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技術 液体試料検査用ディスク及びそれに用いるフィルタカートリッジ並びにディスク本体

出願人 パナソニック株式会社
発明者 野上貴裕山本健樹永冨謙司
出願日 2016年3月11日 (3年7ヶ月経過) 出願番号 2016-047862
公開日 2019年5月23日 (5ヶ月経過) 公開番号 2019-078527
状態 未査定
技術分野 自動分析、そのための試料等の取扱い
主要キーワード 捕捉対象物 外部空間側 非対象物 チャンバユニット スピン溶着 てくび 内部空間側 平板構造
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年5月23日)のものです。
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図面 (10)

課題

フィルタ性能信頼性をより向上させることが可能な液体試料検査用ディスク及びそれに用いるフィルタカートリッジ並びにディスク本体を提供する。

解決手段

液体試料検査用ディスク1は、複数種類物質を含む液体試料を入れる第1チャンバー21及び第1チャンバー21に連通している第2チャンバー22を有するディスク本体2と、液体試料から特定の物質を通し不要な物質を捕捉する多孔質構造体36を含むフィルタ35を有し、ディスク本体2の第1チャンバー21に嵌め込まれるフィルタカートリッジ3と、を備える。

概要

背景

従来、この種の液体試料検査用ディスクとしては、例えば、赤血球白血球とを分離して赤血球を抽出することができる診断キットが知られている(特許文献1)。

特許文献1に記載された診断キットには、診断キットの中心軸に近い方から順に、第1チャンバー流路及び第2チャンバーが設けられている。

第1チャンバーには、生体試料染色液希釈液とが投入される。生体試料は、赤血球と白血球とを含んでいる。染色液は、対象物である赤血球に感染した感染微生物核酸蛍光染色する。

診断キットは、流路に設けられて赤血球を通過させる対象物通過部を更に有している。対象物通過部は、非対象物である白血球を捕捉する非対象物捕捉構造物フィルタ)を有する。非対象物捕捉構造物は、複数の繊維状物質により形成されている。複数の繊維状物質は、互いに絡み合うように密集している。非対象物捕捉構造物の繊維状物質間の空隙は3μmから6μmである。これに対し、赤血球の直径は7μmから8μmである。赤血球は、変形能を有するので、赤血球の直径の半分以下の空隙を通過することができる。白血球の直径は、6μmから30μmである。白血球は、赤血球よりも変形能が小さい。よって、非対象物捕捉構造物は、生体試料に含まれる白血球を捕捉する。一方、赤血球は、繊維状物質間の空隙を通過する。これにより、非対象物捕捉構造物は赤血球を抽出することが可能である。

概要

フィルタ性能信頼性をより向上させることが可能な液体試料検査用ディスク及びそれに用いるフィルタカートリッジ並びにディスク本体を提供する。液体試料検査用ディスク1は、複数種類物質を含む液体試料を入れる第1チャンバー21及び第1チャンバー21に連通している第2チャンバー22を有するディスク本体2と、液体試料から特定の物質を通し不要な物質を捕捉する多孔質構造体36を含むフィルタ35を有し、ディスク本体2の第1チャンバー21に嵌め込まれるフィルタカートリッジ3と、を備える。

目的

WO2012/137506






特許文献1に記載された診断キットでは、非対象物捕捉構造物のフィルタ性能を検査するのが難しく、フィルタ性能の信頼性の更なる向上が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

複数種類物質を含む液体試料を入れる第1チャンバー及び前記第1チャンバーに連通している第2チャンバーを有するディスク本体と、前記液体試料から特定の物質を通し不要な物質を捕捉する多孔質構造体を含むフィルタを有し、前記ディスク本体の前記第1チャンバーに嵌め込まれるフィルタカートリッジと、を備える、ことを特徴とする液体試料検査用ディスク

請求項2

前記フィルタカートリッジは、前記液体試料が収納される収納空間を有し、前記フィルタは、前記収納空間と前記第2チャンバーとの間にある、ことを特徴とする請求項1記載の液体試料検査用ディスク。

請求項3

前記収納空間、前記フィルタ及び前記第2チャンバーは、前記フィルタカートリッジが前記第1チャンバーに嵌め込まれている状態において、前記ディスク本体の中心軸側からこの順に並んでいる、ことを特徴とする請求項2記載の液体試料検査用ディスク。

請求項4

前記フィルタは、前記フィルタカートリッジにおける前記液体試料の出口にある、ことを特徴とする請求項2又は3記載の液体試料検査用ディスク。

請求項5

前記フィルタカートリッジは、前記液体試料の注入孔を有する、ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の液体試料検査用ディスク。

請求項6

前記第1チャンバーは、前記ディスク本体の厚さ方向に沿って形成された凹部の内部空間からなる、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液体試料検査用ディスク。

請求項7

前記フィルタカートリッジの高さが前記ディスク本体における前記凹部の深さよりも大きい、ことを特徴とする請求項6記載の液体試料検査用ディスク。

請求項8

請求項1乃至7のいずれか一項に記載の液体試料検査用ディスクに用いられるフィルタカートリッジ。

請求項9

請求項1乃至7のいずれか一項に記載の液体試料検査用ディスクに用いられるディスク本体。

技術分野

0001

本発明は、液体試料検査用ディスク及びそれに用いるフィルタカートリッジ並びにディスク本体に関し、より詳細には、複数種類物質が含まれる液体試料から特定の物質を検査するための液体試料検査用ディスク及びそれに用いるフィルタカートリッジ並びにディスク本体に関する。

背景技術

0002

従来、この種の液体試料検査用ディスクとしては、例えば、赤血球白血球とを分離して赤血球を抽出することができる診断キットが知られている(特許文献1)。

0003

特許文献1に記載された診断キットには、診断キットの中心軸に近い方から順に、第1チャンバー流路及び第2チャンバーが設けられている。

0004

第1チャンバーには、生体試料染色液希釈液とが投入される。生体試料は、赤血球と白血球とを含んでいる。染色液は、対象物である赤血球に感染した感染微生物核酸蛍光染色する。

