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技術 燃料貯蔵ラックの連結装置及び燃料貯蔵ラック

出願人 株式会社東芝東芝エネルギーシステムズ株式会社
発明者 前田学
出願日 2017年11月6日 (2年7ヶ月経過) 出願番号 2017-213992
公開日 2019年6月6日 (1年0ヶ月経過) 公開番号 2019-086369
状態 未査定
技術分野 燃料及び物質の取扱い並びに実験設備
主要キーワード 楔ブロック 操作ナット 支柱ユニット 寸法調整用 楔機構 ラック取付 ガイドケース プール壁
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

燃料貯蔵ラック燃料貯蔵プールプール床基礎ボルトを用いて設置する場合でも、プール床のコンクリート強度に十分な余裕度を確保できること。

解決手段

燃料集合体収納するラックセル3が格子状に配置されると共に燃料貯蔵プール4のプール床4aに基礎ボルト5を用いて隣り合って設置される使用済燃料貯蔵ラック1を連結する使用済燃料貯蔵ラックの連結装置6であって、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1における異なった使用済燃料貯蔵ラック1間で隣接するラックセル3内の上部に配置されて、ラックセルに対して固定力を発生する複数の連結ブロック7a、7bと、隣接するラックセルの上端に配置されて連結ブロック7a、7bを水平方向に支持する連結プレート8と、隣接ラックセル内に設置されて、連結ブロック7a、7b及び連結プレート8を鉛直方向に支持する支柱ユニット25a、29bと、を有するものである。

概要

背景

使用済燃料集合体は、原子炉から取り出されて核燃料貯蔵施設貯蔵され保管される。核燃料貯蔵施設の燃料貯蔵プールには、使用済の燃料集合体を貯蔵する使用済燃料貯蔵ラックが設置されている。燃料貯蔵プールには、水が貯溜されおり、使用済燃料貯蔵ラック内に収納された燃料集合体は水で冷却されることで崩壊熱が除去される。

図12に示すように、使用済燃料貯蔵ラック1は、従来、燃料貯蔵プール4のプール床4aに基礎ボルト5により締結されて設置される。ここで、プール床4aには、埋設金物(例えば鉄板)37及びボス38が結合されて、更にボス38にアンカーボルト39が螺合されて、それぞれ埋設されている。本実施形態では、基礎ボルト5は、アンカーボルト39と同軸状態でボス38に螺合される。このような使用済燃料貯蔵ラック1には、地震時の転倒モーメントMによって、水平方向端部の基礎ボルト5に大きな引張荷重P、圧縮荷重Qが作用する。

つまり、図12(A)に示すように、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1同士が地震時に水平方向に反相で振動する場合には、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1における異なった使用済燃料貯蔵ラック1間で隣接し且つ引張荷重Pが作用した基礎ボルト5に対応するアンカーボルト39(アンカーボルト39a、39b)は、そのピッチ近接している。このため、例えば、アンカーボルト39aにおけるコンクリートの引張荷重評価では、図12(C)に示すように、隣り合ったアンカーボルト39a、39bのコーン状破壊面40同士の重なり部分を二重に評価しないようにコーン状破壊面40の有効投影面積42を算定する必要があり、この場合、有効投影面積42が減少してしまう。

従って、アンカーボルト39aにおけるコンクリートの引張荷重評価は、コーン状破壊面40の有効投影面積42が減少することで厳しくなる虞があり、燃料貯蔵プール4のプール床4aのコンクリート強度余裕度を確保することが課題であった。

また、図12(B)に示すように、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1同士が地震時に水平方向に同相で振動することが担保される場合には、隣接するアンカーボルト39a、39bのうち、一方のアンカーボルト39aに対応する基礎ボルト5に引張荷重Pが作用する際、他方のアンカーボルト39bに対応する基礎ボルト5には圧縮荷重Qが作用する。このため、アンカーボルト39aにおけるコンリートの引張荷重評価において、コーン状破壊面40の重なりを考慮する必要がなく、コーン状破壊面40の有効投影面積42が減少しないので、燃料貯蔵プール4のプール床4aのコンクリート強度に十分な余裕度を確保できることが一般に知られている。

また、特許文献1には、複数基の使用済燃料貯蔵ラックがコモンベース上に固定状態で設置され、燃料貯蔵プールのプール壁と使用済燃料貯蔵ラックとの間にサポートが設けられ、更に、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック同士の側面の隙間にスペーサが設けられて使用済燃料貯蔵ラックを支持することで、使用済燃料貯蔵ラックの耐震性を向上させる発明が開示されている。

概要

燃料貯蔵ラックを燃料貯蔵プールのプール床に基礎ボルトを用いて設置する場合でも、プール床のコンクリート強度に十分な余裕度を確保できること。燃料集合体を収納するラックセル3が格子状に配置されると共に燃料貯蔵プール4のプール床4aに基礎ボルト5を用いて隣り合って設置される使用済燃料貯蔵ラック1を連結する使用済燃料貯蔵ラックの連結装置6であって、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1における異なった使用済燃料貯蔵ラック1間で隣接するラックセル3内の上部に配置されて、ラックセルに対して固定力を発生する複数の連結ブロック7a、7bと、隣接するラックセルの上端に配置されて連結ブロック7a、7bを水平方向に支持する連結プレート8と、隣接ラックセル内に設置されて、連結ブロック7a、7b及び連結プレート8を鉛直方向に支持する支柱ユニット25a、29bと、を有するものである。

目的

本発明の実施形態は、上述の事情を考慮してなされたものであり、燃料貯蔵ラックを燃料貯蔵プールのプール床に基礎ボルトを用いて設置する場合でも、プール床のコンクリート強度に十分な余裕度を確保できる燃料貯蔵ラックの連結装置及び燃料貯蔵ラックを提供する

