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技術 リグニン変性物、並びにリグニン変性物及び樹脂を含む樹脂組成物

出願人 日本製紙株式会社
発明者 石崎雅也中西伸夫
出願日 2018年9月6日 (11ヶ月経過) 出願番号 2018-167299
公開日 2019年5月16日 (3ヶ月経過) 公開番号 2019-073679
状態 未査定
技術分野 天然高分子誘導体、膠、ゼラチン 飼料(2)(一般) 高分子組成物 接着剤、接着方法
主要キーワード 携帯音楽再生機器 アオダモ 吸引濾過装置 ハリモミ 二酸化塩素発生装置 天然リグニン オゾン化防止剤 遠心脱水装置
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年5月16日)のものです。
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課題

本発明の課題は、種々の用途に活用できるリグニン変性物、あるいはリグニン変性物と他の樹脂と混合または一部反応させることにより、優れた性質を有するリグニン変性物を含有する樹脂組成物を提供することである。

解決手段

硫黄含有率が0.1〜4質量%であるリグニン変性物、好ましくはクラフトリグニン熱硬化性樹脂熱可塑性樹脂ゴム等と混合または一部反応させることにより、優れた性質を有するリグニン変性物を含有する樹脂組成物を得る。

概要

背景

木材の主要成分はセルロースヘミセルロースおよびリグニンである。紙パルプ等の原料として大量に利用されるセルロース、ヘミセルロースとは異なり、リグニンの利用はあまり進んでいない。

近年、石油由来製品代替品としてバイオマス化学品樹脂製品等に転換する技術の開発が求められている。リグニンは芳香環豊富に含む構造を有しているため、樹脂原料として利用が検討されている。

リグニンの利用として、紙パルプ製造プロセスで副生成物として得られる工業リグニンをフェノールホルムアルデヒド樹脂エポキシ樹脂等に利用することが記載されている。(非特許文献1。)また、リグニン、エポキシ樹脂、硬化剤を含むエポキシ樹脂(特許文献1)、リグニン誘導体を含むゴム組成物(特許文献2)、リグニン、フェノール類アルデヒド類を酸の存在下で反応させて得られるフェノール変性リグニン(特許文献3)、等が開示されている。

概要

本発明の課題は、種々の用途に活用できるリグニン変性物、あるいはリグニン変性物と他の樹脂と混合または一部反応させることにより、優れた性質を有するリグニン変性物を含有する樹脂組成物を提供することである。硫黄含有率が0.1〜4質量%であるリグニン変性物、好ましくはクラフトリグニン熱硬化性樹脂熱可塑性樹脂ゴム等と混合または一部反応させることにより、優れた性質を有するリグニン変性物を含有する樹脂組成物を得る。 なし

目的

本発明の目的は、リグニンと他の樹脂と混合または一部反応させることにより、優れた性質を有するリグニンを含有する樹脂組成物を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

硫黄含有率が0.1〜4質量%であるリグニン変性物

請求項2

前記リグニン変性物クラフトリグニンである請求項1記載のリグニン変性物。

請求項3

請求項1〜2のいずれかに記載のリグニン変性物を含有する接着剤

請求項4

請求項1〜2のいずれかに記載のリグニン変性物を含有する分散剤

請求項5

請求項1〜2のいずれかに記載のリグニン変性物を含有する粘度調整剤

請求項6

請求項1〜2のいずれかに記載のリグニン変性物を含有する肥料

請求項7

請求項1〜2のいずれかに記載のリグニン変性物を含有する活性炭

請求項8

請求項1〜2のいずれかに記載のリグニン変性物及び樹脂を含む樹脂組成物

請求項9

前記樹脂が熱硬化性樹脂である請求項8記載の樹脂組成物。

請求項10

前記樹脂が熱可塑性樹脂である請求項8記載の樹脂組成物。

請求項11

前記樹脂がゴムである請求項8記載の樹脂組成物。

請求項12

請求項8〜11のいずれかに記載の樹脂組成物を含有する成形材料

請求項13

請求項8〜11のいずれかに記載の樹脂組成物を含有する炭素繊維

請求項14

請求項1〜2のいずれかに記載のリグニン変性物を含有する難燃剤

請求項15

請求項1〜2のいずれかに記載のリグニン変性物を含有する抗酸化剤

請求項16

請求項1〜2のいずれかに記載のリグニン変性物を含有する飼料

請求項17

請求項1〜2のいずれかに記載のリグニン変性物を含有する凝集剤

技術分野

0001

本発明は、リグニン変性物、並びにリグニン変性物及び樹脂を含む樹脂組成物に関するものである。

背景技術

0002

木材の主要成分はセルロースヘミセルロースおよびリグニンである。紙パルプ等の原料として大量に利用されるセルロース、ヘミセルロースとは異なり、リグニンの利用はあまり進んでいない。

