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技術 固体電解質、ガスセンサ、燃料電池

出願人 株式会社デンソー
発明者 小澤宜裕岡本拓巳鈴木洋介
出願日 2017年10月26日 (1年11ヶ月経過) 出願番号 2017-207381
公開日 2019年5月23日 (5ヶ月経過) 公開番号 2019-079746
状態 未査定
技術分野 導電材料 濃淡電池(酸素濃度の測定) 酸化物セラミックスの組成2
主要キーワード 基端側カバー コップ形状 Laサイト コップ型 電気配線用 ガス室内 液相反応法 メリライト
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

低温で高いイオン伝導度を示す固体電解質、これを用いたガスセンサ及び燃料電池の提供。

解決手段

式(1)で表される組成を有する組成を有し、メリライト型構造単相から形成された固体電解質。さらにこの固体電解質を用いた、ガスセンサ又は燃料電池単セル。La2-xαxGa3-yβyO7+δ・・・(1)(αはアルカリ土類金属元素好ましくはSr;βはNi、Fe及びCoから選ばれる少なくとも1種、好ましくはNi;0.35≦x≦0.7;0<y≦0.3;δは電気的中性が保たれる値)

概要

背景

従来、酸素イオン伝導性を有する固体電解質が知られている。固体電解質は、外部からの電場によってイオン伝導させることができる。このような固体電解質としては、ジルコニアイットリア安定化ジルコニア、ランタンガレート等が知られており、ガスセンサ燃料電池などに利用される。

近年、ガスセンサや燃料電池などにおいては低温作動の要求が高い。したがって、低温で高いイオン伝導度を示す固体電解質の開発が望まれている。そこで、固体電解質として特定方向に高いイオン伝導度を示すメリライト型構造酸化物が注目されている。メリライト型構造の酸化物としては、例えばLaSrGa3O7等が知られている。メリライト型構造においては、結晶構造内の格子間酸素によりイオン伝導が起こる。

例えば特許文献1には、メリライト型構造のGaサイトに、酸素原子との結合エネルギーがGaよりも小さいMgがドープされた所定組成の固体電解質が開示されている。このような組成の固体電解質は、キャリアとなる酸素イオン結晶格子内で動き易くなるためイオン伝導度が向上する。

概要

低温で高いイオン伝導度を示す固体電解質、これを用いたガスセンサ及び燃料電池の提供。式(1)で表される組成を有する組成を有し、メリライト型構造の単相から形成された固体電解質。さらにこの固体電解質を用いた、ガスセンサ又は燃料電池単セル。La2-xαxGa3-yβyO7+δ・・・(1)(αはアルカリ土類金属元素好ましくはSr;βはNi、Fe及びCoから選ばれる少なくとも1種、好ましくはNi;0.35≦x≦0.7;0<y≦0.3;δは電気的中性が保たれる値)

目的

また、Mgのドープにより、結晶格子内で酸素イオンが動き易くなるものの、低温作動性をより高めるためには、結晶格子内で酸素イオンがさらに動き易い固体電解質の開発が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

下記式(1)で表される組成を有する、固体電解質。La2-xαxGa3-yβyO7+δ・・・(1)但し、αはアルカリ土類金属元素、βは、Ni、Fe、及びCoからなる群より選ばれる少なくとも1種、0.35≦x≦0.7、0<y≦0.3、δは電気的中性が保たれる値である。

請求項2

上記式(1)で表される組成を有するメリライト型構造単相から形成された、請求項1に記載の固体電解質。

請求項3

上記式(1)におけるβがNiからなる、請求項1又は2に記載の固体電解質。

請求項4

上記式(1)におけるαがSrからなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体電解質。

請求項5

請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体電解質を含有する固体電解質体(31)を備える、ガスセンサ(2)。

請求項6

請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体電解質を含有する固体電解質層(51)を備える、燃料電池単セル(5)。

技術分野

0001

本発明は、所定の組成を有する新規固体電解質、これを備えるガスセンサ及び燃料電池に関する。

背景技術

0002

従来、酸素イオン伝導性を有する固体電解質が知られている。固体電解質は、外部からの電場によってイオン伝導させることができる。このような固体電解質としては、ジルコニアイットリア安定化ジルコニア、ランタンガレート等が知られており、ガスセンサ、燃料電池などに利用される。

0003

近年、ガスセンサや燃料電池などにおいては低温作動の要求が高い。したがって、低温で高いイオン伝導度を示す固体電解質の開発が望まれている。そこで、固体電解質として特定方向に高いイオン伝導度を示すメリライト型構造酸化物が注目されている。メリライト型構造の酸化物としては、例えばLaSrGa3O7等が知られている。メリライト型構造においては、結晶構造内の格子間酸素によりイオン伝導が起こる。

0004

例えば特許文献1には、メリライト型構造のGaサイトに、酸素原子との結合エネルギーがGaよりも小さいMgがドープされた所定組成の固体電解質が開示されている。このような組成の固体電解質は、キャリアとなる酸素イオン結晶格子内で動き易くなるためイオン伝導度が向上する。

