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技術 コンクリート成形用型枠およびその製造方法

出願人 清水建設株式会社東洋アルミニウム株式会社
発明者 黒田泰弘辻埜真人依田侑也湯浅竜貴西川浩之関口朋伸山田和範麻植啓司寺澤侑哉
出願日 2019年1月9日 (7ヶ月経過) 出願番号 2019-002007
公開日 2019年5月23日 (2ヶ月経過) 公開番号 2019-078163
状態 未査定
技術分野 建築現場における取りはずす型枠、補助部材 型;中子;マンドレル
主要キーワード 取り器具 フロロサーフ 脱落抑制 表面気泡 製作工場 有機高分子成分 親水性酸化物 気泡抜き
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

コンクリート表面の空気あばたの原因となる気泡を、より確実に低減することができるコンクリート成形用型枠およびその製造方法を提供する。

解決手段

コンクリート成形用の型枠10であって、型面20の少なくとも一部に、水に対する接触角が130°以上の撥水層22を備えるようにする。ここで、撥水層22は、疎水性酸化物微粒子から形成される多孔質層であってもよく、さらに型面20と多孔質層との間に、充填粒子含有層下地層を介在させてもよい。

概要

背景

従来、コンクリート打ち込んで所定の形状、寸法のコンクリート部材コンクリート製品とするために、木製、金属製、プラスチック製などの型枠が使用される。この型枠にコンクリートを打ち込んだ際、コンクリート硬化後に型枠が容易に外れるように、一般的には、型枠に予め離型剤が塗布される。古くから使われてきたのは、軽油あるいはマシン油に軽油を混合した油性の離型剤であり、最近では、添加剤として植物油脂肪酸エステル有機酸を混合したものが開発・使用されている。また、鉱油を、アニオン性界面活性剤を用いて水に乳化分散させた水性型枠剥離剤も開発されており、一般に油性のものより、コンクリート表面の仕上がりの色が白く、コンクリート表面の空気あばたの原因となる気泡(型枠の表面に接する気泡)が少ないとされている。油性のものに比べ、水性のものは型枠への付着力が弱く、離型性に劣るとされているが、最近では、離型性も高いとされる水性剥離剤も開発されるようになってきた(例えば、特許文献1、2を参照)。

しかしながら、表面気泡抑制効果があるとされるものでも、下地となる型枠の状態やコンクリートの種類、打ち込み方法に左右され、十分な効果を発揮できていないのが実情といえる。そこで、このような問題に対処するようにした従来の技術として、コンクリート表面の気泡抜き取り器具が提案されているが(例えば、特許文献3を参照)、施工のタイミングが難しく、かえって美観を損ねることもある。また、消泡剤を型枠に塗布して、表面気泡を消去する方法や(例えば、特許文献4を参照)、水との接触角を45度以下として表面を平滑面にしたコンクリート型枠用養生シートも提案されているが(例えば、特許文献5を参照)、その効果は定かではない。

なお、本出願人は、コンクリート成形用型枠およびその製造方法に関し、既に特願2014−069980号に示すような技術を提案している。これは、型面の少なくとも一部に、疎水性酸化物微粒子から形成される多孔質層を備えており、優れた離型性能持続的に発揮できるものである。

概要

コンクリート表面の空気あばたの原因となる気泡を、より確実に低減することができるコンクリート成形用型枠およびその製造方法を提供する。コンクリート成形用の型枠10であって、型面20の少なくとも一部に、水に対する接触角が130°以上の撥水層22を備えるようにする。ここで、撥水層22は、疎水性酸化物微粒子から形成される多孔質層であってもよく、さらに型面20と多孔質層との間に、充填粒子含有層下地層を介在させてもよい。

目的

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、コンクリート表面の空気あばたの原因となる気泡を、より確実に低減することができるコンクリート成形用型枠およびその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

セメントを含有するコンクリート成形するために用いられる型枠であって、型面の少なくとも一部に、水に対する接触角が130°以上の撥水層を備えることを特徴とするコンクリート成形用型枠。