0003

近年、石油由来製品代替品としてバイオマス化学品樹脂製品等に転換する技術の開発が求められている。リグニンは芳香環豊富に含む構造を有しているため、樹脂原料として利用が検討されている。

0004

リグニンの利用として、紙パルプ製造プロセスで副生成物として得られる工業リグニンをフェノールホルムアルデヒド樹脂エポキシ樹脂等に利用することが記載されている。(非特許文献1。)また、リグニン、エポキシ樹脂、硬化剤を含むエポキシ樹脂(特許文献1)、リグニン誘導体を含むゴム組成物(特許文献2)、リグニン、フェノール類アルデヒド類を酸の存在下で反応させて得られるフェノール変性リグニン(特許文献3)、等が開示されている。

先行技術

0005

「リグニンの利用に向けて」ネットワークポリマーVol.31 No.5(2010)
特開2011−26483号公報
特開2016−60479号公報
WO2015−144165号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明の目的は、リグニンと他の樹脂と混合または一部反応させることにより、優れた性質を有するリグニンを含有する樹脂組成物を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

上記課題は、下記(1)〜(11)の本発明により達成された。
(1)硫黄含有率が0.1〜4質量%であるリグニン変性物
(2) 前記リグニン変性物がクラフトリグニンである(1)記載のリグニン変性物。
(3) (1)〜(2)のいずれかに記載のリグニン変性物を含有する接着剤
(4) (1)〜(2)のいずれかに記載のリグニン変性物を含有する分散剤
(5) (1)〜(2)のいずれかに記載のリグニン変性物を含有する粘度調整剤
(6) (1)〜(2)のいずれかに記載のリグニン変性物を含有する肥料
(7) (1)〜(2)のいずれかに記載のリグニン変性物を含有する活性炭
(8) (1)〜(2)のいずれかに記載のリグニン変性物及び樹脂を含む樹脂組成物。
(9) 前記樹脂が熱硬化性樹脂である(8)記載の樹脂組成物。
(10) 前記樹脂が熱可塑性樹脂である(8)記載の樹脂組成物。
(11) 前記樹脂がゴムである(8)記載の樹脂組成物。
(12) (8)〜(11)のいずれかに記載の樹脂組成物を含有する成形材料
(13) (8)〜(11)のいずれかに記載の樹脂組成物を含有する炭素繊維
(14) (1)〜(2)のいずれかに記載のリグニン変性物を含有する難燃剤
(15) (1)〜(2)のいずれかに記載のリグニン変性物を含有する抗酸化剤
(16) (1)〜(2)のいずれかに記載のリグニン変性物を含有する飼料
(17) (1)〜(2)のいずれかに記載のリグニン変性物を含有する凝集剤

発明の効果

0008

本発明によれば、硫黄の含有率が0.1〜4質量%であるリグニン変性物を樹脂組成物に混合または一部反応させることにより、成形材料として使用できる樹脂組成物が得られる。

0009

以下、本発明のリグニン変性物、及びリグニン変性物と樹脂を含む樹脂組成物について詳細に説明する。

0010

本発明のリグニン変性物は、硫黄を0.1〜4質量%含むものである。これと熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、あるいはゴム等と混合させる、あるいは一部反応させることにより、リグニン変性物を含む樹脂組成物を調製する。

0011

なお、硫黄含有率は、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析法、各種燃焼方式滴定法を組み合わせた方法、各種燃焼方式とイオンクロマトグラフィー法を組み合わせた方法、等によって測定することができる。

