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技術 試料分析方法及び試料分析装置

出願人 パナソニック株式会社
発明者 山本健樹永冨謙司祖父江靖之
出願日 2016年3月11日 (3年6ヶ月経過) 出願番号 2016-048782
公開日 2019年5月16日 (4ヶ月経過) 公開番号 2019-074317
状態 未査定
技術分野 自動分析、そのための試料等の取扱い サンプリング、試料調製
主要キーワード 気泡抜き 検出プレート 最外周領域 反射光検出器 読み取り面側 各赤血球 試料展開 アナモレンズ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

光ピックアップを応用した分析において、試料分析精度を高めるための技術を提供する。

解決手段

検出プレート10を回転駆動部30に配置する前又は配置したのち、複数のターゲットを含む試料を検出プレート10に注入する。検出プレート10の検出部に試料を展開させて検出部の内面に複数のターゲットを吸着させる。検出部に試料を展開させたのち、検出部に存在する複数のターゲットに遠心力が作用するように、回転駆動部30を制御して検出プレート10を回転させる。所定時間にわたって検出プレート10を回転させたのち、光ピックアップ50で検出部を走査して検出部に吸着した複数のターゲットを検出する。

概要

背景

特許文献1に記載されているように、試料に含まれたターゲット(例えば、試料の特定の成分)を検出及び分析するための装置として、光ピックアップを応用した装置が知られている。

図9A及び図9Bに示すように、特許文献1に記載された装置において、CD(Compact Disc)又はDVD(Digital Versatile Disc)と同じ直径を有する円盤形状の試料分析用ディスク100が使用される。試料分析用ディスク100は、注入孔101、流路102及び検出領域104の組を複数備えている。複数の流路102及び複数の検出領域104は、放射状に設けられている。ビーズ充填部103には、標識用ビーズ110が規定量充填されている。試料分析用ディスク100の読み取り面側には、保護層106が設けられている。検出領域104の上方に溝(又はピット列)が螺旋状に形成されている。

試料分析用ディスク100を回転させると、注入孔101に注入された試料に遠心力が加わる。試料は、流路102を流れて検出領域104に達し、検出領域104において均等に拡がる。ビーズ充填部103において試料と反応した標識用ビーズ110は、遠心力によって流れ、検出領域104に達する。対物レンズ113によって集光された光が検出領域104に照射される。これにより、検出領域104に存在する標識用ビーズ110を検出することができる。

概要

光ピックアップを応用した分析において、試料の分析精度を高めるための技術を提供する。検出プレート10を回転駆動部30に配置する前又は配置したのち、複数のターゲットを含む試料を検出プレート10に注入する。検出プレート10の検出部に試料を展開させて検出部の内面に複数のターゲットを吸着させる。検出部に試料を展開させたのち、検出部に存在する複数のターゲットに遠心力が作用するように、回転駆動部30を制御して検出プレート10を回転させる。所定時間にわたって検出プレート10を回転させたのち、光ピックアップ50で検出部を走査して検出部に吸着した複数のターゲットを検出する。

目的

本開示の目的は、光ピックアップを応用した分析において、試料の分析精度を高めるための技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

円盤形状の検出プレート光ピックアップ回転駆動部に配置することと、前記検出プレートを前記回転駆動部に配置する前又は配置したのち、複数のターゲットを含む試料を前記検出プレートに注入することと、前記検出プレートの検出部に前記試料を展開させて前記検出部の内面に前記複数のターゲットを吸着させることと、前記検出部に前記試料を展開させたのち、前記検出部に存在する前記複数のターゲットに遠心力が作用するように、前記回転駆動部を制御して前記検出プレートを回転させることと、所定時間にわたって前記検出プレートを回転させたのち、前記光ピックアップで前記検出部を走査して前記検出部に吸着した前記複数のターゲットを検出することと、を含む、試料分析方法

請求項2

前記検出部に前記試料を展開させたのち、第1の回転数で前記検出プレートを回転させ、前記第1の回転数で前記所定時間にわたって前記検出プレートを回転させたのち、前記第1の回転数よりも低い第2の回転数で前記検出プレートを回転させながら前記光ピックアップで前記検出部を走査する、請求項1に記載の試料分析方法。

請求項3

前記検出プレートを実質的に静置させることによって、前記検出部の前記内面に前記複数のターゲットを吸着させる、請求項1又は2に記載の試料分析方法。

請求項4

前記複数のターゲットに含まれた特定のターゲットを標識化するための色素が前記試料に予め含まれている、又は、前記検出プレートに前記試料が注入される前に前記検出部に前記色素が予め配置されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の試料分析方法。

請求項5

前記検出プレートを前記回転駆動部に配置したのち、前記回転駆動部を制御して前記検出プレートを所定の回転数で回転させることによって前記試料を前記検出部に展開させる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の試料分析方法。

請求項6

前記検出プレートは、前記試料の注入口と、前記注入口と前記検出部との間の流路と、前記流路に配置されたフィルタと、を有し、前記検出プレートを前記回転駆動部に配置したのち、前記注入口から前記検出プレートに前記試料を注入し、前記検出プレートを所定の回転数で回転させる、又は、前記注入口から前記試料が注入された前記検出プレートを前記回転駆動部に配置したのち、前記検出プレートを所定の回転数で回転させる、請求項5に記載の試料分析方法。

請求項7

前記検出プレートの前記検出部の前記内面は、前記検出部の前記内面と前記ターゲットとの間の親和性を向上させる被膜で覆われている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の試料分析方法。

