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技術 粉末冶金用粉末の評価方法

出願人 NTN株式会社
発明者 八代尚樹大平晃也
出願日 2017年10月12日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2017-198272
公開日 2019年5月16日 (3ヶ月経過) 公開番号 2019-074321
状態 未査定
技術分野 機械的応力負荷による材料の強さの調査
主要キーワード 流動性指標 受入れ検査 垂直応力σ 概略円板 断面円弧 鉄系焼結金属 固定セル 選定作業
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年5月16日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (14)

課題

粉末冶金用粉末流動性摩擦特性を詳細に評価する。

解決手段

リング型せん断一面せん断試験により粉末冶金用粉末の単軸崩壊応力σc、内部摩擦角δi、および壁面摩擦角δwを測定する。この測定値に基づいて、当該粉末の流動性や摩擦特性を評価する。

概要

背景

粉末冶金に用いる粉末粉末特性を評価する方法として、JISには、(1)金属粉流動性試験方法(JIS Z2502:2012)、(2)金属粉の見掛密度試験方法(JIS Z2504:2012)、および(3)金属粉のタップ密度測定方法(JIS Z2512:2012)がそれぞれ規定されている。

このうち、上記(1)は、所定寸法の漏斗に供給した粉末が流れ落ちる時間から金属粉の流動性を評価するものである。金属粉の流動性が低いと、焼結前に圧粉体成形する際の成形用金型への充填速度を低下させるため、圧粉体の生産速度を低下させてしまう問題がある(特許文献1)。このような事情から、粉末冶金の分野において、原料粉末の流動性は、圧粉体を成形する際の成形性や金型充填性等を判断する上で重要な指標となっている。

概要

粉末冶金用粉末の流動性、摩擦特性を詳細に評価する。リング型せん断一面せん断試験により粉末冶金用粉末の単軸崩壊応力σc、内部摩擦角δi、および壁面摩擦角δwを測定する。この測定値に基づいて、当該粉末の流動性や摩擦特性を評価する。

目的

本発明が解決すべき課題は、粉末冶金に用いる粉末の特性評価方法多様化することにある

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

一面せん断試験により粉末冶金用粉末の特性を評価することを特徴とする粉末冶金用粉末の評価方法

請求項2

前記一面せん断試験により前記粉末流動性および摩擦特性を測定する請求項1に記載の粉末冶金用粉末の評価方法。

請求項3

前記流動性の指標として、単軸崩壊応力値を使用する請求項2に記載の粉末冶金用粉末の評価方法。

請求項4

前記摩擦特性の指標として、内部摩擦角および壁面摩擦角を使用する請求項2に記載の粉末冶金用粉末の評価方法。

技術分野

0001

本発明は、粉末冶金用粉末評価方法に関する。

背景技術

0002

粉末冶金に用いる粉末粉末特性を評価する方法として、JISには、(1)金属粉流動性試験方法(JIS Z2502:2012)、(2)金属粉の見掛密度試験方法(JIS Z2504:2012)、および(3)金属粉のタップ密度測定方法(JIS Z2512:2012)がそれぞれ規定されている。

0003

このうち、上記(1)は、所定寸法の漏斗に供給した粉末が流れ落ちる時間から金属粉の流動性を評価するものである。金属粉の流動性が低いと、焼結前に圧粉体成形する際の成形用金型への充填速度を低下させるため、圧粉体の生産速度を低下させてしまう問題がある(特許文献1)。このような事情から、粉末冶金の分野において、原料粉末の流動性は、圧粉体を成形する際の成形性や金型充填性等を判断する上で重要な指標となっている。

先行技術

0004

特開2007−2340号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、上記の試験方法による流動性の評価は、漏斗からの粉体自由落下に依拠しているため、例えば付着力の大きな粒子等を測定する際には、漏斗の出口オリフィス)で粉体が詰まり測定不可となるケースがある。そのような測定不可の粉末であっても、金型充填性や成形性に何ら支障がなく、圧粉体の成形が問題なく行える場合は多々ある。このように粉末冶金で用いる粉末に際し、JISに規定の流動性試験だけでは十分に粉末の評価を行うことができない。

