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技術 体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置。

出願人 株式会社エーゼット
発明者 菅野太郎中村圭祐庭野吉己佐々木啓一
出願日 2017年10月25日 (1年11ヶ月経過) 出願番号 2017-206523
公開日 2019年5月23日 (4ヶ月経過) 公開番号 2019-076490
状態 未査定
技術分野 補綴
主要キーワード ジェル状物質 出しっぱなし 照射路 可視光線レーザー 部材表 込金属 材料表 切削ドリル
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

インプラントを埋込後の人体においても無害過酸化水素をインプラント埋込部分に供給するとともにここに散乱および集光によるUV照射を行い、体内骨埋込金属材料表面において、ヒドロキシルラジカルを発生させて効率的にインプラント部材表面を処理し、骨芽細胞定着及び増殖を良好にする体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置を提供する。

解決手段

体内骨埋込金属材料に対する骨芽細胞の定着並びに増殖を良好にする処理装置であって、過酸化水素水吐出する過酸化水素水吐出口と、過酸化水素水吐出口から供給される過酸化水素水に紫外線近紫外線青色可視光線のいずれか一以上(以下「紫外線等」という。)を照射する紫外線等照射口と、を備えた体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置。

概要

背景

従来、体内骨埋込金属材料としては、例えば、歯科治療に用いるインプラントが挙げられる。インプラントに限らず、体内に埋め込まれて骨に接する部材は、その部材表面に骨が定着して初めて体と一体的となることで治療が完成する。しかし、体内に埋め込まれた部材に骨が定着するまでには一定の期間が必要であり、これを短くすることが求められていた。

例えば歯科用インプラントにおいては、インプラントの骨埋込部分に予め処理を行うことで骨芽細胞の増殖を促すことができる技術が公開されている(特許文献1)。

これは、UVをインプラントの骨埋没部分に予め照射して表面を正電荷を帯びるように処理してからインプラントを埋め込むものである(特許文献2)。

概要

インプラントを埋込後の人体においても無害過酸化水素をインプラント埋込部分に供給するとともにここに散乱および集光によるUV照射を行い、体内骨埋込金属材料表面において、ヒドロキシルラジカルを発生させて効率的にインプラント部材表面を処理し、骨芽細胞定着及び増殖を良好にする体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置を提供する。体内骨埋込金属材料に対する骨芽細胞の定着並びに増殖を良好にする処理装置であって、過酸化水素水吐出する過酸化水素水吐出口と、過酸化水素水吐出口から供給される過酸化水素水に紫外線近紫外線青色可視光線のいずれか一以上(以下「紫外線等」という。)を照射する紫外線等照射口と、を備えた体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置。

目的

本発明においては、インプラントを埋込後の人体においても無害な過酸化水素をインプラント埋込部分に供給するとともにここに散乱および集光によるUV照射を行い、体内骨埋込金属材料表面において、ヒドロキシルラジカルを発生させて効率的にインプラント部材表面を処理し、骨芽細胞定着及び増殖を良好にする体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

体内骨埋込金属材料に対する骨芽細胞定着並びに増殖を良好にする処理装置であって、過酸化水素水吐出する過酸化水素水吐出口と、過酸化水素水吐出口から供給される過酸化水素水に紫外線近紫外線青色可視光線のいずれか一以上(以下「紫外線等」という。)を照射する紫外線等照射口と、を備えた体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置

請求項2

過酸化水素水吐出口と、紫外線等照射口とは、埋め込まれた体内埋込金属材料と骨との間に生じる隙間に挿入できるチップ形状である請求項1に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置。

請求項3

紫外線等照射口は、紫外線等を光散乱させるよう構成される請求項1又は請求項2に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置。

請求項4

紫外線等照射口は、紫外線等を集光させるよう構成される請求項1から請求項3のいずれか一に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置。

請求項5

吐出される過酸化水素水の吐出速度は、100CC/分以下である請求項1から請求項4のいずれか一に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置。

請求項6

前記照射される紫外線又は近紫外線の光量は、0.1ミリワット以上である請求項1から請求項5のいずれか一に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置。

請求項7

前記過酸化水素の濃度が1w/v%以上7w/v%以下で、過酸化水素安定剤の濃度が当水溶液中で81ppm(mg/L )以下である請求項1から請求項6のいずれか一に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置。

請求項8

前記過酸化水素の濃度が1w/v%以上7w/v%以下で、過酸化水素安定剤の濃度が当水溶液中で0ppm(mg/L )である請求項7に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置。

請求項9

前記過酸化水素の濃度が2w/v%以上6w/v%以下である請求項7又は8に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置。

請求項10

前記過酸化水素安定剤が、フェナセチンアセトアニリドのいずれか一以上である請求項7又は9に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置。

請求項11

不純物重金属含有量が過酸化水素に対して0.001w/v%以下しか含まれない請求項7から10のいずれか一に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置。

請求項12

体内骨埋込金属材料に過酸化水素水を供給し、同時に紫外線、近紫外線、青色可視光線のいずれか一以上(以下「紫外線等」という。)を照射する体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理方法

請求項13

噴射装置から吐出される過酸化水素水の吐出速度は、100CC/分以下である請求項12に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理方法。

請求項14

紫外線等照射装置から照射される紫外線又は近紫外線の光量は、0.1ミリワット以上である請求項12又は13に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理方法。

請求項15

前記過酸化水素の濃度が1w/v%以上7w/v%以下で、過酸化水素安定剤の濃度が当水溶液中で81ppm(mg/L )以下である請求項12から14のいずれか一に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理方法。

請求項16

前記過酸化水素の濃度が1w/v%以上7w/v%以下で、過酸化水素安定剤の濃度が当水溶液中で0ppm(mg/L )である請求項15に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理方法。

請求項17

前記過酸化水素の濃度が2w/v%以上6w/v%以下である請求項15又は16に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理方法。

請求項18

前記過酸化水素安定剤が、フェナセチン、アセトアニリドのいずれか一以上である請求項15又は請求項17に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理方法。

請求項19

不純物重金属含有量が過酸化水素に対して0.001w/v%以下しか含まれない請求項15から18のいずれか一に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理方法。

技術分野

0001

本発明は、体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置に関し、特に体内骨埋込金属材料上の骨芽細胞定着及び増殖を良好にするのに好適な体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置に関するものである。

背景技術

0002

従来、体内骨埋込金属材料としては、例えば、歯科治療に用いるインプラントが挙げられる。インプラントに限らず、体内に埋め込まれて骨に接する部材は、その部材表面に骨が定着して初めて体と一体的となることで治療が完成する。しかし、体内に埋め込まれた部材に骨が定着するまでには一定の期間が必要であり、これを短くすることが求められていた。

0003

例えば歯科用インプラントにおいては、インプラントの骨埋込部分に予め処理を行うことで骨芽細胞の増殖を促すことができる技術が公開されている(特許文献1)。

0004

これは、UVをインプラントの骨埋没部分に予め照射して表面を正電荷を帯びるように処理してからインプラントを埋め込むものである(特許文献2)。

先行技術

0005

特開2008−80102号公報
特表2012−509750号公報

発明が解決しようとする課題

0006

上記特許文献1では、紫外線を1〜2時間照射するので、その間患者施術台等に座っていなければならず、インプラント(体内骨埋込金属材料)治療を施した患者の治療装置としては現実的ではないという問題がある。
上記特許文献2では、酸化チタンのインプラントに、約170nmから約270nmの波長を含む紫外線を施術の事前に照射することのみによるインプラント(体内骨埋込金属材料)表面の改質に基づく骨芽細胞の増殖の促進を狙ったものであったが、人体に装着した状態で紫外線照射することまでは考慮されていなかった。
本発明においては、インプラントを埋込後の人体においても無害過酸化水素をインプラント埋込部分に供給するとともにここに散乱および集光によるUV照射を行い、体内骨埋込金属材料表面において、ヒドロキシルラジカルを発生させて効率的にインプラント部材表面を処理し、骨芽細胞定着及び増殖を良好にする体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記課題を解決するために本発明において、以下の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置を提供する。すなわち、第一の発明として、体内骨埋込金属材料に対する骨芽細胞の定着並びに増殖を良好にする処理装置であって、過酸化水素水吐出する過酸化水素水吐出口と、過酸化水素水吐出口から供給される過酸化水素水に紫外線、近紫外線青色可視光線のいずれか一以上(以下「紫外線等」という。)を照射する紫外線等照射口と、を備えた体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置(請求項1対応)。

0008

前記特徴に加え、過酸化水素水吐出口と、紫外線等照射口とは、埋め込まれた体内埋込金属材料と骨との間に生じる隙間に挿入できるチップ形状である請求項1に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置(請求項2対応)。

0009

前記特徴に加え、紫外線等照射口は、紫外線等を光散乱させるよう構成される請求項1又は請求項2に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置(請求項3対応)。

0010

前記特徴に加え、紫外線等照射口は、紫外線等を集光させるよう構成される請求項1から請求項3のいずれか一に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置(請求項4対応)。

0011

前記特徴に加え、吐出される過酸化水素水の吐出速度は、100CC/分以下である請求項1から請求項4のいずれか一に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置(請求項5対応)。

0012

前記特徴に加え、前記照射される紫外線又は近紫外線の光量は、0.1ミリワット以上である請求項1から請求項5のいずれか一に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置(請求項6対応)。

