図面 (/)

技術 リーン車両

出願人 ヤマハ発動機株式会社
発明者 佐々木崇博
出願日 2017年10月25日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2017-206641
公開日 2019年5月23日 (3ヶ月経過) 公開番号 2019-077368
状態 未査定
技術分野 自転車用入れ物、その他の付属品 自動自転車、自転車一般
主要キーワード 右ジョイント 左ブラケット 中間ジョイント 伝達プレート 許容空間 操舵軸線 車軸部材 舵軸線
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年5月23日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (10)

課題

車両の大型化を抑制しつつ左前輪および右前輪でまき上げられた水が車両の前方を通って車両前部の上部に飛散することが抑制されたリーン車両を提供する。

解決手段

緩衝装置34及び左緩衝装置33は右前輪32及び左前輪31に対して、右前輪32と左前輪31の間の操舵許容空間SSと反対側に設けられている。右緩衝装置34の下部に設けられた右フェンダ90Rは、外縁91Rが右前輪32の外縁325より径方向の外方に位置し、右前輪32の上後領域URに外縁325から右前輪32の左方において右車軸線WRに向かって内方に延びる右ガイド壁部92Rを有する。左緩衝装置33の下部に設けられた左フェンダ90Lは、外縁91Lが左前輪31の外縁315より径方向の外方に位置し、左前輪31の上後領域URに外縁315から左前輪31の左方において右車軸線WLに向かって内方に延びる左ガイド壁部92Lを有する。

概要

背景

特許文献1に、左右に並ぶ右前輪左前輪を備え、右前輪と左前輪との間に緩衝装置が設けられたリーン車両が記載されている。このリーン車両は、パラレログラム式リンク機構を備えており、右旋回時に車両の右方に傾斜し、左旋回時に車両の左方へ傾斜する。

概要

車両の大型化を抑制しつつ左前輪および右前輪でまき上げられた水が車両の前方を通って車両前部の上部に飛散することが抑制されたリーン車両を提供する。右緩衝装置34及び左緩衝装置33は右前輪32及び左前輪31に対して、右前輪32と左前輪31の間の操舵許容空間SSと反対側に設けられている。右緩衝装置34の下部に設けられた右フェンダ90Rは、外縁91Rが右前輪32の外縁325より径方向の外方に位置し、右前輪32の上後領域URに外縁325から右前輪32の左方において右車軸線WRに向かって内方に延びる右ガイド壁部92Rを有する。左緩衝装置33の下部に設けられた左フェンダ90Lは、外縁91Lが左前輪31の外縁315より径方向の外方に位置し、左前輪31の上後領域URに外縁315から左前輪31の左方において右車軸線WLに向かって内方に延びる左ガイド壁部92Lを有する。

目的

本発明は、車両の大型化を抑制しつつ左前輪および右前輪でまき上げられた水が車両の前方を通って車両前部の上部に飛散することが抑制されたリーン車両を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

右旋回時に車両の右方に傾斜し、左旋回時に前記車両の左方へ傾斜可能な車体フレームと、前記車体フレームの傾斜に応じて前記車体フレームに対して相対変位し、右車軸線方向に延びる右車軸部材回りに回転する右前輪と、前記車体フレームの傾斜に応じて前記車体フレームに対して相対変位し、左車軸線方向に延びる左車軸部材回りに回転する左前輪と、前記車体フレームの傾斜に応じて前記車体フレームの上下方向における前記右前輪および前記左前輪の相対位置を変化させるリンク機構と、前記右車軸部材の右部を下部で支持し、前記車体フレームの上下方向に延びる右伸縮軸線方向の上部に対する下部の相対変位を緩衝する右緩衝装置と、前記左車軸部材の左部を下部で支持し、前記車体フレームの上下方向に延びる左伸縮軸線方向の上部に対する下部の相対変位を緩衝する左緩衝装置と、を有し、前記リンク機構は、前記右緩衝装置の上部を前記車体フレームの上下方向に延びる右操舵軸線回りに回動可能に支持する右サイド部材と、前記左緩衝装置の上部を前記右操舵軸線と平行な左操舵軸線回りに回動可能に支持する左サイド部材と、前記右サイド部材の上部を右端部に前記車体フレームの前後方向に延びる右上軸線回りに回動可能に支持し、前記左サイド部材の上部を左端部に前記右上軸線に平行な左上軸線回りに回動可能に支持し、中間部が前記車体フレームに前記右上軸線および前記左上軸線に平行な中間上軸線回りに回動可能に支持される上クロス部材と、前記右サイド部材の下部を右端部に前記右上軸線に平行な右下軸線回りに回動可能に支持し、前記左サイド部材の下部を左端部に前記左上軸線に平行な左下軸線回りに回動可能に支持し、中間部が前記車体フレームに前記中間上軸線と平行な中間下軸線回りに回動可能に支持される下クロス部材と、を有し、前記車両の直立状態において、前記車体フレームの上下方向について、前記下クロス部材の下端は前記右前輪の上端および前記左前輪の上端より上方に位置しており、前記車両の左右方向について、前記右前輪と前記左前輪は操舵許容空間を隔てて設けられ、前記右前輪は前記右操舵軸線回りに回動可能に、前記左前輪は前記左操舵軸線回りに回動可能にされており、前記車体フレームの左右方向について、前記右緩衝装置は前記右前輪に対して前記操舵許容空間と反対側に設けられ、前記車体フレームの左右方向について、前記左緩衝装置は前記左前輪に対して前記操舵許容空間と反対側に設けられ、前記右緩衝装置の下部に、前記右緩衝装置の動作に応じて前記右前輪とともに変位する右フェンダが設けられ、前記右車軸線方向の左方から見た時に、前記右フェンダの外縁は前記右前輪の外縁より径方向の外方に位置し、前記右車軸線方向の左方から見て、前記右車軸線と交差して鉛直方向に延びる直線と前記右車軸線と交差して水平方向に延びる直線とによって前記右前輪を仮想的に4つの領域に均等に区分けしたときに、前記右フェンダは前記右前輪の上後領域に前記外縁から前記右前輪の左方において前記右車軸線に向かって内方に延びる右ガイド壁部を有し、前記左緩衝装置の下部に、前記左緩衝装置の動作に応じて前記左前輪とともに変位する左フェンダが設けられ、前記左車軸線方向の右方から見た時に、前記左フェンダの外縁は前記左前輪の外縁より径方向の外方に位置し、前記左車軸線方向の右方から見て、前記左車軸線と交差して鉛直方向に延びる直線と前記左車軸線と交差して水平方向に延びる直線とによって前記左前輪を仮想的に4つの領域に均等に区分けしたときに、前記左フェンダは前記左前輪の上後領域に前記外縁から前記左前輪の右方において前記左車軸線に向かって内方に延びる左ガイド壁部を有する、リーン車両。

請求項2

前記右ガイド壁部の下縁の少なくとも一部は、前記右前輪の一部であって前記右車軸線方向における最も左方の縁よりも前記右車軸線方向の左方に位置し、前記左ガイド壁部の下縁の少なくとも一部は、前記左前輪の一部であって前記左車軸線方向における最も右方の縁よりも前記左車軸線方向の右方に位置する、請求項1に記載のリーン車両。

請求項3

前記右フェンダは前記右前輪の上前領域に、前記右ガイド壁部に対してつながるとともに、前記右車軸線に向かって内方に延びる寸法が前記右ガイド壁部の内方に延びる寸法に近づくように徐々に大きくなる右徐変壁部を有し、前記左フェンダは前記左前輪の上前領域に、前記左ガイド壁部に対してつながるとともに、前記左車軸線に向かって内方に延びる寸法が前記左ガイド壁部の内方に延びる寸法に近づくように徐々に大きくなる左徐変壁部を有する、請求項1または2に記載のリーン車両。

請求項4

前記右ガイド壁部の左面には、付着した水を下方に案内する右ガイド溝が設けられており、前記左ガイド壁部の右面には、付着した水を下方に案内する左ガイド溝が設けられている、請求項1〜3の何れか1項に記載のリーン車両。

請求項5

前記右ガイド壁部は、前記右車軸線方向の左方から見て、前記右前輪の前記外縁から前記右前輪のショルダ部より内方に延びており、前記左ガイド壁部は、前記左車軸線方向の右方から見て、前記左前輪の前記外縁から前記左前輪のショルダ部より内方に延びている、請求項1〜4の何れか1項に記載のリーン車両。

技術分野

0001

本発明は、左右方向に並ぶ2つの前輪を備えたリーン車両に関する。

背景技術

0002

特許文献1に、左右に並ぶ右前輪左前輪を備え、右前輪と左前輪との間に緩衝装置が設けられたリーン車両が記載されている。このリーン車両は、パラレログラム式リンク機構を備えており、右旋回時に車両の右方に傾斜し、左旋回時に車両の左方へ傾斜する。

先行技術

0003

国際公開第2015/002169号

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、上述したようにパラレログラム式のリンク機構と右前輪と左前輪を有するリーン車両は、右前輪と左前輪との干渉を抑制するために、リンク機構のクロス部材の下方でかつ右前輪と左前輪との間に空間(以下、操舵許容空間と呼ぶ)が設けられている。

