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技術 搬送装置、プログラム及び搬送装置の制御方法

出願人 セイコーエプソン株式会社
発明者 平山涼一別府航
出願日 2017年10月12日 (2年0ヶ月経過) 出願番号 2017-198253
公開日 2019年5月16日 (5ヶ月経過) 公開番号 2019-075600
状態 未査定
技術分野 FAXの走査装置 ファクシミリ一般
主要キーワード エラー角 本来動作 非接触センサー 突出度合い 接触式センサー カード型メモリー 各駆動ローラー 解析用画像
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年5月16日)のものです。
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図面 (19)

課題

原稿サイズに応じた適切な斜行エラー判定を行う搬送装置プログラム及び搬送装置の制御方法等の提供。

解決手段

搬送装置(例えば画像読取装置11)は、搬送経路32に沿って原稿Dを搬送する搬送機構31と、原稿Dの斜行エラーを判定する処理部60を含む。処理部60は、原稿サイズが閾値以上の場合は、原稿サイズが閾値よりも小さい場合に比べて、小さな傾き角度θで斜行エラーが発生したと判定する。

概要

背景

従来、搬送機構により原稿搬送経路に沿って搬送する搬送装置が知られている。搬送装置としては、搬送経路上に設けられたイメージセンサーを用いて原稿を読み取ることで、画像データを取得する画像読取装置(イメージスキャナー)が考えられる。また、搬送装置はファクシミリ装置印刷装置等であってもよい。

搬送装置では、原稿を給紙してから排紙するまで間に、原稿が搬送経路のどこかに引っかかると紙ジャム紙詰まり)が発生する。紙詰まりが発生する原因として、原稿の斜行スキュー)が考えられる。紙詰まりの検出手法としては、一定距離だけ原稿を進め、搬送経路内から紙が排紙されない場合に紙詰まりと判定する手法が考えられる。その場合、紙詰まりが検出された時には、既に原稿の破れしわが発生している蓋然性が高く、原稿の破損により再スキャンが不可能となる場合もある。

これに対して、特許文献1では、検出センサーでの原稿先端部の検出タイミングと、読取センサーでの原稿先端部の検出タイミングの時間差を用いることで、斜行の有無を判定する手法が開示されている。

概要

原稿サイズに応じた適切な斜行エラー判定を行う搬送装置、プログラム及び搬送装置の制御方法等の提供。 搬送装置(例えば画像読取装置11)は、搬送経路32に沿って原稿Dを搬送する搬送機構31と、原稿Dの斜行エラーを判定する処理部60を含む。処理部60は、原稿サイズが閾値以上の場合は、原稿サイズが閾値よりも小さい場合に比べて、小さな傾き角度θで斜行エラーが発生したと判定する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

搬送経路に沿って原稿を搬送する搬送機構と、前記原稿の斜行エラーを判定する処理部と、を含み、前記処理部は、前記原稿の原稿サイズが閾値以上の場合は、前記原稿サイズが前記閾値よりも小さい場合に比べて小さな傾き角度で、前記斜行エラーが発生したと判定することを特徴とする搬送装置

請求項2

請求項1において、前記搬送機構により搬送された前記原稿の前記傾き角度及び前記原稿サイズを検出するセンサーをさらに含むことを特徴とする搬送装置。

請求項3

請求項2において、前記センサーは、前記搬送経路上の読み取り領域において前記原稿の画像を読み取って、画像データを出力する画像センサーであり、前記処理部は、前記画像データのうち、先端側のオーバースキャン領域を含む判定対象領域のデータに基づいて、前記斜行エラーの判定を行うことを特徴とする搬送装置。

請求項4

請求項3において、前記処理部は、前記判定対象領域のデータに基づいて、前記原稿サイズ及び前記傾き角度を求め、前記原稿サイズに応じて設定される角度閾値と、前記傾き角度の比較処理により、前記斜行エラーを判定することを特徴とする搬送装置。

請求項5

請求項1において、前記処理部は、斜行が発生していない場合の前記原稿の先端の位置に対応する予想位置と、前記搬送機構により搬送された前記原稿の先端の実位置とを比較し、前記実位置が前記予想位置に対して、前記搬送経路の下流側に所定閾値以上ずれている場合に、前記斜行エラーが発生したと判定し、前記搬送経路の幅方向における第1の位置での前記所定閾値である第1の閾値は、前記搬送経路の幅方向において上記第1の位置よりも端部側の位置である第2の位置での前記所定閾値である第2の閾値に比べて、大きいことを特徴とする搬送装置。

請求項6

請求項5において、前記搬送経路上の読み取り領域において前記原稿の画像を読み取って、画像データを出力する画像センサーをさらに含み、前記処理部は、前記画像データに基づいて、前記原稿の先端の前記実位置を検出し、検出した前記実位置に基づいて前記斜行エラーの判定を行うことを特徴とする搬送装置。

請求項7

請求項5において、前記搬送経路上の読み取り領域において前記原稿の画像を読み取って、画像データを出力する画像センサーをさらに含み、前記処理部は、前記画像データの先端側のオーバースキャン領域のうちの斜行領域に、前記原稿が存在している場合に、前記斜行エラーが発生したと判定し、前記斜行領域は、前記第1の閾値及び前記第2の閾値に対応する領域であることを特徴とする搬送装置。

請求項8

請求項7において、前記斜行領域は、前記搬送経路の幅中心を対称軸とする線対称な領域であることを特徴とする搬送装置。

請求項9

請求項5乃至8のいずれかにおいて、前記第1の閾値は、第1の原稿が、第1の傾き角度だけ斜行した場合の、前記原稿の先端の位置に基づいて設定される閾値であり、前記第2の閾値は、前記原稿サイズが前記第1の原稿より大きい第2の原稿が、前記第1の傾き角度より小さい第2の傾き角度だけ斜行した場合の、前記原稿の先端の位置に基づいて設定される閾値であることを特徴とする搬送装置。

請求項10

請求項1乃至9のいずれかにおいて、前記処理部は、前記原稿の幅中心と、前記搬送経路の幅中心とを比較し、前記搬送経路の幅中心に対する前記原稿の幅中心のズレ量が大きい場合は、前記ズレ量が小さい場合に比べて、小さな前記傾き角度で前記斜行エラーが発生したと判定することを特徴とする搬送装置。

請求項11

搬送経路に沿って原稿を搬送する搬送機構の制御を行うステップと、前記原稿の原稿サイズが閾値以上の場合は、前記原稿サイズが前記閾値よりも小さい場合に比べて小さな傾き角度で、斜行エラーが発生したと判定するステップと、をコンピューターに実行させることを特徴とするプログラム

請求項12

搬送経路に沿って原稿を搬送する搬送機構の制御と、前記原稿の原稿サイズが閾値以上の場合は、前記原稿サイズが前記閾値よりも小さい場合に比べて小さな傾き角度で、斜行エラーが発生したと判定する処理と、を行うことを特徴とする搬送装置の制御方法

技術分野

0001

本発明は、搬送装置プログラム及び搬送装置の制御方法等に関する。

背景技術

0002

従来、搬送機構により原稿搬送経路に沿って搬送する搬送装置が知られている。搬送装置としては、搬送経路上に設けられたイメージセンサーを用いて原稿を読み取ることで、画像データを取得する画像読取装置(イメージスキャナー)が考えられる。また、搬送装置はファクシミリ装置印刷装置等であってもよい。

0003

搬送装置では、原稿を給紙してから排紙するまで間に、原稿が搬送経路のどこかに引っかかると紙ジャム紙詰まり)が発生する。紙詰まりが発生する原因として、原稿の斜行スキュー)が考えられる。紙詰まりの検出手法としては、一定距離だけ原稿を進め、搬送経路内から紙が排紙されない場合に紙詰まりと判定する手法が考えられる。その場合、紙詰まりが検出された時には、既に原稿の破れしわが発生している蓋然性が高く、原稿の破損により再スキャンが不可能となる場合もある。

0004

これに対して、特許文献1では、検出センサーでの原稿先端部の検出タイミングと、読取センサーでの原稿先端部の検出タイミングの時間差を用いることで、斜行の有無を判定する手法が開示されている。

先行技術

0005

特開2012−99947号公報

発明が解決しようとする課題

0006

特許文献1の手法では、原稿サイズの大小にかかわらず、時間差が基準値に一致するか否かで斜行を検出する。斜行が問題となるのは、給紙口エッジガイド等に原稿が干渉することで紙詰まりが発生し、原稿が破損するためである。そのため、原稿が斜行したとしても、給紙口等に干渉しないのであれば問題とならない場合も多い。即ち特許文献1では、原稿サイズが比較的小さい原稿を対象とした場合、停止する必要のない場面でも、搬送動作(画像読取操作)を停止してしまう可能性がある。