先行技術

0005

特開2017−73321号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、MgはGaよりもイオン半径が大きい。したがって、Mgのドープによりメリライト型構造の歪が大きくなり、例えばペロブスカイト型構造のような異種構造結晶相が生成し易い。その結果、特定方向に高いイオン伝導性を有するメリライト型構造の優れたイオン伝導性が損なわれることとなる。

0007

また、Mgのドープにより、結晶格子内で酸素イオンが動き易くなるものの、低温作動性をより高めるためには、結晶格子内で酸素イオンがさらに動き易い固体電解質の開発が望まれている。

0008

本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、低温で高いイオン伝導度を示す固体電解質、これを用いたガスセンサ及び燃料電池を提供しようとするものである。

課題を解決するための手段

0009

本発明の一態様は、下記式(1)で表される組成を有する、固体電解質にある。
La2-xαxGa3-yβyO7+δ ・・・(1)
但し、αはアルカリ土類金属元素、βは、Ni、Fe、及びCoからなる群より選ばれる少なくとも1種、0.35≦x≦0.7、0<y≦0.3、δは電気的中性が保たれる値。

0010

本発明の他の態様は、固体電解質からなる固体電解質体(31)を備える、ガスセンサ(2)にある。

0011

本発明のさらに他の態様は、固体電解質からなる固体電解質層(51)を備える、燃料電池単セル(5)にある。

発明の効果

0012

上記固体電解質は、上記式(1)で表される特定組成を有する。このような固体電解質はメリライト型の結晶構造を有し、メリライト型構造におけるLaの一部がアルカリ土類金属元素αにより置換されている。上記式(1)においてはLaとアルカリ土類金属元素αの比率を調整することにより、結晶格子内の酸素イオンの量を増加させることができる。その結果、固体電解質は、低温でのイオン伝導度が向上する。

0013

また、上記固体電解質においては、Gaの一部が元素βにより置換されている。元素βは、Ni、Fe、及びCoからなる群より選ばれる少なくとも1種からなる。元素βは、Gaに比べて酸素原子との結合エネルギーが十分に低い。したがって、固体電解質においては、イオン伝導のキャリアとなる酸素イオンが結晶格子内でより動き易い状態となる。このような固体電解質においては、過剰酸素である格子間酸素と格子酸素とが相互に例えば玉突きするようにイオン伝導が起こるが、上記固体電解質ではイオン伝導の活性化エネルギーが小さいため、低温でのイオン伝導度が高くなる。

0014

また元素βのイオン半径は、Gaのイオン半径に近い。したがって、固体電解質においては、Gaの一部が元素βに置換されていても結晶構造の歪が小さい。したがって、製造時に異種構造が生成しにくく、固体電解質は優れたイオン伝導度を示す。

0015

また、上記ガスセンサ及び上記燃料電池単セルは、低温でのイオン伝導度の高い固体電解質を含有するため、低温での作動が可能になる。つまり、ガスセンサは、低温でのガス濃度の検出が可能であり、燃料電池単セルは、低温での発電が可能である。

0016

以上のごとく、上記態様によれば、低温で高いイオン伝導度を示す固体電解質、これを用いたガスセンサ及び燃料電池単セルを提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。

図面の簡単な説明

0017

実施形態1における、LaSrGa3O7の結晶構造の模式図。
実施形態1における、La1.54Sr0.46Ga3O7.27の結晶構造の模式図。
実験例1における各固体電解質X線回折パターンを示す図。
実験例1における簡易素子の断面図。
実験例1における各固体電解質の温度とイオン伝導度との関係を示すグラフ
実施形態2におけるガスセンサの断面図。
実施形態2におけるコップ型センサ素子の断面図。
実施形態2における積層型のセンサ素子の断面図。
実施形態2にかおける、電圧(V)とガスセンサの出力電流(mA)との関係を示すグラフ。
実施形態3における燃料電池単セルの断面の模式図。

実施例

0018

<実施形態1>
固体電解質に係る実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。固体電解質は、式(1)で表される組成を有する。
La2-xαxGa3-yβyO7+δ ・・・(1)

0019

式(1)において、αはアルカリ土類金属元素である。αは1種類のアルカリ土類金属元素であっても2種類以上のアルカリ土類金属元素であってもよい。La/α比を調整することにより、結晶格子内の酸素イオンの量を増加させることができる。

0020

アルカリ土類金属元素αはSrであることが好ましい。この場合には、Laとアルカリ土類金属元素のイオン半径及び電気陰性度がそれぞれ近い値になる。その結果、式(1)におけるLa/α比(具体的にはLa/Sr比)を変更し易くなり、例えばLa/α比を高くすることができる。これにより過剰酸素である格子間酸素を増やすことができ、固体電解質の低温でのイオン伝導度がより向上する。

