、枠体110の裏面の全面に塗ってもよいが、線状(実線状、点線状ストライプ状)にすることが望ましい。線状であれば、無駄なく均一にホットメルト接着剤を塗布でき、またホットメルト接着剤が枠体110からはみ出すのを防ぐことができる。

0042

[実施形態の効果]
本実施形態に係るホットメルト接着材によれば、CNF及び水溶性高分子が混合されていることによって、用いるホットメルト接着剤の主成分自体の組成を変更したり、塗布量を増加させたり、接着時のプレスの圧力を上げたりすることなく、ホットメルト接着剤による接着強度を改善することができる。
なお、水溶性高分子が混合されていなくても、CNFが、TEMPO酸化、カルボキシメチル化などのCNFのOH基を変化させ、CNFの凝集を防ぐ化学修飾を施したCNFであれば、上記効果を得ることができるが、水溶性高分子が混合されている場合には、CNFの性質を問わず、上記の効果を得ることができる。
この際、CNFや、水溶性高分子自体は安価であるから、これをホットメルト接着剤に単純に混合させるのみであれば、大きなコストの増大を招くことはない。したがって、コストの増大を抑えつつ、ホットメルト接着剤の接着強度を改善させることが可能となる。
また、このようなホットメルト接着剤を用いて、ウェットシート包装体1の蓋体100の枠体110と、包装体30の袋本体10、を接着することによって、内部の衛生用薄葉紙Pを取り出す際等に、蓋体100が外れ難いウェットシート包装体を、コストの増大を抑えつつ、作製することができる。
また、ホットメルト接着剤にCNFや水溶性高分子に加えても、例えば、これを用いて接着した物品の廃棄の際に妨げとなったり、また、接着剤を変色させ、これを用いて接着した場合の見た目を損ねたりといった弊害を生じさせることもない。
また、一般的にホットメルト接着剤は、低温、具体的には気温4℃以下となると硬化してしまい、接着強度が低下することから、寒冷地での使用は困難であるが、本実施形態に係るホットメルト接着剤によれば、CNFが混合されていることによって硬化点が下がることから、より寒冷な地域での使用が可能となる。
なお、本実施形態においては、ウェットシート包装体1において、合成樹脂製のシート材で形成された袋本体10と、熱可塑性樹脂で形成された蓋体100とが接着される場合につき説明したが、実施形態に係るホットメルト接着剤によって接着することのできる物品はこれに限られず、例えばシート材同士等、ホットメルト接着剤によって接着することのできるあらゆる物品の接着に活用することができる。また、例えば、段ボール箱等の封函や、オムツの製作時の各部の接着等にも用いることができる。

0043

次に、本発明の実施例及び比較例に係るホットメルト接着剤について、接着強度を評価した結果について説明する。以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0044

{実施例及び比較例の構成}
以下の実施例及び比較例に係るホットメルト接着剤を用意した。

0045

(実施例1)
主成分としての合成ゴム(具体的には、積水フーラー社製のホットメルトシートエスダイン9165Sを用いた。)に、CNF1.7%、CMC1.7%、水96.6%の溶液を加え作製した、合成ゴムを99.98%、CNFを1.4×10-4%、水溶性高分子としてのCMCを1.4×10-4%、水を0.016%の割合で混合したホットメルト接着剤である。なお、試験時においては、予め主成分に対して上記溶液を混ぜ込むのではなく、下記試験内容に記載のように、別個に塗布した上で圧力をかけて、これらが塗布後において上記の割合で混ざり合うようにした。この点は比較例1から3においても同様である。
ここで使用したCNFは、NBKP100%のCNFである。CNFの平均繊維幅(メジアン径)が49nmのCNFを使用した。このCNFは、NBKPをリファイナー処理して粗解繊した後、高圧ホモジナイザーを用いて、4回処理して解繊することにより得られたものである。CNFの繊維幅の測定方法は、段落0019に記載した通りである。
また、ここで使用したCMCは、CMC1330(ダイセル社)である。

0046

(比較例1)
主成分としての合成ゴムに、CNF2.0%、水98.0%の溶液を加え作製した、主成分としての合成ゴムを99.98%、CNFを1.4×10-4%、水を2.0×10-3%の割合で混合したホットメルト接着剤である。ここで用いた主成分及びCNFは、実施例1と同様である。

0047

(比較例2)
主成分としての合成ゴムに、CMC2.0%、水98.0%の溶液を加え作製した、主成分としての合成ゴムを99.98%、CMCを1.4×10-4%、水を2.0×10-3%の割合で混合したホットメルト接着剤である。ここで用いた主成分及びCMCは、実施例1と同様である。

