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技術 熱可塑性樹脂組成物及び成形体

出願人 旭化成株式会社
発明者 稲垣希徳山美希
出願日 2017年10月16日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2017-200408
公開日 2019年5月16日 (3ヶ月経過) 公開番号 2019-073620
状態 未査定
技術分野 高分子組成物
主要キーワード フランジ式 ベンゾフェノンカルボン酸 異形成形 吸水寸法変化 シワ状 先端直径 二次電池電槽 水冷用
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年5月16日)のものです。
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図面 (1)

課題

本発明は、吸水寸法変化が小さく、低温衝撃性ウエルド強度摺動性に優れた熱可塑性樹脂組成物及び成形体を提供することを目的とする。

解決手段

(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂と、(b)脂肪族ポリアミドと、(c)ポリヘキサメチレンイソフタラミド(PA6I)と、(d)重合体ブロックAと重合体ブロックBとからなるブロック共重合体水素添加してなる水添ブロック共重合体及び/又は該水添ブロック共重合体の変性物と、(e)(a)成分と(b)成分及び(c)成分との相溶化剤とを含有し、(a)成分の含有量が10〜65質量部、(b)成分と(c)成分との合計の含有量が35〜90質量部、(d)成分の含有量が1〜30質量部、(e)成分の含有量が0.01〜5質量部であり、(c)成分のギ酸相対粘度RV)が8以上20以下であることを特徴とする、熱可塑性樹脂組成物、成形体。

概要

背景

ポリフェニレンエーテル系樹脂機械的性質電気的性質及び耐熱性が優れており、しかも寸法安定性が優れるため広い範囲で用いられているが、単独では成形加工性が劣っており、これを改良するために、ポリアミドを配合する技術が特許文献1に提案され、現在では非常に様々な用途に用いられる材料となっており、以前から自動車リレーブロック材料等に、ポリアミド/ポリフェニレンエーテルアロイを使用する試みがさかんに検討されている。
ところが、ポリアミド/ポリフェニレンエーテル系アロイ材料は、大気雰囲下にさらされるとポリアミド樹脂の吸水により寸法が変化し、材料の組成により金型の寸法を調整しなければならないという問題があった。
この課題に対し、従来から芳香族系のポリアミド樹脂をアロイに使用する試みがなされている(例えば、特許文献2〜4参照)。

概要

本発明は、吸水寸法変化が小さく、低温衝撃性ウエルド強度摺動性に優れた熱可塑性樹脂組成物及び成形体を提供することを目的とする。(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂と、(b)脂肪族ポリアミドと、(c)ポリヘキサメチレンイソフタラミド(PA6I)と、(d)重合体ブロックAと重合体ブロックBとからなるブロック共重合体水素添加してなる水添ブロック共重合体及び/又は該水添ブロック共重合体の変性物と、(e)(a)成分と(b)成分及び(c)成分との相溶化剤とを含有し、(a)成分の含有量が10〜65質量部、(b)成分と(c)成分との合計の含有量が35〜90質量部、(d)成分の含有量が1〜30質量部、(e)成分の含有量が0.01〜5質量部であり、(c)成分のギ酸相対粘度RV)が8以上20以下であることを特徴とする、熱可塑性樹脂組成物、成形体。なし

目的

本発明は、吸水時の寸法変化の低減に加え、低温衝撃性、ウエルド強度、さらには摺動性に優れる熱可塑性組成物及び成形体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂と、(b)脂肪族ポリアミドと、(c)ポリヘキサメチレンイソフタラミド(PA6I)と、(d)ビニル芳香族化合物主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと、共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロック共重合体水素添加してなる水添ブロック共重合体及び/又は該水添ブロック共重合体の変性物と、(e)前記(a)成分と(b)成分及び(c)成分との相溶化剤とを含有し、前記(a)〜(c)成分の合計100質量部に対して、前記(a)成分の含有量が10〜65質量部、前記(b)成分と(c)成分との合計の含有量が35〜90質量部、前記(d)成分の含有量が1〜30質量部、前記(e)成分の含有量が0.01〜5質量部であり、前記(c)成分の、ASTM−D789に準拠して90%ギ酸(10%水)中、25℃で測定したギ酸相対粘度RV)が8以上20以下であることを特徴とする、熱可塑性樹脂組成物

請求項2

前記(b)成分と(c)成分との合計量に対する(c)成分の割合((c)/(b)+(c))が、0.005以上0.3以下である、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。

請求項3

前記(c)成分の末端カルボキシル基濃度[−COOH]cと末端アミ基濃度[−NH2]cとの比([−COOH]c/[−NH2]c)が、10以上40未満である、請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物。

請求項4

前記(e)成分が、マレイン酸及び/またはその無水物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。

請求項5

請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を含むことを特徴とする、成形体

技術分野

0001

本発明は、熱可塑性樹脂組成物及び成形体に関する。

背景技術

0002

ポリフェニレンエーテル系樹脂機械的性質電気的性質及び耐熱性が優れており、しかも寸法安定性が優れるため広い範囲で用いられているが、単独では成形加工性が劣っており、これを改良するために、ポリアミドを配合する技術が特許文献1に提案され、現在では非常に様々な用途に用いられる材料となっており、以前から自動車リレーブロック材料等に、ポリアミド/ポリフェニレンエーテルアロイを使用する試みがさかんに検討されている。
ところが、ポリアミド/ポリフェニレンエーテル系アロイ材料は、大気雰囲下にさらされるとポリアミド樹脂の吸水により寸法が変化し、材料の組成により金型の寸法を調整しなければならないという問題があった。
この課題に対し、従来から芳香族系のポリアミド樹脂をアロイに使用する試みがなされている(例えば、特許文献2〜4参照)。

先行技術

0003

特公昭45−997号公報
特開2007−154127号公報
特公平7−88468号公報
特許第2641507号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところが、特許文献2〜4に開示された技術では、大気雰囲気放置時の寸法変化はある程度低減できるものの、低温での耐衝撃性ウエルド強度といった特性に、さらなる改善の余地があった。

0005

そこで、本発明は、吸水時の寸法変化の低減に加え、低温衝撃性、ウエルド強度、さらには摺動性に優れる熱可塑性組成物及び成形体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、ポリフェニレンエーテル系樹脂、脂肪族ポリアミド、特定の分子量をもつポリヘキサメチレンイソフタラミド(PA6I)、特定の構造をもつブロック共重合体相溶化剤を含む熱可塑性樹脂組成物が上記課題を有利に解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。

