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図面 (3)

課題

特異性および親和性により複数の抗原に結合するその能力により区別される抗体である多重特異性抗体を産生する方法の提供。

解決手段

軽鎖LC1及び重鎖HC1を有し、かつ抗原1に結合する抗体と、軽鎖LC2及び重鎖HC2を有し、かつ異なる抗原2に結合する他の抗体とから、多重特異性一本鎖抗体を産生する方法であって、(a)前記重鎖HC1及びHC2の免疫グロブリン重鎖可変抗体領域を機能的に補完する1つの免疫グロブリン軽鎖可変抗体領域を特定する工程、(b)前記重鎖HC1及びHC2の2種類の免疫グロブリン重鎖可変抗体領域と、工程(a)において特定された免疫グロブリン軽鎖可変抗体領域とをクローニングして、一本鎖抗体コンストラクトを形成する工程と、(c)前記一本鎖抗体コンストラクトを宿主細胞において発現させて、前記多重特異性一本鎖抗体を産生する工程とを有する方法。

概要

背景

低い親和性(おおよそ>1μM)の抗体が、多くの場合、複数の抗原に結合することが周知であるが、親和性の成熟および最適化の自然的および人工的手法(定向進化または分子進化)は、典型的には、高い親和性での分子の1つのエピトープのみに対して親和性および特異性の両方を向上させるように設計される。一般的に、ほとんどの用途について、特異性は、重要な特性であり、例えば、治療では、特異性は、おそらく分子の安全性を低下させる非特異的な作用を防止することができる。特に例えば、複数の活性化経路が存在する疾患、例えば、ガンに関連する疾患を処置するために、選択された標的抗原の限定された数(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10、ただし好ましくは、2または3)と結合する能力における実質的な有用性が存在するにもかかわらず、通常のモノクローナル抗体によるガンについての免疫療法は、T細胞活性化しない。それらは、Fc受容体発現しないためである。二重特異性抗体(1つのアーム腫瘍マーカーと結合し、1つのアームがT細胞特異的表面抗原、例えば、CD3と結合する)は、この問題を克服することができ、腫瘍細胞とT細胞とを結合させ得る。さらに、三重機能性抗体(2種類の結合特異性およびインタクトFcドメインを有するIgG)も、Fc受容体発現細胞マクロファージおよび樹状細胞に結合し得る。ついで、腫瘍細胞は、免疫系の1つまたは2つの細胞に結合され、その後、前記免疫系は、それを破壊する。

複数のグループは、二価のIgG分子のFab’が異なり、別々の抗原に結合するように、例えば、ジスルフィド結合還元による2つの独立した抗体の抗体重鎖切り離し、ついで、酸化環境下において抗体を再会合させることにより異種抗体を作製することにより、二重特異性抗体を設計するのが求められてきた。このアプローチは、同一の標的分子に対する結合活性を有さない不利益を有し、費用のかかる生成物生成および精製プロセスを生じる。他のスキームも開発されてきており、Fab内の配列伸長を含み、各結合ポケットが1つの抗体分子における異なる抗原特異性を有し得るように、抗体上の抗原結合ポケットを効果的に複製する。これは、製造および精製を簡易にするが、その構造が、ヒトの身体に対して異物であり、患者におけるネガティブ免疫応答刺激するリスクを冒す。さらに他のものは、新規共有結合を使用して、複数のエピトープ結合を達成し、「抗体様」分子を作製する。

伝統的な二重特異性または多重特異性抗体は、製造が困難であり得る。例えば、これらの抗体は、同じ細胞において、2つの別々の重鎖および2つの別々の軽鎖を発現させることにより構築され得る(クアドローマ技術、Milstein et al.,1983)。しかしながら、このアプローチには問題がある。所望の軽鎖1/重鎖1に加えて、重鎖2/軽鎖2ヘテロ二量体、10個全ての可能性のある重鎖と軽鎖との組み合わせが形成されるであろうためである(Suresh et al.,1986)。望ましくない軽鎖/重鎖対合結合親和性および特異性は、不明である。得られた集合における可能性のある軽鎖/重鎖アッセンブリ複雑性を低下させる努力は、「knob in hole」設計等の方法を含む(Ridgeway et al.,1996、同文献は、参照により本明細書に組み込まれる)。前記方法において、重鎖のFc部は、一部のホモ二量体の形成を排除するように修飾され得る。しかしながら、前記集合は、これらの修飾によっても、伝統的な技術共に未だに非常に複雑である。所望の二重特異性(または多重特異性)生成物は、前記混合物のごく一部のみであり、二重特異性(多重特異性)抗体の精製を困難にし、場合によっては、多くの場合において、商業規模での実行ができない。

概要

特異性および親和性により複数の抗原に結合するその能力により区別される抗体である多重特異性抗体を産生する方法の提供。軽鎖LC1及び重鎖HC1を有し、かつ抗原1に結合する抗体と、軽鎖LC2及び重鎖HC2を有し、かつ異なる抗原2に結合する他の抗体とから、多重特異性一本鎖抗体を産生する方法であって、(a)前記重鎖HC1及びHC2の免疫グロブリン重鎖可変抗体領域を機能的に補完する1つの免疫グロブリン軽鎖可変抗体領域を特定する工程、(b)前記重鎖HC1及びHC2の2種類の免疫グロブリン重鎖可変抗体領域と、工程(a)において特定された免疫グロブリン軽鎖可変抗体領域とをクローニングして、一本鎖抗体コンストラクトを形成する工程と、(c)前記一本鎖抗体コンストラクトを宿主細胞において発現させて、前記多重特異性一本鎖抗体を産生する工程とを有する方法。なし

目的

この発明に基づいて、フレームワーク領域は、抗原と接触する超可変の相補性決定領域(CDRs)のためのタンパク質足場を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

軽鎖LC1及び重鎖HC1を有し、かつ抗原1に結合する抗体と、軽鎖LC2及び重鎖HC2を有し、かつ異なる抗原2に結合する他の抗体とから、多重特異性一本鎖抗体を産生する方法であって、(a)前記重鎖HC1及びHC2の免疫グロブリン重鎖可変抗体領域を機能的に補完する1つの免疫グロブリン軽鎖可変抗体領域を特定する工程であって、(i)前記抗原1に結合する抗体のために、前記重鎖HC1の免疫グロブリン重鎖可変抗体領域と、前記軽鎖LC1を進化させることによって生成されたヒトLC1ライブラリとを共発現させることによって生成された抗体ライブラリをスクリーニングする工程と、(ii)前記抗原2に結合する抗体のために、前記重鎖HC2の免疫グロブリン重鎖可変抗体領域と、前記軽鎖LC2を進化させることによって生成されたヒトLC2ライブラリとを共発現させることによって生成された他の抗体ライブラリをスクリーニングする工程と、(iii)(1)前記抗原2に結合する抗体のために、前記抗原1に結合する工程(i)由来の抗体の軽鎖と、前記重鎖HC2の免疫グロブリン重鎖可変抗体領域とを共発現させ、かつ選択する工程、または(2)前記抗原1に結合する抗体のために、前記抗原2に結合する工程(ii)由来の抗体の軽鎖と、前記重鎖HC1の免疫グロブリン重鎖可変抗体領域とを共発現させ、かつ選択する工程、を介して抗体を選択する工程とによって行われ、工程(1)または(2)で選択された抗体の軽鎖可変抗体領域は、前記重鎖HC1及びHC2の2種類の免疫グロブリン重鎖可変抗体領域を機能的に補完する免疫グロブリン軽鎖可変抗体領域である、前記特定する工程と、(b)前記重鎖HC1及びHC2の2種類の免疫グロブリン重鎖可変抗体領域と、工程(a)において特定された免疫グロブリン軽鎖可変抗体領域とをクローニングして、一本鎖抗体コンストラクトを形成する工程と、(c)前記一本鎖抗体コンストラクトを宿主細胞において発現させて、前記多重特異性一本鎖抗体を産生する工程とを有する方法。

請求項2

請求項1記載の方法であって、さらに、前記多重特異性一本鎖抗体の1またはそれ以上の特徴を改善するために、前記多重特異性一本鎖抗体における前記軽鎖可変抗体領域または重鎖可変抗体領域を進化させる追加の工程を有する方法。

請求項3

請求項2記載の方法において、前記1またはそれ以上の特徴は、平衡解離定数(KD);安定性融点(Tm);pI;溶解性発現レベル;低下した免疫原性および改善したエフェクター機能から成る群から選択される方法。

請求項4

請求項2記載の方法において、前記進化させる追加の工程は、包括的位置進化(CPE);包括的位置挿入進化(CPI);包括的位置欠失進化(CPD);包括的位置進化(CPE)後のコンビナトリアルタンパク質合成CPS);包括的位置欠失進化(CPD)後のコンビナトリアルタンパク質合成(CPS);及び包括的位置欠失進化(CPD)後のコンビナトリアルタンパク質合成(CPS)のうちの1つまたはそれ以上を有する方法。

請求項5

請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法であって、さらに、コンジュゲートした多重特異性一本鎖抗体を生成するために、前記多重特異性一本鎖抗体を有機部分にコンジュゲートさせる工程を有する方法。

請求項6

請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法によって発現された多重特異性一本鎖抗体。

請求項7

請求項5記載の方法によって産生されたコンジュゲートした多重特異性一本鎖抗体。

請求項8

請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法において、前記多重特異性一本鎖抗体は、3つのエピトープと、または4つのエピトープと、または5つ以上のエピトープと特異的に結合する方法。

請求項9

請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法において、前記宿主細胞は、3T3マウス繊維芽細胞;BHK21シリアンハムスター繊維芽細胞;MDCKイヌ上皮細胞;Helaヒト上皮細胞;PtK1ネズミカンガルー上皮細胞;SP2/0マウス形質細胞;およびNS0マウス形質細胞:HEK293ヒト胚腎細胞;COSサル腎臓細胞;CHO、CHO−Sチャイニーズハムスター卵巣細胞:Rlマウス胚細胞;E14.1マウス胚細胞;H1ヒト胚細胞;H9ヒト胚細胞;PERC.6、ヒト胚細胞;S.cerevisiae酵母細胞;及びpichia酵母細胞から選択される真核性宿主細胞株である方法。

請求項10

請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法において、前記宿主細胞は原核性宿主細胞である方法。

請求項11

請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法であって、さらに、前記多重特異性一本鎖抗体を製造する工程を有する方法。

請求項12

請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法であって、さらに、d.前記多重特異性一本鎖抗体を進化させて、製造宿主において、進化した多重特異性一本鎖抗体のセットを産生する工程と、e.前記進化した多重特異性一本鎖抗体のセットを、最適化された特徴を有する最適化された多重特異性一本鎖抗体についてスクリーニングする工程と、f.前記最適化された多重特異性抗体を、前記最適化された多重特異性抗体が有機部分を有するように修飾する工程と、g.前記修飾した最適化された多重特異性一本鎖抗体を、前記製造宿主において産生する工程とを有する方法。

請求項13

請求項12記載の方法において、前記製造宿主は、3T3マウス繊維芽細胞;BHK21シリアンハムスター繊維芽細胞;MDCK、イヌ上皮細胞;Helaヒト上皮細胞;PtK1ネズミカンガルー上皮細胞;SP2/0マウス形質細胞;およびNS0マウス形質細胞;HEK293ヒト胚腎臓細胞;COSサル腎臓細胞;CHO、CHO−Sチャイニーズハムスター卵巣細胞;R1マウス胚細胞;E14.1マウス胚細胞;H1ヒト胚細胞;H9ヒト胚細胞;PERC.6、ヒト胚細胞;S.cerevisiae酵母細胞;及びpichia酵母細胞から選択される方法。

請求項14

請求項12記載の方法において、前記スクリーニングする工程は、蛍光活性細胞ソーティングFACS)を有する方法。

請求項15

請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法において、前記軽鎖LC1及びLC2、または重鎖HC1及びHC2は、認可された治療用抗体由来である方法。

請求項16

請求項12記載の方法において、前記スクリーニングする工程は、定量ELISA;親和性ELISA;ELISPOT;フローサイトメトリー免疫細胞学、Biacore(登録商標表面プラズモン共鳴分析、SapidyneKinExA(商標)動的排除アッセイ;SDS−PAGE;ウェスタンブロット、及びHPLCから選択される技術を使用する方法。

技術分野

0001

本発明は、特異性および親和性により複数の抗原に結合するその能力により区別される抗体である多重特異性抗体の生成に関連する。特に、本発明は、二重特異性抗体に関連する。本発明は、2若しくはそれ以上の標的と結合する他の多重特異性タンパク質にも関連する。

背景技術

0002

低い親和性(おおよそ>1μM)の抗体が、多くの場合、複数の抗原に結合することが周知であるが、親和性の成熟および最適化の自然的および人工的手法(定向進化または分子進化)は、典型的には、高い親和性での分子の1つのエピトープのみに対して親和性および特異性の両方を向上させるように設計される。一般的に、ほとんどの用途について、特異性は、重要な特性であり、例えば、治療では、特異性は、おそらく分子の安全性を低下させる非特異的な作用を防止することができる。特に例えば、複数の活性化経路が存在する疾患、例えば、ガンに関連する疾患を処置するために、選択された標的抗原の限定された数(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10、ただし好ましくは、2または3)と結合する能力における実質的な有用性が存在するにもかかわらず、通常のモノクローナル抗体によるガンについての免疫療法は、T細胞活性化しない。それらは、Fc受容体発現しないためである。二重特異性抗体(1つのアーム腫瘍マーカーと結合し、1つのアームがT細胞特異的表面抗原、例えば、CD3と結合する)は、この問題を克服することができ、腫瘍細胞とT細胞とを結合させ得る。さらに、三重機能性抗体(2種類の結合特異性およびインタクトFcドメインを有するIgG)も、Fc受容体発現細胞マクロファージおよび樹状細胞に結合し得る。ついで、腫瘍細胞は、免疫系の1つまたは2つの細胞に結合され、その後、前記免疫系は、それを破壊する。

0003

複数のグループは、二価のIgG分子のFab’が異なり、別々の抗原に結合するように、例えば、ジスルフィド結合還元による2つの独立した抗体の抗体重鎖切り離し、ついで、酸化環境下において抗体を再会合させることにより異種抗体を作製することにより、二重特異性抗体を設計するのが求められてきた。このアプローチは、同一の標的分子に対する結合活性を有さない不利益を有し、費用のかかる生成物生成および精製プロセスを生じる。他のスキームも開発されてきており、Fab内の配列伸長を含み、各結合ポケットが1つの抗体分子における異なる抗原特異性を有し得るように、抗体上の抗原結合ポケットを効果的に複製する。これは、製造および精製を簡易にするが、その構造が、ヒトの身体に対して異物であり、患者におけるネガティブ免疫応答刺激するリスクを冒す。さらに他のものは、新規共有結合を使用して、複数のエピトープ結合を達成し、「抗体様」分子を作製する。