請求項2

撥水層は、疎水性酸化物微粒子から形成される多孔質層であることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート成形用型枠。

請求項3

型面と多孔質層との間に、充填粒子含有層が介在することを特徴とする請求項2に記載のコンクリート成形用型枠。

請求項4

型面と多孔質層との間に、下地層が介在することを特徴とする請求項2または3に記載のコンクリート成形用型枠。

請求項5

撥水層は、水に対する接触角が150°以上のものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のコンクリート成形用型枠。

請求項6

請求項1〜5のいずれか一つに記載のコンクリート成形用型枠を製造する方法であって、型面の少なくとも一部に、撥水層を設けることを特徴とするコンクリート成形用型枠の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、主に建築土木分野などで使用されるコンクリート成形用型枠およびその製造方法に関し、特に、コンクリート表面の空気あばたの原因となる気泡をより確実に低減することができるコンクリート成形用型枠およびその製造方法に関するものである。

背景技術

0002

従来、コンクリートを打ち込んで所定の形状、寸法のコンクリート部材コンクリート製品とするために、木製、金属製、プラスチック製などの型枠が使用される。この型枠にコンクリートを打ち込んだ際、コンクリート硬化後に型枠が容易に外れるように、一般的には、型枠に予め離型剤が塗布される。古くから使われてきたのは、軽油あるいはマシン油に軽油を混合した油性の離型剤であり、最近では、添加剤として植物油脂肪酸エステル有機酸を混合したものが開発・使用されている。また、鉱油を、アニオン性界面活性剤を用いて水に乳化分散させた水性型枠剥離剤も開発されており、一般に油性のものより、コンクリート表面の仕上がりの色が白く、コンクリート表面の空気あばたの原因となる気泡(型枠の表面に接する気泡)が少ないとされている。油性のものに比べ、水性のものは型枠への付着力が弱く、離型性に劣るとされているが、最近では、離型性も高いとされる水性剥離剤も開発されるようになってきた(例えば、特許文献1、2を参照)。

0003

しかしながら、表面気泡抑制効果があるとされるものでも、下地となる型枠の状態やコンクリートの種類、打ち込み方法に左右され、十分な効果を発揮できていないのが実情といえる。そこで、このような問題に対処するようにした従来の技術として、コンクリート表面の気泡抜き取り器具が提案されているが(例えば、特許文献3を参照)、施工のタイミングが難しく、かえって美観を損ねることもある。また、消泡剤を型枠に塗布して、表面気泡を消去する方法や(例えば、特許文献4を参照)、水との接触角を45度以下として表面を平滑面にしたコンクリート型枠用養生シートも提案されているが(例えば、特許文献5を参照)、その効果は定かではない。

0004

なお、本出願人は、コンクリート成形用型枠およびその製造方法に関し、既に特願2014−069980号に示すような技術を提案している。これは、型面の少なくとも一部に、疎水性酸化物微粒子から形成される多孔質層を備えており、優れた離型性能持続的に発揮できるものである。

先行技術

0005

特開平5−293812号公報
特開平11−19915号公報
特許第3768188号公報
特開2006−137101号公報
実開平5−16219号公報

発明が解決しようとする課題

0006

近年においては、コンクリートの品質良否を、コンクリート表面の仕上がりで判断する場合も増えており、コンクリート表面の空気あばたの原因となる気泡の確実な低減技術の確立が求められている。

0007

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、コンクリート表面の空気あばたの原因となる気泡を、より確実に低減することができるコンクリート成形用型枠およびその製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るコンクリート成形用型枠は、コンクリート成形用の型枠であって、型面の少なくとも一部に、水に対する接触角が130°以上の撥水層を備えることを特徴とする。

0009

ここで、本発明に係るコンクリート成形用型枠によって成形されるコンクリートとは、モルタルセメントペーストなどのセメントを含有するセメント系材料を含む広義のコンクリートを意味するものである。

