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技術 疲労度測定方法および装置

出願人 近藤暹
発明者 近藤暹
出願日 2017年10月20日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2017-203709
公開日 2019年5月23日 (2ヶ月経過) 公開番号 2019-076220
状態 特許登録済
技術分野 生体の呼吸・聴力・形態・血液特性等の測定
主要キーワード 正弦波発生装置 識別測定 循環小数 幅平均値 単位間隔 タイムウインドウ 単位時間間隔 識別音
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年5月23日)のものです。
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図面 (6)

課題

簡単な装置と操作により、聴覚に基づいて身体ないし脳神経系統の疲労度を1回の測定により、客観的数値として容易かつ正確に測定し、表示することができる疲労度測定方法および装置を提供する。

解決手段

第1音Aと第2音Bを時間間隔T2を順次大きくして発生させる分離識別音列発生部1と、分離識別信号により分離識別閾値t1を確定する分離識別閾値確定部2と、第1音Aと第2音Bを時間間隔T2を順次小さくして発生させる融合識別音列発生部3と、融合識別信号により融合識別閾値t2を確定する融合識別閾値確定部4と、分離識別閾値t1と融合識別閾値t2の差から識別幅値Dを算出し、分離識別閾値t1と融合識別閾値t2の平均により識別幅平均値Mを算出し、識別幅値Dと識別幅平均値Mから疲労度を判定する演算部5と、これらを記録、表示する記録部6および表示部7とを含む疲労度測定方法および装置。

概要

背景

身体ないし脳神経系統の疲労度を測定する方法および器具として、特許文献1(特公昭52−39276)および特許文献2(実登2582055)には、一定の周期ごとに聴覚的に融合可能な第1音とそれに続く第2音とを発生させるための検査音発生手段と、上記第1音と第2音の間の時間間隔を自動または手動で逐次変化可能にした時間間隔制御手段と、それらの第1音および第2音が2音として分離識別できる時間間隔の最小値を指示するための指示手段とを備え、上記時間間隔の最小値を、疲労度を表す一指数として測定する方法および装置が示されている。この方法および装置では、時間間隔を順次大きくしながら第1音と第2音を繰り返し発生させ、2音として分離識別できる最小の時間間隔の数値識別閾値として疲労度を測定するようにされている。しかしながら上記の方法では、作業の前後に測定して双方の変化率から疲労度を判定する必要があり、1回の測定により客観的数値として疲労度を判定するのは困難である。また識別閾値と疲労度の関係が被験者測定条件等によって必ずしも一定せず、被験者や測定条件等が変化した場合、客観的な測定結果を得るのが困難であるという問題点があった。

このような問題点を解決するために、特許文献3(特開2008−183048)には、上記の疲労度測定方法および器具による測定結果と疲労度との関係につき、被験者ごとデータベース構築し、このデータベースのデータに基づく比較解析により、被験者の作業負荷による疲労度を客観的な指標として評価するようにした作業疲労度測定システムが提案されている。しかしながら上記作業疲労度測定システムは、データベースの構築と運用が困難であり、システムが複雑になるという問題点があった。

概要

簡単な装置と操作により、聴覚に基づいて身体ないし脳神経系統の疲労度を1回の測定により、客観的数値として容易かつ正確に測定し、表示することができる疲労度測定方法および装置を提供する。 第1音Aと第2音Bを時間間隔T2を順次大きくして発生させる分離識別音列発生部1と、分離識別信号により分離識別閾値t1を確定する分離識別閾値確定部2と、第1音Aと第2音Bを時間間隔T2を順次小さくして発生させる融合識別音列発生部3と、融合識別信号により融合識別閾値t2を確定する融合識別閾値確定部4と、分離識別閾値t1と融合識別閾値t2の差から識別幅値Dを算出し、分離識別閾値t1と融合識別閾値t2の平均により識別幅平均値Mを算出し、識別幅値Dと識別幅平均値Mから疲労度を判定する演算部5と、これらを記録、表示する記録部6および表示部7とを含む疲労度測定方法および装置。

目的

本発明の目的は、簡単な装置と操作により、聴覚に基づいて身体ないし脳神経系統の疲労度を1回の測定により、客観的数値として容易かつ正確に測定し、表示することができる疲労度測定方法および装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

融合可能な第1音と第2音を時間フレームごと時間間隔を順次大きくして発生させる分離識別音列発生工程と、被験者の分離識別信号を受信したときの時間間隔を分離識別閾値t1として確定する分離識別閾値確定工程と、融合可能な第1音と第2音を時間フレームごとに時間間隔を順次小さくして発生させる融合識別音列発生工程と、被験者の融合識別信号を受信したときの時間間隔を融合識別閾値t2として確定する融合識別閾値確定工程と、分離識別閾値t1と融合識別閾値t2の差から識別幅値Dを算出し、分離識別閾値t1と融合識別閾値t2の平均により識別幅平均値Mを算出するとともに、識別幅値Dと識別幅平均値Mから疲労度を判定する演算工程と、分離識別閾値t1、融合識別閾値t2、識別幅値Dおよび識別幅平均値Mを記録する記録工程と、識別幅値Dと識別幅平均値Mから判定される疲労度を表示する表示工程とを含むことを特徴とする疲労度測定方法

請求項2

演算工程は識別幅値Dと識別幅平均値Mの比から相対識別幅値D/Mを算出するとともに、D/M値またはその等価もしくは近似値から疲労度を判定し、記録工程はD/M値および疲労度を記録し、表示工程は上記疲労度を表示するものである請求項1記載の疲労度測定方法。

請求項3

D/M値の等価もしくは近似値が、x軸にM、y軸にDをとったときの座標点から原点を通る直線とx軸の角度θまたはその等価もしくは近似値である請求項2記載の疲労度測定方法。