0005

このリーン車両が濡れた路面を走行すると、右前輪および左前輪が路面の水をまきあげる。右前輪および左前輪が巻き上げた水の一部は、操舵許容空間に進入する。この現象について、本発明者はつぶさに研究した。

0006

特許文献1に記載のように、右前輪と左前輪との間に緩衝装置が設けられている場合には、右前輪が左方に巻き上げた水は右緩衝装置またはそこから延びるステーなどに付着して下方に落下する。また、左前輪が右方に巻き上げた水は左緩衝装置またはそこから延びるステーなどに付着して下方に落下する。このため、右前輪および左前輪が巻き上げた水はライダーにかかるといった問題は生じにくかった。

0007

本発明者は、特許文献1のリーン車両とは異なり、右前輪の右方に右緩衝装置を設け、左前輪の左方に左緩衝装置を設けたリーン車両を検討した。すると、右前輪と左前輪が巻き上げた水がライダーにかかる問題が生じやすいことに気がついた。

0008

当初、本発明者は操舵許容空間に進入した水はその自重により落下し、操舵許容空間の下方から地面へ流れ出るものと想定していた。しかしながら、水が右前輪と左前輪から操舵許容空間に向かって常にまき上げられ続ける結果、水は下方に落下するのみならず、操舵許容空間に滞留した水の少なくとも一部が車両の前方を通ってヘッドライトフロントカウルなど車両前部の上部に飛散することがわかった。また、右前輪から左方に飛散した水と左前輪から右方に飛散した水とが操舵許容空間でぶつかりあうことで、飛散した水が操舵許容空間内で微粒化する。この微粒化した水もリーン車両の前方を通って車両前部の上部に飛散することがわかった。

0009

そこで、このような車両前部の上部への水の飛散を抑制するためには、操舵許容空間の上方や前方にカバーを設けることが考えられるが、車両のデザイン制約されるし車両の大型化を招きかねない。

0010

そこで本発明は、車両の大型化を抑制しつつ左前輪および右前輪でまき上げられた水が車両の前方を通って車両前部の上部に飛散することが抑制されたリーン車両を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明にかかるリーン車両は、
右旋回時に車両の右方に傾斜し、左旋回時に前記車両の左方へ傾斜可能な車体フレームと、
記車体フレームの傾斜に応じて前記車体フレームに対して相対変位し、右車軸線方向に延びる右車軸部材回りに回転する右前輪と、
前記車体フレームの傾斜に応じて前記車体フレームに対して相対変位し、左車軸線方向に延びる左車軸部材回りに回転する左前輪と、
前記車体フレームの傾斜に応じて前記車体フレームの上下方向における前記右前輪および前記左前輪の相対位置を変化させるリンク機構と、
前記右車軸部材の右部を下部で支持し、前記車体フレームの上下方向に延びる右伸縮軸線方向の上部に対する下部の相対変位を緩衝する右緩衝装置と、
前記左車軸部材の左部を下部で支持し、前記車体フレームの上下方向に延びる左伸縮軸線方向の上部に対する下部の相対変位を緩衝する左緩衝装置と、
を有し、
前記リンク機構は、
前記右緩衝装置の上部を前記車体フレームの上下方向に延びる右操舵軸線回りに回動可能に支持する右サイド部材と、
前記左緩衝装置の上部を前記右操舵軸線と平行な左操舵軸線回りに回動可能に支持する左サイド部材と、
前記右サイド部材の上部を右端部に前記車体フレームの前後方向に延びる右上軸線回りに回動可能に支持し、前記左サイド部材の上部を左端部に前記右上軸線に平行な左上軸線回りに回動可能に支持し、中間部が前記車体フレームに前記右上軸線および前記左上軸線に平行な中間上軸線回りに回動可能に支持される上クロス部材と、
前記右サイド部材の下部を右端部に前記右上軸線に平行な右下軸線回りに回動可能に支持し、前記左サイド部材の下部を左端部に前記左上軸線に平行な左下軸線回りに回動可能に支持し、中間部が前記車体フレームに前記中間上軸線と平行な中間下軸線回りに回動可能に支持される下クロス部材と、を有し、
前記車両の直立状態において、前記車体フレームの上下方向について、前記下クロス部材の下端は前記右前輪の上端および前記左前輪の上端より上方に位置しており、
前記車両の左右方向について、前記右前輪と前記左前輪は操舵許容空間を隔てて設けられ、前記右前輪は前記右操舵軸線回りに回動可能に、前記左前輪は前記左操舵軸線回りに回動可能にされており、
前記車体フレームの左右方向について、前記右緩衝装置は前記右前輪に対して前記操舵許容空間と反対側に設けられ、
前記車体フレームの左右方向について、前記左緩衝装置は前記左前輪に対して前記操舵許容空間と反対側に設けられ、
前記右緩衝装置の下部に、前記右緩衝装置の動作に応じて前記右前輪とともに変位する右フェンダが設けられ、
前記右車軸線方向の左方から見た時に、前記右フェンダの外縁は前記右前輪の外縁より径方向の外方に位置し、
前記右車軸線方向の左方から見て、前記右車軸線と交差して鉛直方向に延びる直線と前記右車軸線と交差して水平方向に延びる直線とによって前記右前輪を仮想的に4つの領域に均等に区分けしたときに、前記右フェンダは前記右前輪の上後領域に前記外縁から前記右前輪の左方において前記右車軸線に向かって内方に延びる右ガイド壁部を有し、
前記左緩衝装置の下部に、前記左緩衝装置の動作に応じて前記左前輪とともに変位する左フェンダが設けられ、
前記左車軸線方向の右方から見た時に、前記左フェンダの外縁は前記左前輪の外縁より径方向の外方に位置し、
前記左車軸線方向の右方から見て、前記左車軸線と交差して鉛直方向に延びる直線と前記左車軸線と交差して水平方向に延びる直線とによって前記左前輪を仮想的に4つの領域に均等に区分けしたときに、前記左フェンダは前記左前輪の上後領域に前記外縁から前記左前輪の右方において前記左車軸線に向かって内方に延びる左ガイド壁部を有する。

0012

本発明者は、操舵許容空間から前方へ飛散する水を抑制するために、操舵許容空間へ進入する水の量を低減することを考えた。
右前輪の左方に、右車軸線方向から見て右前輪を覆うカバーを設け、左前輪の右方に、左車軸線方向から見て左前輪を覆うカバーを設ければ、右前輪と左前輪から操舵許容空間へ進入する水を遮断できる。しかしこれではデザインの制約が大きいし、転舵する右前輪と左前輪に応じてカバーも大きく動くので、車両が左右方向に大型化してしまう。

0013

そこで本発明者は、前輪がまき上げる水の飛ぶ様子をつぶさに観察した。路面の水はまずタイヤ接地面に付着する。このタイヤの接地面に付着した水は、タイヤの回転に伴い慣性力が付与される。この慣性力の影響により、接地面に付着した水は、早ければタイヤが1/4回転した時点で接地面から離脱し、タイヤが1/2回転する時点ではほぼ接地面から離脱しなくなることがわかった。

0014

車軸線方向から見ると、接地点から離脱する水は、およそ接地面の接線方向に向けて飛んでいく。つまり、タイヤが1/4回転した時点で離脱する水は上方に飛んでいき、1/4回転から進んだ時点で離脱した水は1/4回転した時点で飛んだ水よりも前方に飛んでいく。なお、前輪の進行方向から見ると、この接地面から離脱した水は前輪の回転仮想平面に含まれる方向を主とするが、車両の右方または左方にも飛んでいく。

0015

そして、右前輪から左方に飛散した水と左前輪から右方に飛散した水とが操舵許容空間でぶつかりあうことで、飛散した水が微粒化するため直ぐには地面に落下しなくなる。また、前輪の回転仮想平面に含まれる方向を主とする方向への水の飛散を抑えるために、通常、フェンダが設けられる。フェンダによって受け止められた水は、フェンダの内面を伝って外縁部から下方に向けて落ちる。下方に向けて落ちた水が回転している前輪にぶつかると、微粒化して操舵許容空間に浮遊することになる。

0016

そこで本発明者は、車軸線方向から見て前輪を上下前後に仮想的に四等分したときの上後領域に右ガイド壁部および左ガイド壁部を設けるという着想を得た。
本発明に係る車両によれば、右前輪でまきあげられた水は右ガイド壁部にぶつかり、右ガイド壁部に付着する。右ガイド壁部に付着した水はそのまま右ガイド壁部を伝って下方に落ちて操舵許容空間に進入することがない。左前輪でまきあげられた水も同様にして左ガイド壁部を伝って下方に落ちて操舵許容空間に進入することがない。
このようにして操舵許容空間に進入する水の量を抑制することができるので、操舵許容空間で水が微粒化しにくく、操舵許容空間から車両の前方を通って車両前部の上部に水が付着することが抑制される。これにより、車両の前部や上部に大きなカバーを設ける必要がなく、車両の大型化が抑制される。

0017

また、右フェンダの一部分にのみ右ガイド壁部を設ければ操舵許容空間への水の進入を抑制することができ、右フェンダの大型化を抑制できる。同様に、左フェンダの大型化も抑制できる。これにより、車両の大型化も抑制できる。

