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図面 (12)

課題

樹脂材料を吹き付ける環境と同じ環境に置かれた供試体を使用することで精度の高い管理を行うことが可能な樹脂材料の経時変化管理方法を提供する。

解決手段

構造物の表面に吹き付けられた樹脂材料の経時変化の管理方法で、吹付け施工領域と同じプライマーが塗布された側壁に、複数の穴が形成された供試体用型枠を設置する工程S2,S3と、供試体用型枠の穴に吹付け施工領域に吹き付けたのと同じ配合の樹脂材料を吹き付けるS3と、供試体用型枠を撤去して側壁に複数の供試体を残置させる工程と、吹付け施工後の経時変化の確認が必要になった時点で、供試体の少なくとも1体に対して性能試験を行うステップS4とを備えている。

概要

背景

トンネル天井橋桁の下面など、構造物の表面がコンクリートモルタルによって構成されている場合に、劣化などに伴う表面材料剥落を防止する目的で、補強塗料を塗布する剥落対策工が知られている(特許文献1,2参照)。

特許文献1,2には、硬化型ポリウレア系樹脂を補強塗料としてスプレーガンで吹き付ける工法が開示されている。補強塗料は、プライマーによって下地処理された上に吹き付けられるが、剥落対策工として吹き付けられた補強塗料も、経年劣化によって付着力が低下し、剥がれたり落下したりするおそれがある。

同様の剥落対策工として、特許文献3に開示されているように剥落防止アンカーを設置する工法も知られているが、この文献に記載されているように、品質管理のために抜き出し試験が行えるようになっている。

概要

樹脂材料を吹き付ける環境と同じ環境に置かれた供試体を使用することで精度の高い管理を行うことが可能な樹脂材料の経時変化管理方法を提供する。構造物の表面に吹き付けられた樹脂材料の経時変化の管理方法で、吹付け施工領域と同じプライマーが塗布された側壁に、複数の穴が形成された供試体用型枠を設置する工程S2,S3と、供試体用型枠の穴に吹付け施工領域に吹き付けたのと同じ配合の樹脂材料を吹き付けるS3と、供試体用型枠を撤去して側壁に複数の供試体を残置させる工程と、吹付け施工後の経時変化の確認が必要になった時点で、供試体の少なくとも1体に対して性能試験を行うステップS4とを備えている。

目的

本発明は、樹脂材料を吹き付ける環境と同じ環境に置かれた供試体を使用することで精度の高い管理を行うことが可能な樹脂材料の経時変化の管理方法及び供試体用型枠を提供する

効果

実績

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請求項1

構造物の表面に吹き付けられた樹脂材料経時変化管理方法であって、吹付け施工領域と同じ下地処理が施された範囲外領域に、複数の穴が形成された供試体用型枠を設置する工程と、前記供試体用型枠の穴に前記吹付け施工領域に吹き付けたのと同じ配合の樹脂材料を吹き付ける工程と、前記供試体用型枠を撤去して前記範囲外領域に複数の供試体残置させる工程と、吹付け施工後の経時変化の確認が必要になった時点で、前記供試体の少なくとも1体に対して性能試験を行う工程とを備えたことを特徴とする樹脂材料の経時変化の管理方法。

請求項2

前記供試体用型枠の穴は、前記樹脂材料を吹き付ける側から前記下地処理側に向けて広がっていることを特徴とする請求項1に記載の樹脂材料の経時変化の管理方法。

請求項3

前記供試体用型枠の穴に樹脂材料を吹き付けることによって形成される供試体は、平面視略正方形付着強さ試験用であることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂材料の経時変化の管理方法。

請求項4

前記供試体用型枠の穴に樹脂材料を吹き付けることによって形成される供試体は、平面視帯状はく離接着強さ試験用であることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂材料の経時変化の管理方法。

請求項5

構造物の表面に吹き付けられる樹脂材料の性能試験用の供試体を作製するための供試体用型枠であって、板状部材に複数の穴が形成されており、前記穴は前記樹脂材料の吹き付け側から裏面側に向けて広がっていることを特徴とする供試体用型枠。