0013

前記特徴に加え、前記過酸化水素の濃度が1w/v%以上7w/v%以下で、過酸化水素安定剤の濃度が当水溶液中で81ppm(mg/L )以下である請求項1から請求項6のいずれか一に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置(請求項7対応)。

0014

前記特徴に加え、前記過酸化水素の濃度が1w/v%以上7w/v%以下で、過酸化水素安定剤の濃度が当水溶液中で0ppm(mg/L )である請求項7に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置(請求項8対応)。

0015

前記特徴に加え、前記過酸化水素の濃度が2w/v%以上6w/v%以下である請求項7又は8に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置(請求項9対応)。

0016

前記特徴に加え、前記過酸化水素安定剤が、フェナセチンアセトアニリドのいずれか一以上である請求項7又は9に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置(請求項10対応)。

0017

前記特徴に加え、不純物重金属含有量が過酸化水素に対して0.001w/v%以下しか含まれない請求項7から10のいずれか一に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置(請求項11対応)。

0018

第二の発明として、体内骨埋込金属材料に過酸化水素水を供給し、同時に紫外線、近紫外線、青色可視光線のいずれか一以上(以下「紫外線等」という。)を照射する体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理方法(請求項12対応)。

0019

前記特徴に加え、噴射装置から吐出される過酸化水素水の吐出速度は、100CC/分以下である請求項12に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理方法(請求項13対応)。

0020

前記特徴に加え、紫外線等照射装置から照射される紫外線又は近紫外線の光量は、0.1ミリワット以上である請求項12又は13に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理方法(請求項14対応)。

0021

前記特徴に加え、前記過酸化水素の濃度が1w/v%以上7w/v%以下で、過酸化水素安定剤の濃度が当水溶液中で81ppm(mg/L )以下である請求項12から14のいずれか一に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理方法(請求項15対応)。

0022

前記特徴に加え、前記過酸化水素の濃度が1w/v%以上7w/v%以下で、過酸化水素安定剤の濃度が当水溶液中で0ppm(mg/L )である請求項15に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理方法(請求項16対応)。

0023

前記特徴に加え、前記過酸化水素の濃度が2w/v%以上6w/v%以下である請求項15又は16に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理方法(請求項17対応)。

0024

前記特徴に加え、前記過酸化水素安定剤が、フェナセチン、アセトアニリドのいずれか一以上である請求項15又は請求項17に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理方法(請求項18対応)。

0025

前記特徴に加え、不純物重金属含有量が過酸化水素に対して0.001w/v%以下しか含まれない請求項15から18のいずれか一に記載の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理方法(請求項19対応)。

発明の効果

0026

本発明の構成によれば、インプラントを埋込後の人体においても無害な過酸化水素をインプラント埋込部分に供給するとともにここに散乱および集光によるUV照射を行い、体内骨埋込金属材料表面において、ヒドロキシルラジカルを発生させて効率的にインプラント部材表面を処理し、骨芽細胞定着及び増殖を良好にする体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0027

実施形態1の独立型の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置の概念
実施形態1の独立型の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置における噴射装置の機能ブロック
実施形態1の独立型の噴射装置の構成例を示す図
図3(A)の噴射装置の先端部の構成例を示す図
実施形態1の独立型の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置における紫外線等照射装置の外観図
実施形態1の独立型の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置における紫外線等照射装置の機能ブロック図
実施形態1の独立型の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置における紫外線等照射装置の照射口に散乱させる構成例を示す図
実施形態1の独立型の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置における紫外線等照射装置の照射口に集光させる構成例を示す図
実施形態1の一体型の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置の概念図
実施形態1の一体型の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置における照射吐出口を説明するための図
実施形態1の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置の処理フローチャート
実施形態1のラジカル処理チタン表面に及ぼす影響を示す図
実施形態1のラジカル処理をしたチタン表面における骨芽細胞の増殖を示す図
実施形態1のラジカル処理をしたチタン表面における骨芽細胞の増殖を示す図
実施形態1のラジカル処理が細菌汚染したチタン表面に及ぼす影響を示す図
実施形態1のラジカル処理をした細菌汚染チタン表面における骨芽細胞の増殖を示す図
実施形態1のラジカル処理をしたチタン表面における骨芽細胞の増殖を示す図
実施形態1の細胞実験細胞形態伸展の状態を示す図
実施形態1のヒドロキシルラジカルラジカル生成分析結果
施術装置の構成例を示す図
実施形態2の過酸化水素水からのラジカル発生の概念図
実施形態2のフェナセチン濃度81ppmの過酸化水素水溶液Aのレーザー照射前の高速液体クロマトグラフィーHPLC)の分析結果
実施形態2のフェナセチン濃度81ppmの過酸化水素水溶液Aのレーザー照射後の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の分析結果
実施形態2のフェナセチン濃度344ppmの過酸化水素水溶液Fのレーザー照射前の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の分析結果
実施形態2のフェナセチン濃度344ppmの過酸化水素水溶液Fのレーザー照射後の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の分析結果
実施形態2のアセトアニリド濃度177ppmの過酸化水素水溶液Jのレーザー照射前の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の分析結果
実施形態2のアセトアニリド濃度177ppmの過酸化水素水溶液Jのレーザー照射後の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の分析結果
実施形態1のインプラント表面の処理を説明するための図

実施例

0028

以下、本発明の実施形態について、図を用いて説明する。なお、本発明の内容は、以下の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる態様で実施しうる。

0029

以下では、体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置としては、体内骨埋込金属材料にインプラントを用いた例について説明する。
<実施形態1>

0030

本実施形態では、過酸化水素水吐出口と、紫外線等照射口とが別個独立している独立型と、過酸化水素水吐出口と紫外線等照射口とが一体となった一体型がある。以下には独立型と一体型とに分けて説明する。
<実施形態1 独立型概要

0031

基本的には体内埋込金属材料に対する骨芽細胞の定着並びに増殖を良好にする装置であって、過酸化水素水吐出口と紫外線等照射口とは別個独立している装置である。
<実施形態1独立型具体的構成>

0032

独立型の構成は、過酸化水素水吐出口と、紫外線灯照射口とを構成要件とした体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置である。以下、構成要件とそれに関連する要素について説明する。
<実施形態1 独立型吐出口>

0033

「過酸化水素水吐出口」は過酸化水素水を吐出する開口と、開口を構成するノズルの先端部分を含むものである。過酸化水素水吐出口の開口形状は、円形であることが基本であるが、必ずしもこれに限定されるものでなく、楕円形状や矩形状であってもよい。また開口の周縁は単に筒の端縁のように構成されていてもよいが、外部から過酸化水素水の流速に応じて空気を巻き込むように負圧で空気を巻き込むノズル形状であってもよい。さらに、金属で構成されるのが基本であるが、セラミックスなど過酸化水素水と反応しづらい物質や、弾性素材、例えばシリコンゴムのようなもので構成されていてもよい。シリコンゴムのような弾性素材で構成されている場合には、インプラントの側面が歯肉入り組んだ場所や、顎骨と入り組んだ場所でもその場所に突き入れやすくなる。またさらに、先端部分はシリコンゴムであるが、レントゲン撮影をしながら施術できるように先端にX線に反応する金属製のリングをはめ込んで形成してもよい。またノズル先端部分はやはり過酸化水素水に反応しづらい物質で形成されていることが好ましい。セラミックス材料や、表面がコーティングされた金属などである。もちろん反応性が低い金属、例えばステンレスなどで構成することもできる。

0034

図1に示すように、インプラント(歯科用インプラント)0100が顎骨0101に埋入され、ノズル0102からインプラント0100と歯肉0104との隙間に過酸化水素水を入れ(図1矢印方向)、入れた過酸化水素に対してチップ0103からレーザー光である紫外線等が照射される(図1矢印方向)。過酸化水素は液体であり、供給形態としては霧状に噴霧する方法や液を滴下する方法などが考えられる。骨芽細胞を定着させたい場所は細菌で汚染されている、又は細菌で汚染されていないインプラント表面、特にポケット(インプラントと歯肉の間の溝)の底部付近を中心に過酸化水素と紫外線等を吐出および照射するが、露出しているインプラント表面全体に過酸化水素と紫外線等を吐出および照射するのが望ましい。紫外線等は、基本的に照射吐出口がインプラント表面に向けた状態で照射する。予防歯科的に細菌で汚染されていないインプラント表面に、過酸化水素と紫外線等を吐出および照射して骨芽細胞の定着を促進しても良い。ここで、インプラント材料としては、チタンコバルトクロム合金チタン合金などの金属のほか、アルミナセラミックジルコニアアパタイトなどが用いられる。また、図1の例では、上記ポケット内を過酸化水素で満たした状態、あるいはインプラント表面が過酸化水素で濡れている状態で紫外線等をインプラント表面に照射する。
これにより、体内骨埋込金属材料(インプラント)に対する骨芽細胞の定着並びに増殖を良好にすることができる。
<実施形態1独立型吐出口関連要素