0018

本発明に係るリーン車両において、
前記右ガイド壁部の下縁の少なくとも一部は、前記右前輪の一部であって前記右車軸線方向における最も左方の縁よりも前記右車軸線方向の左方に位置し、
前記左ガイド壁部の下縁の少なくとも一部は、前記左前輪の一部であって前記左車軸線方向における最も右方の縁よりも前記左車軸線方向の右方に位置するものでもよい。

0019

本発明に係る車両によれば、ガイド壁部に付着した水が左右のガイド壁部の下縁から下方に落下しても、再度前輪に掛かることがなく、確実に水を地面に落とすことができる。

0020

本発明に係るリーン車両において、
前記右フェンダは前記右前輪の上前領域に、前記右ガイド壁部に対してつながるとともに、前記右車軸線に向かって内方に延びる寸法が前記右ガイド壁部の内方に延びる寸法に近づくように徐々に大きくなる右徐変壁部を有し、
前記左フェンダは前記左前輪の上前領域に、前記左ガイド壁部に対してつながるとともに、前記左車軸線に向かって内方に延びる寸法が前記左ガイド壁部の内方に延びる寸法に近づくように徐々に大きくなる左徐変壁部を有するものでもよい。

0021

本発明に係るリーン車両によれば、左右の徐変壁部が左右のガイド壁部の剛性向上に寄与して左右のガイド壁部の変形を抑えることができるので、確実に水を地面に落とすことができる。

0022

本発明に係るリーン車両において、
前記右ガイド壁部の左面には、付着した水を下方に案内する右ガイド溝が設けられており、
前記左ガイド壁部の右面には、付着した水を下方に案内する左ガイド溝が設けられていてもよい。

0023

本発明に係るリーン車両によれば、右ガイド溝及び左ガイド溝に沿って水を下方へ案内して確実に地面に落とすことができる。

0024

本発明に係るリーン車両において、
前記右ガイド壁部は、前記右車軸線方向の左方から見て、前記右前輪の前記外縁から前記右前輪のショルダ部より内方に延びており、
前記左ガイド壁部は、前記左車軸線方向の右方から見て、前記左前輪の前記外縁から前記左前輪のショルダ部より内方に延びていてもよい。

0025

本発明に係るリーン車両によれば、右ガイド壁部及び左ガイド壁部に付着した水を、より確実に地面に落とすことができる。

発明の効果

0026

本発明によれば、車両の大型化を抑制しつつ左前輪および右前輪でまき上げられた水が車両の前方を通って車両前部の上部に飛散することが抑制されたリーン車両を提供することができる。

図面の簡単な説明

0027

本発明の実施形態に係るリーン車両の全体を左方から見た側面図である。
図1のリーン車両の前部を示す正面図である。
左緩衝装置および左前輪を示す側面図である。
図1のリーン車両の前部を示す平面図である。
転舵時における図1のリーン車両の前部を示す平面図である。
傾斜時における図1のリーン車両の前部を示す正面図である。
傾斜および転舵時における図1のリーン車両の前部を示す正面図である。
左車軸線方向の右方からみた左車輪および左フェンダの側面図である。
図8のIX−IX線断面矢視図である。

実施例

0028

添付の図面を参照しつつ、好ましい実施形態の例について以下詳細に説明する。

0029

添付の図面において、矢印Fは、車両の前方向を示している。矢印Bは、車両の後方向を示している。矢印Uは、車両の上方向を示している。矢印Dは、車両の下方向を示している。矢印Rは、車両の右方向を示している。矢印Lは、車両の左方向を示している。

0030

車両は、車体フレームを鉛直方向に対して車両の左右方向に傾斜させて旋回する。そこで車両を基準とした方向に加え、車体フレームを基準とした方向が定められる。添付の図面において、矢印FFは、車体フレームの前方向を示している。矢印FBは、車体フレームの後方向を示している。矢印FUは、車体フレームの上方向を示している。矢印FDは、車体フレームの下方向を示している。矢印FRは、車体フレームの右方向を示している。矢印FLは、車体フレームの左方向を示している。

0031

本明細書において、「車体フレームの前後方向」、「車体フレームの左右方向」、および「車体フレームの上下方向」とは、車両を運転する乗員から見て、車体フレームを基準とした前後方向、左右方向、および上下方向を意味する。「車体フレームの側方」とは、車体フレームの右方向あるいは左方向を意味している。

0032

本明細書において、「車体フレームの前後方向に延びる」とは、車体フレームの前後方向に対して傾いて延びることを含み、車体フレームの左右方向および上下方向と比較して、車体フレームの前後方向に近い傾きで延びることを意味する。

0033

本明細書において、「車体フレームの左右方向に延びる」とは、車体フレームの左右方向に対して傾いて延びることを含み、車体フレームの前後方向および上下方向と比較して、車体フレームの左右方向に近い傾きで延びることを意味する。

0034

本明細書において、「車体フレームの上下方向に延びる」とは、車体フレームの上下方向に対して傾いて延びることを含み、車体フレームの前後方向および左右方向と比較して、車体フレームの上下方向に近い傾きで延びることを意味する。

0035

本明細書において、「車両の直立状態」とは、無転舵状態かつ車体フレームの上下方向が鉛直方向と一致している状態を意味する。この状態においては、車両を基準にした方向と車体フレームを基準にした方向は一致する。車体フレームを鉛直方向に対して左右方向に傾斜させて旋回しているときは、車両の左右方向と車体フレームの左右方向は一致しない。また車両の上下方向と車体フレームの上下方向も一致しない。しかしながら、車両の前後方向と車体フレームの前後方向は一致する。

0036

本明細書において、「回転」とは、部材が中心軸線回りに360度以上の角度に変位することを言う。本明細書において、「回動」とは、部材が中心軸線回りに360度未満の角度で変位することを言う。

0037

図1から図7を参照しつつ、一実施形態に係るリーン車両1について説明する。リーン車両1は、動力源から発生する動力により駆動され、傾斜可能な車体フレームと、その車体フレームの左右方向に配置された2つの前輪を備える車両である。

0038

図1は、リーン車両1の全体を左方から見た左側面図である。リーン車両1は、車両本体部2、左右一対の前輪3、後輪4、リンク機構5、および操舵力伝達機構6を備えている。

0039

車両本体部2は、車体フレーム21、車体カバー22、シート24、およびエンジンユニット25を含んでいる。図1において、リーン車両1は直立状態にある。図1を参照する以降の説明は、リーン車両1の直立状態を前提にしている。

0040

車体フレーム21は、リーン車両1の前後方向に延びている。車体フレーム21は、ヘッドパイプ211と、リンク支持部212を備えている。

0041

ヘッドパイプ211は、後述する上流ステアリングシャフト60を回動可能に支持している。ヘッドパイプ211は、車体フレーム21の上下方向に延びている。
リンク支持部212は、リーン車両1の前後方向において、ヘッドパイプ211より前方に設けられている。リンク支持部212は、リンク機構5を回動可能に支持している。

0042

車体フレーム21は、エンジンユニット25を、リーン車両1の前後方向において、ヘッドパイプ211より後方で支持している。エンジンユニット25は、後輪4を揺動可能に支持している。エンジンユニット25は、エンジン電動モータバッテリなどの動力源や、トランスミッションなどの装置を備えている。動力源は、リーン車両1を駆動する力を生成する。

0043

車体カバー22は、フロントカバー221、左右一対のフロントフェンダー223およびリアフェンダー224を含んでいる。車体カバー22は、左右一対の前輪3、車体フレーム21、リンク機構5などのリーン車両1に搭載される車体部品の少なくとも一部を覆う車体部品である。

0044

フロントカバー221は、シート24より前方に配置されている。フロントカバー221は、リンク機構5と操舵力伝達機構6の少なくとも一部を覆っている。

0045

左右一対のフロントフェンダー223の少なくとも一部は、フロントカバー221の下方にそれぞれ配置されている。左右一対のフロントフェンダー223の少なくとも一部は、左右一対の前輪3の上方にそれぞれ配置されている。

0046

リアフェンダー224の少なくとも一部は、後輪4の上方に配置されている。

0047

左右一対の前輪3の少なくとも一部は、フロントカバー221の下方に配置されている。

0048

後輪4の少なくとも一部は、シート24より下方に配置されている。後輪4の少なくとも一部は、リアフェンダー224の下方に配置されている。

0049

図2は、リーン車両1の前部を車体フレーム21の前方から見た正面図である。図2において、リーン車両1は直立状態にある。図2を参照する以降の説明は、リーン車両1の直立状態を前提にしている。図2においては、破線で示すフロントカバー221を透視した状態におけるリーン車両1の前部を示している。

0050

左右一対の前輪3は、左前輪31と右前輪32を含んでいる。左前輪31と右前輪32は、車体フレーム21の左右方向に並んで設けられている。右前輪32は、左前輪31より車体フレーム21の右方に設けられている。

