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技術 高アスペクト比構造物の製造方法

出願人 コニカミノルタ株式会社
発明者 横山光
出願日 2017年10月18日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2017-201642
公開日 2019年5月16日 (7ヶ月経過) 公開番号 2019-074448
状態 未査定
技術分野 放射線診断機器
主要キーワード 柱状孔 柱状穴 金属シート層 単スリット 二次元周期 一次元周期構造 埋設工 X線吸収
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年5月16日)のものです。
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図面 (18)

課題

X線が透過する領域における透過率を向上する。

解決手段

高アスペクト比構造物の製造方法は、基板の少なくとも1つの主面に、複数の穴を形成する穴形成工程と、穴形成工程終了後、複数の穴が形成された主面上に、レジスト層を配設した第1領域とレジスト層を配設していない第2領域とを形成するレジスト形成工程と、エッチング液中に浸漬させて第2領域に対応する基板に凹部を形成する凹部形成工程と、凹部に、X線吸収可能なX線吸収性材料を埋設するX線吸収性材料埋設工程と、レジスト層を除去するレジスト除去工程と、レジスト層を除去した後に現れる第1領域に対応する複数の穴が存在する領域をエッチング液中に浸漬させて、穴径を拡大する穴径拡大工程と、を備える。

概要

背景

例えばX線を受けるX線用金属格子は、多数の平行な周期構造を備えた素子として様々な装置に利用されており、近年では、X線撮像装置への応用も試みられている。このX線撮像装置では、近年、被爆量の低減の観点から、X線位相イメージングが注目されている。この場合、X線用格子として、X線を透過する、透過しない、のコントラストがしっかりついた吸収格子や、位相差がしっかりついた位相格子が必要になる。これを実現するために、非常にアスペクト比の高い高アスペクト比構造の格子が必要である。このような高アスペクト比の構造を備えた回折格子の製造方法が、例えば、特許文献1に提案されている。

この特許文献1に開示の回折格子の製造方法は、X線タルボ干渉計に用いられる回折格子の製造方法であって、次の各工程を備えて構成される。まず、ガラス基板の一側面に金属シート層が形成される。次に、この金属シート層上に紫外線感光性樹脂が塗布され、この紫外線感光性樹脂が位相型回折格子用の光学リソグラフィーマスクを用いてパターン露光され、現像されることでパターンニングされる。次に、金属メッキ法によって、前記紫外線感光性樹脂が除去された部分にX線吸収金属部が形成される。そして、パターニングされた紫外線感光性樹脂およびこの紫外線感光性樹脂に対応する金属シート層の部分が除去される。これによって位相型回折格子が製造される。そして、この位相型回折格子の前記一側面に紫外線感光性樹脂が塗布され、この紫外線感光性樹脂がこの位相型回折格子を光学リソグラフィーマスクとして用いて位相型回折格子の他側面からパターン露光され、現像されることでパターンニングされる。次に、前記金属シート層を介して電圧印加することで金属メッキ法によって、前記紫外線感光性樹脂が除去された部分であって位相型回折格子のX線吸収金属部に、さらにX線吸収金属部が形成される。以下、このさらにX線吸収金属部を形成した位相型回折格子を新たな光学リソグラフィーマスクとして、上述の各工程が、X線吸収金属部が必要な厚さとなるまで繰り返される。これによって振幅型回折格子吸収型回折格子)が製造される。

概要

X線が透過する領域における透過率を向上する。高アスペクト比構造物の製造方法は、基板の少なくとも1つの主面に、複数の穴を形成する穴形成工程と、穴形成工程終了後、複数の穴が形成された主面上に、レジスト層を配設した第1領域とレジスト層を配設していない第2領域とを形成するレジスト形成工程と、エッチング液中に浸漬させて第2領域に対応する基板に凹部を形成する凹部形成工程と、凹部に、X線吸収可能なX線吸収性材料を埋設するX線吸収性材料埋設工程と、レジスト層を除去するレジスト除去工程と、レジスト層を除去した後に現れる第1領域に対応する複数の穴が存在する領域をエッチング液中に浸漬させて、穴径を拡大する穴径拡大工程と、を備える。

目的

本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、X線が透過する領域における透過率を向上することが可能な高アスペクト比構造物の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

基板の少なくとも1つの主面に、複数の穴を形成する穴形成工程と、前記穴形成工程終了後、前記複数の穴が形成された前記主面上に、レジスト層を配設した第1領域と前記レジスト層を配設していない第2領域とを形成するレジスト形成工程と、エッチング液中に浸漬させて前記第2領域に対応する前記基板に凹部を形成する凹部形成工程と、前記凹部に、X線吸収可能なX線吸収性材料を埋設するX線吸収性材料埋設工程と、前記レジスト層を除去するレジスト除去工程と、前記レジスト層を除去した後に現れる前記第1領域に対応する複数の穴が存在する領域をエッチング液中に浸漬させて、穴径を拡大する穴径拡大工程と、を備える高アスペクト比構造物の製造方法。

請求項2

前記穴形成工程は、陽極酸化法もしくは陽極化成法により行われる請求項1に記載の高アスペクト比構造物の製造方法。

請求項3

前記基板は、アルミニウムタングステンモリブデンシリコンガリウム砒素、又は、インジウムリンである請求項1又は2記載の高アスペクト比構造物の製造方法。

請求項4

前記X線吸収性材料埋設工程は、電鋳法によりX線吸収性材料である金属を埋設する請求項3に記載の高アスペクト比構造物の製造方法。

請求項5

前記高アスペクト比構造物は、X線タルボ干渉計またはX線タルボ・ロー干渉計に用いられるX線金属格子である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の高アスペクト比構造物の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、例えばX線を受けるX線用金属格子高アスペクト比構造物の製造方法に関する。

