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技術 白子様食品の製造方法

出願人 不二製油株式会社
発明者 水野洋林佑美子
出願日 2017年10月25日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2017-205894
公開日 2019年5月23日 (3ヶ月経過) 公開番号 2019-076027
状態 未査定
技術分野 飼料または食品用豆類
主要キーワード 残成分 被覆外層 トンネルフリーザー 重管状ノズル 常圧沸点 粉末加工 溶媒抽出装置 キャビア
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

簡便に、安価でかつプリン体コレステロール含量が低く、天然白子様の独特食感及び風味を有する白子様食品の製造方法を提供することを課題とする。

解決手段

特定の蛋白質及び脂質を含有する大豆乳化組成物大豆蛋白質中の脂質親和性蛋白質の割合が低減された特定の大豆蛋白素材由来の大豆蛋白質、油脂、調味料及びカチオン反応性のある多糖類を含有する乳化油脂組成物を、可溶性カチオン素材水溶液と接触させることにより、白子様の独特の食感及び風味を有する白子様食品を得る。

概要

背景

タラやふぐなどの白子は、その独特なめらか食感風味から、天然珍味食品として珍重がられる高級食材である。しかしながら、前記の魚類から得られるものであるため、供給量供給時期に制限があり、比較的高価な食材として流通されている。

また、白子は前記の独特の食感、風味から一般大衆に好まれる食材ではあるが、プリン体コレステロール含量がかなり高いものであるため、痛風などの疾患者には敬遠される食材であった。

上記より、安価でかつプリン体やコレステロール含量が低く、天然の白子様の独特の食感を有する白子様食品が検討されている。
特許文献1は、豆腐海藻ペースト加熱攪拌した混合物アルギン酸及び寒天溶液の少なくとも一方を添加し、その混合物をカルシウムと酢と水で希釈した溶液噴射し、溶液中で凝固させることを特徴とする加工食品の製造方法に関する。本方法により、表面のみが凝固し、白子のような外観の加工食品が得られることが記載されているが、海藻ペーストの調製が煩雑で、汎用性の高い方法とは言えないものであった。

特許文献2は、白子様食品ではないが、特許文献1同様の被覆外層を有する人工イクラ、人工キャビア等の人工魚卵を開示している。本方法は、例えば、それぞれ異なるゲル化剤を含有する内層ゾル外層ゾルを2重管状ノズルから大気中に放出して粒子を形成し、これを塩化カルシウム溶液中に滴下することにより、ゲル化した粒子を人工魚卵として得る方法である。本方法によると、食したときに天然イクラ特有の膜の破裂感があり、色調、臭いも天然イクラ近似の人工魚卵が得られるが、白子様食品としては膜が強すぎる問題があり、さらに白子様風味を得る方法には言及されていなかった。

概要

簡便に、安価でかつプリン体やコレステロール含量が低く、天然の白子様の独特の食感及び風味を有する白子様食品の製造方法を提供することを課題とする。特定の蛋白質及び脂質を含有する大豆乳化組成物大豆蛋白質中の脂質親和性蛋白質の割合が低減された特定の大豆蛋白素材由来の大豆蛋白質、油脂、調味料及びカチオン反応性のある多糖類を含有する乳化油脂組成物を、可溶性カチオン素材水溶液と接触させることにより、白子様の独特の食感及び風味を有する白子様食品を得る。なし

目的

本発明者らは、上記を踏まえて、さらに簡便に、安価でかつプリン体やコレステロール含量が低く、天然の白子様の独特の食感及び風味を有する白子様食品を得ることを課題とした

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

下記の大豆乳化組成物由来蛋白質1.5〜4重量%、大豆蛋白素材B由来の蛋白質1.5〜4重量%、常温液状油脂1〜5重量%、調味料及びカチオン反応性のある多糖類0.5〜3重量%を含有する乳化油脂組成物の液滴を、可溶性カチオン素材水溶液と接触させることを特徴とする、白子食品の製造方法。大豆乳化組成物A:乾物あたり蛋白質含量が25重量%以上、脂質含量クロロホルムメタノール混合溶媒抽出物としての含量をいう。)が蛋白質含量に対して100重量%以上であって、LCI値(大豆蛋白質中の脂質親和性蛋白質含有割合)が55%以上である大豆乳化組成物。大豆蛋白素材B:総蛋白質中の脂質親和性蛋白質の割合がLCI値として40%以下であり、脂質含量(クロロホルム/メタノール混合溶媒抽出物としての含量をいう。)が蛋白質含量に対して10重量%未満である大豆蛋白素材。