0007

本発明の幾つかの態様によれば、原稿サイズに応じた適切な斜行エラー判定を行う搬送装置、プログラム及び搬送装置の制御方法等を提供できる。

課題を解決するための手段

0008

本発明の一態様は、搬送経路に沿って原稿を搬送する搬送機構と、前記原稿の斜行エラーを判定する処理部と、を含み、前記処理部は、前記原稿の原稿サイズが閾値以上の場合は、前記原稿サイズが前記閾値よりも小さい場合に比べて小さな傾き角度で、前記斜行エラーが発生したと判定する搬送装置に関係する。

0009

本発明の一態様では、原稿のサイズに応じて、斜行エラーが発生したと判定する際の傾き角度が異なる。このようにすれば、原稿サイズに応じた斜行エラー判定が可能になるため、紙詰まりや原稿の破損等のおそれが少なく、搬送動作を停止する必要性が低い場面で、斜行エラーが発生したと誤判定して搬送動作を停止してしまうことを抑制できる。

0010

また本発明の一態様では、前記搬送機構により搬送された前記原稿の前記傾き角度及び前記原稿サイズを検出するセンサーをさらに含んでもよい。

0011

このようにすれば、原稿サイズと傾き角度を検出するセンサーを用いることで、原稿サイズに応じた斜行エラー判定を行うことが可能になる。

0012

また本発明の一態様では、前記センサーは、前記搬送経路上の読み取り領域において前記原稿の画像を読み取って、画像データを出力する画像センサーであり、前記処理部は、前記画像データのうち、先端側のオーバースキャン領域を含む判定対象領域のデータに基づいて、前記斜行エラーの判定を行ってもよい。

0013

このように、オーバースキャン領域を含む判定対象領域を用いることで、画像データに基づく斜行エラー判定を適切に行うことが可能になる。

0014

また本発明の一態様では、前記処理部は、前記判定対象領域のデータに基づいて、前記原稿サイズ及び前記傾き角度を求め、前記原稿サイズに応じて設定される角度閾値と、前記傾き角度の比較処理により、前記斜行エラーを判定してもよい。

0015

このようにすれば、画像データに基づいて、原稿サイズに応じた斜行エラー判定を適切に行うことが可能になる。

0016

また本発明の一態様では、前記処理部は、斜行が発生していない場合の前記原稿の先端の位置に対応する予想位置と、前記搬送機構により搬送された前記原稿の先端の実位置とを比較し、前記実位置が前記予想位置に対して、前記搬送経路の下流側に所定閾値以上ずれている場合に、前記斜行エラーが発生したと判定し、前記搬送経路の幅方向における第1の位置での前記所定閾値である第1の閾値は、前記搬送経路の幅方向において上記第1の位置よりも端部側の位置である第2の位置での前記所定閾値である第2の閾値に比べて、大きくてもよい。

0017

このように、予想位置に対する実位置のズレ量に基づいて、斜行エラー判定を行うことで、斜行エラー判定の処理負荷を軽減すること等が可能になる。また、搬送経路の幅方向での位置に応じて判定に用いる閾値を変更することで、原稿サイズに応じた斜行エラー判定を行うことが可能になる。

0018

また本発明の一態様では、前記搬送経路上の読み取り領域において前記原稿の画像を読み取って、画像データを出力する画像センサーをさらに含み、前記処理部は、前記画像データに基づいて、前記原稿の先端の前記実位置を検出し、検出した前記実位置に基づいて前記斜行エラーの判定を行ってもよい。

0019

このようにすれば、原稿先端の実位置の検出に、画像センサーを利用することが可能になる。

0020

また本発明の一態様では、前記搬送経路上の読み取り領域において前記原稿の画像を読み取って、画像データを出力する画像センサーをさらに含み、前記処理部は、前記画像データの先端側のオーバースキャン領域のうちの斜行領域に、前記原稿が存在している場合に、前記斜行エラーが発生したと判定し、前記斜行領域は、前記第1の閾値及び前記第2の閾値に対応する領域であってもよい。

0021

このようにすれば、斜行領域に原稿があるか否かというシンプル判定処理により、斜行エラーを判定することが可能になる。

0022

また本発明の一態様では、前記斜行領域は、前記搬送経路の幅中心を対称軸とする線対称な領域であってもよい。

0023

このようにすれば、適切な斜行領域を設定することが可能になる。

0024

また本発明の一態様では、前記第1の閾値は、前記原稿サイズが相対的に小さい第1の原稿が、第1の傾き角度だけ斜行した場合の、前記原稿の先端の位置に基づいて設定される閾値であり、前記第2の閾値は、前記原稿サイズが前記第1の原稿より大きい第2の原稿が、前記第1の傾き角度より小さい第2の傾き角度だけ斜行した場合の、前記原稿の先端の位置に基づいて設定される閾値であってもよい。

0025

このようにすれば、原稿サイズに応じた斜行エラー判定を行うための各閾値を、適切に設定することが可能になる。

0026

また本発明の一態様では、前記処理部は、前記原稿の幅中心と、前記搬送経路の幅中心とを比較し、前記搬送経路の幅中心に対する前記原稿の幅中心のズレ量が大きい場合は、前記ズレ量が小さい場合に比べて、小さな前記傾き角度で前記斜行エラーが発生したと判定してもよい。

0027

このように、原稿と搬送経路の幅中心の関係を考慮することで、より適切な条件を用いて斜行エラー判定を行うことが可能になる。

0028

また本発明の他の態様は、搬送経路に沿って原稿を搬送する搬送機構の制御と、前記原稿の原稿サイズが閾値以上の場合は、前記原稿サイズが前記閾値よりも小さい場合に比べて小さな傾き角度で、斜行エラーが発生したと判定する処理と、をコンピューターに実行させるプログラムに関係する。

0029

また本発明のさらに他の態様は、搬送経路に沿って原稿を搬送する搬送機構の制御と、前記原稿の原稿サイズが閾値以上の場合は、前記原稿サイズが前記閾値よりも小さい場合に比べて小さな傾き角度で、斜行エラーが発生したと判定する処理と、を行う搬送装置の制御方法に関係する。

図面の簡単な説明

0030

画像読取装置の斜視図。
画像読取装置の断面図。
画像読取装置の搬送面部を表す平面図。
画像読取装置とホスト装置の構成例。
相対的に大きい原稿が斜行した場合の搬送経路との関係を示す模式図。
相対的に小さい原稿が斜行した場合の搬送経路との関係を示す模式図。
斜行していない場合の画像データの例。
斜行している場合の画像データの例。
判定対象領域の説明図。
判定対象領域のデータに基づく演算処理を説明する図。
第1の実施形態の処理を説明するフローチャート
斜行領域の設定手法を説明する図。
斜行していない場合の原稿領域と斜行領域の関係例。
相対的に大きい原稿が斜行した場合の原稿領域と斜行領域の関係例。
相対的に小さい原稿が斜行した場合の原稿領域と斜行領域の関係例。
第2の実施形態の処理を説明するフローチャート。
原稿の幅中心と搬送経路の幅中心がずれた場合の、原稿と搬送経路の関係を示す模式図。
ステープル綴じされた原稿が斜行した場合の原稿領域と斜行領域の関係例。

実施例

0031

以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。

0032

1.システム構成
以下、搬送装置の例として、画像読取装置11について説明する。ただし、変形例として後述するように、本実施形態の手法は、画像読取装置11以外の搬送装置に拡張して考えることが可能である。

0033

図1は、本実施形態に係る画像読取装置11の斜視図である。図1に示すように、本実施形態の画像読取装置11は、側面視が略台形形状を有する装置本体12(以下、単に「本体12」という。)と、画像読取対象である原稿Dが載置(セット)される載置面13Aを有する原稿サポート13とを備える。原稿サポート13に載置された原稿Dは、本体12の上部に開口する給送口12Aへ1枚ずつ給送される。給送された原稿Dは、本体12内を所定の搬送経路32(図2参照)に沿って搬送され、その搬送途中の読取位置で画像が読み取られた後、本体12の前側下部に開口する排出口12Bから排出され、例えば排出トレイ18A(図2参照)に積載される。

0034

原稿サポート13の載置面13Aには、一対のエッジガイド17が設けられている。載置面13A上に積載された原稿Dは、一対のエッジガイド17に挟まれることで、原稿Dの中心が給送口12Aに対して幅方向Xのほぼ中央に位置するように位置決めされる。なお、幅方向Xが、画像読取装置11が原稿の画像を読み取るときの主走査方向、搬送方向Yが副走査方向となる。