請求項4

融合可能な第1音と第2音を時間フレームごとに時間間隔を順次大きくして発生させる分離識別音列発生部と、被験者の分離識別信号を受信したときの時間間隔を分離識別閾値t1として確定する分離識別閾値確定部と、融合可能な第1音と第2音を時間フレームごとに時間間隔を順次小さくして発生させる融合識別音列発生部と、被験者の融合識別信号を受信したときの時間間隔を融合識別閾値t2として確定する融合識別閾値確定部と、分離識別閾値t1と融合識別閾値t2の差から識別幅値Dを算出し、分離識別閾値t1と融合識別閾値t2の平均により識別幅平均値Mを算出するとともに、識別幅値Dと識別幅平均値Mから疲労度を判定する演算部と、分離識別閾値t1、融合識別閾値t2、識別幅値Dおよび識別幅平均値Mを記録する記録部と、識別幅値Dと識別幅平均値Mから判定される疲労度を表示する表示部とを含むことを特徴とする疲労度測定装置

請求項5

演算部は識別幅値Dと識別幅平均値Mの比から相対識別幅値D/Mを算出するとともに、D/M値またはその等価もしくは近似値から疲労度を判定し、記録部はD/M値および疲労度を記録し、表示部は上記疲労度を表示するものである請求項4記載の疲労度測定装置。

請求項6

D/M値の等価もしくは近似値が、x軸にM、y軸にDをとったときの座標点から原点を通る直線とx軸の角度θまたはその等価もしくは近似値である請求項5記載の疲労度測定装置。

技術分野

0001

本発明は、聴覚に基づいて身体ないし脳神経系統の疲労度客観的数値として測定し、表示するようにした疲労度測定方法および装置に関するものである。

背景技術

0002

身体ないし脳神経系統の疲労度を測定する方法および器具として、特許文献1(特公昭52−39276)および特許文献2(実登2582055)には、一定の周期ごとに聴覚的に融合可能な第1音とそれに続く第2音とを発生させるための検査音発生手段と、上記第1音と第2音の間の時間間隔を自動または手動で逐次変化可能にした時間間隔制御手段と、それらの第1音および第2音が2音として分離識別できる時間間隔の最小値を指示するための指示手段とを備え、上記時間間隔の最小値を、疲労度を表す一指数として測定する方法および装置が示されている。この方法および装置では、時間間隔を順次大きくしながら第1音と第2音を繰り返し発生させ、2音として分離識別できる最小の時間間隔の数値を識別閾値として疲労度を測定するようにされている。しかしながら上記の方法では、作業の前後に測定して双方の変化率から疲労度を判定する必要があり、1回の測定により客観的数値として疲労度を判定するのは困難である。また識別閾値と疲労度の関係が被験者測定条件等によって必ずしも一定せず、被験者や測定条件等が変化した場合、客観的な測定結果を得るのが困難であるという問題点があった。

0003

このような問題点を解決するために、特許文献3(特開2008−183048)には、上記の疲労度測定方法および器具による測定結果と疲労度との関係につき、被験者ごとデータベース構築し、このデータベースのデータに基づく比較解析により、被験者の作業負荷による疲労度を客観的な指標として評価するようにした作業疲労度測定システムが提案されている。しかしながら上記作業疲労度測定システムは、データベースの構築と運用が困難であり、システムが複雑になるという問題点があった。

先行技術

0004

特公昭52−39276
実登2582055
特開2008−183048

発明が解決しようとする課題

0005

本発明の目的は、簡単な装置と操作により、聴覚に基づいて身体ないし脳神経系統の疲労度を1回の測定により、客観的数値として容易かつ正確に測定し、表示することができる疲労度測定方法および装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0006

本発明は次の疲労度測定方法および装置である。
(1) 融合可能な第1音と第2音を時間フレームごとに時間間隔を順次大きくして発生させる分離識別音列発生工程と、
被験者の分離識別信号を受信したときの時間間隔を分離識別閾値t1として確定する分離識別閾値確定工程と、
融合可能な第1音と第2音を時間フレームごとに時間間隔を順次小さくして発生させる融合識別音列発生工程と、
被験者の融合識別信号を受信したときの時間間隔を融合識別閾値t2として確定する融合識別閾値確定工程と、
分離識別閾値t1と融合識別閾値t2の差から識別幅値Dを算出し、分離識別閾値t1と融合識別閾値t2の平均により識別幅平均値Mを算出するとともに、識別幅値Dと識別幅平均値Mから疲労度を判定する演算工程と、
分離識別閾値t1、融合識別閾値t2、識別幅値Dおよび識別幅平均値Mを記録する記録工程と、
識別幅値Dと識別幅平均値Mから判定される疲労度を表示する表示工程と
を含むことを特徴とする疲労度測定方法。
(2) 演算工程は識別幅値Dと識別幅平均値Mの比から相対識別幅値D/Mを算出するとともに、D/M値またはその等価もしくは近似値から疲労度を判定し、記録工程はD/M値および疲労度を記録し、表示工程は上記疲労度を表示するものである上記(1)記載の疲労度測定方法。
(3) D/M値の等価もしくは近似値が、x軸にM、y軸にDをとったときの座標点から原点を通る直線とx軸の角度θまたはその等価もしくは近似値である上記(2)記載の疲労度測定方法。
(4) 融合可能な第1音と第2音を時間フレームごとに時間間隔を順次大きくして発生させる分離識別音列発生部と、
被験者の分離識別信号を受信したときの時間間隔を分離識別閾値t1として確定する分離識別閾値確定部と、
融合可能な第1音と第2音を時間フレームごとに時間間隔を順次小さくして発生させる融合識別音列発生部と、
被験者の融合識別信号を受信したときの時間間隔を融合識別閾値t2として確定する融合識別閾値確定部と、
分離識別閾値t1と融合識別閾値t2の差から識別幅値Dを算出し、分離識別閾値t1と融合識別閾値t2の平均により識別幅平均値Mを算出するとともに、識別幅値Dと識別幅平均値Mから疲労度を判定する演算部と、
分離識別閾値t1、融合識別閾値t2、識別幅値Dおよび識別幅平均値Mを記録する記録部と、
識別幅値Dと識別幅平均値Mから判定される疲労度を表示する表示部と
を含むことを特徴とする疲労度測定装置
(5) 演算部は識別幅値Dと識別幅平均値Mの比から相対識別幅値D/Mを算出するとともに、D/M値またはその等価もしくは近似値から疲労度を判定し、記録部はD/M値および疲労度を記録し、表示部は上記疲労度を表示するものである上記(4)記載の疲労度測定装置。
(6) D/M値の等価もしくは近似値が、x軸にM、y軸にDをとったときの座標点から原点を通る直線とx軸の角度θまたはその等価もしくは近似値である上記(5)記載の疲労度測定装置。