0007

すなわち、本発明は下記の通りである。
[1]
(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂と、
(b)脂肪族ポリアミドと、
(c)ポリヘキサメチレンイソフタラミド(PA6I)と、
(d)ビニル芳香族化合物主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと、共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体及び/又は該水添ブロック共重合体の変性物と、
(e)前記(a)成分と(b)成分及び(c)成分との相溶化剤と
を含有し、
前記(a)〜(c)成分の合計100質量部に対して、
前記(a)成分の含有量が10〜65質量部、
前記(b)成分と(c)成分との合計の含有量が35〜90質量部、
前記(d)成分の含有量が1〜30質量部、
前記(e)成分の含有量が0.01〜5質量部
であり、
前記(c)成分の、ASTM−D789に準拠して90%ギ酸(10%水)中、25℃で測定したギ酸相対粘度RV)が8以上、20以下である、
ことを特徴とする、熱可塑性樹脂組成物。
[2]
前記(b)成分と(c)成分との合計量に対する(c)成分の割合((c)/(b)+(c))が、0.005以上0.3以下である、[1]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[3]
前記(c)成分の末端カルボキシル基濃度[−COOH]cと末端アミ基濃度[−NH2]cとの比([−COOH]c/[−NH2]c)が、10以上40未満である、[1]または[2]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[4]
前記(e)成分が、マレイン酸及び/またはその無水物である、[1]〜[3]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
[5]
[1]〜[4]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を含むことを特徴とする、成形体。

発明の効果

0008

本発明によれば、吸水時の寸法変化が少なく、低温衝撃性、ウエルド強度、さらには摺動性に優れた熱可塑性脂組成物及び成形体を得ることができる。

図面の簡単な説明

0009

実施例及び比較例の樹脂組成物を製造するのに用いた押出機バレル構成の概要について説明する図である。

0010

以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」ともいう)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。

0011

[熱可塑性樹脂組成物]
本実施形態の樹脂組成物は、(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂、(b)脂肪族ポリアミド、(c)特定の分子量をもつポリヘキサメチレンイソフタラミド(PA6I)、(d)ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと、共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体及び/又は該水添ブロック共重合体の変性物、及び(e)a)成分と(b)成分及び(c)成分の相溶化剤を含む。
なお、本願明細書において、ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと、共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとを含むブロック共重合体の少なくとも一部が水素添加されてなる水添ブロック共重合体及び/又は該水添ブロック共重合体の変性物を、単に「水添ブロック共重合体」と称する場合がある。また、水添ブロック共重合体のうち、変性していない水添ブロック共重合体を、「未変性水素添加ブロック共重合体」、水添ブロック共重合体の変性物を、「変性水素添加ブロック共重合体」と称する場合がある。
また、共役ジエン化合物単位における1,2−ビニル結合及び3,4−ビニル結合を、「全ビニル結合」と称する場合がある。

0012

以下、本実施形態の樹脂組成物の成分について記載する。

0013

本実施形態の樹脂組成物は、吸水時の寸法変化が少なく、低温衝撃性、ウエルド強度、さらには摺動性に優れることが好ましい。

0014

((a)ポリフェニレンエーテル系樹脂)
本実施形態で用いられる(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、特に限定されることなく、例えば、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、及び両者の混合物等が挙げられる。(a)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて併用してもよい。

0015

(a)成分の還元粘度は、樹脂組成物の難燃性を更に向上させる観点から、0.25dL/g以上であることが好ましく、0.28dL/g以上であることが更に好ましく、また、0.60dL/g以下であることが好ましく、0.57dL/g以下であることが更に好ましく、0.55dL/g以下であることが特に好ましい。還元粘度は、重合時間や触媒量により制御することができる。
なお、還元粘度は、ηsp/c:0.5g/dLのクロロホルム溶液を用いて、温度30℃の条件下、ウベローデ型粘度管で測定することができる。

0016

−ポリフェニレンエーテル−
ポリフェニレンエーテルとしては、特に限定されることなく、例えば、下記式(3)で表される繰り返し単位構造からなる単独重合体、及び/又は下記式(3)で表される繰り返し単位構造を有する共重合体が挙げられる。



[式中、R31、R32、R33、及びR34は、各々独立して、水素原子ハロゲン原子炭素原子数1〜7の第1級のアルキル基、炭素原子数1〜7の第2級のアルキル基、フェニル基ハロアルキル基アミノアルキル基炭化水素オキシ基、及び少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを隔てているハロ炭化水素オキシ基からなる群より選ばれる一価の基である。]

0017

このようなポリフェニレンエーテルとしては、特に限定されることなく、公知のものを用いることができる。ポリフェニレンエーテルの具体例としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等の単独重合体;2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールや2−メチル−6−ブチルフェノール等の他のフェノール類との共重合物等の共重合体;等が挙げられ、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合物が好ましく、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)が更に好ましい。

0018

ポリフェニレンエーテルの製造方法としては、特に限定されることなく、従来公知の方法を用いることができる。ポリフェニレンエーテルの製造方法の具体例としては、例えば、第一銅塩アミンとのコンプレックスを触媒として用いて、例えば、2,6−キシレノール酸化重合することによって製造する、米国特許第3306874号明細書等に記載される方法や、米国特許第3306875号明細書、米国特許第3257357号明細書、米国特許第3257358号明細書、特公昭52−17880号公報、特開昭50−51197号公報、特開昭63−152628号公報等に記載される方法等が挙げられる。

0019

−変性ポリフェニレンエーテル−
変性ポリフェニレンエーテルとしては、特に限定されることなく、例えば、上記ポリフェニレンエーテルに、スチレン系重合体及び/又はその誘導体グラフト化及び/又は付加させたもの等が挙げられる。グラフト化及び/又は付加による質量増加の割合は、特に限定されることなく、変性ポリフェニレンエーテル100質量%に対して、0.01質量%以上であることが好ましく、また、10質量%以下であることが好ましく、7質量%以下であることが更に好ましく、5質量%以下であることが特に好ましい。

0020

変性ポリフェニレンエーテルの製造方法としては、特に限定されることなく、例えば、ラジカル発生剤の存在下又は非存在下で、溶融状態溶液状態又はスラリー状態において、80〜350℃の条件下で、上記ポリフェニレンエーテルと、スチレン系重合体及び/又はその誘導体と、を反応させる方法等が挙げられる。

0021

(a)成分が、ポリフェニレンエーテルと変性ポリフェニレンエーテルとの混合物である場合には、上記ポリフェニレンエーテルと上記変性ポリフェニレンエーテルとの混合割合は、特に限定されることなく、任意の割合としてよい。
熱可塑性樹脂組成物中における(a)成分の含有量は、成形流動性、耐熱性の観点から前記(a)〜(c)成分の合計100質量部に対して、10〜65質量部であり、好ましくは15〜55質量部である。

0022

((b)脂肪族ポリアミド)
(b)成分は脂肪族ポリアミドである。ポリアミドとは、主鎖中にアミド結合(−NHCO−)を有する重合体であるポリアミド樹脂を意味する。

0023

(b)ポリアミドとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ジアミン及びジカルボン酸縮合重合で得られるポリアミド、ラクタム開環重合で得られるポリアミド、アミノカルボン酸自己縮合で得られるポリアミド、及びこれらのポリアミドを構成する2種類以上の単位(単量体)の共重合で得られる共重合物が挙げられる。

0024

(b)脂肪族ポリアミドとしては、上記ポリアミドの1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。

0025

以下、(b)ポリアミドの原料について説明する。

0026

前記ジアミンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、脂肪族ジアミン脂環族ジアミン等が挙げられる。