0005

診断キットは、流路に設けられて赤血球を通過させる対象物通過部を更に有している。対象物通過部は、非対象物である白血球を捕捉する非対象物捕捉構造物フィルタ)を有する。非対象物捕捉構造物は、複数の繊維状物質により形成されている。複数の繊維状物質は、互いに絡み合うように密集している。非対象物捕捉構造物の繊維状物質間の空隙は3μmから6μmである。これに対し、赤血球の直径は7μmから8μmである。赤血球は、変形能を有するので、赤血球の直径の半分以下の空隙を通過することができる。白血球の直径は、6μmから30μmである。白血球は、赤血球よりも変形能が小さい。よって、非対象物捕捉構造物は、生体試料に含まれる白血球を捕捉する。一方、赤血球は、繊維状物質間の空隙を通過する。これにより、非対象物捕捉構造物は赤血球を抽出することが可能である。

先行技術

0006

WO2012/137506

発明が解決しようとする課題

0007

特許文献1に記載された診断キットでは、非対象物捕捉構造物のフィルタ性能を検査するのが難しく、フィルタ性能の信頼性の更なる向上が望まれている。

0008

本発明の目的は、フィルタ性能の信頼性をより向上させることが可能な液体試料検査用ディスク及びそれに用いるフィルタカートリッジ並びにディスク本体を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

本発明の一態様に係る液体試料検査用ディスクは、複数種類の物質を含む液体試料を入れる第1チャンバー及び前記第1チャンバーに連通している第2チャンバーを有するディスク本体と、前記液体試料から特定の物質を通し不要な物質を捕捉する多孔質構造体を含むフィルタを有し、前記ディスク本体の前記第1チャンバーに嵌め込まれるフィルタカートリッジと、を備える。

0010

この液体試料検査用ディスクにおいて、前記フィルタカートリッジは、前記液体試料が収納される収納空間を有し、前記フィルタは、前記収納空間と前記第2チャンバーとの間にあるのが好ましい。

0011

この液体試料検査用ディスクにおいて、前記収納空間、前記フィルタ及び前記第2チャンバーは、前記フィルタカートリッジが前記第1チャンバーに嵌め込まれている状態において、前記ディスク本体の中心軸側からこの順に並んでいるのが好ましい。

0012

この液体試料検査用ディスクにおいて、前記フィルタは、前記フィルタカートリッジにおける前記液体試料の出口にあるのが好ましい。

0013

この液体試料検査用ディスクにおいて、前記フィルタカートリッジは、前記液体試料の注入孔を有するのが好ましい。

0014

この液体試料検査用ディスクにおいて、前記ディスク本体における前記第1チャンバーは、前記ディスク本体の厚さ方向に沿って形成された凹部の内部空間からなるのが好ましい。

0015

この液体試料検査用ディスクにおいて、前記フィルタカートリッジの高さが前記ディスク本体における前記凹部の深さよりも大きいのが好ましい。

0016

本発明の一態様に係るフィルタカートリッジは、上記の液体試料検査用ディスクに用いられるフィルタカートリッジである。

0017

本発明の一態様に係るディスク本体は、上記の液体試料検査用ディスクに用いられるディスク本体である。

発明の効果

0018

本発明の液体試料検査用ディスク及びそれに用いるフィルタカートリッジ並びにディスク本体では、フィルタカートリッジをディスクの第1チャンバーに嵌め込む前にフィルタカートリッジのフィルタ性能を検査することができる。これにより、本発明の液体試料検査用ディスク及びそれに用いるフィルタカートリッジ並びにディスクでは、フィルタ性能の信頼性をより向上させることが可能となる。

図面の簡単な説明

0019

図1Aは、本発明の実施形態に係る液体試料検査用ディスクの斜視図である。図1Bは、同上の液体試料検査用ディスクの要部の断面図である。
図2は、同上の液体試料検査用ディスクの平面図である。
図3Aは、同上の液体試料検査用ディスクの上側から見た分解斜視図である。図3Bは、同上の液体試料検査用ディスクの下側から見た分解斜視図である。
図4は、同上の液体試料検査用ディスクにおけるトラックの拡大平面図である。
図5Aは、同上の液体試料検査用ディスクにおけるフィルタカートリッジの平面図である。図5Bは、同上の液体試料検査用ディスクにおけるフィルタカートリッジの横断面図である。
図6は、同上の液体試料検査用ディスクにおけるフィルタを構成する多孔質構造体のSEM像(scanning electron microscope image)図である。
図7は、検出装置の構成図である。
図8は、本発明の実施形態の変形例1に係る液体試料検査用ディスクにおけるディスク本体の一部破断した平面図である。
図9は、本発明の実施形態の変形例2に係る液体試料検査用ディスクの要部断面図である。

実施例

0020

下記の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中において各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。

0021

(実施形態)
以下では、本実施形態の液体試料検査用ディスク1(以下、「検査用ディスク1」と略称することもある。)について、図1A〜6に基づいて説明する。図1Bは、フィルタカートリッジ3をディスク本体2に嵌め込んでいない状態を示し、図2のA−A線断面に対応する。

0022

検査用ディスク1は、ディスク本体2と、フィルタカートリッジ3と、を備える。ディスク本体2は、複数種類の物質を含む液体試料を入れる第1チャンバー21と、第1チャンバー21に連通している第2チャンバー22と、を有する。フィルタカートリッジ3は、液体試料から特定の物質を通し不要な物質を捕捉する多孔質構造体36を含むフィルタ35を有する。フィルタカートリッジ3は、ディスク本体2の第1チャンバー21に嵌め込まれる。以上の構成により、検査用ディスク1では、フィルタカートリッジ3をディスク本体2の第1チャンバー21に嵌め込む前にフィルタカートリッジ3のフィルタ性能を検査することができる。これにより、検査用ディスク1では、フィルタ性能の信頼性をより向上させることが可能となる。検査用ディスク1及びそれに用いるフィルタカートリッジ3並びにディスク本体2では、フィルタ性能の信頼性の向上を図れるので、検査用ディスク1の信頼性の向上を図ることが可能となる。

0023

検査用ディスク1は、例えば、液状の生体試料(例えば、人の血液)中の検体(例えば、赤血球)への病原性微生物(例えば、マラリア原虫)の感染率を検査するために用いられる。マラリアの原虫は、例えば、ハマダラ蚊が人の血を吸ったときに人の体内侵入し、血液中において赤血球に侵入し、赤血球中に寄生する。ここでいう「感染率」は、{[病原性微生物の感染している検体の数]/[検体の全数]}×100〔%〕である。液体試料は、少なくとも、液状の生体試料を含む。液体試料は、例えば、生体試料が血液である場合、粘性を低下させるために、血液を希釈液により希釈してあるのが好ましい。希釈液としては、生体試料に含まれる血液細胞(赤血球、白血球)を変性させない液を用いる。希釈液としては、例えば、緩衝液等張液培養液界面活性剤等を用いることができる。

