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技術 超音波探傷方法

出願人 日本製鉄株式会社
発明者 宮本充
出願日 2017年11月1日 (3年1ヶ月経過) 出願番号 2017-211684
公開日 2019年6月6日 (1年6ヶ月経過) 公開番号 2019-086288
状態 未査定
技術分野 超音波による材料の調査、分析
主要キーワード 各相対移動 最大傾斜角θ 対比試験片 相対移動位置 画素濃度分布 セクタースキャン 断面略半円形 一軸ステージ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

被探傷材の予め定めた基準方向に対して傾斜した方向に延びる傾斜きずを高精度に検出可能な超音波探傷方法を提供する。

解決手段

無指向性人工きずを設けて形成した第1試験材を準備する工程と、一次元アレイ型超音波探触子1を用いて第1試験材を探傷することで複数の第1試験材探傷データを生成し、該生成した複数の第1試験材探傷データに基づき無指向性人工きずデータを生成する工程と、無指向性人工きずデータに基づき補正係数を算出する工程と、超音波探触子1を用いて被探傷材P1を探傷することで被探傷材探傷データを生成する工程と、被探傷材探傷データに前記算出した補正係数を用いて補正を施すことで、補正後の被探傷材探傷データを生成する工程と、補正後の被探傷材探傷データを用いて被探傷材の傾斜きずを検出する工程とを含む。

概要

背景

従来、複数の振動子が一列に配列された一次元アレイ型超音波探触子を用いた超音波探傷方法として、複数の振動子が被探傷材からエコーを受信して得られる探傷信号信号処理を施すことで、被探傷材の一次元アレイ型超音波探触子に対向する方向の断面についての探傷信号の2次元画像である断面画像を生成し、該断面画像を用いてきずを検出する超音波探傷方法が知られている。この断面画像の生成方法としては、例えば、開口合成法ゾーンフォーカス法、ダイナミックデプスフォーカス法等が知られている。この断面画像では、探傷信号の強度(振幅)が画素の濃度として表され、探傷信号の強度が大きいほど画素の濃度が高いのが一般的である。

一方、特許文献1には、一次元アレイ型超音波探触子(特許文献1では、フェイズドアレイ探触子)が具備する各振動子(特許文献1では、エレメント)からの超音波の送受信を制御し、傾斜きずを検出する超音波探傷方法が提案されている。
傾斜きずを精度良く検出するため、特許文献1に記載の超音波探傷方法に上記の開口合成法等の断面画像生成方法を適用することが考えられる。具体的には、例えば、被探傷材が断面略円形であり、被探傷材の軸方向に対して傾斜した方向に延びる傾斜きずを検出する場合には、一次元アレイ型超音波探触子が具備する複数の振動子の配列方向が被探傷材の軸方向に沿うように一次元アレイ型超音波探触子を被探傷材の外面に対向配置した状態で、複数の振動子から被探傷材に対して超音波を送信し、複数の振動子が被探傷材からエコーを受信して得られる探傷信号に信号処理を施すことで、被探傷材の断面についての探傷信号の断面画像を生成し、該断面画像を用いて被探傷材の傾斜きずを検出することが考えられる。

しかしながら、本発明者らが検討したところ、傾斜きずの傾斜角(傾斜きずの延びる方向と被探傷材の予め定めた基準方向との成す角度)に応じて傾斜きずからのエコーが最大強度となる超音波の伝搬経路が異なることや、一次元アレイ型超音波探触子の指向性に起因して、送信した超音波の波面の広がり方向(振動子の配列方向)のエネルギーが不均一であること等の理由により、互いに同じ寸法(長さ、幅、深さ)の傾斜きずであっても、傾斜きずの傾斜角や、一次元アレイ型超音波探触子と傾斜きずとの位置関係に応じて、傾斜きずからのエコー強度が異なり、断面画像における傾斜きずに対応するきず画素領域の濃度が異なることが分かった。これは、前述した例のように、被探傷材が断面略円形であり、被探傷材の軸方向に対して傾斜した方向に延びる傾斜きずを検出する場合に限らず、被探傷材が断面略円形であり、被探傷材の径方向に対して傾斜した方向に延びる傾斜きずを検出する場合も同様である。また、被探傷材が平面視矩形板材であり、被探傷材の長手方向に対して傾斜した方向に延びる傾斜きずを検出する場合や、被探傷材が平面視矩形の板材であり、被探傷材の厚み方向に対して傾斜した方向に延びる傾斜きずを検出する場合も同様である。
被探傷材の品質保証においては、きずの有害度(きずの寸法)に応じて被探傷材の良否判定を行うことが求められる場合も多いが、上記のように、傾斜きずの寸法が互いに同じであるにも関わらず、傾斜きずの傾斜角等に応じて、傾斜きずからのエコー強度が異なったり、きず画素領域の濃度が異なると、傾斜きずを検出するために探傷信号に設定する強度のしきい値や、断面画像に設定する濃度のしきい値を適切に設定することが困難となる。

断面画像におけるきず画素領域の濃度の不均一を補正する方法として、例えば、特許文献2に記載の方法が提案されている。
特許文献2に記載の方法は、振動子配列方向に沿った複数の位置に人工きずを設けた対比試験片を探傷して断面画像を生成し、この断面画像における各人工きずに対応する画素の濃度を用いて補間演算することで、振動子配列方向のきず画素濃度分布推定し、推定したきず画素濃度分布から補正係数分布を取得する。そして、実際の被探傷材について得られた断面画像を、取得した補正係数分布を用いて補正する方法である。

特許文献2に記載の方法を断面画像を用いた傾斜きずの超音波探傷に適用する場合、少なくとも検出対象とする傾斜きずの最大傾斜角までの範囲でそれぞれが異なる傾斜角を有する複数の人工きずを設ける必要がある。設けることが可能な人工きずの傾斜角は有限であるため、人工きずを設けていない傾斜角については補間演算をせざるを得ない。しかしながら、本発明者らが検討したところ、傾斜きずの傾斜角に応じたきず画素領域の濃度変化の傾向は予め予想することが困難であるため、補間演算を精度良く行うことも困難である。傾斜角の異なる多数の人工きずを設けることも考えられるが、キャリブレーションに要する時間の増大や、人工きずを設けるコストの増加等を考えると、現実的ではない。

概要

被探傷材の予め定めた基準方向に対して傾斜した方向に延びる傾斜きずを高精度に検出可能な超音波探傷方法を提供する。無指向性人工きずを設けて形成した第1試験材を準備する工程と、一次元アレイ型超音波探触子1を用いて第1試験材を探傷することで複数の第1試験材探傷データを生成し、該生成した複数の第1試験材探傷データに基づき無指向性人工きずデータを生成する工程と、無指向性人工きずデータに基づき補正係数を算出する工程と、超音波探触子1を用いて被探傷材P1を探傷することで被探傷材探傷データを生成する工程と、被探傷材探傷データに前記算出した補正係数を用いて補正を施すことで、補正後の被探傷材探傷データを生成する工程と、補正後の被探傷材探傷データを用いて被探傷材の傾斜きずを検出する工程とを含む。

目的

本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、一次元アレイ型超音波探触子等の超音波探触子を用いて、被探傷材の予め定めた基準方向に対して傾斜した方向に延びる傾斜きずを高精度に検出可能な超音波探傷方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

被探傷材の予め定めた基準方向に対して傾斜した方向に延びる傾斜きずを検出する超音波探傷方法であって、前記被探傷材と同等の材料に無指向性人工きずを設けて形成した第1試験材を準備する準備工程と、前記第1試験材を探傷することで、第1試験材探傷データを生成する第1試験材探傷データ生成工程と、前記生成した第1試験材探傷データに基づき、無指向性人工きずデータを生成する無指向性人工きずデータ生成工程と、前記生成した無指向性人工きずデータに基づき、補正係数を算出する補正係数算出工程と、前記被探傷材を探傷することで、被探傷材探傷データを生成する被探傷材探傷データ生成工程と、前記生成した被探傷材探傷データに前記算出した補正係数を用いて補正を施すことで、補正後の被探傷材探傷データを生成する補正工程と、前記補正後の被探傷材探傷データを用いて前記被探傷材の傾斜きずを検出する傾斜きず検出工程と、を含むことを特徴とする超音波探傷方法。

請求項2

前記超音波探傷方法は、前記超音波探触子を前記被探傷材の外面に対向配置して前記被探傷材の互いに略直交する2方向に沿って相対移動させ、前記超音波探触子から前記被探傷材に対して超音波を送信し、前記超音波探触子が前記被探傷材からエコーを受信して得られる探傷信号に基づき、前記傾斜きずを検出する超音波探傷方法であって、前記準備工程で準備する前記第1試験材は、前記被探傷材と材質及び断面寸法が同等であり、前記準備工程で前記第1試験材に設けられる無指向性人工きずは、その周縁の接線方向と前記第1試験材の前記基準方向との成す角度が、少なくとも前記傾斜きず検出工程で検出対象とする傾斜きずの最大傾斜角までの範囲で連続的に変化するきずであり、前記第1試験材探傷データ生成工程において、前記超音波探触子を前記第1試験材の外面に対向配置して前記第1試験材の前記互いに略直交する2方向に沿って相対移動させて前記第1試験材を探傷することで、前記第1試験材についての探傷信号から得られる前記第1試験材探傷データを生成し、前記無指向性人工きずデータ生成工程において、前記生成した第1試験材探傷データに基づき、前記無指向性人工きずに対応する探傷信号の強度に関わる前記無指向性人工きずデータを生成し、前記被探傷材探傷データ生成工程において、前記超音波探触子を前記被探傷材の外面に対向配置して前記被探傷材の前記互いに略直交する2方向に沿って相対移動させて前記被探傷材を探傷することで、前記被探傷材についての探傷信号から得られる前記被探傷材探傷データを生成する、ことを特徴とする請求項1に記載の超音波探傷方法。

請求項3

前記準備工程において、前記無指向性人工きずを設けた前記第1試験材に前記被探傷材の検出対象とする傾斜きずを模擬したノッチを更に設け、前記第1試験材探傷データ生成工程において、前記ノッチを更に設けた前記第1試験材を探傷することで、前記ノッチの探傷信号から得られるノッチ探傷データを生成し、前記生成したノッチ探傷データに基づき、前記被探傷材探傷データ生成工程における前記超音波探触子の探傷感度を設定するか、又は、前記傾斜きず検出工程における前記傾斜きずを検出するためのしきい値を設定する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波探傷方法。

請求項4

前記準備工程において、前記被探傷材と材質及び断面寸法が同等の材料に前記被探傷材の検出対象とする傾斜きずを模擬したノッチを設けて形成した第2試験材を準備し、前記超音波探触子を前記第2試験材の外面に対向配置して前記第2試験材の前記互いに略直交する2方向に沿って相対移動させて前記第2試験材を探傷することで、前記第2試験材についての探傷信号から得られる第2試験材探傷データを生成する第2試験材探傷データ生成工程を更に含み、前記生成した第2試験材探傷データに基づき、前記被探傷材探傷データ生成工程における前記超音波探触子の探傷感度を設定するか、又は、前記傾斜きず検出工程における前記傾斜きずを検出するためのしきい値を設定する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波探傷方法。