0051

リーン車両1は、左緩衝装置33、右緩衝装置34、左ブラケット317、および右ブラケット327を含んでいる。

0052

図3は、左緩衝装置33および左前輪31を示す側面図である。なお、右緩衝装置34は、左緩衝装置33と左右対称の構造を有しているため、図3に右緩衝装置34を示す符号も合わせて書き込んである。
図3に示すように、左緩衝装置33は、いわゆるテレスコピック式の緩衝装置である。左緩衝装置33は、左前テレスコピック要素331と、左後テレスコピック要素332と、左インナ連結要素337を有している。

0053

左前テレスコピック要素331は、左前アウタチューブ333と左前インナチューブ334とを有している。左前インナチューブ334の下部は、左インナ連結要素337に連結されている。左前インナチューブ334の上部が、左前アウタチューブ333に挿入されている。左前アウタチューブ333の上部は、左ブラケット317に連結されている。左前インナチューブ334は、左前アウタチューブ333に対して、車体フレーム21の上下方向に延びる左伸縮軸線cに沿って相対的に変位する。左前テレスコピック要素331は、左前インナチューブ334の左前アウタチューブ333に対する左伸縮軸線cに沿った相対変位により、左伸縮軸線c方向に伸縮可能である。

0054

左後テレスコピック要素332の少なくとも一部は、左前テレスコピック要素331より後方に設けられている。左後テレスコピック要素332は、左後アウタチューブ335と左後インナチューブ336とを有している。左後アウタチューブ335と左前アウタチューブ333は互いに移動不可能に連結されている。
左後インナチューブ336の下部は、左インナ連結要素337に連結されている。左後インナチューブ336の上部が、左後アウタチューブ335に挿入されている。左後アウタチューブ335の上部は、左ブラケット317に連結されている。
左後インナチューブ336は、左後アウタチューブ335に対して、車体フレーム21の上下方向に延びる左伸縮軸線cに沿って相対的に変位する。左後テレスコピック要素332は、左後インナチューブ336の左後アウタチューブ335に対する左伸縮軸線cに沿った相対変位により、左伸縮軸線c方向に伸縮可能である。

0055

左インナ連結要素337は、左前輪31の左車軸部材311を回転可能に支持している。左インナ連結要素337は、左前インナチューブ334の下部と左後インナチューブ336の下部とを連結している。

0056

左緩衝装置33は、左前テレスコピック要素331の伸縮動作および左後テレスコピック要素332の伸縮動作により、左前アウタチューブ333および左後アウタチューブ335に対する左前輪31の左伸縮軸線c方向に沿った変位を緩衝する。

0057

図3に示すように、右緩衝装置34は、いわゆるテレスコピック式の緩衝装置である。右緩衝装置34は、右前テレスコピック要素341と、右後テレスコピック要素342と、右インナ連結要素347を有している。

0058

右前テレスコピック要素341は、右前アウタチューブ343と右前インナチューブ344とを有している。右前インナチューブ344の下部は、右インナ連結要素347に連結されている。右前インナチューブ344の上部が、右前アウタチューブ343に挿入されている。右前アウタチューブ343の上部は、右ブラケット327に連結されている。右前インナチューブ344は、右前アウタチューブ343に対して、車体フレーム21の上下方向に延びる右伸縮軸線dに沿って相対的に変位する。右前テレスコピック要素341は、右前インナチューブ344の右前アウタチューブ343に対する右伸縮軸線dに沿った相対変位により、右伸縮軸線d方向に伸縮可能である。

0059

右後テレスコピック要素342の少なくとも一部は、右前テレスコピック要素341より後方に設けられている。右後テレスコピック要素342は、右後アウタチューブ345と右後インナチューブ346とを有している。右後アウタチューブ345と右前アウタチューブ343は互いに移動不可能に連結されている。
右後インナチューブ346の下部は、右インナ連結要素347に連結されている。右後インナチューブ346の上部が、右後アウタチューブ345に挿入されている。右後アウタチューブ345の上部は、右ブラケット327に連結されている。
右後インナチューブ346は、右後アウタチューブ345に対して、車体フレーム21の上下方向に延びる右伸縮軸線dに沿って相対的に変位する。右後テレスコピック要素342は、右後インナチューブ346の右後アウタチューブ345に対する右伸縮軸線dに沿った相対変位により、右伸縮軸線d方向に伸縮可能である。

0060

右インナ連結要素347は、右前輪32の右車軸部材321を回転可能に支持している。右インナ連結要素347は、右前インナチューブ344の下部と右後インナチューブ346の下部とを連結している。

0061

右緩衝装置34は、右前テレスコピック要素341の伸縮動作および右後テレスコピック要素342の伸縮動作により、右前アウタチューブ343および右後アウタチューブ345に対する右前輪32の右伸縮軸線d方向に沿った変位を緩衝する。

0062

図4に示すように、リーン車両1は、操舵力伝達機構6を含んでいる。操舵力伝達機構6は、ハンドルバー23(操舵力入力部の一例)と、上流側ステアリングシャフト60(後軸部材の一例)と、連結部材80と、下流側ステアリングシャフト68(前軸部材の一例)とを備えている。

0063

車体フレーム21は、上流側ステアリングシャフト60を回動可能に支持するヘッドパイプ211と、下流側ステアリングシャフト68を回動可能に支持するリンク支持部212を備えている。リンク支持部212は、図2に示すように、車体フレーム21の上下方向に延びる中間操舵軸線Zの方向に延びている。なお、本実施形態においては、ハンドルバー23の回動中心(中央操舵軸線)と、上流側ステアリングシャフトの回動中心(後軸線)とは一致している。

0064

ハンドルバー23には、操舵力が入力される。上流側ステアリングシャフト60は、ハンドルバー23に連結されている。上流側ステアリングシャフト60の上部は、上流側ステアリングシャフト60の下部よりも、車体フレーム21の前後方向において後方に位置している。上流側ステアリングシャフト60は、ヘッドパイプ211に回動可能に支持されている。

0065

連結部材80は、上流側ステアリングシャフト60と下流側ステアリングシャフト68とに連結されている。連結部材80は、上流側ステアリングシャフト60の回動に応じて変位する。連結部材80は、上流側ステアリングシャフト60の回動を下流側ステアリングシャフト68に伝達する。

0066

下流側ステアリングシャフト68は、リンク支持部212に回動可能に支持されている。下流側ステアリングシャフト68は、連結部材80に連結されている。下流側ステアリングシャフト68は、車体フレーム21の前後方向において、上流側ステアリングシャフト60より前方に設けられている。下流側ステアリングシャフト68は、連結部材80の変位に応じて回動する。下流側ステアリングシャフト68が回動することにより、タイロッド67を介して左前輪31および右前輪32が転舵される。

0067

操舵力伝達機構6は、乗員がハンドルバー23を操作する操舵力を、左ブラケット317と右ブラケット327に伝達する。具体的な構成については、後に詳述する。

0068

本実施形態に係るリーン車両1においては、平行四節リンクパラレログラムリンクとも呼ばれる)方式のリンク機構5を採用している。

0069

図2に示すように、リンク機構5は、左前輪31と右前輪32より上方に配置されている。リンク機構5は、上クロス部材51、下クロス部材52、左サイド部材53、および右サイド部材54を含んでいる。リンク機構5は、中間操舵軸線Zの方向に延びるリンク支持部212に回動可能に支持されている。リンク機構5は、ハンドルバー23の操作により上流側ステアリングシャフト60が回動されても、この上流側ステアリングシャフト60の回動につられては回動しない。

0070

上クロス部材51は、板状部材512を含んでいる。板状部材512は、リンク支持部212より前方に配置されている。板状部材512は、車体フレーム21の左右方向に延びている。

0071

上クロス部材51の中間部は、連結部Cによってリンク支持部212に連結されている。上クロス部材51は、連結部Cを通り車体フレーム21の前後方向に延びる中間上軸線Muを中心に、リンク支持部212に対して回動可能である。

0072

上クロス部材51の左端部は、連結部Aによって左サイド部材53に連結されている。上クロス部材51は、連結部Aを通り車体フレーム21の前後方向に延びる左上軸線を中心に、左サイド部材53に対して回動可能である。

0073

上クロス部材51の右端部は、連結部Eによって右サイド部材54に連結されている。上クロス部材51は、連結部Eを通り車体フレーム21の前後方向に延びる右上軸線を中心に、右サイド部材54に対して回動可能である。

0074

図4は、リーン車両1の前部を車体フレーム21の上方から見た平面図である。図4において、リーン車両1は直立状態にある。図4を参照する以降の説明は、リーン車両1の直立状態を前提にしている。

0075

図4に示すように、下クロス部材52は、下前クロス要素522aと下後クロス要素522bを含んでいる。下前クロス要素522aは、リンク支持部212より前方に配置されている。下後クロス要素522bは、リンク支持部212より後方に配置されている。下前クロス要素522aと下後クロス要素522bは、車体フレーム21の左右方向に延びている。下前クロス要素522aと下後クロス要素522bは、左連結ブロック523aと右連結ブロック523bにより連結されている。左連結ブロック523aは、リンク支持部212より左方に配置されている。右連結ブロック523bは、リンク支持部212より右方に配置されている。