効果

実績

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請求項1

燃料集合体収納するラックセル格子状に配置されると共に燃料貯蔵プールプール床基礎ボルトを用いて隣り合って設置される燃料貯蔵ラックを連結する燃料貯蔵ラックの連結装置であって、隣り合った前記燃料貯蔵ラックにおける異なった前記燃料貯蔵ラック間で隣接する前記ラックセル内の上部に配置されて、前記ラックセルに対して固定力を発生する楔機構を構成する複数の連結ブロックと、隣接する前記ラックセルの上端に配置されて前記連結ブロックを水平方向に支持する連結プレートと、隣接する前記ラックセル内に配置されて、前記連結ブロック及び前記連結プレートを鉛直方向に支持する支柱ユニットと、を有することを特徴とする燃料貯蔵ラックの連結装置。

請求項2

前記連結ブロックは、側傾斜面を備え且つ連結プレートに結合された楔ブロックと、クランプ側傾斜面及び垂直面を備え、前記クランプ側傾斜面が前記楔側傾斜面に摺接することで前記垂直面をラックセルの内側面に押し付け可能なクランプブロックと、前記楔ブロック及び前記クランプブロックを保持すると共に、前記クランプブロックの移動を案内するガイドケースと、を有して構成されたことを特徴とする請求項1に記載の燃料貯蔵ラックの連結装置。

請求項3

前記支柱ユニットは、ラックセル内で鉛直方向に延びる支柱と、この支柱の上端に結合されて鉛直方向に延びるスタッドボルトと、燃料貯蔵プールのプール床に設置される特殊基礎ボルトとを有し、前記支柱は、底部に前記特殊基礎ボルトに螺合する座を備え、前記スタッドボルトは、ガイドケース、楔ブロック及び連結プレートを貫通して前記連結プレートの上面でナットに螺合されて、前記ガイドケース、前記楔ブロック及び前記連結プレートを前記支柱ユニットに固定するよう構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の燃料貯蔵ラックの連結装置。

請求項4

前記クランプブロックには、このクランプブロックを鉛直方向に移動させるねじ機構が設けられ、このねじ機構は、前記クランプブロックに下端が結合され且つ連結プレートを貫通して鉛直方向に延びるクランプボルトと、前記連結プレートの上面で前記クランプボルトに螺合し回転操作される操作ナットと、を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の燃料貯蔵ラックの連結装置。

請求項5

前記操作ナットはフランジ部を備え、前記連結プレートには、前記フランジ部に係合して、前記操作ナットの回転を許容するが前記操作ナットの鉛直方向の変位を阻止する爪部材が設けられたことを特徴とする請求項4に記載の燃料貯蔵ラックの連結装置。

請求項6

前記燃料貯蔵ラックは複数基がコモンベースに設置され、このコモンベースが、燃料貯蔵プールのプール床に基礎ボルトにより設置されたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の燃料貯蔵ラックの連結装置。

請求項7

隣り合った前記燃料貯蔵ラックにおける異なった前記燃料貯蔵ラック間で隣接するラックセル内の上部に配置された連結ブロックの楔ブロックとクランプブロックのうち、前記クランプブロックは、前記楔ブロックに対して前記燃料貯蔵ラック間の隙間に隣接する側に設けられ、前記燃料貯蔵ラック間の隙間には他の連結ブロックが配置され、この他の連結ブロックは、楔側傾斜面及び楔側垂直面を備え且つ連結プレートの下方に設けられた他の楔ブロックと、クランプ側傾斜面及びクランプ側垂直面を備え、前記クランプ側傾斜面が前記楔側傾斜面に摺接することで、前記クランプ側垂直面及び前記楔側垂直面を隣り合った前記燃料貯蔵ラックのラック側面に押し付け可能な他のクランプブロックと、を有して構成されたことを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の燃料貯蔵ラックの連結装置。

請求項8

燃料集合体を収納するラックセルが格子状に配置されると共に燃料貯蔵プールのプール床に基礎ボルトを用いて隣り合って設置される燃料貯蔵ラックにおいて、この隣り合って設置される燃料貯蔵ラックが、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の燃料貯蔵ラックの連結装置によって連結されて構成されたことを特徴とする燃料貯蔵ラック。

技術分野

0001

本発明の実施形態は、原子力発電プラント核燃料貯蔵施設に設置される燃料貯蔵ラック連結装置及び燃料貯蔵ラックに関する。

背景技術

0002

使用済燃料集合体は、原子炉から取り出されて核燃料貯蔵施設に貯蔵され保管される。核燃料貯蔵施設の燃料貯蔵プールには、使用済の燃料集合体を貯蔵する使用済燃料貯蔵ラックが設置されている。燃料貯蔵プールには、水が貯溜されおり、使用済燃料貯蔵ラック内に収納された燃料集合体は水で冷却されることで崩壊熱が除去される。

0003

図12に示すように、使用済燃料貯蔵ラック1は、従来、燃料貯蔵プール4のプール床4aに基礎ボルト5により締結されて設置される。ここで、プール床4aには、埋設金物(例えば鉄板)37及びボス38が結合されて、更にボス38にアンカーボルト39が螺合されて、それぞれ埋設されている。本実施形態では、基礎ボルト5は、アンカーボルト39と同軸状態でボス38に螺合される。このような使用済燃料貯蔵ラック1には、地震時の転倒モーメントMによって、水平方向端部の基礎ボルト5に大きな引張荷重P、圧縮荷重Qが作用する。

0004

つまり、図12(A)に示すように、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1同士が地震時に水平方向に反相で振動する場合には、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1における異なった使用済燃料貯蔵ラック1間で隣接し且つ引張荷重Pが作用した基礎ボルト5に対応するアンカーボルト39(アンカーボルト39a、39b)は、そのピッチ近接している。このため、例えば、アンカーボルト39aにおけるコンクリートの引張荷重評価では、図12(C)に示すように、隣り合ったアンカーボルト39a、39bのコーン状破壊面40同士の重なり部分を二重に評価しないようにコーン状破壊面40の有効投影面積42を算定する必要があり、この場合、有効投影面積42が減少してしまう。