請求項5

前記第1試験材探傷データ生成工程において、前記第1試験材の断面についての探傷信号に信号処理を施すことで、前記第1試験材探傷データとして、前記第1試験材の断面についての複数の第1試験材断面画像を生成し、前記無指向性人工きずデータ生成工程において、前記生成した複数の第1試験材断面画像を合成することで、前記無指向性人工きずデータとして、無指向性人工きず画像を生成し、前記補正係数算出工程において、前記生成した無指向性人工きず画像における前記無指向性人工きずに対応する合成きず画素領域内の各画素の濃度に補正係数を用いた補正を施した場合に前記合成きず画素領域内の各画素の濃度が互いに同等となる前記補正係数を、前記合成きず画素領域内の各画素毎に算出し、前記被探傷材探傷データ生成工程において、前記被探傷材の断面についての探傷信号に信号処理を施すことで、前記被探傷材探傷データとして、前記被探傷材の断面についての被探傷材断面画像を生成し、前記補正工程において、前記被探傷材断面画像における前記合成きず画素領域に対応する補正画素領域内の各画素の濃度に、前記算出した各画素の補正係数を用いて補正を施すことで、補正後の被探傷材断面画像を生成し、前記傾斜きず検出工程において、前記補正後の被探傷材断面画像を用いて前記被探傷材の傾斜きずを検出する、ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の超音波探傷方法。

請求項6

前記補正係数算出工程において、前記合成きず画素領域内の画素の最大濃度をAとし、前記合成きず画素領域内の各画素の濃度をBとすると、以下の式(1)に基づき、前記合成きず画素領域内の各画素毎に補正係数Xを算出し、前記補正工程において、前記補正画素領域内の各画素の濃度をCとすると、以下の式(2)に基づき、補正後の各画素の濃度Dを算出する、ことを特徴とする請求項5に記載の超音波探傷方法。X=20・log(A/B)・・・(1)D=C・10(X/20)・・・(2)

請求項7

前記第1試験材探傷データ生成工程において、前記第1試験材探傷データとして、所定の探傷条件毎に前記第1試験材の断面についての探傷信号の最大強度を生成し、前記無指向性人工きずデータ生成工程において、前記生成した所定の探傷条件毎の最大強度に基づき、前記無指向性人工きずデータとして、前記所定の各探傷条件と前記無指向性人工きずに対応する探傷信号の各最大強度との対応関係を生成し、前記補正係数算出工程において、前記生成した対応関係における前記無指向性人工きずに対応する探傷信号の各最大強度に補正係数を用いた補正を施した場合に前記各最大強度が互いに同等となる前記補正係数を、前記各探傷条件毎に算出し、前記被探傷材探傷データ生成工程において、前記被探傷材探傷データとして、所定の探傷条件での前記被探傷材の断面についての探傷信号の最大強度を生成し、前記補正工程において、前記所定の探傷条件での前記被探傷材の断面についての探傷信号の最大強度に、前記算出した当該所定の探傷条件の補正係数を用いて補正を施すことで、補正後の探傷信号の最大強度を生成し、前記傾斜きず検出工程において、前記補正後の探傷信号の最大強度を用いて前記被探傷材の傾斜きずを検出する、ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の超音波探傷方法。

請求項8

前記補正係数算出工程において、前記対応関係における前記無指向性人工きずに対応する探傷信号の各最大強度の最大値をAとし、前記対応関係における前記無指向性人工きずに対応する探傷信号の各最大強度をBとすると、以下の式(1)に基づき、前記各探傷条件毎に補正係数Xを算出し、前記補正工程において、前記所定の探傷条件での前記被探傷材の断面についての探傷信号の最大強度をCとすると、当該所定の探傷条件の補正係数Xを用いて、以下の式(2)に基づき、補正後の探傷信号の最大強度Dを算出する、ことを特徴とする請求項7に記載の超音波探傷方法。X=20・log(A/B)・・・(1)D=C・10(X/20)・・・(2)

請求項9

前記被探傷材及び前記第1試験材は、断面略円形であり、前記基準方向は、前記被探傷材及び前記第1試験材の軸方向であり、前記第1試験材探傷データ生成工程において、前記超音波探触子を前記第1試験材の外面に対向配置した状態で、前記超音波探触子を前記第1試験材の軸方向及び周方向に沿って相対移動させて前記第1試験材を探傷し、前記被探傷材探傷データ生成工程において、前記超音波探触子を前記被探傷材の外面に対向配置した状態で、前記超音波探触子を前記被探傷材の軸方向及び周方向に沿って相対移動させて前記被探傷材を探傷する、ことを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の超音波探傷方法。

請求項10

前記被探傷材及び前記第1試験材は、平面視矩形板材であり、前記基準方向は、前記被探傷材及び前記第1試験材の長手方向であり、前記第1試験材探傷データ生成工程において、前記超音波探触子を前記第1試験材の外面に対向配置した状態で、前記超音波探触子を前記第1試験材の長手方向及び短手方向に沿って相対移動させて前記第1試験材を探傷し、前記被探傷材探傷データ生成工程において、前記超音波探触子を前記被探傷材の外面に対向配置した状態で、前記超音波探触子を前記被探傷材の長手方向及び短手方向に沿って相対移動させて前記被探傷材を探傷する、ことを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の超音波探傷方法。

請求項11

前記無指向性人工きずは、前記第1試験材の径方向に延びる断面略円形の穴である、ことを特徴とする請求項9に記載の超音波探傷方法。

請求項12

前記無指向性人工きずは、前記第1試験材の厚み方向に延びる断面略円形の穴である、ことを特徴とする請求項10に記載の超音波探傷方法。

請求項13

前記被探傷材及び前記第1試験材は、断面略円形であり、前記基準方向は、前記被探傷材及び前記第1試験材の径方向であり、前記第1試験材探傷データ生成工程において、前記超音波探触子を前記第1試験材の外面に対向配置した状態で、前記超音波探触子を前記第1試験材の軸方向及び周方向に沿って相対移動させて前記第1試験材を探傷し、前記被探傷材探傷データ生成工程において、前記超音波探触子を前記被探傷材の外面に対向配置した状態で、前記超音波探触子を前記被探傷材の軸方向及び周方向に沿って相対移動させて前記被探傷材を探傷する、ことを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の超音波探傷方法。

請求項14

前記被探傷材及び前記第1試験材は、平面視矩形の板材であり、前記基準方向は、前記被探傷材及び前記第1試験材の厚み方向であり、前記第1試験材探傷データ生成工程において、前記超音波探触子を前記第1試験材の外面に対向配置した状態で、前記超音波探触子を前記第1試験材の長手方向及び短手方向に沿って相対移動させて前記第1試験材を探傷し、前記被探傷材探傷データ生成工程において、前記超音波探触子を前記被探傷材の外面に対向配置した状態で、前記超音波探触子を前記被探傷材の長手方向及び短手方向に沿って相対移動させて前記被探傷材を探傷する、ことを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の超音波探傷方法。

請求項15

前記無指向性人工きずは、前記第1試験材の軸方向に延びる断面略円形の穴である、ことを特徴とする請求項13に記載の超音波探傷方法。

請求項16

前記無指向性人工きずは、前記第1試験材の長手方向に延びる断面略円形の穴である、ことを特徴とする請求項14に記載の超音波探傷方法。

技術分野

0001

本発明は、一次元アレイ型超音波探触子等の超音波探触子を用いて、管など断面略円形の被探傷材や、平面視矩形板材である被探傷材を超音波探傷する方法に関する。特に、本発明は、断面略円形の被探傷材の軸方向など、予め定めた基準方向に対して傾斜した方向に延びる傾斜きずを高精度に検出可能な超音波探傷方法に関する。

背景技術

0002

従来、複数の振動子が一列に配列された一次元アレイ型超音波探触子を用いた超音波探傷方法として、複数の振動子が被探傷材からエコーを受信して得られる探傷信号信号処理を施すことで、被探傷材の一次元アレイ型超音波探触子に対向する方向の断面についての探傷信号の2次元画像である断面画像を生成し、該断面画像を用いてきずを検出する超音波探傷方法が知られている。この断面画像の生成方法としては、例えば、開口合成法ゾーンフォーカス法、ダイナミックデプスフォーカス法等が知られている。この断面画像では、探傷信号の強度(振幅)が画素の濃度として表され、探傷信号の強度が大きいほど画素の濃度が高いのが一般的である。

0003

一方、特許文献1には、一次元アレイ型超音波探触子(特許文献1では、フェイズドアレイ探触子)が具備する各振動子(特許文献1では、エレメント)からの超音波の送受信を制御し、傾斜きずを検出する超音波探傷方法が提案されている。
傾斜きずを精度良く検出するため、特許文献1に記載の超音波探傷方法に上記の開口合成法等の断面画像生成方法を適用することが考えられる。具体的には、例えば、被探傷材が断面略円形であり、被探傷材の軸方向に対して傾斜した方向に延びる傾斜きずを検出する場合には、一次元アレイ型超音波探触子が具備する複数の振動子の配列方向が被探傷材の軸方向に沿うように一次元アレイ型超音波探触子を被探傷材の外面に対向配置した状態で、複数の振動子から被探傷材に対して超音波を送信し、複数の振動子が被探傷材からエコーを受信して得られる探傷信号に信号処理を施すことで、被探傷材の断面についての探傷信号の断面画像を生成し、該断面画像を用いて被探傷材の傾斜きずを検出することが考えられる。

0004

しかしながら、本発明者らが検討したところ、傾斜きずの傾斜角(傾斜きずの延びる方向と被探傷材の予め定めた基準方向との成す角度)に応じて傾斜きずからのエコーが最大強度となる超音波の伝搬経路が異なることや、一次元アレイ型超音波探触子の指向性に起因して、送信した超音波の波面の広がり方向(振動子の配列方向)のエネルギーが不均一であること等の理由により、互いに同じ寸法(長さ、幅、深さ)の傾斜きずであっても、傾斜きずの傾斜角や、一次元アレイ型超音波探触子と傾斜きずとの位置関係に応じて、傾斜きずからのエコー強度が異なり、断面画像における傾斜きずに対応するきず画素領域の濃度が異なることが分かった。これは、前述した例のように、被探傷材が断面略円形であり、被探傷材の軸方向に対して傾斜した方向に延びる傾斜きずを検出する場合に限らず、被探傷材が断面略円形であり、被探傷材の径方向に対して傾斜した方向に延びる傾斜きずを検出する場合も同様である。また、被探傷材が平面視矩形の板材であり、被探傷材の長手方向に対して傾斜した方向に延びる傾斜きずを検出する場合や、被探傷材が平面視矩形の板材であり、被探傷材の厚み方向に対して傾斜した方向に延びる傾斜きずを検出する場合も同様である。
被探傷材の品質保証においては、きずの有害度(きずの寸法)に応じて被探傷材の良否判定を行うことが求められる場合も多いが、上記のように、傾斜きずの寸法が互いに同じであるにも関わらず、傾斜きずの傾斜角等に応じて、傾斜きずからのエコー強度が異なったり、きず画素領域の濃度が異なると、傾斜きずを検出するために探傷信号に設定する強度のしきい値や、断面画像に設定する濃度のしきい値を適切に設定することが困難となる。

0005

断面画像におけるきず画素領域の濃度の不均一を補正する方法として、例えば、特許文献2に記載の方法が提案されている。
特許文献2に記載の方法は、振動子配列方向に沿った複数の位置に人工きずを設けた対比試験片を探傷して断面画像を生成し、この断面画像における各人工きずに対応する画素の濃度を用いて補間演算することで、振動子配列方向のきず画素濃度分布推定し、推定したきず画素濃度分布から補正係数分布を取得する。そして、実際の被探傷材について得られた断面画像を、取得した補正係数分布を用いて補正する方法である。

0006

特許文献2に記載の方法を断面画像を用いた傾斜きずの超音波探傷に適用する場合、少なくとも検出対象とする傾斜きずの最大傾斜角までの範囲でそれぞれが異なる傾斜角を有する複数の人工きずを設ける必要がある。設けることが可能な人工きずの傾斜角は有限であるため、人工きずを設けていない傾斜角については補間演算をせざるを得ない。しかしながら、本発明者らが検討したところ、傾斜きずの傾斜角に応じたきず画素領域の濃度変化の傾向は予め予想することが困難であるため、補間演算を精度良く行うことも困難である。傾斜角の異なる多数の人工きずを設けることも考えられるが、キャリブレーションに要する時間の増大や、人工きずを設けるコストの増加等を考えると、現実的ではない。

