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技術 放熱性塗料組成物、放熱性被膜及び被膜形成方法

出願人 本田技研工業株式会社
発明者 横山和孝小平良祐伊達木孝輔小林貴宣
出願日 2017年10月20日 (1年11ヶ月経過) 出願番号 2017-203110
公開日 2019年5月23日 (4ヶ月経過) 公開番号 2019-077736
状態 未査定
技術分野 塗料、除去剤
主要キーワード 放熱性フィラー 放熱速度 放熱性塗料 液体分子 試験容器 スチール缶 ノルマルヘプタン ローラー塗り
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年5月23日)のものです。
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図面 (5)

課題

放熱性フィラーを省略することができる放熱性塗料組成物放熱性被膜及び被膜形成方法を提供する。

解決手段

放熱性塗料組成物は、側鎖の炭素数が5〜20のポリα−オレフィンシランカップリング剤とを含む。側鎖の炭素数は10〜15であることが好ましい。放熱性塗料組成物は基材の表面において放熱性被膜を形成する。

概要

背景

装置の放熱を促進するために、装置の表面に形成される放熱性被膜が公知である。放熱性被膜は、一般的に、アクリル樹脂等の樹脂からなる母材と、母材に保持されたカーボンブラック等の無機粒子からなる放熱性フィラーとを含む(例えば、特許文献1)。

概要

放熱性フィラーを省略することができる放熱性塗料組成物、放熱性被膜及び被膜形成方法を提供する。 放熱性塗料組成物は、側鎖の炭素数が5〜20のポリα−オレフィンシランカップリング剤とを含む。側鎖の炭素数は10〜15であることが好ましい。放熱性塗料組成物は基材の表面において放熱性被膜を形成する。

目的

本発明は、以上の背景を鑑み、放熱性フィラーを省略することができる放熱性塗料組成物、放熱性被膜及び被膜形成方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

放熱性被膜を形成するための放熱性塗料組成物であって、以下の化学式(1)で表されるポリα−オレフィンシランカップリング剤とを含むことを特徴とする放熱性塗料組成物。ここで、R1は水素又はメチル基であり、R2は炭素数が5〜20の直鎖アルキル基である。

請求項2

シランカップリング剤の含有量が、ポリ−α−オレフィンとシランカップリング剤との合計に対して1〜10wt%であることを特徴とする請求項1に記載の放熱性塗料組成物。

請求項3

前記化学式(1)のR2は炭素数が10〜15の直鎖アルキル基であることを特徴とする請求項1に記載の放熱性塗料組成物。

請求項4

請求項1〜請求項3のいずれか1つの項に記載の前記放熱性塗料組成物を含み、基材の表面に形成されたことを特徴とする放熱性被膜。

請求項5

厚さが15〜50μmであることを特徴とする請求項4に記載の放熱性被膜。

請求項6

前記基材は、アルミニウムを含む材料から形成されていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の放熱性被膜。

請求項7

無機粒子から形成された放熱性フィラーの含有量が0.1wt%以下であることを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれか1つの項に記載の放熱性被膜。

請求項8

無機粒子から形成された放熱性フィラーを含まないことを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれか1つの項に記載の放熱性被膜。

請求項9

基材の表面に被膜を形成するための被膜形成方法であって、以下の化学式(1)で表される組成物とシランカップリング剤とを含む溶液を前記基材の表面に塗布する第1工程と、前記第1工程の後に、前記溶液が塗布された前記基材を100℃〜150℃で加熱する第2工程とを含むことを特徴とする被膜形成方法。ここで、R1は水素又はメチル基であり、R2は炭素数が5〜20の直鎖アルキル基である。

技術分野

0001

本発明は、放熱を促進するために基材の表面に形成される放熱性被膜、放熱性被膜に含まれる放熱性塗料組成物、及び被膜形成方法に関する。

背景技術

0002

装置の放熱を促進するために、装置の表面に形成される放熱性被膜が公知である。放熱性被膜は、一般的に、アクリル樹脂等の樹脂からなる母材と、母材に保持されたカーボンブラック等の無機粒子からなる放熱性フィラーとを含む(例えば、特許文献1)。

