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技術 樹脂成形体及びその製造方法

出願人 トヨタ紡織株式会社
発明者 丸山信太郎
出願日 2017年11月6日 (2年7ヶ月経過) 出願番号 2017-213965
公開日 2019年6月6日 (1年0ヶ月経過) 公開番号 2019-084736
状態 未査定
技術分野 積層体(2) プラスチック等の射出成形
主要キーワード 樹脂製薄膜 射出成形部材 しゅろ 車両関連 酸変性熱可塑性樹脂 軟質部材 キャビ型 製品分
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

基材射出成形部材との熱収縮差により生じる接合部近傍における段差緩和された樹脂成形体及びその製造方法を提供する。

解決手段

補強繊維及び補強繊維同士を結着している熱可塑性樹脂を含有する板状の基材1と、その板面方向へ接続された射出成形部材2とを備える樹脂成形体100であって、基材1及び射出成形部材2の一方の表面に、空隙を有する樹脂製薄膜3が積層されている。空隙を有する樹脂製薄膜3は不織布であることが好ましい。また、射出成形部材2に、不織布3を構成する合成樹脂繊維混入し、分散している形態であることがより好ましい。更に、射出成形部材2に混入し、分散している合成樹脂繊維31が、射出成形部材2の他方の表面の側にまで混入し、分散していることが特に好ましい。樹脂成形体100は、特定の薄膜配設工程、成形体配置工程、射出工程、及び冷却・脱型工程と、を備える製造方法によって製造することができる。

概要

背景

インサート成形により軟質部材樹脂成形品を得る場合に、軟質部材部と成形樹脂部との溶着部で、両者の平面方向に段差が設けられており、射出される樹脂圧インサートされた軟質部材の平面方向に強くかからないようにした成形方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。これにより、樹脂成形品の軟質部材の部分の変形が防止される。この特許文献1に記載された樹脂成形品では、軟質部材部の先端部を波形形状とすることなどによって、軟質部材部の先端部の収縮による変形を防止乃至抑制することも開示されている。

また、樹脂成形体車両内装材である場合、基材の、車室側とは反対側となる裏面には、内装材車両パネルに取り付けるためのリテーナーブラケットボスランナー等のアンダー形状構造物が取り付けられている。これらのアンダー形状構造物は、基材をプレス成形すると同時に、基材の裏面に熱可塑性樹脂射出成形することにより設けられている。また、ドアトリムルーフトリム等の車両内装材では、板状の基材の端縁部に意匠アンダー形状部が設けられており、この意匠アンダー形状部は、射出された樹脂を板状の基材の端面に接合させることにより形成することができる。

概要

基材と射出成形部材との熱収縮差により生じる接合部近傍における段差が緩和された樹脂成形体及びその製造方法を提供する。補強繊維及び補強繊維同士を結着している熱可塑性樹脂を含有する板状の基材1と、その板面方向へ接続された射出成形部材2とを備える樹脂成形体100であって、基材1及び射出成形部材2の一方の表面に、空隙を有する樹脂製薄膜3が積層されている。空隙を有する樹脂製薄膜3は不織布であることが好ましい。また、射出成形部材2に、不織布3を構成する合成樹脂繊維混入し、分散している形態であることがより好ましい。更に、射出成形部材2に混入し、分散している合成樹脂繊維31が、射出成形部材2の他方の表面の側にまで混入し、分散していることが特に好ましい。樹脂成形体100は、特定の薄膜配設工程、成形体配置工程、射出工程、及び冷却・脱型工程と、を備える製造方法によって製造することができる。

目的

本発明は、前述の従来技術の状況に鑑みてなされたものであり、特定の板状の基材と、その板面方向へ接続された射出成形部材とを備え、一方の表面に、空隙を有する樹脂製薄膜が積層されており、基材と射出成形部材との熱収縮差により生じる接合部近傍における段差が緩和された樹脂成形体及びその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

