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課題

高粘度流体を快適かつ迅速に自己投与するため、化学反応によりガスを発生させてプランジャを駆動する自動注射器を提供する。

解決手段

装置(シリンジ)400は試薬間の化学反応を用いてガスを発生させる。シリンジは、上端部422にプランジャ470および下端部434に一方向弁450が配置された試薬室420を有し、一方向弁が試薬室から出るのを可能にしている。さらに上端部に一方向弁および下端にピストン460を有する反応室430と、上端部にピストンを有する流体室440を有し、ピストンが反応室の容積が増加して流体室の容積が減少するように反応室で発生された圧力に応答して動く流体室とを備える。

概要

背景

本発明は、化学反応によってガスが発生する技術に関する。放出されたガスによって作られる力は、有用なプロセスに動力を与えるために利用され得る。化学反応は、燃焼ではなく、燃焼に関連する多くの問題を回避する。その代わりに、化学反応は通常、重炭酸塩(HCO3)からのCO2の発生に関与する。一般には、本技術は、化学機関技術、またはBattelle Memorial Instituteによって開発された技術が知られているように単にChemEngine(登録商標)と呼ばれる。本発明は、タンパク質療法の送達のために特に有用である。

タンパク質療法は、広範囲にわたる疾患を治療し得る薬物治療の新興の分野である。タンパク質は、その大きいサイズおよび乏しい安定性のため、注射または点滴など非経口の送達方法によって送達されなければならない。定期的な治療を必要とする慢性疾患を患っている患者に関して、趨勢は、例えば糖尿病患者によるインスリン投与における、皮下注射による自己投与に向かっている。典型的な皮下注射は、20秒未満で1mLの製剤の送達に関わるが、時には最大3mLである。皮下注射は、シリンジ自動注射器およびペン型注射器を含めた、いくつかの装置で実施され得る。

治療タンパク質製剤静脈送達からシリンジのような注射装置移行することは、高濃度高分子量分子を送達することに関連する課題に容易で信頼性がありかつ患者に最小限の痛みをもたらす方法で対処することを必要とする。その際、点滴バッグは典型的には1リットル容積を有する一方、シリンジの標準容積は0.3ミリリットルから25ミリリットルまでの範囲である。したがって、薬剤によっては、同量治療タンパク質を送達するために、濃度を40倍またはそれ以上に増加しなければならない場合がある。さらに、注射治療は、患者の快適性および服薬順守の目的のためにより小さい針直径およびより早い送達時間に向かって進んでいる。

タンパク質療法の送達は、こうした治療製剤に関連した高い粘度およびこうした製剤を非経口の装置を通して押すために必要な強い力のためにも難しい。20センチポアズ(cP)を超える、および特に40〜60センチポアズ(cP)を超える絶対粘度の製剤は、従来型のばねによって動く自動注射器によって送達することが複数の理由のために非常に困難である。構造的に、送達される圧力の量のためのばねの専有面積は、相対的に大きくかつ特有の形状に固定され、これは送達装置の設計の柔軟性を低下する。次に、自動注射器は、通常はプラスチック部品で作られる。しかし、高粘度流体を確実に送達するには大量のエネルギーがばねに蓄えられなければならない。これはクリープが原因でプラスチック部品を損傷させる場合があり、これは応力下で永久に変形するプラスチック部品の特質である。自動注射器は、典型的にはばねを用いて針を含有する内部構成要素をシリンジのハウジングの外縁部に向かって押すことにより動作する。高粘度流体を注射するために必要な高い加圧が原因で、内部構成要素がハウジングに衝突する時にシリンジを破壊する危険がある。さらに、衝撃に関連する音が患者の不安をもたらし、将来の服薬順守を低下し得る。こうしたばねによって動く自動注射器の発生圧力時間プロファイルは容易に変更できず、これは使用者が圧力を微調整してそれらの送達必要性に適合させることを妨げる。

所与の製剤を送達するために必要な力は、針直径(d)、針長(L)、製剤粘度(μ)および容積流量(Q)を含めたいくつかの因子によって決まる。最も単純な近似値プランジャバレルとの間の摩擦力を考慮しないもの)においては、力は圧力低下(ΔP)にプランジャ(A)の断面積を乗じたものに関係する。針を通る層流における流体の圧力低下(ΔP)は、ハーゲンポアズイユ式によって記述され得る。




シリンジにおいて、力は使用者によって提供される。合理的な指力は、健康な患者母集団については15〜20N未満であり、高齢あるいはリウマチ性関節炎または多発性硬化症を患っている患者など、器用さが限られた患者についてはいくぶん低いと考えられる。典型的な自動注射器において、力はばねによって提供される。ばねによって提供される力は変位と共に直線的に減少し、ばねは注射を持続するために十分な力が利用可能なように選択しなければならない。20cPを超える粘度は、典型的なばねによって動く自動注射器によって合理的な時間で送達するのが困難になる。
圧縮されたばねを保持するプラスチック部品の破損(蓄積された大きいエネルギーがクリープを引き起こす)
・シリンジ破損(高い初期力
失速が原因の不完全なdossの送達(不十分な最終力)
・ばねの大きい専有面積を含めた、装置設計の非柔軟性
自動注射器のために他のエネルギー源が考慮されている。1つの供給源は、応需型の圧力を生成する発泡性反応の使用である。「Development of an On−Demand, Generic, Drug−Delivery System, 1985」と題された、海軍予備員室(the Office of Naval Reserve)によって資金援助された研究(SoRI−EAS−85−746)は、薬剤流体の遅い送達を駆動し得るCO2を発生するために酸と混合される重炭酸塩の使用を記述した。これらの装置は、緩速で、24時間を超える長期の送達を目標とするものであった。BottgerおよびBobstは、化学反応を使用して流体を送達するシリンジの使用を記述した(米国特許出願公開第2011/0092906号明細書)。Goodらは、「An effervescent reaction micropump for portable microfluidic systems」、Lab Chip、2006年、659〜666頁において種々の濃度の酒石酸ならびに重炭酸ナトリウムおよび異なるサイズの重炭酸ナトリウム粒子を用いるマイクロポンプを対象とした製剤を記述した。しかし、彼らの発明は、射出力が経時的に指数関数的に増加する方法での送達を提供する。先行技術の化学機関は、機関の専有面積およびオーバシュート量を最小化するために試薬容積が最小化される場合など、特にピストン内膨張する容積の影響が無視できない条件については、適切な送達を提供しない(膨張する容積を占めなければ、化学機関は、ばねが失速するのと同様に送達の間に失速し得る)。

本発明は、化学機関技術への改善を採用することによって前述の問題に対する解決策を提供する。特に好ましい態様においては、相対的に小さい注射器で高粘度流体を快適かつ迅速に自己投与するために化学機関が用いられ得るプロセスおよび装置が記述される。これらのプロセスおよび装置は、高濃度タンパク質または他の高粘度医薬品製剤を送達するために用いることができる。

概要

高粘度流体を快適かつ迅速に自己投与するため、化学反応によりガスを発生させてプランジャを駆動する自動注射器を提供する。装置(シリンジ)400は試薬間の化学反応を用いてガスを発生させる。シリンジは、上端部422にプランジャ470および下端部434に一方向弁450が配置された試薬室420を有し、一方向弁が試薬室から出るのを可能にしている。さらに上端部に一方向弁および下端にピストン460を有する反応室430と、上端部にピストンを有する流体室440を有し、ピストンが反応室の容積が増加して流体室の容積が減少するように反応室で発生された圧力に応答して動く流体室とを備える。

目的

しかし、彼らの発明は、射出力が経時的に指数関数的に増加する方法での送達を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

上端部にプランジャおよび下端部に一方向弁を有する試薬室であって、前記一方向弁が前記試薬室から出るのを可能にしている、試薬室と、上端部に前記一方向弁および下端にピストンを有する反応室と、上端部に前記ピストンを有する流体室であって、前記ピストンが前記反応室の容積が増加して前記流体室の容積が減少するように前記反応室で発生された圧力に応答して動く、流体室とを備える、化学反応によって流体送達するための装置であって、前記反応室が乾燥酸粉末および離型剤を含む、装置。

請求項2

前記酸粉末は、クエン酸塩であり、前記離型剤は、塩化ナトリウムである、請求項1に記載の装置。

請求項3

移動可能なピストンによって分離された、反応室および流体室を備えるバレルと、前記反応室を加熱するための熱源または前記反応室に光を当てる光源とを備える、化学反応によって流体を送達するための装置。

請求項4

前記反応室は、光に晒すとガスを発生する少なくとも1種の化学試薬を含む、請求項3に記載の装置。

請求項5

化学反応によって高粘度流体を送達するためのプロセスであって、装置の反応室内でガス発生化学反応を開始するステップを含み、前記室がピストンを含み、前記ガスは、前記高粘度流体を含む流体室内に前記ピストンを動かして、前記高粘度流体を送達し、かつ前記高粘度流体は、一定圧力対時間プロファイルで送達される、プロセス。

請求項6

化学反応によって流体を送達するための装置であって、試薬室、反応室、および流体室を含むバレルであって、前記試薬室が、前記バレルの天端部における押ボタン部材内に位置するバレルと、前記試薬室を前記反応室から分離するプランジャと、前記押ボタン部材が押圧された場合に付勢されて前記プランジャを前記試薬室内に押すばねと、前記反応室を前記流体室から分離しているピストンであって、前記ピストンは前記反応室で発生された圧力に応答して動くピストンとを備える、装置。

請求項7

前記押ボタン部材が、接触面によって外側端部で閉塞された側壁と、前記側壁の内端から外側に広がる縁部と、前記側壁の外面上の中央部分に隣接した封止部材とを備える、請求項6に記載の装置。

請求項8

前記プランジャが、そこから半径方向に広がるラグを有する中央本体と、前記反応室の側壁に係合する内端上の封止部材とを備える、請求項6に記載の装置。

請求項9

前記押ボタン部材の内面が前記ラグのための経路を含む、請求項8に記載の装置。

請求項10

前記内部半径方向表面オリフィスを有する前記内部半径方向表面、および前記アームの前記端部に位置している前記ピストンによって、前記反応室が混合室およびアームに分割される、請求項6に記載の装置。

請求項11

前記オリフィスを覆うガス透過性フィルタを前記混合室が含む、請求項10に記載の装置。

請求項12

下端部に封を有する上室と、上端部にポート、前記上室の前記封に向けられた歯を上端部に有する前記歯の環、および下端部にピストンを有する下室と、上端部に前記ピストンを有する流体室とを備える化学反応によって流体を送達するための装置であって、前記上室は、前記下室に対して軸方向に移動し、かつ前記ピストンは、前記反応室の容積が増加して前記流体室の容積が減少するように前記下室内で発生された圧力に応答して動く、装置。

請求項13

前記ピストンは、前記ポートと連通するヘッドおよびバルーンを含む、請求項12に記載の装置。

請求項14

前記歯の環は、前記ポートを囲繞する、請求項12に記載の装置。

請求項15

前記上室は、前記装置のバレル内を進行する、請求項12に記載の装置。

請求項16

前記上室は、プランジャの前記下端部である、請求項12に記載の装置。

請求項17

前記プランジャは、押圧された後に前記装置の天端部と協働して前記上室を定位置にロックする圧力ロックを含む、請求項15に記載の装置。

請求項18

前記流体室は、少なくとも40センチポアズの粘度を有する高粘度流体を含む、請求項15に記載の装置。

請求項19

前記上室は、溶媒を含む、請求項12に記載の装置。

請求項20

前記下室は、互いに反応してガスを発生する少なくとも2種の化学試薬を含む、請求項12に記載の装置。

請求項21

前記上室、前記下室、および前記流体室は、前記装置を作成するために連結される別個の部分である、請求項12に記載の装置。

請求項22

上室と、下端部にピストンを有する下室と、上端部に前記ピストンを有する流体室と、前記上室を通って動くシャフト、前記シャフトの下端部におけるストッパーおよび前記シャフトの上端部におけるサムレストを備えるプランジャであって、前記ストッパーは台座と協働して前記上室と前記下室とを分離する、プランジャとを備える化学反応によって流体を送達するための装置であって、前記プランジャを牽引することは、前記ストッパーを前記台座から分離させて、前記上室と前記下室との間の流体連通を作り出し、かつ前記ピストンは、前記反応室の容積が増加かつ前記流体室の容積が減少するように、前記下室内で発生された圧力に応答して動く、装置。

請求項23

前記流体室は、少なくとも40センチポアズの粘度を有する高粘度流体を含む、請求項22に記載の装置。

請求項24

前記上室は、溶媒を含む、請求項22に記載の装置。

請求項25

前記下室は、互いに反応してガスを発生する少なくとも2種の化学試薬を含む、請求項22に記載の装置。

請求項26

前記上室、前記下室、および前記流体室は、前記装置を作成するために連結される別個の部分である、請求項22に記載の装置。

請求項27

前記上室または前記下室のいずれかは、カプセル化された試薬を含む、請求項22に記載の装置。

請求項28

第1の区画および第2の区画に仕切りによって分割される反応室であって、前記第1の区画は、ガスを発生するために互いに反応し得る少なくとも2種の乾燥化学試薬を含み、前記第2の区画は溶媒を含む反応室と、排出口を有する流体室とを備える、化学反応によって流体を送達するための装置であって、前記流体室内の流体は、前記反応室で発生された圧力に応答して前記排出口を通って出る、装置。

請求項29

前記反応室内で発生された圧力は、前記流体室内のピストンに作用して前記排出口を通って流体を出させる、請求項28に記載の装置。

請求項30

前記反応室は側壁から形成され、前記流体室は側壁から形成され、かつ前記反応室および前記流体室は、前記装置の第1の端部で流動的に接続される、請求項28に記載の装置。

請求項31

前記反応室が前記流体室に近接した前記可撓性壁を含み、かつ前記反応室内で発生された圧力が可撓性壁を拡張させて前記流体室の可撓性側壁圧迫し、前記排出口を通って流体を出させるように、前記流体室が前記可撓性側壁から形成される、請求項28に記載の装置。

請求項32

前記反応室および前記流体室は、ハウジングによって囲繞される、請求項28に記載の装置。

請求項33

前記反応室および前記流体室は、前記ハウジング内で隣り合っている、請求項31に記載の装置。

請求項34

針が、前記ハウジングの底部から伸びて前記流体室の前記排出口と流動的に接続し、かつ前記反応室は、前記流体室の上部に位置する、請求項31に記載の装置。

請求項35

下端部に固定一方向弁を有する上室であって、前記一方向弁は前記上室から出ることを可能にしている、上室と、前記上室のみを通って進行し得るプランジャと、上端部に前記固定一方向弁および下端部にピストンを有する下室と、上端部に前記ピストンを有する流体室とを備える、化学反応によって流体を送達するための装置であって、前記ピストンは、前記反応室の容積が増加して前記流体室の容積が減少するように前記下室内で発生された圧力に応答して動く、装置。

請求項36

前記流体室は、少なくとも40センチポアズの粘度を有する高粘度流体を含む、請求項35に記載の装置。

請求項37

前記上室は、溶媒を含む、請求項35に記載の装置。

請求項38

前記ピストンは、前記下室の前記下端部における押し面および前記流体室の前記上端部におけるヘッドから形成され、かつ前記押し面と前記ヘッドとを接続するロッドを任意に含む、請求項35に記載の装置。

請求項39

前記プランジャは、サムレスト、および押圧された後に前記上室と協働して前記プランジャを定位置にロックする圧力ロックを含む、請求項35に記載の装置。

請求項40

前記圧力ロックは、前記サムレストに隣接し、かつ前記上室の上面と協働する、請求項39に記載の装置。

請求項41

前記下室は、前記一方向弁、連続的な側壁、および前記ピストンによって画定され、前記一方向弁および前記側壁は、前記下室の容積が前記ピストンの移動によってのみ変化するように互いに対して固定されている、請求項39に記載の装置。