0006

近年では、溶製鋼部品鉄系焼結金属部品への置き換えニーズが高まっている。この置き換えのためには、金属部品機械的特性向上のため、焼結体に含まれる空孔率空孔径を極力低減することが望まれる。これらを実現するためには、圧粉体の成形工程完了段階で、圧粉体を十分に緻密化しておくことが有効となるが、原料粉末の流動性のデータだけでは、そのような緻密化を達成できるか否かも予測することができない。

0007

以上のような事情から、本発明が解決すべき課題は、粉末冶金に用いる粉末の特性評価方法多様化することにある。

課題を解決するための手段

0008

前記課題を解決するためになされた本発明は、一面せん断試験により粉末冶金用粉末の特性を評価することを特徴とするものである。

0009

一面せん断試験によれば、重力のみが作用した状態だけでなく、垂直応力が作用した状態でも粉末の特性を評価することができる。従って、粉末冶金に用いる粉末の特性評価方法を多様化し、金型内での実際の挙動に則した粉体特性を測定することが可能となる。

0010

前記一面せん断試験により前記粉末の流動性および摩擦特性を測定するのが好ましい。測定結果から、粉末冶金用粉末の流動性、摩擦特性を詳細に評価することができる。

0011

この場合、流動性の指標として単軸崩壊応力値を使用するのが好ましい。また、摩擦特性の指標として、内部摩擦角および壁面摩擦角を使用するのが好ましい。

発明の効果

0012

以上のように、本発明によれば、粉末冶金に用いる粉末の特性評価方法を多様化することができる。また、圧粉体成形時等における実際の粉末挙動に準じた粉末評価を行うことが可能となる。

図面の簡単な説明

0013

本発明の実施形態に係るリング型せん断試験機の断面図(図2のA−A線断面図)である。
リング型せん断試験機の上部セルの下面図である。
(a)図は、単純崩壊応力および内部摩擦角の求め方を説明する図であり、(b)図は壁面摩擦角の求め方を説明する図である。
並行平板型せん断試験機の断面図である。
垂直応力と単軸崩壊応力の測定結果を示すグラフである。
比較例における流動性とかさ密度の測定結果を示す表である。
実施例における垂直応力と単軸崩壊応力の測定結果を示すグラフである。
実施例における垂直応力と内部摩擦角の測定結果を示すグラフである。
実施例における垂直応力と壁面摩擦角の測定結果を示すグラフである。
比較例における流動性とかさ密度の測定結果を示す表である。
実施例における垂直応力と単軸崩壊応力の測定結果を示すグラフである。
実施例における垂直応力と内部摩擦角の測定結果を示すグラフである。
実施例における垂直応力と壁面摩擦角の測定結果を示すグラフである。

0014

以下、本発明に係る粉末冶金用粉末の評価方法の実施形態を図1〜13に基づいて説明する。

0015

本実施形態における粉末冶金用粉末には、基材金属粉(鉄粉銅粉等)の他、粉体特性、圧粉体特性、および焼結体特性の何れかを改善するための各種添加剤の粉末、例えば炭素固溶源としての黒鉛粉摺動性改善剤としての固体潤滑剤(黒鉛粉、MoS2粉等)、成形性改善剤としての固体潤滑剤(ステアリン酸亜鉛粉等)、被削性改善剤(MnS粉)等が含まれる。また、基材金属粉に微量に添加される金属粉(Ni,Mo,Cu,Cr,Mn,Sn等)も粉末冶金用粉末に含まれる。これらの添加金属粉は、単独粉として使用する他、他の金属粉の表面にメッキし、あるいは他の金属粉と合金化させて使用してもよい。合金化の手法は特に問わず、完全合金化(プレアロイ)、拡散合金化、単純混合(焼結時に合金化)等を採用することができる。また、基材金属粉の製法は特に限定されず、還元法、水アトマイズ法ガスアトマイズ法カルボニル法スタンプ法等で製造される各種粉末が使用可能である。基材金属粉として複数種類の金属粉や合金粉を使用することもできる。

0016

粉末冶金においては、これらの粉末(原料粉末)をV型混合器等の混合器で混合し、混合した粉末を成形型に供給して圧粉体を圧縮成形した後、焼結が行われる。焼結後の焼結体に、必要に応じてサイジング熱処理機械加工等の後処理を行うことにより、歯車コンロッド軸受等の各種焼結部品製作される。