補強繊維及び前記補強繊維同士を結着している熱可塑性樹脂を含有する板状の基材と、前記基材の板面方向へ接続された射出成形部材とを備える樹脂成形体であって、前記基材及び前記射出成形部材の一方の表面に、空隙を有する樹脂製薄膜が積層されていることを特徴とする樹脂成形体。

請求項2

前記空隙を有する樹脂製薄膜が不織布である請求項1に記載の樹脂成形体。

請求項3

前記射出成形部材に、前記不織布を構成する合成樹脂繊維混入し、分散している請求項2に記載の樹脂成形体。

請求項4

前記合成樹脂繊維が、前記射出成形部材の他方の表面の側にまで混入し、分散している請求項3に記載の樹脂成形体。

請求項5

前記基材と前記射出成形部材の厚さの差異により生じる接続端面近傍における段差が、前記一方の表面の側及び前記他方の表面の側において緩和されている請求項4に記載の樹脂成形体。

請求項6

請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の樹脂成形体の製造方法であって、前記基材及び前記射出成形部材の前記一方の表面に積層される前記空隙を有する樹脂製薄膜を固定型キャビティに配設する薄膜配設工程と、前記基材となる予備成形体を、前記空隙を有する樹脂製薄膜の一部に接するように配置させる成形体配置工程と、移動型が備える射出成形機より、前記空隙を有する樹脂製薄膜の他部に接するように樹脂射出する射出工程と、冷却し、その後、脱型する冷却・脱型工程と、を備えることを特徴とする樹脂成形体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、樹脂成形体及びその製造方法関する。更に詳しくは、本発明は、特定の板状の基材と、その板面方向へ接続された射出成形部材とを備え、一方の表面に積層された空隙を有する樹脂製薄膜により、基材と射出成形部材との熱収縮差により生じる接合部近傍における段差緩和された樹脂成形体及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

インサート成形により軟質部材樹脂成形品を得る場合に、軟質部材部と成形樹脂部との溶着部で、両者の平面方向に段差が設けられており、射出される樹脂圧インサートされた軟質部材の平面方向に強くかからないようにした成形方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。これにより、樹脂成形品の軟質部材の部分の変形が防止される。この特許文献1に記載された樹脂成形品では、軟質部材部の先端部を波形形状とすることなどによって、軟質部材部の先端部の収縮による変形を防止乃至抑制することも開示されている。

0003

また、樹脂成形体が車両内装材である場合、基材の、車室側とは反対側となる裏面には、内装材車両パネルに取り付けるためのリテーナーブラケットボスランナー等のアンダー形状構造物が取り付けられている。これらのアンダー形状構造物は、基材をプレス成形すると同時に、基材の裏面に熱可塑性樹脂射出成形することにより設けられている。また、ドアトリムルーフトリム等の車両内装材では、板状の基材の端縁部に意匠アンダー形状部が設けられており、この意匠アンダー形状部は、射出された樹脂を板状の基材の端面に接合させることにより形成することができる。

先行技術

0004

特開2001−315161号公報

発明が解決しようとする課題

0005

前述のように、インサートされた軟質部材部の平面方向に、射出される樹脂圧が強くかからないように、溶着部において段差を設ける技術は知られている。一方、熱収縮率の異なる樹脂成形体を各々の端面において接合させた場合、得られる樹脂成形体は、接合部近傍において熱収縮率の差異に起因して段差を生じる(図1、3の樹脂成形体10参照)。このように接合部近傍において段差を生じると、樹脂成形体を、例えば、ドアトリム、ルーフトリム等の車両用内装材として用いるときに、意匠面となる側に表皮材を貼合したとしても、意匠性の低下は避けられない。そのため、熱収縮率の異なる樹脂からなる一方の成形体と他方の成形体との間の段差は避けられないにしても、この段差を意匠性が低下しない程度に緩和することが必要とされている。