0024

ディスク本体2は、第1チャンバー21と第2チャンバー22との間に、第1チャンバー21及び第2チャンバー22それぞれに連通する流路23を有するのが好ましい。検査用ディスク1では、病原性微生物の核酸を染色するための蛍光色素が、ディスク本体2の流路23に配置されているのが好ましい。蛍光色素は、流路23の内壁面に塗布されているのが好ましい。これにより、検査用ディスク1では、液体試料が流路23を通るときに、検体に寄生している病原性微生物の核酸を蛍光標識することが可能となる。蛍光色素により染色された核酸は、外部から励起光照射されたときに蛍光を発する。病原性微生物の核酸を染色するための蛍光色素は、流路23ではなく第2チャンバー22に配置されていてもよい。

0025

検査用ディスク1では、フィルタ35が、特定の物質(検体)である赤血球を通し、かつ、不要な物質である白血球を捕捉するように構成されている。言い換えれば、フィルタ35は、赤血球と白血球とを分離し赤血球を抽出する分離部として機能するように構成されている。検査用ディスク1は、フィルタカートリッジ3を備えており、フィルタ35が赤血球を通し白血球を捕捉するように構成されているので、生体試料から赤血球を抽出することが可能となる。

0026

病原性微生物の核酸を染色するための蛍光色素は、白血球を染色することもできる材料である。しかしながら、検査用ディスク1では、第1チャンバー21に入れられた液体試料中の白血球がフィルタ35に捕捉される。よって、検査用ディスク1では、第1チャンバー21へ入れられた液体試料に含まれている白血球が蛍光色素により染色されるのを防ぐことが可能となる。

0027

検査用ディスク1において、フィルタカートリッジ3は、液体試料が収納される収納空間31を有するのが好ましい。ここで、フィルタカートリッジ3におけるフィルタ35は、収納空間31と第2チャンバー22との間にあるのが好ましい。検査用ディスク1では、フィルタカートリッジ3がディスク本体2の第1チャンバー21に嵌め込まれる(図2参照)ので、フィルタカートリッジ3の収納空間31にある液体試料を、第1チャンバー21内に入れた液体試料とみなすことができる。検査用ディスク1では、フィルタカートリッジ3におけるフィルタ35が収納空間31と第2チャンバー22との間にあることにより、収納空間31に入れた液体試料中の赤血球を、フィルタ35を通して第2チャンバー22へ移動させることが可能となる。液体試料は、フィルタカートリッジ3がディスク本体2の第1チャンバー21に嵌め込まれた状態において、収納空間31に入れてもよいし、フィルタカートリッジ3が第1チャンバー21に嵌め込まれていない状態において、収納空間31に入れてもよい。

0028

検査用ディスク1では、フィルタカートリッジ3が第1チャンバー21に嵌め込まれている状態において、収納空間31、フィルタ35及び第2チャンバー22は、ディスク本体2の中心軸20側からこの順に並んでいるのが好ましい。これにより、検査用ディスク1を回転させたときに液体試料に作用する遠心力により、収納空間31中の液体試料を、フィルタ35を通して第2チャンバー22へ移動させることが可能となる。第2チャンバー22内において、液体試料には、遠心力の他に、表面張力等も作用する。検査用ディスク1の回転方向は、検査用ディスク1の上側から見て、時計回り右回り)の方向である。検査用ディスク1において、収納空間31、フィルタ35及び第2チャンバー22は、ディスク本体2の径方向に沿って並んでいるのが好ましい。

0029

ディスク本体2の形状は、光ディスク(CD、DVD等)と同様、円盤状であるのが好ましい。ディスク本体2の中央には、円形状の孔24が形成されているのが好ましい。検査用ディスク1の直径は、例えば、120mmである。

0030

ディスク本体2は、円板状のベース基板4と、ベース基板4の上面(第1面)41に接合された円板状のカバー基板5と、を備えている。ベース基板4の中央には、ディスク本体2の孔24の一部を構成する円形状の孔40(図3B参照)が形成されている。また、カバー基板5の中央には、ディスク本体2の孔24の一部を構成する円形状の孔50(図3A及び3B参照)が形成されている。ベース基板4の上面41には、光ディスクと同様に、ベース基板4の下面(第2面)42を通して入射したビーム状の光を追従させるための螺旋状のトラック(溝)43(図4参照)が形成されているのが好ましい。トラック43は、ベース基板4の中央部から外周部まで螺旋状に形成されている。トラック43にはアドレス情報が連続的に記録されており、アドレス情報によって位置が特定できるようになっている。したがって、例えば、第2チャンバー22の位置情報は、アドレス情報により特定される。検査用ディスク1は、CDやDVDと同様、トラック43が光により走査されることにより、アドレス情報が再生される。光は、励起光である。励起光の波長は、例えば、400nm〜410nmであるのが好ましく、405nmであるのがより好ましい。トラック43の深さは、例えば、50nmである。

0031

ベース基板4の上面41上には、誘電体膜44が形成されている。誘電体膜44は、例えば、ZnS−SiO2膜である。誘電体膜44は、トラック43を覆うように形成されている。誘電体膜44は、トラッキングのために励起光の一部を反射し、残りのほとんどを透過させるように構成されている。励起光に対する誘電体膜44の反射率は、例えば、5%以上20%以下である。蛍光に対する誘電体膜44の反射率は、例えば、5%程度であるのが好ましい。検査用ディスク1では、誘電体膜44とベース基板4との界面により、励起光を反射する反射面44aが構成される。

0032

検査用ディスク1においてフィルタ35を通して第2チャンバー22へ送られた液体試料中の検体は、例えば、図7に示すような検出装置70によって検査される。

0033

検出装置70は、例えば、光ディスク用の光ピックアップ装置と同様の光学系を備えており、その動作も同様である。検出装置70の光学系は、半導体レーザ71と、偏光ビームスプリッタ72と、対物レンズ73と、ダイクロイックプリズム74と、蛍光検出器75と、アナモフィックレンズ(anamorphic lens)76と、反射励起光検出器77と、を備えている。

