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技術 画像形成方法

出願人 キヤノン株式会社
発明者 釜江健太郎松尾龍一郎岩崎陽介勝間田和起子満生健太大津剛三浦正治石上恒溝尾祐一
出願日 2017年10月20日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2017-203099
公開日 2019年5月23日 (2ヶ月経過) 公開番号 2019-078781
状態 未査定
技術分野 電子写真における現像剤 電子写真における感光体
主要キーワード 突起状部材 長期連休 高電圧印加装置 樹脂製支持体 温調性能 溶性パラメーター 総放電電流 罫線幅
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年5月23日)のものです。
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図面 (2)

課題

高温高湿環境下に長期間放置されても、かぶり画像流れ転写効率の低下を抑制する画像形成方法を提供することにある。

解決手段

支持体および支持体上の感光層を有する電子写真感光体であって、電子写真感光体の表面層が、硬化物を含有し、硬化物の重合体が、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物と、ビニル基を有する特定化合物共重合体であり、硬化物の重合体のFedorsの式に求められる相溶性パラメーターSPが9.80≦SP≦10.50である電子写真感光体と、非晶性樹脂結晶性樹脂ワックス、及びポリオレフィンスチレンアクリル系ポリマーグラフト重合している重合体を含有するトナー粒子を有するトナーであって、スチレンアクリル系ポリマーが、シクロアルキルアクリレートまたはシクロアルキルメタクリレート由来ユニットとを有するトナーと、を用いることを特徴とする画像形成方法である。

概要

背景

近年、電子写真方式フルカラー複写機が広く普及するに従い、更なる高速化、高画質化省エネルギー化高寿命化等が要求されている。具体的な省エネルギー対応策としては、定着工程での消費電力を低下させるために、より低い定着温度で定着できるトナーが求められる。
そこで、低温定着を達成するために、非晶性ポリエステル樹脂可塑剤として結晶性ポリエステル樹脂を用いたトナーが提案されている(特許文献1参照)。結晶性ポリエステル樹脂を用いることで、可塑された非晶性ポリエステル樹脂は低粘度化し、低温定着性に対し、ある一定の効果は得られた。しかし、結晶性ポリエステル樹脂を用いたトナーは、結晶性ポリエステル電気抵抗が低いため、高温高湿環境下において、トナーの帯電量が低下しやすい傾向にある。さらに、近年は、ユーザー要望である省電力モードからのすばやい立ち上げウォームアップ)性能に対応すべく、定着器温調性能進化している。それに伴い、従来、定着器のウォームアップ間に行われていた現像機撹拌のよるトナーの帯電量の回復時間が得られにくくなってきている。そして、トナーの帯電量が低い場合、本来白字部となるべき非画像部にトナーが付着して濃度が高くなる現象である「かぶり」が発生する場合がある。
一方、具体的な高寿命化対応策としては、電子写真感光体耐久性の向上が求められる。
そこで、耐久性を向上するために、電子写真感光体の表面層として、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物と特定の界面活性剤を含む重合体硬化物からなる層を設けた電子写真感光体が提案されている(特許文献2参照)。これにより、塗膜不良を抑制し、耐摩耗性に対し、ある一定の効果は得られた。しかし、耐摩耗性を高めた電子写真感光体は、電子写真感光体表面リフレッシュされにくくなるため、画像形成装置内の高電圧印加装置から発生する窒素酸化物等が、蓄積しやすい傾向にある。さらに、近年は、省エネの観点からも、下記の長期連休時には、複写機電源はもちろんのこと、空調も切るオフィスが多数見受けられる。それに伴い、電子写真感光体は、ドラムヒーターが切られた状態で長期間高温高湿環境下にさらされるようになっている。そして、電子写真感光体表面に形成される窒素酸化物が空気中の水分を吸着すること硝酸となって、電子写真感光体の表面が低抵抗化し、静電潜像乱れる現象である「画像流れ」が発生する場合ある。
さらには、トナー及び電子写真感光体のいづれもが、親水性になりやすい傾向にあるため、電子写真感光体上のトナーには、液架橋力が働きやすくなり、その結果、「転写効率の低下」が発生する場合がある。
以上のことから、高温高湿環境下に長期間放置されても、かぶり、画像流れ、転写効率の低下を抑制できる画像形成方法の開発が急務である。

概要

高温高湿環境下に長期間放置されても、かぶり、画像流れ、転写効率の低下を抑制する画像形成方法を提供することにある。支持体および支持体上の感光層を有する電子写真感光体であって、電子写真感光体の表面層が、硬化物を含有し、硬化物の重合体が、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物と、ビニル基を有する特定化合物共重合体であり、硬化物の重合体のFedorsの式に求められる相溶性パラメーターSPが9.80≦SP≦10.50である電子写真感光体と、非晶性樹脂結晶性樹脂ワックス、及びポリオレフィンスチレンアクリル系ポリマーグラフト重合している重合体を含有するトナー粒子を有するトナーであって、スチレンアクリル系ポリマーが、シクロアルキルアクリレートまたはシクロアルキルメタクリレート由来ユニットとを有するトナーと、を用いることを特徴とする画像形成方法である。なし

目的

本発明の目的は、上記の如き問題点を解決した画像形成方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

支持体および前記支持体上の感光層を有する電子写真感光体であって、前記電子写真感光体の表面層が、硬化物を含有し、前記硬化物の重合体が、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物と、下記式(I)で示される化合物共重合体であり、前記硬化物の重合体のFedorsの式に求められる相溶性パラメーターSPが9.80≦SP≦10.50である電子写真感光体と、非晶性樹脂結晶性樹脂ワックス、及びポリオレフィンスチレンアクリル系ポリマーグラフト重合している重合体を含有するトナー粒子を有するトナーであって、前記スチレンアクリル系ポリマーが、シクロアルキルアクリレートまたはシクロアルキルメタクリレート由来ユニットとを有するトナーと、を用いることを特徴とする画像形成方法。(式(I)中、R1は、水素原子、または、メチル基である。R2は、炭素数が7以上の直鎖状アルキル基、または、炭素数が7以上の分岐状のアルキル基である。)

請求項2

前記共重合体中に含まれる前記連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物の質量をMa、前記式(I)で示される化合物の質量をMbとしたとき、0.02≦Mb/(Ma+Mb)≦0.20である請求項1に記載の画像形成方法。

請求項3

前記スチレンアクリル系ポリマーを構成するユニットの総モル数に対し、シクロアルキルアクリレートまたはシクロアルキルメタクリレート由来のユニットを2.0mol%以上7.0mol%以下含有している請求項1又は2に記載の画像形成方法。

技術分野

0001

本発明は、電子写真方式静電記録方式静電印刷方式において、静電潜像が形成された電子写真感光体上にトナー像を形成する画像形成方法に関するものである。

背景技術

0002

近年、電子写真方式のフルカラー複写機が広く普及するに従い、更なる高速化、高画質化省エネルギー化高寿命化等が要求されている。具体的な省エネルギー対応策としては、定着工程での消費電力を低下させるために、より低い定着温度で定着できるトナーが求められる。
そこで、低温定着を達成するために、非晶性ポリエステル樹脂可塑剤として結晶性ポリエステル樹脂を用いたトナーが提案されている(特許文献1参照)。結晶性ポリエステル樹脂を用いることで、可塑された非晶性ポリエステル樹脂は低粘度化し、低温定着性に対し、ある一定の効果は得られた。しかし、結晶性ポリエステル樹脂を用いたトナーは、結晶性ポリエステル電気抵抗が低いため、高温高湿環境下において、トナーの帯電量が低下しやすい傾向にある。さらに、近年は、ユーザー要望である省電力モードからのすばやい立ち上げウォームアップ)性能に対応すべく、定着器温調性能進化している。それに伴い、従来、定着器のウォームアップ間に行われていた現像機撹拌のよるトナーの帯電量の回復時間が得られにくくなってきている。そして、トナーの帯電量が低い場合、本来白字部となるべき非画像部にトナーが付着して濃度が高くなる現象である「かぶり」が発生する場合がある。
一方、具体的な高寿命化対応策としては、電子写真感光体の耐久性の向上が求められる。
そこで、耐久性を向上するために、電子写真感光体の表面層として、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物と特定の界面活性剤を含む重合体硬化物からなる層を設けた電子写真感光体が提案されている(特許文献2参照)。これにより、塗膜不良を抑制し、耐摩耗性に対し、ある一定の効果は得られた。しかし、耐摩耗性を高めた電子写真感光体は、電子写真感光体表面リフレッシュされにくくなるため、画像形成装置内の高電圧印加装置から発生する窒素酸化物等が、蓄積しやすい傾向にある。さらに、近年は、省エネの観点からも、下記の長期連休時には、複写機電源はもちろんのこと、空調も切るオフィスが多数見受けられる。それに伴い、電子写真感光体は、ドラムヒーターが切られた状態で長期間高温高湿環境下にさらされるようになっている。そして、電子写真感光体表面に形成される窒素酸化物が空気中の水分を吸着すること硝酸となって、電子写真感光体の表面が低抵抗化し、静電潜像が乱れる現象である「画像流れ」が発生する場合ある。
さらには、トナー及び電子写真感光体のいづれもが、親水性になりやすい傾向にあるため、電子写真感光体上のトナーには、液架橋力が働きやすくなり、その結果、「転写効率の低下」が発生する場合がある。
以上のことから、高温高湿環境下に長期間放置されても、かぶり、画像流れ、転写効率の低下を抑制できる画像形成方法の開発が急務である。

先行技術

0003

特開2004−046095号公報
特開2010−152181号公報

発明が解決しようとする課題

0004

本発明の目的は、上記の如き問題点を解決した画像形成方法を提供することにある。具体的には、トナーの低温定着性、電子写真感光体の耐摩耗性を向上させた上で、高温高湿環境下に長期間放置されても、かぶり、画像流れ、転写効率の低下を抑制できる画像形成方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0005

本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、高温高湿環境下に長期間放置されても、かぶり、画像流れ、転写効率の低下を抑制できる画像形成方法を得ることができることを見出した。
すなわち、本発明は、支持体および前記支持体上の感光層を有する電子写真感光体であって、
前記電子写真感光体の表面層が、硬化物を含有し、
前記硬化物の重合体が、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物と、下記式(I)で示される化合物共重合体であり、
前記硬化物の重合体のFedorsの式に求められる相溶性パラメーターSPが9.80≦SP≦10.50である電子写真感光体と、
非晶性樹脂結晶性樹脂ワックス、及びポリオレフィンスチレンアクリル系ポリマーグラフト重合している重合体を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
前記スチレンアクリル系ポリマーが、シクロアルキルアクリレートまたはシクロアルキルメタクリレート由来ユニットとを有するトナーと、
を用いることを特徴とする画像形成方法に関する。