請求項8

前記ターゲットの平均径は、前記検出部を走査するために前記検出プレートに形成された溝又はピットの幅よりも大きい、請求項1〜7のいずれか1項に記載の試料分析方法。

請求項9

前記試料は、血液を含む液体試料であり、前記ターゲットが赤血球である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の試料分析方法。

請求項10

複数のターゲットを含む試料が注入されるべき円盤形状の検出プレートと、前記検出プレートを回転させるための回転駆動部、及び、前記検出プレートの検出部に存在する前記ターゲットを検出するための光を出力可能光源を有する光ピックアップと、前記光ピックアップの前記回転駆動部及び前記光源を制御する制御ユニットと、を備え、前記制御ユニットは、前記回転駆動部及び前記光源を制御することによって、(i)前記検出部に存在する前記複数のターゲットに遠心力が作用するように前記検出プレートを所定の回転数で回転させる工程と、(ii)前記所定の回転数で前記検出プレートを所定時間にわたって回転させたのち、前記検出部を走査して前記検出部に吸着した前記複数のターゲットを検出する工程とを実行する、試料分析装置

請求項11

前記所定の回転数が第1の回転数であり、前記制御ユニットは、前記第1の回転数で前記検出プレートを所定時間にわたって回転させたのち、前記第1の回転数よりも低い第2の回転数で前記検出プレートを回転させながら前記検出部を走査する、請求項10に記載の試料分析装置。

請求項12

前記制御ユニットは、前記検出プレートを前記第1の回転数で回転させる前において、前記検出プレートを所定の回転数で回転させることによって前記検出プレートの前記検出部に前記試料を展開させる工程をさらに実行する、請求項11に記載の試料分析装置。

請求項13

前記制御ユニットは、前記検出部に前記試料を展開させたのち、前記検出プレートを実質的に静置させることによって前記検出部の内面に前記複数のターゲットを吸着させる工程をさらに実行する、請求項10〜12のいずれか1項に記載の試料分析装置。

技術分野

0001

本開示は、試料分析方法及び試料分析装置に関する。

背景技術

0002

特許文献1に記載されているように、試料に含まれたターゲット(例えば、試料の特定の成分)を検出及び分析するための装置として、光ピックアップを応用した装置が知られている。

0003

図9A及び図9Bに示すように、特許文献1に記載された装置において、CD(Compact Disc)又はDVD(Digital Versatile Disc)と同じ直径を有する円盤形状の試料分析用ディスク100が使用される。試料分析用ディスク100は、注入孔101、流路102及び検出領域104の組を複数備えている。複数の流路102及び複数の検出領域104は、放射状に設けられている。ビーズ充填部103には、標識用ビーズ110が規定量充填されている。試料分析用ディスク100の読み取り面側には、保護層106が設けられている。検出領域104の上方に溝(又はピット列)が螺旋状に形成されている。

0004

試料分析用ディスク100を回転させると、注入孔101に注入された試料に遠心力が加わる。試料は、流路102を流れて検出領域104に達し、検出領域104において均等に拡がる。ビーズ充填部103において試料と反応した標識用ビーズ110は、遠心力によって流れ、検出領域104に達する。対物レンズ113によって集光された光が検出領域104に照射される。これにより、検出領域104に存在する標識用ビーズ110を検出することができる。

先行技術

0005

特開2013−64722号公報
国際公開第2012/137506号
国際公開第2013/146365号

発明が解決しようとする課題

0006

しかし、特許文献1に記載された装置によれば、試料の分析中において、試料分析用ディスク100の回転に起因する遠心力によって、標識用ビーズ110などのターゲットが動くことがある。この場合、ターゲットの正確な情報を得ることが難しく、試料の分析精度も低下する。

0007

本開示の目的は、光ピックアップを応用した分析において、試料の分析精度を高めるための技術を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

すなわち、本開示は、
円盤形状の検出プレートを光ピックアップの回転駆動部に配置することと、
前記検出プレートを前記回転駆動部に配置する前又は配置したのち、複数のターゲットを含む試料を前記検出プレートに注入することと、
前記検出プレートの検出部に前記試料を展開させて前記検出部の内面に前記複数のターゲットを吸着させることと、
前記検出部に前記試料を展開させたのち、前記検出部に存在する前記複数のターゲットに遠心力が作用するように、前記回転駆動部を制御して前記検出プレートを回転させることと、
所定時間にわたって前記検出プレートを回転させたのち、前記光ピックアップで前記検出部を走査して前記検出部に吸着した前記複数のターゲットを検出することと、
を含む、試料分析方法を提供する。

発明の効果

0009

本開示の技術によれば、試料に含まれたターゲットの正確な情報を取得できるので、試料の分析精度を高めることができる。

図面の簡単な説明

0010

図1は、本開示の一実施形態にかかる試料分析装置の構成図である。
図2は、図1に示す試料分析装置の検出プレートの平面図である。
図3は、図2に示す検出プレートのIII-III線に沿った部分断面図である。
図4は、ターゲット(赤血球)の検出方法を説明する図である。
図5は、ターゲットの検出原理を説明する図である。
図6は、実施形態にかかる試料の分析方法の工程図である。
図7は、静置工程によって得られる効果を示す図である。
図8は、除去工程によって得られる効果を示す図である。
図9Aは、従来の試料分析用ディスクの平面図である。
図9Bは、図9Aに示す試料分析用ディスクの部分断面図である。
図10は、従来の分析方法の問題点を説明する図である。