0076

図2戻り、下クロス部材52は、上クロス部材51より下方に配置されている。下クロス部材52は、上クロス部材51と平行に延びている。下クロス部材52の中間部は、連結部Iによってリンク支持部212に連結されている。下クロス部材52は、連結部Iを通り車体フレーム21の前後方向に延びる中間下軸線Mdを中心に回動可能である。

0077

下クロス部材52の左端部は、連結部Gによって左サイド部材53に連結されている。下クロス部材52は、連結部Gを通り車体フレーム21の前後方向に延びる左下軸線を中心に回動可能である。

0078

下クロス部材52の右端部は、連結部Hによって右サイド部材54に連結されている。下クロス部材52は、連結部Hを通り車体フレーム21の前後方向に延びる右下軸線を中心に回動可能である。上クロス部材51の連結部Eから連結部Aまでの長さと、下クロス部材の連結部Hから連結部Gまでの長さは略等しい。

0079

中間上軸線Mu、右上軸線、左上軸線、中間下軸線Md、右下軸線、および左下軸線は、互いに平行に延びている。中間上軸線Mu、右上軸線、左上軸線、中間下軸線Md、右下軸線、および左下軸線は、左前輪31と右前輪32より上方に配置されている。

0080

図2図4に示すように、左サイド部材53は、リンク支持部212より左方に配置されている。左サイド部材53は、左前輪31より上方に配置されている。左サイド部材53は、リンク支持部212の中間操舵軸線Zと平行に延びている。左サイド部材53の上部は、その下部より後方に配置されている。

0081

左サイド部材53の下部は、左ブラケット317に接続されている。左ブラケット317は、左サイド部材53に対して、左操舵軸線Xを中心に回動可能である。左操舵軸線Xは、リンク支持部212の中間操舵軸線Zと平行に延びている。

0082

図2図4に示すように、右サイド部材54は、リンク支持部212より右方に配置されている。右サイド部材54は、右前輪32より上方に配置されている。右サイド部材54は、リンク支持部212の中間操舵軸線Zと平行に延びている。右サイド部材54の上部は、その下部より後方に配置されている。

0083

右サイド部材54の下部は、右ブラケット327に接続されている。右ブラケット327は、右サイド部材54に対して、右操舵軸線Yを中心に回動可能である。右操舵軸線Yは、リンク支持部212の中間操舵軸線Zと平行に延びている。

0084

以上説明したように、上クロス部材51、下クロス部材52、左サイド部材53、および右サイド部材54は、上クロス部材51と下クロス部材52が相互に平行な姿勢を保ち、左サイド部材53と右サイド部材54が相互に平行な姿勢を保つように、リンク支持部212に支持されている。

0085

図2図4に示すように、操舵力伝達機構6は、中間伝達プレート61、左伝達プレート62、右伝達プレート63、中間ジョイント64、左ジョイント65、右ジョイント66、およびタイロッド67を含んでいる。

0086

中間伝達プレート61は、下流側ステアリングシャフト68の下部に接続されている。中間伝達プレート61は、下流側ステアリングシャフト68に対して相対回動不能である。中間伝達プレート61は、リンク支持部212に対して、中間操舵軸線Z回りに回動可能である。

0087

左伝達プレート62は、中間伝達プレート61より左方に配置されている。左伝達プレート62は、左ブラケット317に接続されている。左伝達プレート62は、左ブラケット317に対して相対回動不能である。左伝達プレート62は、左サイド部材53に対して、左操舵軸線Xを中心に回動可能である。

0088

右伝達プレート63は、中間伝達プレート61より右方に配置されている。右伝達プレート63は、右ブラケット327に接続されている。右伝達プレート63は、右ブラケット327に対して相対回動不能である。右伝達プレート63は、右サイド部材54に対して、右操舵軸線Yを中心に回動可能である。

0089

図4に示すように、中間ジョイント64は、車体フレーム21の上下方向に延びる軸部を介して中間伝達プレート61の前部に連結されている。中間伝達プレート61と中間ジョイント64は、当該軸部を中心として相対回動可能とされている。

0090

左ジョイント65は、中間ジョイント64の左方に配置されている。左ジョイント65は、車体フレーム21の上下方向に延びる軸部を介して左伝達プレート62の前部に連結されている。左伝達プレート62と左ジョイント65は、当該軸部を中心として相対回動可能とされている。

0091

右ジョイント66は、中間ジョイント64の右方に配置されている。右ジョイント66は、車体フレーム21の上下方向に延びる軸部を介して右伝達プレート63の前部に連結されている。右伝達プレート63と右ジョイント66は、当該軸部を中心として相対回動可能とされている。

0092

中間ジョイント64の前部には、車体フレーム21の前後方向に延びる軸部が設けられている。左ジョイント65の前部には、車体フレーム21の前後方向に延びる軸部が設けられている。右ジョイント66の前部には、車体フレーム21の前後方向に延びる軸部が設けられている。

0093

タイロッド67は、車体フレーム21の左右方向に延びている。タイロッド67は、これらの軸部を介して、中間ジョイント64、左ジョイント65、および右ジョイント66に連結されている。タイロッド67と中間ジョイント64は、中間ジョイント64の前部に設けられた軸部を中心として相対回動可能とされている。タイロッド67と左ジョイント65は、左ジョイント65の前部に設けられた軸部を中心として相対回動可能とされている。タイロッド67と右ジョイント66は、右ジョイント66の前部に設けられた軸部を中心として相対回動可能とされている。

0094

次に図4図5を参照しつつ、リーン車両1の操舵動作について説明する。図5は、左前輪31と右前輪32を左転舵させた状態におけるリーン車両1の前部を、車体フレーム21の上方から見た平面図である。

0095

乗員がハンドルバー23を操作すると、上流側ステアリングシャフト60が回動する。上流側ステアリングシャフト60の回動は、連結部材80を介して下流側ステアリングシャフト68に伝達される。下流側ステアリングシャフト68は、前操舵軸線bを中心にリンク支持部212に対して回動する。図5に示す左転舵の場合、ハンドルバー23の操作に伴って、中間伝達プレート61は、リンク支持部212に対して、前操舵軸線bを中心に矢印Tの方向へ回動する。

0096

中間伝達プレート61の矢印Tの方向への回動に伴って、タイロッド67の中間ジョイント64は、中間伝達プレート61に対して、矢印S方向に回動する。これにより、タイロッド67は、その姿勢を維持したまま左後方へ移動する。

0097

タイロッド67の左後方への移動に伴って、タイロッド67の左ジョイント65と右ジョイント66は、それぞれ左伝達プレート62と右伝達プレート63に対して矢印S方向に回動する。これにより、タイロッド67はその姿勢を維持したまま、左伝達プレート62と右伝達プレート63が、矢印Tの方向に回動する。

0098

左伝達プレート62が矢印Tの方向に回動すると、左伝達プレート62に対して相対回動不能である左ブラケット317が、左サイド部材53に対して、左操舵軸線Xを中心に、矢印Tの方向に回動する。

0099

右伝達プレート63が矢印Tの方向に回動すると、右伝達プレート63に対して相対回動不能である右ブラケット327が、右サイド部材54に対して、右操舵軸線Yを中心に、矢印Tの方向に回動する。

0100

左ブラケット317が矢印Tの方向に回動すると、左前アウタチューブ333および左後アウタチューブ335を介して左ブラケット317に接続されている左緩衝装置33が、左サイド部材53に対して、左操舵軸線Xを中心に、矢印Tの方向に回動する。左緩衝装置33が矢印Tの方向に回動すると、左緩衝装置33に支持されている左前輪31が、左サイド部材53に対して、左操舵軸線Xを中心に、矢印Tの方向に回動する。

0101

右ブラケット327が矢印Tの方向に回動すると、右前アウタチューブ343および右後アウタチューブ345を介して右ブラケット327に接続されている右緩衝装置34が、右サイド部材54に対して、右操舵軸線Yを中心に、矢印Tの方向に回動する。右緩衝装置34が矢印Tの方向に回動すると、右緩衝装置34に支持されている右前輪32が、右サイド部材54に対して、右操舵軸線Yを中心に、矢印Tの方向に回動する。

0102

右転舵するように乗員がハンドルバー23を操作すると、上述した各要素は、矢印Sの方向に回動する。各要素の動きは左右が逆になるのみであるため、詳細な説明は省略する。

0103

以上説明したように、操舵力伝達機構6は、乗員によるハンドルバー23の操作に応じて、操舵力を左前輪31と右前輪32に伝達する。左前輪31と右前輪32は、それぞれ左操舵軸線Xと右操舵軸線Yを中心に、乗員によるハンドルバー23の操作方向に応じた方向に回動する。

0104

次に図2図6を参照しつつ、リーン車両1の傾斜動作について説明する。図6は、車体フレーム21がリーン車両1の左方に傾斜した状態におけるリーン車両1の前部を、車体フレーム21の前方から見た正面図である。図6においては、破線で示すフロントカバー221を透視した状態を示している。

