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技術 電動コンプレッサ

出願人 株式会社マーレフィルターシステムズ
発明者 岩野治雄松澤直紀
出願日 2017年11月15日 (3年3ヶ月経過) 出願番号 2017-219646
公開日 2019年6月13日 (1年8ヶ月経過) 公開番号 2019-090370
状態 未査定
技術分野 非容積形ポンプの構造
主要キーワード 回転体部分 回転次数 軸方向スラスト 半径方向外周側 回転体形状 内周寄り 遠心式コンプレッサ キャンセラ機構
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年6月13日)のものです。
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図面 (7)

課題

電動モータ3に作用する軸方向スラスト荷重を低減し、構成を簡素化する。

解決手段

電動コンプレッサは、一対の遠心式コンプレッサ1,2と、中央部の電動モータ3と、中央に単一の吐出ポート5を有する略U字形状出口管4と、を備える。電動モータ3の回転軸17の両端部にインペラ21,22がそれぞれ固定されており、コンプレッサハウジング7,8と組み合わされている。一対の遠心式コンプレッサ1,2は、中央の対称面Pを挟んで互いに対称に構成されており、各々で生じる軸方向スラスト荷重が回転軸17に逆方向に作用するので、互いに相殺される。

概要

背景

例えば、電気自動車の一形態として、燃料電池スタックを搭載し、この燃料電池スタックで発電した電力によって走行を行うようにしたいわゆる燃料電池自動車が知られている。このような自動車用の燃料電池スタックでは、酸化剤として酸素を含む空気が用いられるのが一般的であり、車両に搭載したエアコンプレッサによって比較的多量の圧縮空気を燃料電池スタックへ供給する構成となっている。

特許文献1には、このような燃料電池スタック用エアコンプレッサとして、遠心式コンプレッサインペラ電動モータ回転軸の一端部に取り付け、電動モータによって直接にインペラを回転駆動するようにした遠心式電動コンプレッサが開示されている。そして、電動モータの回転軸の他端部には、インペラによって回転軸に作用する軸方向スラスト力を緩和するために、加圧空気の圧力を受けるキャンセラディスクが取り付けられている。

概要

電動モータ3に作用する軸方向スラスト荷重を低減し、構成を簡素化する。電動コンプレッサは、一対の遠心式コンプレッサ1,2と、中央部の電動モータ3と、中央に単一の吐出ポート5を有する略U字形状出口管4と、を備える。電動モータ3の回転軸17の両端部にインペラ21,22がそれぞれ固定されており、コンプレッサハウジング7,8と組み合わされている。一対の遠心式コンプレッサ1,2は、中央の対称面Pを挟んで互いに対称に構成されており、各々で生じる軸方向スラスト荷重が回転軸17に逆方向に作用するので、互いに相殺される。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

それぞれ中心部に吸入ポートを備えるとともにこの吸入ポートを囲むように環状のディフューザ部ならびにスクロール部を備え、かつ上記吸入ポートが反対方向を向くように対称に配置された一対のコンプレッサハウジングと、この一対のコンプレッサハウジングの間に位置する電動モータと、この電動モータの回転軸の両端部にそれぞれ反対方向を向くように対称に取り付けられ、かつそれぞれ上記コンプレッサハウジングと組み合わされて遠心式コンプレッサを構成する一対のインペラと、上記一対のコンプレッサハウジングのスクロール部の出口を互いに集合させるように略U字形状に延び、かつ中央に単一の吐出ポートを有するとともに、対称に構成された出口管と、を備えてなる電動コンプレッサ

請求項2

上記一対のインペラは、互いに同一のインペラであり、かつ、各々のインペラの位相が互いに異なるように上記回転軸に取り付けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の電動コンプレッサ。

請求項3

上記一対のインペラは、翼の外縁で定まる回転体形状が互いに等しく、かつ、各々の翼の枚数が互いに異なっている、ことを特徴とする請求項1に記載の電動コンプレッサ。

請求項4

上記電動モータのステータを収容した円筒状のステータハウジングが上記一対のコンプレッサハウジングの間に取り付けられており、このステータハウジングが、空冷用冷却フィンもしくは液冷用のウォータジャケットを備えている、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電動コンプレッサ。