請求項42

前記上室、前記下室、および前記流体室は、円筒形かつ同軸性である、請求項39に記載の装置。

請求項43

前記上室、前記下室、および前記流体室は、前記装置を作成するために連結される別個の部分である、請求項39に記載の装置。

請求項44

前記一方向弁は、前記下室内のバルーンに供給し、前記バルーンは前記ピストンを押す、請求項39に記載の装置。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、共に2012年10月12日に出願された米国仮特許出願第61/713,236号および第61/713,250号ならびに2013年4月29日に出願された米国仮特許出願第61/817,312号の優先権を主張する。

背景技術

0002

本発明は、化学反応によってガスが発生する技術に関する。放出されたガスによって作られる力は、有用なプロセスに動力を与えるために利用され得る。化学反応は、燃焼ではなく、燃焼に関連する多くの問題を回避する。その代わりに、化学反応は通常、重炭酸塩(HCO3)からのCO2の発生に関与する。一般には、本技術は、化学機関技術、またはBattelle Memorial Instituteによって開発された技術が知られているように単にChemEngine(登録商標)と呼ばれる。本発明は、タンパク質療法の送達のために特に有用である。

0003

タンパク質療法は、広範囲にわたる疾患を治療し得る薬物治療の新興の分野である。タンパク質は、その大きいサイズおよび乏しい安定性のため、注射または点滴など非経口の送達方法によって送達されなければならない。定期的な治療を必要とする慢性疾患を患っている患者に関して、趨勢は、例えば糖尿病患者によるインスリン投与における、皮下注射による自己投与に向かっている。典型的な皮下注射は、20秒未満で1mLの製剤の送達に関わるが、時には最大3mLである。皮下注射は、シリンジ自動注射器およびペン型注射器を含めた、いくつかの装置で実施され得る。

0004

治療タンパク質製剤静脈送達からシリンジのような注射装置移行することは、高濃度高分子量分子を送達することに関連する課題に容易で信頼性がありかつ患者に最小限の痛みをもたらす方法で対処することを必要とする。その際、点滴バッグは典型的には1リットル容積を有する一方、シリンジの標準容積は0.3ミリリットルから25ミリリットルまでの範囲である。したがって、薬剤によっては、同量治療タンパク質を送達するために、濃度を40倍またはそれ以上に増加しなければならない場合がある。さらに、注射治療は、患者の快適性および服薬順守の目的のためにより小さい針直径およびより早い送達時間に向かって進んでいる。

0005

タンパク質療法の送達は、こうした治療製剤に関連した高い粘度およびこうした製剤を非経口の装置を通して押すために必要な強い力のためにも難しい。20センチポアズ(cP)を超える、および特に40〜60センチポアズ(cP)を超える絶対粘度の製剤は、従来型のばねによって動く自動注射器によって送達することが複数の理由のために非常に困難である。構造的に、送達される圧力の量のためのばねの専有面積は、相対的に大きくかつ特有の形状に固定され、これは送達装置の設計の柔軟性を低下する。次に、自動注射器は、通常はプラスチック部品で作られる。しかし、高粘度流体を確実に送達するには大量のエネルギーがばねに蓄えられなければならない。これはクリープが原因でプラスチック部品を損傷させる場合があり、これは応力下で永久に変形するプラスチック部品の特質である。自動注射器は、典型的にはばねを用いて針を含有する内部構成要素をシリンジのハウジングの外縁部に向かって押すことにより動作する。高粘度流体を注射するために必要な高い加圧が原因で、内部構成要素がハウジングに衝突する時にシリンジを破壊する危険がある。さらに、衝撃に関連する音が患者の不安をもたらし、将来の服薬順守を低下し得る。こうしたばねによって動く自動注射器の発生圧力時間プロファイルは容易に変更できず、これは使用者が圧力を微調整してそれらの送達必要性に適合させることを妨げる。

0006

所与の製剤を送達するために必要な力は、針直径(d)、針長(L)、製剤粘度(μ)および容積流量(Q)を含めたいくつかの因子によって決まる。最も単純な近似値プランジャバレルとの間の摩擦力を考慮しないもの)においては、力は圧力低下(ΔP)にプランジャ(A)の断面積を乗じたものに関係する。針を通る層流における流体の圧力低下(ΔP)は、ハーゲンポアズイユ式によって記述され得る。




シリンジにおいて、力は使用者によって提供される。合理的な指力は、健康な患者母集団については15〜20N未満であり、高齢あるいはリウマチ性関節炎または多発性硬化症を患っている患者など、器用さが限られた患者についてはいくぶん低いと考えられる。典型的な自動注射器において、力はばねによって提供される。ばねによって提供される力は変位と共に直線的に減少し、ばねは注射を持続するために十分な力が利用可能なように選択しなければならない。20cPを超える粘度は、典型的なばねによって動く自動注射器によって合理的な時間で送達するのが困難になる。
圧縮されたばねを保持するプラスチック部品の破損(蓄積された大きいエネルギーがクリープを引き起こす)
・シリンジ破損(高い初期力
失速が原因の不完全なdossの送達(不十分な最終力)
・ばねの大きい専有面積を含めた、装置設計の非柔軟性
自動注射器のために他のエネルギー源が考慮されている。1つの供給源は、応需型の圧力を生成する発泡性反応の使用である。「Development of an On−Demand, Generic, Drug−Delivery System, 1985」と題された、海軍予備員室(the Office of Naval Reserve)によって資金援助された研究(SoRI−EAS−85−746)は、薬剤流体の遅い送達を駆動し得るCO2を発生するために酸と混合される重炭酸塩の使用を記述した。これらの装置は、緩速で、24時間を超える長期の送達を目標とするものであった。BottgerおよびBobstは、化学反応を使用して流体を送達するシリンジの使用を記述した(米国特許出願公開第2011/0092906号明細書)。Goodらは、「An effervescent reaction micropump for portable microfluidic systems」、Lab Chip、2006年、659〜666頁において種々の濃度の酒石酸ならびに重炭酸ナトリウムおよび異なるサイズの重炭酸ナトリウム粒子を用いるマイクロポンプを対象とした製剤を記述した。しかし、彼らの発明は、射出力が経時的に指数関数的に増加する方法での送達を提供する。先行技術の化学機関は、機関の専有面積およびオーバシュート量を最小化するために試薬容積が最小化される場合など、特にピストン内膨張する容積の影響が無視できない条件については、適切な送達を提供しない(膨張する容積を占めなければ、化学機関は、ばねが失速するのと同様に送達の間に失速し得る)。

0007

本発明は、化学機関技術への改善を採用することによって前述の問題に対する解決策を提供する。特に好ましい態様においては、相対的に小さい注射器で高粘度流体を快適かつ迅速に自己投与するために化学機関が用いられ得るプロセスおよび装置が記述される。これらのプロセスおよび装置は、高濃度タンパク質または他の高粘度医薬品製剤を送達するために用いることができる。

0008

米国特許出願公開第2011/0092906号明細書

先行技術

0009

海軍予備員室、「Development of an On−Demand, Generic, Drug−Delivery System, 1985」
Goodら著、「An effervescent reaction micropump for portable microfluidic systems」、Lab Chip、2006年、659〜666頁

課題を解決するための手段

0010

本発明は、化学機関および流体を動かすために化学機関を使用する方法を提供する。本発明には、化学機関を作成する方法も含まれる。

0011

第1の態様において、本発明は、酸、重炭酸塩、水およびプランジャを含む密閉容器ならびに酸、水および重炭酸塩を混ぜ合わせるように適合された機構を備え、かつ40Nの一定公称背圧で測定される少なくとも50,000W/m3の出力密度または重炭酸ナトリウムとクエン酸とのモル比が3:1かつ1gのH2O中クエン酸403mgの濃度を有する対照と比較して少なくとも1.4の比率の出力密度によってさらに特徴づけられる化学機関を提供する。

0012

本明細書に述べる様々な因子を考慮すると、他の手段によって本発明の全容を定義することは不可能であるので、出力密度による化学機関の特性評価が必要である。先行の装置においては所定のレベルの出力密度は得られず、主張されるレベルの出力密度は以前には望ましいようにまたは達成可能なようには確認されなかった。本機能は、従来型の、ばね式自動注射器または前述のガス式注射器よりも快適性が高く、破損の危険性が低く粘性溶液を送達する、動力付きシリンジを保持することの容易さを提供するなどの非常に多くの技術的利点を1つに纏める。主張される特徴は、測定の容易さおよび計測値の高い精度のさらなる利点を有する。

0013

一部の好ましい実施形態では、少なくとも50wt%の重炭酸塩は固体である。驚いたことに重炭酸カリウムは、その他の点では同一の条件下で重炭酸ナトリウムよりも早い反応を提供しより多くのCO2を発生することが発見されている。したがって、好ましい実施形態では、化学機関は少なくとも50wt%の重炭酸カリウムを含む。好ましくは、酸はクエン酸であり、一部の好ましい実施形態では、クエン酸は水に溶解しており、固体炭酸カリウム溶液中のクエン酸との構成が向上した出力密度を提供し得る。一部の好ましい実施形態では、密閉容器は1.5mL以下の液体を含む。一部の好ましい実施形態では、密閉容器は、酸および炭酸塩を混ぜ合わせるより前の合計内部容積、または2mL以下を有する。一部の実施形態において、酸および重炭酸塩は、固体として存在し、水は酸および重炭酸塩から分離されている。

0014

化学機関のための製剤は、対流剤の添加により改善してもよい。改善された圧力プロファイルは、重炭酸塩が少なくとも2種の粒子モフォロジー固体混合物を含む場合にも提供され得る。

0015

出力密度は、典型的には化学機関の潜在的特徴を説明するために用いられ、通常性は劣るが、化学反応を経ている系を説明するために用いることができる。好ましい実施形態では、化学機関におけるプランジャまたは可撓性壁の変位は、酸、炭酸塩および溶媒(水)が混ぜ合わされた瞬間の2秒、より好ましくは1秒以内から始まり、この瞬間は化学機関が開始する瞬間である。

0016

別の態様において、本発明は、酸性溶液が固体重炭酸塩から分離される、水に溶解した酸を含む酸性溶液および重炭酸塩ならびにプランジャを備える密閉容器と、密閉容器内に配置された開口を備え、開始に続いて、少なくとも酸性溶液の一部が少なくとも開口の一部を通って押し進められるように構成された導管とを備える化学機関を提供する。好ましくは、重炭酸塩は微粒子形状であり、導管は溶液が開口を通って推し進められる時に固体重炭酸塩微粒子に接触するように固体重炭酸塩内に配置された1つの端部を有するチューブを備える。一部の好ましい実施形態では、少なくとも重炭酸塩の一部は固体形状で導管の内側に配置される。一部の実施形態では、ばねは、導管を通って酸性溶液を押し進めるように構成される。

0017

本発明の任意の態様の一部の好ましい実施形態では、化学機関は2ml以下、一部の実施形態においては1.5ml以下、一部の実施形態においては1.0ml以下および一部の実施形態においては0.3mlから2ml、0.3mlから1.5ml、0.5mlから1.5mlまたは0.7mlから1.4mlの範囲の内部容積を有する。

0018

別の態様において、本発明は、酸性溶液が重炭酸カリウムから分離される、水に溶解した酸を含む酸性溶液および重炭酸カリウムならびにプランジャを備える密閉容器、ならびに酸性溶液および重炭酸カリウムを混ぜ合わせるように適合された機構を備える化学機関を提供する。一部の実施形態において、重炭酸カリウムは、重炭酸ナトリウムと混合される。重炭酸塩におけるカリウム:ナトリウムのモル比は、100:0、または少なくとも9、または少なくとも4、または少なくとも1、および一部の実施形態においては少なくとも0.1、一部の実施形態においては0.1から9の範囲、一部の実施形態においては0.5から2の範囲である。

0019

さらなる態様において、本発明は、酸性溶液が固体重炭酸塩から分離される、水に溶解した酸を含む酸性溶液、固体重炭酸塩粒子および固体粒子対流剤ならびにプランジャを備える密閉容器、ならびに酸性溶液および固体重炭酸塩を混ぜ合わせるように適合された機構を備える化学機関を提供する。固体粒子対流剤は、混ぜ合わされた溶液のml当たり50mg未満かつ全ての他の可変量が一定に維持されるように選択された濃度の範囲、酸性溶液および固体重炭酸塩が混ぜ合わされた最初の5秒間のCO2の発生がml当たり粒子対流剤50mgの存在下でのCO2の発生より早い範囲、または混ぜ合わされた溶液のml当たり5mgから25mgの濃度の範囲で存在する。一部の実施形態においては、混ぜ合わされた溶液のml当たり5mgから15mgまたは5mgから10mgである。

0020

「混ぜ合わされた溶液」と言う語は、酸性溶液および固体重炭酸塩が混合された後の液体の容積を意味する。「固体重炭酸塩」と言う語は、重炭酸塩と共に一部の液相(典型的には水相)も存在し得るが、少なくともある程度の固体重炭酸塩が存在することを意味する。一部の好ましい実施形態では、重炭酸塩は、酸性溶液との化合より前に化学機関内に固体として少なくとも10%存在し、一部の実施形態においては固体として少なくとも50%、少なくとも90%または実質的に100%存在する。

0021

「固体対流剤」と言う語は、化学機関内に存在する条件下で(または、未反応の化学機関の場合は、標準温度および圧力で定義される)固体重炭酸塩より低い溶解度を有し、好ましくは固体重炭酸塩より少なくとも2倍緩速で溶解し、より好ましくは固体重炭酸塩より少なくとも10倍緩速で溶解し、一部の実施形態においては少なくとも100倍緩速である固体微粒子を指す。「固体対流剤」は、好ましくは対流剤が分散した水または溶液とは少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%異なる、水銀圧入法により周囲圧力で測定される密度を有する。「固体対流剤」は、好ましくは少なくとも1.05g/ml、より好ましくは少なくとも1.1g/ml、一部の実施形態においては少なくとも1.2g/ml、および一部の実施形態においては1.1から1.5g/mlの範囲である密度を有する。あるいは、「固体対流剤」は、水より低い、例えば0.95g/ml以下、0.9g/ml以下および一部の実施形態においては0.8から0.97mg/mlの密度を有し得る。好ましい実施形態では、対流剤は、過飽和ではない系において用いられ、これは典型的には1分以下、好ましくは30秒以下、より好ましくは20秒以下、およびさらにより好ましくは10秒または5秒以下にわたる自動注射器動作など短い時間尺度の系における場合である。したがって、本発明の珪藻土製剤は、大きい時間尺度にわたる過飽和溶液における造核剤としての機能を果たすために大量の珪藻土を使用する米国特許第4,785,972号のLeFevreの系とは異なる。本発明は、50%より多い重炭酸塩(より好ましくは少なくとも70%または少なくとも90%)が1分以下の短い時間尺度内でガス状二酸化炭素に変換される、対流剤を利用する短期間にわたる化学機関を操作する方法を含む。好ましくは、珪藻土または他の対流剤は、溶液内に形成されているCO2のガス状のCO2を30分より長くにわたって放出するように作られた過飽和の系からのCO2の排出を最適化するために用いられるであろうよりも少なくとも50質量%少ない濃度で存在する。

0022

別の態様において、本発明は、酸性溶液は固体重炭酸塩から分離される、水に溶解した酸を含む酸性溶液および固体重炭酸塩粒子ならびにプランジャを備える密閉容器、酸性溶液と固体重炭酸塩とを混ぜ合わせるように適合された機構を含む化学機関であって、固体重炭酸塩粒子が粒子モフォロジーの混合物を含む、化学機関を提供する。一部の実施形態において、固体重炭酸塩粒子は、少なくとも2種の異なる供給源である、第1の供給源および第2の供給源であって、第1の供給源は1つまたは複数の以下の特徴(質量平均粒径質量あたり表面積および/または化学機関中の溶媒(典型的には水)を用いて均等に撹拌した溶液の1モル溶液への完全溶解に掛かる時間によって測定される20Cの水への溶解度)において第2の供給源と少なくとも20%異なる、第1の供給源および第2の供給源から導かれる。