先行技術

0003

特開2006−281514号公報

発明が解決しようとする課題

0004

従来の放熱性被膜は、放熱性フィラーを必須の構成としている。そのため、母材に適した放熱性フィラーの選択や、放熱性フィラーの調製、母材への放熱性フィラーの分散等を行なう必要がある。また、放熱性フィラーには、母材の劣化を促進するものもある。放熱性フィラーを省略することができれば、放熱性被膜の作成が容易になる。

0005

本発明は、以上の背景を鑑み、放熱性フィラーを省略することができる放熱性塗料組成物、放熱性被膜及び被膜形成方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を解決するために本発明の第1の態様は、放熱性被膜を形成するための放熱性塗料組成物であって、以下の化学式(1)で表されるポリα−オレフィンシランカップリング剤とを含むことを特徴とする放熱性塗料組成物。



ここで、R1は水素又はメチル基であり、R2は炭素数が5〜20の直鎖アルキル基である。

0007

この態様によれば、放熱性フィラーを省略することができる放熱性塗料組成物を提供することができる。直鎖アルキル基は、柔軟性を有し、様々な立体配座をとることができる。そのため、直鎖アルキル基からなる側鎖の回転や振動を含む分子運動によって、側鎖におけるエネルギー消費が増加すると共に、側鎖と外部の気体分子液体分子との接触が増加し、放熱が促進すると考えられる。

0008

また、上記の態様において、シランカップリング剤の含有量が、ポリ−α−オレフィンとシランカップリング剤との合計に対して1〜10wt%であるとよい。

0009

この態様によれば、ポリ−α−オレフィンとシランカップリング剤との反応率が向上する。

0010

また、上記の態様において、前記化学式(1)のR2は炭素数が10〜15の直鎖アルキル基であるとよい。

0011

この態様によれば、放熱性被膜の放熱性能を向上させることができる。

0012

本発明の他の態様は、上記の第1及び第2の態様における放熱性塗料組成物を含み、基材の表面に形成された放熱性被膜を提供する。

0013

この態様によれば、放熱性フィラーを省略することができる放熱性被膜を提供することができる。

0014

上記の態様において、厚さが15〜50μmであるとよい。

0015

この態様によれば、放熱性被膜の放熱性を向上させることができる。放熱性被膜では、主に表面に位置する直鎖アルキル基の側鎖を介して熱が放熱されるため、体積に対する表面積が大きいほど放熱性が向上する。

0016

上記の態様において、前記基材は、アルミニウムを含む材料から形成されているとよい。

0017

この態様によれば、放熱性被膜を基材に安定性良く接着することができる。

0018

上記の態様において、無機粒子から形成された放熱性フィラーの含有量が0.1wt%以下であるとよい。また、上記の態様において、放熱性被膜は無機粒子から形成された放熱性フィラーを含まないことが好ましい。

0019

この態様によれば、放熱性被膜の放熱性を向上させることができる。放熱性フィラーは、表面の直鎖アルキル基の分子運動を阻害して放熱性を低下させると考えられる。

0020

本発明の他の態様は、基材の表面に被膜を形成するための被膜形成方法であって、以下の化学式(1)で表される組成物とシランカップリング剤とを含む溶液を前記基材の表面に塗布する第1工程と、前記第1工程の後に、前記溶液が塗布された前記基材を100℃〜150℃で加熱する第2工程とを含むことを特徴とする。



ここで、R1は水素又はメチル基であり、R2は炭素数が5〜20の直鎖アルキル基である。

発明の効果

0021

以上の構成によれば、放熱性フィラーを省略することができる放熱性塗料組成物、放熱性被膜及び被膜形成方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0022

放熱性能試験に使用する試験容器
放熱性能試験における、(A)放熱時間と温度との関係を示すグラフ、(B)放熱時間と温度差(ln(Ts−Ta))との関係を示すグラフ
放熱性被膜の厚みと放熱速度比との関係を示すグラフ
放熱性被膜の側鎖の炭素数と放熱速度比との関係を示すグラフ

0023

以下、本発明に係る放熱性塗料組成物、放熱性被膜、及び被膜形成方法の実施形態について説明する。

0024

(放熱性塗料組成物)
実施形態に係る放熱性塗料組成物は、放熱性被膜に含まれる組成物であり、以下の化学式(1)で表されるポリ−α−オレフィンとシランカップリング剤とを含む。



ここで、R1は水素又はメチル基であり、R2は炭素数が5〜20の直鎖アルキル基である。

0025

化学式(1)で表されるポリ−α−オレフィンは、炭素数が7〜22のα−オレフィンの重合反応によって生成することができる。また、β位にメチル基の側鎖を有するα−オレフィンを使用することによって、R1をメチル基にすることができる。

