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技術 超音波トランスデューサーおよび超音波診断装置

出願人 コニカミノルタ株式会社
発明者 鈴木謙次中山雄太
出願日 2017年10月19日 (1年11ヶ月経過) 出願番号 2017-202923
公開日 2019年5月23日 (3ヶ月経過) 公開番号 2019-076122
状態 未査定
技術分野 超音波診断装置
主要キーワード 圧電セル 分極制御 反結合 電圧感度 音圧値 送信感度 受信パルス信号 単位電圧
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

異なる共振周波数圧電セルを複数有する場合に、圧電セル同士を位相整合させて広帯域特性を得ることができる超音波トランスデューサーおよび超音波診断装置を提供する。

解決手段

複数のpMUTセル(pMUTセル100)が配列された超音波トランスデューサーであって、複数のpMUTセルは、複数の共振周波数を有し、複数のpMUTセルのそれぞれは、厚さ方向である第1方向、または、第1方向の反対向きの第2方向に分極された圧電膜(圧電膜130)を有する。

概要

背景

近年、超音波診断装置超音波トランスデューサー(超音波探触子又は超音波プローブと称されることもある)として、半導体微細加工技術MEMS:Micro Electro Mechanical System)によるpMUT(Piezoelectric Micromachined Ultrasound Transducer)やcMUT(Capacitive Micromachined Ultrasonic Transducer)の開発が行われている。

MEMSを利用した超音波トランスデューサーの圧電セル振動子)は高周波数適性および高感度性には優れているものの、狭帯域特性が課題とされている。これを解決するため、例えば特許文献1では、静電容量型超音波トランスデューサー(cMUT)において、ばね定数が高い振動膜を有するセルとばね定数が低い振動膜を有するセルとを混在させることで、広帯域化を図る技術が開示されている。また、特許文献2には、共振周波数が互いに異なるpMUTを混在させることで広帯域化を図るだけでなく、隣接チャネルセルの共振周波数をずらしてクロストークを低減させる技術が開示されている。

概要

異なる共振周波数の圧電セルを複数有する場合に、圧電セル同士を位相整合させて広帯域特性を得ることができる超音波トランスデューサーおよび超音波診断装置を提供する。複数のpMUTセル(pMUTセル100)が配列された超音波トランスデューサーであって、複数のpMUTセルは、複数の共振周波数を有し、複数のpMUTセルのそれぞれは、厚さ方向である第1方向、または、第1方向の反対向きの第2方向に分極された圧電膜(圧電膜130)を有する。

目的

本発明の目的は、異なる共振周波数の圧電セルを複数有する場合に、圧電セル同士を位相整合させて広帯域特性を得ることができる超音波トランスデューサーおよび超音波診断装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

複数のpMUTセルが配列された超音波トランスデューサーであって、前記複数のpMUTセルは、複数の共振周波数のうちの1つの共振周波数を有し、前記複数のpMUTセルのそれぞれは、厚さ方向である第1方向、または、前記第1方向の反対向きの第2方向に分極された圧電膜を有する、超音波トランスデューサー。

請求項2

前記複数のpMUTセルは、互いに異なる2種類の共振周波数を有し、前記2種類の共振周波数を有する前記複数のpMUTセルは、互いに異なる分極方向の前記圧電膜を有する、請求項1に記載の超音波トランスデューサー。

請求項3

前記複数のpMUTセルのそれぞれが有する圧電膜の分極方向を前記第1方向または前記第2方向に切り替える分極部と、前記圧電膜の分極方向を前記第1方向または前記第2方向に切り替えるように前記分極部を制御する制御部と、をさらに有する請求項1に記載の超音波トランスデューサー。

請求項4

前記制御部は、隣接した2つの前記pMUTセルが互いに異なる方向に分極されるように前記分極部を制御する、請求項3に記載の超音波トランスデューサー。

請求項5

前記制御部は、前記超音波トランスデューサーを用いて撮像する目的部位に基づいて前記pMUTセルの圧電方向を切り替えるように前記分極部を制御する、請求項3または4に記載の超音波トランスデューサー。