0004

伝統的な二重特異性または多重特異性抗体は、製造が困難であり得る。例えば、これらの抗体は、同じ細胞において、2つの別々の重鎖および2つの別々の軽鎖を発現させることにより構築され得る(クアドローマ技術、Milstein et al.,1983)。しかしながら、このアプローチには問題がある。所望の軽鎖1/重鎖1に加えて、重鎖2/軽鎖2ヘテロ二量体、10個全ての可能性のある重鎖と軽鎖との組み合わせが形成されるであろうためである(Suresh et al.,1986)。望ましくない軽鎖/重鎖対合結合親和性および特異性は、不明である。得られた集合における可能性のある軽鎖/重鎖アッセンブリ複雑性を低下させる努力は、「knob in hole」設計等の方法を含む(Ridgeway et al.,1996、同文献は、参照により本明細書に組み込まれる)。前記方法において、重鎖のFc部は、一部のホモ二量体の形成を排除するように修飾され得る。しかしながら、前記集合は、これらの修飾によっても、伝統的な技術共に未だに非常に複雑である。所望の二重特異性(または多重特異性)生成物は、前記混合物のごく一部のみであり、二重特異性(多重特異性)抗体の精製を困難にし、場合によっては、多くの場合において、商業規模での実行ができない。

課題を解決するための手段

0005

本発明の多重特異性抗体は、特異性および親和性(例えば、<10nM)により複数の抗原に結合するその能力により区別される。一態様では、本発明の多重特異性抗体は、(2若しくはそれ以上の異なる抗原に結合する)2種類の重鎖可変ドメイン、両方の重鎖可変ドメインにフィットするか、または、両方の重鎖にフィットするのに最適化されている1つの軽鎖可変ドメイン、ならびに、ヘテロ二量体を形成するか、または、ヘテロ二量体を形成するのに最適化されているFcを有する。本発明の多重特異性抗体の構築は、複数の方法において達成され得る。例えば、1つのアプローチにおいて、2つの親モノクローナル抗体の可変ドメインは、前記同じ1つの軽鎖が前記親抗体からの両重鎖を機能的に補完し得るように、複数の方法、例えば、本明細書に記載の方法の1つを使用して進化される。1つは、それが第2の標的に結合し得るように1つの親抗体の重鎖も進化させて、新たな重鎖を作製し、続けて、前記新たな重鎖を、前記親抗体からの軽鎖と対合させ得る。さらに別のアプローチでは、1つの親抗体の軽鎖は、それが第2の標的に結合することができるように進化されて、新たな軽鎖を作製し、前記新たな軽鎖を前記親抗体からの重鎖と対合させ得る。本発明の多重特異性抗体のヘテロ二量体を形成するFc部分は、「knob−in−hole」型アプローチまたは、前記Fcを動機付けて、Fc形成ヘテロ二量体を形成するか、または、同二量体をもたらす、任意の他のアプローチを使用して作製され得る。

0006

本発明の多重特異性抗体の構築の例は、本明細書にさらに記載される。

0007

一実施形態では、本発明の多重特異性抗体の単離後に、1若しくはそれ以上の抗原または標的に対する多重特異性抗体の親和性は、進化プロセス、例えば、包括的進化プロセスにより、さらに改善され得る。前記包括的進化プロセスの一態様では、アップ変異体は、代わりの抗原への結合を低下させることなく、少なくとも一方または両方の抗原に対する結合を改善するそれらの変異体としてスクリーニングする間に特定される。ついで、これらのアップ変異体(変化は、前記重鎖および/または軽鎖の両方においてであり得る)は、例えば、コンビナトリアルにさらに混合およびマッチされ得る。

0008

ある他の例では、一方の標的抗原に対するより低い親和性および他方の標的抗原へのより高い親和性が望ましい。例えば、Y.Joy Yu,et alは、低親和性の抗トランスフェリン受容体抗体を有する一方のアームと、高親和性のBACE1抗体を有する他方のアームとを有する二重特異性抗体は、血液脳関門を通過し、マウスの脳において治療濃度に達し得たことを、Science Translational Medicine,25 May 2011,Vol 3,Issue 84 84ra44,「Boosting Brain Uptake of a Therapeutic Antibody by Reducing Its Affinity for a Transcytosis Target」に公表した。この二重特異性抗体は、親単特異性抗体と比較して、実質的により有効であった。

0009

このため、包括的進化プロセスの別の態様では、アップ変異体は、1つの抗原に対する結合を改善するそれらの変異体としてスクリーニングする間に特定される。第2の抗原に対する結合親和性を低下させる変異体が優先されないが、それらは、コンビナトリアル法において、それらが、変異プロセスの組み合わせ中に他の変異と組み合わせられた場合に、その阻害性作用を失う状況において有用であり得る。スクリーニングは、その全体的な親和性ならびに、選択された抗原それぞれへの抗原:抗体結合についてのそれらの各on/off割合に基づく第1候補を特定するのに行われ得る。

0010

本発明の多重特異性抗体は、他の条件、例えば、pH、酸化、温度、圧力または種々のイオンの濃度において、向上または低下した活性または安定性についても最適化され得る。

図面の簡単な説明

0011

図1は、本発明のH2L抗体の一実施形態を図示する。前記H2L抗体は、特定の抗原についての結合特異性を変化させることなく、2種類の親抗体(抗体1および抗体2)からの2つの重鎖それぞれと同じ軽鎖がアッセンブリするのを可能にする最適化された可変ドメインを有する。前記軽鎖は、抗体1からの重鎖1とアッセンブリして、「Fab−アーム1−H2L」を形成する。前記Fab−アーム1−H2Lは、抗原1に結合する。前記同じ軽鎖は、抗体2からの重鎖2ともアッセンブリして、「Fab−アーム2−H2L」を形成する。前記Fab−アーム2−H2Lは、抗原2に結合する。前記重鎖のFc部は、in vivoにおけるHC1−HC2二量体の形成のみを可能にする方法で修飾される(例えば、この例では、「knob in hole」設計により容易にされ、Fcヘテロ二量体として標識される)。ヘテロ二量体のみを形成する2つの重鎖および1つの軽鎖の発現は、1つの生成物である本発明の「H2L mAb」抗体のみの形成をもたらす。産生された各分子は、抗原1に結合する一方のFabアームと抗原2に結合する他方のFabアームとを有する。H2L mAbは、通常のIgGsと同様に製造および精製され得る。
図2は、アレイ状ヒト免疫グロブリン軽鎖ライブラリをスクリーニングする例を図示する。マイクロタイタープレート固定化された抗原標的Aを、重鎖HC1と完全なヒト軽鎖(各ウェル毎に異なる軽鎖)とから成る組換えIgGsとインキュベートした。結合した抗体を、抗−ヒトIgG−HRPコンジュゲートにより洗浄した後に検出した。各バーは、固有クローンを表す。水平な黒色の線は、バックグラウンド活性を示し;水平な破線は、2×バックグラウンドを示す。2×バックグラウンドより高いシグナルを有するクローンを、一次ヒットとして集計した。x軸は、ウェルの位置を表し;y軸は、OD450値を表す。
図2は、前記2つの標的抗原に対する前記二重特異性H2L mAbの結合についてのELISAデータを図示する。マイクロタイタープレートのウェルを、標的A(灰色のバー)または標的B(黒色のバー)のいずれかでコートした。野生型の軽鎖wtLC1または新規な軽鎖LC−15D10との組み合わせにおける重鎖1(HC1)は、標的Aに結合するが、標的Bには結合しない。一方、野生型の軽鎖wtLC2または新規な軽鎖LC−15D10との組み合わせにおけるHC2は、標的Bに結合する。HC1、HC2および新規な軽鎖LC−15D10から成る二重特異性H2L mAbは、標的Aおよび標的Bの両方に結合する。x軸は、クローン名を表す。y軸は、OD450値を表す。

実施例

0012

用語の定義
本明細書に提供される例を理解するのを容易にするために、ある頻度で生じる方法および/または用語が、説明されるであろう。

0013

本明細書で使用する時、「アミノ酸」という用語は、好ましくは、遊離基としてのいずれか、または代替的に、ペプチド結合の一部としての縮合後のアミノ基(−−NH2)とカルボキシル基(−−COOH)とを含む任意の有機化合物を意味する。「20個の天然にコードされるポリペプチド形成アルファ−アミノ酸」は、当該分野において理解され、アラニン(alaまたはA)、アルギニン(argまたはR)、アスパラギン(asnまたはN)、アスパラギン酸(aspまたはD)、システイン(cysまたはC)、グルタミン酸(gluまたはE)、グルタミン(glnまたはQ)、グリシン(glyまたはG)、ヒスチジン(hisまたはH)、イソロイシン(ileまたはI)、ロイシン(leuまたはL)、リジン(lysまたはK)、メチオニン(metまたはM)、フェニルアラニン(pheまたはF)、プロリン(proまたはP)、セリン(serまたはS)、スレオニン(thrまたはT)、トリプトファン(trpまたはW)、チロシン(tyrまたはY)およびバリン(valまたはV)を意味する。

0014

増幅」という用語は、ポリヌクレオチドコピー数が増加することを意味する。

0015

本明細書で使用する時、「抗体」という用語は、インタクトの免疫グロブリン分子(例えば、IgMIgD、IgG、IgEおよびIgA同位体)ならびに免疫グロブリン分子のフラグメント、例えば、Fab、Fab’、(Fab’)2およびFvフラグメントを意味する。前記フラグメントは、抗原のエピトープに結合可能である。それらが由来される抗体の抗原(例えば、ポリペプチド抗原)に選択的に結合するいくらかの能力を保持するこれらの抗体フラグメントは、当該分野において周知の方法を使用して作製されることができ(例えば、上記Harlow and Laneを参照のこと)、下記のようにさらに説明される。

0016

(1)Fabフラグメントは、抗体分子の一価抗原結合フラグメントから成り、全抗体分子を酵素パパイン消化して、インタクトな軽鎖と重鎖の一部から成るフラグメントを生じさせることにより産生され得る。

0017

(2)抗体分子のFab’フラグメントは、全抗体分子をペプシンで処理し、続けて、還元して、インタクトの軽鎖および重鎖の一部から成る分子を生じさせることにより取得され得る。2つのFab’フラグメントは、この方法において処理される抗体分子あたりに取得される。

0018

(3)抗体の(Fab’)2フラグメントは、その後の還元を行うことなく、全抗体分子を酵素ペプシンで処理することにより取得され得る。(Fab’)2フラグメントは、2つのFab’フラグメントの二量体であり、2つのジスルフィド結合により互いに保持される。

0019

(4)Fvフラグメントは、2つの鎖として発現された軽鎖の可変領域と重鎖の可変領域とを含む遺伝子操作されたフラグメントとして規定される。

0020

キメラ」特性を有する分子は、1)第1の参照分子に対して部分的に相同性であり、部分的に異種性であるが:2)同時に、第2の参照分子に対して部分的に相同性であり、部分的に異種性であり;3)1若しくはそれ以上の更なる参照分子に対しても同時に部分的に相同性であり、部分的に異種性である可能性を妨げることのない分子である。非限定的な実施形態では、キメラ分子は、部分的な分子配列再集合をアッセブリすることにより調製され得る。非限定的な態様では、キメラポリヌクレオチド分子は、複数の分子テンプレートを使用して、前記得られたキメラポリヌクレオチドが複数のテンプレートの特性を有するように、前記キメラポリヌクレオチドを合成することにより調製され得る。

0021

本明細書で使用する時、「比較ウインドウ」は、連続的なヌクレオチド位置、例えば、20若しくはそれ以上の連続的なヌクレオチド位置の概念セグメントを意味する。前記セグメントでは、ポリヌクレオチド配列は、少なくとも同じ数の連続的なヌクレオチド参照配列に対して比較されてもよい。前記セグメントでは、前記比較ウインドウにおけるポリヌクレオチド配列の一部は、2つの配列の最適なアライメント用の(付加または欠失を有さない)参照配列と比較して、20パーセント以下の付加または欠失(すなわち、ギャップ)を有してもよい。比較ウインドウをアライメントするための配列の最適なアライメントは、Smith and Waterman(1981)Adv.Appl.Math.2:482の局所相同性アルゴリズム、Needlemen and Wuncsch J.Mol.Biol.48:443(1970)の相同性アライメントアルゴリズム、Pearson and Lipman Proc.Natl.Acad.Sci.(U.S.A.)85:2444(1988)の類似性検索法、これらのアルゴリズムのコンピュータ処理された実行(the Wisconsin Genetics Software Package Release 7.0,Genetics Computer Group、575 Science Dr.,Madison、ウィスコシン州におけるGAP、BESTFIT、FASTAおよびTFASTA)または検査により行われてもよく、前記種々の方法により生成される最良のアライメント(すなわち、前記比較ウインドウにわたる最も高い割合の相同性をもたらす)が選択される。

0022

本明細書で使用する時、「相補性決定領域」または「CDR」という用語は、KabatおよびChothiaにより例示されるように、当該分野において認識された用語を意味する。CDRの定義は、一般的には、超可変領域または超可変ループとしても公知である(Chothia and Leks,1987;Clothia et al.,1989;Kabat et al.,1987;および、Tramontano et al.,1990)。可変領域ドメインは、典型的には、天然由来免疫グロブリン鎖アミノ末端のおおよそ105〜115個のアミノ酸(例えばアミノ酸1〜110)を有するが、いくらか短いまたは長い可変ドメインも、一本鎖抗体を形成するのに適切である。前記CDRsは、前記分子の特異性を決定し、特定のリガンドとの接触を形成する免疫グロブリンの一部である。前記CDRsは、前記分子の最も可変性の部分であり、これらの分子の多様性に寄与する。各Vドメインにおいて、3つのCDR領域であるCDR1、CDR2およびCDR3が存在する。CDR−Hは、可変重鎖のCDR領域を表し、CDR−Lは、可変軽鎖のCDR領域に関連する。Hは、前記可変重鎖を意味し、Lは、前記可変軽鎖を意味する。Ig由来領域のCDR領域は、Kabat(1991).Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th edit.、NIH Publication no.91−3242 U.S.Department of Health and Human Services、Chothia(1987).J.Mol.Biol.196,901−917およびChothia(1989)Nature,342,877−883に記載のように決定されてもよい。

0023

「保存アミノ酸置換」は、類似の側鎖を有する残基の互換性を意味する。例えば、脂肪族側鎖を有するアミノ酸のグループは、グリシン、アラニン、バリン、ロイシンおよびイソロイシンであり;脂肪族ヒドロキシル側鎖を有するアミノ酸のグループは、セリンおよびスレオニンであり;アミド含有側鎖を有するアミノ酸のグループは、アスパラギンおよびグルタミンであり;芳香族側鎖を有するアミノ酸のグループは、フェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファンであり;塩基性側鎖を有するアミノ酸のグループは、リジン、アルギニンおよびヒスチジンであり;硫黄含有側鎖を有するアミノ酸のグループは、システインおよびメチオニンである。好ましい保存アミノ酸置換グループは、バリン−ロイシン−イソロイシン、フェニルアラニン−チロシン、リジン−アルギニン、アラニン−バリンおよびアスパラギン−グルタミンである。

0024

本明細書で使用する時、「非免疫化」という用語は、テンプレート結合分子の変異体の産生に関連する。前記テンプレート結合分子は、元の野生型分子と比較して、ヒトにおける非免疫原性またはほとんど免疫原性を有しない前記変異体を与えることにより修飾される。本発明に基づく非免疫化分子は、非ヒト由来の抗体またはその一部(例えば、フレームワークおよび/若しくはCDRs)に関連する。対応する例は、米国特許第4,361,549号に記載の抗体またはそのフラグメントである。「非免疫化された」という用語は、T細胞エピトープを生成する低下した傾向を示す分子にも関連する。この発明に基づいて、「T細胞エピトープを生成する低下した傾向」という用語は、特異的なT細胞活性化をもたらすT細胞エピトープの除去を意味する。