0035

図1に示すように、本体12の前面部12Cには、表示部22、操作部20が設けられている。操作部20は、ユーザーからの入力操作受け付け操作インターフェースである。表示部22は、各種情報をユーザーに表示するディスプレイ等である。表示部22及び操作部20は、例えばタッチパネルにより一体的に構成される。また操作部20は、不図示のボタン等を含んでもよい。

0036

図2に示すように、画像読取装置11の本体12内には、画像読取処理(スキャン処理)を行う画像読取処理機構30が設けられている。画像読取処理機構30は、原稿Dを搬送する搬送機構31を備える。搬送機構31は、原稿サポート13に積載された複数枚の原稿Dを、1枚ずつ給送口12Aから板状の給送ガイド32Aに沿って本体12内へ案内しつつ給送し、給送した原稿Dを搬送経路32に沿って一定の搬送速度で搬送する。

0037

搬送機構31は、本体12内の搬送経路32の上流端位置に配置された一対の給送ローラー対33と、給送ローラー対33よりも搬送方向下流側に配置された一対の給送ローラー対34と、搬送方向Yに原稿Dの読取位置を挟んで上流側に配置された一対の搬送ローラー対35と、下流側に配置された一対の搬送ローラー対36とを備える。

0038

給送ローラー対33,34は、駆動ローラー33A,34Aと従動ローラー33B,34Bとにより構成される。また、搬送ローラー対35,36は、駆動ローラー35A,36Aと従動ローラー35B,36Bとにより構成される。各従動ローラー33B〜36Bは、それぞれが対をなす駆動ローラー33A〜36Aの回転により連れ回りする。複数のローラー対33〜36を構成する各駆動ローラー33A〜36Aは、それらの動力源である搬送モーター37(図4参照)の動力により回転駆動する。

0039

図2に示すように、本体12内に給送ローラー対33,34及び搬送ローラー対35,36により形成された搬送経路32の途中の読取位置には、搬送経路32を挟む両側に一対の読取部40が設けられている。一対の読取部40は、第1読取部40Aと第2読取部40Bとからなり、互いに対向しない程度に搬送方向Yに少しずれた位置に配置されている。一対の読取部40は、搬送中の原稿Dに光を照射可能な光源41と、主走査方向(幅方向X)に延びるイメージセンサー42とにより構成される。原稿Dの片面(表面)を読み取るモードのときは、第1読取部40Aが読取動作を行い、原稿Dの両面(表裏面)を読み取るモードのときは、第1読取部40Aと第2読取部40Bとが共に読取動作を行う。

0040

光源41は、例えばLEDや蛍光ランプなどにより構成される。イメージセンサー42は、光源41から射出された光が原稿D等で反射した反射光受光し、受光した光を電気信号に変換して受光量に応じた値の画素信号を出力する。イメージセンサー42は、例えばリニアイメージセンサーである。画像読取装置11は、カラースキャンモノクロスキャングレースケールスキャン)とが可能である。カラースキャン方式には、イメージセンサーがモノクロで、RGB各色の光源を時系列順番発光させてイメージセンサーからRGB各色の画素信号を順番に取得する方式と、イメージセンサーがカラーフィルターで覆われたRGB各色の光電変換素子を備え、白色光源を発光させて各光電変換素子からRGBの各画素信号を取得する方式とがある。カラースキャン方式はどちらの方式でもよい。なお、以下では、光源41とイメージセンサー42を、第1読取部40A側のものを指して、第1光源41A及び第1イメージセンサー42Aと記し、第2読取部40B側のものを指して、第2光源41B及び第2イメージセンサー42Bと記す場合がある。

0041

イメージセンサー42は、複数の光電変換素子を主走査方向Xに沿って一列に配置した、例えばコンタクト型イメージセンサーである。さらにイメージセンサー42は、具体的にはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサーである。

0042

さらに、イメージセンサー42と搬送経路32を挟んで対向する位置には、色基準板43が配置されている。色基準板43はシェーディング補正用白基準値を得るためのもので、白色を呈する白基準板又はグレー(灰色)を呈するグレー基準板が用いられる。グレー基準板は、色基準板43を原稿の背景(グレー背景)として読み取った読取データから、原稿と背景との色又は輝度値の違いを基に、原稿Dの位置及び領域を検出するために用いられる。

0043

次に図3を参照して、原稿Dの搬送経路32のうちの下側の面部を形成する搬送面部39について説明する。図3に示すように、本体部18の上面によって形成される搬送面部39は、本体部18の上面を覆う搬送板18Bと、その上面から突出すると共に搬送方向Yに沿って互いに平行に延びる複数本リブ18Cとを有する。搬送面部39における幅方向Xの略中央部には、搬送方向Yの上流側から順に、給送ローラー対33,34を構成する各駆動ローラー33A,34A、搬送ローラー対35,36を構成する各駆動ローラー35A,36Aが、それぞれ幅方向Xに少しの間隔を隔てて一対ずつ配置されている。

0044

給送ローラー対33を構成する一対の駆動ローラー33Aの間には、原稿センサー45が配置されている。原稿センサー45は、例えばレバー(接触子)を有する接触式センサーであり、レバーが押されることで、原稿サポート13にセットされた原稿Dの有無を検知する。

0045

また、搬送ローラー対35を構成する一対の駆動ローラー35Aの間には、原稿センサー48が配置されている。原稿センサー48は、例えばレバー(接触子)を有する接触式センサーである。原稿センサー48は、原稿Dの先端がレバーを押すことで非検知状態から検知状態切り換わり、その原稿Dの後端がレバーを通り過ぎてレバーが押されなくなると、検知状態から非検知状態に切り換わる。原稿センサー48の検知結果は、その搬送方向Y下流側に配置された読取部40(40A,40B)の読取動作の開始と終了のタイミングを決める制御に用いられる。なお、原稿センサー45及び原稿センサー48の少なくとも一方は、光学式センサー等の非接触センサーとしてもよい。

0046

次に図4を参照して、画像読取装置11の電気的構成について説明する。図4に示すように、コントローラー50は、処理部60と、記憶部61と、ホスト装置100から各種のデータや信号を入力する入力インターフェースからなる入力部62と、画像読取装置11が読み取った読取データをホスト装置100に出力する出力インターフェースからなる出力部63とを備える。処理部60は、主制御部70、搬送モーター37を制御する搬送制御部71、読取部40を制御する読取制御部73、及び読取データに各種の画像処理等を施す画像処理部74を備える。さらにコントローラー50は、イメージセンサー42A,42Bに対して画素信号の読み出し動作を含む各種の動作タイミングを規定するパルス信号を出力するタイミングジェネレーター64(以下「TG64」とも記す。)を備える。また、コントローラー50は、イメージセンサー42A,42Bから入力した画素信号をアナログデジタル変換(A/D変換)するアナログフロントエンド65(以下「AFE65」とも記す。)を備える。

0047

搬送制御部71は、主制御部70の指示に従って搬送モーター37を駆動し、複数のローラー対33〜36を回転させることで、原稿サポート13にセットされた読取対象を1枚ずつ本体12内へ給送する。更に搬送制御部71は、給送された搬送対象を搬送経路32に沿って読取条件に応じた一定の搬送速度で搬送させる。

0048

読取制御部73は、光源駆動部を介して光源41の発光を制御し、原稿Dの読取領域に光を照射する。この搬送中に、読取制御部73は、TG64を介して読取部40を制御し、原稿Dの画像を読み取らせる。読取部40が読み取ったアナログの画像信号は、AFE65でデジタル信号に変換され、画像処理部74に入力される。画像処理部74は、入力したデジタルの画像信号にシェーディング補正及びガンマ補正等の公知の補正処理を施して、原稿Dの画像データを生成する。

0049

処理部60が行う本実施形態の各処理(各機能)は、プロセッサーハードウェアを含むプロセッサー)により実現できる。例えば本実施形態の各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサーと、プログラム等の情報を記憶するメモリー記憶装置)により実現できる。ここでのプロセッサーは、例えば各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよいし、或いは各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサーはハードウェアを含み、そのハードウェアは、デジタル信号を処理する回路及びアナログ信号を処理する回路の少なくとも一方を含むことができる。例えば、プロセッサーは、回路基板実装された1又は複数の回路装置(例えばIC等)や、1又は複数の回路素子(例えば抵抗キャパシター等)で構成することができる。プロセッサーは、例えばCPUであってもよい。ただし、プロセッサーはCPUに限定されるものではなく、GPU(Graphics Processing Unit)、或いはDSP(Digital Signal Processor)等、各種のプロセッサーを用いることが可能である。またプロセッサーはASICによるハードウェア回路でもよい。またプロセッサーは、複数のCPUにより構成されていてもよいし、複数のASICによるハードウェア回路により構成されていてもよい。また、プロセッサーは、複数のCPUと、複数のASICによるハードウェア回路と、の組み合わせにより構成されていてもよい。

