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課題

分析装置内でのポリマー詰まりを抑えつつ、ポリマー分散液中の金属元素濃度を短時間にかつ高い信頼性で定量できる、ポリマー分散液中の金属元素濃度の定量方法の提供。

解決手段

ポリマーが分散媒中に分散した分散液中の金属元素濃度を求める方法であり;前記分散液中のポリマーの濃度が0.5質量%以下の場合は該分散液を試料とし、前記分散液中のポリマーの濃度が0.5質量%超の場合は該分散液を希釈用分散媒によって希釈してポリマーの濃度が0.5質量%以下の試料を調製し;装置内に試料を直接導入して試料中の金属元素濃度を定量する分析装置を用いて前記試料中の金属元素濃度を定量し;前記分散液を希釈した場合は前記試料中の金属元素濃度から前記分散液中の金属元素濃度を算出する、ポリマー分散液中の金属元素濃度の定量方法。

概要

背景

ポリマーを含む溶液又は分散液中金属元素濃度を定量する方法としては、溶液又は分散液を加熱して溶媒又は分散媒気化させ、かつポリマーを灰化し、残留物を酸に溶解して試料を調製し、試料中の金属元素濃度を誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)法等によって定量する方法(灰化法)が知られている。
しかし、灰化法では、試料の調製までに時間がかかり、また、ポリマーの灰化や試料の調製の際に金属の損失混入が生じて正確な定量ができない場合がある。

ポリマー中の金属元素濃度を短時間にかつ高い信頼性で定量する方法としては、特定の有機溶媒にポリマーを溶解させたポリマー溶液を、ICP−MS装置に直接導入してポリマー溶液中の金属元素濃度を定量する方法が提案されている(特許文献1)。

概要

分析装置内でのポリマーの詰まりを抑えつつ、ポリマー分散液中の金属元素濃度を短時間にかつ高い信頼性で定量できる、ポリマー分散液中の金属元素濃度の定量方法の提供。ポリマーが分散媒中に分散した分散液中の金属元素濃度を求める方法であり;前記分散液中のポリマーの濃度が0.5質量%以下の場合は該分散液を試料とし、前記分散液中のポリマーの濃度が0.5質量%超の場合は該分散液を希釈用分散媒によって希釈してポリマーの濃度が0.5質量%以下の試料を調製し;装置内に試料を直接導入して試料中の金属元素濃度を定量する分析装置を用いて前記試料中の金属元素濃度を定量し;前記分散液を希釈した場合は前記試料中の金属元素濃度から前記分散液中の金属元素濃度を算出する、ポリマー分散液中の金属元素濃度の定量方法。なし

目的

本発明は、分析装置内でのポリマーの詰まりを抑えつつ、ポリマー分散液中の金属元素濃度を短時間にかつ高い信頼性で定量できる、ポリマー分散液中の金属元素濃度の定量方法を提供する

効果

実績

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請求項1

ポリマー分散媒中に分散した分散液中金属元素濃度を求める方法であり、前記分散液中のポリマーの濃度が0.5質量%以下の場合は該分散液を試料とし、前記分散液中のポリマーの濃度が0.5質量%超の場合は該分散液を希釈用分散媒によって希釈してポリマーの濃度が0.5質量%以下の試料を調製し、装置内に試料を直接導入して試料中の金属元素濃度を定量する分析装置を用いて前記試料中の金属元素濃度を定量し、前記分散液を希釈した場合は前記試料中の金属元素濃度から前記分散液中の金属元素濃度を算出する、ポリマー分散液中の金属元素濃度の定量方法

請求項2

前記分析装置が、誘導結合プラズマ質量分析装置誘導結合プラズマタンデム質量分析装置誘導結合プラズマ発光分光分析装置、又は原子吸光分析装置である、請求項1に記載のポリマー分散液中の金属元素濃度の定量方法。

請求項3

前記ポリマーが、含フッ素ポリマーである、請求項1又は2に記載のポリマー分散液中の金属元素濃度の定量方法。

請求項4

前記希釈用分散媒が、超純水である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリマー分散液中の金属元素濃度の定量方法。

請求項5

前記試料のpHが、6以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリマー分散液中の金属元素濃度の定量方法。

請求項6

前記ポリマーの平均粒子径が、0.5μm以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリマー分散液中の金属元素濃度の定量方法。