0025

さらに、T細胞エピトープを生成する低下した傾向は、T細胞エピトープの形成に寄与するアミノ酸の置換、すなわち、T細胞エピトープの形成に必須のアミノ酸の置換を意味する。言い換えれば、T細胞エピトープを生成する低下した傾向は、抗原独立性細胞増殖誘引する、低下した免疫原性または低下した能力に関連する。さらに、T細胞エピトープを生成する低下した傾向は、非免疫化に関連する。前記非免疫化は、抗原独立性T細胞増殖を誘引する潜在的なT細胞エピトープのアミノ酸配列損失または減少を意味する。

0026

本明細書で使用する時、「T細胞エピトープ」という用語は、細胞内でのペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の分解中に放出されることができ、その後、T細胞の活性化を誘引するために、主要組織適合遺伝子複合体MHC)の分子により提示される、短いペプチド配列に関連する。特に、国際公開第02/066514号を参照のこと。MHCクラスIIにより提示されたペプチドについて、ついで、T細胞のこのような活性化は、B細胞の直接的な刺激により抗体反応を誘引して、前記抗体を産生し得る。

0027

DNAの「消化」は、前記DNAにおける特定の配列のみに作用する制限酵素による、前記DNAの触媒開裂を意味する。本明細書で使用される種々の制限酵素は、市販されており、その反応条件、共因子および他の要求は、当業者に公知であろうように使用された。分析目的について、典型的には、1μgのプラスミドまたはDNAフラグメントが、約20μlの緩衝液における約2単位の酵素と共に使用される。プラスミド構築用のDNAフラグメントを単離する目的について、典型的には、5から50μgのDNAが、より大きな容量において、20から250単位の酵素により消化される。具体的な制限酵素についての適切なバッファーおよび基質量は、製造メーカにより特定される。37℃での約1時間のインキュベート時間が、通常使用されるが、供給元の説明に基づいて変更され得る。消化後、前記反応は、ゲル上で直接電気泳動されて、所望のフラグメントを単離する。

0028

この発明で使用する時、「エピトープ」という用語は、抗体のパラトープが結合する抗原上の抗原決定基を意味する。抗原性決定基は、通常、アミノ酸または糖側鎖等の分子の化学的に活性な表面グループ化から成り、特定の三次元構造特性および特定の電荷特性を有し得る。本明細書で使用する時、「エピトープ」は、抗体の可変領域結合体相互作用する結合相互作用を形成可能な、抗原の一部または他の高分子を意味する。典型的には、このような結合相互作用は、CDRの1若しくはそれ以上のアミノ酸残基との分子間接触として証明される。

0029

本明細書で使用する時、「進化」という用語は、定向進化または分子進化のプロセスを意味する。前記プロセスは、生体分子を所望の特性に実験的に修飾するプロセスであり、1若しくはそれ以上の親分子テンプレートを変異誘発し、子孫分子の中から任意の所望の分子を特定することにより達成され得る。進化(定向進化)の多くの方法が公知であり、当該分野において、例えば、特定部位の変異誘発、エラープローンPCR、部位飽和法ならびに他のランダムおよび非ランダム法が公表されている。これらの方法のいずれかが、本発明の方法に使用されてもよい。

0030

参照ポリペプチドに言及する場合の「フラグメント」、「誘導体」および「類似体」という用語は、前記参照ポリペプチドのそれと少なくとも本質的に同じ、少なくとも1つの生体機能または活性を保持するポリペプチドを有する。さらに、「フラグメント」、「誘導体」または「類似体」という用語は、開裂により修飾されて、顕著により高い活性を有する成熟酵素を産生し得る、「プロフォーム」分子、例えば、低活性プロタンパク質により例示される。

0031

本明細書において、テンプレートポリペプチドから、「完全な範囲の1つのアミノ酸置換」が各アミノ酸位置で表される、子孫ポリペプチドのセットを産生するための方法が提供される。本明細書で使用する時、「完全な範囲の1つのアミノ酸置換」は、本明細書に記載のように、天然にコードされる20個の天然にコードされるポリペプチド形成アルファ−アミノ酸に関連する。

0032

「遺伝子」という用語は、ポリペプチド鎖を産生するのに関与するDNAのセグメントを意味する。それは、コード領域の前後の領域(リーダおよびトレーラ)ならびに、個々のコードセグメントエクソン)間の介在配列イントロン)を含む。

0033

「異種性」という用語は、1つの一本鎖核酸配列が別の一本鎖核酸配列またはその相補鎖ハイブリダイズし得ないことを意味する。このため、異種性の区域は、ポリヌクレオチドの区域またはポリヌクレオチドが、別の核酸またはポリヌクレオチドにハイブリダイズし得ないその配列内の区域または領域を有することを意味する。このような領域または区域は、例えば、変異の区域である。

0034

「相同性(homologous)」または「相同性(homeologous)」という用語は、1つの一本鎖核酸配列が、相補な一本鎖核酸配列にハイブリダイズし得ることを意味する。ハイブリダイゼーション度合いは、数多くの要因、例えば、前記配列間の同一性の量ならびにハイブリダイゼ—ション条件、例えば、後述する温度および塩濃度により決まり得る。好ましくは、前記同一性の領域は、約5bpより大きく、より好ましくは、前記同一性の領域は、10bpより大きい。

0035

免疫グロブリンの軽鎖または重鎖の可変領域は、CDR’sとも呼ばれる3つの超可変領域により分断される「フレームワーク」領域から成る。前記フレームワーク領域およびCDR’sの大きさは、正確に規定されてきた(「Sequences of Proteins of Immunological Interest,」Kabat et al.,1987を参照のこと)。種々の軽鎖および重鎖のフレームワーク領域の配列は、種内で比較的保存されている。本明細書で使用する時、「ヒトのフレームワーク領域」は、天然由来のヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域に対して実質的に同一である(約85以上、通常90〜95以上)フレームワーク領域である。抗体のフレームワーク領域は、構成の軽鎖および重鎖の組み合わせられたフレームワーク領域であり、位置に対して機能し、CDR’sをアライメントする。前記CDR’sは、抗原のエピトープに結合するのを主に担う。この発明に基づいて、フレームワーク領域は、抗原と接触する超可変の相補性決定領域(CDRs)のためのタンパク質足場を提供する、免疫グロブリンのVドメイン(VHまたはVLドメイン)における領域に関連する。各Vドメインにおいて、FR1、FR2、FR3およびFR4と命名される4つのフレームワーク領域が存在する。フレームワーク1は、VドメインのN末端からCDR1の開始までの領域を包含する。フレームワーク2は、CDR1とCDR2との間の領域に関連する。フレームワーク3は、CDR2とCDR3との間の領域を包含する。フレームワーク4は、CDR3の末端からVドメインのC末端までの領域を意味する。特に、Janeway,Immunobiology,Garland Publishing,2001,5th edを参照のこと。このため、前記フレームワーク領域は、VHまたはVLのドメインにおける、CDR領域の外側の全ての領域を包含する。

0036

当業者は、所定の配列から、フレームワーク領域およびCDRsを容易に推定するポジションにいる。Kabat(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th edit.、NIH Publication no.91−3242 U.S.Department of Health and Human Services、Chothia(1987).J.Mol.Biol.196,901−917およびChothia(1989)Nature,342,877−883を参照のこと。

0037

「同一の」または「同一性」という用語は、2つ核酸配列が同じ配列または相補配列を有することを意味する。このため、「同一性の区域」は、ポリヌクレオチドの領域若しくは区域またはポリヌクレオチド全体が、別のポリヌクレオチドの区域またはポリヌクレオチドに対して同一または相補であることを意味する。

0038

「単離された」という用語は、材料がその元の環境(例えば、それが天然由来である場合、自然環境)から取り出されていることを意味する。例えば、天然由来のポリヌクレオチドまたは酵素は、生きている動物に存在し、単離されていないが、天然系において共存する材料の一部または全部から分離された同じポリヌクレオチドまたは酵素は単離されている。このようなポリヌクレオチドは、ベクターおよび/若しくはこのようなポリヌクレオチドの一部であることができ、または、酵素は、組成物の一部であることができ、このようなベクターまたは組成物がその自然環境の一部でない点でも単離されている。

0039

「単離された核酸」は、核酸、例えば、DNAまたはRNA分子を意味し、前記核酸は、有機体から派生した天然由来のゲノムに存在する場合、通常、直ちに連続している5’および3’フランキング配列により直ちに連続していない。このため、前記用語は、例えば、ベクター、例えば、プラスミドまたはウイルスベクター内に包含される核酸;異種細胞のゲノム(または同種細胞のゲノムであるが、天然由来のそれとは異なる部位)内に包含される核酸;および、分離した分子、例えば、PCR増幅または制限酵素消化により産生されたDNAフラグメントまたはin vitro転写により産生されたRNA分子として存在する核酸を説明する。前記用語は、例えば、融合タンパク質の産生において使用され得る更なるポリペプチド配列をコードする、ハイブリッド遺伝子の一部を形成する組換え核酸も説明する。

0040

本明細書で使用する時、「リガンド」は、ランダムペプチドまたは可変性のセグメント配列等の分子を意味する。前記分子は、特定の受容体により認識される。当業者が認識するであろうように、分子(または高分子複合体)は、受容体およびリガンドの両方であり得る。一般的には、より小さい分子量を有する結合パートナーが、リガンドと呼ばれ、より大きい分子量を有する結合パートナーが、受容体と呼ばれる。

0041

ライゲーション」は、2つの二本鎖核酸フラグメント間にホスホジエステル結合を形成するプロセスを意味する(Maniatis et al,1982,p.146)。他の方法で提供されない限り、ライゲーションは、0.5μgのおおよそ等モル量のライゲーションされるDNAフラグメントあたりに、10単位のT4DNAリガーゼ(「リガーゼ」)を含む、公知のバッファーおよび条件を使用して達成され得る。

0042

本明細書で使用する時、「リンカー」または「スペーサ」は、2つの分子、例えば、DNA結合タンパク質およびランダムペプチドを結合する分子または分子群を意味し、例えば、前記ランダムペプチドが前記DNA結合タンパク質からの最小立体障害により受容体に結合し得るように、好ましい構成に前記2つの分子を配置するのに機能する。

0043

本明細書で使用する時、「進化される特性」は、ポリヌクレオチド配列を含む分子、ポリペプチド配列を含む分子ならびにポリヌクレオチド配列の一部およびポリペプチド配列の一部を含む分子への言及を含む。具体的に関連するが、決して制限されない、進化される特性の例は、特定の条件、例えば、関連する温度;塩度;圧力;pH;ならびに、グリセロールDMSO、洗剤および/若しくは反応環境において接触する任意の他の分子種の濃度での結合親和性、特異性および活性を含む。更なる具体的な関連ではあるが、決して制限されない、進化される特性の例は、安定性、例えば、特定の環境に対する特定の暴露時間後に存在する残った特性の量を含む。

0044

「多重特異性抗体」という用語は、特異性により2若しくはそれ以上の抗原に結合する能力を有する抗体を意味する。多重特異性抗体は、2つの抗原と結合する能力を有する抗体である二重特異性抗体を含む。

0045

「変異」という用語は、野生型の核酸配列の配列における変化またはペプチド配列における変化を意味する。このような変異は、点変異、例えば、転移または転換であり得る。前記変異は、欠失、挿入または複製であり得る。

0046

本明細書で使用する時、変性「N,N,G/T」ヌクレオチド配列は、32個の可能性のあるトリプレットを表す。前記配列中、「N」は、A、C、GまたはTであり得る。

0047

本明細書で使用する時、変性「N,N,N」ヌクレオチド配列は、64個の可能性のあるトリプレットを表す。前記配列中、「N」は、A、C、GまたはTであり得る。

0048

本明細書で使用する時、物体に適用される場合の「天然由来」という用語は、物体が自然に見出され得る事実を意味する。例えば、自然における供給源から単離されることができ、研究室において人間により意図的に修飾されていない有機体(例えば、ウイルス)に存在するポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列は、天然由来である。一般的には、天然由来という用語は、非病的(無疾患)の個体に存在する場合の物体を意味し、例えば、その種に典型的であろう。

0049

本明細書で使用する時、「核酸分子」には、それが一本鎖または二本鎖のそれぞれであるかどうかにより、少なくとも1つの塩基または1つの塩基対が含まれる。さらに、核酸分子は、排他的またはキメラ的に、これに限定されるものではないが、核酸分子の下記グループ:RNA、DNA、ゲノム核酸、非ゲノム核酸、天然由来および非天然由来の核酸ならびに合成核酸により例示される、ヌクレオチド含有分子のいずれかのグループに属し得る。これは、非限定的な例を通じて、任意の細胞小器官、例えば、ミトコンドリアリボソームRNAに関連する核酸、および、天然由来の成分に加えて非天然の1若しくはそれ以上の成分をキメラ的に有する核酸分子を含む。

0050

したがって、「核酸分子」は、これに限定されるものではないが、アミノ酸および糖により例示される、1若しくはそれ以上の非ヌクレオチド系成分を部分的に含み得る。このため、例として、これに限定されるものではないが、部分的にヌクレオチド系および部分的にタンパク質系であるリボザイムは、「核酸分子」と考えられる。

0051

さらに、例として、これに限定されるものではないが、検出可能部分、例えば、放射活性または代替的に非放射活性の標識により標識される核酸分子は、同様に、「核酸分子」と考えられる。

0052

具体的な酵素について「コードする核酸配列」または具体的な酵素の「DNAコード配列」または具体的な酵素を「コードするヌクレオチド配列」という用語、ならびに他の同義語は、適切な制御配列の制御下に置かれた場合に、転写され、酵素に翻訳されるDNA配列を意味する。「プロモータ配列」は、細胞におけるRNAポリメラーゼと結合可能であり、下流(3’方向)のコード配列の転写を開始可能であるDNA制御領域である。前記プロモータは、前記DNA配列の一部である。この配列領域は、その3’末端における開始コドンを有する。前記プロモータ配列は、バックグラウンドを上回って検出可能なレベルでの転写を開始するのに必要な要素である、最少数の塩基を含む。ただし、前記RNAポリメラーゼが前記配列と結合し、転写が前記開始コドン(プロモータを含む3’末端)で開始された後に、転写は、前記3’方向における下流に進行する。前記プロモータ配列内には、(便宜上、ヌクレアーゼS1によるマッピングにより規定される)転写開始部位およびRNAポリメラーゼの結合を担うタンパク質結合ドメインコンセンサス配列)が見出されるであろう。

0053

「酵素(タンパク質)をコードする核酸」または「酵素(タンパク質)をコードするDNA」または「酵素(タンパク質)をコードするポリヌクレオチド」という用語および他の同義語は、酵素についてのコード配列のみを含むポリヌクレオチドならびに更なるコード配列および/若しくは非Cq3コード配列を含むポリヌクレオチドを包含する。

0054

好ましい一実施形態では、「特定の核酸分子種」は、これに限定されるものではないが、その一次配列により例示されるように、その化学構造により規定される。別の好ましい実施形態では、特定の「核酸分子種」は、核酸種の機能により、または、前記核酸種由来の生成物の機能により規定される。このため、非限定的な例として、「特定の核酸分子種」は、それに起因し得る1若しくはそれ以上の活性または特性、例えば、その発現生成物に起因し得る活性または特性により規定され得る。