0007

特許文献1および特許文献2では、検査音発生手段で発生させた第1音と第2音の間の時間間隔を順次大きくして識別音列を発生させ、被験者が2音に分離したことを識別した時点を分離識別閾値と確定しているが、このような方法では識別閾値と疲労度の関係が被験者や測定条件等が変わることによって変わることがあり、一定しなかった。その原因について検討した結果、識別音列の時間間隔を順次大きくするという一方向の変化のみにより識別能力を測定する点に原因があると推測された。すなわち人の識別能力には、時間間隔が順次大きくなる場合と小さくなる場合とでは差があるため、時間間隔が順次大きくなる場合に2音の分離を識別した時点の時間間隔と、逆に時間間隔が順次小さくなる場合に2音の融合を識別した時点の時間間隔とで差が生じ、疲労の状況等によってこれらの差が変動することがわかった。

0008

本発明者の試験の結果、時間間隔が順次大きくなる分離識別音列を発生させたときの分離識別閾値t1と、時間間隔が順次小さくなる融合識別音列を発生させたときの融合識別閾値t2に差が生じ、この差は被験者の体調、疲労度等により変化するが、t1とt2の平均値はt1単独で判定する場合よりも、被験者の体調、疲労度等をほぼ忠実に表しているものと認められた。この場合でも、両者の差を識別幅値Dとし、両者の平均値を識別幅平均値Mとして、DおよびMの値から疲労度を判定することにより、疲労度を客観的数値として測定し、表示できることが分かった。

0009

分離識別閾値t1と融合識別閾値t2は、人によってどちらが高いかに差があるが、両者の差すなわち|t1−t2|(t1−t2の絶対値)は識別閾値が変動する範囲ないしばらつきの範囲を示すものと認められ、識別幅値Dとして捉えられる。この識別幅値Dは小さいほど疲労度が小さいことが予想されるが、同じDの値でもt1、t2のレベルによって変動率は異なる。そこで本発明ではt1、t2のレベルとしてt1とt2の平均値すなわち識別幅平均値Mを用い、識別幅値Dと識別幅平均値Mから疲労度を判定することにより、被験者が異なる場合でも疲労度を客観的数値として容易かつ正確に測定することができる。この場合、識別幅値Dと識別幅平均値Mの比から相対識別幅値D/Mを算出するとともに、D/M値またはその等価もしくは近似値から判定される疲労度を算出するのが好ましい。

0010

本発明の疲労度測定装置は、融合可能な第1音と第2音を時間フレームごとに時間間隔を順次大きくして発生させる分離識別音列発生部と、被験者の分離識別信号を受信したときの時間間隔を分離識別閾値t1として確定する分離識別閾値確定部と、融合可能な第1音と第2音とを時間フレームごとに時間間隔を順次小さくして発生させる融合識別音列発生部と、被験者の融合識別信号を受信したときの時間間隔を融合識別閾値t2として確定する融合識別閾値確定部と、分離識別閾値t1と融合識別閾値t2の差から識別幅値Dを算出し、分離識別閾値t1と融合識別閾値t2の平均により識別幅平均値Mを算出するとともに、識別幅値Dと識別幅平均値Mから疲労度を判定する演算部と、分離識別閾値t1、融合識別閾値t2、識別幅値Dおよび識別幅平均値Mを記録する記録部と、識別幅値Dと識別幅平均Mから判定される疲労度を表示する表示部とを含むように構成される。これらの各構成要素はパソコンスマートホン等の演算制御装置に組み込まれ、CPU、メモリ音声発生装置表示装置入力装置等のハードウエアとの協業により疲労度測定を行うように構成される。

0011

本発明の疲労度測定装置における分離識別音列発生部は、融合可能な第1音と第2音を時間フレームごとに時間間隔を順次大きくして発生させるように構成される。ここで「融合可能な第1音と第2音」とは、第1音と第2音を時間的に近づけたとき聴覚的にほぼ1音として認識できる2音を意味する。それぞれの音は被験者が識別するのに適した波形周波数音量持続時間のものが選ばれるが、パルス状に独立して形成されるものを所定の時間間隔で発生させる。これらの音は被験者に不快な刺激を与えないように、徐々に立ち上がるフェイドイン部、定常部、および徐々に消失するフェイドアウト部を設定するのが好ましい。このような分離識別音列発生部は特許文献1、2に示されたようにアナログ的に発生させるものでもよいが、デイジタル的に発生させるものが好ましい。

