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技術 トンネル覆工における施工継ぎ目のひび割れ防止装置

出願人 前田建設工業株式会社
発明者 原秀利北澤剛郡山卓也
出願日 2017年10月12日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2017-198269
公開日 2019年5月16日 (7ヶ月経過) 公開番号 2019-073852
状態 未査定
技術分野 トンネルの覆工・支保
主要キーワード 調整区間 調整制御装置 ゴム製部材 接続区間 標準区 軟質弾性体 型枠体 移動禁止
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年5月16日)のものです。
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図面 (5)

課題

先に施工した覆工とこれから施工する覆工とのオーバーラップ部分において、ラップ部材が先に施工した覆工に接触してひび割れが発生することを確実かつ適切に防止する。

解決手段

型枠部材310から既設の覆工70側へ向かって延長して接続したラップ部材10と、型枠部材310及びラップ部材10の配設高さを調整する高さ調整装置90と、型枠部材310が既設の覆工70へ接触するよりも前に既設の覆工70へ接触するように設けた弾性を有する高さ検出部材20と、高さ検出部材20が弾性変形する際の圧力を計測する押し当て圧力計40と、押し当て圧力計40の計測値移動制限値に達した場合に、ラップ部材10が既設の覆工70へ向かう方向への移動を禁止してラップ部材10を停止させるとともに、ラップ部材10が既設の覆工70から離れる方向への移動を許容する高さ調整制御装置80とを備える。

概要

背景

NATM工法により構築する山岳トンネル工事では、地山掘削した後に支保工を設置してコンクリートを吹き付け、ロックボルトを設置することにより一次覆工施工する。そして、一次覆工の内空面側に、型枠装置であるセントルを設置して二次覆工を施工する。

二次覆工を施工するには、所定長(例えば10.5m)のセントルをトンネル延長方向に移動させながら、一次覆工の内面とセントルの外面との間に覆工コンクリートを打設する。この際、二次覆工を連続させるとともに、接続部においてコンクリートが漏れ出すのを防止するために、既設の覆工の端部において、セントルの一部を重複させて設置してオーバーラップを形成する。

しかし、オーバーラップ部分では、既設の覆工コンクリートが若齢であり、十分に硬化していないことも考えられる。このような状態で、既設の覆工コンクリートにラップ部材を押し当てると、覆工コンクリートにひび割れが生じるおそれがある。

従来、このような不都合を解消するための技術が種々考案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。

特許文献1に記載された技術は、2次覆工コンクリート施工時に、ラップ部材を既設の覆工コンクリート壁へ当接する際に、既設の覆工コンクリート壁が過度押圧されるのを未然に防ぐようにしたものである。この特許文献1に記載された発明は、トンネルの内壁面との間に覆工コンクリートの打設空間を形成する型枠体(セントルの型枠部材)と、型枠体を支持し配置位置を決める型枠体支持手段ジャッキ)と、型枠体に設けられ、既設の覆工コンクリート壁の内周面重合して当接するラップ部材とを有している。

また、ラップ部材が既設の覆工コンクリート壁の内周面に当接する圧力を検知する圧力検知手段(ロードセル歪みゲージダイヤルゲージ)を備えている。さらに、ラップ部材と既設のコンクリート壁の内周面に可塑性材を介在させる。そして、圧力検知手段の検知結果が所定の上限値を超える場合には、ラップ部材が既設の覆工コンクリート壁を過度に押圧する前に警報手段により作業員へ警報を発生するとともに、制御手段により、型枠体支持手段の動作を停止させるとしている。

特許文献2に記載された技術は、目地材の取扱性を向上させるとともに、型枠ラップ側への止着を容易かつ確実に行うことができ、型枠と既設のコンクリート打設面との重合時に、型枠が既設のコンクリート打設面へ衝突することを防止するようにしたものである。この特許文献2に記載された技術は、型枠のラップ側外方周縁に目地材を配設する。この目地材は、断面略台形型の弾性素材からなる本体の内部に通孔を本体の長さ方向に貫通させたものである。そして、型枠のラップ側端に位置する既設のコンクリート打設面との重合時に、目地材の素材および通孔により弾性変形させて、既設のコンクリート打設面と重合させるようにしている。