請求項6

前記穴は、平面視略正方形に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の供試体用型枠。

請求項7

前記穴は、平面視帯状に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の供試体用型枠。

技術分野

0001

本発明は、構造物の表面に吹き付けられた樹脂材料経時変化管理方法及び供試体用型枠に関するものである。

背景技術

0002

トンネル天井橋桁の下面など、構造物の表面がコンクリートモルタルによって構成されている場合に、劣化などに伴う表面材料剥落を防止する目的で、補強塗料を塗布する剥落対策工が知られている(特許文献1,2参照)。

0003

特許文献1,2には、硬化型ポリウレア系樹脂を補強塗料としてスプレーガンで吹き付ける工法が開示されている。補強塗料は、プライマーによって下地処理された上に吹き付けられるが、剥落対策工として吹き付けられた補強塗料も、経年劣化によって付着力が低下し、剥がれたり落下したりするおそれがある。

0004

同様の剥落対策工として、特許文献3に開示されているように剥落防止アンカーを設置する工法も知られているが、この文献に記載されているように、品質管理のために抜き出し試験が行えるようになっている。

先行技術

0005

特開2007−16402号公報
特開2004−218352号公報
特開2005−76344号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら構造物の表面に吹き付けられた樹脂材料の経時変化については、特別に管理方法が定められているわけではないため、1−2年に1回程度の定期点検時に、検査員目視打音触感などで状態を確認するしかなかった。

0007

さらに、吹き付けによる樹脂材料の性能は、施工が行われる温度や湿度、又は下地処理の状態や作業員の施工技能などによって変わることがあるため、実験室での確認試験ではなく、実際の施工環境と同じ環境下での管理が望まれる。

0008

そこで、本発明は、樹脂材料を吹き付ける環境と同じ環境に置かれた供試体を使用することで精度の高い管理を行うことが可能な樹脂材料の経時変化の管理方法及び供試体用型枠を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0009

前記目的を達成するために、本発明の樹脂材料の経時変化の管理方法は、構造物の表面に吹き付けられた樹脂材料の経時変化の管理方法であって、吹付け施工領域と同じ下地処理が施された範囲外領域に、複数の穴が形成された供試体用型枠を設置する工程と、前記供試体用型枠の穴に前記吹付け施工領域に吹き付けたのと同じ配合の樹脂材料を吹き付ける工程と、前記供試体用型枠を撤去して前記範囲外領域に複数の供試体を残置させる工程と、吹付け施工後の経時変化の確認が必要になった時点で、前記供試体の少なくとも1体に対して性能試験を行う工程とを備えたことを特徴とする。

0010

ここで、前記供試体用型枠の穴は、前記樹脂材料を吹き付ける側から前記下地処理側に向けて広がっている構成とすることができる。また、前記供試体用型枠の穴に樹脂材料を吹き付けることによって形成される供試体は、平面視略正方形付着強さ試験用とすることができる。
さらに、前記供試体用型枠の穴に樹脂材料を吹き付けることによって形成される供試体は、平面視帯状はく離接着強さ試験用とすることができる。

0011

また、供試体用型枠の発明は、構造物の表面に吹き付けられる樹脂材料の性能試験用の供試体を作製するための供試体用型枠であって、板状部材に複数の穴が形成されており、前記穴は前記樹脂材料の吹き付け側から裏面側に向けて広がっていることを特徴とする。ここで、前記穴は、平面視略正方形に形成することができる。また、前記穴は、平面視帯状に形成されていてもよい。

発明の効果

0012

このように構成された本発明の樹脂材料の経時変化の管理方法では、吹付け施工領域と同じ下地処理が施された範囲外領域に、吹付け施工領域に吹き付けたのと同じ配合の樹脂材料を吹き付けて複数の供試体を残置させる。
そして、吹付け施工後の経時変化の確認が必要になった時点で、供試体の少なくとも1体に対して性能試験を行う。

0013

すなわち、剥落対策工などの樹脂材料を吹き付ける環境と同じ環境に置かれた供試体を使用して性能試験を行うので、樹脂材料の経時変化に対して精度の高い管理を行うことができる。

0014

また、供試体用型枠の穴が、樹脂材料を吹き付ける側から下地処理側に向けて広がっていれば、下地処理された層に接する所望する形状の複数の供試体を、吹き付けによって容易に形成することができる。

0015

例えば供試体は、いわゆる建研式接着力試験と呼ばれる付着強さ試験に使用される平面視略正方形の形状に成形することができる。また、いわゆるピール試験と呼ばれるはく離接着強さ試験に使用される平面視帯状の形状に成形することができる。