0055

「核酸ライブラリ内に実用的な核酸サンプルをアッセンブリすること」の即時の定義は、例えば、ベクター内にライゲーションし、宿主形質転換することにより、ベクター系コレクション内に核酸サンプルを包含するプロセスを含む。関連するベクター、宿主および他の試薬ならびにその具体的な非限定的な例の説明は、以下に提供される。「核酸ライブラリ内に実用的な核酸サンプルをアッセンブリすること」の即時の定義は、例えば、アダプタにライゲーションすることにより、非ベクター系コレクション内に核酸サンプルを包含するプロセスも含む。好ましくは、前記アダプタは、PCRプライマーアニーリングして、PCRによる増幅を促進し得る。

0056

したがって、非限定的な実施形態では、「核酸ライブラリ」には、1若しくはそれ以上の核酸分子のベクター系コレクションが含まれる。別の好ましい実施形態では、「核酸ライブラリ」には、核酸分子の非ベクター系コレクションが含まれる。さらに別の好ましい実施形態では、「核酸ライブラリ」には、部分的にベクター系および部分的に非ベクター系である核酸分子の組み合わせたコレクションが含まれる。好ましくは、ライブラリを有する分子のコレクションは、個々の核酸分子種に基づいて検索可能であり、分離可能である。

0057

本発明は、「核酸構築物」または代替的に、「ヌクレオチド構築物」または代替的に「DNA構築物」を提供する。本明細書において、「構築物」という用語は、ポリヌクレオチド等の分子を説明するのに使用される。前記ポリヌクレオチドは、選択的に、1若しくはそれ以上の更なる分子部分、例えば、ベクターまたはベクターの一部に、化学的に結合され得る。具体的な、ただし決して限定的でない態様では、ヌクレオチド構築物は、宿主細胞の形質転換に適したDNA発現構築物により例示される。

0058

オリゴヌクレオチド」(または同義的に「オリゴ」)は、化学的に合成され得る、一本鎖ポリデオキシヌクレオチドまたは2つの相補なポリデオキシヌクレオチド鎖のいずれかを意味する。このような合成のオリゴヌクレオチドは、5’リン酸を有してもよいし、または、有さなくてもよい。有さないものは、キナーゼの存在下においてATPを含むリン酸を付加することなしに、別のオリゴヌクレオチドにライゲートしないであろう。合成のオリゴヌクレオチドは、脱リン酸化されていないフラグメントにライゲートするであろう。(例えば、PCRによる)ポリメラーゼ系増幅を達成するために、「少なくとも第1の相同配列が連続して含まれる32倍変性オリゴヌクレオチドである、変性N,N,G/T配列および第2の相同配列」が記載される。この文脈において使用する時、「相同」は、ポリメラーゼ系増幅に供される、前記オリゴと親ポリヌクレオチドとの間の相同性に関連する。

0059

本明細書で使用する時、「操作可能に結合される」という用語は、機能的相関におけるポリヌクレオチド要素の結合を意味する。核酸は、それが別の核酸配列との機能的相関内に配置された場合、「操作可能に結合される」。例えば、プロモータまたはエンハンサは、それがコード配列の転写に影響を及ぼす場合、コード配列に操作可能に結合される。操作可能に結合されるは、結合されるDNA配列が典型的には隣接することを意味し、必要に応じて、隣接する読み枠における2つのタンパク質コード領域に結合することを意味する。

0060

コード配列は、RNAポリメラーゼが前記2つのコード配列を1つのmRNAに転写するであろう場合に、別のコード配列に「操作可能に結合される」。ついで、前記mRNAは、両コード領域に由来するアミノ酸を有する1つのポリペプチドに翻訳される。前記コード配列は、発現配列が最後に処理されて所望のタンパク質を産生する限りにおいて、必ずしも互いに隣接している必要はない。

0061

本明細書で使用する場合、「生理的条件」という用語は、生きた有機体に適合可能であり、および/または、典型的には、生きた培養酵母細胞若しくは哺乳類の細胞における細胞内に存在する、温度、pH、イオン強度、粘度等の生化学的パラメータを意味する。例えば、典型的な研究室の培養条件下において増殖した酵母細胞における細胞内条件は、生理的条件である。in vitro転写カクテルに適切なin vitro反応条件は、一般的には、生理的条件である。一般的には、in vitroの生理的条件は、50〜200mM NaClまたはKCl、pH6.5〜8.5、20〜45℃および0.001〜10mM二価カチオン(例えば、Mg++、Ca++);好ましくは、約150mM NaClまたはKCl、pH7.2〜7.6、5mM 二価カチオンを有し、多くの場合、0.01〜1.0パーセントの非特異的タンパク質(例えば、BSA)を含む。非イオン性洗剤(Tween、NP−40、Triton X−100)が、多くの場合、通常、約0.001から2%、典型的には、0.05〜0.2%(v/v)で存在し得る。具体的な水性条件は、従来の方法に基づいて実務家により選択され得る。全体的なガイダンスについて、下記の緩衝化された水性条件:10〜250mM NaCl、5〜50mM Tris HCl、pH5〜8が、二価カチオンおよび/または金属キレート剤および/または非イオン性洗剤および/または膜画分および/または消泡剤および/またはシンチラントの任意の添加を含んで適用可能であり得る。

0062

本明細書で使用する時、「集合」という用語は、ポリヌクレオチド、ポリヌクレオチドの一部またはタンパク質等の成分のコレクションを意味する。「混合集合」は、核酸またはタンパク質の同じファミリーに属する(すなわち、関連する)が、その配列において異なる(すなわち、同一でない)ために、その生体活性が異なる成分のコレクションを意味する。

0063

「プロフォーム」を有する分子は、1若しくはそれ以上の共有的および非共有的化学修飾(例えば、グリコシル化タンパク質分解的開裂、二量体化または多量体化、温度誘引若しくはpH誘引配座変化、共因子との関連等)の任意の組み合わせを受け、参照プロフォーム分子との比較において特性差(例えば、活性の向上)を有するより成熟した分子型を途中で達成する分子を意味する。2若しくはそれ以上の化学的修飾(例えば、2つのタンパク質分解的開裂またはタンパク質分解的開裂および脱グリコシル化)が成熟分子の産生に対して途中で区別され得る場合、前記参照前駆体分子は、「プレプロフォーム」分子と呼ばれ得る。

0064

本明細書で使用する時、「疑似ランダム」という用語は、制限された変異性を有する配列のセットを意味する。したがって、例えば、別の位置であるが任意の疑似ランダム位置での残基変異性の度合いは、残基変異性のいくらかの度合いを可能にするが、限局的である。

0065

本明細書で使用する時、「ランダムペプチドライブラリ」は、ランダムペプチドのセットをコードするポリヌクレオチド配列のセットおよびそれらのポリヌクレオチド配列によりコードされるランダムペプチドのセットを意味し、融合タンパク質がそれらのランダムペプチドを含むことを意味する。

0066

本明細書で使用する時、「ランダムペプチド配列」は、2若しくはそれ以上のアミノ酸モノマーから構成され、確率的またはランダムなプロセスにより構築されるアミノ酸配列を意味する。ランダムペプチドは、不変な配列を有し得る、フレームワークまたは足場モチーフを含み得る。

0067

本明細書で使用する時、「受容体」は、所定のリガンドに対する親和性を有する分子を意味する。受容体は、天然由来または合成の分子であり得る。受容体は、変化しない状態または他の種との凝集体において使用され得る。受容体は、結合メンバーに共有的または非共有的に、直接的または特定の結合物質を介して付着され得る。受容体の例は、これに限定されるものではないが、抗体、例えば、モノクローナル抗体および、特定の抗原決定基(例えば、ウイルス、細胞または他の材料)と反応性抗血清細胞膜受容体、複雑な炭水化物および糖タンパク質、酵素およびホルモン受容体を含む。

0068

「組換え」酵素は、組換えDNA技術により産生される、すなわち、所望の酵素をコードする外因性のDNA構築物により形質転換された細胞から産生される酵素を意味する。「合成の」酵素は、化学合成により調製されるものである。

0069

「関連するポリヌクレオチド」という用語は、前記ポリヌクレオチドの領域または区域が同一であり、前記ポリヌクレオチドの領域または区域が異種性であることを意味する。

0070

本明細書で使用する時、「減少的再組み合わせ」は、繰り返し配列により媒介される欠失(および/または挿入)事象から生じる分子多様性の向上を意味する。

0071

下記用語:「参照配列」、「比較ウインドウ」、「配列同一性」、「配列同一性の割合」および「実質的な同一性」は、2若しくはそれ以上のポリヌクレオチド間の配列相関を説明するのに使用される。

0072

「参照配列」は、配列比較用の基礎として使用される規定配列である。参照配列は、より大きい配列、例えば、全長cDNA若しくは配列表に与えられる遺伝子配列のセグメントとしての部分集合でもよいし、または、完全なcDNA若しくは遺伝子配列を有してもよい。一般的には、参照配列は、長さが少なくとも20ヌクレオチドであり、多くの場合、長さが少なくとも25ヌクレオチド、および多くの場合、長さが少なくとも50ヌクレオチドである。2つのポリヌクレオチドが、(1)前記2つのポリヌクレオチド間で類似する配列(すなわち、完全なポリヌクレオチド配列の一部)をそれぞれ有してもよく、(2)前記2つのポリヌクレオチド間で異なる配列をさらに有してもよいため、2つ(またはそれ以上)のポリヌクレオチド間の配列比較が、典型的には、「比較ウインドウ」にわたる前記2つのポリヌクレオチドの配列を比較することにより行われて、配列類似性の局所的な領域を特定および比較する。

0073

「配列同一性」という用語は、2つのポリヌクレオチド配列が、比較のウインドウにわたって(すなわち、ヌクレオチド−対−ヌクレオチドの基準において)同一であることを意味する。「配列同一性の割合」という用語は、前記比較ウインドウにわたる、2つの最適にアライメントされた配列を比較し、同一の核酸塩基(例えば、A、T、C、G、UまたはI)が両方の配列において生じる位置の数を決定してマッチした位置の数を生成し、前記比較ウインドウにおける位置の総数(すなわち、ウインドウサイズ)により前記マッチした位置の数を割り、その結果に100を掛けて、配列同一性の割合を生成することにより算出される。本明細書で使用する時、この「実質的に同一」は、ポリヌクレオチド配列の特徴を意味する。前記ポリヌクレオチドは、少なくとも25〜50ヌクレオチドの比較ウインドウの参照配列と比較して、少なくとも80パーセントの配列同一性、好ましくは少なくとも85パーセントの同一性、多くの場合、90から95パーセントの配列同一性、最も一般的には、少なくとも99パーセントの配列同一性を有する配列を有する。前記配列同一性の割合は、前記比較ウインドウにわたる参照配列の合計20パーセント以下の欠失または付加を含み得る前記ポリヌクレオチド配列に対して前記参照配列を比較することにより算出される。

0074

当該分野において公知のように、2つの酵素間の「類似性」は、第2の酵素の配列に対する、一方の酵素のアミノ酸配列およびその保存アミノ酸置換を比較することにより決定される。類似性は、当該分野において周知の手法、例えば、BLASTprogram(Basic Local Alignment Search Tool at the National Center for Biological Information)により決定され得る。

0075

本明細書で使用する時、「一本鎖抗体」という用語は、スペーサペプチド(例えば、[Gly−Gly−Gly−Gly−Ser]x)を介して遺伝的に結合された、ポリペプチド結合におけるVHドメインおよびVLドメインを有するポリペプチドを意味する。前記一本鎖抗体は、アミノ−および/またはカルボキシ−末端において、更なるアミノ酸配列を有する場合がある。例えば、一本鎖抗体は、コードポリヌクレオチドに結合するための係留セグメントを有してもよい。例として、scFvが、一本鎖抗体である。一本鎖抗体は、一般的には、免疫グロブリンスーパーファミリーの遺伝子により実質的にコードされた少なくとも10個の隣接するアミノの1若しくはそれ以上のポリペプチドセグメントから成るタンパク質である(例えば、Williams and Barclay,1989,pp.361−368を参照のこと。同文献は、参照により本明細書に組み込まれる)。前記セグメントは、最も多くの場合、げっ歯類非ヒト霊長類鳥類ブタウシヒツジヤギまたはヒトの重鎖若しくは軽鎖の遺伝子配列によりコードされる。機能的な一本鎖抗体は、一般的には、特定の標的分子、典型的には、受容体または抗原(エピトープ)に結合する特性を保持するように、免疫グロブリンスーパーファミリーの遺伝子産物の十分な部分を含む。

0076

分子対(例えば、抗体−抗原対または核酸対)の数は、それらが他の非特異的な分子に対してより高い親和性で互いに結合する場合に、互いに「特異的に結合する」と言う。例えば、非特異的なタンパク質に対してより効率よく結合する、抗原に対して生じる抗体は、前記抗原に特異的に結合すると記載され得る(同様に、核酸プローブは、それが塩基対相互作用(上記を参照のこと)により標的と特異的な二重鎖を形成する場合、核酸標的に対して特異的に結合すると記載され得る)。

0077

本明細書において、「特異的なハイブリダイゼーション」は、第1のポリヌクレオチドと第2のポリヌクレオチド(例えば、前記第1のポリヌクレオチドに対して区別されるが、実質的に同一の配列を有するポリヌクレオチド)との間のハイブリッドの形成として規定される。実質的に無関係のポリヌクレオチド配列は、混合物においてハイブリッドを形成しない。

0078

「特異的なポリヌクレオチド」という用語は、特定の終点を有し、特定の核酸配列を有するポリヌクレオチドを意味する。一方のポリヌクレオチドが前記第2のポリヌクレオチドの一部と同一の配列を有するが、異なる末端を有する2つのポリヌクレオチドは、2つの異なる特異的なポリヌクレオチドを有する。

0079

ストリンジェントハイブリダイゼーション条件」は、ハイブリダイゼーションが、前記配列間における少なくとも90%の同一性、好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは少なくとも97%の同一性が存在する場合にのみ生じるであろうことを意味する。Sambrook et al,1989を参照のこと。同文献は、その全体が参照により組み込まれる。

0080

「実質的に同一の」アミノ酸配列は、保存アミノ酸置換、例えば、同じクラスの別のものについての1つのアミノ酸の置換(例えば、1つの疎水性アミノ酸、例えば、イソロイシン、バリン、ロイシンまたはメチオニンの置換、別のものについて、または、1つの極性アミノ酸の置換、別のものについて、例えば、リジンについてのアルギニン、アスパラギン酸についてのグルタミン酸若しくはアスパラギンについてのグルタミンの置換)によってのみ参照配列と異なる配列である。

0081

さらに、「実質的に同一の」アミノ酸配列は、特に、このような置換が分子の活性部位でなく、ポリペプチドが本質的にその挙動的特性を保持することが提供される部位で生じる場合、1若しくはそれ以上の非保存置換、欠失または挿入により参照配列と異なる配列である。例えば、1若しくはそれ以上のアミノ酸がポリペプチドから欠失されて、その生体活性を顕著に変えることなく、前記ポリペプチドの構造の修飾をもたらし得る。例えば、生体活性に必要とされないアミノ−またはカルボキシル末端アミノ酸は除去され得る。このような修飾は、より小さい活性なポリペプチドの開発をもたらし得る。

