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技術 水素吸蔵合金粒子

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 近真紀雄
出願日 2017年10月13日 (3年2ヶ月経過) 出願番号 2017-199579
公開日 2019年5月16日 (1年7ヶ月経過) 公開番号 2019-073757
状態 未査定
技術分野 電池の電極及び活物質 粉末冶金 非鉄金属または合金の熱処理
主要キーワード 白色画素数 全元素量 固溶体合金 平均断面積 系固溶体 水素拡散 面積増加 反応活性点
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年5月16日)のものです。
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図面 (6)

課題

電流密度を高めた場合に放電特性に優れる水素吸蔵合金粒子を開示する。

解決手段

TiとCrとVと5at%以上10at%以下のNiとを含む水素吸蔵合金粒子であって、Ti、Cr及びVを主成分とし格子定数が3.05±0.05Åである体心立方構造を有する母相と、Ti及びNiを主成分とし前記母相の間に存在する粒界相と、を備え、前記母相の平均断面積が5μm2以下であり、粒子表面に占める前記粒界相の面積率が30%以上である、水素吸蔵合金粒子とする。

概要

背景

アルカリ電池電極材料として水素吸蔵合金が利用されている。例えば、特許文献1には、Ti−V系固溶体からなり、体心立方構造を有する母相と、Ti−Ni系合金からなり、前記母相中に3次元網目状に存在して母相を小母相に分割する第2相とを含む所定の水素吸蔵合金が開示されており、小母相の平均断面積を30μm2以下、具体的には10−15μm2程度とすることで、高率放電特性及び充放電サイクル特性に優れた水素吸蔵合金電極を得ている。

概要

電流密度を高めた場合に放電特性に優れる水素吸蔵合金粒子を開示する。TiとCrとVと5at%以上10at%以下のNiとを含む水素吸蔵合金粒子であって、Ti、Cr及びVを主成分とし格子定数が3.05±0.05Åである体心立方構造を有する母相と、Ti及びNiを主成分とし前記母相の間に存在する粒界相と、を備え、前記母相の平均断面積が5μm2以下であり、粒子表面に占める前記粒界相の面積率が30%以上である、水素吸蔵合金粒子とする。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

TiとCrとVと5at%以上10at%以下のNiとを含む水素吸蔵合金粒子であって、Ti、Cr及びVを主成分とし格子定数が3.05±0.05Åである体心立方構造を有する母相と、Ti及びNiを主成分とし前記母相の間に存在する粒界相と、を備え、前記母相の平均断面積が5μm2以下であり、粒子表面に占める前記粒界相の面積率が30%以上である、水素吸蔵合金粒子。

技術分野

0001

本願は水素吸蔵合金粒子を開示する。

背景技術

0002

アルカリ電池電極材料として水素吸蔵合金が利用されている。例えば、特許文献1には、Ti−V系固溶体からなり、体心立方構造を有する母相と、Ti−Ni系合金からなり、前記母相中に3次元網目状に存在して母相を小母相に分割する第2相とを含む所定の水素吸蔵合金が開示されており、小母相の平均断面積を30μm2以下、具体的には10−15μm2程度とすることで、高率放電特性及び充放電サイクル特性に優れた水素吸蔵合金電極を得ている。

先行技術

0003

特開2002−003975号公報

発明が解決しようとする課題

0004

本発明者の新たな知見によれば、特許文献1に開示されたような水素吸蔵合金を電池電極に適用した場合、電流密度を高くすると放電特性が低下し、電池の出力が低下してしまうという課題がある。

課題を解決するための手段

0005

本願は上記課題を解決するための手段の一つとして、TiとCrとVと5at%以上10at%以下のNiとを含む水素吸蔵合金粒子であって、Ti、Cr及びVを主成分とし格子定数が3.05±0.05Åである体心立方構造を有する母相と、Ti及びNiを主成分とし前記母相の間に存在する粒界相と、を備え、前記母相の平均断面積が5μm2以下であり、粒子表面に占める前記粒界相の面積率が30%以上である、水素吸蔵合金粒子を開示する。