0005

従って、アンカーボルト39aにおけるコンクリートの引張荷重評価は、コーン状破壊面40の有効投影面積42が減少することで厳しくなる虞があり、燃料貯蔵プール4のプール床4aのコンクリート強度余裕度を確保することが課題であった。

0006

また、図12(B)に示すように、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1同士が地震時に水平方向に同相で振動することが担保される場合には、隣接するアンカーボルト39a、39bのうち、一方のアンカーボルト39aに対応する基礎ボルト5に引張荷重Pが作用する際、他方のアンカーボルト39bに対応する基礎ボルト5には圧縮荷重Qが作用する。このため、アンカーボルト39aにおけるコンリートの引張荷重評価において、コーン状破壊面40の重なりを考慮する必要がなく、コーン状破壊面40の有効投影面積42が減少しないので、燃料貯蔵プール4のプール床4aのコンクリート強度に十分な余裕度を確保できることが一般に知られている。

0007

また、特許文献1には、複数基の使用済燃料貯蔵ラックがコモンベース上に固定状態で設置され、燃料貯蔵プールのプール壁と使用済燃料貯蔵ラックとの間にサポートが設けられ、更に、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック同士の側面の隙間にスペーサが設けられて使用済燃料貯蔵ラックを支持することで、使用済燃料貯蔵ラックの耐震性を向上させる発明が開示されている。

先行技術

0008

特開平10−39087号公報

発明が解決しようとする課題

0009

上述の公報記載の使用済燃料貯蔵ラックでは、コモンベースを燃料貯蔵プールのプール床に基礎ボルトにより固定状態で設置しないため、燃料貯蔵プールのプール床のコンクリート強度に十分な余裕度を確保している。しかしながら、大地震が発生した場合には、プール壁が使用済燃料貯蔵ラックを支持しきれない虞がある。また、燃料貯蔵プールのプール壁側に配置される使用済燃料貯蔵ラックには過大な支持荷重が作用するため、使用済燃料貯蔵ラック本体の強度に余裕度を担保できない虞がある。更に、既設の使用済燃料貯蔵ラックを改造する場合、沸騰水型軽水炉BWR)の燃料貯蔵プールでは、使用済燃料貯蔵ラックと燃料貯蔵プールのプール壁との間に存在する種々の構造物がサポートと干渉して、公報記載の発明における使用済燃料貯蔵ラックの配置が成立しない可能性がある。

0010

本発明の実施形態は、上述の事情を考慮してなされたものであり、燃料貯蔵ラックを燃料貯蔵プールのプール床に基礎ボルトを用いて設置する場合でも、プール床のコンクリート強度に十分な余裕度を確保できる燃料貯蔵ラックの連結装置及び燃料貯蔵ラックを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明の実施形態における燃料貯蔵ラックの連結装置は、燃料集合体を収納するラックセル格子状に配置されると共に燃料貯蔵プールのプール床に基礎ボルトを用いて隣り合って設置される燃料貯蔵ラックを連結する燃料貯蔵ラックの連結装置であって、隣り合った前記燃料貯蔵ラックにおける異なった前記燃料貯蔵ラック間で隣接する前記ラックセル内の上部に配置されて、前記ラックセルに対して固定力を発生する楔機構を構成する複数の連結ブロックと、隣接する前記ラックセルの上端に配置されて前記連結ブロックを水平方向に支持する連結プレートと、隣接する前記ラックセル内に配置されて、前記連結ブロック及び前記連結プレートを鉛直方向に支持する支柱ユニットと、を有することを特徴とするものである。

0012

また本発明の実施形態における燃料貯蔵ラックは、燃料集合体を収納するラックセルが格子状に配置されると共に燃料貯蔵プールのプール床に基礎ボルトを用いて隣り合って設置される燃料貯蔵ラックにおいて、この隣り合って設置される燃料貯蔵ラックが、上記燃料貯蔵ラックの連結装置によって連結されて構成されたことを特徴とするものである。

発明の効果

0013

本発明の実施形態によれば、隣り合った燃料貯蔵ラックの上部を連結ブロック及び連結プレートにより水平方向に強固に連結できると共に、連結ブロック及び連結プレートを支柱ユニットにより鉛直方向に強固に固定できる。従って、地震時に、隣り合った燃料貯蔵ラック同士を水平方向に同相で振動させることができる。このため、燃料貯蔵ラックの水平方向端部位置の基礎ボルトに対応するアンカーボルトにおけるコンクリートの引張荷重評価において、コーン状破壊面の重なりを考慮する必要がないので、コーン状破壊面の有効投影面積の減少を回避できる。この結果、燃料貯蔵ラックを燃料貯蔵プールのプール床に基礎ボルトにより設置しても、燃料貯蔵プールのプール床のコンクリート強度に十分な余裕度を確保できる。

図面の簡単な説明

0014

第1実施形態に係る使用済燃料貯蔵ラックの連結装置を使用済燃料貯蔵ラックと共に示す一部切欠き側面図。
図1の連結装置を拡大して示す部分断面図。
図2の連結ブロック及び連結プレートを使用済燃料貯蔵ラックのラックセルと共に示す斜視図。
図3の連結ブロック及び連結プレートの分解斜視図。
図1の支柱ユニットを使用済燃料貯蔵ラックのラックセルと共に示す斜視図。
図1の使用済燃料貯蔵ラックの連結装置における一配置例を示す使用済燃料貯蔵ラックの平面図。
図1の使用済燃料貯蔵ラックの連結装置における他の配置例を示す使用済燃料貯蔵ラックの平面図。
第2実施形態に係る使用済燃料貯蔵ラックの連結装置を、燃料貯蔵プールのプール床にコモンベースを介して設置される使用済燃料貯蔵ラックと共に示す一部切欠き断面図。
第3実施形態に係る使用済燃料貯蔵ラックの連結装置の一部を示す部分断面図。
図9の連結装置の一部を示す斜視図。
比較技術において、燃料貯蔵プールのプール床にコモンベースを介して設置される使用済燃料貯蔵ラックを示し、(A)が同ラックの単体の場合を、(B)が同ラックが複数基で地震時に同相で振動する場合を、(C)が同ラックが複数基で地震時に反相で振動する場合をそれぞれ示す説明図。
従来技術において、燃料貯蔵プールのプール床に隣り合って直接設置された使用済燃料貯蔵ラックが地震時に反相で振動する場合を(A)に、同相で振動する場合を(B)にそれぞれ示し、図12(A)の場合のコーン状破壊面を(C)に示す説明図。