実施例

0011

(本開示の基礎となった知見)
図9A及び図9Bを参照して説明した従来の方法によれば、各検出領域の全体を光ピックアップで走査し、検出領域の全体の画像を得ることができる。画像には、検出領域に存在するターゲットに関する情報が含まれる。例えば、光ピックアップの走査の幅が十分に狭いとき、つまり、ターゲットの大きさが試料分析用ディスクの溝の幅(又はピットの幅)よりも十分に大きいとき、得られた画像にはターゲットの像が鮮明に映る。

0012

一方、検出領域の全体を走査するためには、試料分析用ディスクを回転させる必要があり、ターゲットには遠心力が加わり続ける。そのため、図10に示すように、検出領域を走査している最中にターゲットが移動することがある。その結果、得られた画像にターゲットの像が半分だけ映ったり、同じターゲットが2度検出されたりする。複数のターゲットが一時的に塊を形成していることもあり、その塊に遠心力が加わることによって、塊が徐々に崩れることもある。

0013

上記の事情に鑑み、本開示の第1態様にかかる試料分析方法は、
円盤形状の検出プレートを光ピックアップの回転駆動部に配置することと、
前記検出プレートを前記回転駆動部に配置する前又は配置したのち、複数のターゲットを含む試料を前記検出プレートに注入することと、
前記検出プレートの検出部に前記試料を展開させて前記検出部の内面に前記複数のターゲットを吸着させることと、
前記検出部に前記試料を展開させたのち、前記検出部に存在する前記複数のターゲットに遠心力が作用するように、前記回転駆動部を制御して前記検出プレートを回転させることと、
所定時間にわたって前記検出プレートを回転させたのち、前記光ピックアップで前記検出部を走査して前記検出部に吸着した前記複数のターゲットを検出することと、
を含むものである。

0014

第1態様の方法によれば、検出部に試料を展開させたのち、回転駆動部を制御して検出プレートを回転させる。その後、ターゲットの検出を行う。このようにすれば、検出部を走査する前の段階において、検出部の内面への吸着力が弱いターゲット及び浮遊しているターゲットを検出部の最外周領域強制的に移動させることができる。したがって、検出部の走査中にターゲットが移動することを防止できる。あるいは、検出部の走査中に移動するターゲットの数を大幅に減らすことができる。その結果、試料に含まれたターゲットの正確な情報を取得でき、ひいては試料の分析精度を高めることができる。

0015

本開示の第2態様の方法では、例えば、第1態様にかかる方法において、前記検出部に前記試料を展開させたのち、第1の回転数で前記検出プレートを回転させ、前記第1の回転数で前記所定時間にわたって前記検出プレートを回転させたのち、前記第1の回転数よりも低い第2の回転数で前記検出プレートを回転させながら前記光ピックアップで前記検出部を走査する。第2態様によれば、第1態様における効果をより十分に得ることができる。

0016

本開示の第3態様の方法では、例えば、第1又は第2態様にかかる方法において、前記検出プレートを実質的に静置させることによって、前記検出部の前記内面に前記複数のターゲットを吸着させる。検出プレートを実質的に静置させると、ターゲットが自重によって沈降し、検出部の内面に吸着する。浮遊状態のターゲットを予め十分に減らすことによって、検出部の走査中にターゲットが移動することを防止できる。

0017

本開示の第4態様の方法では、例えば、第1〜第3態様のいずれか1つにかかる方法において、前記複数のターゲットに含まれた特定のターゲットを標識化するための色素が前記試料に予め含まれている、又は、前記検出プレートに前記試料が注入される前に前記検出部に前記色素が予め配置されている。第4態様によれば、色素が試料の中で十分に撹拌される。

0018

本開示の第5態様の方法では、例えば、第1〜第4態様のいずれか1つにかかる方法において、前記検出プレートを前記回転駆動部に配置したのち、前記回転駆動部を制御して前記検出プレートを所定の回転数で回転させることによって前記試料を前記検出部に展開させる。第5態様によれば、試料に含まれたターゲットが検出部に均一に展開する。このことは、試料の分析の精度の向上に寄与する。

0019

本開示の第6態様の方法では、例えば、第5態様にかかる方法において、前記検出プレートは、前記試料の注入口と、前記注入口と前記検出部との間の流路と、前記流路に配置されたフィルタと、を有し、前記検出プレートを前記回転駆動部に配置したのち、前記注入口から前記検出プレートに前記試料を注入し、前記検出プレートを所定の回転数で回転させる、又は、前記注入口から前記試料が注入された前記検出プレートを前記回転駆動部に配置したのち、前記検出プレートを所定の回転数で回転させる。第6態様によれば、フィルタによって検出部に気泡が入ることを防止できる。そして、フィルタが設けられている場合においても、検出プレートを回転させることによって、検出部に試料をスムーズかつ均一に展開させることができる。

0020

本開示の第7態様の方法では、例えば、第1〜第6態様のいずれか1つにかかる方法において、前記検出プレートの前記検出部の前記内面は、前記検出部の前記内面と前記ターゲットとの間の親和性を向上させる被膜で覆われている。検出部の内面とターゲットとの間の親和性が高い場合、ターゲットを検出部にしっかりと吸着させることができる。