技術分野

0001

本発明は、ポリマー分散液中の金属元素濃度定量方法に関する。

背景技術

0002

ポリマーを含む溶液又は分散液中の金属元素濃度を定量する方法としては、溶液又は分散液を加熱して溶媒又は分散媒気化させ、かつポリマーを灰化し、残留物を酸に溶解して試料を調製し、試料中の金属元素濃度を誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)法等によって定量する方法(灰化法)が知られている。
しかし、灰化法では、試料の調製までに時間がかかり、また、ポリマーの灰化や試料の調製の際に金属の損失混入が生じて正確な定量ができない場合がある。

0003

ポリマー中の金属元素濃度を短時間にかつ高い信頼性で定量する方法としては、特定の有機溶媒にポリマーを溶解させたポリマー溶液を、ICP−MS装置に直接導入してポリマー溶液中の金属元素濃度を定量する方法が提案されている(特許文献1)。

先行技術

0004

特開2006−184109号公報

発明が解決しようとする課題

0005

ICP−MS装置に導入する試料としては、装置内のチューブネブライザトーチ等における固形分の詰まりを防止するために、測定対象物マトリックスが溶媒に溶解した溶液を用いるのが当業者の技術常識である。そのため、特許文献1においては、粒子状のポリマーが分散媒中に分散したポリマー分散液について、ICP−MS装置による金属元素濃度の定量は検討されていない。

0006

本発明は、分析装置内でのポリマーの詰まりを抑えつつ、ポリマー分散液中の金属元素濃度を短時間にかつ高い信頼性で定量できる、ポリマー分散液中の金属元素濃度の定量方法を提供する。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、ポリマー分散液中の金属元素濃度の定量方法について鋭意検討した結果、分散液であってもポリマー濃度低濃度化することで、装置内でのポリマーの詰まりを抑えつつ、ICP−MS装置等の分析装置によってポリマー分散液中の金属元素濃度を定量できることを見出した。

0008

本発明は、下記の態様を有する。
<1>ポリマーが分散媒中に分散した分散液中の金属元素濃度を求める方法であり;前記分散液中のポリマーの濃度が0.5質量%以下の場合は該分散液を試料とし、前記分散液中のポリマーの濃度が0.5質量%超の場合は該分散液を希釈用分散媒によって希釈してポリマーの濃度が0.5質量%以下の試料を調製し;装置内に試料を直接導入して試料中の金属元素濃度を定量する分析装置を用いて前記試料中の金属元素濃度を定量し;前記分散液を希釈した場合は前記試料中の金属元素濃度から前記分散液中の金属元素濃度を算出する、ポリマー分散液中の金属元素濃度の定量方法。
<2>前記分析装置が、誘導結合プラズマ質量分析装置誘導結合プラズマタンデム質量分析装置誘導結合プラズマ発光分光分析装置、又は原子吸光分析装置である、前記<1>のポリマー分散液中の金属元素濃度の定量方法。
<3>前記ポリマーが、含フッ素ポリマーである、前記<1>又は<2>のポリマー分散液中の金属元素濃度の定量方法。
<4>前記希釈用分散媒が、超純水である、前記<1>〜<3>のいずれかのポリマー分散液中の金属元素濃度の定量方法。
<5>前記試料のpHが、6以下である、前記<1>〜<4>のいずれかのポリマー分散液中の金属元素濃度の定量方法。
<6>前記ポリマーの平均粒子径が、0.5μm以下である、前記<1>〜<5>のいずれかのポリマー分散液中の金属元素濃度の定量方法。

発明の効果

0009

本発明のポリマー分散液中の金属元素濃度の定量方法によれば、分析装置内でのポリマーの詰まりを抑えつつ、ポリマー分散液中の金属元素濃度を短時間にかつ高い信頼性で定量できる。

0010

本明細書における以下の用語の意味は、以下の通りである。
モノマーに基づく単位」は、モノマー1分子重合して直接形成される原子団と、該原子団の一部を化学変換して得られる原子団との総称である。
ポリマーの「平均粒子径」は、レーザー粒度計にて求めた粒子径である。
数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。

0011

<ポリマー分散液中の金属元素濃度の定量方法>
本発明のポリマー分散液中の金属元素濃度の定量方法は、ポリマーが分散媒中に分散した分散液中の金属元素濃度を求める方法である。