実施例

0015

以下、本発明を実施するための形態を、図面に基づき説明する。
[A]第1実施形態(図1図7
図1は、第1実施形態に係る使用済燃料貯蔵ラックの連結装置を使用済燃料貯蔵ラックと共に示す一部切欠き側面図である。また、図2は、図1の連結装置を拡大して示す部分断面図である。本第1実施形態において、使用済燃料貯蔵ラック及び燃料貯蔵プールの構成については、図12の従来技術と同一の符号を付す。

0016

図1において、符号1は、既設の原子力発電プラント(以下、既設プラントという)の燃料貯蔵プール4に据え付けられた使用済燃料貯蔵ラックを示している。この使用済燃料貯蔵ラック1は、ラックベース2の上に複数のラックセル3を立てた状態とし、これらのラックセル3を水平方向に格子状に整列させ、結合バンド30で束ねた構造である。長い角筒状の1つのラックセル3に、1本の使用済燃料集合体が収納される。1基の使用済燃料貯蔵ラック1は、100本から200本程のラックセル3から構成されている。この使用済燃料貯蔵ラック1は、燃料貯蔵プール4のプール床4aに、複数基が基礎ボルト5により締結されて設置される。

0017

図1及び図2に示すように、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1は、箱型の連結ブロック7a、7b、連結プレート8及び支柱ユニット25a、25bを有する連結装置6を用いて、ラックセル3の上部で相互に連結される。

0018

つまり、連結装置6は、連結ブロック7a及び7bと、連結プレート8と、支柱ユニット25a及び25bとを有して構成される。連結ブロック7a及び7bは、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1における異なった使用済燃料貯蔵ラック1間で隣接するラックセル3の上端から挿入されて、このラックセル3内の上部に配置され、ラックセル3に対して固定力を発生する楔機構を構成する。連結プレート8は、上述の隣接するラックセル3の上端に配置されて、連結ブロック7a、7bを水平方向に支持する。支柱ユニット25a及び25bは、上述の隣接するラックセル3内に配置されて、連結ブロック7a、7b及び連結プレート8を鉛直方向に支持する。これらの連結ブロック7a及び7b、連結プレート8、支柱ユニット25a及び25bについて、以下に詳説する。

0019

図2図4に示すように、連結ブロック7aは、楔ブロック9aと一対のクランプブロック10aとが組み合わされた状態で、箱状のガイドケース14a内に収納されて構成される。ガイドケース14aは、楔ブロック9aとクランプブロック10aの組み合わせ状態を保持すると共に、クランプブロック10aの鉛直方向の移動(後述)を案内する。また、クランプブロック10aでは、特に図4に示すように、ガイドケース14aに収納された状態で後述の垂直面13aが露出される。

0020

また、連結ブロック7bは、楔ブロック9bと一対のクランプブロック10bとが組み合わされた状態で、箱状のガイドケース14b内に収納されて構成される。ガイドケース14bは、楔ブロック9bとクランプブロック10bとの組み合わせ状態を保持すると共に、クランプブロック10bの鉛直方向の移動(後述)を案内する。また、クランプブロック10bは、ガイドケース14b内に収納された状態で後述の垂直面13bが露出される。

0021

楔ブロック9a、9bは、連結プレート8の下側で、この連結プレート8に強固に結合されている。また、この楔ブロック9a、9bは、縦断面略台形形状の剛体であり、両側に側傾斜面11a、11bをそれぞれ備える。

0022

クランプブロック10a、10bは、縦断面略台形形状の剛体であり、片側に、楔ブロック9a、9bの楔側傾斜面11a、11bに摺接するクランプ側傾斜面12a、12bが形成される。クランプブロック10a、10bにおけるクランプ側傾斜面12a、12bと反対の片側には、ラックセル3のセル内側面26に接する垂直面13a、13bが形成されている。そして、クランプブロック10a、10bは、後述のねじ機構27a、27bにより上昇したときに、クランプ側傾斜面12a、12bのそれぞれが楔ブロック9a、9bの楔側傾斜面11a、11bのそれぞれに摺接する楔作用で、垂直面13a、13bがラックセル3のセル内側面26を押し付けて、ラックセル3に対して水平方向の固定力を発生可能に構成される。

0023

図2及び図5に示すように、支柱ユニット25aは、連結ブロック7a及び連結プレート8を鉛直方向に支持するものであり、使用済燃料貯蔵ラック1のラックセル3内で鉛直方向に延びる支柱15aと、この支柱15aの上端に結合されて鉛直方向に延びるスタッドボルト19aと、燃料貯蔵プール4のプール床4aに締結されて設置される特殊基礎ボルト16aと、を有して構成される。

0024

また、支柱ユニット25bは、連結ブロック7b及び連結プレート8を鉛直方向に支持するものであり、使用済燃料貯蔵ラック1のラックセル3内で鉛直方向に延びる支柱15bと、この支柱15bの上端に結合されて鉛直方向に延びるスタッドボルト19bと、燃料貯蔵プール4のプール床4aに締結されて設置される特殊基礎ボルト16bと、を有して構成される。

