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技術 故障検出機能を有するモータ駆動装置

出願人 ファナック株式会社
発明者 齊藤総鹿川力
出願日 2017年10月12日 (2年0ヶ月経過) 出願番号 2017-198612
公開日 2019年5月16日 (5ヶ月経過) 公開番号 2019-075851
状態 未登録
技術分野 電動機の制御一般 交流電動機の制御一般
主要キーワード ダイナミックブレーキ回路 初期電流値 実モータ電流 出力側端子 フィードバック電流 電流フィードバック モータ駆動装置 相電流値
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

モータモータ駆動装置に接続しない状態ではフィードバック電流が発生しないため、モータ駆動装置単体では故障の検出を行うことができないという問題があった。

解決手段

本開示の一実施例に係るモータ駆動装置は、複数のパワー素子スイッチングにより直流電圧交流電圧に変換するインバータと、インバータから出力される電流を検出する電流検出部と、電圧指令を生成する電流制御部と、インバータの複数のパワー素子のスイッチングを制御する制御信号生成部と、複数の抵抗を介してインバータの出力側端子短絡する複数のリレーを備えたダイナミックブレーキ回路と、初期電流値及び故障の有無を判定するための第1閾値を記憶する記憶部と、初期電流値を検出してから所定時間経過後に、電流値を初期電流値と比較し、電流値の初期電流値からの変化率を第1閾値と比較した結果に基づいて、故障の有無を判定する故障判定部と、を有する。

概要

背景

モータ駆動装置では、電流指令を受けた電流制御部が、パワー素子を制御する(オンオフする)ための制御信号をパワー素子へ送りモータを駆動するためのモータ電流を制御している。さらに、電流検出回路がモータ電流を検出し、電流制御部へフィードバックすることで、電流指令と実モータ電流とを比較し、電流指令を調整し、制御信号を調整する。

ここで、パワー素子、モータ、電流検出回路のいずれかが故障すると、モータの制御を正常に行うことができなくなり、モータが異常な動作をするという問題が生じる恐れがある。

そこで、電流検出回路からフィードバックされる電流を利用して、故障の検出あるいは故障の予測を行う方法が報告されている(例えば、特許文献1)。

概要

モータをモータ駆動装置に接続しない状態ではフィードバック電流が発生しないため、モータ駆動装置単体では故障の検出を行うことができないという問題があった。本開示の一実施例に係るモータ駆動装置は、複数のパワー素子のスイッチングにより直流電圧交流電圧に変換するインバータと、インバータから出力される電流を検出する電流検出部と、電圧指令を生成する電流制御部と、インバータの複数のパワー素子のスイッチングを制御する制御信号生成部と、複数の抵抗を介してインバータの出力側端子短絡する複数のリレーを備えたダイナミックブレーキ回路と、初期電流値及び故障の有無を判定するための第1閾値を記憶する記憶部と、初期電流値を検出してから所定時間経過後に、電流値を初期電流値と比較し、電流値の初期電流値からの変化率を第1閾値と比較した結果に基づいて、故障の有無を判定する故障判定部と、を有する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

複数のパワー素子を備え、該複数のパワー素子のスイッチングにより直流電圧交流電圧に変換するインバータと、前記インバータから出力される電流を検出する電流検出部と、電流指令及び前記電流検出部で検出された前記電流の値に基づいて、電圧指令を生成する電流制御部と、前記電圧指令から前記インバータの前記複数のパワー素子のスイッチングを制御する制御信号生成部と、複数の抵抗を介して前記インバータの出力側端子短絡する複数のリレーを備えたダイナミックブレーキ回路と、前記電流制御部に電流指令が入力され、かつ前記複数のリレーのうちの少なくとも2つのリレーを導通させたときに前記電流検出部で検出された電流の初期値である初期電流値、及び故障の有無を判定するための第1閾値を記憶する記憶部と、前記初期電流値を検出してから所定時間経過後に、前記電流制御部に電流指令が入力され、前記複数のリレーのうちの少なくとも2つのリレーを導通させたときに前記電流検出部で検出された電流の値である電流値を前記初期電流値と比較し、前記電流値の前記初期電流値からの変化率を前記第1閾値と比較した結果に基づいて、故障の有無を判定する故障判定部と、を有するモータ駆動装置