0012

(ポリマー分散液)
ポリマーとしては、非フッ素ポリマー、含フッ素ポリマーが挙げられる。ポリマーとしては、溶液化が難しいポリマーが多いために特許文献1に記載の方法に適用し難い点及び分解温度が高いために灰化法に適用し難い点から、含フッ素ポリマーが好ましく、分散液の状態で提供されることが多い点から、ポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」とも記す。)、含フッ素イオン交換樹脂がより好ましい。

0013

非フッ素ポリマーとしては、熱可塑性樹脂熱可塑性エラストマー熱硬化性樹脂等が挙げられる。

0017

含フッ素ポリマーとしては、溶融成形できない含フッ素ポリマー、溶融成形が可能な含フッ素ポリマー、含フッ素エラストマー、含フッ素イオン交換樹脂、塗料フッ素樹脂含フッ素ポリエーテル等が挙げられる。
溶融成形できない含フッ素ポリマーとしては、PTFE等が挙げられる。

0018

溶融成形が可能な含フッ素ポリマーとしては、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー(以下、「ETFE」とも記す。)、テトラフルオロエチレンペルフルオロアルキルビニルエーテル)コポリマー(以下、「PFA」とも記す。)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(以下、「FEP」とも記す。)、ポリフッ化ビニリデンポリフッ化ビニル、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデンコポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレンエチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー等が挙げられる。

0019

含フッ素エラストマーとしては、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー、テトラフルオロエチレン−プロピレンコポリマー、テトラフルオロエチレン−プロピレン−フッ化ビニリデンコポリマー、ヘキサフルオロプロピレン−エチレンコポリマー、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー等が挙げられる。

0020

含フッ素イオン交換樹脂としては、例えば、下記のものが挙げられる。
(i)−COOR基(ただし、Rはアルキル基である。)を1つ有するペルフルオロモノマーに基づく単位とテトラフルオロエチレンに基づく単位とを有するポリマーの−COOR基を−COOM基(ただし、Mは水素原子又はアルカリ金属である。)に変換したポリマー(旭硝子社製のフレミオン登録商標)等)。
(ii)−SO2F基を1つ有するペルフルオロモノマーに基づく単位とテトラフルオロエチレンに基づく単位とを有するポリマーの−SO2F基を−SO3H基に変換したポリマー(デュポン社製のNafion(登録商標)、旭硝子社製のフレミオン(登録商標)、ソルベイ社のAquivion等)。
(iii)−SO2F基を2つ有するペルフルオロモノマーに基づく単位とテトラフルオロエチレンに基づく単位とを有するポリマーの−SO2F基を−SO3H基に変換したポリマー(国際公開第2007/013533号等)。
(iv)−SO2F基を2つ有するペルフルオロモノマーに基づく単位と5員環を有するペルフルオロモノマーに基づく単位とテトラフルオロエチレンに基づく単位とを有するポリマーの−SO2F基を−SO3M基(ただし、Mは水素原子又はアルカリ金属である。)に変換したポリマー(国際公開第2011/013578号、国際公開第2016/104380号等)。

0021

塗料用フッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン又はクロロトリフルオロエチレンに基づく単位とビニルエーテルに基づく単位とを有するポリマー(旭硝子社製のルミフロン(登録商標)等)、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するポリマー(旭硝子社製のサイトップ(登録商標)等)等が挙げられる。

0022

含フッ素ポリエーテルは、ポリ(オキシフルオロアルキレン)鎖を有する化合物である。含フッ素ポリエーテルの用途としては、基材(主に紙)の表面に耐油性を付与する耐油剤、基材(主に繊維製品)の表面に撥水撥油性を付与する撥水撥油剤、基材(主にガラス)の表面に指紋汚れ除去性を付与するAFP(Anti−Finger Print)剤等が挙げられる。

0023

ポリマーの平均粒子径は、0.5μm以下が好ましく、0.3μm以下がより好ましく、0.2μm以下がさらに好ましい。ポリマーの平均粒子径が前記範囲の上限値以下であれば、分析装置内でのポリマーの詰まりが充分に抑えられる。ポリマーの平均粒子径は、小さければ小さいほどよく、下限値は特に限定されない。

0024

分散媒としては、水、有機溶媒等が挙げられる。分散媒は、ポリマーの種類、ポリマーの用途等に応じて適宜選択される。
分散液は、必要に応じて、界面活性剤pH調整剤等の添加剤を含んでいてもよい。