0012

<リグニン変性物>
本発明のリグニン変性物は木材等のバイオマス中に含まれるリグニンを化学的な処理によって取り出したものであり、天然リグニンの一部が化学的に変性され、低分子化されているものである。リグニン変性物の硫黄の含有率が0.1〜4質量%であることが必要である。また、重量平均分子量(Mw)が300〜50,000であることが好ましい。

0013

本発明のリグニン変性物としては、木材をクラフト蒸解処理することによって蒸解後の黒液中溶出するクラフトリグニンが好ましい。以下にクラフトリグニンの製造方法について記載する。

0014

クラフトリグニン
原料の木材としては、例えば、広葉樹針葉樹、雑木、タケケナフバガスパーム油搾油後空房が使用できる。具体的には、広葉樹としては、ブナシナシラカバポプラユーカリアカシア、ナラ、イタヤカエデセンノキ、ニレキリホオノキヤナギ、セン、ウバメガシ、コナラ、クヌギ、トチノキ、ケヤキ、ミズメ、ミズキアオダモ等が例示される。針葉樹としては、スギエゾマツカラマツクロマツ、トドマツ、ヒメコマツ、イチイ、ネズコ、ハリモミ、イラモミイヌマキ、モミ、サワラ、トガサワラ、アスナロヒバツガ、コメツガ、ヒノキ、イチイ、イヌガヤ、トウヒイエローシーダーベイヒバ)、ロウソンヒノキ(ベイヒ)、ダグラスファーベイマツ)、シトカスプルースベイトウヒ)、ラジアータマツ、イースタンスプルース、イースタホワイトパイン、ウェスタンラーチ、ウェスタンファー、ウェスタンヘムロック、タマラック等が例示される。

0015

木材チップからクラフトリグニンを製造する場合、木材チップを蒸解液と共に蒸解釜投入し、クラフト蒸解を行う。また、MCC、EMCC、ITC、Lo−solidなどの修正クラフト法の蒸解に供しても良い。また、1ベッセル液相型、1ベッセル気相/液相型、2ベッセル液相/気相型、2ベッセル液相型などの蒸解型式なども特に限定はない。すなわち、本願のアルカリ性水溶液含浸し、これを保持する工程は、従来の蒸解液の浸透処理を目的とした装置や部位とは別個に設置してもよい。好ましくは、蒸解を終えた未晒パルプは蒸解液を抽出後、ディフュージョンウォッシャーなどの洗浄装置洗浄する。

0016

クラフト蒸解工程は、木材チップをクラフト蒸解液とともに耐圧性容器に入れて行うことができるが、容器の形状や大きさは特に制限されない。木材チップと薬液液比は、例えば、1.0〜40L/kgとすることができ、1.5〜35L/kgが好ましく、2.0〜30L/kg以下がさらに好ましい。

0017

また、本発明においては、絶乾チップ当たり0.01〜10質量%のキノン化合物を含むアルカリ性蒸解液を蒸解釜に添加してもよい。

0018

使用されるキノン化合物はいわゆる公知の蒸解助剤としてのキノン化合物、ヒドロキノン化合物又はこれらの前駆体であり、これらから選ばれた少なくとも1種の化合物を使用することができる。これらの化合物としては、例えば、アントラキノンジヒドロアントラキノン(例えば、1,4−ジヒドロアントラキノン)、テトラヒドロアントラキノン(例えば、1,4,4a,9a−テトラヒドロアントラキノン、1,2,3,4−テトラヒドロアントラキノン)、メチルアントラキノン(例えば、1−メチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン)、メチルジヒドロアントラキノン(例えば、2−メチル−1,4−ジヒドロアントラキノン)、メチルテトラヒドロアントラキノン(例えば、1−メチル−1,4,4a,9a−テトラヒドロアントラキノン、2−メチル−1,4,4a,9a−テトラヒドロアントラキノン)等のキノン化合物であり、アントラヒドロキノン(一般に、9,10−ジヒドロキシアントラセン)、メチルアントラヒドロキノン(例えば、2−メチルアントラヒドロキノン)、ジヒドロアントラヒドロアントラキノン(例えば、1,4−ジヒドロ−9,10−ジヒドロキシアントラセン)又はそのアルカリ金属塩等(例えば、アントラヒドロキノンのジナトリウム塩、1,4−ジヒドロ−9,10−ジヒドロキシアントラセンのジナトリウム塩)等のヒドロキノン化合物であり、アントロンアントラノール、メチルアントロン、メチルアントラノール等の前駆体が挙げられる。これら前駆体は蒸解条件下ではキノン化合物又はヒドロキノン化合物に変換する可能性を有している。

