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技術 走行状態再現システム

出願人 株式会社シンテックホズミ
発明者 松田章宏大島正一郎箕田優里長谷川誠
出願日 2017年11月10日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2017-217002
公開日 2019年6月6日 (9ヶ月経過) 公開番号 2019-085059
状態 特許登録済
技術分野 車両用電気・流体回路 機械的振動・音波の測定
主要キーワード イラスト図 グラフエリア マイナーチェンジ 格納済みデータ 遠隔故障診断 選択ギア メカニック グラフィックエリア
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (16)

課題

異音の発生箇所や原因の特定に役立つシステムを提供すること。

解決手段

走行状態再現システム1は、車両5の走行状態を表す車両データを取得する車両データ取得部と、車両5の走行中に生じた音をマイクロフォンで集めて音データを生成する集音部と、集音部が生成した音データおよび車両データ取得部が取得した車両データを含む記録データを記録する記録部と、記録データに含まれる音データを再生する再生部と、を備え、再生部は、音データを再生する際、車両データを同期して再生可能である。

概要

背景

車両では、エンジン音や、タイヤ転動に応じて生じるロードノイズや、風切り音の発生が不可避である。乗員に聞こえる音は快適性を大きく左右する要素であることから、車両の開発現場では、これらの音を小さくするための研究や、乗員にとって心地の良い音質に調整するための研究が盛んに行われている。

一方、多数の部品を適正に組み付けて生産される車両では、組み付け工程での不良や設計不良や経年変化など、各種の原因に起因して異音が発生することがある。異音は、何らかの原因に起因して発生する一方、走行上の問題が顕在化するよりも前に予兆として発生する場合が多い。異音の原因を早期に発見できれば、症状が重症化する前の対処が可能となる。

そこで、従来、遠隔故障診断プログラムの実行により車両で発生する可能性がある異音の種類をユーザに提示し、実際に発生したものに近い異音をユーザに選択させることで故障診断を実現しようとするシステムが提案されている(例えば、下記の特許文献1参照。)。さらに、このシステムでは、「エンジンをかけた時」、「エンジンを切った時」、「走行中いつも」、など異音の発生状況をユーザに選択させることで、異音と走行状態とを関連付けて故障診断に役立てる工夫がなされている。

概要

異音の発生箇所や原因の特定に役立つシステムを提供すること。走行状態再現システム1は、車両5の走行状態を表す車両データを取得する車両データ取得部と、車両5の走行中に生じた音をマイクロフォンで集めて音データを生成する集音部と、集音部が生成した音データおよび車両データ取得部が取得した車両データを含む記録データを記録する記録部と、記録データに含まれる音データを再生する再生部と、を備え、再生部は、音データを再生する際、車両データを同期して再生可能である。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

車両の走行状態を表す車両データを取得する車両データ取得部と、車両の走行中に生じた音をマイクロフォンで集めて音データを生成する集音部と、前記集音部が生成した音データおよび前記車両データ取得部が取得した車両データを含む記録データを記録する記録部と、該記録データに含まれる音データを再生する再生部と、を備え、該再生部は、前記音データを再生する際、前記車両データを同期して再生可能である走行状態再現システム

請求項2

請求項1において、前記車両データ取得部は、車両を制御するための通信ネットワークに接続され、該通信ネットワークを介して車両の制御に利用される車両データを取得するネットワーク装置を含んでいる走行状態再現システム。

請求項3

請求項1または2において、前記音データ及び前記車両データを記録する契機となるトリガー信号を生成するトリガー信号生成部を備え、前記記録部は、前記トリガー信号の有無に関わらず過去の所定期間に亘って前記音データと前記車両データとを含む一時保存データを一時的に記録する一方、前記トリガー信号に応じて、前記一時保存データから前記記録データを切り出す処理を実行する走行状態再現システム。

請求項4

請求項1〜3のいずれか1項において、前記音データあるいは前記車両データに関するトリガー条件を設定するためのトリガー条件設定部を備え、前記トリガー信号生成部は、前記トリガー条件が成立したときに前記トリガー信号を出力する走行状態再現システム。

請求項5

請求項1〜4のいずれか1項において、通信回線に接続されたサーバ装置及び端末装置を含み、前記記録データは、通信回線を介してサーバ装置に送信される一方、前記端末装置は、前記サーバ装置に送信された記録データに含まれる音データ及び車両データを再生可能である走行状態再現システム。

