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技術 永久磁石及びモータ

出願人 TDK株式会社
発明者 石坂力黒嶋敏浩三竹晃司
出願日 2018年10月10日 (1年6ヶ月経過) 出願番号 2018-191862
公開日 2019年5月30日 (11ヶ月経過) 公開番号 2019-083679
状態 未査定
技術分野 同期機の永久磁石界磁 永久磁石
主要キーワード 長方形平板状 トルク比率 熱間成型 回転子部分 セグメント形状 希土類系磁石 熱間押出し加工 電流位相角β
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

低コストで製造可能であると共に、磁束の制御を可能とする。

解決手段

永久磁石4は、モータ1の回転子に取り付けられる希土類系磁石からなる永久磁石であって、磁化の方向が互いに異なる複数の磁石4A、4Bを組み合わせることにより構成され、長手方向に沿って磁化の方向が他の領域と異なる配向制御領域45を有する。

概要

背景

モータ回転子部分に取り付けられる永久磁石では、従来から、磁化方向を均一にすることが一般的である。これに対して、特許文献1では、トルクを減少させることなくモータのコギング現象及びこれに起因する振動騒音及び回転むらを防ぐことを目的として異方性セグメント形状磁石ステータまたはアウターロータとして使用することが検討されている。

概要

低コストで製造可能であると共に、磁束の制御を可能とする。永久磁石4は、モータ1の回転子に取り付けられる希土類系磁石からなる永久磁石であって、磁化の方向が互いに異なる複数の磁石4A、4Bを組み合わせることにより構成され、長手方向に沿って磁化の方向が他の領域と異なる配向制御領域45を有する。

目的

本発明は上記を鑑みてなされたものであり、低コストで製造可能であると共に、磁束の制御が可能な永久磁石及びこの永久磁石が適用されたモータを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

モータ回転子に取り付けられる希土類系磁石からなる永久磁石であって、磁化の方向が互いに異なる複数の磁石を組み合わせることにより構成され、長手方向に沿って磁化の方向が他の領域と異なる配向制御領域を有する、永久磁石。

請求項2

前記配向制御領域では、厚さ方向に沿って磁化の方向が互いに異なる複数の磁石が重ねられている、請求項1に記載の永久磁石。

請求項3

前記複数の磁石は2つの板状の磁石であって、前記配向制御領域では、前記2つの板状の磁石が前記厚さ方向に重ねられている、請求項2に記載の永久磁石。

請求項4

外形直方体形状である、請求項1または2に記載の永久磁石。

請求項5

複数の磁石挿入孔を有する回転子と、前記複数の磁石挿入孔にそれぞれ収容される希土類系磁石からなる複数の永久磁石と、を有するモータであって、前記永久磁石のうちの一部は、磁化の方向が互いに異なる複数の磁石を組み合わせることにより構成され、長手方向に沿って、磁化の方向が他の領域と異なる配向制御領域を有する、モータ。

請求項6

前記複数の磁石挿入孔は、前記回転子の回転軸周り周期的に配置されて、前記複数の磁石挿入孔のうちの2つの連続する磁石挿入孔に収容される2つの永久磁石により、前記回転子の磁極が構成され、前記磁極を構成する前記2つの永久磁石は、仮想線に対して対称に配置され、前記2つの永久磁石のそれぞれは、前記仮想線から遠い方の端部側に、前記配向制御領域を有する、請求項5記載のモータ。

技術分野

0001

本発明は、永久磁石及びモータに関する。

背景技術

0002

モータの回転子部分に取り付けられる永久磁石では、従来から、磁化方向を均一にすることが一般的である。これに対して、特許文献1では、トルクを減少させることなくモータのコギング現象及びこれに起因する振動騒音及び回転むらを防ぐことを目的として異方性セグメント形状磁石ステータまたはアウターロータとして使用することが検討されている。

先行技術

0003

特開2002−110417号公報

発明が解決しようとする課題

0004

近年、モータ効率の向上等の要求が高まり、永久磁石を回転子に埋め込んだ磁石埋め込み型モータ(IPMモータ)の採用が進んでいる。また、この磁石埋め込み型モータでは、フェライト磁石に代えてネオジム磁石等の希土類磁石の採用が進んでいる。

0005

特許文献1に記載のように磁化の方向の制御を精密に行うためにはフェライト磁石で一般に用いられている縦磁場成形法(成形時の磁場方向と加圧方向を平行にして圧縮成形する方法。平行磁場成形法ともいう。)を用いることで容易に実現できる。しかしながら、希土類磁石の製造には一般的に横磁場成形法(成形時の磁場方向と加圧方向を垂直にして圧縮成形する方法。垂直磁場成形ともいう。)が用いられる。その理由は希土類磁石の製造に縦磁場成形法を適用した場合、横磁場成形法に比べ低い残留磁束密度しか得られないためである。横磁場成形法にて磁化の方向の制御を精密に行うことは、技術的には可能だが、生産性が著しく低下することとなり、コストの上昇を招く。

0006

本発明は上記を鑑みてなされたものであり、低コストで製造可能であると共に、磁束の制御が可能な永久磁石及びこの永久磁石が適用されたモータを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る永久磁石は、モータの回転子に取り付けられる希土類系磁石からなる永久磁石であって、磁化の方向が互いに異なる複数の磁石を組み合わせることにより構成され、長手方向に沿って磁化の方向が他の領域と異なる配向制御領域を有する。

0008

また、本発明の一形態に係るモータは、複数の磁石挿入孔を有する回転子と、前記複数の磁石挿入孔にそれぞれ収容される希土類系磁石からなる複数の永久磁石と、を有するモータであって、前記永久磁石のうちの一部は、磁化の方向が互いに異なる複数の磁石を組み合わせることにより構成され、長手方向に沿って磁化の方向が他の領域と異なる配向制御領域を有する。