0050

記憶部61(記憶装置、メモリー)は、データやプログラムなどの各種の情報を記憶する。処理部60は例えば記憶部61をワーク領域として動作する。記憶部61は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの半導体メモリーであってもよいし、レジスターであってもよいし、ハードディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)などの磁気記憶装置であってもよいし、光学ディスク装置等の光学式記憶装置であってもよい。例えば、記憶部61はコンピューターにより読み取り可能な命令を格納しており、当該命令が処理部60(プロセッサー)により実行されることで、画像読取装置11の各部の機能が実現されることになる。ここでの命令は、プログラムを構成する命令セットの命令でもよいし、処理部60(プロセッサー)のハードウェア回路に対して動作を指示する命令であってもよい。

0051

画像読取装置11は、通信ケーブルを通じてホスト装置100と接続されている。ホスト装置100は、例えばパーソナルコンピューター(以下「PC」ともいう。)により構成され、入力部101と表示部102とを備える。なお、ホスト装置100は、PCに限らず、携帯情報端末(PDA(Personal Digital Assistants))、タブレットPC又はスマートフォン等のスマートデバイスなどでもよい。

0052

図4に示すように、ホスト装置100は処理部(プロセッサー)103と、記憶部(メモリー)104とを内蔵する。処理部103が行う本実施形態の各処理(各機能)は、プロセッサー(ハードウェアを含むプロセッサー)により実現できる。例えば本実施形態の各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサーと、プログラム等の情報を記憶する記憶装置(メモリー)により実現できる。

0053

ユーザーは入力部101を操作して、画像読取処理に関する設定条件タスク条件)を設定する。設定条件には、読取解像度、読取色、片面読取り両面読取り等を含む読取条件と、シェーディング補正やガンマ補正等を含む画像処理条件と、画像データの保存形式転送方法及び保存先を含む保存条件とが含まれる。

0054

本実施形態の画像読取装置11では、読取解像度には、例えば300dpi/600dpiがあり、読取色には、モノクロ(グレースケール)/カラーがある。保存形式には、PDF形式、JPEG形式GIF形式等がある。また、転送方法には、ホスト装置100への転送外部記憶装置への転送及びメール転送があり、保存先には、ホスト装置100内の記憶部104におけるフォルダーアドレス、外部記憶装置を指定するアドレス又はメール転送先のメールアドレスが指定される。なお、設定条件は、ユーザーが画像読取装置11の操作部20を操作することで設定できてもよい。

0055

2.第1の実施形態
図5はサイズが相対的に大きい原稿D1が斜行した場合の、搬送経路32と原稿D1の位置関係を説明する図であり、図6はサイズが相対的に小さい原稿D2が斜行した場合の、搬送経路32と原稿D2の位置関係を説明する図である。図5図6において、Wは搬送経路32の幅方向(X方向)でのサイズを表し、原稿DがWに示した範囲内にある場合、原稿Dはエッジガイド17等と干渉せずに搬送される。

0056

以下、原稿Dの幅方向の中心が搬送経路32の幅方向の中心に沿って搬送される場合を例にとって説明を行う。説明を簡略化するため、幅方向の中心を適宜、幅中心と表記する。なお、原稿Dの幅中心と搬送経路32の幅中心は略一致を含み、完全に一致するものには限定されない。また、原稿Dの幅中心と搬送経路32の幅中心にズレが生じる場合については、変形例として後述する。

0057

図5に示したように、斜行による干渉を抑制するためには、原稿D1に許容される傾き角度はθ1以下となる。ここでの傾き角度とは、斜行が発生していない状態(図5破線)を基準とした場合の、斜行した原稿の角度である。これに対して、図6に示したように、サイズが相対的に小さい原稿D2に許容される傾き角度はθ2となり、θ2>θ1である。

0058

特許文献1の手法では、原稿サイズの差を考慮していない。そのため、例えばサイズが相対的に小さい原稿D2についても、θ1に相当する傾き角度で斜行が発生したと判定してしまう。本実施形態で問題としているのは斜行による原稿の破損であり、原稿が破損しない程度であれば斜行自体は問題とならないことも多い。例えば画像読取装置11であれば、図7等で後述するように、本来の原稿サイズに比べて大きい領域を読み取って画像データを生成しており、当該画像データから実際に原稿の画像が存在する領域を切り出したり、傾きを補正したりする。画像読取装置11では、原稿が破損しない程度の斜行であれば、傾き補正処理等により所望の画像データを出力できる。

0059

つまり特許文献1の手法では、本来動作を停止する必要のない状況でも、動作を停止してしまうおそれがあった。図5図6の例であれば、原稿D2をスキャンしている場合、θ<θ2となる傾き角度θであれば、θ1よりも大きい傾き角度で斜行しても問題がないところ、特許文献1の手法では動作が停止されてしまうおそれがある。特に、カードのようにサイズが小さく、厚みのある原稿では、薄い原稿に比べて斜行が発生しやすい。特許文献1の手法をカードのような原稿に適用した場合、サイズが小さく斜行が問題にならない状況において、頻繁に動作が停止されてしまうおそれがあり、非効率的である。

0060

本実施形態に係る搬送装置は、搬送経路32に沿って原稿を搬送する搬送機構31と、原稿の斜行エラーを判定する処理部60を含む。処理部60は、原稿の原稿サイズが閾値以上の場合は、原稿サイズが上記閾値よりも小さい場合に比べて小さな傾き角度で、斜行エラーが発生したと判定する。ここでの斜行エラーとは、斜行により搬送装置の動作(狭義には搬送動作)を継続すべきでない状況となることを表し、狭義には紙詰まりが発生する可能性が高い状況であることを表す。

0061

このように、原稿サイズに応じて斜行エラーが発生したと判定される傾き角度を変更することで、停止する必要のない状況で搬送動作が停止してしまうことを抑制できる。

0062

なお、ここでの閾値は種々の設定が可能である。例えば、閾値が1種類であり、当該閾値により原稿サイズが2段階に区分けされてもよい。以下では、上記閾値はB5(182mm×257mm)以上の原稿とB5未満の原稿を識別可能な閾値であり、B5以上のサイズの原稿とB5未満のサイズの原稿とで斜行エラー判定に用いる角度閾値(傾き角度との比較に用いる情報)を切り替える例を説明する。広く用いられているA4スキャナーであれば、B5以上のサイズの原稿として想定するのは、A4及びB5の原稿であり、B5未満のサイズの原稿として想定するは、A5、ハガキ、カード等の原稿である。

0063

ただし、上記閾値として2種類以上の値を設定することで、原稿サイズを3段階以上に区分し、3つ以上の角度閾値を切り替えてもよい。或いは、角度閾値と原稿サイズを関連付ける関数fを設定してもよい。角度閾値をθThとし、原稿サイズをsとした場合に、θTh=f(s)により表される。ここでのfは、sの値が大きくなるほどθThの値が単調に減少する関数である。

0064

本実施形態の搬送装置は、搬送機構31により搬送された原稿の傾き角度及び原稿サイズを検出するセンサーをさらに含む。即ち、以下で説明する第1の実施形態では、センサーでの検出結果に基づいて原稿サイズと傾き角度を求めることで、原稿サイズが閾値よりも大きい場合は、原稿サイズが上記閾値よりも小さい場合に比べて、小さな傾き角度で斜行エラーが発生したと判定する処理を実現する。

0065

ここでのセンサーは、例えば搬送経路上の読み取り領域において原稿の画像を読み取って、画像データを出力する画像センサー(読取部40、狭義にはイメージセンサー42)である。読み取り領域とは、具体的には画像センサーが設けられる領域であり、図3の例であれば40に示した帯状(X方向が長辺となる長方形状)の領域である。

0066

本実施形態の画像センサーは、スキャン時に、想定している原稿より大きな領域を読んでいる。この部分を、以下ではオーバースキャン領域と呼ぶ。オーバースキャン領域とは、斜行非発生である理想的な搬送状態であるときに、原稿のデータが存在しない領域と考えてもよい。

0067

図7は、斜行の非発生時に画像センサーから出力される画像データの例である。なお、図7では、図面の下側が画像センサーによって先に読み取られる領域、即ち搬送経路32において下流側に対応する領域としており、この点は後述する図8等でも同様である。また、斜行エラー判定に用いる画像データは、スキャン結果として外部装置(ホスト装置100等)に出力される画像データと同一であってもよいがこれには限定されない。例えば、ホスト装置100に出力される画像データの解像度が300dpiや600dpiである場合に、斜行エラー判定用の画像データはそれよりも低い解像度(例えば75dpi)の画像である。