0027

前記脂肪族ジアミンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、エチレンジアミンプロピレンジアミンテトラメチレンジアミンペンタメチレンジアミンヘキサメチレンジアミンヘプタメチレンジアミンオクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、トリデカメチレンジアミン、テトラデカメチレンジアミン等の炭素数2〜20の直鎖飽和脂肪族ジアミン;例えば、2−メチルペンタメチレンジアミン(2−メチル−1,5−ジアミノペンタンとも記される。)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2−メチルオクタメチレンジアミン、2,4−ジメチルオクタメチレンジアミン等の炭素数3〜20の分岐飽和脂肪族ジアミン;等が挙げられる。前記分岐状飽和脂肪族ジアミンとしては、主鎖から分岐した置換基を持つジアミンが挙げられる。

0028

前記脂環族ジアミン(脂環式ジアミンとも記される。)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロペンタンジアミン等が挙げられる。

0029

前記ジカルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、脂肪族ジカルボン酸脂環族ジカルボン酸等が挙げられる。

0030

前記脂肪族ジカルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,3−ジメチルグルタル酸、2,2−ジエチルコハク酸、2,3−ジエチルグルタル酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸トリメチルアジピン酸、ピメリン酸スベリン酸アゼライン酸セバシン酸ドデカン二酸テトラデカン二酸ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸ジグリコール酸等の、炭素数3〜20の直鎖又は分岐状飽和脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。

0031

前記脂環族ジカルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸等の脂環族カルボン酸が挙げられる。

0032

脂環族カルボン酸の脂環構造の炭素数は、特に限定されないが、得られるポリアミド樹脂の吸水性結晶化度バランスの観点から、好ましくは炭素数:3〜10であり、より好ましくは5〜10である。前記脂環族ジカルボン酸の中でも、機械特性の観点から、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が好ましい。

0033

前記脂環族ジカルボン酸は、無置換でもよいし、置換基を有していてもよい。置換基としては、以下に限定されるものではないが、例えば、メチル基エチル基、n−プロピル基イソプロピル基n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基等が挙げられる。

0034

前記ジカルボン酸は、本実施形態の目的を損なわない範囲で、トリメリット酸トリメシン酸ピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸をさらに含んでもよい。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。

0035

前記ラクタムとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ブチロラクタム、ピバロラクタム、ε−カプロラクタム、カプリロラクタム、エナントラクタム、ウンデカノラクタム、及びラウロラクタム(ドデカノラクタム)等が挙げられる。
これらの中でも、靭性の観点から、ε−カプロラクタム、ラウロラクタム等が好ましく、ε−カプロラクタムがより好ましい。

0036

前記アミノカルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、上記したラクタムが開環した化合物(ω−アミノカルボン酸、α,ω−アミノカルボン酸等)等が挙げられる。
前記アミノカルボン酸としては、結晶化度を高める観点から、ω位がアミノ基で置換された、炭素数4〜14の直鎖又は分岐状の飽和脂肪族カルボン酸であることが好ましい。具体的には、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等が挙げられる。前記アミノカルボン酸としては、パラアミノメチル安息香酸等も挙げられる。

0037

原料としての(b)ポリアミドは、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリアミド4(ポリα−ピロリドン)、ポリアミド6(ポリカプロアミド)、ポリアミド11(ポリウンデカンアミド)、ポリアミド12(ポリドデカンアミド)、ポリアミド46(ポリテトラメチレンアジパミド)、ポリアミド56(ポリペンタメチレンアジパミド)、ポリアミド66(ポリヘキサメチレンアジパミド)、ポリアミド610(ポリヘキサメチレンセバカミド)、ポリアミド612(ポリヘキサメチレンドデカミド)、ポリアミド116(ポリウンデカメチレンアジパミド)、ポリアミド92(ポリノナメチレンオキサミド)、ポリアミド6C(ポリヘキサメチレンシクロヘキサンジカルボキサミド)、ポリアミド2Me−5C(ポリ2−メチルペンタメチレンシクロヘキサンジカルボキサミド)、ポリアミド9C(ポリノナメチレンシクロヘキサンジカルボキサミド)、2Me−8C(ポリ2−メチルオクタメチレンシクロヘキサンジカルボキサミド)、ポリアミドPACM12(ポリビス(4−アミノシクロヘキシルメタンドデカミド)、ポリアミドジメチルPACM12(ポリビス(3−メチル−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド、ポリアミド10C(ポリデカメチレンシクロヘキサンジカルボキサミド)、ポリアミド11C(ポリウンデカメチレンシクロヘキサンジカルボキサミド)、ポリアミド12C(ポリドデカメチレンシクロヘキサンジカルボキサミド)等のポリアミド樹脂が挙げられる。
(b)ポリアミドの好ましい例としては、ポリアミド6(ポリカプロアミド)、ポリアミド66(ポリヘキサメチレンアジパミド)、ポリアミド610(ポリヘキサメチレンセバカミド)、ポリアミド612(ポリヘキサメチレンドデカミド)、ポリアミド6C(ポリヘキサメチレンシクロヘキサンジカルボキサミド)、ポリアミド2Me−5C(ポリ2−メチルペンタメチレンシクロヘキサンジカルボキサミド)、ポリアミド9C(ポリノナメチレンシクロヘキサンジカルボキサミド)、2Me−8C(ポリ2−メチルオクタメチレンシクロヘキサンジカルボキサミド)、ポリアミド10C(ポリデカメチレンシクロヘキサンジカルボキサミド)及びが挙げられる。これらは、靱性、強度及び成形性の観点から好ましい。同様の観点から、(b)ポリアミドは、ポリアミド66を含むことがより好ましい。

0038

なお、(b)ポリアミドは、上述した各種ポリアミドを構成する単位(単量体)を2種以上共重合させて得られる、ポリアミド共重合体であってもよい。
前記ポリアミド共重合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、PA6C/2Me−5C、PA9C/2Me−8C等のポリアミド共重合体が挙げられる。

0039

上述した(b)ポリアミドの中でも、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド6C/2Me−5C、ポリアミド2Me−5Cがより好ましく、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド66/6がさらに好ましく、強度・靱性と結晶性のバランスから、ポリアミド66がさらにより好ましい。

0040

(b)ポリアミドを、所定のモノマーを重合して製造する際には、分子量調節のために末端封止剤をさらに添加することができる。この末端封止剤としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。

0041

前記末端封止剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、モノカルボン酸モノアミン酸無水物モノイソシアネートモノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類等が挙げられる。
これらの中でも、(b)ポリアミドの熱安定性の観点から、モノカルボン酸及びモノアミンが好ましい。
これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

0042

末端封止剤として使用できるモノカルボン酸としては、アミノ基との反応性を有するものであればよく、以下に限定されるものではないが、例えば、ギ酸、酢酸プロピオン酸酪酸吉草酸カプロン酸カプリル酸ラウリン酸トリデシル酸、ミリスチル酸、パルミチン酸ステアリン酸、ピバリン酸、イソブチル酸等の脂肪族モノカルボン酸シクロヘキサンカルボン酸等の脂環族モノカルボン酸;安息香酸トルイル酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、及びフェニル酢酸等の芳香族モノカルボン酸;等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