0009

上記の永久磁石及びモータによれば、磁化の方向が他の領域と異なる配向制御領域を有する永久磁石によって、回転子に取り付けられる永久磁石の磁束の制御を行うことができる。また、この永久磁石は、配向が互いに異なる複数の磁石を組み合わせて構成されている。したがって、永久磁石における磁束の制御を低コストで実現することができる。

0010

ここで、前記配向制御領域では、厚さ方向に沿って磁化の方向が互いに異なる複数の磁石が重ねられている態様とすることができる。

0011

上記のように、配向が異なる磁石を厚さ方向に沿って重ねることで配向制御領域が形成されることで、配向制御領域における配向の制御をより細かく行うことができる。

0012

また、上記の永久磁石において、前記複数の磁石は2つの板状の磁石であって、前記配向制御領域では、前記2つの板状の磁石が前記厚さ方向に重ねられている態様とすることができる。

0013

上記のように、2つの板状の磁石を厚さ方向に重ねて配向制御領域を形成することで、磁束の制御が可能な永久磁石をより低コストで製造することができる。

0014

また、外形直方体形状である態様とすることができる。

0015

上記のように、永久磁石の外形を直方体形状とすることで、従来の一般的な磁石埋め込み型モータに設けられた直方体形状の磁石挿入孔に対しても簡単に取り付けることが可能である。

0016

また、上記のモータにおいて、前記複数の磁石挿入孔は、前記回転子の回転軸周り周期的に配置されて、前記複数の磁石挿入孔のうちの2つの連続する磁石挿入孔に収容される2つの永久磁石により、前記回転子の磁極が構成され、前記磁極を構成する前記2つの永久磁石は、仮想線に対して対称に配置され、前記2つの永久磁石のそれぞれは、前記仮想線から遠い方の端部側に、前記配向制御領域を有する態様とすることができる。

0017

上記のように、同一の磁極を構成する2つの永久磁石が、仮想線に対して対称に配置され、2つの永久磁石のそれぞれにおいて仮想線から遠い方の端部側に配向制御領域を有する構成とすることで、配向制御領域によって制御された磁束が、仮想線に沿って集中した状態となり、磁束密度が高められる。この結果、モータにおけるマグネットトルクが高められ、出力トルクが高められる。

発明の効果

0018

本発明によれば、低コストで製造可能で有り、磁束の制御が可能な永久磁石及びこの永久磁石が適用されたモータが提供される。

図面の簡単な説明

0019

本発明の一実施形態に係るモータの概略平面図である。
永久磁石の構成を説明する概略斜視図である。
図1の一部を拡大した図である。
永久磁石の形状及び磁石の組み合わせの変更例を示す図である。
永久磁石の形状及び磁石の組み合わせの変更例を示す図である。
回転子のコアにおける永久磁石の配置の変更例を示す図である。
実施例1の永久磁石の形状及び磁石の組み合わせを模式的に示す図である。
実施例2の永久磁石の形状及び磁石の組み合わせを模式的に示す図である。
比較例1の永久磁石の形状及び磁石の組み合わせを模式的に示す図である。
実施例3の永久磁石の形状及び磁石の組み合わせを模式的に示す図である。
比較例2の永久磁石の形状及び磁石の組み合わせを模式的に示す図である。

0020

以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更をすることが可能である。

0021

まず、実施形態に係るモータ1の構成について、図1を参照しつつ説明する。

0022

図1に示すように、モータ1は、固定子(ステータ)2と、固定子2の内部に回転自在に配置された回転子(ロータ)3、回転子3のコア7と連結したシャフト8とを備えて構成されている。モータ1は、回転子3の内部に永久磁石4を埋め込まれた、所謂磁石埋め込み型モータ(IPMモータ)である。

0023

固定子2は、鉄心5と、鉄心5に巻装された複数の巻線6とから構成される。巻線6は固定子2の内周面で等間隔に所定数配置され、巻線6への通電により、回転子3を回転させるための回転磁界を発生させる。

0024

回転子3は、コア7と、コア7に設けられた複数の磁石挿入孔(図示せず)と、磁石挿入孔に収容されて固定された複数の永久磁石4とから構成される。

0025

コア7は、薄板状の電磁鋼板等の積層体からなる。コア7の中心部分に軸穴が形成され、この軸穴に回転子3の回転軸となるシャフト8が嵌合される。コア7の外周付近には、コア7の軸(回転子3の回転軸に対応する)周りに周期的に並んだ複数対(図1では4対)の磁石挿入孔が設けられている。磁石挿入孔の各対は、コア7の軸から延びる仮想線(図3で示す仮想線A)に対して対称的に配置されている。仮想線Aに対して対照的に配置される2つ(1対)の磁石挿入孔に収容される2つの永久磁石4は、コア7の外側が同一極となるように配置されて、1極を構成している。図1に示すモータ1の場合、回転子3の極数は4である。

0026

磁石挿入孔には、図2に示される永久磁石4が収容される。本実施形態では、磁石挿入孔の形状は、挿入される磁石の形状に対応していて、略L字形とされる。磁石挿入孔にはフラックスバリアとなる空間が形成されていてもよい。なお、説明のために、図2ではXYZ直交座標系を示している。