0025

支柱15a、15bの下端に座17が、上端に座18がそれぞれ固定されている。支柱15a、15bの座17が、特殊基礎ボルト16a、16bの上端部に螺合して締結される。支柱15a、15bの座18にスタッドボルト16a、16bが固定される。スタッドボルト19a、19bは、それぞれ、ガイドケース14a、14b、楔ブロック9a、9b及び連結プレート8を鉛直方向に貫通し、連結プレート8の上面でナット20に螺合される。これにより、ガイドケース14a、楔ブロック9a及び連結プレート8は支柱ユニット25aに、ガイドケース14b、楔ブロック9b及び連結プレート8は支柱ユニット25bにそれぞれ固定されて、ラックセル3内で鉛直方向に支持される。

0026

図2図3及び図4に示すように、クランプブロック10aには、このクランプブロック10aを鉛直方向に移動(昇降)させる機構として、クランプボルト21a及び操作ナット22aを備えなるねじ機構27aが設けられている。また、クランプブロック10bには、このクランプブロック10bを鉛直方向に移動(昇降)させる機構としてクランプボルト21b及び操作ナット22bを備えてなるねじ機構27bが設けられている。

0027

クランプボルト21a、21bは、それぞれの下端部がクランプブロック10a、10bに結合され、更に、連結プレート8の貫通孔28を貫通して鉛直方向へ延び、連結プレート8の上方へ突出する。貫通孔28は、使用済燃料貯蔵ラック1の連結方向図2のX方向)に対して平行な長孔に形成されている。

0028

また、操作ナット22a、22bは、連結プレート8の貫通孔28を貫通したクランプボルト21a、21bに連結プレート8の上面で螺合し、レンチ等の工具に嵌合されて回転操作される。この操作ナット22a、22bにはフランジ部24が形成されている。また、連結プレート8の上面には、貫通孔28の近傍にそれぞれ一対の爪部材23a、23bが固定されている。操作ナット22aのフランジ部24が爪部材23aに係合し、操作ナット23bのフランジ部24が爪部材23bに係合することで、操作ナット22a、22bは、回転が許容されるが、鉛直方向の変位が阻止される。

0029

従って、操作ナット22a、22bを図示しないレンチ等によりそれぞれ正回転させることで、クランプブロック10a、10bがクランプボルト21a、21bと共に鉛直方向上方へ移動する。そして、楔ブロック9a、9bとクランプブロック10a、10bとの楔作用で、クランプブロック10a、10bの垂直面13a、13bがラックセル3のセル内側面26を押し付けることで、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1における異なった使用済燃料貯蔵ラック1間で隣接するラックセル3に配置された連結装置6に水平方向の固定力が発生して、上述の隣接するラックセル3が水平方向に固定される。これにより、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1同士が連結装置6により水平方向に強固に固定された状態で連結される。

0030

他方、操作ナット22a、22bを図示しないレンチ等によりそれぞれ逆回転させると、操作ナット22a、22bが爪部材23a、23bにより鉛直方向に拘束されて上方への変位が阻止されるので、クランプブロック10a、10bは、クランプボルト21a、21bと共に鉛直方向下方へ移動する。これにより、楔ブロック9a、9bとクランプブロック10a、10bとによる楔作用が解消されて、クランプブロック10a、10bの垂直面13a、13bがラックセル3のセル内側面26aに押し付けられなくなり、連結装置6による隣接するラックセル3の水平方向の固定が解除される。尚、操作ナット22a、22bの正回転を完了させた後に、この操作ナット22a、20bに必要に応じてエポキシ系接着剤ヘンケル社製ロックタイト」)などを塗布して、緩み止めを行ってもよい。

0031

次に、上述のようにして構成された使用済燃料貯蔵ラック1の連結装置6について作用を説明する。
図1において、既設の使用済燃料貯蔵ラック1は既設プラントの燃料貯蔵プール4のプール床4aに設置されている。まず、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1における異なった使用済燃料貯蔵ラック1間で隣接するラックセル3、つまり連結装置6を設置すべき隣接するラックセル3内の底部の基礎ボルト5を、図示しないレンチ等を用いて特殊基礎ボルト16に取り替える。

0032

次に、図2図5に示すように、支柱ユニット25a、25bの支柱15a、15bをラックセル3内に挿入し、下端の座17を特殊基礎ボルト16a、16bの上端部に螺合させた後、連結装置6の連結ブロック7a、7b及び連結プレート8を、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1における異なった使用済燃料貯蔵ラック1間で隣接するラックセル3の上端部に搭載する。この際、支柱ユニット25a、25bのスタッドボルト19a、19bを、連結ブロック7a、7bのガイドケース14a、14b及び楔ブロック9a、9b、並びに連結プレート8に鉛直方向に貫通させた後、スタッドボルト19a、19bの上端部にナット20を螺合させる。

0033

この状態で、楔ブロック9aとクランプブロック10aを組み合わせてガイドケース14aに収納した一方の連結ブロック7aは、一方の使用済燃料貯蔵ラック1のラックセル3内に挿入され、クランプブロック10aに固定されたクランプボルト21aが連結プレート8を貫通し、このクランプボルト21aに操作ナット22aが、連結プレート8の上面上で螺合される。また、楔ブロック9bとクランプブロック10bを組み合わせてガイドケース14bに収納した他方の連結ブロック7bは、他方の使用済燃料貯蔵ラック1のラックセル3内に挿入され、クランプブロック10bに固定されたクランプボルト21bが連結プレート8を貫通し、このクランプボルト21bに操作ナット22bが、連結プレート8の上面上で螺合される。

0034

次に、ねじ機構27a、27bの操作ナット22a、22bを正回転させて、クランプボルト21a、21bと共にクランプブロック10a、10bを鉛直方向上方へ移動させ、楔ブロック9a、9bとの楔作用で、クランプブロック10a、10bの垂直面13a、13bをラックセル3のセル内側面26に接触させる。操作ナット22a、22bを更に正回転させてクランプブロック10a、10bを上方へ移動させると、楔ブロック9a、9b、クランプブロック10a、10b及び連結プレート8を備えて構成される連結装置6に、隣接する各ラックセル3を水平方向に強固に固定する固定力が発生する。