0043

末端封止剤として使用できるモノアミンとしては、カルボキシル基との反応性を有するものであればよく、以下に限定されるものではないが、例えば、メチルアミンエチルアミンプロピルアミンブチルアミンヘキシルアミンオクチルアミンデシルアミン、ステアリルアミンジメチルアミンジエチルアミンジプロピルアミンジブチルアミ等の脂肪族モノアミンシクロヘキシルアミンジシクロヘキシルアミン等の脂環族モノアミンアニリントルイジンジフェニルアミンナフチルアミン等の芳香族モノアミン;等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

0044

末端封止剤として使用できる酸無水物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、無水フタル酸無水マレイン酸無水安息香酸無水酢酸ヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
これらは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

0045

末端封止剤として使用できるモノイソシアネートとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、フェニルイソシアネートトリルイソシアネートジメチルフェニルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ナフチルイソシアネート等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

0046

末端封止剤として使用できるモノ酸ハロゲン化物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、安息香酸、ジフェニルメタンカルボン酸、ジフェニルスルホンカルボン酸、ジフェニルスルホキシドカルボン酸、ジフェニルスルフィドカルボン酸、ジフェニルエーテルカルボン酸、ベンゾフェノンカルボン酸ビフェニルカルボン酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、アントラセンカルボン酸等のモノカルボン酸の、フッ化物塩化物臭化物等の酸ハロゲン化物が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

0047

末端封止剤として使用できるモノエステル類としては、以下に限定されるものではないが、例えば、グリセリンモノパルミテートグリセリンモノステアレート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンモノモンタネート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールモノベヘネート、ペンタエリスリトールモノモンタネート、ソルビタンモノパルミテートソルビタンモノステアレートソルビタンモノベヘネート、ソルビタンモノモンタネート、ソルビタンジモンタネート、ソルビタントリモンタネート、ソルビトールモノパルミテート、ソルビトールモノステアレート、ソルビトールモノベヘネート、ソルビトールトリベヘネート、ソルビトールモノモンタネート、ソルビトールジモンタネート等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

0048

末端封止剤として使用できるモノアルコール類としては、以下に限定されるものではないが、例えば、プロパノールブタノールペンタノールヘキサノールヘプタノールオクタノールノナノールデカノールウンデカノールドデカノールトリデカノールテトラデカノールペンタデカノール、ヘキサデカノールヘプタデカノールオクタデカノールノナデカノール、エイコサノール、ドコサノール、トリコサノール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、ヘプタコサノール、オクタコサノールトリアコンタノール(以上、直鎖状、分岐状)、オレイルアルコールベヘニルアルコールフェノールクレゾール(o−、m−、p−体)、ビフェノール(o−、m−、p−体)、1−ナフトール2−ナフトール等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

0049

(b)ポリアミドの融点は、特に限定されるものではないが、好ましくは200℃以上340℃以下であり、より好ましくは210℃以上335℃以下であり、さらに好ましくは240℃以上330℃以下である。
(b)ポリアミドの融点を、200℃以上とすることにより、熱可塑性樹脂組成物の耐熱性が向上する傾向にある。(b)ポリアミドの融点を、340℃以下とすることにより、熱可塑性樹脂組成物の溶融加工中の熱分解劣化をより効果的に抑制できる傾向にある。
なお、(b)ポリアミド樹脂の融点は、JIS−K7121に準じて測定することができる。測定装置としては、例えば、PERKIN−ELMER社製、DiamondDSC等を用いることができる。

0050

(b)ポリアミドの示差走査熱量測定(DSC)で測定した降温結晶化温度ピーク温度は、特に限定されるものではないが、220℃以上であることが好ましい。
(b)ポリアミド樹脂の降温結晶化温度のピーク温度を、220℃以上とすることにより、成形性が一層向上する傾向にある。
なお、示差走査熱量測定(DSC)は、JIS−K7121に準じて、昇温速度20℃/分の条件で行うことができる。

0051

ところで、(b)ポリアミドや、熱可塑性樹脂組成物中に含有されているポリアミドの分子量は、種々の方法により測定することができる。
例えば、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による分子量測定や、溶液粘度等が挙げられる。溶液粘度としては、具体的には、ISO307(JIS−K6933)に準拠して測定される粘度数[VN]やASTM−D789に準拠して測定されるギ酸相対粘度[RV]がある。ISO307(JIS−K6933)による測定としては、一例として、25℃において96%濃度の硫酸中、ポリアミド濃度0.5質量%溶液で測定することができる。
また、上記の異なる規格への換算については、例えば、ISO307(JIS−K6933に記載されている換算表等を適宜用いればよい。

0052

本願明細書では、前記粘度数[VN]を(b)ポリアミドの分子量の指標としており、VNの数値が高いほど高分子量であるものと評価される(また、同じ[VN]に対して、PA66の場合については[RV]もカッコ内に併記した)。
(b)ポリアミドの粘度数[VN]は、特に限定されるものではないが、VN:70mL/g以上350mL/g以下(RV(PA66):21以上477以下)が好ましい。VN70mL/g以上にすることにより、安定した押出をすることが可能になり、VN350mL/g以下にすることにより、押出機における吐出量を適切な範囲にすることができる。(b)ポリアミドの粘度数[VN]は、より好ましくはVN80mL/g以上250mL/g以下(RV(PA66):24以上157以下)であり、さらにより好ましくはVN100mL/g以上200mL/g以下(RV(PA66):30以上90以下)である。

0053

また、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物においては、押出機内で原料としての(b)ポリアミドを高分子量化させていき、最終的にポリアミド樹脂組成物中において高分子量化されたポリアミド樹脂であればよいので、原料である(b)ポリアミドの粘度数[VN]はさほど高くする必要はなく、押出機モーターへの負荷を低減し、吐出量を大きくして効率よく生産したい場合は、VN70mL/g以上200mL/g以下(RV(PA66):21以上90以下)が好ましい。より好ましくはVN90mL/g以上180mL/g以下(RV(PA66):27以上72以下)であり、さらに好ましくはVN100mL/g以上170mL/g以下(RV(PA66):30以上65以下)であり、さらにより好ましくは120mL/g以上165mL/g以下(RV(PA66):37以上61以下)であり、さらにより一層好ましくは、130mL/g以上160mL/g以下(RV(PA66):42以上58以下)である。

0054

本実施形態の熱可塑性樹脂組成物においては、押出機にて高分子量化された、最終的に得られるポリアミド樹脂組成物中のポリアミド樹脂の粘度数[VN]は、VN160mL/g(RV(PA66):58)以上が好ましく、VN165mL/g以上VN350mL/g以下(RV(PA66):61以上477以下)がより好ましい。
VN160mL/g以上にすることで、引張伸びを一層向上することができ、靭性を大きく発揮させることができる。VN350mL/g以下にすることで、押出機の吐出量を適当な範囲にすることができる。