請求項2

大豆乳化組成物A由来の蛋白質と大豆蛋白素材B由来の蛋白質の合計量が3〜8重量%であり、大豆乳化組成物A由来の蛋白質の大豆蛋白素材B由来の蛋白質に対する含有比率が0.3〜3である請求項1記載の白子様食品の製造方法。

請求項3

カチオン反応性のある多糖類がアルギン酸ナトリウムであり、可溶性カチオン素材が塩化カルシウム若しくは乳酸カルシウムである、請求項1または請求項2記載の白子様食品の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、白子食品に関し、魚類由来の白子を全く含有しない純植物性で、白子様の食感風味を有する白子様食品の製造方法に関する。

背景技術

0002

タラやふぐなどの白子は、その独特なめらかな食感と風味から、天然珍味食品として珍重がられる高級食材である。しかしながら、前記の魚類から得られるものであるため、供給量供給時期に制限があり、比較的高価な食材として流通されている。

0003

また、白子は前記の独特の食感、風味から一般大衆に好まれる食材ではあるが、プリン体コレステロール含量がかなり高いものであるため、痛風などの疾患者には敬遠される食材であった。

0004

上記より、安価でかつプリン体やコレステロール含量が低く、天然の白子様の独特の食感を有する白子様食品が検討されている。
特許文献1は、豆腐海藻ペースト加熱攪拌した混合物アルギン酸及び寒天溶液の少なくとも一方を添加し、その混合物をカルシウムと酢と水で希釈した溶液噴射し、溶液中で凝固させることを特徴とする加工食品の製造方法に関する。本方法により、表面のみが凝固し、白子のような外観の加工食品が得られることが記載されているが、海藻ペーストの調製が煩雑で、汎用性の高い方法とは言えないものであった。

0005

特許文献2は、白子様食品ではないが、特許文献1同様の被覆外層を有する人工イクラ、人工キャビア等の人工魚卵を開示している。本方法は、例えば、それぞれ異なるゲル化剤を含有する内層ゾル外層ゾルを2重管状ノズルから大気中に放出して粒子を形成し、これを塩化カルシウム溶液中に滴下することにより、ゲル化した粒子を人工魚卵として得る方法である。本方法によると、食したときに天然イクラ特有の膜の破裂感があり、色調、臭いも天然イクラ近似の人工魚卵が得られるが、白子様食品としては膜が強すぎる問題があり、さらに白子様風味を得る方法には言及されていなかった。

先行技術

0006

特開2013−179904号公報
特開平5−308930号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明者らは、上記を踏まえて、さらに簡便に、安価でかつプリン体やコレステロール含量が低く、天然の白子様の独特の食感及び風味を有する白子様食品を得ることを課題とした。

0008

本発明者らは、上記課題解決に向けて鋭意検討した結果、特定の蛋白質及び脂質を含有する大豆乳化組成物大豆蛋白質中の脂質親和性蛋白質の割合が低減された特定の大豆蛋白素材由来の大豆蛋白質、油脂、調味料及びカチオン反応性のある多糖類を含有する乳化油脂組成物を、可溶性カチオン素材水溶液と接触させることにより、表面がゲル化され、白子様の独特の食感及び風味を有する白子様食品が得られることを見出し、本発明を完成させた。

0009

すなわち、本発明は、以下である。
(1) 下記の大豆乳化組成物A由来の蛋白質1.5〜4重量%、大豆蛋白素材B由来の蛋白質1.5〜4重量%、常温液状油脂1〜5重量%、調味料及びカチオン反応性のある多糖類0.5〜3重量%を含有する乳化油脂組成物の液滴を、可溶性カチオン素材の水溶液と接触させることを特徴とする、白子様食品の製造方法。
大豆乳化組成物A:乾物あたり蛋白質含量が25重量%以上、脂質含量クロロホルムメタノール混合溶媒抽出物としての含量をいう。)が蛋白質含量に対して100重量%以上であって、LCI値(大豆蛋白質中の脂質親和性蛋白質含有割合)が55%以上である大豆乳化組成物。
大豆蛋白素材B:総蛋白質中の脂質親和性蛋白質の割合がLCI値として40%以下であり、脂質含量(クロロホルム/メタノール混合溶媒抽出物としての含量をいう。)が蛋白質含量に対して10重量%未満である大豆蛋白素材。
(2) 大豆乳化組成物A由来の蛋白質と大豆蛋白素材B由来の蛋白質の合計量が3〜8重量%であり、大豆乳化組成物A由来の蛋白質の大豆蛋白素材B由来の蛋白質に対する含有比率が0.3〜3である(1)記載の白子様食品の製造方法。
(3) カチオン反応性のある多糖類がアルギン酸ナトリウムであり、可溶性カチオン素材が塩化カルシウム若しくは乳酸カルシウムである、(1)または(2)記載の白子様食品の製造方法。