0021

本開示の第8態様にかかる試料分析方法は、例えば、第1〜第7態様のいずれか1つにかかる試料分析方法において、前記ターゲットの平均径は、前記検出部を走査するために前記検出プレートに形成された溝又はピットの幅よりも大きい。第8態様によれば、得られた画像から個々のターゲットの大きさを概算することが可能である。

0022

本開示の第9態様の方法では、例えば、第1〜第8態様のいずれか1つにかかる方法において、前記試料は、血液を含む液体試料であり、前記ターゲットが赤血球である。第9態様によれば、赤血球の状態を調べることができる。例えば、赤血球の平均径、各赤血球におけるヘモグロビン濃度病原体の有無などを調べることができる。

0023

本開示の第10態様にかかる試料分析装置は、
複数のターゲットを含む試料が注入されるべき円盤形状の検出プレートと、
前記検出プレートを回転させるための回転駆動部、及び、前記検出プレートの検出部に存在する前記ターゲットを検出するための光を出力可能光源を有する光ピックアップと、
前記光ピックアップの前記回転駆動部及び前記光源を制御する制御ユニットと、
を備え、
前記制御ユニットは、前記回転駆動部及び前記光源を制御することによって、(i)前記検出部に存在する前記複数のターゲットに遠心力が作用するように前記検出プレートを所定の回転数で回転させる工程と、(ii)前記所定の回転数で前記検出プレートを所定時間にわたって回転させたのち、前記検出部を走査して前記検出部に吸着した前記複数のターゲットを検出する工程とを実行するものである。

0024

第10態様によれば、第1態様と同じ効果が得られる。

0025

本開示の第11態様において、例えば、第10態様にかかる試料分析装置での前記所定の回転数が第1の回転数であり、前記制御ユニットは、前記第1の回転数で前記検出プレートを所定時間にわたって回転させたのち、前記第1の回転数よりも低い第2の回転数で前記検出プレートを回転させながら前記検出部を走査する。第11態様によれば、第10態様における効果をより十分に得ることができる。

0026

本開示の第12態様において、例えば、第11態様にかかる試料分析装置の前記制御ユニットは、前記検出プレートを前記第1の回転数で回転させる前において、前記検出プレートを所定の回転数で回転させることによって前記検出プレートの前記検出部に前記試料を展開させる工程をさらに実行する。第11態様によれば、試料に含まれたターゲットが検出部に均一に展開する。このことは、試料の分析の精度の向上に寄与する。

0027

本開示の第13態様において、例えば、第10〜第12態様のいずれか1つにかかる試料分析装置の前記制御ユニットは、前記検出部に前記試料を展開させたのち、前記検出プレートを実質的に静置させることによって前記検出部の内面に前記複数のターゲットを吸着させる工程をさらに実行する。検出プレートを実質的に静置させると、ターゲットが自重によって沈降し、検出部の内面に吸着する。浮遊状態のターゲットを予め十分に減らすことによって、検出部の走査中にターゲットが移動することを防止できる。

0028

以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施形態に限定されない。

0029

図1に示すように、本開示の一実施形態にかかる試料分析装置200は、検出プレート10、光ピックアップ50及び制御ユニット70を備えている。光ピックアップ50は、回転駆動部30及び光源31を有する。検出プレート10(試料検出用ディスク)に試料が注入され、光ピックアップ50の回転駆動部30に検出プレート10が配置される。回転駆動部30によって検出プレート10が回転させられ、光源31から出力された光が検出プレート10に照射される。検出プレート10は、蛍光を発することが可能な材料を含み、検出プレート10から発せられた蛍光の強度に基づき、試料を分析することができる。

0030

光ピックアップ50の回転駆動部30は、ホルダ29及びサーボモータ28によって構成されている。ホルダ29には検出プレート10が取り付けられる。ホルダ29はサーボモータ28のシャフトに接続されている。サーボモータ28を駆動することによって、ホルダ29に取り付けられた検出プレート10を任意の回転数で回転させることができる。

0031

光ピックアップ50は、さらに、反射光検出器38及び蛍光検出器40を備えている。光源31は、検出プレート10に照射されるべき光(励起光)を生成する。光源31は、青色、紫色などの短波長の光を出力可能な発光素子でありうる。一例において、光源31は、405nmの中心波長を有する青色レーザーダイオードである。反射光検出器38は、検出プレート10からの反射光受光するとともに、光信号電気信号に変換する。蛍光検出器40は、検出プレート10から発せられた蛍光を受光するとともに、光信号を電気信号に変換する。

0032

光ピックアップ50は、さらに、偏光ビームスプリッタ32、コリメータレンズ33、1/4波長板34、ダイクロイックプリズム35、対物レンズ36、アナモレンズ37及びアナモレンズ39を備えている。光源31から出力された励起光は、偏光ビームスプリッタ32によって反射され、コリメータレンズ33、1/4波長板34、ダイクロイックプリズム35及び対物レンズ36を経て、検出プレート10に照射される。コリメータレンズ33は、偏向ビームスプリッタ32の側から入射した励起光を平行光に変換する役割を担う。1/4波長板34は、円偏光と直線偏向との間の変換を行う。ダイクロイックプリズム35は、波長405nmの光を反射し、波長450〜540nmの光を透過させるように構成されている。対物レンズ36は、励起光を検出プレート10に対して収束させる役割を担う。対物レンズ36が適切に駆動され、これにより、検出プレート10に形成された溝又はピット列を励起光が追跡する。