0055

ポリアミド樹脂組成物中のポリアミド樹脂の粘度数[VN]は、さらに好ましくは、VN175mL/g以上310mL/g以下(RV(PA66):69以上306以下)であり、さらにより好ましくはVN180mL/g以上290mL/g以下(RV(PA66):72以上245以下)であり、よりさらに好ましくは、VN190mL/g以上270mL/g以下(RV(PA66):81以上197以下)であり、さらにより一層好ましくは、200mL/g以上250mL/g以下(RV(PA66):90以上157以下)である。

0056

(b)ポリアミドの粘度数やギ酸相対粘度は、特に限定されないが、例えば、ポリアミドの熱溶融重合時の添加物としてのジアミン及び末端封止剤の添加量、並びに重合条件を制御する方法等が有効な方法として挙げられる。

0057

((b)ポリアミドの製造方法)
(b)ポリアミドの製造方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、以下の種々の方法が挙げられる。
1)ジカルボン酸及びジアミンの水溶液又は水の懸濁液、又はジカルボン酸及びジアミン塩とラクタム及び/又はアミノカルボン酸等の他の成分との混合物(以下、これらを、「その混合物」と略称する場合がある。)の水溶液又は水の懸濁液を加熱し、溶融状態を維持したまま重合させる方法(以下、「熱溶融重合法」ともいう。);
2)ジカルボン酸及びジアミン又はその混合物の水溶液又は水の懸濁液を加熱し、析出したプレポリマーと取り出す方法(「プレポリマー法」);
3)熱溶融重合法で得られたポリアミドを融点以下の温度で固体状態を維持したまま重合度を上昇させる方法(「熱溶融重合・固相重合法」);
4)ジカルボン酸及びジアミン又はその混合物の水溶液又は水の懸濁液を加熱し、析出したプレポリマーをさらにニーダー等の押出機で再び溶融して、その重合度を上昇させる方法(「プレポリマー・押出重合法」);
5)ジカルボン酸及びジアミン又はその混合物の水溶液又は水の懸濁液を加熱し、析出したプレポリマーをさらにポリアミドの融点以下の温度で固体状態を維持して、その重合度を上昇させる方法(「プレポリマー・固相重合法」);
6)ジカルボン酸及びジアミン又はその混合物を、固体状態を維持したまま重合させる方法(「モノマー・固相重合法」);
7)「ジカルボン酸及びジアミンの塩」又はその混合物を、固体状態を維持したまま重合させる方法(「塩・固相重合法」);
8)ジカルボン酸と等価なジカルボン酸ハライド及びジアミンを用いて重合させる方法(「溶液法」)。

0058

前記(b)ポリアミドの製造方法においては、本実施形態のポリアミド樹脂組成物の製造方法が、押出機内で(b)ポリアミドを高分子量化させる工程を有しているため、原料段階での(b)ポリアミドを敢えて高分子量化する必要はない観点において、工程が少なく安定した分子量のポリアミドが製造しやすい熱溶融重合法やプレポリマー法が好ましい。

0059

(b)ポリアミドの製造方法における重合形態は、以下に限定されるものではなく、例えば、バッチ式連続式が挙げられる。

0060

重合装置としては、特に限定されず、公知の装置(例えば、オートクレーブ型反応器タンブラー型反応器、ニーダー等の押出機型反応器等)を用いることもできる。

0061

((c)ヘキサメチレンイソフタラミド(PA6I))
(c)成分のヘキサメチレンイソフタラミド(PA6I)は、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸との縮合重合で得られるポリアミドである。
本実施形態では、(c)成分のヘキサメチレンイソフタラミド(PA6I)は、ASTM−D789に準拠して90%ギ酸(10%水)中、25℃で測定したギ酸相対粘度(RV)が8以上20以下のものである。

0062

(c)成分のギ酸相対粘度は、熱可塑性樹脂組成物の機械的強度、ウエルド強度、摺動性向上の観点から10以上20以下であることが好ましく、13以上18以下であることがさらに好ましい。
(c)成分のギ酸相対粘度の有効な調整方法としては、特に限定されないが、例えば、ポリアミドの熱溶融重合時の添加物としてのジアミン及び末端封止剤の添加量を制御する方法や、重合条件を制御する方法等が挙げられる。

0063

(c)成分の末端カルボキシル基濃度[−COOH]cと、末端アミノ基濃度[−NH2]cとの比([−COOH]c/[−NH2]c)は、(a)成分との相溶性向上と得られる熱可塑性樹脂組成物の熱安定性の観点から、10以上40未満であることが好ましく、15以上35未満であることがより好ましい。

0064

熱可塑性樹脂組成物中における(b)成分と(c)成分との合計の含有量は、成形流動性、耐熱性の観点から前記(a)〜(c)成分の合計100質量部に対して、35〜90質量部であり、好ましくは45〜85質量部である。

0065

また、熱可塑性樹脂組成物中における(b)成分と(c)成分との合計量に対する(c)分の割合((c)/((b)+(c))は、組成物の低温衝撃性、ウエルド強度の観点から、0.005以上0.3以下であることが好ましく、0.01以上0.25以下であることがさらに好ましい。

0066

((d)ブロック共重合体)
(d)成分のブロック共重合体は、ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと、共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体及び/又は該水添ブロック共重合体の変性物である。

0067

以下、水添ブロック共重合体に関する事項について記載する。

0068

−ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックA−
ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAとしては、特に限定されることなく、例えば、ビニル芳香族化合物の単独重合体ブロック、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物との共重合体ブロック等が挙げられる。

0069

なお、重合体ブロックAにおいて「ビニル芳香族化合物を主体とする」とは、水素添加前の重合体ブロックA中にビニル芳香族化合物単位を、50質量%超含有することをいい、ビニル芳香族化合物単位を70質量%以上含有することが好ましく、80質量%以上含有することが更に好ましく、また、100質量%以下としてよい。

0070

重合体ブロックAを構成するビニル芳香族化合物としては、特に限定されることなく、例えば、スチレンα−メチルスチレンビニルトルエン、p−tert−ブチルスチレン、ジフェニルエチレン等が挙げられ、スチレンが好ましい。
重合体ブロックAを構成する共役ジエン化合物としては、ブタジエンイソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられ、ブタジエン、イソプレン、及びこれらの組み合わせが好ましく、ブタジエンが更に好ましい。
これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0071

重合体ブロックAの数平均分子量(Mn)は、熱可塑性樹脂組成物内での分散性を向上させる観点から、15,000以上であることが好ましく、20,000以上であることが更に好ましく、25,000以上であることが特に好ましく、また、100,000以下であることが好ましい。

0072

なお、本願明細書において、数平均分子量は、昭和電工(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィーSystem21を用いて以下の条件で測定することができる。該測定において、カラムとして、昭和電工(株)製K−Gを1本、K−800RLを1本、さらにK−800Rを1本の順番直列につないだカラムを用い、カラム温度を40℃とし、溶媒をクロロホルムとし、溶媒流量を10mL/分とし、サンプル濃度を、水添ブロック共重合体1g/クロロホルム溶液1Lとする。また、標準ポリスチレン(標準ポリスチレンの分子量は、3650000、2170000、1090000、681000、204000、52000、30200、13800、3360、1300、550)を用いて検量線を作成する。さらに、検出部のUV(紫外線)の波長は、標準ポリスチレン及び水添ブロック共重合体共に254nmに設定して測定する。