背景技術

0002

例えばX線を受けるX線用金属格子は、多数の平行な周期構造を備えた素子として様々な装置に利用されており、近年では、X線撮像装置への応用も試みられている。このX線撮像装置では、近年、被爆量の低減の観点から、X線位相イメージングが注目されている。この場合、X線用格子として、X線を透過する、透過しない、のコントラストがしっかりついた吸収格子や、位相差がしっかりついた位相格子が必要になる。これを実現するために、非常にアスペクト比の高い高アスペクト比構造の格子が必要である。このような高アスペクト比の構造を備えた回折格子の製造方法が、例えば、特許文献1に提案されている。

0003

この特許文献1に開示の回折格子の製造方法は、X線タルボ干渉計に用いられる回折格子の製造方法であって、次の各工程を備えて構成される。まず、ガラス基板の一側面に金属シート層が形成される。次に、この金属シート層上に紫外線感光性樹脂が塗布され、この紫外線感光性樹脂が位相型回折格子用の光学リソグラフィーマスクを用いてパターン露光され、現像されることでパターンニングされる。次に、金属メッキ法によって、前記紫外線感光性樹脂が除去された部分にX線吸収金属部が形成される。そして、パターニングされた紫外線感光性樹脂およびこの紫外線感光性樹脂に対応する金属シート層の部分が除去される。これによって位相型回折格子が製造される。そして、この位相型回折格子の前記一側面に紫外線感光性樹脂が塗布され、この紫外線感光性樹脂がこの位相型回折格子を光学リソグラフィーマスクとして用いて位相型回折格子の他側面からパターン露光され、現像されることでパターンニングされる。次に、前記金属シート層を介して電圧印加することで金属メッキ法によって、前記紫外線感光性樹脂が除去された部分であって位相型回折格子のX線吸収金属部に、さらにX線吸収金属部が形成される。以下、このさらにX線吸収金属部を形成した位相型回折格子を新たな光学リソグラフィーマスクとして、上述の各工程が、X線吸収金属部が必要な厚さとなるまで繰り返される。これによって振幅型回折格子吸収型回折格子)が製造される。

先行技術

0004

特開2009−37023号公報

発明が解決しようとする課題

0005

X線用金属格子では、X線を透過する、透過しない、のコントラストを向上するために、X線が透過する領域の透過率を向上することが望まれる。しかしながら、上記特許文献1に開示の製造方法では、X線用金属格子におけるX線が透過する領域における透過率の向上については、十分に検討されていない。

0006

本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、X線が透過する領域における透過率を向上することが可能な高アスペクト比構造物の製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明の一態様にかかる高アスペクト比構造物の製造方法は、基板の少なくとも1つの主面に、複数の穴を形成する穴形成工程と、前記穴形成工程終了後、前記複数の穴が形成された前記主面上に、レジスト層を配設した第1領域と前記レジスト層を配設していない第2領域とを形成するレジスト形成工程と、エッチング液中に浸漬させて前記第2領域に対応する前記基板に凹部を形成する凹部形成工程と、前記凹部に、X線吸収可能なX線吸収性材料を埋設するX線吸収性材料埋設工程と、前記レジスト層を除去するレジスト除去工程と、前記レジスト層を除去した後に現れる前記第1領域に対応する複数の穴が存在する領域をエッチング液中に浸漬させて、穴径を拡大する穴径拡大工程と、を備えることを特徴とする。ここで、高アスペクト比とは、アスペクト比が5以上のものをいう。

0008

このような高アスペクト比構造物の製造方法は、例えば基板の主面に垂直(法線方向)に延びた穴を複数、基板の主面上に形成した後、これらの複数の穴に、エッチング液浸透させる。これにより、溶解が各穴の深さ方向と垂直方向に進行し、穴と穴との間の隔壁を除去することができ、第2領域に対応する基板に、その基板の主面に垂直な側面を持つ凹部を形成することができる。

0009

また、第1領域に対応する基板に凹部を形成してその凹部にX線吸収性材料を埋設することでX線吸収部を形成できる一方、第2領域に対応する基板における複数の穴を有する部分をX線透過部にできる。また、レジスト層を除去した後に現れる第1領域に対応する複数の穴が存在する領域をエッチング液中に浸漬させて、穴径を拡大することで、第1領域に対応する複数の穴が存在する領域の透過率を向上することができる。従って、高アスペクト比構造物の製造方法は、例えば基板の主面に垂直な側面を持つ凹部を有する回析格子を容易に低コストで製造できる。

0010

また、他の一態様では、上述の高アスペクト比構造物の製造方法において、前記穴形成工程は、陽極酸化法もしくは陽極化成法により行われることを特徴とする。

0011

このようなX線用金属格子の高アスペクト比構造物の製造方法は、基板の主面上に、主面に垂直な穴を複数、容易に形成できる。

0012

また、他の一態様では、上述の高アスペクト比構造物の製造方法において、前記基板は、アルミニウムタングステンモリブデンシリコンガリウム砒素、又は、インジウムリンであることを特徴とする。

0013

このような高アスペクト比構造物の製造方法は、基板がアルミニウム、タングステン、モリブデン、シリコン、ガリウム砒素、又は、インジウムリンであると、例えば陽極酸化法もしくは陽極化成法により主面に垂直に延びる複数の穴を容易に形成できる。