0021

以下に、La/Sr比を高くすることによりイオン伝導度が向上する理由を図1及び図2を参照して説明する。図1は、LaSrGa3O7の結晶構造の模式図であり、図2は、LaSrGa3O7よりもLa/Sr比をより高めたLa1.54Sr0.46Ga3O7.27の結晶構造の模式図である。図1及び図2の結晶構造はいずれもメリライト型である。図1及び図2においては、c軸方向、a軸方向をそれぞれ矢印にて示す。b軸方向は、c軸方向及びa軸方向にそれぞれ垂直な方向であり、各図面における紙面と垂直な方向である。GaO層における破線丸はGaを示し、La/Sr層における破線丸はLa又はSrを示す。黒丸はOを示す。

0022

下記の式(I)にクレーガー=ビン表記法による固溶反応の欠陥化学式を示す。下記の式(I)で表されるように、La/Sr比を高めることによってLaSrGa3O7のSrサイトにLaが導入されると、過剰酸素である格子間酸素が導入される。その結果、格子間酸素を有するLa1.54Sr0.46Ga3O7.27が形成されている。

0023

0024

図1及び図2を比較して知られるように、La1.54Sr0.46Ga3O7.27の結晶構造では、LaSrGa3O7に比べて、層状構造のLa/SrO層ab面内で酸素原子が移動しており、イオンパス配向している。La1.54Sr0.46Ga3O7.27の結晶構造では、イオン伝導の活性エネルギーが小さく、格子間酸素によりイオン伝導が起こり易くなっている。なお、式(1)で表される化合物は、さらにGaサイトの一部にNiなどの元素βが置換されているが、図2に示すLa1.54Sr0.46Ga3O7.27と同様の結晶構造を有する。

0025

式(1)におけるxにより、La/α比が決定される。式(1)において、0.35≦x≦0.7である。x>0.7の場合には、La/α比が小さくなり、格子間酸素を十分増やすことができなくなるおそれがある。格子間酸素を十分に増やしてイオン伝導度をより高めるという観点から、x≦0.6であることが好ましく、x≦0.5であることがより好ましい。一方、x<0.35の場合には、ペロブスカイト構造のLaGaO3に起因する不純物相が形成されるおそれがある。これをより回避し易くなるという観点から、x≧0.38であることが好ましく、x≧0.42であることがより好ましい。

0026

式(1)において、元素βはGaサイトに対する置換元素である。元素βは、Ni、Fe、及びCoからなる群より選ばれる少なくとも1種である。これらの元素βは、イオン半径がGaに近い。したがって、式(1)におけるGa/β比の変更が容易になる。さらに、Ga/β比を変更しても結晶構造の歪の増大を抑制できる。したがって、固体電解質の製造時に異種構造が生成しにくく、固体電解質は優れたイオン伝導度を示す。

0027

また、元素βは、Gaに比べて酸素原子との結合エネルギーが小さい。したがって、固体電解質内でイオン伝導のキャリアとなる酸素イオンが結晶格子内でより動き易い状態となっている。

0028

式(1)における元素βはNiであることが好ましい。Niは、Gaとイオン半径が近いだけでなく、元素βの中でも酸素原子との結合エネルギーが十分に低い。したがって、元素βがNiである場合には、固体電解質内でイオン伝導のキャリアとなる酸素イオンがより動き易い状態になる。その結果、固体電解質の低温でのイオン伝導度がより向上する。さらに、Niは、元素βの中でもイオン半径が比較的Gaに近い。したがって、固体電解質の結晶構造内に異種構造が生成することをより防止できる。これにより、メリライト型構造特有の特定方向における高いイオン伝導性が十分に発揮される。

0029

式(1)におけるyにより、Ga/β比が決定される。yは0<y≦0.3を満足する範囲である。y=0の場合には、酸素イオンが結晶格子内で動きにくくなる。そのため、固体電解質の低温でのイオン伝導度が不十分になる。低温でのイオン伝導度をより高めるという観点から、y≧0.05であることが好ましく、y≧0.1であることがより好ましい。一方、y>0.3を超える場合には、結晶格子に歪みが発生し易くなり、メリライト型構造以外の異種構造の結晶が生成するおそれがある。異種構造の結晶の生成をより回避するという観点から、y≦0.25であることが好ましく、y≦0.2であることがより好ましい。

0030

式(1)におけるδは、電気的中性が保たれる値である。δは例えば0≦δ≦0.325を満足する範囲である。

0031

固体電解質は、式(1)で表される組成を有するメリライト型構造の単相から形成されていることが好ましい。この場合には、メリライト型構造特有の特定方向における優れたイオン伝導性が十分に発揮される。つまり、低温でのイオン伝導性をより高めることができる。例えば、式(1)における元素α、元素βの種類を変更したり、x、yの範囲を調整することにより、異種構造の結晶相を減らしたり、無くすことが可能になる。

0032

固体電解質の結晶構造は、後述の実験例において示すように、X線回折(つまりXRD)による構造分析によって調べることができる。X線回折パターンにおいて、メリライト型構造由来ピークを有し、例えばペロブスカイト型構造などの異種結晶構造に由来するピークを有していない場合に、固体電解質は、メリライト型構造の単相から形成されていると判定できる。