請求項6

前記制御部は、前記前記超音波トランスデューサーを用いた超音波の送信時と受信時とで前記pMUTセルの圧電方向を切り替えるように前記分極部を制御する、請求項3または4に記載の超音波トランスデューサー。

請求項7

請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサーを有する、超音波診断装置

技術分野

0001

本発明は、超音波トランスデューサーおよび超音波診断装置に関する。

背景技術

0002

近年、超音波診断装置の超音波トランスデューサー(超音波探触子又は超音波プローブと称されることもある)として、半導体微細加工技術MEMS:Micro Electro Mechanical System)によるpMUT(Piezoelectric Micromachined Ultrasound Transducer)やcMUT(Capacitive Micromachined Ultrasonic Transducer)の開発が行われている。

0003

MEMSを利用した超音波トランスデューサーの圧電セル振動子)は高周波数適性および高感度性には優れているものの、狭帯域特性が課題とされている。これを解決するため、例えば特許文献1では、静電容量型超音波トランスデューサー(cMUT)において、ばね定数が高い振動膜を有するセルとばね定数が低い振動膜を有するセルとを混在させることで、広帯域化を図る技術が開示されている。また、特許文献2には、共振周波数が互いに異なるpMUTを混在させることで広帯域化を図るだけでなく、隣接チャネルセルの共振周波数をずらしてクロストークを低減させる技術が開示されている。

先行技術

0004

米国特許第5870351号明細書
特表2015−517752号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1および2では、各圧電セルでの共振周波数に関する振幅特性を調整している。しかしながら、圧電セルは、振幅特性の他に、位相特性を有する。位相特性の異なる複数の圧電セルが同時駆動すると、位相反転した場合には圧電セル同士の音圧が互いを打ち消し合ってしまう(反結合となる)。この結果、全体の出力音圧が低下して狭帯域となり、超音波トランスデューサーの感度が低下してしまう。このため、圧電セル同士を位相整合させて広帯域特性を得ることができる超音波トランスデューサーが要望されている。

0006

本発明の目的は、異なる共振周波数の圧電セルを複数有する場合に、圧電セル同士を位相整合させて広帯域特性を得ることができる超音波トランスデューサーおよび超音波診断装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明の超音波トランスデューサーは、複数のpMUTセルが配列された超音波トランスデューサーであって、前記複数のpMUTセルは、複数の共振周波数のうちの1つの共振周波数を有し、前記複数のpMUTセルのそれぞれは、厚さ方向である第1方向、または、前記第1方向の反対向きの第2方向に分極された圧電膜を有する。

0008

本発明の超音波診断装置は、上記超音波トランスデューサーを有する。

発明の効果

0009

本発明によれば、異なる共振周波数の圧電セルを複数有する場合に、圧電セル同士を位相整合させて広帯域特性を得ることができる。

図面の簡単な説明

0010

超音波診断装置の外観構成を示す図
超音波診断装置の電気的な構成例を示すブロック図
超音波探触子の構成について説明するための図
第1の実施の形態の信号処理回路の構成例を示すブロック図
pMUTエレメントにおけるpMUTセルの配列について説明するための図
隣接するpMUTセルが並列に接続された構成を示す図
隣接するpMUTセルが直列に接続された構成を示す図
第2の実施の形態の信号処理回路の構成例を示すブロック図
分極回路を構成するセル分極回路について説明するための図

実施例

0011

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。ただし、発明の範囲は図示した例に限定されない。なお、以下の説明において、同一の機能および構成を有するものについては、同一の符号を付し、その説明を省略する。

0012

<第1の実施の形態>
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。

0013

[超音波診断装置の構成]
図1は、本実施の形態に係る超音波診断装置の外観構成を示す図である。図2は、本実施の形態に係る超音波診断装置の電気的な構成例を示すブロック図である。