0035

以上、吐出口の説明であるが、これに関連した要素について以下に説明する。
<実施形態1独立型吐出口関連要素ノズル先端部分に至るノズル部分

0036

基本的な材料はノズル先端部分と同様でよい。ノズル先端部分とそこに至るノズル部分との違いは内径である。ノズル先端部分は200ミクロン程度の内径であるが、そこに至る部分は十分な内径を有していてもよい。すなわち、ノズル先端部は図3(B)に示すように、ダブルテーパ形状を有しており、先端部0305の過酸化水素水供給側は外径0.35mm(350μm)程度あり、徐々に径が細くなり吐出口0306は外径0.2mm(200μm)程度の構造である。超小型の吐出口0306により、図1に示すインプラント0100と顎骨0101との隙間(歯肉104との隙間)に過酸化水素水を注入しやすい構造になっている。先端にかけて内径を絞ることにより、ノズル先端開口からの過酸化水素水の吐出圧力を高めることができる。またノズル先端部分に至る部分は、途中でカーブを有していてもよい。カーブを有している形状とすることで、歯肉とインプラントとの微妙な隙間に先端部分を挿入しやすくなる。
<実施形態1独立型吐出口関連要素過酸化水素水送出部分タンク

0037

タンクには過酸化水素水を充填する。これはカートリッジ式でもよいし、過酸化水素水をボトル等から移し替えるタイプでもよい。ただし、安全性、清潔性の観点からはカートリッジ型が好ましい。さらに、過酸化水素水の化学的定性のために、タンクには遮光性を持たせることが好ましいい。さらに温度も一定に保持するように温調装置が備えられていることが好ましい。またタンクの過酸化水素水の残量は、その重量や、光センサによって液面を図るなどして検出できるように構成することが好ましいい。さらに、タンクでは過酸化水素水の追加補充ができるように、ないしは、診療中に突然過酸化水素水が枯渇しないようにカートリッジを複数備えられるように構成し、送出カートリッジを自動的に切り替えることができるように構成することが好ましい。
<実施形態1独立型吐出口関連要素過酸化水素水送出部分電磁弁

0038

電磁弁は後述する制御部によって原則として制御される。電磁弁は、タンクからの過酸化水素水をノズルに流通させる関門となる部分であって、この電磁弁を閉鎖することによってたとえポンプが駆動されていても、瞬間的に過酸化水素水の吐出を停止することが可能である。この制御は施術者が操作するリモコンによって制御部を介して開閉される。電磁弁の開閉は完全な開状態と完全な閉状態の他に中間状態があるように構成してもよい。またこの電磁弁についても過酸化水素水が反応しない材料で構成されていることが好ましい。材料については既述のとおりである。また電磁弁は複数段にわたって形成されていてもよいし、過酸化水素の流路並列に設けられて言える場合には各流路ごとに設けられている必要がある。なお、電磁弁の他に手動弁が備えられていることが好ましい。さらに電磁弁は停電時には閉鎖状態となるように設計されることが好ましい。過酸化水素水の出しっぱなしを防止するためである。
<実施形態1独立型吐出口関連要素過酸化水素水送出部分ポンプ>

0039

ポンプは過酸化水素水を汚染しない材料で構成されている必要がある。さらに過酸化水素水を分解しないように構成することも必要である。このためにポンプの回転羽根回転数や、回転羽根の材質が選択される。ポンプの回転羽根の回転数は、低速であるほど過酸化水素水の分解を予防できるので、できるだけ羽根を大きくとるか、ポンプの羽根を複数段にして一段当たりの羽根の回転数を低くすることが好ましい。また流量を調節する際には複数段それぞれに回転数を制御できるように構成してもよい。最終段を停止させたり、先頭段を停止させることで流速、流量を細かく調整可能である。さらに羽根の材質は化学反応が起こりにくいという観点から表面材料テフロン登録商標)など化学反応性が低い材料を利用することが好ましい。またポンプは羽根を利用しないで蛇腹型のポンプを利用することも考えられる。このタイプであると、羽根が液体である過酸化水素水に局所的に高圧を発生させるのに対して、液体の全体に等圧で走液できるからである。
<実施形態1独立型吐出口関連要素過酸化水素水送出部分電源

0040

電源は突然の停電に備えて無停止電源とすることが好ましい。例えば、外部から給電はされるものの、蓄電池を備えて瞬低を防止するように構成することが考えられる。また、ポンプの駆動に応じて電源出力可変とするように構成してもよい。消費電力を抑え、また、ポンプに負荷がかかりすぎないようにするためである。
<実施形態1独立型吐出口関連要素過酸化水素水送出部分制御部>

0041

ポンプや電磁弁、あるいはこれらに関連してセンサー通信機能などを制御する機能を制御部に与える。基本的に過酸化水素水の吐出と吐出の停止に関しては施術者の操作するリモコンからの信号に応じて制御信号をポンプ、電磁弁等に出力する。さらに、非常停止モードを設けて何らかの不具合が生じた場合には過酸化水素水の流出を停止するように設計することが好ましい。例えば、過酸化水素水であることを検出する過酸化水素水検出センサを流路中に設けておき、流通している液体が過酸化水素水でないと判断された場合には流出を停止するようにポンプ、電磁弁を制御するように設計することができる。さらに過酸化水素水の温度を温度センサによって計測し、流通する過酸化水素水の温度が所定の範囲を逸脱した場合にも過酸化水素水を流通させるためのポンプを停止したり、電磁弁を閉鎖するように制御することが考えられる。さらに、温度が所定の温度に到達したら再度ポンプを稼働し、電磁弁を開状態に制御するように構成してもよい。
<実施形態1独立型吐出口関連要素過酸化水素水送出部分その他>

0042

過酸化水素水の流路は常に清潔に保たれている必要があるために自動洗浄機能が設けられていてもよい。これは一定期間装置が利用されない場合に空気中の雑菌によって流路が汚染されるためである。例えばアルコールタンクを設けて、アルコールを装置の流路の全体に流通させるように構成してもよい。さらに流路内での雑菌の繁殖最低限に抑制するために流路を外気遮断する遮断部を設けてもよい。この遮断部はノズルの後端部分に設けるようにし、ノズルは取り換え可能に設計することが考えらえる。ノズル部分は人体にさらされるために交換可能ないしは交換可能かつディスポーザブルに設計してもよい。なお、制御部に命令を出す基本的な部分は施術者の利用するリモコンであるが、このリモコンの操作ボタン類はできるだけノズルに近い過酸化水素水流通経路近辺に設けることが好ましい。本実施形態では、過酸化水素水吐出流路と紫外線等照射路とが別体であるために施術者の両手が塞がるからである。従って、過酸化水素水に関連する操作ボタン類は、過酸化水素水流通経路上に設けることが直感的に操作出来て好ましい。

0043

図2、図3(A)に示すように、噴射装置0200は、過酸化水素水を貯蔵する過酸化水素水タンク0201と、過酸化水素水を注入するための注入口0202と、過酸化水素水タンク0201の過酸化水素水を噴射するための電磁弁としてのバルブ0203と、過酸化水素水を外部に送り出すポンプ0204と、過酸化水素水を流通させる過酸化水素水流通管0205と、過酸化水素水を患部(例えば、インプラント周囲炎等の患部)に吐出させる吐出口0206と、バルブ0203およびポンプ0204を制御するコントローラ0207と、バルブ0203、ポンプ0204、コントローラ0207に電源供給を行う電源0208とから構成される。

0044

このような噴射装置0200のコントローラ0207の制御により、過酸化水素水が、一定量、例えば1分、2分、3分、4分、5分と所定時間、吐出口0206から患者のインプラントへ吐出される。ここで、噴射装置から吐出される過酸化水素水の吐出速度は、100CC/分以下である。
この噴射装置0200の吐出口0206からの過酸化水素水の吐出と同時に、紫外線等照射装置のペン状本体の先端に設けた照射口から紫外線、近紫外線、青色可視光線のいずれか一以上の光線を照射すると、効率的にヒドロキシラジカルが発生するので、インプラント周囲の骨芽細胞の定着及び増殖が良好となることが分かった。
っている。
<実施形態1独立型照射口>

0045

「照射口」は開口と、開口を構成するチップの先端部分を含む。照射口は、紫外線等を照射する。照射は基本的に透明部材を介して行われる。透明部材は紫外線等を透過する部材である必要があるので石英類、シリコーン系材料などで構成する。紫外線の光量は、0.1ミリワット以上が好ましい。さらにこの開口部分の透過材料部分は交換可能であって良い。また交換可能である上にディスポーザブルであってよい。この部分は人体に接触する部分であり、感染症の防止のためである。また透過材料部分はその一部にX線で観察するための金属マーカーが備えられていてもよい。
<実施形態1独立型照射口関連要素>

0046

以下に照射口関連要素について説明する。
<実施形態1独立型照射口関連要素チップ先端部分に至るチップ部分

0047

チップ先端部分に至るチップ部分は原則的に紫外線等を伝送するための光ファイバーを内部に含むものである。この光ファイバーは紫外線等の光源からつながっているものである。なお、チップ先端部分の交換可能又はディスポーザブルな透過材料部分との接続部には透明かつ紫外線等を透過するジェル状物質で満たされていることが好ましい。紫外線等の伝導損失を低くするためである。また光軸が一致する必要があるので、チップ先端部分の透過材料部分と光ファイバーとは軸心を容易に一致することができる構成になっていることが好ましい。いわゆるフェルールのような構造を有していることが好ましい。
<実施形態1独立型照射口関連要素紫外線等レーザー光源