0014

また、他の一態様では、上述の高アスペクト比構造物の製造方法において、前記X線吸収性材料埋設工程は、電鋳法によりX線吸収性材料である金属を埋設することを特徴とする。

0015

このような高アスペクト比構造物の製造方法は、電鋳法によりX線吸収性材料である金属を埋設することで、X線吸収性材料を凹部に容易に確実に埋設できる。

0016

また、他の一態様では、上述の高アスペクト比構造物の製造方法において、前記高アスペクト比構造物は、X線タルボ干渉計またはX線タルボ・ロー干渉計に用いられるX線用金属格子であることを特徴とする。

0017

このような高アスペクト比構造物の製造方法は、より性能の高い、X線タルボ干渉計またはX線タルボ・ロー干渉計に用いられる第0格子および第2格子のX線用金属格子を製造できる。

発明の効果

0018

本発明にかかる高アスペクト比構造物の製造方法は、X線が透過する領域における透過率を向上することができる。

図面の簡単な説明

0019

本発明の高アスペクト比構造物の製造方法により製造された一例である第1実施形態のX線用金属格子の構成を示す斜視図である。
図1の第1実施形態のX線用金属格子の製造方法を説明するための図(その1)である。
図1の第1実施形態のX線用金属格子の製造方法を説明するための図(その2)である。
図1の第1実施形態のX線用金属格子の製造方法を説明するための図(その3)である。
図1の第1実施形態のX線用金属格子の製造方法を説明するための図(その4)である。
図1の第1実施形態のX線用金属格子の製造方法を説明するための図(その5)である。
図1の第1実施形態のX線用金属格子の製造方法を説明するための図(その6)である。
図1の第1実施形態のX線用金属格子の製造方法を説明するための図(その7)である。
図6の要部の拡大図である。
図1の第1実施形態のX線用金属格子に凹部を形成する際の説明図である。
図1の第1実施形態のX線用金属格子に凹部を形成する際に、X線用金属格子に用いられる基板の第1領域における第2領域に対応する部分と隣接した隔壁が溶解した場合の説明図である。
金属基板に複数の穴を形成する陽極酸化法を説明するための図である。
一例として、陽極酸化法によって複数の穴が形成された金属基板の上面を示す図である。
X線用金属格子の製造手順の一例を示すフローチャートである。
第2実施形態におけるX線用タルボ干渉計の構成を示す斜視図である。
第3実施形態におけるX線用タルボ・ロー干渉計の構成を示す上面図である。
第4実施形態におけるX線撮像装置の構成を示す説明図である。

実施例

0020

以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。また、本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。

0021

(第1実施形態、X線用金属格子)
図1は、本発明の高アスペクト比構造物の製造方法により製造された一例であるX線用金属格子の構成を示す斜視図である。金属格子1aは、図1に示すように、X線用金属基板13aに設けられた格子領域10aおよび枠領域12aを備えて構成される。格子領域10aは、格子11aを形成した領域であり、枠領域12aは、この格子領域10aを取り囲むようにその周辺に設けられている。

0022

この格子11aは、図1に示すようにDxDyDzの直交座標系を設定した場合に、所定の厚さ(深さ)H1(格子面DxDyに垂直なDz方向の長さ)を有して一方向Dx(以下、「長尺方向Dx」と称される)に線状に延びる複数のX線吸収部111aと、前記長尺方向Dxに線状に延びる複数のX線透過部112aとを備え、これら複数のX線吸収部111aと複数のX線透過部112aとは、交互に平行に配設される。このため、複数のX線吸収部111aは、前記長尺方向Dxと直交する方向Dy(以下、「幅方向Dy」と称される)に所定の間隔を空けてそれぞれ配設される。言い換えれば、複数のX線吸収部111aは、前記幅方向Dyに所定の間隔を空けてそれぞれ配設される。この所定の間隔(ピッチ)Pは、本実施形態では、一定とされている。すなわち、複数のX線吸収部111aは、前記幅方向Dyに等間隔Pでそれぞれ配設されている。また、本実施形態では、X線吸収部111aは、前記DxDy面に直交するDxDz面に沿った板状または層状であり、複数のX線透過部112aは、互いに隣接するX線吸収部111aに挟まれた、DxDz面に沿った板状または層状を呈する。

0023

これら複数のX線吸収部111aは、X線を吸収するように機能し、これらX線透過部112aは、X線を透過するように機能する。このため、このようなX線用金属格子1aは、一態様として、ピッチPがX線の波長に対し十分に長く干渉縞を生じない通常の格子、例えば、X線タルボ・ロー干渉計における第0格子として利用できる。また、このようなX線用金属格子1aは、他の一態様として、前記所定の間隔PをX線の波長に応じて適宜に設定することにより、回折格子として機能し、例えば、X線タルボ・ロー干渉計やX線タルボ干渉計における第2格子として利用できる。X線吸収部111aは、例えば仕様に応じて充分にX線を吸収することができるように、適宜な厚さH1とされている。X線は、一般的に透過性が高いので、この結果、X線吸収部111aにおける幅Wに対する厚さH1の比(アスペクト比=厚さ/幅)は、例えば、5以上の高アスペクト比とされている。X線吸収部111aにおける幅Wは、前記幅方向DyにおけるX線吸収部111aにおける長さであり、その厚さH1は、前記長尺方向Dxとこれに直交する前記幅方向Dyとで構成される平面DxDyの法線方向(深さ方向)DzにおけるX線吸収部111aの長さである。