0033

検出プレート10に照射された励起光の一部は、検出プレート10の特定の反射面において反射され、残部は反射面を透過する。反射光に基づき、対物レンズ36をフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動するためのサーボ信号が生成される。詳細には、反射光は、ダイクロイックプリズム35によって反射され、1/4波長板34、コリメータレンズ33、偏光ビームスプリッタ32及びアナモレンズ37を経て、反射光検出器38に照射される。検出プレート10の特定の反射面を透過した励起光は、検出プレート10に吸収される。これにより、検出プレート10から蛍光が発せられる。蛍光の光束は、ダイクロイックプリズム35及びアナモレンズ39を経て、蛍光検出器40に照射される。

0034

制御ユニット70は、制御部60、再生回路61、信号演算回路62、サーボ回路63及び信号演算回路64を備えている。信号演算回路62は、反射光検出器38の検出信号からフォーカスエラー信号トラッキングエラー信号及び再生信号を生成する。サーボ回路63は、信号演算回路62で生成されたフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を用いて、対物レンズ36を制御する。詳細には、サーボ回路63は、対物レンズ36を駆動するためのアクチュエータを制御する。また、サーボ回路63は、信号演算回路62で生成された再生信号を用いて、検出プレート10が所定の回転数で回転するように回転駆動部30を制御する。再生回路61は、信号演算回路62で生成された再生信号を復調して再生データを生成する。再生データは、検出プレート10のアドレス情報を含む。信号演算回路64は、蛍光検出器40の検出信号から蛍光輝度データを生成する。蛍光輝度データは、蛍光検出器40に照射された蛍光の輝度に関する情報を含む。

0035

制御部60は、再生回路61、信号演算回路62、サーボ回路63などの試料分析装置200の各部を制御する。制御部60は、再生回路61で生成された再生データ(アドレス情報)及び信号演算回路64で生成された蛍光輝度データ(蛍光輝度情報)を取得し、アドレス情報と蛍光輝度情報とを対応付け内部メモリに記憶させる。アドレス情報と蛍光輝度情報とを用いて検出プレート10に注入された試料の画像が作成される。

0036

また、制御ユニット70は、入出力機器65を備えている。入出力機器65は、制御部60に対して指令を与えるための入力機器を含む。入出力機器65は、また、制御部60で作成された画像、分析結果などの情報を出力するための出力機器を含む。入力機器としては、マウスキーボードタッチパッドタッチパネルなどが挙げられる。出力機器としては、ディスプレイ、タッチパネル、プリンタなどが挙げられる。

0037

図2及び図3に示すように、検出プレート10は、円盤形状を有する。本実施形態において、検出プレート10は、光ディスク11及びカバー12によって構成されている。光ディスク11及びカバー12は、それぞれ、平面視で円形の形状を有する。光ディスク11の表面には、光ピックアップ50からの光(励起光)で検出プレート10を走査できるように螺旋状の溝が設けられている。溝に代えて、又は、溝とともに螺旋状にピット列が設けられていてもよい。カバー12には、検出プレート10の内部に試料を収容させるための複数の浅い凹部が設けられている。カバー12の凹部に蓋をする形にて、カバー12に光ディスク11が組み合わされている。光ディスク11の表面(溝が形成された面)がカバー12に向かい合っている。

0038

本実施形態では、光ピックアップ50の対物レンズ36に近い側に位置する部材(光ディスク11)に検出プレート10を走査するための溝が形成されている。ただし、光ピックアップ50の対物レンズ36から離れた側に位置する部材(カバー12)に溝が形成されていてもよい。

0039

本実施形態において、検出プレート10は、試料を収容するための複数の試料収容部13を有する。複数の試料収容部13は、検出プレート10の周方向に沿って等角度間隔で形成されている。具体的に、試料収容部13は、注入口14、流路18及び検出部16によって構成されている。注入口14は、試料を注入するための開口部であり、検出プレート10の上面に開口している。検出部16は、試料を保持するための薄い空間を含む部分である。光ピックアップ50によって検出部16が走査される。検出部16は、平面視で扇状台形状などの形状を有している。流路18は、注入口14と検出部16との間に設けられた部分であり、注入口14と検出部16とを連通している。

0040

本実施形態では、流路18にフィルタ17が配置されている。フィルタ17は、織布、不織布、多孔質材料などによって形成されている。フィルタ17の材料は、例えば、樹脂ガラス、金属、金属酸化物などである。フィルタ17によれば、検出部16に気泡が入り込むことを防止できる。また、試料に含まれた特定の成分のみがフィルタ17を選択的に通過するように、フィルタ17が特定の目の粗さ(空孔の大きさ)を有していてもよい。また、検出部16には、気泡抜きのための小さい孔が設けられていてもよい。そのような孔は、例えば、検出プレート10の内周側における検出部16の角部に設けられる。

0041

検出部16の内面は、当該内面とターゲット27との間の親和性を向上させる被膜で覆われていてもよい。このような被膜は、シランカップリング剤などの表面改質剤を塗布することによって形成されうる。被膜は、親水性被膜であってもよい。検出部16の内面とターゲット27との間の親和性が高い場合、ターゲット27を検出部16にしっかりと吸着させることができる。被膜は、検出部16の内面の全体に設けられていてもよいし、一部のみに設けられていてもよい。例えば、検出部16の内部の空間を形成している複数の面のうち、鉛直方向の下側の面(本実施形態では光ディスク11の上面)にのみ被膜が設けられていてもよい。本実施形態では、対物レンズ36に向かい合う光ディスク11の面(光が照射される面)とは反対側の面(溝が形成された面)にそのような被膜が設けられていてもよい。なお、「鉛直方向」は、試料分析装置200の回転駆動部30に検出プレート10が配置されたときの鉛直方向を意味する。

