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技術 虚像表示装置

出願人 株式会社デンソー
発明者 横江潤也南原孝啓二村健太
出願日 2017年10月20日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2017-203203
公開日 2019年5月23日 (2ヶ月経過) 公開番号 2019-078784
状態 未査定
技術分野 その他の光学系・装置、色の干渉・色の制御 計器板
主要キーワード 貫通穴状 体格増加 表示穴 折り返し地点 遮断構造 防塵シート ハーフミラー領域 視界補助
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年5月23日)のものです。
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図面 (20)

課題

虚像視認性が良好な虚像表示装置を提供する。

解決手段

虚像表示装置としてのHUD装置は、投影部へ画像を投影することにより、画像を視認可能に虚像表示する。HUD装置は、第1方向の偏光反射すると共に、第1方向とは直交する第2方向に沿った偏光を透過させる偏光部40と、画像の表示光を、偏光部40側へ向けて発する液晶表示器20と、液晶表示器20側から偏光部40を経由した表示光を再び偏光部40へ向けて反射する反射部であって、偏光部40との間に表示光を往復させる往復光路OP1を構成する反射部50と、往復光路OP1に設けられ、その復路において表示光が偏光部40により投影部側へ導光されるように、表示光の偏光方向を変換する1/4波長板60と、を備える。

概要

背景

従来、投影部へ画像を投影することにより、画像を視認可能に虚像表示する虚像表示装置が知られている。特許文献1に開示の虚像表示装置は、凹面鏡、画像発光部、及び反射ミラーを有している。凹面鏡の少なくとも一部には、ハーフミラーからなるハーフミラー領域が設けられている。画像発光部は、画像の表示光をハーフミラー領域へ向けて発する。反射ミラーは、ハーフミラー領域を透過した表示光を反射ミラーへ向けて反射することにより、凹面鏡との間に表示光を往復させる往復光路を構成している。反射ミラーに反射された光は、ハーフミラー領域を含む凹面鏡にて投影部側へ反射される。こうして投影部へ画像が投影される。

概要

虚像の視認性が良好な虚像表示装置を提供する。虚像表示装置としてのHUD装置は、投影部へ画像を投影することにより、画像を視認可能に虚像表示する。HUD装置は、第1方向の偏光を反射すると共に、第1方向とは直交する第2方向に沿った偏光を透過させる偏光部40と、画像の表示光を、偏光部40側へ向けて発する液晶表示器20と、液晶表示器20側から偏光部40を経由した表示光を再び偏光部40へ向けて反射する反射部であって、偏光部40との間に表示光を往復させる往復光路OP1を構成する反射部50と、往復光路OP1に設けられ、その復路において表示光が偏光部40により投影部側へ導光されるように、表示光の偏光方向を変換する1/4波長板60と、を備える。

目的

開示されるひとつの目的は、虚像の視認性が良好な虚像表示装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

投影部(3a)へ画像を投影することにより、前記画像を視認可能に虚像表示する虚像表示装置であって、第1方向(D1)の偏光反射すると共に、前記第1方向とは直交する第2方向(D2)に沿った偏光を透過させる偏光部(40,240,440,740)と、前記画像の表示光を、前記偏光部側へ向けて発する画像発光部(20,220,320,820)と、前記画像発光部側から前記偏光部を経由した前記表示光を再び前記偏光部へ向けて反射する反射部であって、前記偏光部との間に前記表示光を往復させる往復光路(OP1)を構成する反射部(50,250)と、前記往復光路に設けられ、その復路において前記表示光が前記偏光部により前記投影部側へ導光されるように、前記表示光の偏光方向を変換する1/4波長板(60,260,360,760)と、を備える虚像表示装置。

請求項2

前記偏光部は、前記画像発光部側からの前記表示光を前記反射部へ向けて透過させ、前記1/4波長板は、前記往復光路の復路において、前記表示光が前記偏光部により前記投影部側へ反射されるように、前記表示光の偏光方向を前記第1方向に沿った方向に変換する請求項1に記載の虚像表示装置。

請求項3

前記偏光部の画像発光部側のうち、前記往復光路の往路開始時において、前記表示光が前記偏光部に入射する領域(IR1)を除く領域に対応して配置され、前記偏光部と積層状態の光遮断積層部であって、前記偏光部を前記反射部側から前記画像発光部側へ透過しようとする光を遮断する光遮断積層部(573)を、さらに備える請求項2に記載の虚像表示装置。

請求項4

前記偏光部を保持すると共に、前記偏光部のうち前記画像発光部側に表面を密着させている壁状に形成され、前記偏光部を前記反射部側から前記画像発光部側へ透過しようとする光を遮断する偏光部保持壁(614)を、さらに備える請求項2に記載の虚像表示装置。

請求項5

前記偏光部の向きを変更する偏光部向き変更部(755)をさらに備える請求項2から4のいずれか1項に記載の虚像表示装置。

請求項6

前記偏光部は、前記画像発光部側からの前記表示光を前記反射部へ向けて反射し、前記1/4波長板は、前記往復光路の復路において、前記表示光が前記偏光部により前記投影部側へ透過するように、前記表示光の偏光方向を前記第2方向に沿った方向に変換する請求項1に記載の虚像表示装置。

請求項7

前記画像発光部及び前記反射部を収容するハウジング(610)をさらに備え、前記ハウジングは、前記表示光を前記投影部へ向けて前記ハウジングの外部へ射出する窓部(11)を有し、前記偏光部は、前記窓部を塞ぐことにより、防塵シートと兼用されている請求項6に記載の虚像表示装置。

請求項8

前記1/4波長板は、前記偏光部に貼り合せた状態で形成されている請求項1から7のいずれか1項に記載の虚像表示装置。

請求項9

前記1/4波長板は、前記反射部に貼り合せた状態で形成されている請求項1から7のいずれか1項に記載の虚像表示装置。

請求項10

前記偏光部が平板状に形成されていると共に、前記反射部の反射面は曲面状に形成されている請求項1から9のいずれか1項に記載の虚像表示装置。

請求項11

前記画像発光部から前記偏光部へ至る光路上において、負の光学パワーを有する負の光学素子(875)をさらに備える請求項1から10のいずれか1項に記載の虚像表示装置。

請求項12

前記往復光路の往路開始時において、前記表示光が前記偏光部に入射する領域である第1入射領域(IR1)の全域は、前記往復光路の復路終了時において、前記表示光が前記偏光部に入射する領域である第2入射領域(IR2)に、包含されている請求項1から11のいずれか1項に記載の虚像表示装置。

