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技術 試料収容ディスクおよびそれを用いた蛍光検出装置

出願人 パナソニック株式会社
発明者 林拓哉永冨謙司
出願日 2016年3月11日 (3年5ヶ月経過) 出願番号 2016-048380
公開日 2019年5月16日 (3ヶ月経過) 公開番号 2019-074312
状態 未査定
技術分野 光学的測定セル 蛍光または発光による材料の調査,分析
主要キーワード ベースライン電圧 始端付近 振幅レンジ アウター領域 インナー領域 マスク期間 電圧レンジ 同期調整
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

蛍光画像を円滑に取得することが可能な試料収容ディスクおよびそれを用いた蛍光検出装置を提供する。

解決手段

試料収容ディスク100は、第2基板102と、ディスク中心周り旋回するように第2基板102の上面に形成されたトラック102cと、トラック102cの上側にディスク周方向に並ぶように配置され試料を収容する複数の試料収容部101bと、を備える。試料収容部101bを跨ぐトラック部分には、当該トラック部分の位置を示すアドレス信号が記録され、アドレス信号の記録位置に対してトラックの走査方向の上手側に、トラックから反射される光を変調させ、且つ、信号の再生対象とされない変調構造が形成されている。

概要

背景

多数の細胞中から、病原菌に感染した細胞や所定の態様を有する細胞を検出することは、特に、臨床現場等の医療の分野において重要である。このような細胞の検出を迅速かつ簡便に行うための手法として、たとえば、特許文献1に記載の手法が紹介されている。

この手法では、抗原−抗体反応を用いたサンドイッチ法による原理を用いて、蛍光標識された検出対象抗原ディスク上のトラックに固定される。その後、励起光となるレーザ光でトラックを走査することにより、検出対象の抗原から蛍光を生じさせ、検出対象の抗原が検出され計数される。

また、特許文献1には、試料が流入される流路に接続していないトラック部分に予めアドレス信号を記録しておくことで、ディスクから、半径方向とトラック方向のアドレス情報を得ることができ、これにより、アドレス情報に基づき、蛍光が検出された位置を特定できることが記載されている。

概要

蛍光画像を円滑に取得することが可能な試料収容ディスクおよびそれを用いた蛍光検出装置を提供する。試料収容ディスク100は、第2基板102と、ディスク中心周り旋回するように第2基板102の上面に形成されたトラック102cと、トラック102cの上側にディスク周方向に並ぶように配置され試料を収容する複数の試料収容部101bと、を備える。試料収容部101bを跨ぐトラック部分には、当該トラック部分の位置を示すアドレス信号が記録され、アドレス信号の記録位置に対してトラックの走査方向の上手側に、トラックから反射される光を変調させ、且つ、信号の再生対象とされない変調構造が形成されている。

目的

本発明は、トラックに記録された信号を精度良く取得することが可能な試料収容ディスクおよびそれを用いた蛍光検出装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

試料を収容する試料収容ディスクであって、基板と、ディスク中心周り旋回するように前記基板の上面に形成されたトラックと、前記トラックの上側に配置され試料を収容する試料収容部と、を備え、前記試料収容部を跨ぐトラック部分には、当該トラック部分の位置を示すアドレス信号が記録され、前記アドレス信号の記録位置に対してトラックの走査方向の上手側に、前記トラックから反射される光を変調させ、且つ、信号の再生対象とされない変調構造が形成されている、ことを特徴とする試料収容ディスク。

請求項2

請求項1に記載の試料収容ディスクにおいて、前記試料収容部を跨ぐ前記トラック部分には、前記走査方向における前記試料収容部の上手側と下手側に、それぞれ、当該トラック部分の位置を示すアドレス信号が記録され、前記変調構造は、これら2つのアドレス信号の記録位置に対してそれぞれ前記走査方向の上手側にある位置に形成されている、試料収容ディスク。

請求項3

請求項1または2に記載の試料収容ディスクにおいて、前記アドレス信号の記録位置および前記変調構造の形成位置は、それぞれ、前記トラック部分の前記試料収容部に重ならない位置である、試料収容ディスク。

請求項4

請求項1ないし3の何れか一項に記載の試料収容ディスクにおいて、前記トラックから反射される光を単調に変調させる同期用の信号が前記トラック部分にさらに記録されている、試料収容ディスク。

請求項5

請求項4に記載の試料収容ディスクにおいて、前記同期用の信号は、ディスク走査方向における前記試料収容部の開始位置から終了位置までの範囲に重なる前記トラック部分の領域の少なくとも一部に記録されている、試料収容ディスク。

請求項6

請求項5に記載の試料収容ディスクにおいて、前記開始位置に前記変調構造が形成され、前記開始位置に続く前記領域に、前記同期用の信号が記録されている、試料収容ディスク。

請求項7

請求項1ないし6の何れか一項に記載の試料収容ディスクにおいて、前記トラックが形成された前記試料収容ディスクの領域は、ディスク周方向に複数のエリア区分され、前記各エリアは、ディスク周方向に並ぶ2つの境界がそれぞれディスク中心から放射状に延びており、前記複数のエリアにそれぞれ前記試料収容部が配置され、前記各エリアに含まれる前記トラックの部分が、前記試料収容部を跨ぐ前記トラック部分を構成し、前記トラックの部分の両方の端部に、前記トラックから反射される光を単調に変調させる同期用の信号が記録されている、試料収容ディスク。

請求項8

請求項7に記載の試料収容ディスクにおいて、前記複数のエリアは、ディスク周方向における角度範囲が互いに等しく設定されている、試料収容ディスク。

請求項9

請求項1ないし8の何れか一項に記載の試料収容ディスクにおいて、前記試料収容部は、ディスク周方向に並ぶ2つの境界がそれぞれディスク中心から放射状に延びており、前記トラック部分の前記走査方向における前記試料収容部の上手側に前記試料収容部の開始を示す信号が記録され、前記トラック部分の前記走査方向における前記試料収容部の下手側に前記試料収容部の終了を示す信号が記録されている、試料収容ディスク。

請求項10

請求項1ないし9の何れか一項に記載の試料収容ディスクにおいて、前記トラックは、ディスク径方向に複数のゾーンに区分され、各ゾーンの前記トラック部分には、角速度一定で信号が記録されている、試料収容ディスク。

請求項11

請求項8に記載の試料収容ディスクにおいて、前記各ゾーンの角速度は、各ゾーンのディスク径方向の中央位置にある前記トラックの線速度が互いに同じとなるように設定されている、試料収容ディスク。

請求項12

請求項10または11に記載の試料収容ディスクにおいて、前記トラック部分には、当該トラック部分を含む前記ゾーンを示す信号と、前記ゾーンにおける前記トラック部分のディスク径方向の位置を示す信号と、前記トラック部分のディスク周方向の位置を示す信号が、前記アドレス信号として記録されている、試料収容ディスク。

請求項13

請求項1ないし12の何れか一項に記載の試料収容ディスクにおいて、ピット列によって、前記アドレス信号を含む信号が記録され、前記変調構造が形成されている、試料収容ディスク。

請求項14

試料を収容する試料収容ディスクに対し光を照射するとともに、当該光の照射により生じる蛍光を検出する蛍光検出装置であって、前記試料収容ディスクは、基板と、ディスク中心の周りを旋回するように前記基板の上面に形成されたトラックと、前記トラックの上側に配置され試料を収容する試料収容部と、を備え、前記試料収容部を跨ぐトラック部分には、当該トラック部分の位置を示すアドレス信号が記録され、前記アドレス信号の記録位置に対してトラックの走査方向の上手側に、前記トラックから反射される光を変調させ、且つ、信号の再生対象とされない変調構造が形成され、前記試料収容ディスクを回転させて前記光で前記トラックを走査する走査部と、前記試料収容ディスクから反射された前記光を受光する光検出部と、前記光検出部から出力される検出信号高周波成分を抽出するフィルタと、前記フィルタにより抽出された前記検出信号の高周波成分に基づいて前記トラック部分に記録された信号を取得する信号取得部と、前記光で前記トラックを走査することにより前記試料収容部に収容された前記試料から生じた前記蛍光を受光して受光量に応じた蛍光信号を出力する蛍光検出部と、前記蛍光検出部から出力された前記蛍光信号をサンプリングして切出す切出し部と、前記信号取得部により取得された前記アドレス信号と、前記切出し部によって切り出された信号群とに基づいて、前記試料収容部に対する蛍光画像を生成する画像処理部と、を備える、蛍光検出装置。

請求項15

請求項14に記載の蛍光検出装置において、前記高周波成分の振幅を揃えるためのゲイン制御部をさらに備え、前記信号取得部は、前記ゲイン制御部によって振幅が揃えられた前記高周波成分に基づいて前記トラック部分に記録された信号を取得する、蛍光検出装置。

請求項16

請求項14または15に記載の蛍光検出装置において、前記試料収容ディスクには、前記トラックから反射される光を単調に変調させる同期用の信号が前記トラック部分にさらに記録され、前記走査部は、前記信号取得部により取得された前記同期用の信号に基づいて、前記試料収容ディスクの回転ムラを抑制するよう制御する、蛍光検出装置。

請求項17

請求項14ないし16の何れか一項に記載の蛍光検出装置において、前記試料収容ディスクには、前記トラックから反射される光を単調に変調させる同期用の信号が前記トラック部分にさらに記録され、前記切出し部は、前記信号取得部により取得された前記同期用の信号に基づいて、前記試料から一定間隔で信号が切出されるように、前記蛍光検出部から出力された前記蛍光信号のサンプリング間隔を調整する、蛍光検出装置。

請求項18

請求項16または17に記載の蛍光検出装置において、前記トラック部分の前記試料収容部に重なる位置に前記同期用の信号が記録され、前記信号取得部により取得された前記アドレス信号に基づいて、前記同期用の信号による制御を停止させるコントローラをさらに備える、蛍光検出装置。

技術分野

0001

本発明は、細胞等の被検体蛍光染色することにより調製された試料を収容する試料収容ディスクおよびそれを用いた蛍光検出装置に関する。

背景技術

0002

多数の細胞中から、病原菌に感染した細胞や所定の態様を有する細胞を検出することは、特に、臨床現場等の医療の分野において重要である。このような細胞の検出を迅速かつ簡便に行うための手法として、たとえば、特許文献1に記載の手法が紹介されている。

0003

この手法では、抗原−抗体反応を用いたサンドイッチ法による原理を用いて、蛍光標識された検出対象抗原がディスク上のトラックに固定される。その後、励起光となるレーザ光でトラックを走査することにより、検出対象の抗原から蛍光を生じさせ、検出対象の抗原が検出され計数される。