0024

上述のように、第0格子(線源格子)及び第2格子(吸収格子)は、アスペクト比が高いので、格子自体の厚みが必然的に厚くなり、結果としてX線透過部112aも厚くなって、その透過率が低くなることがあり得る。透過率を向上するために、例えば、X線吸収部111aを構成する金を溝間にメッキで埋めた後、X線透過部112aを構成する材料を薬液などで溶かしてしまい、X線透過部111aを構成する材料を完全に除去することも考えられる。しかしながら、X線透過部111aを構成する材料が完全に除去されると、金と金との間の支えがなくなることで、金が倒れやすくなるなど、格子の信頼性が低下する。

0025

そこで、本実施形態では、陽極酸化格子の構造特性を生かし、溝を金で埋めた後、X線透過部111aの孔を薬液で拡大しつつも完全な空間にはしないことで、金が倒れることを防ぎつつ、X線透過部111aの透過率を向上している。

0026

このようなX線用金属格子1aは、金属基板における少なくとも1つの主面上に、複数の穴を有する穴群を形成する穴形成工程と、前記穴形成工程終了後、前記穴群が形成された面に、レジスト層を配設した第1領域と前記レジスト層を配設していない第2領域とを形成するレジスト形成工程と、前記基板を溶解可能なエッチング液中に浸漬して前記第2領域に対応する前記基板に凹部を形成する凹部形成工程と、前記凹部に、X線吸収性材料を埋設するX線吸収性材料埋設工程と、前記凹部に、X線吸収可能なX線吸収性材料を埋設するX線吸収性材料埋設工程と、前記レジスト層を除去するレジスト除去工程と、前記レジスト層を除去した後に現れる前記第1領域に対応する複数の穴が存在する領域をエッチング液中に浸漬させて、穴径を拡大する穴径拡大工程と、によって製造される。

0027

前記凹部は、1次元格子では、例えば、スリット溝であり、また2次元格子では、柱状穴柱状孔)等である。以下、前記凹部がスリット溝である前記X線用金属格子1aの製造方法について、詳述する。なお、凹部が例えば柱状穴等の他の形状であっても同様である。

0028

図2ないし図11は、第1実施形態におけるX線用金属格子の製造方法を説明するための図である。図2ないし図8において、図(A)および図(B)を1組として各製造工程を模式的に説明しており、図(A)は、図(B)の断面図であり、図(B)は、上面図である。図9は、図6の要部の拡大図であり、図10(A)〜図10(D)は、凹部を形成する際の説明図である。又、図11は、基板における第2領域に対応する部分と隣接した第1領域に対応する部分の隔壁が溶解した場合の説明図である。又、図12は、金属基板に複数の穴を形成する陽極酸化法を説明するための図である。図13は、一例として、陽極酸化法によって複数の穴が形成された金属基板の上面を示す図である。図14は、X線用金属格子の製造手順の一例を示すフローチャートである。

0029

第1実施形態におけるX線用金属格子1aを製造するために、図14のステップS1400において、まず、板状の金属基板(基板)13aが用意される(図2(A)および(B))。金属基板13aは、陽極酸化法又は陽極化成法によって複数の穴を形成できる金属(合金化合物を含む)から形成される。本製造方法では、後述するように、陽極酸化工程を経た部分が格子11aのX線透過部112aとなるので、金属基板13aは、X線に対して比較的透過率の高い金属(合金を含む)が好ましい。これら陽極酸化法および高X線透過性(X線透過特性)の観点から、金属基板13aは、例えば、アルミニウム(Al)が好ましく、この例では、金属基板13aは、アルミニウムから構成されている。

0030

次に、図14のステップS1405において、金属基板13aにおける一方の主面に、図3に示すようにレジスト層131として石英二酸化ケイ素、SiO2)膜が形成される。この石英膜は、例えば、公知の常套手段である化学気相成長法(ChemicalVaporDeposition、CVD)およびスパッタ法等の種々の成膜方法によって形成される。例えば、実施形態では、テトラエトキシシランを用いたプラズマCVDによって石英膜は、成膜される。より詳しくは、まず、有機シラン一種であるテトラエトキシシラン(TetraethoXysilane、TEOS)が加温され、キャリアガスによってバブリングされることによってTEOSガスが生成され、このTEOSガスに例えば酸素やオゾン等の酸化ガスおよび例えばヘリウム等の希釈ガスが混合されて原料ガスが生成される。そして、この原料ガスが例えばプラズマCVD装置に導入され、プラズマCVD装置内の金属基板13aの表面に所定の厚さ(この実施形態では、2μm)の石英膜によるレジスト層131が形成される。

0031

なお、上述では、レジスト層131は、石英膜であったが、これに限定されるものではない。レジスト層131は、陽極酸化工程における陽極酸化法の実施の際に、該陽極酸化法で用いられる酸性液に抗して金属基板13aの保護膜として機能する保護層であるので、レジスト層131は、このような機能を有すれば良く、例えば、窒化ケイ素(SiN)等の誘電体材料金属膜で形成されても良い。

0032

次に、図14のステップS1410(穴形成工程の一例)において、金属基板13aにおける他方の主面に、陽極酸化法によって複数の穴を有する穴群132が形成される(陽極酸化工程、図4(A)(B))。