0068

図7のうち、RDに示した領域が原稿が読み取られた領域(以下、原稿領域)である。画像データからの原稿領域RDの検出は、従来の切り出し処理傾き補正と同様の構成により実現可能である。図2に示したように、光源41の照射方向側には色基準板43が設けられており、色基準板43は、原稿の下地の色(例えば白色)とは異なる色(例えばグレー)となっている。よって処理部60は、画像データの各画素に対して、色基準板43と同じ色であるか否かを判定することで、画像データから原稿領域RDを検出することが可能である。

0069

図3に示した構成であれば、処理部60は、例えば原稿センサー48により原稿が検出されたタイミングで、読取部40による読み取りを開始する。このようにすれば、原稿の先端部が読取部40に到達する前に読み取りを開始することが期待されるため、原稿よりも下流側(先端側、Y方向側)にオーバースキャン領域を設定できる。また、処理部60は、原稿センサー48により原稿が非検出になった後も、原稿を所定量搬送するまで読取部40による読み取りを継続する。このようにすれば、原稿よりも上流側にオーバースキャン領域を設定できる。また、搬送経路32の幅方向(搬送方向に交差する方向、X方向)に、想定される原稿のサイズ(例えば画像読取装置11が対応している最大の原稿サイズ)よりも大きいイメージセンサーを設けておく。このようにすれば、原稿の左右(幅方向、X方向)側にオーバースキャン領域を設定できる。

0070

図7に示したように、斜行が発生せずに正常に給紙が行われた場合、上下左右に均等に色基準板43の読み取りが行われ、オーバースキャン領域ROには原稿に対応するデータが存在しない。なお、図7に示したように、以下ではオーバースキャン領域ROのうち、先端側の領域をRO1と表記する。

0071

図8は、斜行発生時に画像センサーから出力される画像データの例である。斜行が発生している場合、原稿先端部(原稿Dの辺のうち、搬送経路32の下流側になる辺)は、搬送方向(Y方向)に対して直角にならない。よって原稿先端部の左右一方側(図8の例では左側)は、斜行非発生時に比べて早く読取部40に到達し、先端部の左右他方側(図8の例では右側)は、斜行非発生時に比べて遅く読取部40に到達する。そのため、斜行が発生した場合には、図8のように傾いた読み取りが行われ、オーバースキャン領域RO(特に先端側、下流側の領域であるRO1)に原稿データが存在する。

0072

よって処理部60は、画像データのうち、先端側のオーバースキャン領域RO1を含む判定対象領域RAのデータに基づいて、斜行エラーの判定を行う。図7図8に示したように、斜行の発生有無に応じてオーバースキャン領域ROに原稿領域RDが存在するか否かが異なる。よって斜行エラーの判定にはオーバースキャン領域ROを用いることが有効である。さらに、原稿よりも先端側(搬送経路32の下流側に対応)のオーバースキャン領域RO1を含む判定対象領域RAを斜行エラー判定に用いることで、逆側(上流側)のオーバースキャン領域を用いる場合等に比べて、早いタイミングで斜行エラーを判定できる。原稿の搬送量が小さい段階で判定が可能であるため、紙詰まりが発生する前(原稿が損傷する前)に、搬送動作を停止できる蓋然性を高めることが可能になる。

0073

具体的には処理部60は、判定対象領域RAのデータに基づいて、原稿サイズ及び傾き角度を求め、原稿サイズに応じて設定される角度閾値と、傾き角度の比較処理により、斜行エラーを判定する。以下、画像データ(判定対象領域RAのデータ)に基づいて、原稿サイズ及び傾き角度を演算する手法を説明する。

0074

図9は、オーバースキャン領域RO1を含む判定対象領域RAの具体例である。判定対象領域RAは、先端側に設定されるオーバースキャン領域RO1と、当該オーバースキャン領域RO1に隣り合い、オーバースキャン領域RO1よりも上流側の画像データの一部の領域であるRBと、を含む領域である。例えば、左右のオーバースキャン領域を含む画像データの幅を640画素とした場合、先端側のオーバースキャン領域RO1の搬送方向での画素数は30画素である。そして判定対象領域RAは、オーバースキャン領域RO1と、25画素分の領域(RB)を合わせた640画素×55画素の領域である。ただし、具体的な画素数は解像度の設定に応じて異なるため、判定対象領域RAとして640画素×55画素とは異なるサイズの領域を設定してもよい。25画素分の領域を付加しているのは、原稿サイズを演算する際の特徴点(後述するP1,P2)を確実に検出するためである。詳細を以下に説明する。以下では、画像データ(判定対象領域)の右方向をx軸正方向、上方向をy軸正方向とする。y軸方向(具体的にはy軸負方向)が搬送方向Yに対応し、x軸方向が主走査方向(幅方向)Xに対応する。また、判定対象領域RAの左下を原点(x,y)=(0,0)とし、右上の点の座標を(x,y)=(639,54)として説明する。以下、説明を簡略化するために、(x,y)=(a,b)を単に(a,b)と表記する。

0075

図10は、図9の判定対象領域RAの拡大図である。処理部60は、原点から1ラインずつ、原稿のデータがあるかを判定する。例えば、最初の1ラインの判定では、(0,0)〜(639,0)の640画素を対象として、原稿のデータがあるか否か(原稿領域RDであるか否か)の判定を行う。以下、最初に原稿のデータが検出されるまで、2ライン目(0,1)〜(640,1)以降についても同様の処理を行う。

0076

原稿のデータが検出された場合、当該ラインが基準のラインとなる。以下、基準ラインのy座標値をy1とする。処理部60は、基準ライン(0,y1)〜(640,y1)を確認し、x軸方向で最初にデータがあった座標(x1,y1)を第1基準点P1とする。図10からわかるように、第1基準点P1は、原稿先端部のうちの左右いずれか側の端点である。

0077

第1基準点P1が発見されたら、原稿のデータはy1より上(y軸正方向側)に存在すると考えられる。よって処理部60は、1ラインの原稿のデータが最大になる最初のラインを検出し、そのラインをy2とする。1ラインの原稿のデータとは、当該ラインでの原稿のデータのx軸方向での幅であり、当該ラインで原稿のデータが存在するx座標値の最小値最大値差分値に相当する。図10からわかるように、1ラインずつ走査していった場合に、最初に1ラインの原稿のデータが最大になるラインは、第2基準点P2(x2,y2)を含むラインである。第2基準点P2は、原稿先端部のうちの第1基準点P1とは異なる側の端点である。なお、y2のライン上では、原稿Dと背景板(色基準板43)の境目の座標が2つ存在する。処理部60は、2つの境界点のうち、第1基準点P1から離れている座標を(x2,y2)とする。

0078

以上の処理により、2つの基準点が検出できるため、処理部60は原稿サイズと傾き角度を演算する。ここでの原稿サイズとは、具体的には紙幅Lである。通常用いられる用紙は、長さと幅の比(縦横比)が決まっており、例えば√2:1である。つまり、長さと幅のいずれか一方のみを斜行エラー判定における原稿サイズとしても問題が生じにくく、ここでは紙幅Lを演算する。

0079

処理部60は、紙幅Lを下式(1)により演算する。図10から明らかなように、原稿Dが斜行しているため、Lは正確な幅ではない。しかし本実施形態では、図11のフローチャートに示すように、B5以上とB5未満のサイズを識別できればよい。B5サイズの原稿が20度傾いた時の紙幅(図10のLに相当)は171mmであり、A5サイズの原稿の幅(斜行していない状態での紙幅Lに相当)は148mmである。つまり斜行による誤差を考慮したとしても、下式(1)のLによりB5以上とB5未満を確実に識別できる。ただし、正確な原稿幅図10のL’)を算出する変形実施も可能である。
L=|x2−x1| …(1)

0080

また処理部60は、傾き角度(斜行角度スキュー角度)θを下式(2)により算出する。
θ=atan((y2−y1)/(x2−x1)) …(2)

0081

処理部60は、上式(1)により算出した紙幅Lに応じて角度閾値(エラー角度)を設定し、当該角度閾値と上式(2)により算出した傾き角度θを比較する。そして、傾き角度θが角度閾値より大きい場合は、紙詰まりが発生する可能性があると判断しスキャン(画像読取動作、狭義には搬送動作)を停止する。