図面の簡単な説明

0016

本実施の形態の樹脂材料の経時変化の管理方法の工程の流れを説明するフロー図である。
トンネルに対する施工例を説明する斜視図である。
建研式用型枠の表面の構成を示した平面図である。
建研式用型枠の裏面の構成を示した底面図である。
建研式用型枠の穴の形状を説明する断面図である。
建研式用型枠の穴に向けて吹付け材が吹き付けられた状態を説明する断面図である。
比較用型枠の穴に向けて吹付け材が吹き付けられた状態を説明する断面図である。
建研式接着力試験の試験方法を説明する斜視図である。
ピール試験用型枠の構成を示した説明図である。
ピール試験用型枠の穴に向けて吹付け材が吹き付けられた状態を説明する断面図である。
ピール試験の試験方法を説明する斜視図である。

実施例

0017

以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態の樹脂材料の経時変化の管理方法の工程の流れを説明するフロー図である。

0018

本実施の形態で管理対象となる樹脂材料は、ポリウレア系樹脂、ポリウレタン系樹脂エポキシ系樹脂ポリエステル系樹脂アクリル系樹脂などの吹き付けに使用される硬化性組成物である。例えば、図2に示すように、トンネルTのアーチ部T1のコンクリートの剥落防止のために、ポリウレア系樹脂又はポリウレタン系樹脂が吹き付けられる。

0019

続いて吹き付けによる剥落対策工の一例を説明する。トンネルTの覆工などのコンクリート構造物表層に、引張強度が1MPa以上のエポキシ樹脂プライマー層(下地層11)と、引張強度が5MPa以上、引張破断伸びが50-800%である厚みが0.8-4mmのポリウレア系樹脂又はポリウレタン系樹脂の吹付け層1とを設ける。

0020

下地処理によって下地層11を形成する際には、コンクリート表層浸透してコンクリート及び吹付け層1と強固に接着可能な物性を有するプライマーが使用される。一例として、コンクリートの表面が乾燥状態にあるときに、例えばエポキシ系樹脂のプライマーを塗布する。このエポキシ樹脂プライマーとしては、例えば指触乾燥時間が10-200分の範囲にあるものを使用することができる。

0021

このような剥落対策工は、例えばトンネルTのアーチ部T1の内周面側にのみ施工される。この剥落対策工が施される領域を、「吹付け施工領域」と呼ぶ。一方、アーチ部T1の両側の下方には、側壁T2が存在する。ここで、側壁T2に剥落対策工が施されない場合は、この領域が「範囲外領域」となる。

0022

側壁T2とアーチ部T1とは、同じトンネルT内にあり、温度や湿度などの施工環境は、ほぼ同じになる。このため、同じ施工条件で吹き付けを行うことができる。また、アーチ部T1の点検は、大掛かりな高所作業車などを使用しないと実施できないが、側壁T2であれば、検査員の手が届く範囲又は脚立程度の使用で、点検を行うことができる。

0023

本実施の形態の樹脂材料の経時変化の管理方法では、剥落対策工の範囲外領域となる側壁T2に、施工後に経時変化を確認する性能試験を行うための供試体を、供試体用型枠を使用して作製する。

0024

図3A,3B及び図4Aは、供試体用型枠の1つである建研式用型枠4の構成を説明するための図である。この建研式用型枠4は、「建研式接着力試験」と呼ばれる性能試験を行うための供試体を作製する型枠である。

0025

「建研式接着力試験」は、建築用仕上塗材日本工業規格であるJIS A 6909に基づく付着強さ試験を指す。この試験で使用される供試体(軽量骨材仕上塗材試験体)は、内のり寸法が40mm×40mm×5mmの金属製又は合成樹脂製の型枠によって成形される。すなわち、1辺40mmの平面視略正方形の角形供試体2を形成すれば、「建研式接着力試験」を実施することができる。

0026

建研式用型枠4としては、図3Aの表面4a側の平面図及び裏面4b側の底面図に示すように、合成樹脂製の長方形の板状部材に、複数の穴(41,42)が形成される。

0027

この図では、縦6段×横9列の54個の穴(41,42)が穿孔されている。建研式用型枠4に設けられる穴は、吹き付け側となる表面4a側が狭い幅狭開口41となり、下地処理側となる裏面4b側が広い幅広開口42となる。

