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技術 細菌の迅速検査報告方法

出願人 アース環境サービス株式会社
発明者 松本吉雄足達由貴
出願日 2017年10月30日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2017-209058
公開日 2019年5月30日 (2ヶ月経過) 公開番号 2019-082789
状態 特許登録済
技術分野 酵素、微生物を含む測定、試験 イメージ分析 微生物・酵素関連装置 生物学的材料の調査,分析
主要キーワード 拡大防止 トゥルーカラー 出荷判定 メルクマール 検査サービス 参照法 画像解析ステップ 動き分析
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年5月30日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (4)

課題

検体動画撮影して画像処理することにより、短時間のうちに生菌の有無及び種類と数の分析を行い、その結果を検査依頼者フィードバックすることができる、細菌の迅速検査方法を提供することを課題とする。

解決手段

対象とする検体を処理して試料液を調整する試料液調整ステップS1と、調整した前記試料液を動画撮影する動画撮影ステップS2と、前記撮影した動画依頼者端末からネットワークを介してサーバーに送信する画像送信ステップS3と、前記サーバーにおいて前記動画を解析して細菌の種類の特定及び数の算出を行う動画解析ステップS4と、前記解析結果についての報告を前記サーバーから依頼者端末に送信する結果報告ステップS5とから成る。

概要

背景

食品医薬品などの製造分野では、製造品安全性の確認及び製造品安全性証明の一つとして、製品原料製造環境微生物試験を行っている。例えば、食品分野では、製造した食品に病原性の細菌または細菌が産生した毒素が残存した場合、それを喫食した際には食中毒症状、あるいは、命を落とすような(腸管出血性大腸菌O157によるものなど)重篤危害をもたらすが、このような食中毒事故は未だに後を絶たない(平成27年のデータでは、報告があったものだけでも、細菌が原因で起こった食中毒の件数は431件で、患者数は6029人に上る)。

企業側では、このような事故を起こさないようにと、製造環境の適切な洗浄殺菌、適切な温度管理及び温度による微生物制御(加熱による殺菌、低温保存による増殖抑制)などの微生物制御に加え、微生物試験を併せて実施している。また、食品衛生法や衛生規範でも、“この食品には○○という菌種陰性であること(含まれてはならない)”というような具体的な基準があり、企業はその基準をクリアできるよう管理しつつ、製造を行っている。

実際に、原料や製品あるいは製造環境中に問題となる細菌がいないかどうかの確認、並びに、製品安全性証明の記録として行う細菌試験法の基本は、生菌を検出することであり(病原菌であっても死菌であれば感染力毒素産生能力がないため、食品中に存在していても問題にならない。)、公定法(国が規定した、あるいは、認定した試験法で、通知通達告示等によって示された試験法)などの参照法に準ずる微生物試験(例えば、特定の微生物種選択性のある寒天培地などの適当な培地で、特定の微生物を増殖させることによる試験)に限られる。

しかし、この方法によった場合、細菌が増殖して検査結果が得られるまでに数日(2日〜5日)かかるため、微生物検査を行った製品の微生物結果は、販売前ではなく販売後である、提供又は喫食後のタイミングになってはじめて判明するというタイムラグが発生する。従って、食中毒菌が残存しているかもしれない状態の製品を販売している可能性を排除できないまま、販売を行っているのが現状であって、片手落ち品質保証活動にならざるを得ないというジレンマを抱えている。

また、上記の方法では、予め目標とする(検出させたい)細菌の種類に応じた選択培地培養法を選択しなければならず、例えば、製品で何か細菌由来の問題(食中毒の発生や、製品の変敗クレームなど)が生じたとき、迅速に原因菌の特定を進めたいにも関わらず、培地の手配やその準備に時間がかかるだけでなく、ピックアップした菌種とは違う菌が原因菌だった場合には選択培地にコロニーが生えないため、原因究明に至らない(遅れてしまう)という事態に陥ることも、大いにあり得ることである。