0004

また、特許文献1には、試料が流入される流路に接続していないトラック部分に予めアドレス信号を記録しておくことで、ディスクから、半径方向とトラック方向のアドレス情報を得ることができ、これにより、アドレス情報に基づき、蛍光が検出された位置を特定できることが記載されている。

先行技術

0005

特開2013−64722号公報

発明が解決しようとする課題

0006

試料収容ディスクでは、反りや個体のばらつきにより、レーザ光でトラックを走査した際に取得される反射光信号ベースライン電圧が変化する。また、流路に重なるトラック部分と流路に重ならないトラック部分との間でも、ベースライン電圧が変化する。トラックに記録されたアドレス信号等を再生する場合、レーザ光でトラックを走査して取得された反射光信号の電圧波形AD変換する必要がある。このとき、AD変換の電圧レンジ分解能は限られているため、電圧波形のベースライン電圧がばらつくと、信号の復号精度が低下する。

0007

本発明は、トラックに記録された信号を精度良く取得することが可能な試料収容ディスクおよびそれを用いた蛍光検出装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明の第1の態様は、試料収容ディスクに関する。本態様に係る試料収容ディスクは、基板と、ディスク中心周り旋回するように前記基板の上面に形成されたトラックと、前記トラックの上側に配置され試料を収容する試料収容部と、を備える。ここで、前記試料収容部を跨ぐトラック部分には、当該トラック部分の位置を示すアドレス信号が記録され、前記アドレス信号の記録位置に対してトラックの走査方向の上手側に、前記トラックから反射される光を変調させ、且つ、信号の再生対象とされない変調構造が形成されている。

0009

本発明の第2の態様は、試料を収容する試料収容ディスクに対し光を照射するとともに、当該光の照射により生じる蛍光を検出する蛍光検出装置に関する。ここで、前記試料収容ディスクは、第1の態様の試料収容ディスクが用いられる。本態様に係る蛍光検出装置は、前記試料収容ディスクを回転させて前記光で前記トラックを走査する走査部と、前記試料収容ディスクから反射された前記光を受光する光検出部と、前記光検出部から出力される検出信号高周波成分を抽出するフィルタと、前記フィルタにより抽出された前記検出信号の高周波成分に基づいて前記トラック部分に記録された信号を取得する信号取得部と、前記光で前記トラックを走査することにより前記試料収容部に収容された前記試料から生じた前記蛍光を受光して受光量に応じた蛍光信号を出力する蛍光検出部と、前記蛍光検出部から出力された前記蛍光信号をサンプリングして切出す切出し部と、前記信号取得部により取得された前記アドレス信号と、前記切出し部によって切り出された信号群とに基づいて、前記試料収容部に対する蛍光画像を生成する画像処理部と、を備える。

0010

第2の態様に係る蛍光検出装置によれば、光検出部から出力される検出信号の高周波成分を抽出するフィルタを備えるため、第1の態様の試料収容ディスクに変調構造が形成されていることと相俟って、アドレス信号を精度よく検出できる。すなわち、フィルタを設けることにより、上述のベースライン電圧の変動を抑制でき、検出信号をAD変換の電圧レンジの範囲内に円滑に収めることができる。また、フィルタを通すことによって検出信号に生じる過渡的な歪みを変調構造に対応する信号期間によって吸収でき、アドレス信号の期間にこの歪みが及ぶことを抑制できる。これらの作用により、第2の態様に係る蛍光検出装置によれば、トラックに記録されたアドレス信号を精度よく検出することができる。よって、画像処理部により生成される蛍光画像の精度を高めることができる。

発明の効果

0011

以上のとおり、本発明によれば、トラックに記録された信号を精度良く取得することが可能な試料収容ディスクおよびそれを用いた蛍光検出装置を提供することができる。

0012

本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明を実施する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態によって何ら制限されるものではない。

図面の簡単な説明

0013

図1(a)は、実施形態1に係る試料収容ディスクの構成を模式的に示す平面図である。図1(b)は、実施形態1に係る試料収容ディスクの断面の一部拡大図である。
図2は、実施形態1に係るグルーブおよびランドと、ピットの構造を模式的に示す図である。
図3(a)は、実施形態1に係る試料収容ディスクの周方向エリア割りを模式的に示す平面図である。図3(b)は、実施形態1に係る試料収容ディスクの径方向ゾーン割りを模式的に示す平面図である。
図4は、実施形態1に係る各ゾーンのグルーブとランドを直線状に展開して示す図である。
図5(a)は、実施形態1に係る1エリアのトラック部分(グルーブ)に設定される各フィールドフォーマットを示す図である。図5(b)は、実施形態1に係る各フィールドの角度範囲を模式的に示す図である。
図6(a)〜(f)は、実施形態1に係る各フィールドの信号フォーマットを示す図である。
図7は、実施形態1に係る、試料収容ディスクから蛍光を読み取るための構成を示す図である。
図8は、実施形態1に係る信号演算回路の構成を示す図である。
図9は、実施形態1に係る蛍光検出装置の構成を示す図である。
図10(a)は、比較例に係る出力処理回路の構成を示す図である。図10(b)は、比較例に係る出力処理回路のAD変換回路に入力される再生RF信号を模式的に示す図である。
図11(a)は、実施形態1に係る出力処理回路の構成を示す図である。図11(b)は、実施形態1に係る、グルーブに変調構造が形成されていない場合に出力処理回路のAD変換回路に入力される再生RF信号を模式的に示す図である。図11(c)は、実施形態1に係る、グルーブに変調構造が形成されている場合に出力処理回路のAD変換回路に入力される再生RF信号を模式的に示す図である。
図12(a)、(b)は、それぞれ、実施形態1に係る、ゲイン制御のための回路部が追加された出力処理回路の構成を示す図である。図12(c)は、実施形態1に係る、試料収容部に重なるトラックの領域のフォーマットの設定例を示す図である。
図13(a)は、実施形態1に係るアドレス信号の取得処理を示すフローチャートである。図13(b)は、実施形態1に係る蛍光信号の切出し処理を示すフローチャートである。
図14(a)は、実施形態1に係る蛍光信号の切出し処理を示すフローチャートである。図14(b)は、実施形態1に係る切出し信号の無効化処理を示すフローチャートである。
図15(a)は、実施形態1に係る、出力処理回路からの各種信号の出力を停止させるため処理を示すフローチャートである。図15(b)は、実施形態1に係る、マスク期間の設定において参照されるテーブルの構成を示す図である。
図16は、実施形態1に係る蛍光信号の切り出し処理を説明するための図である。
図17は、実施形態2に係る各ゾーンのグルーブとランドを直線状に展開して示す図である。
図18(a)は、実施形態2に係る1エリアのトラック部分に設定される各フィールドのフォーマットを示す図である。図18(b)は、実施形態2に係るトラッキングエラー信号極性反転させるための構成を示す図である。図18(c)は、実施形態2に係るビームの走査とトラッキングエラー信号の極性反転タイミングを模式的に示す図である。
図19(a)、(b)は、変更例に係るグルーブとランドを直線状に展開して示す図である。

実施例

0014

以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。

0015

1.実施形態1
<試料収容ディスク>
まず、試料収容ディスク100の構成について、図1〜6を参照して説明する。試料収容ディスク100は、たとえば、マラリア原虫に感染した赤血球を検出するために用いられる。

0016

図1(a)は、試料収容ディスク100の外観構成を模式的に示す平面図である。図1(b)は、ディスク面に垂直で且つディスク中心を通る平面で試料収容ディスク100を切断したときの断面の一部拡大図である。

0017

図1(a)に示すように、試料収容ディスク100は、光ディスク(CDやDVD等)と同様に円盤形状を有しており、中心に円形状の開口101aが形成されている。図1(b)に示すように、試料収容ディスク100は、試料収容部101bを構成するための第1基板101を、ベースとなる第2基板102の上面に接合した構成となっている。第1基板101および第2基板102は、何れも、樹脂材料により構成される。第2基板102は、光を透過可能な材料からなっている。

0018

第1基板101を第2基板102に接合することにより、図1(a)に示すように9つの試料収容部101bが形成される。これら試料収容部101bは、ディスク周方向一定間隔で並んでいる。また、試料収容部101bのディスク周方向に並ぶ2つの境界は、それぞれディスク中心から放射状に延びている。9つの試料収容部101bの角度範囲は、何れもWaである。図1(b)に示すように、試料収容部101bは、所定高さの空間となっている。平面視において、試料収容部101bは、台形の角が丸められた形状である。9つの試料収容部101bは、同じ形状であり、ディスク径方向において同じ位置に配置されている。

0019

試料収容部101bの内周側には、上面へと続く2つの孔101cが形成されている。2つの孔101cを開放した状態で、一方の孔101cから試料が試料収容部101bに充填される。試料は、赤血球中のマラリア原虫が蛍光色素によって標識されるように調製される。試料収容部101bに試料を充填した後、2つの孔101cが図示しない蓋で閉じられる。図1(a)の構成例では、9種類の検体から調製された試料が、それぞれの試料収容部101bに充填される。

0020

図1(b)に示すように、第2基板102の上面には、ディスク中心の周りを旋回するトラック102cが形成され、このトラック102cの上面に、半透過膜102dが形成されている。図1(b)には、試料収容部101bに収容された赤血球RCが模式的に示されている。図1(a)に示すように、トラック102cは、螺旋状に旋回する一連のグルーブ111からなっている。グルーブ111は、図1(a)においてハッチングで示されたトラック領域102aにおいて、最外周から最内周まで形成されている。第2基板102は、CDやDVDと同様の工程により射出成形により形成される。半透過膜102dは、スパッタリング工程により形成される。

0021

半透過膜102dは、第2基板102の下面から入射されたレーザ光の一部を反射し残りのレーザ光を試料収容部101bへと導く。また、半透過膜102dは、試料収容部101b内で生じた蛍光を第2基板102へと透過させる。より多くのレーザ光を試料収容部101bへと導き、且つ、より多くの蛍光を第2基板102bへと透過させ得るように、半透過膜102dの反射率は、5〜20%程度に設定されている。

0022

図1(a)に一点鎖線で示すように、試料収容ディスク100は、周方向に9つのエリアに区分される。各エリアは、1つの試料収容部101bを含んでいる。後述のように、各エリアの1つのトラック部分Taは、1単位の情報記録領域を構成している。トラック部分Taの試料収容部101bに重ならない部分に、アドレス信号等の数種の信号が記録されている。トラック部分Taの試料収容部101bに重なる部分には、同期信号が記録されている。本実施形態では、これらの信号がピット列によって記録される。さらに、トラック部分Taには、アドレス信号の上手側に所定の変調構造が形成されている。この変調構造も、アドレス信号等と同様、ピット列によって形成されている。