発明の効果

0010

本発明により、簡便に、安価でかつプリン体やコレステロール含量が低く、天然の白子様の独特の食感及び風味を有する白子様食品の製造方法の提供が可能となった。

0011

本発明は、大豆乳化組成物A由来の蛋白質1.5〜4重量%、大豆蛋白素材B由来の蛋白質1.5〜4重量%、常温液状油脂1〜5重量%、調味料及びカチオン反応性のある多糖類0.5〜3重量%を含有する乳化油脂組成物の液滴を、可溶性カチオン素材の水溶液と接触させることを特徴とする、白子様食品の製造方法である。以下、本発明を詳細に説明する。

0012

(大豆乳化組成物A)
本発明に用いる大豆乳化組成物Aとは、豆乳のように大豆蛋白質が脂質と乳化されている素材のうち、乾物あたりの蛋白質含量が25重量%以上、脂質含量が蛋白質含量に対して100重量%以上であることを特徴とするものである。
なお、水溶性窒素指数(NSI:Nitrogen Solubility Index)が特定の範囲になるまであらかじめ変性処理を施した大豆から得られるものが特に好ましい。このような原料から得られる大豆乳化組成物は、含まれる大豆蛋白質のうち、グリシニンやβ-コングリシニン以外の脂質親和性蛋白質(あるいは別の指標としてリポキシゲナーゼ蛋白質)の割合が特に高く、このため、中性脂質および極性脂質を多く含む乳化組成物である。すなわち、乾物あたりの蛋白質含量が25重量%以上、脂質含量が蛋白質含量に対して100重量%以上であって、LCI値(Lipophilic Proteins Content Index)が55%以上、より好ましくは60%以上であることを主要な特徴とするものである。ここで、LCI値は、蛋白質中の脂質親和性蛋白質の割合を推定する指標である。LCI値の測定方法及び大豆乳化組成物の蛋白質および脂質の組成の詳細については、特開2013-143931号公報の記載を援用する。

0013

(大豆乳化組成物Aの蛋白質)
本発明に用いられる大豆乳化組成物Aの蛋白質含量は乾物あたり25重量%以上、好ましくは30重量%以上である。また蛋白質含量の上限は限定されないが、好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下である。
本発明における蛋白質含量はケルダール法により窒素量として測定し、該窒素量に6.25の窒素換算係数を乗じて求めるものとする。

0014

(大豆乳化組成物Aの脂質)
本発明に用いられる大豆乳化組成物Aの脂質含量は蛋白質含量に対して100重量%以上、好ましくは120〜300重量%、さらに好ましくは120〜200重量%であり、蛋白質よりも脂質が多いことが特徴である。
一般に脂質含量はエーテル抽出法で測定されるが、大豆乳化組成物中には中性脂質のほかにエーテルで抽出されにくい極性脂質も多く含まれるため、本発明における脂質含量は、クロロホルム:メタノールが2:1(体積比)の混合溶媒を用い、常圧沸点において30分間抽出された抽出物量を総脂質量として、脂質含量を算出した値とする。溶媒抽出装置としてはFOSS社製の「ソックステック」を用いることができる。

0015

(大豆乳化組成物Aの乾物含量
本発明に用いられる大豆乳化組成物Aは通常生クリーム様の性状であり、通常の乾物(dry matter)は15〜30重量%程度であるが、特に限定されるものではない。すなわち加水により低粘度の液状としたものや、濃縮加工されてより高粘度のクリーム状としたものであってもよく、また粉末加工されて粉末状としたものであってもよい。