更に、検査を行う者には相応の知識と技量が要求され、検査に必要な検査設備も必須である。しかし、小規模製造現場スーパー厨房飲食店なども含まれる)の場合は、その場に検査者及び検査設備を持ち合わせていないことが多く、検査可能先(自社だけでなく委託先なども含む)に検査依頼検体発送して検査を行わざるを得ないために、検体の発送にかかる日数が余計に必要となり、これもまた、原因究明を遅らせる要因の一つとなっている(非特許文献1参照)。従って、公定法とは別に、あくまで迅速法として、微生物を培養せずに迅速に、危害をもたらすような生菌が存在するか否かの結果を得るための、微生物非培養法の創出が日本国内のみならず、世界的に望まれているところである。

概要

検体を動画撮影して画像処理することにより、短時間のうちに生菌の有無及び種類と数の分析を行い、その結果を検査依頼者フィードバックすることができる、細菌の迅速検査方法を提供することを課題とする。対象とする検体を処理して試料液を調整する試料液調整ステップS1と、調整した前記試料液を動画撮影する動画撮影ステップS2と、前記撮影した動画依頼者端末からネットワークを介してサーバーに送信する画像送信ステップS3と、前記サーバーにおいて前記動画を解析して細菌の種類の特定及び数の算出を行う動画解析ステップS4と、前記解析結果についての報告を前記サーバーから依頼者端末に送信する結果報告ステップS5とから成る。

目的

本発明はこのような要望応えるためになされたもので、細菌を増殖させてコロニーを確認するのではなく、検体を動画撮影して画像処理することにより、短時間のうちに生菌の有無及び種類と数の分析を行い、その結果を検査依頼者にフィードバックすることができる、細菌の迅速検査報告方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

対象とする検体を処理して試料液を調整する試料液調整ステップと、調整した前記試料液を動画撮影する動画撮影ステップと、前記撮影した動画依頼者端末からネットワークを介してサーバーに送信する画像送信ステップと、前記サーバーにおいて前記動画を解析して細菌の種類の特定及び数の算出を行う動画解析ステップと、前記解析結果についての報告を前記サーバーから依頼者端末に送信する結果報告ステップと、から成ることを特徴とする細菌の迅速検査報告方法。

請求項2

前記動画解析ステップにおいて、細菌の種類の特定及び数の算出に先立ち顕微鏡動画中の不必要な陰影を除去する陰影除去工程と、画像の再構成によってすべての画像の背景輝度統一する背景輝度平滑化処理工程と、異常光度部分を抽出する不自然条件抽出工程と、通常の細菌サイズよりも小さいサイズの領域をノイズとして除去するノイズ除去工程とを含む前処理を行う、請求項1に記載の細菌の迅速検査報告方法。

請求項3

前記動画解析ステップにおいては、平均二乗変位法による細菌の動き分析が行われる、請求項1又は2に記載の細菌の迅速検査報告方法。

請求項4

前記動画解析ステップにおいては、前記細菌の動き分析と共に、ラベル付けした細菌領域のサイズ測定を行う、請求項3に記載の細菌の迅速検査報告方法。

技術分野

0001

本発明は、細菌の迅速検査報告方法に関するものであり、より詳細には、主な検査依頼者である食品医薬品などの製造現場病院など医療現場細胞培養施設公共施設などからの検査依頼を受けた後、10分程度の時間で、生菌の有無及び種類と数の分析結果を依頼者に返すことができる、細菌の迅速検査報告方法に関するものである。

背景技術

0002

食品や医薬品などの製造分野では、製造品安全性の確認及び製造品安全性証明の一つとして、製品原料製造環境微生物試験を行っている。例えば、食品分野では、製造した食品に病原性の細菌または細菌が産生した毒素が残存した場合、それを喫食した際には食中毒症状、あるいは、命を落とすような(腸管出血性大腸菌O157によるものなど)重篤危害をもたらすが、このような食中毒事故は未だに後を絶たない(平成27年のデータでは、報告があったものだけでも、細菌が原因で起こった食中毒の件数は431件で、患者数は6029人に上る)。