0006

本発明は、前述の従来技術の状況に鑑みてなされたものであり、特定の板状の基材と、その板面方向へ接続された射出成形部材とを備え、一方の表面に、空隙を有する樹脂製薄膜が積層されており、基材と射出成形部材との熱収縮差により生じる接合部近傍における段差が緩和された樹脂成形体及びその製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明は以下のとおりである。
1.補強繊維及び前記補強繊維同士を結着している熱可塑性樹脂を含有する板状の基材と、前記基材の板面方向へ接続された射出成形部材とを備える樹脂成形体であって、
前記基材及び前記射出成形部材の一方の表面に、空隙を有する樹脂製薄膜が積層されていることを特徴とする樹脂成形体。
2.前記空隙を有する樹脂製薄膜が不織布である前記1.に記載の樹脂成形体。
3.前記射出成形部材に、前記不織布を構成する合成樹脂繊維混入し、分散している前記2.に記載の樹脂成形体。
4.前記合成樹脂繊維が、前記射出成形部材の他方の表面の側にまで混入し、分散している前記3.に記載の樹脂成形体。
5.前記基材と前記射出成形部材の厚さの差異により生じる接続端面近傍における段差が、前記一方の表面の側及び前記他方の表面の側において緩和されている前記4.に記載の樹脂成形体。
6.前記1.乃至5.のうちのいずれか1項に記載の樹脂成形体の製造方法であって、
前記基材及び前記射出成形部材の前記一方の表面に積層される前記空隙を有する樹脂製薄膜を固定型キャビティに配設する薄膜配設工程と、
前記基材となる予備成形体を、前記空隙を有する樹脂製薄膜の一部に接するように配置させる成形体配置工程と、
移動型が備える射出成形機より、前記空隙を有する樹脂製薄膜の他部に接するように樹脂を射出する射出工程と、
冷却し、その後、脱型する冷却・脱型工程と、を備えることを特徴とする樹脂成形体の製造方法。

発明の効果

0008

本発明の樹脂成形体は、補強繊維及び補強繊維同士を結着している熱可塑性樹脂を含有する板状の基材と、基材の板面方向へ接続された射出成形部材とを備える。そして、基材及び射出成形部材の一方の表面に、空隙を有する樹脂製薄膜が積層されている。
このような構成とされているため、相対的に熱収縮率の小さい基材と、相対的に熱収縮率の大きい射出成形部材との熱収縮率の差異により生じる接合部近傍における段差が、少なくとも一方の表面の側において緩和される。そのため、樹脂成形体を、例えば、一方の表面の側に表皮材が接合される、車両用内装材の基体として用いた場合に、段差が視認され難く、優れた意匠性を有する車両用内装材とすることができる。
また、空隙を有する樹脂製薄膜が不織布である場合は、不織布そのものが柔軟であって変形し易く、段差が容易に緩和される。
更に、射出成形部材に、不織布を構成する合成樹脂繊維が混入し、分散している場合は、射出成形部材の合成樹脂繊維が混入し、分散している部位の熱収縮率が、射出される樹脂の熱収縮率より小さくなり、段差がより効率よく緩和される。
また、合成樹脂繊維が、射出成形部材の他方の表面の側にまで混入し、分散している場合は、射出成形部材の熱収縮全厚さに亘って緩和され、段差が特に効率よく緩和される。
更に、基材と射出成形部材の厚さの差異により生じる接続端面近傍における段差が、一方の表面の側及び他方の表面の側において緩和されている場合は、車両用等の内装材などとするときに、いずれの面に表皮材を接合して意匠面としてもよく、内装材の種類等によっては両面に表皮材を接合して意匠面とした内装材とすることもできる。
本発明の樹脂成形体の製造方法は、特定の、薄膜配設工程、成形体配置工程、射出工程及び冷却・脱型工程を備える。このような特定の複数の工程を、この順に備えることにより、基材と射出成形部材との界面近傍における少なくとも一方の面における段差の発生を効率よく緩和することができる。これにより、樹脂成形体の表面に表皮材を接合し、車両用等の内装材としたときに、優れた意匠性を有する内装材とすることができる。