0012

時間フレーム」とは、測定時間を所定時間(例えば一定時間)間隔で区切って複数のフレームに分割したタイムウインドウである。分離識別音列発生部において第1音と第2音を時間フレームごとに時間間隔を順次大きくして発生させるためには、例えば第1のフレームにおいて(基準間隔単位間隔)の時間間隔で発生させ、第2以下のフレームにおいて(前回間隔+単位間隔)の時間間隔で発生させるように構成することができる。この場合、単一音の音声情報をメモリに格納しておき、これを時間フレームごとに読み出し、順次大きくなる時間間隔と組合せることにより、その都度分離識別音列を発生させるように構成することができる。また予め時間フレームごとに順次大きくなる時間間隔を挟むように第1音と第2音を組み合わせた音声情報を格納しておき、これを時間フレームごとに順次読み出して分離識別音列を発生させるように構成することもできる。

0013

分離識別閾値確定部は、被験者の分離識別信号を受信したときの時間間隔を分離識別閾値t1として確定するように構成される。すなわち分離識別音列発生部により、時間フレームごとに時間間隔が順次大きくなるような第1音と第2音からなる分離識別音列を発生させるが、被験者が2音の分離を識別した時点で分離識別信号を送信すると、分離識別閾値確定部は、被験者の分離識別信号を受信した時点の時間間隔を分離識別閾値t1として確定するように構成される。

0014

融合識別音列発生部は、融合可能な第1音と第2音を時間フレームごとに時間間隔を順次小さくして発生させるように構成される。この融合識別音列発生部は、前記分離識別音列発生部とは逆に、第1音と第2音を時間フレームごとに時間間隔を順次小さくして発生させるように構成されている点で異なるだけで、他の構成は分離識別音列発生部とほぼ同一とすることができる。すなわち時間間隔は、分離識別音列発生部では小さい方から大きい方に拡大するのに対し、融合識別音列発生部では、大きい方から小さい方に縮小する。これにより分離識別音列発生部では2音の分離を識別するのに対し、融合識別音列発生部では2音の融合を識別するように構成される。

0015

融合識別閾値確定部は、被験者の融合識別信号を受信したときの時間間隔を融合識別閾値t2として確定するように構成される。すなわち融合識別音列発生部により、時間フレームごとに時間間隔が順次小さくなるような第1音と第2音からなる融合識別音列を発生させるが、被験者が2音の融合を識別した時点で融合識別信号を送信すると、融合識別閾値確定部は、被験者の融合識別信号を受信した時点の時間間隔を融合識別閾値t2として確定するように構成されている点で異なるだけで、他の構成は分離識別閾値確定部とほぼ同一とすることができる。

0016

演算部は、分離識別閾値t1と融合識別閾値t2の差から識別幅値Dを算出し、分離識別閾値t1と融合識別閾値t2の平均により識別幅平均値Mを算出するとともに、識別幅値Dと識別幅平均値Mから疲労度を判定するように構成される。記録部は、分離識別閾値t1、融合識別閾値t2、識別幅値Dおよび識別幅平均値Mを記録するように構成される。また表示部は、識別幅値Dと識別幅平均値Mから判定される疲労度を表示するように構成される。

0017

上記の疲労度測定装置による疲労度測定方法は、分離識別音列発生工程として、分離識別音列発生部において、融合可能な第1音と第2音を、時間フレームごとに時間間隔が順次大きくなるように、分離識別音列として順次発生させる。被験者はこの分離識別音列を音声発生装置から聞き取り、2音の分離を識別した時点で入力装置から分離識別信号を送信する。分離識別閾値確定部は、分離識別閾値確定工程として、被験者の分離識別信号を受信した時点の時間間隔を分離識別閾値t1として確定する。

0018

次いで融合識別音列発生工程として、融合識別音列発生部において、融合可能な第1音と第2音を、時間フレームごとに時間間隔が順次小さくなるように、融合識別音列として順次発生させる。被験者はこの融合識別音列を音声発生装置から聞き取り、2音の融合を識別した時点で入力装置から融合識別信号を送信する。融合識別閾値確定部は、融合識別閾値確定工程として、被験者の分離識別信号を受信した時点の時間間隔を融合識別閾値t2として確定する。

0019

このとき演算部は、演算工程として、分離識別閾値t1と融合識別閾値t2の差から識別幅値Dを算出し、分離識別閾値t1と融合識別閾値t2の平均により識別幅平均値Mを算出するとともに、識別幅値Dと識別幅平均値Mから疲労度を判定する。そして記録部は、記録工程として、分離識別閾値t1、融合識別閾値t2、識別幅値Dおよび識別幅平均値Mをメモリに記録する。また表示部は表示工程として表示装置に、識別幅値Dと識別幅平均値Mから判定される疲労度を表示する。識別幅平均値Mとしては、一般にt1、t2の単純平均値が用いられるが、分離と融合の識別の容易性等を考慮した加重平均値であってもよい。

0020

上記の構成に加えて、演算部は識別幅値Dと識別幅平均値Mの比から相対識別幅値D/Mを算出するとともに、D/M値またはその等価もしくは近似値から疲労度を判定し、記録部はD/M値および疲労度を記録し、表示部は上記疲労度を表示するものであるのが好ましい。この場合、D/M値の等価もしくは近似値としては、x軸にM、y軸にDをとったときの座標点から原点を通る直線とx軸の角度θまたはその等価もしくは近似値とすることができる。

0021

このような構成の疲労度測定装置による疲労度測定方法では、前記の事項に加えて、演算部における演算工程は、識別幅値Dと識別幅平均値Mの比から相対識別幅値D/Mを算出するとともに、D/M値またはその等価もしくは近似値から疲労度を判定し、記録部における記録工程は、D/M値および疲労度を記録し、表示部における表示工程は上記疲労度を表示する。この場合、D/M値の等価もしくは近似値としては、x軸にM、y軸にDをとったときの座標点から原点を通る直線とx軸の角度θまたはその等価もしくは近似値とすることができる。