0082

本明細書で使用する時、「実質的に純粋」は、物体種が存在する主な種である(すなわち、モルベースで、組成物における任意の他の個々の高分子種より豊富である)ことを意味する。好ましくは、実質的に精製された画分は、前記物体種が存在する全ての高分子種の(モルベースで)少なくとも約50パーセントを有する組成物である。一般的には、実質的に純粋な組成物は、前記組成物に存在する全ての高分子種の約80から90パーセントより大きいものを有するであろう。最も好ましくは、前記物体種は、本質的な同質性に精製される(夾雑種は、従来の検出法により前記組成物において検出され得ない)。前記組成物は、本質的に、単一の高分子種から成る。溶媒種、小分子(<500ダルトン)および元素イオン種は、高分子種とは考えられない。

0083

本明細書で使用する時、「同質遺伝子的」は、遺伝的に同一または十分に同一であり、免疫学的に適合可能であることを意味する。

0084

本明細書で使用する時、「テンプレート」、「テンプレート抗体」または「親抗体」は、本発明の多重特異性抗体を製造するタンパク質を意味する。当業者により理解されるであろうように、任意の数のテンプレートが、本発明における使用を見出す。具体的には、公知のタンパク質のフラグメントおよびドメイン、例えば、機能性ドメイン、例えば、酵素ドメイン結合ドメイン等ならびにより小さいフラグメント、例えば、ターンループ等が、「タンパク質」または「オリゴペプチド」の定義内に含まれる。すなわち、タンパク質の一部が使用され得る。さらに、本明細書で使用する時、「タンパク質」は、タンパク質、オリゴペプチドおよびペプチドを含む。さらに、タンパク質変異体、すなわち、非天然由来のタンパク質類似体構造が使用され得る。

0085

適切なタンパク質は、これに限定されるものではないが、薬学的タンパク質、例えば、リガンド、細胞表面受容体、抗原、抗体、サイトカインホルモン転写因子シグナル伝達モジュール細胞骨格タンパク質および酵素を含む。適切なタンパク質骨格は、これに限定されるものではないが、the Research Collaboratory for Structural Bioinformatics(RCSB、formerly the Brookhaven National Lab)により遵守され、提供されるタンパク質データベースに見出されるもの全てを含む。

0086

本明細書で使用する時、「可変性のセグメント」という用語は、ランダム、疑似ランダムまたは規定されたカーネル配列を有する新生ペプチドの一部を意味する。「可変性のセグメント」は、ランダム、疑似ランダムまたは規定されたカーネル配列を有する新生ペプチドの一部を意味する。可変性のセグメントは、変異型および不変型両方の残基位置を有することができ、変異型残基位置において残基変異の度合いが限定され得る。両選択肢は、実務家の裁量において選択される。典型的には、可変性のセグメントは、長さが約5から20個のアミノ酸残基(例えば、8から10個)であるが、可変性のセグメントは、より長くてもよいし、抗体の一部または受容体タンパク質、例えば、抗体フラグメント、核酸結合タンパク質、受容体タンパク質等を有してもよい。

0087

「野生型」という用語は、前記ポリヌクレオチドが何らの変異を有さないことを意味する。「野生型」タンパク質は、前記タンパク質が自然において見出された活性レベルで活性であろうこと、および、自然において見出されたアミノ酸配列を有するであろうことを意味する。

0088

本発明の説明
本発明の多重特異性抗体の生成
種々の特性(例えば、改善された親和性、結合活性および薬物動態)および構造を有する抗体、例えば、完全なヒト抗体、ヒトおよび非ヒトの要素を含むキメラ抗体、Fab抗体ならびに他の抗体構造は、分子生物学的技術、例えば、クローニングファージディスプレイトランスジェニックマウスおよび変異誘発を使用して、研究室において構築されてきた。本発明の多重特異性抗体は、開始分子またはテンプレートとして使用される抗体から生成され得る。親抗体は、完全なヒト抗体、げっ歯類、ウサギイヌ、ウシ、偶蹄類魚類軟骨魚類、キメラ抗体、ヒト化抗体、部分的にヒト抗体または他の抗体であり得る。このような抗体を生成するための方法は、当該分野において周知である。かなりの情報が公開されており、モノクローナル抗体ならびに、研究、診断および複数の疾患、例えば、ガンの処置におけるその有用性について知られている。例えば、12個以上のモノクローナル抗体が、患者における治療的使用についての政府規制承認を有する。

0089

ヒトゲノム解読は、治療剤として使用され得る完全なヒト抗体を構築するための新たな機会を開いてきた。ヒトの免疫系は、限られた数の生殖細胞系抗体遺伝子から、全ての免疫原性分子に対する抗体を産生可能である。多様性は、V、DおよびJフラグメント(重鎖)ならびに軽鎖についてのVおよびJフラグメントの柔らかい(柔軟な)組換えにより生成される。得られた可変性の抗体ドメインは、3つの相補性決定領域(CDRs)と4つのフレームワーク領域から成る。前記フレームワークは、足場を提供して、抗原への最適な結合用の適切な空間的配向であるCDRループを与える。本発明の一態様では、初めから、完全にヒトの抗体ライブラリが生成およびスクリーニングされて、当該分野において周知の方法に基づく本発明用のテンプレートを特定し得る。

0090

本発明の分子についての親抗体として使用され得るモノクローナル抗体も、標的抗原によるげっ歯類または他の宿主動物免疫化、および、当該分野において周知の方法を使用するハイブリドーマ細胞株のその後の生成により産生され得る。

0091

本発明の方法では、(既知または未知の)1若しくはそれ以上の標的上のエピトープと結合する任意の抗体も進化されて、前記1若しくはそれ以上の標的上の2番目、3番目または複数のエピトープと結合し得ることも想定される。このため、親抗体は、1若しくはそれ以上の抗体であり得る。

0092

抗体ライブラリも、各種公知の方法、例えば、本明細書に記載のものを使用してスクリーニングされて、1若しくはそれ以上の親抗体を生成し得る。

0093

部位特異的な変異誘発および、より近年では分子進化によるタンパク質の遺伝子操作が、うまく使用されて、抗体の治療特性を改善してきた。熱安定性、特異性、結合親和性等の特性および他の特性全てが、特定の目的により良好に適合する抗体に変化されてきた。

0094

その開始のために、分子進化についての多くの種々の方法が、説明および適用されて、標的タンパク質の特徴を改善してきた。非常に多くの場合、単一の点変異のセットが生成され、アップ変異体についてスクリーニングされる。ついで、有益な1つのアミノ酸置換が、組換えおよびスクリーニングされて、前記標的分子における所望の特徴をさらに最適化し得る。

0095

本発明において、進化方法が使用されて、先に特定された二重結合の多重特異性抗体(または、場合によっては単機能性抗体)のテンプレートポリペプチドから、または、同ポリペプチドに基づいて形成される変異体ポリペプチドを特定する。

0096

例えば、本明細書において、これらのポリペプチドを進化させる1つの方法は、選択的に、コンビナトリアルタンパク質合成CPS)後の包括的位置進化(CPE)と呼ばれる。他の方法は、包括的位置挿入進化(CPI)、包括的位置欠失進化(CPD);コンビナトリアルタンパク質合成(CPS)後の包括的位置欠失進化(CPD);またはコンビナトリアルタンパク質合成(CPS)後の包括的位置欠失進化(CPD)を含む。このような方法は、発明の名称がNovel Methodsof Protein Evolutionである国際公開第2012/009026号に詳細に記載されている(同文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。

0097

進化は、本発明の多重特異性抗体に使用されて、タンパク質−タンパク質凝集を減少させ、タンパク質の溶解性を改善し、グリコシル化ライブラリによる薬物動態を最適化し、タンパク質の二次および三次構造を最適化し、変異セットによる直接的、または、グリコシル化マスクによる間接的のいずれかにより、抗原部位を非免疫化させ得る。

0098

進化は、非免疫化にも使用されて、機能を維持しながら、免疫原性を除外し得る。進化非免疫化は、グリコシル化による免疫原性をマスクすること、機能を維持しながら免疫原性を除外し得るヒトの高浸透圧性変異スペクトルアミノ酸置換を特定すること、免疫原性の可能性を避けるために用量を低下させること、ならびに、非表面アミノ酸残基変化を最少化することにより行われ得る。さらに、免疫原性のデータベースおよびアルゴリズムが使用されて、可能性のあるMHC結合エピトープを特定および置換し得る。

0099

T細胞エピトープを生成する低下した傾向および/または非免疫化は、当該分野において公知の技術により測定され得る。好ましくは、タンパク質の非免疫化は、T細胞増殖アッセイにより、in vitroにおいて試験され得る。このアッセイでは、世界中の>80%のHLA−DR対立遺伝子を表すドナーからのPBMCsが、野生型または非免疫化ペプチドのいずれかに対する応答における増殖についてスクリーニングされる。理想的には、細胞増殖は、野生型ペプチドによる抗原提示細胞負荷に基づいてのみ検出される。非免疫化の更なるアッセイは、ヒトのin vitroPBMC再刺激アッセイ(例えば、インターフェロンガンマ(TH1)またはIL4(TH2)ELISA)を含む。または、1つは、全てのハプロタイプを提示するHLA−DR四量体を発現することにより、非免疫化を試験され得る。非免疫化ペプチドがHLA−DRハプロタイプ上に提示される場合に試験するために、例えば、PBMCs上の蛍光標識ペプチドの結合が測定され得る。標的抗原(例えば、インターフェロンガンマまたはIL4)に対する応答についての、HLAクラスIおよびクラスIIトランスジェニックマウスの測定。または、PBMCおよび/またはトランスジェニックマウスアッセイからの教育されたT細胞(MHCI 9mer;MHCII 20mer)によるエピトープライブラリのスクリーニング。さらに、非免疫化は、前記非免疫化分子に対する抗体が患者における投与後に生成されているかどうかを決定することにより証明され得る。

0100

進化技術は、発現の最適化についても使用され得る。一態様では、本発明は、哺乳類の細胞における改善された発現を有する、沈黙変異コドン最適化Fc変異体を開発するタンパク質遺伝子操作法の使用を開示する。沈黙変異は、DNA配列の変異がタンパク質のアミノ酸配列の変化をもたらさないものである。一態様では、コドン変異誘発が、哺乳類細胞発現の最適化のために、定常領域において行われる。エフェクター機能を媒介する能力を保持しながら改善された発現特性を有するコドン最適化Fc変異体は、治療抗体の産生を改善する。この態様では、例えば、抗体分子の定常領域は、種々の発現宿主におけるスクリーニング、例えば、CHO、HEK293およびCOS−7を使用する哺乳類の細胞株の発現スクリーニング用に進化され得る。

0101

テンプレートという用語は、ベースとなるポリペプチドまたはこのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを意味し得る。当業者に理解されるであろうように、任意のテンプレートが、本発明の方法および組成物に使用され得る。変異されることにより進化され得るテンプレートは、本発明に記載の別のポリぺプチドまたはポリペプチドライブラリの合成をガイドするのに使用され得る。本明細書においてより詳細に記載されるように、進化可能なテンプレートは、ポリペプチドの合成をコードし、後に前記ポリペプチドの合成履歴デコードし、前記ポリペプチドを間接的に増幅し、および/または、前記ポリペプチドを進化させる(すなわち、多様化させ、選択し、増幅する)のに使用され得る。ある実施形態では、前記進化可能なテンプレートは、核酸である。本発明のある実施形態では、前記テンプレートは、核酸に基づく。他の実施形態では、前記テンプレートは、ポリペプチドである。

0102

本発明に使用される核酸テンプレートは、DNA、RNA、DNAとRNAとのハイブリッドまたはDNAおよびRNAの誘導体から作製され、一本鎖または二本鎖であり得る。前記テンプレートの配列は、合成のポリペプチド、好ましくは、核酸または核酸類似体でないか、または、似ていない化合物(例えば、非天然のポリマーまたは小分子)をコードするのに使用される。特定の非天然のポリマーの場合には、前記核酸テンプレートが、それらが反応し、共有結合により結合されるであろうように、前記ポリマーにおいて表れるであろう配列におけるモノマー単位をアライメントし、前記テンプレートに沿って隣接するモノマー単位と共に近くにそれらをもたらすのに使用される。ある他の実施形態では、前記テンプレートが、ヌクレオチドのランダム領域から成る合成DNAテンプレートライブラリのPCR増幅により、非天然のポリマーを生成するのに使用され得る。

0103

前記テンプレートは、塩基数において非常に変動し得ることが理解されるであろう。例えば、ある実施形態では、前記テンプレートは、10から10,000の塩基長、好ましくは10と1,500との間の塩基長、より好ましくは10と1,000との間の塩基長であり得る。前記テンプレートの長さは、当然、コドンの長さ、ライブラリの複雑性、合成される非天然のポリマーの長さ、合成される小分子の複雑性、空間配列の使用等により決まるであろう。核酸配列は、当該分野において公知の任意の方法を使用して調製されて、核酸配列を調製し得る。これらの方法は、in vivoおよびin vitroの両方の方法、例えば、PCR、プラスミド調製、エンドヌクレアーゼ消化、固相合成、in vitro転写、鎖分離等を含む。前記核酸テンプレートは、自動DNA合成機を使用しても合成され得る。

0104

19個全てのアミノ酸置換が1つの残基において生成され得ることについての高い効率のために、単独またはタンパク質内の他の変異との組み合わせのいずれかで、所望の数多くの残基における飽和変異誘発を行うことが可能である。本明細書で使用する時、「完全な飽和」変異誘発は、他の19個の天然由来のアミノ酸による、タンパク質内の所定のアミノ酸の置換と規定される。例えば、タンパク質配列に沿って、全ての可能性のある一アミノ酸置換を最少に統計的に検索する遺伝子部位飽和変異誘発は、Kretz et al.,Methodsin Enzymology,2004,388:3−11、Shortの米国特許第6,171,820号およびShortの米国特許第6,562,594号に開示されている。各文献は、参照により本明細書に組み込まれる。

0105

(変性N,N,G/T配列を含む)コドンプライマーは、全範囲の一アミノ酸置換が各アミノ酸位置で表される子孫ポリペプチドのセットを生成するように、ポリヌクレオチド内に点変異を導入するのに使用され得る(例えば、米国特許第6,171,820号を参照のこと;米国特許第5,677,149号も参照のこと。各文献は、参照により本明細書に組み込まれる)。使用されるオリゴには、近接して、第1の相同配列、変性N,N,G/T配列および、好ましくは、必ずしも必要ではないが、第2の相同配列が含まれる。このようなオリゴの使用からの下流の子孫翻訳生成物は、前記ポリペプチドに沿った各アミノ酸部位における全ての可能性のあるアミノ酸変化を含む。前記N,N,G/T配列の縮重は、20個全てのアミノ酸についてのコドンを含むためである。

0106

コドンの使用は、哺乳類の遺伝子発現における重要な要因の1つである。種々のコドンが使用される頻度は、種々の宿主間および同じ有機体内における高レベルまたは低レベルで発現されたタンパク質間で顕著に変動する。この変動の最もあり得る理由は、好ましいコドンが細胞内で利用可能な同族tRNAsの豊富さと関連することである。コドンの使用とtRNAアクセプタ濃度とは共進化し、この共進化についての選択圧が低レベルで発現された遺伝子より高く発現した遺伝子について明確であることが可能である。