技術分野

0001

本開示は、画像を視認可能に虚像表示する虚像表示装置に関する。

背景技術

0002

従来、投影部へ画像を投影することにより、画像を視認可能に虚像表示する虚像表示装置が知られている。特許文献1に開示の虚像表示装置は、凹面鏡、画像発光部、及び反射ミラーを有している。凹面鏡の少なくとも一部には、ハーフミラーからなるハーフミラー領域が設けられている。画像発光部は、画像の表示光をハーフミラー領域へ向けて発する。反射ミラーは、ハーフミラー領域を透過した表示光を反射ミラーへ向けて反射することにより、凹面鏡との間に表示光を往復させる往復光路を構成している。反射ミラーに反射された光は、ハーフミラー領域を含む凹面鏡にて投影部側へ反射される。こうして投影部へ画像が投影される。

先行技術

0003

特開2017−15805号公報

発明が解決しようとする課題

0004

このように、特許文献1の装置では、往復光路を構成することで、光路長を稼ぎながら装置を小型化することが試みられている。しかしながら、虚像の一部を構成する表示光は、ハーフミラー領域を1回透過し、さらに1回反射することとなるため、透過及び反射の度に表示光が例えば半分程度に減衰してしまう。すなわち表示光が投射後に4分の1以下に減衰してしまう程エネルギー効率が悪く、虚像に十分な輝度が得られない。したがって、視認性が良好な虚像を表示することが困難であった。

0005

開示されるひとつの目的は、虚像の視認性が良好な虚像表示装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

ここに開示された虚像表示装置は、投影部(3a)へ画像を投影することにより、画像を視認可能に虚像表示する虚像表示装置であって、
第1方向(D1)の偏光を反射すると共に、第1方向とは直交する第2方向(D2)に沿った偏光を透過させる偏光部(40,240,440,740)と、
画像の表示光を、偏光部側へ向けて発する画像発光部(20,220,320,820)と、
画像発光部側から偏光部を経由した表示光を再び偏光部へ向けて反射する反射部であって、偏光部との間に表示光を往復させる往復光路(OP1)を構成する反射部(50,250)と、
往復光路に設けられ、その復路において表示光が偏光部により投影部側へ導光されるように、表示光の偏光方向を変換する1/4波長板(60,260,360,760)と、を備える。

0007

このような虚像表示装置によると、反射部が画像発光部側から偏光部を経由した表示光を再び偏光部へ向けて反射することにより、表示光が偏光部と反射部との間を往復する往復光路が構成されている。こうした往復光路に1/4波長板が配置されることにより、表示光の偏光方向が変換されて、往復光路の復路を進む表示光は、偏光部によって投影部側へ導光されるようになる。

0008

すなわち、最初の偏光部経由時の表示光の偏光方向は、偏光部における第1方向及び第2方向のうち一方に沿った方向となる。その後、表示光は1/4波長板を往復光路にて2回透過することにより、その偏光方向が実質的に90度異なる方向に変換された状態で偏光部に再び入射する。偏光部への再入射時には、表示光の偏光方向が偏光部における第1方向及び第2方向のうち他方に沿った方向となるため、表示光の殆どは、画像発光部側に戻らずに、投影部側へ導光可能となる。故に、表示光の減衰を抑制しつつ光路長を稼ぐための往復光路を構成することが可能となるので、見易い距離に高輝度の虚像を表示することができる。以上により、虚像の視認性が良好な虚像表示装置を提供することができる。

0009

なお、括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。

図面の簡単な説明

0010

第1実施形態のHUD装置の車両への搭載状態を示す模式図である。
第1実施形態のHUD装置の概略構成を示す図であって、左方から右方の方向にHUD装置を見た図である。
第1実施形態のHUD装置の概略構成を示す図であって、上方から下方の方向にHUD装置を見た図である。
第1実施形態の液晶表示器の概略構成を示す図である。
第1実施形態の偏光部を説明するための図である。
第1実施形態の表示光の振る舞いを説明するための模式図である。
第2実施形態における図2に対応する図である。
第2実施形態における図3に対応する図である。
第2実施形態における図6に対応する図である。
第3実施形態における図2に対応する図である。
第3実施形態における図6に対応する図である。
第4実施形態における図2に対応する図である。
第5実施形態における図2に対応する図である。
第6実施形態における図2に対応する図である。
第7実施形態における図2に対応する図である。
第7実施形態における図6に対応する図である。
第8実施形態における図2に対応する図である。
変形例1における図2に対応する図である。
変形例1における図3に対応する図である。
変形例2における図2に対応する図である。
変形例2における図3に対応する図である。
変形例6のうち一例における図5に対応する図である。
変形例6のうち他の一例における図5に対応する図である。
変形例10のうち一例における図2に対応する図である。
変形例10のうち他の一例における図2に対応する図である。
変形例11における図2に対応する図である。
変形例14における図2に対応する図である。
変形例15における図2に対応する図である。
変形例16における図2に対応する図である。
変形例17における図2に対応する図である。

実施例

0011

以下、複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。

0012

(第1実施形態)
図1に示すように、本開示の第1実施形態による虚像表示装置は、車両1に用いられ、当該車両1のインストルメントパネル2内に収容されているヘッドアップディスプレイ装置(以下、HUD装置)100となっている。HUD装置100は、車両1のウインドシールド3に設定された投影部3aへ向けて画像を投影する。これにより、HUD装置100は、画像を、視認者としての車両1の乗員により視認可能に虚像表示する。すなわち、投影部3aにて反射される画像の表示光が、車両1の室内に設定された視認領域EBに到達することにより、視認領域EBにアイポイントEPが位置する乗員が当該表示光を虚像VRIとして知覚する。そして、乗員は、虚像VRIとして表示される各種情報を認識することができる。画像として虚像表示される各種情報としては、例えば車速燃料残量等の車両1の状態を示す情報、又は視界補助情報、道路情報等のナビゲーション情報等が挙げられる。