0014

超音波診断装置1は、超音波診断装置本体10と、超音波探触子20と、ケーブル30とを有する構成を採る。

0015

超音波探触子20は、被検体である人体(図示せず)に対して超音波信号を送信し、人体で反射された超音波信号を受信する。

0016

超音波診断装置本体10は、ケーブル30を介して超音波探触子20と接続され、超音波探触子20へケーブル30を介して電気信号送信信号を送信することによって超音波探触子20に対して超音波信号を送信させる。また、超音波診断装置本体10は、超音波探触子20が受信した超音波信号に基づいて超音波探触子20において生成された電気信号を用いて、人体の内部状態超音波画像として画像化する。

0017

具体的には、超音波診断装置本体10は、操作入力部11と、送信部12と、受信部13と、画像処理部14と、表示部15と、制御部16と、を含む構成を採る。

0018

操作入力部11は、例えば、診断開始等を指示するコマンドまたは被検体に関する情報を入力する。操作入力部11は、例えば、複数の入力スイッチを備えた操作パネルまたはキーボード等である。

0019

送信部12は、ケーブル30を介して、制御部16から受け取る制御信号駆動信号)を超音波探触子20へ送信する。

0020

受信部13は、超音波探触子20からケーブル30を介して送信される受信信号を受信する。そして、受信部13は、受信した超音波信号を画像処理部14へ出力する。

0021

画像処理部14は、制御部16の指示に従って、受信部13から受け取る超音波信号を用いて被検体内の内部状態を表す超音波診断用の画像(超音波画像)を生成する。

0022

表示部15は、制御部16の指示に従って、画像処理部14において生成された超音波画像を表示する。

0023

制御部16は、操作入力部11、送信部12、受信部13、画像処理部14、表示部15をそれぞれの機能に応じて制御することによって、超音波診断装置1の全体制御を行う。また、制御部16は、送信部12および受信部13を介して、超音波探触子20の制御を行う。

0024

[超音波探触子20の構成]
図3は、超音波探触子20の構成について説明するための図である。超音波探触子20は、保護層21と、pMUTエレメント22と、バッキング材23と、信号処理回路24(後述する第2の実施の形態では信号処理回路24A)とを備えている。

0025

保護層21は、pMUTエレメント22を保護するものである。この保護層21は、人体に接触させる際に不快感を与えることがなく、音響インピーダンスが比較的人体に近い、比較的柔軟なシリコーンゴム等で形成されている。

0026

pMUTエレメント22は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて製造された複数のpMUTセルが配列されたpMUTアレイである。pMUTエレメントを構成する複数のpMUTセルは、複数の共振周波数のうちの1つの共振周波数を有する(詳細は後述)。個々のpMUTセルからはそれぞれ電極線が引き出され、後述する信号処理回路24と接続されている。

0027

バッキング材23は、pMUTエレメント22で発生する不要振動減衰する。信号処理回路24は、超音波送信用パルス信号の生成や、受信パルス信号の処理等を行う回路であり、ケーブル30を介して超音波診断装置本体10に接続されている。

0028

信号処理回路24は、超音波診断装置本体10の制御に基づいて、pMUTエレメント22を駆動して超音波を送信させる駆動信号を生成する。また、信号処理回路24は、pMUTエレメント22が受信した超音波に基づいて生成した受信信号に対して所定の信号処理を行い、超音波診断装置本体10へ送信する。

0029

[信号処理回路24の構成]
図4は、第1の実施の形態の信号処理回路24の構成例を示すブロック図である。図4に示すように、信号処理回路24は接続部241、送受信回路242、駆動回路243を有する。接続部241は、送受信回路242とpMUTエレメント22の各pMUTセル100(図5参照)から引き出された電極線とを接続している。