0016

(大豆乳化組成物Aの製造態様)
本発明に用いられる、上記特定の豆乳化組成物は、例えば全脂大豆に加水して懸濁液や豆乳を調製した後、遠心分離機によって分画し、比重が軽い上層部分取り分けることにより得ることができる。
また、LCI値が55%以上の大豆乳化組成物を効率的に得るには、特定の性質をもつ大豆を原料として使用する。例えば水溶性窒素指数(Nitrogen Solubility Index)が20〜77など、特定の水溶性蛋白を含みかつ乾物あたりの脂質含量が15重量%以上の全脂大豆などの含脂大豆に対して、加水して懸濁液を調製する工程の後、該懸濁液を固液分離し、中性脂質及び極性脂質を不溶性画分移行させて、蛋白質及び糖質を含む水溶性画分を除去し、不溶性画分を回収することにより得ることができる。この製造態様の詳細については特開2013-143931号報の記載を援用する。

0017

(大豆蛋白素材B)
本発明の原料として使用される特定の大豆蛋白素材Bは、大豆から水抽出されるグリシニン及びβ−コングリシニンを主体とする蛋白質を主な構成成分とし、かつ総蛋白質中の脂質親和性蛋白質の割合が少ないものである。
すなわち、総蛋白質中の脂質親和性蛋白質の割合がLCI値として40%以下であることを特徴とする大豆蛋白素材である。
(大豆蛋白素材Bの製品形態
大豆蛋白素材Bの製品の形態としては上記要件を満たす限り特に限定されず、具体的には豆乳が挙げられるが、豆乳以外の形態としては、該豆乳を原料としてさらに蛋白質の純度を高めた形態が挙げられ、典型的には豆乳から糖質、灰分等の水溶性成分を除去して蛋白質の純度を高めた分離大豆蛋白や、前記豆乳あるいは分離大豆蛋白の蛋白質をさらに分画してグリシニンあるいはβ−コングリシニンの純度を高めた分画大豆蛋白の形態が挙げられる。

0018

(大豆蛋白素材Bの蛋白質)
大豆蛋白素材Bの蛋白質含量は乾物あたりで30〜99重量%の範囲が好ましい。大豆蛋白素材が豆乳の形態の場合、通常は下限が乾物あたり45重量%以上、あるいは50重量%以上、あるいは55重量%以上であり、上限が70重量%以下、あるいは65重量%以下でありうる。蛋白質の分画や他の成分の添加など、加工方法によっては30重量%以上45重量%未満の範囲にもなりうる。また大豆蛋白素材が当該豆乳をさらに精製して蛋白質純度を高めた分離大豆蛋白の形態の場合は、下限が70重量%超、あるいは80重量%以上であり、上限は99重量%以下、あるいは95重量%以下でありうる。なお、本発明における蛋白質含量はケルダール法により窒素量として測定し、該窒素量に6.25の窒素換算係数を乗じて求めるものとする。

0019

脂質親和性蛋白質は、大豆の主要な酸沈殿性大豆蛋白質の内、グリシニン(7Sグロブリン)とβ−コングリシニン(11Sグロブリン)以外のマイナーな酸沈殿性大豆蛋白質群をいい、レシチン糖脂質などの極性脂質を多く随伴するものである。以下、単に「LP」と略記することがある。
LPは雑多な蛋白質が混在したものであるが故、各々の蛋白質を全て特定し、LPの含量を厳密に測定することは困難であるが、下記LCI(Lipophilic Proteins Content Index:大豆蛋白質中の脂質親和性蛋白質含有割合))値を求めることにより推定することができる。
これによれば、大豆蛋白素材B中の蛋白質のLCI値は通常40%以下、より好ましくは38%以下、さらに好ましくは36%以下である。
通常の未変性(NSI 90以上)の大豆を原料として一般的な大豆蛋白素材を製造する場合ではLPは可溶性の状態で存在するため、水抽出すると水溶性画分側へ抽出される。一方、大豆蛋白素材Bでは、LPを原料大豆中において加熱処理によって変性させ不溶化させて製造するため、LPが抽出されにくく不溶性画分側に残る。
このように蛋白質中におけるLPの割合を低減することによって脂質の含有量を極めて低レベルに保った大豆蛋白素材を得ることがきる。LP含量の推定方法及びLCI値の測定方法は、特開2013-143931号報の記載を援用する。