0019

蒸解液は、木材チップが針葉樹の場合、対絶乾木材チップ重量当たり活性アルカリ添加率(AA)を10〜30質量%とすることが好ましい。活性アルカリ添加率を10質量%未満であるとリグニンやヘミルロースの除去が不十分となり、30質量%を超えると収率の低下や品質の低下が起こる。ここで活性アルカリ添加率とは、NaOHとNa2Sの合計の添加率をNa2Oの添加率として換算したもので、NaOHには0.775を、Na2Sには0.795を乗じることでNa2Oの添加率に換算できる。また、硫化度は15〜40%の範囲が好ましい。硫化度20%未満の領域においては、脱リグニン性の低下、パルプ粘度の低下、粕率の増加を招く。

0020

クラフト蒸解は、120〜180℃の温度範囲で行うことが好ましく、140〜160℃がより好ましい。温度が低すぎると脱リグニンカッパー価の低下)が不十分である一方、温度が高すぎるとセルロースの重合度(粘度)が低下する。また、本発明における蒸解時間とは、蒸解温度が最高温度に達してから温度が下降し始めるまでの時間であるが、蒸解時間は、60分以上600分以下が好ましく、120分以上360分以下がさらに好ましい。蒸解時間が60分未満ではパルプ化が進行せず、600分を超えるとパルプ生産効率が悪化するために好ましくない。

0021

また、本発明におけるクラフト蒸解は、Hファクター(Hf)を指標として、処理温度及び処理時間を設定することができる。Hファクターとは、蒸解過程で反応系に与えられた熱の総量を表す目安であり、下記の式によって表わされる。Hファクターは、チップと水が混ざった時点から蒸解終了時点まで時間積分することで算出する。Hファクターとしては、250〜6000が好ましい。

0022

Hf=∫exp(43.20−16113/T)dt
[式中、Tはある時点の絶対温度を表す]
黒液中のリグニン変性物は黒液のpHを11以下にすることにより、沈殿物として回収することができる。例えば、以下の工程により黒液中のリグニン変性物を回収することができる

0023

クラフト蒸解後に得られる黒液に酸及び/又は二酸化炭素を添加して、黒液のpHを1〜11に調整する工程
例えば、クラフト蒸解後に得られる黒液に酸及び/又は二酸化炭素を添加して、黒液のpHを1〜11、好ましくは2〜8に調整することにより、黒液中に溶解しているリグニン変性物を沈殿させることが可能となる。この工程は2回以上繰り返して行ってもよい。pH11を超えた場合、リグニン変性物の沈殿物が十分に生成せず、pH1未満ではリグニン変性物が過剰に分解してしまい沈殿物の回収率が低下する。使用する酸は無機酸でも有機酸でもよい。無機酸としては、硫酸亜硫酸塩酸硝酸亜硝酸リン酸炭酸等が挙げられ、硫酸が好ましい。また、二酸化塩素発生装置から排出される残留酸を使用してもよい。有機酸としては、酢酸乳酸蓚酸クエン酸ギ酸等が挙げられる。なお、黒液はpHを調整する前に、エバポレーターなどを用いて濃縮することができ、固形分は10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。なお、黒液のpHを酸性にすることにより、硫化ナトリウム等のリグニンに結合していない硫黄分は除去されるので、リグニン変性物の硫黄の含有率を0.1〜4質量%にすることが可能となる。

0024

黒液のpHを1〜11に調整する際の温度は室温〜100℃が好ましい。100℃を超えるとリグニンが縮合するので、リグニン変性物の分子量が高くなる。

0025

また、前述のpHを1〜11に調整する工程に先立って、二酸化炭素を添加してpHを7〜11に調整する工程を設けることが好ましい。処理温度としては、特に限定されないが、80℃程度が好ましい。二酸化炭素を加える方法は特に限定されないが、大気圧下で吹き込む方法、あるいは密閉容器中で二酸化炭素を吹き込んで加圧(0.1〜1MPa)する方法がある。二酸化炭素としては、純粋な二酸化炭素ガスでもよいが、焼却炉ボイラーなどから排出される燃焼排ガス石灰焼成工程などから発生する二酸化炭素を含むガスを用いることもできる。