先行技術

0007

特開2002−228640号公報
特開2014−55880号公報

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、一次元アレイ型超音波探触子等の超音波探触子を用いて、被探傷材の予め定めた基準方向に対して傾斜した方向に延びる傾斜きずを高精度に検出可能な超音波探傷方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0009

前記課題を解決するため、本発明は、被探傷材の予め定めた基準方向に対して傾斜した方向に延びる傾斜きずを検出する超音波探傷方法であって、以下の各工程を含むことを特徴とする超音波探傷方法を提供する。
(1)準備工程:前記被探傷材と同等の材料に無指向性人工きずを設けて形成した第1試験材を準備する。
(2)第1試験材探傷データ生成工程:前記第1試験材を探傷することで、第1試験材探傷データを生成する。
(3)無指向性人工きずデータ生成工程:前記生成した第1試験材探傷データに基づき、無指向性人工きずデータを生成する。
(4)補正係数算出工程:前記生成した無指向性人工きずデータに基づき、補正係数を算出する。
(5)被探傷材探傷データ生成工程:前記被探傷材を探傷することで、被探傷材探傷データを生成する。
(6)補正工程:前記生成した被探傷材探傷データに前記算出した補正係数を用いて補正を施すことで、補正後の被探傷材探傷データを生成する。
(7)傾斜きず検出工程:前記補正後の被探傷材探傷データを用いて前記被探傷材の傾斜きずを検出する。

0010

具体的には、本発明に係る超音波探傷方法は、前記超音波探触子を前記被探傷材の外面に対向配置して前記被探傷材の互いに略直交する2方向に沿って相対移動させ、前記超音波探触子から前記被探傷材に対して超音波を送信し、前記超音波探触子が前記被探傷材からエコーを受信して得られる探傷信号に基づき、前記傾斜きずを検出する超音波探傷方法である。
前記準備工程で準備する前記第1試験材は、前記被探傷材と材質及び断面寸法が同等である。
前記準備工程で前記第1試験材に設けられる無指向性人工きずは、その周縁の接線方向と前記第1試験材の前記基準方向との成す角度が、少なくとも前記傾斜きず検出工程で検出対象とする傾斜きずの最大傾斜角までの範囲で連続的に変化するきずである。
前記第1試験材探傷データ生成工程において、前記超音波探触子を前記第1試験材の外面に対向配置して前記第1試験材の前記互いに略直交する2方向に沿って相対移動させて前記第1試験材を探傷することで、前記第1試験材についての探傷信号から得られる前記第1試験材探傷データを生成する。
前記無指向性人工きずデータ生成工程において、前記生成した第1試験材探傷データに基づき、前記無指向性人工きずに対応する探傷信号の強度に関わる前記無指向性人工きずデータを生成する。
前記被探傷材探傷データ生成工程において、前記超音波探触子を前記被探傷材の外面に対向配置して前記被探傷材の前記互いに略直交する2方向に沿って相対移動させて前記被探傷材を探傷することで、前記被探傷材についての探傷信号から得られる前記被探傷材探傷データを生成する。

0011

本発明によれば、準備工程において、被探傷材と材質及び断面寸法が同等の材料に無指向性人工きずを設けて形成した第1試験材を準備する。この無指向性人工きずは、その周縁の接線方向と第1試験材の基準方向との成す角度が、少なくとも傾斜きず検出工程で検出対象とする傾斜きずの最大傾斜角までの範囲で連続的に変化するきずである。好ましくは、最大傾斜角よりも十分に大きい範囲で連続的に変化するきずとされる。このため、第1試験材探傷データ生成工程において、超音波探触子で第1試験材を探傷すると、単一の無指向性人工きずであっても、少なくとも検出対象とする傾斜きずの最大傾斜角までの範囲でそれぞれが異なる傾斜角を有する複数の人工きずを設けて探傷した場合と同等の第1試験材探傷データが得られることになる。

0012

次いで、本発明によれば、無指向性人工きずデータ生成工程において、第1試験材探傷データに基づき無指向性人工きずデータを生成し、補正係数算出工程において、生成した無指向性人工きずデータに基づき、補正係数を算出する。すなわち、この補正係数は、それぞれが異なる傾斜角を有する複数の人工きずを設けて探傷した場合と同等の第1試験材探傷データを用いて算出されるため、被探傷材探傷データ生成工程において被探傷材についての探傷信号から生成した被探傷材探傷データに対して、補正工程において前記補正係数を用いた補正を施せば、傾斜きずの傾斜角に関わらず、傾斜きずが互いに同じ寸法であれば、同等の探傷信号の強度を有する被探傷材探傷データに補正できることが期待できる。
したがい、傾斜きず検出工程において、補正後の被探傷材探傷データを用いて被探傷材の傾斜きずを検出する際、しきい値を適切に設定することが可能である。

0013

以上のように、本発明によれば、超音波探触子を用いて、被探傷材の予め定めた基準方向に対して傾斜した方向に延びる傾斜きずを高精度に検出可能である。
なお、本発明の第1試験材探傷データ生成工程では、被探傷材を探傷する際と同等の探傷条件で第1試験材を探傷することが好ましいが、この探傷条件には、以下のような内容を含む。
(1)超音波探触子と材料(被探傷材、第1試験材)の外面との離間距離や、材料の基準方向(軸方向など)から見た超音波の屈折角など、超音波探触子と材料との配置関係
(2)超音波探触子が具備する各振動子の制御方法(各振動子の超音波の送受信タイミングの制御など)。
(3)探傷信号の2次元画像である断面画像を生成する場合には、開口合成法、ゾーンフォーカス法、ダイナミックデプスフォーカス法など、断面画像生成方法の種類。
本発明では、第1試験材探傷データ生成工程において、上記のような探傷条件を被探傷材を探傷する際と同等にして第1試験材を探傷し、第1試験材探傷データを生成することにより、補正の精度を高めることが可能である。
なお、本発明における「傾斜きず」には、傾斜角が0°のきず(すなわち、被探傷材の基準方向に対して平行に延びるきず)も含まれる。

0014

ここで、本発明者らが検討した結果によれば、無指向性人工きずとしての断面略円形の穴を探傷する場合に必要となる超音波探触子の探傷感度(探傷信号の増幅度)と、被探傷材の検出対象とする実際の傾斜きずを探傷する場合に必要となる超音波探触子の探傷感度とは、大きな差があることが分かった。具体的には、断面略円形の穴と実際の傾斜きずとについて同等の強度の探傷信号を得るには、実際の傾斜きずを探傷する場合の超音波探触子の探傷感度を無指向性人工きずを探傷する場合の超音波探触子の探傷感度よりも小さくする必要のあることが分かった。或いは、探傷感度を同等に設定する場合には、実際の傾斜きずを検出するためのしきい値を無指向性人工きずを検出するためのしきい値よりも高める必要のあることが分かった。
したがい、仮に、第1試験材探傷データ生成工程において第1試験材を探傷する(無指向性人工きずを探傷する)際の探傷感度と同じ探傷感度に設定した超音波探触子を用いて、被探傷材探傷データ生成工程において被探傷材を探傷すると、検出する必要のない浅い傾斜きずや傾斜きず以外のノイズを過検出してしまうおそれがある。傾斜きず検出工程において無指向性人工きずを検出するためのしきい値で傾斜きずを検出する場合にも、同様に過検出が生じるおそれがある。

0015

上記のような過検出のおそれを低減するには、前記準備工程において、前記無指向性人工きずを設けた前記第1試験材に前記被探傷材の検出対象とする傾斜きずを模擬したノッチを更に設け、前記第1試験材探傷データ生成工程において、前記ノッチを更に設けた前記第1試験材を探傷することで、前記ノッチの探傷信号から得られるノッチ探傷データを生成し、前記生成したノッチ探傷データに基づき、前記被探傷材探傷データ生成工程における前記超音波探触子の探傷感度を設定するか、又は、前記傾斜きず検出工程における前記傾斜きずを検出するためのしきい値を設定することが好ましい。

0016

上記の好ましい方法によれば、第1試験材に、無指向性人工きずを設けることに加えて傾斜きずを模擬したノッチを設け、この第1試験材を探傷することでノッチの探傷信号から得られるノッチ探傷データを用いて、超音波探触子の探傷感度を設定するか、又は傾斜きずを検出するためのしきい値を設定するため、過検出のおそれを低減可能である。

0017

なお、上記の好ましい方法では、第1試験材に無指向性人工きず及び傾斜きずを模擬したノッチを設けているが、これに限るものではなく、無指向性人工きずを設けた第1試験材とは別にノッチを設けた第2試験材を用意し、この第2試験材を用いて超音波探触子の探傷感度を設定したり、傾斜きずを検出するためのしきい値を設定することも可能である。
すなわち、前記準備工程において、前記被探傷材と材質及び断面寸法が同等の材料に前記被探傷材の検出対象とする傾斜きずを模擬したノッチを設けて形成した第2試験材を準備し、前記超音波探触子を前記第2試験材の外面に対向配置して前記第2試験材の前記互いに略直交する2方向に沿って相対移動させて前記第2試験材を探傷することで、前記第2試験材についての探傷信号から得られる第2試験材探傷データを生成する第2試験材探傷データ生成工程を更に含み、前記生成した第2試験材探傷データに基づき、前記被探傷材探傷データ生成工程における前記超音波探触子の探傷感度を設定するか、又は、前記傾斜きず検出工程における前記傾斜きずを検出するためのしきい値を設定することも可能である。

0018

本発明に係る超音波探傷方法において、探傷信号から得られる断面画像を用いて傾斜きずを検出する場合には、前述の各工程を以下のような手順にすることが好ましい。
すなわち、前記第1試験材探傷データ生成工程において、前記第1試験材の断面についての探傷信号に信号処理を施すことで、前記第1試験材探傷データとして、前記第1試験材の断面についての複数の第1試験材断面画像を生成する。
また、前記無指向性人工きずデータ生成工程において、前記生成した複数の第1試験材断面画像を合成することで、前記無指向性人工きずデータとして、無指向性人工きず画像を生成する。
また、前記補正係数算出工程において、前記生成した無指向性人工きず画像における前記無指向性人工きずに対応する合成きず画素領域内の各画素の濃度に補正係数を用いた補正を施した場合に前記合成きず画素領域内の各画素の濃度が互いに同等となる前記補正係数を、前記合成きず画素領域内の各画素毎に算出する。
また、前記被探傷材探傷データ生成工程において、前記被探傷材の断面についての探傷信号に信号処理を施すことで、前記被探傷材探傷データとして、前記被探傷材の断面についての被探傷材断面画像を生成する。
また、前記補正工程において、前記被探傷材断面画像における前記合成きず画素領域に対応する補正画素領域内の各画素の濃度に、前記算出した各画素の補正係数を用いて補正を施すことで、補正後の被探傷材断面画像を生成する。
さらに、前記傾斜きず検出工程において、前記補正後の被探傷材断面画像を用いて前記被探傷材の傾斜きずを検出する。