0023

さらなる態様において、本発明は、酸性溶液は重炭酸塩から分離される、水に溶解した酸を含む酸性溶液および重炭酸塩ならびにプランジャを含む密閉容器であって、容器内の酸性溶液および重炭酸塩は潜在的出力密度を定め、プランジャは密閉容器を薬品区画から分離する、密閉容器を提供するステップ、酸性溶液および重炭酸塩が反応してCO2を発生してプランジャに動力を供給し、このプランジャが今度は、シリンジから液体薬品を押し、容器内の圧力は開始後10秒以内に最大に達し、かつ5分後、潜在的出力密度は初期潜在的出力密度の20%以下であり、かつ10分後、密閉容器内の圧力は、最大圧力の50%以下である、酸性溶液と重炭酸塩とを密閉容器内で混ぜ合わせるステップを含む、シリンジから液体薬品を射出する方法を提供する。一部の好ましい実施形態では、密閉容器は、反応においてCO2が発生する最大速度より少なくとも10倍緩速でCO2を除去するCO2除去剤をさらに含む。

0024

上端部におけるプランジャ、および一方向弁が試薬室から出ることを可能にする、下端部に一方向弁を有する試薬室、上端部に一方向弁および下端部にピストンを有する反応室、ならびに上端部にピストンを有する流体室を備える、化学反応によって流体を送達するための装置であって、ピストンは反応室で発生された圧力に応答して反応室の容積が増加し流体室の容積が減少するように動く、装置が、一部の実施形態において開示される。

0025

発明の態様のいずれにおいても、装置または方法は、1つまたは複数の以下の特徴により特徴付けられ得る。反応室は、好ましくは最大で1.5cm3、一部の実施形態においては最大で1.0cm3の容積を有する。好ましくは、流体室は、約5センチポアズから約1000センチポアズの絶対粘度、または少なくとも20、好ましくは少なくとも40センチポアズ、一部の実施形態において20から100cPの範囲の粘度を有する高粘度流体を含む。試薬室は、溶媒および/または重炭酸塩あるいは溶媒に溶解した酸を含んでいてよい。溶媒は、好ましくは水を含む。一部の好ましい実施形態では、反応室は乾燥酸粉末および離型剤を含んでいてよい。一部の実施形態において、酸粉末はクエン酸塩であり、離型剤は塩化ナトリウムである。あるいは、反応室は、少なくとも1種または互いに反応してガスを発生する少なくとも2種の化学試薬を含んでいてよい。反応室は、離型剤をさらに含んでいてよい。

0026

一部の実施形態において、上室は溶媒を含んでいてよい。下室は、互いに反応してガスを発生する少なくとも2種の化学試薬を含んでいてよい。下室は、例えば、重炭酸塩粉末および酸粉末を含んでいてよい。

0027

装置は、反応室の下端部に押し面、流体室の上端部にストッパー、および押し面とストッパーとを接続するロッドを含むピストンを含んでいてよい。ピストンはプランジャの1つの種類であるが、プランジャは押し面とストッパーとを接続するロッドをしばしば含まない。

0028

プランジャは、サムレストならびに押圧された後に上室と協働してプランジャを定位置にロックする圧力ロックを含んでいてよい。圧力ロックは、サムレストに近接していてもよく上室の上面と協働する。サムレストを含むプランジャは、溶液中で酸と炭酸塩が混ぜ合わせられる混合を生じさせるためにたびたび用いられるので開始プランジャと呼んでもよい。

0029

一部の好ましい実施形態では、化学機関は、一方向弁、連続的な側壁およびピストンによって画定される下室、一方向弁ならびに下室の容積がピストンの移動を通してのみ変化するように互いに対して固定されている側壁を備えていてよい。

0030

好ましい実施形態では、上室、下室および流体室は、円筒形かつ同軸性である。上室、下室および流体室は、装置を作るために連結される別個の部分であってよい。一方向弁は、バルーンがピストンを押す、下室内のバルーンに供給してもよい。ときには、上室または下室のどちらかはカプセル化された試薬を含む。

0031

様々な実施形態において、下端部に封を有する上室、上端部にポートを有する下室、上室の封に向けられた歯を有する上端部における歯の環、下端部にピストン、および上端部にピストンを有する流体室を備える、化学反応によって流体を送達するための装置であって、上室は、下室に対して軸方向に動き、かつピストンは、反応室の容積が増加し流体室の容積が減少するように下室で発生された圧力に応答して動く、装置も記述される。

0032

ピストンは、ポートと連通するヘッドおよびバルーンを含んでいてよい。歯の環はポートを囲繞していてよい。上室は、装置のバレル内で進行してよい。ときには、上室は、プランジャの下端部である。プランジャは、押圧された後に装置の天端部と協働して上室を定位置にロックする圧力ロックを含んでいてよい。あるいは、装置の天端部は、下室に向かって十分に移動した場合に上室の天面と協働して上室を定位置にロックする圧力ロックを含んでいてよい。

0033

流体室は、少なくとも5または少なくとも20または少なくとも40センチポアズの粘度を有する高粘度流体を含んでいてよい。上室は溶媒を含んでいてよい。下室は、互いに反応してガスを発生する少なくとも2種の化学試薬を含んでいてよい。ときには、上室、下室および流体室は、装置を作るために連結される別個の部分である。さらに他の実施形態では、上室または下室のどちらかはカプセル化された試薬を含む。

0034

上室、下端部にピストンを有する下室、上端部にピストンを有する流体室、ならびに上室を通り抜けるシャフト、シャフトの下端部におけるストッパーであって、台座と協働して上室と下室とを分離するストッパーおよびシャフトの上端部におけるサムレストを備えるプランジャを備える化学反応によって流体を送達するための装置であって、プランジャを牽引することでストッパーを台座から分離させて、上室と下室との間の流体連通を引き起こし、かつピストンは下室で発生された圧力に応答して反応室の容積が増加かつ流体室の容積が減少するように動く、装置も本明細書に述べられる。

0035

本開示は、化学反応によって流体を送達するための装置であって、互いに反応してガスを発生し得る少なくとも2種の乾燥化学試薬を含む第1の区画および溶媒を含有する第2の区画である、第1の区画と第2の区画とに仕切りによって分割される反応室、ならびに排出口を有する流体室を備え、流体室の流体は反応室で発生された圧力に応答して排出口を通って出る、装置にも関する。

0036

反応室内で発生された圧力は、流体室の排出口を通って流体を出させるために流体室の1つの端部におけるピストンまたはプランジャに作用し得る。

0037

一部の実施形態において、反応室は、流体室に近接した可撓性壁を含み、かつ流体室は反応室内で発生された圧力が可撓性壁を拡張させて流体室の可撓性側壁圧迫し、したがって流体を押して排出口を通って出させるように可撓性側壁から形成される。

0038

反応室および流体室は、ハウジングによって囲繞されていてよい。ときには、反応室および流体室は、ハウジング内で隣り合っている。他の実施形態では、針がハウジングの底部から伸びて、流動的に流体室の排出口に接続し、かつ反応室は流体室の上部に位置する。

0039

反応室は、反応室の容積がプランジャの移動を通してのみ変化するように一方向弁および側壁が互いに対して固定されている、一方向弁、側壁およびプランジャによって画定されていてよい。

0040

第1および第2の端部を有する反応室、プランジャが反応室で発生された圧力に応答して装置内で動く働きをしている、反応室の第1の端部におけるプランジャ、ならびに反応室に入ることを可能にしている反応室の第2の端部における一方向弁を備える、化学反応によって流体を分配するための装置も様々な実施形態において開示される。

0041

装置は、一方向弁の反対側に試薬室を備えていてもよい。試薬室は、溶媒および溶媒に溶解した重炭酸塩粉末を含んでいてよい。溶媒は、水を含んでいてよい。装置は、一方向弁と反対の試薬室の端部におけるプランジャをさらに含んでいてよい。プランジャは、押圧された後に試薬室と協働して開始プランジャを定位置にロックしてよい。

0042

一方向弁およびピストン(または他の種類のプランジャ)によって試薬室、反応室および流体室に分割されるバレル、ならびに試薬室の1つの端部における開始プランジャを備える化学反応によって流体を送達するための装置であって、一方向弁が試薬室と反応室との間に位置し、かつピストン(または他の種類のプランジャ)は反応室と流体室との間の容積比を変化させるために移動可能である、ピストンが反応室と流体室とを分離する、装置も様々な実施形態において開示される。

0043

本開示は、移動可能なピストンによって分離される反応室および流体室を含むバレル;ならびに反応室を加熱するための熱源を備える、化学反応によって流体を送達するための装置にも関する。反応室は、熱に晒すとガスを発生する少なくとも1種の化学試薬を含んでいてよい。少なくとも1種の化学試薬は、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルであってよい。発生するガスは窒素ガスであってよい。

0044

本開示は、移動可能なピストンによって分離される反応室および流体室を含むバレル、ならびに反応室に光を当てる光源を備える、化学反応によって流体を送達するための装置も記述する。反応室は、光に晒すとガスを発生する少なくとも1種の化学試薬を含んでいてよい。少なくとも1種の化学試薬は、塩化銀を含んでいてよい。

0045

化学機関におけるガス発生反応の開始は、少なくとも2種の異なる化学試薬を溶媒に溶解することにより行ってよい。少なくとも2種の化学試薬には、第1の溶解速度を有する化学化合物および第2の異なる溶解速度を有する同一の化学化合物を含んでいてよい。溶解速度は、化学化合物の表面積を変化させてまたは化学化合物を被膜でカプセル化して異なる溶解速度を得ることにより変化し得る。

0046

ガス発生からの圧力対時間プロファイルは、ガス発生の速度がガスの初期発生よりも速い速度で増加する突発を含み得る。

0047

反応室は、溶媒が反応を開始するために一方向弁の反対側の試薬室から反応室へ加えられる事前に溶解させた重炭酸塩(または事前に溶解させた酸)を含有した状態で、乾燥酸試薬を含んでいてよい。反応室は、塩化ナトリウムなどの離型剤をさらに含んでいてよい。溶媒は、水を含んでいてよい。一部の好ましい実施形態では、乾燥酸試薬はクエン酸粉末または酢酸粉末である。生成されるガスは、好ましくは二酸化炭素である。

0048

試薬室がバレルの天端部における押ボタン部材内に配置される、試薬室、反応室および流体室を含むバレル、試薬室を反応室から分離するプランジャ、押ボタン部材が押圧された場合に開始プランジャを試薬室に押し込むように付勢されたばね、ならびにピストンが反応室で発生された圧力に応答して動く、反応室を流体室から分離するピストンを備える化学反応によって流体を送達するための装置も本明細書に記述される。押ボタン部材は、外側端部において接触面によって閉塞された側壁、側壁の内端から外側に広がる縁部および側壁の外面上の中央部分に近接した封止部材を備えていてよい。バレルは、押ボタン部材の縁部と係合する内側の停止面を含んでいてよい。

0049

開始プランジャは、そこから半径方向に伸びるラグを有する中央本体および反応室の側壁と係合する内端の封止部材を備えていてよい。押ボタン部材の内面は、ラグのための経路を含んでいてよい。

0050

反応室は、内部半径方向表面オリフィスを有する内部半径方向表面およびアームの端部に配置されているピストンによって混合室およびアームに分割されていてよい。

0051

一般的特徴として反応室は、プランジャが動いて流体を流体室の外に押し出した後にガスを逃げさせるオリフィスを覆うガス透過性フィルタを時には含む。この特徴は、過剰なガスの放出を提供する。

0052

バレルは、試薬室および反応室を含む第1の部分ならびに流体室を含む第2の部分である、第1の部分および第2の部分から形成されていてよい。本発明は、第1および第2の部分のアセンブリを備える注射器を注射器または注射器構成要素にする方法を含む。

0053

異なる実施形態において、上端部における活性剤および活性化すると試薬が試薬室から反応室に出ることを可能にする一方向弁である、下端部における一方向弁を有する試薬室、上端部における一方向弁および下端部におけるピストンを受ける手段を有する、動作可能なように試薬室に接続された反応室、ならびに上端部におけるピストンを受ける手段を有する、動作可能なように反応室に接続された流体室を備える、内部の化学反応によって生じた圧力を用いて医薬品流体を患者に送達するための注射装置であって、反応室の容積が増加して流体室の容積が減少するように反応室内で発生された圧力に応答してピストンが動く、注射装置も開示される。

0054

様々な実施形態において、本発明は、本明細書に述べる様々な機能の全ての組み合わせおよび変形を含むことが意図される。例えば、本明細書に述べる製剤は、これらの記述を読んでいる当業者によって理解されるであろうように装置のいずれにおいても使用され得る。同様に、本明細書に述べるどの装置についても、粘性流体、典型的には薬物を送達するための装置を使用する対応する方法がある。本発明には、構成要素の組み立てを含む装置を作成する方法も含まれる。本発明には、別個の化学機関構成要素ならびに注射器に組み立てられる化学機関および他の構成要素を含むキットがさらに含まれる。本発明は、本明細書に述べる測定値、例えば出力密度特性あるいは図、実施例または他の場所に記載される任意の他の測定される特性によりさらに特徴付けられ得る。例えば、上限または下限あるいは本明細書に述べる測定値によって確定される範囲により特徴付けられる。

0055

本発明の様々な態様は、「備える(comprising)」と言う語を用いて記述されるが、より限られた実施形態において、本発明は代わりに「から本質的になる」またはより狭くは「からなる」と言う語を用いて記述され得る。

0056

化学機関のいずれにおいても、典型的には直接または間接的に活性化されて化学機関内のガス発生を開始する、例えば、酸および重炭酸塩を溶液中で混ぜ合わせ反応させてCO2を発生させる開始プランジャがあってよい。好ましくは、化学機関は、反応室を大気に対して閉ざされたままにして、プランジャを移動して流体を流体区画の外へ押し出す以外の圧力を失わないように開始剤プランジャを定位置にロックする機能(ラグなど)を備える。

0057

様々な態様において、本発明は、製剤、注射器、製剤または注射器(典型的には注射器本体、膨張区画、プランジャ(例えば、ピストン)および好ましくは薬物である粘性流体構成要素を備える)を作成する方法として定義され得る。典型的には、当然ながら、針は薬品区画に接続される。一部の実施形態において、膨張区画は、膨張区画部分(反応室とも呼ばれる)が薬品区画から離れ得るように解放可能に取り付けられてよい。一部の態様では、本発明は、シリンジを通って溶液を押す方法または薬品を投与する方法あるいは器具に加えて製剤(1種または複数)および/または放出されたガス(典型的にはCO2)を含む系として定義され得る。薬品は、従来型の薬または好ましい実施形態においては、タンパク質などの生物製剤(1種または複数)であってよい。発明の態様のいずれも、本記述のどこかに記述される1つの機能または任意の機能の組み合わせにより特徴付けられ得る。

0058

本発明の好ましい態様は、
・0.06mL/秒以上の流速を有する粘性流体(例えば20cPより大きい)の送達
・エネルギーを保存する必要性を除外する応需型のエネルギー
・シリンジ破損を防止する最小の始動
・注射事象全体を通して失速を防止する相対的に一定の圧力
・流体の粘度または使用者の要求に応じて、調節可能な圧力または圧力プロファイルを提供し得る化学機関を提供する。本発明は、非経口送達による医薬品製剤の送達に用いられ得る応需型の圧力を生じるためのガス発生化学反応を提供する。圧力は、ガスを発生する2種の反応性材料を混ぜ合わせることにより生じ得る。先行技術に勝る本ガス発生反応の利点は、これが20cPより大きい粘度を有する流体の迅速な送達(20秒未満)を実現しかつ実施例に示されるように実質的に平坦な圧力対時間プロファイルを維持しながら必要とされる実装空間を最小化する方法で行われ得ることである。本発明のさらなる利点は、異なる流体、非ニュートン流体、患者の要求または装置のために圧力対時間プロファイルを変更し得ることである。