0030

送受信回路242は、駆動回路243の制御に基づいて、pMUTエレメント22に対し、接続部241を介して超音波を送信する送信制御を行う。また、送受信回路242は、pMUTエレメント22が受信した超音波に基づいて生成した受信信号を、駆動回路243を介して超音波診断装置本体10に送信する受信制御を行う。

0031

駆動回路243は、超音波診断装置本体10からの制御信号に基づいて、送受信回路242の制御を行う。また、駆動回路243は、超音波診断装置本体10の制御に基づいて、送受信回路242における送信制御と受信制御の切り替えを適宜行う。

0032

[pMUTエレメント22の構成]
図5は、pMUTエレメント22におけるpMUTセル100の配列について説明するための図である。

0033

図5には、3×3の2次元配列されたpMUTセル100が例示されている。図5に示すpMUTセル配列は、pMUTエレメント22の一部であり、実際にはより多数のpMUTセル100の配列により、pMUTエレメント22は構成されている。図5に示すように、本実施の形態では、高周波セル110と低周波セル120とが縦横に交互に配列されている。本実施の形態では、高周波セル110は、セルを構成する圧電膜130の径を比較的小さくすることで、比較的高い共振周波数を有し、低周波セル120では、セルを構成する圧電膜130の径が比較的大きくすることで、比較的低い共振周波数を有するように構成される。

0034

各pMUTセル100の圧電膜130は、予め所定の方向に分極されている。本実施の形態において、高周波セル110と、低周波セル120とでは圧電膜130の分極方向が互いに反対向きとなっている。すなわち、低周波セル120側から高周波セル110側へ分極方向が反転するようになっている。

0035

圧電膜130は、通常厚さ方向に分極されている。高周波セル110が第1方向(例えば圧電膜130の下側から上側へ向かう方向)に分極されている場合、低周波セル120は第1方向と反対向きの第2方向(圧電膜130の上側から下側に向かう方向)に分極される。以下の説明において、第1方向を分極方向「P」、第2方向を分極方向「N」と記載する。

0036

各pMUTセル100の圧電膜130の分極方向は、例えばpMUTエレメント22の製造工程において行われる分極処理によって決定されればよい。pMUTエレメント22の製造工程における分極処理では、各pMUTセル100は、例えば、圧電膜130を挟むように配置される上部電極と下部電極との間に所定の電圧印加することで分極方向PまたはNに分極される。

0037

[第1の実施の形態の効果]
このように、本第1の実施の形態において、pMUTエレメント22は、高周波セル110と低周波セル120とが縦横に交互に配列されており、高周波セル110と低周波セル120とで圧電膜130の分極方向が反対向きとなっている。このような構成により、隣接する2つのpMUTセル100において位相が整合されるので、位相不整合により感度が低下してしまう周波数帯が生じる事態を回避することができる。

0038

なお、従来、pMUTエレメントが有するpMUTセルの位相整合を行う方法として、共振周波数によってpMUTセルの構造を異ならせることにより粘性係数を調整する方法があった。具体的には、例えば圧電膜により構成されるダイアフラム支持構造に穴を設けたり、ダイアフラム背面に設けられる開口部に適宜樹脂等を封止したり、ダイアフラム構造を樹脂等で覆ったりする方法である。しかしながら、このような方法で位相整合を試みた場合、セル毎に構造を変える必要があり、製造コストが増大してしまう。

0039

また、従来、pMUTエレメントが有するpMUTセルの位相整合を行う方法としては、送信波形をpMUTセル毎に異ならせることにより行う方法もあった。しかしながら、この方法では、周波数特性が異なるpMUTセル毎に異なる送信制御が必要となり、駆動回路が複雑化して製造コストが増大する。

0040

第1実施の形態では、上記したようにpMUTエレメント22の構造は従来と同様であり、製造工程において行われるpMUTセル100毎の分極処理によって位相制御を行うことができるので、従来の方法と比較して低コストで位相整合を実現することができ、好適である。