請求項6

請求項1〜5のいずれか1項において、前記マイクロフォンの設置位置及び指向性方位を含む集音条件を設定する集音条件設定部と、前記再生部による再生音聴取する聴取者の位置及び頭の向きを含む聴取条件を設定するための聴取条件設定部と、を備え、前記記録部は、前記マイクロフォンの設置位置及び指向性の方位を基準として、音源の位置及び方位を特定可能なように音データを記録し、前記再生部は、聴取者の位置及び頭の向きに関わらず音源の本来の位置及び方位を再現できるよう、前記集音条件及び前記聴取条件に応じて前記音データを再生する走行状態再現システム。

請求項7

請求項1〜6のいずれか1項において、音の発生箇所及び原因のうちの少なくともいずれかを含む所見情報ひも付けて記録データを格納するデータベースと、新たな記録データが生じたとき、該データベースを参照して近似する過去の記録データを検索するデータ検索部と、該データ検索部により検索された過去の記録データにひも付けられた所見情報に基づき、前記新たな記録データに係る音の発生箇所及び原因のうちの少なくともいずれかを含む診断結果を生成する診断部と、を備える走行状態再現システム。

技術分野

0001

本発明は、車両の走行状態再現し、車両のメンテナンス作業に供するシステムに関する。

背景技術

0002

車両では、エンジン音や、タイヤ転動に応じて生じるロードノイズや、風切り音の発生が不可避である。乗員に聞こえる音は快適性を大きく左右する要素であることから、車両の開発現場では、これらの音を小さくするための研究や、乗員にとって心地の良い音質に調整するための研究が盛んに行われている。

0003

一方、多数の部品を適正に組み付けて生産される車両では、組み付け工程での不良や設計不良や経年変化など、各種の原因に起因して異音が発生することがある。異音は、何らかの原因に起因して発生する一方、走行上の問題が顕在化するよりも前に予兆として発生する場合が多い。異音の原因を早期に発見できれば、症状が重症化する前の対処が可能となる。

0004

そこで、従来、遠隔故障診断プログラムの実行により車両で発生する可能性がある異音の種類をユーザに提示し、実際に発生したものに近い異音をユーザに選択させることで故障診断を実現しようとするシステムが提案されている(例えば、下記の特許文献1参照。)。さらに、このシステムでは、「エンジンをかけた時」、「エンジンを切った時」、「走行中いつも」、など異音の発生状況をユーザに選択させることで、異音と走行状態とを関連付けて故障診断に役立てる工夫がなされている。

先行技術

0005

特開2002−331884号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、前記従来のシステムでは、次のような問題がある。すなわち、異音が発生したときの走行状態の把握が不十分となり、故障診断の精度を十分に確保できないおそれがある。

0007

本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、異音の発生箇所や原因の特定に役立つシステムを提供しようとする発明である。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、車両の走行状態を表す車両データを取得する車両データ取得部と、
車両の走行中に生じた音をマイクロフォンで集めて音データを生成する集音部と、
前記集音部が生成した音データおよび前記車両データ取得部が取得した車両データを含む記録データを記録する記録部と、
該記録データに含まれる音データを再生する再生部と、を備え、
該再生部は、前記音データを再生する際、前記車両データを同期して再生可能である走行状態再現システムにある。

発明の効果

0009

本発明の走行状態再現システムは、音データを再生する際、車両データを同期して再生可能である。このような同期再生によれば、音が発生したときの車両データの把握が容易になり、どのような走行状態で音が発生したのか等の確認が容易になる。例えば車両の整備精通したメカニック等が異音発生時の走行状態を確認すれば、音の発生箇所や原因の特定が容易になる。

0010

以上のように本発明の走行状態再現システムは、走行中の音の発生箇所や原因の特定に役立つ優れた特性のシステムである。

図面の簡単な説明

0011

実施例1における、走行状態再現システムの構成図。
実施例1における、スマートフォンブロック図。
実施例1における、スマートフォンが表示する(a)スタート画面、(b)スタンバイ画面の正面図。
実施例1における、記録データのトリミング処理の説明図。
実施例1における、スマートフォンが表示するデータ一覧画面の正面図。
実施例1における、記録データの同期再生の説明図。
実施例1における、記録データの同期再生中のスマートフォンの表示画面の正面図。
実施例1における、バイノーラルマイクイラスト図
実施例1における、バイノーラルマイクによる集音方法の説明図。
実施例2における、トリガー条件設定方法の説明図。
実施例2における、トリガー条件の説明図。
実施例2における、自動記録の説明図。
実施例3における、走行状態再現システムの構成図。
実施例4における、異音発生箇所、原因の生成方法の説明図。
実施例4における、記録データをデータベースに格納する手順の説明図。

