図面 (/)

技術 微細孔を有するチタン又はチタン合金の酸化薄膜の製造方法

出願人 栗田工業株式会社
発明者 吉村南美永井達夫
出願日 2017年10月12日 (2年0ヶ月経過) 出願番号 2017-198830
公開日 2019年5月16日 (5ヶ月経過) 公開番号 2019-073746
状態 特許登録済
技術分野 表面反応による電解被覆
主要キーワード チタン合金薄膜 電解硫酸 チタン合金部材 陰極部材 陽極部材 チタン基材 チタン合金製 被処理部材
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年5月16日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

チタン又はチタン合金薄膜から100nm以下の孔を有するチタン又はチタン合金酸化薄膜を製造する方法を提供する。

解決手段

処理装置1は、処理槽2とこの処理槽2内に設置された陰極部材4及び陽極部材5とを有し、これら陰極部材4及び陽極部材5はそれぞれ直流電源3のマイナス極及びプラス極に接続している。この処理装置1において、陽極部材5は被処理部材となるものであり、チタン又はチタン合金製薄膜を用いた部材を用いる。この処理槽2にフッ化水素化合物を0.5重量%以下溶解した酸化剤濃度5g/L以上の硫酸溶液又は電解硫酸液Sを収容して1〜20A/dm2の電流密度電解処理する。

概要

背景

チタン又はチタン合金部材は、高い硬度と強度とを備えた軽い金属であり、かつ耐食性が高く、延性富むという優れた特性を有することから広く利用されている。さらに、チタン及びチタン合金部材に陽極酸化処理を施して陽極酸化皮膜を形成することによって、着色、耐摩耗性の向上、光触媒の機能が発現されるだけでなく、生態適合性が高いことから医療用などその用途が拡大されている。

このチタン又はチタン合金への陽極酸化皮膜の形成方法は、例えばチタン又はチタン合金を陽極として、硫酸リン酸過酸化水素混合液などの電解液中で電解処理を行うことが知られている(例えば特許文献1、特許文献2など)。これらの文献によると、100V以上の高い電圧をかけて火花放電処理することにより、微細孔を形成することで光触媒の機能を付与し、有機化合物や細菌などの有害物質を除去することができるようになる。

概要

チタン又はチタン合金薄膜から100nm以下の孔を有するチタン又はチタン合金の酸化薄膜を製造する方法を提供する。処理装置1は、処理槽2とこの処理槽2内に設置された陰極部材4及び陽極部材5とを有し、これら陰極部材4及び陽極部材5はそれぞれ直流電源3のマイナス極及びプラス極に接続している。この処理装置1において、陽極部材5は被処理部材となるものであり、チタン又はチタン合金製薄膜を用いた部材を用いる。この処理槽2にフッ化水素化合物を0.5重量%以下溶解した酸化剤濃度5g/L以上の硫酸溶液又は電解硫酸液Sを収容して1〜20A/dm2の電流密度で電解処理する。

目的

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、チタン又はチタン合金薄膜から100nm以下の孔を有するチタン又はチタン合金の酸化薄膜を製造する方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

チタン又はチタン合金製薄膜陽極として、フッ化水素化合物を0.5重量%以下溶解した硫酸溶液又はフッ化水素化合物を0.5重量%以下溶解した酸化剤濃度5g/L以上の電解硫酸液中で1〜20A/dm2の電流密度電解処理する、微細孔を有するチタン又はチタン合金酸化薄膜の製造方法。

請求項2

前記硫酸溶液又は電解硫酸液の硫酸濃度が10重量%以上である、請求項1に記載の微細孔を有するチタン又はチタン合金の酸化薄膜の製造方法。

請求項3

前記フッ化水素化合物が、フッ化アンモニウムである、請求項1又は2に記載の微細孔を有するチタン又はチタン合金の酸化薄膜の製造方法。

請求項4

前記フッ化水素化合物を溶解した硫酸溶液又は電解硫酸液による電解処理の処理時間が30〜60秒である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の微細孔を有するチタン又はチタン合金の酸化薄膜の製造方法。