0034

検出装置70は、上述の光学系の他、ホルダ81と、アクチュエータ82と、回転装置モータ)83と、第1の信号演算回路84と、サーボ回路85と、第2の信号演算回路86と、画像解析装置87と、画像表示装置88と、を備えている。

0035

検出装置70では、回転装置83により回転するテーブルに検査用ディスク1がセットされた後に、所定動作が開始される。

0036

光学系、ホルダ81及びアクチュエータ82は、CDやDVDの記録/再生に用いる既存の光ピックアップ装置と同様、ハウジングに設置される。また、このハウジングは、所定のガイド機構によって、検査用ディスク1の径方向に移動可能となっている。サーボ回路85は、ハウジングの移動の制御も行う。この制御は、既存のCDプレーヤDVDプレーヤにおける制御と同様のアクセス制御なので、その詳細な説明は省略する。

0037

半導体レーザ71は、波長405nm程度の光(励起光)を出射する。図7には、光の進行経路を一点鎖線で示してある。半導体レーザ71から出射された励起光は、偏光ビームスプリッタ72によって反射され、対物レンズ73に入射する。

0038

対物レンズ73は、所定の開口数(numerical aperture)を有し、励起光を検査用ディスク1に対して適正に収束させるよう構成されている。具体的には、対物レンズ73は、偏光ビームスプリッタ72側から入射する励起光が収束するよう構成されている。

0039

対物レンズ73は、ホルダ81に保持された状態で、アクチュエータ82により、フォーカス方向(検査用ディスク1の厚さ方向)とトラッキング方向(検査用ディスク1の径方向)に駆動される。すなわち、対物レンズ73は、励起光が検査用ディスク1の反射面44aに合焦された状態でトラック43を追従するように駆動される。反射面44aに合焦された励起光は、一部が反射面44aによって反射され、大部分が反射面44aを透過する。

0040

対物レンズ73によって収束された励起光が赤血球において蛍光標識された核酸に照射されると、蛍光が発生する。蛍光の波長は、励起光の波長と異なる。蛍光の波長は、例えば、440nm〜490nmであるのが好ましく、455nmであるのがより好ましい。蛍光色素としては、例えば、SYTO(登録商標)Blue等を用いることができる。マラリアの原虫が感染していない赤血球は蛍光標識されていないので、励起光を照射されても蛍光を発生しない。したがって、マラリアの原虫が感染している赤血球と感染していない赤血球とを蛍光の有無で区別することができる。

0041

ダイクロイックプリズム74は、波長405nm程度の光を反射し、波長440〜600nm程度の光を透過するよう構成されている。

0042

反射面44aによって反射された励起光(以下、「反射励起光」という)は、偏光ビームスプリッタ72を透過し、ダイクロイックプリズム74によって反射され、アナモフィックレンズ76に入射する。

0043

アナモフィックレンズ76は、偏光ビームスプリッタ72側から入射する反射励起光に非点収差を導入する。アナモフィックレンズ76を透過した反射励起光は、反射励起光検出器77に入射する。反射励起光検出器77は、受光面上に反射励起光を受光するための4分割センサを有している。反射励起光検出器77の検出信号は、第2の信号演算回路86に入力される。

0044

第2の信号演算回路86は、反射励起光検出器77の検出信号から、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を生成し、かつ、ウォブル信号(wobble signal)を生成する。フォーカスエラー信号は、対物レンズ73の焦点位置と検査用ディスク1とのずれ(焦点誤差)を示す信号である。トラッキングエラー信号は、励起光のスポットとトラックとのずれ(トラッキング誤差)を示す信号である。ウォブル信号は、トラック43により規定されるグルーブ蛇行形状に応じた波形信号である。フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号は、非点収差法と1ビームプッシュプル法に従って生成される。ウォブル信号は、トラッキングエラー信号に基づいて生成される。具体的には、トラッキングエラー信号から、ウォブル信号に応じた周波数成分を抽出することにより、ウォブル信号が生成される。サーボ回路85は、第2の信号演算回路86から出力されたフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を用いて、アクチュエータ82を制御する。また、サーボ回路85は、第2の信号演算回路86から出力されたウォブル信号を用いて、所定の線速度で検査用ディスク1が回転されるように回転装置83を制御する。

0045

また、第2の信号演算回路86は、ウォブル信号を復調して生成した再生データ(アドレス情報)を画像解析装置87に出力する。

0046

対物レンズ73側からダイクロイックプリズム74に入射する蛍光は、ダイクロイックプリズム74を透過し、蛍光検出器75に入射する。蛍光検出器75は、受光した蛍光を電気信号からなる検出信号に変換して出力するセンサを有している。蛍光検出器75の検出信号は、第1の信号演算回路84に入力される。

0047

第1の信号演算回路84は、蛍光検出器75からの検出信号を増幅して生成した蛍光輝度情報を画像解析装置87に出力する。

0048

画像解析装置87は、第1の信号演算回路84から出力される蛍光輝度情報と、第2の信号演算回路86から出力されるアドレス情報と、に基づいて第2チャンバー22内の液体試料の画像を生成して画像表示装置88に表示させ、当該画像における赤血球及び赤血球に感染しているマラリア原虫の核酸を検出して、感染率を演算し、その演算結果を画像表示装置88に表示させる。画像解析装置87は、例えば、パーソナルコンピュータに適宜のプログラムを実行させることにより実現できる。また、画像表示装置88は、例えば、パーソナルコンピュータのディスプレイにより構成できる。

0049

検査用ディスク1及び検出装置70を用いて赤血球の検査を行う例の手順について、簡単に説明する。

0050

患者から採血された血液(生体試料)を準備してから、血液と希釈液とを混合することで液体試料を調製する。

0051

その後、フィルタカートリッジ3の収納空間31に液体試料を入れる。収納空間31に生体試料を入れるときには、例えば、ピペット(pipette)、シリンジ(syringe)等を用いる。ここでは、フィルタカートリッジ3をディスク本体2の第1チャンバー21に嵌め込んだ状態において液体試料を収納空間31に入れるが、これに限らず、フィルタカートリッジ3を第1チャンバー21に嵌め込む前に、収納空間31に液体試料を入れてもよい。