0035

これにより、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1における異なった使用済燃料貯蔵ラック1間で隣接するラックセル3の上部が、振動により水平方向に接近または離反する場合の拘束がなされることで、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1同士が水平方向に固定状態で連結される。

0036

連結装置6を、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1のラックセル3の上部に配置するために、楔ブロック9a、9bとクランプブロック10a、10bを使用済燃料貯蔵ラック1のラックセル3内に挿入したとき、水平方向に多少の間隙があっても、クランプブロック10a、10bがこの間隙を埋める方向に押し付けられて上記間隙が吸収される。このため、使用済燃料貯蔵ラック1には、連結装置6に対して厳格な嵌め合い公差据付公差が必要とされない。このように公差を緩和できることから、連結装置6のラックセル3への取り付けが簡単になり、操作ナット22a、22bを締め付けるだけで、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1の連結作業を効率的に行うことが可能になる。

0037

また、楔ブロック9aとクランプブロック10aをガイドレール14aに、楔ブロック9bとクランプブロック10bをガイドレール14bにそれぞれ収納した連結ブロック7a、bを、この連結ブロック7a、bの楔作用によって、使用済燃料貯蔵ラック1のラックセル3に水平方向に固定する。従って、この固定した状態では、連結装置6にがたつきが発生しない状態で、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1を連結することが可能になる。

0038

更に、地震の縦揺れにより連結装置6に鉛直方向の浮き上がり力が作用した場合や、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1の地震による相互の転倒モーメントにより連結装置6の連結プレート8に鉛直方向のせん断力が作用した場合には、連結ブロック7a、7b及び連結プレート8が、隣接するラックセル3の上部を水平方向の固定力により支持することに加えて、支柱ユニット25a、25b(支柱15a、15b、スタッドボルト19a、19b、及び特殊基礎ボルト16a、16b)が、連結ブロック7a、7bをラックセル3内の底部から鉛直方向に支持する。このため、連結ブロック7a、7b及び連結プレート8を鉛直方向に強固に固定することが可能になる。

0039

以上のように構成されたことから、本第1実施形態によれば、次の効果(1)〜(3)を奏する。
(1)図1及び図2に示すように、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1の上部が連結装置6の連結ブロック7a、7b及び連結プレート8により水平方向に強固に連結されると共に、連結ブロック7a、7b及び連結プレート8が連結装置6の支柱ユニット25a、25b(支柱15a、15b、スタッドボルト19a、19b及び特殊基礎ボルト16a、16b)により鉛直方向に強固に固定されている。従って、地震時に、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1同士を水平方向に同相で振動させることができる。

0040

このため、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1における異なった使用済燃料貯蔵ラック1間で隣接するラックセル3の下端部に設置された特殊基礎ボルト16a、16bに対応するアンカーボルト39a、39bにおけるコンクリートの引張荷重評価において、コーン状破壊面40の重なりを考慮する必要がないので、このコーン状破壊面40の有効投影面積42(図12(C))の減少を回避できる。この結果、使用済燃料貯蔵ラック1を燃料貯蔵プール4のプール床4aに基礎ボルト5、特殊基礎ボルト16a、16bにより締結して設置しても、燃料貯蔵プール4のプール床4aのコンクリート強度に十分な余裕度を確保できる。

0041

(2)特に、地震時の縦揺れにより連結装置6に鉛直方向の浮き上がり力が作用した場合や、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1における地震による相互の転倒モーメントによって、連結装置6の連結プレート8に鉛直方向のせん断力が作用した場合でも、支柱ユニット25a、25b(支柱15a、15b、スタッドボルト19a、19b及び特殊基礎ボルト16a、16b)により、連結装置6の連結ブロック7a、7b及び連結プレート8を強固に支持することで、連結装置6の浮き上がりや外れを防止できる。この結果、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1同士の固定状態での連結を確実に維持することができる。

0042

(3)本第1実施形態では、各原子力発電所で想定される地震の大きさや立地での揺れの特性に応じて、連結装置6を柔軟に配置することができる。例えば、図6は、水平面内でY方向に使用済燃料貯蔵ラック1を連結する連結装置6aと、水平面内でY方向に直交するX方向に使用済燃料貯蔵ラック1を連結する連結装置6bとが組み合わされて、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1をX方向及びY方向に連結する配置例である。この配置例は、様々な方向の地震の揺れが想定される場合に有効である。また、図7は、水平面内のY方向に使用済燃料貯蔵ラック1を連結する連結装置6aのみを用いて、隣り合った2個の使用済燃料貯蔵ラック1を一方向(Y方向)のみに連結した配置例である。

0043

連結装置6は、まず、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1における異なった使用済燃料貯蔵ラック1間で隣接するラックセル3内の底部の基礎ボルト5を特殊基礎ボルト16a、16bに交換する。次に、支柱15a、15bを隣接するラックセル3内に設置した後、隣接するラックセル3の上端部に連結ブロック7a、7b及び連結プレート8を上方から搭載する。そして、連結ブロック7a、7bの楔ブロック9a、9b及びクランプブロック10a、10bに楔作用を生じさせるだけなので、使用済燃料貯蔵ラック1側に特別な構造が必要とされない。このため、各原子力発電所で想定される地震の大きさや立地での揺れの特性に応じて、連結装置6を柔軟に配置することができる。

0044

[B]第2実施形態(図8図11
図8は、第2実施形態に係る使用済燃料貯蔵ラックの連結装置を、燃料貯蔵プールのプール床にコモンベースを介して設置される使用済燃料貯蔵ラックと共に示す一部切欠き断面図である。この第2実施形態において第1実施形態と同様な部分については、第1実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。

0045

この第2実施形態の連結装置31が第1実施形態と異なる点は、連結装置31により連結される隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1が、コモンベース(上部コモンベース32及び下部コモンベース33)を介して燃料貯蔵プール4のプール床4aに、基礎ボルト25により締結されて設置された点である。また、本第2実施形態の連結装置31は、第1実施形態の連結装置6のうち、支柱ユニット25a、25bの特殊基礎ボルト16a、16bに代えて、支柱15a、15bを上部コモンベース32に取り付けるための特殊ラック取付ボルト36が用いられるが、他の構成は連結装置6と同様である。