0026

また、必要に応じて凝集剤を添加して、リグニン変性物の沈殿を促進させてもよい。凝集剤としては、硫酸バンド塩化アルミポリ塩化アルミ、ポリアミンDADMAC、メラミンコロイドジンアンジアジド等が挙げられる。

0027

生成した沈殿物を脱水・洗浄して分取する工程
鉱酸及び/又は二酸化炭素を添加してpHを1〜11に調整する工程にて得られたリグニン変性物の沈殿物は脱水し、水で洗浄する。沈殿物を脱水・洗浄するための装置としては、フィルタープレスドラムプレス遠心脱水装置吸引濾過装置等を使用することができる。洗浄する際に使用する水のpHは1〜11、温度は室温〜80℃が好ましい。

0028

また、前述の二酸化炭素を添加してpHを1〜11に調整する工程後においても、沈殿物を同様に脱水・洗浄する。

0029

沈殿物に有機溶媒を添加して懸濁液とし、懸濁液中不溶物固液分離して分取する工程
脱水・洗浄したリグニン変性物の沈殿物に有機溶媒を添加して溶解させ、不溶物である不純物を分離することによって、リグニン変性物を精製することもできる。添加する有機溶媒としては、糖類の非溶媒または貧溶媒であり、例えば、メタノールエタノールイソプロピルアルコール、2−メトキシルエタノール、ブタノールなどを含むアルコール類、1,4−ジオキサンテトラヒドロフランなどを含むエーテル類アセトンメチルエチルケトンなどを含むケトン類アセトニトリルなどを含むニトリル類ピリジンなどを含むアミン類ホルムアミドなどを含むアミド類酢酸エチル酢酸メチルなどを含むエステル類ヘキサンなどを含む脂肪族炭化水素ベンゼントルエン等を含む芳香族炭化水素などのうち、一種類または複数を混合したもの、若しくは一種類または複数を混合し、水を加えたものを用いることができる。特に、アセトンが好ましい。有機溶媒を添加することにより、リグニン変性物を溶解させることが可能となる。懸濁液中の不溶物を固液分離する方法としては、フィルタープレス、ドラムプレス、遠心脱水装置、吸引濾過装等を使用することができる。

0030

得られたリグニン変性物に対して官能基を付加してもよい。官能基としては、水酸基カルボキシル基ポリアルキレンオキシド鎖スルホン基ニトロキシル基カルボニル基リン酸基アミノ基、エポキシ基メチロール基シアネート基イソシアネート基ビニル基マレイミド基、等が挙げられる。

0031

本発明のリグニン変性物は、接着剤、粘結剤塗料洗浄剤、分散剤、乳化安定剤、粘度調整剤、封鎖剤、凝集剤、潤滑剤、肥料、土壌改良剤、活性炭、難燃剤、抗酸化剤、飼料、等に使用することができる。

0032

本発明のリグニン変性物を使用する接着剤は、木材、紙、板紙、不織布、布、プラスチック、金属、ガラスセラミック等の接着に用いることができる。
リグニン樹脂組成物
次に、本発明のリグニン変性物を含む樹脂組成物について説明する。
(樹脂)
本発明の樹脂組成物は、リグニン変性物と樹脂とを含む。リグニン変性物と混合される樹脂は、特に限定されるものではないが、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、ゴム等が挙げられる。

0033

樹脂組成物における樹脂の含有量は、特に限定されないが、リグニン変性物100質量部に対し、樹脂が5質量部以上2000質量部以下であるのが好ましい。このような割合で樹脂を添加することにより、樹脂とリグニン変性物とをより過不足なく架橋させることができる。
<熱硬化性樹脂>
本発明において熱可塑性樹脂は、特に限定されるものではなく、公知の熱可塑性樹脂を使用することができる。

0034

熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂ユリア樹脂メラミン樹脂不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂ポリウレタン樹脂ケイ素樹脂ポリイミド樹脂等が挙げられる。樹脂は、一種単独又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましくは、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂である。