0041

<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、pMUTエレメント22の製造時にpMUTセル100毎の分極方向が決定されていたが、第2の実施の形態では、pMUTセル100毎の分極方向を任意に制御する点において第1の実施の形態と異なる。なお、第2の実施の形態の説明において、第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付して説明し、新たな説明を省略する。

0042

[pMUTセル100同士の接続方式
まず、pMUTセル100同士の接続方式について説明する。

0043

図6Aおよび図6Bは、隣接するpMUTセル100同士の接続方式について説明するための図である。図6Aは、隣接するpMUTセル100_1,100_2が並列に接続された構成を示している。また、図6Bは、隣接するpMUTセル100_1,100_2が直列に接続された構成を示している。なお、図示は省略するが、pMUTセル100_1,100_2は、図示されていない他のpMUTセルとも同様に接続されているものとする。

0044

図6Aに示すように、pMUTセル100_1,100_2が並列接続された場合、pMUTセル100_1の上部電極101_1とpMUTセル100_2の上部電極101_2同士、およびpMUTセル100_1の下部電極102_1とpMUTセル100_2の下部電極102_2同士がそれぞれ接続される。なお、上部電極101_1および下部電極102_1は、pMUTセル100_1の有する圧電膜130_1が上下に配置された電極であり、上部電極101_2および下部電極102_2は、pMUTセル100_2の有する圧電膜130_2が上下に配置された電極である。

0045

一方、図6Bに示すように、pMUTセル100_1,100_2が直列接続された場合、pMUTセル100_1の上部電極101_1とpMUTセル100_2の下部電極102_1とが接続され、pMUTセル100_1の下部電極102_1とpMUTセル100_2の上部電極101_2とが接続される。

0046

[信号処理回路24Aの構成]
次に、第2の実施の形態の信号処理回路24Aについて説明する。図7は、信号処理回路24Aの構成例を示すブロック図である。図7に示すように、第2の実施の形態の信号処理回路24Aは、第1の実施の形態の信号処理回路24の構成に加えて分極回路244を有する。分極回路244は本発明の分極部の一例である。

0047

第2の実施の形態において、接続部241は、送受信回路242および分極回路244とpMUTエレメント22の各pMUTセル100から引き出された電極線とを接続している。

0048

送受信回路242は、駆動回路243の制御に基づいて、pMUTエレメント22に対し、接続部241を介して超音波を送信する送信制御を行う。また、送受信回路242は、pMUTエレメント22が受信した超音波に基づいて生成した受信信号を、駆動回路243を介して超音波診断装置本体10に送信する受信制御を行う。

0049

駆動回路243は、超音波診断装置本体10からの制御信号に基づいて、送受信回路242および分極回路244の制御を行う。分極回路244の制御を行う駆動回路243は、本発明の制御部の一例である。

0050

分極回路244は、駆動回路243の制御に基づいて、pMUTエレメント22の各pMUTセル100が有する圧電膜130に対して所定の電圧を印加することで分極処理を行う。この分極処理により、隣接する2つのpMUTセル100が互いに分極反転した状態となることで、隣接したpMUTセル100の位相が整合される。

0051

[分極回路244の構成]
図8は、分極回路244を構成するセル分極回路について説明するための図である。図8は、隣接する2つのpMUTセル100_1,100_2と、それぞれに対応するセル分極回路244_1,244_2を例示した図である。実際には、分極回路244は、pMUTエレメント22に含まれるpMUTセル100の数に対応した数のセル分極回路を有する。

0052

図8に示すように、セル分極回路244_1は、4個のスイッチング素子S11〜S14を有する。同様に、セル分極回路244_2は、4個のスイッチング素子S21〜S24を有する。それぞれのスイッチング素子は、例えばMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。スイッチング素子S11〜S14のゲートは、図7に示す駆動回路243に接続されており、駆動回路243の制御によってオンオフされる。