0006

(式(I)中、R1は、水素原子、または、メチル基である。R2は、炭素数が7以上の直鎖状アルキル基、または、炭素数が7以上の分岐状のアルキル基である。)

発明の効果

0007

本発明の画像形成方法を用いることにより、高温高湿環境下に長期間放置されても、かぶり、画像流れ、転写効率の低下を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0008

本発明に用いられる熱球形化処理装置の図である。
電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。

0009

本発明の画像形成方法は、支持体および前記支持体上の感光層を有する電子写真感光体であって、
前記電子写真感光体の表面層が、硬化物を含有し、
前記硬化物の重合体が、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物と、下記式(I)で示される化合物の共重合体であり、
前記硬化物の重合体のFedorsの式に求められる相溶性パラメーターSPが9.80≦SP≦10.50である電子写真感光体と、
非晶性樹脂、結晶性樹脂、ワックス、及び
ポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合している重合体を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
前記スチレンアクリル系ポリマーが、シクロアルキルアクリレートまたはシクロアルキルメタクリレート(以後、「シクロアルキル(メタ)アクリレート」とも称する。)由来のユニットとを有するトナーと、
を用いることを特徴とする。

0010

(式(I)中、R1は、水素原子、または、メチル基である。R2は、炭素数が7以上の直鎖状のアルキル基、または、炭素数が7以上の分岐状のアルキル基である。)

0011

上述のように、近年の省エネルギー化、高寿命化の要求に対して、電子写真感光体の表面層として、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物と特定の界面活性剤を含む重合体の硬化物からなる層を設け、トナーに結晶性ポリエステル樹脂を添加するだけでは、付随する課題を満足できなくなってきている。

0012

そこで、本発明者等は、鋭意検討を行い、付随する課題を解決するために、電子写真感光体の改良として、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物と、上記式(I)で示される化合物との共重合体である硬化物を電子写真感光体の表面層に含有させることを見出した。なお、前記共重合体を電子写真感光体の表面層に含有させることで、高温高湿環境下における、転写効率の低下及び画像流れを抑制することがきる原因は、以下のように考える。

0013

前記共重合体の塗布液の塗膜を硬化させる工程において、上記式(I)の長鎖炭化水素基が電子写真感光体の表面層の表面に配向しながら硬化されていくため、完成した電子写真感光体の表面には、高疎水性の長鎖炭化水素基が配向された状態で表面層が形成される。その結果、電子写真感光体が空気中の水分を吸着しにくくなっているため、電子写真感光体上のトナーとの液架橋がなくなるため、転写効率の低下を抑制することができる。さらに、硝酸による電子写真感光体表面の抵抗が低下することもないため、画像流れを抑制することもできる。

0014

本発明に用いられる連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物、および、上記式(I)で示される化合物は、それぞれ、1種でもよく、2種以上でもよい。上記式(I)中のR2は、炭素数が7以上の直鎖状のアルキル基(無置換のアルキル基)、または、炭素数が7以上の分岐状のアルキル基(無置換のアルキル基)である。炭素数が7未満であると、高疎水性の表面層が形成されないため、本発明の転写効率の低下及び画像流れ抑制の効果が得られない。

0015

本発明者等は、さらなる検討を進め、付随する課題を解決するために、上記式(I)の長鎖炭化水式鎖長添加量も適正な範囲が存在し、前記重合体のFedorsの式に求められる相溶性パラメーターSPが9.80≦SP≦10.50であることを見出した。前記重合体のSPが9.80未満である場合、上記式(I)の長鎖炭化水素基の鎖長が長い、又は/および、上記式(I)の共重合比が多くなっているため、膜強度が弱くなり、耐久時には、高疎水性の表面層が削られるため、本発明の転写効率の低下及び画像流れ抑制の効果が得られない。また、前記重合体のSPが10.50より大きい場合、上記式(I)の長鎖炭化水素基の鎖長が短い、又は/および、上記式(I)の共重合比が少なくなっているため、高疎水性の表面層が形成されず、本発明の転写効率の低下及び画像流れ抑制の効果が得られない。

0016

また、前記正孔輸送性化合物が有する連鎖重合性官能基は、上記式(I)で示される化合物が有するビニル基(C=C基)と共重合可能な連鎖重合性官能基であり、下記式(II)で示される構造を有する1価の基であることが好ましい。

0017

(式(II)中、R3は、水素原子、または、メチル基である。)

0018

また、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物の質量をMaとし、式(I)で示される化合物の質量をMbとしたとき、0.02≦Mb/(Ma+Mb)≦0.20であることが好ましい。この範囲内であると、電子写真感光体の疎水性と耐摩耗性が両立できるため、本発明の転写効率の低下及び画像流れ抑制の効果が得られる。

0019

さらに、本発明者等は、鋭意検討を行い、付随する課題を解決するために、トナーの改良として、ポリオレフィンにシクロヘキシル(メタ)アクリレート由来のユニットとを有するスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合している重合体を含有させることを見出した。なお、ポリオレフィンにシクロアルキル(メタ)アクリレート由来のユニットとを有するスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合している重合体を含有させることで、高温高湿環境下における、転写効率の低下及びかぶりを抑制することがきる原因は、以下のように考える。前記重合体は、ポリオレフィンを主鎖としてグラフト重合体であるため、トナーの構成成分であるワックスとの親和性が高く、特に粉砕トナーにおいては、ワックスが粉砕界面となる。さらに、前記重合体は、高疎水性のシクロヘキシル(メタ)アクリレート由来のユニットを有するため、必然的に、トナーは、高疎水性の表面層が形成される。その結果、トナーが空気中の水分を吸着しにくくなっているため、電子写真感光体上のトナーとの液架橋がなくなるため、転写効率の低下を抑制することができる。さらに、水分吸着によるトナー表面の抵抗が低下することもないため、帯電維持性が向上し、かぶりを抑制することもできる。

0020

また、前記スチレンアクリル系ポリマーを構成するユニットの総モル数に対し、シクロアルキル(メタ)アクリレート由来のユニットを2.0mol%以上7.0mol%以下含有していることが好ましい。上述した通り、ワックスが界面となって粉砕されることで、トナー表面にワックス及び前記重合体が配向し、高疎水性の表面層が形成されるため、トナー中のワックス分散は微分散し、ドメインとして存在させないことが重要である。そして、ワックスの分散性補助する役割としても前記重合体は作用している。そのため、前記重合体の極性を、非晶性樹脂とワックスとの間に適正に制御することは、必要不可欠である。そして、シクロアルキル(メタ)アクリレート由来のユニットの割合が、上記範囲内であると、ワックスの分散性と前記重合体自体の疎水性が両立できるため、本発明の転写効率の低下とかぶりの抑制の効果が得られる。

0021

さらに、本発明のトナーは、例えば、図1で表される表面処理装置(詳細は後述)を用いて、熱風により表面処理を行うことが、帯電維持性の観点から好ましい。図1で表される表面処理装置により、トナーは空気中の疎水場で熱風処理されるため、トナーの構成材料であるワックスが、トナー表面近傍付近まで移行すると共に、前記重合体もトナー表面近傍付近まで移行するため、トナー表面の疎水性が高まり、高温高湿環境下における水分吸着量が減少し、帯電維持性が向上し、かぶりを抑制することができる。

0022

<非晶性樹脂>
本発明のトナーに使用される非晶性樹脂としては、特に限定されず、下記の重合体又は樹脂を用いることが可能である。

0024

これらの中で、低温定着性の観点で、ポリエステル樹脂を主成分とすることが好ましい。ポリエステル樹脂のポリエステルユニットに用いられるモノマーとしては、多価アルコール(2価もしくは3価以上のアルコール)と、多価カルボン酸(2価もしくは3価以上のカルボン酸)、その酸無水物又はその低級アルキルエステルとが用いられる。ここで分岐ポリマーを作成するためには、非晶性樹脂の分子内において部分架橋することが有効であり、そのためには、3価以上の多官能化合物を使用することが好ましい。従って、ポリエステルユニットの原料モノマーとして、3価以上のカルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキルエステル、及び/又は3価以上のアルコールを含むことが好ましい。

0025

ポリエステル樹脂のポリエステルユニットに用いられる多価アルコールモノマーとしては、以下の多価アルコールモノマーを使用することができる。

0026

2価のアルコール成分としては、エチレングリコールプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコールトリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また式(A)で表わされるビスフェノール及びその誘導体

0027

(式中、Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x及びyはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は0以上10以下である。)

0028

式(B)で示されるジオール類

0029

0030

3価以上のアルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタンペンタエリスリトールジペンタエリスリトールトリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオールグリセロール2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタントリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。これらのうち、好ましくはグリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが用いられる。これらの2価のアルコール及び3価以上のアルコールは、単独であるいは複数を併用して用いることができる。

0031

ポリエステル樹脂のポリエステルユニットに用いられる多価カルボン酸モノマーとしては、以下の多価カルボン酸モノマーを使用することができる。

0032

2価のカルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸フマル酸シトラコン酸イタコン酸グルタコン酸、フタル酸イソフタル酸テレフタル酸コハク酸アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸マロン酸、n−ドデセニルコハク酸イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、これらの酸の無水物及びこれらの低級アルキルエステルが挙げられる。これらのうち、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸、n−ドデセニルコハク酸が好ましく用いられる。

0033

3価以上のカルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキルエステルとしては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸テトラ(メチレンカルボキシルメタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸ピロメリット酸エンポール三量体酸、これらの酸無水物又はこれらの低級アルキルエステルが挙げられる。これらのうち、特に1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、すなわちトリメリット酸又はその誘導体が安価で、反応制御が容易であるため、好ましく用いられる。これらの2価のカルボン酸等及び3価以上のカルボン酸は、単独であるいは複数を併用して用いることができる。

0034

本発明のポリエステルユニットの製造方法については、特に制限されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、前述のアルコールモノマー及びカルボン酸モノマーを同時に仕込みエステル化反応またはエステル交換反応、及び縮合反応を経て重合し、ポリエステル樹脂を製造する。また、重合温度は、特に制限されないが、180℃以上290℃以下の範囲が好ましい。ポリエステルユニットの重合に際しては、例えば、チタン系触媒スズ系触媒酢酸亜鉛三酸化アンチモン二酸化ゲルマニウム等の重合触媒を用いることができる。特に、本発明の非晶性樹脂は、スズ系触媒を使用して重合されたポリエステルユニットがより好ましい。

0035

また、本発明のトナーに使用される非晶性樹脂のピーク分子量は4000以上13000以下であることが、低温定着性と耐ホットオフセット性の観点から好ましい。また、本発明のトナーに使用される非晶性樹脂の酸価は5mgKOH/g以上20mgKOH/g以下であることが、高温高湿環境下における帯電安定性の観点から好ましい。さらに、本発明のトナーに使用される非晶性樹脂の水酸基価は20mgKOH/g以上70mgKOH/g以下であることが、低温定着性と保存性の観点から好ましい。