0035

フェノール系樹脂としては、例えば、フェノール類、または、フェノール類と変性化合物とをアルデヒド類とともに反応させたもの、が挙げられる。このうち、フェノール類としては、例えば、o−クレゾールm−クレゾール、p−クレゾール等のクレゾール類、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール等のエチルフェノール類、イソプロピルフェノールブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール等のブチルフェノール類、p−tert−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−クミルフェノール等の長鎖アルキルフェノール類等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。

0036

一方、変性化合物としては、例えば、2つ以上の水酸基を分子内に有するカテコールピロガロールビスフェノールFビスフェノールAのような芳香族構造を有する化合物、水酸基を有するナフトールのような多環芳香族構造を有する化合物、メラミン、テルペン類フルフラールのようなフラン樹脂桐油亜麻仁油カシューオイルトール油のような植物由来成分等が挙げられる。なお、カシューオイル等はフェノール構造を有するために、フェノール系樹脂にはカシュー樹脂も含まれる。

0037

なお、フェノール類と変性化合物とを反応させる際には、触媒として、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、亜リン酸のような鉱酸類、蓚酸、ジエチル硫酸パラトルエンスルホン酸有機ホスホン酸のような有機酸類酢酸亜鉛のような金属塩類等を、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。

0038

このようなフェノール系樹脂の分子量は、特に限定されないが、数平均分子量で400〜5000程度であるのが好ましく、500〜3000程度であるのがより好ましい。フェノール系樹脂の数平均分子量を前記範囲内に設定することで、フェノール系樹脂の取り扱い性が良好になる。なお、フェノール系樹脂の平均分子量が前記下限値を下回ると、フェノール系樹脂の組成によっては、フェノール系樹脂が高粘度な粘凋の物質になったり、固体化しても環境によって固結し易くなったりするおそれがある。一方、フェノール系樹脂の平均分子量が前記上限値を上回ると、フェノール系樹脂の組成によっては、フェノール系樹脂が溶媒に溶解し難くなったり、配合物との相溶性が低下したりするおそれがある。

0039

エポキシ系樹脂としては、リグニン変性物の水酸基とエポキシ基またはイソシアネート基とが反応し、架橋されるものであれば、特に限定されない。例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂スチルベン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂といった芳香族を有するエポキシ化合物ポリエチレングリコール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、ヘキサンジオール型エポキシ樹脂、トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂、ペンタエリスリトール型エポキシ樹脂、グリセロール型エポキシ樹脂、ポリグリセロール型エポキシ樹脂、ソルビトール型エポキシ樹脂等の芳香族を有さないエポキシ化合物などが挙げられる。これらの2種以上の混合物を用いてもよい。

0040

架橋剤としては、エピクロロヒドリンエピブロムドリン等のエピハロヒドリン化合物;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネートジフェニルメタン−4−4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2−4’−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネートヘキサメチレンジイソシアネートイソホロンジイソシアネートジシクロヘキシルメタン−4−4’−ジイソシアネート、ジシウロヘキシルメタン−2−4’−ジイソシアネート等のイソシアネート化合物キヌクリジン、ピジン、ヘキサメチレンテトラミンレゾール樹脂、フラン樹脂等の含窒素架橋剤;、等が挙げられる。

0041

本発明のリグニン変性物は、触媒の存在下で、ポリオールポリイソシアネート化合物、及び発泡剤、さらに必要に応じて他の化合物と反応させて硬質ポリウレタンフォームあるいは軟質ポリウレタンフォームを合成することもできる。
<熱可塑性樹脂>
本発明において熱可塑性樹脂は、特に限定されるものではなく、公知の熱可塑性樹脂を使用することができる。