請求項5

前記フッ化水素化合物を溶解した硫酸溶液又は電解硫酸液による電解処理の後、フッ化水素化合物を溶解しない電解硫酸液中で電解処理する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の微細孔を有するチタン又はチタン合金の酸化薄膜の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、微細孔を有するチタン又はチタン合金酸化薄膜の製造方法に関し、特に100nm以下の微細孔を形成するのに好適な、微細孔を有するチタン又はチタン合金の酸化薄膜の製造方法に関する。

背景技術

0002

チタン又はチタン合金部材は、高い硬度と強度とを備えた軽い金属であり、かつ耐食性が高く、延性富むという優れた特性を有することから広く利用されている。さらに、チタン及びチタン合金部材に陽極酸化処理を施して陽極酸化皮膜を形成することによって、着色、耐摩耗性の向上、光触媒の機能が発現されるだけでなく、生態適合性が高いことから医療用などその用途が拡大されている。

0003

このチタン又はチタン合金への陽極酸化皮膜の形成方法は、例えばチタン又はチタン合金を陽極として、硫酸リン酸過酸化水素混合液などの電解液中で電解処理を行うことが知られている(例えば特許文献1、特許文献2など)。これらの文献によると、100V以上の高い電圧をかけて火花放電処理することにより、微細孔を形成することで光触媒の機能を付与し、有機化合物や細菌などの有害物質を除去することができるようになる。

先行技術

0004

特公平6−41640号公報
特公平8−984号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、高電圧をかける火花放電処理によりチタン又はチタン合金の陽極酸化皮膜に孔を形成した場合には、形成される孔が約1μmと大きい。このように陽極酸化皮膜に形成される孔が大きいと、チタン酸化皮膜人体組織などの基体との結合の際に組織が密に埋まらず、固定するのが困難となる、という問題点がある。また、1μmより小さい微細孔の孔を開けることができる技術もあるが、孔がチューブ状となっているため貫通した際に皮膜が離れてしまい、膜としての形状を維持できない、という問題点がある。

0006

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、チタン又はチタン合金薄膜から100nm以下の孔を有するチタン又はチタン合金の酸化薄膜を製造する方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記目的を達成するために本発明は、チタン又はチタン合金製薄膜を陽極として、フッ化水素化合物を0.5重量%以下溶解した硫酸溶液又はフッ化水素化合物を0.5重量%以下溶解した酸化剤濃度5g/L以上の電解硫酸液中で1〜20A/dm2の電流密度で電解処理する、微細孔を有するチタン又はチタン合金の酸化薄膜の製造方法を提供する(発明1)。

0008

かかる発明(発明1)によれば、フッ化水素化合物を用いた電解処理によるエッチング効果により、チタン又はチタン合金の酸化薄膜に100nm以下、特に50nm以下の孔を形成することができる。

0009

上記発明(発明1)においては、前記硫酸溶液又は電解硫酸液の硫酸濃度が10重量%以上であることが好ましい(発明2)。

0010

かかる発明(発明2)によれば、チタン又はチタン合金の酸化薄膜に100nm以下の孔を短時間で形成することができる。

0011

上記発明(発明1,2)においては、前記フッ化水素化合物が、フッ化アンモニウムであることが好ましい(発明3)。

0012

かかる発明(発明3)によれば、チタン又はチタン合金の酸化薄膜に100nm以下の孔を容易に形成することができる。

0013

上記発明(発明1〜3)においては、前記フッ化水素化合物を溶解した硫酸溶液又は電解硫酸液による電解処理の処理時間が30〜60秒であることが好ましい(発明4)。

0014

かかる発明(発明4)によれば、チタン又はチタン合金の酸化薄膜に効率良く100nm以下の孔を形成することができる。

0015

上記発明(発明1〜4)においては、前記フッ化水素化合物を溶解した硫酸溶液又は電解硫酸液による電解処理の後、フッ化水素化合物を溶解しない電解硫酸液中で電解処理することが好ましい(発明5)。