0025

(試料の調製)
分散液中のポリマーの濃度が0.5質量%以下の場合は、分散液をそのまま試料として分析装置に導入する。
分散液中のポリマーの濃度が0.5質量%超の場合は、分散液を希釈用分散媒によって希釈してポリマーの濃度が0.5質量%以下の試料を調製し、これを分析装置に導入する。

0026

試料中のポリマーの濃度は、0.5質量%以下であり、600質量ppm以下が好ましい。試料中のポリマーの濃度が前記範囲の上限値以下であれば、分析装置内でのポリマーの詰まりが抑えられる。試料中のポリマーの濃度は、低ければ低いほどよく、下限値は特に限定されない。ただし、試料中のポリマーの濃度を低くするために、分散液を希釈しすぎると、試料中の金属元素濃度が検出限界未満となるおそれがあるため、試料中のポリマーの濃度は、100質量ppm以上とすることが好ましい。

0027

希釈用分散媒は、水、有機溶媒等が挙げられる。分散液の分散媒との相溶性がよく、ポリマーを溶解することなく、ポリマーを均一に分散し得るものであればよい。
希釈用分散媒としては、希釈用分散媒に含まれる金属元素による定量結果への影響を抑える点から、超純水が好ましく、定量対象の金属元素の濃度が分析装置の検出下限未満のものが特に好ましい。なお、定量結果への影響がない濃度であれば、定量対象の金属元素が含まれる希釈用分散媒を用いても構わない。例えば、分散液中の定量対象の金属元素の濃度が高ければ、希釈用分散媒に分散液の100分の1程度の定量対象の金属元素が含まれていても、希釈用分散媒中の定量対象の金属元素を差し引くような分析装置の機能等を用いれば、問題はない。

0028

質量分析において検量線法として標準添加法や絶対検量線を採用して金属元素濃度を定量する場合、試料が酸性であることによって、標準添加法や絶対検量線で作成される検量線の直線性がよくなり、金属元素濃度を高い信頼性で定量できることが確認されている。したがって、試料が酸性でない場合は、試料に酸を添加して試料を酸性にすることが好ましい。
試料のpHは、6以下が好ましい。試料のpHは前記上限値以下であれば、標準添加法で作成される検量線の直線性が充分によくなる。試料のpHの下限値は特に限定されない。

0029

試料の調製に用いる容器としては、容器からの金属の溶出が抑えられる点から、含フッ素ポリマー製の容器、又は含フッ素ポリマーで表面がライニングされた容器が好ましい。容器に用いる含フッ素ポリマーとしては、PFA、ETFE、PTFE等が好ましい。
試料の調製に用いる器具(容器、マイクロピペットスパチュラ等)は、器具からの金属元素の溶出がないように、あらかじめ硝酸洗浄し、超純水で洗浄することが好ましい。金属元素が溶出しないように酸洗浄したものであれば、ポリプロピレン、ポリエチレン等の容器を用いてもよい。

0030

(試料中の金属元素濃度の定量)
分析装置を用いて試料中の金属元素濃度を定量する。
分析装置としては、装置内に試料を直接導入して試料中の金属元素濃度を定量する分析装置であればよい。このような分析装置としては、誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)装置、誘導結合プラズマタンデム質量分析(ICP−MS/MS)装置、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP−AES)装置、又は原子吸光分析(AAS)装置が挙げられる。分析装置としては、試料中の金属元素濃度がppb、pptオーダーの場合はICP−MS装置が好ましく、ppmオーダーの場合はICP−AES装置が好ましい。

0031

ICP−MS装置における質量分析装置としては、二重収束高分解能質量分析装置、四重極質量分析装置等が挙げられる。質量分析装置としては、四重極質量分析装置が好ましい。
分析装置の各種設定、測定条件等は、常法における設定、条件であればよい。

0032

質量分析において金属元素濃度を定量する手法としては、検量線法が挙げられる。検量線法としては、絶対検量線法、標準添加法等が挙げられる。
絶対検量線法は、金属元素濃度既知元素標準液を用いて濃度の異なる複数の検量線用試料を調製し、これら検量線用試料の金属元素濃度と信号強度とから検量線をあらかじめ作成しておき、この検量線を用いて未知試料の信号強度から未知試料中の対象金属元素の濃度を定量する方法である。