0059

以下は図面の簡単な説明であり、これらは本明細書に開示される例示的な実施形態を例示する目的のために示される物でありそれらを限定する目的のための物ではない。

図面の簡単な説明

0060

室内のピストンを動かすためのガスを生じる化学反応の図である。
化学反応によって流体を送達するための装置の第1の実施形態の図である。ここで化学反応は、2種の乾燥化学試薬が溶媒に溶解して反応する時に発生する。本図は、乾燥試薬が溶媒から分離されている保管状態の装置を示す。
乾燥試薬が溶媒と混ぜ合わされた後の図2の装置を示す図である。
流体を送達するためにガス圧力によって押されているピストンを有する図2の装置を示す図である。
溶媒中の2種の試薬の化学反応によって流体を送達するための装置の別の例示的な実施形態を示す図である。本装置は、連結されて図2に示される装置と類似の結合装置を形成する4つの分離した部分で作られる。
化学反応によって流体を送達するための装置の第1の実施形態の図である。ここで化学反応は、化学試薬が熱に晒される時に発生する。装置は熱源を含む。
注射装置の第1の例示的な実施形態の断側面図である。本実施形態は、2つの分離した室を作るために一方向弁を使用する。
図7の例示的な実施形態における機関の断面斜視図である。
注射装置の第2の例示的な実施形態の断側面図である。本実施形態は、2つの分離した室を作るための封および封を破壊するための歯の環を使用する。
図9の第2の例示的な実施形態における機関の断面斜視図である。
注射装置の第3の例示的な実施形態の断側面図である。本実施形態において、ハンドルの上方への牽引(すなわち装置のバレルから離れる)が2つの分離した室の間の封を破壊する。本図は、ハンドルの上方への牽引よりも前の装置を示す。
ハンドルの上方への牽引よりも前の図11の第3の例示的な実施形態における機関の断面斜視図である。
ハンドルの上方への牽引後図11の第3の例示的な実施形態における機関の断面斜視図である。
カプセル化された試薬を使用する機関を示す例示的な実施形態の断側面図である。本図は、保管状態の装置を示す。
カプセル化された試薬を使用する機関を示す例示的な実施形態の断側面図である。本図は、使用状態の装置を示す。
化学反応を使用して流体を注射するパッチポンプの第1の例示的な実施形態の透視図である。ここで、機関はおよび流体室は隣り合っており、共に硬質の側壁を有する。
化学反応を使用して流体を注射するパッチポンプの第2の例示的な実施形態の透視図である。ここで、機関は流体室の上部にあり、ともに可撓性壁を有する。機関は、膨張して流体室を押す。本図は、流体室が空でありかつ使用前である場合のパッチポンプを示す。
流体室が充満している場合の図17のパッチポンプの透視図である。
ガス発生化学反応を使用するシリンジの別の例示的な実施形態の断側面図である。ここで、ストッパーが圧縮ばねによって付勢され試薬室を通って進行し、その内容物が確実に反応室に注ぎ込まれる。
図19のシリンジにおける押ボタン部材の内側を示す底面図である。
図19のシリンジにおいて用いられるストッパーの上面図である。
異なる量の水が反応室に注入される場合のシリコーン油の送達についての圧力対時間プロファイルを示すグラフである。y軸はゲージ圧(Pa)であり、x軸は時間(秒)である。プロットは、3つの異なる量の水、−0.1mL、0.25mLおよび0.5mLが用いられた条件についての結果を示す。
離型剤(NaCl)が反応室に加えられた場合の73cPシリコーン油の送達についての容積対時間プロファイルを示すグラフである。y軸は容積(ml)であり、x軸は時間(秒)である。
重炭酸塩モフォロジーの改質または混合の使用が示される73cPシリコーン流体の送達についての容積対時間グラフであり、反応室は、100%受領したまま、100%冷凍乾燥、75%受領したまま/25%冷凍乾燥または50%受領したまま/50%冷凍乾燥を含む。
重炭酸塩モフォロジーの改質または混合の使用が示される73cPシリコーン流体の送達についての圧力対時間グラフであり、反応室は、100%受領したまま、100%冷凍乾燥、75%受領したまま/25%冷凍乾燥または50%受領したまま/50%冷凍乾燥を含む。
初期期間の73cPシリコーン流体の送達の正規化された圧力対時間グラフである。重炭酸塩モフォロジーの改質または混合の使用が示され、反応室は、100%受領したまま、100%冷凍乾燥、75%受領したまま/25%冷凍乾燥または50%受領したまま/50%冷凍乾燥を含む。
第2の期間の73cPシリコーン流体の送達の正規化された圧力対時間グラフである。反応室は、異なるモフォロジーまたは混合したモフォロジーの重炭酸塩を含み、100%受領したまま、100%冷凍乾燥、75%受領したまま/25%冷凍乾燥および50%受領したまま/50%冷凍乾燥であった。
異なる溶解速度または構造を有する試薬の使用が示される73cPシリコーン流体の送達についての容積対時間グラフである。機関は、100%受領したままの重曹およびクエン酸粉末、100%の同様の化学量論比に調整されたアルセルツァー、75%受領したままの粉末/25%アルカセルツァー、50%、25%受領したままの粉末/75%アルカセルツァーのいずれかを含んだ。
異なる溶解速度または構造を有する試薬の使用が示される73cPシリコーン流体の送達についての容積対時間グラフである。機関は、100%受領したままの重曹およびクエン酸粉末、100%の同様の化学量論比に調整されたアルカセルツァー、75%受領したままの粉末/25%アルカセルツァー、50%、25%受領したままの粉末/75%アルカセルツァーのいずれかを含んだ。
異なる溶解速度または構造を有する試薬の使用が示される1cPの水流体の送達についての圧力対時間グラフである。機関は、100%受領したままの重曹およびクエン酸粉末、100%の同様の化学量論比に調整されたアルカセルツァー、75%受領したままの粉末/25%アルカセルツァー、50%、25%受領したままの粉末/75%アルカセルツァーのいずれかを含んだ。
異なる溶解速度または構造を有する試薬の使用が示される73cPシリコーン流体の送達についての正規化された圧力対時間グラフである。機関は、100%受領したままの重曹およびクエン酸粉末、100%の同様の化学量論比に調整されたアルカセルツァー、75%受領したままの粉末/25%アルカセルツァー、50%、25%受領したままの粉末/75%アルカセルツァーのいずれかを含んだ。圧力は、図29における曲線をそれらの最大圧力に正規化することによって正規化される。
図31の最初の3秒を拡大している正規化された圧力対時間グラフである。
反応室が重炭酸ナトリウム(BS)、重炭酸カリウムまたは50/50混合物のいずれかを含む73cPシリコーン流体の送達についての容積対時間グラフである。
反応室が重炭酸ナトリウム(BS)、重炭酸カリウムまたは50/50混合物のいずれかを含む73cPシリコーン流体の送達である、試験の第3の組の圧力対時間グラフである。
反応室が重炭酸ナトリウム(BS)、重炭酸カリウムまたは50/50混合物のいずれかを含む73cPシリコーン流体の送達である、試験の第3の組の反応速度グラフである。
シリコーン油についての試験の第4の組の容積対時間グラフである。
溶液を反応室内に送達するために用いられ得る開口を有する導管を例示する。
長さ19mmおよび27ゲージの薄壁針を通してシリコーン油を送達する混合された重炭酸ナトリウムおよび重炭酸カリウムを用いる化学機関についての測定された圧力対時間プロファイルを示す。
対照(NaCl無し)および固体NaClを造核剤(NaCl)として用いる系についての容積対送達時間を示す。
1mLの50cP流体を27ゲージの薄壁針(長さ1.9cm)を通して送達する2つの異なる化学機関からの力対時間プロファイルを示す。
3mLの50cP流体を27ゲージの薄壁針(長さ1.9cm)を通して送達する2つの異なる化学機関(製剤3および4)からの力対時間プロファイルを示す。
3mLの50cP流体を27ゲージの薄壁針(長さ1.9cm)を通して送達する化学機関(製剤5)からの力対時間プロファイルを示す。
図の右側に記述される組成物のための定数における圧力プロファイルを示す。観察された圧力は、対照<核生成表面<<エクスパンセル粒子<シュウ酸<珪藻土<シュウ酸カルシウムの順に増加した。
ガス発生を増強することにおける振動および追加された珪藻土の効果の類似性を示す。
重炭酸カリウム、クエン酸および対流剤として機能する5、10または50mgの珪藻土を含む化学機関によって動力を与えられる粘性流体の変位を例示する。
化学機関の出力密度を測定するための器具を概略的に例示する。

0061

用語解説
化学機関−化学機関は、化学反応を通してガスを発生して、発生したガスは別のプロセスに動力を与えるために使用される。典型的には、反応は燃焼ではなく、多くの好ましい実施形態では化学機関は炭酸塩(典型的には炭酸ナトリウムまたは好ましくは炭酸カリウム)と酸、好ましくはクエン酸との反応からのCO2の発生によって動力を与えられる。

0062

化学機関との関連で、密閉容器は、発生したガスの力をプランジャに対して掛けることができるようにガスの大気への漏れを防止する。組み立てられた装置(典型的には注射器)において、プランジャは、発生したガスによって動かされ流体を流体区画の外へ押し出す。多くの実施形態において、容器は、一方向弁によって一方の端部において閉塞され、中心軸に直交する方向において室の壁によって囲繞されかつ移動可能なプランジャによって他方の端部において閉塞される。

0063

粘度は、「動粘度」または「絶対粘度」の2つの方法で定義され得る。動粘度は、加えられた力の下での流体の抵抗流(resistive flow)の尺度である。動粘度のSI単位は、mm2/秒であり、これは1センチストーク(cSt)である。絶対粘度は、ときには動的粘度または単純粘度と呼ばれ、動粘度と流体密度の積である。絶対粘度のSI単位は、1cP=1mPa秒である、ミリパスカル秒(mPa秒)またはセンチポアズ(cP)である。特別の定めのない限り、粘度と言う語は常に絶対粘度を指す。絶対粘度は、毛管レオメーターコーンアンドプレートレオメーター(cone and plate rheometer)または任意の他の既知の方法によって測定してよい。

0064

流体は、ニュートンまたは非ニュートンにどちらかであってよい。非ニュートン流体は、注射のせん断速度と類似のものを含めて、異なるせん断速度において特徴付けられるべきである。この場合、流体の粘度は、既知の針の直径および長さを既知の流体速度で通る注射に既知の力が使用される場合のハーゲン−ポアズイユ式を用いて近似してよい。本発明は、ニュートンまたは非ニュートン流体のどちらにも適する。

0065

プランジャ(「膨張プランジャ」とも呼ばれる)は、化学機関において発生したCO2に応答して移動または変形する任意の構成要素であり、これは化学機関に隣接したまたは間接的に接続した区画内の液体に、直接的または間接的に、力を伝え得る。例えば、プランジャはピストンを押して、これが今度はシリンジ内の液体を押し得る。本出願および先行技術に記載されている非常に多くの種類のプランジャがあり、本発明の製剤および設計は、一般には多数のプランジャの種類に適用可能である。

0066

開始プランジャは、通常は酸、炭酸塩および水の混合を直接または間接的に引き起こすことによって反応を開始するために用いられる移動可能な部品である。好ましくは、開始プランジャは所定の位置にロックされて圧力のいかなる損失も防止しひいては全ての発生した圧力を流体室から射出される流体へ向かわせる。

0067

「非経口の」と言う語は、注射または点滴などの消化管を通らない送達手段を指す。

0068

圧力対時間プロファイルは、突発は送達中の圧力のプロファイルにおける第2の増加として記述される、突発を含んでいてよい。

0069

本開示のプロセスは、手動シリンジまたは自動注射器の双方と共に用いてよく、円筒形状に限定されない。「シリンジ」と言う語は、任意のサイズおよび形状の手動シリンジおよび自動注射器を指すために交換可能に用いられる。「注射装置」と言う語は、例えばシリンジおよびパッチポンプを含めた流体を患者に注射するために用いられ得る任意の装置を指すために用いられる。好ましい実施形態では、本明細書に述べる化学機関のいずれも注射器の一部であってよく本発明(the inention)はこれらの注射器を含む。

0070

図1は、注射または点滴による医薬品製剤の送達における使用のための化学反応による圧力の発生を例示する。図の左側を参照すると、1種または複数の化学試薬100は、反応室110内に封入される。室の一方の側は室の他方の側に関連して動いてよく、ピストン120としての機能を果たす。室110は、化学反応より前の第1の容積を有する。

0071

次いで「RXN」矢印によって示されるように、室内で化学反応が開始される。ガス状副生成物130が同じ速度、n(t)で発生する(式中、nは発生したガスのモルおよびtは時間を表す)。圧力は、式(1)に見られるように、化学反応によって発生するガス状副生成物130の量に比例する。
P{t)−[n{t)・T]IV (1)
式(1)において、Tは温度およびVは室110の容積を表す。

0072

室110の容積は、ピストン120上のガス圧力によって発生する追加の力がシリンジの針を通って流体を押すために必要な力を超えるまで固定されたままである。必要な力は、系に存在する機械的構成要素、例えば摩擦力ならびに連結器の構造、シリンジ針直径および流体の粘度によって提供される機械的利点によって異なる。

0073

一旦ピストン120を動かすために必要とされる最小圧力を超えると、反応室110の容積は増加し始める。ピストン120の動作は、シリンジ内の流体の送達を開始させる。室110内の圧力は、式(1)で表されるように、反応の速度および容積膨張の速度の両方によって異なる。好ましくは、過度の過剰な圧力を発生せずに、容積膨張を占めるための十分なガスが発生する。これは、室110における反応およびガス放出の速度を調節することにより達成され得る。

0074

化学反応が生成したガス状の副生成物130からの圧力上昇は、シリンジを通ってピストン120に隣接した流体を直接押すために用いられ得る。圧力上昇は、間接的な方法、例えば流体を含む予備充填されたシリンジのストッパーにピストン120を連結するロッドまたはシャフトにより、例えばピストン120と流体との間の機械的接触確立することによっても、流体を押し得る。

0075

1種または複数の化学試薬100は、反応するとガス状の副生成物130が発生するように選択される。適した化学試薬100には、反応してガス状の副生成物130を発生する試薬が含まれる。例えば、クエン酸(C6H8O7)または酢酸(C2H4O2)は重炭酸ナトリウム(NaHCO3)と反応して二酸化炭素、CO2を発生するであろうが、これは2つの試薬が水などの共通の溶媒に溶解される時に開始され得る。あるいは、単一の試薬は、光、熱または溶解などの開始因子によって誘発された場合にガスを発生し得る。例えば、単一の試薬2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)は、50℃〜65℃の温度で分解されて窒素ガス(N2)を発生し得る。化学試薬(1種または複数)は、化学反応が容易に制御され得るように選択される。

0076

本開示の一つの態様は、(i)短時間、例えば20秒未満で粘性流体を送達するために十分な力ならびに(ii)目的の用途、すなわちシリンジを駆動することに適合する小さいパッケージをもたらす種々の構成要素の組み合わせである。所望の注射を達成するために、時間、サイズおよび有効性(in force)が全て同時に揃わなければならない。化学機関のためのパッケージサイズは、溶媒を含めた試薬の容積によって決定され、これは全ての構成要素が混合されてCO2が放出した後に標準状態(25C、1atm)で測定される。