0028

幅狭開口41は1辺30mmの正方形に成形され、幅広開口42は1辺40mmの正方形に成形される。図4Aには、穴の断面図を示した。すなわちこの穴は、幅狭開口41から幅広開口42に向けて広がる截頭四角錐状に成形されている。ここで、建研式用型枠4の厚さは5mmとする。

0029

この建研式用型枠4は、下地層11に裏面4bを接触させて設置される。そして、ポリウレア系樹脂などの樹脂材料である吹付け材5は、表面4a側から幅狭開口41に向けて吹き付けられる。

0030

図4Bは、建研式用型枠4に対して吹付け材5,5Aが吹き付けられた状態を示している。吹付け材5は表面4aに付着するとともに、穴の内部で下地層11に吹き付けられた吹付け材5Aは、幅広開口42の幅に至るまで広がって、1辺40mmの平面視略正方形の角形供試体2に形成される。

0031

これに対して、図4Cに示すように、1辺40mmの四角筒状の穴a1が形成された比較用型枠aは、穴a1に向けて吹付け材5が吹き付けられると、穴底部の下地層11に吹き付けられた吹付け材5Bが、穴a1の両側面に形成された吹付け材5C,5Cを介して表面a2の吹付け材5,5と連続してしまう。

0032

図4Bに示すように、角形供試体2となる吹付け材5Aと表面4a側の吹付け材5との縁が切れて不連続となっていれば、角形供試体2を下地層11に付着させた状態で容易に建研式用型枠4を撤去(脱型)することができる。これに対して、図4Cに示すように、供試体とすべき吹付け材5Bが表面a2側の吹付け材5と連続してしまうと、比較用型枠aを撤去する際に吹付け材5Bも剥がれてしまい、容易に供試体を作製することができない。

0033

続いて、図6及び図7Aを参照しながら、別の供試体用型枠であるピール試験用型枠6の構成について説明する。このピール試験用型枠6は、「ピール試験」と呼ばれる性能試験を行うための供試体を作製する型枠である。

0034

「ピール試験」は、接着剤の日本工業規格であるJIS K 6854-1に基づくはく離接着強さ試験を指す。この試験で使用される供試体(たわみ性被着材試験片)は、250mm×25.0mm±0.5mmに形成される。

0035

ピール試験用型枠6には、図6に示すように、合成樹脂製の長方形の板状部材に、複数のスリット状の穴(61)が形成される。この図では、横13列の穴(61)が穿孔されている。ピール試験用型枠6に設けられる穴は、吹き付け側となる表面6a側が狭い幅狭開口61となり、下地処理側となる裏面6b側が広い幅広開口62となる。

0036

幅狭開口61は幅15mm、長さ240mmの帯状(スリット状)に成形され、幅広開口62は幅25mm、長さ250mmの帯状(スリット状)に成形される。図6の下部には、穴の断面図を示している。すなわちこの穴は、幅狭開口61から幅広開口62に向けて広がる平面視が細長断面台形状に成形されている。ここで、ピール試験用型枠6の厚さは5mmとする。

0037

このピール試験用型枠6は、図7Aに示すように、下地層11に裏面6bを接触させて設置される。そして、ポリウレア系樹脂などの樹脂材料である吹付け材5は、表面6a側から幅狭開口61に向けて吹き付けられる。

0038

ピール試験用型枠6に対して吹付け材5を吹き付けると、表面6aに付着するとともに、穴の内部で下地層11に吹き付けられた吹付け材5Dは、幅広開口62の幅25mmに至るまで広がって帯状供試体3が形成される。また、帯状供試体3となる吹付け材5Dと表面6a側の吹付け材5とは縁が切れて不連続となる。

0039

次に、本実施の形態の樹脂材料の経時変化の管理方法、並びに樹脂材料の経時変化の管理方法及び供試体用型枠の作用について説明する。

0040

まず、図1の工程の流れを説明するフロー図に示したように、ステップS1では、上述した建研式用型枠4及びピール試験用型枠6を、プラスチックにより製作しておく。

0041

一方、図2に示すように、トンネルTの剥落対策工の施工対象区間においては、アーチ部T1及び供試体を作製する側壁T2の表面を清掃し、プライマーが塗布できる状態にする。