0003

企業側では、このような事故を起こさないようにと、製造環境の適切な洗浄殺菌、適切な温度管理及び温度による微生物制御(加熱による殺菌、低温保存による増殖抑制)などの微生物制御に加え、微生物試験を併せて実施している。また、食品衛生法や衛生規範でも、“この食品には○○という菌種陰性であること(含まれてはならない)”というような具体的な基準があり、企業はその基準をクリアできるよう管理しつつ、製造を行っている。

0004

実際に、原料や製品あるいは製造環境中に問題となる細菌がいないかどうかの確認、並びに、製品安全性証明の記録として行う細菌試験法の基本は、生菌を検出することであり(病原菌であっても死菌であれば感染力毒素産生能力がないため、食品中に存在していても問題にならない。)、公定法(国が規定した、あるいは、認定した試験法で、通知通達告示等によって示された試験法)などの参照法に準ずる微生物試験(例えば、特定の微生物種選択性のある寒天培地などの適当な培地で、特定の微生物を増殖させることによる試験)に限られる。

0005

しかし、この方法によった場合、細菌が増殖して検査結果が得られるまでに数日(2日〜5日)かかるため、微生物検査を行った製品の微生物結果は、販売前ではなく販売後である、提供又は喫食後のタイミングになってはじめて判明するというタイムラグが発生する。従って、食中毒菌が残存しているかもしれない状態の製品を販売している可能性を排除できないまま、販売を行っているのが現状であって、片手落ち品質保証活動にならざるを得ないというジレンマを抱えている。

0006

また、上記の方法では、予め目標とする(検出させたい)細菌の種類に応じた選択培地培養法を選択しなければならず、例えば、製品で何か細菌由来の問題(食中毒の発生や、製品の変敗クレームなど)が生じたとき、迅速に原因菌の特定を進めたいにも関わらず、培地の手配やその準備に時間がかかるだけでなく、ピックアップした菌種とは違う菌が原因菌だった場合には選択培地にコロニーが生えないため、原因究明に至らない(遅れてしまう)という事態に陥ることも、大いにあり得ることである。

0007

更に、検査を行う者には相応の知識と技量が要求され、検査に必要な検査設備も必須である。しかし、小規模な製造現場(スーパー厨房飲食店なども含まれる)の場合は、その場に検査者及び検査設備を持ち合わせていないことが多く、検査可能先(自社だけでなく委託先なども含む)に検査依頼と検体発送して検査を行わざるを得ないために、検体の発送にかかる日数が余計に必要となり、これもまた、原因究明を遅らせる要因の一つとなっている(非特許文献1参照)。従って、公定法とは別に、あくまで迅速法として、微生物を培養せずに迅速に、危害をもたらすような生菌が存在するか否かの結果を得るための、微生物非培養法の創出が日本国内のみならず、世界的に望まれているところである。

0008

特開平07−12801号公報
特開2016−45801号公報

先行技術

0009

株式会社ダスキンの「拭き取り検査サービス」https://biz.duskin.jp/service/fukitorikensa/

発明が解決しようとする課題

0010

上述したように、公定法とは別に、あくまで迅速法として、微生物を培養せずに迅速に、危害をもたらすような生菌が存在するか否かの結果を得るための、微生物非培養法の創出が日本国内のみならず世界的に望まれていた。本発明はこのような要望応えるためになされたもので、細菌を増殖させてコロニーを確認するのではなく、検体を動画撮影して画像処理することにより、短時間のうちに生菌の有無及び種類と数の分析を行い、その結果を検査依頼者にフィードバックすることができる、細菌の迅速検査報告方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0011

上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、
対象とする検体を処理して試料液を調整する試料液調整ステップと、
調整した前記試料液を顕微鏡動画撮影する動画撮影ステップと、
前記撮影した動画依頼者端末からネットワークを介してサーバーに送信する画像送信ステップと、
前記サーバーにおいて前記動画を解析して細菌の種類の特定及び数の算出を行う動画解析ステップと、
前記解析結果についての報告を前記サーバーから依頼者端末に送信する結果報告ステップと、
から成ることを特徴とする細菌の迅速検査報告方法である。