請求項5

自動車に搭載された燃料電池スタック酸化剤としての空気を供給するエアコンプレッサである、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電動コンプレッサ。

技術分野

0001

この発明は、エアコンプレッサ等として用いられる電動コンプレッサ、特に遠心式の電動コンプレッサに関する。

背景技術

0002

例えば、電気自動車の一形態として、燃料電池スタックを搭載し、この燃料電池スタックで発電した電力によって走行を行うようにしたいわゆる燃料電池自動車が知られている。このような自動車用の燃料電池スタックでは、酸化剤として酸素を含む空気が用いられるのが一般的であり、車両に搭載したエアコンプレッサによって比較的多量の圧縮空気を燃料電池スタックへ供給する構成となっている。

0003

特許文献1には、このような燃料電池スタック用エアコンプレッサとして、遠心式コンプレッサインペラ電動モータ回転軸の一端部に取り付け、電動モータによって直接にインペラを回転駆動するようにした遠心式電動コンプレッサが開示されている。そして、電動モータの回転軸の他端部には、インペラによって回転軸に作用する軸方向スラスト力を緩和するために、加圧空気の圧力を受けるキャンセラディスクが取り付けられている。

先行技術

0004

特開2011−214523号公報

発明が解決しようとする課題

0005

遠心式コンプレッサは軸方向に吸入したガス(例えば空気)をインペラの回転によって遠心方向へ送る構成であるため、特許文献1にも開示されているように、インペラに加わる反力として軸方向スラスト荷重が発生する。従って、電動モータの回転軸にインペラを取り付けた構成では、電動モータに軸方向スラスト荷重が作用し、好ましくない。

0006

特許文献1では、軸方向スラスト荷重の緩和のために加圧空気の圧力を利用したキャンセラ機構を回転軸の他端部側に設けているが、このような構成では、キャンセラ機構に起因して構成が複雑化し、しかも軸方向スラスト荷重を完全にキャンセルすることは困難である。

0007

また、この種の電動コンプレッサは、回転速度が非常に高く(例えば10万rpm以上)、モータ回転軸を支持する軸受に高い精度ならびに耐久性が必要となるが、燃料電池スタック用エアコンプレッサとして用いる場合には、一般に、オイル潤滑型軸受を用いることができない。つまり、オイル潤滑型軸受を用いると、経時的にオイル成分燃料電池スタック内侵入してしまい、好ましくない。そのため、軸方向スラスト荷重の存在は、燃料電池スタック用エアコンプレッサではより大きな課題となる。

0008

さらに、燃料電池自動車では、キーON後、燃料電池スタックが直ちに発電を開始することが必要であり、酸化剤を供給するエアコンプレッサにおいても、電源ON後の速やかな立ち上がりつまり速やかな圧力上昇が要求される。このような要求に対し、特許文献1の構成では、キャンセラディスクを具備することで回転体部分ロータ)の慣性モーメントがより大きくなり、回転の立ち上がりが悪化する。

課題を解決するための手段

0009

この発明に係る電動コンプレッサは、
それぞれ中心部に吸入ポートを備えるとともにこの吸入ポートを囲むように環状のディフューザ部ならびにスクロール部を備え、かつ上記吸入ポートが反対方向を向くように対称に配置された一対のコンプレッサハウジングと、
この一対のコンプレッサハウジングの間に位置する電動モータと、
この電動モータの回転軸の両端部にそれぞれ反対方向を向くように対称に取り付けられ、かつそれぞれ上記コンプレッサハウジングと組み合わされて遠心式コンプレッサを構成する一対のインペラと、
上記一対のコンプレッサハウジングのスクロール部の出口を互いに集合させるように略U字形状に延び、かつ中央に単一の吐出ポートを有するとともに、対称に構成された出口管と、
を備えて構成されている。