0042

熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂ポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂ポリメチルメタクリレートポリエチルメタクリレートなどのアクリル樹系脂、ポリスチレンアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂アクリロニトリルアクリルゴムスチレン樹脂、アクリロニトリル−エチレンゴム−スチレン樹脂、(メタアクリル酸エステル−スチレン樹脂、スチレンブタジエン樹脂などのスチレン樹脂、アイオノマー樹脂ポリアクリルニトリルナイロンなどのポリアミド樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、エチレン−アクリル酸樹脂、エチレン−エチルアクリレート樹脂、エチレン−ビニルアルコール樹脂ポリ塩化ビニルポリ塩化ビニリデンなどの塩素樹脂、ポリフッ化ビニルポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂ポリカーボネート樹脂変性ポリフェニレンエーテル樹脂メチルペンテン樹脂セルロース樹脂等の熱可塑性樹脂、ならびにオレフィン系エラストマー塩化ビニルエラストマースチレン系エラストマーウレタン系エラストマーポリエステル系エラストマーポリアミド系エラストマー等の熱可塑性エラストマー等樹脂およびこれらの二種以上の混合物が挙げられる。

0043

<ゴム>
ゴムとしては、例えば、各種天然ゴム、各種合成ゴム等が挙げられる。具体的には、天然ゴム(NR)、改質天然ゴムスチレンブタジエンゴムSBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)等が挙げられ、これらのうちの2種以上を混合して用いることができる。

0044

本発明におけるリグニン変性物を含む樹脂組成物は、適宜各種添加剤を含有していてもよい。例えば、有機または無機のフィラーガラス繊維・炭素繊維のような強化繊維顔料増粘剤、減粘剤、可塑剤耐光性添加剤(紫外線吸収剤、安定剤等)、酸化防止剤オゾン化防止剤活性剤耐電防止剤滑剤耐摩擦剤、表面調節剤レベリング剤消泡剤ブロッキング防止剤等)、防カビ剤抗菌剤、分散剤、難燃剤及び加流促進剤や加流促進助剤等の添加剤を、樹脂組成物に配合してもよい。これら添加剤は単独で使用しても2種類以上を併用してもよい。

0045

本発明のリグニン変性物を含む樹脂組成物は、フェノール系樹脂やエポキシ系樹脂の代替として使用することが可能であり、各種成形体として使用することが可能である。例えば、自動車電車船舶飛行機等の輸送機器内装材外装材構造材等;パソコンテレビ電話時計等の電化製品等の筺体、構造材、内部部品等;携帯電話等の移動通信機器等の筺体、構造材、内部部品等;携帯音楽再生機器映像再生機器印刷機器複写機器、スポーツ用品等の筺体、構造材、内部部品等;建築材文具等の事務機器等として有効に使用することができる。また、炭素繊維としても使用することができる。

0046

以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。なお、本明細書において%は特に断らない限り質量%を示す。

実施例

0047

<リグニン変性物の製造>
[実施例1]
クラフト蒸解
2.4L容の回転型オートクレーブ絶乾重量300gのユーカリのチップを入れ、活性アルカリ添加率14%、硫化度25%、液比3L/kgとなるように蒸解薬液を添加して、160℃、Hファクター=800でクラフト蒸解を行い、パルプと黒液を得た。
リグニン変性物の粗精製
黒液(固形分22%)をビーカーに入れ、80℃に予熱した後、二酸化炭素0.3MPaで加圧した耐圧容器内撹拌しながら、30分処理し、pH7.5に調整した。ガラスフィルター(GS−25、ADVANTEC社製)を用いて吸引脱水し、固液分離した後、ガラスフィルター上に残った固形分に黒液の半量の水を加えて、再度スラリー化した。
次に、スラリーに硫酸を加えpHを2に調整した。スラリー(固形分濃度:約10%)を80℃に予熱した後、ガラスフィルター(GS−25、ADVANTEC社製)を用いて吸引脱水し、固液分離した後、ガラスフィルター上に残った固形分を黒液の半量の熱水(80℃)で洗浄し、さらに吸引脱水した。ガラスフィルター上に残った固形分を風乾し、粗精製リグニン変性物を得た。
有機溶媒を用いた固液分離(アセトン抽出
得られた粗精製リグニン変性物に10倍量(mL/g)のアセトンを加えよく撹拌した後、一晩室温で静置した。ろ紙(No.2、ADVANTEC社製)を用いて固液分離し、50倍量(mL/g)のアセトンで洗浄した後、アセトン中に溶解したリグニン変性物を得た。このリグニン変性物の硫黄含有率は誘導結合プラズマ(ICP)発光分析法により測定したところ、1.5質量%であった。

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