0082

図11は、本実施形態の処理を説明するフローチャートである。ユーザーが原稿をセットしたうえで、ユーザーがスキャンの開始を指示したことを受けて(S101)、この処理が開始される。まず初期処理を行う(S102)。この初期処理には、色基準版43を用いてシェーディング補正用の白基準値を得る処理が含まれる。次いで原稿から1枚目を分離して、1枚目の原稿の搬送を開始する。1枚目の原稿の先端が原稿センサー48の位置に到達し、レバーを押すことで(S103でYes)、スキャンを開始する。そして1枚目の原稿の搬送とスキャンとに並行して、読み取った画像から解像度を低下させて解析用画像を生成し、解析用画像に対して画像解析処理が実行される(S104)。具体的には上述したとおりであり、判定対象領域RAのデータを1ラインずつ解析し、第1基準点P1の検出、第2基準点P2の検出、紙幅Lの演算、傾き角度θの演算を行う。なお、S104の画像解析処理は、判定対象領域RAの画像データ(55ライン分のデータ)が全て取得されてから実行されてもよいし、判定対象領域RAの一部のデータ(例えば1ライン分のデータ)が取得されたタイミングで逐次実行されてもよい。

0083

次に処理部60は、算出した紙幅Lに基づいて、原稿サイズがB5以上であるか否かを判定する(S105)。上記例であれば、171mmと148mmの間に閾値を設定しておき、算出した紙幅Lが当該閾値以上か否かを判定すればよい。ただし、Lは実際の長さではなく画素数であるため、Lを長さに変換する処理を行う、或いは、閾値を長さではなく画素数で設定しておくことが望ましい。

0084

原稿サイズがB5以上である場合(S105でYes)、相対的に小さい傾き角度でも斜行エラーと判定できるように、相対的に小さい角度閾値を設定する。ここでは角度閾値=4度とする(S106)。原稿サイズがB5未満である場合(S105でNo)、相対的に大きい傾き角度でなければ斜行エラーと判定されないように、相対的に大きい角度閾値を設定する。ここでは角度閾値=20度とする(S107)。

0085

処理部60は、S106又はS107で設定した角度閾値と、S104で算出した傾き角度θを比較する(S108)。傾き角度<角度閾値である場合(S108でYes)、傾き角度は紙詰まりが発生するほど大きくないと判定できるため、スキャンを継続する(S109)。1枚目の原稿の後端が原稿センサー48の位置を通過し、レバーが戻った後所定の距離だけ原稿を搬送したことを受けて1枚目の原稿のスキャンを終了し(S110でYes)、原稿センサー45に基づいて次の原稿があるか否かを判定する(S111)。次の原稿がある場合(S111でYes)、S103に戻り次の原稿の到達検出、及び斜行エラー判定を開始する。次の原稿がない場合(S111でNo)、スキャンによって読み取られシェーディング補正や原稿画像の切り出しや回転等の画像処理を行ってPDF等の指定された形式で画像データを出力して終了する。

0086

また、傾き角度≧角度閾値である場合(S108でNo)、傾き角度は紙詰まりが発生する可能性がある程度に大きいと判定できるため、即座にスキャンを停止し(S112)、スキューをしている旨をユーザーに通知して処理を終了する。なお、ユーザーがスキューを修正することで、処理を再開できるようにしても構わない。

0087

3.第2の実施形態
図5及び図6に示したように、斜行が発生していない場合の原稿位置(破線)と、斜行が発生した場合の原稿位置(実線)は異なる。例えば、図5及び図6のように原稿の中心(重心)を一致させた場合、斜行発生時には、原稿先端の一部が、斜行の非発生時に比べて搬送経路32の下流側(Y方向側)に突出する。下流側へ最も突出するのは、原稿の頂点(原稿先端のうちの左右いずれかの端点)である。そして原稿サイズが一定であれば、頂点の下流側への突出度合い(Y方向への突出量)は、斜行による傾き角度θが大きいほど大きくなる。

0088

よって本実施形態では、処理部60は、斜行が発生していない場合の原稿Dの先端の位置に対応する予想位置と、搬送機構31により搬送された原稿Dの先端の実位置とを比較し、実位置が予想位置に対して、搬送経路32の下流側に所定閾値以上ずれている場合に、斜行エラーが発生したと判定する。

0089

斜行が発生していない場合の原稿の位置は、搬送装置の設計上、既知である。例えば、図3の画像読取装置11において、原稿センサー48により原稿が検出されたタイミングでの位置を予想位置とする例であれば、当該予想位置は、幅方向(X方向)での位置によらず、原稿センサー48の位置となる。

0090

本実施形態の手法によれば、何らかのセンサーにより原稿Dの先端の実位置を検出し、予想位置との比較をすることで、斜行エラーを判定できる。本実施形態では、第1の実施形態のように傾き角度θ等の演算が不要であるため、処理負荷の軽減が可能である。

0091

ただし、必要性が低い状況で搬送動作が停止しないようにするためには、本実施形態でも原稿サイズに応じて傾き角度の許容値(角度閾値、エラー角度)を変化させる必要がある。図5図6の例であれば、相対的にサイズの大きい原稿D1では、予想位置に対する頂点のズレ量はδ1未満にする必要があり、相対的にサイズの小さい原稿D2では、予想位置に対する頂点のズレ量はδ2未満にする必要がある。

0092

ここで、図5及び図6の比較からわかるように、原稿の幅中心が搬送経路32の幅中心に沿うように搬送される場合において、Y方向に突出している頂点の幅方向での位置(x座標)は、原稿サイズが大きければ相対的に搬送経路32の端部に近く、原稿サイズが小さければ相対的に搬送経路32の中央部に近い。

0093

そこで本実施形態では、斜行エラーの判定において、予想位置に対する実位置のズレ量との比較に用いる上記所定閾値の値を、搬送経路32の幅方向での位置に応じて変化させる。具体的には、搬送経路32の幅方向における第1の位置での所定閾値である第1の閾値は、搬送経路32の幅方向において上記第1の位置よりも端部側の位置である第2の位置での所定閾値である第2の閾値に比べて小さい。このようにすれば、原稿サイズに応じて、許容されるズレ量(下流側への突出量)が変化する。結果として、原稿サイズが閾値以上の場合は、原稿サイズが閾値よりも小さい場合に比べて、小さな傾き角度で斜行エラーが発生したと判定する処理を実現できる。

0094

以上のように、本実施形態では幅方向(X方向)での位置と、搬送方向(Y方向)での位置の両方を考慮する必要があるため、2次元的に(XY平面上で)処理を行う。具体的には、XY平面において、傾き角度θが角度閾値未満(斜行エラー非発生)の場合に、原稿Dの頂点が存在する領域と、傾き角度θが角度閾値以上(斜行エラー発生)の場合に、原稿Dの頂点が存在する領域と、を区分する。より広義には、XY平面において、斜行エラーが発生していない場合に原稿Dが存在しうる領域と、斜行エラーが発生しなければ原稿Dが存在することがない領域と、を区分する。そして斜行エラーが発生しなければ原稿Dが存在することがない領域に原稿Dが存在するか否かに応じて、斜行エラーの判定を行う。

0095

搬送装置が画像読取装置11である場合、実空間での原稿位置は、画像センサーが出力する画像データ上の原稿データの位置と対応付けることが可能である。即ち、本実施形態の手法は、実空間での原稿の存在する位置(領域)を直接的に判定するものには限定されず、画像データでの原稿データの位置(原稿領域RD)を判定するものであってもよい。即ち、搬送装置(画像読取装置11)は、搬送経路32上の読み取り領域において原稿の画像を読み取って、画像データを出力する画像センサー(読取部40,イメージセンサー42)をさらに含む。そして処理部60は、画像データに基づいて、原稿Dの先端の実位置を検出し、検出した実位置に基づいて斜行エラーの判定を行う。

0096

原稿Dが何らかの要因で斜行した場合、普段原稿Dがこないはずの部分で原稿Dの読取が行われる。即ち、斜行が発生した場合、第1の実施形態でも説明したオーバースキャン領域RO(特に先端側のRO1)に原稿データが存在することになる。処理部60は、画像データの先端側のオーバースキャン領域RO1のうちの斜行領域RSに、原稿D(原稿領域RD)が存在している場合に、斜行エラーが発生したと判定する。ここでの斜行領域RSとは、オーバースキャン領域RO1のうち、斜行エラーが発生しなければ原稿Dが存在することがない領域に対応する。斜行領域RSは、第1の閾値及び第2の閾値に対応する領域であり、例えば第1の閾値及び第2の閾値に基づいて、あらかじめ設定されている領域である。以下、斜行領域RSの設定手法の例について説明する。

0097

図12は、斜行領域RSの説明図である。A4サイズの原稿、及びB5サイズの原稿が斜行した場合に、原稿Dの頂点が通過するエリア図12に示す。なお、図12では回転中心が原稿Dの先端部、且つ幅方向の中心である例を示しているが、図5等のように、原稿全体の中心を回転中心と考えてもよい。また、図12では斜行領域RSの設定をわかりやすくするため、角度や縮尺極端表現している。