0033

標準添加法は、一定量の未知試料を複数用意し、これとは別に金属元素濃度既知の元素標準液を用意し、各未知試料にそれぞれ異なる量の元素標準液を添加して複数の検量線用試料を調製し、これら検量線用試料の金属元素濃度と信号強度とから検量線を作成し、検量線上で信号強度が0になる濃度の絶対値を未知試料中の対象金属元素の濃度とする方法である。
検量線法としては、ポリマー他マトリックスによる感度増減、影響を補正できる点から、標準添加法が好ましい。

0034

分散液を希釈用分散媒で希釈して試料を調製した場合、試料中の金属元素濃度から分散液中の金属元素濃度を算出する。例えば、検量線法で得られた試料中の金属元素濃度A、分散液の採取量B、希釈用分散媒の量Cを用い、下式I又は下式IIから分散液中の金属元素濃度を算出する。
分散液中の金属元素濃度[質量ppm]=A[ng/mL]/B[g]×C[mL]/1000 式I
分散液中の金属元素濃度[質量ppm]=A[μg/mL]/B[g]×C[mL] 式II

0035

作用機序
以上説明した本発明のポリマー分散液中の金属元素濃度の定量方法にあっては、ポリマーの濃度が0.5質量%以下である試料を分析装置内に直接導入して試料中の金属元素濃度を定量しているため、分析装置内でのポリマーの詰まりを抑えつつ、ポリマー分散液中の金属元素濃度を短時間にかつ高い信頼性で定量できる。
分析装置に直接導入する試料としては、装置内における固形分の詰まりを防止するために溶液を用いるのが当業者の技術常識であるが、本発明は、分散液であってもポリマー濃度を低濃度とすることによって、装置内でのポリマーの詰まりを抑えつつ、ポリマー分散液中の金属元素濃度を定量できることを見出したものである。
本発明のポリマー分散液中の金属元素濃度の定量方法は、ポリマー溶液中の金属元素濃度の定量方法にもそのまま適用できることは勿論である。

0036

以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
例1、3、5、7は実施例であり、例2、4、6、8は比較例である。

0037

(ICP−MS装置)
ICP−MS装置としては、Agilent社製の7500CSを用いた。測定条件は、サンプル導入法:負圧吸引、ネブライザ:石英同軸ネブライザ、キャリアガスアルゴンメイクアップガス:アルゴン、オプションガス:なしである。
例1、3、5、7における測定元素(定量対象金属元素、内部補正用標準)及び測定モードを表1に示す。

0038

0039

表中の測定モードのうち、「Cool」の条件は、RFパワー:600W、セルガス:なしであり、「He」の条件は、RFパワー:1500〜1600W、セルガス:ヘリウムである。

0040

(ICP−AES装置)
ICP−AES装置としては、日立ハイテクサイエンス社製のSP3100を用いた。
例1における測定元素はCeのみであり、測定条件は、ガス:アルゴン、プラズマガス:16L/min、キャリアガス:0.5L/min、補助ガス:0.5L/min、測定繰り返し回数:3回、Ce測定波長:418.660nmである。

0041

(ポリマー分散液)
製品1:テトラフルオロエチレンに基づく単位の78モル%と−CF2CFX−単位(ただし、Xは−OCF2CF(CF3)OCF2CF2SO3Hである。)の22モル%とからなるポリマーの分散液、ポリマー濃度:27質量%、分散媒:水(44質量%)、エタノール(29質量%)。
製品2:テトラフルオロエチレンに基づく単位の72モル%と−CF2CFX−単位(ただし、Xは−OCF2CF(CF3)OCF2CF2SO3Hである。)の28モル%とからなるポリマーの分散液、ポリマー濃度:20質量%、分散媒:水(40質量%)、エタノール(40質量%)。
製品3:テトラフルオロエチレンに基づく単位の82モル%と−CF2CFX−単位(ただし、Xは−OCF2CF(CF3)OCF2CF2SO3Hである。)の18モル%とからなるポリマーの分散液、ポリマー濃度:10質量%、分散媒:エタノール(90質量%)。
製品4:PTFEの分散液、PTFE濃度:60質量%、分散媒:水(37質量%)、安定剤:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(3質量%)、平均粒子径:0.25μm。