0010

すなわち、電動モータが駆動されると、回転軸の両端部に取り付けられた一対のインペラが回転し、コンプレッサハウジングとともに遠心式コンプレッサとして作用して、それぞれ吸入ポートから吸入したガス(例えば空気)を加圧してスクロール部へと送る。これら2つの遠心式コンプレッサで加圧されたガスは、出口管によって集合し、最終的に単一の吐出ポートから吐出される。

0011

ここで、2つのインペラには、それぞれ吸入ポートへ向かう方向への軸方向スラスト荷重が発生するが、これら2つの軸方向スラスト荷重は、互いに反対方向でかつ基本的に同じ大きさのものとなることから、回転軸において互いに相殺される。従って、電動モータがいずれかの方向への軸方向スラスト荷重を受けることがない。

0012

また、必要な流量を2つの遠心式コンプレッサによって供給することになるため、個々の遠心式コンプレッサは小容量のものとなる。従って、各々のインペラを小径化でき、一対のインペラを含む回転体の慣性モーメントが小さくなる。これにより、速やかな立ち上がりの上で有利となる。

0013

この発明の電動コンプレッサは、例えば、自動車に搭載された燃料電池スタックへ酸化剤としての空気を供給するエアコンプレッサとして好適である。

0014

本発明の好ましい一つの態様では、上記一対のインペラは、互いに同一のインペラであり、かつ、各々のインペラの位相が互いに異なるように回転軸に取り付けられている。

0015

複数の翼を有するインペラが回転する遠心式コンプレッサでは、翼の枚数に応じた回転次数吐出脈動が生じ、これに伴って騒音が発生する。上記の構成では、2つのインペラの翼の位相が互いに異なることで、各々の吐出脈動のピークがずれた形となり、これらが互いに重なり合うことで、吐出ポートにおける脈動が低減する。ここで、2つの遠心式コンプレッサを連結する出口管は、吐出ポートを中心として対称に構成されているため、各遠心式コンプレッサから吐出ポート(換言すれば合流部)までの管長は互いに等しい。従って、各々の吐出流が脈動の位相がずれた状態で互いに合流する。

0016

本発明の他の好ましい一つの態様では、上記一対のインペラは、翼の外縁で定まる回転体形状が互いに等しく、かつ、各々の翼の枚数が互いに異なっている。

0017

このような構成では、2つの遠心式コンプレッサで生じる吐出脈動の周波数が互いに異なるため、吐出ポートへ向かって2つの吐出流が互いに合流することで、吐出ポートにおける脈動が同様に低減する。なお、翼の枚数の差異により仮に軸方向スラスト荷重が異なるものとなったとしても、その差異はごく僅かである。翼の枚数が異なっていても軸方向スラスト荷重が等しくなるように、各々の翼形状等を設定することが望ましい。

0018

また、本発明の一つの実施例では、上記電動モータのステータを収容した円筒状のステータハウジングが上記一対のコンプレッサハウジングの間に取り付けられており、このステータハウジングが、空冷用冷却フィンもしくは液冷用のウォータジャケットを備えている。これによって、電動モータのステータが冷却される。

発明の効果

0019

この発明によれば、一対の遠心式コンプレッサによって各々の軸方向スラスト荷重が相殺され、中央に位置する電動モータが軸方向スラスト荷重を受けることがない。従って、高速回転させるに際して軸受に要求される性能が比較的に低くなる。

0020

また、一対の遠心式コンプレッサを有することで、要求される流量に対してインペラを含む回転体の慣性モーメントが小さくなり、それだけ回転の立ち上がりに優れた特性を得ることができる。

図面の簡単な説明

0021

この発明に係る電動コンプレッサの一実施例を示す斜視図。
この電動コンプレッサの回転中心を通る断面に沿った断面図。
図2軸受部分を拡大して示した断面図。
インペラの斜視図。
図2のA−A線に沿った断面図。
第2実施例を示す図2と同様の断面図。

実施例

0022

以下、この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。

0023

図1は、この発明に係る電動コンプレッサの一実施例を示す斜視図であり、図2は、この電動コンプレッサの回転中心を通る断面に沿った断面図である。この実施例の電動コンプレッサは、燃料電池自動車に搭載された燃料電池スタックの補機として、酸化剤となる空気を燃料電池スタックへ供給するためのエアコンプレッサとして用いられる。