特許文献3に記載された技術は、型枠が既設のコンクリート打設面へ衝突することや、打設したコンクリートが剥落することを防止するためのものである。この特許文献3に記載された技術は、トンネル内に型枠を介して覆工用のコンクリートを打設する工程において、型枠のラップ側外方周縁に軟質弾性体を配設し、型枠のラップ側端を既設のコンクリート打設面と離隔する。そして、軟質弾性体を弾性変形させて既設のコンクリート打設面と重合させることにより、既設のコンクリート打設面へ型枠が衝突することにより発生するクラック打設コンクリートの剥落を防止するようになっている。

概要

先に施工した覆工とこれから施工する覆工とのオーバーラップ部分において、ラップ部材が先に施工した覆工に接触してひび割れが発生することを確実かつ適切に防止する。型枠部材310から既設の覆工70側へ向かって延長して接続したラップ部材10と、型枠部材310及びラップ部材10の配設高さを調整する高さ調整装置90と、型枠部材310が既設の覆工70へ接触するよりも前に既設の覆工70へ接触するように設けた弾性を有する高さ検出部材20と、高さ検出部材20が弾性変形する際の圧力を計測する押し当て圧力計40と、押し当て圧力計40の計測値移動制限値に達した場合に、ラップ部材10が既設の覆工70へ向かう方向への移動を禁止してラップ部材10を停止させるとともに、ラップ部材10が既設の覆工70から離れる方向への移動を許容する高さ調整制御装置80とを備える。

目的

本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、型枠装置を用いてトンネル覆工を施工する際に、先に施工した二次覆工とこれから施工する二次覆工とのオーバーラップ部分において、ラップ部材が先に施工した二次覆工に接触してひび割れが発生することを確実かつ適切に防止するためのトンネル覆工における施工継ぎ目のひび割れ防止装置を提供する

効果

実績

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請求項1

型枠装置を用いてトンネル内壁面覆工施工する際に、既設の覆工の継ぎ目部分ひび割れが発生することを防止するための装置であって、前記型枠装置の型枠部材から既設の覆工側へ向かって延長して接続したラップ部材と、前記型枠部材を支持するとともに、前記型枠部材及びこれに接続された前記ラップ部材の配設高さを調整する高さ調整装置と、前記ラップ部材のトンネル内壁面側に突出するように設けられ、前記型枠部材が前記既設の覆工へ接触するよりも前に前記既設の覆工へ接触するように設けた弾性を有する高さ検出部材と、前記高さ検出部材が前記既設の覆工に接触した後に、前記高さ検出部材が弾性変形する際の押し当て圧力を計測する押し当て圧力計と、前記押し当て圧力計の計測値移動制限値に達した場合に、前記高さ調整装置に対して、前記ラップ部材が前記既設の覆工へ向かう方向への移動を禁止して前記ラップ部材を停止させるとともに、前記ラップ部材が前記既設の覆工から離れる方向への移動を許容する高さ調整制御装置と、を備えたことを特徴とするトンネル覆工における施工継ぎ目のひび割れ防止装置

請求項2

前記高さ調整制御装置は、前記押し当て圧力計の計測値が移動制限値よりも減少した場合に、前記ラップ部材が前記既設の覆工へ向かう方向への移動禁止解除する、ことを特徴とする請求項1に記載のトンネル覆工における施工継ぎ目のひび割れ防止装置。

請求項3

前記高さ調整制御装置は、前記ラップ部材が前記既設の覆工へ向かう方向への移動を禁止した後に、前記押し当て圧力計の計測値が移動制限値よりも低い値まで減少するように、前記ラップ部材を前記既設の覆工から離れる方向へ移動させる制御を行う、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のトンネル覆工における施工継ぎ目のひび割れ防止装置。

請求項4

前記押し当て圧力計の計測値が移動制限値に達した場合に警報を発生する警報発生装置を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のトンネル覆工における施工継ぎ目のひび割れ防止装置。

技術分野

0001

本発明は、トンネル覆工における施工継ぎ目ひび割れ防止装置に関するものであり、詳しくは、型枠装置であるセントルを用いてトンネル覆工を施工する際に、先に施工した二次覆工とこれから施工する二次覆工とのオーバーラップ部分において、ラップ部材が先に施工した二次覆工に接触してひび割れが発生することを防止するためのひび割れ防止装置に関するものである。