0012

一実施形態においては、前記動画解析ステップにおいて、細菌の種類の特定及び数の算出に先立ち、顕微鏡動画中の不必要な陰影を除去する陰影除去工程と、画像の再構成によってすべての画像の背景輝度統一する背景輝度平滑化処理工程と、異常光度部分を抽出する不自然条件抽出工程と、通常の細菌サイズよりも小さいサイズの領域をノイズとして除去するノイズ除去工程とを含む前処理を行う。

0013

一実施形態においては、前記動画解析ステップにおいて、平均二乗変位法による細菌の動き分析を行う。また、前記動画解析ステップにおいては、前記細菌の動き分析と共に、ラベル付けした細菌領域のサイズ測定を行う。

発明の効果

0014

本発明に係る細菌の迅速検査方法は上記のとおりであって、細菌を増殖させてコロニーを確認する必要がないため、専門の知識・技能を有する検査者、クリーンベンチ恒温器などの検査用設備が不要で、スマートホン及び光学顕微鏡さえあれば、誰でも簡単且つ迅速に、細菌の種類及び菌数を確認することができるので、食品分野においては、原料受け入れ時の検査、出荷判定、製造環境調査、殺菌後の効果判定などを簡易的に、且つ迅速(10分程度)に行うことが可能となり、危害菌の検出が認められた製造環境で製造された製品であれば、販売を差し控えることができ、食の安全に大いに貢献し得る効果がある。

0015

また、医薬品製造や細胞培養施設、医療現場、ホテル温泉などの公共施設においては、有害菌を含む細菌の検査を簡単に迅速に行うことができることにより、製品安全性の担保や、細菌感染拡大防止などに貢献し得る効果があり、更に、対象菌(病原菌)だけでなく、通常培養法では培養方法確立されていないが、本発明によった場合は、培養不能(検出不能)な細菌であっても、生菌・死菌の存在の有無を確認、検出することができるため、培養法より多くの菌種、菌数を検出することが可能となる効果がある。

図面の簡単な説明

0016

本発明に係る細菌の迅速検査報告方法を実施するためのシステム概略構成図である。
本発明に係る細菌の迅速検査報告方法における処理ステップを示すフロー図である。
本発明に係る細菌の迅速検査報告方法における処理過程を示す画面イメージ図である。

実施例

0017

本発明を実施するための形態につき、添付図面を参照しつつ説明する。本発明に係る細菌の迅速検査報告方法は、対象とする検体を処理して試料液を調整する試料液調整ステップ(S1)と、調整した前記試料液を顕微鏡動画撮影する動画撮影ステップ(S2)と、撮影した動画を依頼者端末2からネットワーク(公衆回線)3を介してサーバー1に送信する画像送信ステップ(S3)と、サーバー1において前記動画を解析して細菌の種類の特定及び数の算出を行う動画解析ステップ(S4)と、サーバー1から解析結果の報告を依頼者端末2に送信する結果報告ステップ(S5)とから成るものである(図2参照)。

0018

本発明に係る方法は、図1に示されるように、複数の依頼者端末2が、システム管理者の管理するサーバー1にネットワーク(公衆通信網)3を介して接続されてなるシステムによって実施される。以下、本発明に係る方法について、各ステップごとにより詳細に説明する。なお、以下のステップのうち、試料液調整ステップ(S1)から画像送信ステップ(S3)までの処理は依頼者側において行われ、画像解析ステップ(S4)と結果報告ステップ(S5)における処理はサーバー管理者側において行われる。

0019

試料液調整ステップ(S1)
このステップは、食品衛生法に基づく食品の試料(検体)と滅菌希釈水生理食塩水など)を用いて試料液を調製するステップである。検体が固形の場合は9倍量の滅菌希釈水を加えて10倍希釈し、均質化して試料原液とし、検体が液状の場合は、そのまま試料原液とする。

0020

拭き取り検査の場合は、綿棒に付着した細菌を液体中に浮遊、懸濁させる必要がある。その際に、細菌が死滅しないように10mlの滅菌生理食塩水中に綿棒を入れて振動を与え、綿棒から付着した細菌を浮遊させ(振り出し)、これを以て試料原液とする(市販の拭き取り検査用簡易キットを使用する場合は、その使用法に従う)。