0010

また、本発明に係る他のコンクリート成形用型枠は、上述した発明において、撥水層は、疎水性酸化物微粒子から形成される多孔質層であることを特徴とする。

0011

また、本発明に係る他のコンクリート成形用型枠は、上述した発明において、型面と多孔質層との間に、充填粒子含有層が介在することを特徴とする。

0012

また、本発明に係る他のコンクリート成形用型枠は、上述した発明において、型面と多孔質層との間に、下地層が介在することを特徴とする。

0013

また、本発明に係る他のコンクリート成形用型枠は、上述した発明において、撥水層は、水に対する接触角が150°以上のものであることを特徴とする。

0014

また、本発明に係るコンクリート成形用型枠の製造方法は、上述したコンクリート成形用型枠を製造する方法であって、型面の少なくとも一部に、撥水層を設けることを特徴とする。

発明の効果

0015

本発明に係るコンクリート成形用型枠によれば、コンクリート成形用の型枠であって、型面の少なくとも一部に、水に対する接触角が130°以上の撥水層を備えるので、型面の表面張力が撥水層によって著しく高くなることで、打ち込み時に巻き込まれたコンクリート中の気泡が撥水層の表面に接した際に、この表面に沿って広がりやすくなり、コンクリート表面の気泡は従来よりも表面に沿って薄く、平べったいものとなる。しかも、この気泡は、小さな振動で上昇してコンクリート表面から抜けやすい。したがって、本発明によれば、コンクリート表面の空気あばたの原因となる気泡を、より確実に低減することができるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0016

図1は、本発明に係るコンクリート成形用型枠の実施の形態を示す断面図であり、(1)はコンクリート打ち込み直後の図、(2)は振動後の図である。
図2は、水に対する接触角αの説明図であり、(1)は鋭角の場合の図、(2)は鈍角の場合の図である。
図3は、本発明に係るコンクリート成形用型枠の他の実施の形態を示す断面図である。
図4は、本発明に係るコンクリート成形用型枠の下地となる型枠本体として塩化ビニル板を用いた場合のコンクリート打ち込み状況を示す写真図である。
図5は、本発明に係るコンクリート成形用型枠の下地となる型枠本体として塩化ビニル板を用いた場合の脱型後のコンクリート表面の写真図である。
図6−1は、コンクリート成形用型枠の下地となる型枠本体として塗装合板を用いた場合の脱型後のコンクリート表面の写真図である。
図6−2は、本発明に係るコンクリート成形用型枠の下地となる型枠本体として塗装合板を用いた場合の脱型後のコンクリート表面の写真図である。
図7は、フロロサーフ登録商標)を刷毛塗りした塗装合板を用いた場合の脱型後のコンクリート表面の写真図である。
図8は、ネバウェットスプレー塗りした塩化ビニル板を用いた場合の脱型後のコンクリート表面の写真図である。

実施例

0017

以下に、本発明に係るコンクリート成形用型枠およびその製造方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。

0018

図1(1)は、本発明の好ましい一態様の模式的な断面図である。この図に示すように、本実施の形態に係るコンクリート成形用型枠10は、コンクリート1を成形するための型枠であって、型枠本体12と、型枠本体12の型面20に設けられた撥水層22とを備えるものである。撥水層22は、水に対する接触角αが130°以上の撥水性の表面を有する層であり、より望ましくは150°以上の超撥水性の表面を有する層である。

0019

ここで、撥水性とは、水による濡れにくさを表す性質をいい、図2に示すように、固体表面(本発明では撥水層22の表面)上に置かれた水滴の接触角αが撥水性の指標になっている。一般には接触角αが90°以上の場合には撥水性、110°から150°の場合には高撥水性、150°以上の場合には超撥水性とされる。材料の表面自由エネルギー下げても接触角αは120°が限界といわれており、それ以上を実現するには後述するように表面形状を特殊なものに加工する必要がある。