0024

図1および図2に示すように、実施例の電動コンプレッサは、一対の遠心式コンプレッサ1,2と、これら2つの遠心式コンプレッサ1,2の間つまり軸方向の中央部に位置する電動モータ3と、一対の遠心式コンプレッサ1,2の吐出流を互いに合流させて中央の吐出ポート5へと案内する出口管4と、から大略構成されている。すなわち、本体部分のハウジング6としては、それぞれ円盤状をなす一対のコンプレッサハウジング7,8と、これら2つのコンプレッサハウジング7,8の間に位置する略円筒状のステータハウジング9と、を備えている。ステータハウジング9の両端は、それぞれ円板状のエンドプレート10,11を介してコンプレッサハウジング7,8に接続されている。具体的には、ステータハウジング9の端部が複数のボルト12によってエンドプレート10,11の内周寄りに固定されており、エンドプレート10,11の外周側部分が複数のボルト13によってコンプレッサハウジング7,8の外周部に固定されている。2つのコンプレッサハウジング7,8は、電動コンプレッサ全体の軸方向の中央を通る対称面P(図2参照)を挟んで互いに対称に構成されている。

0025

電動モータ3は、ステータハウジング9の内周に嵌合して配置されたステータ15と、一対のエンドプレート10,11にそれぞれ軸受16を介して支持された回転軸17と、回転軸17の外周面に取り付けられた回転子となる永久磁石18と、から構成されている。この電動モータ3は、例えば図示せぬ駆動回路により回転速度を可変制御可能な三相ブラシレスモータとして構成されており、ステータ15は図示せぬステータコイルを備えている。永久磁石18の外周面とステータ15の内周面は、僅かな隙間つまりエアギャップを介して対向している。

0026

また、軸受16は、図3に詳細を示すように、内輪16aと外輪16bと転動体16cとを含むボールベアリングからなり、エンドプレート10,11の中心部に円筒状に形成した軸受保持部19の内周面に外輪16bが嵌合してエンドプレート10,11にそれぞれ支持されている。また、回転軸17は、内輪16aが嵌合する一対の軸受用軸部17aを有するとともに、この一対の軸受用軸部17aの軸方向内側となる側に僅かに径が拡大したフランジ部17bを有し、このフランジ部17bの端面が内輪16aの端面に近接している。

0027

回転軸17は、一対の軸受16を貫通してさらに両側へ延びており、その両端部に一対のインペラ21,22が取り付けられている。詳しくは、インペラ21,22の中心の孔を回転軸17が貫通しており、インペラ21,22から突出した回転軸17先端のねじ部コーン状のナット23を螺合させることで、インペラ21,22が軸受用軸部17aとナット23との間で締付固定されている。

0028

インペラ21,22は、コンプレッサハウジング7,8と組み合わされることで遠心式コンプレッサ1,2を構成している。図4は、一方のコンプレッサハウジング7に対応したインペラ21を単体で示した斜視図であり、軸方向に沿って吸入した空気を半径方向外周側へ送るように螺旋形捩れバックワード型の複数枚の翼24を備えている。なお、翼24の外縁で定まる回転体形状としては、インペラ21は、概ね円錐台形をなしている。また図示例では、内径側翼長を短くしたハーフブレード形の翼24Aと通常の長さの翼24Bとが交互に配置されており、例えば、計12個の翼24を備えている。

0029

他方のコンプレッサハウジング8に対応したインペラ22は、図4のインペラ21と対称の形状をなしている。つまり、インペラ22の翼24の旋回方向が、図4のインペラ21の翼24とは反対方向のものとなっている。このように対称形状である点を除けば、インペラ21とインペラ22は、実質的に同一の形状をなしている。インペラ21,22は、例えばアルミニウム合金等の金属材料精密鋳造によって形成することができ、その他、硬質合成樹脂によって成形するようにしてもよい。