0033

式(1)で表される固体電解質の合成方法は、特に限定されず、公知の方法により合成可能である。具体的には、固相反応法水熱合成法液相反応法気相反応法等が例示され、気相反応法としては、具体的には反応性スパッタ法パルスレーザー堆積法(つまり、PLD法)などが例示される。これらの合成方法においては、原料として、La源、α源、Ga源、β源などが用いられる。原料としては、具体的には、式(1)で表される化合物を構成する各種元素を含む酸化物、水酸化物、塩等が用いられる。

0034

本形態の固体電解質は、上記式(1)で表される特定組成を有するため、低温でのイオン伝導度が向上する。これは、メリライト型構造におけるLaサイトの一部に置換したアルカリ土類金属元素αに置換されることにより結晶格子に酸素欠陥(つまり、空孔)が形成されているためであると考えられる。さらに、Gaサイトの一部に置換したβ元素は、Gaとイオン半径が近く、Gaよりも酸素との結合エネルギーが小さく、価数揺動するため、結晶格子内で酸素イオンがより動き易い状態となっているためであると考えられる。

0035

このような固体電解質は、低温でのイオン伝導性に優れるため、低温作動が要求される各種用途に好適である。固体電解質の用途としては、これらに限定されるわけではないが、空燃比センサ(つまり、A/Fセンサ)、酸素センサなどの各種ガスセンサ、固体酸化物形燃料電池(つまり、SOFC)などの燃料電池等が挙げられる。

0036

<実験例>
本例は、固体電解質を用いた簡易素子を作製し、その低温作動性を評価する例である。まず、式(1)で表される組成を有する固体電解質として、La1.54Sr0.46Ga2.95Ni0.05O7.245からなる固体電解質体を作製する。

0037

具体的には、まず、La2O3、SrCO3、Ga2O3、及びNiOの各原料を、La1.54Sr0.46Ga2.95Ni0.05O7.245で表される化合物が生成する化学量論比にて量した。次いで、ボールミルを用いて、各原料をエタノール溶媒中で3時間混合した後、乾燥させた。

0038

乾燥後の混合物を温度1200℃で12時間仮焼した後、乳鉢を用いて粉砕することにより仮焼粉を得た。次いで、ハンドプレス及び静水圧プレス(つまり、CIP)により仮焼粉から円盤状の圧粉体を作製した。

0039

次に、圧粉体を温度1400℃で12時間焼成した。このようにして、固体電解質からなる焼結体を得た。この焼結体のことを本例では固体電解質体という。固体電解質体は、直径φ16mm、厚さ1mmの円盤状であり、La1.54Sr0.46Ga2.95Ni0.05O7.245からなる。

0040

この固体電解質体を構成する固体電解質のX線回折パターンを図3に示す。X線回折のことをXRDという。XRDパターン測定条件は、特性X線:Cu−Kα、測定範囲:20°≦2θ≦40°出力:3kWである。XRD分析装置としては、株式会社リガク製のSmartLabを用いた。なお、図3におけるNiと表記したXRDパターンがLa1.54Sr0.46Ga2.95Ni0.05O7.245からなる固体電解質のものである。

0041

次に、円盤状の固体電解質体の両面に銀ペーストを塗布した。その後、温度800℃での熱処理を行い、銀を固体電解質体の両面に焼き付けた。これにより、図4に例示されるように、固体電解質体11の両面に、直径6mmの電極12、13を形成した。その結果、図4に例示されるように、簡易素子1を得た。簡易素子1は、固体電解質体11と、その両面にそれぞれ形成された電極12、13と有する。電極12、13は銀からなる。

0042

次に、簡易素子1について、温度300〜500℃におけるイオン伝導度を測定した。測定にあたっては、各測定温度条件下における簡易素子1の電極12、13間のインピーダンスを測定し、コールコールプロットから固体電解質体11の電気抵抗に該当する抵抗値読み取り、この抵抗値を伝導度換算した。インピーダンスの測定には、Solartron Analytical社製のポテンショスタットガルバノスタットステムであるModulab XMを用いた。測定条件は、温度:300〜500℃、雰囲気:酸素20体積%、Arバランス周波数:1MHz〜0.01Hzである。La1.54Sr0.46Ga2.95Ni0.05O7.245からなる固体電解質のイオン伝導度を図5に示す。

0043

また、La1.54Sr0.46Ga2.95Ni0.05O7.245からなる固体電解質の比較用として、それぞれLa1.54Sr0.46Ga3O7.27、La1.54Sr0.46Ga2.95Mg0.05O7.245、La1.54Sr0.46Ga2.95Al0.05O7.27からなる3種類の固体電解質体を作製した。これらの固体電解質体は、原料の配合を変更した点を除いては、上述のLa1.54Sr0.46Ga2.95Ni0.05O7.245からなる固体電解質体と同様にして製造できる。