実施例

0012

本発明における車両データとしては、エンジン回転数アクセル開度冷却水温度吸気温度吸気マニホールド絶対圧ステアリング操舵角、速度(車速)、トランスミッションにおける選択ギア、車両位置、外気温ヨーレイト加速度、など車両の制御に利用される各種の情報がある。さらに、自動運転や警報などの運転支援制御に利用される車室内あるいは車外撮像画像や、レーザレーダなどの測距センサによる距離画像等を車両データとして取得することも良い。

0013

車両データを取得する車両データ取得部として端末装置を利用することも良い。端末装置が備えるカメラによる撮像画像や、磁気センサ加速度センサ等のセンサによる計測データ等を、車両データとして取得しても良い。端末装置としては専用の装置のほか、多機能型携帯電話(スマートフォン)を利用することも良い。カメラやセンサのほかに各種の通信機能を備えている上、データ記憶領域を有しており、アプリケーションプログラムインストールにより各種の機能を実現できる多機能型携帯電話であれば、車両データ取得部として便利に活用できる。

0014

本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、スマートフォン10を利用した走行状態再現システム1の例である。この内容について、図1図9を用いて説明する。
本例の走行状態再現システム1は、図1のごとく、車両5の走行中の音を集めて音データを生成する集音部、車両5の走行状態を表す車両データを取得する車両データ取得部、集音部による音データおよび車両データ取得部が取得した車両データを記録する記録部、この記録部により記録された音データと車両データとを同期再生する再生部、等を備えるシステムである。特に本例では、スマートフォン10の機能を利用して、集音部、車両データ取得部、記録部、及び再生部を実現している。

0015

まず、図1システム構成図を参照して車両5側の構成、及び本例の走行状態再現システム1の構成、について説明する。
車両5には、エンジン制御、トランスミッション制御、ブレーキ制御などの制御対象毎にECU(Engine Control Unit)51が設けられている。各ECU51は、車両5の制御に利用される通信ネットワークの一例をなすCAN(Controller Area Network)に接続され、ECU51間でやり取りされるデータ(車両データ)は、セントラルGW(GateWay)52により集中管理されている。

0016

セントラルGW52には、自己診断機能を実現するためのOBD(On-Board Diagnostics)コネクタ53が接続されている。OBDコネクタ53に通信ケーブル(図示略)あるいは通信アダプタ19を接続すれば、車両5のECU51が取り扱う各種の車両データを外部に出力可能である。本例では、例えばブルートゥース登録商標)等の近距離無線通信が可能な通信アダプタ19をネットワーク装置の一例として利用し、無線通信による車両データの外部出力を可能としている。

0017

走行状態再現システム1をなすスマートフォン10は、図1及び図2のごとく、CPU(Central Processing Unit)のほか、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、I/O(Input/Output)をひとつのIC(IntegratedCircuit)チップ上に搭載したワンチップのマイコン101を中心にして構成されている。ROMのメモリエリアには、BIOS(Basic Input Output System)等のプログラムが格納されている。RAMのメモリエリアは、各種データを一時保存するためのワークエリアとして活用される。

0018

マイコン101には、タッチ操作可能な液晶ディスプレイ122、カメラ123、スピーカ124、集音部を構成するマイクロフォン125、3D磁気センサ126、加速度センサ127、位置を測位するGPS(全地球測位システム、Global Positioning System)ユニット128、無線通信回路129、書き換え可能なメモリ手段であるフラッシュROM102を含むメモリ回路等が接続されている。フラッシュROM102のメモリエリアは、各種データを保存するデータ記憶領域として利用される。

0019

液晶ディスプレイ122の表示画面(図3参照。符号100)には、指先タッチペン等による操作を可能とするための透明なタッチスクリーンシート121が積層されている。スマートフォン10は、表示画面100に対する指先でのタッチ操作やフリック操作等が可能である。
無線通信回路129としては、携帯電話網に接続するための通信回路、ブルートゥース(登録商標)やWi-Fi等の近距離無線通信に対応する通信回路等が設けられている。