0022

相対識別幅値D/Mは識別幅値Dと識別幅平均値Mの比であり、分離融合識別レベルにおける相対的な識別幅値を示すから、客観的な疲労度を表示できる。すなわち一般的には識別幅値Dが小さいほど疲労度が小さいと言えるが、t1、t2のレベルが高い場合は、識別幅値Dが大きい場合でも疲労度が小さい場合がある。そこで識別幅値Dと識別幅平均値Mの比としての相対識別幅値D/Mを用いると、疲労度を客観的数値として容易かつ正確に測定することができる。相対識別幅値D/Mは識別幅平均値Mに対する変動率を示すから、被験者が異なる場合、体調、疲労度あるいは疲労の状態等が異なることにより識別幅平均値Mが変動する場合でも、客観的な数値で疲労度を示すことができる。また作業の前後に測定して双方の変化率により疲労度を判定する必要はなく、1回の測定で容易かつ正確に疲労度を判定することができる。

発明の効果

0023

本発明によれば、被験者が異なる場合、体調、疲労度あるいは疲労の状態等が異なる場合であっても、身体ないし脳神経系統の疲労度を客観的数値として、1回の測定により容易かつ正確に測定し、表示することができる。

図面の簡単な説明

0024

実施形態の疲労度測定装置の構成を示すブロック図である。
実施形態の疲労度測定装置の動作を示すフロー図である。
実施形態における第1音と第2音の波形を模式的に示す波形図である。
実施形態におけるD、Mおよびθの関係を示すグラフである。
実施例におけるD、M、D/Mおよびθの関係を示すグラフである。

0025

以下、本発明の実施形態を図面により説明する。
図1は実施形態の疲労度測定装置の構成を示すブロック図である。実施形態の疲労度測定装置は、融合可能な第1音Aと第2音Bを時間フレームT3ごとに時間間隔T2を順次大きくして発生させる分離識別音列発生部1と、被験者の分離識別信号を受信したときの時間間隔T2を分離識別閾値t1として確定する分離識別閾値確定部2と、融合可能な第1音Aと第2音Bとを時間フレームT3ごとに時間間隔T2を順次小さくして発生させる融合識別音列発生部3と、被験者の融合識別信号を受信したときの時間間隔T2を融合識別閾値t2として確定する融合識別閾値確定部4と、分離識別閾値t1と融合識別閾値t2の差から識別幅値Dを算出し、分離識別閾値t1と融合識別閾値t2の平均により識別幅平均値Mを算出するとともに、識別幅値Dと識別幅平均値Mから疲労度を判定する演算部5と、分離識別閾値t1、融合識別閾値t2、識別幅値Dおよび識別幅平均値Mを記録する記録部6と、識別幅値Dと識別幅平均Mから判定される疲労度を表示する表示部7とを含むように構成される。これらの各構成要素はソフトウエア主体として構成されており、パソコン、スマートホン等からなる演算制御装置10に組み込まれている。

0026

演算制御装置10は、CPU11、クロック発生装置12、入力装置13、メモリ14、表示装置15、指示応答装置16、音声発生装置17、外部メモリ18等のハードウエアを含み、前記ソフトウエアを主体とする構成要素との協業により疲労度測定を行うように構成されている。クロック発生装置12は演算制御装置10に備え付けのものであり、時間間隔の制御に用いられる。入力装置13としては、キーボードマウスタッチパネル等があげられ、データの入力や設定変更等に用いられる。表示装置15としては、一般的なディスプレイタッチパネル式ディスプレイ等があげられ、測定内容や、結果の表示に用いられる。指示応答装置16としては、押しボタン、スイッチなど、機械的なもののほか、表示装置15に表示された押しボタン、タッチパネル等があげられ、指示応答に用いられる。音声発生装置17としては、スピーカヘッドホン等があげられ、分離識別音列や融合識別音列の発生に用いられる。メモリ14、外部メモリ18としては、RAMのほか、ディスクカードフラッシュメモリ等の媒体を用いたROMなどの記憶手段があげられ、プログラムやデータの記録に用いられる。これらはそれぞれ部分的に共用されるものがある。

0027

分離識別音列発生部1は、図3に示すように融合可能な第1音Aと第2音Bを時間フレームT3ごとに時間間隔T2を順次大きくして発生させるように構成される。ここで「融合可能な第1音と第2音」とは、第1音Aと第2音Bを時間的に近づけたとき聴覚的にほぼ1音として認識できる2音を意味する。実施形態では同一波形のものを繰り返し使用するようにされている。それぞれの音A、Bは被験者が識別するのに適した波形、周波数、音量、持続時間のものが選ばれるが、パルス状に独立して形成されるものを所定の時間幅T1で発生させる。これらの音A、Bは被験者に不快な刺激を与えないように、徐々に立ち上がるフェイドイン部(時間幅T4の部分)、定常部(時間幅T5の部分)、および徐々に消失するフェイドアウト部(時間幅T6の部分)から構成されている。T1は25〜35m秒、T2は1〜50m秒、T3は0.9〜1秒、T4、T6は3〜5m秒程度とされている。このような分離識別音列発生部は特許文献1、2に示されたように、正弦波発生装置で発生した波形を整形して切り出すものなど、アナログ的に発生させるものでもよいが、実施形態ではデイジタル的に発生させるものが用いられている。具体的には数値および(または)式の組合せにより波形情報を形成し、あるいは外部で形成した波形情報を取り込むなどが可能である。

0028

「時間フレーム」とは、図3に示すように、測定時間を一定の時間間隔T3で区切って複数のフレームに分割したタイムウインドウである。分離識別音列発生部1において第1音Aと第2音Bを時間フレームT3ごとに時間間隔T2を順次大きくして発生させるためには、例えば第1のフレームにおいて(基準間隔+単位間隔)の時間間隔で発生させ、第2のフレーム以下において(前回間隔+単位間隔)の時間間隔で発生させるように構成することができる。具体的には基準間隔を0、単位間隔をuとすると、表1に示すように時間間隔T2はフレーム1が1u、フレーム2が2u、フレーム3が3u・・・フレーム49が49u、フレーム50が50uと、単位間隔uずつ増加する。