0033

より具体的には、この陽極酸化工程では、一例では、図12に示すように、上述のレジスト層131が形成された金属基板13aに電源21の陽極通電可能に接続され、電源21の陰極に接続された陰極電極22および金属基板13aが、電解液24を貯留した水槽23内における前記電解液24に浸けられる。その際、陰極電極22と金属基板13aの他方の主面(レジスト層131のない面)とを対向させるように浸けられる。前記電解液24は、酸化力が強く、かつ陽極酸化法によって生成された金属酸化膜を溶解する酸性溶液、例えば、リン酸およびシュウ酸等のエッチング液が好ましい。陰極電極22は、この電解液24に対して溶解しない金属、例えば、金(Au)および白金(Pt)等で形成されることが好ましい。一例では、アルミニウムで形成された金属基板13aに対し、電解液24は、0.3M(モル濃度、mol/l)のシュウ酸液であり、陰極電極22は、白金をメッキしたチタン板である。そして、通電されると、金属基板13aの表面13eから内部に向かって延びる複数の穴13cが形成される。本実施形態では、通電されると、図4図9に示すように金属基板13aの表面13eから、金属基板13aの厚さ方向(Dz方向、表面と垂直方向)に延びる複数の穴が互いに間隔を空けて形成される。一例では、約40Vの直流電圧を陰極電極22および金属基板13a間に約16時間印加することによって、直径φが約40nmであって深さH1が約120μmである複数の穴が、平均ピッチ距離Pが約100nmで互いに間隔を空けて形成された。その一例の上面が図13に示されている。図13では、走査型電子顕微鏡(Scanning Electoron Microscope、SEM)による写真が図面として示されている。

0034

次に、図14のステップS1415(レジスト形成工程の一例)において、穴群132が形成された金属基板13aの面に、ドライフィルムレジストが貼合され(図5(A)(B))、フォトリソグラフィ技術を用いて、周期5.3um、Duty比50%のラインアンドスペースパターンのドライフィルムレジストによるレジスト層133を形成する(図6(A)(B))。これにより、穴群132が形成された金属基板13aの面に、レジスト層133を配設した第1領域141と、レジスト層133を配設していない第2領域142とを形成する。

0035

次に、図14のステップS1420(凹部形成工程の一例)において、レジスト層133を形成した金属基板13aを、8vol%のリン酸液(エッチング液)16に浸漬し、480分間放置する。このとき、金属基板13aを浸漬した後、数秒から数分で、図10(A)(B)(C)に示すように、上述のフォトリソグラフィーパターニングにより露出した穴群132の穴13cに、リン酸液16が浸透する。

0036

その後、リン酸液16が満たされた穴13c内で、残りの時間(≒480分)すべてをかけて、図10(D)に示すように、等方的にエッチングが進行し、隣接する2つの穴13cの間の隔壁13dが溶解する。これにより、第2領域142に対応する基板13aに、凹部134が形成される(図7)。

0037

その際、リン酸液16のリン酸濃度は、リン酸液16が穴13cの奥まで浸透するのに要する時間がリン酸液16が隔壁13dを溶解し終える時間より短くなるように設定されている。つまり、(リン酸液16が穴13cに浸透する時間)<(リン酸液16が隔壁13dを溶解し終える時間)である。従って、エッチング作用により、隔壁13dを両サイドから溶解していき、両サイドから30nm(隔壁厚の半分)ずつ溶解し、貫通した時点で隔壁13dがなくなるので、隔壁13dが無くなった時点では、レジスト層133により塞がれた第1領域141に対応する部分における、第2領域142に対応する部分と隣接する隔壁13dはまだ厚さの半分である30nm分残っているはずである。この状態でさらにエッチングを進めても、さらに480分という長い時間をかけないと、この残り30nmはなくならない。仮にエッチングを非常に過剰にしてしまい、無くなったとしても、穴13c間の平均ピッチ距離は100nmであるため、凹部134の幅が最大200nm分、広がるだけなので、実用上は問題にならない誤差範囲とみなせる。

0038

又、エッチングをやりすぎても、図11に示すように穴13cの1周期分が余分にエッチングされる程度、即ち、第1領域141に対応する隔壁13dの部分における、第2領域141に対応する部分と隣接する隔壁13dがエッチングされる程度である。

0039

なお、本例では、予め一方の主面に石英膜からなるレジスト層131を形成することで、陽極酸化による穴群132が前記他方の主面にのみなされるようにしたが、酸化による面精度変化を抑えるために、一方及び他方の両方の主面に穴群132を形成しておいてもよい。この場合、両面に穴群132を形成した後、パターニングをする面ではないほうの面にたとえばTEOS−CVDなどの手法で石英をコーティングするなどの養生をしても良い。

0040

次に、図14のステップS1425(X線吸収性材料埋設工程の一例)において、凹部134に、X線吸収可能なX線吸収材料135を埋設する(図8)。この実施形態では、凹部134の側壁酸化アルミニウム絶縁物)で、底部がアルミニウム(導電物)なので、底部からのボトムアップ電気めっき(電鋳法)が可能である。そのため、この実施形態ではX線吸収材料135として金が選択され、メッキにより凹部134に金が埋設された。尚、この例ではメッキ材料として金を使用したが、プラチナロジウムイリジウムといったX線吸収性が高く、めっき可能な金属を選択しても良い。また、金粉末などを凹部134に流し込む方法でも良い。これにより、凹部134にX線吸収材料135が埋設されてX線吸収部111aが形成される。

0041

また、第1実施形態におけるX線用金属格子1aの製造方法では、前記複数の穴それぞれは、金属基板13aの厚さ方向に延びている。陽極酸化法による複数の穴の形成は、例えば数百マイクロメートル等の比較的長く形成できる。このため、第1実施形態におけるX線用金属格子1aの製造方法は、前記複数の穴を金属基板13aの厚さ方向に延ばすので、例えば5以上の高アスペクト比なX線透過部112aを形成できる。