0021

試料原液は、必要に応じて滅菌希釈水で10倍段階希釈する。これは、AIによる可視化では、細菌をその大きさや動き運動性)から判断することから、菌数が多いと実際に動きが制限され、判断に影響を及ぼす可能性があるからである。そこで、菌数が多い場合等には希釈して対応しなければならないことがあり、その場合は希釈液(滅菌生理食塩水)を用意し、菌数を換算あるいは判断しやすいよう、10倍、100倍、1000倍等に希釈する(段階希釈)。なお、栄養のない滅菌生理食塩水に浮遊、懸濁させることから、特に栄養要求性の高い細菌や外界の変化に敏感な細菌等は、ダメージを受ける可能性を考慮しなければならない。そのため、この操作は速やかに行う必要がある。

0022

定量(食品1mg中の細菌数、所定拭き取り面積(例えば、10×10cm平方)中の細菌数)の算出が不要で、定性(試料中に目標とする種類の細菌がいるかどうか)の確認のみ行う場合は、試料液を希釈せず、逆に遠心分離などを用いて菌を液中濃縮させた状態で検査を行う。

0023

動画撮影ステップ(S2)
このステップにおいては、上記ステップで調整した試料液を動画撮影するステップである。この動画撮影は、専用の卓上顕微鏡(依頼者側で常備する細菌観察用の光学顕微鏡)のステージに、適当な濃度に調製した試料液を配置し、例えば、スマートホン等の撮像装置を用いて、1,000倍の倍率で動画撮影する。

0024

画像送信ステップ(S3)
このステップは、上記ステップで撮影した検体の動画を、依頼者端末2からネットワーク3を介してサーバー1に送信するステップである。

0025

画像解析ステップ(S4)
このステップは、サーバー1において、依頼者端末2から送られてきた画像を解析して、定量・定性検査をするステップである。このステップにおいては先ず、動画につき、分析対象にするために必要な精度向上を図るための前処理を行う。この前処理は、以下の処理を含む。
1)顕微鏡動画における不必要な陰影を除去する(陰影除去処理)。
2)再編成化によりすべての画像の背景輝度を平滑化する(背景輝度平滑化処理)。
3)不自然な条件、即ち、異常に明るい部分を抽出する(不自然条件抽出処理)。
4)通常の細菌サイズよりも小さいサイズの物体をノイズとして除去する(ノイズ除去処理)。

0026

陰影除去処理
この処理は、送られてきた動画像から移動物体(細菌)の領域を抽出する上で邪魔になる陰影を除去する処理である。この処理に際しては、先ず、HSV色相彩度輝度の3つの成分から成る色空間)を推定するため、すべての画像をトゥルーカラーRGBから、平均化されたRGBによるグレースケールへ変換する(変換は下記式参照)。
(0.29*R+0.58*G+0.11*B)
そして、境界線を取り除き、背景画像に比較してグレーがかっている部分を影と認識し、差分画像から差し引いて陰影を除去することにより、物体の領域抽出を行う。

0027

背景輝度の平滑化処理
言うまでもなく、背景輝度にムラがあると、対象物検出プロセスのための光学的方法の実施が困難となるので、事前に背景輝度の平滑化(平均化)処理を行う。平滑化は、平均化フィルタメディアンフィルタ等の前処理フィルタを用いて行うことができる。

0028

不自然条件抽出処理
ここにいう不自然条件は、各フレームにおける背景輝度の平滑化処理後において、細菌以上に異常に明るい部分が存在する場合である。この処理においては、複数点での明るさが異常であれば不自然条件ありとして、「その他」に分類され、カウントされる(そのほとんどがゴミである。)。

0029

ノイズ除去処理
ノイズ除去処理は、領域抽出された物体のうち、通常の細菌サイズよりも小さいものをノイズ(ゴミ等)として除去する処理である。ゴミの抽出は、例えば、領域面積が0.25mm2 以下のものをゴミと判断することにより行い、ゴミと判断された領域をノイズとして除去する。不明確なすべての対象物を除去した後、ノーマル細菌のサイズではないにも関わらず、細菌様の動作が続く対象物がある場合は、これをノイズとして処理する。このようにするのは、この対象物に起因して光学的誤差が生ずる可能性があるためである。