背景技術

0002

NATM工法により構築する山岳トンネル工事では、地山掘削した後に支保工を設置してコンクリートを吹き付け、ロックボルトを設置することにより一次覆工を施工する。そして、一次覆工の内空面側に、型枠装置であるセントルを設置して二次覆工を施工する。

0003

二次覆工を施工するには、所定長(例えば10.5m)のセントルをトンネル延長方向に移動させながら、一次覆工の内面とセントルの外面との間に覆工コンクリートを打設する。この際、二次覆工を連続させるとともに、接続部においてコンクリートが漏れ出すのを防止するために、既設の覆工の端部において、セントルの一部を重複させて設置してオーバーラップを形成する。

0004

しかし、オーバーラップ部分では、既設の覆工コンクリートが若齢であり、十分に硬化していないことも考えられる。このような状態で、既設の覆工コンクリートにラップ部材を押し当てると、覆工コンクリートにひび割れが生じるおそれがある。

0005

従来、このような不都合を解消するための技術が種々考案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。

0006

特許文献1に記載された技術は、2次覆工コンクリート施工時に、ラップ部材を既設の覆工コンクリート壁へ当接する際に、既設の覆工コンクリート壁が過度押圧されるのを未然に防ぐようにしたものである。この特許文献1に記載された発明は、トンネルの内壁面との間に覆工コンクリートの打設空間を形成する型枠体(セントルの型枠部材)と、型枠体を支持し配置位置を決める型枠体支持手段ジャッキ)と、型枠体に設けられ、既設の覆工コンクリート壁の内周面重合して当接するラップ部材とを有している。

0007

また、ラップ部材が既設の覆工コンクリート壁の内周面に当接する圧力を検知する圧力検知手段(ロードセル歪みゲージダイヤルゲージ)を備えている。さらに、ラップ部材と既設のコンクリート壁の内周面に可塑性材を介在させる。そして、圧力検知手段の検知結果が所定の上限値を超える場合には、ラップ部材が既設の覆工コンクリート壁を過度に押圧する前に警報手段により作業員へ警報を発生するとともに、制御手段により、型枠体支持手段の動作を停止させるとしている。

0008

特許文献2に記載された技術は、目地材の取扱性を向上させるとともに、型枠ラップ側への止着を容易かつ確実に行うことができ、型枠と既設のコンクリート打設面との重合時に、型枠が既設のコンクリート打設面へ衝突することを防止するようにしたものである。この特許文献2に記載された技術は、型枠のラップ側外方周縁に目地材を配設する。この目地材は、断面略台形型の弾性素材からなる本体の内部に通孔を本体の長さ方向に貫通させたものである。そして、型枠のラップ側端に位置する既設のコンクリート打設面との重合時に、目地材の素材および通孔により弾性変形させて、既設のコンクリート打設面と重合させるようにしている。

0009

特許文献3に記載された技術は、型枠が既設のコンクリート打設面へ衝突することや、打設したコンクリートが剥落することを防止するためのものである。この特許文献3に記載された技術は、トンネル内に型枠を介して覆工用のコンクリートを打設する工程において、型枠のラップ側外方周縁に軟質弾性体を配設し、型枠のラップ側端を既設のコンクリート打設面と離隔する。そして、軟質弾性体を弾性変形させて既設のコンクリート打設面と重合させることにより、既設のコンクリート打設面へ型枠が衝突することにより発生するクラック打設コンクリートの剥落を防止するようになっている。

先行技術

0010

特開2002−220995号公報
特開2003−278496号公報
特開2003−129800号公報

発明が解決しようとする課題

0011

上述した特許文献1に記載された技術では、圧力検知手段の検知結果が所定の上限値を超える場合に、警報を発生したり、型枠体及びラップ部材を駆動するジャッキの動作を停止させたりすることにより、既設の覆工コンクリート壁が過度に押圧されるのを未然に防ぐことができるとしている。