請求項2

前記記憶部は、さらに前記第1閾値より小さい第2閾値を記憶し、前記故障判定部は、前記変化率の絶対値が前記第1閾値以上の場合に故障と判定し、前記変化率の絶対値が前記第2閾値以上の場合に警告を発する、請求項1に記載のモータ駆動装置。

請求項3

前記記憶部は、前記電流検出部が前記電流値を検出した際の時刻と前記電流値を記憶し、前記故障判定部は、前記電流値の時間的変化度合いに基づいて故障の時期を予測する、請求項1に記載のモータ駆動装置。

請求項4

前記記憶部は、前記ダイナミックブレーキ回路の前記複数の抵抗の抵抗値を記憶し、前記故障判定部は、前記抵抗値から算出される理想電流値と前記初期電流値との差分に基づいて、前記初期電流値が異常か否かを判断する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のモータ駆動装置。

請求項5

前記故障判定部は、前記ダイナミックブレーキ回路の少なくとも2つの相のリレーを導通させて特定の1つの相の電流値を検出し、検出した前記特定の1つの相の電流値の前記初期電流値からの変化率を前記第1閾値と比較した結果に基づいて、前記特定の1つの相について故障の有無を判定する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のモータ駆動装置。

請求項6

前記故障判定部は、前記ダイナミックブレーキ回路の少なくとも2つの相のリレーを導通させて特定の2つの相の電流値を検出し、検出した前記特定の2つの相の電流値の差分を一方の相の電流値で除した値を第3閾値と比較した結果に基づいて、故障の有無を判定する、請求項1に記載のモータ駆動装置。

請求項7

前記インバータの出力側端子にモータを接続または遮断するためのスイッチをさらに有する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のモータ駆動装置。

技術分野

0001

本発明は、モータ駆動装置に関し、特に、故障検出機能を有するモータ駆動装置に関する。

背景技術

0002

モータ駆動装置では、電流指令を受けた電流制御部が、パワー素子を制御する(オンオフする)ための制御信号をパワー素子へ送りモータを駆動するためのモータ電流を制御している。さらに、電流検出回路がモータ電流を検出し、電流制御部へフィードバックすることで、電流指令と実モータ電流とを比較し、電流指令を調整し、制御信号を調整する。

0003

ここで、パワー素子、モータ、電流検出回路のいずれかが故障すると、モータの制御を正常に行うことができなくなり、モータが異常な動作をするという問題が生じる恐れがある。

0004

そこで、電流検出回路からフィードバックされる電流を利用して、故障の検出あるいは故障の予測を行う方法が報告されている(例えば、特許文献1)。

先行技術

0005

特開2004−350387号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、従来技術においては、モータを実際に動作させないと故障の検出を行うことができないという問題があった。さらに、モータをモータ駆動装置に接続しない状態ではフィードバック電流が発生しないため、モータ駆動装置単体では故障の検出を行うことができないという問題があった。

課題を解決するための手段

0007

本開示の一実施例に係るモータ駆動装置は、複数のパワー素子を備え、該複数のパワー素子のスイッチングにより直流電圧交流電圧に変換するインバータと、インバータから出力される電流を検出する電流検出部と、電流指令及び電流検出部で検出された電流の値に基づいて、電圧指令を生成する電流制御部と、電圧指令からインバータの複数のパワー素子のスイッチングを制御する制御信号生成部と、複数の抵抗を介してインバータの出力側端子短絡する複数のリレーを備えたダイナミックブレーキ回路と、電流制御部に電流指令が入力され、かつ複数のリレーのうちの少なくとも2つのリレーを導通させたときに電流検出部で検出された電流の初期値である初期電流値、及び故障の有無を判定するための第1閾値を記憶する記憶部と、初期電流値を検出してから所定時間経過後に、電流制御部に電流指令が入力され、複数のリレーのうちの少なくとも2つのリレーを導通させたときに電流検出部で検出された電流の値である電流値を初期電流値と比較し、電流値の初期電流値からの変化率を第1閾値と比較した結果に基づいて、故障の有無を判定する故障判定部と、を有する。