0073

なお、(d)成分を形成する重合体ブロックAの数平均分子量(MndA)は、例えば、(d)成分がA−B−A型構造の場合、(d)成分の数平均分子量(Mnd)を基に、(d)成分の分子量分布が1、さらにビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAの2つが同一分子量として存在することを前提とし、(MndA)=(Mnd)×結合ビニル芳香族化合物量の割合÷2の計算式で求めることができる。同様に、(d)成分がA−B−A−B−A型の水添ブロック共重合体の場合は、(MndA)=(Mnd)×結合ビニル芳香族化合物量の割合÷3の計算式で求めることができる。なお、ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体を合成する段階で、ブロック構造A及びブロック構造Bのシーケンスが明確になっている場合は、上記計算式に依存せずに、測定した(d)成分の数平均分子量(Mnd)をベースにブロック構造Aの割合から算出してもよい。

0074

−共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックB−
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとしては、特に限定されることなく、例えば、共役ジエン化合物の単独重合体ブロック、共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物との共重合体ブロック等が挙げられる。
なお、重合体ブロックBにおいて「共役ジエン化合物を主体とする」とは、水素添加前の重合体ブロックB中に共役ジエン化合物単位を、50質量%超含有することをいい、樹脂組成物の流動性を高める観点から、共役ジエン化合物単位を70質量%以上含有することが好ましく、80質量%以上含有することが更に好ましく、また、100質量%以下としてよい。

0075

重合体ブロックBを構成する共役ジエン化合物としては、特に限定されることなく、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられ、ブタジエン、イソプレン、及びこれらの組み合わせが好ましく、ブタジエンが更に好ましい。
重合体ブロックBを構成するビニル芳香族化合物としては、特に限定されることなく、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−tert−ブチルスチレン、ジフェニルエチレン等が挙げられ、スチレンが好ましい。
これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0076

上記重合体ブロックBに含まれる共役ジエン化合物単位におけるエチレン性二重結合に対する水素添加率としては、一層優れた低温衝撃性、ウエルド強度が得られる観点から、80%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。
なお、水素添加率は、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて測定することができる。

0077

重合体ブロックBのミクロ構造(共役ジエン化合物の結合形態)において、重合体ブロックBに含まれる共役ジエン化合物単位におけるエチレン性二重結合に対する、1,2−ビニル結合量と3,4−ビニル結合量との合計(全ビニル結合量)は、低温衝撃性、ウエルド強度を向上させる観点から、5〜80%であることが好ましく、10〜50%であることがより好ましく、15〜40%であることがさらに好ましい。

0078

重合体ブロックBの数平均分子量(Mn)は、低温衝撃性、ウエルド強度が得られる観点から、30,000〜200,000であることが好ましく、より好ましくは40,000〜180,000である。

0079

重合体ブロックAにおける分子鎖中のビニル芳香族化合物、及び重合体ブロックBにおける分子鎖中の共役ジエン化合物の分布としては、特に限定されることなく、例えば、ランダムテーパード(分子鎖に沿って単量体部分が増加又は減少するもの)、一部ブロック状、又はこれらの組み合わせが挙げられる。

0080

熱可塑性樹脂組成物中における(d)成分の含有量は、組成物の低温衝撃性、ウエルド強度の観点から前記(a)〜(c)成分の合計100質量部に対して、1〜30質量部であり、好ましくは3〜25質量部である。

0081

((e)相溶化剤)
(e)成分は、(a)成分と(b)成分及び(c)成分の相溶性を向上させるために添加する成分である。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物における上記相溶化剤としては、国際公開第01/81473号中に詳細に記載されている、分子構造内に少なくとも1個の炭素炭素二重結合又は三重結合、及び少なくとも1個のカルボキシル基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する、少なくとも1種の化合物が好ましい。中でも、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸クエン酸、これらの誘導体及びこれらの混合物からなる群から選択させる少なくとも1種が好ましく、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、及びクエン酸からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、熱可塑性樹脂組成物のウエルド強度といった付加的な特性が向上する観点から、マレイン酸及び/又はその無水物が特に好ましい。
上記相溶化剤は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0082

本実施形態の熱可塑性樹脂組成物における上記相溶化剤の含有量は、上記(e)相溶化剤としてマレイン酸及び/又はその無水物を選択した場合、0.01〜5質量部であり、0.05〜1質量%であることが好ましい。相溶化剤の含有量が上記範囲にあると、機械的特性、ウエルド強度、成形品外観に一層優れた成形品を得ることができる。
また、上記(e)相溶化剤の含有量は、ポリアミド中にポリフェニレンエーテルが分散しやすくなり、成形品においてポリアミドが連続相を、ポリフェニレンエーテルが分散相を一層形成しやすくなる観点から、(a)〜(c)成分の合計100質量部に対して、0.01〜5質量部であり、0.05〜3質量部であることが好ましい。

0083

((f)熱可塑性樹脂
本実施形態で任意選択的に用いられる、(a)〜(d)成分以外の熱可塑性樹脂(f)としては、特に限定されることなく、例えば、ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレンハイインパクトポリスチレン(d)成分以外のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物のブロック共重合体、オレフィン系エラストマー等が挙げられる。
(f)成分の添加量は、特に限定されないが、摺動性・低温での衝撃性能を保持する観点から、(a)〜(c)成分の合計100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましく、1質量部以下であることがさらに好ましい。

0084

((g)その他の添加剤
本実施形態で任意選択的に用いられる、(a)〜(f)成分以外のその他の添加剤(g)としては、特に限定されることなく、酸化防止剤金属不活性化剤熱安定剤難燃剤リン酸エステル系化合物ホスフィン酸塩ジホスフィン酸塩ポリリン酸アンモニウム系化合物水酸化マグネシウム、芳香族ハロゲン系難燃剤シリコーン系難燃剤ホウ酸亜鉛等)、フッ素系ポリマー可塑剤低分子量ポリエチレンエポキシ化大豆油ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類等)、三酸化アンチモン等の難燃助剤、耐候(光)性改良剤ポリオレフィン造核剤スリップ剤、各種着色剤離型剤、調整剤(過酸化物等)等が挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物における(g)成分の含有量は、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されることなく、例えば、(a)成分〜(c)成分の合計100質量部に対して、0〜400質量部としてよい。