0016

かかる発明(発明5)によれば、1段目の電解処理をフッ化水素化合物を溶解した硫酸溶液又は電解硫酸液で行った後、2段目の電解処理をフッ化水素化合物を溶解しない電解硫酸液中で行うことにより、チタン又はチタン合金の酸化薄膜の100nm以下の孔を安定化することができる。

発明の効果

0017

本発明の微細孔を有するチタン又はチタン合金の酸化薄膜の製造方法によれば、チタン又はチタン合金製薄膜を陽極としてフッ化水素化合物を溶解した硫酸溶液又は電解硫酸液中で所定の電流密度で電解処理することで、フッ化水素化合物のエッチング効果と電解硫酸液の酸化力とにより、チタン又はチタン合金の酸化薄膜を形成しつつ100nm以下、特に50nm以下の孔を形成することができる。

図面の簡単な説明

0018

本発明の一実施形態による微細孔を有するチタン又はチタン合金の酸化薄膜の製造方法を適用可能な処理装置を示す概略図である。

0019

図1は本発明の一実施形態による微細孔を有するチタン又はチタン合金の酸化薄膜の製造方法を適用可能な処理装置を概念的に示しており、図1において処理装置1は、処理槽2とこの処理槽2内に設置された陰極部材4及び陽極部材5とを有し、これら陰極部材4及び陽極部材5はそれぞれ直流電源3のマイナス極及びプラス極に接続している。なお、処理槽2には該処理槽2内の溶液を所望の温度に保つための恒温ヒータ(図示せず)を設けることができる。このような処理装置1において、陽極部材5は被処理部材となるものであり、チタン又はチタン合金製の薄膜を用いた部材を用いる。また、陰極部材4としては、通電性の材料であれば特に制限はないが、導電性、耐食性などの点でチタン又はチタン合金製の部材(薄膜を含む)を用いることができる。

0020

1段目の電解処理では、このような処理装置1の処理槽2に収容する電解処理の溶液として、フッ化水素化合物を溶解した硫酸溶液又は電解硫酸液Sを用いる。硫酸溶液のみでは酸化力がないためチタン又はチタン合金が溶解するのみで、その微細孔の孔径は100nm以下とすることはできるが、30nm以下とするのは困難である。より微細孔を形成するためには、酸化力を有する電解硫酸液を使用する。この電解硫酸液の場合における酸化剤濃度は、硫酸を電解して電解硫酸液を作製する際に生成可能な酸化剤濃度であればよいが、5g/L未満では酸化速度が遅くなってしまい、陽極部材5に用いたチタン又はチタン合金製の薄膜に形成される微細孔の孔径が大きくなってしまう。なお、酸化剤濃度の上限については特に制限はないが、硫酸を電解して電解硫酸液を作製する際の効率の点から10g/L程度が現実的である。

0021

前記フッ化水素化合物としては、フッ酸と塩基性物質との塩であれば良く、フッ化アンモニウムが取扱い性が良好で汎用的である点で好ましい。例えば、フッ化水素化合物がフッ化アンモニウムの場合、その濃度は0.5重量%以下である。フッ化アンモニウムの濃度が0.5重量%を超えると、チタンの溶解が進み過ぎて孔が大きくなり、孔がチューブ状となったりする。また、フッ化アンモニウムの濃度の下限については0.1重量%未満では、チタンの溶解が進まず、微細孔の形成が十分でなく、また、チタンの溶解が進まないことから形成される酸化皮膜も薄くなり、チタン基材を貫通できないため好ましくない。特に微細孔の形成の点でフッ化アンモニウムの濃度を0.25±0.05重量%とすることが好ましい。なお、フッ化アンモニウム以外のフッ化水素化合物の場合であってもその濃度は0.5重量%以下とすればよい。