0036

また、本発明のトナーに使用される非晶性樹脂は、低分子量の非晶性樹脂Aと高分子量の非晶性樹脂Bを混ぜ合わせて使用しても良い。低分子量の非晶性樹脂Aと高分子量の非晶性樹脂Bの含有比率(A/B)は質量基準で60/40以上90/10以下であることが、低温定着性と耐ホットオフセット性の観点から好ましい。

0037

低分子量の非晶性樹脂Aのピーク分子量は4000以上7000以下であることが、低温定着性の観点から好ましい。また、低分子量の非晶性樹脂Aの酸価は20mgKOH/g以下であることが、高温高湿環境下における帯電安定性の観点から好ましい。

0038

高分子量の非晶性樹脂Bのピーク分子量は10000以上20000以下であることが、耐ホットオフセット性の観点から好ましい。また、高分子量の結着樹脂の酸価は15mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であることが、高温高湿環境下における帯電安定性の観点から好ましい。

0039

<結晶性樹脂>
本発明における結晶性樹脂とは、後述する方法により、示差走査熱量測定DSC)においてトナーから吸熱ピーク観測される樹脂である。

0040

本発明のトナーに用いられる結晶性樹脂は、特に限定されないが、低温定着性の観点で、ポリエステル樹脂を主成分とすることが好ましい。

0041

本発明のトナーにおいて、トナー粒子に含まれる結晶性ポリエステルは、炭素数2以上22以下の脂肪族ジオールと、炭素数2以上22以下の脂肪族ジカルボン酸とを主成分として含む単量体組成物重縮合反応させることにより得られる。

0042

炭素数2以上22以下(より好ましくは炭素数6以上12以下)の脂肪族ジオールとしては、特に限定されないが、鎖状(より好ましくは直鎖状)の脂肪族ジオールであることが好ましく、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブタジエングリコールトリメチレングリコールテトラメチレングリコールペンタメチレングリコールヘキサメチレングリコールオクタメチレングリコールノナメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコールが挙げられる。これらの中でも、特にエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、及び1,6−ヘキサンジオールの如き直鎖脂肪族、α,ω−ジオールが好ましく例示される。

0043

上記アルコール成分のうち、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上が、炭素数2以上22以下の脂肪族ジオールから選ばれるアルコールである。

0044

本発明において、上記脂肪族ジオール以外の多価アルコール単量体を用いることもできる。該多価アルコール単量体のうち2価アルコール単量体としては、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等の芳香族アルコール;1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。また、該多価アルコール単量体のうち3価以上の多価アルコール単量体としては、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の芳香族アルコール;ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の脂肪族アルコール等が挙げられる。

0045

さらに、本発明において、結晶性ポリエステルの特性を損なわない程度に1価のアルコールを用いてもよい。該1価のアルコールとしては、例えばn−ブタノールイソブタノール、sec−ブタノールn−ヘキサノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノールシクロヘキサノールベンジルアルコール等のモノアルコールなどが挙げられる。

0046

一方、炭素数2以上22以下(より好ましくは炭素数6以上12以下)の脂肪族ジカルボン酸としては、特に限定されないが、鎖状(より好ましくは直鎖状)の脂肪族ジカルボン酸であることが好ましい。具体例としてはシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸スペリン酸、グルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸ノナンジカルボン酸デカンジカルボン酸ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸が挙げられ、これらの酸無水物または低級アルキルエステルを加水分解したものなども含まれる。

0047

本発明において、上記カルボン酸成分のうち、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上が、炭素数2以上22以下の脂肪族ジカルボン酸から選ばれるカルボン酸である。

0048

本発明において、上記炭素数2以上22以下の脂肪族ジカルボン酸以外の多価カルボン酸を用いることもできる。その他の多価カルボン酸単量体のうち、2価のカルボン酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族カルボン酸;n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸の脂肪族カルボン酸シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸が挙げられ、これらの酸無水物または低級アルキルエステルなども含まれる。また、その他のカルボン酸単量体のうち、3価以上の多価カルボン酸としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、等の脂肪族カルボン酸が挙げられ、これらの酸無水物または低級アルキルエステル等の誘導体等も含まれる。

0049

さらに、本発明において、結晶性ポリエステルの特性を損なわない程度に1価のカルボン酸を含有していてもよい。1価のカルボン酸としては、例えば安息香酸ナフタレンカルボン酸サリチル酸4−メチル安息香酸3−メチル安息香酸フェノキシ酢酸ビフェニルカルボン酸、酢酸プロピオン酸酪酸オクタン酸等のモノカルボン酸が挙げられる。

0050

また、本発明の結晶性ポリエステル樹脂は、炭素数10以上20以下の脂肪族モノカルボン酸及び脂肪族モノアルコールからなる群より選ばれた一種以上の脂肪族化合物分子鎖末端縮合した結晶性ポリエステル樹脂であることが、低温定着性と保存性の観点から好ましい。一般的に、結晶性ポリエステルの再結晶化は、結晶核を起点として、結晶成長していく。そこで、分子鎖の末端に素数10以上20以下の脂肪族モノカルボン酸及び脂肪族モノアルコールからなる群より選ばれた一種以上の脂肪族化合物を付与することで、そこが結晶核となり再結晶化を促進することができるため、保存性が良化する。さらに、炭素数が上記の範囲であると、分子鎖の末端に縮合させることも容易であり、遊離モノマーとして存在することはなくなるため、保存性の観点から好ましい。さらに、炭素数が上記の範囲であると、結晶性ポリエステルと非晶性樹脂の相溶性を損なうことがないため、低温定着性の観点から好ましい。

0051

さらに、炭素数10以上20以下の脂肪族モノカルボン酸及び脂肪族モノアルコールからなる群より選ばれた一種以上の脂肪族化合物は、結晶性ポリエステル樹脂の原料モノマーに対して、1.0mol%以上10.0mol%以下であることが好ましく、4.0mol%以上8.0mol%以下であることが更に好ましい。脂肪族化合物が上記範囲の量であると、低温定着性を阻害することなく、適量の結晶核を存在させることができるため好ましい。

0052

炭素数10以上20以下の脂肪族モノカルボン酸としては、カプリン酸デカン酸)、ウンデシル酸、ラウリン酸ドデカン酸)、トリデシル酸、ミリスチル酸(テトラデカン酸)、ペンタデシル酸、パルミチン酸ヘキサデカン酸)、マルガリン酸ヘプタデカン酸)、ステアリン酸オクタデカン酸)、ノナデシル酸、アラキジン酸イコサン酸)が挙げられる。

0054

本発明では、結晶性ポリエステル樹脂は、非晶性樹脂100質量部あたり3質量部以上20質量部以下で使用されることが、低温定着性や高温高湿環境下における帯電性の観点から好ましい。

0055

本発明における結晶性ポリエステルは、通常のポリエステル合成法に従って製造することができる。例えば、前記したカルボン酸単量体とアルコ−ル単量体とをエステル化反応、またはエステル交換反応せしめた後、減圧下または窒素ガスを導入して常法に従って重縮合反応させることで結晶性ポリエステルを得ることができる。その後、さらに、上記の脂肪族化合物を加え、エステル化反応を行うことで、所望の結晶性ポリエステルを得られることができる。

0056

上記エステル化またはエステル交換反応は、必要に応じて硫酸チタンブトキサイドジブチルスズオキサイド酢酸マンガン酢酸マグネシウムなどの通常のエステル化触媒またはエステル交換触媒を用いて行うことができる。

0057

また、上記重縮合反応は、通常の重合触媒、例えばチタンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、酢酸スズ、酢酸亜鉛、二硫化スズ、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウムなど公知の触媒を使用して行うことができる。重合温度、触媒量は特に限定されるものではなく、適宜に決めればよい。

0058

エステル化もしくはエステル交換反応または重縮合反応において、得られる結晶性ポリエステルの強度を上げるために全単量体一括仕込みしたり、低分子量成分を少なくするために2価の単量体を先ず反応させた後、3価以上の単量体を添加して反応させたりする等の方法を用いてもよい。

0059

<ポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合している重合体>
前記ポリオレフィンは、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される最大級熱ピークピーク温度が60℃以上110℃以下であることが好ましい。また、前記ポリオレフィンは、重量平均分子量(Mw)が900以上50000以下であることが好ましい。

0060

前記ポリオレフィンは、二重結合を一つ有する不飽和炭化水素の重合体または共重合体であれば特に限定されず、様々なポリオレフィンを用いることができる。特にポリエチレン系、ポリプロピレン系が好ましく用いられる。また、前記重合体の製造時の反応性の観点から、ポリプロピレンのように枝分かれ構造を持つことがより好ましい。

0061

前記ポリオレフィンの含有割合は、前記ポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合している重合体中に5.0質量%以上20.0質量%以下であることが好ましく、8.0質量%以上12.0質量%以下であることがより好ましい。

0062

なお、本発明において、ポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーをグラフト重合させる方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。

0063

前記スチレンアクリル系ポリマーは、シクロアルキル(メタ)アクリレート由来のユニットとを有していれば特に限定されない。ここで、ユニットとは、ポリマー中モノマー物質の反応した形態をいう。

0064

前記スチレンアクリル系ポリマーのシクロアルキル(メタ)アクリレート由来のユニットは、シクロアルキル(メタ)アクリレートモノマー(a)の単独重合体でもよいが、その他のモノマー(b)との共重合体であってもよい。

0065

前記シクロアルキル(メタ)アクリレートモノマー(a)としては、シクロプロピルアクリレート、シクロブチルアクリレート、シクロペンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートシクロヘプチルアクリレート、シクロオクチルアクリレート、シクロプロピルメタクリレート、シクロブチルメタクリレート、シクロペンチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘプチルメタクリレート、シクロオクチルメタクリレート、ジヒドロシクロペンタジエチルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレートなどのモノマー及びこれらの併用が挙げられる。

0066

これらの中でも、疎水性の観点から、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘプチルアクリレート、シクロオクチルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘプチルメタクリレート、シクロオクチルメタクリレートが好ましい。

0067

前記その他のモノマー(b)としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−アセトキシスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、フェニルスチレン、ベンジルスチレンなどのスチレン系モノマーメチルアクリレートエチルアクリレートブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレートエチルメタクリレートブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸アルキルエステル(該アルキルの炭素数が1以上18以下);酢酸ビニルなどのビニルエステル系モノマー;ビニルメチルエーテルのようなビニルエーテル系モノマー塩化ビニルのようなハロゲン元素含有ビニル系モノマー;ブタジエン、イソブチレンなどのジエン系モノマー及びこれらの併用が挙げられる。