0048

紫外線等レーザー光源は、紫外線LED光源とすることが好ましいが、紫外線は肉眼で把握しづらいために近紫外線や青色可視光であってもよい。なお、紫外線と可視光線との混合であって良いことはもちろんである。さらに、インプラントの照射位置を確認するために可視光射出し、施術の際には可視光を射出しないで紫外光のみとする構成も考えられる。可視光でターゲッティングして、その位置を確認し、紫外光での施術とするものである。さらに光が当たっている場所を把握しやすくするために可視光を点滅させたり、可視光と紫外光とを短期間に交互に照射して常にターゲティング位置がどこであるか把握できるように構成してもよい。
<実施形態1独立型照射口関連要素紫外線等レーザー導光路

0049

紫外線等レーザー導光路は光ファイバーで構成される。原則的には一番利用する光の中で波長が短い光が損失を低くできる材料を利用する。また、光源を二種類以上利用する場合には照射口のあるチップ先端付近で二経路以上を統合するように導光路を設計することもできる。さらに、チップ先端付近にレンズを設けて、逆にチップ先端付近の映像を取得する経路を設けることも可能である。チップ先端付近の映像によってインプラントの表面状態の情報を取得することができるからである。この映像は必ずしも結像したものである必要はなく、ぼやけたものであってもよい。ぼやけたものであっても統計処理によってインプラントやインプラントの周囲状況を把握することが可能となるからである。さらにはこの状況把握に人工知能技術を用いることも可能である。
<実施形態1独立型照射口関連要素紫外線等電源>

0050

紫外線等電源は基本的には安定化された電源である必要がある。さらには紫外線等の光量や強度を変えるために出力が制御されるように構成してもよい。この制御は後述する制御部からの信号に基づいて行われる。
<実施形態1独立型照射口関連要素制御部>

0051

制御部は基本的には施術者の操作信号をリモコン等から受け取って紫外線射出系統を制御する。主な制御対象は紫外線等光源と電源である。ただし、前述のように、点滅を所定の間隔で繰り返すような場合、紫外線と可視光線とを交互に射出するような場合にはプログラミングに基づいて制御されるように構成する。この場合には計時機能を有する水晶振動子からの信号などを利用する。

0052

図4に紫外線等照射装置の概略構成を示し、図5図4の紫外線等照射装置の詳細構成を示す。以下、図4図5により、紫外線等照射装置の構成動作について説明する。

0053

図4に示すように、紫外線等照射装置0400は、紫外線、近紫外線、青色可視光線のいずれか一以上(以下「紫外線等」という。)をペン状本体の先端部ノズル0401の端面に設けた照射口(照射面)0402から照射可能である。

0054

紫外線等照射装置0402が充電器0403にセットされ、電源ケーブル0404を介して図示しない外部電源に接続され紫外線等照射装置0400の充電を行う。図4の例では、紫外線等照射装置0402は紫外線等を照射するための光源を内蔵し装置を操作する操作部と再充電可能なバッテリーを内蔵したバッテリー部に分かれている。操作部とバッテリー部は分離可能な構造を有しており、装置の充電が切れた場合は予備バッテリーに交換することができる。これにより、歯科医師は患者に対する施術を継続して行うことができる。ここで、紫外線等照射装置0400はコードレスタイプの装置を示したが、再充電可能なバッテリーを持たず、装置から引き出された電源ケーブルを介して直接電源供給するタイプのものでもよい。また、バッテリーと電源供給を両方使用できるものでもよい。
バッテリーに交換することができる。これにより、歯科医師は患者に対する施術を継続して行うことができる。ここで、紫外線等照射装置0400はコードレスタイプの装置を示したが、再充電可能なバッテリーを持たず、装置から引き出された電源ケーブルを介して直接電源供給するタイプのものでもよい。また、バッテリーと電源供給を両方使用できるものでもよい。

0055

図5に示すように、紫外線等照射装置0500は、紫外線等を出射するLED等の紫外線等光源0501と、紫外線等を集光させる集光レンズ0502と、紫外線等を導く光ファイバー0503と、光ファイバー0503で導光された紫外線等を照射する照射口(照射面)としてのレンズ0504と、紫外線等の照射制御を行うコントローラ0505と、コントローラに0505に接続された電源0506とから構成される。

0056

このような紫外線等照射装置0500から出射される紫外線等は、紫外線、近紫外線、青色可視光線のいずれか一以上の光線である。光線の波長は、365nm、400nm、465nmの波長を使用できる。図5の例では、複数のLEDを用いた例を示したが、1つ以上であれば良く、2つ、3つ選択的に採用可能である。従って、青色LED(約465nm)、紫色LED(約400nm)の二波長タイプや、LED(365nm)の一波長タイプのものでも良い。ここで、人体への影響を考慮して紫外線等照射装置から照射される紫外線又は近紫外線の光量は、0.1ミリワット以上である。
<実施形態1独立型照射口関連要素先端部レンズ1>

0057

先端部のレンズは、光源からの光を散乱照射するように構成することができる。

0058

図6に示すように、本実施形態の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置は、紫外線等照射装置の紫外線等照射口(照射面)0601からの紫外線等の光線(レーザー光)0602を、曇りガラス等の散乱面0603を介して散乱させ、散乱光0604をインプラント0605に光散乱させるように構成しても良い。直進する光の場合にはインプラントのねじ山や、歯肉によって影となる部分まで光が回り込みにくいが、散乱光を利用することによって回り込みがしやすくなるためである。
<実施形態1独立型照射口関連要素先端部レンズ2>

0059

先端部のレンズは、光源からの光を集光照射するように構成することができる。

0060

また、図7に示すように、本実施形態の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置は、紫外線等照射装置の紫外線等照射口(照射面)0701からの紫外線等の光線0702を、集光レンズ0703で集光させ、集光光0704をインプラント0705に集光させるように構成しても良い。インプラントが比較的露出した状態で紫外光等を照射できる場合にはできるだけ狙った場所に光を集めるほうが効率が良いので、そのような場合には集光レンズを介して狙った場所に紫外光等を照射するようにすることが効果的である。
<実施形態1一体型概要>

0061

基本的には体内埋込金属材料に対する骨芽細胞の定着並びに増殖を良好にする装置であって、過酸化水素水吐出口と紫外線等照射口とは一体となった装置である。
<実施形態1一体型具体的構成>

0062

一体型の構成は、過酸化水素水吐出口と紫外線等照射口とが一体となった照射吐出口を構成要件とした体内埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置である。以下、構成要件とそれに関連する要素について説明する。
<実施形態1 一体型 照射吐出口>

0063

「照射吐出口」は紫外線等を照射する開口及び過酸化水素水を吐出する開口と、これらの開口を構成するチップの先端部分を含むものである。照射吐出口の開口形状は、照射口の開口周囲に吐出口の開口を有する二重構造の円形であることが基本であるが、必ずしもこれに限定されるものでなく、楕円形状や矩形状であってもよい。また開口の周縁は単に筒の端縁のように構成されていてもよいが、外部から過酸化水素水の流速に応じて空気を巻き込むように負圧で空気を巻き込むチップ形状であってもよい。照射口部分は、独立型で説明した照射口の材料と同様であるので、説明を省略する。また、吐出口部分は独立型で説明した吐出口の材料と同様であるので、説明を省略する。

0064

図8(A)(B)に示すように、インプラント(歯科用インプラント)0800が顎骨0801に埋入され、一体型のチップ0802からインプラント0800と歯肉0804との隙間に紫外線等の照射および過酸化水素水の吐出(放出)がされる。図8(A)では、非外科処置の場合を示し、図8(B)では、外科処置の場合を示す。非外科処置、外科処置に関わらず、インプラント表面を過酸化水素で洗浄すると同時に紫外線等を照射する。外科処置の場合には、広い術野が確保できるため、照射吐出口の大きい装置を使用することで効率的にインプラント表面の照射処理を行えるという利点がある。図27に示すように、インプラントを埋込んだ初期段階(健康な状態)からインプラント周囲炎になりインプラントと歯肉との間にポケットができてインプラント周囲の骨が喪失したときに治療を施す。ここで、非外科処置はインプラント周囲炎のポケットに器具を挿入して治療を行う方法であり、外科処置は、図示しないメス等で歯肉を切開し、歯肉を剥離した状態で治療を行う方法である。非外科処置、外科処置に関わらず、インプラント表面の処理を、過酸化水素と紫外線等照射により行う。
これにより、体内骨埋込金属材料(インプラント)に対する骨芽細胞の定着並びに増殖を良好にすることができる。ここで、インプラント材料としては、チタン、コバルトクロム合金、チタン合金などの金属のほか、アルミナ、セラミック、ジルコニア、アパタイトなどが用いられる。
<実施形態1 一体型 照射吐出口関連要素>

0065

以上、照射吐出口の説明であるが、これに関連した要素について以下に説明する。
<実施形態1一体型照射吐出口関連要素チップ先端部分に至るチップ部分>

0066

チップ部分は、照射吐出口から過酸化水素水を吐出し、吐出された過酸化水素水に紫外線等(レーザー光)を照射して効率的にヒドロキシラジカルを発生させるために、紫外線等の照射経路とは別経路で過酸化水素水の流路を設けている。