0019

上記の好ましい方法によれば、前記第1試験材探傷データ生成工程において、超音波探触子で第1試験材を探傷して第1試験材の断面についての複数の第1試験材断面画像を生成すると、単一の無指向性人工きずであっても、少なくとも検出対象とする傾斜きずの最大傾斜角までの範囲でそれぞれが異なる傾斜角を有する複数の人工きずを設けて探傷した場合と同等の断面画像が得られることになる。また、各第1試験材断面画像は、被探傷材を探傷する場合と同様に、超音波探触子を第1試験材の互いに略直交する2方向に沿って相対移動させて第1試験材を探傷することで生成される。このため、各第1試験材断面画像における無指向性人工きずに対応するきず画素領域の位置も変化し、無指向性人工きずデータ生成工程において、各第1試験材断面画像を合成(例えば、各第1試験材断面画像内の対応する各画素の濃度を加算する処理)して生成される無指向性人工きず画像には、特許文献2のように複数の異なる位置に互いに同じ寸法の人工きずを設けて探傷する場合と同様に、超音波探触子と無指向性人工きずとの位置関係を変更して探傷した場合のきず画素領域(各第1試験材断面画像のきず画素領域が合成された合成きず画素領域)が含まれることになる。

0020

次いで、上記の好ましい方法によれば、補正係数算出工程において、無指向性人工きず画像における無指向性人工きずに対応する合成きず画素領域内の各画素の濃度に補正係数を用いた補正を施した場合に合成きず画素領域内の各画素の濃度が互いに同等となる補正係数を、合成きず画素領域内の各画素毎に算出する。すなわち、この補正係数を用いて合成きず画素領域内の各画素の濃度を補正すれば、種々の傾斜角を有する人工きず(無指向性人工きず)であっても、また、超音波探触子と無指向性人工きずとの位置関係に関わらず、互いに同じ無指向性人工きずであれば、合成きず画素領域内の各画素が同等の濃度になることになる。

0021

そして、上記の好ましい方法によれば、被探傷材探傷データ生成工程において、超音波探触子を被探傷材の互いに略直交する2方向に沿って相対移動させて被探傷材を探傷することで、被探傷材の断面についての被探傷材断面画像を生成し、補正工程において、被探傷材断面画像における合成きず画素領域に対応する補正画素領域内の各画素の濃度に、補正係数算出工程で算出した各画素の補正係数を用いて補正を施す。このため、補正後の被探傷材断面画像における補正画素領域内に傾斜きずに対応する画素領域が存在した場合、この傾斜きずの傾斜角に関わらず、また、超音波探触子と傾斜きずとの位置関係に関わらず(補正後の被探傷材断面画像における傾斜きずに対応する画素領域の位置に関わらず)、傾斜きずが互いに同じ寸法であれば、同等の濃度になることが期待できる。
したがい、傾斜きず検出工程において、補正後の被探傷材断面画像を用いて被探傷材の傾斜きずを検出する際、補正後の被探傷材断面画像に設定する濃度のしきい値を適切に設定することが可能である。

0022

上記の好ましい方法において、更に好ましくは、前記補正係数算出工程において、前記合成きず画素領域内の画素の最大濃度をAとし、前記合成きず画素領域内の各画素の濃度をBとすると、以下の式(1)に基づき、前記合成きず画素領域内の各画素毎に補正係数Xを算出し、前記補正工程において、前記補正画素領域内の各画素の濃度をCとすると、以下の式(2)に基づき、補正後の各画素の濃度Dを算出する。
X=20・log(A/B) ・・・(1)
D=C・10(X/20) ・・・(2)

0023

上記の更に好ましい方法によれば、例えば、合成きず画素領域内にある一の画素の濃度Bが最大濃度Aに等しい(すなわち、B=Aである)場合、式(1)により、補正係数X=0となり、式(2)により、D=Cとなる。すなわち、補正画素領域内の当該一の画素に対応する画素の濃度は補正前後で変化しないことになる。一方、合成きず画素領域内にある他の画素の濃度Bが最大濃度Aの1/10である(すなわち、B=0.1Aである)場合、式(1)により、補正係数X=20となり、式(2)により、D=10・Cとなる。すなわち、補正前の濃度を10倍にする補正が施されることになる。換言すれば、合成きず画素領域内にある画素の濃度を全て最大濃度Aに統一するような補正が、被探傷材断面画像における補正画素領域内の各画素に施されることになる。このため、被探傷材に存在する傾斜きずが互いに同じ寸法であれば、補正画素領域内の当該傾斜きずに対応する画素領域の濃度が同等になり、精度良く傾斜きずを検出可能になることが期待できる。

0024

本発明に係る超音波探傷方法において、探傷信号から得られる断面画像を用いずに、探傷信号そのものを用いて傾斜きずを検出する場合には、前述の各工程を以下のような手順にすることが好ましい。
すなわち、前記第1試験材探傷データ生成工程において、前記第1試験材探傷データとして、所定の探傷条件毎に前記第1試験材の断面についての探傷信号の最大強度を生成する。
また、前記無指向性人工きずデータ生成工程において、前記生成した所定の探傷条件毎の最大強度に基づき、前記無指向性人工きずデータとして、前記所定の各探傷条件と前記無指向性人工きずに対応する探傷信号の各最大強度との対応関係を生成する。
また、前記補正係数算出工程において、前記生成した対応関係における前記無指向性人工きずに対応する探傷信号の各最大強度に補正係数を用いた補正を施した場合に前記各最大強度が互いに同等となる前記補正係数を、前記各探傷条件毎に算出する。
また、前記被探傷材探傷データ生成工程において、前記被探傷材探傷データとして、所定の探傷条件での前記被探傷材の断面についての探傷信号の最大強度を生成する。
また、前記補正工程において、前記所定の探傷条件での前記被探傷材の断面についての探傷信号の最大強度に、前記算出した当該所定の探傷条件の補正係数を用いて補正を施すことで、補正後の探傷信号の最大強度を生成する。
さらに、前記傾斜きず検出工程において、前記補正後の探傷信号の最大強度を用いて前記被探傷材の傾斜きずを検出する。

0025

上記の好ましい方法によれば、補正工程において、所定の探傷条件での被探傷材の断面についての探傷信号の最大強度に、当該所定の探傷条件の補正係数を用いて補正を施すことで、傾斜きずの傾斜角に関わらず、傾斜きずが互いに同じ寸法であれば、同等の探傷信号の最大強度になることが期待できる。
したがい、傾斜きず検出工程において、補正後の探傷信号の最大強度を用いて被探傷材の傾斜きずを検出する際、補正後の最大強度に設定する強度のしきい値を適切に設定することが可能である。
なお、上記の好ましい方法において、第1試験材探傷データ生成工程で「所定の探傷条件毎に前記第1試験材の断面についての探傷信号の最大強度を生成する」際の所定の探傷条件としては、超音波探触子が一次元アレイ型超音波探触子であり、この一次元アレイ型超音波探触子をセクタースキャンする際の超音波の波面の偏向角を例示できる。

0026

上記の好ましい方法において、更に好ましくは、前記補正係数算出工程において、前記対応関係における前記無指向性人工きずに対応する探傷信号の各最大強度の最大値をAとし、前記対応関係における前記無指向性人工きずに対応する探傷信号の各最大強度をBとすると、以下の式(1)に基づき、前記各探傷条件毎に補正係数Xを算出し、前記補正工程において、前記所定の探傷条件での前記被探傷材の断面についての探傷信号の最大強度をCとすると、当該所定の探傷条件の補正係数Xを用いて、以下の式(2)に基づき、補正後の探傷信号の最大強度Dを算出する。
X=20・log(A/B) ・・・(1)
D=C・10(X/20) ・・・(2)

0027

上記の更に好ましい方法によれば、被探傷材に存在する傾斜きずが互いに同じ寸法であれば、補正後の探傷信号の最大強度が同等になり、精度良く傾斜きずを検出可能になることが期待できる。

0028

本発明に係る超音波探傷方法を断面略円形の被探傷材に適用し、被探傷材の軸方向に対して傾斜した傾斜きずを検出する場合、前述の各工程を以下のような手順にすることが好ましい。
すなわち、前記被探傷材及び前記第1試験材は、断面略円形であり、前記基準方向は、前記被探傷材及び前記第1試験材の軸方向である場合、
前記第1試験材探傷データ生成工程において、前記超音波探触子を前記第1試験材の外面に対向配置した状態で、前記超音波探触子を前記第1試験材の軸方向及び周方向に沿って相対移動させて前記第1試験材を探傷する。
また、前記被探傷材探傷データ生成工程において、前記超音波探触子を前記被探傷材の外面に対向配置した状態で、前記超音波探触子を前記被探傷材の軸方向及び周方向に沿って相対移動させて前記被探傷材を探傷する。

0029

そして、上記の好ましい方法において、前記無指向性人工きずは、前記第1試験材の径方向(第1試験材が管である場合は肉厚方向)に延びる断面略円形の穴であることが更に好ましい。

0030

断面略円形の穴は、その周縁の接線方向が360°連続的に変化する。このため、傾斜きず検出工程で検出対象とする傾斜きずの最大傾斜角が如何なる値であろうとも、断面略円形の穴の周縁の接線方向と第1試験材の基準方向(軸方向)との成す角度は、傾斜きず検出工程で検出対象とする傾斜きずの最大傾斜角までの範囲で連続的に変化することになる。断面略円形の穴は、容易に加工できる点で、第1試験材に設ける無指向性人工きずとして好ましい。

0031

また、本発明に係る超音波探傷方法を平面視矩形の板材である被探傷材に適用し、被探傷材の長手方向に対して傾斜した傾斜きずを検出する場合、前述の各工程を以下のような手順にすることが好ましい。
すなわち、前記被探傷材及び前記第1試験材は、平面視矩形の板材であり、前記基準方向は、前記被探傷材及び前記第1試験材の長手方向である場合、
前記第1試験材探傷データ生成工程において、前記超音波探触子を前記第1試験材の外面に対向配置した状態で、前記超音波探触子を前記第1試験材の長手方向及び短手方向に沿って相対移動させて前記第1試験材を探傷する。
また、前記被探傷材探傷データ生成工程において、前記超音波探触子を前記被探傷材の外面に対向配置した状態で、前記超音波探触子を前記被探傷材の長手方向及び短手方向に沿って相対移動させて前記被探傷材を探傷する。

0032

そして、上記の好ましい方法において、前記無指向性人工きずは、前記第1試験材の厚み方向に延びる断面略円形の穴であることが更に好ましい。

0033

また、本発明に係る超音波探傷方法を断面略円形の被探傷材に適用し、被探傷材の径方向に対して傾斜した傾斜きずを検出する場合、前述の各工程を以下のような手順にすることが好ましい。
すなわち、前記被探傷材及び前記第1試験材は、断面略円形であり、前記基準方向は、前記被探傷材及び前記第1試験材の径方向である場合、
前記第1試験材探傷データ生成工程において、前記超音波探触子を前記第1試験材の外面に対向配置した状態で、前記超音波探触子を前記第1試験材の軸方向及び周方向に沿って相対移動させて前記第1試験材を探傷する。
また、前記被探傷材探傷データ生成工程において、前記超音波探触子を前記被探傷材の外面に対向配置した状態で、前記超音波探触子を前記被探傷材の軸方向及び周方向に沿って相対移動させて前記被探傷材を探傷する。

0034

そして、上記の好ましい方法において、前記無指向性人工きずは、前記第1試験材の軸方向に延びる断面略円形の穴であることが更に好ましい。

0035

さらに、本発明に係る超音波探傷方法を平面視矩形の板材である被探傷材に適用し、被探傷材の厚み方向に対して傾斜した傾斜きずを検出する場合、前述の各工程を以下のような手順にすることが好ましい。
すなわち、前記被探傷材及び前記第1試験材は、平面視矩形の板材であり、前記基準方向は、前記被探傷材及び前記第1試験材の厚み方向である場合、
前記第1試験材探傷データ生成工程において、前記超音波探触子を前記第1試験材の外面に対向配置した状態で、前記超音波探触子を前記第1試験材の長手方向及び短手方向に沿って相対移動させて前記第1試験材を探傷する。
また、前記被探傷材探傷データ生成工程において、前記超音波探触子を前記被探傷材の外面に対向配置した状態で、前記超音波探触子を前記被探傷材の長手方向及び短手方向に沿って相対移動させて前記被探傷材を探傷する。