0052

その後、検出装置70において、検査用ディスク1を所定の回転速度で所定の回転時間だけ回転させる。検出装置70は、検査用ディスク1の中心軸20を中心として検査用ディスク1を回転させる。このとき、液体試料中の白血球は、フィルタカートリッジ3のフィルタ35に捕捉され、流路23及び第2チャンバー22へは到達しない。よって、検査用ディスク1では、液体試料を第1チャンバー21から第2チャンバー22へ移動させることができ、かつ、白血球をフィルタ35で捕捉することができる。

0053

その後、検出装置70において、第2チャンバー22内の液体試料の画像を生成して、画像表示装置88に表示させ、更に感染率を画像表示装置88に表示させる。これにより、医師等が顕微鏡を利用して検査を行う場合と比べて、検査時間を短縮することが可能となる。

0054

検査用ディスク1は、フィルタカートリッジ3を備えており、フィルタカートリッジ3単体でフィルタ性能の検査を行うことができるので、フィルタ35の、赤血球を透過し白血球を捕捉するフィルタ性能の信頼性の向上を図ることが可能となる。これにより、例えば、検査用ディスク1及び検出装置70を用いた感染率の検査の精度を向上させることが可能となる。

0055

検査用ディスク1の各構成要素については、以下に、詳細に説明する。

0056

ディスク本体2の形状は、円盤状である。ディスク本体2には、ディスク本体2の中心軸20に近い方から第1チャンバー21と流路23と第2チャンバー22とがこの順で設けられている。

0057

第1チャンバー21は、ディスク本体2の上面においてディスク本体2の厚さ方向に沿って形成された凹部201の内部空間からなるのが好ましい。これにより、検査用ディスク1では、第1チャンバー21が、ディスク本体2の径方向に沿って形成された凹部の内部空間からなる場合に比べて、第1チャンバー21へフィルタカートリッジ3を比較的容易に嵌め込むことが可能となる。言い換えれば、検査用ディスク1では、フィルタカートリッジ3を第1チャンバー21へディスク本体2の厚さ方向から嵌め込むことができるので、ディスク本体2の径方向から嵌め込む場合に比べて、比較的容易に嵌め込むことが可能となる。

0058

第1チャンバー21は、カバー基板5の厚さ方向に貫通する貫通孔51の内周面と、ベース基板4の上面41上の誘電体膜44と、接合部6と、で囲まれた空間である。貫通孔51は、カバー基板5において孔50付近に設けられている。第1チャンバー21の形状は、ディスク本体2の厚さ方向から見てフィルタカートリッジ3と略同じである。これにより、第1チャンバー21に嵌め込まれたフィルタカートリッジ3のがたつきを抑制することが可能となる。ディスク本体2では、第1チャンバー21が、フィルタカートリッジ3を収納する収納部を構成している。

0059

ディスク本体2は、第1チャンバー21と第2チャンバー22とがディスク本体2の径方向において離れており、第1チャンバー21と第2チャンバー22とが流路23を介して連通しているのが好ましい。流路23の形状は、ディスク本体2の厚さ方向から見て、長方形状である。流路23の幅は、第1チャンバー21の幅及び第2チャンバー22の幅よりも狭いのが好ましい。より詳細には、第1チャンバー21と流路23と第2チャンバー22とで構成されるチャンバユニット25は、流路23においてくびれた形状であるのが好ましい。流路23の幅は、第1チャンバー21の出口の幅と同じであるのが好ましい。

0060

流路23は、カバー基板5の下面52に形成された流路23形成用の凹部53の内面と、ベース基板4の上面41上の誘電体膜44と、接合部6と、とで囲まれた空間である。流路23の開口面積は、第1チャンバー21から離れて第2チャンバー22に近づくにつれて徐々に小さくなっているのが好ましい。これにより、検査用ディスク1では、第1チャンバー21から第2チャンバー22へ移動した液体試料中に気泡が発生するのを抑制することが可能となる。ディスク本体2の周方向における凹部53の幅は、ディスク本体2の中心軸20からの距離によらず略一定である。ディスク本体2の厚さ方向における凹部53の深さは、ディスク本体2の中心軸20から離れるにつれて浅くなっている。

0061

第2チャンバー22の形状は、例えば、図2に示すように、ディスク本体2の厚さ方向から見てU字状である。これにより、検査用ディスク1では、第2チャンバー22の形状が矩形状である場合に比べて、第1チャンバー21から第2チャンバー22へ液体試料を移動させたときに第2チャンバー22内に気泡が発生するのを抑制することが可能となる。U字状の第2チャンバー22は、流路23からディスク本体2の外周側へ延び、外周側で内側へ折り返した形状である。第2チャンバー22は、第1端221と第2端222とのうち第1端221のみが流路23と直接つながっている。第2チャンバー22は、ディスク本体2の上側から見て、第1端221を基準として第2端222がディスク本体2の回転方向とは反対方向にあるのが好ましい。ディスク本体2には、第2チャンバー22の第2端222に連通する通気孔230が形成されているのが好ましい。これにより、検査用ディスク1では、第1チャンバー21から第2チャンバー22へ液体試料を移動させたときに第2チャンバー22内に気泡が発生するのを抑制することが可能となる。よって、検査用ディスク1では、検出装置70により光を照射したときにノイズの原因となる気泡の発生を抑制できるので、検出装置70による検査の精度を向上させることが可能となる。通気孔230は、カバー基板5に形成されており、その形状及び大きさは特に問わない。形状は、例えば、円形、三角形四角形星形等である。通気孔230は、液体試料の漏れを防ぐためには、小さいほうが良く、フィルタカートリッジ3に設けられた注入孔(試料注入口)33よりも小さいほうが望ましい。また、通気孔230の位置は第2端222の、より端部に形成されているほうが、液体試料の所定の注入量を確保しやすい。通気孔230は、ディスク本体2の厚さ方向から見て一部が第2チャンバー22に重なるように設けられていればよく、別の一部が第2チャンバー22の外にかかっていてもよい。

0062

第2チャンバー22は、カバー基板5の下面52に形成された第2チャンバー22形成用の凹部54の内面と、ベース基板4の上面41上の誘電体膜44と、接合部6と、で囲まれた空間である。凹部54の開口形状は、U字状である。ディスク本体2の厚さ方向から見た凹部54の開口形状は、U字状である。