0027

図2(A)は、永久磁石4を説明する斜視図であり、図2(B)は、永久磁石4のXY方面に沿った断面図である。永久磁石4は、図2(A)及び図2(B)に示すように、回転子3の回転軸方向に対して直交する方向(すなわち、回転子3を構成するコア7の主面の延在方向)に沿って重ねて配置された2つの板状の磁石4A、4Bで構成されている。より具体的には、磁石4A、4Bは長方形平板状とされている。なお、本実施形態における「板状」の磁石とは、対向配置する主面が互いに略平行である磁石である。したがって、例えば、略平行な主面を有しているが側面が傾斜している、または、主面の角部が丸められている磁石についても「板状」の磁石に含まれる。

0028

2つの磁石4A、4Bは同じ材料で構成された永久磁石とすることができる。本実施形態に係る磁石4A、4Bは、希土類系永久磁石(希土類系磁石)で構成されており、例えば、R−T−B系永久磁石とすることができる。また、その中でも、R−T−B系焼結磁石とすることができる。R−T−B系焼結磁石は、R2T14B結晶から成る粒子結晶粒子)および粒界を有する。

0029

R−T−B系焼結磁石におけるRは、希土類元素の少なくとも1種を表す。希土類元素とは、長周期型周期表の第3族に属するScとYとランタノイド元素とのことをいう。ランタノイド元素には、例えば、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等が含まれる。R−T−B系焼結磁石におけるTは、Fe、あるいはFeおよびCoを表す。さらに、その他の遷移金属元素から選択される1種以上を含んでいてもよい。R−T−B系焼結磁石におけるBは、ホウ素(B)、あるいは、ホウ素(B)および炭素(C)を表す。

0030

本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、CuまたはAl等を含んでいてもよい。これらの元素の添加により、高保磁力化高耐食性化、または磁気特性温度特性の改善が可能となる。

0031

さらに、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、重希土類元素としてDy、Tb、またはその両方を含んでいてもよい。重希土類元素は、結晶粒子及び粒界に含まれていてもよい。重希土類元素が、結晶粒子に実質的に含まれない場合は、粒界に含まれることが好ましい。粒界における重希土類元素の濃度は、結晶粒子における濃度より高いことが好ましい。本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、重希土類元素が粒界拡散されたR−T−B系焼結磁石であってもよい。重希土類元素を粒界拡散したR−T−B系焼結磁石は、粒界拡散しないR−T−B系焼結磁石と比較して、より少量の重希土類元素で残留磁束密度および保磁力を向上させることができる。

0032

また、本実施形態に係る磁石4A、4BがR−T−B系永久磁石である場合、R−T−B系永久磁石は、上記のように焼結を行うことにより製造されるR−T−B系焼結磁石に限定されない。例えば、焼結の代わりに熱間成型および熱間加工を行い製造されるR−T−B系永久磁石であってもよい。

0033

室温にて原料粉末成型することにより得られる冷間成型体に対して、加熱しながら加圧する熱間成型を行うと、冷間成型体に残存する気孔が消滅し、焼結によらずに緻密化させることができる。さらに、熱間成型により得られた成型体に対して熱間加工として熱間押出し加工を行うことにより、所望の形状を有し、かつ、磁気異方性を有するR−T−B系永久磁石を得ることができる。

0034

なお、磁石4A、4Bは、互いに異なる材料の磁石であってもよい。

0035

永久磁石4は、磁石4Aと磁石4Bとを厚さ方向(高さ方向:Y軸方向)に重ねる(積層する)ことで形成されている。永久磁石4の大きさは回転子の外径、極数等によって適宜選定される。磁石4Aは、例えば、長辺長さ(X軸方向長さ)は3mm〜70mmの範囲であり、高さ(Y軸方向長さ)は1mm〜40mmの範囲である。また、磁石4Bは、例えば、長辺長さは1mm〜35mmの範囲であり、高さは1mm〜40mmの範囲である。また、磁石4Bの長辺長さは、磁石4Aの長辺長さに対して5%以上50%以下が好ましく、10%以上40%以下がより好ましい。また、磁石4Bの高さは、磁石4Aの高さに対して10%以上150%以下が好ましく、20%以上100%以下がより好ましい。

0036

磁石4A、4Bは、短辺の長さは同じであることが好ましく、図2に示すように、磁石4A、4Bを重ねた際には、長辺に沿った側面(短辺と交差するXY平面に平行な側面)の端部が一致することが好ましい。

0037

また、磁石4Bは、磁石4Aの一方側の短辺同士が平面視において重なり合うように積層される。本実施形態では、磁石4Aの主面40A(XZ平面に平行な面)に含まれる一の短辺41A(X軸負側の短辺)と、磁石4Bの主面40B(XZ平面に平行な面)に含まれる一の短辺41B(X軸負側の短辺)と、が重なる状態で、主面40Aと主面40Bとが対向した状態で磁石4A上に磁石4Bが積層される。この結果、永久磁石4の長辺方向(X軸方向)に沿って永久磁石4を見たときに、一方側(磁石4A,4Bが積層しているX軸負側)では、永久磁石4の厚さ(積層方向に沿った高さ)が大きく、他方側(磁石4A上に磁石4Bが積層していないX軸正側)では、永久磁石4の厚さが小さくなっている。このように、本実施形態に係る永久磁石4は、永久磁石4の厚さが互いに異なる領域を有している。また、永久磁石4は、断面(XY平面に平行な面)形状が略L字形状となっている。

0038

なお、本実施形態に係る永久磁石は、磁石4A、4Bは互いに異なる方向に磁化されている。具体的には、図2(B)に示すように、磁石4Aは、高さ(厚さ)方向に平行な方向M1(Y軸正方向)に磁化されている。一方、磁石4Bは、磁石4Aの磁化方向M1に対して所定の角度傾いた方向M2に磁化されている。なお、磁石4A、4Bは、いずれも一軸に平行である一様な配向であるとする。