0036

そして、上記の好ましい方法において、前記無指向性人工きずは、前記第1試験材の長手方向に延びる断面略円形の穴であることが更に好ましい。

発明の効果

0037

本発明によれば、一次元アレイ型超音波探触子等の超音波探触子を用いて、被探傷材の予め定めた基準方向に対して傾斜した方向に延びる傾斜きずを高精度に検出可能である。

図面の簡単な説明

0038

本発明の第1実施形態に係る超音波探傷方法に用いる超音波探傷装置概略構成を示す模式図である。
評価試験において、内面に設けた各傾斜きずを探傷した際に生成された断面画像の例を示す。
図2に示す各断面画像における傾斜きずに対応するきず画素領域F内の画素の最大濃度と、傾斜きずの傾斜角θとの関係を示す図である。
第1試験材探傷データ生成工程における複数の第1試験材断面画像生成手順を説明する説明図である。
第1試験材探傷データ生成工程で生成する複数の第1試験材断面画像の例を示す。
無指向性人工きず画像の例を示す。
補正係数算出工程の手順を説明する説明図である。
補正工程の手順を説明する説明図である。
第1実施形態に係る超音波探傷方法による補正の効果を確認する試験の条件及び方法を説明する説明図である。
図9に示す試験の結果を示す図である。
第2実施形態に係る超音波探傷方法による補正の効果を確認する試験の条件及び方法、並びに第1試験材探傷データ生成工程の結果の例を示す図である。
図11に示す試験の結果を示す図である。

実施例

0039

以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明の実施形態に係る超音波探傷方法について説明する。第1実施形態では、探傷信号から得られる断面画像を用いて傾斜きずを検出する場合について、第2実施形態では、探傷信号から得られる断面画像を用いずに、探傷信号そのものを用いて傾斜きずを検出する場合について、それぞれ説明する。

0040

<第1実施形態>
まず、第1実施形態に係る超音波探傷方法に用いる超音波探傷装置の構成について説明する。
[第1実施形態に係る超音波探傷装置の構成]
図1は、本発明の第1実施形態に係る超音波探傷方法に用いる超音波探傷装置の概略構成を示す模式図である。図1では、被探傷材及び第1試験材が断面略円形の管であり、軸方向に対して傾斜した方向に延びる傾斜きずを検出する(基準方向が被探傷材及び第1試験材の軸方向である)場合を例に挙げて図示している。図1(a)は管の軸方向から見た図を、図1(b)は管の軸方向に略直交する方向から見た斜視正面図を示す。
図1に示すように、本実施形態に係る超音波探傷装置100は、一列に配列された複数の振動子10を具備する一次元アレイ型超音波探触子(以下、適宜、「超音波探触子」と略称する)1と、制御・信号処理手段2とを備えている。

0041

超音波探触子1は、複数の振動子10の配列方向が被探傷材P1の軸方向(図1のX方向)に沿うように、被探傷材P1の外面に対向配置される。具体的には、超音波探触子1は、例えば、被探傷材P1と共に、水などの接触媒質が溜められた槽内に配置される。これにより、超音波探触子1が具備する各振動子10から送信された超音波は、接触媒質を介して被探傷材P1に入射され、被探傷材P1からのエコーは、接触媒質を介して各振動子10に受信される。

0042

超音波探触子1は、適宜の駆動機構(図示せず)によって、被探傷材P1の軸方向及び周方向に沿って相対移動し、これにより、被探傷材P1の全面が探傷される。具体的には、超音波探触子1は、例えば、一軸ステージに取り付けられており、一軸ステージが駆動することによって、被探傷材P1の軸方向に沿って移動する。一方、被探傷材P1は、例えば、被探傷材P1の下方に配置された回転ローラによって支持され、回転ローラが回転することによって周方向に回転する。超音波探触子1が被探傷材P1の軸方向に沿って移動すると共に、被探傷材P1が周方向に回転することにより、超音波探触子1の探傷範囲は被探傷材P1の軸方向に沿って螺旋状に移動することになる。この際、超音波探触子1の移動速度及び被探傷材P1の回転速度は、螺旋状に移動する超音波探触子1の探傷範囲が被探傷材P1の外面全体カバーできるように(未探傷領域が生じないように)設定され、これにより被探傷材P1の全面を探傷可能とされている。
なお、上記の例では、超音波探触子1が被探傷材P1の軸方向に沿って移動し、被探傷材P1が周方向に回転する場合について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、超音波探触子1が被探傷材P1の周方向に沿って回転し、被探傷材P1が軸方向に移動する態様や、超音波探触子1の位置を固定し、被探傷材P1が周方向に回転しながら軸方向に移動する態様や、被探傷材P1の位置を固定し、超音波探触子1が被探傷材P1の周方向に沿って回転しながら被探傷材P1の軸方向に沿って移動する態様など、超音波探触子1が被探傷材P1に対して被探傷材P1の軸方向及び周方向に沿って相対移動する限りにおいて、種々の態様を採用可能である。

0043

制御・信号処理手段2は、超音波探触子1が具備する各振動子10からの超音波の送受信を制御すると共に、各振動子10が被探傷材P1からエコーを受信して得られる探傷信号に信号処理を施すことで、被探傷材P1の断面についての探傷信号の断面画像(例えば、開口合成像)を生成し、該断面画像を用いて被探傷材P1の軸方向に対して傾斜した方向に延びる傾斜きずを検出する。

0044

制御・信号処理手段2は、一次元アレイ型超音波探触子を用いた一般的な超音波探傷装置でも慣用されている、超音波を送受信する振動子10の選択・切り替えを行う(一度に使用する振動子10の選択・切り替えを行う)スイッチング回路や、選択された振動子10から超音波を送信させるためのパルサー、選択された振動子10に被探傷材P1からのエコーを受信させるためのレシーバー、レシーバーから出力される探傷信号を増幅する増幅器、増幅器から出力された探傷信号をデジタルデータに変換するA/D変換器など、一般的な超音波探傷装置と同様の公知の構成要素を具備する。また、制御・信号処理手段2は、パルサー、レシーバー及びA/D変換器に接続された汎用パーソナルコンピュータを具備する。このパーソナルコンピュータには、A/D変換器からデジタルデータが入力されると共に、パルサー及びレシーバーを制御(各振動子10の超音波の送受信タイミングの制御など)したり、入力されたデジタルデータを2次元画像化する演算開口合成演算など)を行うための所定のプログラムインストールされている。また、このパーソナルコンピュータは、2次元画像である断面画像を表示するためのモニターを具備する。

0045

なお、第1実施形態に係る超音波探傷装置100では、図1に示すように、超音波探触子1の被探傷材P1に対向する側と反対側に超音波の仮想集束点Cが位置するように、制御・信号処理手段2によって各振動子10の送信タイミングが制御されることで、超音波探触子1から被探傷材P1に対して扇形の波面の超音波が一度に送信される場合を例に挙げる。また、制御・信号処理手段2が行う2次元画像化の手法が開口合成法である場合を例に挙げる。

0046

以上に説明した構成を有する超音波探傷装置100を用いて、第1実施形態に係る超音波探傷方法は実行される。以下、第1実施形態に係る超音波探傷方法について説明する。

0047

[第1実施形態に係る超音波探傷方法の内容]
最初に、超音波探傷装置100を用いて、傾斜角度の異なる複数の傾斜きずを探傷して得られた断面画像を、補正せずにそのまま評価した結果について説明する。
被探傷材P1(外径:193.7mm、肉厚:12.7mmの管)の内面及び外面に、傾斜きずとして、傾斜角θ=0°、15°、30°、45°のノッチ(長さ:12.7mm、深さ:被探傷材P1の肉厚の5%)を設け、超音波探傷装置100を用いて、静止した状態の被探傷材P1の各傾斜きずを探傷し、断面画像(開口合成像)を生成した。

0048

図2は、上記の評価試験において、内面に設けた各傾斜きずを探傷した際に生成された断面画像の例を示す。図2(a)は傾斜角θ=0°の傾斜きずを探傷した際に生成された断面画像を、図2(b)は傾斜角θ=15°の傾斜きずを探傷した際に生成された断面画像を、図2(c)は傾斜角θ=30°の傾斜きずを探傷した際に生成された断面画像を、図2(d)は傾斜角θ=45°の傾斜きずを探傷した際に生成された断面画像を示す。各断面画像の横軸は被探傷材P1の軸方向位置を、縦軸は被探傷材P1の肉厚方向位置を示す。なお、図2に示す断面画像は、実際には、制御・信号処理手段2が具備するモニターにおいて、各画素の濃度に応じて異なる色が付されて表示されている。本明細書に添付の図2モノクロ表示であるため分かり難いが、傾斜きずに対応するきず画素領域F内の画素の濃度は他の画素領域内の画素の濃度に比べて高くなっており、その高い濃度に対応する色が色付けされている。後述の図5図6図7図8についても同様である。
図3は、図2に示す各断面画像における傾斜きずに対応するきず画素領域F内の画素の最大濃度と、傾斜きずの傾斜角θとの関係を示す図である。図3の縦軸であるきず画素領域F内の画素の最大濃度は、傾斜きずの傾斜角θ=0°の場合の最大濃度を基準にして、dB単位に換算している。なお、図3には、外面に設けた各傾斜きずを探傷した場合の同様の結果についても図示している。

0049

図3に示すように、互いに同じ寸法の傾斜きずであっても、傾斜きずの傾斜角θに応じて、断面画像における傾斜きずに対応するきず画素領域Fの濃度が異なることが分かる。また、傾斜きずの傾斜角θに応じたきず画素領域Fの濃度変化の傾向は予め予想することが困難であることが分かる。したがい、傾斜きずを検出するために断面画像に設定する濃度のしきい値を適切に設定することが困難である。
このため、第1実施形態に係る超音波探傷方法では、傾斜きずが互いに同じ寸法であれば、断面画像におけるきず画素領域が同等の濃度になるように、以下に説明する工程を含むことを特徴としている。

0050

第1実施形態に係る超音波探傷方法は、少なくとも、準備工程と、第1試験材探傷データ生成工程と、無指向性人工きずデータ生成工程と、補正係数算出工程と、被探傷材探傷データ生成工程と、補正工程と、傾斜きず検出工程と、を含む。以下、各工程について、順次説明する。

0051

(準備工程)
準備工程では、被探傷材P1と材質及び断面寸法(外径、内径)が同等の材料に無指向性人工きずを設けて形成した管である第1試験材を準備する。この第1試験材に設けられる無指向性人工きずは、その周縁の接線方向と第1試験材の基準方向(軸方向)との成す角度が、少なくとも後述の傾斜きず検出工程で検出対象とする傾斜きずの最大傾斜角θmaxまでの範囲で連続的に変化するきずである。より具体的には、超音波探触子1を用いて第1試験材を探傷する際に、きずに入射する超音波の波面に直交する方向から見たきずの周縁が、その接線方向が上記のように変化するきずである。例えば、傾斜きずの最大傾斜角θmax(絶対値)が45°であるとすれば、準備工程では、無指向性人工きずの周縁の接線方向と第1試験材の基準方向(軸方向)との成す角度θfが、少なくとも−45°≦θf≦45°の範囲で連続的に変化するようなきずを設けることを意味する。