0017

本実施形態における上記粉末冶金用粉末の特性評価は、一面せん断試験と呼ばれる手法によって行われる。この一面せん断試験は、粉体層垂直方向加圧した状態で、水平方向に横滑りさせたときに生じるせん断応力を測定するものであり、試験方法の詳細はJIS−Z8835に規定されている。この一面せん断試験は、土砂の特性評価のため、主に土質工学の分野で活用されている試験方法であるが、本実施形態は、この試験を粉末冶金用粉末の粉末特性の評価に転用するものであり、その際の試験手順は基本的に上記のJIS規定に準じる。

0018

本実施形態での一面せん断試験では、試験機として、図1に示すリング型せん断試験機1が使用される。リング型せん断試験機1は、回転側となる下部セル2(可動セル)と、静止側となる上部セル3(固定セル)とを主要な構成要素とする。

0019

下部セル2は、モータ4および減速機5により回転駆動される。下部セル2の回転トルクは、図示しないトルクメータによって測定される。下部セル2の上面には、それぞれ円筒状をなす外壁2aおよび内壁2bが設けられており、外壁2aの内周面と内壁2bの外周面の間に試験対象の粉末を収容する収容部Sが形成されている。下部セル2の中心には上方へ突出する軸部2cが設けられており、下部セル2は、モータ4および減速機5に駆動されて、回転軸Oを中心として一定方向に回転する。

0020

上部セル3は、穴あきの概略円板状に形成され、中心部の穴が下部セル2の軸部2cに相対回転可能に嵌合されている。上部セル3の下面には、下方に突出する突出部3aが設けられる。突出部3aは、回転軸Oを中心とする円環状をなし、下部セル2の外壁2aの内周面および内壁2bの外周面に対し、相対回転を許容する嵌め合いで嵌合している。突出部3aの下端部は、収容部S内に入り込んでいる。

0021

上部セル3としては、突出部3aの下面に凹凸部を形成した凹凸タイプと、突出部3aの下面を平坦面状に形成したフラットタイプの二種類が準備される。図1は凹凸タイプの上部セル3を示しており、フラットタイプの図示は省略されている。凹凸タイプとフラットタイプは、突出部3aの下面の形状のみが異なり、それ以外の形状や構造は基本的に共通する。

0022

凹凸タイプの上部セル3では、突出部3aの下面に、その外径端と内径端の間の中間部を最も深くした断面円弧状の環状凹部6が形成されている。この環状凹部6の円周方向複数箇所に、半径方向に延びるブレード7が放射状に取り付けられている。環状凹部6とブレード7により、突出部3aの下面に円周方向の凹凸が形成される。

0023

このリング型せん断試験機による試験は、収容部Sに測定対象の粉末を規定量充填して粉体層8を形成した後、凹凸タイプの上部セル3を下部セル2上にセットし、上部セル3に所定の垂直荷重Wを与えながらモータ4を駆動することで行われる。垂直荷重Wにより上部セル3のブレード7が粉体層8に食い込むため、粉体層8にせん断面が形成される。下部セル2を一定の回転速度で回転させ、所定の角度だけ回転した時点(例えば15°程度)で試験を終了し、その時の垂直荷重Wから垂直応力σを算出すると共に、その時のトルクメータの測定値から、せん断応力τを算出する。以上の試験を、異なる垂直荷重Wで複数回行い、図3(a)に示すように、各回の垂直応力σとせん断応力τを垂直応力σ−せん断応力τ図にプロットする。

0024

プロットした点を結ぶ近似直線限界状態線CSLを表し、この限界状態線CSLの垂直応力軸に対する傾斜角δiが内部摩擦角を表す。また、原点を通り、かつ限界状態線CSLに接する円(モール円)と垂直応力軸とが交わる点が単軸崩壊応力σcを表す。さらに、上部セル3をフラットタイプに交換して同様の測定を行い、各回の垂直応力σとせん断応力τを垂直応力σ−せん断応力τ図(図3(b)参照)にプロットした時、各プロット点を結ぶ近似直線が壁面崩壊線WYLであり、壁面崩壊線WYLの垂直応力軸に対する傾斜角δwが壁面摩擦角を表す。

0025

単軸崩壊応力σcは、各垂直応力で押し固めて成形した粉体層(円柱)を押し崩して流動させるのに必要な応力値であり、数値が小さいほど流動し易い粉であることを意味する。従って、単軸崩壊応力σcの値を粉体の流動性指標として用いることができる。単軸崩壊応力が小さい粉末を使用することによる効果の一例として、金型への原料粉の供給時間が短くなって生産効率が高まること、を挙げることができる。