0022

さらに硫酸溶液又は電解硫酸液Sにおける硫酸濃度については、硫酸濃度が5重量%未満では、後述する電解処理における硫酸の電解によるH+(H3O+)イオンが少ないため陽極部材5(被処理部材)としてのチタン又はチタン合金の溶解速度が遅くなり、表面に酸化皮膜が形成されてしまい反応が進まなくなる一方、硫酸濃度が50重量%を超えるとチタンの溶解速度が速くなり過ぎ、チタンの溶解が優先的に進んでしまい、チタンの酸化皮膜が形成されにくくなるため5〜50重量%とすることが好ましい。特に硫酸濃度を10〜40重量%とすることが好ましい。

0023

次に上述したような処理装置1を用いた微細孔を有するチタン又はチタン合金の酸化薄膜の製造方法について説明する。まず、処理槽2に直流電源3に接続した被処理部材としての陰極部材4及びチタン又はチタン合金製の薄膜を用いた部材からなる陽極部材5を吊設したら処理槽2を硫酸溶液又は電解硫酸液Sで満たす。

0024

そして、直流電源3から電流印加する。これにより、陽極部材5のチタン又はチタン合金製の薄膜が酸化皮膜となる一方、フッ化水素化合物のエッチング効果により微細孔が形成される。ここで印加する電流密度は1A/dm2よりも低いと安定した制御が困難となる一方、20A/dm2よりも高いと電流密度が大きくなりすぎるため、チタン又はチタン合金製の薄膜に形成される孔径が大きくなってしまうばかりか、孔がチューブとなったりする。したがって、電流密度は1〜20A/dm2、好ましくは3〜10A/dm2である。

0025

この電解処理における硫酸溶液又は電解硫酸液Sの温度については、特に制限はないが、硫酸溶液又は電解硫酸液Sの温度が10℃未満であると電解硫酸液中の酸化剤の効果が十分に発揮されず、十分に酸化皮膜が形成されない一方、50℃を超えると酸化速度が上がってしまい、不動態である酸化皮膜の形成によりチタンの溶解が進まなくなり孔を形成しにくくなり、基材であるチタン又はチタン合金製の薄膜を貫通することが困難となるため好ましくない。したがって、好ましい硫酸溶液又は電解硫酸液Sの温度は10〜50℃、特に20〜50℃とする。処理槽2では硫酸溶液又は電解硫酸液Sの温度が上述した温度となるように必要に応じて恒温ヒータ(図示せず)により所定の温度に保持することが好ましい。

0026

上述したような電解処理の時間は特に制限はないが30秒未満では、チタンの溶解が不十分で微細孔が形成されにくい。なお、電解処理時間の上限については、あまり長すぎるとチタンの溶解が進み、形成される孔が大きく、不均一となってしまうばかりか、処理効率が低下するため、360秒未満とするのが好ましい、特に処理時間は40〜60秒程度とすることが好ましい。

0027

上述した電解処理により以下のようにして微細孔が形成された微細孔を有するチタン又はチタン合金の酸化薄膜となる。すなわち、硫酸溶液又は電解硫酸液S中の硫酸とフッ化水素化合物による電解処理により、陽極ではTi3+が溶出し、微細孔を形成する。
Ti+3H+→Ti3++3/2H2 …(1)
電解硫酸液S中に電解硫酸が含まれる場合には以下の反応も進みTiO2を形成する。
Ti+2H2O→TiO2+4H++4e− …(2)

0028

チタンまたはチタン合金の陽極酸化処理は式(1)のTiの溶解と式(2)のTiの酸化との競争反応であり、Ti酸化速度とフッ化水素化合物によるTiO2のエッチング作用により、酸化皮膜を形成しつつ微細な孔を開けることが可能となる。そして、このフッ化水素化合物の濃度が高すぎる場合や曝されている時間が長いとTiO2の内部に浸透し、内側のチタンも溶解してしまう。これによりチューブ状の弱い酸化皮膜が形成される原因となる可能性が高くなることから、この硫酸溶液又は電解硫酸液Sの硫酸濃度及び酸化剤濃度とフッ化水素化合物濃度と電解処理条件については十分に配慮するのが望ましい。

0029

さらに、本実施形態においては、上述した硫酸溶液又は電解硫酸液Sとフッ化水素化合物との電解処理(1段目の電解処理)の後、フッ化水素化合物を用いない電解硫酸液Sのみによる電解処理(2段目の電解処理)を行うことが好ましい。