発明の効果

0008

本開示の一実施例に係るモータ駆動装置によれば、モータを実際に動作させずに故障の検出を行うことができ、さらに、モータをモータ駆動装置に接続しない状態でも、モータ駆動装置単体で故障の検出を行うことができる。

図面の簡単な説明

0009

実施例1に係るモータ駆動装置の構成を示すブロック図である。
実施例1に係るモータ駆動装置において、初期電流値と検出した電流値との差分の絶対値の時間的変化の一例を示すグラフである。
実施例1に係るモータ駆動装置において、初期電流値と検出した電流値との差分の絶対値の時間的変化の他の例を示すグラフである。
実施例1に係るモータ駆動装置において、故障を検出する手順を説明するためのフローチャートである。
実施例1に係るモータ駆動装置において、警告を発し、故障を検出する手順を説明するためのフローチャートである。
実施例1に係るモータ駆動装置において、2つの相の電流検出値から故障を検出する手順を説明するためのフローチャートである。
実施例2に係るモータ駆動装置の構成を示すブロック図である。

実施例

0010

以下、図面を参照して、本発明に係るモータ駆動装置について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。

0011

まず、実施例1に係るモータ駆動装置について説明する。図1に、実施例1に係るモータ駆動装置の構成を表すブロック図を示す。実施例1に係るモータ駆動装置101は、インバータ1と、電流検出部2と、電流制御部3と、制御信号生成部4と、ダイナミックブレーキ回路5と、記憶部6と、故障判定部7と、を有する。

0012

インバータ1は、複数のパワー素子(図示せず)を備え、該複数のパワー素子のスイッチングにより直流電圧を交流電圧に変換する。インバータ1は、例えば、上アーム及び下アームのそれぞれにパワー素子を有し、該パワー素子のスイッチングにより直流電圧を交流電圧に変換する。変換された交流電圧は、ダイナミックブレーキ回路5のリレー(SA,SB,SC)を閉じることにより、それぞれのリレーに接続されたダイナミックブレーキ抵抗(RbA,RbB,RbC)に印加され、R相電流S相電流、及びT相電流がダイナミックブレーキ回路5に流れる。インバータ1に供給する直流電圧は、例えば交流電源(図示せず)から供給される交流電圧を整流器により直流電圧に変換し、この直流電圧を平滑コンデンサ平滑化して得ることができる。本実施例では、インバータ1として三相(R相、S相、T相)のインバータを用いる場合を例にとって説明する。この場合、6個のパワー素子には、例えばIGBT絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を用いることができ、これらには還流ダイオードを逆並列に設けることが好ましい。

0013

電流検出部2は、インバータ1から出力される電流を検出する。図1に示した例では、電流検出部2は、R相電流を検出する第1電流検出部2aと、S相電流を検出する第2電流検出部2bと、を備えている。ただし、このような例には限られず、R相電流及びT相電流等、他の2相の電流を検出するようにしてもよいし、三相の電流を検出するようにしてもよい。第1電流検出部2aで検出されたR相電流フィードバック(FB)であるR相電流IFBR及び第2電流検出部2bで検出されたS相電流フィードバック(FB)であるS相電流IFBSは、電流制御部3及び記憶部6に出力される。

0014

電流制御部3は、電流指令及び電流検出部2で検出された電流の値に基づいて、電圧指令を生成する。電流指令は、モータ駆動装置101の外部から与えられる。生成された電圧指令は制御信号生成部4に出力される。

0015

制御信号生成部4は、電圧指令からインバータ1の複数のパワー素子のスイッチングを制御する。

0016

ダイナミックブレーキ回路5は、複数の抵抗であるダイナミックブレーキ抵抗(RbA,RbB,RbC)を介してインバータ1の出力側端子を短絡する複数のリレー(SA,SB,SC)を備えている。図1に示した例では、三相のモータ駆動装置を例示しているため、ダイナミックブレーキ回路5は、ダイナミックブレーキ抵抗及びリレーをそれぞれ3つずつ設けた例を示しているが、このような例には限られない。また、ダイナミックブレーキ回路5の複数のリレー(SA,SB,SC)の開閉は、故障判定部7からの制御信号によって制御されるようにしてもよい。