0023

図2は、グルーブ111およびランド112と、ピット113の構造を模式的に示す図である。便宜上、図2には、半透過膜102dのみが示されている。なお、図2では、上側が第2基板102側となっている。

0024

図2に示すように、トラック部分Taのグルーブ111にピット113が形成され、所定の信号が記録されている。記録される信号のフォーマットは、追って、図5(a)を参照して説明する。隣り合うグルーブ111の間のランド112には、信号が記録されない。また、グルーブ111とランド112は、蛇行することなく螺旋状に延びている。

0025

ビームスポットB1は、グルーブ111に沿って走査される。ビームスポットB1は、グルーブ111の最外周側から内周に向かって走査される。ビームスポットB1がピット113に掛かると、グルーブ111からの反射光の強度が低下する。こうして変調された反射光を光検出器で受光し、その検出信号を復調することにより、ピット113で記録された各種情報が再生される。ビームスポットB1の径は、グルーブ111のトラックピッチと略同程度である。グルーブ111のトラックピッチは、0.3〜2.0μm程度である。

0026

図3(a)は、試料収容ディスク100の周方向のエリア割りを模式的に示す平面図である。図3(b)は、試料収容ディスク100の径方向のゾーン割りを模式的に示す平面図である。

0027

なお、図3(a)のエリアA0〜A8および図3(b)のゾーンZ0〜Znは、試料収容部101bとの関係においてトラック102cに後述の信号フォーマットを設定するために論理的に試料収容ディスク100に割り当てられたものであって、物理的な障壁等によりエリアA0〜A8とゾーンZ0〜Znが区画されているわけではない。

0028

図3(a)に示すように、試料収容ディスク100は、40度ごとに9つのエリアA0〜A8に区分されている。各エリアに含まれるトラック部分が、図1(a)のトラック部分Taである。図1(a)に示すトラック領域102aは、アウター領域102eと、インナー領域102fと、検出領域102gに区分されている。アウター領域102eは、リードイン領域となっており、インナー領域102fは、リードアウト領域外観識別領域となっている。

0029

リードイン領域(アウター領域102e)のグルーブ111には、ピット列によって、試料収容ディスク100の走査に必要な各種情報が記録されている。リードアウト領域(インナー領域102f)には、ピット列によって、リードアウト領域であることを示す信号が記録されている。外観識別領域(インナー領域102f)には、グルーブ111を不連続にすることにより、試料収容ディスク100の種別等を視覚的に表示するための構造が適用されている。外観識別領域はリードアウト領域の内周側に設定されている。

0030

検出領域102gのグルーブ111には、図5(a)に示すフォーマットで各種信号が記録されている。検出領域102gのグルーブ111のフォーマットについては、追って説明する。

0031

図3(b)に示すように、試料収容ディスク100の検出領域102gは、径方向に複数のゾーンZ0〜Znに区分されている。試料収容ディスク100は、たとえば、75のゾーンに区分される。各ゾーンに含まれるディスク径方向のトラック数は同じである。1つのゾーンのトラック102c(グルーブ111)は、同じ角速度でビームスポットB1により走査される。また、各ゾーンの角速度は、ディスク径方向におけるゾーンの中心位置のトラック102c(グルーブ111)が、互いに同じ線速度でビームスポットB1により走査されるように設定される。

0032

図4は、各ゾーンのグルーブ111とランド112を直線状に展開して示す図である。図4には、1周分のグルーブ111およびランド112が1つの直線で示されている。また、図4に示すグルーブ111およびランド112の長さは、物理的な長さでなく、便宜上、1周の長さが全てのグルーブ111およびランド112において同じとなるように規格化されて示されている。

0033

図4に示すように、検出領域102gは、ディスク径方向に複数のゾーンZ0〜Znに区分されている。各ゾーンには、ディスク径方向に複数のトラック102c(グルーブ111)が含まれる。図4では、便宜上、1つのゾーン内のトラック102cに、外周側からのトラック番号T0〜Tmが示されている。1つのゾーンに含まれるトラック102cの数は、たとえば800である。

0034

図5(a)は、1エリアのトラック部分Ta(グルーブ111)に設定される各フィールドのフォーマットを示す図である。図5(b)は、各フィールドの角度範囲を模式的に示す図である。

0035

図5(a)に示すように、1エリアのトラック部分Ta(グルーブ111)には、フィールドF1〜F9が設定される。フィールドF2、F7には、上述の変調構造Mdが形成され、フィールドF5には同期信号Syが記録されている。フィールドF5は、全長において試料収容部101bに重なっている。すなわち、フィールドF5の両端は、試料収容部101bのディスク周方向に並ぶ2つの境界に一致している。したがって、試料収容部101bに重なるトラック部分には、同期信号Syが記録されている。

0036

フィールドF1、F3〜F6、F8、F9には、図2に示すピット113により信号が記録されている。図5(b)に示すように、同一エリア内にある全てのトラック部分Taの始端SPと終端EPは、それぞれ、ディスク径方向に揃っており、また、フィールドF5の始端と終端も、同一エリア内にある全てのトラック部分Taにおいて揃っている。この他、フィールドF1、F3、F4、F6、F8、F9は、同一ゾーン且つ同一エリア内にある全てのトラック部分Taにおいてディスク径方向に揃っている。

0037

フィールドF2、F7には、図2に示すピット113によって変調構造Mdが形成されている。フィールドF2、F7も、同一ゾーン且つ同一エリア内にある全てのトラック部分Taにおいてディスク径方向に揃っている。

0038

図6(a)〜(f)は、各フィールドの信号フォーマットを示す図である。図6(a)〜(d)において、斜線ハッチングが付された部分はグルーブ111にピット113が形成された領域を示し、白抜きの部分はグルーブ111のみの領域を示している。また、1Tは、上記のように角速度一定でグルーブ111が走査された場合の最小ピットの時間長を示している。図6(a)〜(f)の説明において、ピット113が形成されていないグルーブ111の部分を単にスペースといい、ピット113が形成されたグルーブ111の部分を単にピットという。

0039

本実施形態1では、信号の記録に用いるスペースは、時間長が1T〜8Tの範囲で8段階に設定され、信号の記録に用いるピットも、時間長が1T〜8Tの範囲で8段階に設定される。これに対し、変調構造Mdのスペースとピットは、1T〜8Tの範囲以外の範囲で、時間長が設定される。すなわち、変調構造Mdは、照射された光を変調させるためのものであって、それにより所定の信号が記録されるものではなく、また、そこから信号が再生されるものでもない。

0040

図6(a)に示すように、フィールドF1、F9には、2Tのピットと2Tのスペースが10回繰り返された信号Enが記録されている。フィールドF1に記録された信号Enは、図5(a)に示す1エリアのトラック部分Taの始端を示す信号であり、フィールドF9に記録された信号Enは、図5(a)に示す1エリアのトラック部分Taの終端を示す信号である。

0041

フィールドF5には、信号Enと同様の信号パターンの信号、すなわち、2Tのピットと2Tのスペースが繰り返された同期信号Syが記録されている。後述のように、同期信号Syは、試料収容ディスク100の回転制御および蛍光信号の切出しタイミングの調整に用いられる。なお、フィールドF1、F9に記録された信号Enも、同期信号Syと同様、試料収容ディスク100の回転制御および蛍光信号の切出しタイミングの調整にも用いられる。

0042

図6(b)に示すように、フィールドF2、F7には、10Tのピットと10Tのスペースがフィールド全長において繰り返された変調構造Mdが形成されている。この変調構造Mdの作用は、図10(a)〜図11(c)を参照して説明する。

0043

図6(c)に示すように、フィールドF4には、8Tのスペースの後に、1Tのピットと1Tのスペースが交互に4回繰り返された信号V3が記録されている。この信号V3は、試料収容部101bの開始を示す信号である。

0044

図6(d)に示すように、フィールドF6には、4Tのピットと4Tのスペースが5回繰り返された信号Vsが記録されている。この信号Vsは、試料収容部101bの終わりを示す信号である。

0045

図6(e)に示すように、フィールドF3は、3つのヘッダー領域HE0〜HE2からなっている。ヘッダー領域HE0は、フォーマットにより規定されていない信号を任意に記録可能なリザーブ領域である。ヘッダー領域HE1には、ヘッダー領域HE1を識別するための識別信号と、当該トラック部分Taの位置を示すアドレス信号と、アドレス信号に対する誤り検出または誤り訂正を行うための誤り訂正信号が記録される。これら信号のビット長は固定である。アドレス信号として、当該トラック部分Taのトラック番号(図4に示すT0〜Tmの何れか)と、当該トラック部分Taを含むゾーンのゾーン番号図3(b)に示すZ0〜Znの何れか)と、当該トラック部分Taを含むエリアのエリア番号図3(a)に示すA0〜A9の何れか)が含まれる。また、ヘッダー領域HE2には、ヘッダー領域HE1と同様の信号が記録される。

0046

図6(f)に示すように、フィールドF8は、3つのフッター領域FT0〜FT2からなっている。フッター領域FT0は、リザーブ領域である。フッター領域FT1には、ヘッダー領域HE1と同様、識別信号と、アドレス信号と、誤り訂正信号が記録される。これら信号のビット長は固定である。アドレス信号として、当該トラック部分Taのトラック番号(図4に示すT0〜Tmの何れか)と、当該トラック部分Taを含むゾーンのゾーン番号(図3(b)に示すZ0〜Znの何れか)と、当該トラック部分Taを含むエリアのエリア番号(図3(a)に示すA0〜A9の何れか)が含まれる。フッター領域FT2には、フッター領域FT1と同様の信号が記録される。

0047

なお、フッター領域FT1、FT2の識別信号は、ヘッダー領域HE1、HE2の識別信号と異なっている。フッター領域FT1、FT2のアドレス信号は、ヘッダー領域HE1、HE2のアドレス信号と同じである。ヘッダー領域HE0〜HE2とフッター領域FT0〜FT2には、ピットとスペースによって、1、0のデジタル信号ビット信号)が記録されている。

0048

フィールドF3、F8以外の各フィールドの形成されたピットとスペースは、同一ゾーン且つ同一エリア内の全てのトラック部分Taにおいてディスク径方向に揃っている。フィールドF1、F5、F9に形成されたピットとスペースは、同一エリアの全てのゾーンに含まれるトラック部分Taにおいてディスク径方向に揃っている。フィールドF3、F8に形成されたピットとスペースは、アドレス信号の内容に応じてピットとスペースの長さが変わるため、トラック部分Ta間において、周方向の位置がずれている。