0029

0030

このように第1音Aと第2音Bを時間フレームT3ごとに時間間隔T2を順次大きくして発生させるためには、単一音の音声情報をメモリに格納しておき、これを時間フレームごとに読み出し、これを第1音Aとし、これに順次大きくなる時間間隔T2と組合せ、さらに再度読み出した第2音Bの音声情報と組合せることにより、その都度分離識別音列を発生させるように構成することができる。また表1に示すように、予め時間フレームごとに順次大きくなる時間間隔を挟むように第1音と第2音を組み合わせた各時間フレームの音声情報を格納しておき、これを各時間フレームごとに順次読み出して分離識別音列を発生させるように構成することもできる。分離識別音列発生部1は、表1の分離識別工程欄に示すように、フレーム1、フレーム2、フレーム3・・・のように、時間間隔T2が順次大きくなる分離識別音列を発生させるように構成される。

0031

分離識別閾値確定部2は、被験者の分離識別信号を受信したときの時間間隔を分離識別閾値t1として確定するように構成される。すなわち分離識別音列発生部1により、時間フレームごとに時間間隔が順次大きくなるような第1音Aと第2音Bからなる分離識別音列を発生させるが、被験者が2音の分離を識別した時点で指示応答装置16から分離識別信号を送信すると、分離識別閾値確定部2は、被験者の分離識別信号を受信した時点の時間間隔T2を分離識別閾値t1として確定するように構成される。表1ではt1が表示されたフレームの時間間隔が分離識別閾値t1として確定され、この時点で分離識別工程が終了するように構成される。

0032

融合識別音列発生部3は、融合可能な第1音Aと第2音Bを時間フレームごとに時間間隔T2を順次小さくして発生させるように構成される。すなわち表1の融合識別工程欄に示すように、フレーム50、フレーム49・・・のように、時間間隔T2が順次小さくなる融合識別音列を発生させるように構成される。この融合識別音列発生部3は、前記分離識別音列発生部1とは逆に、第1音Aと第2音Bを時間フレームごとに時間間隔T2を順次小さくして発生させるように構成されている点で異なるだけで、他の構成は分離識別音列発生部1とほぼ同一とすることができる。すなわち時間間隔T2は、分離識別音列発生部1では小さい方から大きい方に拡大するのに対し、融合識別音列発生部3では、大きい方から小さい方に縮小する。これにより分離識別音列発生部1では2音の分離を識別するのに対し、融合識別音列発生部3では2音の融合を識別するように構成される。

0033

融合識別閾値確定部4は、被験者の融合識別信号を受信したときの時間間隔T2を融合識別閾値t2として確定するように構成される。すなわち融合識別音列発生部3により、時間フレームごとに時間間隔が順次小さくなるような第1音Aと第2音Bからなる融合識別音列を発生させるが、被験者が2音の融合を識別した時点で指示応答装置16から融合識別信号を送信すると、融合識別閾値確定部4は、被験者の融合識別信号を受信した時点の時間間隔T2を融合識別閾値t2として確定するように構成されている点で異なるだけで、他の構成は分離識別閾値確定部2とほぼ同一とすることができる。表1ではt2が表示されたフレームの時間間隔が融合識別閾値t2として確定され、この時点で融合識別工程が終了するように構成される。

0034

演算部5は、分離識別閾値t1と融合識別閾値t2の差から識別幅値Dを算出し、分離識別閾値t1と融合識別閾値t2の平均により識別幅平均値Mを算出するとともに、識別幅値Dと識別幅平均値Mから疲労度を判定するように構成される。分離識別閾値t1と融合識別閾値t2は、人によってどちらが高いかに差があるが、通常両者は一致せず、ヒステリシス状の異なる値が得られる。このため分離識別閾値t1と融合識別閾値t2の差すなわち|t1−t2|(t1−t2の絶対値)として識別幅値Dを算出し、分離識別閾値t1と融合識別閾値t2の平均((t1+t2)/2)として識別幅平均値Mを算出する。この場合、演算部5は識別幅値Dと識別幅平均値Mの比(D/M)から相対識別幅値D/Mを算出するとともに、D/M値またはその等価もしくは近似値から判定される疲労度を算出するように構成される。D/M値の等価もしくは近似値としては、x軸にM、y軸にDをとったときの座標点から原点を通る直線とx軸の角度θまたはその等価もしくは近似値とすることができる。

0035

記録部6は、分離識別閾値t1、融合識別閾値t2、識別幅値D、識別幅平均値M、相対識別幅値D/Mまたはその等価もしくは近似値、ならびにこれらから判定される疲労度などを記録するように構成される。また表示部7は、分離識別閾値t1、融合識別閾値t2、識別幅値D、識別幅平均値M、相対識別幅値D/Mまたはその等価もしくは近似値、ならびにこれらから判定される疲労度などを表示するように構成される。

0036

上記の疲労度測定装置による疲労度測定方法は、指示応答装置16からの指示により、分離識別測定が開始される。音列発生工程では、クロック発生装置12のクロック信号により、分離識別音列発生部1において、融合可能な第1音Aと第2音Bを、時間フレームごとに時間間隔T2が順次大きくなるように、音声発生装置17から分離識別音列として順次発生させる。この場合、表2の分離識別工程に示すように、フレーム1、フレーム2・・・の時間間隔T2の順序で分離識別音列を発生させる。被験者はこの分離識別音列を聞き取り、2音の分離を識別した時点で指示応答装置16から分離識別信号を送信する。分離識別閾値確定部2は、分離識別閾値確定工程として、被験者の分離識別信号を受信した時点の時間間隔T2を分離識別閾値t1として確定する。これにより分離識別工程は終了する。