0026

シランカップリング剤は、一般式X−Si−Y3で表される構造を有する。ここで、Xは有機基であり、Yは炭素数が1〜3のアルコキシ基である。有機基は、例えば、ビニル基エポキシ基メタクリル基アクリル基アミノ基、メルカプト基である。アルコキシ基は、例えば、メトキシ基エトキシ基ジメトキシ基、ジエトキシ基である。XとSiとの間に炭素数1〜6のアルキレン基が介在してもよい。また、Yは、1つのアルコキシ基をメチル基に変更してもよい。シランカップリング剤は、例えば、ビニルトリメトキシシランビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシルエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデンプロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランである。

0027

シランカップリング剤の含有量は、ポリ−α−オレフィンとシランカップリング剤との合計に対して1〜10wt%であり、より好ましくは1〜5wt%である。シランカップリング剤がビニルトリメトキシシランであり、かつポリ−α−オレフィンのR1が水素であり、R2が炭素数5〜20の直鎖アルキル基である場合、シランカップリング剤の含有量が5〜10wt%のときシランカップリング剤とポリ−α−オレフィンとの反応率が90%以上になり、シランカップリング剤の含有量が1〜4wt%のとき反応率が98%以上であった。

0028

放熱性塗料
放熱性塗料は、上述したポリ−α−オレフィン及びシランカップリング剤を含む放熱性塗料組成物と、放熱性塗料組成物を溶解する溶剤とを含み、液体として調製される。溶剤は、揮発性有機溶剤であることが好ましく、例えばアセトンメチルエチルケトン等のケトン類酢酸メチル酢酸エチル酢酸プロピル等の酢酸エステル類ノルマルヘキサンシクロヘキサンメチルシクロヘキサンノルマルヘプタン等の炭化水素類トルエンキシレンベンゼン等の芳香族炭化水素類等、ブチルセロソルブフェニルセロソルブ、ジメチルセロソルブ等のエーテル類であってよい。放熱性塗料は、更に顔料顔料分散剤レベリング剤消泡剤増粘剤等を含んでもよい。

0029

(放熱性被膜)
放熱性被膜は、基材の表面に形成される被膜であり、上記の放熱性塗料組成物を含む。基材は、例えば熱交換器ハウジングチューブコアであってよい。熱交換器は、例えば車両のインタークーラーラジエータであってよい。基材は、鉄やアルミニウム、それらの合金から形成されているとよい。

0030

放熱性被膜において、化学式(1)で表されるポリ−α−オレフィンは、シランカップリング剤を介して基材に結合する。シランカップリング剤は、アルコキシ基が加水分解によって水酸基になり、鉄やアルミニウムの表面の水酸基と水素結合することによって基材に結合する。また、シランカップリング剤は、有機基においてポリ−α−オレフィンと結合する。シランカップリング剤は、例えば、化学式(1)のR2と置換し、有機基において、ポリ−α−オレフィンの主鎖の炭素と結合する。放熱性被膜の厚さは、15μm〜50μmであることが好ましい。

0031

放熱性被膜は、無機粒子から形成された放熱性フィラーの含有量が0.1wt%以下である。また、放熱性被膜は、無機粒子から形成された放熱性フィラーを含まないことが好ましい。放熱性フィラーは、例えばカーボンブラックや酸化亜鉛窒化アルミニウム酸化ケイ素フッ化カルシウム窒化ホウ素石英カオリン水酸化アルミニウムベントナイトタルク、サリサイトフォルステライトマイカコージェライト、窒化ホウ素等の粒子である。

0032

放熱性被膜を形成するポリ−α−オレフィンの直鎖アルキル基の側鎖は、柔軟性を有し、様々な立体配座をとることができる。そのため、側鎖の回転や振動を含む分子運動によって、側鎖におけるエネルギー消費が増加すると共に、側鎖と外部の気体分子や液体分子との接触が増加し、放熱性被膜の放熱性が向上すると考えられる。側鎖は、分子運動のし易さから直鎖アルキル基であることが好ましい。側鎖が、極性を有する官能基二重結合三重結合等を含むと側鎖の分子運動が阻害され、放熱性が低下すると考えられる。