0020

上記の構成によれば、型面20の表面張力が撥水層22によって著しく高くなることで、図1(1)に示すように、打ち込み時に連行されたコンクリート1中の気泡2が撥水層22の表面に接した際に、この表面に沿って広がりやすくなり、コンクリート表面の気泡2は従来よりも表面に沿って薄く、平べったいものとなる。しかも、この気泡2は、図1(2)に示すように、型枠本体12の外部から加えられる小さな振動で上昇してコンクリート表面から容易に抜けやすい。したがって、本発明によれば、コンクリート表面の空気あばたの原因となる気泡を、より確実に低減することができる。

0021

撥水層22は、例えば図3に示すように、型枠本体12の上に設けた下地層14と、この下地層14の上に設けた充填粒子含有層16と、この充填粒子含有層16の上に設けた超撥水性の多孔質層18とにより構成することできる。多孔質層18は、例えば疎水性酸化物微粒子により形成され、型面20のコンクリート1と接する側の最表面に配置される。

0022

なお、下地層14や充填粒子含有層16は必要に応じて介在させればよく、下地層14を複数にしたり、下地層14以外の任意の層を介在させたりすることもできる。

0023

[型枠本体]
型枠本体12の材質は、慣用されているものであれば制限を受けず、木材、金属、合成樹脂天然樹脂、それらの複合材等から選択することができる。一般的には、コストや汎用性の点で木材や塗装合板を使用するのが好ましい。また、型枠本体12の形状や大きさ等についても、目的とするコンクリート成形体に応じて適宜設計することができ、成形体に溝を施したい場合は、目地棒を介在させることもできる。目地棒を介在させる場合には、目地棒は型枠本体12の一部を構成する。したがって、この場合の型枠本体12は目地棒も含む。なお、目地棒を介在させる場合には、目地棒の表面に疎水性酸化物微粒子から形成される多孔質層を設けてもよい。

0024

型枠本体12の表面には適宜、下塗り塗装や、目止め塗装プライマー塗装着色塗装などを施すこともできる。本発明では、これらの塗装による塗膜を下地層14と称する。型面20と多孔質層18との間に、下地層14を介在させることにより、型面20の凹凸矯正、多孔質層18や充填粒子含有層16の密着性向上、型枠本体12の耐久性向上を図ることができる。

0025

[下地層]
下地層14の形成は、公知の下塗り剤目止め剤プライマー着色剤を用いて、公知の塗布(コート)方法を採用できるので、ここでは詳述しない。充填粒子含有層16については後述する。

0026

[多孔質層]
多孔質層18は、型面20の少なくとも一部(コンクリートと接する側の最表面)に形成されるものである。多孔質層18を形成する原料である疎水性酸化物微粒子としては、疎水性を有するものであれば特に限定されず、表面処理により疎水化されたものであってもよい。例えば、親水性酸化物微粒子シランカップリング剤等で表面処理を施し、表面状態を疎水性とした微粒子を用いることもできる。酸化物の種類も、疎水性を有するものであれば特に限定されない。例えばシリカ二酸化珪素)、アルミナチタニア等の少なくとも1種を用いることができる。これらは公知または市販のものを採用することができる。

0027

例えば、シリカとしては、製品名「AEOSIL R972」、「AEROSIL R972V」、「AEROSIL R972CF」、「AEROSIL R974」、「AEROSIL RX200」、「AEROSIL RX300」、「AEROSIL NX90G」、「AEROSIL RY200」(以上、日本アエロジル株式会社製)、「AEROSIL R202」、「AEROSIL R805」、「AEROSIL R812」、「AEROSIL R812S」(以上、エボニックデグサ社製)、「サイロホービック−100」、「サイロホービック−200」、「サイロホービック−603」(以上、富士シリシア化学株式会社製)等が挙げられる。なお、AEROSIL、サイロホービックは登録商標である。