0026

内部摩擦角δi(有効内部摩擦角)は、せん断力の作用下で粒子間に作用する摩擦抵抗を表す。従って、内部摩擦角δiは粒子間の摩擦指標として使用することができる。内部摩擦角δiが小さい粉末を使用することによる効果の一例として、金型内の微小空間にも粒子が流れ込みやすくなるため、圧粉体の密度を高めることができ、かつ焼結後の粗大空孔の発生を防止できること、を挙げることができる。

0027

壁面摩擦角δw(有効壁面摩擦角)は、せん断力の作用下で粒子と金型成形面の間に作用する摩擦抵抗を表す。従って、壁面摩擦角δwは、粒子-金型間の摩擦指標として使用することができる。壁面摩擦角δwが小さい粉末を使用することによる効果の一例として、金型と粒子との間の摩擦が小さくなるため、加圧力を効率よく成形圧力に変換することができ、そのため金型の摩耗を抑えつつ、高密度の圧粉体、さらには粗大空孔の少ない焼結体が得られること、を挙げることができる。

0028

以上の説明では、一面せん断試験に際して、リング型せん断試験機を使用する場合を例示したが、当該試験に際して、図4に示す平行平板型せん断試験機10を使用することもできる。この試験機は、平板上の固定セル30の上に薄い粉体層8を形成し、その上に可動セル20を載せ、可動セル20に垂直荷重Wを加えながら可動セル20に水平力を与えて粉体層8にせん断力を与えるものである。各指標σc、δi、δwの測定手順は、リング型せん断試験機1で説明した手順と共通する。拡大図に示すように、可動セル20の下面と固定セル30の上面とにはそれぞれノッチ20a,30aが形成されている(凹凸タイプ)。壁面摩擦角の測定用として、下面を平坦面状にしたフラットタイプの可動セル20も使用される。

0029

以下、同種の粉末について、JISに規定の試験方法(以下では「JIS法」と呼ぶ)による測定結果と本実施形態の試験方法による測定結果とを対比して説明する。

0030

(1)JIS法で評価できない粉末の検証
[比較例1]
Fe−Ni−Mo−Cu系合金粉に対して、黒鉛粉およびワックス系固体潤滑剤をバインダー糊付けした偏析防止処理粉の流動性をJIS法で評価した。なお、試験は、JIS Z 2502:2012の規定内容に則り3回実施した。
JISでは、「オリフィスを開けても粉末が流れ出さない場合には、流れ出すよう漏斗を軽く1回たたいてもよい。これでも流れ出さない場合、また、試験中に流れが止まった場合は、この規格による流動度はなしとみなす。」と記載されている。当該粉末は漏斗を1回たたいても流れ出さないばかりか、漏斗を平均約50回たたいて全ての粉末を漏斗から流出完了させることができた。以上より、本粉末は、JIS法によれば「流動度無し」と言うことができる。

0031

[実施例1]
比較例1と同じ偏析防止処理粉の流動性を、図1に記載のリング型せん断試験機で評価した。なお、評価は2回行い、より流動性が悪い側のデータを採用した。
結果を図5に示す。横軸は上部セル3を粉体層に押し付ける垂直応力σ、縦軸は各垂直応力下における流動性指標(単軸崩壊応力)である。単軸崩壊応力の数値が小さいほど、つまりグラフ下側ほど、流動しやすい粉であることを意味する。図5に示す通り、JIS法では「流動度無し」と結論付けられた粉末についても、本実施形態の試験方法によれば、いずれの垂直応力下においても有限の単軸崩壊応力値を示しており、流動性を有することが理解できる。これにより、流動性の定量化が可能となる。なお、グラフ左側(低垂直応力側)は漏斗による自重落下に近い条件、グラフ右側(高垂直応力側)は荷重の掛かった金型内に近い条件であり、従って、垂直応力の大小に応じて粉の流動性が異なることも理解できる。