0044

具体的には、La1.54Sr0.46Ga3O7.27からなる固体電解質体は、La2O3、SrCO3、Ga2O3の各原料を、La1.54Sr0.46Ga3O7.27で表される化合物が生成する化学量論比にて秤量した点を除いては、上述のLa1.54Sr0.46Ga2.95Ni0.05O7.245からなる固体電解質体と同様にして製造した。また、La1.54Sr0.46Ga2.95Mg0.05O7.245からなる固体電解質体は、La2O3、SrCO3、Ga2O3、及びMgOの各原料を、La1.54Sr0.46Ga2.95Mg0.05O7.245で表される化合物が生成する化学量論比にて秤量した点を除いては、上述のLa1.54Sr0.46Ga2.95Ni0.05O7.245からなる固体電解質体と同様にして製造した。また、La1.54Sr0.46Ga2.95Al0.05O7.27からなる固体電解質体は、La2O3、SrCO3、Ga2O3、及びAl2O3の各原料を、La1.54Sr0.46Ga2.95Al0.05O7.27で表される化合物が生成する化学量論比にて秤量した点を除いては、上述のLa1.54Sr0.46Ga2.95Ni0.05O7.245からなる固体電解質体と同様にして製造した。これら比較用の固体電解質体についても、簡易素子を作製し、そのイオン伝導度を測定した。その結果を図5に示す。

0045

比較用の各固体電解質体のXRDパターンを図3に示す。図3においては、Mgと表記したXRDパターンがLa1.54Sr0.46Ga2.95Mg0.05O7.245からなる固体電解質のものである。Alと表記したXRDパターンがLa1.54Sr0.46Ga2.95Al0.05O7.27からなる固体電解質のものである。ICSD:429463と表記したXRDパターンがLa1.54Sr0.46Ga3O7.27からなる固体電解質のものである。ICSDは無機結晶構造データベースのことである。

0046

図5より知られるように、La1.54Sr0.46Ga3O7.27に比較して、メリライト型構造のGaサイトの一部がMg、Ni、Alにより置換された固体電解質はイオン伝導度が向上している。これらの中でもGaサイトの一部がNiにより置換されたLa1.54Sr0.46Ga2.95Ni0.05O7.245からなる固体電解質は、イオン伝導度が大きく向上している。La1.54Sr0.46Ga2.95Ni0.05O7.245からなる固体電解質は、他の固体電解質に比較して低温ほどイオン伝導度の向上が顕著になっている。

0047

La1.54Sr0.46Ga2.95Ni0.05O7.245からなる固体電解質が低温でのイオン伝導度が優れる理由としては、価数揺動が可能であり、Gaとイオン半径が近く、酸素との結合エネルギーがGaよりも低いNiが、Gaサイトに固溶しているためであると考えられる。この結果から、価数揺動が可能であり、Gaとイオン半径が近く、酸素との結合エネルギーがGaよりも低いFe、CoがGaサイトの一部に置換したメリライト型構造の固体電解質も低温で高いイオン伝導度を示すと考えられる。

0048

図3に示されるように、メリライト型構造のGaサイトをMgで置換すると、図3中のアスタリスクで示されるピークが生じている。このピークは、ペロブスカイト型構造のLaGaO3に由来するピークである。

0049

これに対し、La1.54Sr0.46Ga2.95Ni0.05O7.245からなる固体電解質のように、メリライト型構造のGaサイトがNiで置換された固体電解質は、ペロブスカイト型構造に由来するピークが観察されなかった。つまり、メリライト型構造のGaサイトがNiで置換された固体電解質は、製造時に異種構造の結晶相が生成し難く、メリライト型構造の単相によって形成されやすい。なお、図3のXRDパターンにおいては、メリライト型構造に由来の代表的なピーク位置を矢印により示している。

0050

本例によれば、La1.54Sr0.46Ga2.95Ni0.05O7.245のように、式(1):La2-xαxGa3-yβyO7+δで表される固体電解質が低温で優れたイオン伝導度を示すことがわかる。

0051

<実施形態2>
次に、固体電解質を用いたガスセンサの実施形態について説明する。なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。

0052

本形態のガスセンサ2は、図6及び図7に示すように、センサ素子3を備えている。センサ素子3は、固体電解質体31と、検出電極32と、基準電極33と、拡散抵抗層36とを有する。検出電極32及び基準電極33は、固体電解質体31の両表面301、302にそれぞれ形成されている。検出電極32及び基準電極33は、互いに対向する位置に形成された一対の電極を形成している。拡散抵抗層36は、検出電極32に到達する排ガスG等の測定ガスの流量を制限する。ガスセンサ2は、一対の電極32、33の間に電圧が印加された状態においてこれらの電極32、33の間に生じる限界電流の大きさによって、排ガスGの酸素濃度(つまり、空燃比)を検出する限界電流式のものである。

0053

以下に、本形態のガスセンサ2について詳説する。なお、以降の説明において、ガスセンサ2の軸方向Lにおける排ガスG等の測定ガスに曝される側と先端側L1といい、その反対側を基端側L2という。

0054

(ガスセンサ)
ガスセンサ2は、車両等の内燃機関排気管に配置されて使用される。本形態のように限界電流式のガスセンサ2は、排気管を流れる排ガスGの空燃比を定量的に検出する空燃比センサとして使用される。また、このガスセンサ2は、排ガスGの空燃比がリッチ側にある場合と、リーン側にある場合とのいずれにおいても、空燃比を定量的に求めることができる。