0039

磁石4Bが積層されている領域では、永久磁石4の高さ(厚さ)方向で見たとき、互いに異なる磁化方向を有する2つの磁石が重ねられていることになる。その結果、2つの磁石が重ねられている領域の磁化方向は、他の領域と異なることになる。この他の領域と比較して磁化方向が異なる領域を配向制御領域45とする。なお、永久磁石4では、互いに異なる磁化方向を有する2種類の磁石が重ねられることで、配向制御領域45が形成される。つまり、永久磁石4の場合には、配向制御領域45は、磁石4Bが重ねられた領域となる。

0040

本実施形態では、磁石4Bの磁化方向M2は、磁石4A、4Bの長辺方向に沿って、磁石4Aのうち磁石4Bが積層されていない端部側(X軸正方向)に傾斜している。したがって、永久磁石4からのフラックス(磁束)は、永久磁石4の上面(Y軸正側の表面)から磁石4Aが積層されていない領域側に偏ってまとまった状態となる。すなわち、磁束密度が高められた状態となる。

0041

永久磁石4は、磁化方向M1と磁化方向M2とを互いに異ならせることで、永久磁石4全体としてのフラックス(磁束)の方向及び密度を制御することができる。また、この永久磁石4をモータ1の回転子3に所定の方向に搭載することで、モータ1における永久磁石4によるトルクを大きくすることができる。この点については、後述する。

0042

なお、磁化方向M1と磁化方向M2とのなす角度は、適宜変更することができるが、例えば、1°〜45°程度とすることができる。また、磁石4Bのように、磁化方向M2を高さ(厚さ)方向から異ならせる方法は特に限定されない。

0043

磁石4A,4Bは、接着剤等によって接合されていてもよい。また、磁石4A、4Bの間には、接合層が介在していてもよい。一対の磁石4A、4Bの間に接合層が介在している場合、磁石4A、4Bの間隔は0.01mm〜0.1mmの範囲が好ましい。

0044

図3は、図1一部拡大図である。上記の永久磁石4は、回転子3のコア7に設けられた磁石挿入孔(図示せず)に収容されることで、図3に示すように配置される。

0045

永久磁石4の各対は、コア7の軸から延びる仮想線Aに対して対照的に配置されている。より具体的には、永久磁石4は、略L字形の長辺(磁石4Aにより形成される長辺部分)から延長された直線と仮想線Aとがなす角が所定の角度(例えば、45°〜85°程度であるが、特に限定されない)だけ傾いた状態で、対照的に配置されている。このように、永久磁石4は、図2における上方(Y軸正側)がコア7の外周側を向くように磁石挿入孔に収容される。また、磁石挿入孔に収容された場合、永久磁石4における回転子3(コア7)の回転軸に対して直交する断面とは、図2における永久磁石4のXY平面に平行な断面となる。

0046

この結果、図3に示すように、一対の永久磁石4は、仮想線Aから遠い側(回転子3の外周に近い側)の両端部において、永久磁石4の厚さ(シャフト8の延在方向から見たときの永久磁石4の積層方向の厚さ、または、コア7の主面上で永久磁石4の長辺の延在方向に沿って見たときの永久磁石4の幅)が大きくなり、仮想線Aから近い側(回転子3の回転軸に近い側)の両端部において永久磁石4の厚さが小さくなっている。

0047

また、一対の磁石挿入孔に収容された一対の永久磁石4においては、それぞれ、仮想線Aから遠い側の両端部に磁石4Bが積層されている。磁石4Bの磁化方向M2は、上述したように永久磁石4のうち磁石4Bが積層されていない側(磁石4Aの上面が露出している側)に偏っている。したがって、永久磁石4からのフラックスは、永久磁石4のうち磁石4Bが積層されていない側(磁石4Aの上面が露出している側)に偏った状態で、磁束密度が高められることになる。この結果、永久磁石4の上方(回転子3の回転軸に対して外方側、すなわち、固定子2側)では、仮想線Aに沿ってフラックスが集中した状態となる。

0048

なお、永久磁石4の積層に関しては、上記寸法にすでに個片化されている磁石4A、4Bを重ね合わせる方法が用いられる。なお、必要に応じて、磁石4A、4Bに所定の研磨処理(たとえばバレル研磨等)を施して面取りしてもよい。

0049

なお、適宜、磁石挿入孔に充填剤充填して、永久磁石4を磁石挿入孔に固定してもよい。充填剤としては、熱硬化性樹脂を用いることができ、たとえばエポキシ樹脂シリコーン樹脂を用いることができる。ただし、磁石挿入孔に収納された永久磁石4が磁石挿入孔に対して固定された状態となるのであれば、必ずしも充填剤を用いる必要はない。

0050

ここで、本実施形態に係る永久磁石4は、互いに異なる磁化方向を有する領域が高さ(厚さ)方向に積層された配向制御領域を有する。このような構成を有することで、磁石埋め込み型モータに適用される永久磁石において、磁束の制御を低コストで実現することが可能となる。

0051

磁石埋め込み型モータは、一般的に高いモータ効率が要求されるが、これと共に高い出力トルクが要求される場合が多い。このような場合、埋め込まれる磁石としては、フェライト磁石と比較して磁気性能が高い希土類系磁石が用いられる場合がある。フェライト磁石の製造には前述したように縦磁場成形法が多く用いられ、セグメント型磁石を容易に作ることができるが、磁気特性の高い希土類磁石の製造には上述した横磁場成形法が用いられるため、安価に磁化方向を精密に制御する方法がなく、磁石の磁化方向を利用したトルクの改善については、十分な検討はなされていなかった。