0042

そして、吹付け施工領域となるアーチ部T1に対しては、下地処理としてエポキシ樹脂系プライマーを塗布し、下地層11を形成する。さらに、その下地層11の表面には、ポリウレア系樹脂を吹付け材5としてスプレーガンで吹き付けて、吹付け層1を形成する。

0043

また、この吹付け施工領域に対する施工と並行又は前後して、範囲外領域となる側壁T2に対して、吹付け施工領域と同じエポキシ樹脂系プライマーを塗布して下地層11を形成する(ステップS2)。この下地層11は、建研式用型枠4とピール試験用型枠6とが設置される範囲に施されればよい。

0044

続いてステップS3では、建研式用型枠4及びピール試験用型枠6を側壁T2の下地層11に密着させ、それらの型枠の幅狭開口41,61に向けて、アーチ部T1と同じ配合のポリウレア系樹脂を吹付け材5として吹き付ける。

0045

建研式用型枠4及びピール試験用型枠6は、吹付け材5の硬化後に脱型により撤去する。この脱型は、図4B及び図7Aに示すように、吹付け材5A,5Dが穴の中で周囲の吹付け材5からは分離した不連続の状態で存在しているため、容易に行うことができる。

0046

図2は、建研式用型枠4及びピール試験用型枠6を撤去した後に側壁T2の表面に露出する、複数の角形供試体2,・・・及び帯状供試体3,・・・を図示している。これらの角形供試体2,・・・及び帯状供試体3,・・・は、アーチ部T1と同じ環境及び条件で作製されたことになる。

0047

すなわち、剥落対策工が行われるアーチ部T1に隣接した側壁T2で同時期に作製される角形供試体2,・・・及び帯状供試体3,・・・は、温度や湿度などの環境、及び下地層11の状態や作業員の施工技能などが吹付け層1と同じ条件で施工されるため、初期性能だけでなく、劣化などの経時変化も同じ速度で進行するものと考えることができる。

0048

そのため、側壁T2の表層に設けられた角形供試体2,・・・又は帯状供試体3,・・・を使用して行われる性能試験は、実際の剥落対策工となるアーチ部T1の吹付け層1の試験時の状態を、的確に表していると言える。

0049

トンネルTの点検は、1年から2年程度の間隔で、定期的に行われる。そこで、その定期的な点検の際、又は劣化が疑われた任意の時点において、角形供試体2を使用した建研式接着力試験及び帯状供試体3を使用したピール試験の少なくとも一方を実施する(ステップS4)。

0050

図5は、建研式接着力試験の試験方法を模式的に説明する図である。この図では、説明を分かり易くするために、試験対象となる1個の角形供試体2のみを図示している。

0051

建研式接着力試験を行う際には、側壁T2に下地層11を介して付着している角形供試体2に対して、試験治具43の先端に設けられた正方形の接着面431を、角形供試体2の表面に接着剤によって貼り付ける。そして、24時間静置した後に、角形供試体2に対して垂直方向(矢印方向)に試験治具43を引っ張って引張力を加えて、最大引張荷重を求める。ここで、破断するまでの荷重速度は1500-2000N/minとし、付着強さは最大引張荷重を角形供試体2の面積(1600mm2)で割ることで求める。通常、3個の角形供試体2を使って試験を行い、その平均値を付着強さとする。

0052

一方図7Bは、ピール試験の試験方法を模式的に説明する図である。この図では、説明を分かり易くするために、試験対象となる1個の帯状供試体3のみを図示している。

0053

ピール試験を行う際には、側壁T2に下地層11を介して付着している帯状供試体3に対して、例えば上端から剥がして被着部31に対して90度に曲げた状態にする。帯状供試体3の上端にはつかみ部631を介して引張りワイヤ63を連結し、側壁T2に対して垂直方向(矢印方向)に引張りワイヤ63を引っ張り、被着部31の100mm程度のはく離長さにわたって、力とつかみ部631の移動距離との曲線を描き、平均はく離力(N)を求める。

0054

このようにトンネルT内の側壁T2に設けられた角形供試体2や帯状供試体3による性能試験を行うのであれば、吹付け層1の経時変化に対して精度の高い管理を行うことができる。