0042

次に、図14のステップS1430(レジスト除去工程の一例)において、ドライフィルムレジストにより形成されたレジスト層133を剥離液剥離する。次に、図14のステップS1435(穴径拡大工程の一例)において、8vol%のリン酸液(エッチング液)16に浸漬し、90分間放置する。その結果、X線透過部111aに相当する部分の穴が溶解により拡大し、結果として、もともと直径φが約40nmであった穴が、直径φが約80nmまで拡大する。これにより、溝形状を維持できてX線吸収材料135が倒れない程度の強度を保ちつつ、空間が増えることでX線透過部111aの透過率を向上することが可能になる。

0043

なお、上記実施形態では、基板13aは、アルミニウムから構成されたが、この形態のものに限らず、化学的処理により穴群132を形成可能な材料であればよく、適宜変更できる。例えばシリコンやガリウム砒素などの半導体基板を用いても良い。

0044

例えばn型GaAs(001)基板を、NH4OH中でタングステンランプ光照射しかつ磁界印加しながら、電圧12Vで陽極化成すると約250nmピッチの垂直な穴を有する穴群が得られる。このような基板を、上述したと同様にフォトリソグラフィでパターニングし、硫酸過酸化水素水混合溶液ウエットエッチングすることで先の例と同じように凹部134が形成できるので、このように作製した格子を吸収格子として使用しても良い。

0045

尚、複数の穴を有する穴群を形成する場合、穴群を形成したい材料を陽極として、多くの場合酸性溶液中で通電することで穴群を形成する方法を採るが、本反応により基板が酸化しないシリコンやガリウム砒素(GaAs)などの場合を、上記のように「陽極化成」と称す。

0046

又、上記実施形態では、X線吸収材料は、金(Au)から構成されたが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。X線吸収材料は、例えばX線透過率が低い原子量が比較的重い元素の金属や貴金属、より具体的には、例えばプラチナ(白金、Pt)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)およびイリジウム(Ir)等から構成されてもよい。

0047

又、上述の第1実施形態(これらの変形形態を含む)では、X線用金属格子1aは、一次元周期構造であったが、これに限定されるものではない。X線用金属格子1aは、例えば、二次元周期構造の格子であってもよい。例えば、二次元周期構造のX線用金属は、二次元周期構造の部材となるドット線形独立な2方向に所定の間隔を空けて等間隔に配設されて構成される。このような二次元周期構造のX線用金属格子は、平面に高アスペクト比の穴を二次元周期空ける、あるいは、平面に高アスペクト比の円柱を二次元周期で立設させることによって形成できる。または、これら空間に、上述と同様に、金属が埋め込まれても良い。

0048

また、上記実施形態では、凹部134にX線吸収材料135を埋設(図14のステップS1425)した後で、レジスト層133を除去(図14のステップS1430)しているが、逆でもよい。すなわち、レジスト層133を除去した後で、凹部134にX線吸収材料135を埋設してもよい。

0049

また、上記実施形態の陽極酸化工程(図14のステップS1410)の実行中に、金属基板13aと陰極電極22との間に印加する電圧を変化させて、複数の穴が、枝分かれしながら、主面に交差する方向に延びて形成されるようにしてもよい。

0050

(第2および第3実施形態;タルボ干渉計およびタルボ・ロー干渉計)
上記実施形態のX線用金属格子1aは、高アスペクト比で金属部分を形成することができるので、X線用のタルボ干渉計およびタルボ・ロー干渉計に好適に用いることができる。この金属格子1aを用いたX線用タルボ干渉計およびX線用タルボ・ロー干渉計について説明する。

0051

図15は、第2実施形態におけるX線用タルボ干渉計の構成を示す斜視図である。図16は、第3実施形態におけるX線用タルボ・ロー干渉計の構成を示す上面図である。

0052

実施形態のX線用タルボ干渉計100Aは、図15に示すように、所定の波長のX線を放射するX線源101と、X線源101から照射されるX線を回折する位相型の第1回折格子102と、第1回折格子102により回折されたX線を回折することにより画像コントラストを形成する振幅型の第2回折格子103とを備え、第1および第2回折格子102、103がX線タルボ干渉計を構成する条件に設定される。そして、第2回折格子103により画像コントラストの生じたX線は、例えば、X線を検出するX線画像検出器105によって検出される。そして、このX線用タルボ干渉計100Aでは、第2回折格子103は、上述したX線用金属格子1aの製造方法によって製造されたX線用金属格子1aである。

0053

タルボ干渉計100Aを構成する前記条件は、次の式1および式2によって表される。式2は、第1回折格子102が位相型回折格子であることを前提としている。
l=λ/(a/(L+Z1+Z2)) ・・・(式1)
Z1=(m+1/2)×(d2/λ) ・・・(式2)
ここで、lは、可干渉距離であり、λは、X線の波長(通常は中心波長)であり、aは、回折格子の回折部材にほぼ直交する方向におけるX線源101の開口径であり、Lは、X線源101から第1回折格子102までの距離であり、Z1は、第1回折格子102から第2回折格子103までの距離であり、Z2は、第2回折格子103からX線画像検出器105までの距離であり、mは、整数であり、dは、回折部材の周期(回折格子の周期、格子定数、隣接する回折部材の中心間距離、前記ピッチP)である。