0077

CO2対H2CO3のモル濃度は、pHによって与えられる。H2CO3のpKaは4.45である。この値をはるかに下回るpHについては、H2CO3に対するCO2の割合はほぼ100%である。pKaに近いpH(例えば4.5から6.5)については、値が90%から30%に減少するであろう。7より大きいpHについては、系はほぼH2CO3からなりCO2は無いであろう。適した酸は、したがって注射事象の持続期間の初めから終わりまで4.5未満のpHを維持するために系の緩衝を提供すべきである。化学反応は、注射事象の時間枠における注射事象(例えば、5秒以内または10秒以内または20秒以内)の間に100%変換に達する必要はないが、一般には、過剰な圧力の発生を最小化するために、変換は少なくとも30〜50%に接近すべきである(変換は反応した酸のモル百分率として定義され、一部の実施形態においては30から80%の範囲、一部の実施形態においては30から50%の範囲である)。一部の実施形態において、CO2反応物(重炭酸ナトリウムまたは重炭酸カリウムなど)の変換は、少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%または少なくとも70%および一部の実施形態において95%未満である。

0078

氷酢酸(pKal 4.76)および酪酸(pKa 4.82)など室温において液体である酸は適する。好ましい酸は、室温で固体である有機酸であり、これらの酸はわずかな臭気を有し装置と反応しない。さらに、これらは溶解速度を制御する手段を提供するために異なるモフォロジーまたは構造を有する粉末としてパッケージしてもよい。好ましい酸には、クエン酸(pH:2.1から7.2(pKa:3.1;4.8;6.4)、シュウ酸(pH:0.3から5.3[pKa:1.3;4.4])、酒石酸(tartartic acid)(pH:2から4;[pKal=2.95;pKa2=4.25])およびフタル酸(pH:1.9〜6.4[pKa:2.9;5.4])が含まれる。実験ではHClが追加される。驚いたことにpHを3に減少することは、CO2の放出を加速しないことが発見された。

0079

一部の好ましい実施形態では、クエン酸は、注射事象が15から50%の間の反応変換で起きる系において用いられる。急速なCO2上昇およびひいては低い変換で生じる圧力を利用することが望ましくあり得る。この酸の緩衝の挙動に起因して、pHが5.5より高く上昇するので、反応中に作られるH2CO3に対するCO2の割合は高い変換においては減少するであろう。この系は、注射の完了後、反応の最終段階においてはより少ない圧力上昇を有するであろう。他の状況では、注射事象の終了において完了に近くなるように完全反応サイクルを利用して反応を修正することが望ましくあり得る。一部の実施形態において、酒石酸およびシュウ酸はそれらの低いpKa値のために好ましい選択である。

0080

一部の好ましい実施形態では、重炭酸塩は、固体酸あるいは塩、重炭酸塩または他の添加剤など他の構成要素と混合された固体酸を含む膨張区画に飽和溶液として加えられる。他の実施形態において、水が重炭酸塩および他の構成要素と混合された固体酸を含むピストンに加えられる。一部の他の好ましい実施形態では、注射の終了においてさらなるCO2生成物を提供するために重炭酸塩水溶液が固体重炭酸塩を含む固体組成物に加えられる。さらに他の実施形態では、重炭酸塩は湿らされて、または部分的にのみ溶解した固体として存在してもよい。重炭酸塩の任意の形態は、溶解した酸と反応してもよい。例えば、一部の好ましい実施形態では、重炭酸塩は、クエン酸の溶液と混ぜ合わせられる。

0081

化学作用が、小さい反応容積に留まる場合、すなわち、比較的大量の試薬が加圧された系において少容量の液体(飽和溶液)に留まる場合、CO2(g)を生成するプロセスは大幅にさらに複雑になる。状況によって、ステップを制限する重要な速度はここで次のようになる。
固体試薬の溶解速度
重炭酸イオンの有効性および拡散速度
・重炭酸塩表面からのCO2の離脱速度
・溶液からのCO2(g)の放出
系の必要性に応じて、パラメータは、行過ぎを最小化して化学反応室の容積膨張の影響が圧力を降下させ送達を失速させない平坦な圧力プロファイル曲線を維持するために独立にまたは一致して調整してよい。

0082

粘性流体の高速の送達を達成するために、重炭酸イオンの有効性は重要な因子であり得る。溶液において、重炭酸塩の塩は反応における活性種である重炭酸イオンと平衡状態にある。重炭酸イオンは、遊離種(free species)または強く会合していてよい。重炭酸塩の濃度は、エタノ−ルを追加して反応速度を減少するまたはN−メチルホルムアミドもしくはN−メチルアセトアミドを追加して反応速度を増加すること、共通イオン効果を利用することおよび飽和点を超える比較的高含量の重炭酸塩を利用することなどの溶媒極性を変えることにより制御され得る。重炭酸塩は、好ましくは100mLに9g、より好ましくは100mLに25gよりも大きい水への溶解度を有する。一部の好ましい実施形態では、重炭酸カリウムの飽和溶液が酸を含むピストンに追加される。他の実施形態において、水が固体酸および重炭酸カリウムを含むピストンに追加される。

0083

送達の間の圧力プロファイルは、溶解の速度を変更することにより変更してもよい。例えば、固体クエン酸および固体重炭酸塩を含むピストンへの重炭酸カリウムの飽和溶液の追加は、溶解した重炭酸塩が酸と反応している時のCO2の第1の急速な突発および固体重炭酸塩が溶解して利用可能になる時のCO2の第2の二次的に維持される濃度を提供する。溶解速度は、粉末の粒径または表面積を変えること、重炭酸塩または酸いくつかの異なる種を用いること、第2の構成要素を用いるカプセル化あるいは溶媒品質の変化により変更され得る。異なる溶解速度を有する粉末を組み合わせることにより、圧力対時間プロファイルを変更し、経時的に一定の圧力または経時的圧力における突発を可能にしてもよい。触媒の導入を同じ効果のために用いてもよい。

0084

ピストン(反応室)内の圧力は、溶液から放出されるCO2の濃度によって決まる。放出は、撹拌の方法を導入することあるいはCO2の溶解度を減少するまたはその核生成成長および拡散を増進する場所を導入することにより促進され得る。撹拌の方法には、ピストン中に懸濁する剛体球の導入が含まれ得る。適した球には、エクスパンセル、ポリスチレンミクロスフェアまたはポリプロピレンミクロスフェアなどの中空高分子ミクロスフェアが含まれる。水または飽和重炭酸塩をピストンに導入すると、外部流が球上の力およびトルク誘導して、速度wを有するそれらの回転をもたらしならびに浮力によって誘導される移動を開始する。球の回転によって発生する流動場は、表面に向かうガス拡散を改善し、液体からのCO2の脱離を促進する。自由に回転している球の表面は、重炭酸塩で被膜することによってなど、活性層によっても変更され得る。こうした球は、最初は重く浮力によって影響を受けない。しかし被膜が溶解するか酸と反応するので、浮揚性が球を液体の表面に向かって移動させ始めるであろう。前述の動作の間、粒子上の不釣合い力は、スピニングガス移動律速を減少することおよび液体からのCO2の脱離を増加することを促進する。

0085

一部の実施形態において、塩、添加剤または他の造核剤が、空容積への溶解したガスの放出を促進するために加えられる。前記造核剤の例には、結晶質の塩化ナトリウム、酒石酸カルシウム、シュウ酸カルシウムおよび糖が含まれる。放出は、ガスの溶解度を減少する構成要素を追加することにより促進され得る。核生成、成長および不均質核生成によってガス気泡の放出を促進する造核剤を追加することによっても促進され得る。

0086

好ましい実施形態では、流速対時間は、流体上のせん断速度が同様になるように実質的に一定に維持される。ニュートン流体については、せん断速度は、流速に比例しかつr3に反比例する(式中、rは針の半径である)。せん断速度における変化は、針直径が変化しない装置については最初の2秒または3秒後に流動が開始した時点で[(最大流速最小流速)/最小流速)]−100として定義され得る。好ましい実施形態では、せん断速度における変化は、50%未満、より好ましくは25%未満である。流体は、ニュートンまたは非ニュートンであってよい。27ゲージから31ゲージの範囲の直径を有する針を通る皮下の送達において典型的な流速については、せん断速度は約1x104から1x104s−1であり非ニュートン効果は、特にタンパク質については重要になり得る。

0087

本明細書にさらに述べられる一部の実施例において、ガス発生化学反応を用いる注射装置が、27ゲージ薄壁(TW)針を10秒未満で通る70センチポアズ(cP)より大きい粘度を有する流体を変位させるために用いられた。27ゲージ薄壁針は、公称外径0.016±0.0005インチ、公称内径0.010±0.001インチおよび壁厚0.003インチを有する。こうした結果は、より大きい公称内径を有する針でも得られると見込まれる。

0088

化学試薬(1種または複数)の選択は、異なる因子に基づいていてよい。1つの因子は、試薬の溶解速度、すなわち試薬の乾燥粉末形態が、水などの溶媒に溶解する速度である。溶解速度は、粉末の粒径または表面積を変えること、最初に溶解する被膜で粉末をカプセル化すること、または溶媒品質における変化により変更され得る。別の因子は、所望の圧力対時間プロファイルである。圧力対時間プロファイルは、反応の反応速度論を変更することにより制御され得る。最も簡単な場合において、所与の反応の反応速度論は、化学反応の「順序」に依存する試薬の濃度および温度などの因子によって決まるであろう。2種の乾燥試薬を混合しなければならない物を含めた多くの試薬100について、反応速度論は、溶解の速度に依存するであろう。例えば、2つの異なる溶解速度を有する粉末を混ぜ合わせることにより、経時的に一定の圧力または所定の時間における圧力の突発を有するプロファイルを可能する、圧力対時間プロファイルを変更してもよい。触媒の導入を同じ効果のために用いてもよい。あるいは、送達された容積対時間プロファイルは、一定の傾きを有していてもよい。「一定」と言う語は、傾きの値における±15%の許容可能な偏差を伴う、少なくとも2秒の期間にわたる直線状の上向きの傾きを有する所与のプロファイルを指す。

0089

化学反応を調整するこの能力は、本開示の装置を、異なる流体(様々な容積および/または粘度を有する)、患者の要求または送達装置の設計に適応させる。さらに、化学反応は反応室の外形とは無関係に進行しながら、反応室の形状は蓄積された圧力がピストンに作用する程度に影響し得る。

0090

薬剤送達を提供するための目標圧力レベルは、シリンジの機構、流体の粘度、針の直径および所望の送達時間によって決定され得る。目標圧力は、反応室の適切な容積と共に、n(ガスのモル)を決定する、試薬の適切な量および化学量論比を選択することにより達成される。圧力に寄与しないであろう反応室内に存在する任意の液体へのガスの溶解度も考慮すべきである。

0091

必要に応じて、流体送達の速度を増加するために離型剤も反応室内に存在してよい。拡散および分子間の反応を促進するために水などの溶媒が用いられる場合、発生したガスは溶媒においていくぶんの溶解性または安定性を有するであろう。離型剤は、室のヘッドスペースへの任意の溶解したガスの放出を促進する。離型剤は、溶媒におけるガスの溶解度を減少させる。例示的な離型剤には、核生成、成長および不均質核生成によるガス気泡の放出を促進する造核剤が含まれる。例示的な離型剤は、塩化ナトリウム(NaCl)である。離型剤の存在は、乾燥(粉末)試薬のための圧力発生の因子を制限する速度であることが多い、溶解速度を増加することにより、多くの化学反応の全体的な速度を増加し得る。離型剤は、触媒であるとも考えられ得る。

0092

一部の好ましい実施形態では、反応室の容積は1から1.4cm3以下、一部の好ましい実施形態では1cm3以下、一部の実施形態においては0.5から1または1.4cm3の範囲である。装置の他の構成要素は、反応室の容積に適合する寸法にしてよい。1から1.4cm3以下の反応室は、限られた注射空間または専有面積で高粘度流体の化学反応送達を可能にさせる。

0093

図2は、ガスを発生させるために試薬間の化学反応を用いる高粘度流体を送達するために用いられ得る装置(ここではシリンジ)の1つの例示的な実施形態を例示する。シリンジ400は、化学反応がまだ開始されていない保管状態または非押圧状態でここに描かれている。針は本図に含まれない。シリンジ400は、側壁412から形成され内部空間が3つの別個の室に分割されているバレル410を含む。シリンジは、バレルの天端部402で始まり、試薬室420、反応室430および流体室440を含む。プランジャ470は、試薬室の上端部422に挿入される。一方向弁450は、試薬室の下端部424に存在し、半径方向表面を形成している。一方向弁450は、反応室の上端部432にも存在する。一方向弁450は、材料が試薬室420を出て反応室430に入ることを可能にするように向けられる。反応室の下端部434は、ピストン460によって形成される。最後に、ピストン460は、流体室の上端部442に存在する。バレルのオリフィス416は、流体室の下端部444にありかつシリンジの底端部404にある。一方向弁450は、定位置に固定されバレル410内で移動できないことに留意されたい。対照的に、ピストン460は、圧力に応答してバレル内で移動し得る。言い換えれば、反応室430は、一方向弁450、バレル側壁412およびピストン460によって画定される。

0094

反応室430は、第1の端部および第2の端部を有するとしても記述され得る。移動可能なピストン460は、反応室の第1の端部434にあり、一方で一方向弁450は、反応室の第2の端部432に存在する。本図において、反応室430はピストン460の片側上に直接あり、流体室440はピストンの反対側上に直接ある。

0095

試薬室420は、少なくとも1種の化学試薬、溶媒および/または離型剤を含む。反応室430は、少なくとも1種の化学試薬、溶媒および/または離型剤を含む。流体室440は、送達される流体を含む。ここに描かれるように、試薬室420は溶媒480を含み、反応室430は乾燥粉末の形態の2種の異なる化学試薬482、484を含みかつ流体室440は高粘度流体486を含む。重ねて、本図は縮尺通りに描かれていないことに留意されたい。化学試薬は、ここに例示されるように、反応室の全体の容積を満たさない。代わりに、ヘッドスペース436が反応室内に存在する。

0096

特有の実施形態において、試薬室は溶媒に予備溶解された重炭酸塩を含み、反応室は乾燥酸粉末を含む。溶媒中の試薬の受動的な混合が、反応のスピードを減少するであろう問題であったことが分かった。重炭酸塩は予備溶解したが、そうでなければ溶解が遅すぎてガス発生反応に関与した。さらに特有の実施形態では、重炭酸カリウムが用いられた。重炭酸ナトリウムは、迅速には反応しなかったことが分かった。クエン酸塩は、速く溶解し速く反応したので乾燥酸粉末として用いられた。塩化ナトリウム(NaCl)は、クエン酸塩と共に乾燥離型剤として含まれた。塩化ナトリウムは、核形成部位を提供して溶液からガスをより迅速に放出させた。

0097

それぞれの室は、図に描かれているものが室の高さに比例する、容積を有する。試薬室420は高さ425を有し、反応室430は高さ435を有しかつ流体室440は高さ445を有する。この非押圧状態において、反応室の容積は、溶媒および2種の化学試薬を含むのに十分である。

0098

特定の実施形態において、反応室の容積は1cm3以下である。装置の他の構成要素は、反応室の容積に適合する寸法にしてよい。1cm3以下の反応室は、限られた注射空間または専有面積で高粘度流体の化学反応送達を可能にさせる。

0099

図3において、プランジャ470は押圧されており、すなわちシリンジは押圧状態である。この動作は、一方向弁450を開放させて、溶媒480を反応室430に入らせ、2種の化学試薬を溶解させる(ここでは溶媒内の気泡として例示される)。プランジャ470が押圧された後さらなる圧力が一方向弁に掛けられていない状態で、一方向弁450が閉じる(本図は開放状態の弁を示す)。特定の実施形態において、バレル側壁412は試薬室の下端部424において、溝414を含んでいてよく、さもなければプランジャ470を捕捉するように成形される。言い換えれば、プランジャ470は、押圧された後に試薬室420の下端部424と協働してプランジャを定位置にロックする。