0055

そして、性能試験の結果から、付着強度の経年劣化が見られるか否かを判定し(ステップS5)、設計時に必要とされた性能が維持されていれば、経年劣化がないとして、次回の定期点検までそのままの状態にしておく。このような管理は、1回の性能試験で使用される供試体の数にもよるが、多数の角形供試体2,・・・及び帯状供試体3,・・・を設けておくことで、長年にわたって経時変化の管理を続けることができる。

0056

これに対して、経年劣化が性能試験の結果によって確認された場合は、劣化箇所のアンカーによる補強や、剥落対策工(吹付け層1)の撤去などの検討が実施されることになる(ステップS6)。

0057

このように構成された本実施の形態の樹脂材料の経時変化の管理方法では、吹付け施工領域と同じ下地層11が設けられた範囲外領域に、吹付け施工領域に吹き付けたのと同じ配合の樹脂材料を吹き付けて、複数の角形供試体2,・・・と複数の帯状供試体3,・・・を残置させる。

0058

そして、吹付け施工後の定期点検時などの経時変化の確認が必要になった時点で、角形供試体2,・・・と帯状供試体3,・・・の少なくとも1体に対して性能試験を行うことで、樹脂材料の経時変化に対して精度の高い管理を行うことができる。

0059

また、性能試験用に作製された角形供試体2又は帯状供試体3を使用して試験を行うため、剥落対策工となっている吹付け層1に試験のための切り込みなどの損傷を与えなくても良く、試験箇所補修作業も不要にできる。

0060

さらに、角形供試体2,・・・及び帯状供試体3,・・・が、検査員の手が届きやすい側壁T2に設けられていれば、トンネルTを通行止めにして大掛かりな高所作業車や作業足場を設置しなくても、容易に性能試験を実施することができる。

0061

また、建研式用型枠4及びピール試験用型枠6の穴は、吹付け材5を吹き付ける表面4a,6a側から裏面4b,6b側に向けて広がっているため、表面4a,6aに付着する吹付け材5と、穴の中に形成される供試体(2,3)となる吹付け材5A,5Dとを分離させることができる。
このため、脱型が容易となる建研式用型枠4及びピール試験用型枠6を使用して、多くの供試体(2,3)を、吹き付けによって一度に容易に設けることができる。

0062

そして、建研式用型枠4によって作製された角形供試体2を用いて、建研式接着力試験を例えば定期的に行うことができる。建研式接着力試験では、1回に3個の角形供試体2が使用されるため、吹付け層1の一般的な耐久年数の間に行う試験の回数を想定して予め必要な数だけの角形供試体2,・・・を、建研式用型枠4を使用して作成しておくことができる。

0063

また、ピール試験用型枠6によって作製された帯状供試体3を用いて、ピール試験も定期的に行うことができる。ピール試験では、1回に5個以上の帯状供試体3が使用されるため、吹付け層1の一般的な耐久年数の間に行う試験の回数を想定して予め必要な数だけの帯状供試体3,・・・を、ピール試験用型枠6を使用して作成しておくことができる。

0064

以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。

0065

例えば前記実施の形態では、角形供試体2と帯状供試体3の両方を作製して、建研式接着力試験及びピール試験の両方を実施する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、いずれか一方又は別の性能試験によっても、樹脂材料の経時変化を管理することができる。ここで、別の性能試験を行う場合は、その性能試験に適した形状の供試体が作製できる供試体用型枠を使用すればよい。

0066

また、前記実施の形態では、トンネルTに剥落対策工を施工する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、例えば高架橋桁下面を吹付け施工領域として剥落対策工を施工する場合に、検査員の手が届きやすい橋脚の下部側面を範囲外領域にして供試体を設けることができる。

0067

Tトンネル
T1アーチ部(吹付け施工領域)
T2側壁(範囲外領域)
1吹付け層
11下地層(下地処理)
2角形供試体(供試体)
3帯状供試体(供試体)
4 建研式用型枠(供試体用型枠)
4a 表面(吹き付け側)
4b 裏面(下地処理側)
41 幅狭開口
42幅広開口
5,5A,5D吹付け材(樹脂材料)
6ピール試験用型枠(供試体用型枠)
6a 表面(吹き付け側)
6b 裏面(下地処理側)
61 幅狭開口
62 幅広開口

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