0054

このような構成のX線用タルボ干渉計100Aでは、X線源101から第1回折格子102に向けてX線が照射される。この照射されたX線は、第1回折格子102でタルボ効果を生じ、タルボ像を形成する。このタルボ像が第2回折格子103で作用を受け、モアレ縞の画像コントラストを形成する。そして、この画像コントラストがX線画像検出器105で検出される。

0055

タルボ効果とは、回折格子に光が入射されると、或る距離に前記回折格子と同じ像(前記回折格子の自己像)が形成されることをいい、この或る距離をタルボ距離Lといい、この自己像をタルボ像という。タルボ距離Lは、回折格子が位相型回折格子の場合では、上記式2に表されるZ1となる(L=Z1)。タルボ像は、Lの奇数倍(=(2m+1)L、mは、整数)では、反転像が現れ、Lの偶数倍(=2mL)では、正像が現れる。

0056

ここで、X線源101と第1回折格子102との間に被検体Sが配置されると、前記モアレ縞は、被検体Sによって変調を受け、この変調量が被検体Sによる屈折効果によってX線が曲げられた角度に比例する。このため、モアレ縞を解析することによって被検体Sおよびその内部の構造が検出される。

0057

このような図15に示す構成のタルボ干渉計100Aでは、X線源101は、単一の点光源であり、このような単一の点光源は、単一のスリット単スリット)を形成した単スリット板をさらに備えることで構成することができ、X線源101から放射されたX線は、前記単スリット板の前記単スリットを通過して被検体Sを介して第1回折格子102に向けて放射される。前記スリットは、一方向に延びる細長矩形の開口である。

0058

一方、タルボ・ロー干渉計100Bは、図16に示すように、X線源101と、マルチスリット板104と、第1回折格子102と、第2回折格子103とを備えて構成される。すなわち、タルボ・ロー干渉計100Bは、図15に示すタルボ干渉計100Aに加えて、X線源101のX線放射側に、複数のスリットを並列に形成したマルチスリット板104をさらに備えて構成される。

0059

このマルチスリット板104は、いわゆる第0格子であり、上述したX線用金属格子1aの製造方法によって製造されたX線用金属格子1aであってよい。マルチスリット板104を、上述したX線用金属格子1aの製造方法によって製造することによって、X線を、スリット状のX線透過部112aによって透過させるとともにより確実にスリット状のX線吸収部111aによって遮断することができるので、X線の透過と非透過とをより明確に区別することができるから、マルチスリット板104は、X線源101から放射されたX線を、より確実にマルチ光源とすることができる。

0060

そして、タルボ・ロー干渉計100Bとすることによって、タルボ干渉計100Aよりも、被検体Sを介して第1回折格子102に向けて放射されるX線量が増加するので、より良好なモアレ縞が得られる。

0061

(第4実施形態;X線撮像装置)
前記X線用金属格子1aは、種々の光学装置に利用することができるが、高アスペクト比でX線吸収部111aを形成することができるので、例えば、X線撮像装置に好適に用いることができる。特に、X線タルボ干渉計を用いたX線撮像装置は、X線を波として扱い、被写体を通過することによって生じるX線の位相シフトを検出することによって、被写体の透過画像を得る位相コントラスト法の一つであり、被写体によるX線吸収の大小をコントラストとした画像を得る吸収コントラスト法に較べて、約1000倍の感度改善が見込まれ、それによってX線照射量が例えば1/100〜1/1000に軽減可能となるという利点がある。本実施形態では、前記X線用金属格子1aを用いたX線タルボ干渉計を備えたX線撮像装置について説明する。

0062

図17は、第4実施形態におけるX線撮像装置の構成を示す説明図である。尚、図17においても、X線用金属格子のX線透過部を白抜きで示す。図17において、X線撮像装置200は、X線撮像部201と、第2回折格子202と、第1回折格子203と、X線源204とを備え、さらに、本実施形態では、X線源204に電源を供給するX線電源部205と、X線撮像部201の撮像動作を制御するカメラ制御部206と、本X線撮像装置200の全体動作を制御する処理部207と、X線電源部205の給電動作を制御することによってX線源204におけるX線の放射動作を制御するX線制御部208とを備えて構成される。

0063

X線源204は、X線電源部205から給電されることによって、X線を放射し、第1回折格子203へ向けてX線を照射する装置である。X線源204は、例えば、X線電源部205から供給された高電圧が陰極と陽極との間に印加され、陰極のフィラメントから放出された電子が陽極に衝突することによってX線を放射する装置である。

0064

第1回折格子203は、X線源204から放射されたX線によってタルボ効果を生じる回折格子である。第1回折格子203は、タルボ効果を生じる条件を満たすように構成されており、X線源204から放射されたX線の波長よりも充分に粗い格子、例えば、格子定数(回折格子の周期)dが当該X線の波長の約20以上である位相型回折格子である。なお、第1回折格子203は、このような振幅型回折格子であってもよい。

0065

第2回折格子202は、第1回折格子203から略タルボ距離L離れた位置に配置され、第1回折格子203によって回折されたX線を回折する透過型の振幅型回折格子である。この第2回折格子202は、例えば、上述したX線用金属格子1aの製造方法によって製造された回折格子である。