図面の簡単な説明

0009

基材と、接続された射出成形部材との接合部近傍に段差が生じている従来の樹脂成形体の模式的な断面図である。
基材及び接続された射出成形部材の一方の面に、空隙を有する樹脂製薄膜が積層され、段差が緩和された本発明の樹脂成形体の模式的な断面図である。
図1の射出成形部材により意匠アンダー形状部が形成され、基材と射出成形部材との接合部近傍に段差が生じている従来の樹脂成形体の模式的な断面図である。
基材及び接続された射出成形部材の一方の面に、空隙を有する樹脂製薄膜が積層され、段差が緩和された意匠アンダー形状部等を有する本発明の樹脂成形体の模式的な断面図である。
基材となる予備成形体の一方の面から、射出成形部材が接続されることになる側へと、空隙を有する樹脂製薄膜が配設されている形態を表す模式的な断面図である。
空隙を有する樹脂製薄膜と基材となる予備成形体とを、固定型のキャビティに配置させ、移動型が備える射出成形機から樹脂を射出しようとしている状態を表す模式的な断面図である。
図6の移動型を移動させ、樹脂を射出した様子を表す模式的な断面図である。

実施例

0010

以下、本発明を図も参照しながら詳しく説明する。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。

0011

[1]樹脂成形体
本発明の樹脂成形体100(図2、4参照)は、補強繊維及び補強繊維同士を結着している熱可塑性樹脂を含有する板状の基材1と、基材1の板面方向へ接続された射出成形部材2とを備え、基材1及び射出成形部材2の一方の表面に、空隙を有する樹脂製薄膜3が積層されている。

0012

基材1は、補強繊維及び補強繊維同士を結着している熱可塑性樹脂を含有し、形状は板状である。このように、基材1は補強繊維を含有するため、補強繊維を含有しない熱可塑性樹脂と比べて熱収縮率が小さい。一方、射出成形部材2は補強繊維を含有しないため、相対的に熱収縮率が大きい。そのため、成形後の冷却工程において、射出成形部材2は基材1と比べて大きく収縮し、基材1と射出成形部材2との接合部近傍に段差が生じる。

0013

上述のような、基材1と射出成形部材2との接合部近傍に生じる段差を緩和するため、基材1及び射出成形部材2の一方の表面に、空隙を有する樹脂製薄膜3が積層される。この空隙を有する樹脂製薄膜3としては、連通孔を有する樹脂製の多孔質薄膜を使用することができ、例えば、合成樹脂繊維を用いてなる不織布、樹脂製の多孔質フィルム等が挙げられ、合成樹脂繊維を用いてなる不織布が好ましい。

0014

樹脂成形体100は、例えば、インサート成形等の成形方法により、基材1となる予備成形体1aの端面に、射出された熱可塑性樹脂を接続させ、その後、冷却することにより成形することができる。この際、予備成形体1aの一方の面から、射出成形部材2が接続されることになる側へと、空隙を有する樹脂製薄膜3を積層しておくことにより、基材1と射出成形部材2との接合部近傍に生じる段差を緩和することができる。

0015

基材1と射出成形部材2との接合部近傍に生じる段差は、空隙を有する樹脂製薄膜3が合成樹脂繊維を用いてなる不織布であるときに、より効率よく緩和することができる。空隙を有する樹脂製薄膜3が合成樹脂繊維を用いてなる不織布である場合、基材1と射出成形部材2との接合部近傍では、射出圧により不織布の形態が乱され、不織布を構成する合成樹脂繊維が、特に射出成形部材2の一方の表面の側に混入し、分散する。これにより、合成樹脂繊維31が混入し、分散していないときと比べて射出成形部材2の熱収縮率が小さくなり、接合部近傍に生じる段差が緩和される。