0020

走行状態再現システム1をなすスマートフォン10は、インストールされた専用のアプリケーションプログラムをマイコン101が実行することで、以下の(1)〜(5)の機能を実現する。
(1)集音部
スマートフォン10が備えるマイクロフォン125は集音部として機能し、車両5の走行中に発生した音を電気信号に変換する。さらに、この電気信号は、A/D変換処理によりデジタルの音データに変換される。

0021

(2)車両データ取得部
車両データ取得部としてのスマートフォン10は、車両5側のOBDコネクタ53に接続された通信アダプタ19を介して、車両5のECU51間でやり取りされる各種の車両データを取得する。スマートフォン10が車両5側のセントラルGW52に対して要求信号を送信する毎に、車両データが返信される。

0022

車両5側から取得する車両データとしては、エンジン回転数、車速、アクセル開度、冷却水温度、吸気温度、吸気マニホールドの絶対圧、エンジン開始時間エンジン始動後の連続稼動時間)、ヨーレイト等のECU情報がある。さらに、車両5側から取得される車両データのほか、スマートフォン10自身で取得できる車両データもある。スマートフォン10自身が取得する車両データとしては、例えば、GPSユニット128の測位による位置情報(車両位置)や、3D磁気センサ126による方位情報、(内蔵)カメラ123による撮像画像等がある。例えば、カメラ123が前方を向くようにスマートフォン10をダッシュボード等に取り付ければ、車両データとして前方画像映像)の取得が可能になる。なお、ドライブレコーダの撮像画像を車両データとして取得することも良い。

0023

(3)記録部
記録部としてのスマートフォン10は、音データ及び車両データを含む記録データ等をフラッシュROM102のメモリエリアに記録する。記録部は、音データと車両データとの同期再生が可能になるよう、共通の同期信号ひも付けて音データ及び車両データを記録する。同期信号としては、例えば、時刻や経過時間を表すタイムコード等を利用できる。

0024

(4)再生部
再生部としてのスマートフォン10は、記録データに含まれる音データ及び車両データの再生を実行する。記録データのうちの音データは、D/A変換処理を経由し内蔵するスピーカ124あるいはイヤホン等を介して出力される。車両データは、液晶ディスプレイ122の表示画面100に選択的に表示可能である。なお、記録データの再生時には、記録データに含まれるタイムコードなどの同期信号を利用して音データの再生と車両データの表示等が同期して実行される。

0025

(5)トリガー信号生成部
トリガー信号生成部としてのスマートフォン10は、液晶ディスプレイ122の表示画面100に対する所定のタッチ操作に応じてトリガー信号を生成する。スマートフォン10では、トリガー信号に応じて、音データ及び車両データの記録が実行される。

0026

次に、以上のようにスマートフォン10を利用して構成された走行状態再現システム1に関する(1)システム動作、(2)システム運用について説明する。

0027

(1)システム動作
専用のアプリケーションプログラムを起動すると、マイコン101の制御によりスタートボタン111が中央に配置された図3(a)のスタート画面が表示される。このスタートボタン111がタッチ操作されると、同図(b)のスタンバイ画面に切り換わると共に、音データ及び車両データを記録データとして保存するための準備状態であるスタンバイモードに切り換わる。

0028

スタンバイモード下のスタンバイ画面には、図3(b)のごとく、マイクロフォン125による集音波形を表示するグラフエリア112、記録ボタン113等が配置されている。記録ボタン113は、音データ及び車両データを記録データとして記録させるための操作ボタンである。例えば、スタンバイモード下で異音が発生したときに記録ボタン113を操作すれば、異音の音データ及び走行状態を表す車両データを記録データとして保存できる。

0029

スタンバイモードでは、マイクロフォン125による音データ、エンジン回転数や位置情報等の車両データ、等をRAMのワークエリアに書き込む動作(一時保存動作)が実行される。ワークエリアに書き込まれるデータは、例えば過去10分に亘る音データ及び車両データの一時保存データである。過去10分を超える記録時点の古い音データ及び車両データについては、随時新たなデータで書き換えられて順次消去される。ワークエリアへの一時保存データの書き込み動作を説明する図4タイムチャートにおいて、スタートボタン111(図3(a))へのタッチ操作の時点が開始点に対応している。この開始点で一時保存動作がスタートし、スタンバイモードに移行する。なお、図4のタイムチャートは、(1)音データ(異音)、(2)車速やエンジン回転数などの車両データ(車両状態)、(3)車両位置データ走行経路)、(4)走行時の撮像画像(映像)、の同時記録動作を例示している。