0049

<蛍光検出装置>
図7は、試料収容ディスク100から蛍光を読み取るための構成を示す図である。

0050

図7に示すように、蛍光検出用ピックアップ200を用いて、試料収容ディスク100の試料収容部101bから蛍光が検出される。たとえば、赤血球がマラリア原虫に感染しているかを判定するために試料収容ディスク100から蛍光が検出される。この場合、赤血球中のマラリア原虫が蛍光色素で標識されるように試料が調製される。蛍光色素は、たとえば、波長405nmの光が照射されると、波長450〜540nm程度の蛍光を生じる。こうして調製された試料が、検体ごとに、試料収容ディスク100の9つの試料収容部101bに充填される。その後、試料収容ディスク100の開口101a(図1(a)参照)が、スピンドルモータ220に軸支されたターンテーブル230にセットされる。

0051

蛍光検出用ピックアップ200は、半導体レーザ201と、1/2波長板202と、偏光ビームスプリッタPBS)203と、コリメータレンズ204と、1/4波長板205と、対物レンズ206と、対物レンズアクチュエータ207と、ダイクロイックプリズム208と、アナモレンズ209と、光検出器210と、蛍光検出器211とを備えている。

0052

半導体レーザ201は、波長405nm程度のレーザ光を出射する。半導体レーザ201から出射されたレーザ光は、1/2波長板202によって、PBS203に対しS偏光となるように偏光方向が調整される。これにより、レーザ光は、PBS203によって反射され、コリメータレンズ204に入射する。PBS203は、波長405nm付近の光に対してのみ偏光依存性を有し、波長450〜540nm程度の光には偏光依存性を有していない。

0053

コリメータレンズ204は、PBS203側から入射するレーザ光を平行光に変換する。1/4波長板205は、コリメータレンズ204側から入射するレーザ光を円偏光に変換するとともに、対物レンズ206側から入射するレーザ光を、コリメータレンズ204側から入射する際の偏光方向に直交する直線偏光に変換する。これにより、試料収容ディスク100の半透過膜102dによって反射されたレーザ光は、PBS203を透過する。

0054

対物レンズ206は、1/4波長板205側から入射するレーザ光を試料収容ディスク100の半透過膜102dに収束させる。対物レンズアクチュエータ207は、後述するサーボ回路50(図9参照)によって、試料収容ディスク100のグルーブ111に対してレーザ光が収束するように、フォーカス方向およびトラッキング方向に対物レンズ206を駆動する。

0055

なお、レーザ光がグルーブ111に収束されると、レーザ光の80%程度がグルーブ111の半透過膜102dを透過して試料収容部101b内に進入する。このとき、試料収容部101b内に進入したレーザ光がマラリア原虫に感染している赤血球に照射されると、蛍光標識されたマラリア原虫から蛍光が生じる。こうして生じた蛍光は、半透過膜102dを透過して、対物レンズ206へと進む。このように、試料収容ディスク100からは、グルーブ111(半透過膜102d)によって反射されたレーザ光と、マラリア原虫によって生じた蛍光の両方が、対物レンズ206へ入射する。これら2つの光は、1/4波長板205、コリメータレンズ204およびPBS203を通って、ダイクロイックプリズム208に入射する。

0056

ダイクロイックプリズム208は、波長405nm程度の光を透過し、波長450〜540nm程度の光を反射するよう構成されている。これにより、PBS203側から入射する蛍光は、ダイクロイックプリズム208によって反射され、PBS203側から入射するレーザ光は、ダイクロイックプリズム208を透過する。

0057

アナモレンズ209は、ダイクロイックプリズム208を透過したレーザ光に非点収差を導入する。アナモレンズ209を透過したレーザ光は、光検出器210に入射する。光検出器210は、受光面上にレーザ光を受光するための4分割センサを有している。光検出器210から出力される検出信号は、後述する信号演算回路300(図8参照)によって処理される。

0058

ダイクロイックプリズム208で反射された蛍光は、コリメータレンズ204によって収束された状態のまま、蛍光検出器211に導かれる。蛍光検出器211は、受光面上に蛍光を受光するためのセンサを有している。蛍光検出器211の検出信号は、図示しない信号増幅回路によって増幅される。

0059

なお、試料収容ディスク100から生じる蛍光は微弱であるため、図7光学系においては、半導体レーザ201から出射されたレーザ光が蛍光検出器211に入射しないようにするための障壁等を適宜光学系に配置することが好ましい。

0060

図8は、信号演算回路300の構成を示す図である。なお、図8には、信号演算回路300によって生成された信号および蛍光検出器211から出力された蛍光信号を増幅およびAD変換して出力する出力処理回路400がさらに示されている。信号演算回路300および出力処理回路400は、蛍光検出用ピックアップ200側の基板に配置されている。

0061

光検出器210は、上述のように、レーザ光を受光するための4分割センサを有している。4分割センサの左上、右上、右下、左下のセンサは、それぞれ受光したレーザ光のビームスポットに基づいて検出信号S1〜S4を出力する。信号演算回路300は、これら検出信号S1〜S4を処理して、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号および再生RF信号を生成する。フォーカスエラー信号FEとトラッキングエラー信号TEは、既存の光ディスク装置において用いられる非点収差法と1ビームプッシュプル法に従って生成される。

0062

信号演算回路300は、加算器301〜304、307と、減算器305、306を備えている。加算器301は、検出信号S1、S3を加算した信号を減算器305に出力し、加算器302は、検出信号S2、S4を加算した信号を減算器305に出力する。加算器303は、検出信号S1、S4を加算した信号を減算器306と加算器307に出力し、加算器304は、検出信号S2、S3を加算した信号を減算器306と加算器307に出力する。

0063

減算器305は、加算器301、302の出力信号を減算して、フォーカスエラー信号FEを出力する。減算器306は、加算器303、304の出力信号を減算して、トラッキングエラー信号TEを出力する。加算器307は、加算器303、304の出力信号を加算して、再生RF信号(SUM信号)を出力する。

0064

ここで、対物レンズ206の焦点位置が試料収容ディスク100の半透過膜102dに位置付けられているとき、光検出器210の4分割センサ上のビームスポットは最小錯乱円となり、フォーカスエラー信号FEの値が0となる。また、対物レンズ206の焦点位置が試料収容ディスク100のトラック102c(グルーブ111)の中央位置に位置付けられているとき、光検出器210の4分割センサ上のビームスポットは、左側の2つのセンサと右側の2つのセンサに対して等しく掛かり、トラッキングエラー信号TEの値が0となる。図7に示す対物レンズアクチュエータ207は、図9に示すサーボ回路50の制御のもと、フォーカスエラー信号FEおよびトラッキングエラー信号TEが共にゼロになるように、対物レンズ206をフォーカス方向およびトラッキング方向に駆動する。

0065

信号演算回路300によって生成されたフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号および再生RF信号は、出力処理回路400により増幅およびAD変換された後、信号処理回路10およびサーボ回路50(図9参照)に出力される。また、蛍光検出器211から出力された信号FLは、出力処理回路400により増幅およびAD変換された後、信号処理回路10(図9参照)に出力される。出力処理回路400の構成については、追って、図10(a)〜図12(b)を参照して説明する。

0066

図9は、蛍光検出装置1の構成を示す図である。

0067

蛍光検出装置1は、図7に示す蛍光検出用ピックアップ200、スピンドルモータ220およびターンテーブル230の他に、信号処理回路10と、画像処理回路20と、入出力ユニット30と、コントローラ40と、サーボ回路50と、スレッドモータ240とを備えている。

0068

信号処理回路10は、蛍光検出用ピックアップ200から出力される蛍光信号(FL)および再生RF信号(RF)を処理する。蛍光信号は、図7の蛍光検出器211から出力された信号が図8の出力処理回路400によって増幅されたものであり、再生RF信号は、図8の加算器307から出力された信号が出力処理回路400によって増幅されたものである。信号処理回路10は、信号検出部11と、信号再生部12と、切出し部13と、重畳部14とを備える。

0069

信号検出部11は、蛍光検出用ピックアップ200から入力された再生RF信号を処理して、図6(a)〜(f)に示す各種信号を検出し、検出した信号を信号再生部12、切出し部13およびコントローラ40に出力する。信号再生部12は、信号検出部11から入力されたフィールドF3、F8の信号、すなわち、ヘッダー領域HE0〜HE2およびフッター領域FT0〜FT2の信号を再生し、アドレス信号を取得する。信号再生部12は、取得したアドレス信号を重畳部14に出力する。

0070

切出し部13は、蛍光検出用ピックアップ200から入力された蛍光信号を所定の間隔でサンプリングし、各サンプル値を重畳部14へと出力する。切出し部13は、信号検出部11によって信号V3(図5(a)参照)が検出されたことに応じて蛍光信号のサンプリングを開始し、信号検出部11によって信号Vs(図5(a)参照)が検出されたことに応じて蛍光信号のサンプリングを終了する。

0071

なお、切出し部13は、信号検出部11から入力される同期信号Syに基づいて、試料から一定間隔で信号が切出されるように、蛍光検出用ピックアップ200から出力された蛍光信号のサンプリング間隔を調整する。すなわち、切出し部13は、信号検出部11から入力された信号Enおよび同期信号Syに同期したタイミング信号を生成し、生成したタイミング信号に応じて蛍光信号をサンプリングする。

0072

上記のように、試料収容ディスク100は、ゾーンごとに異なる角速度で回転される。したがって、トラック部分Taがレーザ光で走査される時間は、ゾーンごとに異なる。このため、各ゾーンに対して同じ周期のタイミング信号で蛍光信号を切出すと、切出された信号群の数がゾーンごとに異なる。本実施形態1では、各ゾーンのトラック部分Taから同じ数の信号群が切出されるように、切出し部13におけるサンプリングのタイミング信号が調整される。具体的には、上記のように、切出し部13において、信号検出部11から入力された信号Enおよび同期信号Syに同期したタイミング信号が生成される。このため、各ゾーンにおいて、略同じ角度間隔で蛍光信号が切出される。

0073

重畳部14は、切出し部13によって取得された信号群に信号再生部12から入力されたアドレス信号を付加して、画像処理回路20に出力する。画像処理回路20は、入力された信号群を繋ぎ合わせて、エリアA0〜A8ごとに蛍光画像を生成する。また、画像処理回路20は、蛍光画像を画像処理して、蛍光の輝点を計数し、赤血球におけるマラリア感染率等を算出する。これらの蛍光画像、計数値および感染率等は、随時、画像処理回路20から入出力ユニット30に出力される。

0074

なお、後述のように、信号V3(図5(a)参照)が検出されてから信号Vs(図5(a)参照)が検出されるまでの間にアドレス信号が変化した場合は、画像処理回路20に出力された信号群がコントローラ40によって無効化される。この場合、コントローラ40は、アドレス信号が変化した信号V3〜Vsの期間が、再度、レーザ光で走査され、蛍光信号の切出しが行われるよう、サーボ回路50と信号処理回路10を制御する。