0028

チタニアとしては、製品名「AEROXIDE TiO2 T805」(エボニックデグサ社製)等が例示できる。アルミナとしては、製品名「AEROXIDE Alu C」(エボニック デグサ社製)等をシランカップリング剤で処理して粒子表面を疎水性とした微粒子が例示できる。なお、AEROXIDEは登録商標である。

0029

この中でも、疎水性シリカ微粒子を好適に用いることができる。とりわけ、より優れた撥水性が得られるという点において、表面にトリメチルシリル基を有する疎水性シリカ微粒子が好ましい。これに対応する市販品としては、例えば上記「AEROSIL RX200」、「AEROSIL RX300」、「AEROSIL NX90G」(以上、日本アエロジル株式会社製)、「AEROSIL R812」、「AEROSIL R812S」、「AEROSIL R8200」(以上、エボニックデグサ社製)等が挙げられる。

0030

疎水性酸化物微粒子の粒度は限定的ではないが、一次粒子平均径が3nm〜10μmであることが好ましく、より好ましくは3〜100nmであり、最も好ましくは5〜50nmである。一次粒子平均径を上記範囲とすることにより、その凝集体中にある空隙に空気等の気体を保持することができる結果、多孔質構造となり、優れた離型性を発揮することができる。この凝集状態は、型面20の少なくとも一部(コンクリートと接する側の最表面)に付着した後も維持されるので、優れた離型性を発揮することができる。特に、一次粒子平均径が3〜100nmの疎水性酸化物微粒子を用いることにより、三次元網目状の多孔質構造の表面を有するコンクリート成形用型枠10を得ることできる。

0031

型面20の最表面に形成される疎水性酸化物微粒子の多孔質層18は、三次元網目状構造を有する多孔質状であるのが好ましく、その厚みは0.1〜500μm程度が好ましく、0.5〜20μm程度がさらに好ましい。このようなポーラスな状態で形成することにより、当該層に空気を多く含むことができ、より優れた離型性を発揮することができる。

0032

なお、本発明において、一次粒子平均径の測定は、走査型電子顕微鏡(FE−SEM)で実施することができ、走査型電子顕微鏡の分解能が低い場合には透過型電子顕微鏡等の他の電子顕微鏡を併用して実施してもよい。具体的には、粒子形状が球状の場合はその直径、非球状の場合はその最長径最短径との平均値を直径とみなし、走査型電子顕微鏡等による観察により任意に選んだ50個分の粒子の直径の平均を一次粒子平均径とする。

0033

疎水性酸化物微粒子の比表面積BET法)は特に制限されないが、通常50〜300m2/gが好ましく、100〜300m2/gがさらに好ましい。

0034

型面20の少なくとも一部(コンクリートと接する側の最表面)への塗布に際しては、疎水性酸化物微粒子をそのまま付与してもよいし(乾式方法)、あるいは疎水性酸化物微粒子を溶媒に分散してなる分散液を塗工することにより付与してもよい(湿式方法)。本発明では、工業的に均一な塗膜(疎水性酸化物微粒子層)が得られやすく、しかも三次元網目状構造が得られやすいという見地より、後者の湿式方法が好ましい。

0035

上記の分散液を用いる場合、分散液に用いる溶媒は、例えばアルコールエタノール)、シクロヘキサントルエンアセトン、IPA、プロピレングリコールヘキシレングリコールブチルジグリコールペンタメチレングリコールノルマルペンタンノルマルヘキサンヘキシルアルコール等の有機溶剤を適宜選択することができる。この際、微量の分散剤、着色剤、沈降防止剤粘度調整剤等を併用することもできる。溶媒に対する疎水性酸化物微粒子の分散量は通常10〜300g/L(リットル)程度、好ましくは30〜100g/L程度とすればよい。

0036

また、分散液を塗工する方法も制限されず、例えばスプレー刷毛ローラー、浸漬等による塗布方法のほか、印刷方法インクジェット印刷スクリーン印刷グラビア印刷)、滴下法等も採用することができる。塗布後は、室温〜150℃程度で適宜乾燥させればよい。