0017

記憶部6は、電流制御部3に電流指令が入力され、かつ複数のリレーのうちの少なくとも2つのリレーを導通させたときに電流検出部2で検出された電流の初期値である初期電流値、及び故障の有無を判定するための第1閾値を記憶する。本実施例に係るモータ駆動装置においては、インバータ1から出力される電流の初期値である初期電流値を基準として故障の有無を判定する。そこで、ダイナミックブレーキ回路5の複数のリレーのうちの少なくとも2つのリレーを導通させて、ダイナミックブレーキ回路5に電流が流れる状態で、インバータ1を動作させたときに電流検出回路2で最初に検出される電流値を初期電流値とする。記憶部6は、この初期電流値を記憶する。例えば、ダイナミックブレーキ回路5のリレーSA及びSBを導通させて、検出されたR相電流またはS相電流の初期値を初期電流値とすることができる。ここで、初期電流値として、R相電流、S相電流及びT相電流のいずれの電流の初期値を初期電流値としてもよい。これは、複数のダイナミックブレーキ抵抗(RbA,RbB,RbC)の値が等しく、モータ駆動装置に故障が生じていない場合には、R相電流、S相電流及びT相電流のそれぞれの値は等しいと考えられるからである。なお、初期電流値が正常であるか否かを判断する方法については後述する。

0018

故障判定部7は、初期電流値を検出してから所定時間経過後に、電流制御部3に電流指令が入力され、複数のリレーのうちの少なくとも2つのリレーを導通させたときに電流検出部2で検出された電流の値である電流値を初期電流値と比較し、電流値の初期電流値からの変化率を第1閾値と比較した結果に基づいて、故障の有無を判定する。「所定時間経過後」とは、初期電流値の検出と同時ではないことを意味し、「所定時間」はモータ駆動装置の故障が生じると考えられる経過時間にあわせて任意に設定することができる。故障判定部7は、初期電流値を検出してから所定時間経過後に、ダイナミックブレーキ回路5の複数のリレーのうちの少なくとも2つのリレーを導通させて、ダイナミックブレーキ回路5に電流が流れる状態で、インバータ1を動作させたときに電流検出回路2で検出される電流値を記憶部6に記憶された初期電流値と比較する。

0019

また、記憶部6は、さらに第1閾値より小さい第2閾値を記憶し、故障判定部7は、変化率の絶対値が第1閾値以上の場合に故障と判定し、変化率の絶対値が第2閾値以上の場合に警告を発するようにしてもよい。一般的に検出した電流値の初期電流値からの変化率の絶対値は時間とともに増大すると考えられる。そのため、モータ駆動装置が故障と判定される前の段階で警告を発するようにすることで、故障を未然に防止することができる。そこで、第1閾値より小さい第2閾値を予め設定して記憶部6に記憶させておき、変化率の絶対値が第2閾値以上の場合に警告を発するようにすることが好ましい。

0020

ここで、故障判定部7は、ダイナミックブレーキ回路5の少なくとも2つの相のリレーを導通させて特定の1つの相の電流値を検出し、検出した特定の1つの相の電流値の初期電流値からの変化率を第1閾値と比較した結果に基づいて、特定の1つの相について故障の有無を判定するようにしてもよい。例えば、故障判定部7は、検出したR相電流値IFBRの初期電流値Iiniからの変化率を第1閾値と比較した結果に基づいて、故障の有無を判定することができる。具体的には、R相電流値IFBRと初期電流値Iiniとの差分(Iini−IFBR)の初期電流値Iiniに対する割合である変化率の絶対値が第1閾値Th1以上となっている場合、即ち、下記の式(1)が成立する場合に、モータ駆動装置のR相電流が流れる経路に故障が生じていると判定するようにしてもよい。
|(Iini−IFBR)/Iini|≧Th1 (1)
ここで、R相電流値IFBRと初期電流値Iiniとの差分(Iini−IFBR)の絶対値をとっているのは、故障が生じるケースとして、断線等により、検出される電流が減少する場合だけでなく、短絡等により、検出される電流が増加する場合も有り得るからである。