0030

この2段目の電解処理の条件は、基本的に前述した1段目の電解処理と同じでよいが、処理時間については、陽極部材5に用いたチタン又はチタン合金製の薄膜の厚さに応じて適宜設定すればよい。このような2段目の電解処理をフッ化水素化合物を溶解しない電解硫酸液中で行うことにより、チタン又はチタン合金の酸化薄膜の100nm以下の孔を安定化することができる。

0031

以上、本発明の微細孔を有するチタン又はチタン合金の酸化薄膜の製造方法について、前記各実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は前記実施例に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、陽極部材5はチタン又はチタン合金製の薄膜を用いていればよく、金属製の電極材の表面をチタン又はチタン合金製の薄膜で覆う形状としてもよい。また、フッ化水素化合物の濃度、硫酸濃度、電流密度、電解硫酸の温度及び電解処理の時間により形成される微細孔の孔径が異なるので、所望とする微細孔に応じて、これらの条件を適宜調整することができる。

0032

以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの記載により何ら限定されるものではない。

0033

[実施例1及び比較例1]
100mm×100mm×0.04mm(t)の純チタン試験片を用意し、この試験片を用いて陰極部材4及び陽極部材5を形成し、図1に示す処理装置1を構成した。この処理装置1により1段目の電解処理の処理条件を表1に示すよう設定して陽極酸化処理を行った。すなわち、1段目の電解処理は、硫酸濃度10重量%、酸化剤濃度10g/Lの電解硫酸液にフッ化アンモニウムを0.25重量%溶解した電解硫酸液Sで、温度30℃、電流密度3.5A/dm2にて処理時間40秒で行った。次に2段目の電解処理を、フッ化アンモニウムを溶解することなく1段目と同濃度の電解硫酸液のみで60秒行った。

0034

この処理後の陽極部材5の純チタンの試験片の表面を電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)で100,000倍に拡大して観測したところ、陽極部材5の純チタンの試験片には、約20nmの孔が形成されたチタン酸化皮膜が形成されていることが確認できた。なお、比較のためにフッ化アンモニウムを溶解することなく1段目と同濃度の電解硫酸液のみで、温度30℃、電流密度3.5A/dm2にて処理時間40秒で行ったもの(比較例1)では、チタンの酸化皮膜は形成されたが微細孔は形成されなかった。

0035

[実施例2〜4及び比較例2、3]
実施例1において、1段目の電解処理条件を表1に示すよう設定した以外は同様にして純チタンの試験片を処理した。なお、表1には実施例1及び比較例1の処理条件も記載した。これらの処理後の陽極部材5の純チタンの試験片の表面を電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)で100,000倍に拡大して観測し、陽極部材5の純チタンの試験片に形成されたチタン酸化皮膜の微細孔の孔径を計測した結果を実施例1及び比較例1の結果とともに表2に示す。

0036

0037

0038

表1及び表2から明らかなように1段目の電解処理における電解硫酸液Sの温度が10℃である実施例2では、約15nmの微細孔が形成された酸化チタン薄膜を製造することができた。また、処理時間が300秒と長い実施例3では、約40nmの微細孔が形成された酸化チタン薄膜を製造することができた。さらに、1段目の電解処理をフッ化アンモニウムを溶解した硫酸のみで行った実施例4では、比較的孔の大きな酸化チタン薄膜を製造することができた。これらの実施例により、電解処理の条件を調整することにより、酸化チタン薄膜に形成される微細孔の孔径を調整することができることがわかる。

実施例

0039

これに対し、フッ化アンモニウムを0.7重量%溶解した電解硫酸液で処理した比較例2及び電流密度が28A/dm2と高い比較例3では、エッチング効果が大きすぎて微細孔がチューブ状となってしまい、得られる薄膜の機械的強度が低かった。

0040

1処理装置
2処理槽
3直流電源
4陰極部材
5陽極部材
S硫酸溶液,電解硫酸液

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