0037

疎水性酸化物微粒子を型面20に付与する場合の付与量は、通常は所望の離型性等に応じて適宜設定することができるが、固形分基準で例えば0.1〜100g/m2程度、好ましくは0.5〜20.0g/m2程度とすればよい。上記範囲内に設定することによって、より優れた離型性を長期にわたって得ることができる上、疎水性酸化物微粒子の脱落抑制、コスト等の点でも一層有利となる。

0038

[充填粒子含有層]
充填粒子含有層16は、型面20と多孔質層18との間に介在させるのが好ましい。充填粒子含有層16は、充填粒子がマトリックス中に分散した層である。この充填粒子含有層16を介在させることにより、コンクリート成形用型枠10の離型性をさらに長期間維持することができる。充填粒子としては、有機成分および無機成分の少なくとも1種を含む充填粒子を採用することができる。充填粒子含有層16を型面20と多孔質層18との間に介在させる場合の付与量は、固形分基準で例えば0.1〜100g/m2程度、好ましくは1.0〜20.0g/m2程度とすればよい。上記範囲内に設定することによって、疎水性酸化物微粒子のより優れた密着性を長期にわたって得ることができる上、充填粒子含有層16上に塗布された疎水性酸化物微粒子の脱落抑制、耐久性等の点でも有利となる。なお、充填粒子含有層16を付与する方法は、特に制限されるものではないが、例えばスプレー、刷毛、ローラー、浸漬等による塗布方法のほか、印刷方法、滴下法等も採用することができる。付与(塗工)の際は、下記マトリックスを適当な溶剤希釈することもでき、付与後は、室温〜150℃程度で適宜乾燥させればよい。

0039

無機成分としては、例えば1)アルミニウム、銅、鉄、チタン、銀、カルシウム等の金属またはこれらを含む合金または金属間化合物、2)酸化珪素酸化アルミニウム酸化ジルコニウム酸化チタン酸化鉄等の酸化物、3)リン酸カルシウムステアリン酸カルシウム等の無機酸塩または有機酸塩、4)ガラス、5)窒化アルミニウム窒化硼素炭化珪素窒化珪素等のセラミック等を好適に用いることができる。

0041

本発明の充填粒子は、無機成分からなる粒子あるいは有機成分からなる粒子のほか、無機成分および有機成分の両者を含む粒子を用いることができる。この中でも特に、アクリル系樹脂粒子ポリエチレン系樹脂粒子親水性シリカ粒子リン酸カルシウム粒子炭粉焼成カルシウム粒子、未焼成カルシウム粒子、ステアリン酸カルシウム粒子等の少なくとも1種を用いることがより好ましい。

0042

充填粒子の平均粒子径レーザー回折式粒度分布計による)は0.3〜100μm程度が好ましく、1〜50μmがさらに好ましく、5〜30μmがよりさらに好ましく、20〜30μmが最も好ましい。0.3μm未満では取扱い性凹凸形成等の点で不向きである。他方、100μmを超える場合は、充填粒子の脱落分散性等の点で不向きである。充填粒子の形状は限定的でなく、例えば球状、回転楕円体状不定形状、滴状、扁平状、中空状、多孔質状等のいずれであってもよい。

0043

充填粒子含有層16を構成し、充填粒子を繋ぎとめるマトリックスとしては、熱可塑性樹脂熱硬化性樹脂ゴムエラストマーワックスなどを採用できる。マトリックス中における充填粒子の含有量は、マトリックスの材質または充填粒子の種類、所望の物性等に応じて適宜変更できるが、一般的には固形重量基準で1〜80重量%が好ましく、3〜50重量%がさらに好ましい。

0044

充填粒子を含有させる方法(充填粒子をマトリックス中に分散させる方法)は、特に限定されないが、一般的にはマトリックスを形成するための原料(例えば、熱可塑性樹脂を含む組成物)に充填粒子を配合する方法等が挙げられる。混合する方法は、乾式混合または湿式混合のいずれであってもよい。