0021

同様にして、警告を発生させる場合について、R相電流値IFBRと初期電流値Iiniとの差分(Iini−IFBR)の初期電流値Iiniに対する割合である変化率の絶対値が第2閾値Th2(<Th1)以上となっている場合、即ち、下記の式(2)が成立する場合に、モータ駆動装置のR相電流が流れる経路に故障が生じる恐れがある旨の警告を発するようにしてもよい。
|(Iini−IFBR)/Iini|≧Th2 (2)

0022

以上の説明では1つの相の電流に着目して、警告の発生または故障の有無の判定を行う例を示したが、検出した2つの相の電流に基づいて、警告の発生または故障の有無の判定を行うようにしてもよい。即ち、故障判定部7は、ダイナミックブレーキ回路5の少なくとも2つの相のリレーを導通させて特定の2つの相の電流値を検出し、検出した特定の2つの相の電流値の差分を一方の相の電流値で除した値を第3閾値と比較した結果に基づいて、故障の有無を判定するようにしてもよい。具体的には、R相電流値IFBRとS相電流IFBSとの差分(IFBR−IFBS)のR相電流値IFBRに対する割合である変化率の絶対値が第3閾値Th3以上となっている場合、即ち、下記の式(3)が成立する場合に、モータ駆動装置のR相電流及びS相電流が流れる経路の少なくともいずれか一方に故障が生じていると判定するようにしてもよい。
|(IFBR−IFBS)/IFBR|=|1−IFBS/IFBR|≧Th3 (3)
なお、上記の説明においては、R相電流値IFBRとS相電流IFBSとの差分に着目して故障を検出する例について説明したが、R相電流値、S相電流及びT相電流のうちの任意の2つの電流に着目して故障を検出するようにしてもよい。

0023

以上の説明においては、検出した電流値を初期電流値や他の相の電流値と比較することによって、警告の発生または故障の有無の判定を行う例を示したが、検出した電流値の時間的な変化に基づいて、警告の発生または故障の有無の判定を予測するようにしてもよい。即ち、記憶部6は、電流検出部2が電流値を検出した際の時刻と電流値を記憶し、故障判定部7は、電流値の時間的変化の度合いに基づいて故障の時期を予測するようにしてもよい。

0024

検出した電流値の時間的な変化の例として、時間に対して線形に変化する場合が考えられる。図2に実施例1に係るモータ駆動装置において、初期電流値と検出した電流値との差分の絶対値の時間的変化の一例を示す。例えば、図2に示すように、初期電流値と検出した電流値との差分の絶対値が20mAの時に故障と判定するものとした場合、初期電流値を検出してから1年後に検出した電流値と初期電流値との差分の絶対値が5mAであったとする。この場合、初期電流値と検出した電流値との差分の絶対値が20mAに達するのは、初期電流値を検出してから4年後であるので、検出した電流値と初期電流値との差分の絶対値が5mAであった時点から3年後に故障が発生することが予測できる。

0025

また、検出した電流値の時間的な変化の例として、時間に対して非線形に変化する場合が考えられる。図3に実施例1に係るモータ駆動装置において、初期電流値と検出した電流値との差分の絶対値の時間的変化の他の例を示す。例えば、図3に示すように、初期電流値と検出した電流値との差分の絶対値が経過時間の平方根に比例する場合について考える。初期電流値と検出した電流値との差分の絶対値が20mAの時に故障と判定するものとした場合、初期電流値を検出してから1年後に検出した電流値と初期電流値との差分の絶対値が5mAであったとする。この場合、初期電流値と検出した電流値との差分の絶対値が20mAに達するのは、初期電流値を検出してから16年後であるので、検出した電流値と初期電流値との差分の絶対値が5mAであった時点から15年後に故障が発生することが予測できる。