0020

大豆蛋白素材Bは糖質及び蛋白質が乾物の大部分を占める主成分であることができ、この場合は炭水化物(乾物から脂質、蛋白質及び灰分を除いたもの)の含量は、蛋白質との総含量で表すと乾物あたり80重量%以上が好ましく、より好ましくは85重量%以上である。乾物の残成分は灰分と微量の脂質からほぼ構成され、灰分は乾物当たり通常15重量%以下、好ましくは10重量%以下である。食物繊維は炭水化物に含まれるものの、大豆蛋白素材Aは食物繊維質が除去されているので、乾物当たり3重量%以下、好ましくは2重量%以下の微量である。

0021

(大豆蛋白素材Bの脂質)
大豆蛋白素材Bは、原料である大豆粉の脂質含量/蛋白質含量の比よりも低い値の脂質しか含まれず、中性脂質と共に極性脂質の含量も低いことが好ましい。これに対し、一般に脱脂豆乳などは大豆をヘキサン脱脂した脱脂大豆を水抽出して得られるが、この脱脂豆乳は極性脂質が除去されておらずなお多く含まれる。
そのため、大豆蛋白素材B中の脂質含量は、試料凍結乾燥後、クロロホルム:メタノールが2:1(体積比)の混合溶媒を用い、常圧沸点において30分間抽出された抽出物量を総脂質量として、脂質含量を算出した値とする。溶媒抽出装置としてはFOSS社製の「ソックステック」を用いることができる。なお上記の測定法は「クロロホルム/メタノール混合溶媒抽出法」と称するものとする。

0022

大豆蛋白素材Bは、脂質含量が蛋白質含量に対して10重量%未満が好ましく、より好ましくは9重量%未満、さらに好ましくは8重量%未満、さらに好ましくは5重量%未満、さらに好ましくは4重量%以下であり、3重量%以下とすることも可能である。すなわち蛋白質よりも中性脂質と極性脂質を含めた総脂質が極めて少ない大豆蛋白素材が1つの好ましい態様である。LPが少なくかつ総脂質が少ない大豆蛋白素材を乳酸発酵に供することにより、青臭みが極めて感じにくいすきりとした風味の乳酸発酵物を得ることができる。このような素材としては、例えば特開2012−16348号に開示される「減脂大豆蛋白素材」が該当する。通常の有機溶剤を用いて脱脂された脱脂大豆から抽出した脱脂豆乳も中性脂質は殆ど含まれないが、極性脂質が一部抽されるため、蛋白質に対する脂質含量はおよそ5〜6重量%である。この態様の場合、乾物あたりでの脂質含量も5重量%以下が好ましく、好ましくは3重量%以下、より好ましくは2重量%以下、さらに好ましくは1.5重量%以下でありうる。

0023

(大豆蛋白素材Bの乾物含量)
大豆蛋白素材Bが豆乳の形態で、性状が液体の場合、乾物(dry matter)は通常3〜20重量%程度であるが、特に限定されるものではない。すなわち加水して低粘度の液状としたものや、減圧濃縮凍結濃縮等の濃縮加工により高粘度化したものであってもよく、また噴霧乾燥凍結乾燥等の粉末加工により粉末状としたものであってもよい。

0024

本発明において、大豆乳化組成物A及び大豆蛋白素材Bを併用して白子様食品を調製するが、大豆乳化組成物A由来の蛋白質含量は1.5〜4重量%であり、より好ましくは2〜4重量%、最も好ましくは2〜3.5重量%である。下限未満では、濃厚感に乏しくなり、淡白な風味になる傾向がある。逆に上限を超えると豆乳感がやや強すぎて、違和感のある風味の白子様食品となる傾向にある。また、大豆蛋白素材B由来の蛋白質含量は1.5〜4重量%であり、より好ましくは2〜4重量%、最も好ましくは2〜3.5重量%である。下限未満では、豆乳感がやや強すぎて、違和感のある風味の白子様食品となる傾向にある。逆に上限を超えると、濃厚感が低下し、淡白な風味になる傾向がある。

0025

本発明において、大豆乳化組成物A由来の蛋白質と大豆蛋白素材B由来の蛋白質の合計量は3〜8重量%であるのが好ましく、より好ましくは4〜7重量%である。合計量が3重量%未満であると、濃厚感に乏しく、淡白な風味になる傾向がある。逆に、8重量%を超えると豆乳感がやや強すぎて、違和感のある風味の白子様食品となる傾向にある。