0012

しかし、圧力検知手段の検知結果が所定の上限値を超える場合にジャッキの動作を停止させる指令を出したとしても、上限値の検知からジャッキの動作を停止させるまでの間にはタイムラグが生じる。また、二次覆工コンクリートは、その性状材齢により強度が異なるものであり、ジャッキの動作を停止させた直後には問題が生じなかったとしても、時間が経過するとひび割れ等が生じるおそれがある。このような不都合を回避するためには、ジャッキの動作を停止させた後に、既設の覆工コンクリート壁が過度に押圧されるのを適切に防止する必要がある。

0013

この点、特許文献1に記載された技術では、ただ単に、警報を発生し、あるいはジャッキの動作を停止させるだけであり、その後のジャッキの動作制御については何ら考慮されていない。したがって、作業員が操作を誤り、さらにジャッキを進行方向に操作してしまった場合や、二次覆工コンクリートの性状や材齢に応じて適切にジャッキを操作できなかった場合には、ひび割れ等を適切に防止できるとは言い難い。

0014

また、上述した特許文献2及び特許文献3に記載した技術は、型枠のラップ側外方周縁に軟質弾性体を配設することにより、型枠が既設のコンクリート打設面へ衝突することや、打設したコンクリートが剥落することを防止することができるとしているが、型枠及びラップ部材の動作制御については何ら考慮されておらず、その示唆もない。

0015

本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、型枠装置を用いてトンネル覆工を施工する際に、先に施工した二次覆工とこれから施工する二次覆工とのオーバーラップ部分において、ラップ部材が先に施工した二次覆工に接触してひび割れが発生することを確実かつ適切に防止するためのトンネル覆工における施工継ぎ目のひび割れ防止装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0016

本発明に係るトンネル覆工における施工継ぎ目のひび割れ防止装置は、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明に係るトンネル覆工における施工継ぎ目のひび割れ防止装置は、型枠装置を用いてトンネル内壁面に覆工を施工する際に、既設の覆工の継ぎ目部分にひび割れが発生することを防止するための装置に関するものである。

0017

このトンネル覆工における施工継ぎ目のひび割れ防止装置は、型枠装置の型枠部材から既設の覆工側へ向かって延長して接続したラップ部材と、型枠部材を支持するとともに、型枠部材及びこれに接続されたラップ部材の配設高さを調整する高さ調整装置と、ラップ部材のトンネル内壁面側に突出するように設けられ、型枠部材が既設の覆工へ接触するよりも前に既設の覆工へ接触するように設けた弾性を有する高さ検出部材と、高さ検出部材が既設の覆工に接触した後に、高さ検出部材が弾性変形する際の押し当て圧力を計測する押し当て圧力計と、押し当て圧力計の計測値移動制限値に達した場合に、高さ調整装置に対して、ラップ部材が既設の覆工へ向かう方向への移動を禁止してラップ部材を停止させるとともに、ラップ部材が既設の覆工から離れる方向への移動を許容する高さ調整制御装置とを備えたことを特徴とするものである。なお、以下の説明において、ただ単に覆工と言うときは、二次覆工のことを言うものとする。

0018

また、高さ調整制御装置は、押し当て圧力計の計測値が移動制限値よりも減少した場合に、ラップ部材が既設の覆工へ向かう方向への移動禁止解除することが可能である。

0019

また、高さ調整制御装置は、ラップ部材が既設の覆工へ向かう方向への移動を禁止した後に、押し当て圧力計の計測値が移動制限値よりも低い値まで減少するように、ラップ部材を既設の覆工から離れる方向へ移動させる制御を行うことが可能である。

0020

また、押し当て圧力計の計測値が移動制限値に達した場合に警報を発生する警報発生装置を備えることが可能である。

発明の効果

0021

本発明に係るトンネル覆工における施工継ぎ目のひび割れ防止装置によれば、既設の覆工とラップ部材との間に介在する高さ検出部材の押し当て圧力が移動制限値に達した場合に、ラップ部材が既設の覆工へ向かう方向への移動を停止させるとともに、ラップ部材が既設の覆工から離れる方向への移動は許容している。

0022

すなわち、高さ調整装置によるラップ部材の移動を停止した後は、ラップ部材が既設の覆工から離れる方向へ移動することのみを許容するので、作業員が操作を誤り、ラップ部材が既設の覆工へ近づく方向へ高さ調整装置を操作することがない。