0016

また、射出圧により、不織布を構成する合成樹脂繊維が、射出成形部材2の一方の表面の側のみでなく、射出成形部材2の内部へと混入し、分散していき、射出成形部材2の他方の表面の側にまで混入し、分散している形態とすることができる。更に、不織布を構成する合成樹脂繊維のうちの一部が、射出成形部材2の他方の表面から外部へと表出している形態とすることもできる。

0017

上述のように、不織布を構成する合成樹脂繊維が、射出成形部材2の全厚さに亘って混入し、分散しているときは、射出成形部材2の熱収縮率が全厚さに亘って小さくなる。これにより、特に効率よく段差を緩和することができ、基材1及び射出成形部材2の一方と他方の各々の表面の側における段差を緩和することができる。具体的には、不織布を積層しないときと比べて、段差を20〜40%緩和することができ、例えば、一方と他方の各々の表面の側において60μmであった段差を20μmにまで減少させることができる。

0018

基材1は、補強繊維と、この補強繊維同士を結着している熱可塑性樹脂とを含有する板状体である。補強繊維は特に限定されず、植物繊維無機繊維及び動物繊維等を用いることができ、植物繊維が特に好ましい。植物繊維は環境の観点で好ましく、通常、熱可塑性樹脂と比べて比重が小さく、樹脂成形体100を軽量化することもできる。植物繊維としては、ケナフ、綿、しゅろ繊維、ここやし繊維等が挙げられ、木質を有する早育性の一年草であるケナフが特に好ましい。また、無機繊維としては、ガラス繊維炭素繊維金属繊維等が挙げられる。これらの植物繊維及び無機繊維は、通常、解繊された長繊維として用いられる。

0019

特に好ましい補強繊維として用いられるケナフは、木質茎を有する早育性の一年草であり、アオイ科分類される植物である。学名におけるhibiscus cannabinus及びhibiscus sabdariffa等が含まれ、更に、ケナフには、通称名における紅麻、キュウバケナフ、洋麻、タイケナフ、メスタ、ビムリ、アンバリ麻及びボンベイ麻等が含まれる。

0020

補強繊維と熱可塑性樹脂との量比は特に限定されず、樹脂成形体100の種類、用途等によって適宜設定することができる。例えば、補強繊維がケナフ等の植物繊維である場合、植物繊維と熱可塑性樹脂との合計量を100質量%としたときに、植物繊維は30〜70質量%、特に50〜60質量%とすることができる。

0021

基材1及び射出成形部材2は、いずれも熱可塑性樹脂を用いて形成される。これらの熱可塑性樹脂は、同種の樹脂であってもよく、異なる種類の樹脂であってもよいが、基材1の端面と射出成形部材2の端面とを十分に、且つ容易に接合させるためには同種の樹脂であることが好ましい。この同種の樹脂とは、樹脂(重合体)を構成する主たる単量体が同一であるという意味であり、この単量体からなる単独重合体からなる樹脂であってもよく、所定量の他の単量体が共重合された共重合体からなる樹脂であってもよい。

0022

熱可塑性樹脂は特に限定されず、例えば、ポリプロピレンポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂ポリメチルアクリレートポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂ナイロン−6、ナイロン−66等のポリアミド系樹脂、及びポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂などが挙げられる。これらの各種の樹脂のうちでは、ポリオレフィン系樹脂、特にポリプロピレン単独重合体等のポリプロピレン系樹脂が好ましい。尚、これらの熱可塑性樹脂には、所要量の、酸化防止剤紫外線吸収剤滑剤帯電防止剤等の通常この種の樹脂に用いられる添加剤などが必要に応じて所要量配合され、含有されて、熱可塑性樹脂組成物とされ、この樹脂組成物が成形に用いられる。