0055

ここで、排ガスGの空燃比とは、内燃機関において燃焼された際の燃料と空気との混合比率のことをいう。また、リッチ側とは、排ガスGの空燃比が、燃料と空気が完全燃焼するときの理論空燃比に比べて、燃料が多い側にあることをいう。リーン側とは、排ガスGの空燃比が、理論空燃比に比べて燃料が少ない側にあることをいう。

0056

本形態のガスセンサ2においては、排ガスの酸素濃度を検出することにより、排ガスの空燃比が検出される。空燃比センサとしてのガスセンサ2は、実質的には、リーン側においては、排ガスGの酸素濃度を検出する一方、リッチ側においては、排ガスGの未燃ガス濃度を検出することになる。

0057

図6に示すように、ガスセンサ2は、センサ素子3の他に、ヒータ34、ハウジング41、先端側カバー42、基端側カバー43等を有する。ヒータ34は、センサ素子3を所望温度に加熱する。ハウジング41は、排気管に取り付けられてセンサ素子3を保持する。先端側カバー42は、ハウジング41の先端側L1に取り付けられてセンサ素子3を覆う。基端側カバー43は、ハウジング41の基端側L2に取り付けられてセンサ素子3及びヒータ34の電気配線用端子44等を覆う。

0058

(センサ素子)
図6及び図7に例示されるように、本形態におけるセンサ素子3は、例えば有底円筒形状(具体的には、コップ形状)を有する固体電解質体31、検出電極32、及び基準電極33を有する。検出電極32は固体電解質体31の外周面301に設けられている。基準電極33は固体電解質体31の内周面302に設けられている。このような構成のセンサ素子3は、その全体形状からコップ型センサ素子と呼ばれることがある。このようなコップ型センサ素子においては、センサ素子3の内部にヒータ34が挿入されている、つまり、センサ素子3の内周側にヒータ34が配置されている。なお、センサ素子3としては、コップ型センサ素子に代えて後述の積層型センサ素子を用いることも可能である。

0059

検出電極32は、先端側カバー42に設けられた流通孔421を介して先端側カバー42内に流入する排ガスG等の測定ガスに晒される。図6の例示においては、二重構造の先端側カバー42が例示されている。基準電極33は、基端側カバー43に設けられた導入孔431を介して基端側カバー43内から固体電解質体31の内周側に流入する大気A等の基準ガスに晒される。ヒータ34は、通電によって発熱するものであり、内燃機関及びガスセンサ2の起動時等において、固体電解質体31及び各電極32、33を活性温度に加熱するものである。

0060

検出電極32は、検知部321とリード部322と接続部323とを有する。検知部321は、固体電解質体31の先端側L1付近における外周面301の全周に設けられている。固体電解質体31の先端側L1は、コップ型の底部側である。リード部322は、外周面301の周方向の一部において検知部321から基端側L2に引き出されている。接続部323は、リード部322の基端側L2に設けられている。検出電極32の検知部321が排ガスGに晒され、基準電極33とともにガス検出を行う部位である。接続部323は、リード線45が接続された端子44に接続される部位である。

0061

固体電解質体31の外周面301には、検出電極32の少なくとも検知部321を覆い、検知部321へ所定の拡散速度で排ガスGを接触させるための拡散抵抗層36が設けられている。拡散抵抗層36は多孔質体からなる。また、拡散抵抗層36の表面には、排ガスG中の水、被毒物質等が検出電極32の少なくとも検知部321へ到達することを防止するための多孔質の保護層37が設けられている。先端側カバー42内に流入した排ガスGは、保護層37及び拡散抵抗層36を通過して検出電極32の検知部321に至る。

0062

基準電極33は、固体電解質体31の内周面302の例えば全体に設けられている。基準電極33は、内周面302に部分的に設けられていてもよい。

0063

また、図8に例示されるように、センサ素子3は、例えば積層型センサ素子であってもよい。つまり、センサ素子3は、検出電極32と板状の固体電解質体31と検出電極32とが順次積層された積層体から構成することができる。以下に、積層型センサ素子の例について説明する。

0064

図8に例示されるように、センサ素子3は、例えば板状の固体電解質体31を有する。固体電解質体31は、測定ガス面301Aと基準ガス面302Aとを有する。測定ガス面301Aは、排ガスGなどの測定ガスに曝される面である。一方、基準ガス面302Aは、大気A等の基準ガスに曝される面である。測定ガス面301Aと基準ガス面302Aとは、固体電解質体31における相互に反対の面となる。

0065

検出電極32は、固体電解質体31の測定ガス面301Aに設けられる。一方、基準電極33は基準ガス面302Aに設けられる。センサ素子3がこのような積層型センサ素子からなる場合には、ヒータ34を構成する発熱体34Aが絶縁体35を介して固体電解質体31に積層される。

0066

検出電極32は、測定ガス室38に面している。測定ガス室38内には、多孔質の保護層37及び拡散抵抗層36を経由した測定ガスが導入される。また、基準電極33は基準ガス室39に面している。基準ガス室39内には、基端側カバー43の導入孔431を経由して基端側L2から基準ガスが導入される。