0075

入出力ユニット30は、キーボードマウスタッチパネルなどの入力手段と、モニタスピーカ等の出力手段を備える。入出力ユニット30を介して、蛍光検出を開始するための指示が入力される。また、蛍光画像や輝点の計数値、マラリアの感染率等が、入出力ユニット30に表示される。

0076

コントローラ40は、CPU(Central Processing Unit)等の処理回路やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリを備え、メモリに格納されたプログラムに従って各部を制御する。

0077

サーボ回路50は、蛍光検出用ピックアップ200から入力されるフォーカスエラー信号FEおよびトラッキングエラー信号TEに基づいて、対物レンズアクチュエータ207を制御する。また、サーボ回路50は、図3(b)に示すゾーンZ0〜Znが、各ゾーンに設定された角速度でビームスポットB1により走査されるように、スピンドルモータ220を制御する。

0078

このとき、サーボ回路50は、信号検出部11から入力される信号Enおよび同期信号Syに基づいて、試料収容ディスク100の回転ムラを抑制するよう、スピンドルモータ220を制御する。すなわち、サーボ回路50は、信号検出部11から入力された信号Enおよび同期信号Syと基準クロックとの間の位相ずれを解消するように、スピンドルモータ220を制御する。

0079

さらに、サーボ回路50は、ビームスポットB1がトラック102cの最外周位置から最内周位置まで走査可能となるように、蛍光検出用ピックアップ200を試料収容ディスク100の径方向に送るためのスレッドモータ240を制御する。

0080

次に、図8に示した出力処理回路400の構成について説明する。

0081

図10(a)は、比較例に係る出力処理回路400の構成を示す図である。また、図10(b)は、比較例に係る出力処理回路400のAD変換回路402に入力される再生RF信号を模式的に示す図である。便宜上、図10(b)には、フィールドF2、F7に変調構造Mdが形成されていない場合の電圧信号波形が模式的に示されている。また、図10(b)には、フィールドF2〜F8に対応する期間が付記されている。

0082

図10(a)に示すように、比較例では、再生RF信号を処理するための回路部として、アンプ401とAD変換回路402が設けられている。アンプ401は、再生RF信号を増幅し、AD変換回路402は、増幅された再生RF信号をデジタル信号に変換する。

0083

図10(b)に示すように、再生RF信号は、フィールドF3〜F6、F8に記録された信号(ピットとスペース)によって振幅する。ここで、試料収容部101bに重なる領域と重ならない領域とでは反射率が相違するため、フィールドF5に対応する走査期間のベースライン電圧V1と、フィールドF5以外のフィールドに対応する走査期間のベースライン電圧V2との間に、大きな格差が生じる。このため、各フィールドの信号をAD変換する場合には、ベースライン電圧V1、V2において振幅する電圧波形の振幅範囲Vdを含むようにAD変換の電圧レンジを設定する必要がある。

0084

しかしながら、AD変換の電圧レンジと分解能は限られているため、通常のAD変換において設定される電圧レンジでは、振幅範囲Vdに対応することが困難である。また、AD変換の電圧レンジを振幅範囲Vdまで広げた場合には、AD変換における分解能が低下し、各種信号の復号精度が低下してしまう。これにより、各種信号に基づく動作の精度が低下する結果を招いてしまう。

0085

図11(a)は、実施形態1に係る出力処理回路400の構成を示す図である。図11(b)は、グルーブ111に変調構造Mdが形成されていない場合に、実施形態1に係る出力処理回路400のAD変換回路402に入力される再生RF信号を模式的に示す図である。

0086

図11(a)に示すように、実施形態1の出力処理回路400では、アンプ401の前段にフィルタ403が配置され、AD変換回路402の後段にスイッチ404が設けられている。フィルタ403は、再生RF信号の高周波成分、すなわち、ピットとスペースによって振幅する再生RF信号の周波数成分を通過させ、この周波数成分よりも低い周波数成分を遮断するハイパスフィルタである。スイッチ404は、図9に示すコントローラ40から制御信号が入力されると、AD変換回路402から出力された信号を信号処理回路10に対して遮断し、制御信号がされていない場合は、AD変換回路402から出力された信号を信号処理回路10に出力する。

0087

図11(b)に示すように、アンプ401の前段にフィルタ403を配置することにより、再生RF信号の高周波成分が抽出される。このとき、フィルタ403は、フィールドF5に対応する電圧波形の振幅中心と、フィールドF5以外のフィールドに対応する電圧波形の振幅中心とを、互いに整合させるように機能する。これにより、電圧波形の振幅レンジ圧縮され、AD変換回路402の電圧レンジを大きく広げなくとも、再生RF信号に対してAD変換処理を行うことができる。

0088

しかしながら、実施形態1の構成では、再生RF信号をフィルタ403に通すと、ベースライン電圧が切り替わる時点から電圧波形の振幅中心が所定のレベルに収束するまでの期間において、再生RF信号の電圧波形に過渡的な歪みが生じることが、本願発明者らによって確認された。

0089

たとえば、図11(b)に示すように、ベースライン電圧がV1へと切り替わるタイミング、すなわち、フィールドF4からフィールドF5へと走査が移行するタイミングにおいて、電圧波形に過渡的な歪みが生じた。また、ベースライン電圧がV2へと切り替わるタイミング、すなわち、フィールドF4からフィールドF5へと走査が移行するタイミングにおいて、電圧波形に過渡的な歪みが生じた。この他、試料収容ディスク100が有する反りや個体のばらつきによっても、ベースライン電圧V2が変化し、これによっても、たとえば、図11(b)のフィールドF2の波形のように、再生RF信号に過渡的な歪みが生じた。

0090

このような波形の歪みが、アドレス信号に対応する電圧波形、すなわち、フィールドF3、F8の電圧波形に及ぶと、アドレス信号を適正に復号できないことが起こり得る。ここで、図11(b)の例のように、フィールドF2、F7に変調構造Mdが形成されていない場合は、これらフィールドF2、F5に対応する期間において再生RF信号が振幅しないため、この期間において、再生RF信号の振幅中心を、それまでの再生RF信号の振幅中心に整合させる作用が働きにくくなる。よって、フィールドF2、F7に対応する期間において再生RF信号に生じた歪みが十分に収束せず、歪みが、フィールドF3、F8へと移行しやすくなる。その結果、波形の歪みが、フィールドF3、F8の電圧波形、ずなわち、アドレス信号に対応する電圧波形に及んでしまい、このため、アドレス信号を適正に復号できないことが起こり得る。

0091

そこで、本実施形態1では、上記のように、フィールドF2、F7に変調構造Mdが形成されている。

0092

図11(c)は、実施形態1に係る、グルーブに変調構造Mdが形成されている場合に出力処理回路400のAD変換回路402に入力される再生RF信号を模式的に示す図である。

0093

上記のように、実施形態1では、アドレス信号が記録されるフィールドF3、F8に対して走査方向の上手側のフィールドF2、F7に変調構造Mdが形成されている。このため、再生RF信号は、図11(c)に示すように、フィールドF2、F7に対応する期間においても、変調構造Mdにより変調され振幅される。したがって、再生RF信号のベースライン電圧の変動によって再生RF信号に生じた歪みは、フィールドF3、F8に対応する期間の再生RF信号に及ぶ前に、フィルタ403による作用によって、フィールドF2、F7に対応する期間において収束される。よって、フィールドF3、F8の電圧波形、すなわち、アドレス信号に対応する電圧波形に歪みが及びにくく、このため、アドレス信号を適正に復号することができる。

0094

なお、図11(c)に示すように、フィールドF5に対応する期間の電圧波形の振幅は、フィールドF5に対応する期間以外の電圧波形の振幅と異なる。これは、試料収容部101bに重なる領域と試料収容部101bに重ならない領域とで反射率が異なるためである。ノイズとのS/N比を向上させるためには、振幅が小さい方の電圧波形を振幅が大きい方の電圧波形の振幅に揃えることが好ましい。

0095

たとえば、図12(a)、(b)に示すAGC(Automatic GainControl)回路を構成することにより、振幅が小さい方の電圧波形を振幅が大きい方の電圧波形の振幅に揃えることができる。

0096

図12(a)の構成では、信号処理回路10で再生RF信号を検波して、先行する再生RF信号の平均値直流成分)を求め、求めた平均値を逐次D/A変換回路405でアナログ信号に変換し、このアナログ信号をアンプ406で増幅してアンプ401に戻すことにより、AGC回路が構成される。

0097

図12(b)の構成では、検波回路407で再生RF信号を検波して、先行する再生RF信号の直流成分を求め、求めた直流成分をアンプ408で増幅してアンプ401に戻すことにより、AGC回路が構成される。

0098

また、図11(c)に示すように、フィールドF5に対応する期間の開始直後の期間F5aでは、再生RF信号に比較的大きな歪みが生じる。このため、この期間F5aにおいては、再生RF信号から同期信号Syを適正に復号することが難しいと考えられる。上述したサーボ回路50におけるスピンドルモータ220の同期制御や、切出し部13におけるタイミング信号の生成に、期間F5aにおける再生RF信号から取得された不安定な同期信号を用いると、同期制御の精度やタイミング信号の生成の精度が低下する恐れがある。

0099

そこで、図9に示すコントローラ40は、期間Faにおいて、図11(a)または図12(a)、(b)のスイッチ404に制御信号を付与する。これにより、期間Faにおいて信号処理回路10に対する再生RF信号の供給が遮断され、不安定な同期信号を用いた同期制御やタイミング信号の生成が抑止される。

0100

なお、このように期間Faにおいて再生RF信号が信号処理回路10に供給されない場合は、この期間F5aに対応するフィールドF5の範囲に、同期信号Syが記録されなくてもよい。あるいは、図12(c)に示すように、この期間F5aに対応するフィールドF5の範囲に、同期信号Syに代えて、変調構造Mdが形成されてもよい。

0101

なお、ここでは、図10(a)〜図12(b)を参照して、出力処理回路400に含まれる回路部のうち、再生RF信号を処理する回路部の構成について説明したが、出力処理回路400に含まれる回路部のうち、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEおよび蛍光信号FLを処理する回路部も、図11(a)または図12(a)、(b)と同様に構成され得る。