0100

図4において、溶媒中の2種の化学試薬の溶解は、化学反応の副生成物としてのガス488の発生をもたらした。ガスの量が増加するにつれて、ピストン460にかかる圧力は閾値に達するまで増加した後、ピストン460は(矢印で示されるように)シリンジの底端部404に向かって下方に移動する。これは、反応室430の容積を増加させ、流体室440の容積を減少させる。これにより、流体室内の高粘度流体486がオリフィスを通って分配されることとなる。言い換えれば、反応室430および流体室の合わせた容積は一定のままであるが、反応室内でガスが発生するので反応室の流体室440に対する容積比は増加するであろう。留意すべきは、一方向弁450がガス488を反応室から試薬室へ漏れさせないことである。

0101

シリンジは、以下の要素、(i)乾燥粉末試薬の粒径、(ii)試薬の溶解度、(iii)試薬の質量および離型剤の分量ならびに(iv)一貫した充填およびパッケージングのための室の形状構成が、適切に制御される場合に一貫した力を提供し得る。

0102

図5は、試薬間の化学反応を使用してガスを発生する装置700の別の変形形態を例示する。本図は、保管状態である。図2のバレルは一体型の側壁から作られているものとして示されるのに対して、図5の装置におけるバレルは、いくつかのより短い部分で作られる。この構造は、全体的な装置の様々な室の製造および充填を単純化し得る。本変形形態における別の大きな相違は、本明細書にさらに説明されるように、ピストン760が3つの異なる部品である押し面762、ロッド764およびストッパー766で構成されていることである。

0103

試薬室720は、図5の上端から始まり、第1の側壁728を有して試薬室の側面を画定する第1の部分726から作られる。プランジャ770は、この部分の上端部722に挿入されてその端部を密封する。第1の部分720は、次いで試薬室720を溶媒780で充填するために上下に返してよい。

0104

一方向弁750を含む第2の部分756は、次いで第1の部分の下端部724に連結して試薬室720を密封してよい。第2の側壁758は、一方向弁を囲繞する。第1の部分の下端部724および第2の部分の上端部752は、ねじ山(例えばルアーロック)などの既知の手段を用いて連結してよい。ここに例示されるように、第1の部分の下端部は雌ねじを有するであろう一方、第2の部分の上端部は雄ねじを有するであろう。

0105

第3の部分736は、反応室730を形成するために用いられ、第3の側壁738からも形成される。ピストンの押し面762は、第3の側壁738の内部に位置する。押し面の上に化学試薬、溶媒および/または離型剤を置いた後に、第2の部分の下端部754と第3の部分の上端部732とが連結される。2種の試薬782、784はここに描かれる。ピストンのロッド764は、押し面762から下方に伸びる。

0106

最後に、第4の部分746は、流体室740を形成するために用いられる。この第4の部分は、第4の側壁748および流体がそこから放出されるであろう先細りになるオリフィス716を形成する円錐形壁749から形成される。オリフィスは、流体室の下端部744に位置する。流体室は送達される流体で満たされていてよく、このときストッパー766は流体室に置かれていてよい。ここで分かるように、空気が流体室内に閉じ込められることを防ぐためにストッパーが流体786の表面に押し下げられている時に空気が流体室から漏れるようにストッパー766は通気穴767を含んでいてよい。ピストンロッド764の下端部に取り付けられているキャップ768は、通気穴767を覆うために用いてよい。あるいは、ピストンロッドの下端部は、通気穴に挿入してもよい。次いで第3の部分の下端部734と第4の部分の上端部742とが連結される。

0107

先述の通り、本変形形態におけるピストン760は、繋ぎ合わされている押し面762、ロッド764およびストッパー766から形成される。空容積790は、したがって反応室730と流体室740との間に存在する。この空容積のサイズは、必要に応じて多様であってよい。例えば、使用者によってより容易に握られ得るように全体的な装置をより長くすることは有用であり得る。さもなければ、本変形形態は、図2〜4に関して上述されるのと同じ方法で動作する。ピストンの押し面部分は反応室内で作用し、ピストンのストッパー部分は流体室内で作用する。押し面、ロッド、ストッパーおよび任意選択のキャップは、1つの一体型の部分であってもよく、または別個の部分であってもよいことにも留意されたい。

0108

図6は、ガスを発生するために熱によって開始される化学反応を用いて高粘度流体を送達するために用いられうる装置(再び、シリンジ)の例示的な実施形態を例示する。再び、シリンジ800は、ここでは保管状態描かれる。

0109

バレル810は側壁812から形成され、内部空間は2つの別個の室である、反応室830と流体室840とに分割される。反応室830は、シリンジの上端部802に存在する。反応室の上端部832は、半径方向の壁838によって形成される。加熱のために用いてよい熱源850は、反応室内に位置する。熱源850は、半径方向の壁838上、またはここに描かれるように、バレル側壁812上に位置してもよい。

0110

反応室の下端部834は、ピストン860によって形成される。反応室830は、半径方向の壁838、バレル側壁812およびピストン860によって画定される。ピストン860は、流体室の上端部842にも存在する。バレルのオリフィス816は、流体室の下端部844、すなわちシリンジの下端部804にある。再び、反応室のピストン860部分のみが、圧力に応答してバレル810内で移動し得る。半径方向の壁838は、定位置に固定され、かつガスが通り抜けられないように密である。

0111

反応室は、化学試薬882を含む。例えば、化学試薬は、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルであってよい。ヘッドスペース836が反応室内に存在してもよい。流体室840は、流体886を含む。

0112

起動トリガ852は、シリンジ上に存在し、例えば指フランジ815近くの上端またはバレル側壁の外部表面816上であってよい。起動された場合、熱源850は熱を発生する。熱源は、例えば、赤外発光ダイオードLED)であってよい。化学試薬882は、熱に対して感受性であり、ガス(ここではN2)を発生する。ガスによって発生した圧力は、ピストン860を移動させ、流体室840内の高粘度流体886を放出する。

0113

ピストンは、代わりに図5に記載されている押し面、ロッドおよびストッパー型であってもよいことに再び留意されたい。この型は、ここで同様に適切であり得る。

0114

別の実施形態では、装置のそれは、ガスを発生するために光によって開始される化学反応を用いて高粘度流体を送達するために用いられうる。本実施形態は、熱源がここでは反応室830に光を当て得る光源850で置き換えられていることを除いて、図6に記載されている型とほぼ同一である。化学試薬884は、ここでは光に対して感受性であり、光に晒すとガスを発生する。例えば、化学試薬は、塩化銀(AgCl)であってよい。ガスによって発生した圧力は、ピストンを移動させ、流体室内の高粘度流体を放出する。図5のピストン型もここで必要に応じて用いてよい。

0115

ガスを発生するために任意の適した化学試薬または試薬を用いてよい。例えば、重炭酸塩は、酸と反応して二酸化炭素を形成するであろう。重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムおよび重炭酸アンモニウムは、適した重炭酸塩の例である。適した酸には、酢酸、クエン酸、重酒石酸カリウムピロリン酸二ナトリウムまたはリン酸二水素カルシウムが含まれ得る。化学反応によって、二酸化炭素、窒素ガス、酸素ガス塩素ガスなどの任意のガスを発生してよい。望ましくは、発生したガスは、不活性および不燃性である。炭酸銅または炭酸カルシウムなどの金属炭酸塩は、熱的に分解されてCO2および対応する金属酸化物を生成してよい。別の実施例として、窒素ガスを発生するために2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を加熱してもよい。さらに別の実施例として、ある種の酵素(例えば酵母)の糖との反応はCO2を生成する。一部の物質は容易に昇華し、固体からガスになる。こうした物質には、これに限定されないがナフタレンおよびヨウ素が含まれる。過酸化水素は、酵素(例えばカタラーゼ)または二酸化マンガンなどの触媒で分解されて酸素ガスを発生し得る。

0116

本開示の装置を用いて分配される高粘度流体は、溶液、分散液、懸濁液、エマルションなどであり得ることが考えられる。高粘度製剤は、モノクローナル抗体または治療上有用である一部の他のタンパク質などのタンパク質を含んでいてよい。タンパク質は、約150mg/mlから約500mg/mlの濃度を有していてよい。高粘度流体は、約5センチポアズから約1000センチポアズの絶対粘度を有していてよい。他の実施形態において、高粘度流体は、少なくとも40センチポアズまたは少なくとも60センチポアズの絶対粘度を有する。高粘度流体は、水、ペルフルオロアルカン溶媒、サフラワー油または安息香酸ベンジルなどの溶媒または非溶媒をさらに含んでいてもよい。

0117

図7および図8は、ガスを発生させるために試薬間の化学反応を用いる高粘度流体を送達するために用いられ得る注射装置(ここではシリンジ)の第1の例示的な実施形態の異なる図である。シリンジ300は、化学反応がまだ開始されていない保管状態または非押圧状態でここに描かれている。図7はシリンジの機関の断側面図であり、図8は斜視図である。

0118

シリンジ300は、内部空間が3つの別個の室に分割されているバレル310を含む。

0119

シリンジは、バレルの天端部302で始まり、上室320、下室330および流体室340を含む。これらの3つの室は、同軸性であり、ここでは円筒形の形状を有しているように描かれる。下室は、反応室であるとも考えられ得る。

0120

プランジャ370は上室の上端部322に挿入され、プランジャのストッパー372は上室のみを通って進む。一方向弁350は、上室の下端部324に存在し、半径方向表面を形成している。一方向弁350は、下室の上端部332にも存在する。一方向弁350は、材料が上室320を出て下室330に入ることを可能にするように向けられる。ピストン360は、下室の下端部334に存在する。ピストン360は、流体室の上端部342にも存在する。ここに例示されるように、ピストンは少なくとも2つの部分である、下室の下端部における押し面362および流体室の上端部におけるヘッド366から形成される。針305は、流体室の下端部344にあり、かつシリンジの底端部304にある。一方向弁350は、定位置に固定されてバレル310内で移動できない、または言い換えればバレルに対して動かないことに留意されたい。対照的に、ピストン360は、圧力に応答してバレル内で移動し得る。言い換えれば、下室330は、一方向弁350、バレルの連続的な側壁312およびピストン360によって画定される。

0121

下室330は、第1の端部および第2の端部を有するとも記述され得る。移動可能なピストン360は、下室の第1の端部334にあり、一方で一方向弁350は、下室の第2の端部332に存在する。本図において、下室330はピストン360の片側上に直接あり、流体室340はピストンの反対側上に直接ある。

0122

先述の通り、ピストン360は、少なくとも押し面362およびヘッド366から形成される。これらの2つの部分は、例えば押し面および対向する端部上のヘッドを有するロッド(図示せず)で物理的に繋ぎ合わされていてよい。あるいは、非圧縮性ガスが押し面とヘッドとの間に位置し得ることも考えられる。空容積307は、したがって下室330と流体室340との間に存在するであろう。この空容積のサイズは、必要に応じて多様であり得る。例えば、使用者によって容易に握られ得るように全体的な装置をより長くすることは有用であり得る。あるいは、本明細書の図9および図10における別の実施形態においてさらに例示されるように、ピストンは、押し面として作用してヘッド366に作用するバルーンを用いてよい。さらに別の変形形態として、ピストンは、押し面が単一の部分の片側上にありヘッドが単一の部分の反対側上にある、単一の部分であってもよい。

0123

上室320は、少なくとも1種の化学試薬または溶媒を含む。下室330は、少なくとも1種の化学試薬または溶媒を含む。流体室340は、送達される流体を含む。乾燥試薬は下室内に置かれ、湿性試薬(すなわち溶媒)は上室に置かれるであろうことが一般に考えられる。ここに描かれるように、上室320は溶媒を含み、下室330は乾燥粉末形態の2種の異なる化学試薬を含み、かつ流体室340は高粘度流体を含むであろう。いずれかの室内の試薬(1種または複数)は、製造時のより容易な扱いのためにカプセル化されていてよい。それぞれの室は、図に描かれているものが室の高さに比例している容積を有する。この非押圧状態において、下室の容積は、溶媒および2種の化学試薬を含むのに十分である。

0124

図7および図8のシリンジ内のプランジャが押圧された場合、追加の圧力が一方向弁350を開放させ、上室320内の溶媒が下室330に入り、2種の化学試薬を溶解する。プランジャ370が十分に押圧された後さらなる圧力が一方向弁に掛けられていない状態で、一方向弁350が閉じる。ここに例示されるように、プランジャは、サムレスト376およびサムレストに近接したシャフト374上の圧力ロック378を含む。圧力ロックは、上室の上面326と協働してプランジャを定位置にロックする。2種の化学試薬は、下室内のガスを発生するために溶媒中で互いに反応してもよい。ガスの量が増加するにつれて、ピストン360の押し面362にかかる圧力が閾値に達するまで増加した後、ピストン360はシリンジの底端部304に向かって下方に移動する。これは、下室330の容積を増加させ、流体室340の容積を減少させる。これにより、流体室内の高粘度流体が(ヘッド366によって)オリフィスを通って分配されることとなる。言い換えれば、下室330および流体室の合わせた容積は一定のままであるが、反応室内でガスが発生するので下室の流体室340に対する容積比は増加するであろう。留意すべきは一方向弁350がガスを下室から上室へ漏れさせないことである。同様に、プランジャ上の圧力ロック378は、ストッパー372を一方向弁350に対する二次的な補助として機能させ、プランジャが押し上げられて上室から押し出されるのも防ぐ。

0125

一部の実施形態において、上室は溶媒に予備溶解された重炭酸塩を含み、かつ下室は乾燥酸粉末を含む。溶媒中の試薬の受動的な混合、すなわち反応室内へ両方とも乾燥粉末を混ぜ合わることおよび水を追加することは、反応のスピードを減少する。1種の試薬を予備溶解してもよい。例えば、重炭酸塩を予備溶解してもよい。より特有の実施形態において、重炭酸カリウムが推奨される。重炭酸ナトリウムは急速には反応せず、したがってCO2生成および注射速度はより遅い。クエン酸は、安全なだけではなく、良く溶解し速く反応するので好ましい乾燥酸粉末である。塩化ナトリウム(NaCl)は、クエン酸と共に乾燥離型剤として含まれる。塩化ナトリウムは、核形成部位を提供して、イオン強度を変更し溶液からガスをより迅速に放出させた。

0126

上室320、下室330および流体室340は、連結されてシリンジ300を形成する別個の部分から作られているものとしてここに描かれることに留意されたい。この部分は、当技術分野において既知の方法を用いて連結してよい。例えば、上室は、プランジャのためのポート327を備える閉塞された上端部322を有する側壁325から形成されているものとしてとしてここに描かれる。プランジャのストッパー372は、シャフト374に接続される。一方向弁350は、上室の開放下端部324に挿入される別個の部分である。下室は、開放上端部332および開放下端部334を有する側壁335から形成されているものとしてここに描かれる。下室の上端部および上室の下端部は、協働して一方向弁を定位置に共にロックして、固定する。ここで、ロック機構は、斜めの面および停止面を含むカンチレバスナップ380を有する下室の上端部を備える、スナップフィット設備である。上室の下端部は、カンチレバースナップと係合するラッチ382を有する。同様に、下室および流体室は、輪形状の封と嵌合する。

0127

図9および図10は、本開示の注射装置の例示的な実施形態の異なる図である。シリンジ500は、化学反応がまだ開始されていない保管状態または非押圧状態でここに描かれている。図9はシリンジの機関の断側面図であり、図10は斜視図である。

0128

再び、シリンジは、内部空間が3つの別個の室に分割されているバレル510を含む。シリンジは、バレルの天端部502で始まり、上室520、下室530および流体室540を含む。これらの3つの室は、同軸性であり、ここでは円筒形の形状を有しているように描かれる。下室530は、反応室であるとも考えられ得る。