0052

上記のような無指向性人工きずとしては、例えば、第1試験材の径方向(肉厚方向)に延びる断面略円形の穴が好適に用いられる。断面略円形の穴は、その周縁の接線方向が360°連続的に変化する。このため、後述の傾斜きず検出工程で検出対象とする傾斜きずの最大傾斜角θmaxが如何なる値であろうとも、断面略円形の穴の周縁の接線方向と第1試験材の基準方向(軸方向)との成す角度は、最大傾斜角θmaxまでの範囲で連続的に変化することになる。断面略円形の穴は、容易に加工できる点で、第1試験材に設ける無指向性人工きずとして好ましい。ただし、本発明の準備工程で第1試験材に設ける無指向性人工きずは、これに限られるものではなく、断面略半円形の穴など、種々の人工きずを無指向性人工きずとして設けることが可能である。

0053

なお、本実施形態では、好ましい方法として、準備工程において、無指向性人工きずを設けた第1試験材に被探傷材P1の検出対象とする傾斜きずを模擬したノッチを更に設ける。具体的には、例えば、第1試験材の無指向性人工きずを設けた部位とは別の部位に、検出対象とする傾斜きずの最大傾斜角θmaxの範囲の傾斜角θ(例えば、θ=0°、45°など)を有するノッチを少なくとも1つ設ける。

0054

(第1試験材探傷データ生成工程)
図4は、第1試験材探傷データ生成工程における複数の第1試験材断面画像生成手順を説明する説明図である。図4は、超音波探触子1と第1試験材P2との対向方向(本実施形態では上下方向)から見た図である。
第1試験材探傷データ生成工程では、図4に示すように、超音波探触子1を第1試験材P2の外面に対向配置して第1試験材P2の軸方向及び周方向に沿って相対移動させて第1試験材P2を探傷することで、第1試験材P2の断面についての探傷信号から得られる第1試験材探傷データとしての複数の第1試験材断面画像を生成する。具体的には、無指向性人工きず(本実施形態では、第1試験材P2の内面から肉厚方向に延びる断面略円形の穴)に対応するきず画素領域が何れの断面画像にも存在するように、超音波探触子1を第1試験材P2の軸方向及び周方向に沿って相対移動させて第1試験材P2を探傷する。これにより、制御・信号処理手段2によって第1試験材P2の断面についての複数の2次元画像である第1試験材断面画像を生成する。すなわち、超音波探触子1の各相対移動位置において第1試験材断面画像を生成し、超音波探触子1の相対移動位置を順次変更することで複数の第1試験材断面画像を得る。

0055

この際、第1試験材P2は、被探傷材P1を探傷する際と同等の探傷条件で探傷する。具体的には、超音波探触子1と第1試験材P2の外面との離間距離を、被探傷材P1を探傷する際の超音波探触子1と被探傷材P1の外面との離間距離と同等に設定する。また、第1試験材P2の軸方向から見た超音波の屈折角を、被探傷材P1を探傷する際の被探傷材P1の軸方向から見た超音波の屈折角(図1(a)に示す角度α)と同等に設定する。また、制御・信号処理手段2における各振動子10の制御方法(各振動子10の超音波の送受信タイミングの制御など)を同等にし、超音波探触子1から第1試験材P2に対して扇形の波面の超音波が一度に送信されるように設定する。さらに、被探傷材P1を探傷する際と同様に、制御・信号処理手段2において探傷信号を2次元画像化する手法として開口合成法を用いる。なお、開口合成法の具体的内容については、例えば、特開2014−55885号公報に記載のような公知の方法を適用可能であるため、ここではその詳細な説明を省略する。

0056

ただし、第1試験材探傷データ生成工程で生成する第1試験材断面画像は、後述のように、合成して補正係数の算出に用いるものである。このため、各第1試験材断面画像における無指向性人工きずに対応するきず画素領域の位置が小さいピッチで変化するように、超音波探触子1を第1試験材P2の軸方向及び周方向に沿って相対移動させる速度を、被探傷材P1を探傷する際の速度よりも低速にすることが好ましい。或いは、超音波探触子1を第1試験材P2の軸方向及び周方向に沿って間欠的に(移動と停止とを繰り返すように)相対移動させる場合には、第1試験材断面画像を生成する停止位置のピッチを小さくすることが好ましい。

0057

図5は、第1試験材探傷データ生成工程で生成する複数の第1試験材断面画像の例を示す。各第1試験材断面画像の横軸は第1試験材の軸方向位置を、縦軸は第1試験材の肉厚方向位置を示す。図5に示すように、各第1試験材断面画像は、超音波探触子1を第1試験材の軸方向及び周方向に沿って相対移動させて第1試験材を探傷することで生成されるため、各第1試験材断面画像における無指向性人工きずに対応するきず画素領域Fの位置も超音波探触子1の相対移動位置に応じて変化することになる。

0058

本実施形態では、好ましい方法として、第1試験材探傷データ生成工程において、ノッチを更に設けた第1試験材を探傷することで、ノッチの探傷信号から得られるノッチ探傷データを生成する。具体的には、無指向性人工きずの場合と同様に、超音波探触子1を第1試験材の外面に対向配置して第1試験材の軸方向及び周方向に沿って相対移動させて第1試験材を探傷することで、第1試験材に設けられたノッチの探傷信号から得られるノッチ探傷データとしての複数のノッチ断面画像を生成する。より具体的には、準備工程で設けた傾斜きずを模擬したノッチに対応する画素領域が何れの断面画像にも存在するように、超音波探触子1を第1試験材の軸方向及び周方向に沿って相対移動させて第1試験材を探傷する。これにより、制御・信号処理手段2によって第1試験材の断面についての複数の2次元画像であるノッチ断面画像を生成する。すなわち、超音波探触子1の各相対移動位置においてノッチ断面画像を生成し、超音波探触子1の相対移動位置を順次変更することで複数のノッチ断面画像を得る。

0059

第1試験材探傷データ生成工程において、ノッチ断面画像を生成する際、超音波探触子1の探傷感度を適宜変更し、各探傷感度で生成されたノッチ断面画像を比較することにより、ノッチを検出するのに適した探傷感度を特定する。或いは、超音波探触子1の探傷感度は一定のままとし、生成されたノッチ断面画像においてノッチを検出するのに適したしきい値を特定する。

0060

(無指向性人工きずデータ生成工程)
無指向性人工きずデータ生成工程では、生成した複数の第1試験材探傷データに基づき、無指向性人工きずに対応する探傷信号の強度に関わる無指向性人工きずデータを生成する。具体的には、本実施形態では、制御・信号処理手段2によって図5に示すような複数の第1試験材断面画像を合成する(各第1試験材断面画像内の対応する各画素の濃度を加算する)ことで、図6に示すような無指向性人工きずデータとしての無指向性人工きず画像を生成する。無指向性人工きず画像の横軸は第1試験材の軸方向位置を、縦軸は第1試験材の肉厚方向位置を示す。図6に符号FTで示す領域が、無指向性人工きず画像における無指向性人工きずに対応する合成きず画素領域である。合成きず画素領域FTは、後述のように、補正係数の算出に用いるものであるため、無指向性人工きず画像の横軸方向にも縦軸方向にもできるだけ広がっていることが好ましい。合成きず画素領域FTの横軸方向の広がりは、各第1試験材断面画像を生成する際の超音波探触子1の第1試験材の軸方向に沿った相対移動距離の範囲に応じて変化し、合成きず画素領域FTの縦軸方向の広がりは、各第1試験材断面画像を生成する際の超音波探触子1の第1試験材の周方向に沿った相対移動距離の範囲に応じて変化する。したがい、無指向性人工きず画像における合成きず画素領域FTが無指向性人工きず画像の横軸方向にも縦軸方向にもできるだけ広がるように、第1試験材の軸方向及び周方向に沿った超音波探触子1の相対移動距離の範囲を設定することが好ましい。

0061

(補正係数算出工程)
補正係数算出工程では、生成した無指向性人工きずデータ(無指向性人工きず画像)に基づき、補正係数を算出する。具体的には、無指向性人工きず画像における合成きず画素領域FT内の各画素の濃度に補正係数を用いた補正を施した場合に合成きず画素領域FT内の各画素の濃度が互いに同等となる前記補正係数を、制御・信号処理手段2が合成きず画素領域FT内の各画素毎に算出する。以下、より具体的に説明する。

0062

図7は、補正係数算出工程の手順を説明する説明図である。図7(a)は無指向性人工きず画像の例を、図7(b)は合成きず画素領域FTを抽出した例を、図7(c)は合成きず画素領域FT内の各画素の補正係数を画像で表示した例を示す。
図7に示すように、本実施形態の補正係数算出工程では、図7(a)に示す無指向性人工きず画像の各画素のうち、所定のしきい値を超える濃度を有する画素を合成きず画素領域FTとして抽出し、残りの画素をノイズ成分として濃度を0にする(図7(b))。なお、図7(b)では、合成きず画素領域FT以外の画素(図7(b)の上方に位置する画素)も抽出されているが、本例では、管の内面近傍が探傷範囲と予め設定されており、抽出された合成きず画素領域FT以外の画素は探傷範囲外であるため、補正係数算出には使用しない。
そして、本実施形態の補正係数算出工程では、抽出した合成きず画素領域FT内の画素の最大濃度をAとし、合成きず画素領域FT内の各画素の濃度をBとすると、以下の式(1)に基づき、合成きず画素領域FT内の各画素毎に補正係数Xを算出する。
X=20・log(A/B) ・・・(1)

0063

図7(c)は、上記の式(1)に基づき合成きず画素領域FT内の各画素毎に算出した補正係数Xを所定の換算式に従い各画素の濃度に換算して表示している。なお、探傷範囲(本例では管の内面近傍)内の画素であって且つ合成きず画素領域FT外の画素については、上記の式(1)で表わされる補正係数Xは算出せずに、後述の補正工程において補正後の濃度が全て0となるように補正する。
算出された補正係数Xは、制御・信号処理手段2に記憶される。

0064

(被探傷材探傷データ生成工程)
被探傷材探傷データ生成工程では、超音波探触子1を被探傷材P1の外面に対向配置して被探傷材P1の軸方向及び周方向に沿って相対移動させて被探傷材P1を探傷することで、制御・信号処理手段2によって被探傷材P1の断面についての探傷信号から得られる被探傷材探傷データを生成する。すなわち、本実施形態では、被探傷材P1の断面についての2次元画像である被探傷材断面画像を生成する。
前述の第1試験材探傷データ生成工程において、ノッチを検出するのに適した探傷感度を特定した場合、被探傷材探傷データ生成工程では、超音波探触子1の探傷感度として、この特定した探傷感度を用いる。すなわち、第1試験材探傷データ生成工程で特定した探傷感度を設定した超音波探触子1で被探傷材P1を探傷する。

0065

(補正工程)
補正工程では、生成した被探傷材探傷データ(被探傷材断面画像)に算出した補正係数を用いて補正を施すことで、補正後の被探傷材探傷データ(被探傷材断面画像)を生成する。具体的には、制御・信号処理手段2によって、被探傷材P1の被探傷材断面画像における合成きず画素領域FTに対応する補正画素領域内の各画素の濃度に、補正係数算出工程で算出した各画素の補正係数Xを用いて補正を施すことで、補正後の被探傷材断面画像を生成する。被探傷材P1の被探傷材断面画像は、超音波探触子1の相対移動に伴って逐次生成されるため、補正後の被探傷材断面画像も逐次生成されることになる。以下、補正工程について、より具体的に説明する。