0053

図8に示すように、pMUTセル100_1の上部電極101_1は、スイッチング素子S11のドレインおよびスイッチング素子S12のドレインに接続されており、下部電極102_1は、スイッチング素子S13のドレインおよびスイッチング素子S14のドレインに接続されている。同様に、pMUTセルP2の上部電極101_2は、スイッチング素子S21のドレインおよびスイッチング素子S22のドレインに接続されており、下部電極102_2は、スイッチング素子S23のドレインおよびスイッチング素子S24のドレインに接続されている。このような構成により、下記のような分極制御が行われる。

0054

[駆動回路243による分極制御]
駆動回路243は、超音波診断装置本体10の制御に基づいて、分極回路244の分極制御を行う。以下では、駆動回路243による分極制御について説明する。なお、駆動回路243による分極制御は、pMUTセル100同士の接続方式によって変わるため、以下ではそれぞれの場合について説明する。

0055

・pMUTセル同士が並列接続の場合
下記表1は、隣接するpMUTセル100_1,100_2が並列接続の場合(図6Aの場合)の、駆動回路243による分極回路244のスイッチング素子S11〜S14,S21〜S24のオン/オフ制御について示している。

0056

0057

表1における分極欄の「P」および「N」は、第1の実施の形態と同様に、pMUTセル100_1,100_2の圧電膜130の分極方向を示しており、「P」と「N」とは互いに反対方向である。分極方向「P」は下側から上側へ向かう方向(第1方向)であり、分極方向「N」は上側から下側へ向かう方向(第2方向)である。

0058

また、表1において、「PP」とはpMUTセル100_1,100_2がともに分極方向「P」である状態を示し、「NN」とはpMUTセル100_1,100_2がともに分極方向「N」である状態を示す。さらに、表1において、「PN」とはpMUTセル100_1が分極方向「P」、pMUTセル100_2が分極方向「N」であることを示し、「NP」とはpMUTセル100_1が分極方向「N」、pMUTセル100_2が分極方向「P」であることを示す。

0059

駆動回路243が表1のように分極回路244の各スイッチング素子S11〜S14,S21〜S24を制御することで、隣接する2つのpMUTセル100_1,100_2の分極方向が揃った状態(分極非反転)と互いに反転した状態(分極反転)とを遷移する。これにより、隣接する2つのpMUTセル100_1,100_2の位相整合(分極反転時)と位相不整合(分極非反転時)が実現される。

0060

ここで、並列接続された2つのpMUTセル100_1,100_2は、分極反転(上記表1の「PN」および「NP」)時には見かけ上直列接続されていると見なすことができる。何故なら、分極方向PとNとではpMUTセル100_1,100_2の上下電極における電荷正負が反対となり、例えば分極状態PNの場合、正電荷の上部電極101_1と負電荷の上部電極101_2とが接続され、負電荷の下部電極102_1と正電荷の下部電極102_2とが接続されるからである。

0061

・pMUTセル同士が直列接続の場合
下記表2は、隣接するpMUTセル100_1,100_2が直列接続の場合(図6Bの場合)の、駆動回路243による分極回路244のスイッチング素子S11〜S14,S21〜S24のオン/オフ制御について示している。

0062

0063

駆動回路243が表2のように分極回路244の各スイッチング素子S11〜S14,S21〜S24を制御することで、隣接する2つのpMUTセル100_1,100_2の分極方向が揃った状態(分極非反転)と互いに反転した状態(分極反転)とを遷移する。これにより、pMUTセル同士が並列接続されている場合と同様に、隣接する2つのpMUTセル100_1,100_2の位相整合(分極反転時)と位相不整合(分極非反転時)が実現される。

0064

ここで、直列接続された2つのpMUTセル100_1,100_2は、分極反転(上記表2の「PN」および「NP」)時には見かけ上並列接続されていると見なすことができる。何故なら、例えば分極状態PNの場合、正電荷の上部電極101_1と正電荷の下部電極102_2とが接続され、負電荷の下部電極102_1と負電荷の上部電極101_2とが接続されるからである。