0033

(被膜形成方法)
第1の被膜形成方法では、最初の工程において、上記の放熱性塗料を基材の表面に塗布する。塗布方法は、スプレー塗布ディップ塗布はけ塗りローラー塗り等を含む。次の工程では、放熱性塗料を塗布した基材を100〜150℃で20〜40分間加熱する。この工程によって、ポリ−α−オレフィンとシランカップリング剤とが結合すると共に、溶剤が揮発する。これにより、基材の表面に放熱性被膜が形成される。

0034

(被膜形成方法の実施例)
化学式(1)においてR1を水素、R2の炭素数を各種値としたものを放熱性塗料組成物として使用した。シランカップリング剤は、ビニルトリメトキシシランとした。ポリ−α−オレフィン及びシランカップリング剤をブチルセロソルブで希釈して放熱性塗料とした。シランカップリング剤の含有量は、ポリ−α−オレフィンとシランカップリング剤との合計に対して5wt%とした。ポリ−α−オレフィン及びシランカップリング剤のブチルセロソルブに対する濃度は、5wt%とした。基板(基材)はアルミニウム板(A1050、長さ150mm×幅70mm×厚み0.8mm)を使用した。エアスプレーによって放熱性塗料を基板の一方の表面に適量噴霧することによって、基板の一方の表面に放熱性塗料を塗布した。続いて、加熱炉を使用して、放熱性塗料を塗布した基板を120℃で30分間加熱した。加熱により、ポリ−α−オレフィンがシランカップリング剤を介して基板の表面に結合し、ブチルセロソルブが揮発し、基板の表面に放熱性被膜が形成された。加熱後の放熱性被膜の厚さを放熱性被膜の厚さとした。放熱性被膜の厚さは、エアスプレーによる放熱性塗料の噴霧量によって調節することができる。

0035

(放熱性能試験)
放熱性被膜の放熱性の評価は、次の放熱性能試験によって行った。図1に示すように、底部を切り取った直方体スチール缶1(長さ130mm×幅50mm×高さ100mm、厚み0.8mm)の底部を、放熱性被膜2を形成した基板3で閉塞することによって試験容器4を作成した。基板3は、放熱性被膜2が形成された面が下側(外側)を向くように配置した。スチール缶1と基板3とは接着剤によって液密に結合した。試験容器4の上部及び側部は、厚さ30mmの発泡スチロール6(断熱材)で覆われている。試験容器4は、発泡スチロール6を介して台7の上に配置し、基板3を他の構造体から十分に離れた位置に配置した。試験容器4の上部には、液体の注入口が形成されている。試験容器4の内部には、試験開始時に100℃に加熱したエンジンオイル350mLを投入した。投入したエンジンオイルは、試験容器の内部に設けた撹拌棒8によって200rpmで撹拌した。また、試験容器4の内部にはエンジンオイルの温度を測定するための熱電対9が設けられている。また、測定装置の外部(発泡スチロールの外方)には、外気温度を測定するための熱電対(不図示)が設けられている。測定は、外気温度が室温(約22℃)の環境下で実施し、投入したエンジンオイルの温度が100℃から低下し、85℃になったときを時間0として、以後のエンジンオイルの温度を記録した。また、参照試験として、放熱性被膜を有しない基板を底部とした試験容器を用いて、同様の放熱性能試験(温度測定)を行なった。

0036

図2(A)及び(B)に放熱性能試験から得られた結果を示す。図2(A)及び(B)は、化学式(1)で表されるポリ−α−オレフィンにおいて、R1を水素、R2の炭素数を13としたものを使用し、放熱性被膜の厚さを20μmとした場合の結果である。図2(A)のグラフでは、横軸を時間[s]、縦軸を温度[℃]としている。エンジンオイルは、基板を介した放熱により時間の経過と共に温度が低下する。図2(B)のグラフは、図2(A)の結果を変換して示すものであり、横軸を時間[s]、縦軸をエンジンオイルの温度Tsから外気温度Taを減じた値の自然体数(ln(Ts−Ta))としている。図2(A)及び(B)からわかるように、底部の基板が放熱性被膜を有する場合、放熱性被膜を有しない場合(参照試験)に対してグラフの傾きが大きいことが確認された。図2(B)におけるグラフの傾き、すなわち単位時間(1s)当たりのln(Ts−Ta)の変化量を放熱速度Vs、Vrと定義する。基板が放熱性被膜を有する場合の放熱速度をVs、基板が放熱性被膜を有しない場合(参照試験)の放熱速度をVrとする。また、参照試験の放熱速度Vrに対する放熱速度Vsの比を放熱速度比R(=(Vs−Vr)/Vr×100)と定義する。