0006

「Ti、Cr及びVを主成分とし」とは、母相に含まれる全元素量のうちTi、Cr及びVの合計量の占める割合(at%)が最も大きいことを意味する。
「Ti及びNiを主成分とし」とは、粒界相に含まれる全元素量のうちTi及びNiの合計量の占める割合(at%)が最も大きいことを意味する。
「母相の平均断面積」は、水素吸蔵合金粒子について断面SEM画像を取得し、当該断面SEM画像において粒界相に囲まれた領域(結晶粒)の面積計測してその平均値を求めることで特定可能である。例えば、断面SEM画像において粒界相に囲まれた領域(結晶粒)を10個以上抽出し、各面積を計測してその平均値を求める。
「粒子表面に占める前記粒界相の面積率」は、水素吸蔵合金粒子の表面の反射電子像を2階調化した場合に白色に検出される領域の割合を計測することで特定可能である。例えば、水素吸蔵合金粒子の表面について反射電子像を取得し、当該反射電子像において、10μm×10μmの領域を選択し、画像処理ソフトで2階調化し、(白色画素数)÷(全画素数)×100として当該領域に占める粒界相の面積率を求め、粒子表面の10箇所以上について同様にしてそれぞれ面積率を求め、全体としての面積率を特定する。

発明の効果

0007

本開示の水素吸蔵合金粒子は、母相の平均断面積が5μm2以下と小さく、放電反応に寄与する粒界相の粒子表面に占める面積率が30%以上と大きいため、電池の電極材料として適用した場合に、電流密度が高くても放電容量が低下し難く、出力が高い。

図面の簡単な説明

0008

水素吸蔵合金粒子10を説明するための概略図である。
放電特性向上のメカニズムを説明するための概略図である。
比較例1、2及び実施例に係る水素吸蔵合金粒子の表面状態(母相、粒界相の状態)を示す反射電子像である。(A)が比較例1、(B)が比較例2、(C)が実施例である。
実施例に係る水素吸蔵合金粒子の表面状態(母相、粒界相の状態)を示す反射電子像である。明るく白い部分が粒界相に相当し、粒界相に隣接して薄暗い部分が母相に相当する。
比較例1、2及び実施例に係る水素吸蔵合金粒子を用いた電極について、電流密度と放電容量との関係を示す図である。

0009

1.水素吸蔵合金粒子
図1に示す水素吸蔵合金粒子10は、TiとCrとVと5at%以上10at%以下のNiとを含む水素吸蔵合金粒子であって、Ti、Cr及びVを主成分とし格子定数が3.05±0.05Åである体心立方構造を有する母相1と、Ti及びNiを主成分とし母相1の間に存在する粒界相2と、を備える。また、本開示の水素吸蔵合金粒子10においては、母相1の平均断面積が5μm2以下であり、粒子表面に占める粒界相2の面積率が30%以上である。

0010

1.1.母相
母相1は、Ti、Cr及びVを主成分とし格子定数が3.05±0.05Åである体心立方構造を有する。母相1は基本的にはTiCrV合金主体とするものであるが、水素吸蔵量を高める等の目的で、Ti、Cr、V以外の元素が含まれていてもよい。例えば、La等を含み得る。ただし、Ti、Cr、V以外の元素の量が多過ぎると、高い水素吸蔵能を有する体心立法構造の母相の割合が減少し、容量低下を招く虞がある。そのため、Ti、Cr、V以外の元素の量は20at%以下が好ましく、10at%以下がより好ましい。言い換えれば、母相1に含まれる成分全体を100at%とした場合において、母相1に含まれるTi、Cr及びVの量は合計で80at%以上であることが好ましく、90at%以上であることがより好ましい。母相1に含まれるTi、Cr及びVのそれぞれの量は特に限定されるものではない。例えば、母相1に含まれる成分全体を100at%とした場合において、母相1に含まれるTiの量は15at%以上40at%以下であることが好ましく、さらに20at%以上、35at%以下であることが好ましい。Crの量は10at%以上50at%以下であることが好ましく、さらに20at%以上、40at%以下であることが好ましい。Vの量は10at%以上 70at%以下であることが好ましく、さらに30at%以上、60at%以下であることが好ましい。