0042

(希釈用分散媒)
希釈用分散媒としては、超純水又は純水を用意した。

0043

(例1)
ICP−MS装置による定量(標準添加法):
1)器具(PFA容器、マイクロピペット等)をあらかじめ硝酸で洗浄した後、超純水で洗浄した。
2)製品1の約0.1gをマイクロピペットで採取し、PFA容器に入れ、正確な質量を測定した。
3)PFA容器に超純水を入れ、100mLとなるように定容し、試料を調製した。試料中のポリマーの濃度は、358質量ppmであり、試料のpHは、4であった。
4)マイクロピペットを用いて別の5つのPFA容器に試料を10mLずつ分取した。これらのうち4つのPFA容器のそれぞれに、マイクロピペットを用いて元素標準液(Na、K、Cr、Fe、Ni、Cuをそれぞれ0.1μg/mLずつ含む。)を、10μL、50μL、100μL、300μLずつ添加した。添加した各金属元素濃度が0ng/mL、0.1ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、2.9ng/mLの5つの検量線用試料を調製した。
5)検量線用試料をICP−MS装置に導入し、検量線用試料中の各金属元素濃度を定量した。同じ操作を5つの検量線用試料についてそれぞれ行った。
6)検量線用試料の各金属元素濃度と信号強度とから最小二乗法によって定量対象金属元素ごとに検量線を作成し、各検量線から試料中の各金属元素濃度を求めた。前記式Iから製品1中の金属元素濃度を算出した。
試料の準備の開始から測定の完了までの時間は、2時間であった。
同様の測定を同日に合計で3回行った。別の日に同様の測定を1回、さらに別の日に同様の測定を1回行った。結果を表2及び表3に示す。

0044

ICP−AES装置による定量(絶対検量線法):
1)器具(ポリプロピレン容器、マイクロピペット等)をあらかじめ硝酸で洗浄した後、超純水で洗浄した。
2)製品1の約0.1gをマイクロピペットで採取し、ポリプロピレン容器に入れ、正確な質量を測定した。
3)ポリプロピレン容器に純水を入れ100mLとなるように定容し、試料を調製した。試料中のポリマーの濃度は、294質量ppmであり、試料のpHは、4であった。
4)しき水をしたポリプロピレン容器を4つ用意した。これらのうち3つのポリプロピレン容器のそれぞれに、Ce標準原液(1,000μg/mL)を、100μL、200μL、300μLずつ添加した。4つのポリプロピレン容器をそれぞれ純水で定容し、添加したCe濃度が0μg/mL、1μg/mL、2μg/mL、3μg/mLの4つの検量線用試料を調製した。検量線用試料をICP−AES装置に導入し、検量線用試料のCe濃度と信号強度とから最小二乗法によって検量線をあらかじめ作成した。
5)試料をICP−AES装置に導入し、試料の信号強度とあらかじめ作成した検量線とから試料中のCe濃度を求めた。前記式IIから製品1中のCe濃度を算出した。
試料の準備の開始から測定の完了までの時間は、2時間であった。
同様の測定を同日に合計で3回行った。別の日に同様の測定を1回、さらに別の日に同様の測定を1回行った。結果を表2及び表3に示す。

0045

0046

0047

表2及び表3の結果をもとに、同日の測定間の変動(標準偏差σ変動係数CV、定量下限値10σ)を表4に示し、異なる日の測定間の変動(標準偏差σ、変動係数CV、定量下限値10σ)を表5に示す。

0048

0049

0050

例1の方法によれば、同日の測定間及び異なる日の測定間ともに変動は小さく、高い信頼性で定量できることがわかった。また、従来法(抽出法)の例2に比べて短時間でポリマー分散液中の金属元素濃度を定量できた。

0051

(例2)
製品1をシャーレ流し込み、乾燥機中で乾燥して膜を作製した。
膜をセラミックで細かく刻み、塩酸の中に入れて14時間加温し、膜中の金属元素を塩酸中に抽出し、試料を得た。
酸濃度を合わせた検量線用試料をICP−AES装置に導入し、検量線用試料の金属元素濃度と信号強度とから最小二乗法によって検量線をあらかじめ作成した。
試料をICP−AES装置に導入し、試料の信号強度とあらかじめ作成した検量線とから試料中の金属元素濃度を求めた。
試料の準備の開始から測定の完了までの時間は、20時間であった。

0052

(例3)
製品1の代わりに製品2を用い、ICP−AES装置によるCeの定量を行わなかった以外は、例1と同様にして製品2中の金属元素濃度を定量した。
試料の準備の開始から測定の完了までの時間は、2時間であった。
例3の方法によれば、従来法(抽出法)の例4に比べて短時間でポリマー分散液中の金属元素濃度を定量できた。