0067

図9下図に示すように、先端のチップ部分0902は中空管構造0905をしており、光ファイバー0904を内蔵させ、数箇所にサポート部材を設置し(図示省略)、光ファイバー0904の周囲の中空部分から過酸化水素水を誘導して流す流路0906と光源(図示省略)から出射されたレーザー光(紫外線等)を光ファイバー0904内を導光させるライトガイド(図示省略)を備え、先端の照射吐出口0901からそれぞれレーザー光(紫外線等)と過酸化水素水を同時に出せるような機構となっている。図9下図の例は、紫外線等の照射を散乱光(図6参照)により行う例を示している。過酸化水素は液体であり、供給形態としては霧状に噴霧する方法や液を滴下する方法などが考えられる。このような過酸化水素の供給形態は問わないが、インプラント表面が過酸化水素で濡れた状態で紫外線等を照射することが重要である。
<実施形態1一体型照射吐出口関連要素チップに至るまでの部分>

0068

図9上図に示すように、図示しない紫外線等照射装置と噴射装置に接続された誘導管0903(別経路で紫外線等と過酸化水素水を誘導する)と、誘導管0903に結合された先端のチップ部分0902と、先端のチップ部分0902の端部に一体型の先端の照射吐出口0901とを備えている。
<実施形態1 一体型 制御部>

0069

制御部は基本的には施術者の操作信号をリモコン等から受け取って紫外線射出系統を制御する。主な制御対象は紫外線等光源と電源である。紫外線等レーザー光源の制御や紫外線等電源の制御は独立型の説明したものと同様であるので、説明を省略する。

0070

以下、図10により、本実施形態1の体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理方法を説明する。
まず、患者のインプラントとインプラントが埋め込まれた顎骨との間隙(歯肉との間隙)に過酸化水素水を吐出する過酸化水素水の吐出ステップを実行する(ステップ1001)。
この過酸化水素水の吐出をしながら、紫外線、近紫外線、青色可視光線(紫外線等)のいずれか一以上の散乱光を紫外線等照射口から照射する紫外線等の照射ステップを実行する(ステップ1002)。

0071

上記過酸化水素水の吐出ステップ1001と紫外線等の照射ステップ1002の実行の手順は、逆に行っても良いし、または同時に行っても良い。

0072

これにより、患者のインプラント周囲の骨芽細胞の定着及び増殖を良好にすることができる。
<実施形態1 他の具体的システム構成>

0073

図19に示すように、歯科医院において、歯科用の施術装置1903に患者1902が横たわっており、歯科医師1901により歯科の施術を行っている。施術装置1903はネットワーク有線LAN、無線LANインターネットブロードバンドモバイルネットワークを含む)を介して、図示しないレセプトコンピュータステムと接続されている。このレセプトコンピュータシステムは歯科医院内のコンピュータや、遠隔のコンピュータ上にソフトウェアで実現されたり、または専用のハードウェアで実現される。施術装置1903は、液晶用タッチパネルディスプレイ1904、歯科レントゲン、CTスキャン画像等を表示するディスプレイ1905、口腔内を明るく照らすLED無影灯1906、施術装置制御部1907、ディスプレイ1905を支持する支持アーム1908、LED無影灯1906の支持アーム1909、切削ドリル1910、口腔内バキューム1911、施術台テーブル1912などが備えられている。ディスプレイ1905、LED無影灯1906は、それぞれ支持アーム1908や支持アーム1909により歯科医師1901が施術しやすい位置に調整できる構造になっている。

0074

噴射装置や紫外線等照射装置は、IoT機能を有しており、レセプトコンピュータシステムに有線または無線で接続され、自動的に施術情報をレセプトコンピュータに送信してレセプト自動集計に利用したり、自費診療保険請求に利用することができる。
<実施形態1骨芽細胞の定着・増殖に与える影響>
実験方法と実験結果>

0075

以下、体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置における実験方法と実験結果について説明する。以下の実験では、試料としてチタンを用いた。後述する図11図16において下記の略語を使用しているので、説明を補足する。H(-)L(-):純水に試料を浸漬して遮光状態で処理(過酸化水素を使用せず、紫外線LED照射も実施しない群)を示し、H(+)L(-):3%過酸化水素に試料を浸漬して遮光状態で処理(過酸化水素水のみによる処理)を示し、H(-)L(+):純水に試料を浸漬してLED照射を実施(LED照射のみによる処理)を示し、H(+)L(+):3%過酸化水素に試料を浸漬してLED照射を実施(過酸化水素光分解法 orラジカル処理)を示す。
チタン試料

0076

直径5 mm、厚さ2 mmの純チタン円板状試料(Grade 4、TB550、西金属)の表面をサンドブラストと酸エッチングにより処理し、歯科用インプラント表面に類似した粗面を付与して実験に用いた。サンドブラストは250 μmのアルミナ粒子を0.4 MPaで吹き付けて行った。その後、60℃の49%硫酸に1時間浸漬して酸エッチングを行った。処理後、試料を超純水に浸漬し10分、アセトンに浸漬して10分、最終的に再度超純水に浸漬して10分超音波洗浄を行った。作製したチタン試料の表面粗さを光干渉計(Talysurf CCIHD, Taylor Hobson)を用いて測定した結果、Sa(算術平均粗さ)が1.97 μm、Sq(二乗平均平方根高さ)が2.48 μm、Sdr(界面の展開面積比)が40.07 %、Sds頂点個数密度)0.071/μm2であり、歯科用インプラントの表面粗さと類似していることを確認した。作製した試料を121℃で15分間オートクレーブし、以下の2つの群に分けた:1) 新製チタン試料(New-Ti)と2) 4週間エイジングしたチタン試料(Aged-Ti)。New-Tiは酸エッチング、洗浄、オートクレーブを実施した翌日に実験に用いた。一方、Aged-Tiは実験で使用する前に4週間にわたって無菌的に37℃のインキュベーター内で保管してエイジング処理を行った後に実験に用いた。
<過酸化水素光分解法によるチタン試料の表面処理

0077

チタン試料表面をLED照射および3%過酸化水素による単独あるいは併用法によって5分間処理をした。処理法により各群を以下の4つの群に分けた:1) H(-)L(-), H(+)L(-), H(-)L(+), および H(+)L(+)。H(+)処理では、48-well細胞培養用プレートウェルに入れた300 μLの3%過酸化水素に試料を浸漬した。一方、H(-)処理では、試料を300 μLの純水に浸漬した。また、L(+)処理では、試料を365 nmLED光で照射し、L(-)処理では、試料を入れた48-well細胞培養用プレートを遮光箱内に入れた。光源として用いた装置はLED spot-curing device(OmniCure LX400; Lumen Dynamics Group)であり、放射照度1000 mW/cm2で光照射を行った。処理後に、試料を純水で2回洗浄してから各実験に用いた。
<実験1>
<表面化学物質の分析>

0078

図11により、ラジカル処理がチタン表面に及ぼす影響について説明する。図11は、表面化学物質の分析結果を示す。

0079

試料表面の化学組成X線光電子分光分析法(XPS; JPS-9010MC, JEOL)で分析した。分析には、無処理のNew-Ti、H(+)L(+)で処理したNew-TiおよびH(-)L(-), H(+)L(-), H(-)L(+), あるいは H(+)L(+)で処理したAged-Tiを用いた。XPS測定は、10 kVおよび10 mAの条件で行い、スポットサイズ1 mmのMg-KαのX線を照射した。得られたスペクトルを装置附属のソフトウェア(SpecXPS、JEOL)によって分析した。各群において4つの試料を用いて測定を行った。
<試料表面の濡れ性の評価>

0080

無処理あるいはH(+)L(+)で処理したNew-TiおよびAged-Tiを分析に用いた。0.4 μLの純水を試料表面に滴下した際の接触角を、接触角計(CA-X, 共和界面科学)を用いて測定した。各群において6つの試料を用いて測定を行った。

0081

図11(A)はチタン表面のXPS分析結果を示す。ここで、縦軸は強度(intensity)を示し、単位はcps(count per second)である。cpsは1秒あたりに検出器が捉えた光電子の強度を意味する。横軸結合エネルギー(Binding energy)(eV)を示している。ラジカル処理「H(+)L(+)」をした新製チタンと37°Cで4週間エイジングしたチタンのXPSスペクトルを示している。図11(B)はXPSスペクトルに基づく炭素量の定量分析結果を示す。ここで、縦軸は原子濃度(Atomic percentage)(%)を示し、横軸は新製チタンとエイジングしたチタンの比較実験を示している。エイジングによりチタン表面の炭素量が増加するが、ラジカル処理により炭素量は新製チタンと同程度まで減少することが分かった。図11(C)はチタン表面の接触角測定の結果を示す。ここで、縦軸は接触角(Contact angle)(度)を示し、横軸は新製チタンとエイジングしたチタンの比較実験を示している。新製チタン表面は接触角が小さく親水性であるのに対して、エイジングしたチタン表面は疎水性であることが分かった。ただし、ラジカル処理により親水性が回復することが分かった。
統計解析

0082

定量分析結果の統計解析をJMP Pro 11.0(SASInstitute)を用いて行った。2群比較はStudent-t検定で行い、多重比較一元配置分散分析後にTukey-Kramer honesty significant difference検定を用いて行った。いずれの解析においても検定の有意水準は5%とした。図11(B)と(C)において、異なるアルファベット群間統計的有意差を示す。
<実験2>
細胞増殖試験