0045

マトリックスが熱可塑性樹脂の場合、一般的に熱可塑性樹脂層の主成分は1)熱可塑性樹脂またはそれを構成するモノマーもしくはオリゴマー、2)溶剤、3)必要に応じて架橋剤等からなるため、それらの混合物中に充填粒子を添加混合すればよい。熱可塑性樹脂としては、公知の熱可塑性樹脂を採用することができる。例えば、アクリル樹脂ポリスチレンABS樹脂塩化ビニル樹脂ポリエチレン樹脂ポリプロピレン樹脂ポリアミド系樹脂ポリカーボネートポリアセタールフッ素系樹脂シリコン樹脂、ポリエステル系樹脂等のほか、これらのブレンド樹脂、これらを構成するモノマーの組み合わせを含む共重合体変性樹脂等を用いることができる。

0046

マトリックスが熱硬化性樹脂の場合、例えば、フェノール樹脂尿素樹脂メラミン樹脂不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂等を採用することができる。マトリックスがエラストマーの場合、例えば、PVC−NBRブレンドエラストマー、ウレタン系エラストマー等を採用することができる。

0047

上記のように構成した本発明に係るコンクリート成形用型枠10によれば、型面20の表面張力が撥水層22によって著しく高くなることで、打ち込み時に巻き込まれたコンクリート中の気泡が撥水層22の表面に接した際に、この表面に沿って広がりやすくなり、コンクリート表面の気泡は従来よりも表面に沿って薄く、平べったいものとなる。しかも、この気泡は、外部から加えられる小さな振動で上昇してコンクリート表面から抜けやすい。したがって、本発明によれば、コンクリート表面の空気あばたの原因となる気泡を、より確実に低減することができるという効果を奏する。このため、コンクリート表面の意匠性を向上することができる。また、本発明のコンクリート成形用型枠10によれば、優れた離型性能を長期間にわたって持続的に発揮でき、従来の型枠のように使用のたびに離型液を型面に塗布する必要がなく、コンクリート成形後の繰り返し使用(いわゆる転用)が可能となる。

0048

実験による本発明の効果の検証]
次に、本発明の効果を検証するために行った実験および結果について説明する。

0049

本実験は、異なる接触角の型枠を用いてコンクリートを打ち込み、コンクリート表面の仕上がり状態に関して比較観察を行ったものである。

0050

撥水層を有する型枠としては、接触角(水に対する接触角。以下同じ。)が80°程度の下地(型枠本体)の上に、充填粒子含有層を一様に塗ったうえで、その上に塗布する疎水性酸化物微粒子の濃度を変えて、所定の接触角が得られるように、表面を加工したものを用いた。型枠の下地となる型枠本体としては、塩化ビニル板と塗装合板とを用いた。
表1に本実験の実験ケースを示す。

0051

0052

表2に本実験により成形するコンクリートの使用材料を、表3に本実験において使用したコンクリートの調合を示す。また、表4にフレッシュコンクリート試験結果として、スランプ(JIS A 1101:2005)、空気量(JIS A 1128:2005)、コンクリート温度(JIS A 1156:2006)の各試験結果を示す。

0053

0054

0055

0056

(塩化ビニル板の場合)
図4は、型枠本体として塩化ビニル板を用いた場合のコンクリート打ち込み状況を示したものである。図4(1)は表面処理をしていない塩化ビニル板(表面の接触角80°)のもの、図4(2)〜(4)は撥水層を有する塩化ビニル板(撥水層の接触角120°、130°、150°)のものである。図4(3)および(4)が本発明に相当する。また、図5は、塩化ビニル板を脱型した後のコンクリート表面を示したものであり、(1)〜(4)はそれぞれ図4の(1)〜(4)に対応する。

0057

図4に示すように、塩化ビニル板の場合では、接触角が130°以上で、打込みの際に型枠表面の撥水性の効果により型枠にコンクリートが付着しなくなる。また、図5に示すように、接触角が130°になると、表面気泡が型枠の表面に沿う平べったいものに変化することが観察された。さらに、接触角が150°になると、表面気泡はほとんど認められなくなった。