0068

前記ポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合している重合体の酸価は、5mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であることが好ましく、15mgKOH/g以上35mgKOH/g以下であることがより好ましい。前記ポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合している重合体の酸価が上記範囲内である場合、ワックスとの親和性と前記重合体自体の疎水性が両立できるため、本発明の転写効率の低下とかぶりの抑制の効果が得られる。

0069

本発明において、前記ポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合している重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分子量分布において、重量平均分子量(Mw)が5000以上70000以下であることが好ましく、10000以上50000以下であることがより好ましい。前記ポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合している重合体の重量平均分子量(Mw)が上記範囲である場合、トナー表面の機械的強度増し、耐久時の外添剤の埋め込まれが抑制さえるため、転写効率の低下を抑制することができる。

0070

ポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合している重合体の含有量は、非晶性樹脂100質量部に対して、3.0質量部以上10質量部以下であることが好ましい。含有量がこの範囲にあるとき、ポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合している重合体の疎水性がトナーにも発現し、高温高湿環境下における水分吸着量が減少することで、帯電維持性が向上する。さらに、ポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合している重合体による非晶性樹脂中への結晶性樹脂の微分散が向上し、低温定着性が向上する。

0071

<ワックス>
本発明のトナーに用いられるワックスとしては、例えば以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン低分子量ポリプロピレンアルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックスパラフィンワックスフィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス酸化ポリエチレンワックスの如き炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。さらに、以下のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸エレオステアリン酸バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコールベヘニルアルコールカルナウビルアルコール、セリルアルコールメリシルアルコールの如き飽和アルコール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸の如き脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如きアルコール類とのエステル類リノール酸アミドオレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類メチレンビスステアリン酸アミドエチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族ビスアミド類;ステアリン酸カルシウムラウリン酸カルシウムステアリン酸亜鉛ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物植物性油脂水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物

0072

これらのワックスの中でも、低温定着性、定着分離性を向上させるという観点で、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス、もしくはカルナバワックスの如き脂肪酸エステル系ワックスが好ましい。本発明においては、耐ホットオフセット性がより向上する点で、炭化水素系ワックスがより好ましい。

0073

本発明では、ワックスは、結着樹脂100質量部あたり3質量部以上8質量部以下で使用されることが好ましい。

0074

また、示差走査熱量測定(DSC)装置で測定される昇温時の吸熱曲線において、ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度としては45℃以上140℃以下であることが好ましい。ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度が上記範囲内であるとトナーの保存性と耐ホットオフセット性を両立できるため好ましい。

0075

着色剤
トナーに含有できる着色剤としては、以下のものが挙げられる。

0076

黒色着色剤としては、カーボンブラックイエロー着色剤マゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。

0077

マゼンタトナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。

0078

マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28の如き塩基性染料

0079

シアントナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格フタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料

0080

シアントナー用染料としては、C.I.ソルベントブルー70がある。

0081

イエロートナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。

0082

イエロートナー用染料としては、C.I.ソルベントイエロー162がある。

0083

着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上30質量部以下で使用されることが好ましい。

0084

荷電制御剤
トナーには、必要に応じて荷電制御剤を含有させることもできる。トナーに含有される荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して保持できる芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。

0085

ネガ系荷電制御剤としては、サリチル酸金属化合物、ナフトエ酸金属化合物、ジカルボン酸金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、スルホン酸塩或いはスルホン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、カルボン酸塩或いはカルボン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物尿素化合物ケイ素化合物カリックスアレーンが挙げられる。ポジ系荷電制御剤としては、四級アンモニウム塩、前記四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物イミダゾール化合物が挙げられる。荷電制御剤はトナー粒子に対して内添しても良いし外添しても良い。荷電制御剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対し0.2質量部以上10質量部以下が好ましい。

0086

無機微粒子
本発明のトナーには、必要に応じて無機微粒子を含有させることもできる。無機微粒子は、トナー粒子に内添しても良いし外添剤としてトナー粒子と混合してもよい。外添剤としては、シリカ酸化チタン酸化アルミニウムの如き無機微粉体が好ましい。無機微粉体は、シラン化合物シリコーンオイル又はそれらの混合物の如き疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。

0087

流動性向上のための外添剤としては、比表面積が50m2/g以上400m2/g以下の無機微粉体が好ましく、耐久性安定化のためには、比表面積が10m2/g以上50m2/g以下の無機微粉体であることが好ましい。流動性向上や耐久性安定化を両立させるためには、比表面積が上記範囲の無機微粉体を併用してもよい。

0088

外添剤は、トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上10.0質量部以下使用されることが好ましい。トナー粒子と外添剤との混合は、ヘンシェルミキサーの如き公知の混合機を用いることができる。

0089

現像剤>
本発明のトナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、ドット再現性をより向上させるために、磁性キャリアと混合して、二成分系現像剤として用いることが、また長期にわたり安定した画像が得られるという点で好ましい。

0090

磁性キャリアとしては、例えば、表面を酸化した鉄粉、或いは、未酸化の鉄粉や、鉄、リチウムカルシウムマグネシウムニッケル、銅、亜鉛コバルトマンガンクロム希土類の如き金属粒子、それらの合金粒子酸化物粒子フェライト等の磁性体や、磁性体と、この磁性体を分散した状態で保持するバインダー樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)等、一般に公知のものを使用できる。

0091

本発明のトナーを磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用する場合、その際のキャリア混合比率は、二成分系現像剤中のトナー濃度として、2質量%以上15質量%以下、好ましくは4質量%以上13質量%以下にすると通常良好な結果が得られる。

0092

<製造方法>
トナー粒子を製造する方法としては、特に限定されないが、トナー表面に前記ポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合している重合体の層を形成させる観点から粉砕法が好ましい。

0093

以下、粉砕法でのトナー製造手順について説明する。

0094

原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、例えば、結着樹脂、離型剤、着色剤、結晶性ポリエステル、必要に応じて荷電制御剤等の他の成分を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコンミキサーV型ミキサー、ドラム型ミキサースーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサメカハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。

0095

次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中にワックス等を分散させる。その溶融混練工程では、加圧ニーダーバンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができ、連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。例えば、KTK型2軸押出機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出機(東機械社製)、PCM混練機(池鉄工製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダーブス社製)、ニーデックス(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。更に、溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。

0096

ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャーハンマーミルフェザーミルの如き粉砕機粗粉砕した後、更に、例えば、クリプトロンステム(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボ・ミル(ターボ工業製)やエアージェット方式による微粉砕機微粉砕する。

0097

その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレクスホソカワミクロン社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)の如き分級機篩分機を用いて分級する。

0098

その後、加熱によるトナー粒子の表面処理を行い、トナーの円形度を増加させる。例えば、図1で表される表面処理装置を用いて、熱風により表面処理を行うこともできる。

0099

原料定量供給手段1により定量供給された混合物は、圧縮気体調整手段2により調整された圧縮気体によって、原料供給手段の鉛直線上に設置された導入管3に導かれる。導入管を通過した混合物は、原料供給手段の中央部に設けられた円錐状の突起状部材4により均一に分散され、放射状に広がる8方向の供給管5に導かれ熱処理が行われる処理室6に導かれる。

0100

このとき、処理室に供給された混合物は、処理室内に設けられた混合物の流れを規制するための規制手段9によって、その流れが規制される。このため処理室に供給された混合物は、処理室内を旋回しながら熱処理された後、冷却される。

0101

供給された混合物を熱処理するための熱風は、熱風供給手段7から供給され、熱風を旋回させるための旋回部材13により、処理室内に熱風を螺旋状に旋回させて導入される。その構成としては、熱風を旋回させるための旋回部材13が、複数のブレードを有しており、その枚数や角度により、熱風の旋回を制御することができる。処理室内に供給される熱風は、熱風供給手段7の出口部における温度が100℃乃至300℃であることが好ましい。熱風供給手段の出口部における温度が上記の範囲内であれば、混合物を加熱しすぎることによるトナー粒子の融着合一を防止しつつ、トナー粒子を均一に球形化処理することが可能となる。

0102

更に熱処理された熱処理トナー粒子は冷風供給手段8から供給される冷風によって冷却され、冷風供給手段8から供給される温度は−20℃乃至30℃であることが好ましい。冷風の温度が上記の範囲内であれば、熱処理トナー粒子を効率的に冷却することができ、混合物の均一な球形化処理を阻害することなく、熱処理トナー粒子の融着や合一を防止することができる。冷風の絶対水分量は、0.5g/m3以上15.0g/m3以下であることが好ましい。

0103

次に、冷却された熱処理トナー粒子は、処理室の下端にある回収手段10によって回収される。なお、回収手段の先にはブロワー(不図示)が設けられ、それにより吸引搬送される構成となっている。

0104

また、粉体粒子供給口14は、供給された混合物の旋回方向と熱風の旋回方向が同方向になるように設けられており、表面処理装置の回収手段10は、旋回された粉体粒子の旋回方向を維持するように、処理室の外周部に設けられている。さらに、冷風供給手段8から供給される冷風は、装置外周部から処理室内周面に、水平かつ接線方向から供給されるよう構成されている。粉体供給口から供給されるトナーの旋回方向、冷風供給手段から供給された冷風の旋回方向、熱風供給手段から供給された熱風の旋回方向がすべて同方向である。そのため、処理室内で乱流が起こらず、装置内の旋回流強化され、トナーに強力な遠心力がかかり、トナーの分散性が更に向上するため、合一粒子の少ない、形状の揃ったトナーを得ることができる。

0105

トナーの平均円形度は、0.960以上0.990以下であると、転写性が向上し、かつクリーニング性を両立できるため好ましい。

0106

更に必要に応じて、トナー粒子の表面に外添剤が外添処理される。外添剤を外添処理する方法としては、分級されたトナーと公知の各種外添剤を所定量配合し、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン株式会社製)等の混合装置を外添機として用いて、撹拌・混合する方法が挙げられる。

0107

<電子写真感光体>
本発明において、電子写真感光体の表面層が含有する硬化物は、
連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物と上記式(I)で示される化合物の共重合体であることが好ましい。

0108

前記連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物が有する正孔輸送性基としては、例えば、
置換基としてアルキル基を有するもしくは置換基を有さないトリアリールアミン化合物ベンゼン環やアルキル基の水素原子を除いて導き出される基、
ヒドラゾン化合物のベンゼン環の水素原子を除いて導き出される基、
スチルベン化合物のベンゼン環の水素原子を除いて導き出される基
などが挙げられる。

0109

上記連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物は、下記式(III)で示される化合物であることが好ましい。

0110

0111

上記式(III)中、P1は、下記式(IV)で示される1価の基、または、下記式(V)で示される1価の基である。aは、2以上4以下の整数である。aが2以上である場合、a個のP1は同一であってもよいし、異なっていてもよい。Zは、正孔輸送性基である。上記式(III)中のZのP1との結合部位を水素原子に置き換え水素付加物は、下記式(VI)で示される化合物、または、下記式(VII)で示される化合物である。