0013

以下において、特に断り書きが無い限り、前方、後方、前後方向、上方、下方、上下方向、左方、右方、及び左右方向は、水平面HP上の車両1を基準として表記される。

0014

車両1のウインドシールド3は、例えばガラスないしは合成樹脂により透光性の板状に形成され、インストルメントパネル2よりも上方に配置されている。ウインドシールド3は、表示光が投影される投影部3aを、滑らかな凹面状又は平面状に形成している。なお、投影部3aは、ウインドシールド3に設けられていなくてもよい。例えば車両1と別体となっているコンバイナを車両1内に設置して、当該コンバイナに投影部3aが設けられていてもよい。

0015

視認領域EBは、HUD装置100により表示される虚像VRIが所定の規格を満たすように視認可能となる空間領域であって、アイボックスとも称される。視認領域EBは、典型的には、車両1に設定されたアイリプスと重なるように設定される。アイリプスは、乗員のアイポイントEPの分布を統計的に表したアイレンジに基づいて、楕円体状に設定されている。

0016

このようなHUD装置100の具体的構成を、図2〜6も用いて、以下に説明する。HUD装置100は、図2,3に示すように、ハウジング10、液晶表示器20、偏光部40、反射部50、及び1/4波長板60等により構成されている。本HUD装置100は、小型化が図られているため、車両1への搭載性が良好なものとなっている。

0017

ハウジング10は、例えば合成樹脂ないしは金属により、例えば液晶表示器20、反射部50等のHUD装置100の他の要素を収容する中空形状を呈しており、車両1のインストルメントパネル2内に設置されている。ハウジング10は、投影部3aと対向する上面部に、光学的に開口する窓部11を有している。窓部11は、表示光を透過可能な防塵シート12で覆われている。

0018

画像発光部は、虚像VRIとして結像される画像の表示光を、発光する。本実施形態の画像発光部は、液晶表示器20となっている。液晶表示器20は、バックライト部21及び液晶パネル26を有し、例えば箱状のケーシング20aにこれらを収容して構成されている。図4に示すようにバックライト部21は、例えば、光源22、コンデンサレンズ23、及びフィールドレンズ24等により構成されている。

0019

光源22は、例えば複数の発光素子22aの配列により構成されている。本実施形態における発光素子22aは、光源用回路基板22b上に配置され、電源と接続されている発光ダイオード素子である。各発光素子22aは、通電により電流量に応じた発光量で光を発光する。詳細には、各発光素子22aは、例えば青色発光ダイオード黄色蛍光体で覆うことにより、疑似白色での発光が実現されている。

0020

コンデンサレンズ23及びフィールドレンズ24は、光源22と液晶パネル26との間に配置されている。コンデンサレンズ23は、例えば合成樹脂ないしはガラス等により透光性を有して形成されている。特に本実施形態のコンデンサレンズ23は、複数の凸レンズ素子が発光素子22aの数及び配置に合わせて配列されたレンズアレイとなっている。コンデンサレンズ23は、光源22側から入射した光を集光してフィールドレンズ24側へ射出する。

0021

フィールドレンズ24は、コンデンサレンズ23と液晶パネル26との間に配置され、例えば合成樹脂ないしはガラス等により透光性を有して形成されている。特に本実施形態のフィールドレンズ24は、コンデンサレンズ23側から入射した光をさらに集光して、平行化し、液晶パネル26側へ向けて射出する。

0022

なお、バックライト部21の構成としては、上述の構成以外にも、種々の構成を採用することができる。

0023

本実施形態の液晶パネル26は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、TFT)を用いた液晶パネルであって、例えば2方向に配列された複数の液晶画素から形成されたアクティブマトリクス型の液晶パネル26である。液晶パネル26では、一対の直線偏光板27a,27b及び一対の直線偏光板27a,27bに挟まれた液晶層等が積層されている。各直線偏光板27a,27bは、透過軸TAに沿った方向の偏光を透過させると共に、透過軸TAとは直交する吸収軸に沿った方向の偏光を遮光する性質を有している。一対の直線偏光板27a,27bは、透過軸TAを互いに実質直交して配置されている。液晶層は、液晶画素毎の電圧印加により、印加電圧に応じて液晶層に入射する光の偏光方向を回転させることが可能となっている。

0024

液晶パネル26は、バックライト部21側からの光の入射により、液晶画素毎の当該光の透過率を制御して、表示画面28から射出される表示光によって画像を形成することが可能となっている。隣り合う液晶画素には、互いに異なる色(例えば、赤、緑、及び青)のカラーフィルタが設けられており、これらの組み合わせにより様々な色が実現されるようになっている。ここで、表示光は、射出側の直線偏光板27bの透過軸TAに沿った直線偏光として、表示画面28から射出される。こうして表示光は、表示画面28から光路上の偏光部40側へ向けて射出される。本実施形態の表示光は、380〜780nmの範囲の波長の光を主体として構成されている。本実施形態の液晶表示器20は、前方から後方へ向けて表示光を発するようになっている。

0025

偏光部40は、図2に示すように、例えば透光基板41の全面に偏光素子43を貼り合せて平板状に形成されている。透光基板41は、例えば合成樹脂ないしはガラス等により、偏光特性が実質的にない透光性の平板状に形成されている。本実施形態の偏光部40は、液晶表示器20よりも後方において、その法線方向が前方かつ下方及び後方かつ上方を向くように、傾斜配置されている。

0026

偏光素子43は、第1方向D1の偏光を反射すると共に、第1方向D1とは実質直交する第2方向D2に沿った偏光を透過させる偏光特性を有している(図6も参照)。本実施形態の偏光素子43は、例えばスリエム社製のDBEF登録商標)等のフィルム状の反射型偏光素子となっている。こうした反射型の偏光素子43においては、第1方向D1を反射軸RA、第2方向D2を透過軸TAと称することができる。偏光素子43は、例えば透光基板41において液晶表示器20とは反対側の面(すなわち反射部50側の面)に貼り付けられている。

0027

ここで、偏光素子43の透過軸TAは、液晶パネル26における射出側の直線偏光板27bの透過軸TAに合わせて配置されている。したがって、液晶パネル26の表示画面28から射出され、偏光部40に所定の入射角斜め入射する表示光は、透光基板41を透過し、さらに偏光素子43を透過する。こうして偏光部40を透過した表示光の先には、反射部50が配置されている。