0053

(例4)
製品1の代わりに製品2を用いた以外は、例2と同様にして製品2中の金属元素濃度を定量した。
試料の準備の開始から測定の完了までの時間は、20時間であった。

0054

(例5)
ICP−MS装置による定量(標準添加法):
1)器具(PFA容器、マイクロピペット等)をあらかじめ硝酸で洗浄した後、超純水で洗浄した。
2)製品3の約0.1gをマイクロピペットで採取し、PFA容器に入れ、正確な質量を測定した。内部補正用標準液(Coを10μg/mL含む。)の20μLをPFA容器にさらに入れた。
3)PFA容器に超純水を入れ、100mLとなるように定容し、試料を調製した。試料中のポリマーの濃度は、140質量ppmであり、内部補正用標準のCo濃度は2ng/mLであり、試料のpHは、4であった。
4)マイクロピペットを用いて別の5つのPFA容器に試料を10mLずつ分取した。これらのうち4つのPFA容器のそれぞれに、マイクロピペットを用いて元素標準液(Na、Feをそれぞれ0.1μg/mLずつ、Kを0.2μg/mL含む。)を、10μL、50μL、100μL、300μLずつ添加した。添加したNa、Feの金属元素濃度が0ng/mL、0.1ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、2.9ng/mL、Kの金属元素濃度が0ng/mL、0.2ng/mL、1.0ng/mL、2.0ng/mL、5.8ng/mLの5つの検量線用試料を調製した。
5)検量線用試料をICP−MS装置に導入し、検量線用試料中の各金属元素濃度を定量した。同じ操作を5つの検量線用試料についてそれぞれ行った。
6)検量線用試料の信号強度を内部補正用標準の信号強度によって補正した後、検量線用試料の各金属元素濃度と信号強度とから最小二乗法によって定量対象金属元素ごとに検量線を作成し、各検量線から試料中の各金属元素濃度を求めた。前記式Iから製品3中の金属元素濃度を算出した。
試料の準備の開始から測定の完了までの時間は、2時間であった。
同様の測定を同日に合計で3回行った。別の日に同様の測定を1回、さらに別の日に同様の測定を1回行った。結果を表6及び表7に示す。

0055

0056

0057

表6及び表7の結果をもとに、同日の測定間の変動(標準偏差σ、変動係数CV、定量下限値10σ)を表8に示し、異なる日の測定間の変動(標準偏差σ、変動係数CV、定量下限値10σ)を表9に示す。

0058

0059

0060

例5の方法によれば、従来法(灰化法)の例6に比べて同日の測定間及び異なる日の測定間ともに変動は小さく、高い信頼性で定量できることがわかった。また、従来法(灰化法)の例6に比べて短時間でポリマー分散液中の金属元素濃度を定量できた。

0061

(例6)
ICP−AES、AASによる定量(絶対検量線法)
1)白金皿をあらかじめ硝酸で洗浄した後、純水で洗浄し、乾燥した。
2)製品3を白金皿に50g採取し、硫酸を3滴加えたのち、防爆型ホットプレートを用い、溶媒が揮散するまで3時間加熱した。
3)溶媒蒸発後、白金皿に白金蓋をし、バーナーを用いて、白金るつぼを極弱火(炎が白金るつぼの底に届くか届かないくらい)にて4時間加熱し、ポリマーを灰化させた。
4)灰化後、白金皿に0.5mol/L塩酸水溶液3mlを入れ、弱火にて加温した。
5)放冷後、白金皿内の液を50mLガラス製メスフラスコに移液し、さらに白金皿に0.5mol/L塩酸水溶液2mLを入れ洗い出し、ガラス製メスフラスコに移液した後、純水で50mLに定容し、試料を調製した。
6)別の100mLのガラス製メスフラスコ4本に0.5mol/L塩酸水溶液を10mL添加した後、元素標準液(Na、Kをそれぞれ100μg/mLずつ含む。)を、500μL、1000μL、3000μL、5000μL入れ純水で定容し、0.5μg/mL、1μg/mL、3μg/mL、5μg/mLのNa及びKを含む検量線用試料を調製した。
7)さらに別の100mLのガラス製メスフラスコ4本に0.5mol/L塩酸水溶液を10mL添加した後、元素標準液(Feを10μg/mL含む。)を、500μL、1000μL、3000μL、5000μL入れ純水で定容し、0.05μg/mL、0.1μg/mL、0.3μg/mL、0.5μg/mLのFeを含む検量線用試料を調製した。
8)Feを含む検量線用試料をICP−AES装置に導入し、検量線用試料の金属元素濃度と信号強度とから最小二乗法によって検量線をあらかじめ作成した。
9)Na及びKを含む検量線用試料をAAS装置に導入し、検量線用試料の金属元素濃度と信号強度とから最小二乗法によって検量線をあらかじめ作成した。
10)試料をICP−AES装置に導入し、試料の信号強度とあらかじめ作成した検量線とから試料中のFe濃度を求めた。
11)試料をAAS装置に導入し、試料の信号強度とあらかじめ作成した検量線とから試料中のNa濃度及びK濃度を求めた。
試料の準備の開始から測定の完了までの時間は、11時間であった。
同様の測定を同日に合計で3回行った。別の日に同様の測定を1回、さらに別の日に同様の測定を1回行った。
得られた結果をもとに、同日の測定間の変動(変動係数CV)及び異なる日の測定間の変動(変動係数CV)を表10に示す。