0030

図3(b)のスタンバイ画面上で記録ボタン113へのタッチ操作が行われたとき、スマートフォン10では、その旨を表すトリガー信号が生成される。このトリガー信号に応じてマイコン101は、上記のようなワークエリアへの一時保存動作の終了点として、トリガー信号生成後、30秒経過の時点を設定する(図4)。その後、マイコン101は、時刻がこの終了点に達したとき、ワークエリアへの一時保存データの書き込み動作(一時保存動作)を停止する。

0031

マイコン101は、ワークエリアに書き込まれた音データ等の一時保存データについて、所定の記録期間図4)に亘る記録データを切り出すトリミング処理を実行する。本例では、記録ボタン113の操作に応じた上記のトリガー信号の生成時点図4中の操作時点)を基準として、過去に1分遡った時点を始点とし、未来に30秒経過した時点を終点とする記録期間を設定している。この記録期間の終点は、上記の一時保存動作の終了点と一致する時点である。

0032

マイコン101は、トリミング処理により切り出した記録データをフラッシュROM102のメモリエリアに書き込むと共に、記録データを一覧表示するデータ一覧画面(図5)を切換表示する。このデータ一覧画面では、いずれかの表示欄へのタッチ操作により記録データを選択的に再生可能である。

0033

マイコン101は、データ一覧画面(図5)内のいずれかの表示欄がタッチ操作されたとき、対応する記録データをフラッシュROM102から読み出し図6のごとく、記録データの再生処理を実行する。記録データの再生処理では、車両データと同期して音データの再生を開始した後、5秒毎の同期処理を繰り返しながら車両データと同期して音データを再生する。なお、図6のタイムチャートは、(1)音データ(異音)、(2)車速やエンジン回転数などの車両データ(車両状態)、(3)車両位置データ(走行経路)、(4)走行時の撮像画像(映像)、の同期再生を例示している。

0034

記録データの再生中では、スピーカ124からの出力による音データの再生と同期して、液晶ディスプレイ122の表示画面100に図7に例示する再生画面が表示される。同図に例示する再生画面100は、縦の表示画面であり、上段グラフィックエリア13と、下段データエリア14と、を中心にして構成されている。グラフィックエリア13の最上段には、4つのグラフィック選択ボタン131〜134が横一列に配置されている。データエリア14の最下段には、停止ボタンや再生ボタンや巻き戻しのための戻るボタンや早送りのための次ボタンのほか、経過時間表示が配置されたコントロールエリアが配置されている。

0035

グラフィック選択ボタン131〜134は、グラフィックエリア13に表示させる内容を選択的に設定するための操作ボタンである。グラフィック選択ボタンとしては、経路地図を表示させる地図ボタン131、音の波形を表示させる波形ボタン132、ECU情報(車両データ)をグラフ表示させるグラフボタン133、撮像画像を表示させる動画ボタン134、の4つが配置されている。図7(a)は、地図ボタン131が選択されたときの再生画面であり、同図(b)(c)(d)は、それぞれ、波形ボタン132、グラフボタン133、動画ボタン134に対応している。

0036

例えば、経路地図を表示させる地図ボタン131が操作された場合の図7(a)の再生画面100であれば、異音等が発生したときの車両5の位置の特定が可能である。また例えば、同図(d)の再生画面100であれば、異音等が発生したときの走行環境の把握が可能である。

0037

(2)システム運用
本例の走行状態再現システム1は、例えば車両ディーラーサービス部門等で利用される。例えば車両ユーザが異音の発生を相談して来た際、専用のアプリケーションプログラムがインストールされたスマートフォン10をユーザに貸与すると良い。その後、異音の記録データを保存済みのスマートフォン10を回収すれば、サービス部門のメカニック等が記録データの再生により異音及びその発生情報を確認でき、原因や対処を検討できる。また、音データと車両データとが同期記録された記録データであれば、車両メーカにおいて解析処理を実行することも可能である。