0107

(1つの変性N,N,G/Tカセットに含まれる)1つのこのような変性オリゴは、全範囲のコドン置換に対する親ポリヌクレオチドテンプレートにおける各元のコドンを従属させるのに使用され得る。さらに、少なくとも2つの変性N,N,G/Tカセットが、同じオリゴまたは同じオリゴでないかのいずれかにおいて、全範囲のコドン置換に対する親ポリヌクレオチドテンプレートにおける、少なくとも2つの元のコドンを従属させるのに使用され得る。このため、2若しくはそれ以上のN,N,G/T配列は、1つのオリゴに含まれて、2若しくはそれ以上の部位にアミノ酸変異を導入し得る。この複数のN,N,G/T配列は、直接近接していることができるか、または、1若しくはそれ以上の更なるヌクレオチド配列により分離され得る。付加および欠失を導入するのに役立つオリゴも、単独または、N,N,G/T配列を含むコドンとの組み合わせで使用されて、アミノ酸付加、欠失および/または置換の任意の組み合わせまたは前突然変異を導入し得る。

0108

前記テンプレートポリペプチドは、任意のタンパク質でもよいが、触媒活性またはリガンド結合等の活性について都合の良いアッセイを有するタンパク質が好ましい。本明細書で使用する時、リガンドは、異なる分子、例えば、タンパク質に結合する小分子に特異的に結合する任意の分子である。標的相互作用の代表例は、触媒、酵素−基質相互作用、タンパク質−核酸相互作用、受容体−リガンド相互作用、タンパク質−金属相互作用および抗体−抗原相互作用を含む。代表的な標的タンパク質は、酵素、抗体、サイトカイン、受容体、DNA結合タンパク質、キレート剤およびホルモンを含む。

0109

テンプレートは、抗体ライブラリを生成およびスクリーニングすることにより発見され得る。抗体ライブラリを生成およびスクリーニングするための種々の方法が、示されるように、当該分野において公知である。例えば、完全なヒト抗体ディスプレイライブラリが使用され得る。この場合における前記「ライブラリ」は、宿主細胞の表面上に提示される抗体の集合である。好ましくは、前記抗体ライブラリは、それらが広い範囲の抗原に対する広い結合能力を有する点で、抗体のヒトレパートリーを代表する。また、前記ライブラリは、好ましくは、提示された数千の二価抗体を有する。前記抗体が細胞表面上に提示されるため、前記ライブラリにおける各抗体の(結合活性による)効果的な親和性が向上される。スクリーニングおよび特定の目的についての抗体の結合活性がほとんど必要とされない他の一般的なライブラリタイプ、例えば、ファージディスプレイライブラリとは違って、本発明における細胞表面ディスプレイにより提供される超結合活性が必要とされる。細胞表面ディスプレイライブラリは、低い、中程度および高い結合親和性の抗体の特定、ならびに、スクリーニングまたは選択工程における非免疫原性および弱いエピトープの特定を可能にする。任意の化学合成または組換え変異原性法が、変異体ポリペプチドの集合を生成するのに使用され得る。本発明の実用化は、特に断らない限り、細胞生物学細胞培養、分子生物学、トランスジェニック生物学、微生物学組換えDNAおよび免疫学の従来の技術を使用し得る。前記技術は、当業者の範囲内である。このような技術は、文献において完全に説明される。例えば、Molecular Cloning A Laboratory Manual,2nd Ed.,ed.by Sambrook,Fritsch and Maniatis(Cold Spring Harbor Laboratory Press:1989);DNA Cloning,Volumes I and II(D.N.Glover ed.,1985);Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait ed.,1984);Mullis et al.の米国特許第4,683,195号;Nucleic Acid Hybridization(B.D.Hames & S.J.Higgins eds.1984);Transcription And Translation(B.D.Hames & S.J.Higgins eds.1984);Culture Of Animal Cells(R.I.Freshney,Alan R.Liss,Inc.,1987);Immobilized Cells And Enzymes(IRL Press,1986);B.Perbal,A Practical Guide To Molecular Cloning(1984);the treatise,Methods In Enzymology(Academic Press,Inc.,N.Y.);Gene Transfer Vectors For Mammalian Cells(J.H.Miller and M.P.Cabs eds.,1987,Cold Spring Harbor Laboratory);Methods In Enzymnology,Vols.154 and 155(Wu et al.eds.)、Immunochemical Methods In Cell And Molecular Biology(Mayer and Walker,eds.,Academic Press,London,1987);Handbook Of Experimental Immunology,Volumes I−IV(D.M.Weir and C.C.Blackwell,eds.,1986);Manipulating the Mouse Embiyo,(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1986)を参照のこと。

0110

好ましい実施形態では、前記テンプレートポリペプチドは、抗体である。前記抗体は、本明細書に記載の方法、例えば、CDR内の位置が結合親和性に有効であることをマッピングおよび理解するのに供される。種々の抗体系構築物およびそのフラグメントを調製および使用するための技術は、当該分野において周知である。本発明の重要な態様は、所望の相互作用(例えば、抗原−抗体相互作用、金属キレート化、受容体結合、基質結合等)における役割を果たすか、または、おそらく果たす残基の特定である。任意の抗体または抗体フラグメントは、本発明に基づいて使用され得る。前記抗体の特異性は、軽鎖可変領域(VL)および重鎖可変領域(VH)内の相補性決定領域(CDRs)により決定される。前記抗体のFabフラグメントは、完全な抗体の約1/3サイズであり、重鎖および軽鎖の可変領域、完全な軽鎖の定常領域および重鎖定常領域の一部を含む。Fab分子は安定しており、前記定常領域配列の寄与により十分に会合している。しかしながら、細菌系において発現された機能的なFabの収率は、前記重鎖および軽鎖の可変領域のみを含む、より小さいFvフラグメントのそれより低い。前記Fvフラグメントは、機能的な抗原結合部位を未だに保持する抗体の最小部分である。前記Fvフラグメントは、前記Fabと同じ結合特性を有するが、前記定常領域による安定性がなく、前記Fvの2つの鎖は、希釈条件において比較的容易に解離し得る。

0111

この問題を克服するために、VHおよびVL領域は、ポリペプチドリンカーを介して融合されて(Huston et al.,1991)、前記抗原結合部位を安定化し得る。この一本鎖ポリペプチドFvフラグメントは、一本鎖抗体(scFv)として公知である。前記VHおよびVLは、まず、どちらかのドメインにより配列され得る。前記リンカーは、第1の鎖のカルボキシ末端を、第2の鎖のアミノ末端に結合させる。

0112

当業者は、重鎖若しくは軽鎖のFvまたはFabフラグメントが、この系によっても使用され得ることを認識するであろう。重鎖または軽鎖は、変異誘発され、続けて、溶液に相補鎖が添加され得る。ついで、前記2つの鎖が、組み合わせられ、機能的な抗体フラグメントを形成可能になる。ランダムな非特異的軽鎖および重鎖の配列の添加は、多様なメンバーのライブラリを生成するコンビナトリアル系の産生を可能にする。

0113

一般的には、一本鎖発現ポリヌクレオチドが生成される。この発現ポリヌクレオチドは、(1)操作可能に結合されたVHドメイン、スペーサペプチドおよびVLドメインから成り、一本鎖抗体をコードする一本鎖抗体カセット、(2)操作可能に結合され、in vitro転写に適しており、一本鎖抗体をコードするmRNAを形成する前記一本鎖抗体カセットのin vitro転写を確保するプロモータ(例えば、T7プロモータ、SP6プロモータ等)ならびに(3)in vitro転写反応において機能するのに適した転写終了配列を含む。選択的に、前記発現ポリヌクレオチドは、複製起点および/または選択マーカーも有し得る。適切な発現ポリヌクレオチドの例は、pLM166である。

0114

前記VHおよびVL配列は、V遺伝子ファミリー特異的プライマーまたはV遺伝子特異的プライマーを使用するPCR増幅により産生されるVHおよびVL配列のライブラリから、都合良く取得されることができ(Nicholls et al.(1993)J.Immunol.Meth.165:81;国際公開第93/12227号)、または、利用可能な配列情報に基づいて、当該分野において公知の標準的な方法に従って設計される。典型的には、マウスまたはヒトのVHおよびVL配列が単離される。ついで、前記VHおよびVL配列は、通常、(例えば、インフレームの柔軟なペプチドスペーサをコードする)介在スペーサ配列と共にライゲートされて、一本鎖抗体をコードするカセットを形成する。典型的には、複数のVHおよびVL配列を(場合により、表された複数のスペーサペプチド種をも)有するライブラリが使用される。前記ライブラリは、特にCDR残基、場合により、フレームワーク残基における配列多様性を向上させるために変異された、1若しくはそれ以上のVHおよびVL配列により構築される。V領域配列は、免疫グロブリン発現細胞用のcDNAまたはPCR増幅産物として、都合良くクローニングされ得る。例えば、細胞表面または分泌型の免疫グロブリンのいずれかを合成するヒトのハイブリドーマリンパ腫または他の細胞株からの細胞が、ポリA+RNAの単離に使用され得る。ついで、前記RNAは、酵素逆転写を使用するオリゴdT刺激されたcDNAの合成に使用される(一般的な方法については、Goodspeed et al.(1989)Gene 76:1;Dunn et al.(1989)J.Biol.Chem.264:13057を参照のこと)。V領域のcDNAまたはPCR産物が単離されると、ベクター内にクローニングされて、一本鎖抗体カセットを形成する。

0115

抗体および抗体フラグメントの構築を達成するために、前記コード遺伝子が単離および特定される。前記遺伝子は修飾されて、発現ベクター内へのクローニングまたはin vitro転写/翻訳を可能にし得る。ハイブリドーマcDNAからVHおよびVLについてのDNAを探索すること(Maniatis et al.,1982)、または、VHおよびVLについての合成遺伝子を構築すること(Barbas et al.,1992)等の方法が使用されることができるが、都合の良い方式は、テンプレート定向法を使用して、抗体配列を増幅することである。抗体遺伝子の多様な集合は、テンプレートサンプルから、フレームワークとして公知の可変領域の3’および5’末端における保存配列に対するプライマー、または、前記抗体の定常領域に対するプライマーを設計することにより増幅され得る(Iverson et al.,1989)。前記プライマー内において、制限部位が、発現ベクター内でのクローニングを容易にするのに配置され得る。これらの保存領域に前記プライマーを定向させることにより、前記抗体群の多様性が維持されて、多様なライブラリの構築を可能にする。抗体の具体的な種および分類は、Kabat et al.,1987において提供される全ての種類の抗体についての多量の配列により説明されるように、プライマー配列の選択により規定され得る。同文献は、参照により組み込まれる。

0116

動物の脾臓または末梢血から単離されたメッセンジャーRNAは、抗体ライブラリの増幅用テンプレートとしても使用され得る。特定の環境では、細胞表面上に抗体フラグメントの相同集合を提示するのが望まれる場合、mRNAは、モノクローナル抗体の集合から単離され得る。いずれかの供給源からのメッセンジャーRNAは、標準的な方法により調製され、直接使用されるか、または、cDNAテンプレートの調製に使用され得る。抗体をクローニングする目的でのmRNAの生成は、抗体の調製および特徴決定についての周知の手法に基づくことにより容易に達成される(例えば、Antibodies:A Laboratory Manual,1988を参照のこと。同文献は、参照により本明細書に組み込まれる)。

0117

モノクローナル抗体(MAbs)の生成は、一般的には、ポリクローナル抗体を調製するためのものと同じ手法に基づく。簡潔に、ポリクローナル抗体は、免疫原性成分により動物を免疫し、その免疫した動物から抗血清を収集することにより調製される。広い範囲の動物種が、抗血清の産生に使用され得る。典型的には、抗−抗血清の産生に使用される動物は、ウサギ、マウス、ラットハムスターモルモットまたはヒツジである。ウサギの比較的多くの血液量のために、ポリクローナル抗体の産生には、ウサギが通常好ましい。

0118

免疫原性成分は、多くの場合、免疫原性において変動する。したがって、多くの場合、キャリアにペプチドまたはポリペプチドの免疫原を結合させることにより達成され得るように、宿主の免疫系を後押しすることが必要である。例示となる好ましいキャリアは、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)およびウシ血清アルブミン(BSA)である。他のアルブミン、例えば、卵アルブミン、マウス血清アルブミンまたはウサギ血清アルブミンも、キャリアとして使用され得る。ポリペプチドをキャリアタンパク質コンジュゲートさせるための認識された手段は、周知であり、グルタルアルデヒド、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステルカルボジイミドおよびビスジアゾ化ベンジジンを含む。

0119

特定の免疫原成分の免疫原性は、アジュバントとして知られる、免疫応答の非特異的刺激物質の使用により向上され得る。例示となる好ましいアジュバントは、フロイント完全アジュバント死滅させたMycobacterium tuberculosisを含む免疫応答の非特異的刺激物質)、フロイント不完全アジュバントおよび水酸化アルミニウムアジュバントを含む。

0120

ポリクローナル抗体の産生に使用される免疫原性成分の量は、免疫原の性質および免疫化に使用される動物に基づいて変動する。各種の経路(皮下、筋肉内、皮内、静脈内および腹腔内)が、前記免疫原を投与するのに使用され得る。前記ポリクローナル抗体の産生は、免疫化後の種々の時点での免疫した動物の血液をサンプリングすることによりモニターされ得る。第2の追加免疫注射も与えられ得る。追加免疫および力価のプロセスが、適切な力価が達成されるまで繰り返される。所望のレベルの免疫原性が取得された時点で、前記免疫した動物から血を採り、血清が単離、保存され、脾臓が、ポリクローナル応答からのmRNAの単離のために収集され、または、前記動物が相同抗体集合からのmRNAの単離のためにMAbsを生成するのに使用され得る。

0121

MAbsは、周知の技術、例えば、米国特許第4,196,265号に例示されるものの使用により、容易に調製され得る。同文献は、参照により本明細書に組み込まれる。典型的には、この技術は、選択された免疫原性成分、例えば、キャリアにコンジュゲートした小分子ハプテン、精製若しくは部分的に精製されたタンパク質、ポリペプチド若しくはペプチドにより、適切な動物を免疫化することを含む。前記免疫化成分は、抗体産生細胞を刺激するのに効果的な方法において投与される。マウスおよびラット等のげっ歯類は、多くの場合使用される動物である。ただし、ウサギ、ヒツジ、カエルの細胞の使用も可能である。ラットの使用は、特定の利益を提供する(Goding,pp.60−61,1986)が、マウスが好ましく、これとして特にBALB/cマウスが、最もルーチンに使用され、一般的に、より高い割合の安定した融合を提供する。

0122

免疫化後、抗体を産生する潜在能力を有する体細胞、具体的には、Bリンパ球(B細胞)が、MAb生成プロトコルに使用するのに選択される。これらの細胞は、生検された脾臓、扁桃若しくはリンパ節から、または、血液サンプルから取得され得る。脾臓細胞および血液細胞が好ましい。前者は、分割形芽球段階にある抗体産生細胞の豊富な供給源であるため、後者は、血液が容易にアクセス可能であるために好ましい。多くの場合、動物パネルが免疫されるであろうし、最も高い抗体力価を有する動物の脾臓が取り出されるであろうし、脾臓のリンパ球が、シリンジにより脾臓をホモジナイズすることにより取得される。典型的には、免疫したマウスからの脾臓は、おおよそ5×107から2×108個のリンパ球を含む。