0065

[第2の実施の形態の効果]
このように、第2の実施の形態において、超音波探触子20は、高周波数セルと低周波数セルとを含む複数のpMUTセル100配列を有し、隣接する2つのpMUTセル100同士が並列接続または直列接続されたpMUTエレメント22と、pMUTセル100の圧電膜130の分極方向を制御する分極回路244および駆動回路243と、を有する。分極回路244および駆動回路243により、隣接する2つのpMUTセル100_1,100_2の分極方向が互いに反対方向(分極反転)に制御されると、共振周波数が異なる2つのpMUTセル100の位相が整合する。また、分極反転状態では、pMUTセル100同士の接続方式(並列または直列)が見かけ上入れ替わる。これにより、超音波診断装置1の使用目的に応じてpMUTエレメント22の特性を好適に制御することができる。

0066

以下、第2の実施の形態に係る超音波診断装置1によって生じうる効果について、具体例を挙げて説明する。まず、上記したように、隣接する2つのpMUTセル100の分極反転により、これらのpMUTセル100の位相を整合させることができる。これにより、第1の実施の形態と同様に、pMUTエレメント22全体で位相不整合による感度低下を防止することができる。

0067

また、第2の実施の形態では、分極回路244がpMUTセル100の分極方向を制御することによって、隣接するpMUTセル100の接続方式を見かけ上制御することができる。

0068

一般に、超音波診断装置では、pMUTセルが有する厚さ数ミクロンの圧電膜の厚さ方向の両面に電極を配置する構成では、低い電圧で大きな電界強度印加可能となり、大きな音圧を得ることができる。ところが、受信時には電極間隔が小さいことから、応力に対して得られる電圧が小さい。超音波診断においては、安全性のため体内に入れられる超音波の強度は規定されているため、受信感度送信音圧で補うことはできない。従って、高画質の画像を得るためには、所定の受信感度を確保する必要がある。従来、送信音圧の強度を上げずに受信感度を補うための方法として、複数のpMUTセルを直列接続することで、数倍の電圧感度を得る方法があった。ただし、直列接続では、送信感度単位電圧あたりの音圧値)が低下してしまうという不利益が生じる。

0069

第2の実施の形態に係る超音波診断装置1では、上記したように駆動回路243の制御により、隣接するpMUTセル100の分極方向を反転させることで、pMUTセル100同士の接続方式(並列または直列)を見かけ上入れ替えることができる。このため、pMUTセル100同士が並列接続されている場合でも、例えば送信時には分極反転せず、受信時には分極反転するように駆動回路243が制御を行うことで、送信感度を低下させずに、十分な受信感度を確保することができるようになる。pMUTセル100同士が直列接続されている場合でも同様である。

0070

以下の表3は、第2の実施の形態にて説明した、2種類の共振周波数を有するpMUTセル100が混在したpMUTエレメント22において、隣接する2セルの分極状態と接続方式とによって得られる特性について示した表である。

0071

0072

なお、表3における並列接続とは、見かけ上の並列接続、すなわち実際には直列接続されているが分極反転時に見かけ上並列接続となる場合を含む。同様に、表3における直列接続とは、見かけ上の直列接続、すなわち実際には並列接続されているが分極反転時に見かけ上直列接続となる場合を含む。

0073

表3に示すように、分極状態と接続方式との組み合わせによって、pMUTエレメント22の特性を変化させることができる。すなわち、位相整合するように組み合わせれば広帯域特性を獲得できる一方、意図的に位相不整合とすることで狭帯域特性を獲得し、高感度帯域を利用することができるようになる。

0074

<作用・効果>
本発明の超音波トランスデューサー(超音波探触子20)は、複数のpMUTセル(pMUTセル100)が配列された超音波トランスデューサーであって、複数のpMUTセルは、複数の共振周波数を有し、複数のpMUTセルのそれぞれは、厚さ方向である第1方向と第1方向の反対向きの第2方向のいずれかの方向に分極された圧電膜(圧電膜130)を有する。