0038

なお、人間の頭を模した図8のバイノーラルマイク15などのステレオマイク外部マイクとして利用することも良い。車室内にバイノーラルマイク15等の外部マイクを設置して集音すれば、図9のごとく全方向の録音が可能となる。つまり、マイクロフォン(バイノーラルマイク15)の設置位置を基準とする音源の位置(音の発生箇所)、及びマイクロフォンの指向性方位を基準とする音源の方位、等を特定可能なように音データを記録できる。そして、音データを再生する際にステレオヘッドフォンステレオスピーカー等を利用すれば、車室内の音場の再現が可能となり、音データの再生により音源の位置及び方位を把握可能な音場を再現できる。車室内の音場を再現できれば、音源の位置や方位の特定が容易となる。

0039

例えばメカニック等が車両5に乗車した状態で再生音聴取すれば、車室内の音場を再現でき臨場感が増すため、音源の位置や方位の特定がさらに容易となる。なお、メカニック等の聴取者が、録音に用いたバイノーラルマイク15と同じ位置、同じ頭の向きで再生音を聴取することが好ましい。この場合には、実際の異音の発生箇所に対して音場内の音源を精度高く一致でき、異音の発生箇所等の把握が一層容易になる。

0040

また、スマートフォン10で動作するアプリケーションの機能として、マイクロフォンの設置位置や指向性の方位を含む集音条件を設定する集音条件設定部としての機能、及び聴取者の位置や聴取者の頭の向きを含む聴取条件を設定するための聴取条件設定部、としての機能を設けることも良い。聴取者の位置及び頭の向きに関わらず音源の本来の位置及び方位を表す音場を再現できるよう、設定された集音条件及び聴取条件に応じて音データに信号処理等を施すことも良い。このように車室内の音場を再現すれば、再生音を確認する聴取者の位置や頭の向き等に依らず、実際の異音の発生箇所に対して音場内の音源の位置を精度高く一致できる。

0041

本例では、スタンバイモード下の一時保存データの一時保存期間として10分間を設定している。また、記録データの記録期間として、トリガー信号生成時点の前1分間、後30秒に亘る期間を設定している。これらの期間の時間的長さについては、適宜変更可能である。

0042

(実施例2)
本例の走行状態再現システム1は、実施例1に基づき、トリガー信号の自動生成機能を設けたシステムの例である。この内容について、図10図12を参照して説明する。
本例の構成では、スマートフォン10で動作するアプリケーションの機能として、トリガー条件の設定機能、トリガー条件が成立したときに音データ及び車両データの記録を自動で実行する自動記録機能が追加されている。

0043

図10のトリガー条件設定画面では、音量、車速、エンジン回転数、外気温、車両位置(ロケーション)・・・などの各種のトリガー条件を設定可能である(トリガー条件設定部)。トリガー条件としては、いずれか1種類のみならず、複数種類のトリガー条件を組み合わせて設定可能である。音量や車速などのトリガー条件については、例えば、数値入力や、予め準備された値の範囲の選択等により設定可能である。車両位置については、表示する地図上で範囲を設定できるほか、入力された特定の住所交差点等を中心とした所定の範囲を設定可能である。なお、同図は、左側の画面で車速を選択操作し、右側の画面で速度範囲を設定する手順を例示している。

0044

例えば図11のように条件1〜5の5種類のトリガー条件が設定された場合の記録動作について、運転開始から運転終了までの運転期間の動作を示す図12のタイムチャートを参照して説明する。図12中の各トリガー条件に対して付された矢印はトリガー条件の成立期間を示している。そして、同図の通り、スマートフォン10では、条件1〜条件5の全てのトリガー条件が同時に成立したときにトリガー信号が自動生成され、音データ及び車両データを含む記録データを自動的に記録する自動記録が実行される。

0045

この自動記録の動作について詳しく説明する。スマートフォン10でアプリケーションを起動した後、スタート画面のスタートボタンがタッチ操作されると、実施例1と同様のスタンバイモードに移行する。このスタンバイモードでは、マイクロフォン125による音データ、エンジン回転数や位置情報等の車両データ、等がRAMのワークエリアに一時保存される。

0046

スタンバイモード下で、条件1〜条件5(図11及び図12)が全て成立したときにトリガー信号が生成され、このトリガー信号に応じて、ワークエリアの一時保存データから記録データを切り出すトリミング処理が実行される。このトリミング処理による記録データの切り出し期間である記録期間は、実施例1の記録期間とは相違している。実施例1では、トリミング信号の生成時点を基準時点として前後の所定時間に亘る記録期間を設定している。一方、本例では、トリガー信号の生成時点を含め、5条件のうちの4条件以上のトリガー条件が同時に成立している状態が継続する期間が記録期間として設定される。