0123

ついで、前記免疫した動物からの抗体産生Bリンパ球が、不死骨髄腫細胞の細胞、一般的には、免疫された動物と同じ種のものと融合される。ハイブリドーマ産生融合手法に使用するのに適した骨髄腫細胞株は、好ましくは、非抗体産生であり、高い融合効率を有し、ついで、所望の融合細胞(ハイブリドーマ)のみの増殖を支持する特定の選択的培地における増殖が不可能になる酵素の機能不全である。

0124

数多くの骨髄腫細胞のいずれか1つが使用されることができ、当業者に公知である(Goding,pp.65−66,1986;Campbell,1984)。例えば、前記免疫した動物がマウスである場合、P3−X63/Ag8、X63−Ag8.653、NSl/l.Ag 4 1、Sp210−Agl4、FO、NSO/U、MPC−11、MPC11−X45−GTG 1.7およびS194/5XX0 Bulが使用され得る。ラットについては、R210.RCY3、Y3−Ag 1.2.3、IR983Fおよび4B210が使用され得る。U−266、GM1500−GRG2、LICR−LON−HMy2およびUC729−6は全て、ヒトの細胞融合との関連で有用である。

0125

好ましい1つのマウス骨髄腫細胞は、NS−1骨髄腫細胞株(P3−NS−1−Ag4−1とも呼ばれる)である。前記細胞株は、細胞株リポジトリ番号GM3573を要求することにより、NIGMS Human Genetic Mutant Cell Repositoryから容易に入手できる。使用され得る別のマウス骨髄腫細胞株は、8−アザグアニン抵抗性マウス骨髄腫SP2/0非産生細胞株である。

0126

抗体産生脾臓またはリンパ節の細胞と骨髄腫細胞とのハイブリッドを生成するための方法は、通常、体細胞と骨髄腫細胞とを、2:1の割合で混合することを有する。前記割合は、細胞膜の融合を促進する1若しくはそれ以上の(化学的または電気的)手段の存在において、約20:1から約1:1にそれぞれ変動し得る。センダイウイルスを使用する融合法は、Kohler & Milstein(1975;1976)により記載されている。それらは、Gefter et al.,1977により、ポリエチレングリコール(PEG)、例えば、37%(v/v)PEGを使用する。電気誘引融合法の使用も適切である(Goding pp.71−74,1986)。

0127

融合手法は、通常、低頻度、約1×10−6から1×10−8で、生きたハイブリッドを産生する。ただし、これは、生きた融合ハイブリッドは、選択培地において培養することにより、親の未融合細胞(特に、通常無制限に分割し続けるであろう未融合の骨髄腫細胞)から区別される場合、問題を引き起こさない。前記選択培地は、一般的には、組織培養培地に、核酸の合成を初めから防止する手段を含むものである。例示となる好ましい手段は、アミノプテリンメトトレキサートおよびアザセリンである。アミノプテリンおよびメトトレキサートは、プリンおよびピリミジン両方の合成を初めから防止する。一方、アザセリンは、プリン合成のみを防止する。アミノプテリンまたはメトトレキサートが使用される場合、前記培地は、ヌクレオチドの供給源としてヒポキサンチンおよびチミジンを添加される(HAT培地)。アザセリンが使用される場合、前記培地は、ヒポキサンチンを添加される。

0128

好ましい選択培地は、HATである。ヌクレオチド・サルベージ経路を動作可能な細胞のみが、HAT培地において生存し得る。前記骨髄腫細胞は、前記サルベージ経路の重要な酵素、例えば、ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)を欠損しており、生存できない。前記B細胞は、この経路を動作できるが、培養において限られた寿命を有し、一般的には、約2週間以内に死ぬ。したがって、前記選択培地において生存し得る細胞のみが、骨髄腫細胞とB細胞とから形成されたそれらのハイブリッドである。

0129

この培養は、特定のハイブリドーマが選択される、ハイブリドーマの集合を提供する。典型的には、ハイブリドーマの選択は、マイクロタイタープレートにおける単クローン希釈により細胞を培養し、続けて、(約2から3週間後に)個々のクローン上清を所望の反応性について試験することにより行われる。簡易で素早いアッセイは、放射免疫アッセイ、酵素免疫アッセイ細胞毒性アッセイ、プラークアッセイ、ドット免疫結合アッセイ等を含む。

0130

前記選択されたハイブリドーマは、連続的に希釈され、個々の抗体産生細胞株内にクローニングされる。ついで、そのクローンは、曖昧に播種されて、MAbsを提供し得る。前記細胞株は、2つの基本的な方法において、MAb産生用に開発され得る。前記ハイブリドーマのサンプルは、元の融合用の体細胞および骨髄腫細胞を提供するのに使用された種類の、組織適合性の動物内(多くの場合、腹腔内)に注入され得る。前記注入された動物は、前記融合細胞ハイブリッドにより産生される特定のモノクローナル抗体を分泌する腫瘍発達させる。ついで、前記動物の体液、例えば、血清または羊水捕捉されて、高濃度でMAbsを提供し得る。前記個々の細胞株は、in vitroにおいても培養され得る。この場合、MAbsは、培養培地中に自然に分泌され、高濃度で容易に取得され得る。いずれかの手段により産生されたMAbsは、必要に応じて、ろ過、遠心分離および種々のクロマトグラフ法、例えば、HPLC若しくは親和性クロマトグラフィーを使用してさらに精製され得る。

0131

所望のモノクローナル抗体の単離および特徴決定後、mRNAが、当該分野において周知の技術を使用して単離されることができ、標的配列の増幅用のテンプレートとして使用されることができる。

0132

数多くのテンプレート依存性プロセスが、変異誘発の前後に、前記標的配列を増幅するのに利用可能である。例えば、最も良く知られている増幅法の1つは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCRとも呼ばれる)であり、米国特許第4,683,195、4,683,202および4,800,159号ならびにInnis et al.(1990)に詳細に記載されている。各文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。簡潔に、PCRにおいて、2つのプライマー配列が調製される。前記プライマーは、標的配列の対向する相補鎖上の領域に対して相補である。過剰のデオキシヌクレオシド三リン酸が、DNAポリメラーゼ、例えば、Taqポリメラーゼと共に反応混合物に添加される。前記標的配列がサンプルに存在する場合、前記プライマーが標的に結合するであろうし、前記ポリメラーゼがヌクレオチド上に付加することにより、前記プライマーを前記標的配列に沿って伸長させるであろう。前記反応混合物の温度を上昇および低下させることにより、前記伸長したプライマーは、前記標的から解離し、反応生成物を形成するであろう。過剰のプライマーが、前記標的および前記反応生成物に結合するであろう。前記プロセスが繰り返される。好ましくは、逆転写酵素PCR増幅法が、増幅された標的の量を定量するために行われ得る。ポリメラーゼ連鎖反応法は、当該分野において周知である。酵素増幅技術、例えば、PCRを使用することにより、所望の制御因子が前記プライマー内に設計されるため、DNA生成物内に包含されるであろう。

0133

多くの他の増幅法が当該分野において公知である。

0134

遺伝子合成固相法に対する1つの利点は、コンビナトリアル合成技術を使用する変異誘発についての機会である。コンビナトリアル合成技術は、種々の構築ブロックを連続して結合することにより、化合物の大きなコレクションまたはライブラリを同時に産生するそれらの技術として規定される。ライブラリは、溶液において遊離している化合物を使用して構築され得るが、好ましくは、前記化合物は、固体支持体、例えば、ビーズ固体粒子に結合され、微生物の表面上に提示もされる。

0135

複数の方法が、コンビナトリアル合成(Holmes et al.,1995;Burbaum et al.,1995;Martin et al.,1995;Freier et al.,1995;Pei et al.,1991;Bruce et al.,1995;Ohlmeyer et al.,1993)、例えば、スプリット合成または平行合成について存在する。または、平行合成として公知の技術が、固相または溶液のいずれかにおいて行われ得る。コンビナトリアル法を使用して、大量の変異体遺伝子テンプレートが合成され得る。

0136

変異体遺伝子も、当該分野において公知の半合成法により生成され得る(Barbas et al.,1992)。フレームワークとしての抗体フラグメントの保存領域を使用して、可変領域が、1若しくはそれ以上のタイミングにおいて、ランダムな組み合わせで挿入されて、前記抗体フラグメントの特異性を変え、新規な結合部位を生成、特に、免疫化に役立たない抗原、例えば、毒性または不安定な化合物に対する抗体を生成し得る。同じラインに沿って、公知の抗体配列が、ランダムにまたは非ランダムに変異を導入することにより変異させられ得る。

0137

タンパク質産生用の原核生物in vitro技術は、最初に使用されたものであった(Zubay et al.,1970)。その後、真核生物系が、小麦胚芽(Roberts,1973)およびウサギの網状赤血球(Pelham,1976)を使用して開発された。複数の新たな開発は、これらの技術の効率を向上させてきた。例としては、E.coliのヌクレアーゼ欠損株の開発を含み、直鎖状のDNAテンプレート(Yang,1980)および、前記系からの任意のバックグラウンド発生を低下させる小球菌ヌクレアーゼによる網状赤血球のライゼートの処理を使用して、結果を改善する。

0138

in vitro転写/翻訳用に開発された最近の系は、ファージRNAポリメラーゼ、例えば、SP6およびSP7による転写に基づいている(Krieg,1987、Studier,1990)。T7プロモータ因子の制御下に置かれたDNAは、T7 RNAポリメラーゼによるin vitro転写用テンプレート、または、原核生物若しくは真核生物のタンパク質合成系のいずれかに添加されるポリメラーゼによる完全なin vitro転写/翻訳用のテンプレートとして使用され得る。本発明の方法は、任意のin vitro転写/翻訳系と共に使用され得るが、T7系が転写について好ましく、原核生物転写系の使用がRNAのキャッピングを必要としないため好ましい。

0139

転写用のin vitro法を使用して、アミノ酸誘導体が、タンパク質合成系混合物に対して誘導体化アミノ酸を添加することにより、タンパク質内に包含され得る。正常なアミノ酸に関する前記誘導体の濃度を変化させて、混合集合を作製し、相対的な効果を測定するのを可能にする。G.特徴決定。

0140

本発明により生成された変異体ポリペプチドは、各種の技術を使用して特徴付けられる。一般的には、タンパク質生成物は、SDS−PAGEを使用して、正しい見かけ分子量について分析され得る。これは、前記ポリペプチドが実際に合成されたことの最初の兆候を提供する。天然分子と比較した場合、それは、正常なフォールディングまたは加工が前記変異体に起こっているかどうかも示す。その点については、前記ポリペプチドを標識するのに有用であることを証明し得る。または、前記ポリぺプチドは、ゲルの染色により特定され得る。

0141

単なる合成を超えて、タンパク質は、種々の特性および広い範囲の機能に基づいて特徴付けられ得る。特性は、等電点、熱安定性、沈降速度およびフォールディングを含む。フォールディングを検査する1つの方法は、同族の結合パートナーにより認識される能力である。この機能の典型的な例は、抗体−抗原相互作用である。広い各種の異なる免疫アッセイフォーマットが、この目的について利用可能であり、当該分野において周知である。原理的に、親和性または特異性のいずれかにおける変化は、前記タンパク質が特定のリガンドまたは関連するリガンドのパネルと接触する際に決定され得る。

0142

免疫アッセイは、一般的には、2つの種類:複数の分離工程を必要とする異種性アッセイ、および、直接的に行われる同質性アッセイに分割され得る。一般的には、異種性免疫アッセイは、固体マトリクス上に固定化されたリガンドまたは抗体を含む。リガンドを含むサンプルは、前記固定化された抗体と接触し、前記マトリクス支持体上に形成された複合体の量が、前記固定化された複合体に直接的または間接的に付着された標識から決定される。本発明の文脈において使用される場合、リガンドは、非同一分子と相互作用し、タイトに結合された安定した複合体を形成する種と規定される。実用的な目的について、結合親和性は、通常、約106M−1より大きく、好ましくは109〜1015M−1の範囲である。前記リガンドは、複数種有機分子、問えば、非環式炭化水素多核芳香族ハロゲン化化合物ベンゼノイド、多核炭化水素窒素複素環硫黄複素環、酸素複素環ならびにアルカンアルケンアルキンの炭化水素等のいずれかであり得る。生体分子は、具体的な関心のもの、例えば、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、脂質、糖類、核酸およびそれらの組み合わせである。当然、これらは、例示のみであり、所望のリガンドと結合する抗体を取得可能である限り、考慮される免疫アッセイ法が非常に広い範囲の化合物を検出するのに適用可能であることが理解されるであろう。

0143

異種性の免疫アッセイが、サンドイッチアッセイとして行われ得る。前記サンドイッチアッセイでは、所望の分子が、高親和性でその分子と特異的に結合する固定化された抗体と反応する。第2の工程では、抗原およびマーカー分子に対する同じまたは異なる抗体から形成されたコンジュゲートは、固定化マトリクス上の抗原−抗体複合体と反応する。過剰の遊離マーカーコンジュゲートを除去した後、サンプル中のリガンド量に比例する前記結合したマーカーコンジュゲートが測定される。

0144

免疫複合体形成の検出は、当該分野において周知であり、複数のアプローチの適用により達成され得る。これらのアプローチは、典型的には、標識またはマーカー、例えば、放射活性、蛍光化学発光電気化学発光生物学的若しくは酵素的なタグまたは当該分野において公知の標識の検出に基づいている。このような標識の使用に関する米国特許は、米国特許第3,817,837;3,850,752;3,939,350;3,996,345;4,277,437;4,275,149および4,366,241号を含む。各文献は、参照により本明細書に組み込まれる。当然、当該分野において公知のように、二次的な結合リガンド、例えば、第2の抗体またはビオチンアビジンリガンド結合配置の使用により、更なる利点が見出され得る。

0145

検出のための好ましい方法は、放射免疫アッセイ(RIA)または酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)を含む。ELISAは、一般的に向上した感度により最も好ましい。ELISAsは、バイオテクノロジー用途、特に広い範囲の抗原物質についての免疫アッセイとして広く使用される。ELISAの感度は、シグナルの酵素的増幅に基づいている。

0146

本発明に基づく使用に考慮される他の好ましいタンパク質は、活性についての都合の良いアッセイを有するものである。標的相互作用の典型例は、触媒、酵素−基質相互作用、タンパク質−核酸相互作用、受容体−リガンド相互作用およびタンパク質−金属相互作用を含む。これらのアッセイにおいて、変異体タンパク質は、能力の変化について、野生型タンパク質と比較されて、前述の機能のいずれかを行い得る。

0147

本明細書で使用する時、「接触」という用語は、所望の相互作用が生じるのを可能にする、互いに十分密接する反応成分の結合として規定される。接触は、溶液中で前記成分を混合することにより、例えば、または、異種性相互作用により、例えば、前記成分の1つに結合するカラム若しくは固定化マトリクスによる流動接触により達成され得る。

0148

触媒活性を有する変異体タンパク質について、適切な反応は、触媒速度の変化または特異性の変化についてモニターされ得る。

0149

DNA発現構築物は、典型的には、コード配列、例えば、天然関連若しくは異種性のプロモータ領域に、操作可能に結合される発現制御DNA配列を含むであろう。好ましくは、前記発現制御配列は、真核生物宿主細胞を形質転換または形質導入可能なベクターにおける、真核生物のプロモータ系であるであろう。前記ベクターが適切な宿主内に包含されている場合、前記宿主は、ヌクレオチド配列の高レベルの発現、ならびに、変異体「遺伝子操作」抗体の収集および精製に適した条件下で維持される。