0023

また、押し当て圧力計の計測値が移動制限値よりも減少した場合には、ラップ部材が既設の覆工へ近づく方向へ高さ調整装置を操作することができるので、覆工コンクリートの性状や材齢に応じて、ラップ部材と既設の覆工の間隔を適切に調整することができる。

0024

さらに、ラップ部材が既設の覆工へ向かう方向への移動を禁止してラップ部材を停止させた後に、押し当て圧力計の計測値が移動制限値よりも低い値まで減少するように、ラップ部材を既設の覆工から離れる方向へ移動させることにより、既設の覆工に対して、必要以上にラップ部材が近づくことを未然に防止することができる。

図面の簡単な説明

0025

本発明の実施形態に係るひび割れ防止装置の模式図(押し当て時)。
本発明の実施形態に係るひび割れ防止装置の模式図(セット時)。
高さ調整部材の動作説明図。
型枠装置(セントル)の説明図。

実施例

0026

以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るトンネル覆工における施工継ぎ目のひび割れ防止装置(以下、ひび割れ防止装置と略記する)を説明する。図1〜4は本発明の実施形態に係るひび割れ防止装置を説明するもので、図1及び図2はひび割れ防止装置の模式図、図3は高さ調整部材の動作説明図、図4は型枠装置(セントル)の説明図である。

0027

<ひび割れ防止装置>
本発明の実施形態に係るひび割れ防止装置200は、型枠装置300を用いてトンネル内壁面に覆工70を施工する際に、既設の覆工70の継ぎ目部分にひび割れが発生することを防止するための装置である。そして、図1及び図2に示すように、ラップ部材10と、高さ調整装置90と、高さ検出部材20と、押し当て圧力計40と、高さ調整制御装置80とを備えており、さらに、警報発生装置100を備えていてもよい。

0028

<型枠装置>
本実施形態の型枠装置300は、一般的に使用されているセントルと称される装置であり、図4に示すように、トンネルの内壁面に合致したアーチ状で、トンネルの延長方向に移動可能となっている。この型枠装置300は、一対のレール330上に載置する台車320と、トンネル内空断面形状に対応した型枠部材310と、覆工部材(例えば、充填材や覆工コンクリート)の注入装置注入管及び圧送装置)等を備えている。また、型枠部材310をトンネルの内空面に接近する方向と、トンネルの内空面から離隔する方向に移動させるための移動装置油圧ジャッキ等)を備えている。本実施形態では、移動装置が高さ調整装置90として機能する。また、隣り合う覆工コンクリートの間には、ゴム発泡スチロール等からなる断面三角形状のダミージョイント60を取り付けてある。

0029

<ラップ部材>
ラップ部材10は、型枠装置300の型枠部材310から既設の覆工側へ向かって延長して接続した部材であり、図1及び図2に示すように、型枠部材310の端部側面に取り付けた断面略L字状の部材からなる。ラップ部材10の一辺は、型枠部材310の端部側面に密着した基部11となっており、基部11の上端から略直角に突出したテーブル部12を有している。また、テーブル部12の上面には、板状の弾性部材30が取り付けてある。

0030

また、ラップ部材10は、テーブル部12の上面が型枠部材310の上面よりも下側となるようにして、型枠部材310に取り付けてある。すなわち、型枠部材310の上面と面一となる既設の覆工の内面と、テーブル部12との上面との間には、図2に示すように、隙間dを設けてあり、この隙間内に弾性部材30の上端部が突出する様になっている。隙間dの幅は適宜設定することができるが、本実施形態では2mmとなっている。また、弾性部材30の厚みは10mmとなっており、テーブル部12及び弾性部材30には、高さ検出部材20を貫通させるための貫通孔50を設けてある。

0031

後に詳述するが、テーブル部12には弾性部材30を貫通するようにして、弾性を有する高さ検出部材20が取り付けてあり、高さ検出部材20はテーブル部12の上面から13mm(弾性部材30の上面から3mm)だけ突出するように設定されており、高さ検出部材20の上部が既設の覆工70に押し当たると弾性収縮し、突出量が12mm(弾性部材30の上面から2mm)となった状態を移動制限値としている。これにより、ラップ部材10を構成する弾性部材30の上面が既設の覆工70の下面よりも2mmだけ下側となるように、型枠部材310をセットすることができる。