0083

図12図13により、ラジカル処理をしたチタン表面における骨芽細胞の増殖について説明する。図12図13は細胞増殖試験結果を示す。

0084

理化学研究所細胞材料開発室より提供を受けたマウス由来骨芽細胞様細胞(MC3T3-E1)を用いて実験を行った。細胞を10%牛胎児血清、100 U/mLペニシリン、0.1 mg/mLストレプトマイシンを含有したalpha-modified Eagle's medium(α-MEMナカライテスク)で培養した。80%コンフルエントの状態に達した時に、0.25%トリプシン-EDTA(Thermo Fisher Scientific)で細胞を剥離して実験に用いた。骨形成培地として、上記のα-MEMに50 μg/mLアスコルビン酸和光純薬)、10 mM β-グリセロリン酸ナトリウムシグマアルドリッチ)、 0.01 μMデキサメタゾン(和光純薬)を添加したものを調製し、剥離した細胞を懸濁した。表面処理をしたチタン試料を48-well細胞培養用プレートのウェルに入れ、そのウェルに細胞数が30,000 cells/wellとなるように細胞懸濁液500 μLを入れた。プレートをCO2インキュベーターに入れて、37℃、5%CO2雰囲気下で3時間あるいは3日間培養し、細胞増殖ニュートラルレッド法および共焦点レーザー顕微鏡観察法により評価した。

0085

ニュートラルレッド法による分析では、H(-)L(-), H(+)L(-), H(-)L(+), あるいは H(+)L(+)で処理したNew-TiとAged-Ti上での細胞増殖を評価した。3日間の培養期間後、150 μg/mL ニュートラルレッド(和光純薬)を含有した300 μLのα-MEMにチタン試料(表面に細胞が付着したもの)を浸漬して3時間培養し、細胞に取り込まれたニュートラルレッドを50%エタノールと1%酢酸混合溶液で抽出した。抽出液の540 nmの吸光度プレートリーダー(FilterMax F5, Molecular Devices)を用いて測定した。各群において6つの試料を用いて測定を行った。

0086

共焦点レーザー顕微鏡観察では、H(-)L(-)あるいはH(+)L(+)で処理したNew-TiおよびAged-Ti上での細胞増殖を評価した。3時間あるいは3日間の培養期間後、チタン試料上の細胞を4%パラホルムアルデヒドで固定し、蛍光染色を行った。蛍光染色では、細胞核アクチンフィラメントをそれぞれ300 nM 4',6-diamidino-2-phenylindole(DAPI; Thermo Fisher Scientific)と165 nM rhodamine phalloidin(Thermo Fisher Scientific)で染色した。染色した細胞を共焦点レーザー顕微鏡(TCS-SPE、Leica Microsystems)を用いて観察し、スタック画像の取得を行った。得られた画像を画像解析ソフトImage J(National Institute of Health)で解析し、観察視野に対する細胞の被覆率および細胞数(細胞核数)を算出した。各群において9枚の画像を取得した。
<細胞増殖試験結果>

0087

図12(A)は新製チタン表面における骨芽細胞(マウス由来のMC3T3−E1)の増殖(ニュートラルレッド法による測定)結果を示す。ここで、縦軸はニュートラルレッド値(コントロールに対する相対値%)を示し、新製チタンの実験を示している。ラジカル処理は細胞増殖に影響を及ぼさなかった。図12(B)はエイジングしたチタン表面における骨芽細胞の増殖を示す。ここで、縦軸はニュートラルレッド値(コントロールに対する相対値%)を示し、新製チタンとエイジングしたチタンの比較実験を示している。エイジングによりチタン表面での骨芽細胞の増殖が減少するが、ラジカル処理表面では新製チタン表面と同等の細胞増殖が認められた。異なるアルファベットは群間の統計的有意差を示す。

0088

図13(A)は新製チタン表面における骨芽細胞(マウス由来のMC3T3−E1)の増殖(共焦点レーザー顕微鏡による観察)を示す。図13(B)は新製チタン表面の細胞の被覆率と細胞数の定量結果を示す。ここで、縦軸左図は被覆率(coverage)(%)、縦軸右図は画像当たりの細胞数(Number of cells per image)(個)を示している。ラジカル処理は細胞増殖に影響を及ぼさなかった。図13(C)はエイジングしたチタン表面における骨芽細胞の増殖(培養3時間後)を示す。図13(D)はエイジングしたチタン表面における骨芽細胞の増殖(培養3日後)を示す。図13(E)はエイジングしたチタン表面の細胞の被覆率と細胞数の定量結果を示す。ここで、縦軸左図は被覆率(coverage)(%)、縦軸右図は画像当たりの細胞数(Number of cells per image)(個)を示している。エイジングによりチタン表面での骨芽細胞の増殖が減少するが、ラジカル処理表面では新製チタン表面と同等の細胞増殖が認められた。

0089

図13(B)と図13(E)において、異なるアルファベットは群間の統計学有意差を示す。
<実験3>
細菌性バイオフィルムによるチタン試料表面の汚染>

0090

理化学研究所細胞材料開発室より提供を受けたAggregatibacter actinomycetemcomitans JCM 2434(歯周病およびインプラント周囲炎の原因菌一種)を用いて実験を行った。1% yeast extract(Oxoid, Hampshire)含有のBrain Heart Infusion(BHI)液体培地(Becton Dickinson Labware)で前培養した細菌を、滅菌生理食塩水に懸濁し、濃度を約5 × 108 colony forming units (CFU)/mLに調整した。オートクレーブしたNew-Tiを48-well細胞培養用プレートのウェルに入れ、1% yeast extract含有のBHI液体培地を1000 μL、細菌懸濁液を100 μLを加えた。プレートを嫌気ジャーに入れアネロパック(三菱ガス化学)を用いて嫌気条件にし、37℃のインキュベーター内で48時間培養した(Biofilm-Ti)。培養後に形成されたバイオフィルム中の生菌数を、希釈平板法で評価したところ1試料につき平均で5.12-log CFUであった。
<バイオフィルムで汚染されたチタン試料の処理>

0091

臨床的なインプラント周囲炎治療を想定して、チタン表面のバイオフィルムを超音波スケーリングで除去後、各種殺菌処理を行った。超音波スケーリングは、miniMaster PiezonLED(EMS)とPEEK製プラスチックスケーラー・チップ(Peek tip straight, Star Chip)を用いて行った。超音波スケーラーの出力は70%として、冷却水の流速を50 mL/minとした。チタン試料を鉗子把持し、1分間の超音波スケーリングを実施した。超音波スケーリング後の生菌数は、1試料につき平均で2.16-log CFUであった。超音波スケーリング後のチタン試料をH(-)L(-), H(+)L(-), H(-)L(+), H(+)L(+), H(+)L400(+), 0.2%クロルヘキシジン(CHX;東洋製薬化成)および0.5%ポピドンヨード(PI;Meiji Seikaファルマ)で5分間処理を行った(各溶液は300 μLで用いた)。H(+,-)およびL(+,-) は上記の「2.過酸化水素光分解法によるチタン試料の表面処理」と同じ設定で行った。また、L400(+)は波長400 nmのLEDを用いて行った。
<実験4>
<バイオフィルム汚染チタン試料の表面化学物質の分析>
図15により、ラジカル処理が細菌汚染したチタン表面に及ぼす影響について説明する。
図15はバイオフィルム汚染チタン試料の表面化学物質の分析結果を示す。

0092

試料表面の化学組成をX線光電子分光分析法で分析した。分析には、New-Ti、超音波スケーリングをしたNew-Ti、H(-)L(-), H(+)L(-), H(-)L(+)あるいは H(+)L(+)で処理したBiofilm-Tiを用いた。XPS測定は、上記の「3.表面化学物質の分析」と同じ条件で行った。各群において3つの試料を用いて測定を行った。
<バイオフィルム汚染チタン試料の表面化学物質の分析実験結果>

0093

図14(A)はチタン表面のXPS分析結果を示す。ここで、各図の縦軸は強度(intensity)を示し、単位はcps(count per second)である。cpsは1秒あたりに検出器が捉えた光電子の強度を意味する。各図の横軸は結合エネルギー(Binding energy)(eV)を示している。チタン表面にAggregatibacter anctinomycetemcomitans(歯周炎およびインプラント周囲炎の原因菌の一種)のバイオフィルムを形成することで汚染し、その後超音波スケーリング(US)と各処理を行った。図14(B)はXPSスペクトルに基づく炭素量の定量分析結果を示す。ここで、縦軸は原子濃度(Atomic percentage)(%)を示し、横軸は新製チタンと細菌汚染したチタンの比較実験を示している。細菌汚染でチタン表面の炭素量が増加するが、ラジカル処理により炭素量は減少することが分かった。図14(B)において、異なるアルファベットは群間の統計学的有意差を示す。
<バイオフィルムで汚染されたチタン試料表面での細胞増殖>

0094

図15図16により、ラジカル処理をした細菌汚染チタン表面における骨芽細胞の増殖について説明する。図15図16はバイオフィルムで汚染されたチタン試料表面での細胞増殖結果を示す。