0052

これに対して、本実施形態に係る永久磁石4によれば、配向制御領域45を有するので、磁化方向の制御を利用して、磁束密度の制御が可能となる。したがって、この永久磁石4を利用した磁石埋め込み型モータにおいては、永久磁石4の配向制御領域45を利用して、フラックスの磁束密度の制御が可能となることから、磁石埋め込み型モータに求められる性能等に応じた調整を容易に行うことができる。また、この永久磁石4では、互いに異なる配向を有する磁石4A、4Bの個片を組み合わせて配向制御領域45が形成されるため、一体化された磁石における配向制御と比較して、より低コストで磁束密度の制御が可能な永久磁石4を得ることができる。上述したように磁石4A、4Bはいずれも一軸に平行である一様な配向の磁石であるので、一般的な製造方法で製造することができる。そのため、配向の制御に関して、磁石の製造コストを大幅に抑制することができる。

0053

また、本実施形態に係る永久磁石4が、1つの磁極を構成する一対の磁石挿入孔のそれぞれに収容された回転子3(コア7)を含むモータ1では、永久磁石4の上方(回転子3の回転軸に対して外方側、すなわち、固定子2側)では、仮想線Aに沿ってフラックスが集中した状態となる。このように、固定子2側へ向かうフラックスの密度(磁束密度)が高められることで、モータ1におけるマグネットトルクが高められる。したがって、モータ1としての出力トルクが高められるという効果が得られる。

0054

なお、配向制御領域45は、永久磁石4の長手方向(X軸方向)に沿った一部のみに形成される。永久磁石4の全体に配向制御領域45を形成すると、永久磁石4からのフラックスの向きを制御することは可能であるものの、磁束密度の制御としては不十分である。したがって、配向制御領域45は、永久磁石4の長手方向に沿った一部の領域に設けられる。

0055

また、上記の永久磁石4は、板状の複数の磁石4A、4Bを組み合わせて構成されている。板状の磁石4A,4Bは、一般的な製造方法で製造することが可能なため、形状の加工等に伴うコストの増大を抑制することができる。

0056

具体的には、本実施形態に係る永久磁石4は、一方の端部側に、他の領域よりも厚みが大きい領域を有する。永久磁石4の場合には、一方の端部側の磁石4Bが重ねられている領域が、他の領域(磁石4Bが重ねられていない領域)と比べて厚くなっている。より具体的には、回転子3の回転軸に対して直交する断面(コア7の主面と平行な断面)において、一方の端部側が他方の端部側に比べて厚い。このような構成を有することで、減磁しやすい領域での減磁を抑制することができる。

0057

一般的に、永久磁石が取り付けられるモータでは、回転子が回転することで部分的磁石の磁化方向とは逆向きの磁界逆磁界)がかかることが知られている。逆磁界がかかる領域は、永久磁石の配置等によって変わるが、例えば、回転子の回転方向に対して後方側(回転方向とは逆側)の端部に逆磁界がかかることが知られている。例えば、図3で示す矢印Rが回転子3の回転方向であるとすると、図3で示す2つの永久磁石4のうち、右側の永久磁石4の右側端付近に逆磁界がかかると考えられる。このように、逆磁界が生じる領域では永久磁石の減磁が発生することが懸念される。これに対して、従来は、磁石材料に重希土類元素を含有させること等、材料の保磁力を高めることで、減磁を防ぐことが一般的であった。しかしながら、重希土類元素は高価であり、磁石の材料コストが増大してしまう。この点を鑑みて、例えば、加熱処理による拡散等を利用して一部領域にのみ重希土類元素を含有させるこことも検討されているが、依然として重希土類元素を含有させるための材料コストが高価となると共に、加熱処理が必要となるため、永久磁石の製造コストを十分に抑制できるとはいえなかった。

0058

一方、本実施形態に係る永久磁石4では、磁石4Bが重ねられている一方の端部側が、他の領域と比べて厚くなっている。すなわち、回転子3の回転軸に対して直交する断面における永久磁石4の厚さが大きい領域を一方の端部側に形成することで、永久磁石4のパーミアンス係数を調整することができる。パーミアンス係数は、磁石の磁化方向の厚さと、磁石の磁化方向に対して垂直な方向の磁石の幅(図2において、磁化方向がY軸方向である場合の、X軸方向の長さ)と、の比に応じて変わるものである。また、磁石においてパーミアンス係数が小さい領域は、逆磁界等の影響を受けて減磁しやすい。そこで、永久磁石4では、永久磁石4のうちの逆磁界を受けやすい一方の端部側に厚さが大きな領域を設けることで、この永久磁石4を回転子3に取り付けた際に、回転子3の回転時に発生し得る局所的な減磁を抑制することができる。すなわち、逆磁界がかかりやすい領域に、永久磁石4のうち厚さが大きな領域を配置することで、当該領域における減磁を抑制することができる。

0059

また、上記の永久磁石4は、板状の複数の磁石4A、4Bを組み合わせて構成されている。永久磁石4のような形状の磁石を製造しようとすると、製造コストが増大する。一方、板状の磁石4A,4Bは、一般的な製造方法で製造することが可能なため、コストの増大を抑制することができる。また、永久磁石4では、複数の磁石4A、4Bを組み合わせて、その厚さを変化させることで、局所的な減磁抑制を可能としている。このように、材料を変更することに代えて、板状の複数の磁石4A、4Bを組み合わせて、回転子3の回転軸に対して直交する断面において厚さが異なる領域を有する永久磁石4は、低コストで製造可能であると共に、回転子の回転時の局所的な減磁を抑制可能である。