0028

反射部50は、例えば合成樹脂ないしはガラス等からなる基材の表面に、反射面51としてアルミニウム等の金属を蒸着させること等により金属膜を形成した反射鏡となっている。反射面51は、曲面状に形成されており、例えば反射部50の中心が凹むように凹面状に湾曲している。すなわち、反射部50は、正の光学パワーを有する正の光学素子となっている。本実施形態の反射面51は、偏光部40よりも後方において、前方を向くように配置されている。

0029

反射部50は、液晶表示器20側から偏光部40を経由した表示光を再び偏光部40へ向けて反射する。こうして反射部50は、偏光部40との間に表示光を往復させる往復光路OP1を構成している。往復光路OP1を構成することにより、反射面51への入射角及び反射角が小さくなるように(例えば20度以下、好ましくは10度以下になるように)、偏光部40及び反射部50を配置することが可能となる。

0030

ここで、図2,5に示すように、表示光が液晶表示器20から偏光部40に入射する往復光路OP1の往路開始時において、当該表示光が偏光部40に入射する偏光部40上の領域を第1入射領域IR1と定義する。さらには、往復光路OP1の復路終了時において、表示光が偏光部40に入射する偏光部40上の領域を第2入射領域IR2と定義する。基本的に、表示光が進行するに連れて光束が拡がっていくので、第2入射領域IR2の面積が第1入射領域IR1の面積よりも広くなる。本実施形態では、第1入射領域IR1の全域が第2入射領域IR2に包含されるように設定されている。このようにすることで、偏光部40のサイズを小型化しつつ、反射面51での入射角及び反射角が小さくなるような光学系を構成することが可能となる。

0031

仮に、往復光路OP1において、表示光の偏光方向を変換する要素がないとすれば、反射部50にて反射された表示光は、偏光素子43の透過軸TAに沿った偏光方向を維持することとなるので、再び偏光部40を透過してしまう。そこで本実施形態では、図2に示すように、往復光路OP1にて、1/4波長板60が配置されている。

0032

1/4波長板60は、進相軸FAに沿った偏光と遅相軸SAに沿った偏光との間に、実質1/4波長分の位相差を生じさせる光学素子である(図6も参照)。本実施形態の1/4波長板60は、液晶表示器20からの表示光のいずれかの波長(380〜780nm)に対応して設計されており、1/4波長分の位相差とは、距離換算で95〜195nmの範囲に含まれる位相差である。1/4波長板60は、例えば複屈折材料により板状又はフィルム状に形成されている。1/4波長板60は、偏光部40のうち反射部50側の面に貼り合わせて形成されている。図6に示すように、1/4波長板60の進相軸FA及び遅相軸SAは、偏光素子43の透過軸TA及び反射軸RAに対して、実質的に45度の角度をなすように配置されている。

0033

したがって、往復光路OP1を往復する表示光は、往路と復路で1回ずつ、合計2回1/4波長板60を透過することとなる。具体的に、往路での1/4波長板60の作用により、表示光は、偏光素子43の透過軸TAに沿った偏光方向の直線偏光から、右回り円偏光ないしは左回り円偏光に変換される。そして、反射部50により反射される際に、表示光は、入射前とは逆回りの円偏光となる。復路での1/4波長板60の作用により、表示光は、上述の逆回りの円偏光から、直線偏光に変換されるが、その偏光方向は、反射の際に逆回りになったことで、偏光素子43の反射軸RAに沿ったものとなる。

0034

この結果、復路において表示光が偏光部40に入射する時点では、表示光の偏光方向が偏光素子43の反射軸RAに沿ったものとなっているので、偏光部40により表示光が投影部3a側へ反射される。すなわち、1/4波長板60により、表示光が投影部3a側へ導光されるように、当該表示光の偏光方向が変換されているのである。

0035

偏光部40に反射された表示光は、もう一度1/4波長板60を透過するので円偏光に変換された後、窓部11を透過してハウジング10の外部へ射出され、投影部3aに投影される。こうして、乗員が虚像VRIを視認可能となる。

0036

ここで本実施形態の防塵シート12は、図2に示すように、透光基板12aの全面に色温度変換フィルタ12bを貼り合せて曲板状に形成されている。透光基板12aは、例えば合成樹脂ないしはガラス等により形成されている。色温度変換フィルタ12bは、透過率に波長依存性を有しており、1/4波長板60の透過後の表示光の各波長の透過量を調整することにより、虚像VRIの色温度を調整変換する。すなわち1/4波長板60のリタデーション値にも波長依存性が僅かに存在するため、表示光が防塵シート12に至る時には、表示画面28から発せられた時と比べて色味が変化してしまうが、色温度変換フィルタ12bは、この色味を表示画面28から発せられた時の状態に戻すように調整する。こうして、虚像VRIの色温度が表示画面28での画像の色温度に近づくことで、虚像VRIの色味の再現性が高まる。

0037

虚像VRIは、反射部50の反射面51を凹面状に湾曲させたことにより、液晶パネル26の表示画面28よりも拡大して表示される。虚像VRIの拡大において、拡大作用を作用させた反射面51が、往復光路OP1の折り返し地点に設定されているので、上述のように反射の際の入射角を小さく設定することが可能となっている。したがって、拡大作用と共に生じ得る上下非対称な(又は左右非対称な)虚像VRIの歪みを抑制することができる。

0038

作用効果
以上説明した第1実施形態の作用効果を以下に改めて説明する。

0039

このような第1実施形態によると、反射部50が画像発光部としての液晶表示器20側から偏光部40を経由した表示光を再び偏光部40へ向けて反射することにより、表示光が偏光部40と反射部50との間を往復する往復光路OP1が構成されている。こうした往復光路OP1に1/4波長板60が配置されることにより、表示光の偏光方向が変換されて、往復光路OP1の復路を進む表示光は、偏光部40によって投影部3a側へ導光されるようになる。