0032

本実施形態では、トンネル内壁面に沿って複数個(例えば6個)のラップ部材10が設けてあり、特に、アーチ部に設置したラップ部材10には警報発生装置100を設けてある。これは、作業員の目視が困難な場合があるアーチ部において、ラップ部材10が既設の覆工70に接触してひび割れが発生することを確実に防止するためであるが、他の箇所に設置したラップ部材10に対応させて警報発生装置100を設けてもよい。

0033

<高さ調整装置>
高さ調整装置90は、型枠部材310を支持するとともに、型枠部材310及びこれに接続されたラップ部材10の配設高さを調整するための装置であり、本実施形態では、型枠部材310をトンネルの内空面に接近する方向と、トンネルの内空面から離隔する方向に移動させるための移動装置が高さ調整装置90となる。この高さ調整装置90(移動装置)は、例えば、油圧ジャッキにより構成することができる。

0034

<高さ検出部材>
高さ検出部材20は、ラップ部材10のトンネル内壁面側に突出するように設けられ、型枠部材310が既設の覆工70へ接触するよりも前に既設の覆工70へ接触するように設けた弾性を有する部材である。この高さ検出部材20は、図1図3に示すように、円柱状のゴム製部材からなり、ラップ部材10(テーブル部12及び弾性部材30)の貫通孔50内に収納されており、その先端部が貫通孔50から既設の覆工70側へ突出している。また、高さ検出部材20の基端部は、ラップ部材10を構成するテーブル部12の下面に固定されている。上述したように、本実施形態における高さ検出部材20の突出量は3mmとなっている。そして、高さ検出部材20が既設の覆工70へ接触すると弾性収縮して、貫通孔50内に没入するようになっている。本実施形態では、高さ検出部材20の長さは16mm、非接触時におけるラップ部材10からの突出量は3mm、高さ位置調整時におけるラップ部材10からの突出量は2mm(伸縮量1mm)となっている。なお、高さ検出部材20の長さ及び大きさや突出量は、施工状況に応じて適宜変更することができる。

0035

本実施形態では、弾性部材30と高さ検出部材20はともにゴム製であり、高さ検出部材20の通常時及び伸縮時の外径は、ラップ部材10に設けた貫通孔50の内径よりも小さくなっている。また、高さ検出部材20の外周部と貫通孔50の内周面との間には緩衝材としてグリス充填されている。

0036

<押し当て圧力計>
押し当て圧力計40は、図1及び図2に示すように、高さ検出部材20が既設の覆工70に接触した後に、高さ検出部材20が弾性変形する際の押し当て圧力を計測するための計器である。この押し当て圧力計40は、高さ検出部材20の下端側に当接するようにして、ラップ部材10のテーブル部12に取り付けられている。また、押し当て圧力計40は、押し当て圧力を電気信号に変換して、高さ調整制御装置80へ送信するようになっており、押し当て圧力信号伝送するための信号ケーブル41が接続されている。

0037

<高さ調整制御装置>
高さ調整制御装置80は、コンピュータ及びこれにインストールしたプログラムと、コンピュータの周辺機器とからなり、基本的な制御として、押し当て圧力計40の計測値が移動制限値に達した場合に、高さ調整装置90に対して、ラップ部材10が既設の覆工70へ向かう方向への移動を禁止してラップ部材10を停止させるとともに、ラップ部材10が既設の覆工70から離れる方向への移動を許容する制御を行う。なお、ラップ部材10が既設の覆工70へ向かう方向への移動を禁止した場合であっても、現場作業員等の判断で、移動禁止を解除するような構成としてもよい。現場の状況に合わせて微調整を行うためである。

0038

移動制限値は、型枠装置(セントル)300を用いてトンネル覆工70を施工する際に、ラップ部材10が先に施工した覆工70に接触してひび割れが発生することを確実かつ適切に防止することができる値に設定する。本実施形態では、高さ検出部材20の上部が既設の覆工70に押し当たって弾性収縮し、弾性部材30の上面から2mmだけ突出した状態を移動制限値としている。これにより、ラップ部材10を構成する弾性部材30の上面が既設の覆工70の下面よりも2mmだけ下側となる位置で、ラップ部材10を停止させることができる(図2参照)。