0026

大豆乳化組成物A由来の蛋白質の大豆蛋白素材B由来の蛋白質に対する含有比率は、0.3〜3であるのが好ましく、より好ましくは0.5〜2.5である。含有比率が0.3未満であると、濃厚感に乏しくなり、淡白な風味になる傾向がある。逆に上限を超えると豆乳感がやや強すぎて、違和感のある風味の白子様食品となる傾向にある。

0027

本発明において、大豆乳化組成物Aと大豆蛋白素材Bを併用して白子様食品を調製するが、その調製の一態様は以下の通りである。
大豆乳化組成物Aとして、例えば特開2013-143931号公報の記載の生クリーム様性状の大豆乳化組成物(乾物含量15〜30重量%、乾物中の蛋白質含量25〜50重量%、乾物中の脂質含量40〜75重量%)を使用し、大豆蛋白素材Bとして、例えば特開2012−16348号公報記載の減脂大豆蛋白素材(乾物含量3〜20重量%、乾物中の蛋白質含量45〜70重量%、乾物中の脂質含量10重量%以下)使用する場合は、大豆乳化組成物A30〜70重量部と大豆蛋白素材B70〜30重量部を調合し、好ましくは大豆乳化組成物Aと大豆蛋白素材Bの合計量を80〜98重量部となるよう調合することにより、目的とする白子様食品を得ることができる。

0028

本発明における白子様食品を調製する別の一態様は、大豆乳化組成物Aとして前記生クリーム様性状の大豆乳化組成物に代えて、その濃縮物乾燥粉末を使用することができる。また、大豆蛋白素材Bとして前記減脂大豆蛋白素材に代えて、その濃縮物や乾燥粉末を使用することができる。かかる濃縮物や乾燥粉末を使用する場合は、大豆乳化組成物Aと大豆蛋白素材B由来の蛋白質含量を調整するよう適量の水に分散、溶解して、白子様食品用の乳化油脂組成物を調製することができる。

0029

(油脂)
本発明の白子様食品は、上昇融点が20℃以下の常温液状油脂を1〜5重量%、好ましくは2〜4重量%、含有するものである。かかる油脂を含有することにより、白子様食品に適度なコク味旨味を付与することができる。常温液状油脂としては、ナタネ油大豆油ひまわり油綿実油落花生油米糠油コーン油サフラワー油オリーブ油カポック油胡麻油、月見草油パーム油シア脂サル脂、カカオ脂ヤシ油パーム核油等の植物性油脂乳脂牛脂豚脂魚油鯨油等の動物性油脂、及び藻類由来油脂が例示でき、これらの油脂の単独または混合油あるいは分別エステル交換を施した加工油脂も使用することができる。常温液状油の含有量が1重量%未満であると、白子様食品のコク味と旨味が低下して物足りない風味になる。逆に、5重量%を超えるとやや油っぽい食感になる傾向がある。

0030

常温液状油脂として、DHAドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)を含有する魚油や藻類由来油脂を使用することにより、DHA,EPAを含有する健康指向マッチした白子様食品を得ることができる。特に、藻類由来油脂を用いることにより、白子に近似するような適度な生臭味魚臭を白子様食品に付与することもできる。常温液状油脂として、魚油そのものを用いると、魚油由来劣化臭が強く出すぎる傾向にある。

0031

(調味料)
本発明の白子様食品は、適量の調味料を含有するものである。調味料としては、昆布かつお節魚粉由来の和風だしの素の顆粒または粉末タイプのものが使い勝手が良く、添加量としては白子様食品に対して0.5〜2重量%が適当である。かかる調味料添加により、白子様食品に適度な香りと旨味を付与することができる。

0032

(カチオン反応性のある多糖類)
本発明に用いるカチオン反応性のある多糖類とは、可溶性カチオン素材とそれぞれ水溶液で接触させることにより、速やかにゲルを形成するものであり、カラギナンLMペクチンジェランガム、アルギン酸ナトリウムなどが例示できる。特に、冷水でも速やかにゲル形成するアルギン酸ナトリウムの利用が好ましいが、かかるカチオン反応性のある多糖類の白子様食品用の乳化油脂組成物に対する添加量は0.1〜3重量%、好ましくは0.5〜2重量%である。

0033

本発明に用いる可溶性カチオン素材としては、塩化カルシウム、乳酸カルシウムが例示でき、可溶性カチオン素材の水溶液濃度は0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜2重量%である。