0040

すなわち、最初の偏光部40経由時の表示光の偏光方向は、偏光部40における第1方向D1及び第2方向D2のうち一方に沿った方向となる。その後、表示光は1/4波長板60を往復光路OP1にて2回透過することにより、その偏光方向が実質的に90度異なる方向に変換された状態で偏光部40に再び入射する。偏光部40への再入射時には、表示光の偏光方向が偏光部40における第1方向D1及び第2方向D2のうち他方に沿った方向となるため、表示光の殆どは、液晶表示器20側に戻らずに、投影部3a側へ導光可能となる。故に、偏光部40での表示光の減衰を抑制しつつ光路長を稼ぐための往復光路OP1を構成することが可能となるので、見易い距離に高輝度の虚像VRIを表示することができる。以上により、虚像VRIの視認性が良好なHUD装置100を提供することができる。

0041

また、第1実施形態によると、偏光部40は、液晶表示器20側からの表示光を反射部50へ向けて透過させ、1/4波長板60は、往復光路OP1の復路において、表示光が偏光部40により投影部3a側へ反射されるように、表示光の偏光方向を第1方向D1に沿った方向に変換する。このような構成によると、偏光部40と反射部50との間を表示光が往復する往復光路OP1を、偏光部40での表示光の減衰を抑制しつつ、容易に実現することができる。

0042

また、第1実施形態によると、1/4波長板60は、偏光部40に貼り合せた状態で形成されている。このようにすると、1/4波長板60を保持するための独自の構造を設けることが抑制できる。また、平板状の偏光部40への貼り合わせでは、曲面への貼り合わせの場合のようなしわ等の発生を抑制できる。

0043

また、第1実施形態によると、偏光部40が平板状に形成されていると共に、反射部50の反射面51は曲面状に形成されている。したがって、入射角及び反射角が相対的に大きくなる偏光部40での反射時にて表示光に拡大作用が生じさせずに、往復光路OP1の折り返し地点に配置されていることにより入射角及び反射角が相対的に小さくなる反射部50での反射時に表示光に拡大作用を生じさせる。このため、拡大作用と共に生ずる上下非対称(又は左右非対称)な虚像VRIの歪みを抑制することができる。故に、虚像VRIの視認性をより良好なものとすることができる。

0044

また、第1実施形態によると、第1入射領域IR1の全域は、第2入射領域IR2に、包含されている。このようにすると、両入射領域IR1,IR2を最大限重複させることができる。したがって偏光部40のサイズを小型化できるので、これに伴ってHUD装置100自体を小型化することができる。

0045

(第2実施形態)
図7〜9に示すように、第2実施形態は第1実施形態の変形例である。第2実施形態について、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。

0046

第2実施形態にて画像発光部に相当している液晶表示器220は、図7,8に示すように、第1実施形態と同様の内部構成であるが、前方かつ上方の斜め方向に表示光を発光するようになっている。

0047

第2実施形態の偏光部240は、ハウジング10の内部に収容され、液晶表示器220よりも上方において、その法線方向が上方かつ僅かに前方又は下方かつ僅かに後方を向くように、傾斜配置されている。偏光部240は、第1実施形態と同様に透光基板241の全面に偏光素子243を貼り合わせて形成されている。より詳細に、偏光素子243は、例えば透光基板241において液晶表示器220及び反射部250側の面に貼り付けられている。

0048

ここで、第2実施形態の偏光素子243の反射軸RAは、液晶パネル26における射出側の直線偏光板27bの透過軸TAに合わせて配置されている(図9も参照)。したがって、表示画面28から射出され、偏光部240に所定の入射角で斜め入射する表示光は、偏光素子243により反射される。こうして偏光部240を反射した表示光の先には、反射部250が配置されている。

0049

第2実施形態の反射部250の反射面251は、偏光部240より下方かつ液晶表示器220より前方において、上方かつ僅かに後方を向くように配置されている。こうして反射部250は、第1実施形態と同様、偏光部240との間に表示光を往復させる往復光路OP1を構成している。

0050

第2実施形態の1/4波長板260は、フィルム状に形成されており、反射部250の反射面251に貼り合わせて配置されている。そして、図9に示すように、1/4波長板260の進相軸FA及び遅相軸SAは、偏光素子243の透過軸TA及び反射軸RAに対して、実質的に45度の角度をなすように配置されている。

0051

したがって、第1実施形態と同様に、往復光路OP1を往復する表示光は、往路と復路で1回ずつ、合計2回1/4波長板260を透過することとなる。具体的に、往路での1/4波長板260の作用により、表示光は、偏光素子243の透過軸TAに沿った偏光方向の直線偏光から、右回り円偏光ないしは左回り円偏光に変換される。そして、反射部250にて反射される際に、表示光は、入射前とは逆回りの円偏光となる。復路での1/4波長板260の作用により、表示光は、上述の逆回りの円偏光から、直線偏光に変換されるが、その偏光方向は、反射の際に逆回りになったことで、偏光素子243の透過軸TAに沿ったものとなる。

0052

この結果、複路において表示光が偏光部240に入射する時点では、表示光の偏光方向が偏光素子243の透過軸TAに沿ったものとなっているので、偏光部240を表示光が投影部3a側へ透過する。すなわち、1/4波長板260により、表示光が投影部3a側へ導光されるように、当該表示光の偏光方向が変換されているのである。

0053

以上説明した第2実施形態によると、偏光部240は、液晶表示器220側からの表示光を反射部250へ向けて反射し、1/4波長板260は、往復光路OP1の復路において、表示光が偏光部240により投影部3a側へ透過するように、表示光の偏光方向を第2方向D2に沿った方向に変換する。このような構成によると、偏光部240と反射部250との間を表示光が往復する往復光路OP1を、偏光部240での表示光の減衰を抑制しつつ、容易に実現することができる。

0054

(第3実施形態)
図10,11に示すように、第3実施形態は第2実施形態の変形例である。第3実施形態について、第2実施形態とは異なる点を中心に説明する。

0055

第3実施形態の1/4波長板360は、偏光部240のうち液晶表示器320及び反射部250側の面に貼り合わせて形成されている。1/4波長板360の進相軸FA及び遅相軸SAは、偏光素子243の透過軸TA及び反射軸RAに対して、実質的に45度の角度をなすように配置されている。