0060

なお、回転子3の回転軸に対して直交する断面における永久磁石4の厚さが大きくなる領域が「一方の端部側」に形成される、とは、回転子3の回転軸に対して直交する断面において永久磁石4の厚さが大きくなる領域が、永久磁石4の中央付近ではなく端部に偏って設けられることをいう。本実施形態の永久磁石では、厚さが大きな領域が一方の端部及び当該端部から磁石4Bが延在する領域に形成されているが、「厚さが大きな領域」が永久磁石の一方の端部を含んで設けられている必要はない。例えば、永久磁石4の角部を丸める等により、端部よりもその内側の領域が「厚さが大きな領域」となっていてもよい。

0061

図4は、永久磁石における2つの磁石の組み合わせの変更例である。図4(A)、(B)は、いずれも変形例に係る永久磁石の断面図(回転子の回転軸に対して直交する断面における断面図)を示すものである。

0062

図4(A)に示す永久磁石51は、2つの磁石4C、4Dを厚さ方向に重ねて形成している点は、永久磁石4と同じであるが、永久磁石51全体として、直方体形状とされている。すなわち、磁石4Cは、永久磁石51に対応した直方体形状に対して磁石4Dを配置するための空間部分が切り欠かれた形状をしている。そして、この切り欠かれた空間に対して配向が異なる磁石4Dを配置することで、配向制御領域45を有する永久磁石51が形成されている。このような形状とした場合であっても、永久磁石51による磁束の制御を低コストで実現することが可能となっている。このように、本実施形態に係る永久磁石の形状は、適宜変更することができる。

0063

また、従来の磁石埋め込み型モータには、永久磁石51のような直方体形状の永久磁石が用いられていることが一般的である。したがって、永久磁石51のような直方体形状をしている場合、従来の磁石埋め込み型モータに設けられた磁石挿入孔に対して簡単に取り付けることが可能である。すなわち、永久磁石51は、従来の磁石埋め込み型モータに対しても容易に適用することができる。

0064

図4(B)に示す永久磁石52は、永久磁石4と同様に、平板状の磁石4C上に配向が異なる磁石4Dが重ねられている。ただし、永久磁石52では、磁石4Cの長手方向(X軸方向)両端部に2つの磁石4Dが積層されていて、2つの配向制御領域45が形成されている。2つの配向制御領域45に設けられる磁石4Dの配向は、いずれも、磁石4Cの長手方向の中心部付近に傾斜している。このため、この永久磁石52からのフラックスは、磁石4Cの長手方向の中心部付近の上方に集中する。すなわち、磁束密度が高い領域が磁石4Cの長手方向の中心部付近の上方に形成される。このように、配向制御領域45の数及び配置は適宜変更することができる。また、配向制御領域45の配置を変更することで、磁束密度が集中する領域の制御を行うこともできる。磁束密度が集中する領域は、永久磁石52が取り付けられる磁石埋め込み型モータの形状や性能等に応じて、適宜設計することができる。

0065

図4に示すように、永久磁石に使用する磁石の数等は適宜変更することができる。また、磁石の組み合わせ方についても適宜変更することができる。

0066

図5は、永久磁石における2つの磁石の組み合わせの他の変更例である。図5(A)〜(C)は、いずれも変形例に係る永久磁石の断面図(回転子の回転軸に対して直交する断面における断面図)を示すものである。図5(A)〜(C)は、いずれも厚さが互いにことなると共に配向が互いに異なる2つの磁石4C、4Dを組み合わせて永久磁石を形成している。

0067

図5(A)に示す永久磁石53は、上記実施形態で説明したように2つの磁石4A、4Bを厚さ方向に重ねることで、厚さが大きな領域を形成することに代えて、厚さが互いに異なると共に配向が互いに異なる磁石4C、4Dを組み合わせて、永久磁石4の長辺方向(X軸方向)に沿って並べることで、厚さが大きな領域を形成している。磁石4Dの配向が磁石4Cと比較して傾斜しているため、この磁石4Dが配置される領域が配向制御領域45となる。永久磁石53における配向制御領域45は、永久磁石4のように互いに異なる磁化方向を有する2種類の磁石が重ねられて形成される領域ではなく、1つの磁石によって形成される領域である。このように、配向制御領域45を構成する磁石の数や組み合わせ方は適宜変更することができる。

0068

また、永久磁石における複数の磁石の組み合わせ方についても、適宜変更することができる。なお、磁石の組み合わせ方を変更する場合でも、板状の磁石同士を組み合わせて永久磁石を形成することで、永久磁石を低コストで製造することができる。また、永久磁石51の長辺方向(X軸方向)に沿って磁石を並べて永久磁石を形成する場合、厚さ方向(Y軸方向)に磁石を積層する場合と比較して、磁石に発生する渦電流損失を低減することができることが考えられる。

0069

図5(B)に示す永久磁石54は、厚さが互いに異なると共に配向が互いに異なる磁石4C、4Dを組み合わせて、永久磁石4の長辺方向(X軸方向)に沿って並べることで、配向制御領域45に相当する厚さが大きな領域が形成されている点は、永久磁石53と同じであるが、突出する領域が形成される面が異なる。すなわち、永久磁石54を磁石挿入孔に収容した際に回転軸側に配置される主面(図示下方側の主面)の一部が突出している点が、永久磁石53と相違する。このように、永久磁石において厚さが異なる領域を形成する際の突出部の配置は、磁石挿入孔に収容した際に回転軸に対して外方に配置される面に限定されない。