0067

(固体電解質体)
固体電解質体31は、実施形態1のように式(1)で表されるメリライト型構造の固体電解質により形成される。これにより、ガスセンサ2は、低温作動が良好になる。特に、ガスセンサ2の中でも空燃比センサにおいては、より低温での作動が要求されている。したがって、実施形態1における固体電解質を空燃比センサに適用することにより、低温におけるイオン伝導性に優れるという上述の固体電解質の特性を十分に発揮できる。

0068

(電極)
本形態の検出電極32の材質は、酸素等に対する触媒活性を有するものであれば特に限定されない。例えば検出電極32は、貴金属成分として、Au(金)、Ag(銀)、Pd(パラジウム)とAgの混合物又は合金、PtとAuの混合物又は合金のうちのいずれかの組成を含有することができる。また、検出電極32は、酸化物成分として、Sm0.5Sr0.5CoO3-αやLa0.8Sr0.2Co0.8Fe0.2O3-αなどを含有することができる。また、基準電極33の材質についても特に限定されないが、検出電極32と同様の材料を用いることができる。

0069

(ガスセンサによる空燃比の検出)
空燃比センサとしてのガスセンサ2においては、検出電極32と基準電極33との間に、基準電極33がプラス側になるようにして電圧が印加される。また、ガス室内へ導入される測定ガスの流量は拡散抵抗層36によって所定の流量に制限されている。そして、一対の電極32、33間に電圧が印加されたときに、一対の電極32、33間に電流が流れる電流は、ガス室内への排ガスGの流量が制限されていることにより、一定の値で飽和する。この飽和電流のことを限界電流ともいい、限界電流と空燃比との間に正の相関があることを利用して、排ガスGの空燃比を定量的に求めることができる。

0070

排ガスGの空燃比がリーン側にあるときには、検出電極32には、排ガスG等の測定ガスに含まれる酸素が到達する。そして、一対の電極間に印加される電圧によって、固体電解質体31を介して検出電極32から基準電極33へ酸素イオンが移動し、排ガスGに含まれる酸素の濃度に応じて、リーン側の空燃比が定量的に検出される。

0071

一方、排ガスGの空燃比がリッチ側にあるときには、検出電極32には、排ガスGに含まれる未燃ガスが到達する。そして、この未燃ガスを燃焼させるために、固体電解質体31を介して基準電極33から検出電極32へ酸素イオンが移動して電流の逆流が生じ、排ガスGに含まれる未燃ガスの濃度に応じて、リッチ側の空燃比が定量的に検出される。

0072

図9には、理論空燃比を14.5としたときの、電圧(V)とガスセンサの出力電流(mA)との関係を示す。同図において、電圧が変化しても出力電流が変化していない波形部分が、限界電流特性を示す部分である。理論空燃比を境界とし、空燃比がリーン側にあるときには、排ガスG中の酸素濃度に応じて限界電流特性を示す出力電流がプラス側に定量的に変化し、空燃比がリッチ側にあるときには、排ガスG中の未燃ガス濃度に応じて限界電流特性を示す出力電流がマイナス側に定量的に変化する。なお、理論空燃比は14.7とすることもある。

0073

本形態のガスセンサ2は、上記式(1)で表される組成の固体電解質を含有し、固体電解質が低温で優れたイオン伝導度を示す。そのため、ガスセンサ2は、500℃以下という低温での固体電解質体31の作動が可能になる。つまり、ガスセンサ2は、低温で酸素濃度を検出し、空燃比を検出することが可能である。また、実験例1の結果から、式(1)で表される組成の固体電解質を含有するガスセンサ2は、例えば300℃での空燃比の検出が可能になると考えられる。

0074

また、本形態のガスセンサ2では、例えば500℃を超える高温域でも固体電解質体31が作動する。したがって、ガスセンサ2は、高温でも空燃比の検出が可能になる。

0075

<実施形態3>
次に、固体電解質を用いた燃料電池の実施形態について説明する。

0076

(燃料電池単セル)
本形態の燃料電池単セル5は、図10に例示されるように、アノード52と固体電解質層51とカソード53とを備える。燃料電池単セル5は、固体電解質層51とカソード53との間に中間層54をさらに備えることができる。中間層54は、主に、固体電解質層材料とカソード材料との反応を抑制するための層である。本実施形態では、燃料電池単セル5は、具体的には、アノード52、固体電解質層51、中間層54、および、カソード53がこの順に積層され、互いに接合されている。

0077

燃料電池単セル5は、電極であるアノード52を支持体として機能するアノード支持型である。そのため、燃料電池単セル5は、他の層に比べてアノード52の厚みが十分に厚くなる。なお、各図では、燃料電池単セル5の外形四角形状である例が示されている。燃料電池単セル5の外形は、他にも、円形状等の形状とすることもできる。

0078

燃料電池単セル5は、カソード53の面内方向に沿って酸化剤ガスが供給され、アノード52の面内方向に沿って燃料ガスが供給されるように構成することができる。酸化剤ガスOとしては、例えば、空気、酸素ガスなどを例示することができる。燃料ガスとしては、例えば、水素ガス水素含有ガスなどを例示することができる。