0030

本発明に係る方法は、主に大腸菌黄色ブドウ球菌種別及び菌数の確認を目的としており(これに限定する訳ではない)、大腸菌と黄色ブドウ球菌の識別のためのメルクマールとして、サイズと動きを用いる。そこで、以上のような前処理を行った後、抽出された細菌領域にラベル付けを行い、更に誤認識を防ぐために、ラベル付けした細菌領域のサイズを測定する。

0031

各細菌の動きを分析するために、例えば、MSD(平均二乗変位)の計算を行う。このMSDの計算式は、以下のとおりである。
MSD(Tau = 1 frame) =〖((r(i)-r(i-1))²+⋯(r(i-18)-r(i-19))²+(r(i-19)-r(i-20))²)/frames〗
ここで r(i)は、i番目のフレームにおける細菌の位置である。言うまでもなく黄色ブドウ球菌と大腸菌は異なった動きをするので、この計算結果から両者を判別することができる。そして、その菌数を標準偏差で表示する。

0032

本発明者らの行った一実験例においては、動作パターン根拠に、確定された細菌の90%は分離できたが(大腸菌の実際の活動は黄色ブドウ球菌よりも高値であったため)、その後、大腸菌の10%は正常な動作を示さなかったために、10%の確定誤差が生じた。このような誤差をなくすために、大腸菌と黄色ブドウ球菌の識別のためのメルクマールとして、サイズの基準を併用することが必要となる。

0033

画像解析は、上記処理で得られたサイズデータ動作パターンデータを、予め作成した標準メルクマールデータ(許容範囲)と照合することにより行う。

0034

以上の全ての処理を経て、各細菌の分類分けがなされ、画面上に結果が表示される。図3は、その画面表示のイメージ図で、図3(A)は動画再生スタート画面、図3(B)は動画再生開始10秒後の画面、図3(C)は動画再生開始30秒後の画面であり、開始10秒後の画面においては、10個の物体領域が抽出されたことが表示され、開始30秒後の画面では、画像解析の結果、大腸菌が4個、黄色ブドウ球菌が3個で、細菌の総累計が7個であることが表示されている(残りの3個はゴミ)。なお、上記動画再生開始後の時間は一例であって、それに限られる訳ではない。

0035

一般的には、上記のような単純な動きパターン判別式を用いての判別方法によって事足りるが、より多くの種類の細菌の動きパターンをより精緻に判別するためには、機械学習によって菌種ごとに特徴的な動きパターンを抽出しておくことが必要となる。

0036

結果報告ステップ(S5)
このステップは、上記画像解析の結果に基づき、依頼者の求める細菌の種類(定性)と数(定量)についての結果報告が、サーバー1から依頼者端末2に送信されるステップである。

0037

以上の説明は、主に大腸菌と黄色ブドウ球菌の判別及び菌数の確認のための処理に関するものであるが、他の菌種間の場合、あるいは、判別菌種がより多い場合においても、基本的処理に変わりはない。また、判別のためのメルクマールは、菌のサイズ及び動きのパターンに限定される訳ではなく、判別精度向上のために、より多くのメルクマールを参照するように構成することができることは言うまでもない。

0038

本発明に係る細菌の迅速検査報告方法は上記のとおりであって、細菌を増殖させてコロニーを確認する必要がないため、専門の知識・技能を有する検査者、クリーンベンチや恒温器などの検査用設備が不要で、スマフォン、顕微鏡さえあれば、誰でも簡単且つ迅速に、細菌の種類及び菌数を確認することができるので、食品分野における食の安全確保のみならず、医薬品製造や細胞培養施設、医療現場、ホテルや温泉などの公共施設における製品安全性の担保や、細菌感染拡大防止などに貢献し得るものであり、その産業上の利用可能性は極めて大である。

0039

1サーバー
2依頼者端末
3 ネットワーク

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