0063

検査用ディスク1は、1つの第1チャンバー21と1つの第2チャンバー22とを含むチャンバユニット25が複数(例えば、9つ)設けられており、複数のチャンバユニット25が、ディスク本体2の中心軸20を中心に等角度間隔放射状に配列されているのが好ましい。これにより、検査用ディスク1は、複数の液体試料の検査に利用することができる。また、検査用ディスク1を利用した赤血球の検査方法では、複数のフィルタカートリッジ3の収納空間31それぞれに液体試料を入れ、かつ、複数のフィルタカートリッジ3をディスク本体2において一対一で対応する第1チャンバー21に嵌め込んだ状態で、検査用ディスク1を、ディスク本体2の中心軸20を中心として回転させる。これにより、検査方法では、複数の液体試料それぞれから赤血球を互いに異なるチャンバユニット25の第2チャンバー22へ抽出することが可能となり、検査時間の短縮化を図ることが可能となる。

0064

ベース基板4の厚さは、例えば、0.6mmである。カバー基板5の厚さは、例えば、3mmである。第2チャンバー22形成用の凹部54の深さは、検体のサイズよりも十分に大きいのが好ましい。凹部54の深さは、例えば、400μmである。検査用ディスク1は、ベース基板4の下面42側から検査用の光(励起光)を入射させることを想定している。このため、検査用ディスク1では、ベース基板4の厚さがカバー基板5の厚さよりも薄いのが好ましい。ベース基板4の厚さは、励起光のビームスポットコマ収差を低減する観点から、励起光の波長が短いほど薄いのが好ましい。

0066

カバー基板5の材質は、例えば、アクリル樹脂であるが、これに限らない。カバー基板5の材質は、例えば、ポリスチレン、ポリカーボネート等のベース基板4の材質と同じ材質でもよい。ただし、ベース基板4とカバー基板5の材質は必ずしも同じ材質を採用する必要はなく、例えば、ベース基板4がポリカーボネート、カバー基板5がポリスチレンという組み合わせでもよい。カバー基板5は、射出成形によって形成されている。これにより、カバー基板5には、孔50、貫通孔51、凹部53及び凹部54が形成されている。

0067

カバー基板5は、蛍光色素と同様に半導体レーザ71からの励起光によって励起されて蛍光を発する蛍光材を含有させてあるのが好ましい。これにより、検査用ディスク1では、検出装置70により赤血球の検査を行うときに、画像において赤血球の背景画像を明るくすることが可能となり、赤血球の輪郭画像認識しやすくなり、検査の精度を向上させることが可能となる。蛍光材から発生する蛍光の波長は、例えば、480〜600nmである。このような蛍光材としては、希土類イオン付活された蛍光体等を採用することができる。

0068

無機系の蛍光体の例として、BAM系の蛍光体(例えば、BaMgAl10O17:Eu2+)、SCA系の蛍光体(例えば(Sr,Ba,Ca)5(PO4)3Cl:Eu2+)、SMS系の蛍光体(Sr3MgSi2O8:Eu2+、YAG系の蛍光体(例えばY3Al3O12)、CASN系蛍光体(例えばCaAlSiN3:Eu)、SSE系蛍光体(Sr3SiO5:Eu)等が挙げられる。上記の蛍光体は必ずしも上記組成完全一致する必要はなく、添加物が含まれていたり、組成比が異なったりしてもよい。また、上記の蛍光体以外にも、3波長形蛍光ランプ用蛍光体、特殊ランプ用蛍光体、冷陰極ランプ用蛍光体、PDP(Plasma Display Panel)用蛍光体、LED(Light Emitting Diode)用蛍光体、蛍光灯用蛍光体、等の広く用いられている蛍光体を使用することができる。また、有機系の蛍光体の例として、赤色発光蛍光体(Eu錯体化合物、Sm錯体化合物、Pr錯体化合物、ジシアノメチレン化合物ベンゾピラン誘導体ローダミン誘導体ベンゾチオキサンテン誘導体ポリアルキルチオフェン誘導体)、黄色発光蛍光体ルブレン系化合物ペリドン誘導体)、青色発光蛍光体ペリレン系化合物ピレン系化合物アントラセン系化合物ジスチリル誘導体ポリジアルキルフルオレン誘導体ポリパラフェニレン誘導体)、緑色発光蛍光体クマリン系化合物、Tb錯体化合物、キナクリドン化合物)等が挙げられる。

0069

これらの蛍光体は1種を単独で用いてもよく、同色系ないしは異なる色調に発光するものの2種以上を併用してもよい。少量配合で良好な蛍光発光特性を示す観点から、有機系の蛍光体としては、赤色発光蛍光体のEu錯体化合物を用いることが好ましい。

0070

カバー基板5は、必ずしも、カバー基板5の全体に蛍光材が均一に分散している必要はなく、一部に蛍光材が存在する場合でもよい。例えば、カバー基板5の厚み方向に対して、上面の一部に蛍光材が存在してもよい。また、カバー基板5が2層構成となっており、2層の各層が異なる材質で形成されていてもよい。

0071

ベース基板4とカバー基板5とは、例えば、接着剤からなる接合部6により接合されている。接着剤は、例えば、アクリレート系の接着剤である。ベース基板4とカバー基板5との接合の方法は、接着剤には限られず、溶着熱溶着超音波溶着振動溶着スピン溶着レーザ溶着)やプラズマ接合表面活性化接合等の一般的な接合方法を採用すればよい。

0072

検査用ディスク1では、第2チャンバー22の内壁面が親水性を有しているのが好ましい。このため、検査用ディスク1は、第2チャンバー22の内壁面に親水化処理が施されているのが好ましい。第2チャンバー22の内壁面は、カバー基板5における第2チャンバー22形成用の凹部54の内面と、ベース基板4の上面41上の誘電体膜44における凹部54との対向面と、を含む。親水化処理としては、例えば、TritonX(登録商標)に代表される界面活性剤や、水酸基スルホン酸基カルボキシル基等の親水基を持つ高分子化合物を塗布する処理がある。また、親水化処理としては、酸素プラズマ処理コロナ放電処理等もある。