0039

このような制御を行うことにより、ラップ部材10が移動停止した後に、ラップ部材10が既設の覆工70から離れる方向へ移動する操作のみを行うことができ、作業員の誤操作により、ラップ部材10が既設の覆工70へ近づくことがない。

0040

また、高さ調整制御装置80は、押し当て圧力計40の計測値が移動制限値よりも減少した場合に、ラップ部材10が既設の覆工70へ向かう方向への移動禁止を解除する制御を行ってもよい。

0041

このような制御を行うことにより、計測値が移動制限値よりも減少すると、ラップ部材10を、既設の覆工70へ近づく方向へ移動させることができるので、覆工70を形成するコンクリートの性状や材齢に応じて、ラップ部材10と既設の覆工70の間隔を適切に調整することができる。

0042

さらに、高さ調整制御装置80は、ラップ部材10が既設の覆工70へ向かう方向への移動を禁止した後に、押し当て圧力計40の計測値が移動制限値よりも低い値まで減少するように、ラップ部材10を既設の覆工70から離れる方向へ移動させる制御を行ってもよい。

0043

このような制御を行うことにより、既設の覆工70に対して、ラップ部材10が必要以上に近づくことを防止することができ、例えば、既設の覆工70の施工面が均一ではなく、ラップ部材10と既設の覆工70との間隔が規定値から外れた場合であっても、ひび割れが生じないような間隔とすることができる。この場合には、作業員の目視により、ラップ部材10の位置を調整すればよい。

0044

<警報発生装置>
警報発生装置100は、押し当て圧力計40の計測値が移動制限値に達した場合に警報を発生するための装置であり、例えば、警報ランプ警報音発生装置からなる。上述したように、警報発生装置100は、作業員の目視が困難な場合があるアーチ部に設置したラップ部材10に取り付けることが好ましい。

0045

警報発生装置100により警報を発生することにより、作業員に対して、押し当て圧力計40の計測値が移動制限値に達したことを報知することができるので、既設の覆工70とラップ部材10との間隔を適切に調整することが可能となる。

0046

<長さ調整区間
トンネル覆工においては、長さ調整区間(非常駐車帯区間坑門接続区間等)が存在する。このような長さ調整区間においても、本発明に係る施工継ぎ目のひび割れ防止装置を適用することができる。例えば、標準区間のラップ長は10cm程度であるが、長さ調整区間のラップ長は1m〜3m程度となる。このため、ラップ部材10のセット誤差が大きくなるので、当該長さ調整区間では、4mm程度の隙間dを維持する。この際には、高さ検出部材20の高さを標準の16mmから21mmに変更して、隙間dを管理すればよい。

0047

<従来技術との差違>
先に説明した特許文献1に記載された技術では、ロードセルを用いた圧力検知のための間隔(本発明の隙間d)は、適時変更可能としている。しかし、覆工に当接する力が直接的に伝わる位置にロードセルを設置することで、より精度のよい圧力検知手段を構築することができるとして、実際にはロードセルが覆工に接触することを前提としていることは明らかである。

0048

また、特許文献1に記載された技術では、ラップ部材(オーバラップ)の製作誤差による不具合防止については、何ら記載はなく、その示唆もない。したがって、ロードセルによる圧力管理のみでは、中間地点におけるラップ部材(オーバラップ)の押し当てが危惧される。

0049

これに対して本発明は、ラップ箇所全周にわたって、覆工70とラップ部材10との間に2mmの隙間dを保持しており、覆工70とラップ部材10は直接に接触していない。また、2mmの隙間dであれば、コンクリートが漏れ出すことはない。すなわち、本発明では、覆工70とラップ部材10との隙間dを2mm確保しているので、覆工70とラップ部材10とが直接に接触することはなく、覆工70(既設コンクリート)には押圧によるひび割れは発生しない。

0050

10ラップ部材
11 基部
12 テーブル部
20 高さ検出部材
30弾性部材
40 押し当て圧力計
41信号ケーブル
50貫通孔
60ダミージョイント
70覆工
80 高さ調整制御装置
90 高さ調整装置
100警報発生装置
200ひび割れ防止装置
300型枠装置
310型枠部材
320台車
330レール
d 隙間

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