0047

記録期間の始点は、同時成立しているトリガー条件が4条件未満から4条件以上に移行した時点のうち、トリガー信号の生成以前の直近の時点である。一方、記録期間の終点は、同時成立しているトリガー条件が4条件以上から4条件未満に移行した時点のうち、トリガー信号の生成以降の直近の時点である。

0048

図12に例示する運転期間においては、5つのトリガー条件のうち5条件全てが成立している期間A、及び4条件以上5条件未満が成立している期間αが記録期間として設定される。そして、上記の記録期間の終点に到達して記録期間が確定したとき、すなわち、トリガー信号の生成以降、初めて、同時成立中のトリガー条件が4条件以上から4条件未満に移行したとき、ワークエリアの一時保存データから記録データを切り出すトリミング処理が実行され、フラッシュROM102にその記録データが自動的に記録される。

0049

以上のように構成された走行状態再現システムによれば、予め設定されたトリガー条件が成立したときに、取りこぼしなく異音等を記録できる。例えば、異音に関する車両ユーザの相談内容に応じて、メカニック等が異音の発生原因等を予測し、その予測に基づいてトリガー条件を設定することも良い。

0050

しかしながら、例えばメカニック等の予測や経験に基づいて設定されたトリガー条件が正解とは限らない。そこで、本例の走行状態再現システムでは、一部のトリガー条件が未成立の走行状態についても記録データの対象期間に含めることを目的として、上記の期間αを設定している。一部のトリガー条件が外れている走行状態に対応する期間αを設定すれば、異音の原因等の特定に有用な車両データの取りこぼしを少なくできる。本例では、期間αとして、(全条件数−1)に当たる4件が成立し1件のトリガー条件が外れている期間を例示している。(全条件数−2)を期間αの基準として設定し、1件あるいは2件のトリガー条件が外れている期間αを採用しても良い。このように期間αの基準は適宜変更可能である。

0051

車両データを対象とするトリガー条件だけでなく、走行中の車両から発生する音を対象としてトリガー条件を設定することも良い。例えば、音の周波数波長や音量等について閾値を設定し、閾値を超過することをトリガー条件として設定しても良い。
なお、その他の構成及び作用効果については実施例1と同様である。

0052

(実施例3)
本例は、実施例1あるいは実施例2の走行状態再現システム1に基づき、記録データを管理するサーバ装置21、及びサーバ装置21が管理する記録データを閲覧するための端末装置22を追加した例である。この内容について図13を参照して説明する。

0053

本例の走行状態再現システム1は、図13の通り、インターネット等の公衆通信回線を利用して構成されたシステムである。この走行状態再現システム1では、記録データを取得するスマートフォン10、記録データのアップロード(送信)先となるサーバ装置21、サーバ装置21から配信された記録データを再生する端末装置22、等を含めて構成されている。

0054

まず、本例のスマートフォン10は、実施例1あるいは2のスマートフォン10に基づき、アプリケーション設定により特定の端末装置22を対応付ける機能、記録データをサーバ装置21に自動的にアップロードする機能、等が追加されている。アプリケーション設定では、特定の端末装置22の識別番号である端末IDを設定可能である。例えば車両ディーラーのサービス部門でスマートフォン10を貸し出す際、部門に設置等された端末装置22の端末IDを貸出用のスマートフォン10に設定すると良い。

0055

この走行状態再現システム1におけるスマートフォン10は、記録データを取得したとき、その記録データをサーバ装置21に自動的にアップロードする。その際、スマートフォン10は、アプリケーション設定で予め設定された端末IDを記録データにひも付ける。したがって、サーバ装置21側では、スマートフォン10から記録データを受信したとき、ひも付けられた端末IDを参照することでスマートフォン10の貸出元の端末装置22を特定可能である。

0056

サーバ装置21は、スマートフォン10から受信した記録データをデータベース化して管理すると共に、上記のように特定した端末装置22に対して記録データを配信する。例えば車両ディーラーのサービス部門では、貸し出したスマートフォン10で記録された記録データをリアルタイムに近いタイミングで取得でき、端末装置22で閲覧できる。