0085

本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、さらにオイルを含んでいてもよい。
上記オイルとは、30℃において液状の無機又は有機の油脂を指し、合成油鉱物油動物油植物油等が挙げられ、中でも、大豆油アマニ油等の植物油;ナフテン系オイルパラフィン系オイル芳香族系オイルベンジルトルエン等の熱媒用オイル:等が好ましく、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、芳香族系オイルがより好ましく、ナフテン系オイル、パラフィン系オイルがさらに好ましく、パラフィン系オイルが最も好ましい。上記オイルは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ここで、オイルは、一般に、芳香環含有化合物、ナフテン環含有化合物及びパラフィン系化合物の三成分が組み合わさった混合物であって、全炭素数に対するパラフィン鎖の炭素数の割合が50%以上であるものがパラフィン系オイルと呼ばれ、ナフテン環炭素数の割合が30〜45%であるものがナフテン系オイルと呼ばれ、芳香族炭素数の割合が30%超であるものが芳香族系オイルと呼ばれる。
上記パラフィン系オイルの数平均分子量としては、100〜10000であることが好ましく、100〜2000であることがより好ましく、200〜1500であることがさらに好ましい。上記パラフィン系オイルとしては、パラフィン系化合物の含有量が50質量%以上であるものが好ましく、パラフィン系化合物の含有量が50〜90質量%であり、ナフテン環含有化合物の含有量が10〜40質量%であり、芳香環含有化合物の含有量が5質量%以下であるものがより好ましい。また上記パラフィン系オイルの数平均分子量は、100〜2000であることが好ましく、200〜1500であることがより好ましい。パラフィン系オイルの市販品としては、例えば、ダイアプロセスオイルPW−380(出光石油化学株式会社製、動粘度381.6cst(40℃)、平均分子量746、ナフテン環炭素数27%,パラフィン環炭素数73%)等が挙げられる。
上記オイルを添加する方法は、特に限定されないが、例えば、上記ポリアミドと上記ポリフェニレンエーテルとの溶融混練時液体状態で添加する方法、上記ポリアミド、上記ポリフェニレンエーテル、及び少なくとも1個の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなる上記ブロック共重合体からなる群から選ばれる1種以上にあらかじめ混合する方法等が挙げられる。本実施形態では、特に、上記(d)ブロック共重合体にオイルをあらかじめ混合する方法が好ましい。上記ブロック共重合体に上記オイルをあらかじめ混合することにより、シワ状凹凸の抑制、成形品の加熱時の変形の抑制といった効果をより高めることができる。
上記オイルの添加量は、上記(d)ブロック共重合体100質量部に対して、70質量部未満であることが好ましく、60質量部未満であることがより好ましい。

0086

(樹脂組成物の製造方法)
本実施形態の樹脂組成物は、前述の(a)成分〜(e)成分、及び必要に応じて、(f)成分、(g)成分を溶融混練することによって製造することができる。
本実施形態の樹脂組成物の好ましい製造方法は、以下の工程(1−1)及び(1−2)を含む製造方法である。
(1−1):上記(a)成分、(d)成分、及び(e)成分を溶融混練して混練物を得る工程。
(1−2):上記工程(1−1)で得られた上記混練物に対して、上記(b)成分及び(c)成分を添加し、溶融混練する工程。
上記工程(1−1)において、上記(a)成分は全量を添加してもよいし一部を添加してもよい。また、上記(d)成分は全量を添加してもよいし一部を添加してもよい。中でも、上記工程(1−1)は、上記(a)成分の全量、上記(d)成分の全量を溶融混練して混練物を得る工程であることが好ましい。
上記工程(1−2)において、上記(b)成分、(c)成分は全量を添加してもよいし一部を添加してもよい。上記工程(1−2)は、上記工程(1−1)で得られた上記混練物に対して、上記(b)成分、(c)成分の全量を添加し、溶融混練する工程であることが好ましい。
この製造方法のように、溶融混練時において、(b)成分、(c)成分を工程(1−2)で添加することによって(特に、(b)成分と(c)成分の全量を工程(1−2)で添加することによって)、(b)成分と(c)成分が(a)成分中に効率よく分散し、成形流動性に一層優れた樹脂組成物が得られる。

0087

本実施形態の樹脂組成物の製造方法において、各成分の溶融混練を行うために好適に用いられる溶融混練機としては、特に限定されることなく、例えば、単軸押出機二軸押出機等の多軸押出機等の押出機、ロール、ニーダー、ブラベンダープラストグラフバンバリーミキサー等による加熱溶融混練機等が挙げられるが、特に、混練性の観点から、二軸押出機が好ましい。二軸押出機としては、具体的には、コペリオン社製のZSKシリーズ、東機械(株)製のTEMシリーズ、日本製鋼所(株)製のTEXシリーズが挙げられる。
押出機の種類や規格等は、特に限定されることなく、公知のものとしてよい。

0088

以下、単軸押出機や二軸押出機等の多軸押出機等の押出機を用いた場合の好適な実施形態について記載する。
押出機のL/D(バレル有効長バレル内径)は、20以上であることが好ましく、30以上であることが更に好ましく、また、75以下であることが好ましく、60以下であることが更に好ましい。

0089

押出機の構成は、特に限定されることなく、例えば、原料が流れる方向について上流側に第1原料供給口、該第1原料供給口よりも下流に第1真空ベント、該第1真空ベントよりも下流に第2原料供給口、該第2原料供給口よりも下流に第2真空ベントを備えるものとすることができる。

0090

また、第2原料供給口における原料の供給方法としては、特に限定されることなく、原料供給口の上部開放口から単に添加する方法としても、サイド開放口から強制サイドフィーダーを用いて添加する方法としてもよく、特に、安定供給の観点から、サイド開放口から強制サイドフィーダーを用いて添加する方法が好ましい。

0091

各成分を溶融混練する際、溶融混練温度は、特に限定されることなく、200〜370℃としてよく、スクリュー回転数は、特に限定されることなく、100〜1200rpmとしてよい。

0092

液状の原料を添加する場合、押出機シリンダー部分において液添ポンプ等を用いて、液状の原料をシリンダー系中に直接送り込むことによって、添加することができる。液添ポンプとしては、特に限定されることなく、例えば、ギアポンプフランジ式ポンプ等が挙げられ、ギアポンプが好ましい。このとき、液添ポンプにかかる負荷を小さくし、原料の操作性を高める観点から、液状原料を貯めておくタンク、該タンクと液添ポンプ間との配管や、該ポンプと押出機シリンダーとの間の配管等の液状の原料の流路となる部分を、ヒーター等を用いて加熱して、液状の原料の粘度を小さくしておくことが好ましい。

0093

[成形体]
本実施形態の成形体は、前述の本実施形態の樹脂組成物からなる。

0094

本実施形態の成形体としては、特に限定されることなく、例えば、自動車部品電気機器内外装部品、その他の部品等が挙げられる。自動車部品としては、特に限定されることなく、例えば、バンパーフェンダードアーパネル、各種モールエンブレムエンジンフードホイールキャップルーフスポイラー、各種エアロパーツ等の外装部品インストゥルメントパネルコンソールボックストリム等の内装部品;リレーブロック、エンジンカバー等の自動車エンジン回りの部品;自動車、電気自動車ハイブリッド電気自動車等に搭載される二次電池電槽部品;リチウムイオン二次電池部品等が挙げられる。また、電気機器の内外装部品としては、特に限定されることなく、例えば、各種コンピューター及びその周辺機器ジャンクションボックス、各種コネクター、その他のOA機器テレビビデオ、各種ディスクプレーヤー等のキャビネットシャーシ冷蔵庫エアコン液晶プロジェクターに用いられる部品等が挙げられる。その他の部品としては、金属導体又は光ファイバー被覆を施すことによって得られる電線ケーブル固体メタノール電池用燃料ケース燃料電池配水管水冷用タンク、ボイラー外装ケースインクジェットプリンターインク周辺部品・部材、家具椅子等)、シャーシ、水配管継ぎ手等が挙げられる。