0102

こうして出力処理回路400から出力された各信号に基づいて、後段回路において、アドレス信号の取得や、蛍光信号の切出し等の処理が行われる。

0103

図13(a)は、アドレス信号の取得処理を示すフローチャートである。

0104

まず、信号再生部12は、信号検出部11からヘッダー領域HE1の信号を取得し(S11)、取得した信号中のアドレス信号に誤り訂正信号を適用して誤り訂正処理を行う(S12)。誤り訂正処理が適正であると(S13:YES)、信号再生部12は、ヘッダー領域HE2に対するアドレス信号の再生処理を行わずに、誤り訂正処理により取得されたアドレス信号を、フィールドF3(図5(a)参照)のアドレス信号として取得し(S14)、処理を終了する。一方、誤り訂正処理が適正でない場合(S13:NO)、信号再生部12は、さらにヘッダー領域HE2の信号を取得し(S15)、取得した信号中のアドレス信号に誤り訂正信号を適用して誤り訂正処理を行う(S16)。誤り訂正処理が適正であると(S17:YES)、信号再生部12は、誤り訂正処理により取得されたアドレス信号を、フィールドF3(図5(a)参照)のアドレス信号として取得し(S18)、処理を終了する。

0105

なお、ステップS12、16では、ヘッダー領域HE1、HE2に含まれている誤り訂正信号を用いて、誤り検出処理と誤り訂正処理が行われる。アドレス信号に誤りが検出されない場合、ヘッダー領域HE1、HE2に含まれているアドレス信号は適正であると判定される。また、誤りが検出されると、誤り訂正信号を用いた演算により、アドレス信号中の誤りビットが抽出され、当該誤りビットが訂正される。なお、ステップS17の判定がNOである場合、コントローラ40は、当該トラック部分Taに対する走査を、再度、実行する。

0106

図13(a)には、ヘッダー領域HE1、HE2に対するアドレス信号の取得処理を示したが、フッター領域FT1、FT2に対するアドレス信号の取得処理も図13(a)と同様である。すなわち、フッター領域FT1、FT2に対するアドレス信号の取得処理では、図13(a)のステップS11、S12が、それぞれ、フッター領域FT1、FT2の信号を取得する処理に置き換えられる。

0107

このように、本実施形態では、ヘッダー領域HE1、HE2それぞれ、アドレス信号が記録されているため、ヘッダー領域HE1からアドレス信号を適正に読み取れなかった場合も、ヘッダー領域HE2からアドレス信号を取得できる。フッター領域FT1、FT2についても同様である。よって、より円滑に、アドレス信号を取得でき、結果、蛍光信号の切出し処理を円滑に進めることができる。

0108

図13(b)は、トラッキング制御を示すフローチャートである。

0109

信号検出部11が信号V3(図5(a)参照)を検出すると(S21:YES)、サーボ回路50は、トラッキングサーボ信号直前信号値に維持し(S22)、時間Ts1が経過するのを待つ(S23)。ここで、時間Ts1は、ビームスポットB1がフィールドF5の始端を抜けるのに要する時間に設定される。フィールドF5の始端は、試料収容部101bの境界位置にあるため、この位置において、レーザ光の反射率が大きく変化し、トラッキングエラー信号が大きく乱れやすい。トラッキングエラー信号が乱れると、ビームスポットB1の走査位置が、対象トラックから隣のトラックなどに外れてしまう恐れがある。

0110

そこで、本実施形態では、ビームスポットB1がフィールドF5の始端を抜けるまでの間、すなわち、時間Ts1が経過するまでの間、トラッキングサーボ信号を直前の信号値に維持して(S22)、トラッキングが外れることを防いでいる。これにより、安定的に、レーザ光でトラック102cを走査することができる。

0111

時間Ts1が経過すると(S23:YES)、サーボ回路50は、トラッキングサーボ再開する(S24)。その後、時間Ts2が経過すると(S25:YES)、サーボ回路50は、再びトラッキングサーボ信号を直前の信号値に維持し(S26)、時間Ts3が経過するのを待つ(S27)。時間Ts3が経過すると(S27:YES)、サーボ回路50は、トラッキングサーボを再開する(S28)。

0112

ここで、時間Ts2は、ビームスポットB1がフィールドF5の終端の直前位置に到達するのに要する時間に設定される。また、時間Ts3は、ビームスポットB1がフィールドF5の終端の直前位置からフィールドF5の終端を抜けるまでに要する時間に設定される。

0113

このように、ステップS25〜S27の処理においてフィールドF5の終端付近でトラッキングサーボ信号を維持する目的およびその効果は、ステップS22〜S23の処理においてフィールドF5の始端付近でトラッキングサーボ信号を維持する目的およびその効果と同様である。すなわち、この処理もまた、フィールドF5の終端において、レーザ光の反射率が大きく変化し、トラッキングエラー信号に大きな乱れが生じ易いことを考慮したものである。これらの処理により、トラック102cを安定的に走査でき、結果、蛍光信号の切出し処理を円滑に進めることができる。

0114

ステップS27では、フィールドF5の終端に到達する時間Ts3が経過したことを判定しているが、フィールドF5の終端前に同期信号Syに代えて所定の信号をさらに記録し、この信号を検出することにより、処理をステップS28へと移行させてもよい。

0115

図14(a)は、蛍光信号の切出し処理を示すフローチャートである。

0116

信号検出部11が信号V3(図5(a)参照)を検出すると(S31:YES)、切出し部13は、蛍光信号の切出しを開始する(S32)。その後、信号検出部11が信号Vs(図5(a)参照)を検出すると(S33:YES)、切出し部13は、蛍光信号の切出しを終了する(S34)。

0117

なお、図14(a)の処理では、信号V3が検出されると直ちに蛍光信号の切出しが開始されたが、図13(b)と同様、信号V3が検出されてから所定時間(たとえば時間Ts1)が経過した後に蛍光信号の切出しが開始されるように切出し部13が構成されてもよい。また、図14(a)の処理では、信号Vsが検出されたことに応じて蛍光信号の切出しが終了されたが、図13(b)と同様、フィールドF5の終端の直前位置のタイミングで蛍光信号の切出しが終了されるように切出し部13が構成されてもよい。

0118

図14(b)は、切出し信号の無効化処理を示すフローチャートである。

0119

コントローラ40は、1つのトラック部分Taを走査する間に、ヘッダー領域HE1、HE2から再生されたアドレス信号と、フッター領域FT1、FT2から再生されたアドレス信号をそれぞれ取得する(S41、42)。コントローラ40は、こうして取得した2つのアドレス信号が不一致であるか否かを判定する(S43)。2つのアドレス信号が不一致である場合(S43:YES)、コントローラ40は、当該トラック部分Taから切り出された蛍光信号群を無効化し(S44)、当該トラック部分Taをレーザ光で再度走査して蛍光信号を切り出す処理を実行する(S45)。2つのアドレス信号が一致する場合(S43:NO)、コントローラ40は、当該トラック部分Taから切り出された蛍光信号群を無効化することなく、処理を終了する。

0120

ステップS41、S42で取得したアドレス信号が一致しない場合、試料収容部101bに重なるグルーブ111を走査する間に、レーザ光のビームスポットB1がグルーブ111から外れて他のグルーブに移動したと考えられる。この場合、その間に切り出した蛍光信号群は、2つのトラック部分に跨がって取得されており、1つのトラック部分から取得された1群の蛍光信号とはならない。

0121

そこで、本実施形態では、図14(b)の処理を実行し、試料収容部101bに重なるグルーブ111を走査する間に、レーザ光のビームスポットB1がグルーブ111から外れて他のグルーブに移動した恐れがある場合は、その間に取得された信号群は無効化され、再度、蛍光信号の切出しが行われる。これにより、1つのトラック部分Taから適正に一群の蛍光信号が取得される。

0122

図15(a)は、出力処理回路400からの各種信号の出力を停止させるため処理を示すフローチャートである。図15(b)は、マスク期間の設定において参照されるテーブルの構成を示す図である。

0123

コントローラ40は、フィールドF3のヘッダー領域HE1またはHE2からアドレス信号に基づいて、当該トラック部分Taのアドレス(ゾーン番号、エリア番号、トラック番号)を取得すると(S51:YES)、そのアドレスに応じたマスク期間を設定する(S52)。

0124

本実施形態1では、ゾーン内では角速度一定で試料収容ディスク100が駆動されるため、ゾーンの内周側と外周側では、線速度が異なり、再生RF信号の周波数が異なる。このため、ゾーンの内周側と外周側では、図11(c)に示す期間F5aが異なり得る。また、ゾーンごとに角速度が異なるため、図11(c)に示す期間F5aは、同じトラック番号のトラック部分Taであっても、ゾーンごとに異なり得る。

0125

このため、コントローラ40は、現在走査中のアドレスに適する期間F5aを、出力処理回路400からの各種信号の出力を停止させるためのマスク期間に設定する。コントローラ40は、予め、図15(b)に示すテーブルを保持している。このテーブルには、トラック部分Taのアドレスと、このアドレスに適するマスク期間(期間F5a)とが対応づけられている。コントローラ40は、このテーブルから、現在走査中のアドレスに対応するマスク期間を、ステップS52において設定する。なお、図15(b)のテーブルは、ゾーンごと、あるいは、エリアごとに個別に準備されてもよい。

0126

その後、コントローラ40は、フィールドF5に対して走査方向の直前の位置にあるフィールドF4から信号V3が検出されたか否かを監視する(S53)。信号V3が検出されると(S53:YES)、コントローラ40は、図11(a)または図12(a)、(b)に示すスイッチ404に制御信号を付与する。これにより、信号処理回路10に対する出力処理回路400からの信号の供給が遮断される(S54)。

0127

コントローラ40は、ステップS52で設定したマスク期間が終了するまで、制御信号の付与を継続する(S55)。マスク期間が終了すると(S55:YES)、コントローラ40は、制御信号の付与を終了する。これにより、信号処理回路10に対する出力処理回路400からの信号の供給が再開される(S56)。その後、コントローラ40は、処理をステップS51に戻して、同様の処理を繰り返す。

0128

図16は、蛍光信号の切り出し処理を説明するための図である。

0129

切出し部13は、レーザ光がフィールドF5を走査する間に、蛍光検出用ピックアップ200から出力される蛍光信号を、タイミング信号に同期してサンプリングし、各タイミングにおけるサンプル値を取得する。上記のように、切出し部13は、信号検出部11から入力される同期信号Syに同期するようにタイミング信号を生成する。図16上段には、サンプリングのためのタイミング信号が示されており、図16下段には、同じゾーンで同じエリアに含まれる一群のトラック部分Ta(トラック番号T0〜Tm)から切り出された信号群が模式的に示されている。ここでは、1つのトラック部分Taから、m個の信号群SP1〜SPkが取得される。