0070

図5(C)に示す永久磁石55は、永久磁石の両方の主面の一部に他の領域と比較して突出している領域が形成されている点が、他の永久磁石と相違する。図5(C)に示すように、永久磁石55では、対向する主面の両方の一部に他の領域と比較して突出している領域が形成されていて、この領域が配向制御領域45に相当する。このように、対向する主面の両方の一部に他の領域と比較して突出している領域が形成されている場合、永久磁石55は、断面(XY平面に平行な面)形状が略T字形状となっている。このように、永久磁石55の断面形状が略L字形状ではなく略T字形状であっても、厚さが大きな領域が形成されていることで、当該領域におけるパーミアンス係数を大きくすることができるため、永久磁石4等と同様に回転子の回転時の局所的な減磁を抑制可能である。

0071

なお、図5(B)に示す永久磁石54及び図5(C)に示す永久磁石55を形成する際の磁石の組み合わせ方についても適宜変更することができる。例えば、3つの磁石を組み合わせて、永久磁石を形成してもよい。

0072

図6は、モータ1における回転子3のコア7に収容される永久磁石の配置の変更例である。図1及び図3に示すように、上記実施形態では、回転子3における1つの磁極を2つの永久磁石4を仮想線Aに対して対称配置する場合について説明したが、上記実施形態で説明した永久磁石4と他の形状の永久磁石を組み合わせて、回転子3における1つの磁極を形成してもよい。なお、図6では、磁石挿入孔の記載を省略している。

0073

図6では、一対の永久磁石として上記実施形態で説明した永久磁石4が配置されると共に、これらの間に磁石4A、4Bとは異なる平板状の磁石4Eが配置されている例を示している。この例では、連続して配置される3つの永久磁石が磁極を構成していることになる。このように、回転子3における1つの磁極を形成する永久磁石の数及び配置は適宜変更することができる。

0074

図6に示す例では、磁極を構成する連続して配置される3つの永久磁石の両端に配向制御領域45が設けられている。このため、これらの3つの永久磁石からの磁束は、磁石4Cの上方(回転子3の外方)に集中する。したがって、固定子2方向へのフラックスの密度を好適に高めることができる。

0075

ただし、磁石埋め込み型モータの設計によっては、磁極を構成する永久磁石のフラックスをある程度分散させるほうが好ましい場合も考えられる。このような場合には、磁石埋め込み型モータに取り付けられた状態での永久磁石における配向制御領域の配置を適宜変更することができる。例えば、配向制御領域が磁極を構成する複数の永久磁石の中央側に配置されるような構成としてもよい。

0076

以上のように、本実施形態に係る永久磁石4及びこの永久磁石4を取り付けたモータ1によれば、磁化の方向が他の領域と異なる配向制御領域45を有することで、回転子3に取り付けられる永久磁石の磁束の制御を行うことができる。また、この永久磁石4は、配向が互いに異なる複数の磁石4A、4Bを組み合わせて構成されている。したがって、永久磁石における磁束の制御を低コストで実現することができる。

0077

また、配向が異なる磁石を厚さ方向に沿って重ねることで配向制御領域45が形成される場合、配向制御領域45における配向の制御をより細かく行うことができる。

0078

また、2つの板状の磁石4A、4Bを厚さ方向に積層して配向制御領域45を形成することで、磁束の制御が可能な永久磁石4をより低コストで製造することができる。

0079

また、永久磁石の外形を直方体形状とした場合には、従来の一般的な磁石埋め込み型モータに設けられた直方体形状の磁石挿入孔に対しても簡単に取り付けることが可能である。

0080

さらに、モータ1において同一の磁極を構成する2つの永久磁石4が、仮想線Aに対して対称に配置され、2つの永久磁石4のそれぞれにおいて仮想線Aから遠い方の端部側に配向制御領域45を有する構成とすることで、配向制御領域45によって制御された磁束が、仮想線Aに沿って集中した状態となり、磁束密度が高められる。この結果、モータ1におけるマグネットトルクが高められ、出力トルクが高められる。

0081

本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。

0082

例えば、モータに設けられた磁石挿入孔の数は適宜増減することができ、磁石挿入孔の位置関係についても適宜変更することができる。また、永久磁石を構成する磁石の数は、適宜変更することができる。また、その形状も適宜変更することができる。

0083

また、本実施形態に係る永久磁石は、磁石埋め込み型モータ以外のモータにも適用することができる。

0084

本発明の内容(効果等)を実施例及び比較例を参照してさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。

0085

(実施例1)
永久磁石4をモータ1の回転子3に組み込んだ際のモータ1の出力トルクを有限要素法を用いて求めた。モータ1は、スロット(不図示)を24個有した固定子2を備えており、24個のスロットそれぞれを通して巻線6が集中巻で30ターン巻回されている。巻線6は、所定の順に電気的に接続され、3相交流電源(不図示)に接続され、回転子3を回転させるための回転磁界を発生させるように構成されている。モータ1は、図3に示すような一対の永久磁石4で一つのN極又はS極を示す磁極を16対、回転子3に備えている。このように、モータ1は、16極24スロットのインナーロータ型のIPMモータである。

0086

永久磁石4を形成する磁石4A、4B(図7参照)の磁気特性は、20℃における残留磁束密度Brは1.35[T]、保磁力Hcjは1500[kA/m]であり、150℃における残留磁束密度Brは1.1745[T]、保磁力Hcjは570[kA/m]である。永久磁石4を形成する磁石4Aの長辺長さは11.6mm、高さは5mmである。永久磁石4を形成する磁石4Bの長辺長さは2.5mmであり、磁石4Aの長辺長さに対し22%になっている。同様に、永久磁石4を形成する磁石4Bの高さは2mmであり、磁石4Aの高さに対し40%になっている。