0095

(成形体の製造方法)
本実施形態の成形体は、前述の本実施形態の樹脂組成物を成形することによって製造することができる。
本実施形態の成形体の製造方法としては、特に限定されることなく、例えば、射出成形押出成形、押出異形成形中空成形圧縮成形等が挙げられ、本発明の効果をより効果的に得る観点から、射出成形が好ましい。

0096

以下、実施例を挙げて本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0097

実施例及び比較例の樹脂組成物及び成形体に用いた原材料を以下に示す。

0098

−(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂−
(a−i):2,6−キシレノールを酸化重合して得た、還元粘度(ηsp/c:0.5g/dLのクロロホルム溶液)0.51dL/gのポリフェニレンエーテル
(a−ii):2,6−キシレノールを酸化重合して得た、還元粘度(ηsp/c:0.5g/dLのクロロホルム溶液)0.42dL/gのポリフェニレンエーテル
なお、還元粘度は、ηsp/c:0.5g/dLのクロロホルム溶液を用いて、温度30℃の条件下、ウベローデ型粘度管で測定した。

0099

−(b)脂肪族ポリアミド−
(b−i):ポリアミド66(VN=120mL/g、RV=37、融点=265℃、降温結晶化温度のピーク温度=230℃)
(b−ii):ポリアミド6(VN=117mL/g、RV=36、融点=225℃、降温結晶化温度のピーク温度=165℃)

0100

−(c)ヘキサメチレンイソフタラミド(PA6I)−
(c−i):RV=16、[−COOH]c/[−NH2]c=22.5のPA6I
(c−ii):RV=30、[−COOH]c/[−NH2]c=1.2のPA6I
(c−iii):RV=10、[−COOH]c/[−NH2]c=8.3のPA6I

0101

−(d)ブロック共重合体−
SEBS(ポリスチレン−水素添加ポリブタジエン−ポリスチレンの各ブロックからなる共重合体、数平均分子量=170,000、ポリスチレンブロック1個あたりの数平均分子量=29,800、スチレン成分合計含有量=35質量%、1,2−ビニル結合量=38%、ポリブタジエン部の水素添加率=98%以上。但し、パラフィン系オイルを35質量%含有。)

0102

−(e)相溶化剤−
無水マレイン酸(三菱化学株式会社製)

0103

−(g)その他の添加剤−
過酸化物(Peroxide)(商品名「パーヘキサ25B−40」、日本油脂株式会社製)

0104

実施例及び比較例における物性の測定方法(1)〜(4)を以下に示す。

0105

(1)吸水寸法変化
得られた樹脂組成物のペレットを、シリンダー温度290℃に設定した小型射出成形機(商品名:IS−100GN、東芝機械社製)に供給し、金型温度90℃、射出圧力70MPa、射出時間20秒、冷却時間10秒の条件で、50mm×90mm×2mmの平板に成形した。この平板を80℃の温水中に12時間浸漬させた後に取り出し、23℃×50RH%の雰囲気で144時間状態調節した後、平板の縦、横、厚みを測定することにより平板の体積を算出した。この体積を、成形直後に同様に測定した体積と比較して、吸水・状態調節後の体積変化率(%)を算出した。
この体積変化率(%)が小さいものほど、寸法変化が小さいと判断した。

0106

(2)低温衝撃性
吸水寸法変化を測定した平板と同じ平板(50mm×90mm×2mmの平板)を用い
得られた平板を、−30℃の環境下でJIS K 7211−1に準じて、先端直径12.7mmφのストライカーを用いて落錘衝撃試験を実施し、試験片破壊に要した全吸収エネルギー(J)を測定した。
全吸収エネルギー(J)の値が大きいほど、低温衝撃性に優れていると判定した。

0107

(3)摺動性
得られた樹脂組成物ペレットを、シリンダー温度290℃、に設定した小型射出成形機(商品名:IS−100GN、東芝機械社製)に供給し、金型温度90℃、射出圧力70MPa、射出時間20秒、冷却15秒の条件で成形し、評価用ISOダンベルを作製した。
このISOダンベルについて、往復動摩擦摩耗試験機(商品名:AFT−15MS型、東洋精密(株)製)を用いて、荷重2kg、線速度30mm/秒、往復距離10mm、環境温度23℃、往復回数1500回の条件で、試験を行い、ここで、1500回目における摩擦係数μを測定した。相手材料としては、SUS球(SUS304、R=2.5mm)を用いた。
評価基準としては、測定値が低い値であるほど、摺動性が良好であると判定した。

0108

(4)ウエルド強度
得られた樹脂組成物ペレットを、シリンダー温度290℃、に設定した小型射出成形機(商品名:IS−100GN、東芝機械社製)に供給し、金型温度90℃、射出圧力70MPa、射出時間20秒、冷却15秒の条件で、ISO−7391−2に準じて射出成形を行い材料物性評価用のテストピースを使用し、テストピースの両側に設けたサイドゲートから充填させテストピース中央部にウエルドを作製した。得られたテストピースをISO 527に準拠して引張ウエルド強度(MPa)を測定した。

0109

(実施例1〜10、比較例1〜8)
以下、各実施例及び各比較例について詳述する。
各実施例及び各比較例の樹脂組成物の製造に用いる溶融混練機として、二軸押出機(コペリオン社製、ZSK−25)を用いた。押出機のL/Dは、35とした。
二軸押出機の構成は、原料が流れる方向について上流側に第1原料供給口、該第1原料供給口よりも下流に第1真空ベント、該第1真空ベントよりも下流に第2原料供給口、該第2原料供給口よりも下流に第2真空ベントを備えるものとした。
押出機のバレル設定温度は、第1原料供給口から第1真空ベントまでを320℃、第2原料供給口よりも下流を280℃の設定とし、スクリュー回転数300rpm、押出レート15kg/hの条件で樹脂組成物のペレットを製造した。
図1に、実施例及び比較例の樹脂組成物を製造するのに用いた押出機のバレル構成の概要について説明する図を示す。
上記の通り設定した二軸押出機に、(a)成分〜(g)成分を表1に示す通りに二軸押出機に供給し、樹脂組成物のペレットを得た。
各実施例及び各比較例について、前述の測定方法(1)〜(4)により物性試験を行った。
結果を表1に示す。

0110

実施例

0111

表1に示す通り、実施例の樹脂組成物は、比較例の樹脂組成物と比較して、吸水寸法変化が小さく、低温衝撃性、ウエルド強度、摺動性に優れることがわかった。

0112

本発明によれば、吸水寸法変化が小さく、低温衝撃性、ウエルド強度、摺動性に優れた熱可塑性樹脂組成物及び成形体を得ることができる。本発明の樹脂組成物を含む成形体は、自動車部品、電気機器の内外装部品、その他の部品等として好適に用いられる。

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