0130

図16の例では、トラック番号T1のトラック部分Taがレーザ光で走査される間の、信号SP5の走査タイミングにおいて、試料中に、マラリアに感染した赤血球が存在していることが想定されている。この場合、トラック番号T1の信号SP5のサンプリング値は高く、この信号の周囲の信号のサンプル値も高くなっている。図16では、サンプル値が高いほどハッチングの濃度が高くなっている。

0131

図9の画像処理回路20は、重畳部14から入力された信号群とアドレス信号に基づいて、同じゾーンで同じエリアに含まれる一群のトラック部分Taの信号群を、走査順およびトラック番号順に並べて1つの試料収容部101bに対する蛍光画像を生成する。画像処理回路20は、こうして生成した蛍光画像を解析して、蛍光の輝点の数、すなわち、マラリアに感染した赤血球の数を計数し、その計数値に基づき、試料に含まれる赤血球のマラリア感染率を算出する。画像処理回路20は、取得した計数値、感染率を蛍光画像とともに、入出力ユニット30に出力する。これにより、入出力ユニット30に、蛍光画像やマラリアの検出数およびマラリア感染率等が表示される。

0132

<実施形態の効果>
本実施形態によれば、以下の効果が奏され得る。

0133

図11(a)に示すように、フィルタ403を設けることにより、再生RF信号におけるベースライン電圧の変動を抑制でき、再生RF信号の電圧波形をAD変換の電圧レンジの範囲内に円滑に収めることができる。また、フィルタ403を通すことによって生じる電圧波形の過渡的な歪みを変調構造Mdに対応する波形期間によって吸収でき、アドレス信号の波形期間にこの歪みが及ぶことを抑制できる。これらの作用により、トラック部分Taに記録されたアドレス信号を精度よく検出することができる。よって、画像処理回路20により生成される蛍光画像の精度を高めることができる。

0134

なお、図12(a)、(b)に示すゲイン制御回路を用いて、フィルタ403を通過した後の電圧波形の振幅を、より大きい振幅の方に揃えることにより、ノイズに対するS/N比を向上させることができる。これにより、後段の回路部によって高精度に信号処理を行うことができ、高精度な蛍光画像を取得することができる。

0135

図5(a)に示すように、試料収容部101bを跨ぐトラック部分Taには、走査方向における試料収容部101bの上手側と下手側に、それぞれ、ヘッダー領域HE1、HE2とフッター領域FT1、FT2が設定されている。そして、これらヘッダー領域HE1、HE2とフッター領域FT1、FT2の上手側に、それぞれ、変調構造Mdが形成されている。よって、上述のように、試料収容部101bの上手側と下手側からアドレス信号を精度よく検出できる。そして、こうして取得されたアドレス信号を用いて、図15(a)の処理が実行され、上手側と下手側のアドレス信号が一致せず、試料収容部101bの走査の際にトラックずれが生じた可能性がある場合に、当該走査において蛍光信号から切り出された一群の信号を無効化される。よって、1つのトラック部分Ta全体に対応する信号群を確実に取得することができ、画像処理回路20において高品質の蛍光画像を取得することができる。

0136

図5(a)に示すように、トラック102cから反射される光を単調に変調させる同期用の信号(信号En、同期信号Sy)がトラック部分Taに記録されている。そして、この信号に同期するように、試料収容ディスク100の回転が制御される。よって、試料収容ディスク100の回転ムラを抑制でき、結果、蛍光画像の精度を高めることができる。

0137

また、同期用の信号(信号En、同期信号Sy)に同期するように、切出し部13におけるタイミング信号が生成される。よって、試料収容ディスク100に回転ムラが生じたとしても、切出し部13において一定の角度間隔で蛍光信号を切出すことができる。これにより、蛍光画像の精度を高めることができる。

0138

また、試料収容部101bに重なるフィールドF5に同期信号Syが記録されている。このため、試料収容部101bをレーザ光で走査する間に同期信号Syを取得でき、この間に、試料収容ディスク100の回転制御とタイミング信号の同期調整を行うことができる。よって、特に試料収容部101bが走査される期間において、試料収容ディスク100に回転ムラが生じることをより確実に抑制でき、また、タイミング信号の同期がずれることをより確実に抑制できる。

0139

図15(a)に示すように、ヘッダー領域HE1、HE2から取得されたアドレス信号に基づいて、蛍光検出用ピックアップ200から信号処理回路10に対する信号の供給が遮断され、同期用の信号(同期信号Sy)による制御が停止される。これにより、不安定な同期用の信号(同期信号Sy)による同期制御が抑止され、同期制御の精度が低下することを防止することができる。

0140

図3(a)に示すように、試料収容ディスク100は、ディスク周方向にエリアA0〜A8に区分され、各エリアは、ディスク周方向の2つの境界がそれぞれディスク中心から放射状に延びている。そして、エリアA0〜A8にそれぞれ試料収容部101bが配置され、各エリアに含まれるトラックの部分がトラック部分Taを構成している。これにより、試料収容ディスク100を角速度一定で回転させると、各エリアに含まれるトラック部分Taは、全て同じ時間長で走査される。よって、全てのトラック部分Taに対して一律に、図5(a)に示す同じ信号フォーマットを適用することができる。

0141

また、トラック部分Taの両端に、同期用の信号(信号En)が記録されている。このため、走査がトラック部分の始端に進入する際に、同期用の信号(信号En)を用いて試料収容ディスク100の回転ムラを抑制できる。よって、トラック部分Taを円滑に走査でき、トラック部分Taに記録された各種信号を適正に取得できる。

0142

また、ディスク周方向におけるエリアA0〜A8の角度範囲が、互いに等しく設定されている。このため、全てのエリアA0〜A8から同様の処理により、蛍光信号を切出すことができる。

0143

図1(a)に示すように、ディスク周方向の2つの境界がそれぞれディスク中心から放射状に延びるように、試料収容部101bが配置されている。このため、角速度一定で試料収容ディスク100を回転させると、1つの試料収容部101bに重なる何れのトラック部分Taをレーザ光で走査しても、試料収容部101bの範囲を走査する期間が略一定となる。これにより、上記のように蛍光検出装置1において、予めトラックに記録された信号V3と信号Vs(図5(a)参照)をそれぞれ検出し、これら信号が検出される2つのタイミング間の期間、すなわち、試料収容部101bの範囲を走査する期間において、蛍光信号をサンプリングして切出すことにより、1つのトラック部分Taに沿った一連の蛍光画像の断片を、試料収容部101bに収容された試料から取得することができる。こうして取得した断片を、図16に示すように繋ぎ合わせることにより、試料収容部101b全体の蛍光画像を取得することができる。

0144

また、図3(b)に示すように、試料収容ディスク100は、ディスク径方向に複数のゾーンZ0〜Znに区分され、各ゾーンのトラック部分Taには、角速度一定で信号が記録されている。ここで、ゾーンZ0〜Znの角速度は、各ゾーンのディスク径方向の中央位置にあるトラック部分Taの線速度が互いに同じとなるように設定されている。このように複数のゾーンZ0〜Znを設定してゾーン間の角速度を調整することにより、ディスク内周側の線速度とディスク外周側の線速度の差を抑制することができ、何れのゾーンに対しても、蛍光信号の切出しと、トラック部分Taからの信号の読み出しを、安定的に行うことができる。

0145

また、図5(a)および図6(e)、(f)に示すように、トラック部分Taには、当該トラック部分Taを含むゾーンを示す信号と、ゾーンにおけるトラック部分のディスク径方向の位置(トラック番号)を示す信号と、トラック部分Taのディスク周方向の位置(エリア)を示す信号が、アドレス信号として記録されている。これにより、各トラック部分Taのディスク上における位置を正確に特定することができる。

0146

また、図2に示すように、グルーブ111にピット113を形成することにより、信号の記録と変調構造Mdの形成が行われている。これにより、グルーブ111をディスク径方向にウォブルさせて信号の記録と変調構造Mdの形成を行う場合に比べて、ディスク形成時のカッティングを容易に行うことができる。

0147

2.実施形態2
図17は、実施形態2に係る各ゾーンのグルーブとランドを直線状に展開して示す図である。

0148

上記実施形態では、グルーブ111が最外周部から最内周部まで螺旋状に一続きとなっていた。これに対し、実施形態2では、図17に示すように、検出領域102gのトラック102cにおいて、周方向にエリアが切り替わるごとに、グルーブ111とランド112が交互に置き換わっている。実施形態2においても、図3(a)に示すように、試料収容ディスク100には、ディスク周方向に9つのエリアA0〜A8が設定されている。このため、グルーブ111から始まるトラック102cが1周すると、次の1周のトラック102cはランド112から始まることになる。また、同じエリア内では、グルーブ111とランド112がディスク径方向に交互に繰り返されることになる。ここでは、各ゾーンのトラック番号T0のトラック102cは、全て、グルーブ111から始まるように、各ゾーンのトラック数が設定されている。

0149

上記実施形態では、グルーブ111のみがレーザ光により走査されたが、実施形態2では、図17に示すように、トラック102cがグルーブ111とランド112の繰り返しにより構成されているため、ディスク周方向にグルーブ111とランド112が交互に走査される。したがって、上記実施形態ではランド112であった領域も、実施形態2ではレーザ光により走査されることになる。このため、レーザ光により走査される領域が、上記実施形態に比べて2倍になり、試料収容部101bに対する走査密度も2倍となる。よって、蛍光信号の切出し密度も上記実施形態に対して2倍となり、実施形態2では、より高精細な蛍光画像が得られる。

0150

図18(a)は、実施形態2に係る1エリアのトラック部分Taに設定される各フィールドのフォーマットを示す図である。

0151

図18(a)に示すように、実施形態2においても、グルーブ111からなるトラック部分Taのみに信号が記録され、ランド112からなるトラック部分Taには信号が記録されない。グルーブ111からなるトラック部分Taに記録される信号のフォーマットは、上記実施形態1における図5(a)のフォーマットを同様である。

0152

このようにランド112からなるトラック部分Taに信号を記録しないのは、以下の理由による。すなわち、ランド112からなるトラック部分Taに信号を記録すると、グルーブ111からなるトラック部分TaをビームスポットB1で走査して信号を読み取る際に、これに隣接するランド112からなるトラック部分Taにも同時にビームスポットB1が掛かり、ランド112からなるトラック部分Taによって光が変調される。このため、本来読み取られるべきグルーブ111からなるトラック部分Taからの再生RF信号が乱れてしまい、信号を適正に取得できなくなる。このため、実施形態2では、グルーブ111からなるトラック部分Taのみに、信号が記録されている。