0042

本実施形態において、試料の例は、ヒト又は動物の血液を含む液体試料である。ターゲットの例は、標識、血液の特定の成分などである。具体的には、赤血球がターゲットでありうる。一例において、試料は、リン酸緩衝液などの希釈液によって血液を希釈することによって調製される。この試料に含まれた赤血球を試料分析装置200によって分析することができる。例えば、赤血球の平均径、各赤血球におけるヘモグロビン濃度、マラリア原虫などの病原体の有無などを調べることができる。

0043

図4に示すように、検出プレート10の検出部16を光ピックアップ50で走査すると、検出部16に存在するターゲット27を励起光の光束が複数回にわたって横切る。言い換えれば、検出部16の内面(測定面)に吸着したターゲット27を光ピックアップ50からの光束が複数回にわたって横切るように、検出プレート10の半径方向における走査の幅Pが設定されている。走査の幅Pは、検出部16を走査するために検出プレート10に形成された溝の幅(又はピットの幅)に一致する。走査の幅Pは、いわゆるトラックピッチに対応している。トラックピッチは、0.3〜2.0μmの範囲にあってもよい。得られた画像52における1つのピクセル52pの一辺の長さもトラックピッチに対応している。例えば、ターゲット27が赤血球であり、走査の幅Pが0.5μmであると仮定する。赤血球の平均径は約8μmであることが知られており、検出部16を走査するために検出プレート10に形成された溝の幅P(又はピットの幅)よりも大きい。したがって、検出部16を走査する光束(詳細には、光束の中心)が検出部16の内面に吸着した赤血球を約16回にわたって横切ることとなる。これにより、得られた画像52から個々のターゲット27の大きさを概算することが可能である。検出されたターゲット27の大きさを平均することによって、ターゲット27の平均径を算出することも可能である。

0044

図4に示す検出方法によれば、ターゲット27が存在しない領域について測定される蛍光の強度(蛍光の輝度)は相対的に高く、ターゲット27が存在する領域について測定される蛍光の強度は相対的に低い。したがって、蛍光輝度データに基づき、アドレス情報に対応づけられた各ピクセルに色調、濃淡などの視覚情報を付与することによって、画像52が作成及び表示されうる。図4の例では、画像52が4段階の濃淡で表されている。しかし、段階の数は限定されない。蛍光検出器40で生成される信号はアナログ信号であるから、各ピクセルの蛍光輝度を256〜65536の段階で表すことが可能である。

0045

図5に示す例において、ターゲット27は赤血球であり、光ピックアップ50からの励起光は紫色又は青色などの短波長の光であり、検出プレート10から発せられた蛍光が蛍光検出器40によって検出される。赤血球は波長の短い光をよく吸収する。したがって、ターゲット27は、短波長のレーザー光及びそのレーザー光によって励起された材料が発する蛍光(緑色)をよく吸収する。

0046

ターゲット27が存在しない領域に励起光E1が照射されたとき、励起光E1の大部分は溝11aが形成された光ディスク11及び検出部16の内部の空間を透過し、カバー12に照射される。検出部16の内部の空間は、液体試料(血液の希釈液)で満たされている。カバー12は、励起光E1が照射されたときに蛍光を発する材料で構成されている。そのような材料の例としては、ポリカーボネートポリスチレンシクロオレフィンコポリマーアクリルポリジメチルシロキサンなどの樹脂材料が挙げられる。特に、ポリカーボネートは、短波長の光を吸収して強度の高い蛍光を発する。また、カバー12は、蛍光剤を含んだ樹脂材料で形成されていてもよい。例えば、上記のような樹脂材料に希土類イオン付活された蛍光剤を添加することができる。この場合、さらに強度の高い蛍光を効率的に得ることが可能である。蛍光剤(蛍光剤の微粒子)は必ずしも、カバー12の全体に均一に分散している必要はなく、カバー12の一部にのみ蛍光剤が存在していてもよい。例えば、カバー12の厚さ方向に関して、上面を含む一部又は下面を含む一部にのみ蛍光剤が存在してもよい。カバー12が2層構造を有し、各層が互いに異なる組成を有する材料で形成されていてもよい。詳細には、光ディスク11と対向するカバー12の層(下層)が、蛍光剤を含まない樹脂材料で構成され、下層に積層されたカバー12の層(上層)が、蛍光剤を含む樹脂材料で構成されうる。光ディスク11は、ガラス、透明樹脂などの励起光E1に対する透光性を有する材料で構成されている。カバー12から発せられた光e1(蛍光による光)は、検出部16の内部の空間及び光ディスク11を透過し、光ピックアップ50の蛍光検出器40(図1参照)に到達する。光e1の強度は相対的に高い。

0047

一方、ターゲット27が存在する領域に励起光E1が照射されたとき、励起光E1の大部分は光ディスク11を透過できるものの、励起光E1はターゲット27に吸収される。カバー12に到達する励起光E1の強度は、ターゲット27によって低減されている。そのため、カバー12から発せられた光e2(蛍光による光)の強度は、ターゲット27が存在しない場合の光e1の強度よりも低い。さらに、カバー12から発せられた光e2は、蛍光検出器40への経路上に存在するターゲット27に吸収される。その結果、蛍光検出器40において検出される光e2の強度(輝度)は、光e1の強度よりも十分に低い。検出された光の強度の分布マッピングすると、図4に示す画像52が得られる。