0030

ここで、一対のインペラ21,22は、上述したように回転軸17の各端部にそれぞれ固定されているが、各々の翼24の位相が互いに異なるように、周方向に互いにずれた形で回転軸17に取り付けられている。例えば、12個の翼24の例では、翼24のピッチが30°となるが、インペラ21とインペラ22とが15°の位相差を有するように回転軸17に固定されている。なお、必要であれば、キーおよびキー溝の組み合わせ等によって各々の角度位置を規定するようにしてもよい。

0031

インペラ21,22は、それぞれ円盤状をなすコンプレッサハウジング7,8の中心部に収容されている。インペラ21,22と組み合わされて遠心式コンプレッサ1,2を構成するコンプレッサハウジング7,8は、中心部に軸方向に沿って円筒状に延びた吸入ポート26を有するとともに、この吸入ポート26を囲むように環状のディフューザ部27ならびにスクロール部28を備えている。スクロール部28は、コンプレッサハウジング7,8の外周部においてインペラ21,22を環状に囲むように形成されており、かつ図5に示すように、インペラ21,22の回転方向に沿って徐々に断面積が拡大するように形成されている。ディフューザ部27は、インペラ21,22外周部からスクロール部28へ至る流路を、回転軸17と直交する2つの平行な壁面によって形成したいわゆるベーンレス型ディフューザとして構成されている。

0032

前述したように、2つのコンプレッサハウジング7,8は、電動コンプレッサ全体の軸方向の中央を通る対称面Pを挟んで互いに対称に構成されている。従って、各々の吸入ポート26は、回転軸17の軸方向に沿って互いに反対方向を向いている。この吸入ポート26は、図示せぬ配管およびエアクリーナを介して大気開放されている。2つのコンプレッサハウジング7,8は対称面Pを挟んで互いに対称であることから、回転方向に沿って徐々に断面積が拡大するスクロール部28の回転方向の始点28a(図5参照)は、同一の角度位置にある。

0033

また、スクロール部28は、始点28aからほぼ360°回転した位置で接線方向に延びており、最も断面積の大きな出口28bに至る。そして、一対の出口28bに、略U字形をなす出口管4の両端部4aが接続されている。

0034

出口管4は、前述したように、中央に単一の吐出ポート5を備えている。この吐出ポート5は、図示せぬ配管を介して燃料電池スタックに接続されている。出口管4は、電動コンプレッサ全体の軸方向の中央を通る対称面Pを挟んで互いに対称に構成されている。従って、2つの遠心式コンプレッサ1,2について、スクロール部28の出口28bないし始点28aから吐出ポート5に至る管長は、互いに等しい。図5に示すように、出口管4は、2つのスクロール部28の出口28bへ向かう接線を含む平面に沿っている。

0035

電動モータ3を収容するハウジングとなる円筒状のステータハウジング9は、外気による冷却つまり外気への放熱を促進するための冷却フィン30を外周面に備えている。冷却フィン30は、周方向に環状に延びており、かつ軸方向に複数並んで形成されている。この冷却フィン30によって、電動モータ3とりわけステータ15が効果的に冷却される。

0036

上記のように構成された実施例の電動コンプレッサは、基本的に同一の構成を有する一対の遠心式コンプレッサ1,2が対称に配置されており、これら2つの遠心式コンプレッサ1,2を中央の電動モータ3が回転駆動することとなる。ここで、個々の遠心式コンプレッサ1,2では、インペラ21,22の回転に伴い該インペラ21,22を吸入ポート26側へ引き寄せる方向の軸方向スラスト荷重が発生する。しかし、一対の遠心式コンプレッサ1,2が対称に配置されている結果、各々の軸方向スラスト荷重が回転軸17に反対方向に作用し、互いに打ち消し合う。そのため、電動モータ3の回転子と一体となった回転軸17には、基本的に軸方向スラスト荷重が作用しない。従って、大きな軸方向スラスト荷重に対する考慮が不要であり、軸受16を含めて構成が簡素となる。図示例では、軸受16として、比較的小さな軸方向スラスト荷重の支承が可能な一般的なボールベアリングが用いられており、格別なスラスト軸受は具備していない。ボールベアリングからなる軸受16は、オイル潤滑型ではなく、従って、燃料電池スタックへオイル成分が吸入されてしまうという懸念がない。なお、インペラ21,22つまり電動モータ3は、例えば数万rpm以上の回転速度でもって高速回転する。