0011

本発明者の知見では、水素吸蔵合金10を用いて電池の電極を構成した場合、母相1は容量に寄与するものの放電反応活性をほとんど持たず、後述の粒界相2の表面露出部分において放電反応が起こっているものと考えられる。よって、例えば、図2(A)に示すように、水素吸蔵合金粒子において母相が大きい場合、粒界相の表面露出部分がまばらであり、有効反応面積が限られることがネックとなって、高電流密度における放電特性が低下するものと考えられる。一方、図2(B)に示すように、本開示の水素吸蔵合金粒子10のように、母相1の平均断面積を5μm2以下と小さくすることで、粒界相2の表面露出部分(表面に占める面積率)が相対的に大きくなり、粒子全体における母相1と粒界相2との界面の面積も増加し、水素拡散が有利となって、電流密度が高くても放電容量が低下しにくく、出力が高い電極が得られる。特に、本発明者の知見では、後述の粒界相2は一定以上の大きさ(幅)に成長し難い(粒界からのNiの広がりが通常0.5μm以下)ことから、粒子表面に占める粒界相2の面積率を増大させるためには、母相1の大きさを小さくすることが極めて有効である。

0012

1.2.粒界相
粒界相2は、Ti及びNiを主成分とする相で、上記母相1の間に存在する。粒界相2は、母相1よりもNiを多く含む。固溶体合金系は高容量な一方で単体では充放電特性が低いが、Ti及びNiを主成分とする粒界相2を導入することで、充放電特性を向上させることができる。粒界相2に含まれる成分全体を100at%とした場合において、粒界相2に含まれるTiの量は70at%以上30at%以下であることが好ましく、Niの量は70at%以上30at%以下であることが好ましい。さらに、粒界相2に含まれる成分全体を100at%とした場合において、粒界相2に含まれるTi及びNiの量は合計で80at%以上であることが好ましく、90at%以上であることがより好ましい。

0013

本発明者の知見では、水素吸蔵合金粒子10において粒子表面に占める粒界相2の面積率が30%以上であれば、当該粒子を電池の電極材料として適用した場合に、電流密度が高くても放電容量が低下しにくく、出力が高いものとなる。

0014

1.3.その他
水素吸蔵合金粒子10の全体としての大きさは特に限定されるものではない。電池の電極として適用した場合に入出力特性を一層高める観点からは、水素吸蔵合金粒子10の粒子径は50μm以下であることが好ましい。

0015

本開示の水素吸蔵合金粒子10は、全体の組成としてTiとCrとVと5at%以上10at%以下のNiとを含む。本発明者の知見では、水素吸蔵合金粒子10に含まれるNiの量が5at%未満では、Niが固溶してしまい上記の粒界相2が形成され難く、充放電特性が低下する。一方、水素吸蔵合金粒子10に含まれるNiの量が10at%超の場合(例えば、特許文献1に開示されているようにNiの量を12at%とした場合)、容量への寄与が少ない粒界相が必要以上に増加する虞があり、高容量が長所である固溶体合金のメリットを生かせなくなる虞がある。

0016

一方、水素吸蔵合金粒子10全体としてのTi、Cr及びVの含有量は特に限定されるものではない。例えば、Tiを20at%以上35at%以下、Crを5at%以上40at%以下、Vを25at%以上70at%以下とすることが好ましい。本発明者の知見によれば、水素吸蔵合金粒子10においては、母相1に含まれるCrの量が増加するほど、粒子の耐久性が向上する。この点、母相1におけるCrの量は、より好ましくは10at%以上、さらに好ましくは20at%以上である。

0017

以上の通り、本開示の水素吸蔵合金粒子10によれば、高容量であるが出力に課題がある水素吸蔵合金粒子において、合金組織微細化して母相1を小さなものとし、且つ、表面の反応活性点となる粒界相2の割合を増加させることで、出力特性を改善することができる。また、Crを必須で含ませることで、耐久性を向上させることもできる。

0018

2.水素吸蔵合金粒子の製造方法
本開示の水素吸蔵合金粒子10を製造するにあたり、上記した小さな母相1を有する水素吸蔵合金は、例えば急冷法を経て製造することができる。具体的には、ガスアトマイズ法ロール急冷法水冷法等の急冷法によって、上記の合金組成を有する水素吸蔵合金粒子を、溶融状態又は体心立方構造を維持できる温度から冷却速度1000K/sec以上で急速に冷却することで、小さな母相1を有する水素吸蔵合金を得ることができる(例えば、図3(B)参照)。また、このような小さな母相1の周囲には自ずと粒界相が形成されるが、当該粒界相の粒子表面に占める面積率を30%以上とするためには、粒界相から周囲にNiを拡散させて、粒界相を拡大することが好ましい。例えば、上記の急冷法によって得られた粒子に対して、さらに熱処理を施すことで、粒界相を拡大することができる(例えば、図3(C)参照)。このときの熱処理条件は特に限定されるものではない。例えば、熱処理雰囲気真空雰囲気とし、熱処理温度を500℃程度とし、熱処理時間を2時間程度とすることができる。このように、本開示の水素吸蔵合金粒子10は、好ましくは急冷法とその後の熱処理とを経ることで、容易に製造することができる。