0112

0113

0114

(上記式(VI)中、R11〜R13は、それぞれ独立に、フェニル基、または、置換基として炭素数1以上6以下のアルキル基を有するフェニル基である。)

0115

(上記式(VII)中、R21〜R24は、それぞれ独立に、フェニル基、または、置換基として炭素数1以上6以下のアルキル基を有するフェニル基である。)

0116

以下に、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物の具体例(例示化合物)を示す。

0117

0118

0119

本発明の電子写真感光体の表面層は、
連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物と上記式(I)で示される化合物を含有する表面層用塗布液を調製する工程、
該表面層用塗布液の塗膜を形成する工程、ならびに、
該塗膜を硬化させることによって該電子写真感光体の表面層を形成する工程
によって形成ことができる。

0120

また、表面層形成用塗布液は、各種添加剤を含有してもよい。また、表面層用塗布液には、連鎖重合性官能基を有し、正孔輸送機能を持たない化合物をさらに含有させてもよい。

0121

表面層の膜厚は0.1μm以上15μm以下であることが好ましく、0.5μm以上10μm以下であることがより好ましい。

0122

表面層用塗布液の調製に用いる溶剤としては、表面層の下の層を溶解させない溶剤を使用することが好ましい。具体的には、メタノールエタノールプロパノールイソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−メトキシ2−プロパノールなどのアルコール系溶剤が好ましい。

0123

表面層用塗布液の塗膜を硬化させる手段としては、熱、紫外線、および/または、電子線によって硬化させる方法が挙げられる。電子写真感光体の表面層の強度、電子写真感光体の耐久性を向上させるためには、紫外線または電子線を用いて塗膜を硬化させることが好ましい。

0124

電子線を用いて上記連鎖重合性官能基を有する正孔輸送物質および上記式(I)で示される化合物を重合させると、非常に緻密(高密度)な硬化物(3次元架橋構造)が得られ、より高い耐久性を有する表面層が得られるため、より好ましい。電子線を照射する場合、加速器としては、例えば、スキャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム型、パルス型ラミナー型などが挙げられる。

0125

電子線を用いる場合、電子線の加速電圧は、重合効率を損なわずに電子線による材料特性劣化を抑制できる観点から、120kV以下であることが好ましい。また、表面層用塗布液の塗膜の表面での電子線吸収線量は、5kGy以上50kGy以下であることが好ましく、1kGy以上10kGy以下であることがより好ましい。

0126

また、電子線を用いて上記組成物を硬化(重合)させる場合、酸素による重合阻害作用を抑制する観点から、不活性ガス雰囲気で電子線を照射した後、不活性ガス雰囲気で加熱することが好ましい。不活性ガスとしては、例えば、窒素アルゴンヘリウムが挙げられる。

0127

また、紫外線または電子線の照射後に、電子写真感光体を100℃以上140℃以下に加熱することが好ましい。こうすることで、さらに高い耐久性を有し、画像不良を抑制する表面層が得られる。

0128

次に本発明の電子写真感光体の全体的な構成について説明する。

0129

本発明の電子写真感光体は、支持体および支持体上の感光層を有する。

0130

感光層としては、電荷発生物質および電荷輸送物質をともに含有する単層型感光層、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型感光層が挙げられる。本発明においては、積層型感光層が好ましい。

0131

図2は、電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。

0132

図2中、電子写真感光体は、支持体21、下引き層22、電荷発生層23、電荷輸送層24、および、保護層25を有する。この場合、電荷発生層23および電荷輸送層24が感光層を構成し、保護層25が表面層である。また、保護層を設けない場合は、電荷輸送層24が表面層である。本発明においては、電荷輸送層上の保護層を表面層とすることが好ましい。

0133

そして、電子写真感光体の表面層は、上述したように、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物と、上記式(I)で示される化合物との共重合体である硬化物を含有する。

0134

本発明の電子写真感光体をさらに説明する。

0135

〔支持体〕
電子写真感光体に用いられる支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましい。例えば、鉄、銅、金、銀、アルミニウム、亜鉛、チタン、鉛、ニッケル、スズ、アンチモンインジウム、クロム、アルミニウム合金ステンレスなどの金属または合金製の支持体が挙げられる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム酸化スズ合金などを真空蒸着によって形成した被膜を有する金属製支持体樹脂製支持体を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子酸化チタン粒子銀粒子などの導電性粒子を樹脂に含浸させて形成された支持体、導電性樹脂を含有する支持体を用いることもできる。支持体の形状としては、円筒状、ベルト状、シート状または板状などが挙げられる。本発明においては、円筒状が好ましい。

0136

支持体の表面は、レーザー光散乱による干渉縞の抑制を目的として、切削処理粗面化処理アルマイト処理などを施してもよい。

0137

支持体と、感光層または下引き層との間には、レーザーなどの散乱による干渉縞の抑制や、支持体の傷の被覆を目的として、導電層を設けてもよい。

0138

導電層は、導電性粒子を結着樹脂および溶剤とともに分散処理して得られる導電層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。

0139

導電層に用いられる導電性粒子としては、例えば、
カーボンブラック、アセチレンブラック
アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属の粒子
酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、ITOなどの金属酸化物の粒子
などが挙げられる。また、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズを用いてもよい。

0140

導電層用塗布液の溶剤としては、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。導電層の膜厚は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、さらには0.5μm以上40μm以下であることがより好ましく、さらには1μm以上30μm以下であることがより好ましい。

0141

導電層に用いられる結着樹脂としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステルメタクリル酸エステル、フッ化ビニリデントリフルオロエチレンなどのビニル化合物の重合体および共重合体、ポリビニルアルコールポリビニルアセタールポリカーボネートポリエステルポリスルホンポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂ケイ素樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネート樹脂が挙げられる。

0142

支持体または導電層と、電荷発生層との間には、下引き層(中間層)を設けてもよい。

0143

下引き層は、結着樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる下引き層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。

0144

下引き層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾールポリエチレンオキシドエチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体カゼインポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン樹脂共重合ナイロン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリエステルが挙げられる。

0145

下引き層には、さらに、金属酸化物粒子を含有させてもよい。例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムを含有する粒子が挙げられる。また、金属酸化物粒子は、金属酸化物粒子の表面がシランカップリング剤などの表面処理剤で処理されている金属酸化物粒子であってもよい。

0146

下引き層用塗布液に用いられる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤脂肪族ハロゲン化炭化水素系溶剤、芳香族化合物などの有機溶剤が挙げられる。下引き層の膜厚は、0.05μm以上30μm以下であることが好ましく、1μm以上25μm以下であることがより好ましい。下引き層には、さらに、有機樹脂微粒子レベリング剤を含有させてもよい。

0147

積層型感光層である場合、電荷発生層は、電荷発生物質および結着樹脂を溶剤と混合し、分散処理して得られた電荷発生層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることによって形成することができる。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜としてもよい。

0148

電荷発生層に用いられる電荷発生物質としては、例えば、アゾ顔料フタロシアニン顔料インジゴ顔料、ペリレン顔料多環キノン顔料スクワリリウム色素ピリリウム塩チアピリリウム塩、トリフェニルメタン色素キナクリドン顔料アズレニウム塩顔料、シアニン染料アンアントロン顔料、ピラントロン顔料、キサンテン色素キノンイミン色素スチリル色素などが挙げられる。電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。電荷発生物質の中でも、感度の観点から、フタロシアニン顔料やアゾ顔料が好ましく、特にはフタロシアニン顔料がより好ましい。

0149

フタロシアニン顔料の中でも、特にオキシチタニウムフタロシアニンあるいはクロロガリウムフタロシアニンヒドロキシガリウムフタロシアニンが優れた電荷発生効率を示す。さらに、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの中でも、感度の観点から、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θの7.4°±0.3°および28.2°±0.3°に強いピークを有する結晶形ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶がより好ましい。

0150

電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンなどのビニル化合物の重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。

0151

電荷発生物質と結着樹脂との質量比(電荷発生物質:結着樹脂)は、1:0.3〜1:4の範囲であることが好ましい。

0152

分散処理方法としては、例えば、ホモジナイザー超音波分散ボールミル振動ボールミルサンドミルアトライター、ロールミルを用いる方法が挙げられる。

0153

電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、例えば、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、脂肪族ハロゲン化炭化水素系溶剤、芳香族化合物が挙げられる。

0154

電荷発生層の膜厚は、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上1μm以下であることがより好ましい。また、電荷発生層には、必要に応じて、種々の増感剤酸化防止剤紫外線吸収剤、可塑剤を添加することもできる。

0155

次に、電荷輸送層について説明する。電荷輸送層は、電荷発生層上に形成される。電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる電荷輸送層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。

0156

電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、ポリエステル、フェノキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。好ましくは、ポリカーボネートである。

0157

電荷輸送層に用いられる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物オキサゾール化合物トリアリールメタン化合物チアゾール化合物が挙げられる。電荷輸送物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。

0158

電荷輸送層における電荷輸送物質と結着樹脂との割合は、結着樹脂1質量部に対して電荷輸送物質が0.3質量部以上10質量部以下であることが好ましい。

0159

また、電荷輸送層のクラックを抑制する観点から、乾燥温度は60℃以上150℃以下が好ましく、80℃以上120℃以下がより好ましい。また、乾燥時間は10分以上60分以下が好ましい。

0160

電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、アルコール溶剤、スルホキシド溶剤、ケトン溶剤エーテル溶剤エステル溶剤、脂肪族ハロゲン化炭化水素溶剤、芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。

0161

電荷輸送層の膜厚は、5μm以上40μm以下であることが好ましく、10μm以上35μm以下であることがより好ましい。

0162

また、電荷輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、金属酸化物粒子、無機粒子を必要に応じて添加することもできる。また、フッ素原子含有樹脂粒子シリコーン含有樹脂粒子などを含有させても良い。

0163

そして、保護層が電子写真感光体の表面層である場合、上述したように、
上記連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物および上記式(I)で示される化合物を含有する表面層用塗布液を調製し、
電荷輸送層上に表面層用塗布液の塗膜を形成し、
この塗膜を硬化させる
ことによって形成することができる。

0164

上記各層の塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法スプレー塗布法リング塗布法スピン塗布法ローラー塗布法、マイヤーバー塗布法、ブレード塗布といった塗布方法を用いることができる。

0165

トナー、電子写真感光体、及び原材料の各種物性の測定法について以下に説明する。

0166

<連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物と、前記式(I)で示される化合物の共重合体のFedorsの式によるSPの算出方法
連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物と、前記式(I)で示される化合物の共重合体のSPは、Fedorsの式によって求めたものである。SPは、下記式のように凝集エネルギー密度平方根で定義される。ここで、Vは溶媒モル分子容、ΔEは凝集エネルギー蒸発エネルギー)である。
SP=(ΔE/V)1/2