0087

図7に示すように、磁石4Aの磁化方向M1は、Y軸正方向になっている。磁石4Bの磁化方向M2は、磁石4A、4Bの長辺方向に沿って、磁石4Aのうち磁石4Bが積層されていない端部側に30°傾斜(Y軸正方向から30°傾斜)している。したがって、永久磁石4からのフラックス(磁束)は、永久磁石4の上面(Y軸正側の表面)から磁石4Aが積層されていない領域側に偏ってまとまった状態となっている。このように構成した実施例1において、20℃、ピーク電流100[A]、電流位相角β=30°の3相交流電流を巻線6に通電しながら1000[rpm]で回転子3を回転させた時の、モータ1としての出力トルクを有限要素法で求めた。

0088

(実施例2)
実施例2は、実施例1における永久磁石4を、図8及び図5(A)に示す永久磁石53に置き換えた以外は、実施例1と同様の構成である。なお、図5(A)は2つの磁石の配置関係及び磁化方向を示すための模式図であり、磁石の寸法については図5(A)よりも図8が正確である。永久磁石53では、実施例1の永久磁石4のように2つの磁石4A,4Bを厚さ方向に重ねることに代えて、厚さが互いに異なる2つの磁石4C,4Dが長辺方向(X軸方向)に沿って並べて配置され、厚さが大きな領域が形成されている。磁石4Dは、磁石4Cよりも厚さが大きい。永久磁石53では、厚さが大きい領域を形成する突出部が、磁石挿入孔に収容した際に回転軸に対して外方に配置される面に配置されている。磁石4C,4Dは、配向が互いに異なっている。図8に示されるように、磁石4Cの磁化方向M3は、Y軸正方向である。また、磁石4Dの磁化方向M4は、磁石4C側に30°傾斜(Y軸正方向から30°傾斜)している。このように構成した実施例2においても、実施例1と同様に、20℃、ピーク電流100[A]、電流位相角β=30°の3相交流電流を巻線6に通電しながら1000[rpm]で回転子3を回転させた時の、モータ1としての出力トルクを有限要素法で求めた。

0089

(比較例1)
比較例1は、実施例1における永久磁石4を、図9に示す永久磁石401に置き換えた以外は、実施例1と同様の構成である。永久磁石401は、磁石4A(永久磁石4の磁石4Aと同様)と磁石401Bとを厚さ方向に重ねることで形成されている。すなわち、永久磁石401では、実施例1の永久磁石4の磁石4Bに代えて、磁石401Bが採用されている。永久磁石4の磁石4Bの磁化方向M2がY軸正方向から30°傾斜しているのに対して、永久磁石401の磁石401Bの磁化方向M5はY軸正方向である。このように構成した比較例1においても、実施例1と同様に、20℃、ピーク電流100[A]、電流位相角β=30°の3相交流電流を巻線6に通電しながら1000[rpm]で回転子3を回転させた時の、モータ1としての出力トルクを有限要素法で求めた。

0090

(比較結果)
比較結果を示した表1に示されるように、比較例1の出力トルクの値を100%としたときの実施例1のトルク比率は101.2%、実施例2のトルク比率は102.3%であった。

0091

(実施例3)
実施例3は、実施例1における永久磁石4を、図10及び図5(C)に示す永久磁石55に置き換えた以外は、実施例1と同様の構成である。なお、図5(C)は2つの磁石の配置関係及び磁化方向を示すための模式図であり、磁石の寸法については図5(C)よりも図10が正確である。より詳細には、実施例3の永久磁石55は、実施例2の永久磁石53と同様に、2つの磁石4C,4Dが長辺方向(X軸方向)に沿って並べて配置されており、また、磁石4Cの磁化方向M3がY軸正方向であり、磁石4Dの磁化方向M4が磁石4C側に30°傾斜(Y軸正方向から30°傾斜)している。実施例2の永久磁石53では、厚さが大きい領域を形成する突出部が回転軸に対して外方にのみ配置されているのに対し、実施例3の永久磁石55では、上記突出部が対向する主面の両方に形成されている。このように構成した実施例3においても、実施例1と同様に、20℃、ピーク電流100[A]、電流位相角β=30°の3相交流電流を巻線6に通電しながら1000[rpm]で回転子3を回転させた時の、モータ1としての出力トルクを有限要素法で求めた。

0092

(比較例2)
比較例2は、実施例3における永久磁石55を、図11に示す永久磁石402に置き換えた以外は、実施例3と同様の構成である。永久磁石402は、磁石4C(永久磁石55の磁石4Cと同様)と磁石402Dとを長辺方向に沿って並べて配置して形成されている。すなわち、永久磁石402では、実施例3の永久磁石55の磁石4Dに代えて、磁石402Dが採用されている。永久磁石55の磁石4Dの磁化方向M4がY軸正方向から30°傾斜しているのに対して、永久磁石402の磁石402Dの磁化方向M6はY軸正方向である。このように構成した比較例2においても、実施例1と同様に、20℃、ピーク電流100[A]、電流位相角β=30°の3相交流電流を巻線6に通電しながら1000[rpm]で回転子3を回転させた時の、モータ1としての出力トルクを有限要素法で求めた。

0093

(比較結果)
比較結果を示した表1に示されるように、比較例2の出力トルクの値を100%としたときの実施例3のトルク比率は100.6%であった。

0094

上述したように、実施例1〜3のトルク比率はいずれも、比較例1又は比較例2のトルク比率100%より大きくなることが確認された。すなわち、実施例1〜3の構成を採用することによりモータ1の出力トルクを高める効果が得られることが示された。

実施例

0095

0096

1…モータ、3…回転子、4、51,52…永久磁石、7…コア、45…配向制御領域、4A、4B、4C…磁石。

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