0105

図2に示すように、リーン車両1の直立状態においては、車体フレーム21の前方からリーン車両1を見ると、リンク機構5は長方形状をなしている。図6に示すように、リーン車両1が左方にリーンした状態においては、車体フレーム21の前方からリーン車両1を見ると、リンク機構5は平行四辺形状をなしている。
リンク機構5の変形と車体フレーム21のリーン車両1の左右方向への傾斜は連動する。リンク機構5の作動とは、リンク機構5を構成する上クロス部材51、下クロス部材52、左サイド部材53、および右サイド部材54が、それぞれの連結部A,C,E,G,H,Iを通る回動軸線を中心に相対回動し、リンク機構5の形状が変化することを意味している。

0106

例えば図6に示すように、乗員がリーン車両1を左方に傾斜させると、リンク支持部212が鉛直方向に対して左方に傾斜する。リンク支持部212が傾斜すると、上クロス部材51は、連結部Cを通る中間上軸線Muを中心に、リンク支持部212に対して、リーン車両1の前方から見て反時計回りに回動する。同様に、下クロス部材52は、連結部Iを通る中間下軸線Mdを中心に、リンク支持部212に対して、リーン車両1の前方から見て反時計回りに回動する。これにより、上クロス部材51は、下クロス部材52に対して左方に移動する。

0107

上クロス部材51の左方への移動に伴い、上クロス部材51は、連結部Aを通る左上軸線と連結部Eを通る右上軸線を中心に、それぞれ左サイド部材53と右サイド部材54に対して、リーン車両1の前方から見て反時計回りに回動する。同様に、下クロス部材52は、連結部Gを通る左下軸線と連結部Hを通る右下軸線を中心に、それぞれ左サイド部材53と右サイド部材54に対して、リーン車両1の前方から見て反時計回りに回動する。これにより、左サイド部材53と右サイド部材54は、リンク支持部212と平行な姿勢を保ったまま、鉛直方向に対して左方に傾斜する。

0108

このとき下クロス部材52は、タイロッド67に対して左方に移動する。下クロス部材52の左方への移動に伴い、中間ジョイント64、左ジョイント65、および右ジョイント66の各前部に設けられた軸部がタイロッド67に対して回動する。これにより、タイロッド67は、上クロス部材51および下クロス部材52と平行な姿勢を保つ。

0109

左サイド部材53の左方への傾斜に伴い、左サイド部材53に接続されている左ブラケット317が左方に傾斜する。左ブラケット317の左方への傾斜に伴い、左ブラケット317に接続されている左緩衝装置33が左方に傾斜する。左緩衝装置33の左方への傾斜に伴い、左緩衝装置33に支持されている左前輪31が、リンク支持部212と平行な姿勢を保ったまま左方に傾斜する。

0110

右サイド部材54の左方への傾斜に伴い、右サイド部材54に接続されている右ブラケット327が左方に傾斜する。右ブラケット327の左方への傾斜に伴い、右ブラケット327に接続されている右緩衝装置34が左方に傾斜する。右緩衝装置34の左方への傾斜に伴い、右緩衝装置34に支持されている右前輪32が、リンク支持部212と平行な姿勢を保ったまま左方に傾斜する。

0111

上記の左前輪31と右前輪32の傾斜動作に係る説明は、鉛直方向を基準としている。しかしながら、リーン車両1の傾斜動作時(リンク機構5の作動時)においては、車体フレーム21の上下方向と鉛直上下方向は一致しない。車体フレーム21の上下方向を基準とした場合、リンク機構5の作動時において、左前輪31と右前輪32は、車体フレーム21に対する相対位置が変化している。換言すると、リンク機構5は、左前輪31と右前輪32の車体フレーム21に対する相対位置を、車体フレーム21の上下方向に変更することにより、車体フレーム21を鉛直方向に対して傾斜させる。

0112

乗員がリーン車両1を右方に傾斜させると、各要素は右方に傾斜する。各要素の動きは左右が逆になるのみであるため、詳細な説明は省略する。

0113

図7は、リーン車両1を傾斜させ、かつ転舵させた状態における車両前部の正面図である。リーン車両1が左方に傾斜した状態で左方に転舵した状態を示している。操舵動作により左前輪31と右前輪32が左方に回動され、傾斜動作により左前輪31と右前輪32が車体フレーム21とともに左方に傾斜している。すなわち、この状態においては、リンク機構5は平行四辺形状を呈しており、タイロッド67は、車体フレーム21の直立状態における位置から左後方に移動している。

0114

上述したように、本実施形態のリーン車両1は、
右旋回時にリーン車両1の右方に傾斜し、左旋回時にリーン車両1の左方へ傾斜可能な車体フレーム21と、
車体フレーム21の上下方向に延びる右操舵軸線回りに回動可能な右前輪32と、
右前輪32より車体フレーム21の左右方向における左方に設けられ、右操舵軸線と平行な左操舵軸線回りに回動可能な左前輪31と、
下部に右前輪32を支持し、上部に対する右前輪32の車体フレーム21の上下方向における変位を緩衝する右緩衝装置34と、
下部に左前輪31を支持し、上部に対する左前輪31の車体フレーム21の上下方向における変位を緩衝する左緩衝装置33と、
車体フレーム21の上下方向において右前輪32と左前輪31を相対変位可能に支持するリンク機構5と、を有する。

0115

リンク機構5は、
右緩衝装置34の上部を右操舵軸線回りに回動可能に支持する右サイド部材54と、
左緩衝装置33の上部を左操舵軸線回りに回動可能に支持する左サイド部材53と、
右サイド部材54の上部を右端部に車体フレーム21の前後方向に延びる右上軸線回りに回動可能に支持し、左サイド部材53の上部を左端部に右上軸線に平行な左上軸線回りに回動可能に支持し、中間部が車体フレーム21に右上軸線および左上軸線に平行な中間上軸線Mu回りに回動可能に支持される上クロス部材51と、
右サイド部材54の下部を右端部に右上軸線に平行な右下軸線回りに回動可能に支持し、左サイド部材53の下部を左端部に左上軸線に平行な左下軸線回りに回動可能に支持し、中間部が車体フレーム21に中間上軸線Muと平行な中間下軸線Md回りに回動可能に支持される下クロス部材52と、を有する。

0116

<前輪3の周囲の構造>
次に、リーン車両1の前輪3の周囲の構造を、図2を参照して詳細に説明する。

0117

リーン車両1の直立状態において、車体フレーム21の上下方向について、下クロス部材52の下端は右前輪32の上端および左前輪31の上端より上方に位置している。

0118

右前輪32は右操舵軸線Y回りに回動可能である。左前輪31は左操舵軸線X回りに回動可能である。右前輪32および左前輪31は、リンク機構5の動作に伴い、車体フレーム21の上下方向に変位する。右前輪32は、車体フレーム21の上下方向の最も上方に位置するときでも、右操舵軸線Y回りに回動可能である。右前輪32は、車体フレーム21の上下方向の最も下方に位置するときでも、右操舵軸線Y回りに回動可能である。左前輪31は、車体フレーム21の上下方向の最も上方に位置するときでも、左操舵軸線X回りに回動可能である。左前輪31は、車体フレーム21の上下方向の最も下方に位置するときでも、左操舵軸線X回りに回動可能である。

0119

このような右前輪32および左前輪31の変位を可能とするために、リーン車両1の左右方向について、右前輪32と左前輪31は操舵許容空間SSを隔てて設けられている。操舵許容空間SSとは、リンク機構5の下クロス部材52の下方でかつ右前輪32と左前輪31との間に設けられた空間である。図1図2に示すように、この操舵許容空間SSはなるべく部材を設けないように設計されている空間である。このため、右前輪32および左前輪31は、他の部材と干渉することなく変位可能とされている。この操舵許容空間SSになんらかの部材を配置してしまうと、該部材と右前輪32や左前輪31との干渉を避けるために、操舵許容空間SSが大型化してしまう。このため、操舵許容空間SSは、なるべく部材をそこに配置したくない空間である。

0120

車体フレーム21の左右方向について、右緩衝装置34は右前輪32に対して操舵許容空間SSと反対側に設けられている。車体フレーム21の左右方向について、右緩衝装置34は右前輪32よりも右方に設けられている。右緩衝装置34の下部は、右車軸部材321の右部を支持している。右前輪32は右車軸部材321の左部に支持されている。

0121

車体フレーム21の左右方向について、左緩衝装置33は左前輪31に対して操舵許容空間SSと反対側に設けられている。車体フレーム21の左右方向について、左緩衝装置33は左前輪31よりも右方に設けられている。左緩衝装置33の下部は、左車軸部材311の左部を支持している。左前輪31は左車軸部材311の右部に支持されている。

0122

右緩衝装置34の下部には、右フェンダ90Rが設けられている。右フェンダ90Rは、右緩衝装置34の動作に応じて右前輪32とともに変位する。右フェンダ90Rは、右緩衝装置34の右前インナチューブ344、右インナ連結要素347、右後インナチューブ346または右緩衝装置34の動作時にこれらとともに変位する部材に固定されている。右フェンダ90Rは、右緩衝装置34に直接固定されていてもよいし、ステーを介して固定されていてもよい。
左緩衝装置33の下部には、左フェンダ90Lが設けられている。左フェンダ90Lは、左緩衝装置33の動作に応じて左前輪31とともに変位する。左フェンダ90Lは、左緩衝装置33の左前インナチューブ334、左インナ連結要素337、左後インナチューブ336または左緩衝装置33の動作時にこれらとともに変位する部材に固定されている。左フェンダ90Lは、左緩衝装置33に直接固定されていてもよいし、ステーを介して固定されていてもよい。