0167

本発明の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物と、前記式(I)で示される化合物の共重合体のSPを算出するに当たって用いたV及びΔEの値を表1に示す。

0168

0169

例えば、実施例1の電子写真感光体1の表面層に用いられる共重合体のSPの算出方法を以下に示す。

0170

0171

<GPCによる結晶性樹脂の重量平均分子量測定>
まず、室温で24時間かけて、結晶性ポリエステル樹脂をo−ジクロロベンゼンに溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC−8121GPC/HT(東ソー社製)
カラム:TSKgelGMHHR−H HT 7.8cmI.D×30cm2連(東ソー社製)
検出器高温用RI
温度:135℃
溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.05%アイオノール添加)
流速:1.0ml/min
試料:0.1%の試料を0.4ml注入
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算をすることによって算出される。

0172

<GPCによる非晶性樹脂及びポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合している重合体のピーク分子量、重量平均分子量測定>
樹脂のTHF可溶分の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。

0173

まず、室温で24時間かけて、トナーをテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml

0174

試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダードポリスチレンF−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。

0175

<非晶性樹脂、ポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合している重合体及びトナーの軟化点測定方法
軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ流動特性評価装置フローテスターCFT−500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属マニュアルに従って行う。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダ充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。

0176

本発明においては、「流動特性評価装置フローテスターCFT−500D」に付属のマニュアルに記載の「1/2法における溶融温度」を軟化点とする。尚、1/2法における溶融温度とは、次のようにして算出されたものである。まず、流出が終了した時点におけるピストンの降下量Smaxと、流出が開始した時点におけるピストンの降下量Sminとの差の1/2を求める(これをXとする。X=(Smax−Smin)/2)。そして、流動曲線においてピストンの降下量がXとなるときの流動曲線の温度が、1/2法における溶融温度である。

0177

測定試料は、約1.0gの樹脂を、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、NT−100H、エヌピーエーシステム社製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。

0178

CFT−500Dの測定条件は、以下の通りである。
試験モード:昇温法
開始温度:50℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/min
ピストン断面積:1.000cm2
試験荷重ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm

0179

<非晶性樹脂及びトナーのガラス転移温度(Tg)の測定>
<結晶性樹脂の融解ピーク温度(Tp)の測定>
ガラス転移温度及び融解ピーク温度は、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いてASTMD3418−82に準じて測定する。

0180

装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。

0181

具体的には、樹脂又はトナー約3mgを精し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用いて、以下の条件で測定する。
昇温速度:10℃/min
測定開始温度:30℃
測定終了温度:180℃

0182

測定範囲30乃至180℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。一度180℃まで昇温させ10分間保持し、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目昇温過程で、温度30乃至100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースライン中間点の線と示差熱曲線との交点を、樹脂のガラス転移温度(Tg)とする。さらに、温度60乃至90℃の範囲における温度—吸熱量曲線の最大吸熱ピークになる温度を融解ピーク温度(Tp)とする。

0183

<DSCによるトナーからの結晶性樹脂に由来する吸熱ピークの測定>
トナーからの結晶性樹脂に由来する吸熱ピークの測定は、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いてASTMD3418−82に準じて測定する。

0184

装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。

0185

具体的には、トナー約3mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用いて、以下の条件で測定する。
昇温速度:10℃/min
測定開始温度:30℃
測定終了温度:180℃
保持温度:50℃

0186

測定範囲30乃至180℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。一度50℃まで昇温させ3日間保持し、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程で、温度30乃至100℃の範囲においてベースラインに対して吸熱ピークが得られる。このときの吸熱ピークが、エンタルピー緩和や離型剤に由来する吸熱ピークと分離できている場合は、その吸熱ピークを結晶性樹脂に由来する吸熱ピークとする。

0187

また、得られた吸熱ピークがエンタルピー緩和や離型剤に由来する吸熱ピークと分離できない場合や、非晶性樹脂と結晶性樹脂との相溶性が高く、吸熱ピークとして現れない場合は、溶剤への溶解度の差を利用してトナーから結晶性樹脂を分離してから測定を行う。

0188

トナーからの結晶性樹脂の分離は以下の手順で行う。
第一分離:23℃のMEKにトナーを溶解させ、可溶分(非晶性樹脂)と不溶分(結晶性樹脂、離型剤、着色剤、無機粒子)を分離する。
第二分離:100℃のMEKに、第一分離で得られた不溶分(結晶性樹脂、離型剤、着色剤、無機粒子)を溶解させ、可溶分(結晶性樹脂、離型剤)と不溶分(着色剤、無機粒子)を分離する。
第三分離:23℃のクロロホルムに、第二分離で得られた可溶分(結晶性樹脂、離型剤)を溶解させ、可溶分(結晶性樹脂)と不溶分(離型剤)を分離する。

0189

得られた可溶分(結晶性樹脂)のDSC測定を行うことで、結晶性樹脂に由来する吸熱ピークを測定することができる。

0190

<トナー粒子の体積平均粒径(D4)の測定方法>
トナー粒子の体積平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置コールターカウンターMultisizer 3」(登録商標ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。

0191

測定に使用する電解水溶液は、特級塩ナトリウムイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。

0192

尚、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。

0193

前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモード総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値ノイズレベル測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュチェックを入れる。

0194

専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。

0195

具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れ気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤陰イオン界面活性剤有機ビルダーからなるpH7の精密測定洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、体積平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ体積%と設定したときの、分析体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が体積平均粒径(D4)である。

0196

<トナーの平均円形度の測定方法>
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。

0197

フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)の測定原理は、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うというものである。試料チャンバーへ加えられた試料は、試料吸引シリンジによって、フラットシースフローセル送り込まれる。フラットシースフローに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像CCDカメラで撮像され、撮像された画像は512×512画素画像処理解像度(一画素あたり0.37×0.37μm)で画像処理され、各粒子像輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積Sや周囲長L等が計測される。

0198

次に、上記面積Sと周囲長Lを用いて円相当径と円形度を求める。円相当径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことであり、円形度Cは、円相当径から求めた円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割った値として定義され、次式で算出される。
円形度C=2×(π×S)1/2/L

0199

粒子像が円形の時に円形度は1.000になり、粒子像外周の凹凸の程度が大きくなればなるほど円形度は小さい値になる。各粒子の円形度を算出後、円形度0.200乃至1.000の範囲を800分割し、得られた円形度の相加平均値を算出し、その値を平均円形度とする。

0200

具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型超音波洗浄器分散器(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に該コンタミノンNを約2ml添加する。

0201

測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した該フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。該手順に従い調整した分散液を該フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を指定することにより、その範囲の粒子の個数割合(%)、平均円形度を算出することができる。トナーの平均円形度は、円相当径1.98μm以上39.96μm以下とし、トナーの平均円形度を求めた。

0202

測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎焦点調整を実施することが好ましい。

0203

なお、本願実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.98μm以上39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。

0204

<低分子量の非晶性樹脂A1の製造例>
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:76.3質量部(0.19モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:16.1質量部(0.10モル;多価カルボン酸総モル数に対して60.0mol%)
・コハク酸:7.6質量部(0.06モル;多価カルボン酸総モル数に対して40.0mol%)
チタンテトラブトキシド(エステル化触媒):0.5質量部
冷却管撹拌機窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、4時間反応させた。

0205

さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、160まで冷却し、大気圧に戻した(第1反応工程)。

0206

・tert−ブチルカテコール重合禁止剤):0.1質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度180℃に維持したまま、1時間反応させ、ASTMD36−86に従って測定した軟化点が90℃の温度に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め(第2反応工程)、樹脂A1を得た。得られた樹脂A1は、ピーク分子量Mw4500、軟化点Tm90℃、ガラス転移温度Tg54℃であった。

0207

<高分子量の非晶性樹脂B1の製造例>
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:73.8質量部(0.19モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:12.5質量部(0.08モル;多価カルボン酸総モル数に対して48.0mol%)
・アジピン酸:7.8質量部(0.05モル;多価カルボン酸総モル数に対して34.0mol%)
・チタンテトラブトキシド(エステル化触媒):0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。

0208

さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、160まで冷却し、大気圧に戻した(第1反応工程)。

0209

・トリメリット酸:5.9質量部(0.03モル;多価カルボン酸総モル数に対して18.0mol%)
・tert−ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度200℃に維持したまま、15時間反応させ、ASTMD36−86に従って測定した軟化点が140℃の温度に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め(第2反応工程)、樹脂B1を得た。得られた樹脂B1は、ピーク分子量Mp10000、軟化点Tm140℃、ガラス転移温度Tg60℃であった。

0210

<結晶性樹脂C1の製造例>
・ヘキサンジオール:33.9質量部(0.29モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
ドデカン二酸:66.1質量部(0.29モル;多価カルボン酸総モル数に対して100.0mol%)
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、140℃の温度で撹拌しつつ、3時間反応させた。

0211

2−エチルヘキサン酸錫:0.5質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度200℃に維持したまま、4時間反応させることにより結晶性樹脂C1を得た(第1反応工程)。得られた結晶性樹脂C1は、重量平均分子量Mw10000、融解ピーク温度Tp71℃であった。

0212

<ポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合している重合体D1の製造例>
・低分子量ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製ビスコール660P):10.0質量部(0.02モル;構成モノマーの総モル数に対して2.4mol%)
キシレン:25.0質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に175℃の温度まで昇温した。

0213

・スチレン:68.0質量部(0.65モル;構成モノマーの総モル数に対して76.4mol%)
メタクリル酸シクロヘキシル:5.0質量部(0.03モル;構成モノマーの総モル数に対して3.5mol%)
アクリル酸ブチル:12.0質量部(0.09モル;構成モノマーの総モル数に対して11.0mol%)
メタクリル酸:5.0質量部(0.06モル;構成モノマーの総モル数に対して6.8mol%)
・キシレン:10.0質量部
・ジーt−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート:0.5質量部
その後、上記材料を3時間かけて滴下し、さらに30分間撹拌した。次いで、溶剤を留去して、ポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合している重合体D1を得た。得られたポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合している重合体D1は、ピーク分子量Mp6000、軟化点125℃であった。

0214

<ポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合している重合体D2乃至D8の製造例>
ポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合している重合体D1製造例において、それぞれのモノマー及び質量部数を表3となるように変更した以外は同様の操作を行い、ポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合している重合体D2乃至D8を得た。ポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合している重合体D2乃至D8の物性を表3に示す。