0048

また、ターゲット27における光の吸収の度合いは、ターゲット27に含まれた吸収源の濃度に左右される。例えば、ヘモグロビン濃度が高い赤血球は励起光E1及び光e2をよく吸収する。ヘモグロビン濃度が低い赤血球は、励起光E1及び光e2をあまり吸収しない。したがって、信号演算回路64で生成された蛍光輝度データから特定のターゲット27のヘモグロビン濃度を算出又は推定することができる。また、図4の画像52から理解できるように、検出される光e2の強度は、1つのターゲット27における特定の位置と別の位置とで異なる。この場合、検出された光e2の強度を平均することによって、1つのターゲット27(赤血球)におけるヘモグロビン濃度を算出又は推定することができる。

0049

さらに、図4及び図5を参照して説明した方法によれば、マラリア核酸に特異的に結合する特定の蛍光色素を試料に混ぜ、蛍光を発する赤血球の有無を分析することによって、マラリア原虫に侵された赤血球の有無及び割合を調べることができる。つまり、試料分析装置200は、マラリアの診断装置としても有用である。

0050

次に、図6を参照しつつ、本実施形態にかかる試料の分析方法を説明する。

0051

本実施形態の分析方法では、まず、検出プレート10の検出部16に試料を展開させて検出部16の内面に複数のターゲット27を吸着させる。検出部16に試料を展開させたのち、検出部16に存在する複数のターゲット27に遠心力が作用するように、光ピックアップ50の回転駆動部30を制御して検出プレート10を回転させる。その後、検出部16を走査して検出部16に吸着した複数のターゲット27を検出する。

0052

本実施形態では、制御ユニット70(詳細には、制御部60)が光ピックアップ50の回転駆動部30を制御し、これにより、検出プレート10の回転数が所望の回転数に調節される。制御ユニット70(詳細には、制御部60)が光ピックアップ50の光源31を制御し、これにより、検出部16を走査して試料を分析するための光が検出プレート10に照射される。制御ユニット70の記憶装置には試料の分析のためのプログラムが格納され、そのプログラムが実行されることによって、図6に示す順序に沿って試料の分析が行われる。より詳細な説明は以下の通りである。

0053

まず、分析するべき試料を注入口14から検出プレート10に注入したのち、検出プレート10を光ピックアップ50の回転駆動部30に配置する。あるいは、検出プレート10を光ピックアップ50の回転駆動部30に配置したのち、分析するべき試料を注入口14から検出プレート10に注入してもよい。また、複数の試料収容部13の全てに試料を注入してもよいし、一部の試料収容部13に試料を注入してもよいし、1つの試料収容部13にのみ試料を注入してもよい。試料は、注入口14から試料収容部13に注入され、注入口13とフィルタ17との間において流路18にとどまる。特別な操作を行わなければ、試料は、ゆっくりとフィルタ17を通過し、検出部16に移動する。例えば、流路18及び検出部16が十分に狭い場合、毛細管現象によって試料が検出部16に展開しうる。

0054

次に、図6に示すように、検出プレート10を回転駆動部30に配置したのち、回転駆動部30を制御して検出プレート10を所定の回転数で回転させることによって試料を検出部16に展開させる(試料展開工程)。所定の回転数は、フィルタ17を通過するために必要十分な遠心力をターゲット27に加えることができる回転数である。一例において、検出プレート10を1000rpm(revolutions per minute)の速度で30秒間回転させる。試料展開工程では、検出プレート10を回転させることによって試料が検出部16に均一に展開する。詳細には、試料に含まれたターゲット27が検出部16に均一に展開する。このことは、試料の分析の精度の向上に寄与する。

0055

検出部16に試料を展開させたのち、検出部16から気泡を抜くための工程を実施してもよい(気泡抜き工程)。本実施形態において、検出プレート10を回転させることによって試料が検出部16に展開する。検出プレート10を回転させると、気泡は検出プレート10の内周側に移動する。つまり、検出部16から気泡を抜くための工程は、試料を検出部16に展開させる工程と一体的に実施されている。検出部16から気泡を抜くことによって、光ピックアップ50の光が光ディスク11に設けられた溝を追跡できなくなったり、画像が乱れたりすることを防止できる。なお、検出プレート10を回転させずに試料を検出部16に展開させる場合には、気泡抜きのために検出プレート10を所定の回転数で所定時間にわたって回転させてもよい(例えば、1000rpmで数秒間)。また、気泡抜き工程における回転数が展開工程における回転数と異なっていてもよい。

0056

次に、検出部16の内面に複数のターゲット27を吸着させる。詳細には、検出プレート10を実質的に静置させることによって、検出部16の内面に複数のターゲット27を吸着させる(静置工程)。本実施形態では、検出部16の空間を形成している複数の面のうち、鉛直方向の下側の面(光ディスク11の上面)にターゲット27が吸着する。