0037

次いで融合識別音列発生工程として、融合識別音列発生部3において、融合可能な第1音Aと第2音Bを、時間フレームごとに時間間隔が順次小さくなるように、音声発生装置17から融合識別音列として順次発生させる。この場合、表2の融合識別工程に示すように、フレーム50、フレーム49・・・の時間間隔T2の順序で融合識別音列を発生させる。被験者はこの融合識別音列を聞き取り、2音の融合を識別した時点で指示応答装置16から融合識別信号を送信する。融合識別閾値確定部4は、融合識別閾値確定工程として、被験者の分離識別信号を受信した時点の時間間隔T2を融合識別閾値t2として確定する。これにより融合識別工程は終了する。

0038

このとき演算部5は、演算工程として、分離識別閾値t1と融合識別閾値t2の差から識別幅値Dを算出し、分離識別閾値t1と融合識別閾値t2の平均により識別幅平均値Mを算出し、識別幅値Dと識別幅平均値Mの比から相対識別幅値D/Mを算出し、D/M値またはその等価もしくは近似値から疲労度を判定する。これらの演算はCPU11を主体とする演算制御装置10において、プログラムに従って行われる。識別幅平均値Mとしては、分離と融合の識別の容易性等を考慮した加重平均値であってもよいが、実施形態ではt1、t2の単純平均値が用いられている。D/M値の等価もしくは近似値としては、x軸にM、y軸にDをとったときの座標点から原点を通る直線とx軸の角度θまたはその等価もしくは近似値とすることができる。

0039

記録部6は、記録工程として、分離識別閾値t1、融合識別閾値t2、識別幅値D、識別幅平均値M、相対識別幅値D/Mまたはその等価もしくは近似値、ならびにこれらから判定される疲労度などをメモリ14に記録する。また表示部7は表示工程として表示装置15に、分離識別閾値t1、融合識別閾値t2、識別幅値D、識別幅平均値M、相対識別幅値D/Mまたはその等価もしくは近似値、ならびにこれらから判定される疲労度を表示する。

0040

演算制御装置10における疲労度測定の手順を図2により説明する。S1において、指示応答装置16からの指示により分離識別測定が開始する。S2において、分離識別音列発生部1は時間フレームごとに((基準間隔1または前回の時間間隔T2)+単位時間間隔u)の時間間隔T2となるように、第1音Aと第2音Bを発生する。すなわち基準間隔1を0、単位間隔をuとすると、表1の分離識別工程に示すように、フレーム1では、(基準間隔1+単位時間間隔u)として1u、フレーム2では、(前回の時間間隔1u+単位時間間隔u)として2u、フレーム3では、(前回の時間間隔2u+単位時間間隔u)として3u・・・となるように、順次第1音Aと第2音Bの分離識別音列を発生する。

0041

被験者は2音の分離を識別した時点で指示応答装置16から分離識別信号を送信するが、この分離識別信号の有無はS3において判定され、分離識別信号無の場合はS2に戻り、次のフレームの分離識別音列を発生し、分離識別信号の有が判定されるまで継続する。被験者が分離識別信号を送信したときは、S3において分離識別信号有と判定されてS4に移り、分離識別閾値t1確定工程として、被験者の分離識別信号を受信した時点の時間間隔T2を分離識別閾値t1として確定する。これにより分離識別工程は終了してS5に移り、記録部6が記録工程の一部として分離識別閾値t1を記録する。これにより分離識別測定が終了する。

0042

その後指示応答装置16からの指示によりS6に移り、融合識別測定が開始する。S7において、融合識別音列発生部3は時間フレームごとに((基準間隔2または前回の時間間隔T2)−単位時間間隔u)の時間間隔T2となるように、第1音Aと第2音Bを発生する。すなわちここで基準間隔2を51、単位間隔をuとすると、表1の融合識別工程に示すように、フレーム50では、(基準間隔2−単位時間間隔u)として50u、フレーム49では、(前回の時間間隔50u−単位時間間隔u)として49u、フレーム48では、(前回の時間間隔49u−単位時間間隔u)として48u・・・となるように、順次第1音Aと第2音Bの融合識別音列を発生する。

0043

被験者は2音の融合を識別した時点で指示応答装置16から融合識別信号を送信するが、この融合識別信号の有無はS8において判定され、融合識別信号無の場合はS7に戻り、次のフレームの融合識別音列を発生し、融合識別信号の有が判定されるまで継続する。被験者が融合識別信号を送信したときは、S8において融合識別信号有と判定されてS9に移り、融合識別閾値確定工程として、被験者の融合識別信号を受信した時点の時間間隔T2を融合識別閾値t2として確定する。

0044

これにより融合識別工程は終了してS10に移り、記録部6が記録工程の一部として融合識別閾値t2を記録する。そしてS11に移り、演算部5が演算工程として、分離識別閾値t1と融合識別閾値t2の差から識別幅値Dを算出し、分離識別閾値t1と融合識別閾値t2の平均により識別幅平均値Mを算出し、識別幅値Dと識別幅平均値Mの比から相対識別幅値D/Mを算出し、D/M値またはその等価もしくは近似値から疲労度を判定する。その後S12に移り、記録部6が記録工程の一部として識別幅値D、識別幅平均値M、相対識別幅値D/Mまたはその等価もしくは近似値を記録する。同時に表示部7が表示工程として分離識別閾値t1、融合識別閾値t2、識別幅値D、識別幅平均値M、相対識別幅値D/Mまたはその等価もしくは近似値、ならびにこれらから判定される疲労度を表示装置15に表示する。これにより融合識別測定が終了する。