0215

0216

<トナー1製造例>
・非晶性樹脂A1 60質量部
・非晶性樹脂B1 30質量部
・結晶性樹脂C1 10質量部
・ポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合している重合体D1
4質量部
・フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピークのピーク温度90℃) 4質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 7質量部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5minで混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。さらにファカルティF−300(ホソカワミクロン社製)を用い、分級を行い、トナー粒子を得た。運転条件は、分級ローター回転数を130s-1、分散ローター回転数を120s-1とした。

0217

得られたトナー粒子を用い、図1で示す表面処理装置によって熱処理を行い熱処理トナー粒子を得た。運転条件はフィード量=5kg/hrとし、また、熱風温度C=160℃、熱風流量=6m3/min.、冷風温度E=−5℃、冷風流量=4m3/min.、ブロワー風量=20m3/min.、インジェクションエア流量=1m3/min.とした。

0218

得られた熱処理トナー粒子を100質量部に、疎水性シリカ(BET:200m2/g)1.0質量部、イソブチルトリメトキシシランで表面処理した酸化チタン微粒子(BET:80m2/g)を1.0質量部、ヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で回転数30s-1、回転時間10minで混合して、トナー1を得た。トナー1の体積平均粒径(D4)は6.5μmであり、平均円形度は0.968であった。トナー1の物性を表4に示す。

0219

<トナー2乃至9の製造例>
トナー1製造例において、ポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合している重合体D1を表4となるように変更し、表面処理装置の工程を省いた以外は同様の操作を行い、トナー2乃至トナー9を得た。トナー2乃至トナー9の物性を表4に示す。

0220

0221

磁性コア粒子1の製造例>
・工程1(秤量・混合工程):
Fe2O3 62.7質量部
MnCO3 29.5質量部
Mg(OH)2 6.8質量部
SrCO3 1.0質量部
上記材料を上記組成比となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、直径1/8インチのステンレスビーズを用いた乾式振動ミルで5時間粉砕・混合した。

0222

・工程2(仮焼成工程):
得られた粉砕物ローラーコンパクターにて、約1mm角ペレットにした。このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、バーナー焼成炉を用いて、窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%)で、温度1000℃で4時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。得られた仮焼フェライトの組成は、下記の通りである。
(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe2O3)d
上記式において、a=0.257、b=0.117、c=0.007、d=0.393

0223

・工程3(粉砕工程):
クラッシャーで0.3mm程度に粉砕した後に、直径1/8インチのジルコニアビーズを用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ボールミルで1時間粉砕した。そのスラリーを、直径1/16インチのアルミナビーズを用いた湿式ボールミルで4時間粉砕し、フェライトスラリー(仮焼フェライトの微粉砕品)を得た。

0224

・工程4(造粒工程):
フェライトスラリーに、仮焼フェライト100質量部に対して分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム1.0質量部、バインダーとしてポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤー製造元:大川原化工機)で、球状粒子に造粒した。得られた粒子を粒度調整した後、ロータリーキルンを用いて、650℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーの有機成分を除去した。

0225

・工程5(焼成工程):
焼成雰囲気コントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%)で、室温から温度1300℃まで2時間で昇温し、その後、温度1150℃で4時間焼成した。その後、4時間をかけて、温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。

0226

・工程6(選別工程):
凝集した粒子を解砕した後に、磁力選鉱により低磁力品をカットし、目開き250μmので篩分して粗大粒子を除去し、体積分布基準の50%粒径(D50)37.0μmの磁性コア粒子1を得た。

0227

被覆樹脂1の調製>
シクロヘキシルメタクリレートモノマー26.8質量%
メチルメタクリレートモノマー0.2質量%
メチルメタクリレートマクロモノマー8.4質量%
(片末端にメタクリロイル基を有する重量平均分子量5000のマクロモノマー)
トルエン31.3質量%
メチルエチルケトン31.3質量%
アゾビスイソブチロニトリル2.0質量%
上記材料のうち、シクロヘキシルメタクリレート、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートマクロモノマー、トルエン、メチルエチルケトンを、還流冷却器温度計、窒素導入管及び撹拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコに添加し、窒素ガスを導入して充分に窒素雰囲気にした後、80℃まで加温し、アゾビスイソブチロニトリルを添加して5時間還流し重合させた。得られた反応物にヘキサンを注入して共重合体を沈殿析出させ、沈殿物濾別後、真空乾燥して被覆樹脂1を得た。得られた被覆樹脂1を30質量部、トルエン40質量部、メチルエチルケトン30質量部に溶解させて、重合体溶液1(固形分30質量%)を得た。

0228

被覆樹脂溶液1の調製>
重合体溶液1(樹脂固形分濃度30%) 33.3質量%
トルエン66.4質量%
カーボンブラック(Regal330;キャボット社製) 0.3質量%
一次粒径25nm、窒素吸着比表面積94m2/g、DBP吸油量75ml/100g)
を、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、ペイントシェーカーで1時間分散をおこなった。得られた分散液を、5.0μmのメンブランフィルターで濾過をおこない、被覆樹脂溶液1を得た。

0229

<磁性キャリア1の製造例>
樹脂被覆工程):
常温で維持されている真空脱気型ニーダーに被覆樹脂溶液1を充填コア粒子1の100質量部に対して樹脂成分として2.5質量部になるように投入した。投入後、回転速度30rpmで15分間撹拌し、溶媒が一定以上(80質量%)揮発した後、減圧混合しながら80℃まで昇温し、2時間かけてトルエンを留去した後冷却した。得られた磁性キャリアを、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口70μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、体積分布基準の50%粒径(D50)38.2μmの磁性キャリア1を得た。

0230

<二成分系現像剤1の製造例>
磁性キャリア1を92.0質量部に対し、トナー1を8.0質量部加え、V型混合機(V−20、セイシン企業製)により混合し、二成分系現像剤1を得た。

0231

<二成分系現像剤2乃至9の製造例>
二成分系現像剤1の製造例において、表5のように変更する以外は同様の操作を行い、二成分系現像剤2乃至9を得た。

0232

0233

<連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物と、前記式(I)で示される化合物の共重合体の表面層用塗布液1の製造例>
・前記例示化合物(1−1):95.0質量部(0.19モル;構成モノマーの総モル数に対して89.6mol%)
・表6に示されるビニルエステル化合物:5.0質量部(0.02モル;構成モノマーの総モル数に対して10.4mol%)
1−プロパノール:200.0質量部
・1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製):100.0質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量混合し、撹拌した。その後、ポリフロンフィルター(商品名:PF−020、アドバンテック東洋(株)製)でこの溶液を濾過することによって、表面層用塗布液1を調製した。

0234

<表面層用塗布液2乃至9の製造例>
連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物と、前記式(I)で示される化合物の共重合体の表面層用塗布液1製造例において、前記式(I)で示される化合物及び質量部数を表6となるように変更した以外は同様の操作を行い、表面層用塗布液2乃至9を得た。

0235

0236

<電子写真感光体1の製造例>
直径30mm、長さ357.5mm、肉厚1mmのアルミニウムシリンダーを支持体(導電性支持体)とした。
酸化亜鉛粒子(比表面積:19m2/g、粉体抵抗:4.7×106Ω・cm):
100.0質量部
・シランカップリング剤(信越化学工業(株)製のKBM602
(化合物名:N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン): 0.8質量部
・トルエン: 500.0質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量混合し、6時間撹拌した。その後、トルエンを減圧留去して、130℃で6時間加熱乾燥し、表面処理された酸化亜鉛粒子を得た。

0237

・ポリビニルブチラール(Mw:40000、積水化学工業(株)製のBM−1):
15.0質量部
ブロック化イソシアネート(住化バイエルウレタン(株)製のスミジュール3175:
15.0質量部
・メチルエチルケトン: 73.5質量部
・1−ブタノール: 73.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量混合し、溶解させた。この溶液に上記表面処理された酸化亜鉛粒子80.8質量部、および2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)0.8質量部を加え、これを直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下で3時間分散した。分散後、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レダウコーニング(株)製)0.01質量部、および架橋ポリメタクリル酸メチルPMMA)粒子(商品名:TECHPOLYMERSSX−103、積水化成品工業(株)製、平均一次粒径3μm)を5.6部加えて撹拌し、下引き層用塗布液を調製した。

0238

この下引き層用塗布液を上記アルミニウムシリンダー上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を40分間160℃で乾燥させて、膜厚が18μmの下引き層を形成した。

0239

次にCuKα特性X線回折のブラッグ角2θ±0.2°の7.4°および28.2°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を用意した。このヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶20質量部、下記式(2)で示される化合物0.2質量部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)10質量部およびシクロヘキサノン600質量部を、直径1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散した。その後、酢酸エチル700部を加えて電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を温度80℃のオーブンで15分間加熱乾燥することにより、膜厚が0.17μmの電荷発生層を形成した。

0240

0241

次に、下記式(3)で示される化合物(電荷輸送物質)30質量部、下記式(4)で示される化合物(電荷輸送物質)60質量部、下記式(5)で示される化合物10質量部、ポリカーボネート(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ビスフェノールZ型)100質量部、下記式(6−1)で示される構造単位および下記式(6−2)で示される構造単位を有するポリカーボネート(粘度平均分子量Mv:20000)0.02質量部を、混合キシレン600質量部およびジメトキシメタン200質量部の溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を30分間100℃で乾燥させることによって、膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。

0242

0243

(式(6−1)および(6−2)中、0.95および0.05は2つの構造単位のモル比(共重合比)である。)

0244

次に、表面層用塗布液1を電荷輸送層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を10分間50℃で乾燥させた。その後、窒素雰囲気下にて、加速電圧70kV、ビーム電流5.0mAの条件で支持体(被照射体)を200rpmの速度で回転させながら、1.6秒間電子線を塗膜に照射した。なお、このときの電子線の吸収線量を測定したところ、15kGyであった。その後、窒素雰囲気下にて、塗膜の温度が25℃から117℃になるまで30秒かけて昇温させ、塗膜の加熱を行った。電子線照射から、その後の加熱処理までの酸素濃度は15ppm以下であった。次に、大気中において、塗膜の温度が25℃になるまで自然冷却し、塗膜の温度が105℃になる条件で30分間加熱処理を行い、膜厚5μmの保護層(表面層)を形成し、電子写真感光体1を作製した。

0245

<電子写真感光体2乃至9の製造例>
電子写真感光体1製造例において、表面層用塗布液を表7となるように変更した以外は同様の操作を行い、電子写真感光体2乃至9を得た。

0246

0247

〔実施例1〕
画像形成装置として、キヤノン製デジタル商業印刷プリンターimageRUNNERADVANCE C9075 PRO改造機を用い、シアン位置の現像器に二成分系現像剤1を入れ、シアン位置の感光体に感光体1を入れた。改造点としては、定着温度、プロセススピード現像剤担持体直流電圧VDC、静電潜像担持体帯電電圧VD、レーザーパワー、及び、帯電器総放電電流量を自由に設定できるように変更した。画像出力評価は、所望の画像比率FFh画像(ベタ画像)を出力し、FFh画像のトナーの載り量が所望になるようにVDC、VD、及びレーザーパワーを調整して、後述の評価を行った。FFhとは、256階調16進数で表示した値であり、00hが256階調の1階調目白地部)であり、FFhが256階調の256階調目(ベタ部)である。