0066

図8は、補正工程の手順を説明する説明図である。図8(a)は被探傷材P1の被探傷材断面画像の例を、図8(b)は補正後の被探傷材断面画像の例を示す。
本実施形態の補正工程では、図8(a)に示す被探傷材断面画像における補正画素領域(図7に示す合成きず画素領域FTと同座標に位置する画素領域)内の各画素の濃度に、補正係数算出工程で算出され記憶されている各画素の補正係数を用いて制御・信号処理手段2が補正を施し、図8(b)に示す補正後の被探傷材断面画像を生成する。本実施形態の補正工程では、補正画素領域内の各画素の濃度をCとすると、以下の式(2)に基づき、補正後の各画素の濃度Dを算出する、
D=C・10(X/20) ・・・(2)
なお、実際には、制御・信号処理手段2は、補正画素領域内の各画素の濃度だけではなく、探傷範囲(本例では管の内面近傍)内の全ての画素の濃度に対して補正演算を行う。ただし、前述のように、探傷範囲内の画素であって且つ合成きず画素領域FT外の画素については、補正後の濃度が全て0となるように補正する。
また、上記の式(2)に基づき算出した補正後の濃度Dが、制御・信号処理手段2で設定可能な濃度の最大値(例えば、濃度を8ビットで表わす場合、最大値は255)を超える場合には、予め式(1)で算出する補正係数Xの値を一律に小さく設定(例えば、X−6などに設定)しておけばよい。

0067

図8(a)に示すきずに対応するきず画素領域Fと、図8(b)に示すきず画素領域Fとを比較すれば、補正によってきず画素領域F内の画素の濃度が変化していることが分かる。

0068

(傾斜きず検出工程)
傾斜きず検出工程では、補正後の被探傷材探傷データを用いて被探傷材P1の傾斜きずを検出する。すなわち、図8(b)に示すような補正後の被探傷材断面画像を用いて、制御・信号処理手段2が被探傷材P1の傾斜きずを検出する。具体的には、補正後の被探傷材断面画像を予め設定した所定のしきい値と比較し、所定のしきい値を超える濃度を有する画素を傾斜きずとして検出する。
前述の第1試験材探傷データ生成工程において、ノッチを検出するのに適したしきい値を特定した場合、傾斜きず検出工程では、この特定したしきい値を用いる。

0069

以上に説明した第1実施形態に係る超音波探傷方法によれば、準備工程において、被探傷材P1と材質及び断面寸法が同等の管に無指向性人工きずを設けて形成した第1試験材を準備し、第1試験材探傷データ生成工程において、超音波探触子1で第1試験材を探傷して第1試験材断面画像を生成する。このため、単一の無指向性人工きずであっても、それぞれが異なる傾斜角を有する複数の人工きずを設けて探傷した場合と同等の断面画像が得られることになる。また、各第1試験材断面画像は、被探傷材P1を探傷する場合と同様に、超音波探触子1を第1試験材の軸方向及び周方向に沿って相対移動させて第1試験材を探傷することで生成される。このため、各第1試験材断面画像におけるきず画素領域Fの位置も変化し、無指向性人工きずデータ生成工程において、各第1試験材断面画像を合成して生成される無指向性人工きず画像には、複数の位置に互いに同じ寸法の無指向性人工きずを設けて探傷する場合と同様に、超音波探触子1と無指向性人工きずとの位置関係を変更して探傷した場合のきず画素領域(合成きず画素領域FT)が含まれることになる。

0070

次いで、本実施形態に係る超音波探傷方法によれば、補正係数算出工程において、無指向性人工きず画像における合成きず画素領域FT内の各画素の濃度に補正係数を用いた補正を施した場合に合成きず画素領域FT内の各画素の濃度が互いに同等となる補正係数を、合成きず画素領域FT内の各画素毎に算出する。すなわち、この補正係数を用いて合成きず画素領域FT内の各画素の濃度を補正すれば、種々の傾斜角を有する人工きず(無指向性人工きず)であっても、また、超音波探触子1と無指向性人工きずとの位置関係に関わらず、互いに同じ無指向性人工きずであれば、合成きず画素領域FT内の各画素が同等の濃度になることになる。

0071

そして、本実施形態に係る超音波探傷方法によれば、被探傷材探傷データ生成工程において、超音波探触子1を被探傷材P1の軸方向及び周方向に沿って相対移動させて被探傷材P1を探傷することで、被探傷材P1の断面についての被探傷材断面画像を生成し、補正工程において、被探傷材P1の断面についての被探傷材断面画像における合成きず画素領域FTに対応する補正画素領域内の各画素の濃度に、補正係数算出工程で算出した各画素の補正係数を用いて補正を施す。このため、被探傷材P1の断面についての補正後の被探傷材断面画像における補正画素領域内に傾斜きずに対応する画素領域Fが存在した場合、この傾斜きずの傾斜角に関わらず、また、超音波探触子1と傾斜きずとの位置関係に関わらず(補正後の被探傷材断面画像におけるきず画素領域Fの位置に関わらず)、傾斜きずが互いに同じ寸法であれば、同等の濃度になることが期待できる。
したがい、傾斜きず検出工程において、補正後の被探傷材断面画像を用いて被探傷材P1の傾斜きずを検出する際、補正後の被探傷材断面画像に設定するしきい値を適切に設定することが可能である。

0072

以上のように、第1実施形態に係る超音波探傷方法によれば、超音波探触子1によって得られる探傷信号の断面画像(補正工程における補正後の断面画像)を用いて、管の軸方向に対して傾斜した方向に延びる傾斜きずを高精度に検出可能である。
なお、本実施形態では、被探傷材P1及び第1試験材が管である場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、被探傷材P1及び第1試験材が断面略円形の棒材である場合にも適用可能である。

0073

また、本実施形態では、断面略円形の被探傷材P1の軸方向に対して傾斜した方向に延びる傾斜きずを検出する場合(基準方向が被探傷材P1の軸方向である場合)を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、断面略円形の被探傷材P1の径方向(肉厚方向)に対して傾斜した方向に延びる傾斜きずを検出する場合(基準方向が被探傷材P1の径方向である場合)にも適用可能である。ただし、この場合には、超音波探触子1が具備する複数の振動子10の配列方向が被探傷材P1や第1試験材の周方向に沿うように超音波探触子1を被探傷材P1や第1試験材の外面に対向配置した状態で探傷する必要がある。また、この場合に第1試験材に設ける無指向性人工きずは、第1試験材の軸方向に延びる断面略円形の穴とすることが好ましい。

0074

また、超音波探傷装置100は、断面略円形の被探傷材P1の軸方向に対して傾斜した方向に延びる傾斜きずを検出可能であるものの、超音波探傷装置100が検出可能な傾斜きずの傾斜角には実際には範囲が存在する。このため、超音波探触子1の配置方向(複数の振動子10の配列方向)は、検出対象とする傾斜きずの傾斜角に基づいて設定される。本実施形態では、断面略円形の被探傷材P1の軸方向に対して傾斜した方向に延びる検出対象とする傾斜きずの傾斜角が、断面略円形の被探傷材P1の軸方向に沿って配置された超音波探触子1を具備する超音波探傷装置100の検出可能な範囲内である場合について説明したが、本発明はこれに限られることはない。すなわち、断面略円形の被探傷材P1の軸方向に対して傾斜した方向に延びる検出対象とする傾斜きずの傾斜角が、超音波探傷装置100が検出可能な傾斜きずの傾斜角の範囲内である場合、超音波探触子1は断面略円形の被探傷材P1の軸方向に沿って配置することが好ましい。一方、断面略円形の被探傷材P1の軸方向に対して傾斜した方向に延びる検出対象とする傾斜きずの傾斜角が、超音波探傷装置100が検出可能な傾斜きずの傾斜角の範囲を超えている場合、超音波探触子1は周方向に沿って配置することが好ましい。具体的には、超音波探傷装置100が検出可能な傾斜きずの傾斜角の範囲が±45°の範囲であって、検出対象とする傾斜きずが断面略円形の被探傷材P1の軸方向に対して±45°の範囲内で傾斜する場合、基準方向が被探傷材P1及び第1試験材の軸方向となり、超音波探触子1は断面略円形の被探傷材P1の軸方向に沿って配置される。一方、超音波探傷装置100が検出可能な傾斜きずの傾斜角の範囲が±45°の範囲であって、検出対象とする傾斜きずが断面略円形の被探傷材P1の軸方向に対して±45°の範囲を超えて傾斜する場合(傾斜きずが断面略円形の被探傷材P1の周方向に対して±45°の範囲で傾斜する場合)、基準方向が被探傷材P1及び第1試験材の周方向となり、超音波探触子1は断面略円形の被探傷材P1の周方向に沿って配置される。

0075

さらに、本発明は、被探傷材P1及び第1試験材が断面略円形である場合に限るものではなく、被探傷材P1及び第1試験材が平面視矩形の板材である場合にも適用可能である。被探傷材P1及び第1試験材が平面視矩形の板材のとき、傾斜きずが被探傷材P1の長手方向に対して傾斜した方向に延びる場合(基準方向が被探傷材P1の長手方向である場合)には、超音波探触子1が具備する複数の振動子10の配列方向が被探傷材P1や第1試験材の長手方向に沿うように超音波探触子1を被探傷材P1や第1試験材の外面に対向配置した状態で探傷することになる。また、傾斜きずが被探傷材P1の長手方向に対して傾斜した方向に延びる場合、第1試験材に設ける無指向性人工きずは、第1試験材の厚み方向に延びる断面略円形の穴とすることが好ましい。
一方、被探傷材P1及び第1試験材が平面視矩形の板材のとき、傾斜きずが被探傷材P1の厚み方向に対して傾斜した方向に延びる場合(基準方向が被探傷材P1の厚み方向である場合)には、超音波探触子1が具備する複数の振動子10の配列方向が被探傷材P1や第1試験材の短手方向に沿うように超音波探触子1を被探傷材P1や第1試験材の外面に対向配置した状態で探傷することになる。また、傾斜きずが被探傷材P1の厚み方向に対して傾斜した方向に延びる場合、第1試験材に設ける無指向性人工きずは、第1試験材の長手方向に延びる断面略円形の穴とすることが好ましい。

0076

以下、被探傷材P1及び第1試験材として平面視矩形の板材Sを用いて、第1実施形態に係る超音波探傷方法による補正の効果を確認する試験を行った結果について説明する。
図9は、試験の条件及び方法を説明する説明図である。図9に示すように、板材Sの底面側から厚み方向に延びる断面略円形の穴を設けて、これを無指向性人工きずとして用いた(本実施形態の準備工程に相当)。この無指向性人工きずを板材Sに対向配置した超音波探触子1を用いて探傷することにより、複数の第1試験材断面画像を生成し、これらを合成することで無指向性人工きず画像を生成した(本実施形態の第1試験材探傷データ生成工程及び無指向性人工きずデータ生成工程に相当)。次いで、生成した無指向性人工きず画像における合成きず画素領域内の各画素毎に、式(1)によって補正係数を算出した(本実施形態の補正係数算出工程に相当)。

0077

一方、同じ板材Sの別の部位に、超音波探触子1が具備する振動子配列方向(図9の板材Sの長手方向であるX方向)に対して傾斜角0〜45°の範囲で傾斜する複数の傾斜きず(人工きず)を板材Sの底面側に設け、超音波探触子1を用いて探傷することにより、傾斜きず毎に被探傷材断面画像を生成した(本実施形態の被探傷材探傷データ生成工程に相当)。次いで、この各被探傷材断面画像における補正画素領域(合成きず画素領域に対応する領域)内の各画素の濃度に、算出した各画素の補正係数を用いて、式(2)で表わされる補正を施すことで、補正後の被探傷材断面画像を生成した(本実施形態の補正工程に相当)。