0153

グルーブ111からなるトラック部分Taをレーザ光で走査する際には、当該トラック部分Taに記録された各種信号をそのまま用いて、図13(b)〜図15(a)の制御が行われる。これに対し、ランド112からなるトラック部分Taをレーザ光で走査する際には、当該トラック部分Taに対してディスク径方向に隣り合うトラック部分Taに記録された信号V3、Vsを用いて図13(b)および図14(a)の制御が行われ、また、当該トラック部分Taに対して上手側および下手側にそれぞれ隣り合うトラック部分Taに記録されたアドレス信号を用いて、図14(b)および図15(a)の制御が行われる。

0154

すなわち、図18(a)に示すように、実施形態2においても、ディスク径方向に並ぶグルーブ111からなるトラック部分Taにおいて、フィールドF1、F2、F4、F5、F6、F7、F9は、それぞれ、ディスク径方向に揃っている。また、フィールドF1、F4、F5、F6、F9には、ディスク径方向に並ぶグルーブ111からなるトラック部分Taにおいて、それぞれ、同じ信号が記録され、フィールドF2、F7には、ディスク径方向に並ぶグルーブ111からなるトラック部分Taにおいて、それぞれ、同じ変調構造Mdが形成されている。

0155

したがって、ランド112からなるトラック部分TaをビームスポットB1で走査する際には、ビームスポットB1のディスク径方向の両側の部分が、隣接する2つのトラック部分Taに掛かって、これらトラック部分TaのフィールドF1、F2、F4、F5、F6、F7、F9に形成されたピットにより変調されるが、ビームスポットB1の両側の部分は、これらのピットにより同様の変調を受けることになる。このため、ランド112からなるトラック部分Taをレーザ光で走査する場合であっても、当該トラック部分Taに対してディスク径方向に隣接するトラック部分TaのフィールドF1、F4、F5、F6、F9に記録された信号を適正に読み取ることができ、また、フィールドF2、F7に形成された変調構造Mdによる作用を受けることができる。

0156

よって、実施形態2では、ランド112からなるトラック部分Taをレーザ光で走査する場合においても、ディスク径方向に隣接するトラック部分Taから適正に、信号V3、Vsが取得される。したがって、ランド112からなるトラック部分Taをレーザ光で走査する場合においても、図13(b)および図14(a)の制御を、グルーブ111からなるトラック部分Taをレーザ光で走査する場合と同様に行い得る。

0157

また、ランド112からなるトラック部分Taをレーザ光で走査する場合においても、ディスク径方向に隣接するトラック部分Taから適正に、同期用の信号(信号En、同期信号Sy)が取得される。よって、ランド112に対する走査の際にも、同期用の信号を用いた試料収容ディスク100の回転制御(同期制御)を行うことができ、また、同期用の信号を用いた蛍光信号切出しのためのタイミング信号の生成を行うことができる。

0158

さらに、また、ランド112からなるトラック部分Taをレーザ光で走査する場合においても、レーザ光は、変調構造Mdによって変調される。よって、ランド112に対する走査の際にも、図11(a)のフィルタ403によって、図11(c)に示す電圧波形の作用を実現することができる。

0159

なお、図18(a)のフィールドF3、F8に記録された信号、すなわちアドレス信号は、ディスク径方向に隣り合うトラック部分Taで異なる。このため、ランド112からなるトラック部分Taをレーザ光で走査する場合には、当該トラック部分Taに対してディスク径方向に隣り合うトラック部分TaのフィールドF3、F8からアドレス信号を適正に取得することができない。

0160

このため、実施形態2では、ランド112からなるトラック部分Taについては、当該トラック部分Taに対して上手側に隣り合うトラック部分Taのフッター領域FT1、FT2から取得されたアドレス信号と、当該トラック部分Taに対して下手側に隣り合うトラック部分Taのヘッダー領域HE1、HE2から取得されたアドレス信号に基づいて、図14(b)および図15(a)の処理が行われる。

0161

すなわち、図14(b)のステップS41では、ランド112からなるトラック部分Taの下手側にあるトラック部分Taのヘッダー領域HE1、HE2からアドレス信号が取得され、ステップS42では、ランド112からなるトラック部分Taの上手側にあるトラック部分Taのフッター領域FT1、FT2からアドレス信号が取得される。そして、ステップS43では、両アドレス信号の関係が適正であるか否かが判定される。つまり、両アドレス信号のゾーン番号とトラック番号が一致し、且つ、エリア番号に連続性がある場合に、両アドレス信号の関係が適正であると判定される。両アドレス信号の関係が不適正である場合に(S43:YES)、ステップS44以降の処理が行われる。

0162

また、図15(a)のステップS51では、ランド112からなるトラック部分Taの上手側にあるトラック部分Taのフッター領域FT1、FT2からアドレス信号が取得される。そして、ステップS52では、取得したアドレス信号に対応するマスク期間が図15(b)のテーブルから取得される。なお、ステップS53の信号V3は、ランド112からなるトラック部分Taに対してディスク径方向に隣接するトラック部分Taから取得される。こうして、図15(a)の処理が行われる。

0163

なお、実施形態2では、ビームスポットB1の走査位置が、グルーブ111とランド112との境界を通過するごとに、グルーブ111によって変調されるビームスポットB1の領域が、ビームスポットB1の中央位置とディスク径方向の両側位置との間で切り替わる。このため、ビームスポットB1の走査位置が、グルーブ111とランド112との境界を通過するごとに、トラッキングエラー信号TEの極性を反転させる必要がある。

0164

図18(b)は、実施形態2に係るトラッキングエラー信号の極性を反転させるための構成を示す図である。図18(c)は、実施形態2に係るビームの走査とトラッキングエラー信号の極性反転タイミングを模式的に示す図である。なお、極性反転部51は、図9に示すサーボ回路50内に設けられている。信号検出部11は、図9に示す信号処理回路10に設けられたものである。

0165

信号検出部11よってトラック部分Taの末尾に記録された信号Enが検出されると、極性反転部51は、トラッキングエラー信号TEの極性を反転させてトラッキングサーボのための回路部に供給する。これにより、図18(c)に示すように、ビームスポットB1が、グルーブ111からなるトラック部分Taとランド112からなるトラック部分Taとの境界を通過するタイミングで、トラッキングエラー信号TEの極性が反転される。このようにトラッキングエラー信号の極性が反転されることにより、走査位置がグルーブ111からランド112へと移行しても、ビームスポットB1を、ずれなくトラック102c上に位置づけることができる。よって、蛍光信号の切出しを安定的に行うことができる。

0166

以上のように、実施形態2においても、上記実施形態1と同様の効果が奏され得る。加えて、実施形態2では、上述のように、上記実施形態1ではランド112であった領域もレーザ光により走査されるため、レーザ光により走査される領域が、上記実施形態1に比べて2倍になり、試料収容部101bに対する走査密度も2倍となる。よって、蛍光信号の切出し密度も上記実施形態1に対して2倍となり、より高精細な蛍光画像が得られる。

0167

<変更例>
上記実施形態1、2では、試料収容ディスク100の領域がディスク周方向に9つに区分されたが、試料収容ディスク100の領域がディスク周方向において区分される数はこれに限られるものではない。ただし、上記実施形態2のように、ディスク周方向のみならずディスク径方向においてもグルーブ111とランド112を交互に配置する場合は、試料収容ディスク100に奇数のエリアを割り当てる必要がある。この場合、試料収容ディスク100に割り当てるエリアの数を3以上の奇数とすることにより、複数種類の試料に対し蛍光画像を取得することができる。

0168

試料収容部101bの形状や試料収容部101bの内部構造も、図1(a)、(b)に示した形態以外に適宜変更可能である。さらに、1つのトラック部分Taに設定する信号フォーマットも、図5(a)のフォーマットから適宜所定のフィールドを削除または変更し、あるいは、新たなフィールドを追加することも可能である。たとえば、フィールドF5の両端は、必ずしも、上記実施形態1、2のように、試料収容部101bのディスク周方向に並ぶ2つの境界に一致しなくてもよく、これら2つの境界間の範囲よりもやや広目に設定されてもよい。また、各フィールド間にスペースが生ずる場合、同期信号Syもしくは変調構造Mdを形成してスペースを満たしてもよい。また、各フィールドに記録される信号の内容も、図6(a)〜(f)に示したものから適宜変更可能である。

0169

また、平面視における試料収容領域101bの形状は、必ずしも台形でなくてもよく、たとえば、内周位置から外周方向に延びた後、周方向に折れ曲がり、その後、内周方向に延びる、平面視においてU字状の形状であってもよい。この場合、図5(a)に示すフィールドF5の範囲には、試料収容領域101bに重ならない部分が含まれ得る。このような試料収容領域101bに重ならないフィールドF5の部分に、上記同期信号Syが記録されてもよい。

0170

また、たとえば、図19(a)に示すように、アウター領域102eと検出領域102gとの間に追記領域102hを設定し、この追記領域102hのグルーブを追記可能な記録層からなる追記グルーブ114により構成してもよい。あるいは、図19(b)に示すように、インナー領域102fと検出領域102gとの間に追記領域102hを設定し、この追記領域102hのグルーブを追記可能な記録層からなる追記グルーブ114により構成してもよい。これにより、たとえば、画像処理回路20で検出されたマラリアに感染した赤血球の数や感染率を、検体の識別情報患者情報、等)および分析日時とともに、追記領域102hの追記グルーブ114に記録することができる。よって、適宜、追記領域102hを再生することにより、必要な情報を確認することができる。

0171

さらに、各フィールドの信号は、必ずしもグルーブ111に記録されなくともよく、グルーブ111に代えてランド112に、各フィールドの信号が記録されてもよい。また、フィールドF2、F7および図12(c)のフィールドFの期間F5aに形成される変調構造Mdは、必ずしも同じパターンでなくてもよく、ピットとスペースの長さがこれらフィールドごとに異なっていてもよい。この他、蛍光検出用ピックアップ200の構成も図7の構成から適宜、変更可能である。

0172

本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。

0173

1 …蛍光検出装置
11 …信号検出部(信号取得部)
12 …信号再生部(信号取得部)
13 … 切出し部
20 …画像処理回路(画像処理部)
40 …コントローラ
100 …試料収容ディスク
101b … 試料収容部
102 … 第2基板(基板)
102c …トラック
111 …グルーブ
113 …ピット
200 …蛍光検出用ピックアップ(走査部)
211 …蛍光検出器
220 …スピンドルモータ(走査部)
240 …スレッドモータ(走査部)
403 …フィルタ
405 …DA変換回路(ゲイン制御部)
406 …アンプ(ゲイン制御部)
407 …検波回路(ゲイン制御部)
408 … アンプ(ゲイン制御部)
Ta …トラック部分
A0〜A8 …エリア
Z0〜Zn …ゾーン
En … 信号(同期用の信号)
Sy …同期信号(同期用の信号)
Md … 変調構造

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