0046

ここで、図11(A)に示すように、単体の使用済燃料貯蔵ラック1が基礎ボルト5を用いて燃料貯蔵プール4のプール床4aに直接締結されて設置される場合、基礎ボルト5間のスパンスパンSである。これに対し、図11(B)及び(C)に示すように、複数基の使用済燃料貯蔵ラック1が、上部コモンベース32及び下部コモンベース33を介して基礎ボルト5を用い燃料貯蔵プール4のプール床4aに締結されて設置される場合、コモンベース32、33の水平面内でX方向に沿う両端の基礎ボルト5間のスパンLは、スパンSよりも数倍大きなスパンとなる。

0047

このため、コモンベース32、33を用いてプール床4aに設置された使用済燃料貯蔵ラック1に水平面内でX方向の地震力が作用したとき、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1同士がX方向に同相で振動することが担保できる場合(図11(B))には、コモンベース32、33におけるX方向両端の基礎ボルト5に作用する引張荷重P、圧縮荷重Qは小さくなる。なお、上部コモンベース32と下部コモンベース33は、コモンベース連結ボルト34により連結されている。また、使用済燃料貯蔵ラック1は、上部コモンベース32にラック取付ボルト35を用いて締結されて設置されている。

0048

しかしながら、コモンベース32、33を用いてプール床4aに設置される隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1同士が、地震時に水平面内でX方向に反相で振動する場合(図11(C))には、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1における異なった使用済燃料貯蔵ラック1間で隣接する位置にあって、且つスパンLの略中央位置にあるラック取付ボルト35a、35bに、引張荷重Rが同時に作用する。このため、コモンベース32、33の設置によっても、上記ラック取付ボルト35a、35bに対応する位置の基礎ボルト5に作用する引張荷重Pを低減させる効果が得られない虞がある。

0049

これに対し、本第2実施形態では、図8に示すように、既設の燃料貯蔵プール4のプール床4aに下部コモンベース33が基礎ボルト5により締結されて設置され、この下部コモンベース33に上部コモンベース32がコモンベース連結ボルト34により連結され、この上部コモンベース32に複数基の使用済燃料貯蔵ラック1がラック取付ボルト35、特殊ラック取付ボルト36用いて締結されて設置される。そして、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1における異なった使用済燃料貯蔵ラック1間で隣接するラックセル3に連結装置31が設置されている。

0050

これにより、使用済燃料貯蔵ラック1に水平面内でX方向の地震力が作用した場合には、連結装置31による連結によって、隣り合った使用済燃料ラック1同士は必然的にX方向に同相で振動する。従って、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1における異なった使用済燃料貯蔵ラック1間で隣接する位置にあって、且つスパンLの略中央位置にある特殊ラック取付ボルト36には、引張荷重Pが同時に作用しない。このため、図11(B)の隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1の同相での振動を担保できるので、上部コモンベース32及び下部コモンベース33の設置によって、上記特殊ラック取付ボルト36に対応する基礎ボルト5への引張荷重Pを低減させる効果を確実に得ることが可能になる。

0051

従って、この第2実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)〜(3)と同様な効果を奏するほか、次の効果(4)を奏する。
(4)隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1が上部コモンベース32及び下部コモンベース33に設置され、しかも、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1における異なった使用済燃料貯蔵ラック1間で隣接するラックセル3に連結装置31が設置されたことで、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1の同相振動が担保されて、基礎ボルト5に作用する引張荷重Pを確実に低減できる。

0052

[C]第3実施形態(図9図10
図9は、第3実施形態に係る使用済燃料貯蔵ラックの連結装置の一部を示す部分断面図である。この第3実施形態において第1実施形態と同様な部分については、第1実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。

0053

本第3実施形態の連結装置45が第1実施形態と異なる点は、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1における異なった使用済燃料貯蔵ラック1間で隣接するラックセル3内の上部に配置された連結ブロック7a、7bの楔ブロック9a、9bとクランプブロック10a、10bのうち、クランプブロック10a、10bは、楔ブロック9a、9bに対して使用済燃料貯蔵ラック1の隙間46に隣接する側のみに設けられた点と、使用済燃料貯蔵ラック1の隙間46に、他の連結ブロックとしての連結ブロック7c、及びこの連結ブロック7cを動作させるねじ機構27cがそれぞれ配置された点とである。

0054

連結ブロック7cは、楔ブロックとしての楔ブロック9cと、他のクランプブロックとしてのクランプブロック10cと、ガイドケース14cとを有して構成される。楔ブロック9cは、楔側傾斜面11c及び楔側垂直面13dを備え、連結プレート8の下方に設けられる。クランプブロック10cは、クランプ側傾斜面12c及びクランプ側垂直面13cを備え、ねじ機構27cにより昇降する。ガイドケース14cは、楔ブロック9c及びクランプブロック10cを収納して保持し、クランプブロック10cの昇降を案内する。これらの楔ブロック9c、クランプブロック10c、ガイドケース14c及びねじ機構27cについて、以下に詳説する。

0055

ねじ機構27cは、クランプブロック10cに下端が結合され且つ連結プレート8を貫通して鉛直方向に延びるクランプボルト21cと、連結プレート8の上面でクランプボルト21cに螺合しレンチ等により回転操作される操作ナット22cと、を有して構成される。クランプボルト21cは、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1間の隙間46が狭隘であるため、クランプブロック10cのクランプ側傾斜面12cを含む上面から下面に亘って鉛直方向に設けられた穴に差し込まれてこのクランプブロック10cに結合される。更に、クランプボルト21cは、楔ブロック9cに形成された鉛直方向の溝47内を通り、楔ブロック9cとの干渉が回避されている。