0034

増粘剤
本発明の白子様食品には、カチオン反応性のある多糖類以外に、白子様食品の内包部分に適度なとろみを付与するために増粘剤を配合することができる。増粘剤としては、アラビアガムトラガントガムグアーガムキサンタンガムタマリンドガムローカストビーンガムなどが例示できる。かかる増粘剤の適度な添加量は白子様食品用の乳化油脂組成物に対し、0.01〜3重量%、好ましくは0.05〜2重量%である。

0035

本発明の白子様食品には、風味や食感を損なわない範囲で、乳化剤を使用することができる。乳化剤としては、特に限定されるものではなく、従来公知の乳化剤を使用することができ、レシチン、ショ糖脂肪酸エステルプロプレングリコール脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステルグリセリン脂肪酸エステルポリグリセリン脂肪酸エステル酢酸モノグリセリド酒石酸モノグリセリド酢酸酒石酸混合モノグリセリド、クエン酸モノグリセリドジアセチル酒石酸モノグリセリド乳酸モノグリセリド等各種有機酸モノグリセリドポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが例示できる。

0036

以上の乳化剤のほかに、公知の添加剤として、リン酸塩等のpH調整剤等も使用することができる。また、日持ち向上の目的で、グリシン酢酸ナトリウム卵白リゾチームなどの日持ち向上剤を使用することもできる。

0037

(製造方法)
本発明の白子様食品は、例えば、以下の手順で製造することができる。
(1)大豆乳化組成物A、大豆蛋白素材B、常温液状油脂、調味料及びカチオン反応性のある多糖類を混合後に予備乳化し、高圧ホモゲナイザーなどを用いて均質化後、85℃前後の加熱殺菌を行い、その後に品温3〜7℃まで冷却して、乳化油脂組成物を得る。
(2) 上記で得られた乳化油脂組成物の液滴を、あらかじめ5〜20℃に調温した0.1〜5重量%濃度の可溶性カチオン素材の水溶液中に滴下または射出し、乳化油脂組成物の表面をゲル化させる。
(3) 乳化油脂組成物の液滴表面がゲルによって被覆された白子様食品を可溶性カチオン素材の水溶液中から取り出して、白子様食品を得る。

0038

上記の方法で得られる本発明の白子様食品は、安価でかつプリン体やコレステロール含量が低く、魚類由来の白子様の独特の食感及び風味を有するものである。例えば、常温液状油脂として植物性油脂を用いた場合、天然の白子との対比において、プリン体含量を90%削減し、コレステロール含量も90%以上削減した安価な白子様食品を得ることができる。さらに、常温液状油脂として、DHA,EPAに富む藻類由来油脂を使用した場合、プリン体やコレステロール含量が低く、機能性表示可能なレベルのDHA,EPAを含有し、しかも白子様の適度な生臭みと魚臭を有する白子様食品を得ることができる。

0039

以下に実施例を示し、本発明の詳細をより具体的に説明する。なお、例中、「部」あるいは「%」はいずれも重量基準を表すものとする。
各例における風味評価は、下記の方法及び基準で、パネラー5人の平均値により評価した。
(方法)各例で調製した白子様食品を沸騰したお湯で約2分間ゆでて火を通し、ざるに上げる。室温で放冷し、冷めてからポン酢に漬けて風味評価を行った。
評価基準
(食感) :◎適度なとろみ ○:とろみがやや弱い又はやや強い △とろみが弱い又は強い
×:とろみなし
(濃厚感) :◎非常に良好 ○:良好 △:やや弱い ×:淡白
(旨味) :◎非常に良好 ○:良好 △:やや弱い ×:淡白
豆乳風味):◎殆どなし ○:すっきりした豆乳風味 △:豆乳風味がやや強い
×:豆乳風味が強すぎる
(生臭み) :◎白子近似○:白子よりやや弱い又はやや強い △:白子より弱い又は強い
×:淡白又は生臭すぎる