0048

(比較例3)
主成分としての合成ゴムに、水を加え作製した、主成分としての合成ゴムを99.975%、水を2.5×10-2%の割合で混合したホットメルト接着剤である。ここで用いた主成分は、実施例1と同様である。

0049

(比較例4)
主成分としての合成ゴムを100%としたホットメルト接着剤である。ここで用いた主成分は、実施例1と同様である。

0050

{試験内容}
上記実施例及び比較例のホットメルト接着剤を用いて、以下の2種類の試験を行った。

0051

(試験1:ウェットシート包装体における蓋体と袋本体との接着強度)
ポリプロピレンを用いて、枠体が、平面視において一辺50mmの略正方形状となるように形成された蓋体を、ポリエチレンテレフタレート(PET)層及び直鎖状低密度ポリエチレンLLDPE)層の2層からなるシート材(PET12/LLDPE50)を用いた袋本体に対し、実施例又は比較例のホットメルト接着剤を用いて接着した。
具体的には、上記枠体に対して、その端部に沿って、一辺50mmの略正方形状に、幅2mmの範囲に対し、各実施例及び比較例に対応した溶液又は水を、略均等に計200μl塗布した。なお、比較例4については、何も塗布しないこととなる。
続いて、主成分としての合成ゴム(積水フーラー社製のホットメルトシートエスダイン9165S)を、上記と同様の範囲に貼付した。この場合、主成分は、300mg貼付されたこととなる。
続いて主成分を貼付した部分の全面に、各実施例及び比較例に対応した溶液又は水を、略均等に200μl塗布した。なお、ここでも比較例4については、何も塗布しないこととなる。
続いて、上記蓋体を、上記袋本体に貼り付けた後、60℃に保たれた恒温槽に入れ、1kgの荷重をかけた状態で、3日間静置した。なお、この際には、蓋体は、袋本体を形成するシート材(PET12/LLDPE50)の外面側、すなわち、PET層側に貼り付けられることとなる。
その後、接着強度を測定した。
具体的には、引張試験機(A&D社製のTENSIRONRTG1210)を用いて、蓋体の枠体と、袋本体の蓋体が接着されている面のシート材の上面と、を引張試験機のチャックで挟み、チャック間距離100mm、速度500mm/minの条件で、蓋体と袋本体とが剥がれるときの最大荷重点を測定した。

0052

(試験2:シート材同士の接着強度)
ポリエチレンテレフタレート(PET)層及び直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)層の2層からなるシート材(PET12/LLDPE50)同士を、実施例又は比較例のホットメルト接着剤を用いて接着した。
具体的には、シート材を2枚用意し、その内の一方のPET層側に、一辺50mmの略正方形状に、幅2mmの範囲に対し、各実施例及び比較例に対応した溶液又は水を、略均等に計200μl塗布した。なお、比較例4については、何も塗布しないこととなる。
続いて、主成分としての合成ゴム(積水フーラー社製のホットメルトシートエスダイン9165S)を、上記と同様の範囲に貼付した。この場合、主成分は、300mg貼付されたこととなる。
続いて主成分を貼付した部分の全面に、各実施例及び比較例に対応した溶液又は水を、略均等に200μl塗布した。なお、ここでも比較例4については、何も塗布しないこととなる。
続いて、上記シート材に、もう一方のシート材をPET層側が向かい合うように貼り付けた後、60℃に保たれた恒温槽に入れ、1kgの荷重をかけた状態で、3日間静置した。
その後、接着強度を測定した。
具体的には、引張試験機(A&D社製のTENSIRONRTG1210)を用いて、接着されたシート材の両者を引張試験機のチャックで挟み、チャック間距離50mm、速度500mm/minの条件で、シート材同士の接着が剥がれるときの最大荷重点を測定した。

0053

試験の結果を表Iに示す。

0054

実施例

0055

(評価)
実施例1と、比較例1から4との比較により、ポリプロピレンによって形成された蓋体とポリエチレンテレフタレートによって形成されたシート材との接着、ポリエチレンテレフタレートによって形成されたシート材同士の接着のいずれの場合においても、ホットメルト接着剤に、主成分の他にCNF及び水溶性高分子(CMC)を加えることで、ホットメルト接着剤の接着強度を改善することができることが分かる。
なお、試験を行ったポリプロピレンとポリエチレンテレフタレートの接着、ポリエチレンテレフタレート同士の接着の他にも、例えば、ポリプロピレン同士の接着、ポリエチレンとポリプロピレンとの接着等においても、ホットメルト接着剤に、主成分の他にCNF及び水に溶解したときに負電荷を帯びる水溶性高分子を加えることで、ホットメルト接着材の接着強度を改善することができる。

0056

10 袋本体
11 開口部
100蓋体
110枠体
111蓋開口部
120開閉蓋部

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