0023

また、基材1では、補強繊維同士が熱可塑性樹脂により結着されているが、特に補強繊維が植物繊維である場合、植物繊維同士をより強固に結着させるため、上述の各種の熱可塑性樹脂が酸変性された熱可塑性樹脂を併用することができる。この酸変性熱可塑性樹脂は、酸基が導入された熱可塑性樹脂であり、導入される酸基の種類は特に限定されないが、通常、無水カルボン酸残基及び/又はカルボン酸残基である。酸基の導入に用いられる化合物は特に限定されず、無水マレイン酸無水イタコン酸無水コハク酸等の酸無水物、及びマレイン酸イタコン酸コハク酸等のカルボン酸が挙げられる。これらは1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの化合物のうちでは、酸無水物が好ましく、無水マレイン酸及び無水イタコン酸がより好ましく、無水マレイン酸が特に好ましい。

0024

更に、酸変性熱可塑性樹脂の配合量は、植物繊維、変性熱可塑性樹脂及び熱可塑性樹脂の合計を100質量部とした場合に、1〜10質量部であることが好ましく、1〜8質量部、特に1〜5質量部、更に1〜3質量部であることがより好ましい。酸変性熱可塑性樹脂の配合量が1〜10質量部、特に1〜5質量部であれば、植物繊維の繊維間が十分に結着され、優れた機械的特性等を有する基材1とすることができる。

0025

補強繊維と、この補強繊維同士を結着している熱可塑性樹脂とを含有する基材1は、板状体として成形される。そして、樹脂成形体100が、例えば、ドアトリム、ルーフトリム等の車両用内装材などである場合、板状体の表面(意匠面とならない裏面)には、車両パネルに取り付けるためのリテーナーブラケット、ボス、ランナー等の熱可塑性樹脂からなるアンダー形状構造物13が、射出成形により形成される(図4のリテーナーブラケット13参照)。

0026

また、樹脂成形体100では、基材1の端面に、熱可塑性樹脂を射出することで、射出成形部材2が設けられる。更に、射出成形部材2の少なくとも基材1との接合部近傍においては、射出成形部材2は基材1の板面方向へと延設される。この場合、射出圧により、接合部近傍では、射出された熱可塑性樹脂が基材1側に侵入することが有り得るが、これは特に問題になることではない。

0027

射出成形部材2は、少なくとも基材1との接合部近傍においては、基材1の端面から、その板面方向へと延設されているが、射出成形部材2は、板面方向から更に板面方向ではない方向に延設された板状部を備える形態であってもよい。この板状部はどのような形状に形成されていてもよいが、樹脂成形体100が車両用内装材等である場合、板状部を意匠アンダー形状部21とすることができる(図4の意匠アンダー形状部21参照)。

0028

本発明の樹脂成形体100は、車両関連分野及び建築関連分野などの広範な製品分野において用いることができる。車両関連分野においては、車両の内装材、外装材及び構造材等として好適である。例えば、ドアトリム、ピラーガーニッシュシートバックボード、ルーフトリム、インストルメントパネルコンソールボックスダッシュボード及びデッキトリム等として用いられる。また、鉄道車両船舶及び飛行機等の各種移動手段及び輸送手段等においても同様に利用することができる。更に、建築関連分野においては、各種建築物の内装材、外装材及び構造材等として好適である。例えば、ドア表装材ドア構造材、各種家具椅子箪笥など)の表装材、構造材などとして用いられる。

0029

[2]樹脂成形体の製造方法
樹脂成形体100は、基材1の端面に樹脂組成物を射出し、射出成形部材2を設けることにより製造される。そのため、樹脂成形体100の製造は、通常、インサート成形によりなされる。成形型にインサートされる基材1となる予備成形体(図5の予備成形体1a参照)としては、例えば、植物繊維等の補強繊維と熱可塑性樹脂とが混合され、形成されるウェブを用いることができる。ウェブの形成には、熱可塑性樹脂は、繊維、粉末等の形態で混合されるが、繊維の形態で混合すれば、ウェブの形成がより容易であり好ましい。