0056

一方、第3実施形態の液晶表示器320において液晶パネル326は、表示画面328に別の1/4波長板329を貼り合わせて構成されている。この1/4波長板329の進相軸FA及び遅相軸SAは、液晶パネル326の射出側の直線偏光板27bの透過軸TAに対して、実質的に45度の角度をなすように配置されている。このため、液晶表示器320は、直線偏光ではなく、右回り円偏光又は左回り円偏光として、表示光を発する。液晶表示器320が発する円偏光を右回りとするか左回りとするかは、表示光が最初に1/4波長板360を透過した際に、直線偏光に変換される表示光の偏光方向が偏光素子243の反射軸RAに沿った方向となるように、選択される。したがって、1/4波長板360を透過した後偏光部240に所定の入射角で斜め入射する表示光は、偏光素子243により反射部250へ向けて反射されることとなる。

0057

ここから表示光は、往復光路OP1を往復するが、往復光路OP1中では第2実施形態と同様に、往路と復路で1回ずつ、合計2回1/4波長板360を往復する。したがって、往路において表示光が再び偏光部240に入射する時点では、表示光の偏光方向が偏光素子243の透過軸TAに沿ったものとなっているので、偏光部240を表示光が透過する。

0058

以上説明した第3実施形態によると、液晶表示器220から1/4波長板360への最初の入射時に、表示光は円偏光にて入射する。したがって、表示光は、1/4波長板360の進相軸FA及び遅相軸SAの設定に従って確実に偏光部240における第1方向D1に沿った直線偏光とすることができるので、偏光部240から反射部250へ表示光を高い反射率で反射する光学系を実現するための軸合わせが容易となる。故に、偏光部240での表示光の減衰を抑制しつつ光路長を稼ぐための往復光路OP1を構成することが可能となるので、見易い距離に高輝度の虚像VRIを表示することができる。

0059

(第4実施形態)
図12に示すように、第4実施形態は第2実施形態の変形例である。第4実施形態について、第2実施形態とは異なる点を中心に説明する。

0060

第4実施形態の偏光部440は、ハウジング610の窓部11の全体を塞ぐように配置されている。すなわち、偏光部440は、異物(例えば塵、埃、水)がハウジング610の外部からハウジング610の内部へと侵入することを防止する防塵シートと兼用されている。

0061

また、こうした偏光部440の配置により、例えばウインドシールド3を透過して窓部11に入射する太陽光等の外光の一部を、当該偏光部440が遮光することで、ハウジング610の内部への外光の侵入も抑制される。

0062

さらに、本実施形態の偏光部440は、投影部3a側の面が凹面状に湾曲すると共に、液晶表示器220及び反射部250側の面が凸面状に湾曲することにより、略一定の厚さを有する曲板状に形成されている。このため、液晶表示器220から発せられる表示光は、偏光部440の凸面状の曲面にて反射され、その後、反射部250にて凹面状の反射面251にて反射され、さらには略一定厚の偏光部440を透過する。したがって、虚像VRIとして結像される表示光による光学系について、液晶表示器220側のテレセントリック性を向上させることができる。故に、視認領域EBの大きさを確保しつつ、液晶パネル26を用いて実現された虚像VRIの表示品位を高めることができる。

0063

以上説明した第4実施形態によると、偏光部440は、窓部11を塞ぐことにより、防塵シートと兼用されている。往復光路OP1が構成された光学系を実現する部品と、防塵シートを実現する部品とが共通化されているので、部品点数を抑制することで、HUD装置100の体格増加を抑制しつつ、虚像VRIの高い視認性を実現することができる。

0064

(第5実施形態)
図13に示すように、第5実施形態は第1実施形態の変形例である。第5実施形態について、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。

0065

第5実施形態のHUD装置100は、光遮断部570をさらに有している。光遮断部570は、例えば黒色等の暗色に着色されたポリウレタンにより光吸収性を有して形成され、光遮断フード部571及び光遮断積層部573を一体的に有している。

0066

光遮断フード部571は、液晶表示器20と偏光部40との間において、表示光の進行方向に沿って、かつ表示光の光束を遮らないように、壁状に形成されている。光遮断フード部571は、外光等の迷光を吸収等により遮断することで、迷光が多重反射により虚像VRIに映り込んでしまうこと等を抑制している。

0067

光遮断積層部573は、第2入射領域IR2と重なる領域のうち第1入射領域IR1を除く領域において、偏光部40の液晶表示器20側の面と貼り合わせられて又は密着して配置されていることで、偏光部40と積層された状態で配置されている。光遮断積層部573は、外光のうち偏光部40を透過する光を吸収等により遮断することで、液晶表示器20の液晶パネル26等の劣化又は損傷を抑制する。

0068

さらには、反射部50にて反射され、再び偏光部40に入射した表示光の一部が偏光部40の偏光素子43を透過してしまったとしても、この透過光を光遮断積層部573が吸収する。これにより、係る透過光が偏光部40の液晶表示器20側の面にて投影部3a側に反射されて虚像VRIに二重像が発生してしまう事態も抑制可能である。

0069

以上説明した第5実施形態によると、偏光部40の液晶表示器20側のうち第1入射領域IR1を除く領域に対応して配置され、偏光部40と積層状態の光遮断積層部573は、偏光部40を反射部50側から液晶表示器20側へ透過しようとする光を遮断する。こうした光の遮断により、液晶表示器20の劣化又は損傷が抑制されるので、長きに亘って虚像VRIの高い視認性を維持することができる。

0070

(第6実施形態)
図14に示すように、第6実施形態は第1実施形態の変形例である。第6実施形態について、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。

0071

第6実施形態のハウジング610は、その内部において、反射部保持壁613、偏光部保持壁614、及び表示穴615を有している。

0072

反射部保持壁613は、反射部50において反射面51とは反対側と当接するように壁状に形成されている。反射部保持壁613は、貼り合わせ、嵌合、又は締結等により、反射部50を保持している。

0073

偏光部保持壁614は、偏光部40において反射部50とは反対側(すなわち液晶表示器620側)のうち一部分に当接するように壁状に形成されている。偏光部保持壁614は、貼り合わせ、嵌合、又は締結等により、偏光部40を保持している。

0074

詳細に、偏光部保持壁614は、偏光部40の液晶表示器620側の面のうち第1入射領域IR1を除く領域、すなわち概ね第2入射領域IR2に対応する部分に、表面614aを密着させている。偏光部保持壁614の表面614aは、例えば光の反射を規制可能な暗色(例えば黒色)に形成されている。この結果、偏光部保持壁614は、第5実施形態の光遮断積層部573と同様に、外光のうち偏光部40を透過する光の遮断作用、及び二重像の抑制作用を発揮する。