0095

上記の「細胞増殖試験」と同じく、MC3T3-E1を用いて実験を行った。3時間あるいは3日間の培養後に、細胞増殖をmethyl thiazolyl tetrazorium(MTT)法、ニュートラルレッド法および共焦点レーザー顕微鏡観察により評価した。MTT法では、New-Tiおよび超音波スケーリング後にH(-)L(-), H(+)L(-), H(-)L(+), H(+)L(+), H(+)400L(+), CHXあるいはPIで5分間処理を行ったBiofilm-Tiを供試した。また、H(+)L(+)については、処理時間がその後の細胞増殖に及ぼす影響を調べるために、0、1、 3、5分間処理したBiofilm-Tiも細胞増殖分析に用いた。300 μLの0.1% MTT(東京化成工業)含有α-MEMを48-well細胞培養用プレートのウェルに入れ、チタン試料を浸漬し、37℃のCO2インキュベーター内で2時間培養した。培養後、細胞によるMTTの還元で生成した不溶性ホルマザンジメチルスルホキシドで抽出した。抽出液の595 nmの吸光度をプレートリーダーを用いて測定した。各群において6つの試料を用いて測定を行った。
ニュートラルレッド法では、New-Tiおよび超音波スケーリング後にH(-)L(-), H(+)L(-), H(-)L(+), H(+)L(+)で5分間処理を行ったBiofilm-Tiを供試した。分析は、上記の「5.細胞増殖試験」と同じ条件で行った。
共焦点レーザー顕微鏡観察ではNew-Tiおよび超音波スケーリング後にH(-)L(-)あるいはH(+)L(+)で5分間処理を行ったBiofilm-Tiを供試した。3時間あるいは3日間の培養期間後、チタン試料上の細胞を4%パラホルムアルデヒドで固定し、蛍光染色を行った。細胞形態の画像解析では、3時間培養した細胞の細胞核とアクチンフィラメントをそれぞれ300 nM DAPI(Thermo Fisher Scientific)と165 nM rhodamine phalloidin(Thermo Fisher Scientific)で染色した。また、細胞数の定量分析のために、3日間培養した細胞の細胞核を10 μM SYTO9(Thermo Fisher Scientific)で染色した。本実験においては、DAPIはチタン試料表面残留するバイオフィルム由来の物質も染色してバックグラウンドノイズのレベルを増加させたため、細胞数の定量分析ではSYTO9を用いた。染色した細胞を共焦点レーザー顕微鏡(TCS-SPE、Leica Microsystems)を用いて観察し、スタック画像の取得を行った。得られた画像を画像解析ソフトImage J(National Institute of Health)で解析し、細胞の面積フェレ径周囲長さ(細胞形態の画像解析)および細胞数(細胞数の定量分析)を算出した。細胞数の分析および細胞形態の画像解析ではそれぞれ各群15枚および9枚の画像を取得した。
<バイオフィルムで汚染されたチタン試料表面での細胞増殖実験結果>

0096

図15(A)、(B)、(C)、(D)、(E)は細菌汚染チタン表面における骨芽細胞(マウス由来のMC3T3−E1)の増殖(MTT法による測定)結果を示す。ここで、各図の縦軸はMTT値(コントロールに対する相対値%)を示し、新製チタンと細菌汚染したチタンの比較実験を示している。図15(A)ラジカル処理結果を示す。「H(+)L(+)」により細胞増殖が増加した。図15(B)ポピドンヨード(PI)やクロルヘキシジン(CHX)では細胞増殖は増加しなかった。PWは純水を用いた処理である。図15(C)はラジカル処理を異なる波長のLEDで行った場合を示す。ラジカル処理を400nmLEDで行った場合「H(+)400L(+)」には、365nmLEDで行った場合「H(+)L(+)」より効果が劣った。図15(D)は照射時間の比較を示す。図15(D)から明らかなように、ラジカル処理の影響は照射時間に依存していた。図15(E)はニュートラルレッド法による図15(A)の結果の確認を示す。図15において、異なるアルファベットは群間の統計学的有意差を示す。

0097

図16(A)は細菌汚染チタン表面における骨芽細胞(マウス由来のMC3T3−E1)の形態観察(共焦点レーザー顕微鏡による観察)結果を示す。図17(A)に新製チタン表面の1つの細胞と細胞核の形態観察画像を示し、図17(B)に骨芽細胞の伸展を示し、図17(C)に骨芽細胞の伸展が少ない状態を示す。図16(B)は細胞形状に関するパラメータの定量結果を示す。ここで、縦軸左図は面積(Area)(μm2)を示し、縦軸中間図はフェレ径(Feret's diameter)(μm)を示し、縦軸右図は細胞周囲の長さ(Perimeter)(μm)を示している。フェレ径とは、細胞外径に外接する長方形の縦あるいは横の長さのうちもっとも長いものの距離を意味する。細胞周囲の長さとは、細胞の外径の周囲の長さを意味する。
細菌汚染チタン表面では、細胞が伸展していないが、ラジカル処理をした表面では細胞の伸展を認めた。図16(C)は細菌汚染チタン表面における骨芽細胞の細胞数の培養3日後の染色結果を示す。図16(D)は細菌汚染チタン表面の細胞の細胞数の定量結果を示す。細菌汚染によりチタン表面での骨芽細胞数が減少するが、ラジカル処理表面では、新製チタン表面と同等の細胞増殖が認められた。

0098

図16(B)と図16(D)において、異なるアルファベットは群間の統計的有意差を示す。
<実験5>
<ヒドロキシルラジカル生成の分析実験>

0099

図18により、ヒドロキシルラジカル生成の分析実験と実験結果について説明する。図18にヒドロキシルラジカルラジカル生成分析の結果を示す。

0100

H(-)L(-), H(+)L(-), H(-)L(+)およびH(+)L(+)の条件で生成されるヒドロキシルラジカルの分析を電子スピン共鳴分析(ESR)法で測定した。スピントラップ剤としては、分子量113、O2-、HO、C-center radicalに適用できる5,5-dimethyl-1-pyrroline N-oxide(DMPO)という水溶性トラップ剤を用いた。
実験は、150 μLの過酸化水素(H(+)の条件)あるいは純水(H(-)の条件)と150 μLの5,5-dimethyl-1-pyrroline N-oxide(DMPO; Labotec, Tokyo, Japan)を48-well細胞培養用プレートのウェル中で混和した。過酸化水素とDMPOの最終濃度はそれぞれ3%と300 mMとした。調製した溶液中にチタンディスクを浸漬し、波長365 nmのLED(放射照度:1000 mW/cm2)を15秒間照射(L(+)の条件)あるいは遮光ボックス内で保持(L(-)の条件)した。H(-)L(-), H(+)L(-)およびH(-)L(+)の条件は、処理時間15秒に加えて5分間も行った。さらに、チタンディスク上に形成される酸化チタンの光触媒効果の影響を推定するために、H(-)L(+)の条件においては、チタンディスクを浸漬した場合としない場合のヒドロキシルラジカル生成分析も行った。XバンドESR分光計(JES-FA-100, JEOL, Tokyo, Japan)を用いてESRスペクトルの記録を行った。得られたスペクトルからDMPO-OH(DMPOにトラップされたヒドロキシルラジカル)の濃度を専用ソフトウェア(Digital Data Processing, JEOL)を用いて算出した。各群において3回測定を行った。
<まとめ>
<ヒドロキシルラジカル生成の分析実験結果>

0101

図18(A)はヒドロキシルラジカル生成分析の結果で、処理時間15秒の場合を示す。図18(B)は処理時間5分の場合を示す。処理時間が15秒の場合には、H(+)L(+)の条件で81.6 μMのDMPO-OH生成が認められた。一方、その他の条件ではDMPO-OHの生成は0.2 μM未満であった。処理時間を5分とした場合にはH(-)L(-), H(+)L(-)および H(-)L(+)の条件で、それぞれ0.10, 0.33および1.64 μMのDMPO-OH生成を認めた。また、チタンディスクを浸漬せずに純水に対してLED照射を行なった場合(H(-)L(+) without Ti)にはDMPO-OHの生成は0.72 μMであった。従ってチタンディスクを浸漬した方がヒドロキシルラジカルの生成量が多くなることとから、この増加分が酸化チタンの光触媒作用によるものであるということが示唆された。
結論

0102

これらのヒドロキシルラジカル生成の分析実験結果から、紫外線照射だけの骨芽細胞増殖効果は限定的であり、処理時間が同じであれば過酸化水素と紫外線照射を併用した方が、有意に骨芽細胞増殖効果が高いという作用効果を奏することが分かった。
このように、インプラント表面を1〜5分間の処理で骨芽細胞の定着及び増殖を良好とする状態に回復できるという格別な作用効果を奏する。そして、分単位の短時間処理でインプラント表面を改善できることから、インプラント周囲骨芽細胞の定着及び増殖を良好とすることができる。
<実施形態2>
<過酸化水素水の限定>
<実施形態2の概要>

0103

実施形態2は、体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置において使用する過酸化水素水の適用に市販のオキシドールに含まれているような添加物(フェナセチンやアセトアニリドなど)を含まない過酸化水素水を使用し、過酸化水素水の濃度、不純物重金属含有量などの数値範囲を設定したものである。

0104

本実施形態2の紫外線又は/及び近紫外可視光線照射クリーニング用水溶液は、過酸化水素の濃度が1w/v%以上7w/v%以下で、過酸化水素安定剤の濃度が当水溶液中で81ppm以下しか含まれないことを特徴とする。過酸化水素の濃度が1w/v%以下では十分にヒドロキシラジカルを発生できず殺菌の作業効率がわるく、7w/v%以上ではヒドロキシラジカルの発生量が多くなりすぎて少量の過酸化水素安定剤で1日から2日間程度品質を保持して保管することが困難となる。ここで、w/v%とは、水溶液100ml中に過酸化水素が何グラム含まれているかを意味する。