0129

本実施形態において、上室520は、バレル510内に位置する別個の部分である。バレルは、ここで上室を囲繞する外側壁512として例示される。上室520は、ここで内側壁525および上壁527を有して例示される。シャフト574およびサムレストIボタン576は、バレルから離れる方向に上室の上壁527から伸びる。したがって、上室520は、プランジャ570の下端部を形成しているとも考えられ得る。上室の下端部524は、上室が密閉された容積を有するように封528、すなわち膜または仕切りで封鎖される。上室の内側壁525は、バレルの外側壁512内を自由に進むことに留意されたい。上室は、下室に対して軸方向に移動する。

0130

下室530は、その上端部532にポート537を有する。歯の輪580も上端部532に存在する。ここで、歯はポートを囲繞する。それぞれの歯582は、上室の封528に向かう頂点を備えて三角形の形状を有するものとしてここで例示され、かつそれぞれの歯はシリンジの軸に向かって内側に角を成す。「歯」と言う語は、ここでは一般に上室の封に穴を開けることができる任意の形状を指すために用いられる。

0131

ピストン560は、下室530の下端部534に存在する。ピストン560は、流体室540の上端部542にも存在する。ここで、ピストン560は、ヘッド566および上端部のポート537と連通する下室内のバルーン568を含む。言い換えれば、バルーンはヘッドを移動するための押し面として作用する。ヘッド566は、バルーン568の下または下流にあるとして記述してもよく、あるいはバルーン568はヘッド566とポート537との間に位置するとして記述してもよい。針505は、流体室の下端部544にあり、かつシリンジの底端部504にある。バルーンは、適切には非反応性材料から作られる。

0132

バレルの天端部502(すなわち側壁)は、下室530に向かって十分に移動した場合に上室の天面526と協働して上室520を定位置にロックする圧力ロック518を含む。上室520は、ここで外側壁512の外に伸びて例示される。外側壁の天端部526は、カンチレバースナップとして機能するように形成され、かつ上室の天面526はラッチとして機能する。

0133

あるいは、装置の天端部は、図8に描かれるように圧力ロックがサムレストに近接したシャフト上にあり装置の天端部と協働する状態で、形成されてもよい。

0134

先述の通り、乾燥試薬は下室530内に置かれ、湿性試薬(すなわち溶媒)は上室520に置かれるであろうことが一般に考えられる。再び、いずれかの室内の試薬(1種または複数)は、製造時のより容易な扱いのためにカプセル化されていてよい。より具体的には、下室内の試薬は、バルーン568内に位置するであろうことが考えられる。

0135

図9および図10のシリンジの動作の間、ボタン576を下方に押すことにより上室520を歯の輪580に向かってバレル内に移動させる。歯の環に対する上室の圧力は、封528を破壊させ、上室の内容物を下室530内へ放出させる。ここで、ガス発生反応は、バルーン568内部で発生することが考えられる。増加したガス圧力は、バルーンを膨張させる(すなわち伸長させる)。これは、ヘッド566をシリンジの底端部504に向かって押す(上室は圧力ロックのおかげでバレルの外に押し出されないであろうことに留意されたい)。これは、再び下室530の容積を増加させて、流体室540の容積を減少させ、すなわち流体室に対する下室の容積比は増加する。

0136

バルーン568とヘッド566との間に存在する空容積507がある。非圧縮性ガスは、この空容積に位置し得る。この空容積のサイズは、例えば全体的な装置をより長くするために、必要に応じて変更してもよい。

0137

再び、上室520、下室530および流体室540は、連結されてシリンジを形成する別個の部分から作られていてよい。図10は、下室内のバルーンの追加および外側壁から離れている上室に起因している追加の部分と共に、5つの部分(590、592、594、596および598)から作られることに留意されたい。しかし、本実施形態は、図8のようにさらにより少ない部分からも作成され得る。例えば、バルーンは、歯の環の近くに位置し得る。

0138

図11図12および図13は、本開示の注射装置の第3の例示的な実施形態の異なる図である。本実施形態において、化学試薬の混合は、図7〜10の実施形態のようにバレルに向かってではなく、プランジャのハンドルをバレルから引き離すことによって開始される。図11は、保管状態におけるシリンジの断側面図である。図12は、保管状態におけるシリンジの機関の斜視図である。図13は、動作状態、すなわちハンドルがシリンジのバレルから上方に引き離される時のシリンジの機関の斜視図である。

0139

シリンジ700’は、内部空間が3つの別個の室に分割されているバレル710’を含む。シリンジは、バレルの天端部702’で始まり、上室720’、下室730’および流体室740’を含む。これらの3つの室は、同軸性であり、ここでは円筒形の形状を有しているように描かれる。下室は、反応室であるとも考えられ得る。

0140

本実施形態において、プランジャ770’は、上室の上端部722’に挿入される。保管状態において、シャフト774’は、下端部724’から上端部722’へ上室を通り抜けかつ上室の上面726’を通り抜ける。封728’は、シャフトが上室を出る天端部に存在する。シャフトの上端部におけるサムレスト776’は、上室の外にある。シャフトの下端部におけるストッパー772’は、上室が密閉された容積を有するようにバレル内の台座716’と協働する。例えば、ストッパーの天面は、ストッパーの底面よりも大きい直径を有していてよい。台座716’は、上室の下端部724’にあると考えてよく、下室の上端部732’にあると考えてもよい。

0141

ピストン760’は、下室の下端部734’に存在する。ピストン760’は、流体室740’の上端部742’にも存在する。ここに例示されるように、ピストン760’は、少なくとも2つの部分である、押し面762’およびヘッド766’から形成される。空容積707’が存在してもよい。このピストンの他の態様は、図8に記載されているものと類似する。再び、ピストンは、圧力に応答してバレル内で移動し得る。下室730’は、台座716、バレルの連続的な側壁712’およびピストン760’によって画定されているものとして記述され得る。針705’は、流体室の下端部744’にあり、かつシリンジの底端部704’にある。

0142

図11〜13のシリンジの動作時、先述の通り、乾燥試薬は下室730’内に置かれ、湿性試薬(すなわち溶媒)は上室720’に置かれるであろうことが一般に考えられる。ここで図11を参照すると、プランジャ770’を上方に牽引すること(すなわちバレルから離れる)は、ストッパー772’を台座716’から分離させる。これは、上室720’と下室730’との間の流体連通を生じる。上室内の試薬は、下室内へとストッパーの周囲を進む(参照番号717’)。次いで下室730’内でガス発生反応が発生する。ガス圧力は、シリンジの底端部704’に向かってピストン760’を押す。言い換えれば、下室の容積が増加して、流体室の容積が減少する、すなわち流体室に対する下室の容積比が増加する。本実施形態の1つのさらなる利点は、試薬がガスを発生し始めると、生じる圧力がプランジャ710’を上室の外にさらに押し続けて、より多くの試薬を上室720’から下室730’に押し出すのを助け、ガスの発生を促進するであろうことである。

0143

図12を参照すると、バレル710’は、3つの異なる部分790’、792’、794’で構成されているように描かれる。封738’も下室および流体室を構成する部分の間に位置する。

0144

図14および図15は、本開示の注射装置の別の例示的な実施形態の一態様の断面図である。本実施形態において、液体試薬(すなわち溶媒)はカプセル内にカプセル化されボタンが押された場合に破壊される。図14は、ボタンが押される前のこの機関を示す。図15は、ボタンが押された後の機関を示す。

0145

最初に図14を参照すると、シリンジ1000の天端部1002が示されている。反応室1030は、カプセル1038および乾燥試薬(1種または複数)1039を含む。ここで、カプセルは、乾燥試薬(1種または複数)より上のレッジ1031に載っている。ピストン1060の押し面1062は、反応室の下端部に存在する。ピストンのヘッド1066も視認可能であり、流体室1040の上端部1042にある。ボタン/プランジャ1070は、カプセルより上に位置する。封1026は、ボタン1070とカプセル1038との間に存在していてよい。バレルは、ボタンがバレルの端部から落下することを防ぐために安全スナップ1019を含む。

0146

必要に応じて、反応室のカプセルを含む部分は上室と考えてもよく、かつ反応室の乾燥試薬(1種または複数)を含む部分は下室と考えてもよい。

0147

ここで図15を参照すると、ボタン1070が押された場合、カプセル1038が破壊され、溶媒と乾燥試薬(1種または複数)とが混合される。これは、ピストン1060を下方に押して流体を流体室1040から射出するガスを発生する。ボタンを押すことにより、続いてボタンがガス圧力によって上方に押されることを防ぐ圧力ロック1018と係合する。

0148

上述の図の実施形態は、自動注射器として例示されている。自動注射器は、典型的には使用者の手の中に保持され、円筒形形状因子を有し、かつ1秒から30秒の比較的速い注射時間を有する。上記の図において具体化される考えは、パッチポンプなどの他の種類の注射装置にも適用され得ることに留意されたい。一般には、パッチポンプはシリンジと比べてより平ら形状因子を有し、かつ典型的には30秒より長い送達時間も有する。パッチポンプにおける化学ガス発生反応を用いることの利点には、小さい容積が必要とされること、形態/形状における柔軟性および送達速度を制御する能力が含まれる。

0149

図16は、典型的なボ−ラス注射器1200の図である。ボ−ラス注射器は、ハウジング1280内に位置する反応室1230および流体室1240を含む。ここに示されるように、反応室と流体室とは隣り合って位置するが、これは必要に応じて変更してもよい。反応室1230は、側壁1235から形成される。流体室1240も、側壁1245から形成される。反応室および流体室は、装置の第1の端部1202における流路1208によって流動的に接続される。流体室1240は、ハウジングの反対の第2の端部1204に位置する針1205に接続される排出口1246を含む。針1205は、ハウジングの底部1206から伸びる。

0150

反応室は、仕切り(視認不可)によって第1の区画と第2の区画とに分割される。その際、第1の区画は先述の下室に類似し、かつ第2の室は上室に類似している。

0151

反応室は、流体室内の流体を射出させる機関として考えてよい。その際、ガス発生化学反応は、第1の区画と第2の区画との間の封を破壊することにより開始され得ることが考えられる。仕切りは、例えば、パッチポンプハウジングを曲げることまたは折ることによりあるいはハウジング上の指定された位置を押すことにより破壊され得る。これは、試薬を混合させる。所望の送達時間がより長いので、化学薬品が混合されるスピードはそれほど大きな懸案事項ではない。圧力は、上昇して、流体室内のピストン(視認不可)に作用してもよく、排出口を通って流体を出させる。本実施形態において反応室および流体室の容積は、著しくは変化しないことが考えられる。

0152

図17および図18は、パッチポンプの別の例示的な実施形態の透視図である。本実施形態において、反応室/機関1230は、流体室1240の上部に位置する。針1205は、ハウジング1280の底部1206から伸びる。本実施形態において、反応室1230は可撓性壁1235を含む。流体室1240も、可撓性側壁1245を含む。反応室の可撓性壁は、流体室の可撓性側壁に近接している。反応室および流体室は、本実施形態において、互いに流動的に接続されない。代わりに、反応室内でガスが発生するにつれて、反応室の容積が拡大するであろうことが考えられる。反応室の可撓性壁1235は、流体室の可撓性側壁1245を圧縮し、排出口1246を通って流体室内の流体を出させるであろう。言い換えれば、反応室が膨張して流体室が流体を分配するので流体室に対する反応室の容積比は経時的に増加する。反応室の容積を増加することが流体室の圧縮を引き起こすように、本実施形態においては相対的に一定の容積が必要とされることに留意されたい。これは、例えば、反応室の可撓性壁と反対側上に硬質裏材を含むことまたは相対的に硬質の材料からハウジングを作成することにより達成され得る。

0153

図19は、ガスを発生させるために試薬間の化学反応を用いる高粘度流体を送達するために用いられ得る装置(ここではシリンジ)の別の例示的な実施形態を例示する。シリンジ1300は、化学反応がまだ開始されていない保管状態または非押圧状態でここに描かれている。針は本図に含まれない。

0154

シリンジ1300は、内部空間が3つの別個の室に分割されているバレル1310を含む。シリンジは、バレルの天端部1302で始まり、試薬室1320、反応室1330および流体室1340を含む。これらの3つの室は、同軸性であり、ここでは円筒形の形状を有しているように描かれる。本実施形態において、シリンジのバレルは、2つの異なる部分から形成される。第1の部分1380は、反応室を形成し試薬室に空間1313を提供する側壁1312を含む。側壁は、本明細書にさらに記述される押ボタンのために天端部1302で開放している。流体室は、第1の部分に取り付けてもよい第2の部分1390から作られる。

0155

第1の部分の側壁1312は、第1の部分を上部空間1313および反応室1330に分割する内部半径方向表面1314を含む。反応室は、上部空間の内径1315と比較してより小さい内径1325を有する。

0156

試薬室は、第1の部分の上部空間1313内に位置しバレルの天端部1302を通って伸びる別個の押ボタン部材1350内に位置する。ここに例示されるように、押ボタン部材は、外側端部1351において接触面1354によって閉塞され、かつその中に試薬が置かれる内部容積(すなわち試薬室)を形成する側壁1352から形成される。封止部材1356(ここでは0−リングとして示される)は、側壁の外面1355上の中央部分に隣接し、かつ上部空間内の側壁1312に係合する。側壁の内端1353は、側壁から外向きに伸びる縁部1358を含む。縁部は、バレル上の内側の停止面1316に係合する。試薬室は、重炭酸塩が溶解した溶媒1306を含んでいるものとして描かれる。

0157

プランジャ1370は、試薬室1320と反応室1330との間に位置する。プランジャ1370は、試薬室の内端1324に位置する。プランジャは、そこから半径方向に伸びるラグ1374を有する中央本体1372を含む(ここでは4つのラグとして示されるが、数は変化し得る)。ラグは、シリンジがその保管状態にある場合に押ボタン部材の縁部1358にも係合する。ラグは、押ボタン部材1350が押圧された場合にプランジャ1370が回転するように、角度がある表面1376で形づくられる。中央本体の内端1373は、反応室内の側壁に係合する封止部材1378(ここではO−リングとして示される)を含む。

0158

反応室1330は、天端部1332および底端部1334を含む。別の内部半径方向表面1336は、反応室内の中央位置に位置し、混合室1335が試薬室1320または天端部1332に隣接している状態で、反応室を混合室1335およびアーム/継ぎ手1333に分離する。内部半径方向表面内のオリフィス133は、流体室1340を含む第2の部分1390を係合するアーム継ぎ手1333に通じる。ピストン1360は、反応室の底端部、すなわちアーム1333の端部に位置する。乾燥試薬1308は、反応室内に位置する。ここで、乾燥試薬はクエン酸塩であり、かつ錠剤の形態である。乾燥試薬は、ここで内部半径方向表面上、すなわち混合室内に位置するものとして描かれる。ガス透過性I液体−固体不浸透性フィルタ1337は、オリフィスを横断して存在していてよい。フィルタは、任意の乾燥固体試薬および液体を混合室内に維持して混合を改善する。

0159

さらに、圧縮ばね1395は、混合室内に位置し、内部半径方向表面1336からプランジャ内端1373に伸びる。圧縮ばねは、圧縮された場合にエネルギーを保存する(すなわちそれに負荷が掛からない場合はより長い)。押ボタン部材1350およびプランジャ1370は定位置に固定されるので、圧縮ばね1395は保管状態において圧縮されている。ここで、ばねは乾燥試薬を囲繞することに留意されたい。別の実施形態では、乾燥試薬はプランジャの内端1373に取り付けられることも考えられる。

0160

最後に、ピストン1360も流体室の上端部1342に存在する。再び、ピストン1360は、反応室で発生した圧力に応答してバレル内で移動し得る。ピストンは、押し面1362およびストッパー1364を有するものとしても記述され得る。

0161

プランジャの封止部材1378は、試薬室1320内の液体試薬を反応室1330内の乾燥試薬から分離する。液体1306は、押ボタン部材内に存在するものとして例示されるが、一方で液体は、プランジャの周囲の上部空間1313内のバレル内に存在することも可能である。