0073

フィルタカートリッジ3におけるフィルタ35は、多孔質構造体36を含んでいる。多孔質構造体36は、例えば、不要な物質(白血球)を通過させず特定の物質(赤血球)を通過させることができるように構成されている。多孔質構造体36は、例えば、図6に示すSEM像図のように、複数の繊維状物質361により形成されている。より詳細には、多孔質構造体36は、複数の繊維状物質361が互いに絡み合って形成されており、多数の空隙362が形成されている。空隙362は、隣り合う繊維状物質361間にある。多孔質構造体36は、複数の繊維状物質361がそれぞれ湾曲して絡み合っている。繊維状物質361は、例えば、酸化シリコンからなる。より詳細には、繊維状物質361は、アモルファス状二酸化シリコンからなる。繊維状物質361の太さ(繊維径)は、例えば、0.01μm〜1μm程度である。繊維状物質361は、枝分かれしていてもよい。空隙362は、例えば、多孔質構造体36において、赤血球を通し、かつ、白血球を捕捉できるような大きさである。ここで、空隙362は、赤血球よりも大きいのが好ましいが、必ずしも赤血球よりも大きい必要はない。これは、赤血球が、変形能を有し、自身よりも小さな空隙362を通ることが可能であるからである。また、空隙362は、白血球等の捕捉対象物よりも小さい。これは、白血球は、赤血球よりも変形能が小さいからである。

0074

フィルタカートリッジ3は、多孔質構造体36を保持する保持体37を備えているのが好ましい。保持体37には、ディスク本体2の径方向に貫通する複数の貫通孔374が形成されている。貫通孔374は、フィルタ35を通る特定の物質(例えば、赤血球)を通す大きさに形成されている。貫通孔374の開口形状は、円形状であるが、これに限らず、例えば、楕円形状、矩形状等でもよい。

0075

保持体37は、一例として、シリコンにより形成されている。保持体37(図1B及び5B参照)は、矩形板状であり、厚さ方向の第1面371に、多孔質構造体36を収納する凹部373が形成されている。ここで、多孔質構造体36は、保持体37に固定されている。多孔質構造体36における繊維状物質361は、保持体37の凹部373の内壁直接接合されている。ここで、「直接接合」とは、保持体37の凹部373の内壁に繊維状物質361が直接形成され、保持体37と繊維状物質361を構成する原子又は分子直接結合している状態を意味する。より詳細には、「直接接合」とは、保持体37のシリコン原子と繊維状物質361のシリコン原子とが酸素分子を介して共有結合することにより、直接接合されている状態を意味する。フィルタカートリッジ3では、繊維状物質361が二酸化シリコンからなるので、繊維状物質361が有機ポリマーからなる場合と比べて、繊維状物質361の耐薬品性及び耐熱性を向上させることが可能となる。

0076

フィルタカートリッジ3は、ケース30を備えている。ケース30は、ディスク本体2の厚さ方向から見て長方形台形とを合わせたような形状である。より詳細には、ケース30は、ディスク本体2の径方向における第1端301と第2端302とを有する。ケース30の第1端301と第2端302とのうち第2チャンバー22側にある第2端302が、上述の台形の部分に相当し、厚さ方向から見てディスク本体2の径方向外向きにおいて先細りする形状である。これにより、検査用ディスク1では、液体試料が流路23へ入りやすくなる。第1チャンバー21の開口形状もケース30と略同じ形状である。ケース30は、第2チャンバー22側の一面に開口部320を有する。これに対し、保持体37は、ケース30の開口部320を塞ぐように、ケース30に対して、例えば、接着剤からなる接合部39により接合されている。ここで、フィルタカートリッジ3では、保持体37の側面とケース30における開口部320の内周面とを接着剤により接着させることにより、接着剤を多孔質構造体36に付着させないようにしてある。保持体37は、例えば、第1面371がケース30の内部空間側(ディスク本体2の中心軸20側)となり、第2面372がケース30の外部空間側(第2チャンバー22側)となるようにケース30に固定されている。ただし、保持体37は、第1面371がケース30の外部空間側(第2チャンバー22側)となるように、反転させて設置することも可能である。

0077

ケース30における開口部320の内周面には、ケース30の内部空間側への保持体37の位置ずれを防止するための段部322が形成されている。

0078

フィルタカートリッジ3では、ケース30の開口部320が、フィルタカートリッジ3における液体試料の出口34を構成している。フィルタカートリッジ3では、ケース30とフィルタ35と(保持体37と)で囲まれた空間が液体試料の収納空間31を構成している。検査用ディスク1において、フィルタ35は、フィルタカートリッジ3における液体試料の出口34にあるのが好ましい。これにより、検査用ディスク1及びフィルタカートリッジ3では、フィルタ35が液体試料の出口34よりもディスク本体2の径方向内側にある場合に比べて、液体試料を入れる収納空間31の容積を比較的大きくすることが可能となる。収納空間31の容積は、例えば、第2チャンバー22の容積と略同じであるのが好ましい。

0079

検査用ディスク1において、フィルタカートリッジ3は、液体試料の注入孔33を有するのが好ましい。これにより、検査用ディスク1及びフィルタカートリッジ3では、フィルタカートリッジ3の収納空間31に液体試料が入っておらず、かつ、フィルタカートリッジ3をディスク本体2に嵌め込んでいないときに、フィルタ性能の検査の一種としてリーク試験を行うことが可能となる。リーク試験では、例えば、フィルタ35の圧力損失を測定する。フィルタ35の圧力損失は、例えば、試験用清浄空気をフィルタ35に流通させたときの上流側と下流側との全圧差をマノメータによって測定することよって得られる。より詳細には、注入孔33から所定圧力の試験用清浄空気をケース30内へ導入したときのフィルタ35での圧力損失を測定する。これにより、検査用ディスク1及びフィルタカートリッジ3では、フィルタカートリッジ3をディスク本体2に嵌め込む前に、フィルタ35のフィルタ性能を検査することができる。注入孔33は、ケース30の上壁において出口34から遠い位置にあるのが好ましい。

0080

また、フィルタカートリッジ3の収納空間31の平面視形状は、図5A及び5Bに示すようにU字形状であってもよい。フィルタカートリッジ3では、ケース30においてU字形状の収納空間31の第1端に連通するように注入孔33が設けられ、第2端に連通するように通気孔38が設けられていることが望ましい。これにより、フィルタカートリッジ3の収納空間31に液体試料を注入する際に、収納空間31内部に存在していた空気をフィルタ35以外の部分からも逃がすことが可能となるために、スムーズに液体試料を注入することができる。通気孔38の形状及び大きさは特に問わない。通気孔38の形状は、例えば、円形、三角形、四角形、星形等である。液体試料の漏れを防ぐためには、小さいほうが良く、フィルタカートリッジ3に設けられた注入孔33よりも小さいほうが望ましい。また、通気孔38の位置は、U字形状の収納空間31の第2端の、より端部に形成されているほうが、液体試料の所定の注入量を確保しやすい。通気孔38は、一部が収納空間31に設けられていればよく、別の一部が収納空間31の外にかかっていてもよい。