0058

(塗装合板の場合)
図6−1および図6−2は、型枠本体として塗装合板を用いた場合の脱型後のコンクリート表面を示したものである。図6−1(1)は表面処理をしていない塗装合板(表面の接触角80°)のもの、図6−1(2)〜(4)は撥水層を有する塗装合板(撥水層の接触角90°、110°、120°)のものである。また、図6−2(1)〜(4)は撥水層を有する塗装合板(撥水層の接触角130°、140°、150°、150°超)のものである。図6−2(1)〜(4)が本発明に相当する。

0059

図6−1および図6−2に示すように、塗装合板の場合では、接触角130°では明確でないが、接触角140°で表面気泡が表面に沿う平べったいものに変化することが観察された。さらに、接触角150°以上で表面気泡はほとんど認められなくなった。

0060

上記の観察結果によれば、型枠本体の型面に、水に対する接触角αが130°以上、より好ましくは150°以上の撥水加工を施すことで、表面気泡の発生を従来よりも低減できることがわかる。したがって、本発明によれば、コンクリート表面の空気あばたの原因となる気泡を、より確実に低減することができる。

0061

なお、参考までに、超撥水材のフロロサーフ(登録商標)(株式会社フロロテクノロジー製)を塗装合板に刷毛塗りし、これを型枠として用いた場合の脱型後のコンクリート表面を図7に示す。また、超撥水スプレーのネバーウェット(NeverWet社製)を塩化ビニル板にスプレー塗りし、これを型枠として用いた場合の脱型後のコンクリート表面を図8に示す。フロロサーフ(登録商標)およびネバーウェットいずれの材料も超撥水機能を有しており、図7および図8に示すように、表面気泡の低減効果は認められるが、コンクリート打込み中に型枠から剥離し、効果が薄れている様子が観察された。また、脱型後のこれらの型枠には、撥水効果消失して残っていない様子が伺えた。

0062

[コンクリート成形用型枠の製造方法]
本発明に係るコンクリート成形用型枠の製造方法は、コンクリート成形用型枠を製造する方法であって、型面の少なくとも一部に、水に対する接触角が130°以上、より望ましくは150°以上の撥水層を設けることを特徴とするものである。したがって、図1(1)や図3に示される型枠を製作する際に、型枠本体12に対して撥水層22を塗布等により施工することは、本発明の実施に相当する。

0063

なお、上記の型枠本体12に対する撥水層22の施工は、型枠板製作工場プレキャストコンクリート製造工場だけでなく、コンクリート打設現場における型枠組立の前後の工程で行うことが可能である。このように、本発明は、市販されている一般的な型枠板に対して適用することが可能であり、上記したのと同様な作用効果を奏することができる。

0064

以上説明したように、本発明に係るコンクリート成形用型枠によれば、コンクリート成形用の型枠であって、型面の少なくとも一部に、水に対する接触角が130°以上の撥水層を備えるので、型面の表面張力が撥水層によって著しく高くなることで、打ち込み時に巻き込まれたコンクリート中の気泡が撥水層の表面に接した際に、この表面に沿って広がりやすくなり、コンクリート表面の気泡は従来よりも表面に沿って薄く、平べったいものとなる。しかも、この気泡は、小さな振動で上昇してコンクリート表面から抜けやすい。したがって、本発明によれば、コンクリート表面の空気あばたの原因となる気泡を、より確実に低減することができる。

0065

以上のように、本発明に係るコンクリート成形用型枠およびその製造方法は、建築、土木分野などで使用されるコンクリート成形用の型枠に有用であり、特に、コンクリート表面の空気あばたの原因となる気泡を、より確実に低減するのに適している。

0066

10コンクリート成形用型枠
12型枠本体
14下地層
16充填粒子含有層
18多孔質層
20 型面
22 撥水層

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