0026

以上の説明において、故障の有無の判定に際して初期電流値を基準にして行う例を示した。ここで、初期電流値自体が異常な値であった場合には正確な故障の有無の判定が難しくなる。そのため、初期電流値が正常であることを確認することが重要である。そこで、記憶部6は、ダイナミックブレーキ回路5の複数の抵抗(RbA,RbB,RbC)の抵抗値を記憶し、故障判定部7は、抵抗値から算出される理想電流値と初期電流値との差分に基づいて、初期電流値が異常か否かを判断することが好ましい。理想電流値はダイナミックブレーキ回路5の複数の抵抗(RbA,RbB,RbC)の抵抗値と印加電圧から算出することができる。理想電流値と初期電流値との差分が許容範囲を超えている場合は、初期電流値自体が異常であることが分かる。その結果、パワー素子が初期不良を有する場合等において、異常な初期電流値に基づいて故障の有無を誤判断することを防止することができる。

0027

次に、実施例1に係るモータ駆動装置を用いて、1つの相の電流に基づいて故障の有無を判定する手順について説明する。図4は、実施例1に係るモータ駆動装置において、故障を検出する手順を説明するためのフローチャートである。まず、ステップS101において、故障判定部7(図1参照)が、ダイナミックブレーキ回路5のリレーSB、SCをオンする。

0028

次に、ステップS102において、電流制御部3に電流指令を与え、インバータ1のパワー素子のスイッチングを制御することによって流れるS相電流値を検出し、初期電流値Iiniを記憶部6に記憶する。なお、記憶部6は、故障の有無を判定するための第1閾値も記憶する。

0029

次に、ステップS103において、初期電流値を検出してから所定時間経過後に、電流制御部3に電流指令を与え、インバータ1のパワー素子のスイッチングを制御することによって流れるS相電流値IFBSを検出する。

0030

次に、ステップS104において、S相電流値IFBSの初期電流値Iiniからの変化率の絶対値は第1閾値以上であるか否かを判定する。

0031

S相電流値IFBSの初期電流値Iiniからの変化率の絶対値が第1閾値以上である場合は、ステップS105において、モータ駆動装置のS相電流の経路に故障が生じていると判定する。

0032

一方、S相電流値IFBSの初期電流値Iiniからの変化率の絶対値が第1閾値未満である場合は、ステップS106において、モータ駆動装置のS相電流の経路は正常と判定する。

0033

以上の説明においては、S相電流に基づいて故障の有無を判定する例を示したが、R相電流またはT相電流に基づいて故障の有無を判定するようにしてもよい。

0034

次に、実施例1に係るモータ駆動装置を用いて、1つの相の電流に基づいて警告の発生または故障の有無を判定する手順について説明する。図5は、実施例1に係るモータ駆動装置において、警告を発し、故障を検出する手順を説明するためのフローチャートである。ステップS201〜S205は、故障の有無を判定するステップであり、上述のステップS101〜S105と同様であるので、詳細な説明は省略する。なお、記憶部6は、故障の有無を判定するための第1閾値、及び警告の発生の要否を判断する第2閾値を記憶する。

0035

ステップS204において、S相電流値IFBSの初期電流値Iiniからの変化率の絶対値が第1閾値未満である場合に、ステップS206以降において、警告を発生すべきか否かを判定する。

0036

ステップS206において、S相電流値IFBSの初期電流値Iiniからの変化率の絶対値は第2閾値以上であるか否かを判定する。

0037

S相電流値IFBSの初期電流値Iiniからの変化率の絶対値が第2閾値以上である場合は、ステップS207において、モータ駆動装置のS相電流の経路に故障が生じるおそれがある旨の警告を発する。

0038

一方、S相電流値IFBSの初期電流値Iiniからの変化率の絶対値が第1閾値未満である場合は、ステップS208において、モータ駆動装置のS相電流の経路は正常と判定する。

0039

以上の説明においては、S相電流に基づいて警告の発生または故障の有無を判定する例を示したが、R相電流またはT相電流に基づいて警告の発生または故障の有無を判定するようにしてもよい。

0040

次に、実施例1に係るモータ駆動装置を用いて2つの相の電流に基づいて故障の有無を判定する手順について説明する。図6は、実施例1に係るモータ駆動装置において、2つの相の電流検出値から故障を検出する手順を説明するためのフローチャートである。まず、ステップS301において、故障判定部7が、ダイナミックブレーキ回路のリレーSA、SBをオンする。