0037

膜厚が放熱性に与える影響)
化学式(1)で表されるポリ−α−オレフィンのR1を水素、R2の炭素数を13とし、放熱性塗料の基板への噴霧量を変更することによって、各種膜厚の放熱性被膜を形成した。生成した放熱性被膜の厚さは、15μm、45μm、78μmであった。これらの各膜厚の放熱性被膜を有する基板に対して放熱性能試験を行なった。

0038

図3は、放熱性被膜の厚さと放熱速度比との関係を示すグラフである。図3の結果から、放熱性被膜の厚さが増加するにつれて、放熱速度比が低下することが確認された。また、放熱性被膜の厚さが80μm以上の範囲では、放熱速度比がほとんど変化しないことが確認された。本実施例に係る放熱性被膜は、厚さを10μm以下にすると均質な被膜を形成することが困難であった。また、放熱性被膜の厚さが0のとき放熱速度比は0であるため、放熱性被膜は少なくとも10μm以上の厚さを有することが好ましい。そのため、放熱性被膜の厚さは、15〜50μmが好ましいといえる。また、この範囲内において膜厚が薄いほど放熱性が向上するため、放熱性被膜の厚さは、15〜40μmがより好ましく、15〜30μmが更に好ましい。放熱性被膜の厚さが薄いほど、体積に対する表面積の割合が大きくなり、体積に対して放熱性被膜の表面に配置される直鎖アルキル基の割合が増加する。そのため、放熱性が増加すると考えられる。

0039

(側鎖が放熱性に与える影響)
化学式(1)で表されるポリ−α−オレフィンのR1を水素、R2の炭素数を8、13、17とし、厚さが20μmの放熱性被膜を形成した。そして、各基板に対して放熱性能試験を行なった。

0040

図4は、側鎖の炭素数と放熱速度比との関係を示すグラフである。図4の結果から、直鎖アルキル基の炭素数(側鎖の炭素数)が8、13、17のいずれの場合も放熱速度比が0より大きくなり、放熱性被膜を有しない場合に対して放熱性が向上することが確認された。図4の結果に基づく近似曲線から側鎖の炭素数が5〜20の範囲内において、放熱速度比が0より大きくなり、放熱性被膜による放熱性の向上効果が生じると考えられる。直鎖アルキル基の炭素数(側鎖の炭素数)が10〜15のときに放熱速度比が極大になることが確認された。そのため、側鎖の炭素数は10〜15の範囲がより好ましいといえる。

0041

(放熱性フィラーが放熱性被膜の放熱性に与える影響)
放熱性塗料組成物に含まれるポリ−α−オレフィンのR2の炭素数を13とし、実施例に係る放熱性塗料を作成した。また、比較例として、放熱性フィラーとしてカーボンブラック(粒径3μm)を0.5wt%の濃度で懸濁させた放熱性塗料を作成した。比較例に係る放熱性塗料は、放熱性フィラーを含む点を除き他の条件は、実施例に係る放熱性塗料と同様である。実施例及び比較例に係る放熱性塗料を使用して、それぞれ厚さが20μmの放熱性被膜を形成した。これらの実施例及び比較例に係る放熱性被膜を有する基板に対して放熱性能試験を行なった。

実施例

0042

放熱性能試験の結果、実施例に係る放熱性被膜(放熱性フィラー無し)は、比較例に係る放熱性被膜(放熱性フィラー有り)よりも高い放熱性を有することが確認された。放熱性フィラーが放熱性被膜の表面に露出することによって、表面における直鎖アルキル基からなる側鎖の密度が低下することが考えられる。また、放熱性フィラーによって、放熱性被膜の表面における直鎖アルキル基からなる側鎖の分子運動が阻害されることが考えられる。これらによって、放熱性フィラーを含まない放熱性被膜の方が、放熱性フィラーを含む放熱性被膜より放熱性が向上したと考えられる。

0043

1 :スチール缶
2 :放熱性被膜
3 :基板
4 :試験容器
6 :発泡スチロール
7 :台
8 :撹拌棒
9 :熱電対

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