0105

本実施形態2の紫外線又は/及び近紫外可視光線照射クリーニング用水溶液には過酸化水素が含まれており、この過酸化水素が紫外線又は/及び近紫外可視光線照射によってヒドロキシルラジカルに分解され、口腔内の歯周病菌を殺菌する。殺菌力は、過酸化水素の濃度及び光の強弱の組み合わせによって調整可能である。たとえば、過酸化水素の濃度が3w/v%の場合、405nm前後(例えばプラスマイナス10%程度の幅)の紫外線又は/及び近紫外可視光線照射を行うことが考えられる。ここで、図20を参照する。図20は、本実施形態2の紫外線又は/及び近紫外可視光線照射クリーニング用水溶液による殺菌体であるヒドロキシラジカルの発生の概念図である。

0106

分解前の過酸化水素(H2O2)に対して紫外線又は/及び近紫外可視光線レーザーを照射すると、矢印のように光分解されてHO・(エイチオドット:ドットは不対電子ラジカル)の存在を示す)に変化する。このHO・は不対電子をもつ構造であり、酸化力が強く、相手である歯周病菌の細胞膜などを酸化して破壊することによって殺菌を行う。

0107

一方、過酸化水素水は安定性が低く流通、保管の段階で過酸化水素が分解してしまうので一般には安定剤を含有する。安定剤はリン酸、フェナセチン、アセトアニリドなどで一般に数百ppm含まれる。これらの安定剤はそれ自体では反応性が低く、過酸化水素がかかわる殺菌、漂白などの化学反応に影響を与えないからである。

0108

ところが紫外線又は/及び近紫外可視光線レーザーの照射は過酸化水素であるか安定剤であるかを問わずに行われる。紫外線又は/及び近紫外可視光線レーザーはエネルギーが高いために化学物質を分解する能力が強力であり、反応性が一般に低い安定剤であっても分解されて未知の物質を生成する恐れがある。加えて過酸化水素に紫外線又は/及び近紫外可視光線レーザーを照射することにより生成するヒドロキシラジカルもその強い酸化力で安定剤を分解したり分解物同士の未知の合成反応にて未知の化学物質する恐れがある。

0109

そこで、過酸化水素安定剤の濃度と分解産物の有無との関係を明らかにするために、以下の実験を行った。

0110

すなわち、安定剤としてのフェナセチン濃度が81ppmである過酸化水素水溶液A、安定剤としてのフェナセチン濃度が334ppmである過酸化水素水溶液F、及び安定剤としてのアセトアニリド濃度が177ppmである過酸化水素水溶液Jに対して、波長405nmのレーザー光を照射して、照射前後におけるHPLCのクロマトグラムの変化の有無を評価した。

0111

図21は、水溶液Aに対してレーザー照射前にHPLC測定を行った結果を示す図である。予定されている物質である過酸化水素とフェナセチン以外に含有されていないことが示されている。図22は、水溶液Aに対して5分間のレーザー照射後にHPLC測定を行った結果を示す図である。図21及び図22に示すように、5分間のレーザー照射ではクロマトグラムに大きな変化は認められなかった。つまり、5分間のレーザーの照射によって安定剤としてのフェナセチン濃度が81ppmである過酸化水素水溶液Aには新たな物質の生成は確認されていない。なお、5分間とするのは歯周病等の歯科治療において連続してレーザーを照射する時間はせいぜい数十秒程度であり、5分間レーザーを照射し続けて安全と見なされれば、実際の治療での安全が確保されると考えられるからである。

0112

図23は、安定剤としてのフェナセチン濃度が334ppmである過酸化水素水溶液Fに対してレーザー照射前にHPLC測定を行った結果を示す図である。水溶液Fに関してもレーザー照射前の含有物質として検出される物質は過酸化水素とフェナセチンのみである。図24は、水溶液Fに対して5分間のレーザー照射後にHPLC測定を行った結果を示す図である。図23及び図24に示すように、5分間のレーザー照射でクロマトグラムに新たなピークが発生し、レーザー照射前になかった未知の物質の発生が安定剤としてのフェナセチン濃度が334ppmである過酸化水素水溶液Fに認められた(図24の矢印)。

0113

図25は、安定剤としてのアセトアニリド濃度が177ppmである過酸化水素水溶液Jに対してレーザー照射前にHPLC測定を行った結果を示す図である。水溶液Jについてもレーザー照射前には過酸化水素とアセトアニリド以外は検出されていない。図26は、水溶液Jに対して5分間のレーザー照射後にHPLC測定を行った結果を示す図である。図25及び図26に示すように、5分間のレーザー照射でクロマトグラムに新たなピークが発生し、安定剤としてのアセトアニリド濃度が177ppmである過酸化水素水溶液Jにおいてレーザー照射前になかった未知の物質の発生が認められた(図26の矢印)。

0114

以上の実験により、一般の過酸化水素水に含まれる安定剤であるフェナセチン及びアセトアニリドは、一定以上の濃度の場合、少なくとも5分間のレーザー照射で分解し、未知の物質である分解産物あるいは合成物が生成されることが示された。他方、フェナセチン濃度が81ppmで、レーザー照射時間が5分以内であれば、分解産物が生成されないことが示された。

0115

本実施形態2の紫外線又は/及び近紫外可視光線照射クリーニング用水溶液を用いて治療を行う際には、常に水溶液を出射し続けるため、過酸化水素水溶液が一定の場所にとどまってレーザー照射を受けることはない。したがって、5分間のレーザー照射で変化がなければ、臨床に用いた際にも新たな分解産物が生成されることはないといえる。
よって、本実施形態の紫外線又は/及び近紫外可視光線照射クリーニング用水溶液には、過酸化水素安定剤が全く含まれないことが望ましいが、含まれる場合、その濃度は当水溶液中で81ppm以下である。反応による分解産物の観点からもコストの観点からも、過酸化水素安定剤の濃度は低いほど望ましい。過酸化水素安定剤としては、フェナセチン、アセトアニリド、リン酸、のいずれか一以上を用いることが考えられる。

0116

なお、過酸化水素安定剤は、鉄などの金属イオンによって過酸化水素が分解されることを防止するために添加されている。そこで、過酸化水素の希釈に用いる精製水における鉄及び銅の分析を行ったところ、いずれも検出限界(0.05mg/L)以下であることが確認された。安定剤を所定量以下しか含有しない濃度30w/v%程度の過酸化水素水の原液冷暗所にて保管し精製水で3w/v%に希釈して作った過酸化水素水で、鉄及び銅が検出限界(0.05mg/L)以下でフェナセチン、アセトアニリドの含有量が81ppm(mg/L)以下であるものについて加速試験を行った結果室温で3年間は安定であるという結果が得られた。
過酸化水素の分解を防止する観点からは、本実施形態2の紫外線又は/及び近紫外可視光線照射クリーニング用水溶液には不純物重金属が全く含まれないことが望ましい。希釈後の過酸化水素水溶液中に不純物金属が含有されているか検出限界が0.05mg/Lである装置によって検査した。その結果鉄、銅のいずれも検出されなかった。

0117

したがって安定剤を81ppm以下しか含まない過酸化水素であっても、鉄や銅の含有が0.05mg/L以下であれば、

0118

つまり、安定剤を81ppm以下しか含まず、鉄や銅の含有が0.05mg/L以下であれば、405nm前後(例えばプラスマイナス10%程度の幅)の紫外線又は/及び近紫外可視光線照射レーザー照射によって歯周病治療に十分なヒドロキシラジカルを発生させる過酸化水素水溶液とすることができる。

0119

本実施形態2の紫外線又は/及び近紫外可視光線照射クリーニング用水溶液を歯のクリーニングに用いる場合には、たとえば、紫外線又は/及び近紫外可視光線照射クリーニング用水溶液と紫外線又は/及び近紫外可視光線とを出射するスケーラーチップを含む歯科治療装置を構成し、スケーラーチップ先端から紫外線又は/及び近紫外可視光線照射クリーニング用水溶液と紫外線又は/及び近紫外可視光線とを同時に出射することによってクリーニングを行うことが考えられる。

0120

このように構成する場合、金属イオンは過酸化水素の分解を促進するため、スケーラーチップは少なくとも紫外線又は/及び近紫外可視光線照射クリーニング用水溶液の流通路内面非金属面であることが望ましい。

0121

なお過酸化水素水の濃度として、2w/v%以上6w/v%以下であるとなお好ましく、3w/v%前後20%程度が最も好ましい。十分なヒドロキシラジカルの発生がある上に、安定剤がごく微量でも十分に長時間(3年程度以上)品質を保持できるからである。

0122

このように、本実施形態1及び本実施形態2によれば、インプラントを埋込後の人体においても無害な過酸化水素をインプラント埋込部分に供給するとともにここに散乱および集光によるUV照射を行い、体内骨埋込金属材料表面において、ヒドロキシルラジカルを発生させて効率的にインプラント部材表面を処理し、骨芽細胞定着及び増殖を良好にする体内骨埋込金属材料上骨芽細胞定着処理装置を提供することができる。

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