0098

A4サイズの原稿Dに許容される傾き角度θの最大値(角度閾値)は例えば4度であり、B5サイズの原稿Dに許容される傾き角度θの最大値(角度閾値)は例えば7度である。図12において、A4サイズの原稿Dが4度斜行したときの頂点がP3=(x3,y3)であり、B5サイズの原稿Dが7度斜行したときの頂点がP4=(x4,y4)である。幅方向におけるP3の位置(x3)が第2の位置に対応し、P4の位置(x4)が第1の位置に対応する。またオーバースキャン領域RO1の上端(y=29)からy3までの距離(δ3)は第2の閾値に対応し、y4までの距離(δ4)は第1の閾値に対応する。ここでは、P3及びP4より外側(先端側、下流側)を斜行領域RSに設定し、当該斜行領域RSに原稿Dが来た場合は、原稿Dにダメージがあると判断して搬送動作を停止する。

0099

また、A4とB5の間のサイズの原稿Dについては、許容される傾き角度θの最大値は4度〜7度の間の角度となると考えられる。よってここでは、P3とP4を結び、その外側を斜行領域RSに設定する。

0100

また、以上ではオーバースキャン領域RO1のうちの左側の斜行領域RSについて説明したが、右側の斜行領域RSについても同様に考えることが可能である。具体的には、原稿Dの先端右側の頂点について、A4サイズの原稿Dが4度斜行したときの頂点(P3’)、B5サイズの原稿Dが7度斜行したときの頂点(P4’)に基づいて、斜行領域RSを設定すればよい。このように、斜行領域RSは、搬送経路32の幅中心を対称軸とする線対称な領域である。このようにすれば、原稿Dが斜行する際の回転方向によらず、適切に斜行エラー判定を行うことが可能になる。

0101

また、オーバースキャン領域RO1の左右端と下端所定画素に原稿Dを検出した場合は、傾き角度θが非常に大きい場合と判断される。ここでの所定画素は例えば1画素である。よってx=0の縦の1ライン、x=639の縦の1ライン、及びy=0の横の1ラインについても斜行領域RSに設定する。

0102

以上の説明からわかるように、上述した第1の閾値(δ4に対応)は、原稿サイズが相対的に小さい第1の原稿が、第1の傾き角度だけ斜行した場合の原稿の先端の位置に基づいて設定される閾値であり、第2の閾値(δ3に対応)は、原稿サイズが第1の原稿より大きい第2の原稿が、第1の傾き角度より小さい第2の傾き角度だけ斜行した場合の原稿の先端の位置に基づいて設定される閾値である。上記例では、第1の原稿がB5サイズ、第2の原稿がA4サイズであり、第1の傾き角度が7度、第2の傾き角度が4度である。ただし、各閾値と原稿サイズ、傾き角度θの具体例は種々の変形実施が可能である。また、以上では2つの閾値に基づいて斜行領域RSを設定する例を示したが、斜行領域RSは3つ以上の閾値を用いて設定されてもよい。

0103

図13図15は、原稿領域RDと斜行領域RSの関係例である。図13は、原稿Dが斜行していない場合の例である。斜行していなければ、図13に示したように、オーバースキャン領域RO1に原稿領域RDが存在せず、斜行エラーも非発生と判定される。

0104

図14は、サイズが相対的に大きい原稿D(例えばA4サイズ)が斜行した場合の例であり、斜行領域RSと原稿領域RDが一部重複する。よってこの場合、斜行領域RSに原稿が存在しているため、斜行エラーが発生したと判定される。図15は、サイズが相対的に小さい原稿(例えばハガキサイズ)が斜行した場合の例である。図15の例では、傾き角度θ自体は図14と同程度に大きいが、原稿サイズが小さいため、エッジガイド17等との干渉は発生しない。図15の場合、オーバースキャン領域RO1に原稿領域RDが存在するが、斜行領域RSには原稿領域RDが存在しない。よって斜行エラーは発生していないと判定できる。

0105

図13図15に示したように、図12の斜行領域RSを用いることで、原稿サイズに応じた適切な斜行エラー判定を実現できる。

0106

図16は、本実施形態の処理を説明するフローチャートである。ユーザーが原稿をセットしたうえで、ユーザーがスキャンの開始を指示したことを受けて(S201)、この処理が開始され、まず初期処理が行われる(S202)。初期処理は、図11の例と同様に、シェーディング補正用の白基準値の取得処理等である。1枚目の原稿の先端が原稿センサー48の位置に到達し、レバーを押すことで(S203でYes)、スキャンを開始する。スキャンを開始すると、処理部60はオーバースキャン領域RO1の画像データを取得し(S204)、斜行領域RSに原稿のデータが存在するか否かを判定する(S205)。S204及びS205の処理は、オーバースキャン領域RO1全体のデータを取得した後に、オーバースキャン領域RO1全体を対象として実行する処理であってもよい。或いはS204及びS205の処理は、オーバースキャン領域RO1の1ライン分の画像データが取得されるごとに、当該ラインのうち、斜行領域RAに含まれる画素に原稿データが存在するか否かを逐次判定する処理であってもよい。

0107

斜行領域RSに原稿データが存在しない場合(S205でNo)、スキャンを継続する(S206)。1枚目の原稿の後端が原稿センサー48の位置を通過し、レバーが戻った後所定の距離だけ原稿を搬送したことを受けて1枚目の原稿のスキャンを終了し(S207でYes)、原稿センサー45に基づいて次の原稿があるか否かを判定する(S208)。次の原稿がある場合(S208でYes)、S203に戻り次の原稿の到達検出、及び斜行エラー判定を開始する。次の原稿がない場合(S208でNo)、処理を終了する。また、斜行領域RSに原稿データが存在する場合(S205でYes)、即座にスキャンを停止し(S209)、スキューをしている旨をユーザーに通知して処理を終了する。

0108

4.変形例
以下、いくつかの変形例について説明する。

0109

4.1搬送装置の他の例
以上では搬送装置として画像読取装置11を例示したが、搬送装置は他の装置(電子機器)に拡張可能である。例えば、搬送装置は、搬送経路32上に設けられたイメージセンサーを用いて原稿を読み取ることで、画像データを取得し、当該画像データを通信回線を用いて伝送するファクシミリ装置であってもよい。ファクシミリ装置についても、画像データを取得する点は画像読取装置11と同様である。つまり、斜行による紙詰まりで原稿が破損すること抑止しつつ、紙詰まりが生じない程度の斜行については動作を継続することが望ましく、本実施形態の手法を適用する意義が大きい。

0110

また搬送装置は、原稿(印刷媒体)を搬送しながら、当該原稿に対してインク吐出することで印刷を行う印刷装置であってもよい。なお、印刷装置はインクジェットプリンターに限定されず、トナーにより印刷を行うレーザープリンターであってもよい。印刷装置においても、斜行による紙詰まりで原稿が破損すること抑止する必要がある。また、印刷装置では、印刷媒体に対して同じ画像(パターン)を複数印刷し、印刷結果である原稿を細かくカットすることで、1枚の媒体から複数の商品を作成するような利用形態が考えられる。この場合、印刷途中で斜行が発生したとしても、カットの段階で切り出し位置を調整すれば、適正な商品を作成可能である。つまり印刷装置においても、紙詰まりが生じない程度の斜行については動作を継続できる場面があり、本実施形態の手法を適用する意義がある。その他、本実施形態の手法は、搬送機構31により原稿を搬送する種々の搬送装置に拡張可能である。

0111

なお、第1の実施形態では、搬送装置は、搬送機構31により搬送された原稿Dの傾き角度θ、及び原稿サイズを検出するセンサーを含む必要がある。ここでのセンサーは、画像読取装置11と同様の画像センサー(読取部40、イメージセンサー42)であってもよいがこれには限定されない。例えば、光や超音波の照射により、原稿の有無を判定する非接触センサーを用いてもよいし、機械的な構造(例えば図3の原稿センサー48と同様の構造)により、原稿の有無を判定する接触センサーを用いてもよい。また第2の実施形態では、搬送機構31により搬送された原稿の先端の実位置を検出し、予想位置と比較する必要がある。ここで実位置の検出に用いるセンサーも、画像センサーに限定されず、種々のセンサーにより実現可能である。

0112

4.2原稿の幅方向での中心位置
また以上の説明では、図5図6に示したように、原稿Dの幅中心(CA)が、搬送経路32の幅中心(CB)に沿うように、搬送機構31による搬送が行われることを想定していた。ただし、原稿Dの幅中心と、搬送経路32の幅方向での中心にズレが生じる場合がある。これは、そもそも給紙トレイに原稿Dをセットした段階で、原稿Dの幅中心と搬送経路32の幅方向での中心が一致していない場合もある。或いはセット段階では中心が一致していたが、斜行したことで中心にズレが生じる場合もある。