0062

0063

(例7)
ICP−MS装置による定量(標準添加法):
1)器具(PFA容器、マイクロピペット等)をあらかじめ硝酸で洗浄した後、超純水で洗浄した。
2)製品4の約0.075gをマイクロピペットで採取し、PFA容器に入れ、正確な質量を測定した。内部補正用標準液(Sr、Y、Inをそれぞれ1μg/mL含む。)の300μLをPFA容器にさらに入れた。硝酸(11mol/L)の750μLをPFA容器にさらに入れた。
3)PFA容器に超純水を入れ、100mLとなるように定容し、試料を調製した。試料中のポリマーの濃度は、326質量ppmであり、内部補正用標準の各金属元素の濃度は2ng/mLであり、試料のpHは、2.3であった。
4)マイクロピペットを用いて別の6つのPFA容器に試料を20mLずつ分取した。これらのうち1つのPFA容器に、元素標準液(表1に示す各元素をそれぞれ0.1μg/mLずつ含む。)を10μL添加し、4つのPFA容器のそれぞれに、マイクロピペットを用いて別の元素標準液(表1に示す各元素をそれぞれ0.2μg/mLずつ含む。)を、10μL、50μL、100μL、300μLずつ添加した。添加した各金属元素濃度が0ng/mL、0.05ng/mL、0.1ng/mL、0.5ng/mL、1.0ng/mL、2.9ng/mLの6つの検量線用試料を調製した。
5)検量線用試料をICP−MS装置に導入し、検量線用試料中の各金属元素濃度を定量した。同じ操作を5つの検量線用試料についてそれぞれ行った。
6)検量線用試料の信号強度を内部補正用標準の信号強度によって補正した後、検量線用試料の各金属元素濃度と信号強度とから最小二乗法によって定量対象金属元素ごとに検量線を作成し、各検量線から試料中の各金属元素濃度を求めた。前記式Iから製品4中の金属元素濃度を算出した。
試料の準備の開始から測定の完了までの時間は、2時間であった。
同様の測定を同日に合計で3回行った。別の日に同様の測定を1回、さらに別の日に同様の測定を1回行った。結果を表11及び表12に示す。

0064

0065

0066

表11及び表12の結果をもとに、同日の測定間の変動(標準偏差σ、変動係数CV、定量下限値10σ)を表13に示し、異なる日の測定間の変動(標準偏差σ、変動係数CV、定量下限値10σ)を表14に示す。

0067

0068

0069

例7の方法によれば、同日の測定間及び異なる日の測定間ともに変動は小さく、高い信頼性で定量できることがわかった。また、従来法(灰化法)の例8に比べて短時間でポリマー分散液中の金属元素濃度を定量できた。

実施例

0070

(例8)
製品3の代わりに製品4を用いた以外は、例6と同様にして製品4中の金属元素濃度を定量した。
試料の準備の開始から測定の完了までの時間は、17時間であった。

0071

本発明のポリマー分散液中の金属元素濃度の定量方法によれば、従来では検討されていなかったICP−MS装置等によるポリマー分散液中の金属元素濃度の定量を実施できる。

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