0079

(アノード)
アノード52は、具体的には、拡散層521と活性層522とを有することができる。拡散層521は、アノード52に供給される燃料ガスを層面内に拡散させる層である。活性層522は、拡散層521の固体電解質層51側に配置され、アノード反応の場となる層である。なお、拡散層521と活性層522とは、互いに接合されている。なお、図10においては、複数層からなるアノード52を例示するが、アノード52は単層からなっていてもよい。

0080

拡散層521、活性層522等のアノード52の材料としては、例えば、Ni、NiO等の触媒と、酸化ジルコニウム系酸化物等の固体電解質との混合物などを例示することができる。酸化ジルコニウム系酸化物としては、例えば、イットリア安定化ジルコニア、スカンジア安定化ジルコニアなどを例示することができる。また、固体電解質としては、実施形態1における式(1)で表されるメリライト型構造の化合物を用いることできる。この場合には、後述の固体電解質層51とアノード52との熱膨張係数を近づけることができる。そのため、はく離などの発生を防止できる。

0081

なお、NiOは、発電時の還元雰囲気でNiとなる。本実施形態では、アノード52の材料として、具体的には、NiまたはNiOとイットリア安定化ジルコニアとの混合物などを用いることができる。

0082

アノード52の厚みは、ガス拡散、電気抵抗、強度などの観点から、例えば、好ましくは、100〜800μm、より好ましくは、200〜700μmとすることができる。

0083

拡散層521の厚みは、支持体としての強度確保等の観点から、好ましくは100μm以上、より好ましくは200μm以上、より好ましくは300μm以上とすることができる。拡散層521の厚みは、ガス拡散性の向上等の観点から、好ましくは800μm以下、より好ましくは700μm以下とすることができる。

0084

活性層522の厚みは、反応持続性、取り扱い性加工性等の観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上とすることができる。活性層522の厚みは、電極反応抵抗の低減等の観点から、好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下とすることができる。

0085

(固体電解質層)
カソード53は固体電解質からなる。固体電解質としては、実施形態1における式(1)で表されるメリライト型構造の化合物を用いることできる。固体電解質層51の厚みは、オーミック抵抗の低減などの観点から、好ましくは1〜20μm、より好ましくは2〜15μm、さらに好ましくは3〜10μmとすることができる。

0086

(中間層)
中間層54の材料としては、例えば、CeO2、または、CeO2にGd、Sm、Y、La、Nd、Yb、Ca、および、Hoから選択される1種または2種以上の元素等がドープされたセリア系固溶体等の酸化セリウム系酸化物などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。本実施形態では、中間層54の材料としては、具体的には、Gdがドープされたセリア系固溶体などを用いることができる。

0087

中間層54の厚みは、オーミック抵抗の低減、カソード53の元素拡散の抑制等の観点から、好ましくは、1〜20μm、より好ましくは、2〜5μmとすることができる。

0088

(カソード)
カソード53の材料としては、遷移金属ペロブスカイト型酸化物などを例示することができる。遷移金属ペロブスカイト型酸化物としては、具体的には、例えば、LaxSr1-xCoO3系酸化物、LaxSr1-xCoyFe1-yO3系酸化物、SmxSr1-xCoO3系酸化物(但し、上記において、0≦x≦1、0≦y≦1)などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。

0089

カソード53は、上記酸化物以外にも、固体電解質を含むことができる。固体電解質としては、例えば、CeO2、または、CeO2にGd、Sm、Y、La、Nd、Yb、Ca、および、Hoから選択される1種または2種以上の元素等がドープされたセリア系固溶体等の酸化セリウム系酸化物などを例示することができる。固体電解質としては、1種または2種以上併用することができる。

0090

また、カソード53の厚みは、ガス拡散性、電極反応抵抗、集電性などの観点から、好ましくは20〜100μm、より好ましくは30〜80μmとすることができる。

0091

本形態の燃料電池単セル5は、上記式(1)で表される組成の固体電解質を含有し、固体電解質が低温で優れたイオン伝導度を示す。そのため、燃料電池単セル5は、500℃以下という低温での固体電解質層51の作動が可能になる。したがって、燃料電池単セル5は、低温での発電が可能になり、発電効率の向上が可能になる。また、実験例1の結果から、式(1)で表される組成の固体電解質を含有する燃料電池単セル5は、例えば300℃での発電が可能になると考えられる。

0092

また、本形態の燃料電池単セル5は、例えば500℃を超える高温域でも固体電解質層51が作動する。したがって、燃料電池単セル5は、高温でも発電が可能になる。

0093

本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。実施形態2においては、固体電解質を空燃比センサに適用した形態の例示を行ったが、空燃比センサに限定されず、固体電解質は、酸素センサ、NOxセンサ、NH3センサ等の各種ガスセンサにも適用可能である。

0094

また、実施形態3においては、固体電解質を燃料電池単セルに適用した形態の例示を行ったが、例えば、セパレータ等を介して燃料電池単セルを複数積層して燃料電池スタック構築することができる。

0095

1簡易素子
2ガスセンサ
5 燃料電池単セル

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