0162

押ボタン部材1350が(内部半径方向表面1316まで)押圧された場合、プランジャ1370が回転する。これは、プランジャのラグ1374を押ボタン部材の縁部1358から解放させる。さらに、押ボタン部材は、一旦押圧されると、バレルから後退させることができないことが考えられる。これは、例えば、バレルの外側端部の近くの停止面(図示せず)を用いて成され得る。

0163

プランジャ1370がもはや押ボタン部材によって定位置に保持されない場合、圧縮ばねが伸びてプランジャ1370を押ボタン部材1350内に押す。圧縮ばねは、プランジャが押ボタン部材を通って完全に進むが、押ボタン部材の接触面1354を押し通さないであろうような大きさであることが考えられる。試薬室内に存在する液体1306は、反応室内に落ちて乾燥試薬1308と接触する。押ボタン部材内へのプランジャの移動は、試薬室の中身を反応室に完全に注がせることが意図される。この機構は、ばね作用、初期化学作用のいずれかまたは両方によって誘発される湿性試薬の乾燥試薬との強力な混合も提供し得る。

0164

一部の別の実施形態では、ばねは少なくともある程度の乾燥試薬も試薬室(すなわち押ボタン部材の内部容積)内へ押す。例えば、乾燥試薬は、プランジャの内端1373に取り付けて、ばねによって上方へ押しやられてもよい。

0165

図20は、押ボタン部材の内側を例示する底面図である。ここで分かるように、押ボタン部材を形成している側壁の内面1357は、プランジャのラグがそれを通って進み得る4つの経路1359を含む。図21は、中央本体1372および押ボタン部材の経路内を進み得るラグ1374を示しているプランジャ1370の上面図である。これらの2つの図を比較すると、図20外円は、押ボタン部材の縁部1358であり外径1361を有する。押ボタン部材の内径1363は、4つの経路によって中断される。点線の円は、側壁外面1355の外径1365を示す。プランジャの中央本体は、ラグが経路内に収まる状態で、押ボタン部材の内径1363より小さい直径1375を有する。これは、プランジャが押ボタン部材内の液体を中央本体の外および周囲に押すことを可能にする。ここに例示されるように、経路は一直線である必要はないことに留意されたい。例えば、経路は片側に曲げられて、すなわち螺旋式ねじれていてもよい。これは、液体試薬に乱流を加えて混合を改善するために望ましくあり得る。

0166

反応室1330内の溶媒の重炭酸塩およびクエン酸塩との混合は、ガス1309を発生させる。プランジャの移動のため、ここで試薬室は反応室の一部であると考えられ得ることに留意されたい。さらに、図19における乾燥試薬1308は、オリフィス1331へのアクセスを制限するものとして考えられ得ることに留意されたい。溶解すると、オリフィスが一掃されてガスが反応室の底端部1334に入り得る。

0167

限界圧力に一旦達すると、ピストン1360は流体室1340を通って進み、シリンジから流体を射出する。シリンジの針1305は、この図において視認可能である。

0168

一部の別の企図される実施形態において、ラグを含めたプランジャの直径は、押ボタン部材の内径1363より小さい。言い換えれば、経路は、押ボタン部材の内側壁上で有る必要はない。こうした実施形態において、バレル側壁は、押ボタンが押圧されてプランジャを回転するまでプランジャを定位置に保持する表面を提供するであろう。湿性試薬がラグを通り越して反応室内に流れたので、次にプランジャの形状と移動は液体内の乱流を引き起こすであろう。試薬室内に伸びる柄がプランジャに取り付けられ得る、または言い換えれば、柄がプランジャの外側端部に取り付けられることも考えられる。柄は、乱流を引き起こして混合を改善するために形作られてよい。

0169

化学機関内のガス発生を加速するために、図37に示されるように開口を備える導管が利用され得る。導管3700において、流れ3703は注入口において導管内に向けられ、次いで複数の開口3705(好ましくは5つ以上の開口)を通って反応室内に流出する。開口からの流れが粉末に直接接触する粉末を反応室が備える、開口を有する導管(conduit−with−apertures)構成は、特に有利である。例えば、酸性溶液(好ましくはクエン酸溶液)は、導管を通ってそれが固体重炭酸塩粒子に接触して撹拌する開口から流れ出る。一部の好ましい実施形態では、プランジャ(ばねによって作動するプランジャなど)は、導管を通して液体溶液を押し進める。ある場合には、導管は、溶液が導管を通って流れるので少なくとも部分的に溶解した固体(好ましくは固体重炭酸塩)を含み、これは、溶解の向上さらにそれらが開口を通り抜けて反応室内へ入る時に混合を増強させる導管内のガス気泡の生成の両方の二重の利点を提供し得る。溶液を反応室に追加するための本明細書に述べる装置のいずれも、流体をこの導管に向けさせるために用いてよい。

0170

注射のスピードは、使用者によって調節され得ることも考えられる。これを行う1つの方法は、乾燥試薬と湿性試薬とが混合されるスピードを制御することであろう。これは、ガス発生化学反応のスピード、したがってピストンを押す力が発生するスピードを調節するであろう。これは、例えば、試薬室と反応室との間の開きのサイズを調節することにより達成され得る。例えば、調節可能な開口は、プランジャの下に置かれ得る。開口は、(ばねを収容するために)最小限のサイズを有するであろうが、そうでない場合は調節され得る。注射のスピードを調節する別の方法は、反応室のサイズを制御することであろう。これは、(圧力が面積当たりの力であるので)化学反応によって発生する圧力を調節するであろう。例えば、反応室の側壁は、必要に応じて反応室の容積を変化させるために内側または外側に移動し得る。あるいは、内部半径方向表面1336は、オリフィス1331のサイズおよびガスが反応室の底端部1334に入ってピストン1360を押し得る速度を変更するために調節可能な開口を含み得る。これらの方法は両方とも、使用者によって必要に応じて注射のスピードを機械的に調節し得る、シリンジ上の目盛りによって制御され得る。これは、「臨機応変な」注射のスピードの調節を可能にするであろう。本明細書に述べる他の機能のように、使用者によって制御される調整可能なスピードのこの機能は、本明細書に述べる装置のいずれにも適用され得る一般的な機能である。

0171

本明細書に述べる注射装置内の下室からピストンを分離するガス透過性液体−固体不透過性フィルタが存在し得ることも考えられる。その際、乾燥粉末は、いくつかの状況において室の側面に付着しているのが見つかった。ピストンが移動する時、さらなる化学反応が発生しないように、残留する溶媒は粉末のレベルより下に下がる。フィルタは、混合を改善するためにいかなる乾燥固体試薬および液体も下室内に維持すべきであることが考えられる。

0172

本開示の注射装置のための適した材料は、注射装置を作成するための方法として、当技術分野において知られている。

0173

ガス発生化学反応は、圧縮された時にエネルギーを保存するだけのばねとは対照的に、「応需型」の力を発生するために用いられる。ほとんどの自動注射器は、「で」保管している間はばねを圧縮位置に保持し、時間と共に部品を疲労させて形成させる。製造においてばねを圧縮することに代わる別の選択肢は、使用の前にばねを圧縮するコッキング機構を提供することである。これは、ばねによって動く装置を使用するためのプロセスに別のステップを追加する。さらに、身体障害のある使用者は、コッキングステップを実行することが困難であり得る。例えば、タンパク質薬剤の多くの使用者は、関節炎患者であるかまたは彼らの身体能力を制限する他の状態を有する。ガス発生化学反応を始動するために必要とされる力は、ばねによって動く装置を始動するためまたはばねによって動く装置におけるばねをコックするために必要とされるよりもはるかに弱くあり得る。さらに、ばねは直線のエネルギープロファイルを有する。ガス発生化学反応によって提供される力は、非線形および非対数的であり得る。化学反応のスピードは、(i)乾燥試薬の粒径を調節すること、(ii)乾燥試薬の粒子形状を変化すること、(iii)乾燥試薬の包装を調節すること、(iv)混合補助装置を用いることおよび/または(v)試薬が混合される反応室の形状を変更することによって制御され得る。

0174

バレル内のピストンを移動させるために必要とされる(静止摩擦に起因する)放出力を減少するためにシリコーン油がしばしばシリンジのバレルに追加されることに留意されたい。タンパク質薬剤および他の薬剤は、シリコーン油との接触により悪影響を受け得る。シリコーン処理タンパク質凝集と関係している。化学反応によって発生する力は、シリンジのバレルへのシリコーン油の適用の必要性を回避する。言い換えれば、シリンジのバレル内にシリコーン油は存在しない。

0175

化学試薬間の化学反応のための媒質を形成するために溶媒が用いられる場合は、任意の適した溶媒が選択され得る。例示的な溶媒には、水または塩水などの水性溶媒エタノールまたはイソプロパノールなどのアルコールメチルエチルケトンまたはアセトンなどのケトン、酢酸などのカルボン酸あるいはこれらの溶媒の混合物が含まれる。表面張力を減少するために界面活性剤を溶媒に追加してもよい。これは、混合およびそれに続く化学反応の改善を助け得る。

0176

以下の実施例は、本開示をさらに例示する目的のためのものである。実施例は単なる例示であり本開示に従って作成されるプロセスまたは装置をその中で説明する材料、条件またはプロセスパラメータに限定することは意図されない。

0177

実験を行うための試験装置1000が図10に示される。標準の予備充填されたシリンジ1040を、1mlの流体で満たした。図の左から始め、予備充填されたシリンジ1040に長さが19mmで27ゲージの薄壁針1006を装着して標準ストッパー1066で留めた。このシリンジ1040は、流体室として機能した。反応室シリンジ1030は予備充填されたシリンジに接続した。ピストンロッド1064および押し面1062は、化学反応からの力をストッパー1066に掛けるために用いた。一方向圧力弁1050は、試薬室として機能する第2の「注射器」シリンジ1020からの溶媒の注射を可能にするために用いた。装備試験用治具1010に固定した。送達される容積対時間を測定するために目盛り付きピペット(図示せず)を用いた。

0178

実施例1
2種の流体、水(1cP)およびシリコーン油(73cP)を試験した。水は低粘度流体として機能し、シリコーン油は高粘度流体として機能した。実験に応じてこれらの2種の流体の1つを予備充填されたシリンジ1040に加えた。反応室シリンジ1030に400mgのNaHCO3および300mgのクエン酸を乾燥粉末として加えた。注射器シリンジ1020を、0.1ml、0.25mlまたは0.5mlのいずれかの水で満たした。水を反応シリンジ1030に注入した(反応シリンジの容積は、注射器シリンジによって送達される容積に基づいて調節した)。送達される容積対時間および合計送達時間を測定した。圧力は、ハーゲン−ポアズイユ式を用いて計算し、ストッパー1066と予備充填されたシリンジ1040との間に0.6ポンドの摩擦力があると仮定した。あるいは、予備充填されたシリンジ1040上の力は、出口にロードセルを置くことによって決定した。結果は表1に示し、最低限少なくとも3回の実行に基づいた。

0179

化学反応シリンジは、1mLの水の5秒以下での送達を提供した。より高粘度の流体の送達時間は、注射される水の容積に依存する。驚いたことに、送達時間は水の容積がより大きい場合により速い。水は反応には参加せず、試薬を希釈する働きをするので、これは驚きである。反応速度論、およびCO2の生成は、試薬の濃度が減少するにつれて減少する。この結果は、溶解反応速度論の重要性を示す。溶解は、水の容積がより大きいものについてはより速い。高粘度流体は、0.5mLの水を用いて、9秒で送達され得る。したがって、一部の好ましい実施形態において、本発明は、一部の実施形態において、薬品の容積に対する化学機関内の水の容積の比率が2:1未満、好ましくは1:1未満、0.5:1未満および一部の実施形態においては1:1から0.3:1の範囲である、1.0ml未満、一部の実施形態においては0.3から1.0mlの範囲内の開始容積(膨張より前)を備える化学機関を用いて20秒以内または15秒以内または10秒以内で少なくとも20cP、好ましくは少なくとも40cPおよび一部の実施形態においては約70cP未満の粘度を有する実質的に(少なくとも0.5mlまたは0.5から3.0milまたは1mlの)全ての溶液の送達を提供する。この記述を通して、粘度は、25℃においてかつ送達条件下での粘度として測定(または定義)される。

0180

図22は、0.1ml(三角形)、0.25ml(四角形)および0.5ml(菱形)の水が反応室に注入された場合のシリコーン油の送達についての圧力対時間プロファイルを示すグラフである。このグラフは、容積膨張の影響がより長時間優位であったが、上昇期間の後に得ることができたほぼ一定のまたは減少している圧力対時間プロファイルを示す。これらの圧力対時間プロファイルは、指数関数的ではなかった。一定の圧力対時間プロファイルは、送達サイクルの終わり近くの突然の指数関数的突発とは対照的に、高粘度薬剤のより緩速の、平坦な送達を可能にし得る。

0181

実施例2
反応室内の反応溶液からのガス状のCO2の放出を増大し、圧力の増加を加速するために塩化ナトリウム(NaCl)を用いた。対照実験において、クエン酸およびNaHCO3を反応シリンジ内に置いた。1.15MのNaHCO3の水溶液を注射器シリンジから反応シリンジに注入した。反応シリンジ内の空容積は、全ての実験を通して一定に維持した。考えを実証する実験においては、反応シリンジにNaClを加えた。予備充填されたシリンジから1mlの水またはシリコーン油を送達するために化学反応を用いた。送達される容積対時間および合計送達時間を測定した。圧力は、ハーゲン−ポアズイユ式を用いて計算し、予備充填されたプランジャとシリンジとの間に0.6ポンドの摩擦力があると仮定した。固体重炭酸塩が反応シリンジ自体の中に存在しない場合でもガスが発生し得るように、反応シリンジに注入される水中に重炭酸塩が存在したことに留意されたい。表2に結果を示す。




塩は、特により少量の試薬を用いた系のために、送達速度を著しく向上させるのに役立った。高粘度流体は、化学反応を用いて6から8秒で送達することができた。これは、機械的ばねを採用する標準の自動注射器で達成され得るより著しく速い。

0182

図23は、表2の実験番号5および6の送達された容積対時間プロファイルを示す。高粘度流体は、1cm3未満の専有面積を有する系を用いて20秒で送達された。送達速度(すなわち傾き)も、比較的一定であった。小さい専有面積は、種々の有用な装置を可能にする。

0183

実施例3
圧力プロファイルへの粉末モフォロジーおよび構造の影響を示すためにいくつかの異なる試薬を試験した。この場合、モフォロジーは、粉末における分子の表面積、形状および包装を指す。同じ重炭酸塩(重炭酸ナトリウム)を試験した。3つの異なるモフォロジーを生成した(受領したままの物、1.15M溶液の冷凍乾燥によって生成された冷凍乾燥の物および反応室内の試薬の重炭酸塩が「層化」錠剤に包装された物も試験した(ここで層化とは、反応シリンダ−内の試薬の優先的配置を指す))。別の実施例においては、母材内にクエン酸および重炭酸ナトリウムを含むアルカセルツァーを用いた。

0184

以下の試薬、受領したままの重曹(NaHCO3)、クエン酸、冷凍乾燥重曹、アルカセルツァーまたは受領したままの重炭酸カリウム(KHCO3)を用いた。受領したままの重曹も、粉末としてまたは錠剤の形態で試験した。錠剤形態は、減少した表面積を有した。

0185

冷凍乾燥重曹は、125mlの飽和重曹水溶液(1.1SM)を調製することによって調合した。溶液を250mlの結晶皿に注ぎ入れ、キムワイプで覆った。溶液を凍結乾燥機内に置き、−40℃まで降下させて2時間保持した。温度を−40℃のままにして、真空を150ミリトール(mTorr)で48時間適用した。アルカセルツァー錠剤(KrogerによるEffervescent Antacid & Pain Relief)を乳鉢および乳棒用いて粗い粉末に砕いた。

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