0032

(2)添加剤有無の影響調査
[比較例2]
Fe−Ni−Mo系合金鋼粉(サンプルA)と、当該合金鋼粉、黒鉛粉、およびワックス系固体潤滑剤をV型混合機で単純混合した混合粉(サンプルB)との2種類を用意した。それぞれの粉体のかさ密度と流動性をJISに規定の方法で評価した。なお、かさ密度はJIS Z 2504:2012に則り、流動性はJIS Z 2502:2012に則り、各3回測定の平均値を採用した。
結果を図6に示す。JIS法の評価結果から、添加剤有の方が流動性は悪化し、かさ密度は向上(高密度化)することが分かる。しかし、添加剤、特に潤滑剤は、圧粉成形時の粒子間および粒子−金型間摩擦を改善するためのものである。従って、本試験結果は実際を反映していない。

0033

[実施例2]
比較例2と同じ2種類の粉末の流動性および摩擦特性を、図1に記載のリング型せん断試験機で評価した。なお、評価は2回行い、より流動性および摩擦特性が悪い側のデータを採用した。
結果を図7図9にそれぞれ示す。本実施形態の試験方法で得られた流動性指標に着目すると、JIS法での自重落下に近い低垂直応力下では、添加剤無の方が単軸崩壊応力は低く(流動性良好)、金型内で軽く圧縮された状況に近い高垂直応力下では、添加剤有の方が単軸崩壊応力は低かった。つまり、金型内での流動性および摩擦特性を改善する目的で適用される添加剤の効果を反映した、実際に近い結果が得られた。なお、JIS法では評価できない粒子間摩擦指標(内部摩擦角)および粒子−金型間摩擦指標(壁面摩擦角)は、垂直応力値によらず全範囲で添加剤有の方が低摩擦であり、これらの結果も実際を反映した内容である。

0034

(3)銘柄の異なる偏析防止処理粉の調査
[比較例3]
Fe−Ni−Mo系合金鋼粉に対して黒鉛粉、およびワックス系固体潤滑剤をバインダーで糊付けすることにより、偏析防止処理した3種類の異なる銘柄の粉末(サンプルC〜E)を用意し、比較例2と同じ方法で評価した。
結果を図10に示す。JIS法の評価結果を比較すると、偏析防止処理粉C〜Eの中では流動性、かさ密度ともにサンプルDが最も良好であると言える。

0035

[実施例3]
比較例3と同じ3種類の粉末を実施例2と同じ方法で評価した。
結果を図11〜13にそれぞれ示す。本手法で評価した、垂直応力が掛かった金型内に近い条件下での流動性指標(単軸崩壊応力)に着目すると、サンプルDは全応力範囲で高い値を示し、最も低いサンプルEに比べて3倍近い水準であった。しかし、流動性指標の結果は粒子間摩擦指標や粒子-金型間摩擦指標と明確な相関はなく、序列は一致していなかった。実施例2のように流動性指標と摩擦指標が一致しなかったのは、偏析防止処理により合金鋼粉に付着していた微小添加剤加圧条件下で脱離したことが原因と考えられる。潤滑性を有する微小な添加剤が脱離し、系全体に分散することで低摩擦化する一方、微小粉が増えたことにより粒子の接触点数が増大し、流動性が悪化したと考える。
しかし、総じてJIS法では評価できない粉末も評価できる点や、各粉末が有する諸特性が詳細に評価、差別化できる点などから、本手法は非常に有用と言える。

0036

このように、本実施形態で説明した一面せん断試験を採用することにより、JIS法では流動せず(自重落下せず)に評価できない粉末についても流動性を評価することが可能となる。

0037

また、自重落下のみではなく、垂直応力を掛けた状態でも評価できるため、金型内の挙動(特に圧粉成形初期再配列挙動)に即した粉体特性を得ることができる。つまり、JIS法に近い条件と、金型内に近い条件での粉末評価を1回の測定で行うことができる。そのため、実際の圧粉成形などの実挙動に即したデータが得られ、粉末冶金用粉末を定量的に評価することが可能となる。

実施例

0038

また、粉体特性の詳細な評価により、使用する粉末の選定に際しては、どういった粉体特性を向上させるべきか、どういった粉体特性を有するべきか、等の指針が得られるため、粉末の選定作業を容易化することができる。さらに、量産開始後も、受入れ検査などに適用すれば、ロット間で粉体特性がどう変わったか(変わっていないか)を知ることができ、品質の安定化を図ることができる。

0039

1リング型せん断試験機
2 下部セル(可動セル)
3 上部セル(固定セル)
σc単軸崩壊応力
δi内部摩擦角
δw 壁面摩擦角

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