0057

図7に示すように、検出プレート10を実質的に静置させると、ターゲット27が自重によって沈降し、検出部16の内面に吸着する。浮遊状態のターゲット27を予め十分に減らすことによって、検出部16の走査中にターゲット27が移動することを防止できる。ターゲット27を速やかに沈降させるためには、検出プレート10の回転を停止させることが望ましい(0rpm)。ただし、検出プレート10を十分に低い回転数で回転させた場合であっても、ターゲット27を沈降させる効果は得られる。つまり、「実質的に静置させる」とは、検出プレート10の回転を停止させること、又は、検出プレート10を十分に低い回転数で回転させることを意味する。「十分に低い回転数」は、試料を検出部16に展開させる際の回転数よりも低い回転数であって、例えば、100rpm以下の回転数である。なお、この静置工程は、1分〜60分程度の所定時間にわたって実施されうる。

0058

次に、検出部16に存在する複数のターゲット27に遠心力が作用するように、回転駆動部30を制御して検出プレート10を回転させる。そして、所定時間にわたって検出プレート10を回転させたのち、光ピックアップ50で検出部16を走査して検出部16に吸着した複数のターゲット27を検出する。詳細には、検出部16に試料を展開させたのち、第1の回転数で検出プレート16を回転させる。第1の回転数で所定時間にわたって検出プレート10を回転させたのち、第1の回転数よりも低い第2の回転数で検出プレート10を回転させながら光ピックアップ50で検出部16を走査し、試料を分析する。

0059

図10を参照して説明したように、検出部にターゲットを展開させたとき、複数のターゲットが積み重なっていたり、検出部の内面に対する吸着力が不十分なターゲットが存在していたりする。このようなターゲットは、分析中に移動し、先に説明した問題を引き起こす。

0060

これに対し、本実施形態では、試料の分析時における検出プレート10の回転数よりも高い回転数で検出プレート10を予め回転させることによって、検出部16の内面に吸着していないターゲット27及び吸着力が不十分なターゲット27を取り除く(除去工程)。取り除かれたターゲット27は、例えば、検出部16の最外周領域に蓄積する。所定時間後、検出プレート10の回転数を下げて、試料の分析を行う(分析工程)。このようにすれば、試料の分析中に移動するターゲット27の数を大幅に減らすことができる。

0061

除去工程における第1の回転数は、検出部16の内面に吸着したターゲット27の大部分が吸着状態を維持でき、検出部16の内面に吸着していないターゲット27及び吸着力が不十分なターゲット27を選択的に取り除くことができる回転数に設定されうる。第1の回転数は、例えば、試料の分析時における検出プレート10の回転数の1〜5倍の範囲に設定される。一例において、第1の回転数は2000rpmであり、検出プレート10を2000rpmで30秒間回転させる。

0062

除去工程において、第1の回転数で検出プレート10を回転させている間、励起光は照射されていても、されていなくてもよい。しかし、除去工程は、励起光を照射せずに行うことが望ましい。蛍光色素は、励起光の照射により退色する。そのため、励起光を照射した状態で除去工程を行う場合、その後の分析工程で検出される蛍光の強度が低下する恐れがある。したがって、除去工程において、検出プレート10に励起光を照射せずに第1の回転数で検出プレート10を回転させることで、より鮮明な検出画像を取得することができる。

0063

分析工程における第2の回転数は、第1の回転数よりも十分に低ければ特に限定されない。ただし、第2の回転数が高いと分析時間を短縮できるものの、分析中におけるターゲット27の移動が助長される可能性が高まる。他方、第2の回転数が低いと、分析中におけるターゲット27の移動を抑制できるものの、分析時間の増大を招く。これらのバランスを考慮して、分析時における第2の回転数が設定される。一例において、第2の回転数は、1000rpm以下の回転数である。第2の回転数の下限値は、例えば、100rpmである。

0064

なお、除去工程を実施することによって、ターゲット27の一部が検出部16の最外周領域に蓄積する。そのため、試料に含まれたターゲット27の総数を正確に計数することは難しい。しかし、試料に含まれたターゲット27の総数に対する検出部16の最外周領域に蓄積するターゲット27の数の比率が概ね一定の値に収束することが経験的に判明している場合、実際に検出されたターゲット27の個数から試料に含まれたターゲット27の総数を推定することは可能である。また、実際に検出されたターゲット27の個数及び各ターゲット27の直径を用いて、ターゲット27の平均径を算出することができる。

0065

ターゲット27の面積は、例えば、次の方法によって算出することができる。図4を参照して説明した画像52において、ターゲット27が占有するピクセル52pを特定する。1つのピクセルの面積は既知である(例えば、0.5μm×0.5μm=0.25μm2)。ターゲット27が占有する複数のピクセル52pの合計面積をターゲット27の面積とみなすことができる。求められた面積に等しい面積を有する円の直径をターゲット27の直径とみなすことができる。

0066

なお、分析に供される試料には、複数のターゲット27に含まれた特定のターゲットを標識化するための色素が予め含まれていてもよい。あるいは、検出プレート10に試料が注入される前に検出部16にそのような色素が予め配置されていてもよい。具体的には、検出部16の内面に色素が塗布されていてもよい。このような色素は凝集しやすい性質を持っている場合がある。本実施形態によれば、除去工程において、検出プレート10を十分に高い回転数で回転させるので、色素が試料の中で十分に撹拌される。

0067

本明細書に開示された技術は、血液、唾液、尿などの生体からの採取物に含まれた成分の分析、雨水、海水などの環境水に含まれた微生物又はウイルスの分析などに幅広く利用できる。

0068

10検出プレート
11光ディスク
11a 溝
12カバー
14注入口
16 検出部
17フィルタ
18流路
27ターゲット
30回転駆動部
31光源
50光ピックアップ
70制御ユニット
200 試料分析装置

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