0037

2つの遠心式コンプレッサ1,2から吐出された吐出流は、互いに集合した上で吐出ポート5から燃料電池スタックへ供給される。従って、個々の遠心式コンプレッサ1,2の容量ひいてはインペラ21,22の径が、必要な空気流量に比較して小型のものとなり、回転軸17および一対のインペラ21,22を含む回転体の慣性モーメントが小さくなる。従って、回転の立ち上がりが速くなり、例えば燃料電池自動車の運転開始時に、酸化剤となる圧縮空気を燃料電池スタックへ速やかに供給することが可能となる。

0038

また、個々の遠心式コンプレッサ1,2では、インペラ21,22の翼24の枚数に応じた回転次数の吐出脈動が生じるが、2つのインペラ21,22を例えば半ピッチ分だけずらして回転軸17に取り付けることで、各々の吐出脈動の位相が異なるものとなる。そして、これら2つの脈動成分が出口管4を介して合流する結果、吐出ポート5から得られる流れに含まれる脈動が小さなものとなる。

0039

ここで、他の実施例として、吐出脈動の低減のために、2つのインペラ21,22の翼24の枚数を異ならせるようにしてもよい。例えば、インペラ21は上述したように12個の翼24を有し、これに対し、インペラ22は10個の翼24を有する。なお、ハーフブレード形の翼24Aと通常の長さの翼24Bとを交互に配置する場合には、翼24の総数偶数となる。翼24の外縁で定まるインペラの回転体形状としては、必ずしも両者を同一とする必要はないが、一つの実施例では、コンプレッサハウジング7,8を含む構成の複雑化を回避するために、インペラ21,22の回転体形状は互いに等しい。つまり、翼24の枚数のみが異なっている。

0040

このように翼24の枚数を異ならせれば、2つの遠心式コンプレッサ1,2の吐出脈動の次数ないし周波数が互いに異なるものとなるので、両者が集合した吐出ポート5における脈動の振幅が小さくなる。

0041

ここで、翼24の枚数が異なると、遠心式コンプレッサ1,2の吐出容量が変化し、各々で生じる軸方向スラスト荷重が異なる可能性があるが、この場合でも、両者の軸方向スラスト荷重の差は僅かであり、軸方向スラスト荷重の大部分は相殺され得る。なお、適当な定格回転速度において両者の軸方向スラスト荷重が互いに等しくなるように各々の翼24の形状等を設計するようにしてもよい。

0042

次に、図6は、本発明の電動コンプレッサの第2実施例を示している。この実施例は、前述した冷却フィン30に代えてステータハウジング9に液冷用のウォータジャケット31を設けたものである。ウォータジャケット31は、例えば円筒状のステータハウジング9の内部に螺旋状の通路として形成されており、図示せぬ冷却水ポンプ熱交換器を含む冷却水循環系に接続されることで冷却水通流する。この第2実施例の構成によれば、電動モータ3とりわけステータ15がより確実に冷却される。

0043

以上、この発明を燃料電池スタック用のエアコンプレッサとして適用した一実施例を説明したが、この発明は、他の用途のコンプレッサとして適用することも可能である。

0044

なお、上記実施例ではスクロール部28の出口28bが互いに対称となる位置つまり同一の回転位置に配置されているが、本発明はこれに限定されるものではない。図示は省略するが、2つの遠心式コンプレッサ1,2のスクロール部28の出口28bを例えば互いに180°離れた位置に配置し、両者を略U字形状の出口管で集合させた構成とすることもできる。この場合には、出口管は上記実施例のような面対称ではなく回転対称形状となり得る。

0045

1,2…遠心式コンプレッサ
3…電動モータ
4…出口管
5…吐出ポート
7,8…コンプレッサハウジング
9…ステータハウジング
15…ステータ
16…軸受
17…回転軸
18…永久磁石
21,22…インペラ
26…吸入ポート
27…ディフューザ部
28…スクロール部

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