0248

以下の評価方法に基づいて評価し、その結果を表8に示す。

0249

[高温高湿下での転写効率]
紙:CS−680(68.0g/m2)
(キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売
評価画像:上記A4用紙の中心に2cm×5cmの画像を配置
紙上のトナーの載り量:0.35mg/cm2(FFh画像)
(現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧VD、及びレーザーパワーにより調整)
試験環境:高温高湿環境(温度30℃/湿度80%RH(以下H/H))
プロセススピード:357mm/s
帯電器の総放電電流量を100μAni設定し、装置内のカセットヒーター(ドラムヒーター)をOFFにした。その後、評価機の安定化及び耐久評価として、画像比率0.1%の帯チャートを用いて、A4用紙に10000枚出力を行った。その後、H/H環境において評価機を2週間放置させた。その後、評価機起動後すぐに、静電潜像担持体上に上記評価画像を形成し、中間転写体転写され、かつ記録紙に転写される前に、評価機を止めた。止めた評価機の中間転写体を取り出し、転写された画像に透明な粘着テープを貼ってトナーを採取し、粘着テープごと記録紙に貼り付けた。光学濃度系で画像の濃度を測定し、粘着テープのみを記録紙に貼った箇所の濃度を差し引き、転写濃度Aを求めた。また、評価機の静電潜像担持体を取り出し、転写残トナーについても同様の方法で転写残濃度Bを求めた。粘着テープは透明で弱粘着リンテック(株)社製スーパーステックを使用し、光学濃度計はエックスライト(株)社製分光濃度計504を使用した。そして、下記式を用いて、転写効率を算出した。得られた転写効率を下記の評価基準に従って評価した。
転写効率={転写濃度A/(転写濃度A+転写残濃度B)}×100

0250

(評価基準)
A:転写効率98.0%以上 (非常に優れている)
B:転写効率95.0%以上、98.0%未満(優れている)
C:転写効率92.0%以上、95.0%未満(良好である)
D:転写効率90.0%以上、92.0%未満(本発明では問題ないレベルである)
E:転写効率90.0%未満 (本発明では許容できない)

0251

[高温高湿下での画像流れ性]
紙:CS−680(68.0g/m2)
(キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)
評価画像:上記A4用紙に1ドットスペース横罫線の画像を配置
紙上のトナーの載り量:0.35mg/cm2(FFh画像)
(現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧VD、及びレーザーパワーにより調整)
試験環境:高温高湿環境(温度30℃/湿度80%RH(以下H/H))
プロセススピード:357mm/s
帯電器の総放電電流量を100μAni設定し、装置内のカセットヒーター(ドラムヒーター)をOFFにした。その後、評価機の安定化及び耐久評価として、画像比率0.1%の帯チャートを用いて、A4用紙に100000枚出力を行った。その後、上記評価画像を1枚出力した。引き続き、H/H環境において評価機を2週間放置させた後、評価機起動後すぐに、上記評価画像を1枚出力した。そして、放置前後の罫線の太さを比較した。そして、下記式を用いて、罫線幅細り率を算出した。得られた罫線幅細り率を下記の評価基準に従って評価した。なお、画像の罫線の太さは、1枚の画像における複数の罫線の太さの平均値とする。
罫線幅細り率={(放置前の画像の罫線の太さ−放置後の画像の罫線の太さ)/放置前の画像の罫線の太さ}×100

0252

(評価基準)
A:罫線幅細り率5.0%未満 (非常に優れている)
B:罫線幅細り率5.0%以上、10.0%未満 (優れている)
C:罫線幅細り率10.0%以上、15.0%未満(良好である)
D:罫線幅細り率15.0%以上、20.0%未満(本発明では問題ないレベルである)
E:罫線幅細り率20.0%以上 (本発明では許容できない)

0253

[高温高湿下での帯電維持性]
紙:CS−680(68.0g/m2)
(キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)
評価画像:上記A4用紙の中心に2cm×5cmの画像を配置
紙上のトナーの載り量:0.35mg/cm2(FFh画像)
(現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧VD、及びレーザーパワーにより調整)
試験環境:高温高湿環境(温度30℃/湿度80%RH(以下H/H))
プロセススピード:357mm/s
評価機の安定化として、画像比率0.1%の帯チャートを用いて、A4用紙に10枚出力を行った。その後、静電潜像担持体上に上記評価画像を形成し、中間転写体に転写される前に、静電潜像担持体の回転を止め、静電潜像担持体上のトナーを、金属円筒管円筒フィルターにより吸引捕集した。その際金属円筒管を通じてコンデンサーに蓄えられた電荷量Q及び捕集されたトナー質量Mを測定し、それより単位質量当たりの電荷量Q/M(mC/kg)を計算し、初期の静電潜像担持体上Q/M(mC/kg)を測定した。引き続き、H/H環境において評価機内に現像器を入れたまま2週間放置させた後、評価機起動後すぐに、放置前と同様の操作の方法で、放置後の静電潜像担持体上Q/M(mC/kg)を測定した。そして、下記式を用いて、耐久後の静電潜像担持体上Q/Mの維持率を算出した。得られた耐久後の静電潜像担持体上Q/Mの維持率を下記の評価基準に従って評価した。
耐久後の静電潜像担持体上Q/Mの維持率={耐久後の静電潜像担持体上Q/M/初期の静電潜像担持体上Q/M}×100

0254

(評価基準)
A:静電潜像担持体上Q/M維持率が90%以上(非常に優れている)
B:静電潜像担持体上Q/M維持率が85%以上、90%未満(優れている)
C:静電潜像担持体上Q/M維持率が80%以上、85%未満(良好である)
D:静電潜像担持体上Q/M維持率が75%以上、80%未満(本発明では問題ないレベルである)
E:静電潜像担持体上Q/M維持率が70%以上、75%未満(本発明では許容できない)

0255

〔実施例2乃至14、および比較例1乃至3〕
二成分系現像剤2乃至9と電子写真感光体2乃至9を前記表5に示す組合せにて用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表8に示す。

0256

実施例2は、表面改質工程がなくなり、ワックスがトナー表面近傍付近まで移行しなくなると共に、ポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合している重合体もトナー表面近傍への移行がなくなるため、トナー表面の疎水性が低下し、実施例1に対して転写効率及び帯電維持性が劣るが、本発明のレベルを満足している。

0257

実施例3は、疎水性の高いシクロヘキシルメタクリレートの量が減り、トナーの疎水性が低下するため、実施例2に対して転写効率及び帯電維持性が劣るが、本発明のレベルを満足している。

0258

実施例4は、疎水性の高いシクロヘキシルメタクリレートの量が増えるため、ワックスの分散性が低下し、トナー表面のワックス及びポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合している重合体の量が減り、トナーの疎水性が低下するため、実施例2に対して転写効率及び帯電維持性が劣るが、本発明のレベルを満足している。

0259

実施例5は、疎水性の高いシクロヘキシルメタクリレートの量がさらに減り、トナーの疎水性が低下するため、実施例3に対して転写効率及び帯電維持性が劣るが、本発明のレベルを満足している。

0260

実施例6は、疎水性の高いシクロヘキシルメタクリレートの量がさらに増えるため、ワックスの分散性が低下し、トナー表面のワックス及びポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合している重合体の量が減り、トナーの疎水性が低下するため、実施例4に対して転写効率及び帯電維持性が劣るが、本発明のレベルを満足している。

0261

実施例7は、長鎖アルキルモノマーの量が減り、電子写真感光体の疎水性が低下するため、実施例5に対して転写効率及び画像流れ性が劣るが、本発明のレベルを満足している。

0262

実施例8は、長鎖アルキルモノマーの量が増え、電子写真感光体の膜強度が低下し、耐久により電子写真感光体の表面層が削れ、電子写真感光体の疎水性が低下するため、実施例5に対して転写効率及び画像流れ性が劣るが、本発明のレベルを満足している。

0263

実施例9は、長鎖アルキルモノマーの量がさらに減り、電子写真感光体の疎水性が低下するため、実施例7に対して転写効率及び画像流れ性が劣るが、本発明のレベルを満足している。

0264

実施例10は、長鎖アルキルモノマーの量がさらに増え、電子写真感光体の膜強度が低下し、耐久により電子写真感光体の表面層が削れ、電子写真感光体の疎水性が低下するため、実施例8に対して転写効率及び画像流れ性が劣るが、本発明のレベルを満足している。

0265

実施例11は、長鎖アルキルモノマーの鎖長が短くなり、電子写真感光体の疎水性が低下するため、実施例9に対して転写効率及び画像流れ性が劣るが、本発明のレベルを満足している。

0266

実施例12は、長鎖アルキルモノマーの鎖長が長くなり、電子写真感光体の膜強度が低下し、耐久により電子写真感光体の表面層が削れ、電子写真感光体の疎水性が低下するため、実施例10に対して転写効率及び画像流れ性が劣るが、本発明のレベルを満足している。

0267

実施例13は、シクロヘキシルメタクリレートの鎖長が短くなり、トナーの疎水性が低下するため、実施例9に対して転写効率及び帯電維持性が劣るが、本発明のレベルを満足している。

0268

実施例14は、シクロヘキシルメタクリレートの鎖長が短くなり、ワックスの分散性が低下し、トナー表面のワックス及びポリオレフィンにスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合している重合体の量が減り、トナーの疎水性が低下するため、実施例9に対して転写効率及び帯電維持性が劣るが、本発明のレベルを満足している。

0269

比較例1は、長鎖アルキルモノマーの鎖長がさらに短くなり、電子写真感光体の疎水性が低下するため、実施例11に対して転写効率及び画像流れ性が非常に劣る。

0270

比較例2は、長鎖アルキルモノマーの量がさらに減り、電子写真感光体の疎水性が低下するため、実施例11に対して転写効率及び画像流れ性が非常に劣る。

0271

比較例3は、シクロヘキシルメタクリレートが含まれず、トナーの疎水性が低下するため、実施例10に対して転写効率及び帯電維持性が非常に劣る。

実施例

0272

0273

1.原料定量供給手段、2.圧縮気体流量調整手段、3.導入管、4.突起状部材、5.供給管、6.処理室、7.熱風供給手段、8.冷風供給手段、9.規制手段、10.回収手段、11.熱風供給手段出口、12.分配部材、13.旋回部材、14.粉体粒子供給口、21.支持体、22.下引き層、23.電荷発生層、24.正孔輸送層、25.表面層

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