0081

カバー基板5は、例えば、射出成形によって形成されている。また、フィルタカートリッジ3は、厚み方向に2層の異なる部材を貼り合せて形成してもよい。例えば、底部を構成する部材と、注入孔33、通気孔38及び開口部320が形成された部分と、を貼り合せることができる。その場合、底板を構成する部材は平板構造となるため、非常に簡易な構造であり、生産性に優れた構造となる。2層の異なる部材は、例えば、接着剤により接合されている。接着剤は、例えば、アクリレート系の接着剤である。接合の方法は、接着剤には限られず、溶着(熱溶着、超音波溶着、振動溶着、スピン溶着、レーザ溶着)やプラズマ接合、表面活性化接合、等の一般的な接合方法を採用すればよい。

0082

フィルタカートリッジ3の製造時には、多孔質構造体36を保持した保持体37をケース30に固定する前に、多孔質構造体36の厚さをレーザ変位計等によって測定することができる。フィルタカートリッジ3では、その製造時に、フィルタ性能を決める要因の一つである多孔質構造体36の厚さをレーザ変位計等により検査することができる。

0083

特許文献1に記載の診断キットでは、フィルタを設けた上部基材と、下部基材と、を貼り合せたときに、フィルタが変形しフィルタのフィルタ性能が変化してしまう懸念がある。

0084

これに対して、本実施形態の検査用ディスク1では、フィルタカートリッジ3をディスク本体2に嵌め込む前にフィルタ35のフィルタ性能を検査することができる。

0085

フィルタカートリッジ3は、注入孔33と通気孔38との少なくとも一方を塞ぐフィルムを備えていてもよい。

0086

以上説明した検査用ディスク1及び検出装置70を用いた検査方法では、赤血球へのマラリアの原虫の感染の有無を確認することにより、自覚症状のない潜伏期間においてマラリアの原虫の感染の有無を精度よく検査することが可能となる。

0087

実施形態に記載した材料、数値等は、好ましい例を示しているだけであり、それに限定する主旨ではない。更に、本願発明は、その技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、構成及び形状それぞれに適宜変更を加えることが可能である。

0088

例えば、フィルタカートリッジ3の収納空間31に入れる液体試料は、病原性微生物の核酸を染色する染色液を含んでいてもよい。この場合、ディスク本体2には、核酸を染色させるための蛍光色素を配置しなくてもよい。染色液を利用した染色方法としては、例えば、ギムザ染色アクリジンオレンジ染色、ライト染色、ジェンナー染色、リーシュマン染色ロマノフスキー染色等を採用することができる。染色液は、病原性微生物の種類及び染色方法に応じて適宜の染色液を用いればよい。

0089

ディスク本体2の厚さ方向から見た第2チャンバー22の形状は、U字状に限らず、円形状、多角形状、又は、例えば、図8に示すように、蛇腹状でもよい。また、ディスク本体2の厚さ方向から見た第2チャンバー22の形状は、アーチ状でもよい。「アーチ状」とは、半径方向よりも円周方向の距離が十分長く形成された形状であって、折り返し部を有さない形状を意味する。

0090

なお、第2チャンバー22の高さはディスク本体2の内周から外周に向かって高くなってよい。これにより、検査用ディスク1では、第2チャンバー22内に気泡が残りにくくなる。また、検査用ディスク1では、液体試料はディスク本体2の内周側から外周側に行くに従って流速が遅くなるため、第2チャンバー22内において検体がディスク本体2の外周側に偏って配置されるのを抑制することが可能となる。

0091

ディスク本体2の厚さ方向から見たディスク本体2の形状は、円形状に限らず、例えば、八角形状等でもよい。

0092

また、第2チャンバー22の外周部には、液体試料を排出するための排出口を設けてもよい。排出口は、例えば、カバー基板5の上面側に形成された貫通孔である。排出口を設けることにより、例えば、液体試料を排出口から排出し、第2チャンバー22の底面に吸着した試料別途固定化及び染色することができる。そのため、検出装置70を用いて測定を行った検査用ディスク1を、例えば、検体の標本として保管することができる。

0093

検査用ディスク1では、カバー基板5において凹部53及び凹部54が形成される部位の厚さをカバー基板5において貫通孔51が形成される部位の厚さよりも小さくしてもよい。また、検査用ディスク1では、カバー基板5の軽量化を図れ、材料費削減を図れる。また、検出装置70において、検査用ディスク1を回転装置83により回転させるときの負荷軽減を図ることが可能となる。

0094

また、図9に示すように、フィルタカートリッジ3の高さは、第1チャンバー21に対応する凹部201の深さよりも大きくてもよい。これにより、フィルタカートリッジ3の収納空間31に関して同じ液体試料の容量を想定した場合に、フィルタカートリッジ3の、ディスク本体2の円周方向と径方向との少なくとも一方における寸法を小さくすることが可能となる。これにより、検査用ディスク1は、検出装置70による検出の精度(測定の精度)に関わる第2チャンバー22の領域を広げることが可能となり、測定の高精度化に寄与する。

0095

また、検査用ディスク1では、第1チャンバー21内にある液体試料に含まれている赤血球を遠心力により第2チャンバー22まで移動させるが、これに限定されず、例えば、第1チャンバー21と流路23との間に圧力の差を発生させることによって赤血球を第1チャンバー21から第2チャンバー22まで移動させてもよい。一手段として、第1チャンバー21に圧力を印加することによって第1チャンバー21と流路23との間に圧力の差を発生させることができる。第1チャンバー21に圧力を印加させる方法としては、第1チャンバー21の上方から加圧する。

0096

検査用ディスク1、フィルタカートリッジ3及びディスク本体2を赤血球の検査に用いる例について説明したが、検査用ディスク1、フィルタカートリッジ3及びディスク本体2の用途はこれに限定されず、例えば、DNA検査、蛋白質検査等にも用いることが可能である。

0097

1液体試料検査用ディスク
2ディスク本体
20中心軸
21 第1チャンバー
22 第2チャンバー
201 凹部
3フィルタカートリッジ
31収納空間
33注入孔
34出口
35フィルタ
36 多孔質構造体

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