0075

表示穴615は、偏光部40の第1入射領域IR1に対応した部分において、偏光部保持壁614に開口する穴状に形成されている。本実施形態の表示穴615は、ハウジング610を貫通する貫通穴状に形成されているが、有底穴状に形成されていてもよい。表示穴615は、偏光部40から離間する程、漸次狭くなる四角錐台状の穴となっている。

0076

第6実施形態において画像発光部に相当する液晶表示器620は、表示穴615において偏光部40から離間した位置に配置されている。液晶表示器620は、液晶パネル26を偏光部40と対向させると共に、バックライト部21の一部分をハウジング610の外部に配置させている。このため、液晶表示器620は、表示穴615の側壁615aに第5実施形態の光遮断フード部571のように迷光遮断作用を生じさせつつ、バックライト部21にて発生した熱を、ハウジング610外に容易に放熱可能となっている。

0077

以上説明した第6実施形態によると、偏光部40を保持すると共に、偏光部40の液晶表示器620側に表面614aを密着させている偏光部保持壁614は、偏光部40を反射部50側から液晶表示器620側へ透過しようとする光を遮断する。光の遮断により、液晶表示器620の劣化又は損傷が抑制されるので、長きに亘って虚像VRIの高い視認性を維持することができる。そして、偏光部40の保持構造と光の遮断構造とを共通化することにより、部品点数を抑制することで、HUD装置100の体格増加を抑制しつつ、虚像VRIの高い視認性を実現することができる。

0078

(第7実施形態)
図15,16に示すように、第7実施形態は第1実施形態の変形例である。第7実施形態について、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。

0079

第7実施形態の偏光部740は、反射部50側の面が凹状に湾曲する曲板状に形成されている。1/4波長板760は、フィルム状に形成されており、反射部50の反射面51に貼り合わせて配置されている。そして、1/4波長板760の進相軸FA及び遅相軸SAは、偏光素子743の透過軸TA及び反射軸RAに対して、実質的に45度の角度をなすように配置されている(図16参照)。したがって、第1実施形態と同様に、第1実施形態と同様に、往復光路OP1を往復する表示光は、往路と復路で1回ずつ、合計2回1/4波長板760を透過することとなり、第1実施形態と同様に偏光方向が変換される。ただし、偏光部740を反射した後の表示光波、1/4波長板760を透過しないため、直線偏光のまま窓部11へ入射する。

0080

第7実施形態のHUD装置100には、偏光部向き変更部755が設けられている。偏光部向き変更部755は、ステッピングモータを用いて、例えば左右方向に延伸する回転軸756まわりに、偏光部740を回動することにより、当該偏光部740の向きを変更することが可能となっている。このとき、表示光の偏光方向に対する実効的な反射軸RA及び透過軸TAの方向が維持されるように、回転軸756の方向が設定される。例えば、回転軸756の方向と反射軸RA及び透過軸TAのうち一方の方向を一致させると、偏光部740の向きが変更されても、偏光部740にて透過率及び反射率が変わってしまうことを極力抑制することができる。

0081

偏光部740の向きが変更されると、往復光路OP1の復路において、表示光が投影部3aに反射された後の当該表示光の進行方向が変更される。よって、投影部3aにおいて虚像VRIが投影される位置が上下に変更される。この結果、虚像VRIの表示位置が上下に移動し、同時に、視認領域EBも上下に移動させることができる。すなわち、乗員の実際のアイポイントEPの位置又は乗員の好みに合わせて、虚像VRIの見え方を調整することができる。

0082

以上説明した第7実施形態によると、液晶表示器20からの表示光を偏光部740で透過させて往復光路OP1へ導光する構成において、偏光部向き変更部755が偏光部740の向きを変更する。表示光が透過する場合においては偏光部740の向きによる影響が少ないので、偏光部740と反射部50との間の往復光路OP1の形態を維持しつつ、偏光部40の向きの変更により往復光路OP1経由後の投影部3aへの反射方向を変更して、虚像VRIの見え方を調整することが可能となる。したがって、虚像VRIの高い視認性を実現することができる。

0083

(第8実施形態)
図17に示すように、第8実施形態は第1実施形態の変形例である。第8実施形態について、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。

0084

第8実施形態において、画像発光部としての液晶表示器820から偏光部40へ至る表示光の光路上には、凸面鏡875が設けられている。凸面鏡875は、反射面876としてアルミニウム等の金属を蒸着させること等により、金属膜を形成している。反射面876は、曲面状に形成されており、例えば凸面鏡875の中心が突出するように凸面状に湾曲している。すなわち、凸面鏡875は、負の光学パワーを有する負の光学素子となっている。本実施形態の反射面876は、偏光部40に隣接した位置において、後方かつ下方の斜め方向を向くように配置されている。

0085

第8実施形態において液晶表示器820は、凸面鏡875へ向けて、前方かつ上方へ表示光を発する。液晶表示器820が発した表示光が反射面876に反射されることで、当該表示光が偏光部40に入射するようになっている。

0086

以上説明した第8実施形態によると、液晶表示器820から偏光部40へ至る光路上において、負の光学パワーを有する凸面鏡875が設けられている。こうした凸面鏡875により、虚像VRIとして結像される表示光について、液晶表示器820側のテレセントリック性を高めることができる。すなわち、液晶表示器820の視野角を狭く構成して画像の品質を高めつつ、視認領域EBのサイズを確保することができる。したがって、虚像VRIの高い視認性を実現することができる。

0087

(他の実施形態)
以上、複数の実施形態について説明したが、本開示は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。

0088

変形例1としては、特に第1,5〜8実施形態に関して、液晶表示器20、偏光部40、及び反射部50等は、異なる配置となっていてもよい。具体的に第1実施形態の配置を前後逆にした図18,19の例では、液晶表示器20は、後方から前方へ向けて表示光を発する。偏光部40は、液晶表示器20よりも前方において、その法線方向が後方かつ下方及び前方かつ上方を向くように、傾斜配置されている。反射部50の反射面51は、偏光部40よりも前方において、後方を向くように配置されている。