0075

このような構成により、本発明の超音波トランスデューサーは、全体として位相が整合されるので、広帯域特性を得ることができる。

0076

また、本発明の超音波トランスデューサーは、複数のpMUTセルのそれぞれが有する圧電膜の分極方向を切り替える分極回路(分極回路244)と、複数のpMUTセルのそれぞれが有する圧電膜の厚さ方向である第1方向、または、第1方向の反対向きの第2方向に分極されるように分極回路を制御する駆動回路(駆動回路243)と、をさらに有する。

0077

このような構成により、本発明の超音波トランスデューサーは、pMUTセル同士の位相を整合させて広帯域特性を得るだけでなく、意図的に位相を不整合とすることで狭帯域特定を得る等、種々の特性を獲得することができる。具体的には、例えば低深度ターゲット撮像したい場合には広帯域特性を獲得して分解能優先し、高深度のターゲットを撮像したい場合には狭帯域特性を獲得して感度を優先するようにすればよい。また、例えば送信時にはpMUTエレメント22の静電容量を高く(インピーダンスを低く)することで信号損失を抑え、受信時には静電容量を低く(インピーダンスを高く)することで受信感度を確保するようにしてもよい。

0078

<変形例>
上記実施の形態において、図5に示すように、pMUTエレメント22はpMUTセル100を2次元的に配列した2Dアレイの他、1次元的に配列した1Dアレイ、1.5Dアレイ等としてもよい。

0079

また、上記実施の形態において、図5に示すようにpMUTエレメント22は高周波セル110と低周波セル120とが縦横に交互に配列された構造を有するとしたが、本発明はこれに限定されない。本発明では、例えば、高周波セル110と低周波セル120とが縦方向あるいは横方向のいずれかにのみ交互に配列されてもよい。また、高周波セル110と低周波セル120の比率が等しくなくてもよく、不均等に配列されていてもよい。高周波セル110と低周波セル120の比率を不均等とする場合、どちらを多くするかによってpMUTエレメント22全体の特性が変化するため、目的に応じて比率を変更するようにしてもよい。

0080

また、上記実施の形態では、pMUTエレメント22は、2種類の共振周波数を有するpMUTセル100の配列を有するとしたが、本発明はこれに限定されない。本発明において、pMUTエレメントは、例えば3種類以上の共振周波数を有するpMUTセルの配列により構成されてもよい。3種類以上の共振周波数を有するpMUTセルを配列する場合も、上記と同様、それぞれの共振周波数のpMUTセルを均等に配列してもよいし、不均等に配列してもよい。また、それぞれの共振周波数のpMUTセルの比率を超音波診断装置1の設計段階において適宜変更してもよい。

0081

また、上記実施の形態では、高周波セル110と低周波セル120における周波数変調方法として、圧電膜130の径の大きさを異ならせる方法を採用したが、本発明はこれに限定されない。本発明は、例えば、圧電膜130の厚さを異ならせたり、圧電膜130を支持する基板に設けられた開口部を異なる材料で穴埋めしたりすることによって、高周波セル110と低周波セル120とが異なる共振周波数を有するようにしてもよい。

0082

本発明は、pMUTを用いて超音波を送受信する超音波トランスデューサーに利用することができる。

0083

1超音波診断装置
10超音波診断装置本体
11操作入力部
12 送信部
13 受信部
14画像処理部
15 表示部
16 制御部
20 超音波探触子
21 保護層
22 pMUTエレメント
23バッキング材
24,24A信号処理回路
30ケーブル
100,100_1,100_2 pMUTセル
101_1,101_2 上部電極
102_1,102_2 下部電極
110高周波セル
120低周波セル
130,130_1,130_2圧電膜
241 接続部
242送受信回路
243駆動回路
244分極回路
244_1,244_2 セル分極回路
S11−S14,S21−S24 スイッチング素子

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