0078

そして、補正前後の各被探傷材断面画像に対して、傾斜きずに対応するきず画素領域内の画素の最大濃度と、傾斜きずの傾斜角との関係を評価した。

0079

図10は、上記試験の結果を示す図である。図10の縦軸であるきず画素領域内の画素の最大濃度は、傾斜きずの傾斜角が0°の場合の最大濃度を基準にして、dB単位に換算している。
図10に示すように、本実施形態に係る超音波探傷方法によれば、補正を施すことにより、互いに同じ寸法の傾斜きずであればその傾斜角に関わらず、被探傷材断面画像における傾斜きずに対応するきず画素領域の濃度変化を±1dB以内に抑えられることを確認できた。

0080

<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る超音波探傷方法について、第1実施形態に係る超音波探傷方法との相違点を中心にして説明し、同じ点については基本的に説明を割愛する。
第2実施形態に係る超音波探傷方法も、第1実施形態に係る超音波探傷方法と同様に、一次元アレイ型超音波探触子1と、制御・信号処理手段2とを備える超音波探傷装置100を用いて実行されるが、第2実施形態に係る超音波探傷方法では、第1実施形態のように探傷信号から得られる断面画像を用いずに、探傷信号(信号波形)そのものを用いて傾斜きずを検出する。
第2実施形態に係る超音波探傷方法も、第1実施形態に係る超音波探傷方法と同様に、少なくとも、準備工程と、第1試験材探傷データ生成工程と、無指向性人工きずデータ生成工程と、補正係数算出工程と、被探傷材探傷データ生成工程と、補正工程と、傾斜きず検出工程とを含む。準備工程では、第1実施形態と同様に、無指向性人工きずを設けた第1試験材の別の部位に、検出対象とする傾斜きずを模擬したノッチを設けることが好ましい。第2実施形態に係る超音波探傷方法は、準備工程より後の各工程の具体的な内容が第1実施形態と異なる。具体的には、以下の通りである。

0081

第2実施形態では、第1試験材探傷データ生成工程において、第1試験材探傷データとして、所定の探傷条件毎に第1試験材の断面についての探傷信号の最大強度を生成する。この所定の探傷条件として、本実施形態では、超音波探触子1をセクタースキャンする際の超音波の波面の偏向角γを用いている。
また、第2実施形態でも、第1試験材探傷データ生成工程において、ノッチを更に設けた第1試験材を探傷することで、ノッチの探傷信号から得られるノッチ探傷データを生成することが好ましい。第2実施形態では、超音波探触子1を第1試験材の外面に対向配置して第1試験材の軸方向及び周方向に沿って相対移動させて第1試験材を探傷することで、第1試験材に設けられたノッチの探傷信号から得られるノッチ探傷データとして、所定の探傷条件毎に第1試験材の断面についての探傷信号の最大強度(ノッチについての探傷信号の最大強度)を生成する。第1試験材探傷データ生成工程において、第1試験材の断面についての探傷信号の最大強度(ノッチについての探傷信号の最大強度)を生成する際、超音波探触子1の探傷感度を適宜変更し、各探傷感度で生成された探傷信号の最大強度を比較することにより、ノッチを検出するのに適した探傷感度を特定する。或いは、超音波探触子1の探傷感度は一定のままとし、生成された探傷信号の最大強度においてノッチを検出するのに適したしきい値を特定する。

0082

また、第2実施形態では、無指向性人工きずデータ生成工程において、生成した所定の探傷条件毎の最大強度に基づき、無指向性人工きずデータとして、所定の各探傷条件(偏向角γ)と無指向性人工きずに対応する探傷信号の各最大強度との対応関係を生成する。
また、第2実施形態では、補正係数算出工程において、生成した対応関係における無指向性人工きずに対応する探傷信号の各最大強度に補正係数を用いた補正を施した場合に各最大強度が互いに同等となる補正係数を、各探傷条件毎に算出する。

0083

また、第2実施形態では、被探傷材探傷データ生成工程において、被探傷材探傷データとして、所定の探傷条件(偏向角γ)での被探傷材P1の断面についての探傷信号の最大強度を生成する。前述の第1試験材探傷データ生成工程において、ノッチを検出するのに適した探傷感度を特定した場合、被探傷材探傷データ生成工程では、超音波探触子1の探傷感度として、この特定した探傷感度を用いる。すなわち、第1試験材探傷データ生成工程で特定した探傷感度を設定した超音波探触子1で被探傷材P1を探傷する。
また、第2実施形態では、補正工程において、所定の探傷条件(偏向角γ)での被探傷材P1の断面についての探傷信号の最大強度に、算出した当該所定の探傷条件(偏向角γ)の補正係数を用いて補正を施すことで、補正後の探傷信号の最大強度を生成する。
さらに、第2実施形態では、傾斜きず検出工程において、補正後の探傷信号の最大強度を用いて被探傷材P1の傾斜きずを検出する。前述の第1試験材探傷データ生成工程において、ノッチを検出するのに適したしきい値を特定した場合、傾斜きず検出工程では、この特定したしきい値を用いる。

0084

そして、第2実施形態の補正係数算出工程においては、前記対応関係における無指向性人工きずに対応する探傷信号の各最大強度の最大値をAとし、前記対応関係における無指向性人工きずに対応する探傷信号の各最大強度をBとすると、以下の式(1)に基づき、各探傷条件(偏向角γ)毎に補正係数Xを算出する。
また、第2実施形態の補正工程においては、所定の探傷条件(偏向角γ)での被探傷材P1の断面についての探傷信号の最大強度をCとすると、当該所定の探傷条件(偏向角γ)の補正係数Xを用いて、以下の式(2)に基づき、補正後の探傷信号の最大強度Dを算出する。
X=20・log(A/B) ・・・(1)
D=C・10(X/20) ・・・(2)

0085

以下、被探傷材P1及び第1試験材として平面視矩形の板材Sを用いて、第2実施形態に係る超音波探傷方法による補正の効果を確認する試験を行った結果等について説明する。
最初に、第2実施形態に係る超音波探傷方法における第1試験材探傷データ生成工程の内容及び結果の例について説明する。
図11は、第2実施形態に係る超音波探傷方法による補正の効果を確認する試験の条件及び方法、並びに第1試験材探傷データ生成工程の結果の例を示す図である。図11(a)は、補正の効果を確認する試験の条件及び方法を示し、図11(b)は、第1試験材探傷データ生成工程の結果の例を示す。
図11(a)に示すように、板材Sの底面側から厚み方向に延びる断面略円形の穴を設けて、これを無指向性人工きずとして用いた(本実施形態の準備工程に相当)。この無指向性人工きずを板材Sに対向配置した超音波探触子1を用いて偏向角γを0〜32°の範囲で2°ピッチで変更しながらセクタースキャンで順次探傷することにより、偏向角γ毎に各測定点での無指向性人工きずに対応する探傷信号の強度を複数生成し、これら複数の強度を互いに比較することで、偏向角γ毎の探傷信号の最大強度(第1試験材探傷データに相当)を生成した(本実施形態の第1試験材探傷データ生成工程に相当)。そして、これらに基づき、各偏向角γと無指向性人工きずに対応する探傷信号の各最大強度との対応関係を生成した(本実施形態の無指向性人工きずデータ生成工程に相当)。
一方、同じ板材Sの別の部位に、超音波探触子1が具備する振動子配列方向(図11(a)の板材Sの長手方向であるX方向)に対して傾斜角0〜45°の範囲で7.5°ピッチで傾斜する複数のノッチを板材Sの底面側に設け、超音波探触子1を用いて前述と同様のセクタースキャンで探傷することにより、偏向角γ毎に各測定点でのノッチに対応する探傷信号の強度を複数生成し、これら複数の強度を互いに比較することで、偏向角γ毎の探傷信号の最大強度(ノッチ探傷データに相当)を生成した(本実施形態の第1試験材探傷データ生成工程に相当)。

0086

図11(b)において「○」でプロットしたデータは、第1試験材探傷データ生成工程において、各偏向角γで探傷したときの無指向性人工きずに対応する探傷信号の最大強度を示す。換言すれば、「〇」でプロットしたデータは、無指向性人工きずデータ生成工程によって生成した、各偏向角γと無指向性人工きずに対応する探傷信号の各最大強度との対応関係を示している。また、「◇」でプロットしたデータは、第1試験材探傷データ生成工程において、各偏向角γで探傷したときの各ノッチに対応する探傷信号の最大強度を示す。各ノッチに対応する探傷信号の最大強度の近傍に記載の数値は各ノッチの傾斜角θを表している。図11(b)の縦軸である探傷信号の最大強度は、傾斜角θ=0°のノッチを偏向角γ=0°で探傷したときの探傷信号の最大強度を基準(0dB)にして、dB単位に換算している。
図11(b)に示すように、傾斜きずを模擬したノッチを探傷する場合と、無指向性人工きずを探傷する場合とで、セクタースキャンの偏向角γに応じた探傷信号の最大強度の変化の傾向は同様になるものの、超音波探触子1の探傷感度が同等であれば、探傷信号の最大強度は18dB程度の大きな差があることが分かった。このため、前述のように、第1試験材探傷データ生成工程において、ノッチを検出するのに適した探傷感度か、ノッチを検出するのに適したしきい値を特定する必要がある。図11(b)に示す結果からすれば、ノッチを検出するのに適した探傷感度は、無指向性人工きずを検出するのに適した探傷感度よりも18dB程度小さくなる。また、ノッチを検出するのに適したしきい値は、無指向性人工きずを検出するのに適したしきい値よりも18dB程度高くなる。そして、被探傷材探傷データ生成工程で、第1試験材探傷データ生成工程で特定した探傷感度を超音波探触子1の探傷感度として用いるか、傾斜きず検出工程で、第1試験材探傷データ生成工程で特定したしきい値を用いる必要がある。以下に示す例では、被探傷材探傷データ生成工程で、第1試験材探傷データ生成工程で特定した探傷感度を超音波探触子1の探傷感度として用いている。

0087

本試験では、上記のようにして生成した対応関係(図11(b)において、「〇」でプロットしたデータ)を用いて、偏向角γ毎に、式(1)によって補正係数を算出した(本実施形態の補正係数算出工程に相当)。
また、準備工程で第1試験材に設け、第1試験材探傷データ生成工程で用いた複数のノッチを被探傷材P1(板材S)に存在する傾斜きずと考え、図11(b)において「◇」でプロットしたデータを被探傷材P1についての偏向角γ毎の探傷信号の最大強度としても用いた(本実施形態の被探傷材探傷データ生成工程に相当)。
次いで、この所定の偏向角γでの探傷信号の最大強度に、算出した当該所定の偏向角γの補正係数を用いて、式(2)で表わされる補正を施すことで、補正後の探傷信号の最大強度を生成した(本実施形態の補正工程に相当)。

0088

図12は、上記試験の結果を示す図である。図12には、各偏向角γで探傷したときの各傾斜きず(ノッチ)の探傷信号の最大強度の補正前後の値を示している。図12に示すように、本実施形態に係る超音波探傷方法によれば、補正前には傾斜角θに応じて最大で4.4dBの最大強度の差があったものが、補正を施すことで、互いに同じ寸法の傾斜きずであればその傾斜角θに関わらず、2.0dB以下の最大強度の差に抑えられることを確認できた。

0089

なお、第1及び第2実施形態に係る超音波探傷方法では、超音波探触子として、一列に配列された複数の振動子10を具備する一次元アレイ型超音波探触子1を用いる例について説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、マトリックス状に配列された複数の振動子を具備する二次元アレイ型超音波探触子を用いることも可能である。また、単一の振動子を具備する超音波探触子を一次元又は二次元に複数配置したものを用いることも可能である。

0090

1・・・一次元アレイ型超音波探触子
2・・・制御・信号処理手段
10・・・振動子
100・・超音波探傷装置
P1・・・被探傷材
P2・・・第1試験材

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