0030

本発明の樹脂成形体の製造方法は、基材1及び射出成形部材2の一方の表面に積層される空隙を有する樹脂製薄膜3を固定型51のキャビティに配設する薄膜配設工程(図6参照)と、基材1となる予備成形体1aを、空隙を有する樹脂製薄膜3の一部に接するように配置させる成形体配置工程(図6参照、図5のように予備成形体1aの一方の表面に空隙を有する樹脂製薄膜3が積層された形態となる)と、移動型52が備える射出成形機4より、空隙を有する樹脂製薄膜3の他部に接するように樹脂を射出する射出工程(図7参照)と、冷却し、その後、脱型する冷却・脱型工程と、を備える。
以下、製造工程を図6、7を用いて詳しく説明する。

0031

薄膜配設工程は、固定型51のキャビティのうちの所要壁面に、空隙を有する樹脂製薄膜3を配設する工程である(図6参照)。空隙を有する樹脂製薄膜3の端部は固定型51のキャビティではない壁面に粘着させる等の方法により固定する。図6、7では、成形型が縦型であるため、空隙を有する樹脂製薄膜3の一方の端部が固定されている。また、成形型が横型であるときは、空隙を有する樹脂製薄膜3をキャビティの底壁面に載置すればよく、特に固定する必要はないかもしれないが、射出圧により、空隙を有する樹脂製薄膜3の位置がずれてしまうのを防止するため、所要位置で固定しておくことが好ましい。

0032

成形体配置工程は、基材1となる予備成形体1aを、キャビティの底壁面に載置された空隙を有する樹脂製薄膜3の一部に接するようにインサートし、配置する工程である。上述のようにして形成されたウェブ等の予備成形体1aは、熱可塑性樹脂の融点等により設定される所定温度に加熱され、溶融した熱可塑性樹脂により補強繊維の交絡点近傍が融着され、その後、固定型51のキャビティの底壁面に載置された空隙を有する樹脂製薄膜3の一部に接するようにインサートされ、配置される。

0033

射出工程は、移動型52を固定型51の側へと移動させ、型閉じし、その後、移動型52が備える射出成形機4より、空隙を有する樹脂製薄膜3の他部に接するように樹脂を射出する工程である(図7参照)。これにより、インサートされた予備成形体1aが加圧されるとともに、予備成形体1aと射出成形部材2となる成形体の各々の一方の表面の全面と、空隙を有する樹脂製薄膜3とが接することとなる。

0034

冷却・脱型工程は、射出工程の後、冷却し、その後、脱型する工程である。冷却温度は特に限定されないが、通常、室温(20〜30℃程度)にまで冷却される。その後、型開きし、固定型51のキャビティから樹脂成形体100を取り出す。これにより、溶融した熱可塑性樹脂(特に補強繊維が植物繊維であるときは、通常、前述の酸変性熱可塑性樹脂が併用される)により、補強繊維の交絡点が結着され、繊維により補強された基材1と、その板面方向に接続された射出成形部材2とを備える樹脂成形体100を製造することができる。

0035

また、樹脂成形体100が車両用内装材等である場合、樹脂組成物を基材1の端面に向けて樹脂が流動するようにして射出し、射出成形部材2を成形するときに、所定のキャビティを有する成形型を用いることにより、基材1の板面方向に接続される射出成形部材2の延設部により、前述のような意匠アンダー形状部21(図4参照)を形成することもできる。

0036

尚、前述の記載は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施態様を挙げて説明したが、本発明の記述及び図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく、説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その態様において本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料及び実施態様を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、寧ろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。

0037

本発明の樹脂成形体及びその製造方法は、車両関連分野及び建築関連分野などの広範な製品分野において利用することができる。特に、車両用内装材、例えば、ドアトリム、ルーフトリム等の技術分野において有用である。

0038

100、10;樹脂成形体、1;基材、1a;予備成形体、2;射出成形部材、21;意匠アンダー形状部、13;アンダー形状構造物、4;射出成形機、51;固定型(コア型)、52;移動型(キャビ型)。

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