0040

実施例1
大豆乳化物A(不二製油(株)製「濃久里」:乾物含量19.8%、乾物あたりの蛋白含量28.3%、乾物あたりの脂質62.1%、LCI値67%)28.8部、大豆蛋白素材B(不二製油(株)製「美味投入」:乾物含量10.0%、乾物あたりの蛋白質含量54.0%、乾物あたりの脂質5%、LCI値34%)67.2部、DHAとEPAを合計で515m/g 含有する藻類由来油脂3部、昆布だし1部、アルギン酸ナトリウム1部及びキサンタンガム0.1部をホモミキサーを用いて混合し、予備乳化した。その後、5Mpaの圧力でホモゲナイザーを用いて均質化した。均質化後、掻きとり式連続熱交換機に通し、80〜90℃で加熱殺菌、充填し、トンネルフリーザーにて急冷後、冷蔵庫エージングを行い、乳化油脂組成物を得た。
上記で得られた乳化油脂組成物を、10℃の1%塩化カルシウム水溶液中にスポイトを用いて射出し、乳化油脂組成物の表面がゲル化した直径5mm×長さ100mm程度の白子様食品を得た。塩化カルシウム水溶液から白子様食品を取り出し、風味評価を行った。

0041

実施例2
実施例1の「濃久里夢」28.8部を48部に、「美味投入」67.2部を48部にそれぞれ代えて、実施例1同様に白子様食品の調製を行い、風味評価を行った。

0042

実施例3
実施例1の「濃久里夢」28.8部を67.2部に、「美味投入」67.2部を28.8部にそれぞれ代えて、実施例1同様に白子様食品の調製を行い、風味評価を行った。

0043

比較例1
実施例1の「濃久里夢」28.8部を19.2部に、「美味投入」67.2部を76.8部にそれぞれ代えて、実施例1同様に白子様食品の調製を行い、風味評価を行った。

0044

比較例2
実施例1の「濃久里夢」28.8部を76.8部に、「美味投入」67.2部を19.2部にそれぞれ代えて、実施例1同様に白子様食品の調製を行い、風味評価を行った。

0045

比較例3
実施例1の「濃久里夢」28.8部、「美味投入」67.2部を、市販の無調整豆乳(全固形分9.2%、蛋白質含量4.9%、脂質含量3.7%)96部に変更して、実施例1同様に白子様食品の調製を行い、風味評価を行った。

0046

表1に、実施例1〜3及び比較例1〜3の白子様食品の評価結果を示す。
表1

0047

表1に示すように、大豆乳化組成物A由来の蛋白質1.5〜4重量%及び大豆蛋白素材B由来の蛋白質1.5〜4重量%を含有する実施例1〜3は、白子様のとろみのある食感で、濃厚感、旨味とも良好であり、豆乳風味は殆どなく、白子様の生臭みのある風味を有していた。大豆乳化組成物A由来の蛋白質が1.1%であった比較例1は、旨味良好で、豆乳風味は殆どなく、白子様の生臭みのある風味ではあったが、やや淡白な物足りない風味であった。大豆乳化組成物A由来の蛋白質が4.5%であった比較例は、濃厚感のある白子様の生臭みのある風味であったが、旨味にやや乏しく、豆乳風味がやや強い風味であった。無調整豆乳を使用した比較例3では、濃厚感、旨味とも乏しく、豆乳風味もやや強い違和感のあるものであった。

0048

実施例4
実施例2において、DHAとEPAを合計で515m/g含有する藻類由来油脂3部を精製菜種油3部に代えて、1%塩化カルシウム水溶液を1%乳酸カルシウム水溶液に代えて、実施例1同様に白子様食品を調製し、風味評価を行った。

0049

比較例4
実施例4において、「濃久里夢」48部を49.5部に、「美味投入」48部を49.5部にそれぞれ代えて、精製菜種油3部を0部に代えて、実施例1同様に白子様食品を調製し、風味評価を行った。

0050

比較例5
実施例4において、「濃久里夢」48部を46.5部に、「美味投入」48部を46.5部にそれぞれ代えて、精製菜種油3部を6部に代えて、実施例1同様に白子様食品を調製し、風味評価を行った。

0051

表2に、実施例4及び比較例4〜5の白子様食品の評価結果を示す。
表2

実施例

0052

表2に示すように、実施例4は、白子様の生臭みは白子よりやや弱いが、白子様のとろみのある食感で、濃厚感、旨味とも良好であり、豆乳風味は殆どないものであった。精製菜種油無添加の比較例4は、濃厚感に乏しく、白子様の生臭みも弱い、淡白な風味であった。また、精製菜種油6%添加の比較例5は、白子様の風味、食感ではあるが、実施例4と対比して油っぽい食感であった。

0053

本発明により、簡便に、安価でかつプリン体やコレステロール含量が低く、天然の白子様の独特の食感及び風味を有する白子様食品の製造方法の提供が可能となった。

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