0123

<左フェンダ90L>
次に、図8および図9を用いて左フェンダ90Lについて説明する。
図8は、左前輪31および左フェンダ90Lを示す図である。図8は左車軸線WL方向の右方からみた左前輪31および左フェンダ90Lの側面図である。図9図8におけるIX−IX線断面矢視図である。

0124

図8に示すように、左フェンダ90Lは、左車軸線WL方向の右方から見た時に、その外縁91Lは、左前輪31の外縁315より径方向の外方に位置している。
図9に示すように、左フェンダ90Lは、左右壁部92L(left-right wall portion)(左ガイド壁部の一例)と、左上壁部97L(left-upper wall portion)と、左左壁部98L(left-left wall portion)とを一体に有している。
左上壁部97Lは、左前輪31の上方に位置している。左上壁部97Lは左右方向および左前輪31のタイヤ面に沿って延びている。
左右壁部92Lは、左前輪31の右方に位置している。左右壁部92Lは上下方向および前後方向に延びている。左右壁部92Lの上部は左上壁部97Lの右部に接続されている。
左左壁部98Lは、左前輪31の左方に位置している。左左壁部98Lは上下方向および前後方向に延びている。左左壁部98Lの上部は左上壁部97Lの左部に接続されている。
左上壁部97L、左右壁部92L、左左壁部98Lは樹脂一体成形などで形成されている。左上壁部97L、左右壁部92L、左左壁部98Lは互いに滑らかに接続されるように構成されていてもよい。
本実施形態においては、左上壁部97Lの外面が、左車軸線WL方向の右方から見た時の左フェンダ90Lの外縁91Lを構成している。

0125

図8に示すように、左車軸線WL方向の右方から見て、左車軸線WLと交差して鉛直方向に延びる直線Lvと、左車軸線WLと交差して水平方向に延びる直線Lhとを定義する。直線Lvと直線Lhによって左前輪31を仮想的に4つの領域である上前領域UF、上後領域UR、下前領域DF、下後領域DRに均等に区分けする。上前領域UFとは、直線Lhより上方かつ直線Lvより前方の領域である。上後領域URとは、直線Lhより上方かつ直線Lvより後方の領域である。下前領域DFとは、直線Lhより下方かつ直線Lvより前方の領域である。下後領域DRとは、直線Lhより下方かつ直線Lvより後方の領域である。

0126

このように区分けしたとき、左フェンダ90Lの左右壁部92Lは少なくとも、左前輪31の上後領域URに、外縁91Lから左前輪31の右方において左車軸線WLに向かって内方に延びている。

0127

<右フェンダ90R>
右フェンダ90Rは左フェンダ90Lと左右対称の構成を有するので詳しい説明は省略するが、以下の構成を有している。

0128

右フェンダ90Rは、右車軸線WR方向の左方から見た時に、その外縁91Rは、右前輪32の外縁325より径方向の外方に位置している。

0129

右フェンダ90Rは、右左壁部92R(right-left wall portion)(右ガイド壁部の一例)を有している。右車軸線WR方向の左方から見て、右車軸線WRと交差して鉛直方向に延びる直線Lvと、右車軸線WRと交差して水平方向に延びる直線Lhとを定義する。直線Lvと直線Lhとによって右前輪32を仮想的に4つの領域である上前領域UF、上後領域UR、下前領域DF、下後領域DRに均等に区分けする。この区分けにおいて、右フェンダ90Rの右左壁部92Rは、右前輪32の上後領域URに、外縁91Rから右前輪32の左方において右車軸線WRに向かって内方に延びている。

0130

上記構造のリーン車両1は、左右方向について、右前輪32と左前輪31とが、操舵許容空間SSを隔てて設けられている。このような操舵許容空間SSを有するリーン車両1において、本発明者は、操舵許容空間SSから前方へ飛散する水を抑制するために、操舵許容空間SSへ進入する水の量を低減することを考えた。

0131

右前輪32の左方に、右車軸線WR方向から見て右前輪32の全面を覆うカバーを設け、左前輪31の右方に、左車軸線WL方向から見て左前輪31の全面を覆うカバーを設ければ、右前輪32と左前輪31から操舵許容空間SSへ進入する水を遮断できる。しかしこれではデザインの制約が大きいし、転舵する右前輪32と左前輪31に応じてカバーも大きく動くので、操舵許容空間SSが大型化し、リーン車両1が左右方向に大型化してしまう。

0132

そこで本発明者は、前輪3がまき上げる水の飛ぶ様子をつぶさに観察した。路面の水はまずタイヤの接地面に付着する。このタイヤの接地面に付着した水は、タイヤの回転に伴い慣性力が付与される。この慣性力の影響により、接地面に付着した水は、早ければタイヤが1/4回転した時点で接地面から離脱し、タイヤが1/2回転する時点ではほぼ接地面から離脱しなくなることがわかった。

0133

車軸線方向から見ると、接地点から離脱する水は、およそ接地面の接線方向に向けて飛んでいく。つまり、タイヤが1/4回転した時点で離脱する水は上方に飛んでいき、1/4回転から進んだ時点で離脱した水は1/4回転した時点で飛んだ水よりも前方に飛んでいく。なお、前輪3の進行方向から見ると、この接地面から離脱した水は前輪3の回転仮想平面に含まれる方向を主とするが、リーン車両1の右方または左方にも飛んでいく。そして、右前輪32から左方に飛散した水と左前輪31から右方に飛散した水とが操舵許容空間SSでぶつかりあうことで、飛散した水が微粒化するため直ぐには地面に落下しなくなる。

0134

本実施形態とは異なり二輪車においては、前輪の回転仮想平面に含まれる方向を主とする方向への水の飛散を抑えるために、フェンダを設けることが知られている。このようなフェンダを本実施形態のリーン車両1に適用すると、フェンダによって受け止められた水は、フェンダの内面を伝って外縁部から下方に向けて落ちる。下方に向けて落ちた水が回転している前輪3にぶつかると、微粒化して操舵許容空間SSに浮遊することになる。

0135

そこで本発明者は、車軸線方向から見て前輪3を上下前後に仮想的に四等分したときの上後領域URに右左壁部92Rおよび左右壁部92Lを設けるという着想を得た。

0136

本発明に係るリーン車両1によれば、右前輪32でまきあげられた水は右左壁部92Rにぶつかり、右左壁部92Rに付着する。右左壁部92Rに付着した水はそのまま右左壁部92Rを伝って下方に落ちるので、操舵許容空間SSに進入することがない。左前輪31でまきあげられた水も同様にして左右壁部92Lを伝って下方に落ちるので、操舵許容空間SSに進入することがない。

0137

同様に、左前輪31でまきあげられた水は左右壁部92Lにぶつかり、左右壁部92Lに付着する。左右壁部92Lに付着した水はそのまま左右壁部92Lを伝って下方に落ちるので、操舵許容空間SSに進入することがない。左前輪31でまきあげられた水も同様にして左右壁部92Lを伝って下方に落ちるので、操舵許容空間SSに進入することがない。

0138

このようにして操舵許容空間SSに進入する水の量を抑制することができる。このため、操舵許容空間SSで水が微粒化しにくく、操舵許容空間SSからリーン車両1の前方を通ってリーン車両1の前部の上部に水が付着することが抑制される。これにより、リーン車両1の前部や上部に大きなカバーを設ける必要がなく、リーン車両1の大型化が抑制される。

0139

なお、ダブルウィッシュボーンDWB)式のリンク機構を備えた車両においては、上述したパラレログラム式のリンク機構を備えた車両に比べて、右前輪と左前輪の間隔が広くなりやすい。そのため、操舵許容空間SSに向かって水が進入してもその中央付近で互いにぶつかりあうことが少ない。或いは、ぶつかりあうことがあったとしても、速度が弱まってからの衝突となり、微粒化することがないので、中央付近から水が地面に落下する。このため、上述した問題は生じにくい。

0140

さらに、ダブルウィッシュボーン(DWB)式のリンク機構を備えた車両においては、右前輪の左方および左前輪の右方にリンク機構が位置することが多い。すなわち、右前輪や左前輪が跳ねあげた水はリンク機構に付着して微粒化することが少ない。このように、さらにダブルウィッシュボーン(DWB)式のリンク機構を備えた車両においては、上述した問題は生じにくい。

0141

ダブルウィッシュボーン(DWB)式のリンク機構を備えた車両のように、右前輪と左前輪との間に緩衝装置が設けられた車両においては、右前輪と左前輪からまき上げられた水は緩衝装置に付着し、車両の前方を回り込んで車両前部の上部に飛びにくい。

0142

本実施形態のリーン車両1において、図9に示すように、
左フェンダ90Lの左右壁部92Lは、その下縁93Lの少なくとも一部が、左前輪31の一部であって左車軸線WL方向における最も右方の縁よりも左車軸線WL方向の右方に位置している。
右フェンダ90Rの右左壁部92Rは、その下縁93Rの少なくとも一部が、右前輪32の一部であって右車軸線WR方向における最も左方の縁よりも右車軸線WR方向の左方に位置している。