0150

DNA配列は、前記配列が発現制御配列に操作可能に結合された(すなわち、構造遺伝子の転写および翻訳を確保するように配置された)後、宿主において発現されるであろう。これらの発現ベクターは、典型的には、エピソーム、または、宿主染色体DNAの必須部分のいずれかとして、宿主有機体において複製可能である。一般的には、発現ベクターは、選択マーカー、例えば、テトラサイクリンまたはネオマイシンを含み、所望のDNA配列により形質転換されたそれらの細胞の検出を可能にするであろう(例えば、米国特許第4,704,362号を参照のこと。同文献は、参照により本明細書に組み込まれる)。

0151

真核性微生物、例えば、酵母に加えて、哺乳類の組織細胞培養物も、本発明のポリペプチドを産生するのに使用され得る(Winnacker,「From Genes to Clones,」VCH Publishers,N.Y.,N.Y.(1987)を参照のこと。同文献は、参照により本明細書に組み込まれる)。インタクトの免疫グロブリンを分泌可能な数多くの適切な宿主細胞株が当該分野において開発されているため、真核細胞が好ましく、CHO細胞株、種々のCOS細胞株HeLa細胞、骨髄腫細胞等を含むが、好ましくは、形質転換されたB細胞またはハイブリドーマである。これらの細胞についての発現ベクターは、発現制御配列、例えば、複製起点、プロモータ、エンハンサ(Queen et al.(1986)Immunol.Rev.89:49)ならびに、必須加工情報部位、例えば、リボソーム結合部位RNAスプライシング部位、ポリアデニル化部位および転写終了配列を含み得る。好ましい発現制御配列は、免疫グロブリン遺伝子サイトメガロウイルスSV40アデノウイルス、ウシ乳頭腫ウイルス等由来のプロモータである。

0152

真核生物のDNA転写は、前記ベクター内にエンハンサ配列を挿入することにより向上され得る。エンハンサは、プロモータにより転写を向上させる、10から30bpの間のシス作用性配列である。エンハンサは、転写単位に対する5’または3’のいずれかの場合に、転写を効果的に向上させ得る。それらは、イントロン内またはコード配列自体の中に配置された場合にも効果的である。典型的には、ウイルスのエンハンサ、例えば、SV40エンハンサ、サイトメガロウイルスエンハンサ、ポリオーマエンハンサおよびアデノウイルスエンハンサが使用される。哺乳類系からのエンハンサ配列、例えば、マウス免疫グロブリン重鎖エンハンサも、一般的に使用される。

0153

哺乳類の発現ベクター系は、典型的には、選択マーカー遺伝子も含むであろう。適切なマーカーの例は、ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子(DHFR)、チミジンキナーゼ遺伝子(TK)または、薬剤耐性を付与する原核生物の遺伝子を含む。前記最初の2つのマーカー遺伝子は、増殖培地へのチミジンの添加なしに成長する能力を欠いている変異体細胞株の使用を好む。ついで、形質転換された細胞は、非添加培地で増殖するその能力により特定され得る。マーカーとして有用な原核生物の薬剤耐性遺伝子の例は、G418、ミコフェノール酸およびヒグロマイシンに対する耐性を付与する遺伝子を含む。

0154

所望のDNAセグメントを含むベクターは、細胞性宿主の種類に応じて、周知の方法により前記宿主細胞内にトランスファーされ得る。例えば、塩化カルシウム形質転換が、原核細胞について通常使用される。一方、リン酸カルシウム処理、リポフェクションまたはエレクトロポレーションが、他の細胞性宿主に使用され得る。哺乳類細胞を形質転換するのに使用される他の方法は、ポリブレンプロトプラスト融合リポソーム、エレクトロポレーションおよびマイクロインジェクションの使用を含む(一般的に、上記Sambrook et al.,を参照のこと)。

0155

発現されると、本発明の、抗体、個々の変異した免疫グロブリン鎖、変異した抗体フラグメントおよび他の免疫グロブリンポリペプチドは、当該分野の標準的な手法、例えば、硫酸アンモニウム沈殿分画カラムクロマトグラフィーゲル電気泳動等に基づいて精製され得る(一般的には、Scopes,R.,Protein Purification,Springer−Verlag,N.Y.(1982)を参照のこと)。部分的または必要に応じて同質に精製されると、ついで、前記ポリペプチドは、治療的に、または、アッセイ手法、免疫蛍光染色等を開発および実施するのに使用され得る(一般的には、Immunological Methods,Vols.I and II,Eds.Lefkovits and Pernis,Academic Press,N.Y.N.Y.(1979 and 1981)を参照のこと)。

0156

前記テンプレートペプチドがマッピングされると、各種の技術が、ペプチドライブラリのテンプレートまたはメンバーを多様化し、改善された特性を有するリガンドを構築するのに使用され得る。オリゴヌクレオチドが、これらのペプチド配列に基づいて合成されることができ、設計された濃度で各工程において全ての塩基を使用して、最初のオリゴヌクレオチド配列のわずかな変異を産生する。ついで、(わずかに)変性したオリゴヌクレオチドのこの混合物は、本明細書に記載のランダムペプチドライブラリ発現ベクター内にクローニングされる。この方法は、開始ペプチド配列の、系統的で、制御された変異を産生するが、個々の陽性ベクターが変異誘発前に配列決定される必要がある。この方法は、少数の回収されたベクターの多様性を拡張するのに有用である。

0157

選択されたランダムペプチドベクターを多様化するためのさらに別のアプローチは、回収したベクターのプールまたは部分集合の変異誘発を含む。パニングから回収されたベクターにより形質転換された組換え宿主細胞は、プールされ、単離される。前記ベクターのDNAは、例えば、亜硝酸ギ酸ヒドラジンにより細胞を処理することにより、または、以下に記載の各種の変異誘発種の使用により変異誘発される。これらの処理は、ベクターDNAにおける各種の変異を産生する。可変性のペプチドをコードする配列を含むセグメントは、選択的に、可変領域に隣接する部位に特異的な制限ヌクレアーゼにより切断することにより単離されることができ、ついで、未損傷のベクターDNA内に再クローニングされる。または、前記変異誘発されたベクターは、前記変異誘発されたランダムペプチドコード配列の再クローニングをすることなく使用され得る。

0158

活性であることが見出された1若しくはそれ以上のペプチドに更なるアミノ酸を付加する、ペプチドリガンドのセットを多様化するための第2の一般的なアプローチにおいて、各種の方法が利用可能である。1つにおいて、初期のパニングにおいて選択されたペプチド配列は個々に決定され、前記決定された配列の全部または一部を包含するオリゴヌクレオチドを近づけ、隣接する変性配列が合成される。ついで、これらがクローニングされて、二次的なライブラリを産生する。

0159

翻訳機による合成中または合成後に修飾されない限り、組換えペプチドライブラリは、20個の通常のL−アミノ酸の配列から成る。このようなライブラリについての利用可能な構造多様性は大きいが、更なる多様性が、各種の手段、例えば、アミノ酸の化学修飾により導入され得る。例えば、追加された多様性の1つの供給源として、本発明のペプチドライブラリは、カルボキシ末端アミド化に供され得る。カルボキシ末端アミド化は、多くの天然由来の生体活性ペプチドの活性に必須である。この修飾は、酵素であるぺプチジルグリシンアルファ−アミド化モノオキシゲナーゼ(PAM)およびヒドロキシグリシンアミノトランスフェラーゼ(HGAT)により触媒される2工程反応における、カルボキシ末端Gly残基のN−−C結合の開裂によりin vivoにおいて起こる。Eipper et al.,J.Biol.Chem.266,7827−7833(1991);Mizuno et al.,Biochem.Biophys.Res.Comm.137(3),984−991(1986);Murthy et al.,J.Biol.Chem.261(4),1815−1822(1986);Katopodis et al.,Biochemistry 29,6115−6120(1990);およびYoung and Tamburini,J.Am.Chem.Soc.111,1933−1934(1989)を参照のこと。各文献は、参照により本明細書に組み込まれる。

0160

アミド化は、in vivoまたはin vitroにおいて、融合タンパク質/ベクター複合体構造的完全性を維持するのに役立つ条件下において、PAMおよびHGAT等の酵素による処理により行われ得る。本発明のランダムペプチドライブラリにおいて、アミド化は、ライブラリの部分集合、すなわち、カルボキシ末端Glyを有するそれらのペプチドにおいて起こるであろう。アミド化用に設計されたペプチドライブラリは、前記ライブラリの可変領域ドメインの末端において、Glyコドンを導入することにより構築され得る。アミド化後、濃縮されたライブラリは、アミド化されたペプチドと優先的に結合する受容体に対するリガンドの特に効率的な供給源として機能する。

0161

天然由来のペプチドおよびタンパク質に見出される他の修飾が、前記ライブラリに導入されて、更なる多様性を提供することができ、所望の生体活性に寄与することができる。例えば、前記可変領域ライブラリは、リン酸化、グリコシル化、硫酸化イソプレニル化(または、他の脂質の付加)等に関与するアミノ酸残基についてコードするコドンにより提供され得る。天然由来の酵素により触媒されない修飾は、(比較的温和な条件下における)化学的手段または、例えば、触媒抗体等の作用により導入され得る。ほとんどの場合、ライブラリ構築についての効率的な戦略は、前記ライブラリの大部分のメンバーが修飾されるように、前記ライブラリの可変ヌクレオチド領域内または同領域に隣接する酵素(または化学的)基質認識部位を特定することを含む。追加された前記基質認識部位は、単に一残基(例えば、リン酸化についてのセリン)または記載のように複雑なコンセンサス配列であり得る。

0162

伝統的な技術を使用して二重特異性抗体を生成、産生または製造することの1つの不利益は、一般的には、1つの細胞における2つの抗体の発現は、(抗体あたりに2つの重鎖および2つの軽鎖を有する)10の可能性のあるLC/HC抗体組み合わせの形成をもたらす。その1つのみが、所望の二重特異性生成物である。このため、前記所望の二重特異性生成物は、混合物の少量のみであり、前記二重特異性抗体を精製するのは、商業規模では非常に困難である。例えば、第1の抗体(抗体1)が左側LC(l−LC1)および左側HC(l−HC1)ならびに右側LC(r−LC1)および右側HC(r−HC1)を有し、第2の抗体(抗体2)が左側LC(l−LC2)および左側HC(l−HC2)ならびに右側LC(r−LC2)および右側HC(r−HC2)を有する場合、1つの細胞における抗体1および抗体2の発現は、下記の可能性のあるLC/HCの組み合わせ:(1)l−LC1/l−HClとr−LC1/r−HC1;(2)l−LC1/l−HClとr−LC2/r−HC1;(3)l−LC1/l−HC1とr−LC1/r−HC2;(4)l−LC2/l−HC1とr−LC2/r−HC1;(5)l−LC2/l−HC2とr−LC2/r−HC2;(6)l−LC2/l−HC2とr−HC2/r−LCl;(7)l−LC2/l−HC1とr−HC2/r−LC2;(8)l−LC1/l−HC2とr−HC2/r−LC1;(9)l−LC2/l−HC1とr−LC2/r−HC2;(10)l−LC1/l−HC1とr−LC2/r−HC2の形成をもたらす。前記組み合わせの1つのみが、両抗原に結合する(l−LC1/l−HClとr−LC2/r−HC2)。さらに、望ましくないLC/HC対合の結合親和性および特異性は不明である。重鎖CH3ドメインに対する修飾(例えば、Knob−in−hole設計)は、重鎖ホモ二量体の形成を除外することができ、産生される可能性のあるLC/HC抗体組み合わせの数を、4種類の生成物に減らすことができる(1つの重鎖対を有する2種類の軽鎖の共発現)。例えば、前記Knob−in−hole設計において、前記4種類の生成物は、(1)l−LC1/l−HC1とr−LC2/r−HC2;(2)l−LC1/l−HC1とr−LC1/r−HC2;(3)l−LC2/l−HC1とr−LC1/r−HC2;(4)l−LC2/l−HC1とr−LC2/r−HC2であるであろう。

0163

本発明のH2L多重特異性抗体は、これらの産生/製造の困難を克服する。本発明のH2L抗体は、特定の抗原についての結合特異性を変化させることなく、同じ軽鎖が前記2つの重鎖のそれぞれとアッセンブリするのを可能にする、最適化された可変ドメインを有する。前記軽鎖は、重鎖1とアッセンブリして、抗原1に結合するFab−アームを形成する。前記軽鎖は、重鎖2ともアッセンブリすることができ、抗原2に結合するFabアームを形成する。前記重鎖のFc部は、in vivoにおいてHC1−HC2二量体の形成のみを可能にする(例えば、「Knob−in−hole」設計により促進される)方法において修飾される。ヘテロ二量体のみを形成する2つの重鎖および1つの軽鎖の発現は、1つの生成物である、本発明のH2L多重特異性抗体のみの形成をもたらす。産生された各分子は、抗原1に結合する一方のFabアームと、抗原2に結合する他方のFabアームを有する。H2L mAbs。前記1つの軽鎖は、本発明の方法に基づいて最適化されて、両重鎖とアッセンブリ可能であり、抗原1または抗原2のいずれかに結合する機能性Fabアームを形成可能である。本発明のH2L抗体は、当該分野において周知のプロセスにより、通常のIgGsと同様に製造および精製され得る。

0164

H2L mAbsの構築
開始親抗体は、種々の抗原に対する公知のバインダー(例えば、抗体1を有するLC1/HC1対および抗体2を有するLC2/HC2対)であることができ(例えば、抗体1は抗原1と結合し、抗体2は抗原2と結合する)、非ヒト、ヒト化または完全にヒト抗体であることができる。

0165

第1の工程において、両抗体の前記2種類の軽鎖(LC1およびLC2)は、1つの軽鎖(新規なLC)により置き換えられる。このプロセスは、軽鎖のライブラリにより開始し得る。本発明の可能性のある新規な軽鎖(新規なLC)のライブラリは、複数の方法において生成され得る。例えば、全ての機能的なヒト生殖細胞系カッパ軽鎖(Vk)可変領域は公開されており、公衆に利用可能なデータベースから取得され得る。可変遺伝子は、ライブラリ構築に選択され得る。軽鎖可変遺伝子は、遺伝子特異的プライマーを使用して、ヒトのゲノムDNAから増幅され得る。結果として、遺伝子がばらばらに増幅され、部分的な遺伝子は、公表されているように、オーバーラップPCRにより組み合わせられ得る。再配列されたカッパおよびラムダ軽鎖は、前記軽鎖の分泌シグナルの5’端に特異的なフォワードプライマーおよび前記カッパまたはラムダ定常領域の3’端に特異的なリバースプライマーを使用して、(例えば、非免疫化ドナーのプールからのPBMCs由来の)ヒトcDNAからも増幅され得る。LCライブラリは、各公知の親抗体からのLC(LC1およびLC2)を取得し、本明細書に記載の進化法または他の方法に基づいて一方(または両方)を進化させて、LCsの集合またはライブラリ(LC1ライブラリおよびLC2ライブラリ)を生成することによっても生成され得る。

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