0066

これら第1および第2回折格子203、202は、上述の式1および式2によって表されるタルボ干渉計を構成する条件に設定されている。

0067

X線撮像部201は、第2回折格子202によって回折されたX線の像を撮像する装置である。X線撮像部201は、例えば、X線のエネルギーを吸収して蛍光を発するシンチレータを含む薄膜層受光面上に形成された二次元イメージセンサを備えるフラットパネルディテクタFPD)や、入射フォトン光電面で電子に変換し、この電子をマイクロチャネルプレート倍増し、この倍増された電子群蛍光体に衝突させて発光させるイメージインテンシファイア部と、イメージインテンシファイア部の出力光を撮像する二次元イメージセンサとを備えるイメージインテンシファイアカメラなどである。

0068

処理部207は、X線撮像装置200の各部を制御することによってX線撮像装置200全体の動作を制御する装置であり、例えば、マイクロプロセッサおよびその周辺回路を備えて構成され、機能的に、画像処理部271およびシステム制御部272を備えている。

0069

システム制御部272は、X線制御部208との間で制御信号送受信することによってX線電源部205を介してX線源204におけるX線の放射動作を制御すると共に、カメラ制御部206との間で制御信号を送受信することによってX線撮像部201の撮像動作を制御する。システム制御部272の制御によって、X線が被検体Sに向けて照射され、これによって生じた像がX線撮像部201によって撮像され、画像信号がカメラ制御部206を介して処理部207に入力される。

0070

画像処理部271は、X線撮像部201によって生成された画像信号を処理し、被検体Sの画像を生成する。

0071

次に、本実施形態のX線撮像装置の動作について説明する。被検体Sが例えばX線源204を内部(背面)に備える撮影台に載置されることによって、被検体SがX線源204と第1回折格子203との間に配置され、X線撮像装置200のユーザ(オペレータ)によって図略の操作部から被検体Sの撮像が指示されると、処理部207のシステム制御部272は、被検体Sに向けてXを照射すべくX線制御部208に制御信号を出力する。この制御信号によってX線制御部208は、X線電源部205にX線源204へ給電させ、X線源204は、X線を放射して被検体Sに向けてX線を照射する。

0072

照射されたX線は、被検体Sを介して第1回折格子203を通過し、第1回折格子203によって回折され、タルボ距離L(=Z1)離れた位置に第1回折格子203の自己像であるタルボ像Tが形成される。

0073

この形成されたX線のタルボ像Tは、第2回折格子202によって回折され、モアレを生じてモアレ縞の像が形成される。このモアレ縞の像は、システム制御部272によって例えば露光時間などが制御されたX線撮像部201によって撮像される。

0074

X線撮像部201は、モアレ縞の像の画像信号をカメラ制御部206を介して処理部207へ出力する。この画像信号は、処理部207の画像処理部271によって処理される。

0075

ここで、被検体SがX線源204と第1回折格子203との間に配置されているので、被検体Sを通過したX線には、被検体Sを通過しないX線に対し位相がずれる。このため、第1回折格子203に入射したX線には、その波面に歪みが含まれ、タルボ像Tには、それに応じた変形が生じている。このため、タルボ像Tと第2回折格子202との重ね合わせによって生じた像のモアレ縞は、被検体Sによって変調を受けており、この変調量が被検体Sによる屈折効果によってX線が曲げられた角度に比例する。したがって、モアレ縞を解析することによって被検体Sおよびその内部の構造を検出することができる。また、被検体Sを複数の角度から撮像することによってX線位相CT(Computed Tomography)により被検体Sの断層画像が形成可能である。

0076

そして、本実施形態の第2回折格子202では、高アスペクト比のX線吸収部111aを備える上述した実施形態におけるX線用金属格子1aであるので、良好なモアレ縞が得られ、高精度な被検体Sの画像が得られる。

0077

なお、上述のX線撮像装置200は、X線源204、第1回折格子203および第2回折格子202によってタルボ干渉計を構成したが、X線源204のX線放射側にマルチスリットとしての上述した実施形態におけるX線用金属格子1をさらに配置することで、タルボ・ロー干渉計を構成してもよい。このようなタルボ・ロー干渉計とすることで、単スリットの場合よりも被検体Sに照射されるX線量を増加することができ、より良好なモアレ縞が得られ、より高精度な被検体Sの画像が得られる。

0078

また、上述のX線撮像装置200では、X線源204と第1回折格子203との間に被検体Sが配置されたが、第1回折格子203と第2回折格子202との間に被検体Sが配置されてもよい。

0079

また、上述のX線撮像装置200では、X線の像がX線撮像部201で撮像され、画像の電子データが得られたが、X線フィルムによって撮像されてもよい。

0080

以上、この実施形態のX線撮像装置は、次のように把握することができる。即ち、X線撮像装置は、X線を放射するX線源と、前記X線源から放射されたX線が照射されるタルボ干渉計またはタルボ・ロー干渉計と、前記タルボ干渉計またはタルボ・ロー干渉計によるX線の像を撮像するX線撮像素子とを備え、前記タルボ干渉計またはタルボ・ロー干渉計は、上述の高アスペクト比構造物の製造方法によって製造されたX線用金属格子を含むことを特徴とするものである。

0081

このようなX線撮像装置は、タルボ干渉計またはタルボ・ロー干渉計を構成するX線用金属格子に、より性能の高い上述の金属格子を用いるので、より鮮明なX線の像を得ることができる。

0082

本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。

0083

1aX線用金属格子(高アスペクト比構造物)
11a格子
13a金属基板(基板)
16リン酸液
100A X線用タルボ干渉計
100B X線用タルボ・ロー干渉計
103、202 第2回折格子
104マルチスリット板
133レジスト層
134 凹部
135X線吸収材料
141 第1領域
142 第2領域
200 X線撮像装置

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