0089

変形例2としては、特に第2〜4実施形態に関して、液晶表示器220、偏光部240、及び反射部250等は、異なる配置となっていてもよい。具体的に第2実施形態の配置を変更した図20,21の例では、液晶表示器220は、前方から後方へ向けて表示光を発する。偏光部240は、液晶表示器220よりも後方において、その法線方向が前方かつ下方及び後方かつ上方を向くように、傾斜配置されている。反射部250の反射面251は、偏光部240よりも下方において、上方かつ僅かに後方となる方向を向くように配置されている。

0090

変形例3としては、1/4波長板60は、往復光路OP1に設けられていれば、偏光部40又は反射部50と貼り合わせられていなくてもよい。例えば、1/4波長板60は、往復光路OP1上の偏光部40と反射部50との間に、独立して配置されていてもよい。

0091

変形例4としては、1/4波長板60は、単板で構成されていなくてもよい。例えば、往復光路OP1上において、進相軸FAに沿った偏光と遅相軸SAに沿った偏光との間に実質1/8波長分の位相差を生じさせる1/8波長板を、互いに進相軸FA及び遅相軸SAを合計2枚配置することにより、実質的に1/4波長板60が設けられている構成としてもよい。また、1/4波長板60の進相軸FA又は遅相軸SAは、第1方向D1又は第2方向D2に対して、例えば40〜50度の角度をなしていてもよい。

0092

変形例5としては、偏光部40において偏光素子43は、透光基板41に対していずれの側に設けられてもよい。

0093

変形例6としては、特に第1,5〜8実施形態に関して、偏光部40において偏光素子43は、偏光部40の全面ではなく一部の領域にのみ形成されていてもよい。図22,23に示すように、第1入射領域IR1にのみ偏光素子43が配置されていてもよく、偏光部40のうち第1入射領域IR1を除く領域は、反射面44としてアルミニウム等の金属を蒸着させること等により金属膜が形成されていてもよい。また図23のように、表示光のうち一部が偏光部40を経由し、他部は偏光部40の側方をそのまま透過して往復光路OP1に至る構成であってもよい。

0094

変形例7としては、偏光部40の構成として、様々な構成を採用することができる。例えば、偏光素子43として、ワイヤーグリッドを用いた偏光素子が採用されていてもよい。このワイヤーグリッド偏光素子は、例えばフィルム状に形成されており、互いに実質平行に延伸する複数の金属ワイヤを有している。複数の金属ワイヤは、例えばアルミニウム等からなり、所定のピッチで配列されている。ここで、所定のピッチは、表示光の殆どの波長よりも小さく設定されている。このようなワイヤーグリッド偏光素子では、金属ワイヤの延伸方向が第1方向D1ないしは反射軸RAに対応し、当該延伸方向に直交する方向が第2方向D2ないしは透過軸TAに対応している。

0095

変形例8としては、偏光部40のさらに他の構成として、プレート型偏光ビームスプリッタを採用することができる。偏光ビームスプリッタは、例えばS偏光を反射し、P偏光を透過させるようになっている。すなわちS偏光の偏光方向が第1方向D1に対応し、P偏光の偏光方向が第2方向D2に対応している。

0096

変形例9としては、偏光部40及び防塵シート12等の表示光が透過する各面には、反射防止膜が設けられていてもよい。

0097

変形例10としては、偏光部40は、図24,25に示すように曲板状に設けられていてもよく、その表面は、球面状円筒面状、又は鞍点を含んだ自由曲面状等に形成されていてもよい。同様に、反射部50の反射面51又は凸面鏡875の反射面876も、球面状、円筒面状、又は鞍点を含んだ自由曲面状等に形成されていてもよい。

0098

第4実施形態に関する変形例11としては、図26に示すように、防塵シートと兼用されている偏光部440は、平板状に形成されていてもよい。

0099

第5実施形態に関する変形例12としては、光遮断積層部573は、ポリウレタン以外の例えば遮光フィルム又は偏光部240への塗装膜の形成等により設けられていてもよい。

0100

変形例13としては、画像発光部として、液晶パネル26を用いた液晶表示器20以外の構成を、例えばDLP(Digital Light Processing;登録商標)方式の表示器レーザスキャナ方式の表示器等を、採用することができる。DLP方式の表示器では、発光素子からの光を、オン状態及びオフ状態切り替え可能かつ微小デジタルミラー素子の配列へ向けて入射させ、オン状態のデジタルミラー素子のみ光を反射させることで画像が形成され、当該画像の表示光が発せられる。レーザスキャナ方式の表示器では、レーザ光マイクロミラーに入射させると共に、当該マイクロミラーの向きを変更することで当該レーザ光を走査することで、スクリーン上に画像が形成され、当該画像の表示光が発せられる。

0101

変形例14としては、第2〜4実施形態の液晶表示器220、偏光部240、及び反射部250の構成に対して、第5実施形態のような光遮断フード部571を適用してもよい。この場合、図27に示すように、光遮断フード部571が往復光路OP1と干渉しないように配置されることが好ましい。

0102

変形例15としては、例えば図28に示すように、第2〜4実施形態の液晶表示器220、偏光部240、及び反射部250の構成に対して、第6実施形態のような反射部保持壁613を適用してもよい。

0103

変形例16としては、第2〜4実施形態の液晶表示器220、偏光部240、及び反射部250の構成に対して、反射部250の向きを変更する反射部向き変更部257がさらに設けられていてもよい。図29に示すように、反射部向き変更部257は、ステッピングモータを用いて、例えば左右方向に延伸する回転軸258まわりに、反射部250を回動することにより、当該反射部250の向きを変更することが可能となっている。反射部250の向きが変更されると、往復光路OP1の復路において、表示光が投影部3aに反射された後の当該表示光の進行方向が変更される。よって、投影部3aにおいて虚像VRIが投影される位置が上下に変更される。

0104

変形例17としては、図30に示すように、第2〜4実施形態の液晶表示器220、偏光部240、及び反射部250の構成に対して、第6実施形態のような凸面鏡875を適用してもよい。

0105

変形例18としては、虚像表示装置は、航空機船舶、あるいは移動しない筐体等の各種の乗り物に適用することができる。

0106

100HUD装置(虚像表示装置)、3a投影部、20,220,320,820液晶表示器(画像発光部)、40,240,440,740偏光部、60,260,360,760 1/4波長板、D1 第1方向、D2 第2方向、OP1 往復光路

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