0056

操作ナット22cは、操作ナット22a、22bと同様にフランジ部24を備える。また、連結プレート8には、クランプボルト21cが貫通し且つ隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1の連結方向に延びる長孔形状の貫通孔28が形成されると共に、この貫通孔28の近傍に一対の爪部材23cが設置される。この爪部材23cは、操作ナット22cのフランジ部24に係合し、操作ナット20cの回転を許容するが、操作ナット22cの鉛直方向の変位を阻止する。これにより、操作ナット22cの回転操作によって、クランプブロック10cがクランプボルト21cと共に鉛直方向に移動(昇降)する。

0057

クランプブロック10cは、操作ナット22cの回転操作により鉛直方向上方へ移動することで、クランプ側傾斜面12cが楔ブロック9cの楔側傾斜面11cに摺接し、楔作用によりクランプ側垂直面13cを、楔ブロック9cの楔側垂直面13dと共に、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1のラック側面48に押し付けて、水平方向の固定力を発生する。尚、楔ブロック9cは、楔ブロック9a、9bと同様に連結プレート8の下面に結合されている。但し、連結装置45が隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1同士を連結する機能を果たせばよいことから、楔ブロック9cは必ずしも連結プレート8に結合される必要はない。

0058

隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1間の隙間46に配置される連結ブロック7cの設定に際しては、予め隙間46の寸法測定を行い、必要に応じて、楔ブロック9cの楔側垂直面13dに寸法調整用シム等(不図示)を取り付けておく。そして、連結装置45の連結ブロック7a、7b、7cを、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1における異なった使用済燃料貯蔵ラック1間で隣接するラックセル3の上端部に搭載する。この際、楔ブロック9cの楔側垂直面13dが、使用済燃料貯蔵ラック1のラック側面48に直接またはシム等を介して当接するようにしておく。

0059

この状態で操作ナット22cを正回転させて、クランプブロック10cを鉛直方向上方へ移動させ、楔ブロック9cの楔側傾斜面11cとクランプブロック10cのクランプ側傾斜面12cとの楔作用により、クランプブロック10cのクランプ側垂直面13cをラック側面48に接触させる。操作ナット22cを更に正回転させてクランプブロック10cを上方へ移動させ、楔ブロック9cの楔側傾斜面11cとクランプブロック10cのクランプ側傾斜面12cとの楔作用により、楔ブロック9cの楔側垂直面13dとクランプブロック10cのクランプ側垂直面13cとを、それぞれが対向するラック側面48に水平方向に強固に固定する。

0060

上述の連結ブロック7cによる隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1のラック側面48の固定と略同時に、第1実施形態と同様にして、連結ブロック7a、7bにより、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1における異なった使用済燃料貯蔵ラック1間で隣接するラックセル3のセル内側面26を水平方向に固定して支持し、この連結ブロック7a、7bを支柱ユニット25a、29bにより鉛直方向に支持する。

0061

このようにして、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1における異なった使用済燃料貯蔵ラック1間で隣接するラックセル3の上部同士が、振動により水平方向に接近する場合には、連結ブロック7cが拘束を行う。また、上述の隣接するラックセル3の上部同士が振動により水平方向に離反する場合には、ラックセル3内の楔ブロック9a、9b、クランプブロック10a、10b及び連結プレート8から構成される連結ブロック7a、7bが拘束を行う。これらにより、隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1同士を水平方向及び鉛直方向に強固に連結することが可能になる。

0062

従って、本第3実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)〜(3)と同様な効果を奏するほか、次の効果(5)を奏する。
(5)隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1における異なった使用済燃料貯蔵ラック1間で隣接するラックセル3に配置される連結ブロック7a、7bでは、連結ブロック7aにクランプブロック10aが1個、連結ブロック7bにクランプブロック10bが1個それぞれ設けられ、上述の隣り合った使用済燃料貯蔵ラック1の隙間46に、1個のクランプブロック10cを備える連結ブロック7cが配置されている。

0063

従って、連結装置45の1個当たりに、それぞれ1個のクランプブロック10a、10b、10cを昇降させるための操作ナット22a、22b、22cもそれぞれ1個となる。この結果、操作ナット22a、22bの合計4個を回転操作させなければならない第1実施形態の場合に比べ、連結装置45では、操作ナット22a、22b、22cの合計3個を回転操作すればよいので、異なった使用済燃料貯蔵ラック1に多数配置される連結装置45の取り付け及び取り外し作業を極めて短時間に実施できる。

0064

以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができ、また、それらの置き換えや変更は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

0065

例えば、連結装置6、31、45は、未使用の燃料集合体を貯蔵する燃料貯蔵ラック1に適用されてもよい。また、連結装置6、31、45は、新設の原子力発電プラントの燃料貯蔵プーリに設置された、使用済燃料貯蔵ラックを含む燃料貯蔵ラックに適用されてもよい。

0066

1…使用済燃料貯蔵ラック(燃料貯蔵ラック)、3…ラックセル、4…燃料貯蔵プール、4a…プール床、5…基礎ボルト、6、31、45…連結装置、7a、7b、7c…連結ブロック、8…連結プレート、9a、9b、9c…楔ブロック、10a、10b、10c…クランプブロック、11a、11b、11c…楔側傾斜面、12a、12b、12c…クランプ側傾斜面、13a、13b…垂直面、13c…クランプ側垂直面、13d…楔側垂直面、14a、14b、14c…ガイドケース、15a、15b…支柱、16a、16b…特殊基礎ボルト、19a、19b…スタッドボルト、20…ナット、21a、21b、21c…クランプボルト、22a、22b、22c…操作ナット、23a、23b、23c…爪部材、24…フランジ部、25a、25b…支柱ユニット、26…セル内側面、27a、27b、27c…ねじ機構、32…上部コモンベース、33…下部コモンベース、36…特殊ラック取付ボルト、39、39a、39b…アンカーボルト、40…コーン状破壊面、46…隙間、48…ラック側面。

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