0019

3.用途
本開示の水素吸蔵合金粒子10は電池の電極材料として適用可能である。この場合、電極は水素吸蔵合金粒子10を適用したこと以外は従来と同様とすることができる。例えば、電極には、水素吸蔵合金粒子10のほか、導電助剤バインダー等が含まれていてもよい。水素吸蔵合金粒子10を含む電極の製造方法そのものは本願を参照した当業者にとって自明である。例えば、水素吸蔵合金粒子10を含むペースト基材(例えば多孔質導電部材)に塗布し、乾燥させた後で、任意にプレスすること等によって水素吸蔵合金粒子10を含む電極を製造可能である。

0020

特に、本開示の水素吸蔵合金粒子10は、アルカリ蓄電池負極材料負極活物質)として適用することが好ましい。アルカリ蓄電池は、例えば、ニッケル水素電池であっても良く、空気電池であっても良く、他の形態であっても良い。アルカリ蓄電池がニッケル水素電池である場合、正極には、例えば、水酸化ニッケル(Ni(OH)2)を用いることができる。これに対し、アルカリ蓄電池が空気電池である場合、正極には、例えば、LaNiO3のようなペロブスカイト構造をもつ酸化物等を用いることができる。

0021

電解質層は、正極及び負極の間に配置され、かつ、アルカリ水溶液を含む。アルカリ水溶液としては、例えば、水酸化カリウム(KOH)水溶液が挙げられる。水溶液の濃度は特に限定されないが、例えば、6mol/Lとすることができる。電解質層は、電解液のみからなるものであってもよく、電解液をセパレータ含浸させたものであってもよい。セパレータとしては、例えば、ポリエチレンポリプロピレン製の不織布セパレータを使用することができる。

0022

アルカリ蓄電池を製造する際に、水素吸蔵合金粒子10を含む負極は、例えば、上述した方法によって製造することができる。一方、正極は、例えば、水酸化ニッケルと、酸化コバルトと、バインダーとが所定の重量比になるように量した後、これらを混練することにより作製したペースト状の組成物を、多孔質の導電性部材に塗布し、続いて乾燥させた後、これを所定の圧力でプレスする等の方法により、製造することができる。その後、所定の濃度になるように調整したアルカリ性の水溶液を容器に入れ、さらに、アルカリ性の水溶液を入れた容器へ、正極及び負極を配置する過程を経ることにより、アルカリ蓄電池を製造することができる。

0023

1.水素吸蔵合金粒子の作製
1.1.比較例1
合金組成が原子比でTi:Cr:V:Ni=26:8:56:10となるように仕込み量を調整し、アーク溶解法にて、比較例1に係るTi26Cr8V56Ni10合金粒子を得た。得られた粒子の断面SEM画像を取得し、当該断面SEM画像において粒界相に囲まれた領域(結晶粒)を10個抽出し、各面積を計測してその平均値を求めることで、「母相の平均断面積」を特定した。また、得られた粒子の表面について反射電子像を取得し、当該反射電子像において、10μm×10μmの領域を選択し、画像処理ソフトで2階調化し、(白色画素数)÷(全画素数)×100として当該領域に占める粒界相の面積率を求め、粒子表面の10箇所について同様にしてそれぞれ面積率を求め、その平均値を求めることで、「粒子表面に占める粒界相の面積率」を特定した。図3(A)に、比較例1に係る粒子の反射電子像を示す。