0045

時間間隔T2が順次大きくなる分離識別音列を発生させたときの分離識別閾値t1と、時間間隔が順次小さくなる融合識別音列を発生させたときの融合識別閾値t2に差が生じ、人によってどちらが高いかに差があるが、通常両者は一致せず、ヒステリシス状の異なる値が得られる。ところがt1とt2の平均値は識別可能な時間間隔のレベルを示すことになるから、t1とt2の平均値で判定する場合は、従来のようにt1単独で判定する場合よりも、被験者の体調、疲労度等をほぼ忠実に表しているものと認められる。このため両者の差を識別幅値Dとし、両者の平均値を識別幅平均値Mとして、DおよびMの値から疲労度を判定することにより、疲労度を客観的数値として測定し、表示できるものと認められる。

0046

この場合、相対識別幅値D/Mは識別幅値Dと識別幅平均値Mの比であり、分離融合識別レベルにおける相対的な識別幅値を示すから、客観的な疲労度を表示できる。すなわち一般的には識別幅値Dが小さいほど疲労度が小さいと言えるが、t1、t2のレベルが高い場合は、識別幅値Dが大きい場合でも疲労度が小さい場合がある。そこで識別幅値Dと識別幅平均値Mの比としての相対識別幅値D/Mを用いると、疲労度を客観的数値として容易かつ正確に測定することができる。すなわち相対識別幅値D/Mは識別幅平均値Mに対する変動率を示すから、被験者が異なる場合、体調、疲労度あるいは疲労の状態等が異なることにより識別幅平均値Mが変動する場合でも、客観的な数値で疲労度を示すことができる。また作業の前後に測定して双方の変化率により疲労度を判定する必要はなく、1回の測定で容易かつ正確に疲労度を判定することができる。

0047

相対識別幅値D/Mと疲労度の関係は人、作業形態、条件等により若干の変動はあるが、一般的な基準として、0.3以下は快調(青表示)、0.3〜0.6は普通(緑表示)、0.6〜0.8は軽度疲労(黄表示)(時々休憩をとる)、0.8以上は重度疲労(赤表示)(作業中止)のような基準とすることができる。このD/M値と疲労度の関係は人、作業形態、条件等により差、変動があるので、これを表示する場合には、指示応答装置16から判定に対する補正を指示できるようにし、これに対して学習機能により補正できるように構成することにより、実情に適合した判定を可能にする。また複数回測定し、平均値を用いると、さらに客観性は高まる。また極端な結果が得られる場合は、測定条件を変更できるようにすることができる。

0048

相対識別幅値D/Mの等価もしくは近似値としては、x軸にM、y軸にDをとったときの座標点から原点を通る直線とx軸の角度θまたはその等価もしくは近似値がある。図4に示すように、x軸にM、y軸にDをとったときの座標点から原点を通る直線とx軸の角度をθとした場合、D/M値はtanθで表される。従って角度θはD/M値の等価もしくは近似値として扱うことができる。またtanθが無理数循環小数などである場合、例えば小数点以下2桁までの数値はD/M値の近似値として扱うことができる。

0049

以上の通り、上記の疲労度測定方法および装置では、被験者が異なる場合、体調、疲労度あるいは疲労の状態等が異なる場合であっても、身体ないし脳神経系統の疲労度を客観的数値として、1回の測定により容易かつ正確に測定し、表示することができる。

0050

以下、本発明の実施例について説明する。実施例では図1および図2に示す疲労度測定装置において、図3および表1のT1を30m秒、T3を1秒、uを1m秒とし、T2を1〜50m秒間で変化させ、分離識別工程ではフレーム1からフレーム50の順に時間間隔を順次大きくして分離識別音列発生工程を発生させ、融合識別工程ではフレーム50からフレーム1の順に時間間隔を順次小さくして融合識別音列発生工程を発生させるように構成した。

0051

〔実施例1〜27〕
被験者a、b、c、d、e、f、g、h、i、jにつき、所定の作業ないし状態後にt1、t2を測定し、D、M、D/M値を得た。D、M、D/M値を図5に示し、図5の各プロットにつき作業ないし状態、D/M値およびその時の感覚ないし症状を表2に示す。図5中の数字は各プロットの番号を示す。

0052

0053

上記の結果において、プロット16、17、22、26などの感覚/症状とD/M値の関係が段落〔0047〕に示した一般的な基準と若干異なるが、主観的な感覚のずれとして補正可能なものと認められる。従って被験者によってD、Mに差がある場合でも、D/M値と感覚/症状の関係は上記一般的な基準にほぼ準ずることが認められる。

実施例

0054

以上の結果より、上記の疲労度測定方法および装置では、被験者が異なる場合、体調、疲労度あるいは疲労の状態等が異なる場合であっても、また被験者が異なる場合であっても、身体ないし脳神経系統の疲労度を客観的数値として、1回の測定により容易かつ正確に測定し、表示できることが分かる。

0055

本発明は、聴覚に基づいて身体ないし脳神経系統の疲労度ないし体調を客観的数値として測定し、表示するようにした疲労度測定方法および装置などに利用可能である。

0056

1:分離識別音列発生部、2:分離識別閾値確定部、3:融合識別音列発生部、4:融合識別閾値確定部、5:演算部、6:記録部、7:表示部、10:演算制御装置、11:CPU、12:クロック発生装置、13:入力装置、14:メモリ、15:表示装置、16:指示応答装置、17:音声発生装置、18:外部メモリ、A:第1音、B:第2音、D:識別幅値、M:識別幅平均値、D/M相対識別幅値、:T1、T2、T4〜T6:時間幅、T3:時間フレーム、t1:分離識別閾値、t2:融合識別閾値、u:単位間隔。

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