0057

なお、例えばアプリケーション設定により上記の端末IDに加えてサービス担当者の識別IDを設定することも良い。この場合には、記録データの配信を受けた端末装置22、あるいは記録データのアップロードを受けたサーバ装置21が、通知メール等によりサービス担当者を呼び出しできる。

0058

以上のように構成された走行状態再現システムであれば、例えば車両ディーラのサービス部門等において記録データの確認が容易となり、異音対策を迅速に実施できるようになる。異音等の記録データを取得できたか否か、サービス部門側で早期に確認できるようになるため、スマートフォン10等の貸出期間を短縮でき効率を向上できる。
なお、その他の構成及び作用効果については、実施例1あるいは2と同様である。

0059

(実施例4)
本例は、実施例3の走行状態再現システム1に基づき、サーバ装置の構成を変更した例である。この内容について図14及び図15を参照して説明する。
本例のサーバ装置21(図13)が備えるデータベースでは、車速やエンジン回転数などの車両データが属する数値的な範囲等に応じて走行状態種別が区分され、走行状態種別毎に分類して記録データが蓄積(格納)されている。さらにデータベースに格納された各記録データには、異音の発生箇所(音源の位置)、原因等の所見情報がひも付けられている。

0060

スマートフォン10が記録データをアップロードしたとき、サーバ装置21は、図14のごとく、受信した新たな記録データ(未分類データという。)に含まれる車両データを参照し、未分類データの分類先の走行状態種別を特定する(分類処理)。また、未分類データに含まれる音データについて解析処理を実行し周波数や音圧レベル等の解析結果を生成する(解析処理)。そして、サーバ装置21は、未分類データを分類する先の走行状態種別に格納済みの過去の記録データ(格納済データという。)の中から、音データに関する解析結果(周波数、音圧レベル等)の近似度が最も高い格納済データを検索する(検索処理データ検索部)。

0061

本例の走行状態再現システム1では、このように検索された格納済データにひも付けられた所見情報が、未分類データに係る異音の発生箇所や原因等を表す診断結果として取り扱われる(診断部)。そして、サーバ装置21は、図15のごとく、未分類データをデータベースに格納する際、診断結果に基づく所見情報を未分類データにひも付ける。このように異音自体や異音発生時の車両状態等のデータをデータベース化し、大量に蓄積すれば、車両ディーラーでの車両の修理点検等の際の有用な情報源となり得る。さらには、このようなデータベースは、車両メーカーでのマイナーチェンジ等の設計変更時の極めて有用な情報源にもなり得る。

0062

なお、スマートフォン10から記録データを受信したとき、サーバ装置21が診断結果を返信するように構成することも良い。この場合には、スマートフォン10側の処理により、記録データに対する診断結果のひも付けが可能になる。例えば記録データを閲覧するための端末装置22を導入していない車両ディーラー等であっても、返却されたスマートフォン10で記録データを再生する際、診断結果の閲覧が可能になる。

0063

なお、記録データに関する走行状態種別の分類処理、近似する記録データの検索処理、音データの解析処理、等については、人工知能による機械学習等により精度を高めることも良い。さらに、データベースに格納された記録データ等について、機械学習などの人工知能的なアプローチを適用し、異音の発生箇所や原因を学習することも良い。この学習結果を利用すれば、異音の種類や異音発生時の車両データ等に基づく故障診断が可能となる。

0064

例えばサーバ装置21が提供するサイトにスマートフォン10がアクセスしたとき、このスマートフォン10に保存された記録データについてサーバ装置21が上記の人工知能的な演算処理を実行し、異音の発生箇所や原因を診断することも良い。この場合には、異音の発生箇所や原因等をスマートフォン10の表示画面100に表示できる。

0065

なお、上記の検索処理により音データに関する解析処理の結果の近似度が高い格納済みデータを複数検索し、これらにひも付けられた複数の所見情報に基づいて診断結果を生成することも良い。例えば、複数の所見情報について異音の発生箇所や原因を分類して分類毎度数計数することも良い。未分類データの診断結果として、度数が最も多かった発生箇所等を採用することも良い。
なお、その他の構成及び作用効果については、実施例3と同様である。

0066

以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。

0067

1走行状態再現システム
10スマートフォン
100表示画面
101マイコン
122液晶ディスプレイ
123カメラ
124スピーカ
125マイクロフォン
19通信アダプタ(ネットワーク装置)
21サーバ装置
22端末装置
5 車両
51 ECU
52セントラルGW
53 OBDコネクタ

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