0041

次に、ステップS302において、電流制御部3に電流指令を与え、インバータ1のパワー素子のスイッチングを制御することによって流れるS相電流値IFBS及びR相電流値IFBRを検出する。なお、記憶部6は、故障の有無を判定するための第3閾値Th3も記憶する。

0042

次に、ステップS303において、R相電流値IFBRとS相電流IFBSとの差分(IFBR−IFBS)のR相電流値IFBRに対する割合である変化率の絶対値が第3閾値Th3以上となっているか、即ち、上述の式(3)が成立するか否かを判定する。

0043

差分(IFBR−IFBS)のR相電流値IFBRに対する割合の絶対値が第3閾値Th3以上である場合は、ステップS304において、モータ駆動装置のS相電流及びR相電流の経路の少なくとも一方に故障が生じていると判定する。

0044

一方、差分(IFBR−IFBS)のR相電流値IFBRに対する割合の絶対値が第3閾値Th3未満である場合は、ステップS305において、モータ駆動装置のS相電流及びR相電流の経路は正常と判定する。

0045

以上の説明においては、S相電流及びR相電流の組合せに基づいて故障の有無を判定する例を示したが、R相電流及びT相電流の組合せ、またはT相電流及びS相電流の組合せに基づいて故障の有無を判定するようにしてもよい。

0046

以上説明したように、実施例1に係るモータ駆動装置によれば、モータを接続していないモータ駆動装置単体であっても故障の有無を判定することができる。

0047

次に、実施例2に係るモータ駆動装置について説明する。図7に実施例2に係るモータ駆動装置の構成を表すブロック図を示す。実施例2に係るモータ駆動装置102が、実施例1に係るモータ駆動装置101と異なっている点は、インバータ1の出力側端子にモータ10を接続または遮断するためのスイッチ20をさらに有する点である。実施例2に係るモータ駆動装置102のその他の構成は、実施例1に係るモータ駆動装置101における構成と同様であるので詳細な説明は省略する。

0048

図7に示すようにモータ10は、複数の抵抗(RmR,RmS,RmT)及び複数のインダクタンス(LmR,LmS,LmT)で近似することができる。スイッチ20により、モータ10をモータ駆動装置102に接続したり遮断したりすることができる。

0049

ここで、モータ10にはインダクタンス(LmR,LmS,LmT)が含まれているため、モータ10に流れる電流の時間的変化からモータ10がモータ駆動回路102に接続されているか否かを判定することができる。即ち、モータ10がモータ駆動回路102に接続されていない場合は、検出される電流は一定となるのに対して、モータ10がモータ駆動回路102に接続されている場合、モータ10のインダクタンス(LmR,LmS,LmT)により、ある傾きをもって時間とともに電流が増加する。ここで、モータ10がモータ駆動回路102に接続されているか否かを判定するための電流の傾きの値は予め記憶部6に記憶させておくことが好ましい。

0050

スイッチ20をオフしてモータ10をモータ駆動装置102から遮断した場合は、実施例1と同様にしてモータ駆動装置102の故障の有無を判定することができる。一方、スイッチ20をオンしてモータ10をモータ駆動装置102に接続させた場合は、モータ10及びモータ駆動装置102の少なくともいずれか一方の故障の有無を判定することができる。ここで、最初にスイッチ20をオフして、モータ駆動装置102の故障の有無を判定し、モータ駆動装置102は正常であることが判明した場合は、その後にスイッチ20をオンして故障の有無を判定することにより、モータ10のみの故障の有無を判定することができる。

0051

以上のようにして、実施例2に係るモータ駆動装置によれば、スイッチ20をオン/オフさせながら故障の有無を判定することにより、モータ及びモータ駆動装置のどちらが故障しているかを判定することができる。

0052

1インバータ
2電流検出部
2a 第1電流検出部
2b 第2電流検出部
3電流制御部
4制御信号生成部
5ダイナミックブレーキ回路
6 記憶部
7故障判定部
10モータ
20 スイッチ

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