0024

比較例1に係るTi26Cr8V56Ni10合金粒子は、母相の平均断面積が275μm2であり、粒子表面に占める粒界相の面積率は16%であった。

0025

1.2.比較例2
合金組成が原子比でTi:Cr:V:Ni=26:8:56:10となるように仕込み量を調整し、ガスアトマイズ法にて、比較例2に係るTi26Cr8V56Ni10合金粒子を得た。得られた粒子の断面SEM画像を取得し、当該断面SEM画像において粒界相に囲まれた領域(結晶粒)を10個抽出し、各面積を計測してその平均値を求めることで、「母相の平均断面積」を特定した。また、得られた粒子の表面について反射電子像を取得し、当該反射電子像において、10μm×10μmの領域を選択し、画像処理ソフトで2階調化し、(白色画素数)÷(全画素数)×100として当該領域に占める粒界相の面積率を求め、粒子表面の10箇所について同様にしてそれぞれ面積率を求め、その平均値を求めることで、「粒子表面に占める粒界相の面積率」を特定した。図3(B)に、比較例2に係る粒子の反射電子像を示す。

0026

比較例2に係るTi26Cr8V56Ni10合金粒子は、母相の平均断面積が5.8μm2であり、粒子表面に占める粒界相の面積率は15%であった。

0027

1.3.実施例
比較例2に係るTi26Cr8V56Ni10合金粒子に対して真空下、500℃で2時間の熱処理を施すことで、実施例に係るTi26Cr8V56Ni10合金粒子を得た。得られた粒子の断面SEM画像を取得し、当該断面SEM画像において粒界相に囲まれた領域(結晶粒)を10個抽出し、各面積を計測してその平均値を求めることで、「母相の平均断面積」を特定した。また、得られた粒子の表面について反射電子像を取得し、当該反射電子像において、10μm×10μmの領域を選択し、画像処理ソフトで2階調化し、(白色画素数)÷(全画素数)×100として当該領域に占める粒界相の面積率を求め、粒子表面の10箇所について同様にしてそれぞれ面積率を求め、その平均値を求めることで、「粒子表面に占める粒界相の面積率」を特定した。図3(C)及び図4に、実施例に係る粒子の反射電子像を示す。

0028

実施例に係るTi26Cr8V56Ni10合金粒子は、母相の平均断面積が4.6μm2であり、粒子表面に占める粒界相の面積率は34%であった。図3及び図4に示すように、実施例に係る粒子は、比較例1、2に係る粒子よりも、母相が小さく、且つ、粒界相が大きくなっている(幅が拡大している)ことが分かる。

0029

2.電極材料としての評価
上記のようにして作製したTi26Cr8V56Ni10合金粒子を活物質とし、導電助剤(Ni粉末)及びバインダーと混練し、発泡Ni上に塗布した後、乾燥及びロールプレスすることで、評価用の水素吸蔵合金電極を得た。以上のように作製した水素吸蔵合金電極を負極とし、Ni(OH)2電極を対極として組み合せ、電解液に6M−KOHを用いて、評価用の電池を作製した。

0030

作製した電池について、以下の充放電条件にて放電レート特性を評価した。結果を図5に示す。
充放電条件:温度25℃、CC充放電
充電:10mA/cm2、7.5hカット
放電:5〜100mA/cm2、作用極−0.5V vs Hg/HgOカット

0031

図5に示すように、実施例に係る水素吸蔵合金粒子を電池の電極材料として適用した場合、比較例1、2に係る水素吸蔵合金粒子を電池の電極材料として適用した場合よりも、電流密度が高くても放電容量が低下しにくく、出力が高くなることが分かった。実施例において高率放電特性が大きく向上したのは、比較例2で見られる母相の微細化による効果(表面に露出する粒界相(反応活性部分)の増加、及び、母相と粒界相との界面の面積増加)に加えて、熱処理によって表面においてNiが拡散して粒界相が拡大し、表面に占める粒界相の面積率が増加したことで、合金粒子上の反応面積が増加したためと考えられる。

実施例

0032

ただし、本発明者の知見では、熱処理は母相の粒成長(放電特性の低下因子)も促進させる場合があり、Niの拡散量と母相の粒成長のバランスで熱処理条件を設定することが好ましい。熱処理条件を最適に設定することで、TiとCrとVと5at%以上10at%以下のNiとを含む水素吸蔵合金粒子において、母相の平均断面積を5μm2以下とするとともに、粒子表面に占める粒界相の面積率を30%以上とすることができる。

0033

本開示の水素吸蔵合金粒子は、例えば、電池用の電極材料として、好ましくはアルカリ蓄電池の負極材料(負極活物質)として利用できる。

0034

1母相
2粒界相
10 水素吸蔵合金粒子

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