0113

図17は、原稿Dの幅中心(CA)と搬送経路32の幅中心(CB)がズレており、且つ、図5と同じサイズの原稿D1が斜行した場合の、搬送経路32と原稿D1の位置関係を説明する図である。図5図17の比較からわかるように、幅中心にズレがある場合、許容される傾き角度θの上限値(角度閾値)θ1’は、ズレが無い場合の角度閾値θ1に比べて小さくなる。よって、幅中心にズレがある場合に、角度閾値としてθ1を用いて判定を行ってしまうと、紙詰まりが発生するおそれがあるにもかかわらず、搬送動作を停止できない場合がある。

0114

よって本変形例の処理部60は、原稿の幅中心と、搬送経路32の幅中心とを比較し、搬送経路32の幅中心に対する原稿の幅中心のズレ量が大きい場合は、ズレ量が小さい場合に比べて、小さな傾き角度で斜行エラーが発生したと判定する。例えばA4サイズの原稿であれば、幅中心が一致(略一致を含む)する場合は角度閾値を4度とし、幅中心のズレ量が所定ズレ閾値以上の場合は、角度閾値を1度にする。また、異なるサイズの原稿についても、幅中心のズレ量に応じて異なる角度閾値が設定される。或いは、角度閾値と、原稿サイズ及び幅中心のズレ量を関連付ける関数f2を設定してもよい。角度閾値をθThとし、原稿サイズをsとし、幅中心のズレ量をdとした場合に、θTh=f2(s,d)により表される。ここでのf2は、sの値が大きくなるほど、或いはdの値が大きくなるほど、θThの値が単調に減少する関数である。

0115

第1の実施形態であれば、第1基準点P1(x1,y1)及び第2基準点P2(x2,y2)が検出されている。よって、原稿Dの幅中心を(x1+x2)/2により求めることができる。搬送経路32の幅中心は設計により既知(例えばx=320)であるため、第1の実施形態では、幅中心のズレ量dを演算可能である。

0116

第2の実施形態では、そもそも斜行領域RSの設定において、幅方向の端部に行くほど所定閾値が小さくなる、換言すれば、幅方向の端部に行くほど判定条件が厳しく(斜行エラーと判定されやすく)なる。図5図17の比較からわかるように、幅中心にズレが生じれば、原稿先端部の一端は幅方向の端部側に移動する。つまり、第2の実施形態で設定した斜行領域RSを用いることで、幅中心のズレ量が大きいほど、判定条件を厳しくし、斜行エラーと判定されやすくする処理を実現できる。即ち、第2の実施形態で設定した斜行領域RSを用いることで、幅中心のズレ量が大きい場合は、ズレ量が小さい場合に比べて、小さな傾き角度で斜行エラーが発生したと判定する処理を実現できる。

0117

特に、図12に示した例では、オーバースキャン領域RO1の左右の1画素(x=0の縦の1ライン、x=639の縦の1ライン)を斜行領域RSに設定しているため、幅中心のズレ量が大きいほど斜行領域RSに原稿のデータが存在する蓋然性が高くなる。この点から考えても、斜行領域RSを用いることで、幅中心のズレ量が大きい場合は、ズレ量が小さい場合に比べて、小さな傾き角度で斜行エラーが発生したと判定する処理を実現できる。

0118

4.3ステープル綴じされた原稿
また、原稿Dには複数枚の原稿がステープルにより綴じられたものがある。搬送機構31には、原稿Dを1枚1枚分離して搬送する分離機構が設けられている。例えば、図2に示した例であれば、給送ローラー対34を構成する従動ローラー34Bはリタードローラーとなっており、その外周面の原稿Dに対する摩擦係数が、駆動ローラー34Aの外周面の原稿Dに対する摩擦係数よりも大きくなっている。このため、給送ローラー対34は、原稿Dを1枚ずつ分離して搬送方向Yの下流側へ送り出す分離機構として機能する。

0119

図18は、ステープル綴じされた原稿Dを対象とした場合の、オーバースキャン領域RO1、斜行領域RS、及び原稿領域RDの位置関係を説明する図である。ステープル綴じされた原稿Dを分離機構により搬送した場合、綴じられた位置(ステープルが刺された箇所、図18の例ではPSに対応)を回転中心として斜行が発生し、傾き角度θはステープル綴じされていない原稿Dに比べて非常に大きくなる。

0120

また、図3に示したように、分離機構による分離は、原稿センサー48による原稿Dの検出よりも上流側で行われることが多い。そのため、原稿センサー48で原稿を検出したタイミングでは、原稿Dは既に非常に大きい傾き角度θで斜行している。結果として、原稿センサー48で原稿Dを検出したタイミングでは、原稿Dの一部が既に画像センサーの位置まで到達している場合があり得る。この場合、オーバースキャン領域RO1の最初のライン(y=0の横の1ライン)に原稿Dのデータが存在する。

0121

よって第2の実施形態では、図12に示したように、オーバースキャン領域RO1の下端1画素を斜行領域RSに設定する。このようにすれば、ステープル綴じされた原稿Dのように傾き角度θが非常に大きい場合にも、適切に斜行エラーを検出することが可能になる。その際、判定処理を1ラインずつ逐次実行するようにしておけば、最初のラインで斜行エラーの発生を検出できるため、迅速に搬送動作を停止し、原稿Dの破損を抑制することが可能である。

0122

なお、以上ではステープル綴じされた原稿Dの例を示したが、ステープル以外の留め具を用いて複数枚の原稿を綴じている場合も同様に考えることが可能である。

0123

4.4プログラム等
また、本実施形態の搬送装置(画像読取装置11)は、その処理の一部または大部分をプログラムにより実現してもよい。この場合には、CPU等のプロセッサーがプログラムを実行することで、本実施形態の画像読取装置11、ホスト装置100等が実現される。具体的には、非一時的な情報記憶媒体に記憶されたプログラムが読み出され、読み出されたプログラムをCPU等のプロセッサーが実行する。ここで、情報記憶媒体(コンピューターにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(DVD、CD等)、HDD(ハードディスクドライブ)、或いはメモリー(カード型メモリー、ROM等)などにより実現できる。そして、CPU等のプロセッサーは、情報記憶媒体に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち、情報記憶媒体には、本実施形態の各部としてコンピューター(操作部、処理部、記憶部、出力部を備える装置)を機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピューターに実行させるためのプログラム)が記憶される。

0124

即ち、本実施形態の手法は、搬送経路32に沿って原稿を搬送する搬送機構31の制御と、原稿の原稿サイズが閾値以上の場合は、原稿サイズが閾値よりも小さい場合に比べて小さな傾き角度で、斜行エラーが発生したと判定する処理と、をコンピューター(搬送装置、コントローラー50)に実行させるプログラムに適用できる。

0125

また、本実施形態の手法は、搬送経路32に沿って原稿を搬送する搬送機構31の制御と、原稿の原稿サイズが閾値以上の場合は、原稿サイズが閾値よりも小さい場合に比べて小さな傾き角度で、斜行エラーが発生したと判定する処理と、を行う搬送装置の制御方法に適用できる。

0126

以上、本発明を適用した実施形態及びその変形例について説明したが、本発明は、各実施形態やその変形例そのままに限定されるものではなく、実施段階では、発明の要旨を逸脱しない範囲内で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記した各実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明を形成することができる。例えば、各実施形態や変形例に記載した全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態や変形例で説明した構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。このように、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能である。

0127

11…画像読取装置、12…本体、12A…給送口、12B…排出口、12C…前面部、
13…原稿サポート、13A…載置面、17…エッジガイド、18…本体部、
18A…排出トレイ、18B…搬送板、18C…リブ、20…操作部、22…表示部、
30…画像読取処理機構、31…搬送機構、32…搬送経路、32A…給送ガイド、
33,34…給送ローラー対、35,36…搬送ローラー対、
33A〜36A…駆動ローラー、33B〜36B…従動ローラー、37…搬送モーター、
39…搬送面部、40(40A,40B)…読取部、41(41A,41B)…光源、
42(42A,42B)…イメージセンサー、43…色基準板、
45,48…原稿センサー、50…コントローラー、60…処理部、61…記憶部、
62…入力部、63…出力部、64…タイミングジェネレーター、
65…アナログフロントエンド、70…主制御部、71…搬送制御部、
73…読取制御部、74…画像処理部、100…ホスト装置、101…入力部、
102…表示部、103…処理部、104…記憶部

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