0143

本実施形態のリーン車両1によれば、左右壁部92Lに付着した水が左右壁部92Lの下縁93Lから下方に落下しても、再度前輪3に掛かることがない。
同様に、右左壁部92Rに付着した水が右左壁部92Rの下縁93Rから下方に落下しても、再度前輪3に掛かることがない。これにより、水を地面に落としやすい。

0144

本実施形態のリーン車両1において、図8に示すように、
左フェンダ90Lは、左前輪31の上前領域UFに、左右壁部92Lに対してつながるとともに、左車軸線WLに向かって内方に延びる寸法が左右壁部92Lの内方に延びる寸法に近づくように徐々に大きくなる左徐変壁部94Lを有している。
右フェンダ90Rは、右前輪32の上前領域UFに、右左壁部92Rに対してつながるとともに、右車軸線WRに向かって内方に延びる寸法が右左壁部92Rの内方に延びる寸法に近づくように徐々に大きくなる右徐変壁部94Rを有している。

0145

本実施形態のリーン車両1によれば、左徐変壁部94Lが左右壁部92Lの剛性向上に寄与して左右壁部92Lの変形を抑えることができる。同様に、右徐変壁部94Rが右左壁部92Rの剛性向上に寄与して右左壁部92Rの変形を抑えることができる。これにより、水を地面に落としやすい。

0146

本実施形態のリーン車両1において、図8および図9に示すように、
左フェンダ90Lの左右壁部92Lには、その右面92Laに、付着した水を下方に案内する左ガイド溝96Lが設けられている。左ガイド溝96Lは、鉛直方向に沿って複数形成されている。
右フェンダ90Rの右左壁部92Rには、その左面92Raに、付着した水を下方に案内する右ガイド溝96Rが設けられている。右ガイド溝96Rは、鉛直方向に沿って複数形成されている。

0147

左右壁部92Lの右面92Laに付着した水は、左前輪31によって跳ねあげられて上方および前方に向かう慣性力を有している。また、左右壁部92Lの右面92Laに付着した水は走行風に晒されて後方に向かう力も加わる。このように、左右壁部92Lの右面92Laに付着した水には、リーン車両1の走行する状況に応じて様々な向きや大きさの力が作用する。
しかしながら、本実施形態のリーン車両1によれば、車両の走行状態によらずに常に、左ガイド溝96Lや右ガイド溝96Rによって水を下方に向かって案内することができる。このため、あらゆる状況において、水を地面に落とすことができる。

0148

本実施形態のリーン車両1において、図8に示すように、
左フェンダ90Lの左右壁部92Lは、左車軸線WL方向の右方から見て、左前輪31の外縁315から左前輪31のショルダ部316より内方に延びている。
右フェンダ90Rの右左壁部92Rは、右車軸線WR方向の左方から見て、右前輪32の外縁325から右前輪32のショルダ部326より内方に延びている。

0149

本実施形態のリーン車両1によれば、左右壁部92Lが十分に長いので、下方に落下する水を左前輪31に付着させることなく地面に落としやすい。同様に、右左壁部92Rが十分に長いので、下方に落下する水を右前輪32に付着させることなく地面に落としやすい。

0150

なお、本実施形態において図8に示すように左車軸線方向の右方から見て、左ガイド壁部は、上前領域UF、下前領域DF、下後領域DRのいずれの領域においても、左前輪のショルダ部より内方には延びていない。同様に、右車軸線方向の右方から見て、右ガイド壁部は、上前領域UF、下前領域DF、下後領域DRのいずれの領域においても、右前輪のショルダ部より内方には延びていない。

0151

このように、右フェンダ90Rの一部分にのみ右左壁部92Rを設ければ操舵許容空間SSへの水の進入を抑制することができ、右フェンダ90Rの大型化を抑制できる。同様に、左フェンダ90Lの大型化も抑制できる。これにより、リーン車両1の大型化も抑制できる。

0152

上記の実施形態においては、リーン車両1は、1つの後輪4を備えている。しかしながら、後輪の数は、複数でもよい。

0153

上記の実施形態においては、後輪4の車体フレーム21の左右方向における中央は、車体フレーム21の左右方向における左前輪31と右前輪32の間隔の中央と一致している。このような構成が好ましいものの、後輪4の車体フレーム21の左右方向における中央は、車体フレーム21の左右方向における左前輪31と右前輪32の間隔の中央と一致していなくてもよい。

0154

上記の実施形態においては、リンク機構5は、上クロス部材51と下クロス部材52を備えている。しかしながら、リンク機構5は、上クロス部材51と下クロス部材52以外のクロス部材を備えていてもよい。「上クロス部材」と「下クロス部材」は、相対的な上下関係に基づいて命名しているに過ぎない。上クロス部材は、リンク機構5における最上位のクロス部材を意味していない。上クロス部材は、それより下方の別のクロス部材より上方にあるクロス部材を意味する。下クロス部材は、リンク機構5における最下位のクロス部材を意味していない。下クロス部材は、それより上方の別のクロス部材より下方にあるクロス部材を意味する。上クロス部材51と下クロス部材52の少なくとも一方は、右クロス部材と左クロス部材の2つの部品で構成されていてもよい。このように、上クロス部材51と下クロス部材52は、リンク機能を有する範囲で、複数のクロス部材で構成してもよい。

0155

本明細書で用いられている「平行」という語は、±40°の範囲で傾斜するが、部材としては交わらない2つの直線も含む意味である。本明細書において方向や部材に関して用いられている「沿う」という語は、±40°の範囲で傾斜する場合も含む意味である。本明細書で用いられている「方向に延びる」という語は、当該方向に対して±40°の範囲で傾斜する場合も含む意味である。

0156

ここに用いられた用語および表現は、説明のために用いられたものであって、限定的に解釈するために用いられたものではない。本発明は、ここに示されかつ述べられた特徴事項の如何なる均等物をも排除するものではなく、本発明のクレームされた範囲内における各種変形例をも許容するものであると認識されなければならない。本発明は、多くの異なった形態で具現化され得るものである。

0157

この開示は本発明の原理の実施形態を提供するものとみなされるべきである。それらの実施形態は、本発明をここに記載しかつ/または図示した好ましい実施形態に限定することを意図するものではないという了解のもとで、記載されている。本発明は、ここに記載した実施形態に限定されるものではない。本発明は、この開示に基づいて当業者によって認識され得る、均等な要素、修正、削除、組み合わせ、改良および/または変更を含むあらゆる実施形態をも包含する。クレームの限定事項はそのクレームで用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書あるいは本願のプロセキューション中に記載された実施形態に限定されるべきではない。

0158

1リーン車両
5リンク機構
21車体フレーム
31左前輪
32右前輪
33 左緩衝装置
34 右緩衝装置
51 上クロス部材
52 下クロス部材
53左サイド部材
54右サイド部材
90L 左フェンダ
90R 右フェンダ
91L 左フェンダの外縁
91R 右フェンダの外縁
92L左右壁部(左ガイド壁部)
92R右左壁部(右ガイド壁部)
92La 左右壁部の右面
92Ra 右左壁部の左面
93L 左右壁部の下縁
93R 右左壁部の下縁
94L 左徐変壁部
94R 右徐変壁部
96L 左ガイド溝
96R 右ガイド溝
97L 左上壁部
97R 右上壁部
98L 左左壁部
98R 右右壁
311 左車軸部材
321右車軸部材
315 左前輪の外縁
325 右前輪の外縁
316 左前輪のショルダ部
326 右前輪のショルダ部
c 左伸縮軸線
d 右伸縮軸線
Lv 鉛直方向に延びる直線
Lh 水平方向に延びる直線
Mu 中間上軸線
SS操舵許容空間
UF上前領域
UR 上後領域
DF下前領域
DR 下後領域
WL 左車軸線
WR 右車軸線
X左操舵軸線
Y右操舵軸線

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 本田技研工業株式会社の「 鞍乗り型車両」が 公開されました。( 2019/06/24)

    【課題・解決手段】本発明は、より強固に荷物を保持可能な荷掛けフックを備える鞍乗り型車両を提供する。ヘッドパイプ(21)が後方からフロントインナーカバー(53)で覆われ、フロントインナーカバー(53)に... 詳細

  • 本田技研工業株式会社の「 鞍乗り型車両の連動ブレーキ構造」が 公開されました。( 2019/06/24)

    【課題・解決手段】連動ブレーキケーブルにおける湾曲部の撓みの自由度を確保しながら湾曲部の過度の変位が抑えられる鞍乗り型車両の連動ブレーキ構造を提供する。湾曲部112aは、その後端の湾曲部頂部112cか... 詳細

  • 本田技研工業株式会社の「 鞍乗り型車両の連動ブレーキ支持構造」が 公開されました。( 2019/06/24)

    【課題・解決手段】コストアップを抑えるとともに連動ブレーキケーブルを保護しながら配索することが可能な鞍乗り型車両の連動ブレーキ支持構造を提供する。メインフレーム22には、支持ステー143を介してバンク... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